(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
A63F7/02 315Z
A63F7/02 312Z
(21)【出願番号】P 2020163114
(22)【出願日】2020-09-29
(62)【分割の表示】P 2017202439の分割
【原出願日】2015-12-01
【審査請求日】2020-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
(72)【発明者】
【氏名】小宮 誉
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171490(JP,A)
【文献】特開2015-051353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入賞口を開放する特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記所定の入賞口に入賞した遊技球が通過可能な特定領域と、
前記所定の入賞口に入賞した遊技球を第1のルートに振り分ける第1状態と、前記所定の入賞口に入賞した遊技球を第2のルートに振り分ける第2状態とをとり得る振分部材と、
前記振分部材を作動させることが可能な振分部材制御手段と、を備え、
前記第1のルートに振り分けられた遊技球は必ず前記特定領域を通過し、前記第2のルートに振り分けられた遊技球は前記特定領域を通過しない構成とされ、
前記特定領域への通過に基づいて、所定の演出を実行可能であり、
前記振分部材制御手段は、
前記特別遊技実行手段により実行された一の特別遊技では、前記所定の入賞口への入賞球数が第1の値であることに基づいて
前記第2状態から前記第1状態に前記振分部材を作動させることがあり、
前記一の特別遊技とは別の特別遊技では、前記所定の入賞口への入賞球数が前記第1の値とは異なる第2の値であることに基づいて
前記第2状態から前記第1状態に前記振分部材を作動させることがあることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機を代表する一般的なパチンコ遊技機では、始動口(入球口)への入賞に基づいて大当たり乱数等の乱数値(数値情報)が取得される。取得された数値情報は、所定数を上限としてRAMに記憶される。そしてこの数値情報に基づいて、大当たりの当否判定が行われる。当否判定にて大当たり当選と判定されると、大入賞口(特別入賞口)を開放させるラウンド遊技を複数回含む大当たり遊技(特別遊技)が実行される。
【0003】
また遊技機の中には、大当たり遊技の実行の際にRAMに記憶されている数値情報の中に、当否判定において大当たり当選と判定される予定の数値情報が有る場合には、そのことを示唆する演出(保留連示唆演出)を行う遊技機が有る。例えば、下記特許文献1に記載された遊技機がそれである。下記特許文献1の遊技機では、大当たり遊技のオープニング開始時に、大当たり当選と判定される予定の数値情報の記憶がある場合には、ない場合とは異なる演出態様でオープニング演出が実行される。これによれば、遊技者は大当たり遊技中に次の大当たり当選が確定していることを認識することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
所定の入賞口を開放する特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記所定の入賞口に入賞した遊技球が通過可能な特定領域と、
前記所定の入賞口に入賞した遊技球を第1のルートに振り分ける第1状態と、前記所定の入賞口に入賞した遊技球を第2のルートに振り分ける第2状態とをとり得る振分部材と、
前記振分部材を作動させることが可能な振分部材制御手段と、を備え、
前記第1のルートに振り分けられた遊技球は必ず前記特定領域を通過し、前記第2のルートに振り分けられた遊技球は前記特定領域を通過しない構成とされ、
前記特定領域への通過に基づいて、所定の演出を実行可能であり、
前記振分部材制御手段は、
前記特別遊技実行手段により実行された一の特別遊技では、前記所定の入賞口への入賞球数が第1の値であることに基づいて前記第2状態から前記第1状態に前記振分部材を作動させることがあり、
前記一の特別遊技とは別の特別遊技では、前記所定の入賞口への入賞球数が前記第1の値とは異なる第2の値であることに基づいて前記第2状態から前記第1状態に前記振分部材を作動させることがあることを特徴とする遊技機である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の斜視図である。
【
図2】同遊技機が枠可動体の動作を示す正面図である。
【
図4】同遊技機が備える第2大入賞装置を詳細に示す概略正面図である。
【
図5】同遊技機が備える第1大入賞装置を詳細に示す概略正面図である。
【
図6】
図3に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図7】同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】主制御基板が備えるRAMの詳細を説明する図である。
【
図10】サブ制御基板が備えるRAMの詳細を説明する図である。
【
図12】大入賞口の開放態様を示すテーブルである。
【
図13】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図14】(A)大当たり判定テーブルである。(B)リーチ判定テーブルである。 (C)普通図柄当たり判定テーブルである。(D)普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図16】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図18】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図19】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図20】始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図24】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図25】大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図26】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図27】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図28】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図29】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図30】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図31】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
【
図32】大当たり開始処理のフローチャートである。
【
図33】大入賞口動作設定処理のフローチャートである。
【
図34】大当たり開放処理のフローチャートである。
【
図35】第1大入賞口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図36】第2大入賞口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図37】大当たり閉鎖処理のフローチャートである。
【
図38】大当たり終了処理のフローチャートである。
【
図39】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図40】V領域センサ検出処理のフローチャートである。
【
図41】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図42】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図43】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図44】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図45】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図46】先読み演出判定処理のフローチャートである。
【
図47】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図48】予告演出選択処理のフローチャートである。
【
図49】オープニング演出選択処理のフローチャートである。
【
図50】Vチャンス実行抽選処理のフローチャートである。
【
図51】(A)Vチャンスの演出態様を示すテーブルである。(B)4Rの大当たり時のVチャンスの実行抽選テーブルである。(C)16R、8(実質7)R、又は6Rの大当たり時のVチャンスの実行抽選テーブルである。(D)作動契機入賞球数の決定テーブルである。
【
図52】ラウンド演出選択処理のフローチャートである。
【
図53】復活演出実行処理のフローチャートである。
【
図54】第1大入賞口入賞時処理のフローチャートである。
【
図55】エンディング演出選択処理のフローチャートである。
【
図56】疑似Vセンサ処理のフローチャートである。
【
図57】枠可動体任意復帰処理のフローチャートである。
【
図58】Vチャンス実行時の表示画面の図であり、(A)は導入画像を示し、(B)は説明画像を示し、(C)は打込指示演出を示し、(D)及び(E)は保留連有りで疑似V領域通過時の保留連示唆演出を示し、(F)は保留連無し時の非確定演出を示している。
【
図59】Vチャンス実行時の表示画面の図であり、保留連有りで疑似V領域非通過時の復活演出を示している。
【
図60】高確高ベース状態中の表示画面の図であって、(A)及び(B)は保留連に係る特図変動でない場合の表示画面を示し、(C)~(E)は保留連に係る特図変動である場合の表示画面を示している。
【
図61】Gボーナスチャレンジ実行時の表示画面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から遠のく方向として説明する。
【0009】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(
図3参照)とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63、及びスピーカ67が設けられている。
【0010】
さらに前面枠51の上部には、上部装飾ユニット(上部装飾部)500が設けられている。上部装飾ユニット500は、演出用の枠可動体600と、枠可動体600を収容可能な収容部650とを備えている。枠可動体600は、左側可動体610Lと、右側可動体610Rとを備えている。左側可動体610Lと、右側可動体610Rとは、前後方向に略沿って配されている回動軸660に軸支されている。回動軸660は、収容部650の左右方向の略中央に、後方から前方にかけて下方に傾斜して配されている。枠可動体600は、収容部650の内部に収容されている待機状態(
図1に示す状態)と、収容部650の外部に出現している動作状態(
図2に示す状態)とをとる。待機状態にある枠可動体600の位置を、待機位置といい、動作状態にある枠可動体600の位置を動作位置という。
【0011】
左側可動体610L及び右側可動体610Rは、
図2に示すようにそれぞれ、顔可動体611と耳可動体615とを備えている。左側可動体610L及び右側可動体610Rの各顔可動体611は、回動軸660に対して回動可能に軸支されており、待機位置ではその前面611a(キャラクタの顔の意匠面)を収容部650内に位置させ、待機位置から略90度回動した動作位置では、その前面611aを収容部650外に露出させる。なお、左側可動体610Lの顔可動体611は、待機位置から時計方向に回動して動作位置に至り、右側可動体610Rの顔可動体611は、待機位置から反時計方向に回動して動作位置に至る。また、左側可動体610L及び右側可動体610Rの各耳可動体615は、待機位置では顔可動体611の内部に収容されており、待機位置から上方に直動した動作位置では、顔可動体611の外部に露出する。
【0012】
枠可動体600が待機位置から動作位置に変位する枠可動体駆動演出の実行時には、まず各顔可動体611が待機位置から動作位置に至り、その後、各耳可動体615が待機位置から動作位置に至る。逆に、動作位置にある枠可動体600が待機位置に復帰するときには、まず、各耳可動体615が動作位置から待機位置に復帰し、その後、各顔可動体611が動作位置から待機位置に復帰する。なお、
図2に示すように収容部650の前壁部651には、装飾用の枠ランプ66が設けられている。また、収容部650の左側壁部652には、動作位置にある枠可動体600を待機位置に復帰させるための枠可動体復帰ボタン670が設けられている。
【0013】
図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(
図8参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(符号省略)が突設されている。
【0014】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(
図6参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0015】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0016】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0017】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(
図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0018】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
【0019】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1の入球口、固定始動口、第1始動入賞口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0020】
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を、第2の入球口、可変始動口、第2始動入賞口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図7参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0021】
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の左方には、遊技球が通過可能な第1ゲート(第1通過領域)28が設けられ、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能な第2ゲート(第2通過領域)29が設けられている。第1ゲート28及び第2ゲート29への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0022】
また、遊技領域3における第2ゲート29の下方には、第1大入賞口(特別入賞口に相当)30を備えた第1大入賞装置(特別入賞手段に相当)31が設けられている。第1大入賞口30を、第1特別入賞口ともいい、第1大入賞装置31を、第1特別可変入賞装置や第1特別入賞手段ともいう。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1開閉部材ともいう)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図7参照)により駆動される。つまり、第1大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
【0023】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(他の特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(他の特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞口35を、第2特別入賞口ともいい、第2大入賞装置36を、第2特別可変入賞装置や第2特別入賞手段ともいう。第2大入賞装置36は、開閉部材(他の開閉部材、第2開閉部材ともいう)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図7参照)により駆動される。第2大入賞口ソレノイド38は開閉部材37の駆動源である。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
【0024】
より詳細には、
図4(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な本V領域(他の特定領域、メイン側V領域、G領域、第2特定領域ともいう)39および非本V領域(メイン側非特定領域、第2非特定領域ともいう)70が形成されている。以下の説明では、本V領域を単に「V領域」ともいい、非本V領域を単に「非V領域」ともいう。なお、第2大入賞装置36において、本V領域39および非本V領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ(他の特別入賞口検知手段、第2特別入賞口検知手段ともいう)35aが配されている。また、本V領域39には、本V領域39への遊技球の通過を検知する本V領域センサ(他の特定領域検知手段、第2特定領域検知手段ともいう)39aが配されている。また、非本V領域70には、非本V領域70への遊技球の通過を検知する非本V領域センサ(第2非特定領域検知手段)70aが配されている。
【0025】
また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を本V領域39または非本V領域70のいずれかに振り分ける本V振分部材(他の振分部材、第2振分部材ともいう)71と、本V振分部材71を駆動する本V振分ソレノイド(第2振分部材ソレノイドともいう)73とを備えている。本V振分ソレノイド73は、本V振分部材71の駆動源である。なお、本V振分部材71は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、本V振分ソレノイド73の通電時には、遊技球を本V領域39に振り分ける退状態(第1状態)をとり、本V振分ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非本V領域70に振り分ける進状態(第2状態)をとる。なお本V振分部材71は、言い換えれば、本V領域39を開閉する本Vシャッター部材(第2シャッター部材)である。
【0026】
図4(A)は、本V振分ソレノイド73の通電時を示している。
図4(A)に示すように、本V振分ソレノイド73の通電時には、本V振分部材71は本V領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。本V振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと本V領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0027】
図4(B)は、本V振分ソレノイド73の非通電時を示している。
図4(B)に示すように、本V振分ソレノイド73の非通電時には、本V振分部材71は本V領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。本V振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと本V振分部材71の上面を転動して非本V領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0028】
なお本パチンコ遊技機1では、本V領域39への遊技球の通過が後述のGボーナス獲得演出(
図61(E)参照)の実行契機となっている。
【0029】
また、上述した第1大入賞装置31の内部には、
