IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7090172単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車
<>
  • 特許-単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車 図1
  • 特許-単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車 図2
  • 特許-単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車 図3
  • 特許-単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車 図4
  • 特許-単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/586 20210101AFI20220616BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20220616BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20220616BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20220616BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20220616BHJP
【FI】
H01M50/586
H01M50/15
H01M50/528
H01M50/553
H01M50/593
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020551373
(86)(22)【出願日】2019-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2019072662
(87)【国際公開番号】W WO2019179232
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】201820409789.X
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】王信月
(72)【発明者】
【氏名】程▲はん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼珂利
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼露霞
(72)【発明者】
【氏名】彭凌一
【審査官】近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0011645(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/586
H01M 50/15
H01M 50/528
H01M 50/553
H01M 50/593
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースの端部に位置するカバープレートと、
前記ケース内に位置し、導電タブを有するセルと、
ベースプレート、接続プレート及び支持プレートを含む内部スペーサであって、前記ベースプレートが前記セルの前記カバープレートに向かう表面に設けられ、前記接続プレートの一端が前記ベースプレートの一側縁に接続されるとともに、前記ベースプレートの一側縁と折り曲げ形状に形成され、前記接続プレートの他端が前記支持プレートに接続されるとともに、前記支持プレートと折り曲げ形状に形成され、前記支持プレートが前記ベースプレートから離れる方向に延び、前記導電タブの一部が前記支持プレートの前記セルに向かう側の表面から、前記セルから離れる側の表面まで延びている、内部スペーサと、
前記カバープレート上に配置されるとともに、前記導電タブの前記支持プレートから離れる側の表面に電気的に接続される導電端子と、
貫通孔を有する遷移プレートと、
を含み、
前記導電端子は、前記カバープレート、前記貫通孔を順次貫通して前記遷移プレートに溶接され、前記遷移プレートの前記カバープレートから離れる側の表面は、前記導電タブの前記支持プレートから離れる側の表面に溶接される、
単電池。
【請求項2】
前記カバープレートと前記遷移プレートとの間に位置し、固定孔を有する絶縁プレートをさらに含み、
前記導電端子は、前記固定孔を貫通して前記絶縁プレートを固定する、
請求項に記載の単電池。
【請求項3】
前記内部スペーサは前記絶縁プレートに、係止により固定接続されており、
前記内部スペーサの端部に位置決め溝が配置され、前記絶縁プレートは、前記位置決め溝に係合するバックルを有する、
