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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】破袋分離処理装置
(51)【国際特許分類】
   B02C 18/00 20060101AFI20220617BHJP
   B02C 18/24 20060101ALI20220617BHJP
   B02C 18/22 20060101ALI20220617BHJP
   B02C 18/14 20060101ALI20220617BHJP
   B02C 18/16 20060101ALI20220617BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20220617BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20220617BHJP
   B07B 4/02 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
B02C18/00 106C
B02C18/24
B02C18/22
B02C18/14 Z
B02C18/16
B09B3/35 ZAB
B09B5/00 Z
B07B4/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018111922
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019000844
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2017118284
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】394006174
【氏名又は名称】テクニカマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100164013
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】大山 博民
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3209476(JP,U)
【文献】特開2011-143354(JP,A)
【文献】登録実用新案第3052934(JP,U)
【文献】特開2006-061752(JP,A)
【文献】特許第5119542(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00-25/00
B07B 1/00-15/00
B09B 1/00-5/00
B09C 1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋類に内容物が収容された被処理物に対して、前記袋類を破る破袋処理を行うとともに、前記破袋処理済みの前記袋類と前記内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置であって、
前記被処理物が供給されるとともに、前記分離処理が行われた前記内容物が排出される、供給排出部と、
前記供給排出部に供給された前記被処理物を上方に移送しながら前記破袋処理を行うとともに前記分離処理を行い、分離された前記袋類をさらに上方に移送するとともに、分離された前記内容物を前記供給排出部に排出する処理部と、
を備え、
前記供給排出部は、前記処理部の下方に配置されており、
前記被処理物の供給と排出された前記内容物の移送を1系統の移送装置で行うことを特徴とした、
破袋分離処理装置。
【請求項2】
袋類に内容物が収容された被処理物に対して、前記袋類を破る破袋処理を行うとともに、前記破袋処理済みの前記袋類と前記内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置であって、
前記被処理物が供給されるとともに、前記分離処理が行われた前記内容物が排出される、供給排出部と、
前記供給排出部に供給された前記被処理物を上方に移送しながら前記破袋処理を行うとともに前記分離処理を行い、分離された前記袋類をさらに上方に移送するとともに、分離された前記内容物を前記供給排出部に排出する処理部と、
前記処理部で移送される前記破袋処理済みの前記袋類を前記処理部から除去する除去部と、
を備え、
前記供給排出部は、前記処理部の下方に配置されており、
前記被処理物の供給と排出された前記内容物の移送を1系統の移送装置で行うことを特徴とした、
破袋分離処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記供給排出部に供給された前記被処理物の前記袋類を保持して前記被処理物を上方に移送させる第1保持部と、
前記第1保持部によって上方に移送された前記被処理物を保持する第2保持部と、を有し、
前記第1保持部および前記第2保持部の相対移動により、前記被処理物に対する前記破袋処理、および前記分離処理を行い、
前記除去部は、前記第1保持部に保持された状態の前記破袋処理済みの前記袋類を除去する、
請求項2に記載の破袋分離処理装置。
【請求項4】
前記第1保持部は、前記袋類に係合する先端部、および前記先端部の反対側である基端部を有し、
前記除去部は、前記基端部側から前記先端部側に移動することで前記第1保持部に保持された状態の前記破袋処理済みの前記袋類を除去する除去動作と、前記先端部側から前記基端部側に移動する復帰動作と、を実行する除去部材を有する、
請求項3に記載の破袋分離処理装置。
【請求項5】
前記除去部は、前記第1保持部に保持された状態の前記破袋処理済みの前記袋類を切断する切断部を有する、
請求項4に記載の破袋分離処理装置。
【請求項6】
前記切断部とともに前記破袋処理済みの前記袋類を挟持して切断する当接部を有する、
請求項5に記載の破袋分離処理装置。
【請求項7】
前記第1保持部は、前記被処理物を移送させる方向に沿って複数設置されており、隣接する前記第1保持部の間に、前記袋類の進入を制限する制限部を有する、
請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の破袋分離処理装置。
【請求項8】
前記第2保持部は、前記第1保持部によって上方に移送された前記被処理物に接触して、前記分離処理を行う分離部を有する、
請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の破袋分離処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記第1保持部を支持するとともに、前記第1保持部を上昇および下降させる支持部をさらに有し、
前記除去部の動作は、前記第1保持部の上昇および下降と同期させて実行される、
請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の破袋分離処理装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記支持部によって上昇および下降されるとともに、前記分離処理で分離された前記内容物の一部を保持する第3保持部をさらに有し、
前記第3保持部は、下降する状態において、保持していた前記内容物を前記供給排出部に排出する、
請求項9に記載の破袋分離処理装置。
【請求項11】
前記除去部は、
前記除去部の動作を実行させるカム機構を備える、
請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の破袋分離処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋類に内容物が収容された被処理物に対して、袋類を破る破袋処理を行うとともに、破袋処理済みの袋類と内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミ袋等の袋類に内容物(ゴミ等)が収容された被処理物に対して、袋類を破る破袋処理を行うとともに、破袋処理済みの袋類と内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置が知られている(例えば、特許文献1の実施例4)。
