IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本シビックコンサルタント株式会社の特許一覧 ▶ JIMテクノロジー株式会社の特許一覧 ▶ 戸田建設株式会社の特許一覧

特許7090669トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造
<>
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図1
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図2
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図3
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図4
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図5
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図6
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図7
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図8
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図9
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図10
  • 特許-トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】トンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/087 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
E21D9/087 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020138273
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034476
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000228811
【氏名又は名称】日本シビックコンサルタント株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516308364
【氏名又は名称】JIMテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大塚 孝義
(72)【発明者】
【氏名】近藤 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】楢館 学
(72)【発明者】
【氏名】加島 豊
(72)【発明者】
【氏名】保苅 実
(72)【発明者】
【氏名】杉山 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳一
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝
(72)【発明者】
【氏名】小林 修
(72)【発明者】
【氏名】中山 卓人
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-169563(JP,A)
【文献】特開2011-6932(JP,A)
【文献】特開2018-3314(JP,A)
【文献】特開平11-311090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘進機に複数のカッタースポークを有するカッターヘッドを備え、前記各カッタースポーク内にカッタービットを大気圧下で取り付け、交換可能な作業空間を有し、前記各カッタースポーク内で前記カッタースポークにティース型ビットを取り付け、交換するためのトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造であって、
前記カッタースポークの前面板と両側の各側面板との間で前記カッタースポークの前側の各隅角部側にそれぞれ、ビット取付・交換装置を対にして装備し、
前記ビット取付・交換装置は、
前記カッタースポークの前側の隅角部に前記ティース型ビットを突出させるビット突出開口を有し、前記カッタースポークの内部側にビット挿入口を有し、前記ビット挿入口から前記ビット突出開口までティース型ビットを摺動可能に延びるビット挿通支持部と、前記ビット挿通支持部を開閉可能に遮断する遮断部とを有してなるビット取付部と、
前記カッタースポークの内部側で前記ビット取付部に前記ビット挿通支持部に対向して着脱可能に取り付けられ、前記ビット挿通支持部上でティース型ビットを進退駆動するビット直動機構と、
を備え、
前記カッタースポークの前側の両隅角部にそれぞれ、前記ビット取付部を固定し、前記各ビット取付部の前記各ビット挿通支持部に一対のティース型ビットを前記ビット直動機構を介して取り付け又は交換し、各ティース型ビットを前記カッタースポークの前側の両隅角部から斜め前方に向けて突出させる、
ことを特徴とするトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項2】
ビット取付部は、カッタースポークの前側の隅角部から前記カッタースポークの前面板に沿って延びる前面板方向固定部、及び前記カッタースポークの側面板に沿って延びる側面板方向固定部を一体に有してなり、前記前面板方向固定部の内面と前記側面板方向固定部の内面との間が断面略弓形に形成されてその間に断面略円弧形状の溝をなすガイド部と、前記前面板方向固定部と前記側面板方向固定部との間のコーナー部と前記コーナー部に対向する前記ガイド部の一部との間に貫通して形成され、前記コーナー部にビット突出開口を開口され、前記ガイド部の一部にビット挿通口を開口されるビット挿通支持部とを有する固定部と、前記固定部の前記前面板方向固定部と前記側面板方向固定部との間に前記ガイド部の案内により回動可能にかつ前記固定部の前記ビット挿通口を開閉可能に配置される断面略円弧形状の外周面を有する断面略弓形を呈し、前記外周面にビット挿通口を開口され、前記外周面の対向面にビット挿入口を開口されて、前記断面略円弧形状の外周面と前記外周面の対向面との間に貫通され、前記固定部のビット挿通支持部に連通可能なビット挿通支持部と、前記外周面の対向面の前記ビット挿入口に連結固定され、前記ビット挿通支持部に連通可能な略筒形のビット挿通部とを有し、前記外周面のビット挿通口を前記固定部のビット挿通口に合せて前記固定部の前記ガイド部内に回動可能に組み込み配置される回動部とを備える請求項1に記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項3】
回動部の外周面の断面略円弧形状は半円よりも小さい弧をなし、固定部のガイド部の断面略円弧形状は前記回動部の外周面の断面略円弧形状よりも少し大きい弧をなす請求項2に記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項4】
固定部に回動部の回動経路上で前記回動部のビット挿通口を前記固定部のビット挿通口に位置決めして前記回動部の回動を停止する開位置ストッパーと前記回動部の外周面を前記固定部のビット挿通口に位置決めして前記回動部の回動を停止する閉位置ストッパーとを備える請求項2又は3に記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項5】