図5(A)に示すように、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な疑似V領域(特定領域に相当、サブ側V領域、第1特定領域ともいう)34と、非疑似V領域(サブ側非特定領域、第1非特定領域ともいう)75とが設けられている。なお、第1大入賞装置31において、疑似V領域34および非疑似V領域75の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ(特別入賞口検知手段に相当、第1特別入賞口検知手段ともいう)30aが配されている。また、疑似V領域34には、疑似V領域34への遊技球の通過を検知する疑似V領域センサ(特定領域検知手段に相当、第1特定領域検知手段ともいう)34aが配されている。また、非疑似V領域75には、非疑似V領域75への遊技球の通過を検知する非疑似V領域センサ(第1非特定領域検知手段ともいう)75aが配されている。
【0030】
また、第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を疑似V領域34または非疑似V領域75のいずれかに振り分ける疑似V振分部材(振分部材に相当、第1振分部材ともいう)76と、疑似V振分部材76を駆動する疑似V振分ソレノイド(第1振分部材ソレノイドともいう)78とを備えている。疑似V振分ソレノイド78は、疑似V振分部材76の駆動源である。なお、疑似V振分部材76は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、疑似V振分ソレノイド78の通電時には、遊技球を疑似V領域34に振り分ける退状態(第1状態)をとり、疑似V振分ソレノイド78の非通電時には、遊技球を非疑似V領域75に振り分ける進状態(第2状態)をとる。なお疑似V振分部材76は、言い換えれば、疑似V領域34を開閉する疑似Vシャッター部材(第1シャッター部材)である。
【0031】
図5(A)は、疑似V振分ソレノイド78の通電時を示している。
図5(A)に示すように、疑似V振分ソレノイド78の通電時には、疑似V振分部材76は疑似V領域34への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。疑似V振分部材76が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと疑似V領域34を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0032】
図5(B)は、疑似V振分ソレノイド78の非通電時を示している。
図5(B)に示すように、疑似V振分ソレノイド78の非通電時には、疑似V振分部材76は疑似V領域34への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。疑似V振分部材76が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと疑似V振分部材76の上面を転動して非疑似V領域75を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0033】
本形態の疑似V領域34は、いわゆる大当たり当選の契機としてのV領域に似せたものである。しかし疑似V領域34への通過に基づいて大当たりに当選するわけではなく、疑似V領域34は、後述するサブ制御基板90による演出の実行契機となる通過領域に過ぎない。後に詳しく説明するが、本形態では、疑似V領域34への遊技球の通過が、後述の保留連示唆演出(
図58(D)参照)の実行契機となっている。保留連示唆演出は、保留連の発生を示唆する演出である。疑似V領域34への通過に基づいて保留連示唆演出が実行されることで、疑似V領域34への通過に基づいて大当たりに当選したかのような印象を遊技者に抱かせるようにしている。つまり、疑似的にいわゆる2種遊技にて大当たりに当選したかのようなゲーム性を実現するようにしている。
【0034】
図3に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
【0035】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1ゲート28への通過、第1始動口20、及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにて第2ゲート29への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
【0036】
また
図3に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、
図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0037】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0038】
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(特図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0039】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0040】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(
図7参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(
図7参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(
図7参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
【0041】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0042】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0043】
普通図柄の可変表示は、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0044】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0045】
本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(
図7参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0046】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0047】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0048】
2.遊技機の電気的構成
次に
図7及び
図8に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図7及び
図8に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15、枠可動体600等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0049】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
【0050】
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第1特図保留記憶部85aや第2特図保留記憶部85bは記憶手段に当たる。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、
図9(a)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また
図9(b)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は
図9(c)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
【0051】
また主制御基板80には、
図7に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(第1の入球口検知手段)20a、第2始動口センサ(第2の入球口検知手段)21a、第1ゲートセンサ28a、第2ゲートセンサ29a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、本V領域センサ39a、非本V領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0052】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第1ゲートセンサ28aは、第1ゲート28内に設けられて第1ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第2ゲートセンサ29aは、第2ゲート29内に設けられて第2ゲート29を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。本V領域センサ39aは、第2大入賞口35内の本V領域39に設けられて本V領域39を通過した遊技球を検出するものである。非本V領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非本V領域70に設けられて非本V領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0053】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および本V振分ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。本V振分ソレノイド73は、第2大入賞装置36の本V振分部材71を駆動するものである。
【0054】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0055】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0056】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0057】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0058】
図8に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0059】
RAM94には、
図10(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、
図10(b)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域~第4記憶領域)からなる。また第2特図保留演出記憶部95bは、
図10(c)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域~第4記憶領域)からなる。
【0060】
各記憶領域は、
図10(d)に示すように、始動入賞コマンド記憶領域を含む複数の記憶領域に分かれている。始動入賞コマンド記憶領域は、始動入賞コマンドを記憶する記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cも、同様の記憶領域を含んでいる。
【0061】
サブ制御基板90には、
図8に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、枠中継基板99が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像、ストーリーの映像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0062】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0063】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、遊技機枠50に設けられている枠ランプ66、および遊技盤2に設けられている盤ランプ5の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0064】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に接続された盤可動体15(
図3参照)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(
図3参照)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
【0065】
枠中継基板99には、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されていると共に、枠可動体復帰ボタン670(
図2参照)が押下操作されたことを検出する復帰ボタン検出スイッチ670aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aから枠中継基板99を介してサブ制御基板90に対してスイッチ信号が出力され、枠可動体復帰ボタン670が押下されると、復帰ボタン検出スイッチ670aから枠中継基板99を介してサブ制御基板90に対してスイッチ信号が出力される。
【0066】
また枠中継基板99には、枠可動体600の駆動源(電動モータ)が接続されていると共に、枠可動体600の位置を検知するためのフォトセンサ620が接続されている。詳しくは、枠可動体600の駆動源としては、左側可動体610L及び右側可動体610Rの各顔可動体611を回転させるための左側回転用モータ及び右側回転用モータと、左側可動体610L及び右側可動体610Rの各耳可動体615を直動させるための左側直動用モータ及び右側直動用モータが接続されている。そのため、サブ制御基板90から枠中継基板99を介してこれらのモータに駆動信号が出力されると、各モータが駆動する。
【0067】
また、フォトセンサ620としては、左側可動体610L及び右側可動体610Rの各顔可動体611の待機位置を検出するものと動作位置を検出するもの、並びに、左側可動体610L及び右側可動体610Rの各耳可動体615の待機位置を検出するものと動作位置を検出するものが接続されている。各フォトセンサの検出信号は、枠中継基板99を介してサブ制御基板90に出力される。全てのフォトセンサが待機位置を検出していれば、枠可動体600は、
図1に示した待機状態にあり、全てのフォトセンサが動作位置を検出していれば、枠可動体600は、
図2に示した動作状態にある。
【0068】
なお、演出制御用マイコン91は、盤可動体15や枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15や枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。また、ランプ制御基板107に枠可動体600を接続して、ランプ制御基板107に枠可動体600の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0069】
さらにサブ制御基板90には、疑似V領域センサ34a、非疑似V領域センサ75a、および疑似V振分ソレノイド78が接続されている。疑似V領域センサ34aは、第1大入賞口30内の疑似V領域34に設けられて疑似V領域34を通過した遊技球を検出するものである。非疑似V領域センサ75aは、第1大入賞口30内の非疑似V領域75に設けられて非疑似V領域75を通過した遊技球を検出するものである。疑似V振分ソレノイド78は、第1大入賞装置31の疑似V振分部材76を駆動するものである。このように、疑似V領域センサ34a、非疑似V領域センサ75a、及び疑似V振分ソレノイド78は、サブ制御基板90によって制御されるものである。これに対して、本V領域センサ39a、非本V領域センサ70a、及び本V振分ソレノイド73は、主制御基板80によって制御されるものである。勿論、第1大入賞口センサ30a、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口センサ35a、及び第2大入賞口ソレノイド38も、主制御基板80によって制御されるものである。
【0070】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「特別遊技(大当たり遊技)」が実行される。
【0071】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(ラウンド間インターバル)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0072】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については
図11に示す通りである。
図11に示すように、本形態では大当たりの種別として、16R大当たり、8R(実質7R)大当たり、6R大当たり、4R大当たりの4つがある。実質7Rの大当たりとは、形式的には8Rあるが、7R分の賞球しか遊技者が獲得できない大当たりである。
【0073】
特
図1の抽選であっても特
図2の抽選であっても当選可能な大当たりの種類は、同じである。16R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄1」が停止表示される。また、8R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄2」が停止表示される。また、6R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄3」が停止表示される。また、4R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄4」が停止表示される。
【0074】
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)である。本形態では、どの大当たり図柄に当選しても、大当たり遊技後は後述する高確率状態に制御される。高確率状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(つまりST回数)は6回である。また、どの大当たり図柄に当選しても、大当たり遊技後は後述する電サポ制御状態に制御される。但し、大当たり図柄1に当選した場合には、電サポ回数(電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数、時短回数ともいう)は100回に設定されるが、大当たり図柄2~4に当選した場合には、電サポ回数は50回に設定される。
【0075】
なお、大当たり図柄1~3のいずれかに当選した場合には、その当否判定結果を示す変動演出において最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、金図柄(本形態では「3」又は「7」の図柄)のゾロ目が選択される。一方、大当たり図柄4に当選した場合には、その当否判定結果を示す変動演出において最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、銀図柄(本形態では「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、又は「8」の図柄)のゾロ目が選択される。よって遊技者は金図柄と銀図柄のどちらの図柄が最終的に停止表示されたかによって、4R大当たりなのか否かを判断することが可能である。各大当たりに対する振分率は
図11に示す通りである。
【0076】
図12は、大当たりの種別と、大入賞口の開放態様との対応関係を示す表である。どの大当たりに当選した場合でも6R目までは第1大入賞口30が開放され、7R目以降は第2大入賞口35が開放される。ここで本形態では、16R大当たりに当選した場合における7R目の開放パターンと、8R大当たりに当選した場合における7R目及び8R目の開放パターンとが、見た目上区別できないようになっている。
【0077】
具体的には、16R大当たりに当選した場合には、7R目においてまず第2大入賞口35が0.04秒開放され、2秒のインターバル(閉鎖時間)を空けて、第2大入賞口35が最大で29.46秒開放される。これに対して、8R(実質7R)大当たりに当選した場合には、7R目において第2大入賞口が0.04秒開放され、2秒のラウンド間インターバルを空けて、8R目において第2大入賞口35が最大で29.5秒開放される。このように本形態では、16R大当たりに当選した場合における7R目の開放パターンと、8R大当たりに当選した場合における7R目及び8R目の開放パターンとが、酷似している。なお、1R目~6R目の開放パターンは同じである。
【0078】