請求項に記載の単電池。
【請求項4】
前記内部スペーサは、前記ベースプレートの一側縁に配置される係止プレートをさらに含み、前記係止プレートと前記支持プレートは、前記ベースプレートの隣接側に位置し、前記位置決め溝は、前記係止プレートの前記ベースプレートから離れる端部に配置されるとともに、前記係止プレートの前記セルに向かう表面に位置し、
前記係止プレートの前記端部には、前記バックルを逃がすための逃がし溝が設けられている、
請求項に記載の単電池。
【請求項5】
前記バックルは、
一端が前記絶縁プレートに接続される接続柱と、
前記接続柱の他端に接続される係止部であって、前記係止プレートに近い方向へ突出し、前記係止プレートに向かう端面が前記位置決め溝の底壁に押し当てられ、前記係止プレートから離れる端面にガイド面が配置されている係止部と、を含む、
請求項に記載の単電池。
【請求項6】
前記接続プレートは、前記ベースプレートを周回する環状であり、前記係止プレートは、前記接続プレートに接続されるとともに、前記支持プレートと同一面に配置され、
前記ベースプレート、前記接続プレート、前記支持プレート及び前記係止プレートは、一体に形成される、
請求項またはに記載の単電池。
【請求項7】
前記内部スペーサは、さらにヘッド部を有し、前記ヘッド部は、前記支持プレートの前記接続プレートから離れる一端に接続されるとともに、少なくとも一部が円弧状である、
請求項1~のいずれか1項に記載の単電池。
【請求項8】
前記ヘッド部は、円弧状であり、前記ヘッド部の厚さは、前記支持プレートの厚さより大きい、
請求項に記載の単電池。
【請求項9】
前記ヘッド部の形状線は、順次接続される第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分の前記第2の部分から離れる一端は、前記支持プレートの前記セルに向かう表面に接続され、前記第3の部分の前記第2の部分から離れる一端は、前記支持プレートの前記セルから離れる表面に接続され、前記第1の部分は、円弧状であり、
前記第2の部分は、直線型であり、かつ前記第2の部分から前記セルまでの距離は、前記支持プレートから前記セルまでの距離より大きい、
請求項またはに記載の単電池。
【請求項10】
前記第3の部分は、円弧状であり、前記第1の部分の曲率半径は、前記第3の部分の曲率半径より小さく、
前記第3の部分は、2つの円弧状部分を含み、前記第3の部分の2つの円弧状部分の曲率中心は、それぞれ前記第3の部分の両側に位置する、
請求項に記載の単電池。
【請求項11】
前記ベースプレート及び前記支持プレートは、いずれも前記カバープレートに平行な方向に沿って配置される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の単電池。
【請求項12】
前記接続プレートは、前記支持プレート及び前記ベースプレートに垂直であり、
前記導電タブは、前記ベースプレート及び前記接続プレートから離間しており、
前記導電タブの一部は、前記ベースプレートの上方に位置するとともに、前記ベースプレートから離間している、
請求項1~11のいずれか1項に記載の単電池。
【請求項13】
パック本体と、該パック本体内に配置される電池モジュールとを含む動力電池であって、前記電池モジュールは、コネクタと、請求項1~12のいずれか1項に記載の単電池とを含み、前記単電池同士は、コネクタを介して直列接続又は並列接続される、
動力電池。
【請求項14】
請求項13に記載の動力電池を備えている、
電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2018年3月23日に提出した、中国特許出願第「201820409789.X」号、発明名称「単電池、電池モジュール、動力電池及び電気自動車」の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、車両製造の技術分野に属し、単電池、該単電池が設けられる電池モジュール、該電池モジュールが設けられる動力電池、及び該動力電池が設けられる電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、動力電池は、少なくとも2つの導電端子を有するとともに、一端が導電端子に接続され、他端が導電タブを挟んでセルに接続されて、回路を完成する2層接続シート(2層コネクタ)を用いる。従来技術では、導電タブを挟む接続シートは、導電タブを折り曲げるようにし、カバープレートの両側にある側部スペーサは、導電タブの固定及び絶縁の役割を果たすが、高さ方向において、少なくとも4層の接続シートの厚さを占めるため、セルスペースの利用率の向上に不利となる。2層接続シートは、導電タブの端部のみを挟み、導電タブの他の部分、特に折り曲げ領域に対して効果的な整形効果を達成することができない。