(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/26 20060101AFI20220616BHJP
G01N 27/327 20060101ALI20220616BHJP
G06N 3/08 20060101ALI20220616BHJP
G06N 3/04 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
G01N27/26 371A
G01N27/327 353R
G01N27/26 371B
G06N3/08
G06N3/04
(21)【出願番号】P 2020572819
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(86)【国際出願番号】 KR2018007934
(87)【国際公開番号】W WO2020013361
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】10-2018-0080372
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510115030
【氏名又は名称】アイセンス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソク-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ビョン クン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミョンホ
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ハクヒュン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンソク
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-061772(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0096460(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0009637(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0010698(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26
G01N 27/327
G06N 3/08
G06N 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法において、
分析対象物質の酸化還元反応を触媒することができる酸化還元酵素と電子伝達媒介体が固定されており、作動電極と補助電極を備えた試料セルに
血液サンプルを注入する段階と、
前記分析対象物質の酸化還元反応を開始し、電子伝達反応を進行させることができるように前記作動電極に一定の直流電圧を印加して少なくとも一時点以上の特徴点で第1感応電流を得る段階と、
前記一定の直流電圧を印加後、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を印加して少なくとも2時点以上で第2感応電流を得る段階と、
前記第1感応電流または前記第2感応電流から予め定められたフィーチャ(feature)を計算する段階と、
前記生体試料内の少なくとも1以上の妨害物質の影響が最小となるように人工知能
ディープラーニング学習により少なくとも1以上のフィーチャ(feature)関数で構成された検定式を用いて、
補正された前記分析対象物質の濃度を
出力する段階とを含み、
前記補正された前記分析対象物質の濃度を
出力する段階は、人工知能
ディープラーニング学習により、前記第1感応電流と前記第2感応電流を再び得て新しいフィーチャを計算する段階を含み、
前記人工知能
ディープラーニング学習は、
複数の異なる実験条件の血液サンプルを製作し
、該血液サンプルの濃度をそれぞれ測定
することを通じて
、アルゴリズムを作るための学習データを得る段階
であって、前記得られた学習データは、1次元時系列データで時間の流れに応じた測定物の電気化学的反応を示す段階と、
前記学習データの正規化(Normalization)あるいは標準化(Standardization)を通じてデータを一定の大きさ(scale)あるいは分布(distribution)に変換する段階と、
前記変換されたデータ
を、多チャンネルデータを組み合わせたりドメイン転換して信号処理する段階と、
人工神経網ディープラーニング技術を利用して入力による適した結果を出力することができるアルゴリズムを学習する段階とを含む人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法。
【請求項2】
前記人工知能
ディープラーニング学習により前記第1または第2感応電流で前記分析対象物質と妨害物質に対する線形依存性が異なる特徴点を選択し、前記特徴点でフィーチャを構成し、前記フィーチャで構成した検定式を作って前記特徴点で前記フィーチャを作る方法は、特定の階段化されたはしご形の山および谷電圧付近の第2感応電流、前記階段化されたはしご形摂動電圧で各階段の感応電流からなる曲線の曲率、前記階段化されたはしご形摂動電圧の山での電流値と谷での電流値との差、上りと下りの中間の階段化されたはしご形摂動電圧での感応電流、各階段化されたはしご形摂動電圧のサイクルの開始および終了地点での感応電流、および階段化されたはしご形摂動電圧で得た感応電流の平均値のうちの一つを使用するか、またはこれから得た電流値を四則演算、指数、ログ、三角関数などの数学的関数で表現して得ることができる値を使用する、請求項1に記載の人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法。
