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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】位置決めユニット及び接触方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220617BHJP
   B60L 53/35 20190101ALI20220617BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20220617BHJP
   B60L 53/31 20190101ALI20220617BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/35
B60L53/14
B60L53/31
H02J7/00 P
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019527433
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2017077972
(87)【国際公開番号】W WO2018095706
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】102016223051.4
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514217808
【氏名又は名称】シュンク トランジット ジステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パハラー アレクサンダー
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202014007218(DE,U1)
【文献】特開平07-186076(JP,A)
【文献】特開2012-244708(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101531141(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止した充電ステーションと車両、特に電気バス等との間に、電気的導電接続を形成するための位置決めユニット(10,44)であって、
前記位置決めユニットの充電接点(47,48)は、前記位置決めユニットによって、充電接触面(11)に対して相対的に移動可能、且つ、該充電接触面(11)に接触可能であり、
前記位置決めユニットは、
関節アーム装置(12,45)と、
該関節アーム装置を駆動するための駆動装置と、を有し、
前記充電接点は、前記関節アーム装置によって、電力伝送用の接触位置(37,65)と電力遮断用の格納位置(36,56)との間に配置可能であり、
前記駆動装置は、
前記関節アーム装置に作用する調整力を形成するための調整駆動装置(13,49)と、
該調整駆動装置を作動させることができる制御装置と、を有し、
前記駆動装置は、前記充電接触面又は前記充電接点を検出することができるセンサ装置(62,64)を有し、
前記センサ装置は、前記制御装置と結合されており、
前記充電接点が前記格納位置から前記接触位置へ移動する間における該充電接点の速度は、該充電接点と前記充電接触面との間の相対距離(A)に従って、前記制御装置によって、制御することができ
前記駆動装置は、前記調整駆動装置と機械的に協働するバネ装置(29,50)を有し、
前記位置決めユニット(10)は、該位置決めユニットを車両の上方でポール又はアンダーパスに固定するための保持装置(26)を含み、
前記バネ装置(29)は、前記関節アーム装置(12)に作用する復元力を形成するための少なくとも1つの復元バネ(30)を有し、
前記復元力は、前記復元バネに対して反対方向に作用する前記関節アーム装置の重力よりも大きい
ことを特徴とする、位置決めユニット。
【請求項2】
前記調整駆動装置(13,49)によって、前記充電接触面(11)に作用する接触力を形成することができ、
前記調整駆動装置は、
前記制御装置と、
該制御装置によって作動させることができる電気モータと、を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の位置決めユニット。
【請求項3】
前記調整駆動装置(13,49)は、
リニア駆動装置(28,57)、
好ましくはスピンドル駆動装置、
特に好ましくはセルフロックなしのスピンドル駆動装置である
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の位置決めユニット。
【請求項4】
前記センサ装置は、少なくとも1つのセンサ(61,63)を有し、
前記センサは、機械スイッチ、誘導センサ、静電容量センサ、磁気センサ、超音波センサ、レーダセンサ及び/又は光学センサである
ことを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1つに記載の位置決めユニット。
【請求項5】
前記センサ(61,63)は、
前記関節アーム装置(12,45)上、特に前記充電接点(47,48)に隣接して、
又は前記充電接触面(11)上に、配置される
ことを特徴とする、請求項4に記載の位置決めユニット。
【請求項6】
前記調整駆動装置(13,49)及び/又は前記関節アーム装置(12,45)は、変位センサ及び/又は位置センサを有する
ことを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか1つに記載の位置決めユニット。
【請求項7】
前記位置決めユニット(44)は、該位置決めユニットを車両のルーフに固定するための保持装置(51)を含み、
前記バネ装置(50)は、前記関節アーム装置(45)に作用する吊上げ力を形成するための少なくとも1つの吊上げバネ(54)を含み、
前記吊上げ力は、前記吊上げバネに対して反対方向に作用する前記関節アーム装置の重力よりも小さい
ことを特徴とする、請求項に記載の位置決めユニット。
【請求項8】