また、2層接続シートの先端は、導電タブに貼り付けられており、単電池が衝突又は振動のような極端な条件にあると、導電タブを突き破る可能性があり、深刻な場合には単電池の内部抵抗が増加し、発熱が異常となり、安全上の事故を引き起こすリスクがあるため、改善の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術に存在する技術的課題の1つを解決することを目的とする。このため、本開示は、内部スペーサが導電タブに対して良好な支持、絶縁及び整形作用を果たし、導電タブを突き破りやすい単電池を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例に係る単電池は、ケースと、前記ケースの端部に位置するカバープレートと、前記ケース内に位置し、導電タブを有するセルと、ベースプレート、接続プレート及び支持プレートを含み、前記ベースプレートが前記セルの前記カバープレートに向かう表面に設けられ、前記接続プレートの一端が前記ベースプレートの一側縁に接続されるとともに、前記ベースプレートの一側縁と折り曲げ形状に形成され、前記接続プレートの他端が支持プレートに接続されるとともに、前記支持プレートと折り曲げ形状に形成され、前記支持プレートが前記ベースプレートから離れる方向に延び、前記導電タブの一部が前記支持プレートの前記セルに向かう側の表面から、前記セルから離れる側の表面まで延びる内部スペーサと、前記カバープレートに設けられるとともに、前記導電タブの前記支持プレートから離れる側の表面に電気的に接続される導電端子と、を含む。
【0006】
本開示の実施例に係る単電池では、セルと導電端子との間に内部スペーサが設けられ、内部スペーサが導電タブを支持し、導電タブを絶縁させ、整形する作用を同時に果たし、導電タブとセルとの短絡を回避することができ、導電タブが導電端子に直接的に溶接接続され、導電タブと導電端子とがコネクタ(接続シート)を介さずに接続されて単電池の高さ方向におけるスペース占有を低減し、単電池のスペース効率を向上させ、単電池の実用性を向上させることができる。
【0007】
本開示に係る電池モジュールは、接続シートと、上記いずれか1つの実施例に記載の単電池とを含み、前記単電池同士は、接続シートを介して直列接続又は並列接続される。
【0008】
本開示に係る動力電池は、パック本体と、該パック本体内に設けられる電池モジュールとを含み、前記電池モジュールは、上記実施例に記載の電池モジュールである。
【0009】
本開示に係る電気自動車は、上記実施例に記載の動力電池が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
前記電池モジュール、前記動力電池、前記電気自動車及び上記単電池は、従来技術が有する利点と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0011】
本開示の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本開示の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、本開示の上記及び/又は追加の様態及び利点は、図面を参照して実施例を説明することにより明らかになって理解されやすくなる。
【0013】
図1】本開示の実施例に係る単電池の概略構成図である。
図2】本開示の実施例に係る単電池の概略構成図である。
図3】本開示の実施例に係る単電池の内部スペーサの概略構成図である。
図4】本開示の実施例に係る単電池の内部スペーサが絶縁プレートに係止される概略構成図。
図5図4におけるA部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例が図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明した実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのもので、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0015】
本開示の説明において、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「周方向」などの用語によって表される方位又は位置関係は、図面に基づいて示す方位又は位置関係であり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位において構成され、操作されなければならないと指示又は暗示するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。また、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本開示の説明において、別に説明しない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0016】
