(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】スライス装置用ナイフアセンブリおよびこれを備えた装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/26 20060101AFI20220617BHJP
B26D 3/28 20060101ALI20220617BHJP
B26D 1/36 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D3/28 620C
B26D1/36 D
(21)【出願番号】P 2020500592
(86)(22)【出願日】2019-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019012377
(87)【国際公開番号】W WO2019136270
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-06-02
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504444120
【氏名又は名称】アーシェル ラボラトリーズ,インク.
(73)【特許権者】
【識別番号】593203701
【氏名又は名称】ペプシコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PepsiCo Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バクスター,コーレイ エバレット
(72)【発明者】
【氏名】ジャコー,マイケル スコット
(72)【発明者】
【氏名】ラスト,ライアン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】バーバー,キース アラン
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-172765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0150345(US,A1)
【文献】米国特許第06116130(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0050329(US,A1)
【文献】米国特許第05694824(US,A)
【文献】米国特許第07182112(US,B2)
【文献】特開2009-034777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0263213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B26D 3/28
B26D 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ヘッドを備えるスライス装置における使用に適したナイフアセンブリであって、
前記ナイフアセンブリは、
その外側部に設けられ、その先端縁を構成し、かつ、前記先端縁から
後方に離間している後端部を有する
凹状支持面を有する、ナイフホルダと、
前記ナイフホルダの前記
凹状支持面に配置され、
前記ナイフホルダの前記凹状支持面に対向かつ接触する内向き表面と、該内向き表面と逆側に配置された外向き表面と、前記ナイフホルダの
前記先端縁を越えて突出する先端縁と、固定手段によって前記ナイフホルダに固定される後端部とを備える、インサートと、
前記インサート
の前記外向き表面によって支持され、前記インサートの
前記先端縁を越えて突出する刃先を有する、刃部と、および、
前記インサートが、前記刃部と前記ナイフホルダの前記
凹状支持面との間に配置されるように、前記刃部
および前記インサートを前記ナイフホルダ
の前記凹状支持面との間に挟持する手段と、
を備え、
前記刃部および前記インサートは、前記挟持手段により、前記ナイフホルダの前記凹状支持面に対して挟持されており、
前記固定手段は、
前記ナイフホルダの前記
凹状支持面の前記後端部に設けられ、かつ、前記
凹状支持面に隣接する開口部を備えるスロットに収容されており、および、
前記インサートの前記後端部の厚さを規定し、かつ、前記スロットの前記開口部
の最大幅よりも大きな幅を有する突起
からなる係止特徴部を備えた、前記インサートの前記後端部により構成される
、
ことを特徴とする、ナイフアセンブリ。
【請求項2】
前記係止特徴部は、前記インサートの前記内向き表面のみから突出し、前記インサートの前記後端部の外形は、該係止特徴部の存在により非対称となっている、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項3】
前記スロットの前記開口部および前記スロットの第1の部分は、前記凹状支持面よりも上方に配置されており、前記スロットの第2の部分は、前記凹状支持面よりも下方で、前記開口部から離れる方向に凹設されており、前記インサートの前記突起は、前記スロットの前記第2の部分内に向けて突出する、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項4】
前記突起は、
前記インサートの遠位側端面により形成された、前記インサートの前記後端部
の後端縁に隣接して配置される、
請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項5】
前記ナイフホルダにおける前記スロットは、
第1および第2の分岐部を備える、