固定部の両端面でガイド部の断面略円弧形状の円弧の中心となる位置にそれぞれ軸受を有し、回動部の両端面で外周面の断面略円弧形状の円弧の中心となる位置にそれぞれ回動軸を有し、前記回動部は両端面の前記各回動軸が前記固定部の両端面の前記各軸受に軸支されて前記固定部に組み込まれ、前記回動部の各回動軸の一方に回転操作部を備える請求項2乃至4のいずれかに記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項6】
遮断部は、回動部の外周面からなる請求項2乃至5のいずれかに記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項7】
ビット直動機構は、ティース型ビットに連結され、前記ティース型ビットを固定部、回動部の各ビット挿通支持部内に挿通するための外周面にねじを有するロッドと、前記回動部の略筒形のビット挿通部の前記回動部とは反対側の端部に着脱可能に取り付けられ、前記ロッド外周面の前記ねじに螺合され、前記ロッドを進退駆動するためのナット、及び前記ナットを回転駆動するナット駆動部とを備える請求項1乃至6のいずれかに記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項8】
ビット直動機構は、ティース型ビットに連結され、前記ティース型ビットを固定部、回動部の各ビット挿通支持部内に挿通するための外周面にラックを有するロッドと、前記回動部の略筒形のビット挿通部の前記回動部とは反対側の端部に着脱可能に取り付けられ、前記ロッド外周面の前記ラックに噛合され、前記ロッドを進退駆動するためのピニオンギア、及び前記ピニオンギアを回転駆動するピニオンギア駆動部とを備える請求項1乃至6のいずれかに記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【請求項9】
ロッドは複数の分割ロッドが直列に着脱可能に連結されてなる請求項7又は8に記載のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの掘削工事に使用するシールド掘進機を含むトンネル掘進機の特にティース型ビットの取り付け、交換に適したトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルの掘削工事に使用するトンネル掘進機は、一般に、マシン本体の前面にカッターヘッドが回動可能に設けられており、このカッターヘッドの前面板に、地山を切削するためのカッタービットが複数配設されている。このカッターヘッドを地山の切羽に押し当て回動させながら前進することで地山を掘削している。
【0003】
ところで、このカッターヘッドのカッタービットは、地山を切削することで摩耗、損傷する。このカッタービットの摩耗、損傷の進行に伴い切削効率は低下し、最終的に切削困難となって、カッタービットの交換が必要となる。近年、トンネルの掘削工事の長距離化により、このカッタービットの維持及びその交換方法が重要になっている。
【0004】
本願出願人は、この種のトンネル掘進機において、切削ビットにカッターヘッドの回動方向に関わらず適切な切削角や逃げ角を付与できるようにして、切削ビットの逃げ面の摩耗を可及的に防止し、長寿命化を図ること、また、切削ビットが摩耗、損傷して掘削に適さなくなったときは、カッタースポーク内の大気圧下の作業室で切削ビットを安全に交換できるようにすることを目的として、新たな切削ビット取付構造を特許文献1により提案している。
【0005】
この文献1の切削ビット取付構造は、トンネル掘進機前面のカッターヘッドのカッタースポーク内に切削ビットを交換するための作業室(作業空間)を有し、このカッタースポーク内でカッタースポークの前面板に切削ビットを取り付けるためのもので、外部ケースと、内部ケースと、ロッド及びロッド固定部と、内部ケース回動規制部とにより構成される。
【0006】
外部ケースは、先端側に断面略円弧形状の溝をなすガイド部、及びガイド部の溝の底部を貫通し、切削ビットを挿通可能にかつ切削ビットをガイド部の溝の延びる方向に所定の角度だけ揺動可能に切削ビット挿通口を有し、後端側が開口されて、カッターヘッドの前面板に形成される取付開口に切削ビット挿通口をカッターヘッドの前方に向け、かつガイド部をカッターヘッドの接線方向に向けて取り付けられる。
【0007】
内部ケースは、外部ケースのガイド部に沿って摺動可能な断面略円弧形状の外周面、及びこの外周面に切削ビット突出口を開口され、反対側に切削ビット挿入口が開口され、切削ビットが挿通可能な切削ビット挿通部を有し、外部ケースの切削ビット挿通口に切削ビット突出口を合せて外部ケース内に回動可能に組み込み配置される。
【0008】
ロッドは、切削ビットに連結され、切削ビットを内部ケースの切削ビット挿通部内に挿入、支持するためのもので、ロッド固定部は、内部ケースの外側に切削ビット挿入口に対向して着脱可能に取り付けられ、このロッド固定部により、ロッドが固定される。内部ケース回動規制部は、外部ケース及び内部ケース間に着脱可能に設けられる。この内部ケース回動規制部により、外部ケースの切削ビット挿通口に対して切削ビット突出口を所定の角度だけ揺動可能に内部ケースの回動を規制する。
【0009】
このようにして切削ビットにロッドを連結して、切削ビットを外部ケース内の内部ケースの切削ビット挿通部に通し切削ビットの先端切刃を外部ケースの切削ビット挿通口を通じてカッターヘッドの前面板から突出させ、ロッドをロッド固定部に回転自在に取り付ける。かくしてカッターヘッドの回動により切削ビットで切羽に切り込み、切削ビットが切羽からの反力を受けて所定の角度だけ傾斜して、切羽を掘削するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2016-169563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の切削ビット取付構造を、ティース型ビットの取り付けに適用した場合に、次の点で改善の余地がある。
(1)特許文献1の切削ビット取付構造では、カッタースポークの前面板の略中央に取付開口が設けられ、切削ビットはこの取付開口に取り付けられて、カッタースポークの前方に突出されているが、ティース型ビットをカッタースポークの前面板に取り付けてしまうと、ローラビットなど他のカッタービットを並設することが難しく、カッタースポークの前面板や内部空間を有効に活用することができない。
(2)特許文献1の切削ビット取付構造では、外部ケースの切削ビット挿通口と内部ケースの切削ビット挿通部は寸法(径)が異なるが、ティース型ビットの場合も同様にすると、ビット取付部の構造が複雑になり、コストも増大して、好ましくない。
(3)特許文献1の切削ビット取付構造では、切削ビットの切削反力は内部ケースの切削ビット挿通部後端部のロッド固定部で支持されているが、ティース型ビットの場合も同様にすると、ティース型ビットの片持ち長が大きくなるため、ビット体の断面を大きくする必要があり、そうすると、装置全体が大きくなり、コストも増大して、好ましくない。
(4)特許文献1の切削ビット取付構造では、ロッドそれ自体を正逆回転するため、切削ビットに対してロッドを回転(空転)可能に連結しているが、ティース型ビットの場合も同様にすると、ティース型ビットとロッドとの連結構造が複雑になり、コストも増大して、好ましくない。
【0012】
