(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】下降流容器内での流体接触のための方法及び器具
(51)【国際特許分類】
B01J 19/24 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
B01J19/24 Z
(21)【出願番号】P 2020503918
(86)(22)【出願日】2018-07-24
(86)【国際出願番号】 US2018043436
(87)【国際公開番号】W WO2019023199
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-02-18
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ジャンペン・シュー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ナウンヘイマー
(72)【発明者】
【氏名】ペンフェイ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ジェイ・レスニアク
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-319982(JP,A)
【文献】特表2009-507633(JP,A)
【文献】特開2014-223610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 10/00-12/02
14/00-19/32
8/00- 8/46
B01F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下降流容器内での流体接触のための装置であって、
液体収集トレーと、
蒸気及び液体を接触させるために前記液体収集トレーと連通する入口を有し、外壁と内壁との間に形成された、概ね環状の混合チャネルと、
前記混合チャネルの出口と流体連通する入口を有し、貫流する液体及び蒸気の少なくとも一部を分離するために、前記混合チャネルの前記内壁の内側に位置付けられている、概ね環状の液体分離チャネルと、
導管を通る液体の流れを制限するため、前記液体分離チャネルの底壁より上方に延在する導管壁を有する、前記液体分離チャネルの内側に位置付けられた蒸気導管と、
前記環状液体分離チャネルと連通している、蒸気を通過させるための上部開口部と、
前記液体分離チャネル底壁を貫通する、液体を分配するための開口部と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記液体分離チャネルが外壁を含み、液体分離チャネル通路が
前記液体分離チャネルの前記外壁と前記導管壁との間に画定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記環状液体分離チャネル及び前記蒸気導管の少なくとも一部を覆う上部プレートを更に備え、
ここで、前記
導管壁と前記上部プレートとの間の前記上部開口部を画定するために、前記
導管壁は
前記液体分離チャネルの前記外壁の高さよりも小さい高さを有する、
請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の陳述)
本出願は、2017年7月28日に出願された米国特許仮出願第62/538,289号からの優先権を主張するものであり、その引用された出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、並流容器内の流体を接触させるための方法及び器具に関する。より具体的には、本発明は、下流容器内の2つの床間で液体及び蒸気を接触させるための方法及び器具に関する。
【背景技術】
【0003】
多種多様なプロセスで、流体と固体粒子との間の接触をもたらすために、流体(複数の場合あり)が粒子状物質の固体床上を流れる並流反応器が使用される。反応器において、固体は、流体が反応して生成物を形成する触媒材料を含み得る。流体は、液体、蒸気、又は液体と蒸気との混合物であり得、流体は、反応して液体、蒸気、又は液体と蒸気との混合物を形成する。これらのプロセスは、炭化水素変換、ガス処理、及び分離のための吸着など、様々なプロセスを網羅する。
【0004】
固定床を有する並流反応器は、反応器が触媒床上での流体の流れを可能にするように構築される。流体が液体か、又は液体と蒸気との混合物である場合、流体は通常、反応器を通って下方に流れるように方向付けられる。反応器床が反応器シェル内で互いに積み重ねられている多床反応器も、頻繁に使用される。典型的には、これらは、床間にある程度の空間をもって積み重ねられる。
【0005】
床間空間は、多くの場合、冷却、加熱、混合、及び再分配などのプロセス流体の中間処理を提供するように作られる。
【0006】