【請求項3】
前記第2感応電流は、第1感応電流を得た後、0.1乃至1秒以内に得られる、請求項1に記載の人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法。
【請求項4】
前記人工知能
ディープラーニング学習は、前記生体試料内の分析対象物質の濃度
異常、前記生体試料内の分析対象物質の汚染、前記生体試料内の分析対象物質が入っているストリップの不正使用、周辺温度、電極の材質、電極の配列方式、流路の模様、使用する試薬の特性、生体試料内の分析対象物質の濃度測定装置の異常のうちの少なくとも2以上の干渉
要因を補正する、請求項1に記載の人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法。
【請求項5】
前記周辺温度
が変化
した場合にも温度バランシングのための待機時間なしに人工知能ディープラーニング学習により前記生体試料内の分析対象物質の濃度測定を補正する、請求項4に記載の人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法。
【請求項6】
前記人工神経網内の多くの層に存在するニューロン間の加重値を調節する段階を含み、前記人工神経網は、構造によりConvolutional Neural Network(CNN)、Deep Belief Networks(DBN)、そしてRecurrent Neural Networks(RNNs)のうちのいずれか一つを利用してフィーチャを自動抽出する段階を含む、請求項1に記載の人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法。
【請求項7】
前記フィーチャ
を自動抽出
する段階は、Restricted Boltzmann machines(RBM)を利用し、入力データ分布と確率により決定(stochastic decision)される再構成データの分布が類似に作る最適化段階を含む、請求項
6に記載の人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法。
【請求項8】
前記最適化段階は、人工神経網全体の加重値(Weight)とバイアス(Bias)値を決定する段階と、活性化関数を利用する段階とを含む、請求項
7に記載の人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法。
【請求項9】
前記人工神経網は、出力層の活性化関数あるいは構造変更を通じてデータの種類(Type)を分類する分類器あるいは値を推定する回帰分析(Regression)に使用する、請求項
8に記載の人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法に関し、より詳細には、ディープラーニング基盤の人工神経網技術を適用してセンサーから得た信号を変換して測定物に該当する領域を認識し、その領域で測定物の種類あるいは濃度決定に必要なそれぞれの要素を抽出して最も適した測定物の種類および濃度を予測する人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、体外診断製品において最も重要な基準の一つは測定結果の正確度である。
【0003】
かかる製品は、測定物が存在する時に感知センサーが信号を出力し、分析器がこれを認知して予め定められた検定曲線またはアルゴリズムを適用して定量的または定性的な結果を送り出す。
【0004】
測定結果の正確度は、干渉物、外部環境、サンプルの性質などの多様な変数により起こった干渉作用により影響を受ける可能性がある。
【0005】
血糖測定のために活用される電気化学的センサーを例に挙げると、電極表面で酸化する測定物以外の物質の存在や粘度などの血液性質の変化による血糖の電極に向かった伝達係数(Diffusion Coefficient)または電極表面での反応速度(Reaction Rate)の変化などにより出力される電気信号が影響を受けることができる。
【0006】
かかる影響を最小化または除去するために、センサーに多様な種類の入力信号を与えて測定物の干渉程度を推定して反映する方法が使用されてきた。
【0007】
例として、韓国登録特許第1666978号に開示されたとおり、生体試料内の分析対象物質の濃度測定方法において、前記分析対象物質の酸化還元反応を触媒することができる酸化還元酵素と電子伝達媒介体が固定されており、作動電極と補助電極を備えた試料セルに液状生体試料を注入し、前記分析対象物質の酸化還元反応を開始して電子伝達反応を進行させることができるように前記作動電極に一定の直流電圧を印加して少なくとも一時点以上の特徴点で第1感応電流を得、前記一定の直流電圧を印加後、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を印加して少なくとも2時点以上で第2感応電流を得、前記第1感応電流または前記第2感応電流から予め定められたフィーチャ(feature)を計算して、前記生体試料内の少なくとも1以上の妨害物質の影響が最小となるように少なくとも1以上のフィーチャ(feature)関数で構成された検定式を用いて前記分析対象物質の濃度を計算して生体試料内の分析対象物質の濃度を測定した。
【0008】
つまり、事前に既に定められた信号から導出したパラメータ値を多重線形回帰(Multiple Linear Regression)のような数学的方法を活用して干渉程度を推定し、測定値を決定した。
【0009】
かかる方法の短所は、事前に既に導出された特徴(extracted features)または入力命令(input command)という与えられた規則を区分または感知できない場合には予想できない不正確な結果を出力するということである。
【0010】
