(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】高速永久磁石ロータのための保持スリーブおよびバランス戦略
(51)【国際特許分類】
H02K 15/16 20060101AFI20220617BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20220617BHJP
H02K 1/2726 20220101ALI20220617BHJP
【FI】
H02K15/16 A
H02K1/22 B
H02K1/2726
(21)【出願番号】P 2018564823
(86)(22)【出願日】2017-06-09
(86)【国際出願番号】 US2017036669
(87)【国際公開番号】W WO2017218316
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-05-07
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ディー・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ジェイ・クーレ
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特表昭63-501120(JP,A)
【文献】特開2007-202371(JP,A)
【文献】米国特許第05801470(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00- 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータアセンブリの組立ておよびバランシング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法であって
、
ロータコアから半径方向に各々延び、互いに横方向に離間して環状空洞を画定する第1の端部キャップおよび第2の端部キャップを提供するステップであって、前記第1の端部キャップが第1の軸方向突出部を含み、前記第2の端部キャップが第2の軸方向突出部を含み、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部がそれぞれ環状空洞から離れるように延びる、ステップ
と、
前記環状空洞内に磁石を提供するステップ
と、
前記磁石を包囲して圧縮するために、前記第1の端部キャップおよび前記第2の端部キャップ上にスリーブを配置
して、前記スリーブは、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部を越えて軸方向に延びず、かつ前記スリーブの内部半径方向表面と前記第1の端部キャップおよび前記第2の端部キャップとの間にギャップが形成されるようにするステップ
と、
前記ロータアセンブリをバランシングするために、前記スリーブ、前記第1の軸方向突出部、
及び、前記第2の軸方向突出部のうちの少なくとも1つを半径方向にカッティングするステップ
と、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の端部キャップは前記ロータコア内の第1のナブ(nub)に圧入(press-fit)され、前記第2の端部キャップは前記ロータコア内の第2のナブに圧入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スリーブの
前記内部半径方向表面と前記第1および第2の軸方向突出部の表面との間に
前記ギャップを提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スリーブの第1の端部および第2の端部をテーパリングして前記ギャップを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の軸方向突出部上に第1の半径方向突出部を提供し、前記第2の軸方向突出部上に第2の半径方向突出部を提供して前記ギャップを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の端部キャップ上に第1の軸方向突出部をテーパリングし、前記第2の端部キャップ上に第2の軸方向突出部をテーパリングして前記ギャップを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の端部キャップまたは前記第2の端部キャップのうちの1つに停止部を提供することによって、前記スリーブを軸方向に位置決めするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
バランスカッティング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法であって
、
ロータアセンブリの第1の端部キャップおよび第2の端部キャップの外径に軸方向突出部を提供するステップ
と、
前記スリーブと前記軸方向突出部との間にギャップを提供するステップと、
前記ロータアセンブリをバランシングするために、前記スリーブまたは前記軸方向突出部のうちの少なくとも1つを半径方向にカッティングするステップ