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造において、カッタースポークの前側の各隅角部にティース型ビットを交換可能に配置して、カッタースポークの前面板にローラビットなど他のカッタービットを並設可能にし、カッタースポークの前面板や内部空間を有効に活用できるようにすること、ビット取付部にビット挿通部を同一形状、同一寸法(径)にして設け、ビット取付部を簡単な構造にすること、ティース型ビットの掘削反力の一部をビット取付部のビット挿通部で支持し、掘削反力のビット軸方向の成分をロッドとナットとのねじ締結により支持するようにして、ティース型ビットの片持ち長を小さくすること、ロッドそれ自体を回転させないようにしてティース型ビットとロッドとを簡単な連結機構で連結固定することなど、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、
トンネル掘進機に複数のカッタースポークを有するカッターヘッドを備え、前記各カッタースポーク内にカッタービットを大気圧下で取り付け、交換可能な作業空間を有し、前記各カッタースポーク内で前記カッタースポークにティース型ビットを取り付け、交換するためのトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造であって、
前記カッタースポークの前面板と両側の各側面板との間で前記カッタースポークの前側の各隅角部側にそれぞれ、ビット取付・交換装置を対にして装備し、
前記ビット取付・交換装置は、
前記カッタースポークの前側の隅角部に前記ティース型ビットを突出させるビット突出開口を有し、前記カッタースポークの内部側にビット挿入口を有し、前記ビット挿入口から前記ビット突出開口までティース型ビットを摺動可能に延びるビット挿通支持部と、前記ビット挿通支持部を開閉可能に遮断する遮断部とを有してなるビット取付部と、
前記カッタースポークの内部側で前記ビット取付部に前記ビット挿通支持部に対向して着脱可能に取り付けられ、前記ビット挿通支持部上でティース型ビットを進退駆動するビット直動機構と、
を備え、
前記カッタースポークの前側の両隅角部にそれぞれ、前記ビット取付部を固定し、前記各ビット取付部の前記各ビット挿通支持部に一対のティース型ビットを前記ビット直動機構を介して取り付け又は交換し、各ティース型ビットを前記カッタースポークの前側の両隅角部から斜め前方に向けて突出させる、
ことを要旨とする。
【0014】
また、このティース型ビット取付・交換構造では、各部に次のような構成を有することが好ましい。
(1)ビット取付部は、カッタースポークの前側の隅角部から前記カッタースポークの前面板に沿って延びる前面板方向固定部、及び前記カッタースポークの側面板に沿って延びる側面板方向固定部を一体に有してなり、前記前面板方向固定部の内面と前記側面板方向固定部の内面との間が断面略弓形に形成されてその間に断面略円弧形状の溝をなすガイド部と、前記前面板方向固定部と前記側面板方向固定部との間のコーナー部と前記コーナー部に対向する前記ガイド部の一部との間に貫通して形成され、前記コーナー部にビット突出開口を開口され、前記ガイド部の一部にビット挿通口を開口されるビット挿通支持部とを有する固定部と、前記固定部の前記前面板方向固定部と前記側面板方向固定部との間に前記ガイド部の案内により回動可能にかつ前記固定部の前記ビット挿通口を開閉可能に配置される断面略円弧形状の外周面を有する断面略弓形を呈し、前記外周面にビット挿通口を開口され、前記外周面の対向面にビット挿入口を開口されて、前記断面略円弧形状の外周面と前記外周面の対向面との間に貫通され、前記固定部のビット挿通支持部に連通可能なビット挿通支持部と、前記外周面の対向面の前記ビット挿入口に連結固定され、前記ビット挿通支持部に連通可能な略筒形のビット挿通部とを有し、前記外周面のビット挿通口を前記固定部のビット挿通口に合せて前記固定部の前記ガイド部内に回動可能に組み込み配置される回動部とを備える。
この場合、回動部の外周面の断面略円弧形状は半円よりも小さい弧をなし、固定部のガイド部の断面略円弧形状は前記回動部の外周面の断面略円弧形状よりも少し大きい弧をなすことが好ましい。
この場合、固定部に回動部の回動経路上で前記回動部のビット挿通口を前記固定部のビット挿通口に位置決めして前記回動部の回動を停止する開位置ストッパーと前記回動部の外周面を前記固定部のビット挿通口に位置決めして前記回動部の回動を停止する閉位置ストッパーとを備えることが好ましい。
この場合、固定部の両端面でガイド部の断面略円弧形状の円弧の中心となる位置にそれぞれ軸受を有し、回動部の両端面で外周面の断面略円弧形状の円弧の中心となる位置にそれぞれ回動軸を有し、前記回動部は両端面の前記各回動軸が前記固定部の両端面の前記各軸受に軸支されて前記固定部に組み込まれ、前記回動部の各回動軸の一方に回転操作部を備えることが好ましい。
この場合、遮断部は、回動部の外周面からなることが好ましい。
(2)ビット直動機構は、ティース型ビットに連結され、前記ティース型ビットを固定部、回動部の各ビット挿通支持部内に挿通するための外周面にねじを有するロッドと、前記回動部の略筒形のビット挿通部の前記回動部とは反対側の端部に着脱可能に取り付けられ、前記ロッド外周面の前記ねじに螺合され、前記ロッドを進退駆動するためのナット、及び前記ナットを回転駆動するナット駆動部とを備える。
この場合、ロッドは複数の分割ロッドが直列に着脱可能に連結されてなることが好ましい。
(3)ビット直動機構は、ティース型ビットに連結され、前記ティース型ビットを固定部、回動部の各ビット挿通支持部内に挿通するための外周面にラックを有するロッドと、前記回動部の略筒形のビット挿通部の前記回動部とは反対側の端部に着脱可能に取り付けられ、前記ロッド外周面の前記ラックに噛合され、前記ロッドを進退駆動するためのピニオンギア、及び前記ピニオンギアを回転駆動するピニオンギア駆動部とを備える。
この場合、ロッドは複数の分割ロッドが直列に着脱可能に連結されてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造では、上記の構成により、次のような本発明独自の格別な効果を奏する。
(1)このティース型ビット取付・交換構造によれば、カッタースポークの前側の両隅角部にそれぞれ、ビット取付部を固定し、各ビット取付部の各ビット挿通支持部に一対のティース型ビットをビット直動機構を介して取り付け又は交換し、各ティース型ビットをカッタースポークの前側の両隅角部から斜め前方に向けて突出させるようにしたので、カッタースポークの前側の各隅角部にティース型ビットを交換可能に配置して、カッタースポークの前面板及びその内部にローラビットなど他のカッタービットの取付スペースを確保することができ、カッタースポークの前面板にローラビットなど他のカッタービットを並設することができる。したがって、この構造により、カッタースポークの前面板や内部空間を有効に活用することができる。
(2)このティース型ビット取付・交換構造によれば、ビット取付部に、カッタースポークの前側の隅角部にティース型ビットを突出させるビット突出開口を有し、カッタースポークの内部側にビット挿入口を有し、ビット挿入口からビット突出開口までティース型ビットを摺動可能に延びるビット挿通支持部が設けられるので、ビット取付部にビット挿通部を同一形状、同一寸法(径)にして、ビット取付部を簡単な構造にすることができる。