また、大部分のフィーチャがヘマトクリットの影響を除外することに集中されているが、ヘマトクリット以外に他の干渉種が少なくとも2以上の複合的に結合して生体測定物質の濃度に影響を与える場合には、フィーチャおよびこれらフィーチャを利用した検定式が補正されなければならないにも拘らず、そうしない場合には致命的な問題点を招き得る 。
【0011】
また、このようなヘマトクリット以外に他の干渉種が少なくとも2以上の複合的に結合して生体測定物質の濃度に影響を与える場合にも、異常を知らせることができず、生体測定ストリップを濫用するようになる問題点があった。
【0012】
また、外部環境的な要因、例えば温度フィーチャの値は、メーターに付着された温度センサーを通じて得られる値であって、急激な周囲環境の変化が発生する時、即時正確な温度値を測定し難く、温度平衡がなされるための時間が必要な場合が多い。
【0013】
したがって、大部分のメーター機は、使用者が急激な環境変化にある時(ex.寒い冬、外部から暖かい室内に入った時)メーターを使用するために温度平衡のための一定時間を待つように要求している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような問題点を解消するために案出されたものであって、既存の測定技術は、効果的な特徴(Features)を抽出するために関連分野の専門家が長時間にわたって直接特徴を抽出する数式や方法を考案して適用するものであったとすれば、本発明の目的は、情報(Labels)があるサンプルから測定時間の間に得た入力信号をデータベース化して人工神経網技法を活用したディープラーニング学習を通じて人間が予め知っていない有用な特徴などを探し出し、このように学習で得られたアルゴリズムを適用して結果値を推定できる人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、既存の測定技術は、サンプルが入っているセンサーに入る入力波形の形態が変わればその度に特徴を探すのに多くの時間と努力を要するという短所がある特定値を推定する回帰モデルにもなり得るが、集団を分類する分類器にもなり得るフィーチャを毎度別途のフィーチャを探す必要なしに求めることができる人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法を提供することにある。
【0016】
また、本発明の目的は、ヘマトクリット以外に他の干渉種が少なくとも2以上の複合的に結合して生体測定物質の濃度に影響を与える場合には、フィーチャおよびこれらフィーチャを利用した検定式を自動的に補正できる人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の目的は、ヘマトクリット以外に他の干渉種が少なくとも2以上の複合的に結合して生体測定物質の濃度に影響を与える場合に、特別な異常を知らせることができる人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法を提供することにある。
【0018】
また、本発明の目的は、急激な外部環境の変化に対して外部環境変化の安定化のために一定時間待機する必要なしに生体測定物質の濃度を直ちに測定しても一定の正確度を提供できる人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施例による人工知能を利用した生体試料内の分析対象物質の濃度測定方法は、前記分析対象物質の酸化還元反応を触媒することができる酸化還元酵素と電子伝達媒介体が固定されており、作動電極と補助電極を備えた試料セルに液状生体試料を注入する段階と、前記分析対象物質の酸化還元反応を開始し、電子伝達反応を進行させることができるように前記作動電極に一定の直流電圧を印加して少なくとも一時点以上の特徴点で第1感応電流を得る段階と、前記一定の直流電圧を印加後、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を印加して少なくとも2時点以上で第2感応電流を得る段階と、前記第1感応電流または前記第2感応電流から予め定められたフィーチャ(feature)を計算する段階と、前記生体試料内の少なくとも1以上の妨害物質の影響が最小となるように人工知能学習により少なくとも1以上のフィーチャ(feature)関数で構成された検定式を用いて前記分析対象物質の濃度を補正する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、このような問題点を解消するために案出されたものであって、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法は、既存の測定技術は、効果的な特徴(Features)を抽出するために関連分野の専門家が長時間にわたって直接特徴を抽出する数式や方法を考案して適用するものであったとすれば、情報(Labels)があるサンプルから測定時間の間に得た入力信号をデータベース化して人工神経網技法を活用したディープラーニング学習を通じて人が予め知っていない有用な特徴などを探し出し、このように学習で得られたアルゴリズムを適用して結果値を推定できる。本発明の目的は、既存の測定技術は、サンプルが入っているセンサーに入る入力波形の形態が変わればその度に特徴を探すのに多くの時間と努力を要するという短所がある特定値を推定する回帰モデルにもなり得るが、集団を分類する分類器にもなり得るフィーチャを毎度別途のフィーチャを探す必要なしに求めることができる。
【0021】
また、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法は、ヘマトクリット以外に他の干渉種が少なくとも2以上の複合的に結合して生体測定物質の濃度に影響を与える場合には、フィーチャおよびこれらフィーチャを利用した検定式を自動的に補正することができる。
【0022】