このようにしているのは、後述するGボーナスチャレンジという演出を実行するためである。Gボーナスチャレンジは、第2大入賞口35内の本V領域(メイン側V領域)39への通過を促し、本V領域39への通過が達成されれば、Gボーナス獲得演出を行って16Rの大当たりに当選していることを報知する一方、本V領域39への通過が達成されなければ、Gボーナス獲得演出を行わないことで16Rの大当たりではなかったこと(実質7Rの大当たりであったこと)を報知する演出である。なお、Gボーナス獲得演出を特殊演出ともいう。
【0079】
本形態では、16R大当たりと8R大当たりの両大当たりにおける7R目が、本V振分部材71が作動される予定の作動ラウンド(本V作動ラウンド)となっている。本形態における本V振分部材71の作動パターンは、7R目における第2大入賞口35への入賞球数が7球に至ったときに、第2状態(非本V領域70に遊技球を振り分ける状態)から第1状態(本V領域39に遊技球を振り分ける状態)に変位させる作動パターンである。この7球を、本V振分部材71の作動契機入賞球数(本V作動契機入賞球数)という。なお、第1状態に変位された本V振分部材71は、7R目のラウンド遊技の終了とともに第2状態に復帰される。
【0080】
本形態では、このような作動パターンで本V振分部材71が作動される。そのため、1R当たりの最大入賞球数(本形態では9球)の入賞が可能な16R大当たりの7R目であれば、本V振分部材71が第1状態に変位され、遊技球が本V領域39を通過する。一方、8R大当たりであれば、7R目の開放時間がわずか0.04秒しかなく、7R目の入賞球数が7球になることは不可能であるため、本V振分部材71が第1状態に変位されることはなく、遊技球が本V領域39を通過することはない。
【0081】
なお、16R大当たりにおける第2大入賞口35の開放パターンを第1開放パターンといい、8R大当たりにおける第2大入賞口35の開放パターンを第2開放パターンという。また、16R大当たりを第1特定大当たりといい、8R大当たりを第2特定大当たりという。また、第2大入賞口35が開放されるラウンド遊技を、特定ラウンド遊技といい、特定ラウンド遊技を含む大当たり遊技(つまり16R大当たりの大当たり遊技と8R大当たりの大当たり遊技)を、特定特別遊技という。
【0082】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図13(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0083】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0084】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、第1ゲート28又は第2ゲート29の通過に基づいて取得される乱数には、
図13(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0085】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図14(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0086】
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図15参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0087】
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図14(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0088】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(
図14(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図16参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図16参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
【0089】
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球サポート状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球サポート状態ともいう。
【0090】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0091】
本形態のパチンコ遊技機1では、当選した大当たりの種類がいずれであっても大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。上述したように本形態では、確変回数(高確率状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数)は6回である。この回数は、時短回数(50回又は100回)よりも小さい(
図11参照)。従って、高確高ベース状態は、6回の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0092】
大当たり遊技後に、再度大当たりに当選することなく確変回数分の特図変動(特別図柄の変動表示)が実行されると、その後は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態に制御される。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、大当たり遊技後の特図変動の実行回数が、設定された時短回数(50回又は100回)となるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0093】
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0094】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(
図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる第2ゲート29へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0095】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(
図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0096】
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するように所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。
【0097】
図17に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。当否情報は、高確率状態であっても通常確率状態(低確率状態)であっても大当たりと判定されるのか、それとも高確率状態下でのみ大当たりと判定されるのかの区別がなされた形で始動入賞コマンドに含まれている。また本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには、低確率状態にて当否判定がなされた場合の判定結果と、高確率状態にて当否判定がなされた場合の判定結果とがわかるように当否情報が含まれていればよく、当否情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
【0098】
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に
図18~
図40に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図18に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス、カウンタ、及びタイマ等のリセット等を行う。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0099】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図13に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。この場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。
【0100】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0101】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図19に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0102】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(
図7参照))が検知した検出信号を読み込む。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0103】
次にタイマ更新処理(S103)を実行する。タイマ更新処理(S103)では、作動中の各種タイマの値の更新(減算)を行う。次いで賞球制御処理(S104)を行う。賞球制御処理(S104)では、入力処理(S102)で読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板110に対して出力されるコマンドである。
【0104】
次に普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S105)を行う。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S105)は、
図18の主制御メイン処理で行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図13に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0105】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S105)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S106)、普通動作処理(S107)、特別動作処理(S108)、およびV領域センサ検出処理(S109)を実行する。その後、大入賞口ソレノイド(第1大入賞口ソレノイド33又は第2大入賞口ソレノイド38)の駆動データを出力する処理を行う(S110)。つまり第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放したり閉塞したりする。それから、その他の処理(S111)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S111)としては、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。
【0106】
そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図18参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0107】
[始動口センサ検出処理]次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)で実行される始動口センサ検出処理(S106)について説明する。
図20に示すように、始動口センサ検出処理(S106)ではまず、第1ゲート28又は第2ゲート29に遊技球が通過したか否か、即ち、第1ゲートセンサ28a又は第2ゲートセンサ29aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。第1ゲート28又は第2ゲート29を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球が第1ゲート28又は第2ゲート29を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0108】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特
図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特
図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特
図2保留球数に1を加算する(S205)。
【0109】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図13(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
【0110】
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、
図17に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「1」であれば、
図17の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H11H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば11H))からなっている。
【0111】
図17に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(
図14(A)参照)における区分けと対応している。詳細には、大当たり乱数値が0~669であれば、高確率状態でも低確率状態でも大当たりと判定されるため、そのことを示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が11H)が特定される。また、大当たり乱数値が670~6699であれば、高確率状態でのみ大当たりと判定されるため、そのことを示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が12H)が特定される。また、大当たり乱数値が6700~65535であれば、高確率状態でも低確率状態でもハズレと判定されるため、そのことを示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が20H)が特定される。
【0112】
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0113】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
【0114】
続いて始動口センサ検出処理(S106)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0115】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S212)では、特
図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図13(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特
図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
【0116】
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、
図17に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「1」であれば、
図17の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、低確率状態と高確率状態との両遊技状態における大当たりか否かの当否情報が含まれている。
【0117】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
【0118】
[ゲート通過処理]
図21に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、
図13(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0119】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S106)に次いで普通動作処理(S107)を行う。
図22に示すように、普通動作処理(S107)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
【0120】
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、
図14(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0121】
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、
図14(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0122】
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0123】
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
【0124】
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(
図16の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(
図16の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
【0125】
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
【0126】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S107)に次いで特別動作処理(S108)を行う。特別動作処理(S108)は、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理である。特別動作処理(S108)ではまず、
図23に示すように、特別動作ステータスの値を読み出して(S1001)、この値に応じたいずれかの処理(S1002~S1008のうちのいずれかの処理)を実行する。
【0127】
具体的には、特別動作ステータスの値が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1002)を行う。また、特別動作ステータスの値が「2」である場合には、特別図柄変動中処理(S1003)を行う。また、特別動作ステータスの値が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1004)を行う。また、特別動作ステータスの値が「4」である場合には、大当たり開始処理(S1005)を行う。また、特別動作ステータスの値が「5」である場合には、大当たり開放処理(S1006)を行う。また、特別動作ステータスの値が「6」である場合には、大当たり閉鎖処理(S1007)を行う。また、特別動作ステータスの値が「7」である場合には、大当たり終了処理(S1008)を行う。これらの各処理(S1002~S1008)については後述する。なお、特別動作ステータスの初期値は「1」である。
【0128】
[特別図柄待機処理]
図24に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
【0129】
ステップS1401において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1402)及び特
図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理(S1406)を実行する。特
図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0130】
また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特
図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1408)及び特
