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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】レーザ光システム
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20220617BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20220617BHJP
   H01S 3/0941 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S3/067
H01S3/0941
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020513311
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2018104422
(87)【国際公開番号】W WO2019047900
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】62/554,988
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520069589
【氏名又は名称】アイティーエフ テクノロジーズ インク
【氏名又は名称原語表記】ITF TECHNOLOGIES INC.
【住所又は居所原語表記】#35 Cuijing Road,Pingshan New District,Shenzhen,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】514191036
【氏名又は名称】昂納信息技術(深▲せん▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】マグネ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ホールハウス,ナイジェル
(72)【発明者】
【氏名】キャプレット,ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シエ ホン
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-533881(JP,A)
【文献】特開平09-162468(JP,A)
【文献】特開2003-188444(JP,A)
【文献】特開2012-054349(JP,A)
【文献】特開平11-274625(JP,A)
【文献】特開2002-261363(JP,A)
【文献】特開平07-226560(JP,A)
【文献】特表2010-505268(JP,A)
【文献】特開2016-025346(JP,A)
【文献】特開2005-093817(JP,A)
【文献】特開2001-217491(JP,A)
【文献】特開平11-135865(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01734622(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0181266(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 - 3/02
H01S 3/04 - 3/0959
H01S 3/098 - 3/102
H01S 3/105 - 3/131
H01S 3/136 - 3/213
H01S 3/23 - 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するレーザ光システムであって、
光学ベンチとしての支持ベースと、
前記支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で前記種光を発生する種レーザと、
前記支持ベースに設けられ、レーザ光を受けて出力するための第一光学ポート、第二光学ポート及び第三光学ポートを含み、前記種レーザから離隔されており、前記第一光学ポートで受けた自由空間中の前記種光を前記第二光学ポートに案内し、前記第二光学ポートで受けた光を前記第三光学ポートに案内する光サーキュレータと、
前記支持ベースに設けられ、前記種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長で前記ポンプ光を発生するポンプ光源と、
前記支持ベースに設けられ、自由空間中の前記ポンプ光源からの前記ポンプ光と前記光サーキュレータの前記第二光学ポートからの前記種光を受けて組合わせ、組合せレーザビームとしながら、前記ポンプレーザ光波長の光を伝送し前記種レーザ光波長の光を反射するための第一ダイクロイックミラーと、
前記支持ベースに設けられ、自由空間中の前記第一ダイクロイックミラーからの前記組合せレーザビームを受ける第一光ファイバコリメータと、
第一光ファイバ端末と第二逆方向光ファイバ端末とドープ利得光ファイバセクションを含み、前記第一光ファイバ端末が前記第一光ファイバコリメータに結合されて前記組合せレーザビームを受け、前記ドープ利得光ファイバセクションが前記第一光ファイバ端末と前記第二逆方向光ファイバ端末との間において前記組合せレーザビーム中の前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第一利得光ファイバセクションと、
第二光ファイバ端末と前記ドープ利得光ファイバセクションとの間に前記第一利得光ファイバセクションにおいて形成され、前記種レーザ光波長の光を前記ドープ利得光ファイバセクションに反射し戻して二次増幅させて前記第一光ファイバ端末にて反射増幅種ビームとするとともに、前記ポンプレーザ光波長の光を余剰ポンプビームとして前記第二光ファイバ端末に伝送し、前記第一光ファイバ端末での前記反射増幅種ビームが前記第一光ファイバコリメータに受け取られて自由空間にて前記第一ダイクロイックミラーに案内され、さらに前記第一ダイクロイックミラーにより自由空間中の前記反射増幅種ビームを前記光サーキュレータの前記第二光学ポートに案内し戻すファイバブラッググレーティングと、
前記支持ベースに設けられ、前記第一利得光ファイバセクションの前記第二光ファイバ端末に結合されて前記余剰ポンプビームを前記第一利得光ファイバセクションから前記支持ベース上方の自由空間に出射するように案内する第二光ファイバコリメータと、
前記支持ベースに設けられ、自由空間中の前記光サーキュレータの前記第三光学ポートからの前記反射増幅種ビームを受ける第三光ファイバコリメータと、
前記第一光ファイバ端末と前記第二逆方向光ファイバ端末と前記ドープ利得光ファイバセクションを含み、前記第一光ファイバ端末が前記第三光ファイバコリメータに結合されて前記第一利得光ファイバセクションからの前記反射増幅種ビームを受け、前記ドープ利得光ファイバセクションが前記第一光ファイバ端末と前記第二光ファイバ端末との間において前記組合せレーザビーム中の前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて前記増幅種光とする第二利得光ファイバセクションと、