(3)このティース型ビット取付・交換構造によれば、このビット取付・交換装置は、ビット挿通支持部と遮断部とを有するビット取付部に、カッタースポークの内部側でビット取付部のビット挿通支持部に対向して着脱可能に取り付けられ、ビット挿通支持部上でティース型ビットを進退駆動するビット直動機構を備えるので、ビット直動機構を、例えばティース型ビットに連結されるねじ軸からなるロッドとロッドを進退駆動するナット及びナット駆動部により構成することで、ティース型ビットの掘削反力の一部をビット取付部のビット挿通支持部で支持し、掘削反力のビット軸方向の成分をロッドとナットとのねじ締結により支持することができ、このようにすることによりティース型ビットの片持ち長を小さくすることができる。
(4)このティース型ビット取付・交換構造によれば、ビット直動機構を例えばティース型ビットに連結されるねじ軸からなるロッドとロッドを進退駆動するナット駆動部により構成して、ロッドそれ自体を回転させないようにすることで、ティース型ビットとロッドとをねじ締結など簡単な連結機構で連結固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係るトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造の全体構成をトンネル掘進機の正面から示す図(正面図)
図2】同構造の全体構成をトンネル掘進機の側面を断面して示す図(側面断面図)
図3】同構造の具体的な構成を示す図(正面図)
図4】同構造の具体的な構成を示す図((a)は平面断面図(b)は要部断面図((a)のn-n線断面図))
図5】同構造の特にティース型ビット及びロッドの各構成を示す図(部分側面断面図)
図6】同構造の特に略筒形のビット挿通部、ロッド及びナットの各構成を示す図(一部省略平面断面図)
図7】同構造の特にビット直動機構の構成を示す図(一部省略平面断面図)
図8】同構造におけるティース型ビットの取り付け例及び同構造の主たる効果を示す図(平面断面図)
図9】同構造におけるティース型ビットの交換手順を示す図(平面断面図)
図10】同構造に用いるビット直動機構の変更例を示す図((a)は一部省略側面断 面図(b)は一部断面背面図)
図11】同構造に用いるティース型ビット及びその支持形式の変更例を示す図((a)は平面断面図(b)は正面図)
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1図2はこの発明の一実施の形態に係るトンネル掘進機のティース型ビット取付・交換構造(以下、本構造という。)の全体構成を示し、図3図4は本構造の具体的な構成を示している。図5図6及び図7は本構造の要部を示している。図8は本構造におけるティース型ビットの取り付け例及び本構造の主たる効果を示している。図9は本構造におけるティース型ビットの交換手順を示している。図10図11は本構造の要部の変更例を示している。
【0018】
図1図2に示すように、ここでトンネル掘進機に、地下水位以下の地中を掘進するシールドТBMを例示している。このシールドТBM(以下、単にТBMという。)は、4翼のスポーク型カッターヘッドを備える。このカッターヘッド100は、4本のカッタースポーク110が中枢体120の外周面に90度間隔で接続され、各カッタースポーク110の最外周端間にカッターリング170が取り付けられて構成される。中枢体120は後端部に円錐台形状の旋回体130が接続され、この旋回体130の後端部に回転輪140が連結される。しかしてカッターヘッド100は、回転輪140がТBMの前部に旋回ベアリング150を介して支持され、回転輪140にギアを介してカッター駆動装置160が作動連結される。このようにしてカッターヘッド100、すなわち、4本のカッタースポーク110はカッター駆動装置160により回転駆動されるようになっている。各カッタースポーク110やカッターリング170には切羽を切削する複数のカッタービットが装着される。この種のТBMの場合、通常、さまざまな地盤を想定して、ローラービット、先行ビット、ティースビットなどが併設される。各カッタースポーク110は、断面略四角形の略角筒形に形成され、内部がカッター室として、ТBMの本体内部に連通されて、本体内部から入退可能で、大気圧下でカッタービットの取付・交換作業が可能になっている。各カッタースポーク110の背面には掘削土砂と作泥土材を撹拌混合するための複数の撹拌翼180が取り付けられる。ТBMの本体前面で回転輪140の周囲に隔壁190が設けられ、本体前面の外周にはカッターフード200が突設される。しかしてこれら隔壁190、カッターフード200と、カッターヘッド100との間に切羽室101が画成される。隔壁190に土圧計210が埋設され、この土圧計210で切羽室101内に充満された泥土の圧力が検出される。隔壁190の下方にはスクリューコンベアなどからなる排土装置220が装着され、この排土装置220により、切羽室101内の泥土が排出され、切羽室101内の泥土圧が一定に保持される。このようにして切羽室101内の泥土圧が一定に保持され、ТBMの掘進が制御される。なお、ТBMには、周知のとおり、ТBMの掘進に使用するシールドジャッキが搭載されるが、ここではその図示を省略してある。
【0019】
図1図2に示すように、本構造は、ТBMに複数のカッタースポーク110を有するカッターヘッド100を備え、各カッタースポーク110内にカッタービットを大気圧下で取り付け、交換可能な作業空間を有し、これら各カッタースポーク110内でカッタースポーク110にティース型ビットCを取り付け、交換するためのもので、本構造では、特に、図3に示すように、カッタースポーク110の前面板111と両側の各側面板112との間でカッタースポーク110の前側の両隅角部側にそれぞれ、複数のビット取付・交換装置Aを対にして装備され、これらビット取付・交換装置Aを介して、カッタースポーク110の前側の両隅角部に複数の一対のティース型ビットCを取り付け可能に又は交換可能になっている。
【0020】
図4に示すように、各ビット取付・交換装置Aは、カッタースポーク110の前側の隅角部にティース型ビットCを突出させるビット突出開口101を有し、カッタースポーク110の内部側にビット挿入口202を有し、ビット挿入口202からビット突出開口101までティース型ビットCを摺動可能に延びるビット挿通支持部20、10と、ビット挿通支持部20、10を開閉可能に遮断する遮断部21とを有してなるビット取付部A1と、カッタースポーク110の内部側でビット取付部1にビット挿通支持部20に対向して着脱可能に取り付けられ、ビット挿通支持部20、10上でティース型ビットCを進退駆動するビット直動機構A2とを備えて構成される。
【0021】
ビット取付部A1は、カッタースポーク110の前側の隅角部に固定されるビット取付部A1の外殻(シェル)をなす固定部1と、固定部1内に組み込まれる回動部2とを備える。
【0022】
固定部1は、カッタースポーク110の前側の隅角部からカッタースポーク110の前面板111に沿って延びる前面板方向固定部11、及びカッタースポーク110の側面板112に沿って延びる側面板方向固定部12を一体に有してなる。前面板方向固定部11の外面はカッタースポーク110の前面板111の幅方向に長い横長の長方形の平面状に形成される。側面板方向固定部12の外面はカッタースポーク110の側面板112の幅方向に長い横長の長方形の平面状に形成される。前面板方向固定部11の内面と側面板方向固定部12の内面との間は断面略弓形に形成されてその間に断面略円弧形状の溝をなすガイド部13が設けられる。この場合、固定部1のガイド部13の断面略円弧形状は後述する回動部2の外周面21の断面略円弧形状よりも少し大きい弧をなす。また、このガイド部13の断面略円弧形状は、後述する回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)をカッタースポーク110の前面板111と側面板112との間のカッタースポーク110の隅角部に対応する固定部1のコーナー部に対向させる位置に案内する開位置ガイド面131と、回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)を前面板方向固定部11の外面に対して直角に向けてその内面に対向させる位置に案内する閉位置ガイド面132とを有する。