請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項6】
前記
第1および第2の分岐部は、前記ナイフホルダの前記先端縁から離れる方向に伸長する、請求項5に記載のナイフアセンブリ。
【請求項7】
前
記第1の分岐部は、前記ナイフホルダの前記
凹状支持面とは反対側にある面に対して平行である、請求項6に記載のナイフアセンブリ。
【請求項8】
前
記第2の分岐部は、第1の分岐部に対して鋭角に伸長する、請求項6に記載のナイフアセンブリ。
【請求項9】
前記インサートは、前記スロットに対して平行な方向に動かすことによってのみ、前記スロットから取り外すことが可能に構成されている、
請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項10】
前記凹状支持面は、前記ナイフホルダの内向き表面に向けて凹設されている、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項11】
前記突起により、前記インサートの前記後端部は、前記ナイフホルダの前記スロットに対して連結され、かつ、前記インサートは、前記ナイフホルダに対して、互いに最も遠い2つの向きを採ることが可能であるが、いずれの向きにおいても前記突起により前記スロット内に保持される、請求項3に記載のナイフアセンブリ。
【請求項12】
前記第2の分岐部は、前記ナイフホルダの前記凹状支持面よりも下方に凹設されており、前記インサートの前記後端部は、前記スロットの前記第1の分岐部に収容される矩形外形を有し、前記インサートの前記突起は、前記スロットの前記第2の分岐部に収容される、請求項6に記載のナイフアセンブリ。
【請求項13】
前記挟持手段は、前記刃部のうちの前記ナイフホルダの前記先端縁よりも後方に位置する表面部と接触する、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のナイフアセンブリを備え、かつ、前記スライス装置に備えられる切断ヘッドであって、該切断ヘッドは、環状の切断ヘッドからなり、前記ナイフアセンブリは、前記切断ヘッドの軸に対して平行に配置されるよう
に取り付けられている、切断ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品をスライスするスライス装置などの裁断装置に関する。具体的には、本発明は、前記スライス装置に刃部(ナイフ)を固定するためのナイフアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
野菜、果実、乳製品、肉製品などの食品をスライスし、細断し、粉砕するためのさまざまな装置が知られている。このような目的に広く使用されている装置は、アーシェル・ラボラトリーズ・インク.から、「モデルCC(Model CC(登録商標))」および「モデルCCL(Model CCL)」のブランド名で市販されている。モデルCCおよびモデルCCLは、遠心タイプのスライサを備え、さまざまな食品のスライスを高い生産能力で行うことができる。モデルCCシリーズの装置は、均一なスライス、皮むき、細断、および粉砕を行うのに適しており、モデルCCLシリーズは、格子形状のスライスまたはチップを生産するのに特に適している。モデルCCシリーズの装置の構成および態様に関しては、米国特許第3,139,128号公報、米国特許第3,139,129号公報、米国特許第5,694,824号公報、米国特許第6,968,765号公報、米国特許第7,658,133号公報、米国特許第8,161,856号公報、および、米国特許第9,193,086号公報、並びに、米国特許出願公開第2014/0290451号公報、米国特許出願公開第2016/0158953号公報、および、米国特許出願公開第2016/0361831号公報において明示されており、これらのすべての内容は、本明細書に参照として組み込まれる。モデルCCLシリーズの装置の構成および態様に関しては、米国特許第3,139,127号公報および米国特許第3,139,130号公報において明示されており、これらのすべての内容は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0003】
図1は、モデルCCシリーズの装置10を模式的に示す。装置10は、その周囲に切断刃部(図示せず)を備える略環状のヘッド12を有する。インペラ14は、切断ヘッド12内に同軸に取り付けられており、切断ヘッド12の中心軸と一致する回転軸17を有する。インペラ14は、ハウジング18内に収容され、かつ、ギアボックス16に連結されたシャフトを介して、回転軸17を中心に回転駆動される。切断ヘッド12は、ギアボックス16の上方にあるサポートリング15に取り付けられ、インペラ14が回転する際には静止している。製品は、インペラ14の上方に位置するホッパ11を介して、切断ヘッド12およびインペラ14に運ばれる。作動時に、ホッパ11が製品をインペラ14に運ぶと、遠心力により、製品は外方に移動し、切断ヘッド12の刃部との係合部へ運ばれる。インペラ14は、実質的に径方向を向いたパドル13を備え、それぞれのパドル13は、インペラ14が回転するにしたがって、製品と係合し、かつ、製品を径方向外方に向けさせ、切断ヘッド12の刃部に接触させるための面を有する。モデルCCシリーズの装置の構成および操作に関するその他の特徴に関しては、米国特許第3,139,128号公報、米国特許第3,139,129号公報、米国特許第5,694,824号公報、米国特許第6,968,765号公報、米国特許第7,658,133号公報、米国特許第8,161,856号公報、および、米国特許第9,193,086号公報、並びに、米国特許出願公開第2014/0290451号公報、米国特許出願公開第2016/0158953号公報、および、米国特許出願公開第2016/0361831号公報に明示されている。
