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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】景品獲得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20220616BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
A63F9/30 501B
A63F9/00 513
A63F9/00 508H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020213418
(22)【出願日】2020-12-23
(62)【分割の表示】P 2019081134の分割
【原出願日】2015-02-10
(65)【公開番号】P2021049420
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】椎野 隆司
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】結城 まどか
(72)【発明者】
【氏名】八城 雄太
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 慎也
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-330546(JP,A)
【文献】特開2013-022218(JP,A)
【文献】特開2004-329758(JP,A)
【文献】特開平06-259444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04, 7/02, 9/00- 9/20
A63F 9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤ操作に基づいて景品を取得する景品獲得ゲーム装置であって、
景品を収容する収容空間を有する筐体と、
前記収容空間において景品の獲得動作を行う景品獲得部と、
光を発する発光部を制御する発光制御部と、
前記発光部の発光に関する信号の送受信を他の景品獲得ゲーム装置と行う通信部と、
自機を親機、又は親機に設定されている他の景品獲得ゲーム装置の前記通信部からの前記信号を受信する子機に設定する通信設定部と、を備え、
前記発光制御部は、
前記子機に設定されている場合には、親機からの前記信号に応じて前記発光部の発光を制御する第1設定、又は親機からの前記信号に関わらず前記発光部の発光を制御する第2設定に応じて前記発光部の発光を制御し、
前記第1設定に設定されている場合に親機からの前記信号を受信してから前記発光部の発光を開始するまでの期間を、前記第1設定に設定されている他の景品獲得ゲーム装置と異ならせることが可能であり、
前記通信部は、
前記第1設定又は前記第2設定のいずれであっても、自機を経由することにより親機からの前記信号を受信可能となる前記第1設定に設定されている他の景品獲得ゲーム装置に対して、親機からの前記信号を転送可能であることを特徴とする景品獲得ゲーム装置。
【請求項2】
プレーヤ操作に基づいて景品を取得する景品獲得ゲーム装置であって、
景品を収容する収容空間を有する筐体と、
前記収容空間において景品の獲得動作を行う景品獲得部と、
ゲーム音を出力する音出力部を制御する音制御部と、
前記音出力部のゲーム音に関する信号の送受信を他の景品獲得ゲーム装置と行う通信部と、
自機を親機、又は親機に設定されている他の景品獲得ゲーム装置の前記通信部からの前記信号を受信する子機に設定する通信設定部と、を備え、
前記音制御部は、
前記子機に設定されている場合には、親機からの前記信号に応じて前記音出力部の出力を制御する第1設定、又は親機からの前記信号に関わらず前記音出力部から出力されない第2設定に応じて前記音出力部の出力を制御し、
前記第1設定に設定されている場合に親機からの前記信号を受信してから前記音出力部の出力を開始するまでの期間を、前記第1設定に設定されている他の景品獲得ゲーム装置と異ならせることが可能であり、
前記通信部は、
前記第1設定又は前記第2設定のいずれであっても、自機を経由することにより親機からの前記信号を受信可能となる前記第1設定に設定されている他の景品獲得ゲーム装置に対して、親機からの前記信号を転送可能であることを特徴とする景品獲得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品獲得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
景品獲得ゲーム装置として、プッシャー型の景品獲得ゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。このプッシャー型の景品獲得ゲーム装置は、プレーヤが操作部を操作することで、ターンテーブル上に載置された景品がショベルにより掬い上げられ、掬い上げられた景品が固定テーブル上に落下されるように構成されている。固定テーブル上に落下された景品は、固定テーブル上を往復移動するスライドテーブルによって景品払出口に向けて移動させられ、景品払出口に落下した場合に払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-11872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプッシャー型の景品獲得ゲーム装置では、固定テーブル上に落下された景品が景品払出口に落下するかどうかについての不確実性が高く、景品獲得ゲームへの興趣が削がれるといった問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、景品獲得に対する期待度を向上させることが可能な景品獲得ゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、一定方向に回転するターンテーブルに載置された景品を操作部からの操作入力に基づき動作する移送部によって移送し、移送された景品を景品払出口に落下させて払い出す景品獲得ゲーム装置であって、移送された前記景品を前記景品払出口に誘導する誘導手段を含み、前記誘導手段は、前記景品を前記景品払出口に落下させる第1状態と、前記景品を前記ターンテーブルに落下させる第2状態とが切り替わるように構成されていることを特徴とする景品獲得ゲーム装置に関する。
【0007】
本発明によれば、誘導手段の状態が第1状態となるタイミングを見計らって景品を移送する操作を行うことで当該景品を獲得することが可能となり、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0008】
(2)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記誘導手段は、前記景品を前記景品払出口に誘導する誘導路を含み、前記誘導路の少なくとも一部を駆動することで、前記第1状態と前記第2状態とが切り替わるように構成されていてもよい。
【0009】