前記駆動装置は、車両のデータバスと結合するように構成されている
ことを特徴とする、請求項1からのうちいずれか1つに記載の位置決めユニット。
【請求項9】
静止した充電ステーションと車両、特に電気バス等との間に、電気的導電接続を形成するための接触方法であって、
位置決めユニット(10,44)の充電接点(47,48)は、該位置決めユニットによって、充電接触面(11)に対して相対的に移動し、且つ、該充電接触面に接触し、
前記位置決めユニットの関節アーム装置(12,45)は、該位置決めユニットの駆動装置によって駆動し、
前記充電接点は、前記関節アーム装置によって、電力伝送用の接触位置(37,65)と電力遮断用の格納位置(36,56)との間に配置され、
前記関節アーム装置に作用する調整力は、前記駆動装置の調整駆動装置(13,49)によって形成され、
前記調整駆動装置は、制御装置によって作動し、
前記駆動装置において前記制御装置と結合されたセンサ装置(62,64)は、前記充電接触面又は前記充電接点を検出し、
前記充電接点が前記格納位置から前記接触位置へ移動する間における該充電接点の速度は、該充電接点と前記充電接触面との間の相対距離(A)に従って、前記制御装置によって、制御され
前記駆動装置の他のセンサ装置は、前記充電ステーション又は前記車両を検出し、
前記制御装置は、
前記格納位置及び前記接触位置(37,65)における前記充電接点(47,48)の相対距離を決定し、
前記車両が前記充電ステーションで停止する前に、前記充電接点の前記格納位置からの移動を開始する
ことを特徴とする、接触方法。
【請求項10】
前記充電接点(47,48)が前記格納位置(36,56)から前記接触位置(37,65)へ移動する間、該充電接点は、最初に正の方向に加速され、後の時点で負の方向に加速される
ことを特徴とする、請求項に記載の接触方法。
【請求項11】
前記充電接点(47,48)が前記格納位置(36,56)から前記接触位置(37,65)へ移動する間、該充電接点(47,48)は、該接触位置に到達する前に、第1の移動区間では一定及び/又は最大速度で移動し、第2の移動区間では比較的遅い速度で移動する
ことを特徴とする、請求項又は10に記載の接触方法。
【請求項12】
前記一定又は最大速度は、100mm/s以上、好ましくは360mm/s以上、特に好ましくは500mm/s以上である
ことを特徴とする、請求項11に記載の接触方法。
【請求項13】
前記接触位置に到達した時点で、前記比較的遅い速度は、前記一定及び/又は最大速度の少なくとも70%、好ましくは50%、特に好ましくは30%、又は0mm/sである
ことを特徴とする、請求項11又は12に記載の接触方法。
【請求項14】
前記速度は、前記接触位置(37,65)に到達する前に、相対距離(A)が150mm以下、好ましくは100mm以下、特に好ましくは50mm以下において、減速される
ことを特徴とする、請求項から13のうちいずれか1つに記載の接触方法。
【請求項15】
前記速度は、前記接触位置に到達する前に、線形関数又は近似関数に従って、減速される
ことを特徴とする、請求項から14のうちいずれか1つに記載の接触方法。
【請求項16】
前記センサ装置(62,64)のうち少なくとも1つのセンサ(61,63)は、相対距離(A)の距離値又は所定の閾値を、前記制御装置に継続的に送信する
ことを特徴とする、請求項から15のうちいずれか1つに記載の接触方法。
【請求項17】
接触力は、前記調整駆動装置(13,49)によって、前記充電接触面(11)に及ぼされ、
前記調整駆動装置の電気モータ(43,58)は、前記制御装置によって、作動する
ことを特徴とする、請求項から16のうちいずれか1つに記載の接触方法。
【請求項18】
前記電気モータ(43,58)のトルクは、前記制御装置によって検出され、
前記接触力は、前記制御装置によって、前記電気モータの前記トルクに従って、制御される
ことを特徴とする、請求項17に記載の接触方法。
【請求項19】
前記制御装置は、
前記充電接点(47,48)及び/又は道路上における前記接触位置(37,65)の相対的な高さを決定し、
前記道路上における前記車両の高さを決定する
ことを特徴とする、請求項に記載の接触方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止した充電ステーションと車両、特に電気バス等との間に、電気的導電接続を形成するための位置決めユニット、及び接触方法に関する。
【背景技術】
【0002】
位置決めユニットの充電接点は、該位置決めユニットによって、充電接触面に対して相対的に移動可能、且つ、充電接触面に接触可能である。位置決めユニットは、関節アーム装置と、関節アーム装置を駆動するための駆動装置とを有する。充電接点は、関節アーム装置によって、電力伝送用の接触位置と電力遮断用の格納位置との間に、配置可能である。駆動装置は、関節アーム装置に作用する調整力を形成するための調整駆動装置を有する。駆動装置は制御装置を有し、調整駆動装置を作動させることができる。
【0003】
このような位置決めユニット及び接触方法は、最新技術から知られており、ステーション間を運行する電気駆動車両に通常使用されている。これは、電気バスだけでなく、基本的には他の車両、例えば、電気的に恒久的には接続されない列車や路面電車、等であってもよい。これらの車両では、電気エネルギー貯蔵装置の充電は、車両がステーションで停止している間に、充電ステーションを介して行われる。ステーションにおいて、車両は、充電ステーションに電気的に接続される。エネルギー貯蔵装置は、少なくとも車両が充電ステーションを有する次のステーションに到達するのに十分に充電される。車両と充電ステーションとの間の電気的接続を確立するために、車両のルーフ上、あるいは車両の上、例えばポール上に取り付けることが可能な位置決めユニットが使用される。位置決めユニットは、充電接点を充電接触面に接続することができ、それにより、車両、というよりもむしろエネルギー貯蔵装置を、ステーションにおいて、充電することが可能となる。
【0004】