【0004】
図2は、
図1から切断ヘッド12のみを示し、
図3は、切断ヘッド12の一部の底面図である。切断ヘッド12は、略環状であって、その周囲に切断刃部20が取り付けられている。それぞれの刃部20は、インペラ14(
図2および
図3には図示せず)の回転方向とは実質的に反対方向を向き、かつ、径方向内方に突出しており、刃部20の径方向で最も内側に刃先が形成されている。
図2に示した切断ヘッド12は、下部サポートリング22および上部サポートリング24、および、周方向に間隔をあけて配置されたサポートセグメント(シュー26と称する)をさらに備える。切断ヘッド12の刃部20は、ナイフアセンブリ28の一部として、シュー26にそれぞれ固定される。それぞれのナイフアセンブリ28は、シュー26の径方向内面側に取り付けられるナイフホルダ28Aと、シュー26の径方向外面側に取り付けられ、刃部20をナイフホルダ28Aに固定するクランプ28Bとを有する。シュー26は、ボルト30により下部サポートリング22および上部サポートリング24に取り付けられている。シュー26は、下部サポートリング22および上部サポートリング24の孔に係合する、同軸のピボットピン(図示せず)を備える。ピボットピン上で枢動することにより、シュー26の向きを調整して切断ヘッド12の軸に対する刃部20の刃先の径方向位置を変更し、それによりスライスされた製品の厚さを制御することができる。一例として、調整は、ピボットピンの周方向後方に位置するねじおよび/またはピン32によって達成される。
図2は、それぞれのシュー26に取り付けられた任意のゲートインサートストリップ34を示し、製品は、後続するシュー26に取り付けられた刃部20に接する前に、ゲートインサートストリップ34を通過する。
【0005】
図2および
図3は、刃部20およびクランプ28Bがそれぞれナイフホルダ28Aにボルト36で固定されていることを示す。刃部20とそれぞれのナイフアセンブリ28のクランプ28Bとの位置合わせは、ナイフホルダ28Aの支持面から突出するピン38によって達成される。
図4に示した詳細図によってより明らかであるが、ナイフホルダ28Aおよびクランプ28Bの対向する面同士の間で、クランプ28Bにより、刃部20のうちのその刃先に隣接する部分に力が加えられている。
【0006】
刃部20の刃先に近接しているため、ナイフホルダ28Aの先端は、ジャガイモなどの食品に頻繁に付随する石やその他の破片との衝突によって損傷を受けやすい。
図3および
図4に示したタイプのナイフホルダ28Aは、通常、ナイフホルダ28Aが支持する刃部20よりも高価な部品である。
図5は、この問題に対応するよう構成されたナイフアセンブリ40の別の構成を示す。ナイフアセンブリ40は、ナイフホルダ40Aおよびクランプ40Bを備えている。クランプ40Bは、
図2および
図3に示したクランプ28Bと同一または類似である。ナイフホルダ40Aは、刃部20のうち刃先に近い部分を支持するとともに、ナイフホルダ40Aの先端縁44を石やその他の破片から保護するインサート42を有する。インサート42(バンパーとも称される)は、ナイフホルダ40Aの先端縁44の少なくとも一部に沿って伸長し、ナイフホルダ40Aの長手方向に対してほぼ平行なスロット46に収容されている。
図5に示すように、インサート42のうちのスロット46に収容された部分は、略長方形の断面形状を有しており、スロット46も隅部のリリーフカット(逃げ加工部分)を除いて同様の形状を有する。インサート42とそのスロット46は、インサート42をスロット46内に正確に配置および固定できるように寸法決めされている。インサート42は、ナイフホルダ40Aの先端縁44を越えてスロット46から突出し、刃部20の刃先付近で刃部20を支持する。
【0007】
モデルCCシリーズに代表される遠心タイプのスライサは、その用途に対して最適に機能するが、さらなる改良が継続的に要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複数のナイフアセンブリが取り付けられた切断ヘッドを備える、遠心タイプのスライス装置を含むスライス装置における使用に適したナイフアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、ナイフアセンブリは、ナイフホルダを備え、前記ナイフホルダは、該ナイフホルダの先端縁を構成し、かつ、前記先端縁から離間している後端部を有する支持面を有する。前記ナイフホルダの前記支持面にインサートが配置され、該インサートの先端縁は前記ナイフホルダの先端縁を越えて突出し、該インサートの後端部は固定手段によって前記ナイフホルダに固定される。刃部は、前記インサートによって支持され、前記インサートの先端縁を越えて突出する刃先を有する。前記刃部を前記ナイフホルダとの間に挟持するための手段により、前記インサートは、前記刃部と前記ナイフホルダの前記支持面との間に配置される。前記固定手段は、前記ナイフホルダの前記支持面の前記後端部に設けられ、前記支持面に隣接する開口部を備えるスロットに収容されている、前記インサートの前記後端部から構成されることが可能である。この場合、前記インサートの前記後端部は、前記スロットの前記開口部よりも大きい幅を有する突起を備える。代替的に、前記固定手段は、たとえば、インサート、ねじ、ポストなどの、前記インサートの後端部に設けられたスロットと係合する、前記ナイフホルダの前記支持面から十分に突出する表面凸部により構成することもできる。この場合、前記インサートの前記スロットは、前記インサートの前記後端部に対して斜め向きに形成される。
