(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】溶接アセンブリの製造方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/607 20060101AFI20220617BHJP
B23K 20/10 20060101ALI20220617BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20220617BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
H01L21/607 A
B23K20/10
H01L21/60 301G
H01L23/48 Q
(21)【出願番号】P 2019551966
(86)(22)【出願日】2018-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2018056587
(87)【国際公開番号】W WO2018172189
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】102017204657.0
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505404688
【氏名又は名称】シュンク・ソノシステムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムエラ ヴァレンティン
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-342891(JP,A)
【文献】特開2001-223238(JP,A)
【文献】特開昭59-069939(JP,A)
【文献】特開2000-077461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60-21/607
H01L 23/48-23/50
H01L 25/00-25/18
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクト基板(10)における第1のコンタクト片(11)と
、半導体アセンブリ(12)として構成される載置ユニットにおける第2のコンタクト片(13)との間に複数の溶接接続部を備える溶接アセンブリ(14)の製造方法であって、
前記第1および第2のコンタクト片(11,13)
を、該第1および第2のコンタクト片(11,13)を溶接位置において相対的に位置決めするように、重なり合う位置に配置
し、
ソノトロード(15)
を、該ソノトロード(15)を各溶接位置に位置決めするように位置決め装置(17)によって前記第2のコンタクト片(13)と重なり合う位置に移動
し、
溶接位置において前記第2のコンタクト片(13)上に
前記ソノトロード(15)を降下
し、前記溶接接続部を形成するように
前記ソノトロード(15)に超音波振動を与
え、
画像処理装置を備えるカメラ装置(29)
によって、前記ソノトロード(15)のソノトロード作業面(22)における、溶接プロセスによって基準インプリントキャリア(32)上に生じる、該基
準インプリントキャリア(32)上のソノトロードインプリントの規定目標位置からのソノトロードインプリント(27)の位置偏差Δx
SA
、Δy
SA
を決定し、
前記ソノトロード(15)は、
前記位置偏差Δx
SA、Δy
SAの決定に基づいて、前記第2のコンタクト片(13)に対して位置決めされる
ことを特徴とする溶接アセンブリ(14)の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法において、
前記ソノトロード(15)は、前記第2のコンタクト片(13)に対する前記ソノトロード(15)の位置偏差Δx
KP、Δy
KPと、前記溶接プロセスによって基準インプリントキャリア(32)上に生じる前記ソノトロード(15)の前記ソノトロード作業面(22)の前記ソノトロードインプリント(27)の位置偏差Δx
SA、Δy
SAと、の双方に基づいて、前記第2のコンタクト片(13)に対して位置決めされ、
前記位置偏差Δx
KP、Δy
KP
は、画像処理装置を備える前記カメラ装置(29)を用いて決定される
ことを特徴とする溶接アセンブリ(14)の製造方法。
【請求項3】
請求項
2に記載の製造方法において、
位置偏差がx方向である場合に、
位置偏差
Δx
KP
、Δx
SA
からなる合計位置偏差