【0003】
特許文献1の破袋分離処理装置は、装置の上部に被処理物を投入する投入口が設けられている。投入口から被処理物を投入すると、装置内部に設けられたカッタによって袋類を破る破袋処理が行われる。袋類が破られると、内容物は装置の下部に設けられた排出口から落下して排出される。破袋処理された袋類は、ゴミ袋掻き出し鉤によって内容物の排出口とは別の排出口から装置外へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5119542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の破袋分離処理装置によれば、装置上部の投入口から装置下部の排出口まで、内容物が移動する距離が長いため、内容物が破損する場合があった。
【0006】
また、被処理物の投入口と、内容物の排出口の位置が離れているため、被処理物の投入と内容物の排出を自動化する場合には、コンベア等の移送装置を2系統設ける必要があり、破袋分離処理を自動化するためのコストが嵩んでいた。
【0007】
また、破袋処理済みの袋類が装置の内部で絡まり、排出されにくい場合があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、袋類に内容物が収容された被処理物に対して破袋処理および分離処理を行う際に発生する内容物の破損を低減できるとともに、被処理物の供給と排出された内容物の移送を自動化する場合のコストを抑制することができ、破袋処理済みの袋類が装置の内部で絡まりにくい、破袋分離処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の破袋分離処理装置は、袋類に内容物が収容された被処理物に対して、前記袋類を破る破袋処理を行うとともに、前記破袋処理済みの前記袋類と前記内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置であって、
前記被処理物が供給されるとともに、前記分離処理が行われた前記内容物が排出される、供給排出部と、
前記供給排出部の上方に配置され、前記供給排出部に供給された前記被処理物を上方に移送しながら前記破袋処理を行うとともに前記分離処理を行い、分離された前記袋類をさらに上方に移送するとともに、分離された前記内容物を前記供給排出部に排出する処理部と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の破袋分離処理装置によれば、供給排出部から供給された被処理物は、処理部によって上方に移送されながら破袋処理および分離処理が行われ、分離された内容物は、供給排出部から排出される。分離された内容物は、被処理物が供給された同じ供給排出部から排出されるため、内容物の落下距離を短くすることができ、内容物の落下による破損を低減することができる。
【0011】
また、被処理物の供給、および分離処理された内容物の排出が同じ供給排出部から行われるため、被処理物の供給と排出された内容物の移送を1系統の移送装置で行うことができる。このため、被処理物の供給と排出された内容物の移送を自動化するためのコストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る破袋分離処理装置の全体構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1のA―A線における破袋分離処理装置の平面断面図である。
図3図3は、図2におけるB―B線における正面断面図である。
図4図4は、図2におけるC―C線における正面断面図である。
図5図5は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図6図6は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図7図7は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図8図8は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図9図9は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図10図10は、除去部の動作を示す正面断面図である。
図11図11は、除去部の動作を示す正面断面図である。
図12図12は、除去部の動作を示す正面断面図である。
図13図13は、除去部の動作を示す正面断面図である。
図14図14は、本発明の第2実施形態に係る破袋分離処理装置の正面断面図である。
図15図15は、図14におけるD―D線における断面図である。
図16図16は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図17図17は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図18図18は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図19図19は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図20図20は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図21図21は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図22図22は、破袋分離処理装置の動作を示す正面断面図である。
図23図23は、除去部の動作を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態にかかる破袋分離処理装置は、
袋類に内容物が収容された被処理物に対して、前記袋類を破る破袋処理を行うとともに、前記破袋処理済みの前記袋類と前記内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置であって、
前記被処理物が供給されるとともに、前記分離処理が行われた前記内容物が排出される、供給排出部と、
前記供給排出部の上方に配置され、前記供給排出部に供給された前記被処理物を上方に移送しながら前記破袋処理を行うとともに前記分離処理を行い、分離された前記袋類をさらに上方に移送するとともに、分離された前記内容物を前記供給排出部に排出する処理部と、
を備える(第1の構成)。
【0014】
上記構成によれば、供給排出部から供給された被処理物は、処理部によって上方に移送されながら破袋処理および分離処理が行われ、分離された内容物は、供給排出部から排出される。分離された内容物は、被処理物が供給された同じ供給排出部から排出されるため、内容物の落下距離を短くすることができ、内容物の落下による破損を低減することができる。また、被処理物の供給、および分離処理された内容物の排出が同じ供給排出部から行われるため、被処理物の供給と排出された内容物の移送を1系統の移送装置で行うことができる。このため、被処理物の供給と排出された内容物の移送を自動化するためのコストを抑制することができる。
【0015】
本発明の一実施形態にかかる破袋分離処理装置は、
袋類に内容物が収容された被処理物に対して、前記袋類を破る破袋処理を行うとともに、前記破袋処理済みの前記袋類と前記内容物とを分離する分離処理を行う、破袋分離処理装置であって、
前記被処理物が供給されるとともに、前記分離処理が行われた前記内容物が排出される、供給排出部と、
前記供給排出部の上方に配置され、前記供給排出部に供給された前記被処理物を上方に移送しながら前記破袋処理を行うとともに前記分離処理を行い、分離された前記袋類をさらに上方に移送するとともに、分離された前記内容物を前記供給排出部に排出する処理部と、
前記処理部で移送される前記破袋処理済みの前記袋類を前記処理部から除去する除去部と、
を備える(第2の構成)。
【0016】