と、を含む、バランスカッティング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法。
【請求項9】
前記スリーブの第1の端部および第2の端部をテーパリングして前記ギャップを形成する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記軸方向突出部上に第1および第2の半径方向突出部を提供して前記ギャップを形成する、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の端部キャップ上に第1の軸方向突出部をテーパリングし、前記第2の端部キャップ上に第2の軸方向突出部をテーパリングして前記ギャップを形成する、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の端部キャップまたは前記第2の端部キャップのうちの1つに停止部を使用して前記スリーブを軸方向に位置決めするステップをさらにと含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
ロータアセンブリであって
、
シャフトを収容するように構成され配置されるロータコア
と、
前記ロータコアから半径方向の外側に延び、互いに横方向に離間して環状空洞を画定する第1の端部キャップおよび第2の端部キャップ
と、
前記環状空洞内に嵌合するように構成され配置される少なくとも1つの磁石
と、
前記少なくとも1つの磁石を圧縮するように構成され配置されるスリーブ
と、を含み、
前記第1の端部キャップは第1の軸方向突出部を含み、前記第2の端部キャップは第2の軸方向突出部を含み、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部はそれぞれ前記環状空洞から離れるように延び
、前記スリーブは、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部を越えて軸方向に延びず、かつ、前記スリーブの内部半径方向表面と前記第1の端部キャップおよび前記第2の端部キャップとの間にギャップが形成される、ロータアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部は、それぞれ外面、内面、およびこれらの間に延びる軸方向表面を含む、請求項1
3に記載のロータアセンブリ。
【請求項15】
前記外面は、前記環状空洞に直ぐ隣接した半径方向突出部を含み、前記スリーブの
前記内面と前記環状空洞と対向して前記外面の残り部分との間に
前記ギャップを画定するように構成され配置される、請求項1
4に記載のロータアセンブリ。
【請求項16】
前記半径方向突出部は、前記スリーブの内面とシール部として作用して前記磁石を汚染物から保護する、請求項1
5に記載のロータアセンブリ。
【請求項17】
前記スリーブの
前記内面の各端部は、前記第1の軸方向突出部と前記第2の軸方向突出部との間に
前記ギャップを画定するようにテーパリングされる、請求項1
4に記載のロータアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の端部キャップまたは前記第2の端部キャップのうちの1つは、前記スリーブに対する軸方向停止部として作用するように構成され配置される半径方向突出部を含む、請求項1
3に記載のロータアセンブリ。
【請求項19】
前記半径方向突出部は、前記環状空洞と対向して前記外面の第1の端部から延びる、請求項1
8に記載のロータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月13日付で出願された米国特許出願第15/180,509号の利益を主張する。
【0002】
本開示が一般的に係わる分野は、ターボ機械を含む。
【背景技術】
【0003】
ターボ機械は、電気モータを含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの変形例は、ロータアセンブリの組立ておよびバランシング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法を含むことができ、前記方法は、ロータコアから半径方向に各々延び、互いに横方向に離間して環状空洞を画定する第1の端部キャップおよび第2の端部キャップを提供するステップであって、第1の端部キャップが第1の軸方向突出部を含み、第2の端部キャップが第2の軸方向突出部を含み、第1の軸方向突出部および第2の軸方向突出部がそれぞれ環状空洞から離れるように延びる、ステップ;環状空洞内に磁石を提供するステップ;磁石を包囲して圧縮するために、第1の端部キャップおよび第2の端部キャップ上にスリーブを配置するステップ;およびロータアセンブリをバランシングするために、スリーブ、第1の軸方向突出部、または第2の軸方向突出部のうちの少なくとも1つを半径方向にカッティングするステップを含む。
【0005】
いくつかの変形例は、バランスカッティング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法を含むことができ、前記方法は、ロータアセンブリの第1の端部キャップおよび第2の端部キャップの外径に軸方向突出部を提供するステップ;およびロータアセンブリをバランシングするために、スリーブまたは軸方向突出部のうちの少なくとも1つを半径方向にカッティングするステップを含む。
