(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】焼酎バイオマス燃料製造プラント
(51)【国際特許分類】
C12F 3/10 20060101AFI20220617BHJP
B01D 3/14 20060101ALI20220617BHJP
C12P 7/06 20060101ALI20220617BHJP
C10L 1/02 20060101ALN20220617BHJP
C12M 1/00 20060101ALN20220617BHJP
【FI】
C12F3/10
B01D3/14 A
C12P7/06
C10L1/02
C12M1/00 C
(21)【出願番号】P 2017191040
(22)【出願日】2017-09-29
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】504224153
【氏名又は名称】国立大学法人 宮崎大学
(73)【特許権者】
【識別番号】517035924
【氏名又は名称】株式会社穴吹ハウジングサービス
(74)【代理人】
【識別番号】240000039
【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩盛 弘一郎
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-077182(JP,A)
【文献】特開昭57-014541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12F、B01D、C12P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼酎蒸留廃液とデンプン質を含む発酵混合液が投入される蒸留釜
を備えた焼酎バイオマス燃料プラントにおいて
、前記蒸留釜の内部に前記発酵混合液
を固液分離する原料ガゴが取り付けられ、当該蒸留釜の上部に少なくとも3基の蒸留器を階層かつ前記蒸留器同士を原液流通管で連通して多層蒸留部を立設し、最上階の蒸留器は、コンデンサ(凝縮器)と連通するエルボ管が取り付けられた蓋体で閉蓋され、最下階の蒸留器は、その下端が蒸留釜の内部に臨む鉤状に屈曲形成された原液流通管を備え、前記蒸留釜の下部には飽和蒸気供給ラインから蒸気が供給される加熱器が設けられ、前記蒸留釜内部で固液分離された発酵混合液を加熱蒸留し、前記多層蒸留部中を順次繰り返し段階的に揮発蒸留しながら上昇させて前記コンデンサ(凝縮器)に送られた気体状の蒸留液(再生エタノール)を凝縮液化した後、冷却器に流下させ、当該冷却器から流出させた蒸留液をエタノール分と水分を分離する油水分離器を通過させて得られたエタノール分を多層蒸留部に送液して再蒸留する蒸留還流ラインが設けられていることを特徴とする焼酎バイオマス燃料プラント。
【請求項2】
各蒸留器は、その側面に蒸留器内を通る流体の流通、停止及び流速・流量の概況を直接目視して監視するサイトグラスを取り付けられ、底板を持つ筒状の外套とから蒸留室を区画構成し、底板に上下が開放されると共に、外套よりも小径なオーバーフロー筒(中筒)を立設し、このオーバーフロー筒(中筒)の上開口を塞ぐ蓋冠を固定して形成されると共に、オーバーフロー筒(中筒)の上端部には原液導入孔が形成され、蓋冠の下端部の周囲には原液導出孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の焼酎バイオマス燃料プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼酎蒸留廃液から燃料用の再生エタノールを製造する焼酎バイオマス燃料製造プラントに関するものであり、とくにその蒸留設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
焼酎蒸留廃液は、以前は海洋投棄されていたが、ロンドン条約により2001年より海洋投棄が禁止され、全量陸上処理が行われるようになっている。焼酎蒸留廃液は、メタン発酵による処理、堆肥化、飼料化(非特許文献1参照。)などが主に行われている。
【0003】