上記構成によれば、供給排出部から供給された被処理物は、処理部によって上方に移送されながら破袋処理および分離処理が行われ、分離された内容物は、供給排出部から排出される。分離された内容物は、被処理物が供給された同じ供給排出部から排出されるため、内容物の落下距離を短くすることができ、内容物の落下による破損を低減することができる。また、被処理物の供給、および分離処理された内容物の排出が同じ供給排出部から行われるため、被処理物の供給と排出された内容物の移送を1系統の移送装置で行うことができる。このため、被処理物の供給と排出された内容物の移送を自動化するためのコストを抑制することができる。また、除去部により、処理部で移送される破袋処理済みの袋類が処理部から除去されるため、破袋処理済みの袋類が装置の内部で絡まりにくくなる。
【0017】
上記第2の構成において、
前記処理部は、
前記供給排出部に供給された前記被処理物の前記袋類を保持して前記被処理物を上方に移送させる第1保持部と、
前記第1保持部によって上方に移送された前記被処理物を保持する第2保持部と、を有し、
前記第1保持部および前記第2保持部の相対移動により、前記被処理物に対する前記破袋処理、および前記分離処理を行い、
前記除去部は、前記第1保持部に保持された状態の前記破袋処理済みの前記袋類を除去するようにしてもよい(第3の構成)。
【0018】
上記構成によれば、被処理物を保持した第1保持部および第2保持部が相対移動することにより、被処理物に対する破袋処理、および分離処理を行うことができる。また、除去部は、第1保持部に保持された状態の破袋処理済みの袋類を除去することができる。
【0019】
上記第3の構成において、
前記第1保持部は、前記袋類に係合する先端部、および前記先端部の反対側である基端部を有し、
前記除去部は、前記基端部側から前記先端部側に移動することで前記第1保持部に保持された状態の前記破袋処理済みの前記袋類を除去する除去動作と、前記先端部側から前記基端部側に移動する復帰動作と、を実行する除去部材を有してもよい(第4の構成)。
【0020】
上記構成によれば、除去部材によって第1保持部に保持された状態の破袋処理済みの袋類を除去するため、第1保持部に袋類が絡まることを抑制することができる。
【0021】
上記第4の構成において、
前記除去部は、前記第1保持部に保持された状態の前記破袋処理済みの前記袋類を切断する切断部を有してもよい(第5の構成)。
【0022】
上記構成によれば、切断部によって第1保持部に保持された状態の破袋処理済みの袋類を切断するため、第1保持部に袋類が絡まることを抑制することができる。
【0023】
上記第5の構成において、
前記切断部とともに前記破袋処理済みの前記袋類を挟持して切断する当接部を有してもよい(第6の構成)。
【0024】
上記構成によれば、切断部および当接部によって第1保持部に保持された状態の破袋処理済みの袋類を挟持して切断するため、第1保持部に袋類が絡まることを抑制することができる。
【0025】
上記第3から第6のいずれかの構成において、
前記第1保持部は、前記被処理物を移送させる方向に沿って複数設置されており、隣接する前記第1保持部の間に、前記袋類の進入を制限する制限部を有してもよい(第7の構成)。
【0026】
上記構成によれば、隣接する第1保持部の間に、袋類の進入を制限する制限部を有するため、隣接する第1保持部の間に袋類が絡まることを抑制することができるとともに、第2保持部に保持させやすくすることができる。
【0027】
上記第3から第7のいずれかの構成において、
前記第2保持部は、前記第1保持部によって上方に移送された前記被処理物に接触して、前記分離処理を行う分離部を有してもよい(第8の構成)。
【0028】
上記構成によれば、分離部は第1保持部によって上方に移送された被処理物に接触して分離処理を行うため、内容物の落下距離を短くすることができ、内容物の落下による破損を低減することができる。
【0029】
上記第3から第8のいずれかの構成において、
前記処理部は、前記第1保持部を支持するとともに、前記第1保持部を上昇および下降させる支持部をさらに有し、
前記除去部の動作は、前記第1保持部の上昇および下降と同期させて実行されてもよい(第9の構成)。
【0030】
上記構成によれば、除去部の動作が第1保持部の上昇および下降と同期させて実行されるため、第1保持部に保持された状態の破袋処理済みの袋類を適切なタイミングで除去することができる。
【0031】
上記第9の構成において、
前記処理部は、前記支持部によって上昇および下降されるとともに、前記分離処理で分離された前記内容物の一部を保持する第3保持部をさらに有し、
前記第3保持部は、下降する状態において、保持していた前記内容物を前記供給排出部に排出してもよい(第10の構成)。
【0032】
上記構成によれば、第3保持部は、第2保持部付近で分離処理されなかった内容物を保持し、下降する状態において、保持していた内容物を前記供給排出部に排出するため、内容物の落下距離を短くすることができ、内容物の落下による破損を低減することができる。
【0033】
上記第2から第10のいずれかの構成において、
前記除去部は、
前記除去部の動作を実行させるカム機構を備えてもよい(第11の構成)。
【0034】
上記構成によれば、除去部の動作はカム機構によって行われるため、簡易な構成で除去部を動作させることができる。
【0035】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る破袋分離処理装置100について詳しく説明する。図1は、破袋分離処理装置100の全体構成を示す斜視図である。以下の図では、矢印Uは破袋分離処理装置100の上方向、矢印Dは下方向を示す。矢印Rは右方向、矢印Lは左方向を示す。矢印Fは前方向、矢印Bは後方向を示す。
【0036】
本実施形態に係る破袋分離処理装置100は、袋類Gに内容物GR(例えば、空缶や空瓶、ペットボトル、不燃物等)が収容された被処理物Wに対して、袋類Gを破る破袋処理を行うとともに、破袋処理済みの袋類Gと内容物GRとを分離する分離処理を行う装置である。本実施形態に係る破袋分離処理装置100は、移送装置150とともに破袋分離処理システム200を構成している。
【0037】
以下の図では同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0038】
[全体構成]
図1に示すように、破袋分離処理装置100は、移送装置150の上方に配置されている。移送装置150は、破袋分離処理装置100に対して被処理物Wを供給するとともに、破袋分離処理装置100で分離処理されて排出された内容物GRを破袋分離処理装置100の外部に移送する。
【0039】
本実施形態の移送装置150は、従来公知のベルトコンベアであり、移送ベルト151およびフレーム153を備えている。移送ベルト151は、フレーム153に支持されるエンドレスベルトであり、図示しない駆動装置によって駆動回転している。移送ベルト151の移送面152は、図示右方から左方に向けて移動しており、移送面152上の被処理物Wおよび分離された内容物GRは、図示右方から左方に向けて移送されている。
【0040】
破袋分離処理装置100は、ケーシング10、供給排出部20、処理部40、除去部60、空気流供給部70、および袋類排出部80を備えている。図1では、ケーシング10の一部を仮想線(二点鎖線)で表わしており、破袋分離処理装置100の内部構造が見えるようにしている。
【0041】
ケーシング10は、破袋分離処理装置100の外形を構成する部分である。ケーシング10は、前面部11、後面部12、左側面部13、右側面部14、内部支持壁15、および上面部16を有している。
【0042】
前面部11および後面部12は、略方形であり、移送装置150の前方と後方に位置するように間隔をおいて配置されている。前面部11の左下部には、分離処理された袋類Gが破袋分離処理装置100の外部に排出される第1排出口111が形成されている。左側面部13は、前面部11および後面部12の左側において移送装置150を跨ぐように配置されている。左側面部13の中央下部には、分離処理された内容物GRが破袋分離処理装置100の外部に排出される第2排出口131が形成されている。右側面部14は、前面部11および後面部12の右側において移送装置150を跨ぐように配置されている。右側面部14の中央下部には、被処理物Wが破袋分離処理装置100の内部に導入される導入口141が形成されている。内部支持壁15は、前面部11および後面部12の間であって、移送装置150の後方に配置されている。上面部16は、前面部11、後面部12、左側面部13、右側面部14、および内部支持壁15の上部に配置されている。前面部11、左側面部13、右側面部14、内部支持壁15、および上面部16により、移送装置150の上方には、被処理物Wに対して破袋処理および分離処理を行うための処理空間17が形成されている。処理空間17の下方は開放されている。