【0006】
いくつかの変形例は、ロータアセンブリを含むことができ、前記ロータアセンブリは、シャフトを収容するように構成され配置されるロータコア;ロータコアから半径方向の外側に延び、互いに横方向に離間して環状空洞を画定する第1の端部キャップおよび第2の端部キャップ;環状空洞内に嵌合するように構成され配置される少なくとも1つの磁石;および少なくとも1つの磁石を圧縮するように構成され配置されるスリーブ;を含み、第1の端部キャップは第1の軸方向突出部を含み、第2の端部キャップは第2の軸方向突出部を含み、第1の軸方向突出部および第2の軸方向突出部はそれぞれ環状空洞から離れるように延びる。
【0007】
本発明の範囲内の他の例示的な変形例が以下に提供された詳細な説明から明らかになるであろう。本発明の範囲内にて変形例を開示するにおいて、詳細な説明および特定の実施例は、単に例示の用途のために意図されており、本発明の範囲を限定することが意図されていないということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の範囲内の変形例の選択的な実施例は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0009】
【
図1】
図1は、いくつかの変形例による電気アシストターボチャージャシステムの概路図を示す。
【
図2】
図2は、いくつかの変形例によるロータアセンブリおよびステータアセンブリの部分断面図を示す。
【
図3】
図3は、いくつかの変形例によるロータアセンブリの部分断面図を示す。
【
図4】
図4は、いくつかの変形例によるロータアセンブリの部分断面図を示す。
【
図5】
図5は、いくつかの変形例によるロータアセンブリの部分断面図を示す。
【
図6】
図6は、いくつかの変形例によるロータアセンブリの部分断面図を示す。
【
図7】
図7は、いくつかの変形例によるロータアセンブリの部分断面図を示す。
【
図8】
図8は、いくつかの変形例によるロータアセンブリの部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後続の変形例の説明は、本来例示的にすぎないもので、本発明の範囲、その適用、または使用を限定することは一切目的としていない。
【0011】
図2を参照すると、いくつかの変形例において、電気モータ20は、ステータアセンブリ24によって駆動され得るロータアセンブリ32を含むことができる。いくつかの変形例において、ステータアセンブリ24は、界磁巻線(field winding)26によって通電され得る電磁石として動作することができる。ロータアセンブリ32は、ロータアセンブリ32の回転軸28に対するトルクを生成することができる界磁巻線26とロータアセンブリ32内の磁場との間の相互作用によってステータアセンブリ24によって回転され得る。いくつかの変形例において、1つ以上の永久磁石92が磁場を提供するのに使用され得る。以下で使用される用語「半径方向(radial)」は、シャフト30の回転軸28から延びるか、回転軸28に垂直な方向を指し、以下で使用される用語「軸方向(axial)」は、シャフト30の回転軸28に沿うか、回転軸28に平行な方向を指す。
【0012】
図2~
図7を参照すると、いくつかの変形例において、ロータアセンブリ32は、中空シリンダーであることができ、シャフト30(その変形例が
図2に示されている)を収容するように構成され配置され得るロータコア34を含むことができ、シャフト30は、変形例が
図1に示されているターボチャージャ22、eブースター(eBooster)、および廃熱回収機械を含むがこれに限定されない任意の数のシステムに作動可能に連結され得る。ロータコア34は、チタンを含むがこれに限定されない任意の数の耐久性の高強度非磁性材料または高ニッケル鋼を含むがこれに限定されない任意の数の合金鋼を含むことができる。いくつかの変形例において、第1および第2の端部キャップ36、64は、ロータコア34から半径方向の外側に延びることができ、ロータコア34の表面および第1および第2の端部キャップ36、64によって画定されるロータコア34と共に環状空洞94を形成するように構成され配置され得る。環状空洞94は、1つ以上の永久磁石92を収容するように構成され、配置され得る。ロータコア34および第1および第2の端部キャップ36、64は、変形例が
図2に示されている、ロータコア34と共に単一の連続的な部品であり得るか、または変形例が
図8に示されている、ロータコア34に取り付けることができる。第1および第2の端部キャップ36、64は、第1の端部キャップ36をロータコア34内の第1のナブ(nub)104内に圧入(press-fit)することおよび第2の端部キャップ64をロータコア34内の第2のナブ106内に圧入することを含むがこれに限定されない任意の数の変形例においてロータコア34に取り付けることができる。第1のナブ104および第2のナブ106は、第1および第2の端部キャップ36、64の端面110と同一の直径を有する開口108を有するように構成され配置され得る。
【0013】