また、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法は、ヘマトクリット以外に他の干渉種が少なくとも2以上の複合的に結合して生体測定物質の濃度に影響を与える場合に特別な異常を知らせることができる。
【0023】
また、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法は、急激な外部環境の変化に対して外部環境変化の安定化のために一定時間待機する必要なしに生体測定物質の濃度を直ちに測定しても一定の正確度を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置の内部構成図である。
【
図2】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置の内部構成図中の人工知能学習補正部の詳細図である。
【
図4】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法に使用されたΛ-階段化されたはしご形摂動電圧(Λ-stepladder-type perturbation potential)と、これに対応する感応電流を示すグラフである。
【
図5】従来の多重回帰方式を利用した血糖推定方法と、本発明の一実施例による人工神経網を利用したディープラーニング技法を活用した測定物濃度測定方法により血糖推定を実施した回帰モデル結果の例示図である。
【
図6】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により入力信号に一定の大きさのランダムノイズ(Random Noise)を印加した場合、ノイズによるアルゴリズムの堅牢性(Robustness)を示すグラフである。
【
図7】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により温度フィーチャを含まない場合と温度フィーチャを含む場合に血糖推定を実施した回帰モデル結果の例示図である。
【
図8】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により周辺温度が室温より高い場合によるアルゴリズムの堅牢性(Robustness)を示すグラフである。
【
図9】本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により周辺温度が室温より低い場合によるアルゴリズムの堅牢性(Robustness)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施例による人工神経網を利用したディープラーニング技法を活用した測定物濃度測定方法について
図1乃至
図6を参照して詳細に説明する。
【0026】
本明細書において、本発明の一実施例による人工神経網を利用したディープラーニング技法を活用した測定物濃度測定方法は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の保護範囲が実施例により限定されるのではない。
【0027】
図1乃至
図4を参照して本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法について説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置の内部構成図である。
【0029】
図1に示されているように、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置10は、既存の電気化学的バイオセンサー、つまり、ストリップ1の一対の作動電極と補助電極の構造をそのまま維持しながら、一定電圧印加後、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を印加し、人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により既存の多重回帰(Multiple Linear Regression)方法から抜け出してアルゴリズムの正確度、精密度、およびヘマトクリットを含む干渉補正性能を改善できる最適化した血糖推定人工知能基盤のディープラーニングアルゴリズムにより血糖測定値を提供することができる。
【0030】
本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置10はまた、制限されたハードウェアでも最適化した血糖推定人工知能基盤のディープラーニングアルゴリズム計算を効率的に進行して演算時間を8秒以内に進行することができる。
【0031】
本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置10は、前記電気化学的バイオセンサー1がコネクタ11に装着されると、前記コネクタ11は電流-電圧変換器12に電気的に接続されるが、マイクロコントローラー(MCU)15がデジタル-アナログコンバータ回路(DAC)13を通じて一定電圧を印加し、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を前記ストリップ1の作動電極に印加することができるように構成される。
【0032】
このために本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置10のファームウェアは、先ず予め決定された三角波型循環電圧を発生させることができる定数をメモリに保存し、一定電圧を印加する時は定められた定数をDAC13のレジスターに記録し、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を印加する時は定められた時間を周期として、前記メモリに保存された定数値を増/加減させてDAC13のレジスターに記録する。ただし、ここに例示する印加Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧の波形は例示に過ぎず、この例示に限定されず、同事業の従事者に当然な全ての波形の循環電圧を含む。