発熱触媒反応では、流体温度及び分配の制御が重要である。上部触媒床から及び反応器の外側からの流体の温度及び組成は、下方の触媒床に分配される前に十分に混合されるべきである。触媒床の上部での初期の不十分な温度及び組成の分配は、プロセス流体が反応器を下方に移動するにつれて持続又は拡大し得る。ホットスポットが発生し、触媒の急速な失活を引き起こし、反応器サイクル長を短縮させ得る。触媒床間の空間は、クエンチガス又は液体の注入のため、並びに流体の混合及び分配のためにある。炭化水素処理では、クエンチガスは多くの場合、冷却水素/炭化水素流である。しかしながら、混合及び分配を制御することなく流体を冷却することは、後続の反応器床における不均一な反応及び不均一な温度の分配をもたらす。また、複雑な混合及び分配システムは、複数の触媒床を保持する反応器チャンバ内の貴重な空間を占める。
【0007】
反応器床間の空間の高さの制約により、クエンチ流体を導入し、クエンチ流体と共に蒸気及び液体を混合するための空間の量は限られる。特に、既存の水素処理反応器では、触媒床間の空間は既に設定されており、時には、触媒床の高さを低減することなく、既存の床間空間内の流体の混合を改善するために新たに内部を設置することは困難である。新たな反応器についても、多くの場合、加工工場における設備投資及び反応器のプロファイルを低減するために、反応器の全体的なサイズを低減することが望まれる。したがって、比較的低い床間空間内で、隣接する触媒床間の流体の良好な混合を提供することが望ましい。
【0008】
これらの制限を克服するための以前の試みには、概して、混合に影響を及ぼす方法で流体の流れをまとめて提供することを含む、渦型又は乱流型ミキサーが含まれてきた。渦型ミキサーの一例は、米国特許第8,017,095号に記載されている。円筒形混合装置40は、収集トレー上に位置付けられ、入口50及び55と、底壁の底部中央に単一の出口80とを含む。流体及び液体は、入口50及び55を通って共に装置に入る。これらの装置には、混合が、液体上の蒸気を伴う、装置内での全体的に同じ方向への流体の乱流又は旋回の影響を受けるという点で制限がある。
【0009】
これらの制限を克服するための反応器内部の設計は、反応器内の貴重な空間を有意に節約し得る。反応器シェル内の空間の利用を改善する新たな反応器内部は、触媒充填を最大化することができ、新たな反応器シェル構成要素の必要性を排除し、並びに反応器全体を交換するためのダウンタイムを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】様々な実施形態による、多床触媒反応器内に位置する混合装置の断面側面図である。
【
図2A】様々な実施形態による、混合装置の断面上面図である。
【
図2B】様々な実施形態による、
図2の混合装置の蒸気導管の側面図である。
【
図3】様々な実施形態による、混合装置の部分斜視図である。
【
図4】様々な実施形態による、代替的な混合装置の部分斜視図である。
【
図5】様々な実施形態による、多床触媒反応器内に位置する代替的な混合装置の断面側面図である。
【
図6】様々な実施形態による、代替的な混合装置の断面上面図である。
【
図7】様々な実施形態による、代替的な混合装置の部分斜視図である。
【
図8】様々な実施形態による、混合装置より下方にオフセットされた分配器底部トレーを有する、多床触媒反応器ハンド内に位置する代替的な混合装置の断面側面図である。
【
図9】様々な実施形態による、上部プレートを示す混合装置の断面側面図である。
【
図10】様々な実施形態による、上部プレートを示す混合装置の断面上面図である。
【
図11】様々な実施形態による、上部プレートの堰の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な態様によれば、本明細書に開示される混合装置及びシステム、並びにその使用方法は、並流容器内の床間の空間内に配設される。説明を容易にするために、以下に、2つ以上の離間した触媒床を含む下降流反応器に関して説明するが、本明細書に記載される混合装置及びシステム、並びに方法はまた、吸着分離チャンバ内の吸着床を含むが、これに限定されない、異なるタイプの処理床を有する他の炭化水素処理容器に使用及び適用されてもよい。反応器内の触媒床は、流体のクエンチ、混合、及び分配のための空間によって分離され、混合ゾーンは、上記の触媒床から流出液を冷却/加熱、混合、及び時には凝縮するように設計される。一実施例では、
図1に示すように、混合装置及びシステムは、水素処理下降流反応器5内に含まれてもよく、流体は、上位触媒床10から下位触媒床15に流れる。流体は、蒸気、液体、又は蒸気と液体との混合物を含んでもよい。反応器流体は、クエンチ流体分配器20からのクエンチガス又は液体(本明細書では「クエンチ流体」と総称される)でクエンチされてもよく、流体は混合され、次いでクエンチゾーン25内の下位触媒床15に分配される。本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体及び蒸気のいずれか又は両方を指すことに留意されたい。流体は、クエンチゾーンより下の下位触媒床15に分配される前に、温度及び組成の差を最小化するように混合される。現在のシステムでは、クエンチ及び混合のために反応器床間にかなりの空間が存在する。これらの機能に必要とされる空間の量の低減は、反応器5内の最大触媒充填を有利に提供して、反応器全体を交換することなく処理及び性能を改善し得る。同様に、新たな反応器は、クエンチゾーンの高さが最小化されれば、より小さいプロファイル及びより小さい設備投資で設計することが可能である。