いくつかの変形例において、ロータアセンブリ32は、中空シリンダーであることができ、ステータアセンブリ24と嵌合するように構成され配置され得るスリーブ98を含むことができ、その変形例が
図2に示されている。スリーブ98はまた、1つ以上の磁石92を圧縮するために、環状空洞94および1つ以上の永久磁石92を取り囲むように構成され配置されることができ、ロータアセンブリ32の高い回転速度によって過大な力を受けることができる1つ以上の永久磁石92に対する応力を保護して制限することができる。スリーブ98は、繊維補強ポリマーであり得る繊維補強複合材料を含むがこれに限定されない任意の数の耐久性材料を含むことができる。いくつかの変形例において、スリーブ98内の繊維は、スリーブ98の剛性に影響を及ぼすように配向され得る。
【0014】
製造中に、ロータアセンブリ32の回転バランス試験が行われることができる。回転バランス試験中に、ロータアセンブリ32のバランスは、ロータアセンブリ32の一部分を半径方向にカッティング96することによって調整され得る。いくつかの変形例において、端部キャップ36、64および/またはスリーブ98の少なくとも1つは、バランスカット96に起因するスリーブ98上の破壊点(failure point)または局所的な応力集中の生成を減少または防止するように構成され配置され得る。また、端部キャップ36、64および/またはスリーブ98の構成は、高い回転速度によってまたは端部キャップ36、64とスリーブ98との間の締り嵌め(interference fit)からの応力を減少させることもできる。
【0015】
図2を参照すると、いくつかの変形例において、第1の端部キャップ36は、ロータコア34から半径方向の外側に延びることができる第1の本体部38および環状空洞94から離れるように本体部38の外側端部40から軸方向の外側に延びることができるリップ(lip)または突出部42を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部42は、外面44、内面46、およびこれらの間に延びる軸方向表面48を含むことができる。リップまたは突出部42の外面44は、スリーブ98と同一平面になることができるように本体部38に垂直であり得る。リップまたは突出部42の内面46はまた、本体部38に垂直であり得るか、または外面44に向かって上向きの角度で延びることができる。第2の端部キャップ64は、第1の端部キャップ36と対称的に対向することができ、また、ロータコア34から半径方向の外側に延びることができる本体部66および環状空洞94から離れるように本体部66の外側端部68から軸方向の外側に延びることができるリップまたは突出部70を含むこともできる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部70は、外面72、内面74、およびこれらの間に延びる軸方向表面76を含むことができる。リップまたは突出部70の外面72は、外面72がスリーブ98と同一平面になることができるように本体部66に垂直であり得る。リップまたは突出部70の内面74はまた、本体部66に垂直であり得るか、またはテーパを形成するために、外面72に向かって上向きの角度で延びることができる。第1および第2の端部キャップ36、64上のリップまたは突出部42、70は、端部キャップ36、64の外径に追加の材料を提供することができ、追加の材料は、ロータの曲げ剛性(bending stiffness)を防止または減少させることができる。また、追加の材料は、バランスカット96がバランスカット96を示す点線から軸方向の外側のどこにでも第1の端部キャップ36、第2の端部キャップ64、またはスリーブ98のうちの少なくとも1つを通して形成され得るようにし、スリーブ98、特に炭素繊維を含むスリーブ98上の応力集中を防止または減少させることができる。
【0016】
図3を参照すると、いくつかの変形例において、スリーブ98は、外面100および内面102を含むことができる。内面102は、上向きに角度を付けるように構成され配置されることができ、スリーブ98の各端部にテーパを形成することができる。いくつかの変形例において、スリーブ98および端部キャップ36、64の構造は、スリーブ98の内面102の一部分および端部キャップ36、64の外面44、72によって画定される、スリーブ98と各端部キャップ36、64との間に空洞またはギャップ60、88を形成することができる。スリーブ98と端部キャップ36、64との間のギャップ60、88は、半径方向のバランスカット96がバランスカット96を示す点線上にまたは点線から軸方向の外側に第1の端部キャップ36、第2の端部キャップ64、またはスリーブ98のうちの少なくとも1つを通して形成され得るようにし、バランシングカッティング中にスリーブ98上の応力集中を防止または減少させることができる。
【0017】