前記支持ベースに設けられ、前記第二利得光ファイバセクションの前記第二光ファイバ端末に結合され、自由空間中の前記第二光ファイバコリメータからの前記余剰ポンプビームを受けて前記第二利得光ファイバセクションの前記ドープ利得光ファイバセクションにおいて前記ポンプ光を提供し、その前記ポンプ光が提供される方向が前記第一利得光ファイバセクションの前記反射増幅種ビームの方向と逆であり、前記反射増幅種ビームが増幅されて増幅透過種ビームとなり、ここから前記第二利得光ファイバセクションから離れる第四光ファイバコリメータと、
を備えるレーザ光システム。
【請求項2】
前記支持ベースに設けられ、前記第四光ファイバコリメータと前記第二光ファイバコリメータとの間に位置し、前記余剰ポンプビームを自由空間中の前記第二光ファイバコリメータから前記第四光ファイバコリメータに伝送するとともに、前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームを反射する第二ダイクロイックミラーをさらに備える、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項3】
前記支持ベースに設けられ、前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームを受ける出力光ファイバコリメータと、
前記出力光ファイバコリメータに結合され、前記増幅透過種ビームを受けてこのレーザ光システムのレーザ光出力とする出力光ファイバとを備える、請求項2に記載のレーザ光システム。
【請求項4】
前記支持ベースに設けられ、前記第四光ファイバコリメータと前記出力光ファイバコリメータとの間に位置し、前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームをろ過して前記種レーザ光波長の光の伝送を許可するとともに、他の波長の光を低減する出力光帯域通過フィルタを備える、請求項3に記載のレーザ光システム。
【請求項5】
前記支持ベースに設けられ、前記第四光ファイバコリメータと前記出力光ファイバコリメータとの間に位置し、前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームをろ過する光アイソレータを備える、請求項3に記載のレーザ光システム。
【請求項6】
前記支持ベースに設けられ、前記第四光ファイバコリメータと前記出力光ファイバコリメータとの間に位置し、前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームの小部分を分割して光学監視信号とする光学スプリッタと、
前記支持ベースに設けられ、前記光学監視信号を受けて前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームの出力を監視する光検知器とを備える、請求項3に記載のレーザ光システム。
【請求項7】
前記支持ベースに設けられ、前記光サーキュレータと前記第三光ファイバコリメータとの間に位置し、前記光サーキュレータの前記第三光学ポートからの前記反射増幅種ビームをろ過して前記種レーザ光波長の光の伝送を許可するとともに、他の波長の光を低減する光帯域通過フィルタを備える、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項8】
前記支持ベース上の前記ポンプ光源は、
前記支持ベースに位置し、それぞれ前記ポンプレーザ光波長で第一ポンプ光と第二ポンプ光を発生することができる第一ポンプレーザと第二ポンプレーザと、
前記支持ベースに位置し、前記第一ポンプ光と前記第二ポンプ光を合わせて前記ポンプ光とし、前記ポンプ光が前記第一光ファイバコリメータに案内されるビームコンバイナとを含む、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項9】
前記支持ベース上の前記ポンプ光源は単一のポンプレーザを含む、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項10】
前記種レーザ光波長は光通信に使用されるスペクトル域にある、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項11】
前記光通信に使用されるスペクトル域は1550nmを含む、請求項10に記載のレーザ光システム。
【請求項12】
前記ポンプレーザ光波長は前記種レーザ光波長よりも短い、請求項10に記載のレーザ光システム。
【請求項13】
前記第一利得光ファイバセクションと前記第二利得光ファイバセクションは偏光保持光ファイバセクションにより形成される、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項14】
前記第一利得光ファイバセクションと前記第二利得光ファイバセクションはいずれも偏光保持光ファイバを含む、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項15】
前記第一利得光ファイバセクションと前記第二利得光ファイバセクションはいずれも100℃以上の高温に耐える全面ガラス型繊維を含む、請求項1に記載のレーザ光システム。
【請求項16】
異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するレーザ光システムであって、
光学ベンチとしての支持ベースと、
前記支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で前記種光を発生する種レーザと、
前記支持ベースに設けられ、前記種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長で前記ポンプ光を発生するポンプ光源と、
前記支持ベースに設けられ、前記種レーザからの前記種光と前記ポンプ光源からの前記ポンプ光を受けて組合わせ、組合せレーザビームとする第一自由空間光学モジュールと、
前記支持ベースに設けられ、自由空間中の前記第一自由空間光学モジュールからの前記組合せレーザビームを受ける第一光ファイバコリメータと、
第一光ファイバ端末と第二逆方向光ファイバ端末とドープ利得光ファイバセクションを含み、前記第一光ファイバ端末が前記第一光ファイバコリメータに結合されて前記組合せレーザビームを受け、前記ドープ利得光ファイバセクションが前記第一光ファイバ端末と前記第二逆方向光ファイバ端末との間において前記組合せレーザビーム中の前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第一利得光ファイバセクションと、
前記種レーザ光波長の光を前記ドープ利得光ファイバセクションに反射し戻して二次増幅させて前記第一光ファイバ端末にて反射増幅種ビームとするとともに、前記ポンプレーザ光波長の光を余剰ポンプビームとして第二光ファイバ端末に伝送し、前記第一光ファイバ端末での前記反射増幅種ビームが前記第一光ファイバコリメータに受け取られて自由空間にて前記第一自由空間光学モジュールに案内される第一光学リフレクタと、
前記支持ベースに設けられ、前記第一利得光ファイバセクションの前記第二光ファイバ端末に結合されて前記余剰ポンプビームを前記第一利得光ファイバセクションから前記支持ベース上方の自由空間に出射するように案内する第二光ファイバコリメータと、
前記支持ベースに設けられ、自由空間中の前記第一自由空間光学モジュールからの前記反射増幅種ビームを受ける第三光ファイバコリメータと、