図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1412)を実行する。特
図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0131】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。なお、第2特図保留の消化を優先させることなく、両特図保留を入賞順序に従って消化する構成としてもよい。
【0132】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]特
図2大当たり判定処理(S1402)と特
図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため
図25に基づいてまとめて説明する。
図25に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1402)又は特
図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0133】
次に、大当たり判定テーブル(
図14(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(
図14(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「669」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(
図14(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「6699」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
【0134】
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定する(S1506)。大当たり図柄の種別を判定した後は、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり図柄の種別に応じた特図停止図柄データ(
図11参照)を、RAM84に設けた特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。
【0135】
[特
図2変動パターン選択処理(特
図1変動パターン選択処理)]特
図2変動パターン選択処理(S1403)と特
図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため
図26及び
図27に基づいてまとめて説明する。
図26に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1403)又は特
図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
【0136】
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(
図15に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。
図15に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0137】
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、
図14(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「27」であり、時短状態であれば「0」~「11」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
【0138】
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図15に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
【0139】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図15に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0140】
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、
図27に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(
図15に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
【0141】
すなわち大当たりであれば(S1607でYES)、
図15の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば(S1607でNO且つS1609でYES)、
図15の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば(S1607及びS1609でNO)、
図15の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
【0142】
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(
図15に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
【0143】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図26に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
【0144】
[特別図柄変動中処理]
図28に示すように、特別図柄変動中処理(S1003)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図15参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0145】
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
【0146】
[特別図柄確定処理]
図29に示すように、特別図柄確定処理(S1004)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、
図15参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1802)。
【0147】
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1804)。その後、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1805)。そして大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニング設定を行うとともに(S1806)、大当たりのオープニングコマンドをセットする(S1807)。オープニング設定では大当たり遊技のオープニングの時間が所定のタイマにセットされる。
【0148】
続いて、特別電役作動有効カウンタの値を、当選した大当たりの種別に応じたラウンド数(
図11参照)にセットして、本処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技の残回数を示すカウンタである。このカウンタを残ラウンド数カウンタともいう。
【0149】
また、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
【0150】
[遊技状態管理処理]
図30に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「6」にセットされるようになっている。この点については後述する。
【0151】
続いて、時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップ2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「50」又は「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
【0152】
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0153】
[遊技状態リセット処理]
図31に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
【0154】
[大当たり開始処理]
図32に示すように、大当たり開始処理(S1005)ではまず、大当たりのオープニングの時間が経過したか否かを判定する(S2301)。経過していなければ、直ちに本処理を終える。経過していれば、大入賞口動作設定処理(S2302)を行う。
【0155】
[大入賞口動作設定処理]
図33に示すように、大入賞口動作設定処理(S2302又はS2809)ではまず、特別動作ステータスの値を「5」にセットする(S2401)。次いで、1R分の大入賞口の動作設定を行う(S2402)。つまり、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(
図12参照)で大入賞口が開放されるように、これから実行するラウンドに応じた大入賞口の動作設定を行う。具体的には例えば、大当たり図柄1(16R大当たり)に当選しており、これから1ラウンド目を開始する場合には、
図12に示すように第1大入賞口30を最大29.5秒にわたって1回開放させるための駆動データを設定する。ステップS2402の実行後に、
図19のステップS110の処理(大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理)が実行されると、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放される。
【0156】
続いて、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値を1減算する(S2403)。そして、これから実行するラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技かを示す情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2404)。次いで、特別電役作動回数カウンタの値を1加算する(S2405)。特別電役作動回数カウンタは、実行したラウンド遊技の回数をカウントするカウンタである。このカウンタを、実行ラウンド数カウンタともいう。
【0157】
続いて遊技制御用マイコン81は、これから実行するラウンド遊技が7R目のラウンド遊技か否かを判定する(S2406)。7R目でなければ直ちに本処理を終えるが、7R目であれば、V領域動作フラグをONにしてから(S2407)、本処理を終える。V領域動作フラグとは、本V領域39を作動させる(本V振分部材71を作動させる)ラウンド(本V作動ラウンド)であることを示すフラグである。
【0158】
[大当たり開放処理]
図34に示すように、大当たり開放処理(S1006)ではまず、第1大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2501)。第1大入賞口30の開放中であれば(S2501でYES)、後述する第1大入賞口センサ検出処理(S2502)を行ってステップS2504に進む。一方、第1大入賞口30の開放中でなければ(S2501でNO)、つまり第2大入賞口35の開放中又はいずれの大入賞口も閉鎖中であれば、第2大入賞口センサ検出処理(S2503)を行ってステップS2504に進む。
【0159】
ステップS2504では、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上であるか否かを判定する。大入賞口入賞カウンタは、1回のラウンド遊技における大入賞口への総入賞球数を加算方式にてカウントするカウンタである。このカウンタのカウントアップは、ステップS2502やS2503で行われる。
【0160】
ステップS2504の判定結果がNOであれば、続いて、大入賞口動作タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S2505)。大入賞口動作タイマは、大入賞口の動作時間(開放時間や閉鎖時間、
図12参照)を計測するためのタイマである。ステップS2505において大入賞口動作タイマの値が「0」でなければ(S2505でYES)、直ちに本処理を終える。
【0161】
これに対して、大入賞口動作タイマの値が「0」であれば(S2505でNO)、大入賞口動作カウンタの値を1減算して(S2506)、大入賞口動作カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2507)。大入賞口動作カウンタは、大入賞口の動作の進行を管理するためのカウンタであり、例えば
図12の16R大当たりの7R目であれば、1回目の40msの開放動作にはカウンタ値「3」が割り当てられており、2000msの閉鎖動作(閉塞動作)にはカウンタ値「2」が割り当てられており、2回目の29460msの開放動作にはカウンタ値「1」が割り当てられている。ステップS2507において大入賞口動作カウンタの値が「0」であれば(S2507でYES)、1回のラウンド遊技における大入賞口の動作の全てが終了していることになるため、ステップS2509に進む。
【0162】
これに対して、ステップS2507における判定結果がNOであれば、大入賞口の次の動作を設定して(S2508)、本処理を終える。ステップS2508では例えば、ステップS2506の処理により大入賞口動作カウンタの値が「2」に更新された場合であれば、大入賞口を2000msにわたって閉鎖する動作を行うためのデータを設定する。
【0163】
また、ステップS2504又はS2507の何れか一方でYESと判定された場合(つまり大入賞口の閉鎖条件が満たされた場合)には、ステップS2509に進む。ステップS2509では、第1大入賞口30の開放中か否かを判定し、判定結果がYESであれば、第1大入賞口30の閉鎖設定を行う(S2510)。この処理により第1大入賞口30は閉鎖される。また、ステップS2509の判定結果がNOであれば、第2大入賞口35の閉鎖設定を行う(S2511)。この処理により第2大入賞口35は閉鎖される。
【0164】
続くステップS2512では、特別動作ステータスの値を「6」にセットする。そして、大入賞口の球ハケ時間(つまりラウンド間インターバルの時間、本形態では2000ms(
図12の備考参照))を、大入賞口動作タイマにセットして(S2513)、本処理を終える。
【0165】
[第1大入賞口センサ検出処理]
図35に示すように、第1大入賞口センサ検出処理(S2502又はS2802)ではまず、第1大入賞口30への通過があったか否か(つまり第1大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S2601)。通過検知がなければ(S2601でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2601でYES)、第1大入賞口30への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための第1大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2602)。
【0166】
続いて、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上か否かを判定する(S2603)。9以上であれば(S2603でYES)、オーバー入賞であるため直ちに本処理を終える。これに対して、9未満であれば(S2603でNO)、大入賞口入賞カウンタの値を1加算して(S2604)、本処理を終える。
【0167】
[第2大入賞口センサ検出処理]
図36に示すように、第2大入賞口センサ検出処理(S2503又はS2803)ではまず、第2大入賞口35への通過があったか否か(つまり第2大入賞口センサ35aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S2701)。通過検知がなければ(S2701でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2701でYES)、第2大入賞口35への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための第2大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2702)。
【0168】
続いて、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上か否かを判定する(S2703)。9以上であれば(S2703でYES)、オーバー入賞であるため直ちに本処理を終える。これに対して、9未満であれば(S2703でNO)、大入賞口入賞カウンタの値を1加算する(S2704)。そして、V領域動作フラグがONであるか否か、つまり、実行中のラウンド遊技が本V領域39の作動制御が行われる本V作動ラウンドであるか否かを判定する(S2705)。本V作動ラウンドでなければ(S2705でNO)、直ちに本処理を終える。
【0169】
これに対して、本V作動ラウンドであれば(S2705でYES)、続いて、大入賞口入賞カウンタの値が「7」であるか否か、つまり7球目の入賞であるか否かを判定する(S2706)。判定結果がNOであれば直ちに処理を終えるが、YESであれば続いて、本V振分ソレノイド73を通電して本V領域39を開放させる(S2707)。つまり本V振分部材71を
図4(B)に示す第2状態(通過阻止状態)から
図4(A)に示す第1状態(通過許容状態)に制御する。そして、本V領域39を有効に設定して(S2708)、つまり本V領域39への通過が有効なものとして扱われるV有効期間に設定して、本処理を終える。なお、ここで開放された本V領域39は、後述するステップS2806で閉鎖される。
【0170】
このような本V領域39の作動制御がなされることによって、16R大当たりの7R目ではV通過(本V領域39への通過)が可能となる。しかし8R(実質7R)大当たりでは、7R目の開放時間が40msと極めて短く、第2大入賞口35に7球の入賞がなされることはないため、V通過は生じ得ない。
【0171】
[大当たり閉鎖処理]
図37に示すように、大当たり閉鎖処理(S1007)ではまず、第1大入賞口30を開放させていたラウンド遊技の球ハケ期間(つまりラウンド間インターバル)であるか否かを判定する(S2801)。判定結果がYESであれば、
図35に示した第1大入賞口センサ検出処理を行って(S2802)、ステップS2804に進む。一方、ステップS2801の判定結果がNOであれば、
図36に示した第2大入賞口センサ検出処理を行って(S2803)、ステップS2804に進む。このようにしているのは、球ハケ期間に第1大入賞口センサ30a又は第2大入賞口センサ35aに遊技球が検知されることがあるのを考慮してのことである。
【0172】
続いてステップS2804では、大入賞口の球ハケ時間が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S2804でNO)、直ちに本処理を終える。一方、経過していれば(S2804でYES)、続いて、V領域動作フラグがONか否か、つまり、本V領域39の作動制御が行われていたか否かを判定する(S2805)。判定結果がNOであれば直ちにステップS2807に進むが、判定結果がYESであれば、本V領域39の動作終了の設定を行ってから(S2806)、ステップS2807に進む。ステップS2806の処理では、V領域動作フラグをOFFするとともに、本V振分ソレノイド73が通電状態にあれば非通電状態に切り替える。これにより、上述のステップS2707で開放された本V領域39が閉鎖される。なお、V有効期間はラウンド遊技の終了に伴って終了する。つまり、ラウンド遊技の終了に伴って、V通過が検知されても有効なものとして扱わないV無効期間に設定される。
【0173】
続くステップS2807では、大入賞口入賞カウンタの値を「0」にクリアする。そして遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値が「0」であるか否かを判定する(S2808)。「0」でなければ(S2808でNO)、まだ未実行のラウンド遊技が残っているため、既に
図33に基づいて説明した大入賞口動作設定処理を行って(S2809)、本処理を終える。
【0174】