の方向は、前記コンタクト基板(10)における前記第1のコンタクト片(11)同士の間隔tに対応する前記位置決め装置(17)の送路
の軌跡と重なり合う
ことを特徴とする溶接アセンブリ(14)の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の製造方法において、
前記ソノトロードインプリント(27)の前記位置偏差Δx
SA、Δy
SAは、前記位置決め装置(17)に対する前記ソノトロード(15)の前記位置を変更した後
、つまり、前記ソノトロード(15)の交換後に決定される
ことを特徴とする溶接アセンブリ(14)の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の製造方法を実施するための装置であって、
画像処理装置を備えた前記カメラ装置(29)は、前記位置決め装置(17)が順次接近する各溶接位置において、前記カメラ装置(29)によって規定される画像平面内に前記第1および第2のコンタクト片(11,13)が位置するように、前記位置決め装置(17)上に配置される
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記位置決め装置(17)上に配置されたソノトロードホルダ(25)に対する前記カメラ装置(29)の相対位置は、固定される
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクト基板における第1のコンタクト片と、好ましくは半導体アセンブリとして構成される載置ユニットにおける第2のコンタクト片との間に複数の溶接接続部を備える溶接アセンブリの製造方法に関し、第1および第2のコンタクト片は、該1および第2のコンタクト片を溶接位置において相対的に位置決めするように、重なり合う位置に配置され、ソノトロードは、該ソノトロードを各溶接位置に位置するように位置決め装置によって第2のコンタクト片と重なり合う位置に配置され、溶接接触位置において第2のコンタクト片上に降下され、溶接接続部を形成するように超音波振動を与えられ、ソノトロードは、画像処理装置を備えるカメラ装置によって、第2のコンタクト片に対して位置決めされ、ソノトロードは、該ソノトロードのソノトロード作業面における、溶接プロセスによって基準インプリントキャリア上に生じるソノトロードインプリントの位置偏差の決定に基づいて、第2のコンタクト片に対して位置決めされる。本発明は、さらに、この方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーモジュール、特に、半導体アセンブリにおける複数の端子が、回路基板における対応する数の端子面と接触するパワーモジュールを製造するためには、超音波溶接技術においても、接続箇所が大幅に自動化製造され、端子は、軸上に一定の間隔で配置された各溶接位置に向かって順次移動されるソノトロードによって、端子面に溶接され、溶接接触位置においてそれぞれの溶接位置から端子面上に配置された端子に対して移動される。
【0003】
これにより、溶接プロセスを実行するために、ソノトロードと端子として構成される第2のコンタクト片との接触を、確実かつ正しい相対位置において行う必要がある。端子面同士の間隔は、通常、端子同士の間隔と同一であり、位置決め装置は、その間隔に対応した、タイミングを合わせた送り動作を実行するので、ソノトロードは、端子が外力等によりずれる、例えば曲がるなどしない限り、端子として構成される第2の接触子に対して容易に正しく相対位置決めされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体アセンブリの端子を基板端子面に自動超音波溶接するためにこれまでに用いられてきた方法では、ソノトロードを端子に対して位置決めするために、画像処理装置を備えるカメラ装置が用いられ、第2のコンタクト片に対するソノトロードの位置偏差が決まると、位置偏差の大きさを判定でき、場合によっては、ソノトロードの端子に対する位置決めの際に対応する補正を行うことができる。
【0005】
例えば、ソノトロードの交換後に必要な位置決め装置に対するソノトロードの位置決めは、軸測定システムを用いて行われ、該システムにおいて、コンタクト片間の溶接接続部の領域を規定するソノトロード作業面の位置は、位置決め装置における対応する基準エッジから、ソノトロード上に規定された基準エッジまでの軸方向距離を挟んで、間接的に決定される。ソノトロードにおけるソノトロード作業面の位置ずれは、 位置決め装置に対するソノトロードの位置を変化させることにより、つまり、ソノトロードホルダにおけるソノトロードのクランプ方法を変更することによって、補償される。これには、特にソノトロードの交換後、それだけの作業量が必要となる。
