(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】脱水機
(51)【国際特許分類】
B01D 33/04 20060101AFI20220617BHJP
B01D 33/58 20060101ALI20220617BHJP
B01D 33/80 20060101ALI20220617BHJP
C02F 11/123 20190101ALI20220617BHJP
B30B 9/24 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
B01D33/04 D ZAB
B01D33/34
C02F11/123
B30B9/24 G
(21)【出願番号】P 2018000733
(22)【出願日】2018-01-05
【審査請求日】2020-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515243246
【氏名又は名称】株式会社サイライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(72)【発明者】
【氏名】菅原 良行
(72)【発明者】
【氏名】藤野 俊
(72)【発明者】
【氏名】深町 尭
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0182889(US,A1)
【文献】特表平06-508518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D29/00-37/04
C02F11/00-11/20
B30B9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被脱水物の脱水に用いられるろ過体と、前記ろ過体の洗浄装置とを備える脱水機であって、
前記洗浄装置は、前記ろ過体に液体を供給する液体供給機構と、前記液体を供給したろ過体に電磁波を照射する電磁波照射機構とを有し、
前記被脱水物は汚泥であり、
前記電磁波照射機構は、電磁波照射部と、電磁波照射部に交流電流を流す交流電流発生器とを備え、前記電磁波照射部は、導線を巻き回してなるコイル、または、
平面内で導線を折り曲げてなる電磁波照射部であり、
前記脱水機が、前記ろ過体としての無端の下ろ布および無端の上ろ布で前記被脱水物を挟み込んで脱水する脱水部と、前記下ろ布から脱水物を剥離する剥離部と、前記脱水物を剥離した下ろ布および上ろ布を前記洗浄装置で洗浄する洗浄部とを備え、前記脱水物を剥離した下ろ布および上ろ布に付着していた汚れが、前記洗浄装置での液体の供給および電磁波の照射後、前記脱水部で被脱水物を挟み込んで脱水する際に脱水される被脱水物に付着・一体化してろ布から剥離されるベルトプレス脱水機である、脱水機。
【請求項2】
前記電磁波照射機構は、前記下ろ布および上ろ布の走行方向と交差する方向にろ布を囲繞するように巻き回されたコイルよりなる電磁波照射部を有する、請求項1に記載の脱水機。
【請求項3】
前記電磁波照射機構は、前記下ろ布および上ろ布の前記脱水物が付着していた側に、平面内で導線を折り曲げてなる電磁波照射部を有する、請求項1に記載の脱水機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱水機に関し、特には、電磁波を利用した洗浄装置を備える脱水機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、汚泥等の被脱水物の脱水には、ベルトプレス脱水機やスクリュープレス脱水機などの脱水機が用いられている。
【0003】
そして、脱水機では、ろ布やスクリーンなどのろ過体の目詰まりにより脱水効率が低下するのを防止するため、洗浄装置を設けてろ過体の洗浄を行っている。具体的には、例えば特許文献1では、水に浸漬したろ過体に対して超音波を照射する洗浄装置を使用し、ろ過体の洗浄を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の洗浄装置を備える脱水機では、ろ過体の洗浄に必要な水の量が多かった。そのため、ろ過体を効率的に洗浄し得る洗浄装置を備えた脱水機が求められていた。