【発明の効果】
【0010】
上述した構成のナイフアセンブリの技術的な特徴により、ナイフホルダの先端縁を保護するインサートを、前記ナイフホルダに迅速に組み込むことができ、かつ、スライス装置の稼働中、前記ナイフホルダに確実に固定させることができる。好ましい態様では、インサートが不正確にナイフホルダに取り付けられる可能性が低減される。
【0011】
本発明のその他の特徴および効果は、以下の詳細な説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、従来のスライス装置の部分断面概略側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したスライス装置に適用可能な切断ヘッドの詳細を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した切断ヘッドの一部の底面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した切断ヘッドのナイフアセンブリの一部の詳細図である。
【
図5】
図5は、
図2に示した切断ヘッドに使用可能な別のナイフアセンブリの断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の非限定的な実施形態による、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なナイフアセンブリの断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示したナイフアセンブリのうちのナイフホルダおよびインサートの部分についての、ナイフホルダがスロット内に取り付けられた状態での側面図である。
【
図8】
図8は、
図6および
図7に示したインサートの2つの向きを示し、インサートは、
図7における取り付け位置から変位した後でもなおスロット内に保持される。
【
図9】
図9は、
図6~
図8に示したナイフホルダ内のスロットを機械加工するための加工工具の方向を示す図である。
【
図11】
図11は、
図2に示した切断ヘッドに使用可能な別の態様のナイフホルダの一部を示す。
【
図13】
図13は、
図2に示した切断ヘッドに使用可能な別の態様のナイフホルダの一部を示す。
【
図15】
図15は、本発明の別の非限定的な実施形態に基づく、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なナイフアセンブリの斜視図である。
【
図16】
図16は、ナイフアセンブリのナイフホルダにインサートを固定する手段が明瞭となるように、クランプおよびクランプバーを省略した状態での、
図15に示したナイフアセンブリの斜視図である。
【
図17】
図17は、
図16に示したインサートおよびナイフホルダの一部を示す詳細斜視図である。
【
図19】
図19A~
図19Dは、本発明の追加的かつ非限定的な実施形態に基づく、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なさらに別のナイフアセンブリにおける、ナイフホルダおよび/またはインサートを示す。
【
図20】
図20Aおよび
図20Bは、本発明の追加的かつ非限定的な実施形態に基づく、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なさらに別のナイフアセンブリにおける、ナイフホルダおよび/またはインサートを示す。
【
図21】
図21Aおよび
図21Bは、本発明の追加的かつ非限定的な実施形態に基づく、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なさらに別のナイフアセンブリにおける、ナイフホルダおよび/またはインサートを示す。
【
図22】
図22A~
図22Cは、本発明の追加的かつ非限定的な実施形態に基づく、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なさらに別のナイフアセンブリにおける、ナイフホルダおよび/またはインサートを示す。
【
図23】
図23Aおよび
図23Bは、本発明の追加的かつ非限定的な実施形態に基づく、
図2に示した切断ヘッドに使用可能なさらに別のナイフアセンブリにおける、ナイフホルダおよび/またはインサートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図6~
図10は、
図1に示した遠心タイプのスライス装置10を含むさまざまな切断装置に使用可能なナイフアセンブリとその部品、あるいは、該装置に変更および改良を施した構造を示す。本発明の非限定的な実施形態は、
図1~
図4に示したインペラ14および環状の切断ヘッド12を備える、
図1に示したスライス装置10を参照して図示し、説明する。したがって、以下の説明は、スライス装置10および切断ヘッド12を参照して、主に本発明の特定の特徴に焦点を当てているが、以下に詳述しないその他の特徴については、構造、機能、材料などを含めて、
図1~
図4を参照して説明したのと実質的に同様である。ただし、本発明は、その他のタイプの切断装置にも適用可能である。
【0014】
以下に示す、図示された実施形態の説明を容易にするために、
図2に示した切断ヘッド12の方向に関して相対的な用語が使用される。