充電接点を充電接触面に接続するとき、安全な電気的接続を確立することができるように、充電接点が所定の接触力で充電接触面に押し付けられることが不可欠である。特許文献1から、車両上方の位置決めユニットが知られており、この位置決めユニットは、関節アーム装置と駆動装置とを備えている。駆動装置は、調整駆動装置と、バネ装置と、を有する。これらは、車両の充電接触面に対して関節アーム装置を相対移動させるという、目的を果たす。特に、関節アーム装置の上方への移動は、調整駆動装置の調整力を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国実用新案公開第202014007218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知の位置決めユニットについては、車両への電力伝送のための接触位置に対する、充電接点の格納のための格納位置における、位置決めユニットの距離を意味する、規定された接触高さとなるように、設計且つ配置されなければならないという点で、常に不利である。これは、接触位置と格納位置との間の相対距離が可変的に使用可能ではなく、構造的な変更を通して頻繁に設定又は調整しなければならないことを意味する。なぜなら、そうしなければ、必要な又は所望の接触力を充電接触面に加えることができないからである。特に、車種、ひいては車両の高さが変化すると、道路上における車両の接触面の高さの違いの結果として、格納位置と接触位置との間の相対距離が大きく変動する可能性がある。同様のことは、車両の様々な積荷、又は、例えば身体障害者の進入を容易にするために、駅周辺の車両又はバスを降下させることにも当てはまる。車両が降下するとき、接触力がもはや支持されなくなると、充電接点は、充電接触面に対して垂直方向に移動する。
【0007】
他の欠点は、充電接点が延長されているとき、充電接点の延長が比較的遅いことである。しかしながら、ステーション周辺での停車中に車両が充電されると想定される場合には、車両の充電のために、車両の停止時間をできる限り有効利用すべきである。しかしながら、接触プロセス中に、充電接点又は充電接触面が損傷を受ける可能性又は比較的早く摩耗する可能性があるため、充電接点をできるだけ急速に延長させて、充電接触面と充電接点とを素早く接触させることは必ずしも容易に可能ではない。さらに、充電接点と充電接触面との接触は、乗客又は駅の近くに住んでいる人々を、混乱又は不安にさせる可能性のある望ましくない騒音を発生させる可能性がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、充電時間を長くすること及び車両を安全に接触させることを可能にする、車両と充電ステーションとの間の電気的導電接続を形成するための位置決めユニット及び接触方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有する位置決めユニット及び請求項11の特徴を有する接触方法によって達成される。
【0010】
位置決めユニットは、静止した充電ステーションと車両、特に電気バス等との間に、電気的導電接続を形成するためのものである。上記位置決めユニットの充電接点は、上記位置決めユニットによって、充電接触面に対して相対的に移動可能、且つ、充電接触面に接触可能である。上記位置決めユニットは、関節アーム装置と、この関節アーム装置を駆動するための駆動装置と、を有する。上記充電接点は、上記関節アーム装置によって、電力伝送用の接触位置と電力遮断用の格納位置との間に配置可能である。上記駆動装置は、上記関節アームに作用する調整力を形成するための調整駆動装置と、上記調整駆動装置を作動させることができる制御装置と、を有する。上記駆動装置は、上記充電接触面又は上記充電接点を検出することができるセンサ装置を有する。このセンサ装置は、上記制御装置と結合される。上記充電接点が上記格納位置から上記接触位置へ移動する間における上記充電接点の速度は、上記充電接点と上記充電接触面との間の相対距離(A)に従って、上記制御装置によって、制御することができる。
【0011】
そして、位置決めユニットは、電動車両用の静止した充電ステーション又は電動車両の一部とすることができる。位置決めユニットは、充電ステーション又は車両の充電接点を、車両又は充電ステーションの充電接触面上に移動させて、それらを電気的に接続するという目的を果たす。充電ステーションでの停止中、車両に電気エネルギーを供給し、且つ、このエネルギーを車両に貯蔵することが可能である。充電接触面上への充電接点の往復移動は、位置決めユニットの関節アーム装置及び駆動装置によって行われる。この目的のために、充電接点は、関節アーム装置の一端に配置されている。駆動装置は、充電接点、ひいては関節アーム装置を、充電接点の格納のための格納位置から、電力伝送又は充電接点と充電接触面との接触のための接触位置まで、移動させるという目的を果たす。関節アーム装置に作用する調整力は、駆動装置の調整駆動によって生じる。調整力は、関節アーム装置の機構又は調整駆動の伝達に依存し、充電接点の移動中にほとんど変化しない。
【0012】
さらに、駆動装置は、制御装置を有する。この制御装置は、例えば、調整駆動用の電子制御機器の形態であってもよい。電子制御機器は、調整駆動装置内、車両内又は充電ステーション内に、直接一体化することができる。さらに、センサ装置によって、充電接触面又は充電接点を検出又は記録し、それらの位置を決定することが可能である。センサ装置は制御装置と結合されているので、充電接点と充電接触面との間の相対距離を決定すること、又は制御装置を使用してそれを計算することが可能になる。この点に関して、センサ装置が直接電線を介して制御装置に接続されているかどうか、又は結合が無線であるかどうかは基本的に重要ではない。相対距離を決定することによって、充電接点と充電接触面との間の相対距離に応じて、制御装置によって、充電接点が格納位置から接触位置に移動する間における充電接点の速度を制御することが可能になる。このように、充電接点が格納位置から接触位置に移動する最後の段階において、充電接点が十分ゆっくりと移動する限り、最初はどの程度の速度であっても構わない。この接触プロセスによって、充電接点又は、充電接触面が損傷を受けたり、望ましくないレベルのノイズが発生したりすることはない。充電接点の延長移動及び速度の制御は、充電接点と充電接触面とのより速い接触を可能にするので、ステーションでの停車中の車両の充電時間を有利に延長することができる。同時に、充電接点と充電接触面との接触中におけるノイズ放出に、有利に影響させることができる。任意に、接触位置から格納位置への充電接点の移動も、同様に、制御装置によって制御することができる。