一方、焼酎蒸留廃液には、1%未満の少量のエタノールが含まれており、鹿児島大学の幡手らは焼酎蒸留廃液からエタノール回収の可能性を示している(非特許文献2参照。)。また、清酒や焼酎などの製造においては、商品となる液体部分である酒と多量の水分を含有する泥状の酒粕や焼酎粕が生成される(例えば、特許文献1参照。)。そこで、清酒を醸造した後に残る酒粕を蒸留してエチルアルコール分を回収し、いわゆる粕取り焼酎として飲用に供されることがある。
【0004】
清酒の製造において、蒸米中で麹菌を増殖させて麹を生成し、この麹に水分と蒸米と酵母を加えてもろみを生成し、その後、もろみを熟成して液体状の清酒と泥状の酒粕とに濾して分離し、液体状の清酒だけを商品として出荷し、酒粕は産業廃棄物として廃棄していた。
【0005】
また、焼酎の製造においては、蒸米や蒸麦、蒸芋中で麹菌を増殖させて麹を生成し、この麹に水分と酵母を加えて1次もろみを生成し、この1次もろみに主原料となる芋、麦、米などを加えて発酵させて2次もろみを生成し、その後、2次もろみを蒸留することによってアルコール分を含有する液体状の焼酎と泥状の焼酎粕とに分離し、液体状の焼酎だけを商品として出荷し、焼酎粕もまた産業廃棄物として廃棄していた。
【0006】
焼酎粕には、粗タンパク、有機酸類の様々な栄養素が残留しているため、上述したように、一部では肥料化や飼料化して再利用する技術が構築されているが、焼酎の製造量の増加に伴って焼酎粕も大量に生成されており、一部が肥料や飼料として消費される量が焼酎粕生成量に比べて極めて少なく、全ての焼酎粕が肥料や飼料として再利用できなかった。
【0007】
そこで、焼酎製造の際に副生する焼酎粕に残留したアルコール分を回収すると共に、固形残滓を極めて減容することができる焼酎粕を利用した再生アルコールの製造方法が提案されている(特許文献2参照。)。これは、焼酎粕・酒粕又は食品残渣を発酵させたものとエタノールを混合し、少なくとも1回、好ましくは複数回蒸留して、焼酎粕に残留するアルコールを分離して抽出するもので、焼酎粕のみならず、酒粕又は公知方法を用いて発酵させた食品残渣も再生アルコール原料にできる。こうした焼酎粕を利用した再生アルコール回収は廃棄物の資源化となり、資源リサイクルの視点から有意義なことである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】宮崎ら,三井造船技報,193,30-35(1998)
【文献】幡手ら,鹿児島大学工学部研究報告,39,117-120(1997)
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2005-237299号公報
【文献】特開2014-18080号公報
【文献】特開2016-77182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献2に開示された製造方法においては、焼酎蒸留廃液中のエタノール濃度が低いため回収されるエタノールの絶対量が少なく、エネルギー回収効率が低いという課題があった。そこで、本発明者は鋭意研究の結果、焼酎蒸留廃液の蒸留実験を繰り返す過程で、芋を原料とした減圧蒸留廃液を常圧蒸留することにより、本来蒸留廃液に含まれていたエタノール量より、蒸留後回収されるエタノール量が増加する現象を見出した。これは、減圧蒸留廃液は蒸留時の温度が40~50℃と低く、焼酎もろみに含まれる酵素群及び酵母が活性を保っており、蒸留の加熱により発酵が進行し、新たにエタノールが生産されるということを知得し、特許文献3をもって先に提案している。
【0011】
特許文献3の発明は、焼酎廃液の物質交換機能による燃料用エタノールの製造方法で、焼酎蒸留廃液とデンプン質を含む食品残渣を混合し、デンプン質を糖化し、エタノール発酵した後、少なくとも1回、好ましくは複数回蒸留してエタノールを分離して抽出することを特徴とし、次の工程からなることを特徴とする。
(1)焼酎蒸留廃液とデンプン質を含む食品残渣を混合して発酵させる工程
(2)発酵後の混合物を蒸留して固液分離してエタノールを抽出する工程
【0012】