【0006】
本発明の目的は、より少ない作業量でソノトロードの位置ずれを補正できる方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明による方法は、請求項1に記載の特徴を有する。
【0008】
本発明によれば、ソノトロードは、画像処理装置を備えるカメラ装置によって、第2のコンタクト片に対して位置決めされ、ソノトロードは、ソノトロードのソノトロード作業面における、溶接プロセスによって基準インプリントキャリア上に生じるソノトロードインプリントの位置偏差の決定に基づいて、第2のコンタクト片に対して位置決めされる。
【0009】
これにより、ソノトロード作業面の位置偏差、例えば、ソノトロード表面において、中央ではなく、横方向にオフセットして配置されるソノトロード作業面の位置偏差を示す、誤った位置にあるソノトロードは、ソノトロードを交換したり、ソノトロードホルダにおけるソノトロードのクランプ方法を変更したりすることなく、ソノトロードを溶接位置に配置する際に補償される。代わりに、ソノトロードのずれは、位置決め装置を用いて補償することができ、必要な補償量は、基準インプリントキャリア上のソノトロードインプリントの規定目標位置からの、ソノトロードインプリントの位置偏差の大きさに依存する。
【0010】
基準インプリントキャリアは、デザイン、特に材料という点で、第2のコンタクト片に対応する材料ストリップとすることができる。もちろん、第2のコンタクト片を、基準インプリントキャリアとして提供することもできる。
【0011】
好ましくは、ソノトロードは、第2のコンタクト片に対するソノトロードの位置偏差と、ソノトロードのソノトロード作業面における、溶接プロセスによって基準インプリントキャリア上に生じるソノトロードインプリントの位置偏差と、の双方に基づいて、第2のコンタクト片に対して位置決めされる。位置偏差は、双方とも画像処理装置を備えるカメラ装置を用いて決定される。これにより、いずれの位置偏差も、同じ装置によって検出することができる。
【0012】
上記位置偏差からなる合計位置偏差が、コンタクト基板における第1のコンタクト片同士の間隔に対応する位置決め装置の送路と重畳する場合、位置偏差の補償と、ソノトロードをある溶接位置から次の溶接位置へ搬送する送り動作とを、1つの送り動作として行うことが可能である。
【0013】
好ましくは、ソノトロードインプリントの位置偏差は、位置決め装置に対するソノトロードの位置を変更した後、つまり、ソノトロードの交換後に決定され、したがって、一度決定された位置偏差は、異なる溶接位置への次のソノトロードの位置決めにおいて、次の溶接位置へ向かうときに不変値として考慮される。もちろん、必要であれば、各溶接プロセス後にソノトロードインプリントの位置偏差を決定し、次の溶接位置へ向かうときにそれを考慮することもできる。
【0014】
本発明による装置は、請求項5に記載の特徴を有する。
【0015】
本発明によれば、画像処理装置を備えたカメラ装置は、位置決め装置が順次接近する各溶接位置において、カメラ装置によって規定される画像平面内にコンタクト片が位置するように、位置決め装置上に配置される。
【0016】
好ましくは、位置決め装置上に配置されたソノトロードホルダに対するカメラ装置の相対位置は、固定される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、コンタクト基板受け上に配置され、位置決め装置によって該コンタクト基板に対して移動可能な2つのソノトロードを有するコンタクト基板を示す。
【
図2】
図2は、ソノトロードホルダ内に配置されたソノトロードを示す側面図である。
【
図3】
図3は、溶接開始位置にある
図2に記載のソノトロードを示す。
【
図4】
図4は、溶接接触位置にある
図2に記載のソノトロードを示す。
【
図5】
図5は、正しく並んだ溶接接合におけるソノトロードインプリントを示す。
【
図6】
図6は、コンタクト片が誤った位置にあるときのソノトロードインプリントを示す。
【
図7】
図7は、ソノトロード位置を誤った位置にあるコンタクト片に適合させた後のソノトロードインプリントを示す。
【
図8】
図8は、誤った位置にあるソノトロードにおけるソノトロードインプリントを示す。
【
図9】
図9は、誤った位置にあるソノトロードにおけるソノトロードインプリントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0019】