【0012】
触媒床上での液体の良好な分配は、触媒床内の不均一な温度上昇及びホットスポットなどの悪影響を避けるために重要である。触媒床に生じるホットスポットは、触媒寿命の短縮又は生成物の品質低下につながり得る。本明細書に記載される方法及び装置は、流体混合及び分配性能を犠牲にすることなくクエンチゾーンの高さを低減するように設計される。
【0013】
一態様によれば、システム30は、並流反応器5内の触媒床間のクエンチゾーンにおける蒸気-液体接触のために提供される。一実施例では、反応器5は、概ね円筒形の下降流反応器であってもよい。システム30は、反応器5内の支持構造体、例えば、支持リング又は図示されていない他の構造体によって支持され得る液体収集トレー35を含む。液体収集トレー35は、好ましくは、実質的に反応器5の領域にわたって延在して、流体が混合ゾーン30を通過することを制限し、典型的には、下位触媒床15への流体の分配を可能にするために、液体収集トレー35を貫通する開口部が設けられる。液体収集トレー35の少なくとも一部は、上位触媒床10から下方に移動する流体をそこに収集する。
【0014】
図1~
図3を参照すると、クエンチゾーン25内で液体及び蒸気を混合するための混合装置40が提供される。混合装置は、好ましくは、液体収集トレーによって支持され、それより上方に位置付けられるが、混合装置40は、液体収集トレーより下方に位置付けられてもよく、又は液体収集トレー35より上方若しくは下方にその一部を有してもよい。一態様によれば、混合装置40は、液体収集トレー35上に支持され、液体収集ゾーン50から混合装置40を分離する外壁45を含む。外壁45は、図示のように概ね円形であってもよく、又は多角形若しくは別の好適な形状であってもよい。液体収集ゾーン50は、外壁45と、外壁45の周囲全体又はその少なくとも一部に延在する反応器壁5との間に間隙を含んでもよい。動作中、上位触媒床10からの液体は、液体収集ゾーン50内に収集される。一実施例では、液体収集ゾーンが既存の反応器シェルアタッチメント、混合装置の設置、及びクエンチ分配器20の収容に十分な空間を提供するために、外壁45は、反応器壁から5~20インチに位置付けられる。別の実施例では、反応器壁から10~15インチである。1つのアプローチによれば、バッフル51は、液体収集ゾーンにわたって延在して、混合装置の外壁45の周りの単一方向の流れを促進し、液体の予混合を改善する。
図4に示すように、混合装置40内に追加の混合領域を提供するため、一態様によれば、外壁45は、反応器壁5に近接して又は隣接して位置付けられてもよい。1つのアプローチでは、外壁45は、反応器壁から0~5インチに位置付けられる。液体収集に十分な領域を提供するために、このアプローチでは、液体収集ウェル55が外壁45内の間隙に設けられてもよい。
【0015】
混合装置40は、蒸気と液体とを混合するための混合チャネル60を含む。混合チャネル60は、液体及び蒸気の流れを促進するために1つ以上の細長いチャネルを含んでもよい。蒸気は混合チャネル60を貫流するため、混合チャネル60の少なくとも一部は、混合中に混合チャネル60内の蒸気を維持するために実質的に密閉される。
図2Aに示すように、混合チャネル60は、反応器5及び/又は混合装置40の中心軸を中心に延在する細長い、概ね環状のチャネルである。環状混合チャネル60は、図示のような円形、多角形、又は他の形状であってもよい。一態様では、混合チャネル60は、外壁45と内壁65との間に形成される。外壁45及び内壁65は、液体収集トレーの一部であり得る、混合チャネル底壁70から上方に延在するバッフルによって形成されてもよい。外壁45及び内壁65は、
図2Aに示すような2つ以上の別個のバッフル、又は内側に旋回するパターンで延在する単一のバッフルを含んでもよい。
【0016】
一態様によれば、混合チャネル60は、その入口端部80に液体入口75と、その出口端部90に出口85とを含む。1つのアプローチでは、液体入口75は、入口端部80において混合チャネル60の外壁45又は他の壁の側面に開口部95を含む。本明細書で使用するとき、用語「開口部」は、限定するものではないが、孔、ノズル、穿孔、スロット、管、及びスパウトを含む、流体の通過を提供することができる任意のタイプの開口部又は他の構造体を指すことに留意されたい。液体入口開口部95は、混合チャネル60の下部に位置付けられてもよい。この点に関して、液体収集トレー35に収集された液体は、開口部95から入り得るが、開口部95の低位置は、液体が蒸気よりも優先的に貫流することを可能にする。この目的のために、液体入口開口部95は、液体収集トレー35より上方の予期される作動液位の近く又はそれより下に頂部96を備えて形成され得る。一実施例では、開口部は、混合チャネル60の高さの底部70%に位置付けられる。別の実施例では、開口部は、混合チャネル60の高さの底部50%、及び別の実施例では混合チャネル60の高さの底部30%に位置付けられる。一実施例では、液体入口開口部95の開放領域の少なくとも80%は、混合チャネル60の高さの底部50%にあり、別の実施例では混合チャネルの高さの底部30%にある。このようにして、液体入口を貫流する流体は、実質的に液体で構成される。1つのアプローチでは、開口部の少なくとも40%は液体流用である。別の実施例では、開口部の少なくとも80%は液体流用である。