【0023】
そして、前面板方向固定部11と側面板方向固定部12との間のコーナー部とこのコーナー部に対向するガイド部13の一部との間にティース型ビットCの断面形状と略同じ大きさ、形状(この場合は、角形)に貫通して形成され、コーナー部にビット突出開口101を開口され、ガイド部13の一部にビット挿通口102を開口されるビット挿通支持部10が設けられる。このビット挿通支持部10はティース型ビットCが摺動可能である。
【0024】
また、この固定部1の上下両端面でガイド部13の断面略円弧形状の円弧の中心となる位置にそれぞれ軸受14を有する。固定部1の上下両端面はそれぞれ、平板からなり、これらの平板に軸受14が円筒状に形成される。
【0025】
さらに、この固定部1には、後述する回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)をカッタースポーク110の前面板111と側面板112との間の隅角部に対向させる位置で回動部の回動を停止する開位置ストッパー15と、回動部2の外周面 21の中央(後述するビット挿通口201)を前面板方向固定部11の外面に対して直角に向けてその内面に対向させる位置で回動部2の回動を停止する閉位置ストッパー16とを有する(この点は後述することから明らかになるが、次のように、言い換えられる。すなわち、固定部1には、回動部2の回動経路上で回動部1のビット挿通口201を固定部1のビット挿通口102に位置決めして回動部2の回動を停止する開位置ストッパー15と回動部2の外周面21を固定部1のビット挿通口102に位置決めして回動部2の回動を停止する閉位置ストッパー16とを有する。)。
【0026】
ここで、開位置ストッパー15は、固定部1のガイド部13のカッタースポーク110の側面板112側の端部に配設され、後述する回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)がカッタースポーク110の前面板111と側面板112との間の隅角部に対向された状態で、回動部2の外周面21の対向面22の側面板方向固定部12側の端部に係合可能な回動停止部材151と、回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)がカッタースポーク110の前面板111と側面板112との間の隅角部に対向された状態で、回動部2の外周面21の対向面22の前面板方向固定部11側の端部に係止可能に固定部1に穿設された係止孔152に係脱可能な係止キー153とからなる。閉位置ストッパー16は、固定部1のガイド部13のカッタースポーク110の前面板111側の端部に配設され、後述する回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)が前面板方向固定部11の外面に対して直角に向けてその内面に対向された状態で、回動部2の外周面21の対向面22の前面板方向固定部11側の端部に係合可能な回動停止部材161と、回動部2の外周面21の中央(後述するビット挿通口201)が前面板方向固定部11の外面に対して直角に向けてその内面に対向された状態で、回動部2の外周面21の対向面22の側面板方向固定部12側の端部に係止可能に固定部1に穿設された係止孔162(図8参照)に係脱可能な係止キー163(図8参照)とからなる。
【0027】
なお、この固定部1において断面略円弧形状のガイド部13に対向する面、言い換えれば、前面板固定部11を正面とした場合の背面は断面直線状の開口部17になっている。
【0028】
回動部2は回動部本体2aと略筒形のビット挿通部2bとからなる。
【0029】
回動部本体2aは、固定部1の前面板方向固定部11と側面板方向固定部12との間にガイド部13の案内により回動可能にかつ固定部1のビット挿通口102を開閉可能に配置される断面略円弧形状の外周面21とこの外周面21の両端間に断面略直線状(つまり、平面形状)に延びるこの外周面21の対向面22とを有し、全体として断面略弓形形状を呈してなる。この場合、回動部本体2aの外周面21の断面略円弧形状は半円よりも小さい弧をなす。この回動部本体2aの断面略円弧形状の外周面21の中央とこの外周面21の対向面22の中央との間に固定部1のビット挿通支持部10の断面形状と同じ大きさ、形状(この場合は、角形)に貫通して形成され、外周面21の中央にビット挿通口201を開口され、外周面21の対向面22の中央にビット挿入口202が開口されて、固定部1のビット挿通支持部10に連通可能なビット挿通支持部20が設けられる。このビット挿通支持部20はティース型ビットCが摺動可能である。この回動部本体2aの外周面21で中央のビット挿通口201の周囲及び両側の縁部に近接して止水用のシールS1、S2が設けられる。
【0030】
また、この回動部本体2aの両端面で外周面21の断面略円弧形状の円弧の中心となる位置にそれぞれ回動軸24を有する。この場合、各回動軸24は固定部1両端の軸受14に嵌挿可能に回動部本体2aの両端面から円柱状に突出される。
【0031】
略筒形のビット挿通部2bは、固定部1のビット挿通支持部10の断面形状と同じ大きさ、形状(この場合は、角形)を有して、回動部本体2aの外周面21の対向面22のビット挿入口202に同心的に対向して連結固定され、回動部本体2aのビット挿通支持部20に連通可能になっている。このビット挿通部2bはティース型ビットCが摺動可能である。このビット挿通部2bには回動部本体2aとは反対側の端部の開口面縁部に外側に突出するフランジ25が設けられる。このフランジ25には複数のボルトを締結するための複数のねじ孔が設けられる。回動部本体2aのビット挿通支持部20のビット挿通口201と略筒形のビット挿通部2bの端部開口面までの長さは少なくともティース型ビットCの長さよりも大きい寸法を有する。
【0032】
しかして回動部2は、外周面21のビット挿通口201を固定部1のビット挿通口102に合せて、両端面の各回動軸24が固定部1の両端面の各軸受14に軸支され、固定部1のガイド部13内に回動可能に組み込み配置される。そして回動部2の各回動軸24の一方に回転操作部26が備え付けられる。この場合、回転操作部26に手動式の回動レバー(以下、回動レバー26という。)が用いられ、この回動レバー26を手動で回動操作することにより、回動部2が回動されるようになっている。なお、回動レバー26の近傍にはこの回動レバー26を任意の回動位置でロック可能にロック部(図示省略)が併せて設けられる。
【0033】
回動部2はこのようにして形成され、遮断部21は、この回動部本体2aの外周面21からなる。すなわち、固定部1のガイド部13内で回動部本体2aの外周面21中央のビット挿通口201が前面板方向固定部11と側面板方向固定部12との間のコーナー部に対向されることにより、固定部1、回動部2の各ビット挿通支持部10、20が連通されて開状態となり、回動部本体2aの外周面21中央のビット挿通口201が前面板方向固定部11の外面に対して直角に向けてその内面に対向されることにより、固定部1のビット挿通支持部10が回動部本体2aの外周面21で遮断されて閉状態となり、回動部本体2aの外周面21が遮断部として固定部1のビット挿通支持部10を開閉するようになっている。