一方、ステップS2808で「0」であると判定した場合には、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっているため、特別動作ステータスを「7」にセットする(S2810)。そして、大当たりのエンディング設定を行うとともに(S2811)、エンディングコマンドを出力バッファにセットして(S2812)、本処理を終える。なお、エンディング設定では、大当たり遊技のエンディングの時間が所定のタイマにセットされる。
【0175】
[大当たり終了処理]
図38に示すように、大当たり終了処理(S1008)ではまず、大当たり遊技のエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S3001)、エンディング時間が経過していなければ(S3001でNO)、直ちに本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S3001でYES)、大当たりフラグをOFFし(S3002)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S3003)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(
図23)として再び特別図柄待機処理(S1002)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S3004)を行って本処理を終える。
【0176】
[遊技状態設定処理]
図39に示すように、遊技状態設定処理(S3004)ではまず、確変フラグをONするとともに(S3101)、確変カウンタに「6」をセットする(S3102)。続いて、時短フラグをONする(S3103)。そして、今回の大当たりが16R大当たりであったか否かを判定し(S3104)、16R大当たりであれば時短カウンタに「100」をセットして(S3105)、ステップS3107に進み、16R大当たりでなければ時短カウンタに「50」をセットして(S3106)、ステップS3107に進む。
【0177】
これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が6回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。なお、大当たりに当選することなく特別図柄の可変表示が6回行われると、その後は、非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)に制御される(
図30参照)。そしてこの低確高ベース状態は、大当たり遊技後の特別図柄の可変表示の実行回数が時短回数(100回又は50回)に至ること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
【0178】
ステップS3107では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
【0179】
[V領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S108)に次いでV領域センサ検出処理(S109)を行う。V領域センサ検出処理(S109)では
図40に示すように、まず、本V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3201)。ステップS3201にて検知なしと判定した場合には(S3201でNO)、直ちに本処理を終了する。一方、検知ありと判定した場合には(S3201でYES)、続いて、V有効期間中か否かを判定する(S3202)。V有効期間の設定は、上述したステップS2708にて行われる。V有効期間中でなければ(S3202でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、V有効期間中であれば(S3202でYES)、V通過コマンドをセットして(S3203)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過があったことを通知するためのコマンドである。
【0180】
7.演出の概要
上記のような遊技制御用マイコン81による遊技の進行に伴って、演出制御用マイコン91等によって種々の演出が実行される。演出制御用マイコン91の動作について説明する前に、本形態のパチンコ遊技機1における特徴的な演出の概要を
図58~
図61に基づいて説明しておく。特徴的な演出には、Vチャンスの演出(
図58~
図60)と、Gボーナスチャレンジ(G-BONUS CHALLENGE)の演出(
図61)とがある。Vチャンスの演出は、保留連を報知するための演出である。保留連とは、大当たり遊技中に存在する特図保留の中に、大当たり当選予定の特図保留(以下「当たり保留」という)があることである。また、Gボーナスチャレンジの演出は、実行中の大当たり遊技が16R大当たりの大当たり遊技であることを報知するための演出である。
【0181】
[Vチャンスの演出]本形態では、大当たり遊技中の先読み演出として、Vチャンスの演出が実行される。Vチャンスの演出は、全ての種類の大当たりで実行される可能性がある。Vチャンスの演出は、遊技者に第1大入賞口30内の疑似V領域34への通過を狙わせる演出である。後述するように、本形態では保留連がある場合には、疑似V領域34への通過が生じるように、疑似V振分部材76の作動制御が行われる。この制御を通過用作動制御といい、通過用作動制御が行われるラウンド遊技を通過用ラウンド遊技という。これに対して、保留連がない場合には、疑似V領域34への通過が生じないように、疑似V振分部材76を第2状態(
図5(B)参照)のまま作動させない。この制御を非作動制御といい、非作動制御が行われる大当たり遊技を非通過用特別遊技という。そして、疑似V領域34への通過がなされことに基づいて、当たり保留があること(つまり次の大当たり当選が確定していること)を示唆する保留連示唆演出を実行する。
【0182】
具体的には、Vチャンスの演出ではまず、Vチャンスというゲーム(遊技)が開始されたことを示す導入画像(
図58(A))を表示画面7aに表示し、続いて、Vチャンスというゲームの内容を説明する説明画像(
図58(B))を表示画面7aに表示する。それから、「Vチャンスを狙え!」という打込報知画像(
図58(C))を表示画面7aに表示する。本形態のパチンコ遊技機1では、図示しないが、第1大入賞装置31の前面側であって疑似V領域34の前方に位置する部位には、「Vチャンス」のデザインが施されている。よって、打込報知画像(
図58(C))の表示は、第1大入賞口30内の疑似V領域34を狙って遊技球を打ち込むべき旨を指示する演出として機能する。この演出は、打込指示演出に当たる。なお本形態では、
図58(C)に示す打込報知画像の表示演出を打込指示演出として説明するが、
図58(A)~(C)までの一連の演出を打込指示演出と捉えてもよい。
【0183】
そして、疑似V領域34への通過が生じれば、そのことを報知する保留連示唆演出を実行する。保留連示唆演出は、Vチャンスに対応する特殊画像PIの一部をVの形に際立たせて表示する演出(
図58(D))と、これに続いて行われる演出であって、VアイコンSI(特別予告画像SIともいう)を表示する演出(
図58(E))とを含んでいる。前者の演出は、表示画面7aの全域を利用して行われ、後者の演出は、表示画面7aの右下隅の右下部表示領域7b(第1表示領域ともいう)を利用して行われる。
【0184】
このVアイコンSIは、保留連に係る特図変動に伴う変動演出が開始されるまで右下部表示領域7bに表示され続ける(
図60(A)及び(B))。そして、保留連に係る特図変動に伴う変動演出が開始されると、表示画面7aの中央の中央表示領域7c(第2表示領域ともいう)に移動表示される(
図60(C))。これにより、保留連に係る特図変動が開始されたこと、つまり、開始された特図変動に伴う変動演出にて大当たり当選が報知されることが示される。中央表示領域7cにおけるVアイコンSIの表示は、変動演出において全ての演出図柄8L,8C,8Rの停止表示がなされるまで、詳しくは仮停止表示(確定停止表示前のわずかに揺れる等している停止表示)がなされるまで行われる(
図60(D)及び(E))。なお、中央表示領域7cは、右下部表示領域7bよりも大きい表示領域である。また、中央表示領域7cではVアイコンSIは、上下方向を回転軸として回転するように表示される。
【0185】
Vチャンスの演出が実行されても、保留連がなければ、疑似V領域34は開放されない。よって、疑似V領域34への通過は生じない。この場合、打込報知画像(
図58(C))を表示したラウンドの次のラウンドで、失敗の文字画像を含む演出画像(
図58(F))を表示画面7aに表示する。これにより、遊技者に保留連がないことを報知する。なお、この
図58(F)に示す演出画像の表示演出は、非確定演出に当たる。
【0186】
また仮に、保留連があるにもかかわらず、遊技者が遊技球を第1大入賞口30に入賞させなかったために疑似V領域34への通過が生じなかった場合には、
図59(A)~(D)に示す一連の演出を実行する。つまり、打込報知画像を表示したラウンドの次のラウンドで、
図59(A)に示すように一旦、失敗の演出画像を表示する(非確定演出を実行する)が、その後、
図59(B)~(D)に示すように復活演出を行う。復活演出では、所定のキャラクタ画像を表示画面7aに表示し(
図59(B))、この表示に続けて、疑似V領域34への通過時と同様の保留連示唆演出(
図59(C)及び(D))を実行する。これにより、遊技者に保留連があることを報知し、疑似V領域34への通過がなかった場合でも遊技結果と演出内容とが齟齬するのを防止している。
【0187】
[Gボーナスチャレンジの演出]本形態では、16R大当たり及び8R(実質7R)大当たりの大当たり遊技において、Gボーナスチャレンジの演出が実行される。Gボーナスチャレンジの演出は、遊技者に第2大入賞口35内の本V領域39への通過を狙わせる演出である。既に述べたように、本形態では16R大当たり及び8R(実質7R)大当たりにおける7R目が、本V作動ラウンド(本V領域39の作動制御が実行されるラウンド)となっている。本V作動ラウンドでは、第2大入賞口35への入賞球数が7球に至ると、本V領域39が開放される。
【0188】
16R大当たりの7R目であれば、第2大入賞口35の開放時間が十分に長いため(
図12参照)、1ラウンド当たりの最大入賞球数である9球の入賞が可能である。よって、本V領域39への通過が生じる。これに対して、8R大当たりの7R目であれば、第2大入賞口35の開放時間が40msと極めて短いため、7球の入賞は不可能である。そのため、本V領域39への通過は生じ得ない。本V領域39への通過がなされたときには、実行中の大当たり遊技が16Rの大当たり遊技であること(つまり相対的に多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技が実行されていること)を報知するGボーナス獲得演出(特殊演出、
図61(E)参照)が実行される。
【0189】
具体的には、Gボーナスチャレンジの演出ではまず、Gボーナスチャレンジというゲーム(遊技)が開始されたことを示す導入画像(
図61(A))を表示画面7aに表示し、続いて、Gボーナスチャレンジというゲームの内容を説明する説明画像(
図61(B)及び(C))を表示画面7aに表示する。なお図示を省略するが、本形態のパチンコ遊技機1では、第2大入賞装置36の前面側には、「G-BONUS CHALLENGE」のデザインが施されている。また、遊技盤2の前面における本V領域39の前方に位置する部位には、「G」の文字のデザインが施されている。従って、
図61(B)及び(C)に示す説明画像の表示によって、遊技者に次のラウンドで第2大入賞口35内の本V領域39に遊技球を通過させればよいことが示されることとなる。なお、これらの表示(
図61(A)~(C)に示す画像の表示)は、16R大当たり及び8R大当たりにおける6R目に実行される。
【0190】
そして、16R大当たりの7R目、及び8R大当たりにおける7~8R目では、第2大入賞口35を狙って遊技球を打ち込むべき旨を報知する打込報知画像(
図61(D))が表示画面7aに表示される。16R大当たりであれば、遊技者による遊技が正しく行われている限り、本V領域39への通過が生じるため、その通過のタイミングで、「G-BONUS獲得!」の文字画像を含む演出画像が表示画面7aに表示される(
図61(E))。これがGボーナス獲得演出である。Gボーナス獲得演出が実行されることにより、遊技者には実行中の大当たり遊技が16R大当たりの大当たり遊技であることが報知される。これに対して、実行中の大当たり遊技が8R大当たりの大当たり遊技であれば、7R目及び8R目において本V領域39への通過は生じないため、Gボーナス獲得演出は実行されずに、大当たり遊技が終了することとなる。なお、
図61(D)に示す打込報知画像は第2大入賞口35への入賞を指示する第2大入賞口打込報知画像であり、
図58(C)に示す打込報知画像は第1大入賞口30内の疑似V領域34への通過を指示する疑似V打込報知画像である。
【0191】
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に
図41~
図57に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から
図41に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0192】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0193】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数、Vチャンスの演出に関する乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0194】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。また、枠中継基板99を介して枠可動体600を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0195】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、
図42に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0196】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図43に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0197】
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4306)や他の処理で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
【0198】
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15や枠可動体600を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15や枠可動体600を所定の動作態様で駆動させる。
【0199】
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
【0200】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図44に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)、疑似Vセンサ処理(S4302)を順次行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4303)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)を行う。
【0201】
その後、後述する枠可動体任意復帰処理(S4305)を行い、次いで、ランプ処理(S4306)を行う。ランプ処理(S4306)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4307)を行う。音声制御処理(S4307)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
【0202】
そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4308)、本処理を終える。
【0203】
[受信コマンド解析処理]
図45に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する先読み演出判定処理(S4402)を行う。
【0204】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4404)を行う。
【0205】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理(S4406)を行う。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0206】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理(S4408)を行う。
【0207】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理(S4410)を行う。
【0208】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第1大入賞口入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する第1大入賞口入賞時処理(S4412)を行う。
【0209】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理(S4414)を行う。
【0210】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればGボーナス獲得演出(
図61(E)参照)の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4416)。ステップS4416でセットされた演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、Gボーナス獲得演出の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
【0211】
続いて、その他の処理(S4417)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0212】
[先読み演出判定処理]
図46に示すように、先読み演出判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部(
図10に示す第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶する(S5001)。詳細には、受信したのが第1始動入賞コマンドであれば、第1特図保留演出記憶部95a(
図10(b)参照)に記憶し、第2始動入賞コマンドであれば、第2特図保留演出記憶部95b(
図10(c)参照)に記憶する。なお、始動入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部において第1~第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
【0213】
続くステップS5002では、ステップS5001で記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新し、第2始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する。なお、第1特図保留演出カウンタは、第1特図保留の数を計数するサブ側(サブ制御基板90側)のカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2特図保留の数を計数するサブ側のカウンタである。
【0214】
続いて演出制御用マイコン91は、先読み演出の実行抽選処理(S5003)を行う。先読み演出の実行抽選処理(S5003)では、ステップS5001で格納した始動入賞コマンドに基づいて、所謂連続予告や保留変化予告などの先読み演出を行うか否かを決定し、行う場合には、先読み演出に関する各種の設定を行う。なお、ここでの実行抽選の対象となる先読み演出に、保留連示唆演出は含まれない。また、連続予告とは、複数回の特図変動にわたって実行され得る相互に関連した予告演出のことである。また、保留変化予告とは、通常表示態様の演出保留画像に代えて、通常表示態様よりも大当たり当選期待度が高い特別表示態様の演出保留画像を表示する予告演出のことである。
【0215】
[変動演出開始処理]