図4を参照すると、いくつかの変形例において、第1の端部キャップ36上のリップまたは突出部42の外面44はまた、外面44の第2の端部56から外側に延びることができる第2の半径方向突出部52を含むこともできる。第2の半径方向突出部52は、外面44に垂直であり得るし、スリーブ98が第1の端部キャップ36を越えて延びることを防止し得るように、スリーブ98の高さの少なくても一部分を越えて延びることができる。いくつかの変形例において、第2の半径方向突出部52は、第1の半径方向突出部50の距離の少なくとも2倍に延びることができる。いくつかの変形例において、第2の半径方向突出部52は、スリーブ98の軸方向位置の精度を向上させることができるスリーブ98に対する軸方向停止部を提供するように構成され配置され得る。第1の端部キャップ36から延びる第2の半径方向突出部52は、例示的な目的でのみ前述されており、第2の半径方向突出部52は、その代わりに第2の端部キャップ64上に提供されることもできる。
【0018】
図5を参照すると、いくつかの変形例において、第1の端部キャップ36は、ロータコア34から半径方向の外側に延びることができる第1の本体部38および本体部38の外側端部40から軸方向の外側に延びることができるリップまたは突出部42を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部42は、外面44、内面46、およびこれらの間に延びる軸方向表面48を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部42の外面44は、スリーブ98の外面100と平行であり得るように本体部38に垂直であり得る。いくつかの変形例において、外面44はまた、環状空洞94に直ぐ隣接した外面44の第1の端部54から外側に延びることができる半径方向突出部50を含むこともできる。半径方向突出部50は、スリーブ98の内面102、半径方向突出部50、およびリップまたは突出部42の外面44によって画定される、スリーブ98と端部キャップ36との間に空洞またはギャップ60を生成するように構成され配置され得る。半径方向突出部50は、外面44に垂直であり得るか、または片面または両面上に角度を含むことができる。リップまたは突出部42の内面46はまた、本体部38に垂直であり得るか、またはテーパを形成するために、外面44に向かって上向きの角度で延びることができる。第2の端部キャップ64は、第1の端部キャップ36と対称的に対向することができ、ロータコア34から半径方向の外側に延びることができる本体部66および本体部66の外側端部68から軸方向の外側に延びることができるリップまたは突出部70を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部70は、外面72、内面74、およびこれらの間に延びる軸方向表面76を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部70の外面72は、スリーブ98の内面102と平行になるように、本体部66に垂直であり得る。いくつかの変形例において、外面72はまた、環状空洞94に直ぐ隣接した外面72の第1の端部82から外側に延びることができる半径方向突出部78を含むこともできる。半径方向突出部78は、スリーブ98の内面102、半径方向突出部78、およびリップまたは突出部70の外面72によって画定される、スリーブ98と第2の端部キャップ64との間に空洞またはギャップ88を生成するように構成され配置され得る。半径方向突出部78は、外面72に垂直であり得るか、または片面または両面上に角度を含むことができる。リップまたは突出部70の内面74はまた、本体部66に垂直であり得るか、またはテーパを形成するために、外面72に向かって上向きの角度で延びることができる。いくつかの変形例において、第1および第2の端部キャップ36、64上の半径方向突出部50、78は、1つ以上の永久磁石92を汚染物から保護することができる、スリーブ98と第1および第2の端部キャップ36、64との間にシール部を提供するように構成され配置され得る。いくつかの変形例において、第1および第2の端部キャップ36、64の構成は、バランスカット96を表示する点線上にまたは点線から軸方向の外側に第1の端部キャップ36、第2の端部キャップ64、またはスリーブ98のうちの少なくとも1つを通して半径方向のバランスカット96を可能にすることができる。スリーブ98と端部キャップ36、64との間の空洞またはギャップ60、88は、バランスカッティング中にスリーブ98上の応力集中を防止または減少させることができる。
【0019】
図6を参照すると、いくつかの変形例において、第1の端部キャップ36の外面44はまた、外面44の第2の端部56から外側に延びることができ、外面44に垂直であり得る第2の半径方向突出部52を含むこともできる。第2の半径方向突出部52は、スリーブ98が第1の端部キャップ36を越えて延びることを防止することができるように、スリーブ98の高さの少なくても一部分を越えて延びることができる。第1の端部キャップ36から延びる第2の半径方向突出部52は、例示的な目的でのみ前述されており、第2の半径方向突出部52は、その代わりに第2の端部キャップ64上に提供されることもできる。いくつかの変形例において、第2の半径方向突出部52は、第1の半径方向突出部50の距離の少なくとも2倍に延びることができる。いくつかの変形例において、第2の半径方向突出部52は、スリーブ98の軸方向位置の精度を向上させることができるスリーブ98に対する軸方向停止部を提供するように構成され配置され得る。いくつかの変形例において、第1および第2の端部キャップ36、64の構成は、バランスカット96を表示する点線上にまたは点線から軸方向の外側に第1の端部キャップ36、第2の端部キャップ64、またはスリーブ98のうちの少なくとも1つを通して半径方向のバランスカット96を可能にすることができる。