【0017】
液体入口95に入る液体は、混合チャネル60を通って、出口85に向かって概ね下流方向に移動する。一態様によれば、混合装置は、上部触媒床から及び反応器の外側から混合チャネル60内に蒸気を通すための1つ以上の蒸気入口を含む。1つのアプローチでは、蒸気入口100は、混合チャネル60を通過する液体と蒸気との接触を改善するために、混合チャネル60に沿って液体入口75の下流に位置付けられる。蒸気入口開口部105は、混合チャネルの外壁45内に設けられてもよく、混合チャネル60を貫流する液位が比較的低い場合でも、蒸気が蒸気入口開口部105から入る際の蒸気-液体接触を改善するために、混合チャネル60の底部に位置付けられてもよい。1つのアプローチでは、混合チャネルの堰106は、混合チャネル60の一部にわたって延在してもよい。堰106は、例えば始動時又は停止時に少量の液体しか混合チャネル60を貫流しない場合でも、蒸気が液体に接触するように、混合チャネルに最小量の液体を維持する。堰は、液体混合を改善するために、混合チャネルに対して様々な角度で位置付けられ得る。一実施例では、開口部105は、混合チャネル60の高さの底部70%に位置付けられる。別の実施例では、蒸気入口開口部105は、混合チャネル60の高さの底部50%、及び別の実施例では混合チャネル60の高さの底部10%に位置付けられる。一実施例では、蒸気入口開口部105の開放領域の少なくとも80%は、混合チャネル60の高さの底部50%にあり、別の実施例では混合チャネル60の高さの底部10%にある。
【0018】
一態様によれば、蒸気導管110は、蒸気入口開口部105を取り囲む。蒸気導管110は、収集トレーから上方に延在する導管壁を含み、かつ蒸気入口開口部105を通って導管110に入る蒸気の通過を提供するための上部導管入口又は開口部115を含む。蒸気導管開口部115は、導管110の最上部にあってもよく、又は導管壁を貫通する孔であってもよい。指定されない限り、本明細書で使用するとき、上部開口部は、底壁又は液位、例えば、液体収集トレー35又は混合装置40の一部の底壁よりも高い、1つ以上の開口部を指し、限定するものではないが蒸気導管の上部又は側部の開口部を含んでもよい。開口部115は好ましくは、液体が蒸気と共に蒸気入口100から導管110に入ることを制限するために、通常の作動液位より上方の液体収集トレー35より上方の高さに位置付けられる。一実施例では、蒸気入口100に入る流体の少なくとも60%は蒸気である。別の実施例では、蒸気入口100に入る流体の少なくとも80%は蒸気である。
【0019】
蒸気入口開口部105は、
図2A、
図2B、及び
図3に示すように、混合チャネル60の外壁45を貫通する1つ以上の開口部を含んでもよい。あるいは、様々な態様によれば、蒸気入口導管110は、混合チャネル60内に延在してもよく、蒸気入口開口部105は、導管壁に形成されてもよい。いずれの場合も、開口部105は、混合チャネル60と流体連通し、蒸気入口開口部105から混合チャネル60に入る蒸気は、混合チャネル60の中に、概ね混合チャネル60にわたって導入され、そこを通る液体流の中に、かつ液体流にわたって導入され得る。このように液体流に向かって、かつ液体流にわたって蒸気を注入又は分散することは、液体の上に蒸気がある一般的な開口部を通して蒸気流及び液体流を一緒に混合チャネルに導入することと比較して、チャネル内の蒸気と液体との間の密接した接触の改善と、液体及び蒸気の混合の改善をもたらすことが確認されている。更に、蒸気導管内に十分な圧力低下を生じさせることにより、蒸気は、混合チャネル60内に十分な速度及び運動量で分散されて、下流に向かう流体流を横断し、混合を改善する。一実施例では、蒸気導管110を通る圧力低下は、別の実施例では、0.2~2.5psi、0.3~2.0psi、更に別の実施例では0.5~1.5であってもよい。
【0020】
更に、環状混合チャネルを中心に旋回する液体又は乱流を有する液体に蒸気を注入することで、蒸気が導入されて蒸気及び液体が一緒に流れることにより、更なる混合がもたらされる。蒸気は、混合チャネルに対して横方向に又は斜めに蒸気開口部を通って方向付けられてもよい。上述したように、一態様によれば、
図2Bに示すように、蒸気入口は、液体収集トレー35より上方の異なる高さに位置付けられた2つ以上の開口部105を含んでもよい。開口部105を異なる高さで提供することにより、蒸気と液体との間の最適な接触が可能になる。
【0021】