図1に示した装置10の切断ヘッド12およびインペラ14の同軸配置に基づき、相対的な用語には、「軸方向」、「周方向」、「径方向」などが含まれるが、これらに限定されることはない。これらと同様の語も、図示された非限定的な実施形態を説明する上で利用されうる。そのような相対的な用語はすべて、図示された実施形態を説明するために有用であるが、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0015】
図6~
図10は、ナイフアセンブリ50のうちの、刃部52の刃先54が位置する部分について模式的に示す図である。
図2~
図5に示したナイフアセンブリ28、40と同様に、ナイフアセンブリ50は、シュー(たとえば、
図2に示した切断ヘッド12のシュー26)の径方向内側に取り付けられるナイフホルダ56と、ナイフホルダ56よりも径方向外側にあって、刃部52をナイフホルダ56に固定するためのクランプ58とを含む。
図2に示したナイフホルダ28Aおよびクランプ28Bと同様に、ナイフホルダ56およびクランプ58は、その長手方向が、ナイフホルダ56およびクランプ58が設置される切断ヘッドの軸に対して平行に伸長するよう構成される。刃部52に対するクランプ動作は、クランプ58が(たとえば、
図2および
図3に示したような)ファスナによってナイフホルダ56に固定すること、すなわち、クイッククランプアセンブリの結果であり、その非限定的な実施形態は、米国特許第7,658,133号公報および米国特許第8,161,856号公報に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
ナイフホルダ56は、刃部52をその刃先54付近で支持するインサート60を含む。インサート60は、ナイフホルダ56の先端縁62を、これに接触する可能性がある石やその他の破片から保護する機能を有する。インサート60は、ナイフホルダ56の凹状支持面64に支持される。凹状支持面64は、ナイフホルダ56の先端縁62の少なくとも一部まで伸長し、かつ、それに沿って伸長する。インサート60は、ナイフホルダ56の先端縁62を越えて突出しているため、インサート60の前端部66が、刃部52をその刃先54付近で支持する。インサート60の前端部66はベベル加工(傾斜面取り)されていることが好ましく、場合によっては、インサート60の前端部66はインサート60の先端または先端付近におけるシングルベベルにより構成される。図示されたインサート60の非限定的な実施形態では、インサート60の前端部66は、1対の傾斜面68および70により構成される。図示の例では、傾斜面68は、ナイフホルダ56の支持面64の反対側に配置されたナイフホルダ56の径方向内面71と実質的に同一平面上に存在する。インサート60の前端部66は、ナイフホルダ56の交換可能な先端縁として機能する。刃部52の刃先54が損傷(欠け、割れ、摩耗など)による交換を必要とする場合、インサート60の前端部66も損傷して、その交換が必要となる可能性が高い。しかしながら、インサート60がナイフホルダ56を損傷させる可能性のある物体からの衝撃を支持するため、ナイフホルダ56自体の交換が必要となることはほとんどない。
【0017】
図6は、ナイフホルダ56の凹状支持面64の後端部に配置されたスロット74に収容されているインサート60の後端部72を示す。支持面64の後端部は、ナイフホルダ56の先端縁62と実質的に平行であるが、ナイフホルダ56の先端縁62とは離間している。スロット74は、支持面64およびその後端に隣接する開口部90を備える。
図5に示したスロット46と同様に、スロット74は、ナイフホルダ56の長手方向に対して実質的に平行で、かつ、ナイフホルダ56の先端縁62と平行になるように配置されている。
図5に示した構成とは異なり、スロット74およびスロット74に収容されたインサート60の後端部72のいずれも、矩形の断面形状を有していない。
図6に示した構成では、インサート60の後端部72およびスロット74は、インサート60をスロット74内に保持することを可能とする断面形状およびサイズを有する。
図6~
図8および
図10から明らかであるように、インサート60の後端部72は、略矩形の外形76(
図10)を有し、インサート60の径方向内側面80から係止機能部が突出している。係止機能部は、突起78として図示されており、突起78は、インサート60の後端部72全体に沿って伸長する連続リブにより構成されることもでき、あるいは、インサート60の後端部72に配置される2つ以上の独立したリブにより構成されることもできる。
【0018】
図6~
図8および
図10に示した非限定的な実施形態においては、突起78は、インサート60の後端部72の後端縁に隣接している。このような位置に突起78を配置することにより、インサート60の後端部72をナイフホルダ56のスロット74に結合させることが可能となる。すなわち、
図8から明らかであるが、インサート60をナイフホルダ56に対して2つの向きに極端に移動させた場合に、いずれの場合においても、インサート60の後端部72はスロット74に保持される。
図9から最も明らかであるように、スロット74は、ナイフホルダ56の先端縁62から離れる方向に伸長する2つの分岐部82、84によって構成される。
図6~
図9に示した例では、分岐部82は、凹状支持面64の反対側にあるナイフホルダ56の面71に対して実質的に平行となる向きに伸長し、分岐部84は、分岐部82に対して鋭角(たとえば、分岐部82に対して約30°の角度)に伸長する。ただし、分岐部82、84についてはその他の角度を採用することも可能である。