本発明によれば、誘導路の動きを見ながら第1状態となるタイミングを見計らって景品を移送する操作を行うことで当該景品を獲得することが可能となり、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0010】
(3)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記誘導手段は、前記誘導路を構成する互いに平行に設けられた一対のレールの間隔を、前記景品が前記一対のレール上を転
動する第1間隔と、前記景品が前記一対のレール上を転動しない第2間隔との間で変化させることで、前記第1状態と前記第2状態とが切り替わるように構成されていてもよい。
【0011】
本発明によれば、一対のレールの間隔の変化を見ながら第1状態となるタイミングを見計らって景品を移送する操作を行うことで当該景品を獲得することが可能となり、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0012】
(4)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記誘導路の最小間隔、最大間隔、動作周期及び動作速度の少なくとも1つを設定する手段を更に含んでもよい。
【0013】
本発明によれば、誘導路(一対のレール)の最小間隔、最大間隔、動作周期及び動作速度の少なくとも1つを変更することで容易にペイアウト調整を行うことができる。
【0014】
(5)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記誘導手段は、前記景品を前記景品払出口に誘導する誘導路と、前記誘導路を通過した前記景品の前記景品払出口への落下を阻む妨害部材とを含み、前記誘導路と前記景品払出口の間に前記妨害部材が位置しない状態と位置する状態とを切り替えることで、前記第1状態と前記第2状態とが切り替わるように構成されていてもよい。
【0015】
本発明によれば、妨害部材の位置を見ながら第1状態となるタイミングを見計らって景品を移送する操作を行うことで当該景品を獲得することが可能となり、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0016】
(6)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記妨害部材は、前記誘導路上で停止された前記景品を前記ターンテーブルに落下させるための景品落下部材を有してもよい。
【0017】
(7)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記妨害部材は、前記ターンテーブルの周縁部の一部に設けられていてもよい。
【0018】
本発明によれば、ターンテーブルの回転とともに移動する妨害部材の位置を見ながら第1状態となるタイミングを見計らって景品を移送する操作を行うことで当該景品を獲得することが可能となり、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0019】
(8)また本発明に係る景品獲得ゲーム装置では、前記誘導手段は、前記第1状態と前記第2状態とが一定の規則に従って切り替わるように構成されていてもよい。
【0020】
本発明によれば、一定の規則に従って切り替わる誘導手段の状態が第1状態となるタイミングを見計らって景品を移送する操作を行うことで当該景品を獲得することが可能となり、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態の景品獲得ゲーム装置の正面図である。
図2図1の景品獲得ゲーム装置の平面図である。
図3図1の一ステーションの拡大平面図である。
図4】(A)はゲーム空間に配置された収容容器を示す図、(B)は収容容器の斜視図、(C)はその概略平面図である。
図5】(A)は景品供給部の斜視図、(B)はその側面図である。
図6】(A)は景品棚のスライド開始状態を示す側面図であり、(B)は景品棚の回転状態を示す側面図である。
図7】スライドテーブルの往復移動について説明するための図である。
図8】スライドテーブル駆動部の平面図である。
図9】固定テーブルの平面図である。
図10】スライドテーブルの平面図である。
図11】スライドテーブルの位置検出について説明するための図である。
図12】スライドテーブルの中心位置の位置決めを行う手法について説明するための図である。
図13】本実施形態の景品獲得ゲーム装置の機能ブロック図である。
図14】駆動開始時のスライドテーブルの動作について説明するための図である。
図15】ショベルの掬い上げ動作について説明するための図である。
図16】ショベルの景品落下動作について説明するための図である。
図17】通信ケーブルを介して接続された複数の景品獲得ゲーム装置を示す図である。
図18】スライドテーブルに連結された延長テーブルを示す図である。
図19】固定テーブルと景品払出口の間に設けた貯留部を示す図である。
図20】誘導手段の第1の例を示す図である。
図21】球状の景品に適したショベルの例を示す図である。
図22】誘導手段の第2の例を示す図である。
図23】固定テーブルと景品払出口の間に設けたローラースライダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0023】
図1は、本実施形態の景品獲得ゲーム装置の正面図であり、図2はその平面図である。景品獲得ゲーム装置1は、景品獲得ゲームを行う4つのステーション10が設けられ、4人同時にプレーすることができるように構成されている。4つのステーション10は放射状に配列されている。
【0024】
各ステーション10の筐体12上部は、ドーム状の透明部材14で構成されており、プレーヤが景品獲得ゲーム装置1の内部の状態を視認できるようになっているとともに、景品獲得ゲーム装置1の内部を触れることができないようになっている。これにより、筐体12の内部にゲーム空間(ゲームフィールド)が形成されている。
【0025】
図3に示すように、筐体12内部のゲーム空間には、各ステーション10に跨って多数の景品Gが載置されるターンテーブル20が設けられている。ターンテーブル20は、一定方向に一定速度で回転する。
【0026】
各ステーション10には、景品Gを移送する移送部として機能するショベル22とアーム24が設けられている。ショベル22は、ターンテーブル20に載置された景品Gを掬い上げるためのものであり、アーム24によってターンテーブル20側の掬い上げ位置と景品Gを落下させる景品落下位置との間を移動可能に設けられている。景品落下位置の下方には、複数の景品Gが載置されるスライドテーブル30と固定テーブル32が設けられている。
【0027】
固定テーブル32の一端側の下方には、景品払出口26が設けられている。景品払出口26は、筐体12の外周部に設けられた景品取り出し口18に連通している。スライドテーブル30は、固定テーブル32の他端側(筐体12の中心側)において、固定テーブル
32上を図3に示す矢印A方向に往復移動する。
【0028】
また、各ステーション10には、プレーヤ用操作部40が設けられている。プレーヤ用操作部40には、コイン投入口42や、ショベル22に掬い動作を行わせるための第1スイッチ44、ショベル22に景品落下動作を行わせるための第2スイッチ46が設けられている。
【0029】