【0034】
このようにしてビット取付部A1、遮断部21が構成され、ビット取付部A1は対にしてカッタースポーク110の前面板111と両側の各側面板112との間でカッタースポーク110の前側の各隅角部側に取り付けられる。この場合、カッタースポーク110の前面板111と両側の各側面板112との間でカッタースポーク110の前側の各隅角部側にビット取付部A1が嵌合可能に、カッタースポーク110の前面板111と両側の各側面板112が切り欠かれてビット取付部装着部113が形成され、一対のビット取付部A1は各ビット取付部装着部113に嵌め込まれて、ボルト止め又は溶接により、固定される。
【0035】
図4に示すように、ビット直動機構A2は、ティース型ビットCに連結され、ティース型ビットCを固定部1、回動部2の各ビット挿通部10、20内に挿通するための外周面にねじを有するロッド3と、回動部2の略筒形のビット挿通部2bの回動部本体2aとは反対側の端部に着脱可能に取り付けられ、ロッド3外周面のねじに螺合され、ロッド3を進退駆動するためのナット4、及びナット4を回転駆動するナット駆動部5(図7参照)とを備える。
【0036】
ここでティース型ビットCは角形(この場合、断面矩形)を呈する棒状体からなり、先端の刃先は断面略V字形に形成されて、切削面と逃げ面とを有する。刃先には超硬チップが銀ロウ付けされて装着される。なお、このティース型ビットCの刃先形状は、地盤の地質、ТBMの直径、ТBMの掘進距離などの諸条件により適宜設計され、各種の地盤に応じて掘削可能に形成される。このティース型ビットCの後端部には、図5に示すように、ねじ孔27が凹状に設けられる。また、外周面には、図4に示すように、止水用のシールS3が設けられる。このシールS3で固定部1、回動部2の各ビット挿通支持部10、20内が外圧の土水圧から密閉される。
【0037】
図5に示すように、ロッド3はねじ棒からなり、ティース型ビットCの後端部に連結される。この場合、ロッド3は外周面全体にねじ部301を有し、先端部にティース型ビットC後端部のねじ孔27に螺合可能に小径の継手ねじ部31が凸状に設けられる。このようにしてロッド3は先端部の継手ねじ部31とティース型ビットC後端部のねじ孔27とのねじ締結によりティース型ビットCの後端部に同心的に連結される。また、ロッド3は複数の分割ロッド3Pが直列に着脱可能に連結されてなる。この場合、各分割ロッド3Pは、既述のとおり、外周面全体にねじ部301を有し、先端部に小径の継手ねじ部31が凸状に設けられ、併せて後端部に先端の継手ねじ部31が螺合可能なねじ孔30が凹状に設けられる。このようにして各分割ロッド3Pが先端部の継手ねじ部31と後端部のねじ孔30とのねじ締結により連結され、所定の長さを有するロッド3として組み立てられる。
【0038】
図6に示すように、ナット4は、ナット部40と、ナット部40に同心的に固定されるリング状の回転板41と、回転板41にナット部40と同心的に内輪を固定されるボールベアリング42と、ボールベアリング42の外輪にナット部40と同心的に固定されるリング状の取付板43とからなる。取付板43は、略筒形のビット挿通部2bの開口面側の端部のフランジ25に当接可能に形成され、フランジ25の各ボルト挿通孔に対応して複数のボルト挿通孔が設けられる。
【0039】
図7に示すように、ナット駆動部5は、ナット部40の外周面に固定されるウォームホイール50と、取付板43に設置固定されるモータ51と、モータ51の回転軸に作動連結され、ウォームホイール50に噛合されるウォーム52とにより構成される。
【0040】
このようにしてビット直動機構A2が構成される。このビット直動機構A2は、ティース型ビットCの後端部にロッド3がねじ締結により連結され、このロッド3がナット4の各部に通されてロッド3外周面のねじ部301がナット部40に螺合され、ロッド3とナット4が作動連結される。そして、ティース型ビットCがビット取付部A1のビット挿通支持部10、20に挿入された状態から、ナット4の取付板43が回動部2の略筒形のビット挿通部2bの開口面側端部のフランジ25に当接され、取付板43の各ボルト挿通孔から挿通された複数のボルトがフランジ25の各ねじ孔に締結されて、取付板43とフランジ25が固定され、ナット4が略筒形のビット挿通部2bの端部に同心的に装着される。
【0041】
本構造はかかる構成を備えて構成され、図4に示すように、カッタースポーク110の前側の両隅角部にそれぞれ、ビット取付部A1を固定し、各ビット取付部A1の各ビット挿通支持部20、10に一対のティース型ビットCをビット直動機構A2を介して取り付け又は交換し、各ティース型ビットCをカッタースポーク110の前側の両隅角部から斜め前方に向けて突出させるようになっている。
【0042】
図8に一対のティース型ビットCの取り付け状態を示している。図8に示すように、一対のティース型ビットCはそれぞれ、カッタースポーク110の前面板111と各側面板112との間で前側の両隅角部側に固定された各固定部1及びこれら固定部1の内側ガイド部13内に開位置ストッパー15(図4参照)により固定された回動部2の各ビット挿通支持部10、20に挿通支持されて、各固定部1のビット突出開口101、すなわち、カッタースポーク110の前側の両隅角部から斜め前方に向けて平面視ハの字形に突出される。この場合、各回動部2の回動軸24(図4参照)に取り付けられた回動レバー26(図4参照)は図示されないロック部によりロックされて回動を規制される。そして、各ティース型ビットCの後端部にねじ締結により連結されたロッド3が回動部2の略筒形のビット挿通部2bを通して、略筒形のビット挿通部2b端部のナット4に螺合され、ナット4から突出される。この場合、ロッド3に作用する水圧などのティース型ビットCの軸力はボールベアリング42(図6参照)で支持されて、取付板43(図6参照)を経由して略筒形のビット挿通部2bに伝えられる。各ナット駆動部5(図7参照)のモータ51(図7参照)は作動を停止され、モータ51の回転軸に連結されたウォーム52(図7参照)とナット4のウォームホイール50(図7参照)との係合により、ナット4の回転が規制される。このようにして各ティース型ビットCは地盤(切羽)に対する掘削位置まで突出されて固定される。
【0043】
このТBMで地盤を掘削するときは、図1図2を参照すると、4本のカッタースポーク110からなるカッターヘッド100を地盤の切羽に押し当て回動させながら切羽を掘削して、ТBMが前進する。カッターヘッド100が回動されると、各カッタースポーク110の各一対のティース型ビットCは切羽に切り込み、各ティース型ビットCが切羽の掘削抵抗を受ける。各ティース型ビットCの掘削反力の一部は固定部1及び回動部2の各ビット挿通支持部10、20の内壁面で支持され、この掘削反力の各ティース型ビットCの軸方向の成分は各ティース型ビットC後端部のロッド3のねじ部301(図5参照)とナット4(ナット部40)のねじ部(図5参照)で支持される。
【0044】
このカッターヘッド100の各ティース型ビットCは、地盤を切削することで摩耗、損傷する。各ティース型ビット100の摩耗、損傷の進行に伴い切削効率は低下し、最終的に切削困難となって、各ティース型ビットCの交換が必要となる。
【0045】
図9に各ティース型ビットCの交換手順を示している。
各ティース型ビットCの交換はカッタースポーク110内の大気圧下の作業室で次の手順により行う。
(1)まず、固定部1のビット挿通支持部10からティース型ビットCを後退させる。
【0046】