【0043】
供給排出部20は、被処理物Wが供給されるとともに、分離処理が行われた内容物GRが排出される部分である。本実施形態では、移送装置150によって供給排出部20に被処理物Wが供給され、分離処理が行われた内容物GRは、供給排出部20から移送装置150に対して排出される。供給排出部20は、処理空間17の図示右下部の領域に設定されている。
【0044】
処理部40は、供給排出部20の上方に配置されている。処理部40は、供給排出部20に供給された被処理物Wを上方に移送しながら破袋処理および分離処理を行い、分離された袋類Gをさらに上方に移送するとともに、分離された内容物GRを下方の供給排出部20に排出する。処理部40は、支持部41、第1保持部51、第2保持部52、規制部材55を有する。
【0045】
支持部41は、第1保持部51を支持するとともに、第1保持部51が上昇と下降を繰り返すように回転する部分である。支持部41は、回転軸42、回転板43および支持部材44を有している。
【0046】
回転軸42は、供給排出部20の上方において、前後方向に延びるように配置されている。回転軸42は、ケーシング10の内部支持壁15を貫通している。内部支持壁15には、回転軸42を回転可能に支持する軸受(図示せず)が設けられている。回転軸42の後端は、減速機411を介して駆動装置412(図2参照)に接続されている。
【0047】
回転板43は、円盤状の部材であり、内部支持壁15の前面に近接して配置されている。回転板43は、中心部に回転軸42が貫通して固定されており、回転軸42とともに回転する。
【0048】
支持部材44は、第1保持部51が固定される部材であり、供給排出部20の上方に配置されている。本実施形態の支持部材44は、略直方体であり、長手方向の中心軸を回転軸42に一致させて回転軸42および回転板43に固定されている。回転板43および支持部材44は、駆動装置412により正面視で反時計回りに駆動回転される。
【0049】
第1保持部51は、供給排出部20に供給された被処理物Wの袋類Gを保持して被処理物Wを上方に移送させる部分である。第1保持部51が第2保持部52に対して相対移動することにより、被処理物Wに対する破袋処理、および分離処理が行われる。本実施形態では、第1保持部51が2箇所に設けられており、第1保持部51として、第1係合部53および第2係合部54が設けられている。第1係合部53および第2係合部54は、支持部材44に固定されている。第1係合部53および第2係合部54は、支持部材44の回転に伴って供給排出部20を通過するように配置されている。なお、第1保持部51の設置数は2箇所に限定されず、1箇所あるいは3箇所以上であってもよい。
【0050】
第1係合部53は、支持部材44の側面441に設けられている。第2係合部54は、側面441に対向する側面442に設けられている。第1係合部53および第2係合部54は、正面視で回転軸42に対して点対称となるように配置されている(図3参照)。つまり、第1係合部53および第2係合部54は、回転時に位相が180度ずれるように配置されている。
【0051】
第1係合部53および第2係合部54は、それぞれ複数の第1係合刃511によって構成されている。第1係合刃511は、基端部512側から先端部513に向かうに従って鉤状に湾曲しており、先端部513は袋類Gに係合可能なように尖っている。各第1係合刃511は、正面視で先端部513が回転方向前方に向くように配置されている。
【0052】
第1係合部53は、3枚の第1係合刃511で構成されており、各第1係合刃511は、前後方向に間隔をおいて配置されている。第2係合部54は、2枚の第1係合刃511で構成されており、各第1係合刃511は、前後方向に間隔をおいて配置されている。第1係合部53および第2係合部54を構成する第1係合刃511は、それぞれ前後方向に互い違いになるように配置されており、回転時にそれぞれ異なる軌跡で回転するように支持部材44に配置されている(図2参照)。なお、第1係合部53および第2係合部54を構成する第1係合刃511の数は限定されない。また、第1係合部53および第2係合部54を構成する第1係合刃511は前後方向に互い違いに配置されなくてもよい。例えば、第1係合部53および第2係合部54を構成する第1係合刃511を同数としてもよく、それぞれ3枚以上の第1係合刃511で構成するようにしてもよい。
【0053】
第1係合部53および第2係合部54は、回転することで、上昇と下降を繰り返す。具体的には、第1係合部53および第2係合部54は、支持部41とともに正面視で反時計回りに回転して回転軸42の右方に位置する状態では上昇し、回転軸42の左方に位置する状態では下降する。第1係合部53および第2係合部54がそれぞれ上昇する状態となる領域を上昇領域UAとし、第1係合部53および第2係合部54がそれぞれ下降する状態となる領域を下降領域DAとする(図3参照)。第1係合部53および第2係合部54は、上昇領域UAで供給排出部20を通過するように配置されている。第1係合部53および第2係合部54は、供給排出部20に供給された被処理物Wの袋類Gに上昇領域UAにおいて係合し、被処理物Wを上方に移送する。
【0054】
第2保持部52は、第1保持部51によって上方に移送された被処理物Wを保持する部分である。第2保持部52は、右側面部14に固定されている。第2保持部52は、第1保持部51によって上方に移送された被処理物Wを保持できるように、上昇領域UAにおいて第1保持部51に対向するように配置されている(図3参照)。
【0055】
第2保持部52は、複数の第2係合刃521によって構成されている。各第2係合刃521は、前後方向に間隔をおいて配置されている。第2係合刃521は、基端部522側から先端部523に向けて細くなっており、先端部523は袋類Gに係合可能なように尖っている。各第2係合刃521は、上方に移送される被処理物Wに係合できるように、正面視で先端部523が左下方に向くように配置されている。なお、第2係合刃521の枚数は限定されない。また、第2係合刃521と、第1係合部53および第2係合部54を構成する第1係合刃511との前後方向の位置関係は、先端部(第1係合刃511の先端部513、および第2係合刃521の先端部523)が対峙するように配置されていてもよく、対峙しないように前後方向に互いにずらせて配置してもよい。
【0056】
規制部材55は、第1係合部53および第2係合部54の間の空間に被処理物Wが進入することを抑制する部材である。規制部材55は、第1係合部53および第2係合部54の間の空間において前後方向に延びるように配置されている。規制部材55は、回転板43に固定されている。なお、規制部材55は、第1係合部53および第2係合部54の間の空間に被処理物Wが進入することを抑制する効果を有するほかに、被処理物Wに含まれているひも状の内容物GRが処理部40に巻き付いてしまうことを抑制する効果も有する。
【0057】
除去部60は、第1保持部51に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを除去する機構である。除去部60は、第1除去部61および第2除去部62を有している。第1除去部61は第1係合部53に対応して設けられており、第2除去部62は第2係合部54に対応して設けられている。第1除去部61および第2除去部62は略同一の構成を有するため、主に第1除去部61について説明する。第1除去部61は、除去部材64、支持軸65、および作動機構66を有している。
【0058】