【0033】
前記マイクロコントローラー15は、前記DAC13レジスターに記録された定数値によりストリップの二つの電極の間に当該電圧を印加させる。
【0034】
一定電圧が印加され、Λ模様の階段化されたはしご形摂動電圧が印加されると、前記ストリップ1を通じて測定された応答電流が前記コネクタ11および前記電流-電圧変換器12を経て直接アナログ-デジタルコンバータ回路(ADC)13を通じて測定され得る。
【0035】
一方、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置10は、異常信号処理部16と人工知能ディープラーニングアルゴリズム計算部17をさらに含むが、前記異常信号処理部16は、前記ストリップ1が前記コネクタ11に接続が不良であったり、血液注入異常およびハードウェア異常による異常信号が検出されたりすると、これを警報、ディスプレイに表示などを通じて知らせ、前記人工知能ディープラーニングアルゴリズム計算部17で不必要な計算を行わないようにできる。
【0036】
前記人工知能ディープラーニングアルゴリズム計算部17は、最適化した人工知能ディープラーニング血糖測定アルゴリズムにより前記ストリップ1を通じて測定された応答電流から血糖測定値を8秒以内に求めることができる。
【0037】
以下、
図2を参照して本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法を説明する。
【0038】
図2は本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法のフローチャートである。
【0039】
図2を参照すれば、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法は、試料を準備し(S110)、例えば電気化学的対面型バイオセンサー1を生体情報測定装置10に装填し(S120)、前記バイオセンサー1が試料(血液)に接触して前記電気化学的バイオセンサー1の作動電極と補助電極を血液が濡らす瞬間に前記電流電圧変換器12を通じて一定電圧を印加し(S130)、前記一定電圧の印加後、印加電圧の終了時点に連続的にΛ模様の階段化されたはしご形摂動電圧を印加する(S140)。
【0040】
前記異常信号処理部16で感応電流が異常信号であるか否かを判断し(S150)、異常信号と判断されるとこれを警報、ディスプレイに表示などを通じて知らせることができる(S151)。
【0041】
この時、異常信号が周辺温度、ストリップや血液の温度が室内温度より過度に高いか 低いためであると判断されると、待機時間なしに人工知能ディープラーニング基盤の最適化アルゴリズムを利用した血糖値計算を進行することができる。
【0042】
また、異常信号でないと判断されると、前記人工知能ディープラーニングアルゴリズム計算部17で最適化した人工知能ディープラーニング血糖測定アルゴリズムにより測定された応答電流から血糖測定値を求めることができる。
【0043】
図3は本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定装置の内部構成図中の人工知能学習補正部の詳細図である。
【0044】
図3に示されているように、前記人工知能ディープラーニングアルゴリズム計算部17は、生体情報分析人工知能基盤のディープラーニングサーバー100と有無線ネットワークを通じて最適化した人工知能学習アルゴリズムをダウンロードまたはソフトウェアを通じて保存され得るが、生体情報分析人工知能基盤のディープラーニングサーバー100は、前記生体情報測定装置10を通じて採血した血液をセンサー(Strip)に注入することによって起こる電気化学的反応を通じて1次元時系列データ(Time series data)を獲得する信号獲得部110と、前記信号獲得部110から獲得された信号中に血液注入異常およびハードウェア異常による異常信号を除外するか、前記生体情報測定装置10で利用できる最適化した生体情報測定アルゴリズムを得るために信号を前処理する信号前処理部130と、前記信号前処理部130を通じて処理された信号を利用して最適化した生体情報測定アルゴリズムをディープラーニング人工神経網技法を活用して自動的に特徴を抽出する生体情報測定アルゴリズム生成部150と、前記生体情報測定装置10で利用できる最適化の結果導出部170とを含むことができる。
【0045】
前記信号前処理部130は、前記生体情報測定アルゴリズム生成部150で学習できるように正規化(Normalization)あるいは標準化(Standardization)を通じてデータを一定の大きさ(scale)あるいは分布(distribution)に変換し、変換されたデータは多チャンネルデータを組み合わせたりドメイン転換(例えば、時間あるいは周波数ドメイン)などの信号処理およびデータ変換を利用してデータイメージ化させることができる。
【0046】
前記生体情報測定アルゴリズム生成部150は、血糖測定のためのアルゴリズム構造を形成するアルゴリズム構造部151と、血糖予測値が真の値である血糖値を最も正確に予測できるようにアルゴリズム内の変数を調整するアルゴリズム学習部153と、血糖値予測の正確度および精密度向上のために一つ以上のアルゴリズムを組み合わせて最終予測値は算出するアンサンブルアルゴリズム部155とを含むことができる。
【0047】
また、前記アルゴリズム構造部151は、前記信号前処理部130を通じて信号前処理された生体情報信号データ内に含まれている測定物の特徴を抽出する特徴抽出部151aと、前記特徴抽出部151aを利用して求められた特徴を利用して血糖値を推定する血糖値予測部151bとを含むことができる。