蒸気を、貫流する液体流に対して直交又はほぼ直交するように導入することは、良好な混合をもたらすことが証明されてきたが、混合チャネルの外壁45に対して斜め下流方向に蒸気を導入することは、下流方向への流体の流れによる中断を低減しながら良好な混合をもたらし得る。この点に関して、一態様によれば、バッフル120は、混合チャネルに入る蒸気を液体流の下流かつ斜めに方向付けるために設けられてもよい。バッフル120は、
図7に示すように、開口部から外壁45に対して鋭角に延在してもよい。一実施例では、バッフルは、混合チャネルの外壁45に対して鋭角に、概ね下流に延在する。一実施例では、鋭角は、外壁45から10~60度、別の実施例では20~45度である。
【0022】
一態様では、蒸気入口開口部を有する1つ以上の追加の蒸気入口125は、第1の蒸気入口100とは異なる下流距離で液体入口75の下流に位置付けられる。混合チャネル60に沿った異なる位置に2つ以上の蒸気入口を提供することは、液体流が混合チャネルを通過する際に蒸気を液体流内へと徐々に方向付けることによって、蒸気-液体接触を改善し得ることが確認されている。追加の蒸気入口125はまた、上部開口部を有する蒸気導管130を含んでもよい。異なる蒸気導管の上部導管開口部115及び135の高さは、動作中に液体収集トレー35上に過剰な液体蓄積が生じた場合に、より低い開口高さを有する導管が、を蒸気入口から蒸気導管に液体をオーバーフローさせ得るように異なっていてもよい。トレー35より高い上部導管開口部高さを有する他の導管を提供することによって、これらの導管は、蒸気と共に過剰な液体が導管に入ることを更に制限し、主に蒸気が導管を通過して混合チャネルに入り、そこでの蒸気-液体接触を維持することを可能にし得る。蒸気入口導管の上部開口高さの様々な組み合わせが可能であるが、好ましくは、上流導管は、下流導管(混合チャネルに沿って下流)よりも低い低部開口高さを有する。この点に関して、液体収集ゾーン内の液位が上昇すると、液体は、上流導管へとオーバーフローし得るが、蒸気は、なお下流導管を貫流して、液体開口部を迂回し、上流導管を介して混合チャネル60に入った液体と接触する。
【0023】
図4に関して以下に更に説明するように、一態様によれば、混合チャネルは、外部混合チャネル136と、外部混合チャネル136の内側に位置付けられた内部混合チャネル137とを含む。この態様によれば、内部混合チャネル137に蒸気を提供するために、1つ以上の内部蒸気入口138が混合チャネル内に設けられてもよい。内部蒸気入口138は、内部混合チャネル137の壁を通る、又は内部蒸気入口の導管142を通る導管蒸気開口部139を含む。蒸気入口100と同様に、内部蒸気入口開口部139は、内部混合チャネル137の下部に位置付けられてもよく、その結果、開口部139を通って混合チャネル137に入る蒸気は、貫流する液体流に向かって方向付けられる。内部導管の上部開口部143は、蒸気が上部プレートの上方から導管142を通過して内部混合チャネル137に入ることを可能にするため、上部プレート150より上方に延在してもよい。1つのアプローチでは、導管開口部は、液体が蒸気と共に導管142に入ることを制限するために、上部プレート150の上面より上に位置付けられてもよい。
【0024】
上述したように、混合チャネル60は、流体通路を画定するための内壁65及び外壁45を含む。混合チャネル60は、底壁140及び上壁145を更に含む。底壁140は、混合チャネルの下方の液体収集トレー35の一部を含み得る。上壁145は、混合チャネル60の少なくとも一部を覆う上部プレート又はトレー150の形態で提供されてもよい。1つのアプローチでは、内壁65及び外壁45は、液体収集トレー35に取り付けられ、そこから上方に延在する1つ以上のバッフルを含む。好ましくは、1つ以上のバッフルの上部151及び152は、液体収集トレーより上方の類似の高さにあり、上部プレート150は、上部151及び152に近接して又はそれらに接触して位置付けられて、概ね密閉された混合チャネル60を提供し得る。上部プレート150は、少なくとも部分的にバッフル上に支持されてもよく、又は他の構造体によって支持されてもよい。この点において、上部プレートを支持する、及び/又は取り付けるため、上部151及び152にフランジが設けられてもよい。
【0025】
図1~
図3に示すように、一態様によれば、外壁45は、反応器5の中心部の周りに延在し、かつ反応器壁から離間しているバッフル155を含む。内壁65は、外壁45の内側表面に隣接するか又は接触し、そこから延在する別のバッフル160によって形成されてもよい。それぞれのバッフルは、単一片の材料、又は互いに接合された2片以上の材料から形成されてもよいことに留意されたい。別の態様によれば、
図4に示すように、外壁45は反応器壁に近接して位置付けられ、バッフル165は、バッフル165が混合チャネル60の内壁65及び外壁45の両方として機能するように、反応器の中央部153に向かって内向きのらせんパターンで延在する。更に別の実施例では、
図5~