【0006】
そこで、本発明は、ろ過体を効率的に洗浄し得る脱水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の脱水機は、被脱水物の脱水に用いられるろ過体と、前記ろ過体の洗浄装置とを備える脱水機であって、前記洗浄装置は、前記ろ過体に液体を供給する液体供給機構と、前記液体を供給したろ過体に電磁波を照射する電磁波照射機構とを有することを特徴とする。このように、液体供給機構および電磁波照射機構を設け、液体を供給した後のろ過体に電磁波を照射すれば、ろ過体を効率的に洗浄することができる。
【0008】
そして、本発明の脱水機は、前記脱水機が、前記ろ過体としてろ布を用いて前記被脱水物を脱水する脱水部と、前記ろ布から脱水物を剥離する剥離部と、前記脱水物を剥離したろ布を前記洗浄装置で洗浄する洗浄部とを備えるベルトプレス脱水機であり、前記電磁波照射機構は、前記ろ布の走行方向と交差する方向に前記ろ布を囲繞するように巻き回されたコイルよりなる電磁波照射部を有することが好ましい。脱水機がろ過体としてろ布を用いたベルトプレス脱水機である場合に、ろ布を囲繞するように巻き回されたコイルよりなる電磁波照射部を有する電磁波照射機構を使用すれば、ろ過体としてのろ布に電磁波を確実に照射してろ過体の洗浄効率を更に向上させることができる。
【0009】
また、本発明の脱水機は、前記脱水機が、前記ろ過体としてろ布を用いて前記被脱水物を脱水する脱水部と、前記ろ布から脱水物を剥離する剥離部と、前記脱水物を剥離したろ布を前記洗浄装置で洗浄する洗浄部とを備えるベルトプレス脱水機であり、前記電磁波照射機構は、前記ろ布の前記脱水物が付着していた側に、平面内で導線を折り曲げてなる電磁波照射部を有することも好ましい。脱水機がろ過体としてろ布を用いたベルトプレス脱水機である場合に、平面内で導線を折り曲げてなる電磁波照射部を有する電磁波照射機構を使用し、脱水物が付着していた側からろ布に電磁波を照射すれば、ろ過体としてのろ布に電磁波を確実に照射してろ過体の洗浄効率を更に向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の脱水機によれば、ろ過体を効率的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に従う脱水機の一例の概略構成を示す説明図である。
【
図2】電磁波照射機構の一例の概略構成を示す下面図である。
【
図3】液体供給機構の一例の概略構成を示す断面図である。
【
図4】電磁波照射機構の他の例の概略構成を示す断面図である。
【
図5】本発明に従う脱水機の他の例の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
なお、本発明の脱水機は、特に限定されることなく、例えば、下水や排水を生物処理した際に生じる余剰汚泥などの汚泥の脱水に用いることができる。
【0013】
図1に、本発明の脱水機の一例の概略構成を示す。
図1に示す脱水機100は、高分子凝集剤などの凝集剤を添加する凝集剤添加機構(図示せず)を有する凝集混和槽30から供給される被脱水物としての汚泥Sをろ過体としてのろ布11,12,21を用いて脱水して脱水ケーキDCを得るベルトプレス脱水機である。そして、脱水機100は、ベルトプレスを用いて汚泥Sを脱水するベルトプレス脱水部10と、汚泥Sの流れ方向で見てベルトプレス脱水部10の前段側に任意に設けられる予備脱水部20とを有している。
【0014】
予備脱水部20は、無端のろ布21と、ろ布21を駆動および/または支持する複数の(図示例では4つの)ローラ22と、ろ布21を挟んで汚泥S側とは反対側に設けられてろ布21上を搬送される汚泥Sから分離された水を収集するトレイ23と、汚泥Sを掻き寄せる掻き寄せスクリュー24と、掻き寄せスクリュー24で掻き寄せられた汚泥Sを脱水する脱水ローラ25とを備えている。また、予備脱水部20は、凝集混和槽30から汚泥Sが供給される位置と掻き寄せスクリュー24との間に無機凝集剤などの凝集剤を汚泥Sに添加する凝集剤添加機構(図示せず)を更に有している。