図1は、コンタクト列20に配置され、コンタクト面として構成される複数の第1のコンタクト片11を備えるコンタクト基板10と、第2のコンタクト片13を構成する複数の端子13を有する半導体アセンブリ12と、を示す上面模式図である。コンタクト基板10と半導体アセンブリ12とから成る溶接アセンブリ14を製造するには、
図1に示す、コンタクト基板10における第1のコンタクト片11上の、半導体アセンブリ12における第2のコンタクト片13の相対位置に始まり、それぞれソノトロード15を有しかつコンタクト基板10の長手方向片側に配置される超音波溶接ユニット16を、位置決め装置17によって、
図1および
図3に示す第2のコンタクト片13上方における溶接開始位置に順次移動させ、続いて
図4に示す溶接接触位置まで降下させる。このため、位置決め装置17は、ソノトロード15を、3つの空間軸に沿ってx、y、z方向に移動させることできる。
【0020】
図1は、それぞれコンタクト基板10の長手方向片側に配置されるソノトロード15を示し、ソノトロード15は、第1の溶接接合の完了後、破線で示す次の溶接位置まで移動される。
【0021】
図1から明らかなように、ソノトロード15の溶接開始位置は、xy平面上のソノトロード作業面22(
図2~
図4)の対応する位置によって規定される。
図3、
図4を併せて参照すると明らかなように、溶接開始位置に始まり、ソノトロード15のソノトロード作業面22は、所定の接触圧で上側の第2のコンタクト片13上の溶接位置へ下降され、ソノトロード15には、溶接プロセスを実行するために超音波振動が与えられる。
【0022】
溶接プロセスの完了後、特に
図5に示すように、ソノトロード作業面22とともに第2コンタクト片13に超音波振動が付与された結果、第2のコンタクト片13上ソノトロードインプリント24が形成されるが、ソノトロードインプリント24は、第2のコンタクト片13におけるコンタクト面23上にソノトロード作業面22におけるプロファイル面をインプリントしたことにより生じ、コンタクト面23上には、プロファイル加工されたソノトロード作業面の陰画が実現される。
【0023】
図5には、正しく並んだ溶接接合が示されており、第1のコンタクト片11と第2のコンタクト片13との間に完全な重複部分が形成されているだけでなく、第2のコンタクト片13におけるコンタクト面23上に完全なソノトロードインプリント24がインプリントされている。
【0024】
図5とは異なり、
図6は、誤って並んだ溶接接合を示している。この溶接接合は、第2のコンタクト片13におけるコンタクト面23上に不完全なソノトロードインプリント27を有しているが、これは、第2のコンタクト片13が、
図5に示す第1のコンタクト片11に対する目標位置に位置していないことによる。その原因としては、例えば、第2のコンタクト片13が曲がっていることが挙げられる。
【0025】
ソノトロード15がコンタクト列20に沿ってそれぞれの溶接開始位置に順次搬送される際、ソノトロード15を備えたソノトロードホルダ25は、第1のコンタクト片11同士の間隔tにタイミングを合わせた前進動作を行う。同様に、列20に配置された半導体アセンブリ12における第2のコンタクト片13同士の間隔tは、典型的には、第1のコンタクト片11同士の間隔と同一となっており、その結果、正しく並んだ超音波溶接プロセスの実施に必要な第2のコンタクト片13と第1のコンタクト片11との重複部分は、典型的には自動的に設定される。
【0026】
しかしながら、実際には、
図1に例示する上側のコンタクト列20の中央のコンタクトペア21のように、第2のコンタクト片13の位置ずれが起こることがあることが分かる。ここでは、第2のコンタクト片13は、第2のコンタクト片13における基準エッジ26の目標位置(
図5参照)に対してオフセットΔx
KP(
図6参照)を示す。このオフセットΔx
KPは、本例においてはx方向にのみ存在し、コンタクト列20に沿ってx方向に第1のコンタクト片11同士の間隔t分、前に移動させられたソノトロード15を今度は溶接開始位置に位置させ、ソノトロード15を、
図5に示すソノトロードインプリント24を形成するための溶接接触を可能にする第2のコンタクト片13に対する相対位置には位置させない。代わりに、
図1に示されるような第2のコンタクト片13に対するソノトロード作業面22の相対位置から始まる溶接接触が、ソノトロードインプリント27に対応して、第1のコンタクト片11と第2のコンタクト片13との間の溶接接続部がコンタクト片13における狭いエッジ28内にのみ形成されるよう、