【0020】
図7を参照すると、いくつかの変形例において、第1の端部キャップ36は、ロータコア34から半径方向に延びることができる第1の本体部38および本体部38の外側端部40から軸方向に延びることができるリップまたは突出部42を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部42は、外面44、内面46、およびこれらの間に延びる軸方向表面48を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部42の外面44は、本体部38から下向きに角度を付けることができる。外面44の角度は、スリーブ98の内面102の一部分および端部キャップ36の外面44によって画定される、スリーブ98と端部キャップ36との間に空洞またはギャップ60を生成するように構成され配置され得る。リップまたは突出部42の内面46は、本体部38に垂直であり得るか、またはテーパを形成するために、外面44に向かって上向きの角度で延びることができる。第2の端部キャップ64は、第1の端部キャップ36と対称的に対向することができ、また、ロータコア34から半径方向の外側に延びることができる本体部66および本体部66の外側端部68から軸方向の外側に延びることができるリップまたは突出部70を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部70は、外面72、内面74、およびこれらの間に延びる軸方向表面76を含むことができる。いくつかの変形例において、リップまたは突出部70の外面72は、本体部66から下向きに角度を付けることができる。外面72の角度は、スリーブ98の内面102の一部分および端部キャップ64の外面72によって画定される、スリーブ98と端部キャップ64との間に空洞またはギャップ88を生成するように構成され配置され得る。いくつかの変形例において、第1および第2の端部キャップ36、64のリップまたは突出部42、70は、半径方向突出部42、70が1つ以上の永久磁石92を汚染物から保護することができる、スリーブ98と第1および第2の端部キャップ36、64との間にシール部を提供するように構成され配置され得る。いくつかの変形例において、第1および第2の端部キャップ36、64の構成はまた、バランスカット96を表示する点線上にまたは点線から軸方向の外側に第1の端部キャップ36、第2の端部キャップ64、またはスリーブ98のうちの少なくとも1つを通して半径方向のバランスカット96を可能にすることもできる。スリーブ98と端部キャップ36、64との間の空洞またはギャップ60、88は、バランスカッティング中にスリーブ98上の応力集中を防止または減少させることができる。
【0021】
端部キャップ36、64およびスリーブ98の前記変形例中のいずれかは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、任意の数の方式で組み合わせおよび/または再配置され得ることに留意しなければならない。
【0022】
後続の変形例の説明はただ本発明の範囲内にあると見なされる構成要素、要素、動作、製品および方法の例示であり、具体的に開示または明示的に記載されていないものによってこのような範囲を制限しようとするのでは断じてない。本明細書で説明された構成要素、要素、動作、製品および方法は本明細書で明示的に説明されたもの以外のものと組み合わされかつ再配置されることができ、そうしても本発明の範囲内にあると見なされる。
【0023】
変形例1は、ロータアセンブリの組立ておよびバランシング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法を含むことができ、前記方法は、ロータコアから半径方向に各々延び、互いに横方向に離間して環状空洞を画定する第1の端部キャップおよび第2の端部キャップを提供するステップであって、前記第1の端部キャップが第1の軸方向突出部を含み、前記第2の端部キャップが第2の軸方向突出部を含み、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部がそれぞれ環状空洞から離れるように延びる、ステップ;前記環状空洞内に磁石を提供するステップ;前記磁石を包囲して圧縮するために、前記第1の端部キャップおよび前記第2の端部キャップ上にスリーブを配置するステップ;および前記ロータアセンブリをバランシングするために、前記スリーブ、前記第1の軸方向突出部、または前記第2の軸方向突出部のうちの少なくとも1つを半径方向にカッティングするステップを含む。
【0024】
変形例2は、前記第1の端部キャップが前記ロータコア内の第1のナブ(nub)に圧入(press-fit)され、前記第2の端部キャップが前記ロータコア内の第2のナブに圧入される、変形例1に記載の方法を含むことができる。
【0025】
変形例3は、前記スリーブの内部半径方向表面と前記第1および第2の軸方向突出部の表面との間にギャップを提供するステップをさらに含む、変形例1または2に記載の方法を含むことができる。