なお、複数のローラ22のうちの少なくとも一つは駆動ローラである。また、トレイ23で収集された水は、任意の処理方法を用いて処理することができる。
【0015】
そして、予備脱水部20では、凝集混和槽30から供給された汚泥Sが、重力濃縮により濃縮された後、無機凝集剤などの凝集剤を添加されてから掻き寄せスクリュー24で掻き寄せられる。そして、汚泥Sは、脱水ローラ25により脱水された後、図示例では左端から下方へと落下し、予備脱水部20の下側に設けられたベルトプレス脱水部10へと供給される。
【0016】
ベルトプレス脱水部10は、予備脱水部20から汚泥Sが供給される無端の下ろ布11と、下ろ布11と共に汚泥Sを挟み込んで汚泥Sを脱水する上ろ布12と、下ろ布11並びに上ろ布12を駆動および/または支持する複数の(図示例では11つの)ローラ15と、下ろ布11を挟んで汚泥S側とは反対側に設けられて下ろ布11上を搬送される汚泥Sから分離された水を収集するトレイ16とを備えている。
なお、下ろ布11を駆動および/または支持する複数のローラ15のうちの少なくとも一つは駆動ローラであり、上ろ布12を駆動および/または支持する複数のローラ15のうちの少なくとも一つは駆動ローラである。また、トレイ16で収集された水は、任意の処理方法を用いて処理することができる。
【0017】
そして、ベルトプレス脱水部10では、予備脱水部20から下ろ布11上に供給された汚泥Sが下ろ布11および上ろ布12で挟み込まれて脱水される。そして、汚泥Sの脱水により得られた脱水ケーキDC(脱水物)は、図示例では右端において下ろ布11から剥離されて落下する。即ち、ベルトプレス脱水部10では、下ろ布11および上ろ布12で汚泥Sを挟み込んでいる部分がろ布11,12を用いて汚泥Sを脱水する脱水部となり、下ろ布11と上ろ布12とが離隔した後の、図示例では右端側の部分がろ布から脱水ケーキDCを剥離する剥離部となる。なお、後に詳細に説明するように、このベルトプレス脱水部10では、脱水部が、ろ過体としてのろ布から汚れを剥離する汚れ剥離機構としても機能する。
【0018】
また、ベルトプレス脱水部10は、下ろ布11および上ろ布12を洗浄する洗浄装置として、ろ過体に液体を供給する液体供給機構と、液体供給機構から液体が供給されたろ布11,12に電磁波を照射する電磁波照射機構とを有している。具体的には、ベルトプレス脱水部10は、
図1中に矢印で示すろ布11,12の走行方向で見て剥離部の下流側に、液体供給機構および電磁波照射機構を有する洗浄装置を備えている。
【0019】
より具体的には、ベルトプレス脱水部10は、下ろ布11を洗浄する洗浄装置として、水などの液体を図示例では下ろ布11の汚泥Sと接触していた面側に供給する液体供給機構13Aと、液体供給機構13Aが下ろ布11に液体を供給する位置よりも下流側(図示例では左端側)に設けられて下ろ布11に電磁波を照射するための電磁波発生装置14Aとを備えている。また、ベルトプレス脱水部10は、上ろ布12を洗浄する洗浄装置として、水などの液体を図示例では上ろ布12の汚泥Sと接触していた面側に供給する液体供給機構13Bと、液体供給機構13Bが上ろ布12に液体を供給する位置よりも下流側(図示例では左端側)に設けられて上ろ布12に電磁波を照射するための電磁波発生装置14Bとを備えている。そして、ベルトプレス脱水部10では、液体の供給後に電磁波を照射されたろ布11,12に付着していた汚れが、次に汚泥Sをろ布11,12で挟み込んで脱水する際に、脱水される汚泥に付着・一体化してろ布から剥離される。即ち、ベルトプレス脱水部10では、液体供給機構13Aおよび電磁波発生装置14Aが設けられている部分、液体供給機構13Bおよび電磁波発生装置14Bが設けられている部分、並びに、ろ布から汚れを剥離する汚れ剥離機構としての脱水部が、ろ布11,12を洗浄装置で洗浄する洗浄部となる。
【0020】
そして、この一例の脱水機100では、電磁波発生装置14Aは、