前記第一光ファイバ端末と前記第二逆方向光ファイバ端末と前記ドープ利得光ファイバセクションを含み、前記第一光ファイバ端末が前記第三光ファイバコリメータに結合されて前記第一利得光ファイバセクションからの前記反射増幅種ビームを受け、前記ドープ利得光ファイバセクションが前記第一光ファイバ端末と前記第二光ファイバ端末との間において前記組合せレーザビーム中の前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて前記増幅種光とする第二利得光ファイバセクションと、
前記支持ベースに設けられ、前記第二利得光ファイバセクションの前記第二光ファイバ端末に結合され、自由空間中の前記第二光ファイバコリメータからの前記余剰ポンプビームを受けて前記第二利得光ファイバセクションの前記ドープ利得光ファイバセクションにおいて前記ポンプ光を提供し、その前記ポンプ光が提供される方向が前記第一利得光ファイバセクションの前記反射増幅種ビームの方向と逆であり、前記反射増幅種ビームが増幅されて増幅透過種ビームとなり、ここから前記第二利得光ファイバセクションから離れる第四光ファイバコリメータと、
前記第四光ファイバコリメータと前記第二光ファイバコリメータとの間に結合されて前記余剰ポンプビームを前記第二光ファイバコリメータから前記第四光ファイバコリメータに案内し、さらに前記第四光ファイバコリメータからの前記増幅透過種ビームを案内してこのレーザ光システムの出力とする第二自由空間光学モジュールと、
を備えるレーザ光システム。
【請求項17】
各自由空間光学モジュールは、光ファイバや光導波路に制限されることなく自由空間中の光を案内することができる一つ又は複数の光学素子を含む、請求項16に記載のレーザ光システム。
【請求項18】
前記第一自由空間光学モジュールは、前記種レーザ光波長と前記ポンプレーザ光波長の光に対するダイクロイック装置を含む、請求項16に記載のレーザ光システム。
【請求項19】
前記第一自由空間光学モジュールは、波長に基づいて前記種レーザ光波長の光と前記ポンプレーザ光波長の光を案内する波長選択ビームコンバイナ又は光学スプリッタを含む、請求項16に記載のレーザ光システム。
【請求項20】
異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するレーザ光システムであって、
光学ベンチとしての支持ベースと、
前記支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で前記種光を発生する種レーザと、
前記支持ベースに設けられ、前記種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長で前記ポンプ光を発生するポンプ光源と、
前記支持ベースに設けられ、前記種レーザからの前記種光と前記ポンプ光源からの前記ポンプ光を受けて組合わせ、組合せレーザビームとする第一自由空間光学モジュールと、
前記支持ベースに設けられ、前記組合せレーザビームを受けるように結合され、前記組合せレーザビーム中の前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第一利得光ファイバセクションと、
前記種レーザ光波長の光を前記第一利得光ファイバセクションに反射し戻して二次増幅させて反射増幅種ビームとするとともに、前記ポンプレーザ光波長の光を余剰ポンプビームとして第二光ファイバ端末に伝送し、前記反射増幅種ビームが自由空間にて前記第一自由空間光学モジュールに案内される光学リフレクタと、
前記支持ベースに設けられ、前記第一自由空間光学モジュールにより前記第一利得光ファイバセクションからの前記反射増幅種ビームを受けるように結合され、自由空間にて前記余剰ポンプビームを受けて前記ポンプ光を提供し、その前記ポンプ光が提供される方向が前記反射増幅種ビームの方向と逆であり、前記反射増幅種ビームが増幅されて増幅透過種ビームとなる第二利得光ファイバセクションと、
前記第一利得光ファイバセクションからの余剰ポンプ種ビームを案内するように結合され、さらに前記第二利得光ファイバセクションからの前記増幅透過種ビームを案内してこのレーザ光システムの出力とする第二自由空間光学モジュールと、
を備えるレーザ光システム。
【請求項21】
前記第一利得光ファイバセクション又は前記第二利得光ファイバセクションは、前記ポンプレーザ光波長の光ポンプにて前記種レーザ光波長で光学利得を発生させるためのドープされたバルク光学結晶を含む、請求項20に記載のレーザ光システム。
【請求項22】
前記第一利得光ファイバセクション又は前記第二利得光ファイバセクションは、前記種レーザ光波長で光学利得を発生させるための半導体光増幅器(SOA)を含む、請求項20に記載のレーザ光システム。
【請求項23】
前記第一利得光ファイバセクション又は前記第二利得光ファイバセクションは、前記ポンプレーザ光波長の光ポンプにて前記種レーザ光波長で光学利得を発生させるためのドープ利得光ファイバセクションを含む、請求項20に記載のレーザ光システム。
【請求項24】
異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するレーザ光システムであって、
光学ベンチとしての支持ベースと、
前記支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で前記種光を発生する種レーザと、
前記支持ベースに設けられ、前記種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長で前記ポンプ光を発生するポンプ光源と、
前記種光と前記ポンプ光を受けるように結合され、前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて増幅種光とするドープ利得光ファイバセクションを含む第一利得光ファイバセクションと、
前記第一利得光ファイバセクションからの前記増幅種光を受けるように結合され、前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて前記増幅種光とする前記ドープ利得光ファイバセクションを含む第二利得光ファイバセクションと、
前記第二利得光ファイバセクションからの前記増幅種光を受けるように結合され、前記ポンプ光のエネルギを前記種光のエネルギに変換させて前記増幅種光とする前記ドープ利得光ファイバセクションを含む第三利得光ファイバセクションと、
前記ポンプ光源からの前記ポンプ光を受けるように結合され、前記ポンプ光を第一ポンプビームと第二ポンプビームに分割し、前記第一ポンプビームが前記第一利得光ファイバセクションと前記第二利得光ファイバセクションに結合され、前記第二ポンプビームが前記第三利得光ファイバセクションに結合される光学スプリッタと、
を備えるレーザ光システム。
【請求項25】
前記ポンプ光源は二つのレーザダイオードと一つのビームコンバイナとを含み、前記ビームコンバイナが二つの前記レーザダイオードからのポンプ光を合わせて前記ポンプ光とする、請求項24に記載のレーザ光システム。
【請求項26】
前記ポンプ光と前記種光の光路に置かれ、前記種レーザからの前記種光を前記第一利得光ファイバセクションに反射するとともに、前記第一利得光ファイバセクションを通過する前記ポンプ光を前記第二利得光ファイバセクションに伝送する第一ダイクロイックミラーと、
前記ポンプ光と前記種光の光路に置かれ、前記第一利得光ファイバセクションにより増幅された前記種光を前記第二利得光ファイバセクションへの個別光路に反射し、前記第二利得光ファイバセクションにより増幅を行う第二ダイクロイックミラーとを備える、請求項24に記載のレーザ光システム。
【請求項27】