プレーヤが、コイン投入口42にコインを投入し、第1スイッチ44を操作してショベル22によりターンテーブル20上の景品を掬い上げ、第2スイッチ46を操作して掬い上げた景品Gをスライドテーブル30上に落下させると、スライドテーブル30上の景品G及び固定テーブル32上の景品Gが、スライドテーブル30の往復移動によって景品払出口26側に押し出されて景品払出口26に落下することで、景品Gが獲得できるように構成されている。
【0030】
ゲーム空間(ターンテーブル20やスライドテーブル30等)への景品の補充は、透明部材14の下部に設けられたハンドル16を掴んで透明部材14を上方に持ち上げることで行うことができる。また、透明部材14にはメンテナンス用ハッチ19が設けられており、このメンテナンス用ハッチ19を開けて景品を補充することもできる。透明部材14にメンテナンス用ハッチ19を設けることで、透明部材14を持ち上げることなく安全且つ容易に景品を補充することができる。
【0031】
図4(A)に示すように、ゲーム空間の中央部には、展示用の景品を収容する収容容器28が放射状に複数配置されている。図4(B)は、収容容器28の斜視図であり、図4(C)は、その概略平面図である。図4(B)に示すように、収容容器28は、前面及び背面が湾曲した箱形の透明容器であり、前面パネル28aがヒンジ28bを中心に回転することで、前面パネル28aが開閉可能に構成されている。図4(C)に示すように、収容容器28の内部に空間を仕切る仕切部材29を配置し、前面パネル28a側の空間に複数の景品Gを収容することで、サイズの小さな景品Gであっても見栄え良く展示することができる。
【0032】
本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、ゲーム空間内の景品払出口26の上方に、ジャックポット用の景品供給部を設けることができる。図5(A)は、景品供給部の斜視図であり、図5(B)はその側面図である。景品供給部50は、景品が載置される複数の景品棚52と、各景品棚52を支持する支持部材54を含む。景品供給部50は、一対の支柱51によって支持され、一対の支柱51は、景品払出口26の両側に取り付けられる。
【0033】
各景品棚52の両側部には係合ピン53a、53bが側方に突出して設けられている。また、支持部材54には、係合ピン53aを受け入れる第1溝部55aと、係合ピン53bを水平方向にスライド可能且つ回転可能に受け入れる第2溝部55bが設けられている。また、支持部材54には、複数の景品棚52に対応する数の可動部材56が設けられている。可動部材56は、支持軸56a周りに回転可能に設けられている。各可動部材56の先端には紐57が取り付けられ、各紐57の先端には、固定テーブル32に載置される錘58が取り付けられている。
【0034】
固定テーブル32上に載置された錘58が、スライドテーブル30の往復移動によって景品払出口26に落下すると、錘58の重量が紐57を介して可動部材56に伝達されて可動部材56が支持軸56a周りに回転し、可動部材56の回転によって、図6(A)に示すように、景品棚52が前方に移動する。これにより、図6(B)に示すように、係合ピン53aが第1溝部55aから脱落し、景品棚52の前端側が係合ピン53bを軸に下方に回転し、景品棚52に載置された景品が景品払出口26に落下して払い出されるよう
になっている。支持部材54には、各可動部材56の回転を検出するセンサが複数設けられ、これらのセンサによって、複数の景品棚52のうちいずれの景品棚52から景品が払い出されたか(ジャックポットが発生したか)が検出される。
【0035】
図5(A)に示すように、景品供給部50には最大で3つの景品棚52を取り付けることができる。これにより、ジャックポット用の景品の見栄えを良くすることができる。また、景品供給部50に1つ又は2つの景品棚52を取り付けてもよい。また、景品棚52よりも大きな横幅(景品棚52の凡そ3倍の横幅)を有する景品棚を景品供給部50に取り付けることもでき、景品の種類や大きさ、形状に合わせて、景品供給部50の景品棚の構成を最適化することができる。
【0036】
本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、スライドテーブル30の往復移動のストローク(ストローク幅、ストローク長さ)の値を変更(調整)可能に構成している。ストロークの設定値は、最小値(例えば、25mm)から最大値(例えば、66mm)まで所定ステップ(例えば、2mm)で設定することができる。図7に示すように、スライドテーブル30は、往復移動において、設計上の中心位置CPからストロークSTの設定値の1/2ずつ前後に移動する。ここでは、中心位置CPを、スライドテーブル30の先端位置の往復移動の振幅中心として図示している。例えば、ストロークSTの設定値が「25mm」の場合には、スライドテーブル30は中心位置CPから12mmずつ前後に移動し、ストロークSTの設定値が「66mm」の場合には、スライドテーブル30は中心位置CPから33mmずつ前後に移動する。このように、スライドテーブル30は、中心位置CPを基準として設定値に従って往復移動するため、スライドテーブル30の駆動制御では、中心位置CPの位置決めを行う必要がある。
【0037】
図8は、スライドテーブル30を駆動するスライドテーブル駆動部の平面図である。スライドテーブル駆動部60は、モータ61と、モータの回転運動をスライドテーブル30の往復運動に変換するリンク機構とを含む。リンク機構は、ドライブギア62、メインギア63、第1ロッド64、第1シャフト64a、第2ロッド65、第2シャフト65a及び第3シャフト66とを含む。
【0038】
モータ61には、パルス信号により制御されるステッピングモータを採用している。モータ61の回転軸にはドライブギア62が接続される。ドライブギア62にはメインギア63が噛み合わされ、メインギア63には、第1ロッド64の一端側が第1シャフト64a周りに回転可能に接続される。第2ロッド65の一端側は第2シャフト65a周りに回転可能にベース部材69に設けられている。第1ロッド64の他端側と第2ロッド65の他端側は第3シャフト66を介して接続される。モータ61の回転軸が正方向及び逆方向に交互に回転すると、第3シャフト66は図中矢印B方向に円弧状に往復移動する。
【0039】
図9に示すように、固定テーブル32は、スライドテーブル駆動部60の上方に設けられる。4つの固定テーブル32は、接続部材33を介して接続される。接続部材33には、第3シャフト66が貫通する開口34が設けられている。開口34は、第3シャフト66の移動軌跡に沿って湾曲した形状となっており、第3シャフト66が円弧状に往復移動しても固定テーブル32は移動しないように構成されている。
【0040】
図10に示すように、スライドテーブル30(30a、30b、30c、30d)は、固定テーブル32の上方に設けられる。スライドテーブル30aと、スライドテーブル30aと対向するスライドテーブル30bは、接続部材35を介して接続され、スライドテーブル30cと、スライドテーブル30cと対向するスライドテーブル30dは、接続部材37を介して接続される。接続部材35には、第3シャフト66が貫通する長方形の開口36が設けられ、接続部材37には、第3シャフト66が貫通する長方形の開口38が