除去部材64は、板状の部材であり、第1係合部53を構成する3枚の第1係合刃511に対応してそれぞれ設けられている。除去部材64は、第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に沿って移動することで、第1係合刃511に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを除去する。除去部材64が第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に移動する動作を除去動作とし、除去部材64が第1係合刃511の先端部513側から基端部512側に移動する動作を復帰動作とする。第1除去部61は、除去動作および復帰動作が支持部41の回転と同期して実行されるように構成されている。
【0059】
支持軸65は、各除去部材64を支持する部材である。支持軸65の後部は、回転板43に回転可能に支持されている。各除去部材64は、支持軸65に固定されており、支持軸65を揺動回転させることにより、3枚の除去部材64は、連動して除去動作および復帰動作を行う。
【0060】
作動機構66は、除去部材64の除去動作および復帰動作を支持部41の回転と同期して実行させる機構である。作動機構66は、カム661、カムフォロア662、およびリンク663を有している。
【0061】
カム661は、周縁部にカム面を有する板状の部材である。カム661は、ケーシング10に固定されている。図1では、カム661を仮想線(二点鎖線)で表わしている。カムフォロア662は、リンク663を介して支持軸65に連結されている。カムフォロア662は、図示しない付勢部材により、カム661のカム面に常時接触するように構成されている。支持部41が回転することにより、カムフォロア662はカム661のカム面に接触しながら移動することとなり、リンク663を介して支持軸65を揺動させる。第2除去部62も第1除去部61と同様に、除去部材64、支持軸65、および作動機構66を有している。作動機構66のカム661については、第1除去部61と第2除去部62で共有されている。
【0062】
なお、本実施形態の作動機構66は、周縁部にカム面を有する板状のカム661を用いたが、これに限定されない。例えば、カムフォロア662を案内する溝が形成されたカムを用いてもよい。また、作動機構はカムおよびカムフォロアによる機構に限定されない。除去部材64の除去動作および復帰動作を支持部41の回転と同期して実行可能な機構であればよい。
【0063】
空気流供給部70は、処理部40によって上方に移送された袋類Gに空気流を供給し、除去部60による袋類Gの除去作用を促進および補助するとともに、袋類Gを袋類排出部80に移送する。空気流供給部70は、第1空気流供給部71および第2空気流供給部72を有している。
【0064】
第1空気流供給部71は、右側面部14の上部に設けられている。第1空気流供給部71は図示しないブロアに接続されている。第1空気流供給部71は、右側面部14の上部から処理空間17内に空気を送り込み、処理部40の上方において、右方から左方に向かう空気流を供給する。この空気流により、第1保持部51の第1係合刃511に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gが外れ易くなり、除去部60による袋類Gの除去作用を促進および補助することができる。また、第1保持部51から除去された袋類Gは、空気流により下流方向に移送される。
【0065】
第2空気流供給部72は、内部支持壁15の上部に設けられている。第2空気流供給部72は図示しないブロアに接続されている。第2空気流供給部72は、内部支持壁15の上部から処理空間17内に空気を送り込み、処理部40の左方において、後方から前方に向かう空気流を供給する。
【0066】
袋類排出部80は、処理部40によって上方に移送された袋類Gを排出する部分である。本実施形態では、袋類排出部80は、処理空間17の左下部に設定されている。処理部40によって上方に移送された袋類Gは、除去部60によって除去されるとともに、空気流供給部70から供給された空気流によって除去部60の除去作用が促進および補助される。そして処理部40から除去された袋類Gは、空気流によって袋類排出部80に向けて移送される。袋類Gは、前面部11の左下部に形成された第1排出口111から排出される。なお、空気流供給部70から供給された空気流によって袋類Gを移送しやすくするため、処理空間17内に袋類Gを案内する案内板を設けるようにしてもよい。なお、袋類排出部80を設ける位置は、処理空間17の下部に限定されない。例えば、処理空間17の上部に袋類排出部80を設けてもよい。この場合、処理空間17内の空気流が適切になるように空気流供給部70を設置する。また、袋類排出部80に吸引装置を接続し、空気とともに袋類Gを吸引するようにしてもよい。
【0067】
図2は、図1のA―A線における破袋分離処理装置100の平面断面図である。図2に示すように、破袋分離処理装置100は、移送装置150に跨るように配置されている。移送装置150の移送ベルト151は、図示右方から左方に向けて移動しており、被処理物Wおよび分離処理された内容物GRは、図示右方から左方に向けて移送される。被処理物Wは破袋分離処理装置100の右方から内部に導入され、分離された内容物GRは破袋分離処理装置100の左方から外部に排出される。
【0068】
処理部40の第1保持部51および第2保持部52は、平面視で移送装置150の移送ベルト151に重なるように配置されている。処理部40を駆動させる減速機411および駆動装置412は、内部支持壁15と後面部12の間の空間に配置されている。
【0069】
第1空気流供給部71は、ダクト73を介して図示しないブロアに接続されている。第1空気流供給部71は、右側面部14の上部から処理空間17内に空気を送り込み、処理部40の上方において、右方から左方に向かう空気流を供給する。
【0070】
第2空気流供給部72は、ダクト74を介して図示しないブロアに接続されている。第2空気流供給部72は、内部支持壁15の上部から処理空間17内に空気を送り込み、処理部40の左方において、後方から前方に向かう空気流を供給する。
【0071】
図3は、図2におけるB―B線における正面断面図である。図3に示すように、第1保持部51を構成する第1係合部53および第2係合部54は、支持部材44に支持されている。支持部材44が正面視で反時計回りに回転することで、第1係合部53および第2係合部54は、上昇と下降を繰り返す。第1係合部53および第2係合部54が上昇する状態となる領域を上昇領域UAとし、第1係合部53および第2係合部54が下降する状態となる領域を下降領域DAとする。第1係合部53および第2係合部54は、上昇領域UAで供給排出部20を通過するように配置されており、被処理物Wの袋類Gに係合して被処理物Wを上方に移送する。一方、第2保持部52は、第1係合部53および第2係合部54によって上方に移送された被処理物Wに係合して保持できるように、上昇領域UAにおいて第1保持部51に対向するように配置されている。そして、第1係合部53および第2係合部54が第2保持部52に対して相対移動することにより、被処理物Wの袋類Gが引き破られて破袋処理され、破袋処理された袋類Gから内容物GRが供給排出部20へ落下して袋類Gと内容物GRが分離処理される。なお、第2保持部52の上下方向の位置は、図示した位置に限定されない。例えば、支持部41の回転軸42に対して上方または下方に配置してもよい。
【0072】
本実施形態では、第1係合部53および第2係合部54は、正面視で回転軸42に対して点対称となるように配置されており、第1係合部53および第2係合部54は、回転時に位相が180度ずれることとなる。このため、第1係合部53および第2係合部54が第2保持部52に対して相対移動することにより、供給排出部20に供給された被処理物Wを上方に移送しながら、破袋処理および分離処理を行い、分離された内容物GRを供給排出部20に排出する一連の動作を処理動作とすると、各処理動作は180度位相がずれて行われることとなる。言い換えると、第1係合部53および第2係合部54のいずれか一方が一連の動作(処理動作)を終えてから、第1係合部53および第2係合部54のいずれか他方が次の一連の動作(処理動作)を開始する。
【0073】
なお、本実施形態では、第1保持部51を第1係合部53および第2係合部54の2個所で構成し、回転時に位相が180度ずれるようにしたが、第1保持部51を3か所以上設けて回転時の位相が180度未満となるようにしてもよい。また、第1保持部51を1か所のみ設けてもよい。