前記第一利得光ファイバセクションと前記第二利得光ファイバセクションとの間に位置し、前記第一利得光ファイバセクションからの前記増幅種光の増幅自然放出ノイズを低減する帯域通過フィルタを備える、請求項24に記載のレーザ光システム。
【請求項28】
前記第二利得光ファイバセクションと前記第三利得光ファイバセクションとの間に結合され、前記第二利得光ファイバセクションからの前記増幅種光の増幅自然放出ノイズを低減する帯域通過フィルタを備える、請求項24に記載のレーザ光システム。
【請求項29】
前記第一利得光ファイバセクションと前記第二利得光ファイバセクションとの間に結合され、前記第一利得光ファイバセクションからの前記増幅種光の増幅自然放出ノイズを低減する第一帯域通過フィルタと、
前記第二利得光ファイバセクションと前記第三利得光ファイバセクションとの間に結合され、前記第二利得光ファイバセクションからの前記増幅種光の増幅自然放出ノイズを低減する第二帯域通過フィルタとを備える、請求項24に記載のレーザ光システム。
【請求項30】
前記第三利得光ファイバセクションに結合され、前記第三利得光ファイバセクションからの前記増幅種光の増幅自然放出ノイズを低減する帯域通過フィルタを備える、請求項24に記載のレーザ光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光増幅器とレーザに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光システムでは、一つ又は複数の光増幅器でレーザの出力を増幅することで、レーザ出力範囲を上回る所望のレーザ出力レベルを実現することができ、このレーザは各種レーザ構造、例えば、ダイオードレーザ又は固体バルクレーザであってもよい。主発振器出力増幅器(MOPA)は、種レーザとして元レーザ光を発生する一つの主レーザと、元レーザ光を増幅する一つ又は複数の光増幅器とを含むレーザシステムである。
【発明の概要】
【0003】
本発明に記載の技術によれば、光学素子及び種光とポンプ光の共有を許可することで、レーザ光に対する所望の光増幅を実現するとともに、光学素子の数と光学系全体の複雑性を低下させながらレーザ光性能を向上させ、そして、このようなレーザの大規模生産やレーザ完成品のコストを低減した光学系を提供することができる。異なる利得光ファイバセクションにより種光とポンプ光及び光学素子を共有するとともに、多段階の光増幅を提供することができる。利得光ファイバセクションは各種光学利得媒体、例えばドープ光ファイバセクションや、ドープ結晶利得媒体又は半導体光増幅器で実現されてもよい。
【0004】
開示技術の幾つかの実施例では、主発振器出力増幅器(MOPA)は支持ベースに設けることができ、利得セクションと自由空間光学セクションとを含む光学案内セクションを混合させるようにして、増幅レーザ光の光ファイバでの不必要な伝播を低減することで、レーザ光出力における望ましくない非線形光学効果が低減されるとともに、レーザ光操作にて光学素子及びポンプ光と種光の共有に役立つ。
【0005】
例えば、開示技術によれば、異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するレーザ光システムを構築することが可能になる。このレーザ光システムは、光学ベンチとしての支持ベースと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で種光を発生する種レーザと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長でポンプ光を発生するポンプ光源と、支持ベースに設けられ、種レーザから発生する種光及びポンプ光源から発生するポンプ光をも受け取り可能な位置にあり、受け取ったポンプ光と種光とを合わせて組合せレーザビームとする第一自由空間光学モジュールと、支持ベースに設けられ、自由空間にて第一自由空間光学モジュールからの組合せレーザビームを受ける第一光ファイバコリメータと、第一光ファイバ端末と第二逆方向光ファイバ端末とドープ利得光ファイバセクションを含み、前記第一光ファイバ端末が第一光ファイバコリメータに結合されて組合せレーザビームを受け、前記ドープ利得光ファイバセクションが第一光ファイバ端末と第二逆方向光ファイバ端末との間に設けられ、組合せレーザビーム中のポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅した種光とする第一利得光ファイバセクションと、種レーザ光波長の光をドープ利得光ファイバセクションに反射し戻して二次増幅させて第一光ファイバ端末において反射増幅種ビームとするとともに、ポンプ光波長の光を余剰ポンプビームとして第二光ファイバ端末に伝送する第一光学リフレクタとを備える。第一光ファイバ端末での前記反射増幅種ビームは第一光ファイバコリメータに受け取られ、そして自由空間にて第一自由空間光学モジュールに案内される。前記レーザ光システムは、支持ベースに設けられ、第一利得光ファイバセクションの第二光ファイバ端末に結合されて余剰ポンプビームを第一利得光ファイバセクションから支持ベース上方の自由空間に案内する第二光ファイバコリメータと、支持ベースに設けられ、第一自由空間光学モジュールからの自由空間にある反射増幅種ビームを受ける第三光ファイバコリメータと、第一光ファイバ端末と第二逆方向光ファイバ端末とドープ利得光ファイバセクションを含み、前記第一光ファイバ端末が第三光ファイバコリメータに結合されて第一利得光ファイバセクションからの反射増幅種ビームを受け、前記ドープ利得光ファイバセクションが第一光ファイバ端末と第二逆方向光ファイバ端末との間に設けられて組合せレーザビーム中のポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅された種光とする第二利得光ファイバセクションと、支持ベースに設けられ、第二利得光ファイバセクションの第二逆方向光ファイバ端末に結合されて第二光ファイバコリメータの自由空間からの余剰ポンプビームを受けて第二利得光ファイバセクションのドープ利得光ファイバセクションにおいてポンプ光を提供し、ポンプ光が提供される方向が第一利得光ファイバセクションからの反射増幅種ビームの方向と逆であり、前記反射増幅種ビームが増幅されて増幅透過種ビームとなり、ここから第二利得光ファイバセクションから離れる第四光ファイバコリメータと、第四光ファイバコリメータと第二光ファイバコリメータとの間に結合されて余剰ポンプビームを第二光ファイバコリメータから第四光ファイバコリメータに案内し、さらに第四光ファイバコリメータからの増幅透過種レーザビームを案内して前記レーザ光システムの出力とする第二自由空間光学モジュールとを備える。上記実施形態における第一自由空間光学モジュールと第二自由空間光学モジュールは光ファイバでの増幅レーザ光の不必要な伝播を低減するためのものとして使用可能であり、それにより、レーザ光出力における望ましくない非線形光学効果が低減され、第一利得光ファイバセクションと第二利得光ファイバセクションとの間のレーザ光操作にて光学素子及びポンプ光と種光を共有することにも役立つ。
【0006】