図47に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5101)。変動開始コマンドには、特
図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報、又は、特
図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。また、特
図1又は特
図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報が含まれている。
【0216】
続くステップS5102では、ステップS5101で解析した変動開始コマンドが特
図1変動開始コマンドであれば、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特
図2変動開始コマンドであれば、第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算する。そして、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理を行う(S5103)。
【0217】
シフト処理では、第1記憶領域~第4記憶領域に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aおよび第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95c(
図10(a))にシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。
【0218】
次に、変動演出において最終的に停止表示させる演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを選択する(S5104)。具体的には、「大当たり図柄1」(16R大当たり)、「大当たり図柄2」(8R大当たり)、又は「大当たり図柄3」(6R大当たり)に当選していれば、例えば金図柄である「7」のゾロ目を選択する(
図11参照)。また、「大当たり図柄4」(4R大当たり)に当選していれば、例えば銀図柄である「8」のゾロ目を選択する。
【0219】
続いて、後述する予告演出選択処理(S5105)を行う。次いで、変動演出パターン選択処理(S5106)を行う。変動演出パターン選択処理(S5106)では、変動開始コマンドが示す変動パターンに応じて分類されている複数のテーブルの中から、取得した変動パターンの情報に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、変動演出パターン決定用乱数を取得し、その取得した乱数値を、選択したテーブルを用いて判定することにより、変動演出パターンを選択する。その後、演出制御用マイコン91は、ステップS5106で選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S5107)、ステップS5108に進む。
【0220】
なお、ステップS5107でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
【0221】
ステップS5108では、ステップS5106で選択した変動演出パターンが枠可動体600の駆動演出を伴う演出パターンであるか否かを判定する。枠可動体600の駆動演出を伴うものでなければ、直ちに本処理を終えるが、枠可動体600の駆動演出を伴うものであれば、枠可動体600を待機位置から動作位置に変位させるための枠可動体駆動データ(出現駆動データ)を、RAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5109)、本処理を終える。ここでセットされた枠可動体駆動データは、変動演出の実行期間内の所定の駆動タイミングが来たときに、
図43に示した駆動制御処理(S4203)において枠中継基板99に出力される。これにより、枠可動体600は待機位置から動作位置に変位する。
【0222】
[予告演出選択処理]
図48に示すように、予告演出選択処理(S5105)ではまず、演出制御用マイコン91は、現在の遊技状態が高確高ベース状態であるか否かを判定する(S5201)。なお、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信しており、これに基づいて現在の遊技状態を把握している。ステップS5201でNOであれば、ステップS5208に進む。
【0223】
これに対して、ステップS5201においてYESであれば、続いて、これから実行する変動演出が、保留連に係る変動演出であるか否かを判定する。保留連に係る変動演出であるか否かは、ステップS5101で解析した変動開始コマンドが大当たり当選を示しており、且つ、疑似V作動フラグの値が「3」に設定されているか否かで判定する。疑似V作動フラグは、疑似V領域34の作動制御の進行状況を示すフラグである。
【0224】
図50中の表に示すように、疑似V作動フラグの値が「0」であれば、疑似V領域34の作動制御を実行しないことを示している。また、疑似V作動フラグの値が「1」であれば、疑似V領域34の作動待機中であることを示している。また、疑似V作動フラグの値が「2」であれば、疑似V領域34の開放中であることを示している。また、疑似V作動フラグの値が「3」であれば、疑似V領域34の閉鎖後であって保留連に係る変動演出の開始前であることを示している。
【0225】
図48に戻り、ステップS5202の判定結果がNOであれば、高確高ベース状態中の予告演出として、通常予告画像NI(
図60(A)参照)を表示画面7aの中央表示領域7cに表示させる予告演出を選択して(S5203)、ステップS5208に進む。通常予告画像NIは、本パチンコ遊技機1のモチーフとなっている原作に登場するキャラクタの画像である。
【0226】
これに対して、ステップS5202の判定結果がYESであれば、高確高ベース状態中の予告演出として、特別予告画像SI(
図60(C)参照)を表示画面7aの中央表示領域7cに表示させる予告演出を選択する(S5204)。中央表示領域7cに表示させる特別予告画像SIは、右下部表示領域7bに表示しているVアイコンSIの表示サイズを拡大した画像である。
【0227】
ステップS5204に続いて、演出制御用マイコン91は、疑似V作動フラグの値を「0」にクリアする(S5205)。そして、枠可動体600が現在、待機位置にあるか否かを判定する(S5206)。待機位置にあるか否かは、フォトセンサ620による検知信号に基づいて判定する。待機位置になければ、つまり動作位置にあれば、そのままステップS5208に進む。
【0228】
一方、待機位置にあれば(ステップS5206でYES)、枠可動体600を待機位置から動作位置に変位させるための枠可動体駆動データ(出現駆動データ)を、RAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S5207)。ここでセットされた枠可動体駆動データは、保留連に係る変動演出内の所定の駆動タイミングが到来すると、
図43の駆動制御処理(S4203)において枠中継基板99に出力される。これにより、枠可動体600が待機位置から動作位置に変位される。このような枠可動体600の駆動制御を行うこととしているのは、保留連示唆演出の実行時に動作位置に変位された枠可動体600が、枠可動体復帰ボタン670の操作によって待機位置に戻されていた場合でも、保留連に係る変動演出において再度出現させることによって、遊技興趣を高めるためである。
【0229】
ステップS5208では、その他予告演出(ステップS5203やS5204で選択される予告演出とは違う予告演出)の抽選を行う。その他予告演出としては、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などがある。予告演出の抽選では、予告演出決定用乱数を取得し、これを所定の予告演出決定用テーブルに基づいて判定することにより、実行すべき予告演出を選択する。次いで演出制御用マイコン91は、ステップS5203,S5204及びS5208で選択した予告演出を行うための予告演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5209)。
【0230】
ステップS5209でセットされた予告演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、予告演出開始コマンドに応じた演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。具体的には、特別予告画像SIを表示させる予告演出が選択されていれば、画像制御基板100は、表示画面7aの右下部表示領域7bに表示していたVアイコンSIを、中央表示領域7cに移動表示させる(
図60(A)~(C)参照)。これにより、今回の変動演出において大当たり当選が報知されることが遊技者に示されることとなる。なお、
図60の各表示画面7aに示されている背景画像は、高確高ベース状態中専用の背景画像である。
【0231】
[オープニング演出選択処理]
図49に示すように、オープニング演出選択処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する(S5501)。オープニングコマンドには、当選した大当たりの種類の情報が含まれている。次に、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出の演出パターンを選択する(S5502)。そして、選択した演出パターンのオープニング演出を実行させるためのオープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5503)。
【0232】
続いて、枠可動体600を動作位置から待機位置に変位させるための枠可動体駆動データ(退避駆動データ)を、RAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S5504)。ここでセットした枠可動体駆動データが、
図43の駆動制御処理(S4203)にて枠中継基板99に出力されると、動作位置にある枠可動体600は待機位置に戻される。このように本形態では、大当たり当選を報知する変動演出中に枠可動体600が動作位置に制御されたとしても、その大当たり当選に基づく大当たり遊技のオープニング開始時に待機位置に復帰されるようにしている。その後、演出制御用マイコン91は、Vチャンス実行抽選処理(S5505)を行って、本処理を終える。
【0233】
[Vチャンス実行抽選処理]
図50に示すように、Vチャンス実行抽選処理(S5505)ではまず、演出制御用マイコン91は、特図保留の中に、当たり保留(大当たり当選と判定される予定の特図保留)があるか否かを判定する(S5601)。つまり、保留連(大当たり遊技中の特図保留の中に当たり保留があること)の有無を判定する。この判定は、RAM94の第1特図保留演出記憶部95a及び第2特図保留演出記憶部95bに記憶されている始動入賞コマンドに基づいて行われる。
【0234】
始動入賞コマンドを解析すれば、その始動入賞コマンドに係る数値情報(大当たり乱数等の乱数値)が、当否判定(ステップS1402又はS1408)において大当たり当選と判定される予定の特定の数値情報であるか否かがわかる。本形態における始動入賞コマンドは、始動入賞コマンドに係る数値情報が、高確率状態であっても通常確率状態であっても大当たりと判定される情報であるのか、高確率状態であるときだけ大当たりと判定される情報であるのか、いずれの遊技状態であってもハズレと判定される情報であるのか、のいずれであるかの情報を含んでいるからである(
図17参照)。
【0235】
なお本形態では、大当たり遊技後の遊技状態が、必ず高確率状態に制御される。よって、ステップS5601の判定では、高確率状態において大当たりと判定される予定の特図保留があるか否かを判定する。このステップS5601の判定は、事前判定(特図変動の開始時の当否判定よりも前に行われる判定)に当たる。
【0236】
ステップS5601の判定結果がYESであれば、つまり保留連がある場合には、続いて、当選した大当たりの種類が4R大当たりであるか否かを判定する(S5602)。そして、判定結果がYESであれば、4R大当たり用の保留連有り抽選テーブル(
図51(B)に示すテーブルの保留連有りの部分)に基づいて、Vチャンスの実行抽選を行う(S5603)。一方、ステップS5602の判定結果がNOであれば、その他大当たり(6R大当たり、8R大当たり、又は16R大当たり)用の保留連有り抽選テーブル(
図51(C)に示すテーブルの保留連有りの部分)に基づいて、Vチャンスの実行抽選を行う(S5604)。
【0237】
また、ステップS5601の判定結果がNOであれば、つまり保留連がない場合には、続いて、当選した大当たりの種類が4R大当たりであるか否かを判定する(S5605)。そして、判定結果がYESであれば、4R大当たり用の保留連無し抽選テーブル(
図51(B)に示すテーブルの保留連無しの部分)に基づいて、Vチャンスの実行抽選を行う(S5606)。一方、ステップS5605の判定結果がNOであれば、その他大当たり(6R大当たり、8R大当たり、又は16R大当たり)用の保留連無し抽選テーブル(
図51(C)に示すテーブルの保留連無しの部分)に基づいて、Vチャンスの実行抽選を行う(S5607)。
【0238】
ここで、
図51(A)に示すようにVチャンスの演出態様には4種類ある。演出態様1及び2は、保留連有り時に選択される演出態様である。演出態様3及び4は、保留連無し時に選択される演出態様である。演出態様1及び3では、2ラウンド目から4ラウンド目にかけて演出が実行されるのに対して、演出態様2及び4では、3ラウンド目から5ラウンド目にかけて演出が実行される。従って、後述するように4R大当たりの当選時には演出態様2及び4が選択されることがないようになっている。
【0239】
具体的には、演出態様1及び2では、
図58(A)~(E)に示す一連の演出が実行される。演出態様1を成功シナリオ1ともいい、演出態様2を成功シナリオ2ともいう。これに対して、演出態様3及び4では、
図58(A),(B),(C),(F)に示す一連の演出が実行される。演出態様3を失敗シナリオ1ともいい、演出態様4を失敗シナリオ2ともいう。
【0240】
図51(B)は、4Rの大当たり当選時のVチャンスの実行抽選テーブルであり、
図51(C)は、16R、8R、又は6Rの大当たり当選時のVチャンスの実行抽選テーブルである。各テーブルは、保留連有り時の実行抽選テーブルと、保留連無し時の実行抽選テーブルとに分かれている。
図51(B)に示すように、保留連有りで4R大当たりに当選していれば、Vチャンスを実行する場合には必ず演出態様1が選択される。また、保留連無しで4R大当たりに当選していれば、Vチャンスを実行する場合には必ず演出態様3が選択される。なお、保留連有りのときの方が、無しのときよりも、Vチャンスを実行すると決定される確率は高く設定されている。
【0241】
また
図51(C)に示すように、保留連有りで、4Rではないラウンド数の大当たりに当選していれば、演出態様1又は演出態様2のいずれかが選択される。また、保留連無しで、4Rではないラウンド数の大当たりに当選していれば、演出態様3又は演出態様4のいずれかが選択される。なお、保留連有りのときの方が、無しのときよりも、Vチャンスを実行すると決定される確率は高く設定されている。また、保留連有りのときにVチャンスを実行する場合には、演出態様2よりも演出態様1の方が選択され易くなっており、保留連無しのときにVチャンスを実行する場合には、演出態様4よりも演出態様3の方が選択され難くなっている。つまり、早いラウンドでVチャンスが開始された方が、大当たり当選期待度が高くなるように設定されている。
【0242】
ステップS5603又はステップS5604の実行抽選においてVチャンスを実行すると決定しなかった場合には(S5608でNO)、演出制御用マイコン91は直ちに本処理を終える。これに対して、Vチャンスを実行すると決定した場合には(S5608でYES)、決定したVチャンスの成功シナリオ(成功シナリオ1又は成功シナリオ2)を示すデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S5609)。
【0243】
そして、疑似V作動フラグの値を、作動待機中を示す「1」にセットする。続いて、疑似V振分部材76の作動契機入賞球数(疑似V作動契機入賞球数)の抽選を行う。つまり本形態では、上述したステップS5603又はS5604の抽選によって、Vチャンスを実行するか否かと、疑似V領域34の作動制御(疑似V振分部材76の作動制御)を何ラウンド目に実行するかを決定し、ステップS5611の抽選によって、疑似V振分部材76を何球目の入賞時に作動させるかを決定している。
【0244】
この疑似V作動契機入賞球数の抽選(S5611)は、作動契機入賞球数の決定用乱数を取得し、取得した乱数値を、
図51(D)に示す作動契機入賞球数の決定テーブルに基づいて判定することにより行われる。作動契機入賞球数の種類は、3球から8球までの全6種類ある。具体的には例えば、このステップS5611の抽選によって
図51(D)に示す作動パターン1が選択されると、疑似V振分部材76の作動タイミング(疑似V領域34の開放タイミング)は、入賞3球目(3カウント目)となる。
【0245】
なお、いずれの作動パターンに決定された場合も(つまりいずれの作動契機入賞球数に決定された場合も)、疑似V領域34の閉鎖タイミング(疑似V振分部材76を
図5(B)に示す第2状態から
図5(A)に示す第1状態に戻すタイミング)は、遊技球が疑似V領域34を通過したタイミングである。また本形態では、疑似V振分部材76の作動契機となった遊技球(つまり作動契機入賞球数が3であれば3球目に第1大入賞口30に入賞した遊技球)が、そのまま疑似V領域34を通過するように、第1大入賞装置31の内部通路の長さ等が設計されている。勿論、疑似V振分部材76の作動契機となった遊技球の次以降の入賞球が疑似V領域34を通過するように構成してもよい。
【0246】
ステップS5611に続いて演出制御用マイコン91は、ステップS5611で決定した作動契機入賞球数の値をRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5612)。そして、本処理を終える。
【0247】
また、ステップS5606又はステップS5607の実行抽選を行った場合には、続いて演出制御用マイコン91は、この実行抽選においてVチャンスを実行すると決定したか否かを判定し(S5613)、Vチャンスを実行しない場合には(S5613でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、Vチャンスを実行する場合には(S5613でYES)、実行抽選にて決定したVチャンスの失敗シナリオ(失敗シナリオ1又は失敗シナリオ2)を示すデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットして(S5614)、本処理を終える。
【0248】
[ラウンド演出選択処理]
図52に示すように、ラウンド演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを解析する(S5701)。そして、ラウンド指定コマンドが示すラウンドが1~5R目であるか否かを判定する(S5702)。判定結果がNOであればステップS5707に進む。一方、判定結果がYESであれば(S5702でYES)、Vチャンスの演出シナリオ(
図51(A)に示す成功シナリオ1、成功シナリオ2、失敗シナリオ1、又は失敗シナリオ2のいずれか)がセットされているか否かを判定する(S5703)。
【0249】
この判定結果がYESであれば、Vチャンスの演出シナリオに沿ってラウンド演出が実行されるように、現在のラウンド数(つまり現在何ラウンド目か)に応じたラウンド演出を選択する。例えば、成功シナリオ1がセットされており、2ラウンド目のラウンド演出を選択するタイミングであれば、
図58(A)に示す導入画像と
図58(B)に示す説明画像とを表示するラウンド演出を選択する(
図51(A)参照)。
【0250】
また、3ラウンド目のラウンド演出を選択するタイミングであれば、
図58(C)に示す打込報知画像を表示するラウンド演出を選択する。また、4ラウンド目のラウンド演出を選択するタイミングであれば、
図58(E)に示す特別予告画像SIを右下部表示領域7bに表示するラウンド演出を選択する。他の演出シナリオがセットされている場合についても、
図51(A)に示す通りにラウンド演出が選択される。なお、
図51(A)の表中の「-」の箇所に該当するラウンドであれば、Vチャンスとは関係のないラウンド演出(例えば所定の楽曲に合わせて所定の演出画像を表示させる楽曲演出等)が選択される。
【0251】
ステップS5704を実行した後、演出制御用マイコン91は、後述する復活演出実行処理(S5705)を行って、ステップS5707に進む。復活演出実行処理(S5705)は、成功シナリオがセットされているにもかかわらず遊技者が疑似V領域34に遊技球を通過させなかった場合に、遊技結果と演出内容との整合をとるための処理である。