【0013】
調整駆動装置は、充電接触面に作用する接触力を形成することができる。調整駆動装置は、制御装置と、制御装置によって作動することができる電気モータと、を有することができる。したがって、接触位置において、充電接触面に作用する所定の接触力を、位置決めユニットによって形成することができる。一方、格納位置では、関節アーム装置には調整力が全く作用しないか、又はごくわずかしか作用することができず、これは、関節アーム装置及び充電接点が動くことができないことを意味する。充電接点と充電接触面とが接触している間、調整駆動装置によって、調整力を増加させることができ、充電接触面に作用する接触力が形成又は増加される。制御装置は、特に、例えば消費エネルギーを介して電気モータのトルクを検出することができ、電気モータの所定の接触力が関節アーム装置及び充電接点を介して充電接触面に及ぼされるように、電気モータを制御することができる。次いで、任意にまた様々な影響因子に従って、関節アーム装置への、適用可能であれば充電接点への直接的な力の作用を、能動的に調整することが可能である。それによって、充電接触面と位置決めユニットとの間の相対距離又は車両の高さに関係なく、充電接触面に作用する常に一定の接触力を形成することができる。
【0014】
調整駆動装置がブラシレス電気モータを有する場合、特に多数の移動サイクルを実行することができる。ブラシレス電気モータは、同じ機械的性能特性を有するブラシ付き電気モータよりも著しく少ない、そしてより長いメンテナンス間隔を必要とする。それによって、延長されたメンテナンス間隔又はより長い耐用年数を有する位置決めユニットを設計することが全体的に可能である。リス籠状ロータを備えた三相非同期誘導機、又は回転磁界を発生させる同期誘導機又はブラシレスDCモータは、例えば、ロータとステータとの間の滑り接触なしに、ブラシレスモータ又は電気モータとして使用することができる。
【0015】
調整駆動装置は、リニア駆動装置、好ましくはスピンドル駆動装置、特に好ましくはセルフロックなしのスピンドル駆動装置とすることができる。スピンドルドライブは、これに対応するスピンドルを備える。スピンドルは、ピッチを有しており、スピンドルドライブのセルフロックを防止することができる。リニア駆動装置は、関節アーム装置の格納位置から接触位置への移動及びその逆の移動を引き起こすことができる。スピンドルは、特に、電気モータに結合することができるボールねじスピンドル又は台形ねじスピンドルとすることができる。
【0016】
センサ装置は少なくとも1つのセンサを有することができる。センサは、機械スイッチ、並びに誘導センサ、容量センサ、磁気センサ、超音波センサ、レーダセンサ及び/又は光学センサとすることができる。センサ装置は、同一又は異なる種類の多数の複数のセンサを任意に有することもできる。このようにして、センサが故障した場合、又は環境条件が変化した場合に、少なくとも1つのセンサが充電接触面を検出できることを保証することができる。単純な実施形態では、センサは、充電接触面との接触を確立し、それゆえ充電接触前であっても起動される機械スイッチとすることができる。小さなスイッチング距離しか必要とされない場合、誘導型及び容量型近接センサが特に有利である。より大きなスイッチング距離は、磁気センサを使用して実現できる。超音波センサは、十分な範囲を有し、比較的頑丈である。充電接触面が汚れや雪の層で覆われている場合でも、レーダセンサは、充電接触面までの距離を測定できる。光学センサは、距離測定に特に適しており、環境条件から比較的独立している。光センサは、赤外光、レーザ、又は単純な発光ダイオードを使用して実現することができる。
【0017】
センサは、関節アーム装置上、特に充電接点に隣接して、又は充電接触面上に配置することができる。実質的な態様は、センサが、充電接触面と充電接点との間の相対距離を検出できるように配置されていることである。これに関連して、センサは、充電接点に近い関節アーム装置の遠位端に配置されることを想定することができる。センサが充電接点及び相対距離を検出できる場合、センサを充電接触面に配置することもできる。充電接触面に配置されたセンサは、例えば、距離情報を制御装置に無線で送信することができる。この場合、制御装置が車両に搭載されていても、あるいはその逆であっても、充電ステーションに対応するセンサを装備することが可能である。
【0018】
調整駆動装置及び/又は関節アーム装置は、変位センサ及び/又は位置センサを有することができる。変位センサを使用することによって、関節アーム装置が調整駆動装置によって動くことができる範囲を設定することが可能である。変位センサとしては、例えば、インクリメンタルエンコーダやアブソリュートエンコーダを用いることができる。調整駆動装置又は充電接点の正確な作業位置を常に規定することも可能である。調整駆動装置は、また、位置に応じて操作可能なリミットスイッチ及び/又は力に応じて操作可能な圧力スイッチを有することができる。また、調整駆動装置を、ある限られた位置までしか延長できないようにすることで、接触力の高さを制限することもできる。さらに、調整駆動自体を制限することができるように接触力を制限するための圧力スイッチ又は制限スイッチを追加的に使用することができる。圧力スイッチは、充電接点に直接配置することも、関節アーム装置又は調整駆動装置に配置することもできる。しかしながら、これらのセンサは、センサ装置の一部ではないので、充電接点と充電接触面との間の相対距離を直接決定するために、それらを使用することはできない。
【0019】