設けられている。開口36の長手方向は、スライドテーブル30a、30bの移動方向と直交し、開口36の長手方向の幅は、第3シャフト66の移動軌跡の図中左右方向成分と等しくなっている。同様に、開口38の長手方向は、スライドテーブル30c、30dの移動方向と直交し、開口38の長手方向の幅は、第3シャフト66の移動軌跡の図中上下方向成分と等しくなっている。
【0041】
開口36によって、第3シャフト66の円弧状の往復運動は、スライドテーブル30a、30bの図中上下方向の往復直線運動に変換され、同様に、開口38によって、第3シャフト66の円弧状の往復運動は、スライドテーブル30c、30dの図中左右方向の往復直線運動に変換される。スライドテーブル30a、30bは背面対向しているため、スライドテーブル30aが前方(プレーヤ側)に移動する際には、スライドテーブル30bは後方(筐体12の中心側)に移動し、スライドテーブル30aが後方に移動する際には、スライドテーブル30bは前方に移動する。同様に、スライドテーブル30cが前方に移動する際には、スライドテーブル30bは後方に移動し、スライドテーブル30cが後方に移動する際には、スライドテーブル30dは前方に移動する。
【0042】
再び図8の説明に戻ると、ベース部材69には、第3シャフト66(リンク機構の可動部)の位置を検出するための4つのセンサ67(67a、67b、67c、67d)が設けられている。また、第2ロッド65には、平板状のドグ68がセンサ67側に突出するように設けられている。4つのセンサ67は、第3シャフトの円弧状の往復運動に伴って移動するドグ68の通過経路に沿って配列されて設けられている。各センサ67には、対向する発光部と受光部を有するフォトインタラプタが採用され、各センサ67において、発光部からの光をドグ68が遮ることを受光部で検出することで、第3シャフト66の位置を検出する。なお、ドグ68の長手方向の幅は、隣接する2つのセンサ67で同時に検出可能な幅となっている。上述したように、第3シャフト66の円弧状の往復運動は、スライドテーブル30の往復直線運動に変換されるため、第3シャフト66の位置が分かれば、スライドテーブル30の位置も分かる。
【0043】
例えば、ドグ68の通過(ドグ68による遮光)がセンサ67aのみで検出された場合(図11(A))や、ドグ68の通過がセンサ67a、67bで検出された場合には、スライドテーブル30a、30cが中心位置CP(振幅中心)よりも前方側(第1方向側)に位置し、スライドテーブル30b、30dが中心位置CPよりも後方側(第2方向側)に位置している(図10で示す状態)ことが分かる。また、ドグ68の通過がセンサ67b、67cで検出された場合(図11(B))には、各スライドテーブル30が中心位置CP付近に位置していることが分かる。また、ドグ68の通過がセンサ67c、67dで検出された場合や、ドグ68の通過がセンサ67dのみで検出された場合(図11(C))には、スライドテーブル30a、30cが中心位置CPよりも後方側に位置し、スライドテーブル30b、30dが中心位置CPよりも前方側に位置していることが分かる。このように、リンク機構の可動部の位置を検出するセンサからの検出信号に基づいてスライドテーブル30の位置を検出するように構成することで、サーボモータのような高価な駆動部品を用いずに、安価にスライドテーブル30の位置検出を実現することができる。
【0044】
次に、図12を用いて、スライドテーブル30の中心位置CPの位置決めを行う手法について説明する。例えば、ドグ68が図中左側から右側へ移動している場合には、ドグ68の通過がセンサ67bで検出された後センサ67cで検出された時点(図12(A))から、ドグ68の通過がセンサ67bで検出されなくなる時点(図12(B))までにモータ61に入力されたパルス数をカウントする。また、ドグ68が図中右側から左側へ移動している場合には、ドグ68の通過がセンサ67cで検出された後センサ67bで検出された時点(図12(B))から、ドグ68の通過がセンサ67cで検出されなくなる時点(図12(A))までにモータ61に入力されたパルス数をカウントする。そして、ド
グ68の通過がセンサ67bで検出された後センサ67cで検出された時点(或いは、ドグ68の通過がセンサ67cで検出された後センサ67bで検出された時点)からカウント値の半分の数のパルスをモータ61に入力したときのスライドテーブル30の位置を中心位置CPとして検出する。例えば、ドグ68の通過がセンサ67cで検出された時点からセンサ67bで検出されなくなる時点までにモータ61に10パルスが入力された場合には、ドグ68の通過がセンサ67bで検出された後センサ67cで検出された時点(或いは、ドグ68の通過がセンサ67cで検出された後センサ67bで検出された時点)から5パルスだけモータ61に入力すればスライドテーブル30が中心位置CPに位置することになる。本実施形態のスライドテーブル制御部は、このようにスライドテーブル30の中心位置を検出しながら、中心位置を基準としてストロークの設定値に従ってスライドテーブル30を往復移動させる制御を行う。すなわち、スライドテーブル制御部は、中心位置を検出した時点からストロークの設定値の1/2に対応する数のパルスをモータ61に入力してモータ61を正回転させ、その後逆回転させて再び中心位置を検出した時点からストロークの設定値の1/2に対応する数のパルスをモータ61に入力してモータ61を逆回転させ、その後正回転させることを繰り返すことで、スライドテーブル30を往復移動させる。
【0045】
図13に、本実施形態の景品獲得ゲーム装置1の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図13の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0046】
景品獲得ゲーム装置1は、コイン検出部150と、操作部160と、センサ67と、処理部100と、記憶部170と、駆動部180と、照明部190と、音出力部192と、通信部196とを含む。操作部160は、プレーヤ用操作部40と、メンテナンス用操作部162とを含む。処理部100は、ターンテーブル制御部110、ストローク設定部112と、位置検出部114と、スライドテーブル制御部116と、ショベル制御部118と、照明制御部120と、音制御部130とを含む。駆動部180は、ターンテーブル20を駆動するモータと、スライドテーブルを駆動するモータ61と、ショベル22を駆動するモータと、アーム24を駆動するモータとを含む。
【0047】
ターンテーブル制御部110は、駆動部180に制御信号を出力して、ターンテーブル20を一定方向に回転させる駆動制御を行う。ここで、オペレータは、メンテナンス用操作部162を操作して、ターンテーブル20とスライドテーブル30の動作周期(速度)を設定することができる。本実施形態では、オペレータは、ターンテーブル20の動作周期を50秒(50秒で一回転)とし、スライドテーブル30の動作周期を5秒(5秒で一往復)とする「High」モードと、ターンテーブル20の動作周期を60秒とし、スライドテーブル30の動作周期を6秒とする「Low」モードの2つのモードのいずれか一方を選択して設定することができる。従来の景品獲得ゲーム装置では、テーブルを駆動するモータとしてACモードを採用しているため、電源周波数が60Hzの地域と50Hzの地域とでテーブルの動作周期が異なっていた。本実施形態では、テーブル(ターンテーブル20、スライドテーブル30)を駆動するモータとしてDCモータを採用しているため、電源周波数によってテーブルの動作周期は変化しないが、「High」モードを選択することで電源周波数が60Hzの地域での従来のテーブルの動作を再現することができ、「Low」モードを選択することで電源周波数が50Hzの地域での従来のテーブルの動作を再現することができる。