【0026】
変形例4は、前記スリーブの第1の端部および第2の端部をテーパリングして前記ギャップを形成する、変形例1~3のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0027】
変形例5は、前記第1の軸方向突出部上に第1の半径方向突出部を提供し、前記第2の軸方向突出部上に第2の半径方向突出部を提供して前記ギャップを形成する、変形例1~3のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0028】
変形例6は、前記第1の端部キャップ上に第1の軸方向突出部をテーパリングし、前記第2の端部キャップ上に第2の軸方向突出部をテーパリングして前記ギャップを形成する、変形例1~3のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0029】
変形例7は、前記第1の端部キャップまたは前記第2の端部キャップのうちの1つに停止部を提供することによって、前記スリーブを軸方向に位置決めするステップをさらにと含む、変形例1~6のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0030】
変形例8は、バランスカッティング中にロータスリーブ上の応力集中を減少させるための方法を含むことができ、前記方法は、ロータアセンブリの第1の端部キャップおよび第2の端部キャップの外径に軸方向突出部を提供するステップ;および前記ロータアセンブリをバランシングするために、前記スリーブまたは前記軸方向突出部のうちの少なくとも1つを半径方向にカッティングするステップを含む。
【0031】
変形例9は、前記スリーブと前記軸方向突出部との間にギャップを提供するステップをさらに含む、変形例8に記載の方法を含むことができる。
【0032】
変形例10は、前記スリーブの第1の端部および第2の端部をテーパリングして前記ギャップを形成する、変形例9に記載の方法を含むことができる。
【0033】
変形例11は、前記軸方向突出部上に第1および第2の半径方向突出部を提供して前記ギャップを形成する、変形例9に記載の方法を含むことができる。
【0034】
変形例12は、前記第1の端部キャップ上に第1の軸方向突出部をテーパリングし、前記第2の端部キャップ上に第2の軸方向突出部をテーパリングして前記ギャップを形成する、変形例9に記載の方法を含むことができる。
【0035】
変形例13は、前記第1の端部キャップまたは前記第2の端部キャップのうちの1つに停止部を使用して前記スリーブを軸方向に位置決めするステップをさらに含む、変形例8~12のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0036】
変形例14は、ロータアセンブリを含むことができ、前記ロータアセンブリは、シャフトを収容するように構成され配置されるロータコア;前記ロータコアから半径方向の外側に延び、互いに横方向に離間して環状空洞を画定する第1の端部キャップおよび第2の端部キャップ;前記環状空洞内に嵌合するように構成され配置される少なくとも1つの磁石;および少なくとも1つの磁石を圧縮するように構成され配置されるスリーブ;を含み、前記第1の端部キャップは第1の軸方向突出部を含み、前記第2の端部キャップは第2の軸方向突出部を含み、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部はそれぞれ環状空洞から離れるように延びる。
【0037】
変形例15は、前記第1の軸方向突出部および前記第2の軸方向突出部がそれぞれ外面、内面、およびこれらの間に延びる軸方向表面を含む、変形例14に記載のロータアセンブリを含むことができる。
【0038】
変形例16は、前記外面が前記環状空洞に直ぐ隣接した半径方向突出部を含み、前記スリーブの内面と前記環状空洞と対向して前記外面の残り部分との間にギャップを画定するように構成され配置される、変形例15に記載のロータアセンブリを含むことができる。
【0039】
変形例17は、前記半径方向突出部が前記スリーブの内面とシール部として作用して前記磁石を汚染物から保護する、変形例15または16に記載のロータアセンブリを含むことができる。
【0040】
変形例18は、前記スリーブの内面の各端部が前記第1の軸方向突出部と前記第2の軸方向突出部との間にギャップを画定するようにテーパリングされる、変形例14または15に記載のロータアセンブリを含むことができる。
【0041】
変形例19は、前記第1の端部キャップまたは前記第2の端部キャップのうちの1つが前記スリーブに対する軸方向停止部として作用するように構成され配置される半径方向突出部を含む、変形例14~18のいずれか1つに記載のロータアセンブリを含むことができる。
【0042】
変形例20は、前記半径方向突出部が前記環状空洞と対向して前記外面の第1の端部から延びる、変形例19に記載のロータアセンブリを含むことができる。
【0043】
本発明の範囲内の選択的な変形例の前記説明は本質的に例示にすぎないものであり、したがって、その変形例または変更例は本発明の思想および範囲から逸脱するものと見なしてはならない。