本開示の説明において、別に明確な規定及び限定を有しない限り、用語「装着」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介する間接的な接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0017】
以下、図1図3を参照しながら、本開示の実施例に係る単電池100を説明する。
【0018】
図1図2に示すように、本開示の一実施例に係る単電池100は、ケース40、カバープレート50、セル20、内部スペーサ10を含む。
【0019】
カバープレート50は、ケース40の端部に位置し、セル20は、単電池100の内部に設けられ、ケース40内に位置し、導電タブ21を有し、導電タブ21を介して単電池100の導電端子70に接続され、例えば、導電タブ21は、単電池100の導電端子70に溶接接続されて、セル20とカバープレート50部材の電流ガイド作用を実現し、セル20とカバープレート50部材の正常な電流導通を保証する。
【0020】
図1図2に示すように、内部スペーサ10は、単電池100の導電端子70とセル20とを離間させて、導電端子70とセル20とを効果的に絶縁し、図3に示すように、内部スペーサ10は、ベースプレート11、接続プレート12及び支持プレート13を含み、ベースプレート11は、セル20に支持され、セル20のカバープレート50に向かう表面に設けられ、接続プレート12の一端は、ベースプレート11の縁部に接続されるとともに、ベースプレート11の一側縁と折り曲げ形状に形成され、即ち、接続プレート12の延び方向は、ベースプレート11の延び方向と異なり、例えば、ベースプレート11は、水平方向に沿って延び、接続プレート12は、単電池100の高さ方向に向かって延びいる。
【0021】
図1図2に示すように、支持プレート13は、接続プレート12の他端に接続されるとともに、接続プレート12の他端と折り曲げ形状に形成され、即ち、支持プレート13とベースプレート11とは、接続プレート12を介して接続され、支持プレート13は、ベースプレート11から離れる方向に延びるとともに、ベースプレート11と一定の高低差を形成し、理解できるように、支持プレート13とベースプレート11との間の高低差により、導電タブ21は、セル20の上面から延び出しやすく、支持プレート13の下面まで延びて折り曲げられ、さらに支持プレート13の下面に沿ってベースプレート11から離れる方向に延び、このように、支持プレート13、接続プレート12、ベースプレート11が順次一体に接続され、導電タブ21の一部は、支持プレート13のセル20に向かう側の表面から、セル20から離れる側の表面まで延び、一実施例では、導電タブ21は、支持プレート13の下面に沿ってベースプレート11から離れる方向に延びるとともに、支持プレート13の端部を避けて支持プレート13の上面まで延びて、導電タブ21、特に折り曲げ箇所の効果的な整形を実現する。
【0022】
なお、図3に示すように、ベースプレート11の両端には、いずれも接続プレート12、支持プレート13が設けられており、即ち、内部スペーサ10は、2部分の接続プレート12、2部分の支持プレート13及び1部分のベースプレート11を含み、このように、内部スペーサ10は、2つの導電タブ21に同時に取り付けて係合されて、セル20の導電タブ21を支持し、絶縁させる作用を果たし、導電タブ21と導電端子70との正常な電流導通を保証する。
【0023】
図1図2に示すように、導電端子70は、カバープレート50に設けられるとともに、導電タブ21の支持プレート13から離れる側の表面に電気的に接続され、即ち、導電タブ21は、折り曲げられて支持プレート13を避けて延びた後、上面が導電端子70に貼り合わられ、溶接により接続されることにより、導電タブ21と導電端子70とが大きな接触面積を有して、導電タブ21と導電端子70との電流通過能力を効果的に高くし、単電池100の実用性能を向上させ、導電端子70とカバープレート50との間は、絶縁封止して接続され、このように、導電端子70とカバープレート50との間に電流が導通しない。
【0024】
一実施例では、図1図2に示すように、セル20の導電タブ21と導電端子70とを直接的に溶接接続することができ、内部スペーサ10は、導電タブ21の下方で導電タブ21に対して支持作用を果たすとともに、導電タブ21とセル20とを高さで離間させて、効果的な絶縁を実現し、導電タブ21は、内部スペーサ10の外側に沿って折り曲げられることにより、コネクタ(接続シート)を介さずに導電端子70に直接的に溶接されて、高さ方向におけるスペース占有を低減し、単電池100のスペース効率を効果的に向上させる。
【0025】
