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特許7090168一対の多焦点眼内インプラントから成るアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】一対の多焦点眼内インプラントから成るアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20220616BHJP
   G02C 7/06 20060101ALI20220616BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
A61F2/16
G02C7/06
G02B5/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020540674
(86)(22)【出願日】2018-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018076656
(87)【国際公開番号】W WO2019068645
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】1759329
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520118566
【氏名又は名称】クリスタレンズ インダストリ
【氏名又は名称原語表記】CRISTALENS INDUSTRIE
【住所又は居所原語表記】4 RUE LOUIS DE BROGLIE, 22300 LANNION, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カスティニョール、 ファニー
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラージュ、 デニス
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0033676(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0194180(US,A1)
【文献】特開平06-051247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0320547(US,A1)
【文献】国際公開第2009/027438(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
G02C 7/06
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の多焦点眼内インプラントから成るアセンブリであって、
前記一対の多焦点眼内インプラントはそれぞれ、直径4mm以下、好ましくは3mm以下の瞳孔に関して、着用者の遠視力(VL)に対応するピーク(A/VL;B/VL)と、中間視力(VI)と近見視力(VP)との間で広がる、すなわち中間視力(VI)と近見視力(VP)との間で不連続とならない非対称ピーク(A/PE;B/PE)とを有するTFMTF(スルーフォーカス変調伝達関数)曲線を有し、
前記一対の多焦点眼内インプラントの一方に関して、TFMTF値は、近見視力(VP)よりも中間視力(VI)において大きいことと
前記一対の多焦点眼内インプラントの他方に関して、前記TFMTF値は、中間視力(VI)よりも近見視力(VP)において大きいことと
前記一対の多焦点眼内インプラントの前記一方の前記非対称ピーク(A/PE)の立ち上がりエッジ(FA)が、絶対値として、立ち下がりエッジ(FD)よりも大きい平均勾配を有する一方で、前記一対の多焦点眼内インプラントの前記他方の前記非対称ピーク(B/PE)の立ち上がりエッジ(FA)は、絶対値として、立ち下がりエッジ(FD)よりも小さい平均勾配を有すること
を特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記非対称ピーク(A/PE;B/PE)の重なりは、少なくとも0.10のTFMTF値に対応することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記非対称ピーク(A/PE;B/PE)の前記重なりは、少なくとも0.15のTFMTF値に対応することを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記非対称ピーク(A/PE;B/PE)の各々の頂点は、少なくとも0.15のTFMTF値を有することを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
遠視力(VL)に対応する前記ピーク(A/VL;B/VL)のうちの一方の前記ピーク(A/VL)の頂点におけるTFMTF値と遠視力(VL)に対応する前記ピーク(A/VL;B/VL)のうちの他方の前記ピーク(B/VL)の頂点におけるTFMTF値との差は、30%未満であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の多焦点眼内インプラントから成るアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