図6に示すように、インサート60の突起78は、インサート60がクランプ58によってナイフホルダ56にクランプされた場合にスロット74の分岐部84に全体的に収容される。
図9から明らかであるように、分岐部82、84のそれぞれは、2つの平面86、88の一方に沿って、従来の加工工具(図示せず)を用いてナイフホルダ56に加工することができる。図示の例では、平面86は、ナイフホルダ56の面71に対して略平行であるに対し、平面88は、平面86に対して約30°の角度をなしている。
図9から、スロット74を、従来の機械加工により形成可能であることも明らかである。
【0019】
インサート60の後端部72およびナイフホルダ56のスロット74の形状により、後端部72がスロット74に対して平行な方向には自由にスライド可能であるが、
図8から明らかであるように、スロット74に対してインサート60を(直角を含む)その他のいずれの方向に動かしても、インサート60をスロット74から取り外すことはできないようになっている。特に、突起78により構成されるインサート60の後端部72の最小幅または厚さは、スロット74の開口部90の最大幅よりも大きい。その結果、インサート60をナイフホルダ56に素早く組み付けることを可能としつつ、ナイフアセンブリ50が取り付けられた装置の作動中において、インサート60はナイフホルダ56に対して確実に固定される。本例では、インサート60の後端部72を非対称に構成しているため、インサート60のナイフホルダ56への誤装着も防止される。
図6~
図10に示したタイプの配置により、刃部52に対するクランプ力が解放されると、インサート60を、スロット74の長さ方向に対して平行、すなわち、ナイフホルダ56の長手方向に対して略平行に、スライドさせることにより、インサート60をナイフホルダ56から容易に取り外すことができる。
【0020】
図11および
図13は、
図6~
図9に示したナイフホルダ56の2つの追加的な非限定的な実施形態を示し、
図12は、
図6~
図8および
図10に示したインサート60を
図11に示したナイフホルダ56に取り付けた状態を示し、
図14は、
図13のナイフホルダ56に別のインサート60を取り付けた状態を示す。
図11および
図12においては、スロット74は、インサート60の後端部72の断面形状に対して概して相補的、かつ、より一致する断面形状を有し、インサート60の突起78は、インサート60がナイフホルダ56にクランプされた場合には、スロット74の部分84内に収容される。
図11および
図12に示した実施形態においては、
図6~
図10に示した実施形態と同様に、インサート60とナイフホルダ56は結合するが、
図13および
図14に示した実施形態においては、そのような結合能力は備えられていない。
図14に示したインサート60は、上述の実施形態における突起78を有さず、
図13および
図14に示したスロット74およびインサート60は、全体的に相補的な矩形の断面形状を有する。
図11~
図14に示したスロット74は、従来の機械加工により形成することができる。
【0021】
図15~
図18は、ナイフアセンブリ150の別の実施形態の概略図である。ナイフアセンブリ150では、クランプ158によってナイフホルダ156にクランプされた刃部152からクランプ力が解放されると、インサート160をナイフホルダ156から容易に取り外すことが可能となっている。実施形態の間における類似点を考慮し、
図15~
図18に関する以下の説明は、
図6~
図14に示した実施形態と異なる特徴について強調してなされる。
図15~
図18に示した実施形態に関する、その他の構造、機能、材料などの特徴については、本質的には
図6~
図14に示した実施形態に関する説明のとおりである。
【0022】
ナイフアセンブリ150は、米国特許第7,658,133号公報および米国特許第8,161,856号公報に開示されたタイプのクイッククランプナイフアセンブリであって、偏心クランプロッド148は、ナイフホルダ156の表面に設けられた凹部内に配置され、ナイフホルダ156とクランプ158との間に位置し、かつ、ナイフホルダ156とクランプ158に接触する。偏心クランプロッド148は、凹部内でクランプ位置と解放位置の間で回転可能であり、クランプ158を刃部152と係合させる支点として作用するクランプバー146と協働して、刃部152を固定し、あるいは、解放する機能を有する。
【0023】
図6~
図10に示したスロット74と協働するよう構成されたインサート60に代替して、
図15~
図18に示したインサート160は、ナイフホルダ156の凹状支持面164から突出し、インサート160の後端部172に設けられた鍵穴形状のスロット186に係合する係止スタッドまたはポスト182によってナイフホルダ156に固定される。ポスト182は、ナイフホルダ156から突出し、インサート160のスロット186と係合して、インサート160をナイフホルダ156の凹状支持面164上に配置させる。このため、インサート160の前端部166は、ナイフホルダ156の先端縁162を越えて伸長する。ナイフホルダ156は、ナイフホルダ156の凹状支持面164から突出する位置決めピン184も有しており、刃部152およびクランプ158に配列した孔180と係合して、刃部152をナイフホルダ156上に配置させる。インサート160は、後端部172に凹部192を備える。凹部192には、位置決めピン184が、刃部152およびクランプ158の孔188と係合する前に通過する。
【0024】