駆動装置は、調整駆動装置と機械的に協働するバネ装置を有することができる。バネ装置は、関節アーム装置に付勢力を発生させることができる少なくとも1つの引張バネ又は1つの圧縮バネを有することができる。引張バネは関節アーム装置に特に容易に接続することができるので、引張バネを使用することが好ましい。バネ装置が複数のバネを有し、付勢力が関節アーム装置に絶えず作用していることを、意図することもできる。したがって、バネは、関節アーム装置の各位置においてプレストレスをかけることができる。あるいは、圧縮バネを用いて付勢力を形成することができる。このようなバネ装置は、特に頑丈であり、そして容易且つ安価に製造することができる。
【0020】
バネ装置のバネは、バネ装置におけるトランスミッションのレバーによって、関節アーム装置と機械的に連結することができ、レバーの有効長は、関節アーム装置の位置に従って可変となるように設計される。したがって、レバーを関節アーム装置に直接取り付けることができるので、バネの付勢力を、関節アーム装置に、直接伝達することができる。付勢力の方向とアームの延長方向との間の角度が90°以下又は90°以上の場合、バネにおける付勢力の位置又は方向、及び関節アーム装置上のレバーの配置に応じて、レバーの有効長を短くすることができる。また、レバーの有効長は、例えばカム又はドローバーによって形成された、エンドストップを有する復元ギアを介して、バネを、関節アーム装置に取り付けることによって調整することもできる。そのとき、カムは、復元ギアのレバーを形成する。バネに対するカムの相対位置に応じて、レバーの有効長が影響を受けることができる。このようにして、関節アーム装置の位置に関係なく、関節アーム装置に、常に同じ量の復元力を達成することができ、又は、以下の各条件に従って、関節アーム装置の位置に応じて、復元力を増減することができる。復元力は、また、調整力及び接触力に合わせることもできる。例えば停電によって、調整駆動が失敗した場合に、関節アーム装置のあらゆる位置における復元力の結果として、充電接点の後退が自動的に行われるように、復元力が決定されることが有利である。このようにして、位置決めユニットを特に安全な方法で操作することができる。
【0021】
有利な実施形態では、位置決めユニットは、この位置決めユニットを車両上のポール又はアンダーパスに固定するための保持装置を含む。バネ装置は、少なくとも、関節アーム装置に作用する復元力を形成するための復元バネを含むことができる。この場合、復元力は、復元バネに反対方向に作用する関節アーム装置の重力よりも大きい。保持フレームは、例えば、関節アーム装置及び調整駆動装置用の固定ベアリングを形成する又は含むことができる。特に、復元バネ又は調整駆動装置は、保持フレーム上の固定ベアリングに直接取り付けることができる。保持フレームは、また、特に単純に、ポール若しくはアンダーパス、だけでなく、ステーションのルーフ、トンネル、又は車両が運転することができる同様の施設に取り付けることができる。位置決めユニットを車両の上方に配置することができるという事実により、調整駆動装置は、接触要素を降下させるための降下駆動装置として形成することができ、バネ装置又は復元バネと機械的に協働することができる。バネ装置が少なくとも1つの復元バネによって、関節アーム装置に復元力を発生させる場合、充電接点は、充電接点と充電接触面との接触後に、車両上方における位置決めユニット上の格納位置に容易に復元することができる。この場合、復元バネに反対方向に作用する関節アーム装置の重力よりも、復元力の方が大きい可能性があるので、調整駆動装置を作動させずに又は電源を供給せずに、関節アーム装置を、接触位置から格納位置へ、移動させることができる。たとえ充電接点が格納位置にあっても、復元力は、重力に釣合うものであって、且つ、関節アーム装置に追加の力が作用しないときに、充電接点が降下又は延長するのを防ぐために、重力よりもわずかに大きいことが好ましい。
【0022】
別の有利な実施形態では、位置決めユニットは、位置決めユニットを車両のルーフに固定するための保持装置を含むことができる。バネ装置は、関節アーム装置に作用する吊上げ力を形成するための少なくとも1つの吊りバネを含むことができる。その場合、吊上げ力は、吊りバネに反対方向に作用する関節アーム装置の重力よりも小さくすることができる。保持フレームは、また、関節アーム装置及び駆動装置のための固定ベアリングを形成又は含むことができるが、その場合、それは車両のルーフに取り付けられる。保持フレームは、ダンパ、脚、及び/又はアイソレータを介してルーフに簡単に取り付けることができる。このようにして、位置決めユニットを、特に容易に交換することができる。位置決めユニットが車両のルーフに取り付けられている場合、調整駆動装置は、バネ装置と機械的に協働することができる充電接点を延ばすための昇降駆動装置とすることができる。この場合、充電接触面と充電接点との接触は、バネ装置が少なくとも、関節アーム装置に作用する調整駆動装置の調整力と協働して吊上げ力を形成するための吊りバネを備えている場合には、単に充電接点を接触位置に延ばすことによっても行うことができる。吊上げ力は、吊りバネに反対方向に作用する関節アーム装置の重力よりも小さくすることができる。したがって、調整駆動装置によって起動されることなく、関節アーム装置及び関節アーム装置に配置された充電接点の重力によって、関節アーム装置を接触位置から格納位置に移動させることができる。例えば停電の場合に、充電接点の降下を確実にするために、吊上げ力の反対方向に作用する重力は、上記重力よりわずかに小さいことが好ましい。さらに、それにもかかわらず、関節アーム装置の延長中に、関節アーム装置に調整力を作用させるとき、吊上げ力が調整駆動装置を支持しているので、小さな調整力のみを加える必要がある。
【0023】
関節アーム装置は、好ましくは単一アームシステムとして、平行四辺形リンケージを備えたパンタグラフとして、又はシザー機構として設計することができる。それによって、関節アーム装置は、充電接点の格納位置から充電接触面上の接触位置に向かって開始する充電接点の平行移動を可能にすることができる。滑らかな運動シーケンスを確実にする追加のダンパ要素を関節アーム装置に配置することができる。
【0024】