本開示の実施例に係る単電池100では、セル20と導電端子70との間に内部スペーサ10が設けられ、内部スペーサ10が導電タブ21を支持し、導電タブ21を絶縁させ、整形する作用を同時に果たし、導電タブ21とセル20との短絡を回避することができ、導電タブ21が導電端子70に直接的に溶接接続され、導電タブ21と導電端子70とが接続シートを介さずに接続されて単電池100の高さ方向におけるスペース占有を低減し、単電池100のスペース効率を向上させ、単電池100の実用性を向上させることができる。
【0026】
本開示の実施例に係る単電池100は、図1図2に示すように、貫通孔を有する遷移プレート30をさらに含み、導電端子70は、カバープレート50、貫通孔を順次貫通して遷移プレート30に溶接接続され、遷移プレート30のカバープレート50から離れる側の表面は、導電タブの支持プレート13から離れる側の表面に溶接接続され、このように、導電端子70は、遷移プレート30を介して導電タブ21に接続されて、単電池100の導電端子70とセル20との間の電流を導通させる。
【0027】
一実施例では、図1図2に示すように、本開示の単電池100は、カバープレート50と遷移プレート30との間に位置し、固定孔を有する絶縁プレート60をさらに含み、導電端子70は、固定孔を貫通して絶縁プレート60を固定し、これにより、導電端子70は、カバープレート50、絶縁プレート60の固定孔及び遷移プレート30の貫通孔を順次貫通し導電タブ21に接続されるとともに、導電端子70、絶縁プレート60、遷移プレート30及び導電タブ21を相対的に固定して、単電池100の内部の全体構造の完全性を保証する。
【0028】
図4図5に示すように、内部スペーサ10と絶縁プレート60とは、係止により固定接続され、一実施例では、内部スペーサ10の端部に位置決め溝161が設けられ、絶縁プレート60は、位置決め溝161に係合するバックル61を有することにより、絶縁プレート60と内部スペーサ10とを相対的に固定し、内部スペーサ10は、ベースプレート11の一側縁に設けられる係止プレート16をさらに含み、一実施例では、係止プレート16は、ベースプレート11の長さ方向上の両端に設けられるとともに、ベースプレート11の幅方向に沿って延び、係止プレート16と支持プレート13は、ベースプレート11の隣接側に位置し、理解できるように、支持プレート13は、ベースプレート11の幅方向上の両端に位置するとともに、ベースプレート11の長さ方向に沿って延び、このように、係止プレート16と支持プレート13は、ベースプレート11の周方向に間隔をおいて設けられ、位置決め溝161は、係止プレート16のベースプレート11から離れる端部に設けられるとともに、係止プレート16のセル20に向かう表面に位置し、即ち、位置決め溝161は、係止プレート16の絶縁プレート60から離れる表面に位置し、係止プレート16の端部には逃がし溝15が設けられ、なお、絶縁プレート60は、係止プレート16のセル20から離れる側の表面に位置し、これにより、バックル61は、係止プレート16のセル20から離れる側から、逃がし溝15を貫通するとともに、係止プレート16のセル20に近い側まで延びることにより、バックル61が係止プレート16の位置決め溝161内に係入しやすくなり、絶縁プレート60と内部スペーサ10とを安定して接続固定させる。
【0029】
いくつかの実施例では、図4図5に示すように、バックル61は、一端が絶縁プレート60に接続され、即ち、セルから離れる一端が絶縁プレート60に固定接続される接続柱611と、接続柱611の他端に接続され、即ち、接続柱611のセルに近い一端に接続されるとともに、支持プレート13及び係止プレート16に近い方向へ突出し、係止プレート16及び支持プレート13に向かう端面が位置決め溝161の底壁に押し当てられ、係止プレート16及び支持プレート13から離れる端面に、支持プレート13をバックル61に容易に係止できるガイド面6121が設けられている係止部612とを含む。
【0030】
なお、絶縁プレート60には、対向して設けられた2組のバックル61が設けられ、支持プレート13には、対向して設けられた2組の位置決め溝161が設けられ、2組のバックル61の2組の係止部612の間隔は、支持プレート13の両端の間隔より小さいとともに、支持プレート13の両端の間隔は、2組のバックル61の2組の接続柱611の間隔より小さく、2組の係止部612には、対向して設けられたガイド面6121が設けられ、このように、支持プレート13の端部を係止部612のガイド面6121に沿って押圧して、接続柱611がガイド面6121からの圧力を受けて屈曲し、内部スペーサが2組の接続柱611の間に係入されるとともに、係止部612は、内部スペーサがバックル61から外れることを防止し、単電池の全体構造の安定性を向上させることができる。
【0031】