もう一つの実施例では、開示技術によれば、異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するMOPAシステムを構築することができる。このシステムは、光学ベンチとしての支持ベースと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で種光を発生する種レーザと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長でポンプ光を発生するポンプ光源とを備える。このシステムは、種光とポンプ光を受けるように結合され、構造としてはドープ利得光ファイバセクションを含み、このドープ利得光ファイバセクションによりポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第一利得光ファイバセクションと、第一利得光ファイバセクションからの増幅種光を受けるように結合され、構造としてはドープ利得光ファイバセクションを含み、ポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第二利得光ファイバセクションと、第二利得光ファイバセクションからの増幅種光を受けるように結合され、構造としてはドープ利得光ファイバセクションを含み、ポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第三利得光ファイバセクションと、ポンプ光源からのポンプ光を受けるように結合され、ポンプ光を第一ポンプビームと第二ポンプビームに分け、前記第一ポンプビームが第一利得光ファイバセクションと第二利得光ファイバセクションに結合され、前記第二ポンプビームが第三利得光ファイバセクションに結合される光学スプリッタとを備える。
【0007】
上記と他の特徴及びその実施形態は明細書、図面及び請求項においてより詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】開示技術における主発振器出力増幅器(MOPA)システムの模式図であり、このシステムは二つの利得光ファイバセクションを使用しており、一方の利得光ファイバセクションについて複光路設計を採用し、二つの利得光ファイバセクションと光学素子においてポンプ光を共有することにより3段階の増幅が実現される。
図2図1に示される主発振器出力増幅器システム(MOPA)を実現する模式図である。
図3】開示技術における主発振器出力増幅器(MOPA)システムの模式図であり、このシステムは光学的に直列配列された3つの利得光ファイバセクションを使用しており、段階当たりの単光路にて3段階の増幅が実現されるとともに、ポンプ光が共有されるようになる。
図4】開示技術の利得光ファイバ設計を実現するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
主発振器出力増幅器(MOPA)の各種設計は、様々な光学素子を有する複雑な光学構造となる傾向がある。光ファイバ増幅器による増幅光が光ファイバセクションで案内される場合、光が増幅され出力レベルが高くなるため、利得光ファイバセクションにおいて著しい非線形光学効果が発生している。MOPA中の光ファイバ案内セクションを低減するとともに自由空間光学セクションを増加することによって、このような非線形光学効果の低減を図ることができる。MOPAでは、一つ以上の光増幅セクションを有することで全体の光増幅を増加するのが望ましい。本発明に開示した技術によれば、光学素子の共有、及び、二つの異なる光増幅セクションでの種光とポンプ光の共有を提供可能である。
【0010】
例えば、本発明に開示した技術は、異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するレーザ光システムを構築するのに用いることができる。このようなレーザ光システムは、光学ベンチとしての支持ベースと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で種光を発生する種レーザと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長でポンプ光を発生するポンプ光源と、支持ベースに設けられ、種レーザからの種光とポンプ光源からのポンプ光を受けて合わせ、組合せレーザビームとする第一自由空間光学モジュールと、支持ベースに設けられ、組合せレーザビームを受けるように結合し、組合せレーザビーム中のポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅種光とする第一利得光ファイバセクションと、種レーザ光波長の光を第一利得光ファイバセクションに反射し戻して二次増幅させて反射増幅種ビームとするとともに、ポンプレーザ光波長の光を余剰ポンプビームとして第二光ファイバ端末に伝送し、前記反射増幅種ビームが自由空間にて第一自由空間光学モジュールに案内される光学リフレクタと、支持ベースに設けられ、第一自由空間光学モジュールにより第一利得光ファイバセクションからの前記反射増幅種ビームを受けるように結合され、自由空間にて余剰ポンプビームを受けてポンプ光を提供し、そのポンプ光が提供される方向が前記反射増幅種ビームの方向と逆であり、前記反射増幅種ビームが増幅されて増幅透過種ビームとなる第二利得光ファイバセクションと、第一利得光ファイバセクションからの余剰ポンプ種ビームを案内するように結合され、さらに第二利得光ファイバセクションからの前記増幅透過種ビームを案内してこのレーザ光システムの出力とする第二自由空間光学モジュールとを備える。幾つかの実施例では、前記第一利得光ファイバセクション又は第二利得光ファイバセクションは、ポンプレーザ光波長の光ポンプにて種レーザ光波長で光学利得を発生させるためにドープされたバルク光学結晶を含んでもよい。他の実施例では、前記第一利得光ファイバセクション又は第二利得光ファイバセクションは、ポンプレーザ光波長の光ポンプにて種レーザ光波長で光学利得を発生させるためのドープ利得光ファイバセクションを含んでもよい。
【0011】
以下に提供される例示は光ファイバに基づく主発振器出力増幅器(MOPA)に係り、この主発振器出力増幅器(MOPA)は光学利得の高い新規構造に基づくドープ利得光ファイバセクションを使用しており、この光学利得の高い新規構造はコンパクトで、低コストで量産を行う。例えば、このような増幅器の応用例としては、CATV光増幅器及び光検知と距離測定(レーザレーダ)システムに用いられるレーザ光源であってもよい。提供される構造は異なる類型のアクティブ光ファイバ(例えばエルビウム、イッテルビウム及びツリウムのドープされたもの)に対応可能であり、このMOPA構造が異なる波長域に適用される。
【0012】
開示技術は各種応用、例えば低コスト(例えば、一部の自動車メーカでは数百ドル以下)のパルスレーザ光源の大量(数百万個)生産を必要とする自動車産業におけるレーザレーダに基づく3Dマッピングに適用可能であることに注目されたい。レーザ光作動波長が900nm前後(例えば905nm)にあるレーザダイオードに基づくレーザレーダシステムの開発に多大な努力が払われてきている。実際には、これらのレーザダイオードは安価で、非常にコンパクト且つ大量生産可能なものである。しかしながら、現在の工業界では、レーザダイオードの代わりに光ファイバレーザを使用する傾向が強い。まず、900nm前後で作動するレーザダイオードとは対照的に、光ファイバレーザは人の目に安全な波長(例えば1.5um又は2um)で作動している。その次に、光ファイバレーザはほぼ完璧(回折制限される)なビーム品質を有しており、言い換えれば、非常に低い発散ガウスビームを発することができ、それに対して、一層高い発散及び低いビーム品質がレーザダイオードに固有の特性である。それにより、レーザダイオードに基づくレーザレーダシステムの角分解能は厳格に制限され、分解能の不十分な画像が発生し、小さな物体、例えば道路上のタイヤの検知は不可能となる。光ファイバレーザは技術面ではレーザダイオードよりも優れ一層安全なものであるが、その製造は非常に高価でより複雑となるため、自動車業界のような大規模市場への導入は非常に困難である。本願に開示した技術はこのような制限を軽減するためのものであり、その革新的な光ファイバ増幅器の設計によれば、現在使用されている解決手段よりも一桁低いコストで量産することが可能になる。このような新しい設計は他の応用(例えばCATV増幅器)に有用なものとなる可能性があり、レーザレーダシステムへの使用に制限されない。