図18に示すように、インサート160のスロット186に係合するポスト182は、ナイフホルダ156の凹状支持面164上にインサート160を保持するため、インサート160のスロット186と干渉型のグリップ係合を形成するための逆円錐台形状を有することができる。刃部152およびクランプ158の孔180に係合するピン184は、図示の例では、逆円錐台形状を有していない。ピン184とインサート160の凹部192との間に径方向の間隙が存在することが好ましい。インサート160の後端部172に存在するスロット186の形状および方向は、ナイフホルダ156の長手方向に対してインサート160を(平行または垂直の方向ではなく)斜め方向に移動させた場合を除いて、ポスト182から後端部172を取り外すことができないようになっている。したがって、インサート160は、ナイフホルダ156に素早く取り付けることができ、かつ、ナイフアセンブリ150が取り付けられた装置の作動中は、インサート160はナイフホルダ156に確実に固定され、さらに、インサート160の後端部172においてスロット186が斜め方向に形成されているため、インサート160のナイフホルダ156への誤装着が防止される。
図15~
図18に示したタイプの配置により、クランプ力が刃部152から解放されると、インサート160をナイフホルダ156の長手方向に対して斜めにスライドさせることにより、インサート160をナイフホルダ156から容易に取り外すことができる。
【0025】
図19A~
図23Bは、本発明の追加的な非限定的な実施形態に基づき、
図2に示した切断ヘッドとともに使用可能なさらなる別のナイフアセンブリのナイフホルダおよび/またはインサートをそれぞれ示している。以下における
図19A~
図23Bに関する説明は、
図6~
図18に示した実施形態と異なる特徴について強調してなされ、その他の構造、機能、材料などの詳述されていない特徴については、実質的に
図6~
図18に示した実施形態に関する説明のとおりである。
【0026】
図19A~
図19D、
図20A、および
図20Bは、前述した実施形態における凹状支持面64、164とは異なり、ナイフホルダ256の先端縁262またはこれに隣接する部分に開口部290(
図20B)があるスロット274を共通とする。ナイフホルダ256とインサート260とは、インサート260の後端部272がスロット274に収容されるよう組み合わされて構成され、それぞれのインサート260の(長手方向に対して横断する方向に関する)幅のおよそ半分は、ナイフホルダ256の先端部縁262を越えて突出しており、インサート260の前端部266は、刃先付近において刃部(図示せず)を支持することができる。この点に関しては、ナイフホルダ256およびインサート260は、
図5に示したナイフアセンブリと類似する。
【0027】
図19A~
図19Cについて、インサート260は、インサート260の長手方向端部に位置し、かつ、スロット274の長手方向端部に隣接する部分でスロット274を貫く係止スタッドまたはポスト282と係合するスロット286によってナイフホルダ256に固定される。このため、インサート260は、ナイフホルダ256のスロット274内に効果的に位置決めされ、インサート260の前端部266は、ナイフホルダ256の先端縁262を越えて伸長する。また、ナイフホルダ256は、ナイフホルダ256の支持面264から突出、ナイフホルダ256の支持面264にクランプされる刃部の配置孔と係合する位置決めピン284を有する。インサート260は、ナイフホルダ256へのインサート260の挿入および取り外しを容易にするためのハンドルとして機能する伸長部294を有する。
図19Dに示すように、結合ポスト282およびスロット286に追加して、あるいはこれらの代替として、インサート260は、インサート260の後端部272に、ピン284と結合する鍵穴形状のスロット292を有することもできる。
【0028】
図20Aおよび
図20Bは、別の実施形態を示す。図示の例では、インサート260に設けられたスロット286は、インサート260の後端部272に沿って長手方向に伸長するチャネルまたは溝として構成されている。スロット286は、ナイフホルダ256のスロット274に突出する1つ以上の係止スタッドまたはポスト282と係合することにより、インサート260は、スロット274内に効果的に位置決めされ、かつ、係止される。
【0029】
図21A~
図23Bに示したナイフホルダ356は、インサート360を支持するための凹状支持面364を備え、かつ、インサート360の後端部372が固定されるスロットを有しないことを共通とする。ナイフホルダ356は、インサート360の先端部366がナイフホルダ356の先端縁362を十分に越えて、刃部352をその刃先354付近で支持するよう構成されている。この点で、ナイフホルダ356およびインサート360は、
図6~
図10に示したナイフアセンブリと類似する。
【0030】
図21Aおよび
図21Bに示した例では、インサート360は刃部352に直接固定され、得られたアセンブリは、たとえば
図6~
図10および/または
図15~
図18を参照して説明したのと同様に、クランプ358によってナイフホルダ356の凹状支持面364に固定される。
図21Bから明らかであるように、インサート360は、刃部352の孔386と係合し結合する、少なくとも1つの係止スタッドまたはポスト382を有する。また、インサート360は、インサート360から突出して刃部352の相補的な孔392と係合する、1つ以上の位置決めピン384を有する。このため、インサート360および刃部352は、互いに対して不動である。
図21Bに示したように、ナイフホルダ356の凹状支持面364は、刃部352の刃先354とは反対側にある端縁が当接する後端部を備えており、これにより、ナイフホルダ356に対して刃先354が確実かつ正確に位置決めされる。