【0074】
図4は、図2におけるC―C線における正面断面図である。図4に示すように、除去部60は、第1除去部61および第2除去部62を有している。第1除去部61は第1係合部53に対応して設けられており、第2除去部62は第2係合部54に対応して設けられている。除去部材64は、第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に移動することで、第1係合刃511に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを除去する。
【0075】
除去部材64が第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に移動する動作を除去動作とし、除去部材64が第1係合刃511の先端部513側から基端部512側に移動する動作を復帰動作とすると、第1除去部61および第2除去部62は、除去動作および復帰動作が支持部41の回転と同期して実行されるように構成されている。第1除去部61および第2除去部62は、それぞれ第1係合部53および第2係合部54がおおよそ上昇領域UAの後半の領域を通過する際に除去動作を行い、第1係合部53および第2係合部54がおおよそ下降領域DAを通過する際に復帰動作を行う。第1除去部61および第2除去部62の動作については、後に図10から図13を用いて説明する。なお、除去動作および復帰動作のタイミングは、本実施形態で説明するタイミングに限定されない。例えば、除去動作は、本実施形態のタイミングより早くてもよく、反対に本実施形態のタイミングより遅くてもよい。言い換えると、第1係合部53および第2係合部54がそれぞれ第2保持部52を通過した直後に除去動作を行ってもよく、通過した直後ではなく遅延させて除去動作を行ってもよい。
【0076】
[破袋処理および分離処理の動作]
次に図5から図9を用いて本実施形態に係る破袋分離処理装置100における破袋処理および分離処理の動作について説明する。図5から図9は、破袋分離処理装置100の動作を示す正面断面図である。図5から図9では、除去部60の図示は省略している。
【0077】
図5は、移送装置150によって破袋分離処理装置100の供給排出部20に被処理物Wが供給されている状態を示している。被処理物Wは、破袋分離処理装置100の外部から導入口141を通過して破袋分離処理装置100の内部に導入される。処理部40の支持部41は、正面視で反時計回りに回転している。図5では、第1係合部53の先端部513が上昇領域UAの下端部に到達している。図5では、規制部材55が被処理物Wに当接することにより、移送装置150によって図示左方に移送されている被処理物Wが第1係合部53および第2係合部54の間の空間に進入することを抑制している。
【0078】
図6は、処理部40によって被処理物Wが上方に移送され始めた状態を示している。図6に示すように、第1係合部53の先端部513は、被処理物Wの袋類Gに上昇領域UAにおいて係合し、被処理物Wを上方に移送する。
【0079】
図7は、処理部40によって被処理物Wの破袋処理および分離処理が行われる状態を示している。図7に示すように、第2保持部52は、第1係合部53によって上方に移送されている被処理物Wの袋類Gの一端部に係合して保持している。そして、第1係合部53が第2保持部52に対して相対移動することにより、被処理物Wの袋類Gが引き破られて破袋処理される。さらに、破袋処理された袋類Gから内容物GRが供給排出部20へ落下して袋類Gと内容物GRが分離処理される。ここで、第2保持部52の第2係合刃521が第1係合部53の第1係合刃511よりも間隔が狭く配置されている場合、袋類Gは第2保持部52の第2係合刃521によって細かく引き破られ、破袋処理された袋類Gの大部分は、第1係合部53によって上方に移送される。分離された内容物GRは、下方の供給排出部20から移送装置150に排出される。
【0080】
図8は、第1係合部53によって上方に移送された袋類Gが第1係合部53から離れた状態を示している。第1係合部53によって上方に移送された袋類Gは、上昇領域UAの上部において、遠心力によって第1係合部53から離れる。また、除去部60が除去動作(図13参照)を行うことにより、第1係合部53に保持された状態の袋類Gが第1係合部53から除去される。さらに、処理空間17の上部では、第1空気流供給部71によって図示右方から左方に向かう空気流が供給されており、この空気流によっても第1係合部53に保持された状態の袋類Gが第1係合部53から除去される。
【0081】
図9は、袋類Gが袋類排出部80から排出される状態を示している。図9に示すように、処理部40の上方で第1係合部53から離れた袋類Gは、第1空気流供給部71から供給される図示右方から左方に向かう空気流、および第2空気流供給部72から供給される図示後方から前方に向かう空気流によって袋類排出部80に向けて移送される。袋類排出部80に到達した袋類Gは、破袋分離処理装置100の内部から第1排出口111(図1参照)を通過して破袋分離処理装置100の外部に排出される。
【0082】
第1係合部53による上記処理動作(供給排出部20に供給された被処理物Wを上方に移送しながら、第2保持部52との相対移動によって破袋処理および分離処理が行われ、分離された内容物GRが供給排出部20に排出される一連の動作)と同様の処理動作は、第2係合部54によっても行われる。なお、第1係合部53および第2係合部54は、180度位相がずれているため、第1係合部53による処理動作と第2係合部54による処理動作は180度位相がずれた状態で行われる。第1係合部53および第2保持部52による処理動作は、支持部41の回転に伴って周期的に実行される。
【0083】
[除去部の動作]
次に図10から図13を用いて破袋分離処理装置100の除去部60の動作について説明する。図10から図13は、除去部60の動作を示す正面断面図である。図10から図13では、カム661を仮想線(二点鎖線)で表わしている。
【0084】
図10は、第1係合部53の先端部513が上昇領域UAの始端部(下降領域DAの終端部)に到達しており、第2係合部54の先端部513が上昇領域UAの終端部(下降領域DAの始端部)に到達している状態を示している。処理部40の支持部41は、正面視で反時計回りに回転している。第1係合部53に対応した第1除去部61では、除去部材64が第1係合刃511の基端部512側に移動しており、第2係合部54に対応した第2除去部62では、除去部材64が第1係合刃511の先端部513側に移動している。
【0085】
図11は、図10の状態から処理部40の支持部41が反時計回りに90度回転した状態を示している。供給排出部20に被処理物Wが供給されている状態であれば、第1係合部53の先端部513は、被処理物Wの袋類Gに上昇領域UAにおいて係合し、被処理物Wを上方に移送している状態である(図6および図7参照)。第1係合部53に対応した第1除去部61では、除去部材64が第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に移動する除去動作が開始されている。一方、第2係合部54に対応した第2除去部62では、除去部材64が第1係合刃511の先端部513側から基端部512側に移動する復帰動作が開始されている。
【0086】
図12は、図11の状態から処理部40の支持部41が反時計回りにさらに45度回転した状態を示している。第1係合部53の先端部513に被処理物Wの袋類Gが係合している状態であれば、第1係合部53が第2保持部52に対して相対移動することにより、被処理物Wの破袋処理および分離処理が行われる状態である(図7参照)。第1係合部53に対応した第1除去部61では、除去部材64が第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に図11に示す状態よりもさらに移動しており、除去動作が進行している。一方、第2係合部54に対応した第2除去部62では、除去部材64が第1係合刃511の先端部513側から基端部512側に図11に示す状態よりもさらに移動しており、復帰動作が進行している。
【0087】