長年、水晶体の混濁化(白内障)を患う人々は、水晶体を破壊及び除去すること、並びに水晶体を眼内インプラントに置換することから成る医療処置を受けてきた。
【0003】
従って、従来、老眼患者(患者の屈折障害の有無にかかわらず)の両眼に、多焦点光学面(屈折性又は好ましくは回折性)を有する2つの眼内インプラント(前房又は角膜内の水晶体嚢胞のインプラント)を埋め込んでいる。
【0004】
インプラントは、患者の生活習慣及び要求に応じて選択可能である。一般的に、遠(遠見)視力(例えば、自動車を運転する状況)及び近見視力(例えば、読書の状況)が優先される。しかし、コンピュータ、タブレット及びスマートフォンの使用が増加の一途をたどるにつれ、中間視力を優先することも目的となっている(特に、画面を見る状況に例示される)。
【0005】
多焦点光学面(屈折性又は好ましくは回折性)を有するインプラントは、TFMTF(スルーフォーカス変調伝達関数)曲線により特徴付けられる。
【0006】
そのような曲線は、遠視力の関数(ジオプターで加入度数で示される:0D=遠視力;+1から+2D=中間加入度数;3D=近見加入度数)として、レンズの品質を表す(100%のコントラストを有する始対象に対する像のコントラストの百分率で、あるいは0と1の比の形式で)。
【0007】
そのような曲線は、平均的な眼のモデルに埋め込まれた眼内インプラントに対する光学的シミュレーションソフトウェアプログラム、例えばZemax社のソフトウェアプログラムZemax(登録商標)を用いてシミュレーションされる。
【0008】
TFMTF曲線は、所定の空間周波数に対して確立される。通常、多焦点インプラントの場合、50cycles/mmにおけるTFMTFが有利である。しかし、25cycles/mm(より粗い物体)及び100cycles/mm(より細かい物体)におけるTFMTFも有利である。
【0009】
所定の光学プロファイルの50cycles/mm(例えば)におけるTFMTF曲線は、使用される光の波長及び光学系の瞳孔によって決まる。
【0010】
従って、緑色(546nm)に対応する波長を優先してもよいが、昼光の波長の積分に対応する明所視のTFMTF曲線及び暗所視のTFMTF曲線(暗視)を描くことも有利となりうる。
【0011】
同様に、直径3mmの瞳孔(読書の状況等の明るい環境下での視力又は昼間視力に対応する)が優先される。しかし、直径2から6mmの瞳孔に対して、TFMTFの相補性が有利になりうる。
【0012】
0.15以上のTFMTF値は、着用者にほぼ満足のいく視力を与えると考えられる一方、0.30以上のTFMTF値は、着用者に満足のいく遠視力を与えると考えられる。
【0013】
近見視力「VP」は、通常+3D(角膜平面加入度で)であるが、+2Dから+4Dの間であってよい。
【0014】
中間視力「VI」は、通常+1.5D(角膜平面加入度で)であるが、+1Dから+2Dの間であってよい。
【0015】
眼に埋め込まれたインプラントのTFMTF曲線が、インプラントの光学的品質に関する情報を提供できるのであれば、着用者の正視眼を変換する物理量は、視力である。
【0016】
視力は、インプラントのTFMTFによって決まるが、着用者のコントラスト感度などの他のパラメータによっても決まる。両眼視では、視力は、両眼から入ってくる情報を組み合わせる患者のニューロン処理によっても決まる。
【0017】
従って、使用されるインプラントの関数として、着用者の視力(AV)を直接シミュレーションできなくても、AV曲線の形状はTFMTF曲線の形状に従うことが知られているが、範囲はより広い。
【0018】
両眼視では、全く同一の加入度数に対するTFMTF曲線に存在する2つのピークを重ね合わせることにより、視力を僅かに向上させることができる。
【0019】
従って、例えば、一方の眼で8/10、他方の眼で8/10の近見視力の場合、10/10の両眼視力が得られる。
【0020】
これを添付の図1に示す。図1において、直径3mm及び波長546nmの瞳孔(横軸:ジオプターで表された加入度数/縦軸:50cycles/mmにおけるTFMTF)に関して、実線は、加入度数+3Dの2つの同一のインプラントの重なり合ったTFMTF曲線を示し、破線は、両眼視でのTFMTF曲線の推定値を示す。
【0021】
一方、両眼が僅かにずれたTFMTFピーク(例えば、それぞれの加入度数が+2.5D及び3Dのインプラントを有する)を有する場合、両眼AVは、2.5Dで8/10及び3Dで8/10となるピークを組み合わせる。同一であるが加入度数が異なる2つのインプラント(同一の曲線形状であるが、近見視力ピークがずれている)が使用される眼内インプラントにおいて、これは周知の「ミックスアンドマッチ」の原理である。
【0022】