この場合、まず、図9(1)に示すように、ナット駆動部5によりナット4を逆回転駆動してロッド3を後退する。すなわち、ナット駆動部5のモータ51(図7参照)を作動させてモータ51の回転軸に作動連結されたウォーム52(図7参照)を逆回転させ、ナット部40外周面のウォームホイール50(図7参照)を逆回転方向に駆動することにより、ナット部40を回転板41、ボールベアリング42の内輪(図7参照)とともに逆回転駆動し、ナット部40に螺合されたロッド3を回動部本体2aのビット挿通支持部20、略筒形のビット挿通部2bから軸方向に後退駆動する。これにより、ロッド3に連結されたティース型ビットCは固定部1のビット挿通支持部10内を摺動してビット挿通支持部10から後退される。この場合、ナット4の回転量に比例してティース型ビットCは直動される。ティース型ビットCの前方から水圧が作用しても、ティース型ビットCはこの圧力に抵抗して必要な速度に制御されて移動される。このようにしてティース型ビットCを固定部1のビット挿通支持部10から後退し、ティース型ビットCの先端を回動部本体2aのビット挿通支持部20に没入させる(すなわち、回動部本体2aの外周面21のビット挿通口201より内側まで引き込む。)。なお、ティース型ビットCが回動部2のビット挿通支持部20に没入されると、ティース型ビットCは全体が回動部本体2aのビット挿通支持部20と回動部本体2aに連結された略筒形のビット挿通部2bとの間に収納される。
【0047】
(2)次に、回動レバー26により回動部2を回動し、回動部2のビット挿通口201を固定部1の前面板方向固定部11の内面に向け、回動部2の外周面21で固定部1のビット挿通支持部10を遮断する。
【0048】
この場合、まず、回動レバー26(図4参照)のロック部によるロックを外し、開位置ストッパー15(図4参照)の一方、すなわち、固定部1の係止孔152に差し込まれた係止キー153を引き抜いて、回動部2の回動規制を解除する。そして、図9(2)に示すように、回動レバー26を、平面視右回転方向に回動部2のビット挿通口201が固定部1の前面板方向固定部11の内面に向けられるまで、言い換えれば、ティース型ビットC(の軸方向)がカッタースポーク110の側面板112と略平行になるまで、回動し、回動部2の外周面21で固定部1のビット挿通口102を塞ぎ、固定部1のビット挿通支持部10を遮断する。この回動部2の回動に当たり、回動部2に連結されたロッド3がカッター室に接触したりカッタービットの交換作業の妨げになったりする場合は、ロッド3を分割して長さを短くすることで、対応可能である。この場合、ロッド3は複数の分割ロッド3Pがねじ締結により連結されているので、各分割ロッド3Pを容易に取り外すことができる。
【0049】
(3)続いて、回動部2に連結された略筒形のビット挿通部2bからナット4をナット駆動部5とともに取り外し、ロッド3からナット4を外して、ロッド3を使って、回動部2のビット挿通支持部20、略筒形のビット挿通部2bからティース型ビットCを引き抜く。
【0050】
この場合、まず、閉位置ストッパー16(図8参照)の一方をロックする。すなわち、固定部1の係止孔162に係止キー163を差し込んで、回動部2の回動を規制する。続いて、図9(3)に示すように、略筒形のビット挿通部2b端部のフランジ25(図6参照)からナット4の取付板43(図6参照)をボルトを外して切り離し、略筒形のビット挿通部2bからナット4をナット駆動部5(図7参照)とともに取り外す。略筒形のビット挿通部2bからナット4を取り外したら、ロッド3上でナット部40を逆回転して、ロッド3からナット4をナット駆動部5とともに取り外す。そして、略筒形のビット挿通部2bからロッド3を引き出し、回動部2のビット挿通支持部20、略筒形のビット挿通部2bからティース型ビットCを引き抜く。
【0051】
(4)続いて、新規のティース型ビットCをロッド3に取り付けて、これまでの作業手順とは反対の手順で新規のティース型ビットCをビット取付部A1に取り付ける。すなわち、新規のティース型ビットCを略筒形のビット挿通部2bに差し込み、ロッド3にナット4(図6参照)を螺合させ、ナット4をナット駆動部5(図7参照)とともに略筒形のビット挿通部2bの端部に取り付ける。
【0052】
この場合、新規のティース型ビットCの後端部のねじ孔27(図5参照)にロッド3先端部の継手ねじ部31(図5参照)を締結して、新規のティース型ビットCとロッド3とを連結する。このようにして新規のティース型ビットCを略筒形のビット挿通部2bに差し込む。そして、ロッド3をナット4に螺合させて、このナット4の取付板43(図6参照)を略筒形のビット挿通部2b端部のフランジ25(図6参照)に複数のボルトにより固定して、ナット4をナット駆動部5(図7参照)とともに略筒形のビット挿通部2bの端部に取り付ける。
【0053】
(5)続いて、ティース型ビットCを回動部2の略筒形のビット挿通部2bから回動部2のビット挿通支持部20に通して前進させ、ティース型ビットCの先端部を回動部2のビット挿通口201まで前進させる。
【0054】
この場合、ナット駆動部5(図7参照)によりナット4(図7参照)を正回転駆動してロッド3を前進させる。すなわち、ナット駆動部5のモータ51(図7参照)を作動させてモータ51の回転軸に作動連結されたウォーム52(図7参照)を正回転させて、ナット部40外周面のウォームホイール50(図7参照)を正回転方向に駆動することにより、ナット部40を回転板41、ボールベアリング42の内輪(図7参照)とともに正回転駆動し、ナット部40に螺合されたロッド3を略筒形のビット挿通部2bから回動部2のビット挿通支持部20へ前進駆動する。このようにしてロッド3に連結されたティース型ビットCを略筒形のビット挿通部2b、回動部2のビット挿通支持部20を通して前進させ、ティース型ビットCの先端部を回動部2のビット挿通口201(の手前)まで送り出す。
【0055】
(6)続いて、回動レバー26により回動部2を回動し、回動部2のビット挿通口201を固定部1のビット挿通支持部10に向ける。
【0056】
この場合、まず、閉位置ストッパー16(図8参照)の一方、すなわち、固定部1の係止孔162に差し込まれた係止キー163を引き抜いて、回動部2の回動規制を解除する。続いて、回動レバー26(図4参照)を、平面視左回転方向に回動部2のビット挿通口201が固定部1のビット挿通口102に向けられるまで、言い換えれば、ティース型ビットC(の軸方向)をカッタースポーク110の前側の隅角部に向けて、回動する。これにより、固定部1のビット挿通支持部10と回動部2のビット挿通支持部20が一直線状に連通される。
【0057】
(7)そして、回動部2のビット挿通支持部20のティース型ビットCを固定部1のビット挿通支持部10に通して前進させて、固定部1のビット突出開口101から突出させる。
【0058】
この場合、ナット駆動部5(図7参照)によりナット4を正回転駆動してロッド3を前進させる。すなわち、ナット駆動部5のモータ51(図7参照)を作動させてモータ51の回転軸に作動連結されたウォーム52(図7参照)を正回転させて、ナット部40外周面のウォームホイール50(図7参照)を正回転方向に駆動することにより、ナット部40を回転板41、ボールベアリング42の内輪(図7参照)とともに正回転駆動し、ナット部40に螺合されたロッド3を略筒形のビット挿通部2bから回動部2のビット挿通支持部20へ前進させ、ロッド3に連結されたティース型ビットCを回動部2のビット挿通支持部20から固定部1のビット挿通支持部10へ前進させる。このようにしてティース型ビットCを固定部1のビット挿通支持部10へ前進させ、ティース型ビットCの先端を固定部1のビット突出開口101から地盤の切羽に達するまで突出させる。そして、回動部2の回動軸24の回動レバー26(図4参照)をロック部によりロックし、開位置ストッパー15の一方、すなわち、係止キー153(図4参照)を固定部1の係止孔152(図4参照)に差し込んで、回動部2の回動を規制する。このようにして回動部2の回動レバー26、回動部2をそれぞれ、カッターヘッド100による切羽の回転掘削の際に、掘削反力により回転しないように固定しておく。