本開示の実施例に係る単電池100では、図1図3に示すように、ベースプレート11及び支持プレート13がいずれもカバープレート50に平行な方向に沿って設けられ、例えば、ベースプレート11が単電池100のセル20に平行に貼り合わられ、支持プレート13が接続プレート12を介してベースプレート11に接続され、ベースプレート11に平行な方向に沿って延びて形成され、ベースプレート11と支持プレート13との間には高低差が存在し、ベースプレート11がセル20と平行であることにより、支持プレート13とセル20との間には高低差が存在し、例えば、いくつかの実施例では、接続プレート12が支持プレート13及びベースプレート11と垂直であり、導電タブ21がベースプレート11及び接続プレート12から離間し、即ち、接続プレート12と、支持プレート13と、セル20との間には、一定の空間が限定され、このように、限定された空間により、導電タブ21がセル20から容易に突出して折り曲げられ、単電池100の各部品間の配置の合理性を高めることができる。
【0032】
いくつかの実施例では、接続プレート12は、ベースプレート11を周回する環状であり、係止プレート16は、接続プレート12に接続されるとともに、支持プレート13と面一に設けられ、理解できるように、内部スペーサ10は、長さ方向において、順次接続される係止プレート16、接続プレート12、ベースプレート11、接続プレート12、係止プレート16を含み、幅方向において、順次接続される支持プレート13、接続プレート12、ベースプレート11、接続プレート12、支持プレート13を含み、これにより、ベースプレート11の外側に周方向に沿って延びる接続プレート12が設けられ、接続プレート12の外側に周方向に間隔をおいて延設される支持プレート13及び係止プレート16が設けられ、ベースプレート11、接続プレート12、支持プレート13及び係止プレート16が一体に形成され、内部スペーサ10の一体性を向上させ、内部スペーサ10の構造強度を補強しつつ、取り付けしやすい。
【0033】
本開示の実施例に係る単電池100では、図3に示すように、内部スペーサ10は、円弧状であるヘッド部14をさらに含み、ヘッド部14は、支持プレート13の接続プレート12から離れる一端に接続され、少なくとも一部が円弧状であり、厚さが支持プレート13の厚さより大きく、このように、導電タブ21は、支持プレート13の下面に沿って、ベースプレート11から離れる方向へヘッド部14まで延び、ヘッド部14を避けて支持プレート13の上面まで延び、ヘッド部14を避ける箇所での折り曲げ曲率が小さく、即ち、導電タブ21の折り曲げ応力が小さく、導電タブ21が折り曲げられたときに破断しにくくなり、かつヘッド部14の円弧状部分が導電タブ21に接触するときに導電タブ21を突き破ることがなく、内部スペーサ10の鋭い部分により導電タブ21を突き破ることを回避し、単電池100の使用上の安全性を向上させる。
【0034】
一実施例では、図3に示すように、ヘッド部14の形状線は、順次接続される第1の部分141、第2の部分142及び第3の部分143を含み、第1の部分141の第2の部分142から離れる一端は、支持プレート13のセル20に向かう表面に接続され、第3の部分143の第2の部分142から離れる一端は、支持プレート13のセル20から離れる表面に接続され、即ち、第1の部分141、第2の部分142及び第3の部分143は、支持プレート13の下面から支持プレート13の上面まで延び、このように、導電タブ21は、支持プレート13の下面に沿って第1の部分141まで延び、さらに第1の部分141の外面に沿って延び、第2の部分142及び第3の部分143を順次避けることにより、導電タブ21が支持プレート13の上面まで折り曲げられて延び、さらに導電端子70と貼り合わせて溶接される。
【0035】
図3に示すように、第1の部分141は、円弧状であり、導電タブ21が第1の部分141の外側に沿って延びている場合、円弧状の第1の部分141は、導電タブ21を突き破ることがなく、なお、導電タブ21は、多層の金属シートであり、硬度が低く、内部スペーサ10のヘッド部14を避けるときに内部スペーサ10のヘッド部14に面接触することができ、このように、単電池100が衝突又は振動条件のような極端な条件にある場合には、導電タブ21は、内部スペーサ10によって突き破られず、導電タブ21の耐用年数を効果的に延長し、さらに単電池100の使用性能を向上させる。
【0036】
図3に示すように、第2の部分142は、直線形であり、即ち、導電タブ21は、内部スペーサ10のヘッド部14を避けるときに、少なくとも一部が直線に沿って延びるとともに、第2の部分142からセル20までの距離は、支持プレート13からセル20までの距離より大きく、即ち、第2の部分142の上面は、支持プレート13の上面より高く、換言すれば、内部スペーサ10のヘッド部14の厚さは、支持プレート13の厚さより大きく、このように、導電タブ21は、内部スペーサ10のヘッド部14を避けるときに、導電タブ21の折れ曲げの弧度が大きく、即ち、導電タブ21の折り曲げ曲率が小さく、導電タブ21が折り曲げられたときに導電タブ21の内側と導電タブ21の外側の応力がいずれも小さいため、導電タブ21が折り曲げられたときに破断しにくくなり、導電タブ21の使用上の安全性能を顕著に向上させ、導電タブ21の耐用年数を延長し、長期間に使用しやすい。