図6に例示されるようなソノトロードインプリント27の形成に至る。
【0027】
図1を参照して既述したように、ソノトロード15は、ソノトロード位置決め装置17によって、x軸の方向に、すなわちコンタクト基板10におけるコンタクト列20に沿って変位可能なソノトロードホルダ25内に保持される。ソノトロード位置決め装置17は、好ましくは、ソノトロード15をソノトロードホルダ25に対して変位させ、ソノトロード15およびソノトロード作業面22を、
図2に示される後退位置から、
図3に示されるコンタクトペア21上方の溶接開始位置までy方向に変位させ、その後、ソノトロード位置決め装置17を用いることで、z軸方向の動作によって溶接接合を実行するための溶接接触位置へ変位させる。
【0028】
カメラ装置29は、ソノトロードホルダ25上に配置され、好ましくはソノトロード15の上方に配置され、カメラ装置29の光軸30は、カメラ装置29と関連する画像処理装置が、第2のコンタクト片13における基準エッジ26の既知の目標位置に基づいて位置偏差Δx
KP、Δy
KPを決定できるよう、コンタクトペア21を向いており、位置偏差Δx
KP、Δy
KPは、対応する位置信号に変換されて位置決め装置17に伝達され、この位置決めパラメータを、ソノトロード15に位置決め経路x
SK、y
SKを移動させるために、ソノトロードホルダ25に伝達する。簡略化のため、
図6および
図7は、x方向における位置ずれのみを示している。これにより、ソノトロード15は、その後、
図7に示されるソノトロードインプリント24を生成する第2のコンタクト片13とソノトロード作業面22とが溶接接触できる、補正された溶接開始位置に配置される。
【0029】
図5は、第2のコンタクト片13上の実質的に中央に位置するソノトロードインプリント24を有する理想的な溶接接触の形成を示す。ソノトロードインプリント24のこのような相対的な位置決めは、ソノトロード15、特にソノトロードインプリント24を生成するソノトロード作業面22の、コンタクト基板10の接触面によって形成される第1のコンタクト片11に対する適切な相対的位置決めに依存する。
【0030】
したがって、ソノトロードの交換後、特にソノトロードホルダ25内のソノトロード15の位置決めには、ソノトロードヘッド33上に形成された接触面31におけるソノトロード作業面22の配置における任意の公差を補償するために、今までは調整が必要であった。特に、ソノトロード作業面22は、接触面31に平行ではなく、接触面31に対してずれ角度αだけ傾斜するソノトロード作業面22のような位置公差を有する。この位置偏差は、
図8等に示すように、ソノトロード15が第1のコンタクト片11に対して正しく位置決めされ、基準インプリントキャリア32または第2のコンタクト片13が第1のコンタクト片11に対して正しく位置決めされた場合であっても、ソノトロードインプリント27(つまり、溶接接触)は、ソノトロード作業面22と基準インプリントキャリア32または第2のコンタクト片13との間が溶接接触した後に不完全となる、という効果を有する。
【0031】
また、
図9に示すように、ソノトロード作業面22が、ソノトロードヘッド33における接触面31の中央ではなくオフセットvを持って配置された場合、不完全な溶接接触が生じることにもなり、不完全なソノトロードインプリント27が形成されることになる。
【0032】
ソノトロード15がソノトロードホルダ25内で正しく位置合わせされている場合にソノトロード作業面22とその接触面とが平行ではないことを示す、
図8に示される不完全なソノトロードインプリント27の場合、ソノトロード15は、典型的には、交換されなければならない。というのも、このソノトロードのずれは、位置決め装置17によって補償することができないからである。
【0033】
図9に示される横方向のずれvがある場合、オフセットvは、ソノトロード位置決め装置17によって補償することができる。そのために、上記画像処理装置30を備えた上述のカメラ装置29は、身近な場合であればx方向にのみ存在する位置偏差Δx
SAを決定するために用いることができ、該位置偏差Δx
SAは、位置決め装置17の対応する位置決め経路x
SAの移動を通じた補正のため、ソノトロード15に送信することができる。
【0034】
次の溶接プロセスが実行されるとき、位置決め装置17は、ソノトロード15の公差ずれを補償するように機能するとともに、各溶接開始位置に向かうときに各第2のコンタクト片13毎に個別に決定される位置決め経路xKPに加えて、位置決め経路xSAを移動する。