図2に下面図を示すような構成を有している。即ち、電磁波発生装置14Aは、平面内で導線を折り曲げてなる電磁波照射部14aと、電磁波照射部14aに交流電流を流す交流電流発生器14bとを備えている。また、電磁波発生装置14Aの電磁波照射部14aは、下ろ布11の汚泥Sが付着していた側に配置されている。更に、電磁波照射部14aは、交流電流が流れる方向が180°異なる部分を有している。このように、平面内で導線を折り曲げてなる電磁波照射部14aを有する電磁波発生装置14Aを使用すれば、下ろ布11に電磁波を確実に照射し、下ろ布11の洗浄効率を更に向上させることができる。特に、交流電流が流れる方向が180°異なる部分を有する電磁波照射部14aを使用すれば、下ろ布11に電磁波を効率的に照射し、下ろ布11の洗浄効率を更に向上させることができる。
なお、上ろ布12の洗浄に用いられる電磁波発生装置14Bは、下ろ布11の洗浄に用いられる電磁波発生装置14Aと同様の構成を有しているため、以下では詳細な説明を省略する。
【0021】
また、この一例の脱水機100では、液体供給機構13Aは、
図3に下ろ布11の走行方向に沿う断面図を示すような構成を有している。即ち、液体供給機構13Aは、液体としての水Wを下ろ布11に噴射する噴射孔(図示せず)を有する配管13bと、下ろ布11に噴射された液体を回収する液体ボックス13aとを備えている。
なお、上ろ布12の洗浄に用いられる液体供給機構13Bは、下ろ布11の洗浄に用いられる液体供給機構13Aと同様の構成を有しているため、以下では詳細な説明を省略する。
【0022】
そして、脱水機100は、液体供給機構13A,13Bおよび電磁波発生装置14A,14Bを備えているので、脱水ケーキDCを剥離した後のろ布11,12に対し、液体(水W)の供給および電磁波の照射を行い、ろ過体としてのろ布11,12を少量の液体で効率的に洗浄することができる。
なお、ろ布11,12への液体の供給および液体の供給後の電磁波の照射により洗浄効率を向上させることができる理由は、明らかではないが、液体を供給した後に電磁波を照射することにより、ろ過体としてのろ布に付着した汚れを浮かせて容易に剥離される状態とすることができるので、次に汚泥Sを挟み込んで脱水する際に、ろ布に付着していた汚れが脱水される汚泥に付着・一体化してろ布から容易に剥離されるためであると推察される。
【0023】
なお、ろ布の11,12の洗浄効率を更に高める観点からは、電磁波発生装置において電磁波照射部に交流電流を流す交流電流発生器としては、周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を発生させる交流電流発生器、並びに、単一周波数の交流電流または互いに周波数の異なる2つ以上の単一周波数の交流電流を発生させる交流電流発生器を用いることが好ましく、単一周波数の交流電流または互いに周波数の異なる2つ以上の単一周波数の交流電流を発生させる交流電流発生器を用いることがより好ましい。具体的には、交流電流発生器としては、特に限定されることなく、例えば特開2011-255345号公報や特開2013-167160号公報に記載の装置や、株式会社サイライズ製の「ウォーター・ウォッチャー」などを用いることができる。
【0024】
以上、一例を用いて本発明の脱水機について説明したが、本発明の脱水機は上述した構成に限定されるものではない。
具体的には、電磁波発生装置は、例えば
図4に示すような構成を有していてもよい。
図4に下ろ布11の幅方向に沿う断面を示す電磁波発生装置14Aは、下ろ布11の走行方向と交差する方向(図示例では下ろ布11の幅方向)に下ろ布11を囲繞するように巻き回されたコイルよりなる電磁波照射部14aを有している。具体的には、
図4に示す電磁波発生装置14Aは、下ろ布11を挟み込むように配置されたU字管14c内に導線を挿通して下ろ布11を囲繞するように導線を巻き回してなるコイル(電磁波照射部14a)と、電磁波照射部14aに交流電流を流す交流電流発生器14bとを備えている。このように、下ろ布11を囲繞するように巻き回されたコイルよりなる電磁波照射部14aを有する電磁波発生装置14Aを使用すれば、下ろ布11に電磁波を確実に照射し、下ろ布11の洗浄効率を更に向上させることができる。