これを添付の図2に示す。図2において、パラメータは、図1を参照して上記で使用したものと同一であり、2つのインプラントの特性曲線を、それぞれA及びBと示す。
【0023】
しかし、これを実施ことの欠点は、VI(中間視力)とVP(近見視力)のピークの2つの頂点の差が、着用者が良好な耐用性を示すものに限定されなければならないことである。近見視力での2つの曲線間での重なりエリアが小さいため、この差は、通常0.5D又は0.75D(約2.5Dの加入度数に対して)である。
【0024】
両眼が加入度数の差が0.75Dより大きいインプラントを有する場合、多くの着用者間で、VIにおいて抑制効果(「焦点がぼやけた」眼、すなわち非常に低いTFMTFを有する)があるため、適応した眼のVIピークを低下させ、また逆に上昇させることになる)。
【0025】
この場合も先と同様に、この状況を図3に示す。図3において、パラメータは、図2を参照して上記で使用したものと同一であり、ピークの頂点間の過大な差をEAと示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、共に着用された場合に、着用者が良好な遠視力を得られるだけでなく、中間視力と近見視力との間の両眼視で連続的な被写界深度を享受できるようにする多焦点インプラントを提案することにより、上記の問題を緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
よって、本発明は、一対の多焦点眼内インプラントから成るアセンブリであって、
前記一対の各インプラントは、直径4mm以下、好ましくは3mm以下の瞳孔に関して、着用者の遠視力に対応するピークと、中間視力と近見視力との間で広がる、すなわち中間視力と近見視力との間で不連続とならない非対称ピークと、を有するTFMTF(スルーフォーカス変調伝達関数)曲線を有し、
前記一対の一方のインプラントに関して、TFMTF値は、近見視力よりも中間視力において大きく、
前記一対の他方のインプラントに関して、前記TFMTF値は、中間視力よりも近見視力において大きく、
前記一方のインプラントの前記非対称ピークの立ち上がりエッジが、絶対値として、立ち下がりエッジよりも大きい平均勾配を有する一方で、前記他方のインプラントの前記非対称ピークの立ち上がりエッジは、絶対値として、立ち下がりエッジよりも小さい平均勾配を有することを特徴とするアセンブリに関する。
【0028】
「平均勾配」という表現は、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、対応するエッジの最上点及び最下点を通る仮想線の勾配を意味するものと理解される。
【0029】
本発明の原理は、老眼患者(患者の屈折障害の有無にかかわらず)の両眼に、いわゆる「相補的」曲線を示す異なる多焦点光学面(屈折性又は好ましくは回折性)を有する2つの眼内インプラント(前房又は角膜内の水晶体嚢胞のインプラント)を組み合わせることである。
【0030】
本発明によれば、そのようなインプラントの着用者は、中間視力と近見視力との間の両眼視で連続的な被写界深度を得られる。その結果、全範囲にわたり5/10より高い視力となる。
【0031】
本発明の他の限定されない有利な特徴によれば、
前記非対称ピークの重なりは、少なくとも0.10のTFMTF値に対応し、
前記非対称ピークの前記重なりは、少なくとも0.15のTFMTF値に対応し、
前記非対称ピークの各々の頂点は、少なくとも0.15のTFMTF値を有し、
遠視力に対応する前記ピークの頂点におけるそれぞれのTFMTF値は、30%未満の差を有する。
【0032】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の好適な実施形態の以下の説明を読むことで明らかになるだろう。添付の図面を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】上述したように、本発明の分野の先行技術を示すグラフである。
図2】上述したように、本発明の分野の先行技術を示すグラフである。
図3】上述したように、本発明の分野の先行技術を示すグラフである。
図4】直径3mm及び波長546nmの瞳孔に関して、本発明に係るアセンブリを形成する2つのインプラントのTFMTF曲線を示す全く同一のグラフである(横軸:ジオプターで表された加入度数/縦軸:50cycles/mmにおけるTFMTF)。
図5】両眼視でのTFMTFの推定値も追加された先行のグラフと同一のグラフである。
図6】先行技術のインプラントの両眼視でのTFMTF曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
上述したように、本発明は、2つのいわゆる「相補的」TFMTFを組み合わせる利点により、「ミックスアンドマッチ」原理を適用する上述の従来の装置を用いる場合よりも大きなVI(中間視力)とVP(近見視力)の2つの頂点間の差を容認しつつ、インプラントの着用者の両眼の視力をより適切に統合できるようにすることに起因する。
【0035】