駆動装置は、車両のデータバスと結合するように構成することができる。このようにして、例えば調整駆動装置を、データバスを介して、直接作動させることができる。センサ装置をデータバスに接続することもでき、それによって制御装置を車両内の任意の場所に配置することができる。
【0025】
静止した充電ステーションと車両、特に電気バス等との間に、電気的導電接続を形成するための本発明による接触方法では、位置決めユニットの充電接点は、上記位置決めユニットによって、充電接触面に対して相対的に移動し、且つ、上記充電接触面に接触し、上記位置決めユニットの関節アーム装置は、上記位置決めユニットの駆動装置によって駆動し、上記充電接点は、上記関節アーム装置によって、電力伝送用の接触位置と電力遮断用の格納位置との間に配置され、上記関節アーム装置に作用する調整力は、上記駆動装置の調整駆動装置によって形成され、上記調整駆動装置は、制御装置によって作動し、上記駆動装置において上記制御装置と結合されたセンサ装置は、上記充電接触面又は上記充電接点を検出し、上記充電接点が上記格納位置から上記接触位置へ移動する間における上記充電接点の速度は、上記充電接点と上記充電接触面との間の相対距離(A)に従って、上記制御装置によって、制御される。本発明による接触方法の有利な効果に関して、本発明による位置決めユニットの利点の説明が参照される。
【0026】
充電接点が格納位置から接触位置に移動する間、充電接点は最初の時点で正の加速度を受け、後の時点で負の加速度を受けることができる。特に、充電接触面又は充電接点の検出後、負の加速度は、充電接点と充電接触面との間の所定の相対距離で、充電接点に作用することができる。
【0027】
充電接点が格納位置から接触位置に移動する間、充電接点は、第1の移動区間では一定及び/又は最大速度で移動することができ、接触位置に到着する前における第2の移動区間では比較的遅い速度で移動することができる。これは、充電接点を、接触位置の少し前で減速させて充電接触面と接触させるために、充電接点が最初にできるだけ速くに、格納位置から延長することを意味する。このように充電接点の延長を制御することにより、充電接点と充電接触面との接触を従来よりも早く確立することができ、充電時間を長くすることができるという利点がある。また、充電接点を充電接触面に到達する前に減速させたり、充電接点と充電接触面とが比較的ゆっくり接触するように減速させたりすることができる。このようにして、充電接点及び充電接触面に対する機械的損傷及びそれらの摩耗の可能性を低減することができる。さらに、接触中の騒音はほとんどない。
【0028】
一定又は最大速度は、毎秒100mm以上、好ましくは毎秒360mm以上、特に好ましくは毎秒500mm以上とすることができる。
【0029】
接触位置に到達したときの減速速度は、一定及び/又は最大速度の少なくとも70%、好ましくは50%、特に好ましくは30%、又は毎秒0mmとすることができる。したがって、充電接点が最大速度で充電接触面に衝突しないことが保証される。相対距離を決定することによって、制御装置は、また、減速された速度を、それが毎秒0mmであるように、又は、充電接点が接触位置に到達すると停止されるように十分に低くすることもできる。
【0030】
接触位置に到達する前に150mm以下、好ましく100mm以下、特に好ましくは50mm以下の相対距離で速度を低下させることができる。上記相対距離は、依然として様々なセンサの検出範囲内にあり、したがってセンサ装置によっても容易に決定することができる。また、充電接点は、その経路の大部分に亘って、充電接触面の方向に高速で移動することができる。
【0031】
接触位置に到達する前に、線形関数又は近似関数に従って速度を低下させることができれば、特に有利である。制御装置は、例えば、充電接点が所定の相対距離を下回ったときに、センサ装置からの信号の後に速度の低下を制御する制御要素を有することができる。
【0032】
また、センサ装置のうち少なくとも1つのセンサは、制御装置の距離値又は相対距離の所定の閾値を連続的に送信することができる。例えば、センサは、相対距離又は相対距離の現在値を制御装置に恒久的に送信することを想定することができる。代替的には、センサは、距離が以前に規定された相対距離を下回る場合、少なくとも1回は制御装置に信号を送信することができる。信号を受信すると、制御装置は、充電接点の速度を低下させることができる。
【0033】
調整駆動装置は、充電接触面に接触力を及ぼすことができ、調整駆動装置の電気モータは、制御装置によって作動させることができる。
【0034】
電気モータのトルクは、制御装置によって、検出することができ、接触力は、制御装置によって、電気モータのトルクに従って、制御することができる。
【0035】
接触力は、充電接触面、又は位置決めユニットにおける格納位置に対する接触位置の相対距離とは、無関係に形成することができる。したがって、道路に対して異なる高さを有する車両にも位置決めユニットを用いて接触させることが可能である。
【0036】
接触位置において、充電接触面又は位置決めユニットにおける格納位置からの接触位置の相対距離の調整中、接触力は一定とすることができる。道路に対する車両の相対距離の変化は、常に接触位置と格納位置との間の相対距離の変化ももたらす。相対距離の変化は、走行ギアを介して車両が降下していること、又は車両が積載されていることによって引き起こすことができる。接触力は調整力に対して比較的大きいので、相対距離が変化しても、接触力は実質的に一定とすることができる。接触力が制御装置によって電気モータのトルクに従って制御される場合、一定の接触力を相対距離から独立してさらに容易に形成することができる。車両を降下させることによって相対距離が増加すると、接触力ひいては直接電気モータのトルクが減少し、その場合、トルクは、制御装置によって再び増加し、その結果、一定の接触力を得ることができる。逆に、相対距離を減少させると、接触力、すなわちトルクが増加し、制御装置は、トルクを減少させることによって、それに対抗することができる。
【0037】