そして、前記製造方法により、大量生産方式で生産される液化法による焼酎粕や酒粕も使用することができ、再生エタノールを回収することができる。また、焼酎蒸留廃液から燃料用エタノールを回収でき、固形残滓を大幅に減容できるばかりでなく、その残渣を燃料や家畜飼料等として利用することでほぼ完全にリサイクルすることができるという優れた効果を奏する。
【0013】
本発明は、特許文献3に記載された技術のとくに蒸留設備における実用化を達成すると共に、再生エタノールの高い精留効果を図ることができる焼酎バイオマス燃料製造プラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明の焼酎バイオマス燃料プラントは、焼酎蒸留廃液とデンプン質を含む発酵混合液が投入される蒸留釜を備えた焼酎バイオマス燃料プラントにおいて、前記蒸留釜の内部に前記発酵混合液を固液分離する原料ガゴが取り付けられ、当該蒸留釜の上部に少なくとも3基の蒸留器を階層かつ前記蒸留器同士を原液流通管で連通して多層蒸留部を立設し、最上階の蒸留器は、コンデンサ(凝縮器)と連通するエルボ管が取り付けられた蓋体で閉蓋され、最下階の蒸留器は、その下端が蒸留釜の内部に臨む鉤状に屈曲形成された原液流通管を備え、前記蒸留釜の下部には飽和蒸気供給ラインから蒸気が供給される加熱器が設けられ、前記蒸留釜内部で固液分離された発酵混合液を加熱蒸留し、前記多層蒸留部中を順次繰り返し段階的に揮発蒸留しながら上昇させて前記コンデンサ(凝縮器)に送られた気体状の蒸留液(再生エタノール)を凝縮液化した後、冷却器に流下させ、当該冷却器から流出させた蒸留液をエタノール分と水分を分離する油水分離器を通過させて得られたエタノール分を多層蒸留部に送液して再蒸留する蒸留還流ラインが設けられていることを第1の特徴とする。また、各蒸留器は、その側面に蒸留器内を通る流体の流通、停止及び流速・流量の概況を直接目視して監視するサイトグラスを取り付けられ、底板を持つ筒状の外套とから蒸留室を区画構成し、底板に上下が開放されると共に、外套よりも小径なオーバーフロー筒(中筒)を立設し、このオーバーフロー筒(中筒)の上開口を塞ぐ蓋冠を固定して形成されると共に、オーバーフロー筒(中筒)の上端部には原液導入孔が形成され、蓋冠の下端部の周囲には原液導出孔が形成されていることを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下に記載する優れた効果が得られる。
(1)本発明によれば、高い精留効果が得られ極めて純度の高い再生エタノールを回収することができる。
(2)少なくとも3基の蒸留器が蒸留釜に階層かつ前記蒸留器同士を通気管で連通したので、特段の送気手段を要しない。
(3)冷却器を付加したので、原料が劣化することなく、蒸留時間の短縮化及び高いエネルギー効率で再生エタノールを製造することができる。
【0016】
また、本発明では、焼酎蒸留廃液とデンプン質を含む食品残渣を混合し、この混合液をエタノール発酵させ、複数回繰り返して蒸留することにより、焼酎蒸留廃液の残留エタノールを抽出して焼酎の生産量に対する焼酎粕(残滓)の副生率を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る再生エタノールの製造工程及び廃液処理プラントの概要を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明に係る焼酎バイオマス蒸留プラントの概要を模式的に示すブロック図である。
【
図3】本発明に係る蒸留釜の一部側面断面図である。
【
図4】本発明に係る蒸留釜の(a)は上蓋体を示す側面断面図、(b)はコンデンサの蓋体を示す側面図である。
【
図5】本発明に係る蒸留釜の第1の蒸留器の一例を示す(a)は一部断面平面図、(b)は側面断面図である。
【
図6】本発明に係る蒸留釜の(a)は第2の蒸留器の一例を示す側面断面図、(b)は第3の蒸留器を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、以下に、本発明に係る燃料用再生エタノールの製造方法を芋焼酎蒸留廃液に適用した場合を例示する。すなわち、公知の焼酎製造過程において副生成される焼酎粕を有効に再利用して新たなエタノールを製造する方法である。
【0019】