【0013】
開示技術によれば、新規な高利得MOPA構造を構築することが可能になり、この構造では、非常に低いコスト(例えば300ドル未満)で大量生産(即ち、毎年数百万個)が可能である。MOPAの組立てに係るそれぞれの素子は既に光ファイバ通信市場のために量産されている成熟したものであるにもかかわらず、既存の光ファイバに基づく光増幅器構造によって上記の目標を達成することは難しい。このため、新しい手段が求められている。
【0014】
このような新しい手段は用いられる素子の数を最大限低減し、例えば、レーダに使用されている従来の1.5umのMOPAは、二つ又は三つの高価なポンプレーザダイオードを備えることで50dBに近い光学利得を得ている。開示技術の一つの態様では、単一のポンプレーザで50dB又は一層大きい光増幅率を得るように実現され得ることは明らかである。任意に、より多くのポンプレーザを用いてもよく、例えば、低い電流で各ポンプを運転させることでMOPAの作動温度範囲を広げる、又はその長期的な信頼性を高めることができる。
【0015】
一方、開示技術は、コストを節約し設備の寸法を低下させるため、個々の素子パッケージを低減、又は取り除くことで実現されてもよい。このような簡略化はポンプレーザダイオードとシードパッケージ(seed packaging)を含んでもよい。新しい設計は、マイクロオプティカルベンチを有することをその特徴とし、個別素子の大部分は共通の基板に取り付けられ、封止又は半封止カバーにより保護されている。このような構造により、電子業界で使用される装置と同様に全自動ピック・アンド・プレイス装置により組み立てることが可能になる。
【0016】
一方、開示技術は、光ファイバに基づくMOPA設計に一般に使用される受動光ファイバを低減、又は取り除きながらアクティブ(利得)光ファイバのみを保つことで実現されてもよい。このような方法によれば、信頼性や大規模製造性を高めるために光ファイバを接合することは不要になる。これは、高いピーク光出力での増幅器性能の顕著な向上にも繋がる。これに関しては、受動光ファイバを使用せず光ファイバ全体の長さを可能な限り低減することで、非線形信号の減衰を軽減、又は最小化させることができる。
【0017】
説明のために、本発明の技術にかかる具体的な実施例では、940nmのポンプレーザ、1550nmの種レーザ及びEr-Yb共ドープ利得光ファイバを使用している。他の実施形態では、他の波長の種レーザとポンプレーザ又は他の利得光ファイバドープ物質を使用してもよい。
【0018】
図1は開示技術によるMOPAシステムの実施例を示しており、このMOPAシステムは、2つの利得光ファイバセクションにより少なくとも3段階の増幅が実現される。各利得光ファイバセクションは一対の光学コリメータに結合され、このコリメータは光ファイバ・レンズ組立体であり、各利得光ファイバセクションの光ファイバコアやクラッドに対する結合に基づく光の出入りのために用いられる。幾つかの実施形態では、コリメータはビーム拡大器エンドカップを含んでエア・ガラスインタフェースでの強度を低減するようにしてもよい。
【0019】
図1の例示では、1550nmの種レーザ20を三つの光学ポート(ポート1、2及び3)を有する自由空間光サーキュレータ30の入力ポート(ポート1)に置く。種光信号はポート2からサーキュレータを出て、ダイクロイックミラー40にルーティングされ、コリメータ200を通過して1550nmの光を第一利得光ファイバセクション210の中心に反射する。第一利得光ファイバセクション210はファイバブラッググレーティング(FBG)50に結合される、又はそれを含むものであり、このファイバブラッググレーティングは種光を反射すると同時にポンプ光を透過させるように設けられている。第一の増幅段階をポンプするために、一つ又は複数のポンプを使用してもよく、一つのポンプを使用すれば、コスト上の利益が図られ、複数のポンプを使用すれば、MOPAの作動温度範囲または信頼性が向上する。この実施例は二つのポンプ(ポンプ101とポンプ102)を有するシステムであり、二つのポンプは必要なポンプ波長(例えば約940nm)でポンプ光を発する。二つのポンプビームは異なる光学偏光状態にあってもよく、そしてビーム偏光コンバイナ110により偏光的に合わせられるようにすることができる。他の実施形態では、波長合わせを採用してもよい。合わせられたポンプビームはダイクロイックミラー40を透過するように通過し、そしてコリメータ200を通過して前記第一利得光ファイバセクション210のクラッドに入射する。
【0020】
1550nmの種光信号は第一利得光ファイバセクション210を通過しながら増幅され、増幅された種光はファイバブラッググレーティング(FBG)50に反射して逆方向へ二回目の第一利得光ファイバセクション210の通過を行う。二回増幅された種光信号はコリメータ200を介して利得光ファイバ210から離れ、そしてサーキュレータのポート2にルーティングされ、さらにサーキュレータ30のポート2からポート3を介して第二利得光ファイバセクション410にルーティングされる。コリメータ200から発する940nmのポンプ光は第一利得光ファイバセクション21に吸収され、余剰の940nmポンプ光は影響を受けることなくFBGを通過し、ダイクロイックミラー510を通過してから第二利得光ファイバセクション410のクラッドに送られる。ポイント500へ伝播する増幅自然放出ノイズ(ASE)はダイクロイックミラー510により除去され、そして吸収器520(ASEダンプポート)(ASE dump port)に送られる。
【0021】
ポート3からサーキュレータ30から離れて増幅された光信号は狭帯域通過フィルタ60によりろ過され、ダイクロイックミラー70に反射した後、コリメータ400を通過して第二利得光ファイバセクション410のファイバコアに入射する。前記光信号は増幅され、コリメータ600を通過して第二利得光ファイバセクション410から離れる。前記光信号はダイクロイックミラー510により自由空間アイソレータ610に反射され、そして任意の帯域通過フィルタ620及び任意の自由空間タップ結合器630を通過する。タップ結合器630は増幅された光信号の小部分を抽出し、出力を監視するための任意のフォトダイオード640に送る。増幅された光信号はシステムの自由空間から離れてもよく、光ファイバコリメータ700により光ファイバ結合を行うようにしてもよい。
【0022】
940nmのポンプ光は順に第一利得光ファイバセクション210、ダイクロイックミラー510及び第二利得光ファイバセクション410を通過する。第二利得光ファイバセクション410を通過した後、余剰の940nmポンプ信号はコリメータ400から離れ、そしてダイクロイックミラー70を介して吸収器80(ポンプダンプポート)(pump dump port)に伝送される。
【0023】
このシステムは、1550nmの低出力レーザ光を最小ひずみを有する高出力信号に変換する主発振器出力増幅器(MOPA)となる。
【0024】