【0059】
このようなティース型ビットCの取り付け・交換形式により、大気圧下のカッタースポーク110内部(作業室)で作業員がティース型ビットCの取り付け、交換を容易かつ確実に行うことができる。
【0060】
以上説明したように、本構造によれば、既述の各構成により、次のような本発明独自の格別な効果を奏する。
【0061】
本構造では、カッタースポーク110の前側の両隅角部にそれぞれ、ビット取付部A1を固定し、各ビット取付部A1の各ビット挿通支持部20、10に一対のティース型ビットCをビット直動機構A2を介して取り付け又は交換し、各ティース型ビットCをカッタースポーク110の前側の両隅角部から斜め前方に向けて突出させるようにしたので、図8に示すように、カッタースポーク110の前側の各隅角部にティース型ビットCを交換可能に配置して、カッタースポーク110の前面板111及びその内部にローラビットなど他のカッタービットの取付スペースを確保することができ、カッタースポーク110の前面板111にローラビットなど他のカッタービットを並設することができる。したがって、この構造により、カッタースポーク110の前面板111や内部空間を有効に活用することができる。
【0062】
本構造では、ビット取付部A1に、カッタースポーク110の前側の隅角部にティース型ビットCを突出させるビット突出開口101を有し、カッタースポーク110の内部側にビット挿入口202を有し、ビット挿入口202からビット突出開口101までティース型ビットCを摺動可能に延びるビット挿通支持部20、10が設けられるので、ビット取付部A1にビット挿通支持部20、10を同一形状、同一寸法(径)にして、ビット取付部A1を簡単な構造にすることができる。
【0063】
本構造では、ビット取付・交換装置Aは、ビット挿通支持部20、10と遮断部21とを有するビット取付部A1に、カッタースポーク110の内部側でビット取付部A1のビット挿通支持部20に対向して着脱可能に取り付けられ、ビット挿通支持部20、10上でティース型ビットCを進退駆動するビット直動機構A2を備えるので、ビット直動機構A2を、例えばティース型ビットCに連結されるねじ軸からなるロッド3とロッド3を進退駆動するナット4及びナット駆動部5により構成することで、ティース型ビットCの掘削反力の一部をビット取付部A1のビット挿通支持部20、10で支持し、掘削反力のビット軸方向の成分をロッド3とナット4とのねじ締結により支持して、ティース型ビットCの片持ち長を小さくすることができる。
【0064】
本構造では、ビット取付・交換装置Aのビット直動機構A2を例えばティース型ビットCに連結されるねじ軸からなるロッド3とロッド3を進退駆動するナット駆動部5とにより構成して、ロッド3それ自体を回転させないようにすることで、ティース型ビットCとロッド3とをねじ締結など簡単な連結機構で連結固定することができる。
【0065】
なお、この実施の形態では、ティース型ビットCを断面矩形のものとして例示したが、このティース型ビットCの断面形状は任意であり、例えば、断面多角形又は断面円形又は断面楕円形であってもよい。このティース型ビットCの断面形状に応じて、固定部1、回動部2の各ビット挿通支持部10、20、略筒形のビット挿通部2bの各断面形状も変更される。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
また、この実施の形態では、ビット直動機構A2に、ナット駆動方式を採用したが、ラックとピニオン駆動方式を用いてよい。この場合、ビット直動機構A2は、図10に示すように、ティース型ビットCに連結され、ティース型ビットCを固定部1、回動部2の各ビット挿通支持部10、20内に挿通するための外周面にラック61を有するロッド3と、回動部2の略筒形のビット挿通部2bの回動部本体2aとは反対側の端部に着脱可能に取り付けられ、ロッド3外周面のラック61に噛合され、ロッド3を進退駆動するためのピニオンギア62、及びピニオンギア62を回転駆動するピニオンギア駆動部(モータ)63とを備える。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0067】
さらに、この実施の形態では、ティース型ビットCの掘削反力の一部をビット取付部A1のビット挿通支持部10、20で支持し、掘削反力のビット軸方向の成分をロッド3とナット4とのねじ締結により支持することで、ティース型ビットCの片持ち長を小さくしているが、特に、カッタースポーク110の最外周に配置するティース型ビットCの場合は、カッタースポーク110からの突出量が大きいので、図11に示すように、ビット断面を大きくする、及び/又はビット取付部A1の外面にティース型ビットCを支持可能に支持補強ブロック7を設けてもよい。この場合、支持補強ブロック7は正面視四角形(例えば長方形)、平面視細長の四角形(例えば、平行四辺形)、側面視細長の四角形(例えば長方形)からなるブロック状に形成され、少なくとも片側一方の側面7sがビット取付部A1のビット挿通支持部10、20内の一方側面10sの延長面をなすように角度が付けられる。このようにして支持補強ブロック7は一方の側面7sをビット取付部A1のビット突出開口101側に向けてビット突出開口101に隣接して取り付けられる。このようにすることで、ティース型ビットCをさらにこの支持補強ブロック7で支持することができる。
【符号の説明】
【0068】
ТBMシールドТBM(トンネル掘進機)
A ビット取付・交換装置
A1 ビット取付部
1 固定部
10 ビット挿通支持部
101 ビット突出開口
102 ビット挿通口
10s 一方の側面
11 前面板方向固定部
12 側面板方向固定部
13 ガイド部
131 開位置ガイド面
132 閉位置ガイド面
14 軸受
15 開位置ストッパー
151 回動停止部材
152 係止孔
153 係止キー
16 閉位置ストッパー
161 回動停止部材
162 係止孔
163 係止キー
17 開口部
2 回動部
2a 回動部本体
2b 略筒形のビット挿通部
20 ビット挿通支持部
201 ビット挿通口
202 ビット挿入口
S1、S2 止水用のシール
21 外周面(遮断部)
22 外周面の対向面
24 回動軸
25 フランジ
26 回動操作部(回動レバー)
A2 ビット直動機構
C ティース型ビット
27 ねじ孔
S3 止水用のシール
3 ロッド
301 ねじ部
30 ねじ孔
31 継手ねじ部
3P 分割ロッド
4 ナット
40 ナット部
41 回転板
42 ボールベアリング
43 取付板
5 ナット駆動部
50 ウォームホイール
51 モータ
52 ウォーム
61 ラック
62 ピニオンギア
63 ピニオンギア駆動部
7 支持補強ブロック
7s 一方の側面
100 カッターヘッド
101 切羽室
110 カッタースポーク
111 前面板
112 側面板
113 ビット取付部装着部
120 中枢体
130 旋回体
140 回転輪
150 旋回ベアリング
160 カッター駆動装置
170 カッターリング
180 撹拌翼
190 隔壁
200 カッターフード
210 土圧計
220 排土装置(スクリューコンベア)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11