【0252】
ステップS5703においてVチャンスの演出シナリオがセットされていないと判定した場合には、Vチャンスとは関係のないラウンド演出を、現在のラウンド数と、当選した大当たりの種類とに基づいて選択して、ステップS5707に進む。
【0253】
ステップS5707では、ラウンド指定コマンドが示すラウンドが6R目以降であるか否かを判定する。判定結果がNOであればステップS5711に進む。一方、判定結果がYESであれば、実行中の大当たり遊技が16R大当たり又は8R大当たりのいずれかであるか否かを判定する(S5708)。これらの大当たりであれば、Gボーナスチャレンジのラウンド演出が
図61(A)~(D)に示す一連の演出として実行されるように、現在のラウンド数(つまり現在何ラウンド目か)に応じたラウンド演出を選択して(S5709)、ステップS5711に進む。
【0254】
具体的には、6ラウンド目のラウンド演出を選択するタイミングであれば、
図61(A)~(C)に示す演出画像を表示するラウンド演出を選択する。また、7ラウンド目のラウンド演出を選択するタイミングであれば、
図61(D)に示す演出画像を表示するラウンド演出を選択する。なお、8R大当たりでは7R目から8R目にかけて
図61(D)に示す演出画像を表示する。そのため、8R大当たりの8R目では新たなラウンド演出は選択されない。これに対して、16R大当たりの8R目以降は、所定の楽曲演出が選択される。
【0255】
ステップS5708の判定結果がNOであれば、つまり実行中の大当たり遊技が6R大当たりであれば、Gボーナスチャレンジとは関係のないラウンド演出を選択して(S5710)、ステップS5711に進む。
【0256】
ステップS5711では、上記の処理で選択したラウンド演出の実行を開始させるためのラウンド演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。ステップS5711でセットされたラウンド演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、ラウンド演出開始コマンドに応じた演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
【0257】
ステップS5711の後、演出制御用マイコン91は、疑似V作動カウンタの値をリセット(「0」にクリア)する(S5712)。疑似V作動カウンタは、疑似V領域34の作動制御が実行されるラウンド(疑似V作動ラウンド)において、作動契機入賞球数に至るまでの第1大入賞口30への入賞球数をカウントするカウンタである。このカウンタの加算処理は、
図54に示すステップS5903で行われる。
【0258】
ステップS5712の後、演出制御用マイコン91は、疑似V作動フラグの値が「2」か否かを判定する(S5713)。「2」でなければ本処理を終えるが、「2」であれば、新たなラウンド遊技が開始されるタイミングであるのに疑似V領域34が開放されたままである。そのため、疑似V領域34を閉鎖する(S5714)、すなわち疑似V振分部材76を第1状態から第2状態に制御するとともに、疑似V作動フラグの値を閉鎖後に対応する値「3」にセットしてから(S5715)、本処理を終える。
【0259】
[復活演出実行処理]
図53に示すように、復活演出実行処理(S5705)ではまず、演出制御用マイコン91は、成功シナリオ1がセットされていて4R目のラウンド演出を選択するタイミング、又は、成功シナリオ2がセットされていて5R目のラウンド演出を選択するタイミングのいずれかであるか否かを判定する(S5801)。いずれでもなければ(S5801でNO)、本処理を終える。
【0260】
これに対して、ステップS5801の判定結果がYESであれば、続いて、疑似V作動フラグの値が「3」でないか否かを判定する(S5802)。「3」であれば(S5802でNO)、疑似V領域34の通過が生じているため、復活演出を選択することなく、本処理を終える。
【0261】
一方、ステップS5802の判定結果がYESであれば、成功シナリオがセットされているにもかかわらず、疑似V領域34への通過が生じていないため、今回のラウンド演出として復活演出を選択する(S5803)。そして、枠可動体600を待機位置から動作位置に変位させるための枠可動体駆動データ(出現駆動データ)を、RAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5804)、本処理を終える。なお、復活演出が選択されると、
図59(A)に示す失敗の演出画像が一旦表示され、その後、
図59(B)~(D)までの一連の復活演出が実行されることとなる。また、復活演出に伴って、枠可動体600が収容部650外へ出現するようになっている。
【0262】
[第1大入賞口入賞時処理]第1大入賞口入賞時処理は、疑似V領域34を開放させるための処理である。
図54に示すように、第1大入賞口入賞時処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、疑似V作動フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S5901)。疑似V作動フラグの値が「1」であれば(S5901でYES)、実行中の大当たり遊技において疑似V領域34の作動を行うため、ステップS5902に進む。一方、ステップS5901の判定結果がNOであれば直ちに本処理を終える。
【0263】
ステップS5902では、成功シナリオ1がセットされている状態の3ラウンド目、又は、成功シナリオ2がセットされている状態の4ラウンド目、のいずれかであるか否かを判定する。なお、現在のラウンドが何ラウンド目かの情報はラウンド指定コマンドにより取得している。
【0264】
ステップS5902の判定結果がYESであれば、現在のラウンドが、疑似V領域34の作動制御を行うラウンド(疑似V作動ラウンド)である。よって、疑似V作動カウンタの値を1加算するとともに(S5903)、疑似V作動カウンタの値が、セットされている作動契機入賞球数の値(
図50のステップS5612でセットされた値)と一致するか否かを判定する(S5904)。なお、ステップS5902の判定結果がNOであれば直ちに本処理を終える。
【0265】
ステップS5904において疑似V作動カウンタの値と作動契機入賞球数の値とが一致していれば(S5904でYES)、疑似V領域34を開放させる(疑似V振分部材76を
図5(B)に示す第2状態から
図5(A)に示す第1状態に作動させる)とともに(S5905)、疑似V作動フラグの値を、開放中を示す「2」にセットして(S5906)、本処理を終える。なお、ステップS5904の判定結果がNOであれば、第1大入賞口30への入賞球数がまだ作動契機入賞球数に至っていないため、ステップS5905及びS5906を行うことなく本処理を終える。本形態では、このような疑似V領域34の開放制御がなされるため、抽選によって定められた作動契機入賞球になると、疑似V領域34が開放されることとなる。
【0266】
[エンディング演出選択処理]
図55に示すように、エンディング演出選択処理(S4414)ではまず、演出制御用マイコン91は、エンディングコマンドを解析する(S6001)。そして、エンディングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出の演出パターンを選択する(S6002)。それから、選択した演出パターンのエンディング演出を開始させるためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6003)。
【0267】
その後、演出制御用マイコン91は、Vチャンスの演出シナリオのシナリオデータがセットされていればこれをクリアする(S6004)。そして、疑似V作動契機入賞球数の値がセットされていればこれをクリアして(S6005)、本処理を終える。
【0268】
[疑似Vセンサ処理]
図56に示すように、疑似Vセンサ処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン91は、疑似V領域センサ34aがONか否かを判定する(S6101)。ONでなければ直ちに本処理を終える。一方、ONであれば、続いて、疑似V作動フラグの値が「2」であるか否かを判定する(S6102)。「2」であれば、疑似V領域34の開放中であり、疑似V領域センサ34aによる遊技球の検知は有効な検知である。よって、この場合はステップS6103に進む。一方、ステップS6102で「2」でなければ直ちに本処理を終える。
【0269】
ステップS6103では、保留連示唆演出を開始させるための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。なお、ここでセットされた演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、
図58(D)に示す演出画像(Vチャンスに対応する特殊画像PIの一部をVの形に際立たせて表示する演出画像)をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
【0270】
ステップS6103に続いて演出制御用マイコン91は、疑似V領域34を閉鎖(閉塞)する、つまり疑似V振分部材76を
図5(A)に示す第1状態から
図5(B)に示す第2状態に制御する(S6104)。そして、疑似V作動フラグの値を、閉鎖後を示す「3」にセットする(S6105)。その後、枠可動体600を待機位置から動作位置に変位させるための枠可動体駆動データ(出現駆動データ)を、RAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S6106)、本処理を終える。
【0271】
このように本形態では、疑似V領域34への有効な通過が生じたタイミングで、表示画面7a上で保留連示唆演出を行うとともに、枠可動体600を収容部650外へ出現させて、保留連の発生を一際目立つ態様で遊技者に対して報知している。なお、ここで動作位置に制御された枠可動体600は、保留連に係る大当たり遊技のオープニングが開始されるまで動作位置に制御され続ける。これにより、保留連の発生が遊技者およびその他のホール来店者に対してわかりやすく示されることとなる。
【0272】
[枠可動体任意復帰処理]
図57に示すように、枠可動体任意復帰処理(S4305)ではまず、演出制御用マイコン91は、枠可動体600の駆動中か否かを判定する(S6201)。この判定は、枠可動体600の原点位置(待機位置)を検知するフォトセンサ620(
図8参照)の検知信号を確認することで行えばよい。枠可動体600の駆動中でなければ本処理を終えるが、枠可動体600の駆動中であれば(S6201でYES)、続いて、復帰ボタン検出スイッチ670aがONされたか否かを判定する(S6202)。そして、ONされていなければ本処理を終えるが、ONされていれば(S6202でYES)、枠可動体600を待機位置に復帰させる枠可動体駆動データ(退避駆動データ)を、RAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S6203)。
【0273】
ステップS6203でセットされた枠可動体駆動データに従って駆動制御処理(S4203)がなされると、待機位置になかった枠可動体600の待機位置への復帰が行われる。本形態では、
図2に示すように、枠可動体600が遊技機枠50の上縁よりも上方に突出するため、ホール内に設置されているデータカウンタ(データ表示装置)の前方に位置することとなってしまい、遊技者がデータ表示装置を視認することができなくなることがある。しかしながら、このように枠可動体復帰ボタン670の操作を行えば、遊技者はデータ表示装置を良好に視認することが可能となる。
【0274】
なお、保留連示唆演出とともに枠可動体600が動作位置に制御され、その後、保留連に係る特図変動の開始前に枠可動体復帰ボタン670の操作によって待機位置に復帰させられていた場合には、保留連に係る特図変動の開始のタイミングで、枠可動体600を再出現させるようにしている(
図48のステップS5206及びS5207参照)。このような枠可動体600の駆動制御によって、せっかくの保留連の発生時の興趣性が低下するのを防いでいる。
【0275】
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第1大入賞口30内の疑似V領域34に遊技球が通過したことに基づいて、保留連示唆演出(
図58(D)及び(E))が実行される。よって、疑似V領域34へ遊技球を通過させる楽しみを伴った斬新な保留連示唆演出とすることが可能となっている。具体的には疑似V領域34へ遊技球を通過させたことによって次の大当たりを獲得したかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となっている。
【0276】
なお、大入賞口内の所定の領域に遊技球が通過したことに基づいて大当たりを付与する遊技性は従来から所謂2種遊技として知られているが、本形態では、第1大入賞口30内の疑似V領域34への通過に基づいて保留連示唆演出(つまり大当たり当選の報知)がなされるため、あたかも疑似V領域34への通過により大当たりを獲得したかのような印象を抱かせることが可能となっている。つまり、所謂2種遊技を実行可能な遊技機ではないのに2種遊技を疑似的に遊技させることが可能となっている。
【0277】
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似V領域34への通過が可能となるタイミングが複数種類の中から決定される(
図51参照)。特に本形態では、疑似V作動契機入賞球数が何球に設定されるのかが抽選によって決定される(
図51(D)参照)。そのため、遊技者は疑似V作動ラウンド内のどのタイミングで疑似V領域34が開放されるか予測できない。よって、疑似V振分部材76の挙動から目が離せなくなる。その結果、保留連に対する期待感を刺激し、Vチャンスの演出の演出効果を向上可能である。
【0278】
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似V作動ラウンドが何ラウンド目に設定されるのかも抽選によって決定される(
図51(A)~(C)参照)。そのため、あるラウンド(本形態では3R目)において疑似V領域34への通過が可能とならない場合でも、他のラウンド(本形態では4R目)において疑似V領域34への通過が可能となる場合がある。よって、何ラウンド目が疑似V作動ラウンドになるかが予め1つに決められてしまっている構成に比して、Vチャンスの演出の発生に対する期待感を抱かせるタイミングを増やすことが可能となり、大当たり遊技中の遊技興趣を高めることが可能となっている。
【0279】
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似V領域34の開放タイミングが複数種類ある上、疑似V領域34に遊技球が通過するまでは疑似V領域34が閉塞されない(
図56参照)。そのため、疑似V領域34の開放タイミングだけでなく、疑似V領域34の開放時間(疑似V領域34が開放され続けている時間)までも不規則にすることが可能となっている。よって、疑似V領域34の開放時間が時間で管理されている構成に比して、疑似V振分部材76の挙動の意外性(予測困難性)を高めることが可能となっている。また、疑似V領域34に遊技球が通過するまでは疑似V領域34が閉塞されないため、疑似V領域34が開放された場合の疑似V領域34への通過の確実性を高めることが可能となっている。
【0280】
また本形態のパチンコ遊技機1では、打込指示演出(
図58(C))によって疑似V領域34への通過を狙うべき旨が遊技者に対して示される。よって、遊技者が疑似V領域34への通過の発生機会に気付かず、予定していた演出効果が発揮されなくなるのを防止可能である。
【0281】
また本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技のオープニングの時点で当たり保留がないと判定されると、Vチャンスの演出が実行されても、疑似V振分部材76が
図5(B)に示す第2状態(通過阻止状態)のまま作動されない。そのため、疑似V領域34への通過が生じない。そしてこの場合には、
図58(A)~(C)に示す演出を経て、
図58(F)に示す非確定演出(次の大当たり当選が確定していないこと、つまり当たり保留がないことを示す演出)が実行される。よって、
図58(C)に示す打込指示演出によって疑似V領域34への通過の発生に期待を持たせて遊技をさせつつ、保留連が無ければ非確定演出(
図58(F))が行われ、保留連があって疑似V領域34への通過がなされていれば保留連示唆演出(
図58(D)及び(E))が行われることで、遊技結果を正しく認識させることが可能となっている。
【0282】
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似V領域34が開放される予定のラウンド遊技において、疑似V領域34への通過が生じなかった場合でも、その次のラウンド遊技において、疑似V通過時の保留連示唆演出を含む復活演出が実行される(
図59(B)~(D))。よって、遊技結果と演出内容とに齟齬が生じるのを防止することが可能である。
【0283】
また本形態のパチンコ遊技機1では、保留連に係る変動演出が実行されるまでの間、表示画面7a上の右下部表示領域7bに特別予告画像SI(
図59(D)及び
図60(A)(B))が表示され続ける。よって、この間、遊技者に対してわかりやすく当選確定を示し続けることが可能となっている。
【0284】
また本形態のパチンコ遊技機1では、保留連に係る変動演出が開始されると、右下部表示領域7bに表示していた特別予告画像SIを消して、中央表示領域7cに表示させる(
図60(C))。中央表示領域7cには、保留連に係る変動演出でない場合、原則として通常予告画像NIが表示される(
図60(A))。従って、中央表示領域7cに通常予告画像NIではなく特別予告画像SIが表示されることによって、新たに開始された変動演出が、大当たり当選の当否判定結果が示される変動演出であることを、遊技者に容易に認識させることが可能となっている。
【0285】
また本形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が受ける利益に直接関係がなく演出にのみ関係する疑似V領域センサ34aと、疑似V振分ソレノイド78とは、演出を制御するサブ制御基板90に接続されている。よって、疑似V領域センサ34aや疑似V振分部材76を用いた保留連示唆演出を、主制御基板80の動作に関係なくサブ制御基板90によって自由に実行することが可能である。従って、演出の設計の自由度を高めることが可能である。
【0286】
また本形態のパチンコ遊技機1では、主制御基板80に接続されている本V領域センサ39aによる通過検知に基づいて、獲得可能な賞球数が相対的に多い大当たり(16R大当たり)に当選していたことが報知される(
図61(E))。よって、第1大入賞口30内の疑似V領域34を通過させる楽しみとは別に、第2大入賞口35内の本V領域39を通過させる楽しみを創り出すことが可能である。その結果、大当たり遊技中に開放され得る2つの大入賞口(第1大入賞口30と第2大入賞口35)のどちらが開放されているときでも、大入賞口内の定められた領域(疑似V領域34又は本V領域39)に遊技球を通過させる楽しみを持たせることが可能となっている。
【0287】
また本形態のパチンコ遊技機1では、第2大入賞口35内の本V領域センサ39aや本V振分ソレノイド73は、主制御基板80に接続されている。よって、所謂2種タイプの遊技機や所謂V確機(大入賞口内の所定の領域の通過に基づいて高確率状態への移行を決定する遊技機)におけるハードウェア構成をそのまま利用できる。従って、遊技場(ホール)から遊技盤を回収して変更を加えて再度遊技場に提供する際に、ハードウェア構成を変更する手間を省いて製造コストを削減することが可能である。
【0288】
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0289】
上記形態では、疑似V作動契機入賞球数が何球に設定されるのかと、疑似V作動ラウンドが何ラウンド目に設定されるのかとを、抽選によって複数種類の中から選択する構成としたが(
図51参照)、いずれか一方だけを抽選によって選択する構成としてもよい。この場合、他方については予め定めておくものとする。
【0290】
なお、疑似V作動ラウンドが何ラウンド目に設定されるのかだけを抽選によって選択する構成とした場合には、疑似V振分部材76の作動パターンを、疑似V作動契機入賞球数に基づく作動パターンとせずに、時間で管理された作動パターン、つまり予め定められた開放時間や閉鎖時間に従って疑似V領域34を開閉する作動パターンとしてもよい。具体的には例えば、疑似V作動ラウンドの開始とともに疑似V領域34を開放させ、所定の開放時間の経過後に一旦閉鎖させ、所定の閉鎖時間を過ぎると、再び所定の開放時間にわたって開放させるといった具合である。