【0048】
ストローク設定部112は、メンテナンス用操作部162からの操作入力に基づいて、スライドテーブル30の往復移動のストロークを設定する。位置検出部114は、センサ67からの検出信号に基づいて、スライドテーブル30の位置を検出する。
【0049】
スライドテーブル制御部116は、位置検出部114で検出されたスライドテーブル3
0の位置と、ストローク設定部112で設定されたストロークとに基づいて、駆動部180に制御信号を出力して、スライドテーブル30を、中心位置CPを基準として設定されたストロークで(且つ、メンテナンス用操作部162で設定された動作周期で)往復移動させる駆動制御を行う。
【0050】
ショベル制御部118は、プレーヤ用操作部40からの操作入力に基づいて、駆動部180に制御信号を出力して、ショベル22及びアーム24の駆動制御を行う。ショベル制御部118は、コイン検出部150がコインの投入を検知した後、第1スイッチ44からの入力信号があった場合に、アーム24によってショベル22をターンテーブル20上の掬い上げ位置に移動させ、ショベル22に景品の掬い上げ動作を行わせ、アーム24によってショベル22をスライドテーブル30上方の景品落下位置に移動させる。その後、第2スイッチ46からの入力信号があった場合に、ショベル22に景品落下動作を行わせる。
【0051】
なお、景品払出口26には、景品払出口26を塞ぐシャッターが設けられており、処理部100は、コイン検出部150がコインの投入を検知した後に、当該シャッターを開く制御を行い、また、第2スイッチ46が操作されてから所定時間が経過した後に、当該シャッターを閉じる制御を行う。ここで、オペレータは、メンテナンス用操作部162を操作することで、第2スイッチ46が操作されてからシャッターが閉じるまでの時間を延長(初期値の12秒から30秒に変更)することができる。シャッターが閉じるまでの時間を延長することで、シャッターが閉じた後に固定テーブル32から景品やジャックポット用の錘58が落下したために景品をプレーヤに提供できないといった状況が発生する頻度を低減することができる。
【0052】
照明制御部120は、照明部190に制御信号を出力して、景品獲得ゲーム装置1に設けられた照明機器を点灯させる制御を行う。照明機器(カラーLED及び白色LED)は、筐体12の外周部、ターンテーブル20の内周部及び外周部、収容容器28の下方及び上方のそれぞれに設けられている。照明制御部120は、メンテナンス用操作部162で設定されたパターン(色、点滅タイミング等)に従って各照明機器を点灯させる制御を行う。
【0053】
音制御部130は、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192(筐体12に設けられたスピーカー)に出力する。音制御部130は、メンテナンス用操作部162で設定された種類のBGMを音出力部192から出力させる。
【0054】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0055】
通信部196は、他の景品獲得ゲーム装置やサーバとの通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0056】
上述したように、本実施形態では、スライドテーブル30のストロークを、設計上の最大ストロークから最小ストロークまでの範囲内で任意に設定することができる。プッシャー型の景品獲得ゲーム装置では、一度に大量の景品が景品払出口26に落下するように、固定テーブル32上のスライドテーブル30が届かない位置に景品を積み重ねて載置する運営が行われている。図14(A)に示すように、スライドテーブル30の設定ストロークSを、最大ストロークSmaxよりも小さくしていた場合、仮に、装置起動後に実行されるスライドテーブル30の位置決め動作(上述した、中心位置CPを検出する動作)
時に、スライドテーブル30が設定ストロークSよりも大きなストロークで動作してしまうと、設定ストロークSの範囲外(且つ、最大ストロークSmaxの範囲内)に載置された景品Gが固定テーブル32から落下してしまい、固定テーブル32への景品Gの載置作業をやり直さなければならないといった問題が生じる。
【0057】
そこで、このような問題の発生を防止するために、本実施形態のスライドテーブル制御部116は、スライドテーブル30の駆動開始時(景品獲得ゲーム装置1の起動後のイニシャライズ実行時)に、スライドテーブル30上の任意の点が当該任意の点の往復移動の振幅中心に近づく方向(スライドテーブル30の先端位置が中心位置CPに近づく方向)に、スライドテーブル30の往復移動を開始させる制御を行う。
【0058】
すなわち、スライドテーブル制御部116は、スライドテーブル30の駆動開始時に、位置検出部114によってスライドテーブル30が中心位置CPよりも前方側(第1方向側)に位置していると判断された場合には、後方(第1方向と反対の第2方向)にスライドテーブル30の往復移動を開始させ(図14(B))、スライドテーブル30が中心位置CPよりも後方側に位置していると判断された場合には、前方にスライドテーブル30の往復移動を開始させる(図14(C))。これにより、スライドテーブル30の駆動開始時にスライドテーブル30が設定ストロークSよりも大きなストロークで動作することを防止し、設定ストロークSの範囲外に載置された景品Gが固定テーブル32から落下してしまうことがないようにすることができる。また、第1のステーション10に設けられたスライドテーブル30のみならず、第1のステーション10と背面対向する第2のステーション10に設けられたスライドテーブル30が設定ストロークSよりも大きなストロークで動作することも防止することができる。
【0059】
本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、オペレータは、メンテナンス用操作部162を操作して、「ノーマルゲーム」と「イージーゲーム」の2つのゲームモードのいずれか一方を選択して設定することができる。「ノーマルゲーム」では、ショベル制御部118は、コインが投入され第1スイッチ44が操作された場合に、ショベル22をターンテーブル20上の掬い上げ位置に移動させ、ショベル22に景品の掬い上げ動作を行わせる。一方、「イージーゲーム」では、ショベル制御部118は、予めショベル22をターンテーブル20上の掬い上げ位置に移動(待機)させておき、コインが投入され第1スイッチ44が操作された場合に、ショベル22に景品の掬い上げ動作を行わせる。「イージーゲーム」では、第1スイッチ44の操作時においてターンテーブル20上の景品とショベル22との距離を近づけることができ、ユーザが狙った景品を掬い易くさせてゲームの難易度を下げることができる。