図8に示すように、内壁65は、外壁45を形成するバッフル175とは別個の、バッフル175から内側に離間したバッフル170から形成されてもよい。このアプローチでは、セパレータバッフル180が、入口端部80を混合チャネル60の出口端部90から分離してもよい。セパレータバッフル180はまた、流体が混合チャネル60を出て混合装置40の分配ゾーン190に入る前に、混合チャネル60を通る流体の旋回流を遮るための接触面として機能して、そこからの蒸気及び液体の分離及び分配を促進することもできる。
【0026】
前述したように、一態様によれば、混合チャネル60は、
図4に示すように、外部チャネル部分136とそこから内側に位置付けられた内部チャネル部分137とを有する内向きのらせんチャネルを含み得る。中間壁191は、外壁45と内壁65との間に位置付けられてもよく、外壁及び内壁を形成する1つ以上のバッフルと同じ又は異なるバッフルで形成されてもよい。あるいは、外壁45は、
図4に示すように、反応器壁にごく近接して位置付けられ、単一の混合チャネル60のみでより広い混合チャネルを提供し得る。
【0027】
一態様によれば、混合システム30は、混合装置から最終蒸気及び液体分配トレー210に流体を分配するための分配ゾーン190を更に含む。分配ゾーン190は、混合チャネル60の出口端部90と流体連通する入口部分195を含んでもよい。分配ゾーン190は、混合装置40の全体高さ、及び上位触媒床10と下位触媒床15との間に必要とされる必須の床間空間を低減するために、混合チャネル40と概ね同一平面上にあってもよい。典型的なこととして、最終分配トレー210は、下位触媒床15にわたって高品質の流体分配を提供するため、分配ゾーン190を含む混合装置より下方に含まれてもよい。
【0028】
一態様によれば、分配ゾーン190は、1つ以上の液体分配器200及び1つ以上の蒸気分配器205を含む。1つのアプローチでは、液体分配器200は、分配ゾーン190の底部、例えば分配ゾーン底壁215を貫通する開口部201を含む。蒸気分配器205は、1つ以上の開口部又は蒸気分配導管220を含んでもよい。蒸気分配導管220は、導管220を通る液体の流れを制限するための外壁と、導管の中及び下方への蒸気の通過を可能にする上部開口部とを含む。蒸気分配導管220は、蒸気が下方に通過することを可能にするために、分配ゾーン底壁215を貫通する底部開口部225を含む。分配ゾーン底壁215は、分配ゾーン190より下方に延在する液体収集トレー35の一部によって形成されてもよい。一態様によれば、混合装置40は環状混合チャネル60を含み、分配ゾーン190は、混合装置40の中央部に向かって混合チャネルの内側に位置付けられ、分配ゾーン190の入口部分195は、混合チャネル出口部分90と流体連通している。
【0029】
一態様によれば、分配ゾーン190は、
図2~
図4に示すような液体分離及び分配ゾーン230を含む。ゾーン230は、液体及び蒸気を分離し、液体を下方に分配するために設けられてもよい。ゾーン230は、外壁240と内壁245との間にチャネル235を含む。チャネル235は、弓状若しくは環状の構成、又は例えば多角形などの他の好適な形状を有してもよく、かつ環状混合チャネル60内に位置付けられてもよい。この点に関して、混合チャネルの内壁65は、底壁及び/又は液体収集トレー35から上方に延在する共通のバッフルを介して提供されるように、チャネルの外壁240の全て又は一部を形成してもよい。中央蒸気分配導管255は、チャネルの内壁245を形成する導管壁を有してもよい。理論に束縛されるものではないが、流体が混合チャネル60の出口からチャネル235を通過する際、流体が液体分離チャネル235の周りで旋回するときに流体に作用する遠心力は、より重い液体を蒸気から分離させると考えられる。液体分配器200は、液体が底壁250上に収集され、分配器200を通じて下方に分配されるように、液体分離チャネルの底壁250に提供されてもよい。
【0030】
図1~
図3に示すように、一態様によれば、中央蒸気分配導管255は、液体分離チャネル235の内側に位置付けられてもよく、上述のように、液体分離チャネル235の内壁を形成してもよい。蒸気分配導管255は、分配ゾーン底壁280の底壁より上方に延在する導管壁260を有してもよい。分配導管は、上部開口部265を含む。蒸気導管は、液体の流れを制限しながら、蒸気が上部開口部を通過することを可能にする。一態様によれば、蒸気分配導管壁260は、上部プレート又は別個の壁の一部であり得る、分配ゾーンの上壁に向かって途中まで上方に延在する。この点に関して、上部開口部は、分配導管壁260の上部と上部プレート150との間に設けられる。
図1に示すように、スペーサ270は、上方の上部プレート150を支持するため、導管壁260より上の、その上部と上部プレート150との間に設けられてもよい。スペーサ270は、蒸気導管にわたって延在する1つ以上のバー又は他の障害物を含んでもよい。一実施例では、概ねX字形状の支持体275は、上部プレート150を支持するために、蒸気分配導管255と上部プレート150との間に位置付けられる。この支持体は、分配ゾーン190内の蒸気の流れを有利に停止させ得る。
【0031】
別の態様によれば、
図5~