電気モータのトルクは、制御装置によって、関節アーム装置の位置又は調整駆動に従って設定することができる。それによって、関節アーム装置、及び該当する場合には接触要素への直接的な力作用を、関節アーム装置のそれぞれの位置に理想的に合わせることが可能であり、したがって、充電接触面に作用する直接的な力も、関節アーム装置の位置に関係なく実質的に一定とすることができる。関節アーム装置の位置は、例えば変位センサを介して検出することができ、制御装置によって、その位置に従ってトルクを事前に調整することができるので、接触力の調整のためにトルクを制御するための面倒な工程が必要なくなる。
【0038】
トルクの制限値を超えると、制御装置は、接触位置に達したことを検出することもできる。充電接点は、接触位置で、充電接触面と遭遇し、それにより電気モータのトルクが著しく増大する。このトルクの増加は、制御装置が接触位置に到達したこととして検出することができる。例えば、接触位置にある電気モータのトルクを再調整するだけでよいので、電気モータのおそらく存在する速度制御を停止することができる。また、充電ステーションからのエネルギー伝達のためのイネーブル信号は、例えば制御装置によって接触位置で解放することができる。したがって、接触位置を検出するためのさらなるセンサは不要である。
【0039】
トルクの目標値に達すると、電気モータのトルクを制限し、制御装置によって常に維持することができる。トルクを制限することによって、電気モータの始動時の過負荷が防止される。さらに、接触力を一定にすることも可能である。同じことが充電接点の延長及び後退速度にも当てはまり、それは限界内で増加させることができる。
【0040】
トルクの目標値は、制御装置によって±10%の許容範囲内で制御することができる。この公差範囲は、実質的に一定の接触力を形成するために完全に十分であり、そのため、制御装置を介して電気モータのトルクを特に正確に検出することは不要である。したがって、制御装置をより安価に設計することができる。
【0041】
電気モータの最高速度は、制御装置によって、電気モータの運転時0~7秒以内、好ましくは1~3秒以内に達することができる。このようにして、調整駆動装置及び関節アーム装置の直接的な力作用並びに振動を回避又は低減することができる。このようにして制御された電気モータの始動は、位置決めユニットの耐用年数の延長にもつながる。
【0042】
電気モータの速度は、充電接点が少なくとも一部区間で一定の速度で移動するように制御装置によって制御することができる。例えば、格納位置から開始して、充電接点が最初に正の加速度で延長されるか又は負の加速度で引き込まれるが、充電接点の接触位置への移動距離の大部分は、定速で行われると考えられる。
【0043】
充電ステーション又は車両は、駆動装置の別のセンサ装置によって検出することができ、制御装置は、格納位置及び接触位置における充電接点の相対距離を検出することができ、制御装置は、車両が充電ステーションで停止する前に、充電接点が格納位置から外れる移動を開始することができる。したがって、他のセンサ装置は、車両と充電ステーションとの間の水平距離を決定することができ、充電接点の距離が閾値を下回るとすぐに充電接点を制御された方法で格納位置から延長することができる。車両が充電ステーション下の充電を意図した位置に配置されている場合、充電接点は、すでに充電接触面のすぐ下又はその反対に配置されている。このようにすれば、充電時間をさらに一層有利に延ばすことができる。逆に、充電ステーションが充電接点を持ち、車両が充電接触面を持つことももちろん可能である。他のセンサ装置も少なくとも1つの上述のセンサを有することができる。適用可能であれば、他のセンサ装置もセンサ装置に一体化することができる。
【0044】
制御装置は、充電接点及び/又は車両の上方の接触位置の相対的な高さを決定することができる。制御装置は、道路の上方の車両の高さを決定することができる。例えば、道路の上方の車両の高さが既知であれば、特に、この高さが車両の負荷に応じて、大きく変動することができるので有利である。例えば、高さは、車両のシャーシを通して、又はこの目的のために特に設計されたセンサを通して決定することができる。制御装置は、道路上の車両の高さと、格納位置にある車両に対する充電接点の位置とに基づいて、道路に対する充電接点の高さを計算することができる。充電ステーションの場合のように、道路上の充電接触面の高さが既知である場合、車両が充電ステーションに到着する前であっても、格納位置から延長中の充電接点の延長速度又は最大速度を制御することができる。
【0045】
接触方法のさらなる有利な実施形態は、装置の請求項1を参照する従属請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、格納位置にある位置決めユニットの第1の実施形態を示す側面図である。
図2図2は、接触位置にある位置決めユニットを示す側面図である。
図3図3は、接触位置にある位置決めユニットの第2の実施形態を示す斜視図である。
図4図4は、図3の詳細図である。
図5図5は、格納位置にある図3の位置決めユニットを示す斜視図である。
図6図6は、接触位置にある図3の位置決めユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下において、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を用いてより詳細に説明する。
【0048】
図1及び図2は、様々な位置にある位置決めユニット10の第1の実施形態を示す。充電接触面11の接触は象徴的にのみ示されている。位置決めユニット10は、関節アーム装置12と、関節アーム装置12を駆動するための調整駆動装置13とを備える。関節アーム装置12は、シングルアームシステム14として設計されており、上部シザーアーム16と上部連結ロッド17とを有する上部シザー15と、下部シザーアーム19と下部連結ロッド20とを有する下部シザー18とを備えている。上部連結リンク21は上部シザーアーム16に旋回可能に取り付けられているので、位置決めユニット10の充電接点(図示せず)のための位置決めユニット10のマウント22は、常に水平面23と平行に移動することができる。この目的のために、上部連結リンク21は軸38を介して上部連結ロッド17に連結されている。下部シザーアーム19及び下部連結ロッド20は、それぞれ位置決めユニット10の保持フレーム26の固定ベアリング24及び25に旋回可能に取り付けられている。下部シザーアーム19は、軸27を介して上部シザーアーム16に旋回可能に取り付けられている。したがって、上部シザーアーム16の旋回運動は、水平面23に対するマウント22の平行運動をもたらす。