【0060】
また本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、オペレータは、メンテナンス用操作部162を操作して、ショベル22による掬い易さの設定を変更することができる。図15に示すように、ショベル22の掬い上げ動作では、ショベル22が開いた状態(図中実線で示す状態)から閉じた状態(図中点線で示す状態)に変位する。掬い易さの設定が「OFF」に設定された場合には、ショベル制御部118は、掬い上げ動作において、ショベル22が開いた状態から閉じた状態に至るまでショベル22を停止させない。一方、掬い易さの設定が「ON」に設定された場合には、ショベル制御部118は、掬い上げ動作において、ショベル22が開いた状態と閉じた状態との間の状態である、ショベル22の先端部がターンテーブル20に最も接近する状態(図中一点鎖線で示す状態)で、所定時間だけショベル22の動作を停止させる。ショベル22の先端部がターンテーブル20に最も接近する状態(掬い上げ動作の途中)でショベル22の動作を一時停止することで、ショベル22に向かって移動するターンテーブル20上の景品がショベル22の中に入り易くなるため、ゲームの難易度を下げることができる。なお、掬い易くするために、掬い上げ動作におけるショベル22の動きを遅くすることが考えられるが、このようにすると、掬
い上げ動作のタイミングが変わってしまい、ユーザが狙った景品を掬えないといった問題が発生し得るため、本実施形態では、掬い上げ動作の途中でショベル22の動作を一時停止する手法を採用している。
【0061】
また、本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、オペレータは、メンテナンス用操作部162を操作して、ショベル22の景品落下動作による景品の落下位置の調整を行うことができる。図16に示すように、ショベル22の景品落下動作では、ショベル22が閉じた状態(図中実線で示す状態)から開いた状態(図中点線で示す状態)に変位する。落下位置調整が「OFF」に設定された場合には、ショベル制御部118は、景品落下動作において、ショベル22が閉じた状態から開いた状態に至るまでショベル22を停止させない。この場合、景品はショベル22が開いた状態となる寸前に落下することが多くなるため、景品はスライドテーブル30の図中右寄りに落下し易くなり、景品の落下位置が偏ってしまう。一方、落下位置調整が「ON」に設定された場合には、ショベル制御部118は、景品落下動作において、ショベル22が開いた状態と閉じた状態との間の状態(図中一点鎖線で示す状態)で、所定時間だけショベル22の動作を停止させる。景品落下動作の途中でショベル22の動作を一時停止すると、景品は景品落下動作の途中で(ショベル22が開いた状態になる前)に落下することが多くなるため、景品はスライドテーブル30の中央寄りに落下し易くなり、景品の落下位置を均等にすることができる。また、落下位置調整が「ON」に設定された場合に、ショベル制御部118は、景品落下動作におけるショベル22の動きを、落下位置調整が「OFF」に設定された場合よりも遅くする制御を行ってもよい。このようにしても、ショベル22の動作を一時停止する場合と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、オペレータは、メンテナンス用操作部162に景品の原価を入力することで、景品の原価率を管理することができる。処理部100は、メンテナンス用操作部162から入力された、各ステーションの景品供給部50に載置されたジャックポット用景品の原価Cと、ターンテーブル20に補充された景品の原価Cに基づいて、下式により各ステーションの景品原価率CRを算出する。
【0063】
CR=((C×N+C/N)/S)×100
ここで、Nは、各ステーションの景品供給部50に設けられたセンサで検出された各ステーションでのジャックポットの払出し回数であり、Sは、コイン検出部150の検出結果に基づき算出された各ステーションの売上額である。また、Nは、景品獲得ゲーム装置1に設けられたステーションの数であり、本実施形態では「4」となる。
【0064】
また本実施形態では、複数の景品獲得ゲーム装置1を通信ケーブルを介して直列に接続することで、当該複数の景品獲得ゲーム装置1間で照明演出とBGMを連動させることができる。景品獲得ゲーム装置1には、通信ケーブルを差し込むA端子(IN端子)とB端子(OUT端子)が設けられている。例えば、景品獲得ゲーム装置1aと景品獲得ゲーム装置1bを接続する場合、通信ケーブルの一端側を景品獲得ゲーム装置1aのB端子に接続し、通信ケーブルの他端側を景品獲得ゲーム装置1bのA端子に接続する。更に景品獲得ゲーム装置1cを接続する場合には、別の通信ケーブルの一端側を景品獲得ゲーム装置1bのB端子に接続し、通信ケーブルの他端側を景品獲得ゲーム装置1cのA端子に接続する。この場合、A端子に通信ケーブルが接続されていない景品獲得ゲーム装置1aが「親機」となり、A端子に通信ケーブルが接続されている景品獲得ゲーム装置1b、1cは「子機」となる。
【0065】
親機となった景品獲得ゲーム装置1aは、自身が親機であることを通知する情報をB端子から送信する。景品獲得ゲーム装置1bは、A端子でこの情報を受信すると、自身が1番目の子機であることを通知する情報をB端子から送信する。景品獲得ゲーム装置1cは
、B端子に通信ケーブルが接続されていないため、A端子でこの情報を受信すると自身が2番目の子機であることを通知する情報をA端子から送信する。景品獲得ゲーム装置1bは、B端子で受信した情報をA端子から送信(転送)し、景品獲得ゲーム装置1aは、B端子で受信した情報に基づき2台の子機が接続されていることを把握する。親機と各子機にはIDが割り当てられ、例えば、親機にはID「0」、1番目の子機にはID「1」、2番目の子機にはID「2」がそれぞれ割り当てられる。
【0066】
照明演出の設定は、親機と子機のそれぞれのメンテナンス用操作部162で行う。親機では、照明演出の種類として「同期」と「連携」のいずれか一方を選択して設定することができる。照明演出として「同期」が設定された場合には、親機は子機に対して、照明の色、演出方法及び演出タイミングが親機の設定と同一となるように指示する情報をB端子から送信する。また、照明演出として「連携」が設定された場合には、親機は子機に対して、親機で設定された連携用の演出パターン(発光パターン)に合わせて指示情報をB端子から送信する。子機では、親機の指示に従う「従属」か、親機の指示に従わない「独立」のいずれか一方を選択して設定することができる。「従属」が設定された子機では、A端子で受信した指示情報に従って照明を制御するとともに、受信した指示情報をB端子から送信(転送)する。「独立」が設定された子機では、受信した指示情報をB端子から送信(転送)し、子機自身に設定された内容に従って照明制御を行う。
【0067】
例えば、連携用の発光パターンとして「赤の中を白が流れる」というパターンが親機に設定されていたとする。この発光パターンは、データとして、発光の色と順序を規定する以下A~Eに示す複数のパターンを持つ。
【0068】
A:白→赤→赤→赤→赤→(最初に戻る)
B:赤→白→赤→赤→赤→(最初に戻る)