【0291】
また上記形態では、疑似V領域34の閉鎖タイミングを、疑似V領域センサ34aによる通過検知時としたが、疑似V領域34の開放時間(疑似V振分部材76を通過許容状態に制御しておく時間)を予め定めておき、この開放時間の経過時に疑似V領域34を閉鎖するように構成してもよい。
【0292】
また上記形態では、ステップS5601(
図50)において保留連ありと判定された場合に、抽選にてVチャンスの演出(つまりは保留連示唆演出)を行うか否かを決定するように構成したが、必ずVチャンスの演出を実行するように構成してもよい。この場合も、ステップS5601の判定結果に基づいて、保留連示唆演出を行うか否かが決定されている。
【0293】
また上記形態では、疑似V領域34への通過がなされると、保留連に係る特図変動が開始されるまで、
図58(E)に示す特別予告画像SIを右下部表示領域7bに表示するように構成したが、この特別予告画像SIを、演出保留画像(
図3の9A又は9B参照)として表示する構成としてもよい。つまり、疑似V領域34への通過がなされると、当たり保留に対応する演出保留画像の表示態様を通常表示態様から特別表示態様に変更する構成とし、この特別表示態様の演出保留画像として特別予告画像SIを用いるようにしてもよい。この場合、大当たり遊技の実行中でも、演出保留画像を表示画面7aに表示させるように構成する。勿論、高確高ベース状態中も演出保留画像を表示させる。
【0294】
このように構成すれば、大当たり遊技中に演出保留画像の表示態様が変化することによって、次の大当たり当選の確定が示されることとなる。よって、保留連に係る特図変動が実行されるまでの間、遊技者に対してわかりやすく当選確定を示し続けることが可能となる。
【0295】
なお、上記した変更例の遊技機は、第1特図保留記憶部85a又は第2特図保留記憶部85b(記憶手段)に大当たり乱数等の乱数値(数値情報)の記憶があること、つまり特図保留があることを示す演出保留画像が表示される演出保留表示部(表示画面7a内の第1演出保留表示エリア及び第2演出保留表示エリア)を備え、保留連示唆演出の少なくとも一部として、特定の数値情報(大当たり当選と判定される予定の数値情報)に対応する演出保留画像を予め定められた通常表示態様から特別表示態様に変更する保留変化演出を行うものであると言える。
【0296】
また上記形態では、成功シナリオ1又は成功シナリオ2がセットされているにもかかわらず、疑似V領域34に遊技球を通過させ損った場合には、通過予定のラウンドの次のラウンドにおいて、復活演出が実行されるように構成したが(
図59)、復活演出の実行タイミングは、大当たり遊技が終了するまでであればいつでもよい。例えば、エンディング演出として復活演出を実行してもよい。
【0297】
また上記形態では、大当たり遊技のオープニング開始時に、当たり保留の有無を判定したが、少なくとも疑似V作動ラウンドの開始時までに当たり保留の有無を判定し、疑似V振分部材76の作動パターンを決定すればよい。
【0298】
また上記形態では、疑似V領域34への通過時に
図58(D)に示す画像を表示し、この表示を行った次のラウンドで
図58(E)に示すVアイコンSIの表示を行うように構成した。これに対して、疑似V領域34への通過時に
図58(E)に示すVアイコンSIの表示を行うように構成してもよい。
【0299】
また上記形態では、中央表示領域7c(第2表示領域)に表示される特別予告画像SIと、右下部表示領域7b(第1表示領域)に表示される特別予告画像SIとは、表示サイズが異なっていたが、同じサイズの画像であってもよい。
【0300】
また上記形態では、第2大入賞口35への入賞球数が予め定められた作動契機入賞球数(7球)になったときに、本V領域39を開放させ、ラウンド遊技の終了時に閉鎖するように構成した。これに対して、本V領域39を開放させるラウンド遊技の開始時点を基準に、時間で管理された所定の作動パターンに従って、本V領域39が開放されるように構成してもよい。例えば、本V作動ラウンドの開始とともに本V領域39を開放させ、所定の開放時間の経過後に一旦閉塞させ、所定の閉塞時間を過ぎると、再び所定の開放時間にわたって開放させるといった具合である。
【0301】
また上記形態では、Vチャンスを実行するか否かと、疑似V領域34を開放させるラウンドを何ラウンド目にするかとを、同時に決定するように構成したが(
図51(A)~(C)参照)、両者を別々の抽選にて決定するように構成してもよい。
【0302】
また上記形態では、失敗シナリオがセットされたときには、疑似V領域34を全く開放させない構成とした。つまり非作動制御を行う構成とした。しかしながら、失敗シナリオがセットされたときには、疑似V領域34に遊技球が通過し得ない程度の極めて短時間(例えば40ms)にわたって疑似V領域34を開放させる構成としてもよい。この開放制御を、非通過用作動制御という。このような非通過用作動制御が行われる大当たり遊技も、非通過用特別遊技に当たる。なお、このように構成する場合、非通過用作動制御の開始契機となる入賞球数を抽選にて決めてもよい。
【0303】
また上記形態では、遊技者による枠可動体復帰ボタン670の操作によって、保留連に係る変動演出の開始時までに、枠可動体600が待機位置に戻されていた場合には、その変動演出において枠可動体600を動作位置に変位させるように構成した。これに対して、保留連に係る変動演出の開始時に枠可動体600が待機位置にあっても、再度動作位置に変位させることのない構成としてもよい。
【0304】
また、保留連の発生時は、先の大当たり遊技のエンディングから次の大当たり遊技(保留連としての大当たり遊技)のオープニングまでの間、一連の動画を表示画面7aに表示し、変動演出を表示画面7aの全域にて行わないように構成してもよい。このように構成することで、保留連の発生時に次回の大当たり遊技の開始までの各特図変動を意識させ難くすることが可能となり、2回の大当たり遊技を1回の大当たり遊技のように感じさせることが可能となる。
【0305】
また上記形態では、大当たり遊技のオープニングの開始時に枠可動体600が動作位置にある場合は待機位置に戻すように構成した(
図49参照)。これに対して、一部の大当たり図柄(例えば金図柄が選択される大当たり図柄、
図11参照)に当選した場合においては、オープニングの開始時に枠可動体600が動作位置にあっても待機位置に戻さない構成としてもよい。この場合、大当たり遊技のエンディングの開始時に保留連の有無を判定し、保留連が無ければ待機位置に戻し、保留連が有れば待機位置に戻さない構成とするとよい。
【0306】
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0307】
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(
図17参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに特図保留の数の情報や遊技状態の情報、変動パターンの情報等を含めるようにしてもよい。
【0308】
また上記形態では、始動入賞コマンドをそのコマンドに係る数値情報に基づく特図変動が終わるまでRAM94に保持するように構成したが、始動入賞コマンドに含まれている当否情報を保持することができれば、始動入賞コマンドそのものを保持する必要はない。始動入賞コマンドに含まれる当否情報が保持されて、その情報に基づいて当たり保留の有無が事前判定されるのであれば、始動入賞コマンド(入賞情報)に基づいて当たり保留の有無が事前判定されていると言える。
【0309】
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下〈A〉~〈F〉の発明が示されている。以下の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0310】
〈A〉
遊技領域(3)に設けられた入球口(第1始動口20又は第2始動口21)への遊技球の入球を検知する入球口検知手段(第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21a)と、
前記遊技領域に設けられた特別入賞口(第1大入賞口30)への入賞を検知する特別入賞口検知手段(第1大入賞口センサ30a)と、前記特別入賞口を開閉する開閉部材(32)と、前記特別入賞口検知手段の下流に配された特定領域(疑似V領域34)への遊技球の通過を検知する特定領域検知手段(疑似V領域センサ34a)と、前記特別入賞口検知手段による検知後の遊技球を前記特定領域に通過させる第1状態(
図5(A)参照)及び通過させない第2状態(
図5(B)参照)をとる振分部材(疑似V振分部材76)と、を有する特別入賞手段(第1大入賞装置31)と、
前記第2状態の振分部材を第1状態に変位させる開放制御と、前記第1状態の振分部材を第2状態に変位させる閉塞制御とを実行可能な振分部材制御手段(ステップS5905及びS6104を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記入球口検知手段による入球検知に基づき数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(第1特図保留記憶部85a又は第2特図保留記憶部85b)と、
所定の判定条件の成立時に、前記記憶手段に記憶された数値情報に基づいて大当たりの当否判定を行う当否判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による判定結果に基づいて、前記開閉部材を開放するラウンド遊技を複数回含む特別遊技(大当たり遊技)を行う特別遊技実行手段(ステップS1005~S1008を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記記憶手段に記憶された前記数値情報に基づいて、その数値情報が前記当否判定手段により大当たり当選と判定される特定の数値情報であるか否かの情報を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を、その数値情報の記憶の際に生成する入賞情報生成手段(ステップS207又はS213を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特別遊技の実行時に、前記入賞情報生成手段により生成された前記入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に前記特定の数値情報があるか否かを判定する特別遊技時判定手段(ステップS5601を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記特別遊技時判定手段による判定結果に基づいて、次の大当たり当選が確定していることを示唆する保留連示唆演出(
図58(D)参照)を行うか否かを決定する演出決定手段(ステップS5603又はS5604の処理にて演出の実行の有無を決める演出制御用マイコン91)と、
少なくとも前記保留連示唆演出を行うと決定された場合に、前記振分部材の開放制御の実行タイミングを、予め定められた複数の実行タイミングの中から決定する実行タイミング決定手段(ステップS5603又はS5604、並びにS5611を実行可能な演出制御用マイコン91)と、
前記実行タイミング決定手段により決定された実行タイミングで前記開放制御が実行された場合に、前記特定領域検知手段による通過検知に基づいて前記保留連示唆演出を実行可能な保留連演出実行手段(ステップS6103等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備えていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
【0311】
この構成の遊技機によれば、特別遊技中に特別入賞口内の特定領域に遊技球が通過したことに基づいて、保留連示唆演出が実行される。よって、特定領域へ遊技球を通過させる楽しみを伴った斬新な保留連示唆演出とすることが可能となる。
【0312】
しかもこの構成の遊技機によれば、特定領域への通過が可能となるタイミングが複数種類の中から決定される。よって、遊技者は特定領域の開放タイミングの予測が困難となるため、振分部材の挙動から目が離せなくなる。その結果、保留連に対する期待感を刺激し、保留連発生時の興趣を向上可能である。
【0313】
ところで、遊技機を代表する一般的なパチンコ遊技機では、始動口(入球口)への入賞に基づいて大当たり乱数等の乱数値(数値情報)が取得される。取得された数値情報は、所定数を上限としてRAMに記憶される。そしてこの数値情報に基づいて、大当たりの当否判定が行われる。当否判定にて大当たり当選と判定されると、大入賞口(特別入賞口)を開放させるラウンド遊技を複数回含む大当たり遊技(特別遊技)が実行される。
【0314】
また遊技機の中には、大当たり遊技の実行の際にRAMに記憶されている数値情報の中に、当否判定において大当たり当選と判定される予定の数値情報が有る場合には、そのことを示唆する演出(保留連示唆演出)を行う遊技機が有る。例えば、特開2015-157023号公報に記載された遊技機がそれである。特開2015-157023号公報の遊技機では、大当たり遊技のオープニング開始時に、大当たり当選と判定される予定の数値情報の記憶がある場合には、ない場合とは異なる演出態様でオープニング演出が実行される。これによれば、遊技者は大当たり遊技中に次の大当たり当選が確定していることを認識することが可能である。
【0315】
しかしながら、特開2015-157023号公報に記載の遊技機では、大入賞口に入賞した遊技球の挙動に関係なく、予め定められたタイミングで、保留連(大当たり当選予定の数値情報の記憶があること)が示唆されるだけであり、この点に改善の余地があった。
【0316】
上述の発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、新しい見せ方で保留連を示唆し、遊技興趣を向上させることにある。
【0317】
〈B〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記特別入賞口検知手段による入賞検知に基づいて、1回の前記ラウンド遊技における前記特別入賞口への入賞球数をカウント可能な入賞球数カウント手段(ステップS5903を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記振分部材制御手段は、前記入賞球数カウント手段によるカウント値が作動契機入賞球数に至ると前記開放制御を実行するものであり(ステップS5904でYESならステップS5905を行うものであり)、
前記実行タイミング決定手段は、前記作動契機入賞球数の値を複数種類の中から1つに決定する作動球数決定手段(ステップS5611を実行する演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0318】
この構成の遊技機によれば、特別入賞口への入賞球数が複数種類の中から決定された作動契機入賞球数に至った時に、振分部材が第2状態(特定領域への通過を阻止する状態)から第1状態(特定領域への通過を許容する状態)に制御される。そのため、遊技者はラウンド遊技内のどのタイミングで特定領域が開放されるか予測できない。よって、上記の効果を確実に発揮することが可能となる。
【0319】
〈C〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記実行タイミング決定手段は、前記特別遊技における何ラウンド目のラウンド遊技において前記開放制御を実行するかを、複数種類の中から1つに決定する作動ラウンド決定手段(ステップS5603又はS5604の処理にて開放制御を行うラウンドを決める演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0320】
この構成の遊技機によれば、あるラウンドにおいて特定領域への通過が可能とならなくても、他のラウンドにおいて特定領域への通過が可能となり得る。よって、特定領域の通過が可能となるラウンドが1つに決まってしまっている構成に比して、保留連示唆演出の実行に対する期待感を抱かせるタイミングを増やすことが可能となり、特別遊技中の遊技興趣を高めることが可能となる。
【0321】
〈D〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記振分部材制御手段は、前記特定領域検知手段による通過検知に基づいて、前記閉塞制御を実行するものである(ステップS6101でYESならステップS6104を実行可能なものである)ことを特徴とする遊技機。
【0322】
この構成の遊技機によれば、特定領域の開放タイミングが複数種類ある上、特定領域に遊技球が通過するまでは特定領域が閉塞されない。そのため、特定領域の開放タイミングだけでなく、特定領域の開放時間(特定領域が開放され続けている時間)までも不規則にすることが可能となる。よって、特定領域の開放時間が時間で管理されている構成に比して、振分部材の挙動の意外性(予測困難性)を高めることが可能となる。また、特定領域に遊技球が通過するまでは特定領域が閉塞されないため、特定領域が開放された場合の特定領域への通過の確実性を高めることが可能となる。
【0323】
〈E〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
遊技の進行を制御するメイン制御部(主制御基板80)と、
遊技の進行に伴って行われる演出を制御するサブ制御部(サブ制御基板90)と、を備え、
前記特別入賞口検知手段(第1大入賞口センサ30a)、及び前記開閉部材の駆動源(第1大入賞口ソレノイド33)は、前記メイン制御部に接続されており、
前記特定領域検知手段(疑似V領域センサ34a)、及び前記振分部材の駆動源(疑似V振分ソレノイド78)は、前記サブ制御部に接続されていることを特徴とする遊技機。
【0324】
この構成の遊技機によれば、遊技者が受ける利益に直接関係がなく演出にのみ関係する特定領域検知手段と、振分部材の駆動源とは、演出を制御するサブ制御部に接続されている。よって、特定領域検知手段や振分部材を用いた保留連示唆演出を、メイン制御部の動作に関係なくサブ制御部によって自由に実行することが可能である。従って、演出の設計の自由度を高めることが可能となる。
【0325】
〈F〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記特別遊技の実行時に前記特別遊技時判定手段により前記特定の数値情報がないと判定された場合に、次の大当たり当選が確定していないことを示唆する非確定演出(
図58(F)参照)を実行可能な非確定演出実行手段(失敗シナリオの選択後にステップS5704を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記非確定演出の実行前および前記保留連示唆演出の実行前に、前記特定領域への通過を狙って遊技球を打ち込むべき旨を指示する打込指示演出(
図58(C)参照)を実行可能な打込演出実行手段(ステップS5704の処理でシナリオに従って演出を選択する演出制御用マイコン91、
図51(A)参照)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
【0326】
この構成の遊技機によれば、打込指示演出を経て保留連示唆演出が実行される場合と、打込指示演出を経て非確定演出が実行される場合とが生じる。よって、打込指示演出によって遊技者が特定領域への通過の発生機会に気付かないのを防ぎつつ、特定領域への通過に対する遊技意欲を高めるとともに、保留連示唆演出や非確定演出によって遊技結果を正しく認識させることが可能となる。
【0327】
なお、特許請求の範囲にいう「所定の判定条件」とは、上記形態では、特別図柄の変動表示及び特別遊技の実行中でなく、特図保留記憶部85に大当たり乱数等の乱数値の記憶があることである。
また、特許請求の範囲にいう「特別入賞口検知手段の下流」とは、特別入賞手段の内部に形成されている遊技球の移動経路における下流である。
【符号の説明】
【0328】
1…パチンコ遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
7a…表示画面
20…第1始動口(第1の入球口)
20a…第1始動口センサ(第1の入球口検知手段)
21…第2始動口(第2の入球口)
21a…第2始動口センサ(第2の入球口検知手段)
30…第1大入賞口(特別入賞口)
30a…第1大入賞口センサ(特別入賞口検知手段)
31…第1大入賞装置(特別入賞手段)
32…開閉部材
33…第1大入賞口ソレノイド(開閉部材の駆動源)
34…疑似V領域(特定領域)
34a…疑似V領域センサ(特定領域検知手段)
76…疑似V振分部材(振分部材)
78…疑似V振分ソレノイド(振分部材の駆動源)
80…主制御基板
81…遊技制御用マイコン
85a…第1特図保留記憶部(記憶手段)
85b…第2特図保留記憶部(記憶手段)
90…サブ制御基板
91…演出制御用マイコン