【0049】
調整駆動装置13は、リニア駆動装置28である。位置決めユニット10のバネ装置29は、引張りバネ31として形成されている復元バネ30を有して形成されている。引張バネ31は、保持フレーム26上の固定ベアリング32とレバー34の軸33に取り付けられている。レバー34は、軸33及び引張バネ31と共に、復元ギア35を形成する。関節アーム装置12の位置に応じて、下部シザーアーム19と共回転するように取り付けられているレバー34が引張バネ31に対して揺動されているので、レバー34の有効長さは短くされているか又は延ばされている。位置決めユニット10の格納位置36及び接触位置37では、引張バネ31は軸33に直接作用する。関節アーム装置12がさらに下方へ延ばされると、レバー34の有効長は、それを旋回させることによって著しく短縮される。したがって、引張バネ31又はその有効な復元力を位置決めユニット10の位置に適合させることが可能である。関節アーム装置12は、調整駆動装置13と共に、充電接点(図示せず)又はマウント22に作用する充電接点を含む構造上の重力を有する。引張りバネ31は重力を超える付勢力又は復元力を生じさせるので、たとえ停電があっても、位置決めユニット10の位置に関係なく、位置決めユニット10の格納位置36への復帰は常に保証される。
【0050】
関節アーム装置12用の制御ギア40を有するレバー39は、関節アーム装置12又は下部シザーアーム19にしっかりと固定されている。リニア駆動装置28は、レバー39の軸41上に旋回可能に取り付けられている。さらに、リニア駆動装置28は、軸42を介して保持フレーム26にしっかりと接続されている。リニア駆動装置28は、電気モータ43によって駆動され、自動ロック式ではない。このようにして、例えば停電の場合には、引張バネ31は、関節アーム装置12を接触位置37から格納位置36へ自動的に動かすことができ、それはリニア駆動装置28を後退させる。したがって、リニア駆動装置28は、関節アーム装置12の動きの減衰にも役立つ。さらに、図示の位置決めユニット10は、電気モータ43が接続される制御装置(図示せず)を備える。電気モータ43のトルクは、制御装置によって検出される。制御装置は、充電接点(図示せず)によって充電接触面11に及ぼされる接触力に従って、電気モータ43のトルクを制御する。接触力は、電気的接触を形成するのに十分な強さで電気モータ43のトルクが制御されるので、接触位置37及び任意の他の接触位置において、実質的に一定の形式又は同じレベルで形成することができる。
【0051】
調整駆動装置13又は電気モータ43は、制御装置(図示せず)を用いて、制御することができる。センサ装置62のセンサ61は、下部シザーアーム19のマウント22上に配置されており、上記センサ61は、センサ61と水平面23又は充電接触面11との間の相対距離を検出することができる。したがって、充電接点(図示せず)と充電接触面11との間の相対距離も決定することができる。センサ装置62は制御装置と結合されているので、充電接点が格納位置36から接触位置37へ移動する間の速度は、測定又は検出された充電接点と充電接触面11との間の相対距離に従って、制御装置によって、制御することができる。
【0052】
図3から図6は、電動車両(図示せず)のルーフに取り付けられた位置決めユニット44の第2の実施形態を示している。位置決めユニット44は、実質的に関節アーム装置45を含み、その端部46に充電接点47及び48が車両の上方の充電接触面(図示せず)の接触のために配置されている。さらに、位置決めユニット44は、調整駆動装置49及びバネ装置50、並びに保持フレーム51を備える。関節アーム装置45は、上述のシングルアームシステムと同様のシングルアームシステム52として形成されている。バネ装置50は、吊上げバネ54として形成されており、関節アーム装置45に吊上力を及ぼす2つの引張りバネ53を備えている。ここで、吊上げ力は、充電接点47及び48と一緒の関節アーム装置45の重力が吊上げ力よりも大きくなるように決定され、それにより、例えば停電の場合には、関節アーム装置45は、すべての場合において、作業位置55又は接触位置(図示せず)から格納位置56まで降下する。したがって、調整駆動装置49は、位置決めユニット44の制御装置(図示せず)に接続されて制御される電気モータ58を有する自動ロックなしのリニア駆動装置57を備える。制御装置は、電気モータ58のトルクを検出する。制御装置は、所定の接触力が充電接点47及び48に形成されるように電気モータ58のトルクを制御する。その部分において、リニア駆動装置57は、台形ねじスピンドル(図示せず)を含み、それは、この場合、リニア駆動装置57のハウジング59内に収容され、ナットによって駆動ロッド60に作用する。したがって、関節アーム装置は、駆動ロッド60の移動によって、作業位置55又は格納位置56に移動することができる。
【0053】
位置決めユニット44は、また、センサ装置64のセンサ63を有し、センサ63は、充電接点47に隣接してシングルアームシステム52に取り付けられている。特に図3中では、位置決めユニット44及びシングルアームシステム52は、作業位置55に示されている。作業位置55は、接触位置65から十分に離れているので、充電接点47及び48は、依然として、充電接触面(図示せず)から相対距離Aに位置している。充電接触面は、線66で示され、作業位置55はそれに対して平行に配置された線67で示されている。ここで、充電接触面は、センサ63の検出範囲68内に位置しているので、格納位置56から接触位置65へ移動中の充電接点47及び48の速度は、充電接点47及び48と充電接触面又は線66との間の相対距離A従って制御装置によって制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6