本例中のMOPAシステムは、二つの利得光ファイバセクションにおいて3つの増幅段階を経過する。一番目の利得光ファイバセクションは二段増幅を提供する複光路光増幅器であり、二番目の利得光ファイバセクションは単光路逆方向ポンプ光増幅器である。
【0025】
このMOPAシステムは好ましくは、種レーザ光の偏光状態(偏光保持、PM)を維持するように構築することができるが、非PMとして構築されてもよく、複雑性とコストが上昇するという代価を要する。
【0026】
幾つかの実施形態では、帯域通過フィルタ60とダイクロイックミラー70とを組み合せて狭帯域ダイクロイックミラーとしてもよい。
【0027】
図2は、図1において低コストのマイクロ光学ベンチMOPA構造のレーザレーダ用のレーザ光源の例示を示している。この例示は、種レーザとして自由空間ダイオード(例えば、搬送波レーザダイオードチップ又はCoCレーザダイオードチップ)又は光ファイバ結合ポンプレーザを使用している。光ファイバ結合種レーザ20から発する光はレンズ21(他のものとされる可能性がある)によりコリメーションが行われる。コリメーションを行ったビームはポート1からポート2へと自由空間サーキュレータ30(偏光感度を有しても有さなくてもよい)を通過するように、ポート1からポート2に伝送され、45°のダイクロイックミラー40に反射し、そしてもう一つのコリメータ200を通過して第一利得光ファイバセクション210の中心に結合される。結合最適化は、種光コリメーションレンズ21及び/又は45°のダイクロイックミラー40及び/又は第一利得光ファイバセクションコリメータ200を制御することで実現されてもよい。組立ての簡略化を図るために、サーキュレータ部品は完全に固定されている。第一利得光ファイバセクション210は二つの偏光組合せ自由空間(CoC)ポンプ(偏光組合せ自由空間101ポンプと偏光組合せ自由空間102ポンプ)によりポンプされ、ポンプ波長は940nmとされている。レンズ(レンズ105とレンズ106)(他のものとされてもよい)によりポンプのコリメーションを行う。この組合せポンプビームは45°ダイクロイックミラー40を透過するように通過し、そして45°の940nm/1550nmミラーに反射し、コリメータ200により第一利得光ファイバセクションのクラッドに結合される。ポンプ開口数と平行ビーム径は、第一利得光ファイバコリメータ200を通過して第一利得光ファイバセクション440のクラッドにおいて効果的に結合されるように設けられている。コリメーションレンズ(レンズ105とレンズ106)及び/又は45°ポンプミラー45を制御することで、ポンプと第一利得光ファイバセクションクラッドとの間の結合最適化を実現することができる。組立ての簡略化を図るために、偏光コンバイナ立方体110が固定されている。
【0028】
そして、種レーザからの信号は第一段階の利得光ファイバにおいて増幅され、直接第一利得光ファイバセクションの中心に書き込まれたファイバブラッググレーティング(FBG)50により反射される。このファイバブラッググレーティングは、信号波長で反射率が非常に高く、ポンプ波長で反射率が非常に低くなるように設けられている(他の機能、例えばASEノイズを除去する機能を有するように設けられてもよい)。反射の後、信号は二回目の第一利得光ファイバセクション210の通過を行いながら増幅される。そして、この増幅された信号は第一利得光ファイバコリメータ200から離れてサーキュレータ30のポート2に達する。この方向では、光はサーキュレータのポート2からポート3に伝送される。ポート3から出射する光は帯域通過フィルタ60を通過して45°ダイクロイックミラー70に反射し、コリメータ400を通過して第二利得光ファイバセクション410の中心に結合される。45°ダイクロイックミラー70及び/又は第二利得光ファイバコリメータ400を制御することで、第二利得光ファイバセクション410の中心の結合最適化を達成することができる。ポンプ光の一部のみ(この例示では、10~20%)を吸収するように、第一利得光ファイバセクションの長さとポンプ吸収係数を選択する。吸収されなかったポンプ光は第一利得光ファイバセクションの末端に達し、もう一つのコリメータ500によりコリメーションが行われる。このポンプ平行ビームは45°ポンプミラー515に反射して45°ダイクロイックミラー510を透過し、コリメータ600を通過して第二利得光ファイバセクション(410)のクラッドに結合される。ポンプコリメータ500及び/又は45°ポンプミラー515を制御することで、結合最適化を達成することができる。コリメータ500から離れた余剰の1550nm信号は45°ダイクロイックミラー510に反射して吸収器520においてダンプされる。このような配置では、二回目の増幅をしようとする信号はコリメータ400を通過して第二利得光ファイバセクション410の一端にて結合され、ポンプ光はもう一つのコリメータ600を通過して他端にて結合され、逆方向ポンプが実施される。逆方向ポンプは非線形効果を低減する最適な配置となる。第二利得光ファイバセクション410において吸収されなかったポンプ光は45°ダイクロイックミラー70を通過して吸収器80にダンプされる。信号は第二利得光ファイバセクション410において増幅され、コリメータ600を介して離れる。この信号ビームは45°ダイクロイックミラー510に反射し、偏光感度を有する又は有さない自由空間アイソレータ610を透過する。必要ならば、帯域通過フィルタ620を追加してASEを除去するようにしてもよい。また、幾つかの実施形態では、監視を行うように、自由空間タップ630を追加してビームの小部分を一つの自由空間フォトダイオード640に反射するようにしてもよい。出力はレーザ光源自由空間から離れてもよく、ここでの実施例のようにもう一つのコリメータ700により光ファイバ結合を行ってもよい。
【0029】
素子はほぼ割合通りに設計されるものであり、実際の製品の実現では、素子を小型化させる、又はその寸法を小さくするように設計してもよい。
【0030】
図3は、開示技術におけるマイクロ光学ベンチの別の実施形態を示している。この特定のMOPAは上記した幾つかの特徴を残すと同時に、図1や2における複光路増幅器構造を使用することなく素子の共有を実現するための単光路増幅器構造を提供している。この単光路増幅器の実施例では、三つの増幅段階はそれぞれ3つの利得光ファイバセクションにおいて実現され、利得光ファイバセクション毎に一つの単光路が使用されている。
【0031】
具体的には、種光(例えば1550nm)を発生するための種レーザを提供し、種光は第一ダイクロイック光学リフレクタにより第一対の光ファイバコリメータ(コリメータ200とコリメータ500)の間の第一利得光ファイバセクションに案内される。増幅された種光を第一利得光ファイバセクションから第三ダイクロイックリフレクタにリダイレクトさせて、第二対のコリメータ(コリメータ400とコリメータ600)の間の第二利得光ファイバセクションに入って第二段階の増幅を行うための第二ダイクロイックリフレクタを提供する。第三利得光ファイバセクションは第三対のコリメータ(コリメータ800とコリメータ900)の間において光学結合が行われ、第二利得光ファイバセクションから増幅された種光を受けて第三段階の増幅を行い、最終的に増幅された種光出力を得る。このため、ポンプ光を共有するとともに段階毎に単光路配置で種光を順に増幅させるように、三つの利得光ファイバセクションは光学的に直列配列されている。
【0032】