【0037】
図3に示すように、第3の部分143が円弧状であり、第1の部分141の曲率半径が第3の部分143の曲率半径より小さく、導電タブ21は、第3の部分143を避けるときに、第3の部分143に完全に貼り合わせられなくてもよく、このように、導電タブ21は、第2の部分142を避けた後、第3の部分143より小さい曲率半径で支持プレート13の上面まで延び、即ち、導電タブ21の下面と第3の部分143との間には小さな隙間が存在し、間隙は、単電池100が衝突又は振動条件のような極端な条件にある場合に一部の振動エネルギーを吸収し、外界環境による単電池100へのダメージを軽減することができ、単電池100の全体構造設計の合理性にも役立つ。
【0038】
一実施例では、図3に示すように、第3の部分143は、曲率中心がそれぞれ第3の部分143の両側に位置する2つの部分の円弧状を含み、例えば、第3の部分143が支持プレート13に接続される円弧状の曲率中心が第3の部分143のセル20から離れる側に位置し、第3の部分143が第2の部分142に接続される円弧状の曲率中心が第3の部分143のセル20に近い側に位置し、このように、第3の部分143が支持プレート13と第2の部分142との間に円滑な円弧状の遷移部分を形成するとともに、第3の部分143が導電タブ21に接触するときに導電タブ21を突き破ることをも回避し、単電池100の全体構造の合理性を向上させるとともに、導電タブ21の使用上の安全性を高める。
【0039】
当然のことながら、内部スペーサ10のヘッド部14の形状は、これに限定されず、内部スペーサ10のヘッド部14は、楕円形、水滴状などであってもよく、導電タブ21への損傷を低減することができればよい。
【0040】
いくつかの実施例では、図1図3に示すように、導電タブ21の一部は、ベースプレート11の上方に位置し、即ち、導電タブ21は、支持プレート13の上面に沿って支持プレート13のヘッド部14から離れる一端まで延びてから延び続き、このように、導電タブ21と導電端子70との接続長さが大きく、即ち、導電タブ21と導電端子70との接触面積が大きく、導電タブ21と導電端子70との間の電流通過能力を効果的に向上させ、単電池100の実用性を向上させることができ、導電タブ21の一部がベースプレート11から離間して、導電タブ21の一部と導電端子70とが良好に貼り合わられる。
【0041】
本開示に係る電池モジュールは、上記いずれかの実施例の単電池が設けられ、単電池の間に単電池のコネクタ(接続シート)を介して電池モジュールを直列接続又は並列接続して形成する。
【0042】
本開示は、動力電池をさらに提供する。
【0043】
本開示の実施例に係る動力電池は、上記実施例の電池モジュールが設けられている。
【0044】
本開示は、電気自動車をさらに提供する。
【0045】
本開示の実施例に係る電気自動車は、上記実施例に係る動力電池が設けられており、本開示の実施例に係る電気自動車は、セル20と導電端子70との間に内部スペーサ10が設けられ、内部スペーサ10が導電タブ21を支持し、導電タブ21を絶縁させ、整形する作用を同時に果たし、導電タブ21とセル20との短絡を回避することができ、導電タブ21が導電端子70に直接的に溶接接続され、導電タブ21と導電端子70とがコネクタ(接続シート)を介さずに接続されて単電池100の高さ方向におけるスペース占有を低減し、車両全体の使用性能を顕著に向上させることができる。
【0046】
本開示の実施例に係る単電池は、ケースと、前記ケースの端部に位置するカバープレートと、前記ケース内に位置し、導電タブを有するセルと、ベースプレート、接続プレート及び支持プレートを含み、前記ベースプレートが前記セルの前記カバープレートに向かう表面に設けられ、前記接続プレートの一端が前記ベースプレートの一側縁に接続されるとともに、前記ベースプレートの一側縁と折り曲げ形状に形成され、前記接続プレートの他端が支持プレートに接続されるとともに、前記支持プレートと折り曲げ形状に形成され、前記支持プレートが前記ベースプレートから離れる方向に延び、前記導電タブの一部が前記支持プレートの前記セルに向かう側の表面から、前記セルから離れる側の表面まで延びる内部スペーサと、前記カバープレートに設けられるとともに、前記導電タブの前記支持プレートから離れる側の表面に電気的に接続される導電端子と、を含む。
【0047】
本開示の実施例に係る単電池は、貫通孔を有する遷移プレートをさらに含み、前記導電端子は、前記カバープレート、前記貫通孔を順次貫通して前記遷移プレートに溶接され、前記遷移プレートの前記カバープレートから離れる側の表面は、前記導電タブの前記支持プレートから離れる側の表面に溶接される。
【0048】
本開示の実施例に係る単電池は、前記カバープレートと前記遷移プレートとの間に位置し、固定孔を有する絶縁プレートをさらに含み、前記導電端子は、前記固定孔を貫通して前記絶縁プレートを固定する。