【0048】
前記アルゴリズム構造部151は、測定物の成分、ヘマトクリット、温度、干渉種の特性など周辺環境を反映したイメージから分類あるいは測定しようとする結果値を反映する特徴をディープラーニング人工神経網技法を活用して自動抽出する。
【0049】
前記アルゴリズム学習部153は、抽出された特徴を用いてアルゴリズム学習過程を経て結果値の誤差が最小となる人工神経網層間の加重値(Weight)およびバイアス(Bias)を導出する。
【0050】
前記アルゴリズム構造部151は、人工神経網アルゴリズムで目的に合うように特定値を推定する回帰モデルとして活用が可能であり、また、測定物の種類を分類する分類器として活用が可能である。
【0051】
本明細書において、血糖測定時のヘマトクリットにより測定誤差が発生することを補正することを好ましい実施例として説明するが、グルコース検査と同様に、特定の酵素を導入することによって多様な代謝物質、例えばβ-ヒドロキシブチレート(別名ケトン体)、コレステロール、ラクテート、クレアチニン、過酸化水素、アルコール、アミノ酸、グルタメートのような有機物または無機物の濃度も同様な方法で測定値を補正することができる。したがって、本発明は、試料層組成物に含まれる酵素の種類を異にすることによって多様な代謝物質の定量に利用され得る。
【0052】
例えば、β-ヒドロキシブチレート脱水素化酵素(a-hydroxybutyrate dehydrogenase)、グルコース酸化酵素(glucose oxidase、GOx)、グルコース脱水素化酵素(glucose dehydrogenase、GDH)、グルタメート酸化酵素(glutamate oxidase)、グルタメート脱水素化酵素(glutamate dehydrogenase)、コレステロール酸化酵素、コレステロールエステル化酵素、ラクテート酸化酵素、アスコルビン酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、アルコール脱水素化酵素、ビリルビン酸化酵素などを使用し、β-ヒドロキシブチレート、グルコース、グルタメート、コレステロール、ラクテート、アスコルビン酸、アルコールおよびビリルビンなどの定量を行うことができる。
【0053】
本発明の一実施例による生体情報測定装置10には、作動電極および補助電極が互いに異なる平面上で対面するように備えられ、前記作動電極上に物質による酵素および電子伝達媒体を含む試薬組成物がコーティングされた対面型電気化学的バイオセンサーが適用され得る。
【0054】
また、本発明の一実施例による生体情報測定装置10には、作動電極および補助電極が一平面上に備えられ、前記作動電極上に物質による酵素および電子伝達媒体を含む試薬組成物がコーティングされた平面型電気化学的バイオセンサーが適用され得る。
【0055】
次に、
図4を参照して簡単にΛ-階段化されたはしご形摂動電圧(Λ-stepladder-type perturbation potential)を用いた理由について説明する。
【0056】
図4は本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した血糖測定方法に使用されたΛ-階段化されたはしご形摂動電圧(Λ-stepladder-type perturbation potential)と、これに対応する感応電流を示すグラフである。
【0057】
一方、本発明の好ましい実施例による人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法は、
図4に示されているように、階段化されたはしご形摂動電圧を一定電圧(VDC)が印加された後、引き続き印加して感応電流を通じて生体測定物の濃度を測定するが、このように階段化されたはしご形摂動電圧を印加することは、感応電流の特性に重要な変化を起こして、赤血球容積率またはその他干渉種の影響を除去または最小化するためである。
【0058】
ここで感応電流を第1感応電流または第2感応電流で表示したことは、揺動あるいは摂動により感応電流の特性が変わって互いに異なることを示すためである。
【0059】
一定電圧の印加後に検定式で赤血球容積率の影響を除去する目的で短時間に追加的に印加する周期性を有する階段化されたはしご形摂動電圧印加方式を「Λ-階段化されたはしご形摂動電圧(Λ-stepladder perturbation potential)あるいは簡単に階段化されたはしご形電圧(stepladder potential)」と定義する。
【0060】
前記で特性が互いに異なる電流とは、血糖と赤血球容積率(妨害物質)に依存する方式が互いに異なるため、赤血球容積率の影響を効果的に分離したり補正したりできる変数として用いることができる電流をいう。
【0061】
前記摂動電圧が印加される区間に対応する第2感応電流から特徴点を探す方法、およびこの特徴点でフィーチャ(feature)を作る方法は次のとおりである。
【0062】
下記の方法は一つの例であり、応用の目的により多様に変形して適用することができる。
1)特定の階段化されたはしご形の山および谷電圧付近での感応電流
2)階段化されたはしご形において各階段の感応電流からなる曲線の曲率
3)階段化されたはしご形の山での電流値と谷での電流値との差
4)上りと下りとの中間の階段化されたはしご形での感応電流
5)各階段化されたはしご形サイクルの開始および終了地点での感応電流
6)階段化されたはしご形波から得た感応電流の平均値
7)前記1乃至6のフィーチャから得た電流値を四則演算、指数、ログ、三角関数などの数学的関数で表現して得ることができる値
【0063】
このように前記摂動電圧が印加される区間に対応する第2感応電流から特徴点を探したり、この特徴点から得た電流値をフィーチャ(feature)として作り、これを線形に結合して多変数回帰分析(multivariable regression analysis)を適用すれば、赤血球容積率による影響を最小化した検定式を得ることができる。