C:赤→赤→白→赤→赤→(最初に戻る)
D:赤→赤→赤→白→赤→(最初に戻る)
E:赤→赤→赤→赤→白→(最初に戻る)
【0069】
親機にID「1」~「7」の子機が接続されていたとすると、親機はこのパターンデータに基づいて、ID「1」の子機はAに従い発光し、ID「2」の子機はBに従い発光し、ID「3」の子機はCに従い発光し、ID「4」の子機はDに従い発光し、ID「5」の子機はEに従い発光し、ID「6」の子機はAに従い発光し、ID「7」の子機はBに従い発光することを指示する指示情報を送信し、各子機は指定されたそれぞれのパターンに従って照明制御を行う。なお、親機は、例えばカラフルに発光するパターンに従って照明制御を行う。このようにすると、赤色に発光する複数の子機において白色に発光する子機が接続順に引き継がれていくような照明演出を行うことができる。
【0070】
BGMについては、親機は子機に対して、親機に設定された種類のBGMを同期して出力するように指示する情報をB端子から送信し、子機は、A端子で受信した指示情報に従ってBGMを出力するとともに、受信した指示情報をB端子から送信(転送)する。但し、BGM出力の設定が「OFF」となっている子機では、指示情報の転送のみ行われ、BGMは出力されない。
【0071】
図17(A)に示すように、親機である景品獲得ゲーム装置1aに景品獲得ゲーム装置1b~1dが子機として接続されている状況において、図17(B)に示すように、景品獲得ゲーム装置1bと景品獲得ゲーム装置1cの間の通信が切断した場合には、景品獲得ゲーム装置1cのA端子に通信ケーブルが接続されていないと判定されるため、景品獲得ゲーム装置1cが新たに親機となり、景品獲得ゲーム装置1dは景品獲得ゲーム装置1cに従う子機となる。なお、図17(A)に示す例において、景品獲得ゲーム装置1dのB
端子と景品獲得ゲーム装置1aのA端子が通信ケーブルで接続された場合には、「ループ状態」になったと判定され、各装置に設定された内容に従ってそれぞれ照明制御とBGM出力が行われる(照明演出とBGMの連動が解消される)。
【0072】
親機からの指示情報は複数の子機において転送されるため、親機が指示情報を送信してから子機が受信するまでにかかる時間(遅延時間)は子機ごとに異なる。そこで、親機は、遅延時間を加味した指示情報を送信してもよい。例えば、指示情報が1回転送されることで0.1秒の遅延が発生すると見積もられ、3台の子機が接続されている場合には、親機は、あるコマンドをID「1」の子機は0.2秒後に実行し、ID「2」の子機は0.1秒後に実行し、ID「3」の子機は0秒後に実行することを指示する指示情報を送信する。また、ID「0」の親機自身は当該コマンドを0.3秒後に実行するようにする。このようにすると、照明演出やBGMの遅延の無い同期を実現することができる。
【0073】
また本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、図18に示すように、スライドテーブル30に延長テーブル90を連結することができる。延長テーブル90は、連結部材91を介してスライドテーブル30に連結され、固定テーブル32の底面に沿って往復移動可能に取り付けられる。スライドテーブル30と連動して往復移動する延長テーブル90を設けることで、設けない場合と比べてより多くの景品を押し出すことができるようになる。また、延長テーブル90の形状や取り付け位置を変更することで容易にペイアウト調整を行うことができる。
【0074】
また本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、図19に示すように、固定テーブル32と景品払出口26の間に貯留部92を設けることができる。貯留部92は、上部に開口を有する容器であり、その底部に設けられた軸93(スライドテーブル30の移動方向と直交する方向に延びる軸)周りに回転可能に構成されている。固定テーブル32から落下した景品は貯留部92に溜まっていき、貯留部92に溜まった景品が一定量に達した場合に、貯留部92は、その開口が景品払出口26を向く方向に回転し(図中点線で示す状態)、貯留部92に溜まっていた全ての景品が景品払出口26に落下する。貯留部92を設けることで、それまでに貯められた多くの景品を一度に獲得することが可能な景品獲得ゲームを実現できる。
【0075】
また本実施形態の景品獲得ゲーム装置1では、ショベル22及びアーム24(移送部)により移送された景品を景品払出口26に誘導する誘導手段をゲーム空間内に追加して設けることができる。誘導手段は、景品を景品払出口26に落下させる第1状態と、景品をターンテーブル20に落下させる第2状態とが切り替わるように構成されている。
【0076】
図20(A)は、誘導手段の第1の例を示す図である。図20(A)に示す誘導手段は、球状の景品Gを景品払出口26に誘導する誘導路70と、誘導路70を駆動する誘導路駆動部(図示せず)とを含む。
【0077】
誘導路70は、互いに平行に設けられた一対のレールで構成されている。この一対のレールは、少なくとも一部が景品払出口26に向けて傾斜している。誘導路駆動部は、処理部100によって制御され、誘導路70を駆動することで、景品Gを景品払出口26に落下させる第1状態と景品Gをターンテーブル20に落下させる第2状態とが切り替わるようにしている。図20(A)に示す例では、誘導路駆動部は、誘導路70(一対のレール)の間隔を、景品Gが一対のレール上を連動する第1間隔Lと、景品Gが一対のレール上を転動しない第2間隔Lとの間で周期的に(一定の規則に従って)変化させることで、第1状態と第2状態とを周期的に切り換える。第1間隔Lは、球状の景品Gの直径よりも小さい間隔であって、景品Gがレール上を転動可能な程度に大きい間隔である。また、第2間隔Lは、球状の景品Gの直径よりも大きい間隔である。なお、第2間隔L
、景品Gがレール上を転動できない程度に小さい間隔としてもよい。
【0078】
ここでは、景品Gの形状が球状であるため、ショベル22の形状を球状の景品Gを掬い易い(球状の景品Gを移送し易い)形状としている。例えば、図21(A)に示すように、ショベル22の形状を下に凸のお椀形としてもよいし、図21(B)に示すように、ショベル22の中央部に凹部23を形成した形状としてもよい。
【0079】
ショベル22の景品落下動作によってスライドテーブル30上に落下した景品Gは、スライドテーブル30と固定テーブル32のそれぞれに設けられたガイド71、72に導かれて、固定テーブル32先端側の誘導路70に向けて移動する。景品Gが誘導路70に達したときの誘導路70の間隔(誘導手段の状態が第1状態であるか第2状態であるか)によって、景品Gが誘導路70上を転動して景品払出口26に落下したり、景品Gが誘導路70に載った後(或いは、景品Gが誘導路70に載る前)にターンテーブル20に落下したりする。
【0080】
図20(A)に示す例によれば、プレーヤは誘導路70の間隔の周期的な変化を見ながら第1状態となるタイミングを見計らって第2スイッチ46を押下する操作(ショベル22に景品落下動作を行わせる操作)を行うことで景品Gを獲得することが可能となり、景品Gが景品払出口26に落下するかどうかについての不確実性を緩和して、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0081】