図1に示すように、減圧および常圧の焼酎蒸留廃液1とデンプン質を含む食品残渣2を適宜の割合で混合して混合液3とする。次いで、この混合液3のデンプン質を糖化し、エタノール発酵させる。これにより、焼酎蒸留廃液には通常1%以下しか含まれないエタノールを約10%と、当初の約10倍にまで高めることができた。尚、食品残渣としては芋くず、茶殻、コヒー粕、果汁絞り粕等が挙げられる。
【0020】
これは、焼酎蒸留廃液1に含まれている糖化酵素類および酵母の酵素の物資変換機能を有効利用して、食品残渣留を原料にエタノール変換するものである。そして、生成したエタノールを蒸留(蒸発工程4)し、エタノール回収工程5及びエタノール精製工程7を経ることにより燃料用エタノール8を得ることができる。
【0021】
そして、得られた再生エタノール8により発電設備14の熱源となるボイラー設備13を運転して電力を得る。この発電設備14で得られた電力は蒸留(蒸発工程4)と廃液の固形分(蒸留残渣6)の乾燥工程を行う乾燥設備9の熱源及び処理プラント全体の運転に使用する。余剰の電力は売電することも可能である。また、処理廃液より得られた乾燥固形分は固形燃料としてボイラー設備13の燃料あるいは家畜用飼料10として使用する。乾燥固形分分離後に残る高BODの残渣は、公知方法によりその低減化(高BOD低減工程11)を行い最終排液12として廃棄処分する。
【0022】
これらの一連の処理により、焼酎蒸留廃液に含まれるエタノールの回収に必要なエネルギーおよびコストを大幅に削減できる。すなわち、焼酎蒸留廃液に残されていた生物機能を利用し、食品残渣中のバイオマスを原料に物質変換を行うことは、廃液処理プロセスを効率的に行う有効な手段と言える。
【実施例】
【0023】
図2乃至
図4に示すように、本発明に係る焼酎バイオマス燃料プラントは、商用電源42を動力として運転される。上記工程中の蒸留工程4、エタノール回収工程5及びエタノール精製システム7を具体化した設備の一例であり、上記発酵工程で得られた焼酎廃液1や食品廃棄物2の発酵混合液3(以下、原液3と称する)を、蒸留釜15に移行させて蒸留するものである。蒸留釜15の内部には固形物を投入する原料用ガゴ15aが取付けられると共に、その上部に第1の蒸留器(上棚段)16a、第2の蒸留器(中棚段)16b及び第3の蒸留器(下棚段)16cが階層して立設されると共に、その内部が原液流通管17a、17b
、17c及び
その下端が蒸留釜の内部に臨む鉤状に屈曲形成された17dで連通して設けられている。これら階層された3基の蒸留器16a、16b及び16cを多層蒸留部16と称する。
【0024】
蒸留釜15の上部に設けられた前記多層蒸留部16の第1の蒸留器(上棚段)16aは、コンデンサ(凝縮器)30とサクションホース31で連通するために、エルボ管32が取り付けられた蓋体33で閉蓋され、コンデンサ30もサクションホース31と繋ぐためのエルボ管34が取り付けられた蓋体35で閉蓋されている。また、蒸留釜15には温度計28と側温抵抗体29が取付けられて蒸留釜15の内部温度を監視できるようにされている。
【0025】
蒸留釜15の下部には飽和蒸気供給ラインL1からストレーナ49、減圧弁50及び流量計51を介して加熱器43に蒸気が供給される。加熱器43は直接蒸気熱源43aと間接蒸気熱源43bとから構成されており、蒸留釜15に投入された原液3を加熱蒸留するようにされている。間接蒸気熱源43bには蒸気トラップ45を介して飽和蒸気供給ラインL1中の復水を排除するための蒸気ドレン46が設けられている。また、蒸気釜15の下端には原液蒸留後の残渣(最終廃液)12を排出するための廃液排出口15eが設けられている。尚、図中、49は圧力計、52はバルブであり、供給される飽和蒸気量と圧力を適宜調整できるようにされている。
【0026】
図5乃至
図6に示すように、多層蒸留部16の各蒸留器16a、16b及び16cの基本的な構成は、側面に蒸留器内を通る流体の流通、停止及び流速・流量の概況を直接目視して監視するサイトグラス18を取り付け、底板19を持つ筒状の外套20とから蒸留室21を区画構成し、底板19に上下が開放されると共に、外套20よりも小径なオーバーフロー筒(中筒)22を立設し、このオーバーフロー筒22の上開口を塞ぐ蓋冠筒23を蝶ねじ23aで固定して形成されている。オーバーフロー筒(中筒)22の上端部には原液導入孔24が形成され、蓋冠23の下端部の周囲には原液導出孔25が形成されている。そして、蒸留釜15で固液分離された原液3は、多層蒸留部16中を順次繰り返し段階的に揮発蒸留されながら上昇し夾雑物を除去することで、高い精留効果が得られる。尚、