本発明に係るアセンブリを形成する2つのインプラントの好適なTFMTF曲線を説明するために、添付の図4及び図5を参照されたい。
【0036】
これらの図において、2つのインプラントの各々のそれぞれのTFMTF曲線をA及びBと示し、それぞれのTFMTF曲線は、例えば着用者の優位眼及び非優位眼にそれぞれ対応する(又はその逆)。
【0037】
まず、曲線A及び曲線Bは、それぞれ、着用者の遠視力に対応するピーク、A/VL及びB/VLを有する(必要に応じて屈折異常が矯正される)。
【0038】
これらのピークは、双方のインプラントに類似する。いかなる場合でも、ピークA/VL及びB/VLの頂点におけるそれぞれのTFMTF値は、20%未満、好ましくは10%未満の差を有する。
【0039】
また、2つの曲線A及びBは、それぞれ、中間視力VIと近見視力VPとの間に広がる「非対称に広がったピーク」A/PE及びB/PE(従来の多焦点に対して)を有する。換言すると、2つの明らかなピークの区別はないが、逆に、0.10、好ましくは0.15の最低水準を維持しつつ、VIとVPとの間でTFMTFが連続する。
【0040】
更に、曲線Aに対応するアセンブリの一方のインプラントに関して、TFMTF値は、近見視力VPよりも中間視力VIにおいて大きい。
【0041】
またその逆に、曲線Bに対応するアセンブリの他方のインプラントに関して、TFMTF値は、中間視力VIよりも近見視力VPにおいて大きい。
【0042】
最後に、2つの曲線は、それらが重なるエリアにおいてより緩やかな「全体的な勾配」を有する非対称プロファイルを有するように、互いに補完する。
【0043】
換言すると、一方のインプラントの非対称ピークA/PEの立ち上がりエッジFAが、絶対値として、立ち下がりエッジFDよりも大きい平均勾配を有する一方で、他方のインプラントの非対称ピークB/PEの立ち上がりエッジFAは、絶対値として、立ち下がりエッジFDよりも小さい平均勾配を有する。
【0044】
2つのTFMTF曲線A及びBは、0.15以上の閾値で重なるのが有利である。
【0045】
従って、両眼視では、本発明に係るアセンブリの一対のインプラントの着用者は、通常1Dから2.5Dの更により拡張した範囲の距離又は被写界深度(EDOF)(40cmから1mの視程に対応する)にわたり、0.15より大きなTFMTFを有する。
【0046】
それに比べて、先行技術の「ミックスアンドマッチ」(M&M)システムは、+2.5D/+3DのM&M及び+2.25D/+3DのM&Mにおいて、それぞれ、40cmから66cm、又は75cmの明視を与える。
【0047】
更に、2つのいわゆる「相補的」TFMTFを組み合わせることにより、遠視力VLのピーク、中間視力VIのピーク及び近見視力VPのピークを有し、これらのピークの各々の間でTFMTをキャンセルした三焦点インプラントの両眼視力よりも有利な両眼視力も得られる。その結果、近見視力VPと中間視力VIとの間の連続視力がなくなる。これを図6に示す。図6において、TFMTFがキャンセルされたエリアを円で示す。
【0048】
図5の破線の曲線上に示されるように、両眼TFMTFの被写界深度PCにより、近見視力と中間視力との間の鮮明さが低下することなく、それらの間の連続性が可能となる。
【0049】
周知のように、多焦点インプラントに関連した主な欠点のうちの1つは、ハローの存在である。
【0050】
従って、二焦点インプラントを用いると、暗視において及び主に運転の際(すなわち、「有益な」視力が遠視力である場合)、着用者は、近見視力VPピークによって作られたハローに悩まされる。
【0051】
一方、三焦点インプラントを用いると、遠視力は、近見視力ピーク及び中間視力ピークに対応する2つのハローと関連付けられる。しかし、これら2つのピークの高さがより低いため、従来の二焦点インプラントを用いる場合と比較して、これらのハローによる影響は、着用者にとってそれほど煩わしいものではない。
【0052】
換言すると、着用者は、単一の強くはっきりしたハローよりはむしろ、いくつかのより弱いハローへの耐用性が高い。
【0053】
従って、本発明に係る2つの「相補的」インプラントを使用することにより、遠視力及び特に夜間の運転の状況において、それほど煩わしくない連続又は拡散ハローを作ることができる。
【0054】
種々の多焦点光学面(屈折性又は好ましくは回折性)を有する2つの眼内インプラント(前房又は角膜内の水晶体嚢胞のインプラント)が上述した特徴を有するため、当業者はそれらの製造を進めるだろう。
【0055】
先行技術のインプラントに関しては、これらのインプラントは、注入器を使用して患者の眼に埋め込まれる。また、これらのインプラントは、水晶体嚢胞において埋め込まれる際、この埋め込みのために設けられた寸法の小さいスリットを介して折畳位置に導入される。
【0056】
眼内インプラントに関連して本発明を説明したが、本発明は、角膜内のインプラント及び「ピギーバック」、すなわち水晶体嚢胞の前に埋め込まれたインプラントにも適用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6