【0025】
また、ろ布への液体の供給は、液体を貯留する水槽等にろ布を浸漬することにより行ってもよい。
【0026】
更に、上記一例では、ろ布に付着していた汚れを脱水される汚泥に付着・一体化させることでろ布から剥離する場合について示したが、液体の供給後に電磁波を照射されたろ過体から汚れを剥離する汚れ剥離機構は、任意の構成とすることができる。具体的には、汚れ剥離機構は、例えば、液体の供給および電磁波の照射を行った後のろ過体に対して洗浄液を噴射することによりろ過体から汚れを剥離する洗浄液噴射装置であってもよい。
【0027】
また、液体の供給およびろ過体への電磁波の照射は、脱水物としての脱水ケーキDCが接触していた面側とは反対側から行ってもよい。
【0028】
更に、上記一例では脱水機がベルトプレス脱水機である場合について示したが、本発明の脱水機は別の形式の脱水機であってもよい。具体的には、本発明の脱水機は、例えば
図5に軸線に直交する方向の断面を示すようなスクリュープレス脱水機であってもよい。
図5に示す脱水機200は、スクリュー210と、スクリュー210を囲繞する円筒状のスクリーン220とを備えている。また、脱水機200は、スクリーン220の外周に沿って移動可能な液体供給機構230および電磁波発生装置240を備えている。なお、液体供給機構230および電磁波発生装置240は、それぞれ、スクリーン220の外周に沿って移動可能である以外は上記一例の液体供給機構13Aおよび電磁波発生装置14Aと同様の構成を有しているため、説明を省略する。そして、脱水機200では、液体供給機構230からろ過体としてのスクリーン220へと液体を噴射すると共に、スクリーン220に対して電磁波発生装置240から電磁波を照射することができる。従って、ろ過体としてのスクリーン220を効率的に洗浄することができる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
図1に示すような構成を有するベルトプレス脱水機(ろ布幅:1m)を使用し、脱水物(脱水ケーキ)を剥離したろ布に対して水の噴射および電磁波の照射を行いつつ消化汚泥を脱水した。
なお、脱水は、消化汚泥濃度:2%、処理量:3m
3/時間、高分子凝集剤添加率:1.7%、ポリ硫酸第二鉄添加率:20%、運転時間:7時間/日、運転日数:4日間の条件で行った。
そして、脱水ケーキの含水率および脱水ケーキの剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0031】
(比較例1)
電磁波の照射を行わなかった以外は実施例1と同様にして消化汚泥を脱水した。
そして、脱水ケーキの含水率および脱水ケーキの剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
<剥離性の評価基準>
「◎」:ろ布に付着物が残らず脱水ケーキの剥離性が非常に良い。
「○」:ろ布に時々付着物が残る。
【0033】
表1より、電磁波を照射した実施例1では、電磁波を照射しなかった比較例1と比較し、脱水ケーキの含水率が低下すると共に脱水ケーキの剥離性が向上することが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の脱水機によれば、ろ過体を効率的に洗浄することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 ベルトプレス脱水部
11 下ろ布
12 上ろ布
13A,13B 液体供給機構
13a 液体ボックス
13b 配管
14A,14B 電磁波発生装置
14a 電磁波照射部
14b 交流電流発生器
14c U字管
15 ローラ
16 トレイ
20 予備脱水部
21 ろ布
22 ローラ
23 トレイ
24 掻き寄せスクリュー
25 脱水ローラ
30 凝集混和槽
100,200 脱水機
210 スクリュー
220 スクリーン
230 液体供給機構
240 電磁波発生装置
S 汚泥
DC 脱水ケーキ
W 水