【0049】
本開示の実施例に係る単電池では、前記内部スペーサと前記絶縁プレートは、係止により固定接続されている。
【0050】
本開示の実施例に係る単電池では、前記内部スペーサの端部に位置決め溝が設けられ、前記絶縁プレートは、前記位置決め溝に係合するバックルを有する。
【0051】
本開示の実施例に係る単電池では、前記内部スペーサは、前記ベースプレートの一側縁に設けられる係止プレートをさらに含み、前記係止プレートと前記支持プレートは、前記ベースプレートの隣接側に位置し、前記位置決め溝は、前記係止プレートの前記ベースプレートから離れる端部に設けられるとともに、前記係止プレートの前記セルに向かう表面に位置する。
【0052】
本開示の実施例に係る単電池では、前記係止プレートの前記端部には、前記バックルを逃がすための逃がし溝が設けられている。
【0053】
本開示の実施例に係る単電池では、前記バックルは、一端が前記絶縁プレートに接続される接続柱と、前記接続柱の他端に接続されるとともに、前記係止プレートに近い方向へ突出し、前記係止プレートに向かう端面が前記位置決め溝の底壁に押し当てられ、前記係止プレートから離れる端面にガイド面が設けられている係止部と、を含む。
【0054】
本開示の実施例に係る単電池では、前記接続プレートは、前記ベースプレートを周回する環状であり、前記係止プレートは、前記接続プレートに接続されるとともに、前記支持プレートと面一に設けられる。
【0055】
本開示の実施例に係る単電池では、前記ベースプレート、前記接続プレート、前記支持プレート及び前記係止プレートは、一体に形成される。
【0056】
本開示の実施例に係る単電池では、前記内部スペーサは、前記支持プレートの前記接続プレートから離れる一端に接続されるとともに、少なくとも一部が円弧状であるヘッド部をさらに含む。
【0057】
本開示の実施例に係る単電池では、前記ヘッド部は、円弧状である。
【0058】
本開示の実施例に係る単電池では、前記ヘッド部の厚さは、前記支持プレートの厚さより大きい。
【0059】
本開示の実施例に係る単電池では、前記ヘッド部の形状線は、順次接続される第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分の前記第2の部分から離れる一端は、前記支持プレートの前記セルに向かう表面に接続され、前記第3の部分の前記第2の部分から離れる一端は、前記支持プレートの前記セルから離れる表面に接続され、前記第1の部分は、円弧状である。
【0060】
本開示の実施例に係る単電池では、前記第2の部分は、直線型であり、かつ前記第2の部分から前記セルまでの距離は、前記支持プレートから前記セルまでの距離より大きい。
【0061】
本開示の実施例に係る単電池では、前記第3の部分は、円弧状であり、前記第1の部分の曲率半径は、前記第3の部分の曲率半径より小さい。
【0062】
本開示の実施例に係る単電池では、前記第3の部分は、2つの部分の円弧状を含み、前記第3の部分の2つの部分の曲率中心は、それぞれ前記第3の部分の両側に位置する。
【0063】
本開示の実施例に係る単電池では、前記ベースプレート及び前記支持プレートは、いずれも前記カバープレートに平行な方向に沿って設けられる。
【0064】
本開示の実施例に係る単電池では、前記接続プレートは、前記支持プレート及び前記ベースプレートと垂直である。
【0065】
本開示の実施例に係る単電池では、前記導電タブは、前記ベースプレート及び前記接続プレートから離間している。
【0066】
本開示の実施例に係る単電池では、前記導電タブの一部は、前記ベースプレートの上方に位置するとともに、前記ベースプレートから離間している。
【0067】
本開示の実施例に係る単電池では、導電端子とカバープレートとの間が絶縁封止して接続される。
【0068】
本明細書の説明において、用語の「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の説明を参照することは、当該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切に結合することができる。
【0069】
本開示の実施例を例示及び説明したが、当業者が理解できるように、本開示の原則及び精神から逸脱しない場合で、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその等価範囲で限定される。
【符号の説明】
【0070】
単電池100、
内部スペーサ10、ベースプレート11、接続プレート12、支持プレート13、ヘッド部14、第1の部分141、第2の部分142、第3の部分143、逃がし溝15、係止プレート16、位置決め溝161、
セル20、導電タブ21、
遷移プレート30、ケース40、カバープレート50、絶縁プレート60、バックル61、接続柱611、係止部612、ガイド面6121、導電端子70。
図1
図2
図3
図4
図5