図6に示すように、分配ゾーン190は、内部に複数の液体出口200を有する底壁を含んでもよい。この態様による出口200は、底壁280を通る複数の開口部201を含んでもよい。液体流用の開口部201は、これらの開口部からの液体流が、下方の蒸気-液体分配トレー上の分配器の上に落ちないような場所に、優先的に位置付けられる。底壁280は、液体収集トレー35の一部を含んでもよい。1つ以上の蒸気分配導管220は、底壁280から上方に延在してもよい。それぞれの蒸気分配導管220は、液体が蒸気分配導管220に入ることを制限するための蒸気導管壁290及び上部蒸気導管開口部295を含む。蒸気分配導管220は、底壁280を貫通する開口部225を密閉して、蒸気は開口部を通過し、下方に分配される。
【0032】
一態様によれば、液体分配器底壁280は、液体収集トレー35の一部を形成するか、又は少なくとも概ね同一平面上にある。別の態様によれば、底壁280は、
図8に示すように、液体収集トレー35より下方にオフセットされた下部トレー305を含んでもよい。下部トレーは、分配ゾーン190を越えて、混合チャネル60の少なくとも一部より下に延在してもよい。このように、底部トレー305は、可能なより大きい断面積を有し、底壁280は、そこからの改善された分配を提供するため、液体収集トレー35と同一平面上にある。拡張された粗液体分配ゾーンは、下方の蒸気-液体分配トレーでの液高勾配及び液体運動量流束を低減することになる。このアプローチでは、分配ゾーンは、流体を下部トレー305に通すための少なくとも1つの開口部310を含んでもよい。一態様によれば、1つ以上の蒸気分配導管220は、下部トレー305から開口部310を通って分配ゾーン190内へと上方に延在してもよい。この点に関して、下部トレー305は、なお十分な蒸気分配導管壁の高さを提供する一方、液体収集トレー35に近接して離間してもよい。一実施例では、下部トレーは、液体収集トレー35から1~5インチ、別の実施例では2~4インチ、更に別の実施例では1.5~3インチ離間している。分配ゾーンはまた、分配ゾーンが液体収集トレーと同一平面上になるように、収集トレーより上の混合チャネルの底部を上昇させることによって、混合チャネルの底部に拡張され得る。
【0033】
前に説明したとおり、混合装置40は、混合チャネル60及び/又は分配ゾーン190のカバーを提供するための上部プレート150を含んでもよい。上部プレート150は、上位触媒床10の底部近くに位置付けられてもよい。本明細書で使用するとき、上位触媒床10及び下位触媒床15という用語は、当業者に概ね理解されるように、触媒床システムの支持体及び任意の他の部分を含む、混合段階より上の触媒床システム及び混合段階より下の触媒床システムを指すことに留意されたい。上部プレート150は、そこから下降する流体の流れを制限しないように、好ましくは、上位触媒床10の底部から離間している。この点に関して、下降する流体は、上部プレート150の上面306に接触及び/又は蓄積してもよい。
【0034】
上部プレート150は、所望の方法で流体を方向付けるように構成されてもよい。例えば、上部プレートは、液体収集ゾーン50又は液体収集ウェル55内に流体を方向付けるための堰、傾斜面、又は他の好適な機構を含んでもよい。例えば、
図4を一時的に参照すると、流体の通過を可能にする開口部又は空間が、ウェル55より上の上部プレート150に提供されてもよい。
【0035】
一態様によれば、クエンチガスを提供し、上位触媒床10と下位触媒床15との間の蒸気及び液体を混合するためのシステムは、
図2に示すようにクエンチガス分配器20を含む。クエンチガス分配器20は、反応器壁内に位置付けられ、上位触媒床10から下降する流体に向かってクエンチガスを分配して、流体を冷却するように構成されてもよい。クエンチガス分配器は、クエンチガス源(図示せず)と連通しているクエンチガス線320を含んでもよい。分配器は、反応器5の内部の少なくとも一部の周りに延在する線、管又はパイプ325を含んでもよい。
【0036】
図2に示すように、クエンチガス分配器は、反応器壁6と混合装置40との間の反応器壁の内面に沿って延在する弓状パイプを含む。パイプ325は、クエンチガスを分配するための複数のクエンチガス出口又はノズル330を含む。ノズル330は、任意の好適な出口を含んでもよい。一態様によれば、ノズルは、液体がノズルに入らないように、液体収集トレー35の作動液位より上に位置付けられる。ノズルに入る炭化水素液は、システムが遮断して炭化水素液が冷えると硬化し、将来の使用のためにノズルを塞ぎ得ることが確認されている。1つのアプローチでは、ノズル330は、上位触媒床10の底部近くに位置付けられる。ノズル330は、上部触媒床10から下降する流体に接触するように、反応器にわたって概ね水平にクエンチガスを方向付けるように構成されてもよいが、ノズルはまた、他の方向にクエンチガスを方向付けてもよい。1つのアプローチでは、ノズルは、上部プレート150の上面と触媒床との間に流体を方向付けるように構成される。このようにして、クエンチガスと下降する流体との間の密接な接触がなされ得る。
【0037】
別の実施例では、
図8~