図13は、図12の状態から処理部40の支持部41が反時計回りにさらに45度回転し、第1係合部53の先端部513が上昇領域UAの終端部(下降領域DAの始端部)に到達しており、第2係合部54の先端部513が上昇領域UAの始端部(下降領域DAの終端部)に到達している状態を示している。第1係合部53に対応した第1除去部61では、除去部材64が第1係合刃511の基端部512側から先端部513側に移動しており、除去動作が完了している。第1係合部53の先端部513に被処理物Wの袋類Gが係合していた場合は、除去部60の除去動作によって第1係合部53に保持された状態の袋類Gが第1係合部53から除去される(図8参照)。一方、第2係合部54に対応した第2除去部62では、除去部材64が第1係合刃511の先端部513側から基端部512側に図11に移動しており、復帰動作が完了している。
【0088】
第1係合部53および第2係合部54は、180度位相がずれているため、それぞれに対応する第1除去部61および第2除去部62による除去動作および復帰動作も180度位相がずれた状態で行われる。第1係合部53および第2保持部52による処理動作とともに、第1除去部61および第2除去部62による除去動作および復帰動作は、支持部41の回転に伴って周期的に実行される。なお、前述のように、除去動作および復帰動作のタイミングは、本実施形態で説明するタイミングに限定されない。
【0089】
[実施形態1の効果]
上記説明した実施形態1に係る破袋分離処理装置100によれば、供給排出部20から供給された被処理物Wは、処理部40によって上方に移送されながら破袋処理および分離処理が行われ、分離された内容物GRは、供給排出部20から排出される。分離された内容物GRは、被処理物Wが供給された同じ供給排出部20から排出されるため、内容物GRの落下距離を短くすることができ、内容物GRの落下による破損を低減することができる。また、被処理物Wの供給、および分離処理された内容物GRの排出が同じ供給排出部20から行われるため、被処理物Wの供給と排出された内容物GRの移送を1系統の移送装置150で行うことができる。このため、被処理物Wの供給と排出された内容物GRの移送を自動化するためのコストを抑制することができる。また、除去部60により、処理部40で移送される破袋処理済みの袋類Gが処理部40から除去されるため、破袋処理済みの袋類Gが破袋分離処理装置100の内部で絡まりにくくなる。
【0090】
被処理物Wを保持した第1保持部51および第2保持部52が相対移動することにより、被処理物Wに対する破袋処理、および分離処理を行うことができる。また、除去部60は、第1保持部51に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを除去することができる。
【0091】
除去部60によって第1保持部51に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを除去するため、第1保持部51に袋類Gが絡まることを抑制することができる。
【0092】
除去部60の動作が第1保持部51の上昇および下降と同期させて実行されるため、第1保持部51に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを適切なタイミングで除去することができる。
【0093】
除去部60の動作はカム機構661,662によって行われるため、簡易な構成で除去部60を動作させることができる。
【0094】
空気流供給部70から供給される空気流により、除去部60による袋類Gの除去作用が促進および補助されるとともに、袋類Gを円滑に破袋分離処理装置100から排出させることができる。
【0095】
[実施形態2]
実施形態2の破袋分離処理装置100Aは、処理部40Aおよび除去部60Aの構成が実施形態1に係る破袋分離処理装置100の構成と異なっている。
以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる構成についてのみ説明する。
【0096】
図14は、本発明の第2実施形態に係る破袋分離処理装置100Aの正面断面図である。図14に示すように、処理部40Aには、第1保持部材56、第2保持部材57、制限部58、および分離部59が設けられている。また、除去部60Aには、切断部641および当接部67が設けられている。
【0097】
第1保持部材56、および第2保持部材57は、分離処理で分離された内容物GRの一部を保持する部材である。第1保持部材56、および第2保持部材57は、本発明の第3保持部に相当する。
【0098】
第1保持部材56は、支持部材44に取り付けられており、第1係合部53および第2係合部54を構成する複数の第1係合刃511の基端部512付近に設けられている。第1保持部材56は、第1係合刃511の基端部512付近から支持部材44の回転方向と反対方向に延びている。第1保持部材56は、支持部材44との間に内容物GRを保持する空間を構成している(図19参照)。保持した内容物GRは、下降領域DAの下端付近で供給排出部20Aに排出されることが好ましい。このため、第1保持部材56と支持部材44の側面とがなす角度θ1は、90度前後とすることが好ましく、90度から70度程度とすることがより好ましい。第1保持部材56の素材は限定されないが、例えば、内容物GRを保持できる程度の強度を有するゴム板等を用いることができる。
【0099】
第2保持部材57は、支持部材44に取り付けられており、第1係合部53および第2係合部54を構成する複数の第1係合刃511の間に配置されている。第2保持部材57は、支持部材44の回転方向に対して交差する方向に延びている。第2保持部材57は、支持部材44との間に内容物GRを保持する空間を構成している(図20参照)。保持した内容物GRは、下降領域DAの下端付近で供給排出部20Aに排出されることが好ましい。このため、第2保持部材57と支持部材44の側面とがなす角度θ2は、90度前後とすることが好ましく、90度から70度程度とすることがより好ましい。第2保持部材57の素材は限定されないが、例えば、内容物GRを保持できる程度の強度を有するゴム板等を用いることができる。
【0100】
第1保持部材56および第2保持部材57は、被処理物Wに対して破袋処理および分離処理を行った際に、供給排出部20Aに直ちに排出されずに支持部材44の上に落下した内容物GRの一部を保持する。例えば、被処理物Wの破袋処理および分離処理を行った際に袋類Gから内容物GRの一部が外れず、支持部材44の上方に到達した際に袋類Gから外れて支持部材44の上に落下する場合がある。そのまま移送装置150に落下させると、内容物GRの落下距離が長くなり、内容物GRが破損する場合がある。第1保持部材56および第2保持部材57は、このような内容物GRを一時的に保持し、下降領域DAの下端付近で供給排出部20A(移送装置150)に排出する。これにより、内容物GRの落下距離を短くすることができ、内容物GRの破損を低減することができる。
【0101】
制限部58は、第1係合部53および第2係合部54の間に袋類Gが進入することを制限するとともに、第1係合部53および第2係合部54に保持された状態で回転している袋類Gを第2保持部52に係合させやすくする部材である。制限部58は、支持部材44に取り付けられており、第1係合部53および第2係合部54を構成する複数の第1係合刃511の基端部512付近に設けられている。制限部58は、第1係合刃511の基端部512付近から、支持部材44の回転中心(回転軸42)に対して放射方向に延びている。第1係合部53および第2係合部54が回転する領域を回転領域RAとすると、制限部58の先端部は、回転領域RAの外縁付近まで延びている。この場合、第1係合部53および第2係合部54に保持された状態で回転している袋類Gを第2保持部52に係合させやすくすることができる(図22参照)。制限部58の素材として、例えば柔軟性を有するゴム板を用いることができる。
【0102】