図20(A)に示す例において、オペレータがメンテナンス用操作部162を操作することで、誘導路70の最小間隔(第1間隔L)と最大間隔(第2間隔L)と誘導路70の動作周期及び動作速度とを設定できるように構成し、誘導路駆動部が、これらの設定情報に基づき誘導路70を駆動するように構成してもよい。また、移送された景品Gの大きさを検出するセンサを設け、誘導路駆動部が、当該センサの検出結果に基づいて誘導路70の最小間隔、最大間隔、誘導路70の動作周期及び動作速度の少なくとも1つを決定するように構成してもよい。
【0082】
また、誘導路駆動部は、誘導路70を構成する一対のレールのいずれか一方のみを移動させることで、一対のレールの間隔を変化させてもよい。また、誘導路駆動部は、一対のレールの間隔を変化させることに代えて、図20(B)に示すように、一対のレール(誘導路70)を、その間隔を第1間隔に保った状態で、長手方向に平行な軸AX回りに回転させることで、第1状態と第2状態とを切り替えるようにしてもよい。また、誘導路駆動部は、第1状態と第2状態とを周期的でないランダムなタイミングで切り換えてもよい。
【0083】
図22は、誘導手段の第2の例を示す図である。図22に示す誘導手段は、球状の景品Gを景品払出口26に誘導する誘導路80と、誘導路80を通過した景品Gの景品払出口26への落下を阻む妨害部材81とを含む。
【0084】
誘導路80は、互いに変更に設けられた一対のレールで構成されている。この一対のレールは、少なくとも一部が景品払出口26に向けて傾斜しており、一対のレールの間隔は、球状の景品Gの直径よりも小さい間隔であって、景品Gがレール上を転動可能な程度に大きい間隔である。妨害部材81は、ターンテーブル20の周縁部に設けられ、妨害部材81の一部には、景品Gが通過可能な切欠き82が設けられている。すなわち、妨害部材81は、ターンテーブル20の周縁部の一部に設けられているともいえる。図22に示す例では、切欠き82の大きさ(幅)を調整するための調整部材83が更に設けられている。妨害部材81と切欠き82はターンテーブル20の回転とともに移動(円運動)するため、ターンテーブル20の回転によって、誘導路80と景品払出口26の間に妨害部材81が位置していない状態(図22に示すように、誘導路80と景品払出口26の間に切欠
き82が位置している状態)と位置している状態とが周期的(一定の規則に従って)に切り替わることで、景品Gを景品払出口26に落下させる第1状態と景品Gをターンテーブル20に落下させる第2状態とが周期的に切り替わるように構成されている。
【0085】
ショベル22の景品落下動作によってスライドテーブル30上に落下した景品Gは、スライドテーブル30に設けられたガイド71に導かれて誘導路80に向けて移動し、誘導路80上を転動する。景品Gが誘導路80の先端に達したときに、誘導路80と景品払出口26の間に切欠き82が位置していれば(妨害部材81が位置していなければ)、景品Gは切欠き82を通過して景品払出口26に落下する。一方、景品Gが誘導路80の先端に達したときに、誘導路80と景品払出口26の間に妨害部材81が位置していれば、景品Gは妨害部材81によって移動を阻まれて誘導路80の先端位置で停止する。ここで、妨害部材81には、ターンテーブル20側に突出する突出部材84(景品落下部材の一例)が、切欠き82に隣接してターンテーブル20の進行方向側に設けられている。誘導路80の先端位置で停止した景品Gは、ターンテーブル20の回転とともに移動する突出部材84と接触することでターンテーブル20に落下する。
【0086】
図22に示す例によれば、プレーヤはターンテーブル20の回転とともに移動する妨害部材81(及び、切欠き82)の位置を見ながら第1状態となるタイミングを見計らって第2スイッチ46を押下する操作(ショベル22に景品落下動作を行わせる操作)を行うことで景品Gを獲得することが可能となり、景品Gが景品払出口26に落下するかどうかについての不確実性を緩和して、プレーヤの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
【0087】
なお、図20(A)、図22に示すように、誘導路70、80を設ける場合には、固定テーブル32とスライドテーブル30を、誘導路を設けない場合(図3参照)と比べて前後方向の長さが短いものに交換することで、固定テーブル32の先端と景品払出口26との間に間隔が設けられるようにする。
【0088】
図22に示す例において、妨害部材81をターンテーブル20の周縁部に設けることに代えて、妨害部材を誘導路80と景品払出口26の間に固定的に設け、妨害部材を駆動する妨害部材駆動部を更に設け、妨害部材駆動部が妨害部材を駆動することで第1状態と第2状態とを切り替えるように構成してもよい。また、図20(A)、図22に示す例において、スライドテーブル30と固定テーブル32を省略してもよい。この場合には、移送部(ショベル22)によって移送された景品が誘導路70、80に直接落下するように構成する。
【0089】
また、図23に示すように、誘導路80に代えて、ローラースライダ94を設けてもよい。このようにすると、球状でない景品(転がらない景品)であっても、ローラースライダ94に載った当該景品を固定テーブル32から景品払出口26に向けて移動させることができる。なお、ローラースライダ94に代えてベルトコンベアを設けてもよい。
【0090】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 景品獲得ゲーム装置、10 ステーション、12 筐体、14 透明部材、16 ハンドル、18 景品取り出し口、19 メンテナンス用ハッチ、20 ターンテーブル、22 ショベル、23 凹部、24 アーム、26 景品払出口、28 収容容器、28a 前面パネル、28b ヒンジ、29 仕切部材、30 スライドテーブル、32 固
定テーブル、33 接続部材、34 開口、35 接続部材、36 開口、37 接続部材、38 開口、40 プレーヤ用操作部、42 コイン投入口、44 第1スイッチ、46 第2スイッチ、50 景品供給部、51 支柱、52 景品棚、53a,53b 係合ピン、54 支持部材、55a 第1溝部、55b 第2溝部、56 可動部材、57 紐、58 錘、60 スライドテーブル駆動部、61 モータ、62 ドライブギア、63 メインギア、64 第1ロッド、64a 第1シャフト、65 第2ロッド、65a 第2シャフト、66 第3シャフト、67 センサ、68 ドグ、69 ベース部材、70 誘導路、71,72 ガイド、80 誘導路、81 妨害部材、82 切欠き、83 調整部材、84 突出部材(景品落下部材)、90 延長テーブル、91 連結部材、92 貯留部、93 軸、94 ローラースライダ、100 処理部、110 ターンテーブル制御部、112 ストローク設定部、114 位置検出部、116 スライドテーブル制御部、118 ショベル制御部、120 照明制御部、130 音制御部、150 コイン検出部、160 操作部、162 メンテナンス用操作部、170 記憶部、180 駆動部、190 照明部、192 音出力部、196 通信部
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