【0064】
前記検定式は、
【数1】
のうちの一つであり、
ここでiは第1感応電流および第2感応電流で得ることができる1以上の電流値であり、Tは独立的に測定した温度値である。
【0065】
再び
図3を参照すれば、前記信号獲得部110は、採血した血液をセンサー(Strip)に注入することによって起こる電気化学的反応を通じて1次元時系列データ(Time series data)を獲得することができる。
【0066】
前記信号前処理部130は、1次元時系列データを信号処理およびデータ変換を通じて2次元以上のデータでイメージ化して人工神経網の入力信号として利用することができる。
【0067】
前記生体情報測定アルゴリズム生成部150は、測定物の成分および周辺環境を反映したイメージから分類あるいは測定しようとする結果値を反映する特徴をディープラーニング人工神経網技法を活用して自動抽出する。
【0068】
前記アルゴリズム学習部153を通じて抽出された特徴を用いてアルゴリズム学習をして結果値の誤差が最小となる人工神経網層間の加重値(Weight)およびバイアス(Bias)を導出する。
【0069】
人工神経網アルゴリズムは、目的に合うように特定値を推定する回帰モデルとして活用が可能であり、また、測定物の種類を分類する分類器として活用が可能である。
【0070】
本発明の一実施例による人工神経網を利用したディープラーニング技法を活用した測定物測定方法において、血糖測定器のアルゴリズムを作るための学習データを得るためには血糖値に影響を与える多様な要素を反映して実験を実施する。
【0071】
血糖値に影響を与える主要要素としては、血液のブドウ糖(Glucose)、ヘマトクリット(Hematocrit)、測定温度、酸素分圧などがある。
【0072】
多様な実験条件の血液サンプルを製作して反復測定を通じてアルゴリズムを作るための学習データを得る。
【0073】
得られた学習データは、1次元時系列データであって、時間の流れに応じた測定物の電気化学的反応を示す。
【0074】
学習データは、正規化(Normalization)あるいは標準化(Standardization)を通じてデータを一定の大きさ(scale)あるいは分布(distribution)に変換する。
【0075】
変換されたデータは、多チャンネルデータを組み合わせたりドメイン転換(例えば、時間あるいは周波数ドメイン)などの信号処理およびデータ変換を利用してデータイメージ化させることができる。
【0076】
イメージ化されたデータは、人工神経網ディープラーニング技術を利用して入力による適した結果を出力できるアルゴリズムを学習することができる。
【0077】
人工神経網は、人間の脳が動作する原理を模倣した方法として、人工神経網内の多くの層に存在するニューロン間の加重値を調節することが好ましい。
【0078】
このような人工神経網は、構造によりConvolutional Neural Network(CNN)、Deep Belief Networks(DBN)、そしてRecurrent Neural Networks(RNNs)などがある。人工神経網ディープラーニング技術が他の機械学習と異なる点は、特徴を自動抽出できるということである。
【0079】
特徴自動抽出は、Restricted Boltzmann machines(RBM)など多様な方法がある。
【0080】
RBMは、非指導学習(Unsupervised learning)に利用され得、入力データ分布と確率により決定(stochastic decision)される再構成データの分布が類似に作る最適化過程を経るようになる。
【0081】
結果的には、隠匿層の結果値を入力データを示す特徴値として使用することができる。
【0082】
前記過程を反復的に行いながら隠匿層を多くの層に拡張して隠匿層別特徴を求めて人工神経網の構造を構成することができる。
【0083】
人工神経網学習の目的は、出力のエラーを最小化することである。
【0084】
出力の誤差を最小化する方法は、Levenberg-Marquardt、Gauss-Newton、Gradient descentなどの方法がある。
【0085】
前記最適化方法を通じて人工神経網全体の加重値(Weight)とバイアス(Bias)値を決定するようになる。
【0086】
人工神経網において、加重値とバイアス以外にも、活性化関数(Activation function)も重要な役割を果たす。
【0087】
活性化関数は、各ニューロン(ノード)から入力信号を受けて出力を如何に排出するのかを決定する。
【0088】
活性化関数には、シグモイド(Sigmoid)、ハイパボリックタンジェント(hyperbolic tangent)、正規化線形ユニット(Rectified Linear Unit)などがある。
【0089】
人工神経網は、出力層の活性化関数あるいは構造変更を通じてデータの種類(Type)を分類する分類器あるいは値を推定する回帰分析(Regression)に使用することができる。
【0090】
例えば人間の血液とコントロールソリューション溶液を区分する分類器として活用することができ、また、血糖値を推定する回帰分析に活用することもできる。
【0091】
図5に示されているように、既存の多重回帰方式を利用した血糖推定方法と人工神経網を利用した血糖推定を実施した回帰モデル結果を比較してみることができる。
【0092】
血糖基準測定装備であるYSIと推定された血糖値を比較した結果、人工神経網を利用した推定された血糖値が既存の多重回帰方式より正確な結果を示すことが分かる。
【0093】
図6に示されているように、入力信号に一定の大きさのランダムノイズ(Random Noise)を印加した場合、ノイズによるアルゴリズムの堅牢性(Robustness)を確認することができる。
【0094】