図5に示すように、袖管27に前記温度計28と側温抵抗体29を取付け、温度センサー44により多層蒸留部16の内部温度を温度記録計41にて監視できるようにすることが好ましい。
【0027】
多層蒸留部16からコンデンサ30に送られた気体状態の蒸留液(再生エタノール)8は、コンデンサ30内で凝縮液化されて冷却器38に流下する。冷却器38には冷却水供給口55から冷媒としての水道水が供給され、その内部に配された螺旋管38a内を流通しながらさらに冷却される。また、冷媒として使用し蒸気化した冷却水はコンデンサ30に送られ、凝縮液化されて冷却水排出口30aから排出される。コンデンサ30には正圧安全弁55が、螺旋管38aの先端部には温度センサー44が取付けられている。
【0028】
冷却器38から流出された蒸留液は油水分離器37を通過してエタノール(油分)8と水分が分離された後、再生エタノール貯留タンク39に貯留される。油水分離器37からはサンプル取出口39dが分岐されている。また、冷却器38から油水分離器37への経路の途中から多層蒸留部16に至る蒸留液還流ラインL2が設けられ、冷却器38から流出された蒸留液を送液ポンプ47で多層蒸留部16に送液して反復して再蒸留することで精留効果を向上させ極めて純度の高い再生エタノール8を回収することができる。これらの動作は制御盤36によってコントロールされる。
【0029】
再生エタノール貯留タンク39は、引圧ラインL3を介して真空ポンプ40が連結され、貯留タンク39内を真空状態に引圧することで再生エタノール8をタンク内に流入させる。したがって、真空解除のためのエアー抜き39eが設けられている。図中、39a、39bは覗窓、39cは蒸留液(再生エタノール)8の取出口である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る焼酎バイオマス燃料製造プラントは、焼酎以外の酒類の廃液処理又は食品残渣発酵物にも適用でき、産業廃棄物処理上の問題を解決する一助とすることができる。すなわち、酒類製造分野および食品製造分野の廃棄物処理技術において利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 焼酎蒸留廃液
2 食品廃棄物(デンプン質含有)
3 発酵混合液(原液)
4 蒸留(蒸発工程)
5 エタノール回収工程
6 蒸留残渣
7 エタノール精製工程
8 再生エタノール(燃料用タノール)
9 乾燥設備
10 飼料
11 高BOD低減工程
12 最終排液
13 ボイラー設備
14 発電設備
15 蒸留釜
15a覗窓
15b覗窓
15c覗窓
15d覗窓
15e廃液排出口
16 多層蒸留部
16a第1の蒸留器(上棚段)
16b第2の蒸留器(中棚段)
16c第3の蒸留器(下棚段)
17a原液流通管(直管)
17b原液流通管(直管)
17c原液流通管(直管)
17d原液流通管(鉤管)
18 サイトグラス
19 蒸留器の底板
20 蒸留器の外套
21 蒸留室
22 オーバーフロー管(中筒)
23 蓋冠筒
23a蝶ねじ
24 原液導入口
25 原液導出口
26 原液流通管の挿入筒
27 袖筒
27a透孔
28 温度計
29 側温抵抗体
30 コンデンサ(凝縮器)
30a冷却水排水口
31 サクションホース
32 エルボ管
33 蒸留器の蓋体
34 エルボ管
35 コンデンサの蓋体
36 制御盤
37 油水分離器
38 冷却器
39 貯留タンク
39a覗窓
39b除窓
39c蒸留液取出口
39dサンプル取出口
39eエアー抜き(真空解除)
40 真空ポンプ
41 温度記録計
42 商用電源
43 加熱器
43a直接蒸気熱源
43b間接蒸気熱源
44 温度センサー
45 蒸気トラップ
46 蒸気ドレン
47 循環ポンプ
48 ストレーナ
49 圧力計
50 減圧弁
51 流量計
52 バルブ
53 逆止弁
54 正圧安全弁
55 冷却水供給口
L1 飽和蒸気供給ライン
L2 蒸留液還流ライン
L3 引圧ライン