分離部59は、第2保持部52に設けられており、第1保持部51によって上方に移送される被処理物Wに接触して、分離処理を行う部材である。具体的には、分離部59は、複数の第2係合刃521を覆うように配置されており、先端部523を露出させるように構成されている。分離部59は、第1保持部51および第2保持部52によって被処理物Wの袋類Gが引き破られて破袋処理される際に、被処理物Wに接触して袋類Gから内容物GRをしごき落とすように作用し、分離処理を促進させる。分離部59の素材として、例えば、袋類Gから内容物GRをしごき落とすことができる程度の強度を有するゴム板等を用いることができる。
【0103】
切断部641は、除去部60の第1除去部61および第2除去部62に設けられており、第1保持部51に保持された状態の破袋処理済みの袋類Gを切断する部分である。また、当接部67は、破袋処理済みの袋類Gを切断部641とともに挟持して切断する部材である。当接部67は、復帰動作が完了した状態の第1除去部61および第2除去部62と、支持部材44との間に配置されている。切断部641は、除去部材64の端部であって当接部67に対向する部分に形成されている。復帰動作が完了した状態において、除去部材64に設けられた切断部641は、当接部67に接触するように設定されている。
【0104】
切断部641は、袋類Gを切断できるよう、刃状に形成されていてもよく、刃状に形成された別部材を取り付けてもよい。また、当接部67は、例えばゴム板で形成することにより、切断部641が接触した状態で切断部641が食い込む状態となり、袋類Gを切断しやすくなる。
【0105】
図15は、図14におけるD―D線における断面図である。図15に示すように、第1係合刃511には、袋類Gを切断することで第1係合刃511に袋類Gが絡み難くなるよう、刃部515を形成してもよい。また、第1除去部61および第2除去部62の除去部材64にも、袋類Gを切断することで第1係合刃511に袋類Gが絡み難くなるよう、刃部643を形成してもよい。なお、本実施形態では、図15に示すように、除去部材64に第1係合刃511を案内する凹部を形成し、凹部の両先端に刃部643を形成しているがこれに限定されない。例えば、第1係合刃511に除去部材64を案内する凹部を形成し、この凹部に案内される除去部材64の先端に刃部643を形成してもよい。さらに、除去部材64あるいは第1係合刃511に形成される凹部は、除去部材64あるいは第1係合刃511に別部材を取り付けることで形成されてもよい。
【0106】
[破袋処理および分離処理の動作]
次に図16から図22を用いて本実施形態に係る破袋分離処理装置100Aにおける破袋処理および分離処理の動作について説明する。図16から図22は、破袋分離処理装置100Aの動作を示す正面断面図である。図16から図22では、除去部60Aの図示は省略している。
【0107】
図16は、移送装置150によって破袋分離処理装置100Aの供給排出部20Aに被処理物Wが供給されている状態を示している。処理部40Aの支持部41は、正面視で反時計回りに回転している。図16では、第1係合部53の先端部513が上昇領域UAの下端部に到達している。
【0108】
図17は、処理部40Aによって被処理物Wが上方に移送され始めた状態を示している。図17に示すように、第1係合部53の先端部513は、被処理物Wの袋類Gに上昇領域UAにおいて係合し、被処理物Wを上方に移送する。
【0109】
図18は、処理部40Aによって被処理物Wの破袋処理および分離処理が行われる状態を示している。図18に示すように、第2保持部52は、第1係合部53によって上方に移送されている被処理物Wの袋類Gの一端部に係合して保持している。そして、第1係合部53が第2保持部52に対して相対移動することにより、被処理物Wの袋類Gが引き破られて破袋処理される。さらに、破袋処理された袋類Gから内容物GRが供給排出部20Aへ落下して袋類Gと内容物GRが分離処理される。
【0110】
分離部59は、第1保持部51および第2保持部52によって被処理物Wの袋類Gが引き破られて破袋処理される際に、被処理物Wに接触して袋類Gから内容物GRをしごき落とすように作用し、分離処理を促進させる。分離された内容物GRは、下方の供給排出部20Aから移送装置150に排出される。なお、被処理物Wの破袋処理および分離処理を行った際に袋類Gから内容物GRの一部が外れず、袋類Gとともに支持部材44の上方に向けて移送されているものとする。
【0111】
図19は、第1係合部53によって上方に移送された袋類Gから内容物GRが外れ、支持部材44の上に内容物GRが落下した状態を示している。第1保持部材56は、支持部材44の上に落下した内容物GRを保持している。これにより、内容物GRが高い位置から落下することを防止し、内容物GRの破損を低減している。
【0112】
図20は、第1保持部材56によって保持されていた内容物GRが、下降領域DAの下端付近で供給排出部20A(移送装置150)に排出された状態を示している。内容物GRを下降領域DAの下端付近で排出することにより、内容物GRの破損を低減することができる。また、図20では、別の内容物GRが袋類Gから外れて支持部材44の上に落下しており、第2保持部材57は、支持部材44の上に落下した内容物GRを保持している。
【0113】
図21は、第1係合部53に保持されていた袋類Gが第1係合部53から離れ、供給排出部20A(移送装置150)に排出された状態を示している。第1係合部53によって移送された袋類Gは、遠心力および自重によって第1係合部53から離れる。また、除去部60Aが除去動作(図13参照)を行うことにより、第1係合部53に保持された状態の袋類Gが第1係合部53から除去される。第2保持部材57によって保持されていた内容物GRも、下降領域DAの下端付近で供給排出部20A(移送装置150)に排出されている。
【0114】
図22は、図21で説明した場合と異なり、第1係合部53に保持された袋類Gが第1係合部53から離れずに、第1係合部53に保持された状態で回転している状態を示している。制限部58は、袋類Gに接触して第1係合部53の回転領域RAの外縁付近に押し出すことにより、袋類Gを第2保持部52に係合させやすくしている。袋類Gが第1係合部53および第2保持部52によって複数回にわたって破袋処理されることにより、第1係合部53に保持された袋類Gが外れて供給排出部20A(移送装置150)に排出されやすくなる。
【0115】
[除去部の動作]
次に図23を用いて破袋分離処理装置100Aの除去部60Aの動作について説明する。図23は、除去部60Aの動作を示す正面断面図である。図23は、第1係合部53に保持された袋類Gを除去部材64の切断部641と当接部67とで挟持して切断している状態を示している。第1係合部53に袋類Gが絡まった場合でも、切断部641と当接部67で袋類Gを切断することができるため、第1係合部53から袋類Gを除去することができる。
【0116】
[変形例]
本発明に係る破袋分離処理装置100は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、処理部40を構成する支持部41、第1保持部51、第2保持部52、および規制部材55の形状や配置される位置は変更が可能である。また、本実施形態では、袋類排出部80は、ケーシング10下部に設けたが、ケーシング10の上部に配置してもよい。
【0117】
移送装置150は、従来公知のベルトコンベアとしたが、これに限定されず、他の移送装置を用いることができる。
【0118】
第1保持部51は回転板43に支持されて回転するとしたが、これに限定されない。例えば、無端状のチェーンやベルトに第1保持部51を支持させ、第2保持部52に対して相対移動するように構成してもよい。
【0119】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の破袋分離処理装置は、袋類に内容物(例えば、空缶や空瓶、ペットボトル、不燃物等)が収容された被処理物に対して、袋類を破る破袋処理を行うとともに、破袋処理済みの袋類と内容物とを分離する分離処理を行うため、例えば、廃棄物処理工程における破袋処理および分離処理に用いることができる。
【符号の説明】
【0121】
100 破袋分離処理装置
200 破袋分離処理システム
20 供給排出部
40 処理部
60 除去部
70 空気流供給部
80 袋類排出部
W 被処理物
G 袋類
GR 内容物
図1
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