これによって、アルゴリズムの堅牢性は、基準値であるYSI値と測定アルゴリズム値の平均二乗偏差(Root Mean Square Error)で確認した。
【0095】
多重回帰の場合、血液濃度と関係なしにノイズに敏感に反応し、出力値が不安定に示される。
【0096】
反面、人工神経網の場合には特に低濃度ではノイズに堅牢な性質を示し、出力値が回帰方法に比べて安定して示されることが分かる。
【0097】
次に、
図7乃至
図9を参照して、血液濃度に影響を与え得るノイズのうちの一つの要因である周辺温度とバランシング温度差が大きい場合、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法について実施例を挙げて説明する。
【0098】
図7は本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により温度フィーチャを含まない場合と、温度フィーチャを含む場合、血糖推定を実施した回帰モデル結果の例示図であり、
図8および
図9はそれぞれ本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法により周辺温度が室温より高い場合と、室温より低い場合のアルゴリズムの堅牢性(Robustness)を示すグラフである。
【0099】
(実施例1)ニューラルネットモデルの温度Featureを含むか否かによる性能比較
温度Featureを含むか否かによるニューラルネットアルゴリズム性能変化を観測するために同一の構造がニューラルネットアルゴリズムで、温度Featurを含む/含まずに2個の同一の人工知能ディープラーニングアルゴリズムモデルを具現して[表1]および
図7に示した。
【0100】
性能比較は総9Lotの臨床テストを通じて総930個のサンプルを通じて確認した。
【0101】
図7に示されているように、温度Featureを含む場合や含まない場合、基準値であるYSI値に対する差をみると、±5%である場合の正確度が平均66.6%、67.1%、±10%である場合の正確度が平均93.2%、93.9%、±15%である場合の正確度が平均98.7%、98.8%の性能を示して、温度フィーチャを含むか否かによるニューラルネットアルゴリズムの性能差は臨床データで殆どないことを確認することができた。
【0102】
【0103】
(実施例2)急激な環境変化によるメーター温度差に対するアルゴリズム結果の変化比較
アルゴリズムに適用される温度Featureの値は、メーターに付着された温度センサーを通じて得られる値であって、急激な周囲環境の変化が生じる時に即時正確な温度値を測定し難く、温度平衡がなされるための時間が必要である。
【0104】
したがって、このような問題により使用者が急激な環境変化にある時、例えば、寒い冬、外部から暖かい室内に入った時、メーターを使用するためには温度平衡のための一定時間を待たなければならず、そうしなければ不正確な血糖値を得ることがあった。
【0105】
これに対して実験例1を参照して、温度を含まない本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を利用した生体測定物濃度測定方法により、このような問題点を解決可能であることを説明する。
【0106】
このために、23度で温度平衡後、23度環境で実験する対照群と、43度から23度環境に温度平衡させる過程と、0度から23度環境に温度平衡時させる過程でメーター測定温度の誤差による実験群1、2のアルゴリズム値差を既存の多重回帰分析方法による場合と、温度を含まないニューラルネットアルゴリズムのそれぞれに対して比較して[表2]および
図8および
図9に示した。
【0107】
【0108】
実験の結果、43度環境にあった実験群1のメーターは、約24分が経つまで実験環境である23度と測定温度値で差を示すようになる。このような測定温度値差により多重線形回帰アルゴリズムで対照群と最大13.6%の差を示し、約9分程度の温度平衡のための待機時間が必要であった。反面、人工神経網アルゴリズムは、温度値差に関係なしに対照群と0~2%の差を維持し、待機時間なしに即時使用可能であった。同様に、5.8度環境にあった実験群2のメーターは、約24分が経つまで実験環境である23度と測定温度値で差を示すようになる。このような測定温度値差により多重線形回帰アルゴリズムで対照群と最大14.8%の差を示し、約15分程度の温度平衡のための待機時間が必要であった。
【0109】
反面、人工神経網アルゴリズムは、温度値差に関係なしに対照群と0~2%の差を維持し、待機時間なしに即時使用可能であった。
【0110】
当該実験結果を通じて急激な環境変化に対して温度を含まないニューラルネットアルゴリズムがより正確な結果を得ることができ、使用者も特別な待機時間なしに製品使用が可能であることを確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、このような問題点を解消するために案出されたものであって、本発明の一実施例による人工知能ディープラーニング学習を活用した測定物濃度測定方法は、既存の測定技術は、効果的な特徴(Features)を抽出するために関連分野の専門家が長時間にわたって直接特徴を抽出する数式や方法を考案して適用するものであったとすれば、情報(Labels)があるサンプルから測定時間の間に得た入力信号をデータベース化して人工神経網技法を活用したディープラーニング学習を通じて人間が予め知っていない有用な特徴などを探し出し、このように学習で得られたアルゴリズムを適用して結果値を推定できる本発明の目的は、既存の測定技術は、サンプルが入っているセンサーに入る入力波形の形態が変わればその度に特徴を探すのに多くの時間と努力を要するという短所がある特定値を推定する回帰モデルにもなり得るが、集団を分類する分類器にもなり得るフィーチャを毎度別途のフィーチャを探す必要なしに求めることができる。