図10に示すように、クエンチガス分配器20は、上部プレート150から流れる流体に向かってクエンチガスを方向付けるように位置付けられてもよい。例えば、クエンチガス分配器は、上部プレート150から流れ落ちる流体に接触するよう、クエンチガスを混合チャネルの外壁45に向かって方向付けるように位置付けられてもよい。1つのアプローチでは、
図9及び
図10に示すように、堰335は、上部プレート150の少なくとも一部の周りに設けられてよい。堰335は、流体が開口部340を通って方向付けられるように、開口部340を含んでもよい。ノズル330は、クエンチガスと流体との間の接触量を増加させるために、クエンチガスを開口部340に向かって方向付けるように構成されてもよい。開口部は、堰内の1つ以上の孔、堰内の間隙、堰の低部、又は流体の流れを促進する任意の他のタイプの開口部を含んでもよい。1つのアプローチでは、開口部は、
図11に示すジグザグパターンなどの不規則な上部を有する堰335の低部345を含んでもよい。
【0038】
クエンチガス分配器20は、
図5及び
図6に示すように、液体収集ゾーン50内に位置付けられてもよく、又は
図2及び
図8に示すように反応器の一部の周りにのみ延在してもよい。
【0039】
図5及び
図6に示す別の実施例では、クエンチガス分配器は、液体収集トレー35内の液体に向かってクエンチガスを下方に方向付けるように構成されてもよい。また、
図5及び
図6に示すように、クエンチガス分配器20は、クエンチガスと液体収集トレー35上の液体との間の接触を改善するために、液体収集トレー35上の液体に部分的又は完全に浸漬されてもよい。しかしながら、上述のように、炭化水素流体が冷却されたときにクエンチガス分配器ノズル330内で硬化しないよう、注意すべきである。
【0040】
一態様によると、最終分配トレー210は、液体を下位触媒床15に最終的に分配するために、混合装置40より下方に位置付けられてもよい。好適な最終分配トレーは市販されており、そのようなトレーの1つは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,506,861号に記載されている。
【0041】
この説明は、特定の実施形態に関して提供されてきたが、この説明は、開示される実施形態に限定するものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図することを理解されたい。
[1]下降流容器内での流体接触のための装置であって、
液体収集トレーと、
蒸気及び液体を接触させるために前記液体収集トレーと連通する入口を有する、概ね環状の混合チャネルと、
前記混合チャネルの出口と流体連通する入口を有し、貫流する液体及び蒸気の少なくとも一部を分離するために内側に位置付けられている、概ね環状の液体分離チャネルと、
導管を通る液体の流れを制限するため、前記液体分離チャネルの底壁より上方に延在する導管壁を有する、前記液体分離チャネルの内側に位置付けられた蒸気導管と、
前記環状液体分離チャネルと連通している、蒸気を通過させるための導管開口部と、を備える、装置。
[2]前記液体分離チャネルが、外壁、内壁、及び上壁と、
前記液体分離チャネル底壁を貫通する、液体を分配するための開口部と、を更に含む、[1]に記載の装置。
[3]前記液体分離チャネルが外壁を含み、液体分離チャネル通路が前記外壁と前記導管壁との間に画定されている、[1]に記載の装置。
[4]前記環状液体分離チャネル及び前記蒸気導管の少なくとも一部を覆う上部プレートと、
前記液体分離チャネルの外壁を形成する前記液体収集トレーから上方に延在する第1のバッフルと、
前記液体分離チャネルの内壁及び前記蒸気導管を画定する、前記液体収集トレーから上方に延在する第2のバッフルであって、前記第2のバッフルは、前記第2のバッフルと前記上部プレートとの間の前記上部開口部を画定するために、前記第1のバッフルの高さよりも小さい高さを有する、第2のバッフルと、を更に備える、[1]に記載の装置。
[5]前記第2のバッフルと前記上部プレートとの間に、流体渦を遮るための渦防止装置を更に備える、[4]に記載の装置。
[6]前記混合チャネルが外壁及び内壁を含み、前記混合チャネルの内壁の少なくとも一部が、前記液体分離チャネルの外壁の少なくとも一部を形成する、[1]に記載の装置。
[7]前記液体分離チャネル、前記蒸気導管、及び前記混合チャネルが、前記液体収集トレーより上方に位置付けられ、かつ前記装置の全高を低減するために互いに概ね同一平面上にある、[1]に記載の装置。
[8]1つ以上のバッフルが、概ね連続した内向きのらせんパターンで前記液体収集トレーから上方に延在して、前記混合チャネルの少なくとも一部及び前記液体分離チャネルの少なくとも一部の外壁と、前記混合チャネルの少なくとも一部の少なくとも内壁と、を形成する、[1]に記載の装置。
[9]前記混合チャネル液体入口が、前記液体入口を通って入る蒸気の量を低減するために、前記混合チャネルの外壁の底部に開口部を含む、[1]に記載の装置。
[10]前記混合チャネルを貫流する流体中に蒸気を方向付けるために、前記液体入口の下流に位置付けられた前記混合チャネルの蒸気入口を更に備え、前記混合チャネルの底部に開口部を含む、[9]に記載の装置。