【0031】
図22A~
図22Cは、インサート360がねじ382によってナイフホルダ356の凹状支持面364に直接固定されている、別の実施形態を示す。
図22Aから明らかであるように、刃部352は、ねじ382の頭部を受け入れるスロット380を備えるため、ナイフホルダ345に対して位置決めされ、かつ、所定の場合に、刃部352はねじ382と結合する。
図22Bおよび
図22Cに示した例では、ねじ382の頭部はそれぞれ、インサート360に対して直接当接して、インサート360をナイフホルダ356の凹状支持面364に直接クランプする。
図22Bに示した構成と
図22Cに示した構成とでは、クランプ358が刃部352と接触する位置が異なっている。
図22Bおよび
図22Cはいずれも、クランプ358の先端部縁359における、クランプ358と刃部352との接触を示している。
図22Bにおいては、クランプ358の先端縁359は、ナイフホルダ356の先端縁362と位置的に整合しているため、クランプ358の先端縁359およびナイフホルダ356の先端縁362は、刃部352の刃先354からほぼ等距離にある。
図22Cにおいては、クランプ358の先端縁359は、ナイフホルダ356の先端縁362よりも刃部352の刃先354に近接しており、かつ、インサート360は、刃部352のクランプ荷重を支持するため、相対的により大きな厚さを有している。
図22Bおよび
図22Cに示したように、ナイフホルダ356の凹状支持面364は、刃部352の刃先354とは反対側の端縁が当接する後端部を備えており、これにより、ナイフホルダ356に対して刃部352の刃先354が確実かつ正確に位置決めされる。
【0032】
図23Aおよび
図23Bは、インサート360がピン382でナイフホルダ356の凹状支持面364に直接固定される、さらに別の実施形態を示す。
図22Aから明らかであるように、刃部352は、スロット380を有し、スロット380は、ねじ382の頭部を受け入れ、かつ、所定の場合に、ねじ382の頭部と結合する。
図23Aおよび
図23Bに示した構成は、インサート360がピン382によってナイフホルダ356に確実に位置決めされるが、インサート360がピン382の頭部でナイフホルダ356の凹状支持面364に直接的にクランプされていない点で、
図22A~
図22Cに示した構成と異なっている。その代わりに、
図23Aおよび
図23Bにおいては、刃部352と係合するピン382と、刃部352のうちクランプ358とは逆側にある面に接触する突起378を有するインサート360との組み合わせにより、刃部352のクランプが達成される。
図23Aおよび
図23Bに示したインサート360は、
図22A~
図22Cに示した実施形態とは異なり、インサート360の前先端部366に、ナイフホルダ356の先端縁362に直接当接してこれを保護するショルダー362を備える。
【0033】
インサート60、160、260、および360は、亀裂および破砕に対するに耐性を有する材料から製造されることが好ましく、また、装置が食品加工に使用される場合には、耐腐食性であることが好ましい。また、インサート60、160、260、および360の材料は、破片が衝突した場合に、ナイフホルダ56、156、256、および356とは異なる反応を呈するように、ナイフホルダ56、156、256、および356の材料との関係で選択されることが好ましい。非限定的な実施例として、ナイフホルダが416SSなどの比較的硬いが機械加工可能な材料で形成されている場合、インサートの材料として、17-4SSなどの比較的強靱な材料を採用して、インサートが破片との衝突により屈曲してしまった場合に、より延性の高いナイフホルダも屈曲したとしても、インサートを除去することにより、ナイフホルダが、恒久的な損傷を受けることなく、再度まっすぐ正常な状態に戻ることができるように構成することができる。あるいは、インサートに、410SSなどのナイフホルダよりも高い延性を有する材料を適用し、インサートが衝撃エネルギを吸収しつつ、犠牲的に損傷を受ける、あるいは、屈曲することによって、ナイフホルダへの損傷を回避したり、最小限に抑えたりすることができるように構成することもできる。
【0034】
以上のように、本発明について、特定の実施形態に関して説明を行ったが、本発明の代替態様についても、当業者によって適用可能である。たとえば、スライス装置10、切断ヘッド12、インペラ14、ナイフアセンブリ、およびこれらそれぞれの部品は、図示の態様および構造とは異なっていてもよい。スライス装置10、切断ヘッド12、インペラ14、および/またはナイフアセンブリの特定の部品の機能は、異なる構造を有するが機能が類似する(必ずしも同等でなくてもよい)部品により達成されてもよい。スライス装置10、切断ヘッド12、インペラ14、ナイフアセンブリ、およびこれらそれぞれの部品の製造においては、さまざまな材料を採用することができる。さらに、本発明は、特定の実施形態の1つ以上の特徴または特性を有していない、あるいは、開示された異なる実施形態の2つ以上の特徴または特性を組み合わせた、追加的または代替的な実施形態を包含する。したがって、本発明は、本明細書に記述された実施形態または図示された実施形態に限定されない。また、図示した実施形態を説明する目的で本明細書において使用した語法および用語は、本発明の範囲を限定するものではない。最後に、本願の特許請求の範囲は、本発明に関連すると考えられる特定の態様を記載しているが、これは不必要に本発明の範囲を限定するよう解釈されるものではない。