図3におけるMOPAの光ポンプはポンプ光(例えば940nm)を発生するポンプ光源であり、ポンプスプリッタはポンプ光を、第一と第二利得光ファイバセクションを光学的にポンプするための第一ポンプビームと、第三利得光ファイバセクションを光学的にポンプするための第二ポンプビームとに分けるものである。このポンプ源は単一のポンプレーザであってもよく、異なるポンプレーザの組合せであってもよい。図3に示される例示では、多モードポンプ光を発生するように、ポンプ光源を二つのポンプレーザの組合せとしている。ポンプスプリッタは、所定の分割率(例えば60%/40%)でポンプ光を第一ポンプビームと第二ポンプビームに分けるように設計されてもよい。前記第一ポンプビーム(例えば40%)はコリメータ500を通過して第一利得光ファイバセクションに入力され、前記第二ポンプビーム(例えば60%)はコリメータ800を通過して第三利得光ファイバセクションに入力される。第一ポンプビームの一部は第一利得光ファイバセクションに吸収され、余剰の(吸収されなかった)ポンプ出力はコリメータ200とコリメータ400を通過して第二利得光ファイバセクションに入力される。図3に示されるように、第二利得光ファイバセクションからの余剰ポンプ光をビームダンプ(例えばダンプ1)に導入してもよく、ここでは、一つのダイクロイックリフレクタを設けることで、ポンプ光をダンプ1に伝送するとともに、増幅された種光を第三利得光ファイバセクションに反射するようにしている。図に示されるように、第二と第三段階の利得光ファイバセクションの間に帯域通過フィルタ(BPF)と光アイソレータが設けられている。他の実施形態では、第二利得光ファイバセクションからの余剰ポンプ光は、第二ポンプビームと共に第三段階の光ポンプを補助するように、第三利得光ファイバセクションに案内されるようにしてもよい。
【0033】
本実施例では、種レーザから発する信号はコリメータ200を通過して第一利得光ファイバに入力され、増幅された出力は、一部の増幅自然放出を除去するように、ダイクロイックミラーと任意の帯域通過フィルタ(BPF)を通過して第二利得光ファイバセクションにルーティングされる。信号はコリメータ400を通過して第二利得光ファイバセクションに入る。増幅された信号はコリメータ600を通過して第二利得光ファイバセクションから離れ、そしてダイクロイックミラーと任意の帯域通過フィルタ(BPF)を通過して第三利得光ファイバセクションにルーティングされる。信号はコリメータ800を通過して第三利得光ファイバセクションに入り、増幅された信号はコリメータ900を通過して第三利得光ファイバセクションから離れる。各利得段階の間及び第三段階の出力端においてアイソレータが使用される。第三段階の出力端において任意の帯域通過フィルタを使用してもよい。また、増幅段階の間、種レーザの後、又は第三段階の出力端においては、増幅された信号を監視するように、任意のタップを追加してもよい。
【0034】
他の実施形態では、このような単光路増幅器構造は変更可能であり、つまり、コリメータ600ではなくコリメータ900によりポンプ光を入射させることで、第三段階の逆方向ポンプを実現する。
【0035】
図3は、異なる光増幅セクションにおいて共有のポンプ光と種光を有するMOPAシステムの例示を示している。このシステムは、光学ベンチとしての支持ベースと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長で種光を発生する種レーザと、支持ベースに設けられ、種レーザ光波長とは異なるポンプレーザ光波長でポンプ光を発生するポンプ光源とを備える。このシステムは、種光とポンプ光を受けるように結合され、構造としてはドープ利得光ファイバセクションを含み、このドープ利得光ファイバセクションによりポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅された種光とする第一利得光ファイバセクションと、第一利得光ファイバセクションから増幅された種光を受けるように結合され、構造としてはドープ利得光ファイバセクションを含み、このドープ利得光ファイバセクションによりポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅された種光とする第二利得光ファイバセクションと、第二利得光ファイバセクションから増幅された種光を受けるように結合され、構造としてはドープ利得光ファイバセクションを含み、このドープ利得光ファイバセクションによりポンプ光のエネルギを種光のエネルギに変換させて増幅された種光とする第三利得光ファイバセクションと、ポンプ光源からのポンプ光を受けるように結合され、ポンプ光を第一ポンプビームと第二ポンプビームに分割し、前記第一ポンプビームが第一利得光ファイバセクションと第二利得光ファイバセクションに結合され、前記第二ポンプビームが第三利得光ファイバセクションに結合される光学スプリッタとを備える。
【0036】
図4は、図1~3におけるMOPA設計に導入するのに適する具体的な全面ガラス型利得光ファイバ(三重クラッド又はガラス-ガラス繊維とも称される)設計の例示を示している。重合体によりポンプ光を案内する二重クラッド繊維とは異なり、このような類型の光ファイバはドープガラスのみにより光を案内するものであるから、外部温度や湿度が向上した場合に一層確実になり、これは、重合体が一般にこれらの要因に対して敏感であるためである。
【0037】
このため、開示技術の実施形態では、重合体製のジャケットを有する全面ガラス型繊維を使用することで機械上の保護を実現することができる。このようなジャケットは光学的性質(例えば、光吸収や屈折率等)が変わってもよい。高温重合体が覆われた全面ガラス型繊維は最高150℃の高温で作動可能であるのに対して、標準的な二重クラッド繊維には温度が70℃を超えてはいけない低屈折率の重合体がコーティングされることは一般的である。また、発生した熱を放熱器で放熱する必要があったが、このような類型の繊維による光ファイバを採用すれば、発生した熱を放熱器で放熱する需要は大きく低下する。これにより、高価な放熱器に対する需要を実質的になくして、コストと寸法の低下が図られている。
【0038】
本実施例では、第一利得光ファイバセクション210と第二利得光ファイバセクション410に用いられる繊維は各種設計に基づく偏光保持(PM)光ファイバであってもよく、パンダPM光ファイバ又はボータイPM光ファイバの設計を含む。偏光保持光ファイバにおいて非PMバージョンに必要な光学部品を取り除くことで、MOPAシステムはより簡単になり、拡張性がより小さくなる。
【0039】
全面ガラス型繊維については、ポンプガイド(内クラッド)の開口数(NA)は一般に0.30前後に制限されているが、低い値に適宜設定されてもよい。実際に、各段階の間のポンプ結合を改善するために、同一のポンプガイド径を保ちながら受信側の開口数を増加するようにしてもよく、それにより、増幅倍数の低減が図られている。例えば、ポンプレーザを選択してNA値が0.15である105umのコアファイバから光を発することができる。第一増幅段階の利得光ファイバポンプガイドは、高いNA(例えば0.21)を有しながら105umである同一のガイド径を有するように選択されてもよく、第二段階については、NAが0.27である105umのポンプガイドを有するようにしてもよい。放出側コリメータに受信側コリメータよりも長い焦点距離を持つレンズを使用することで、ポンプ光のより緊密な集光が可能になる一方、やはり100%として受信側光ファイバにより案内されている。
【0040】
このため、開示技術は、受動光ファイバのないMOPA増幅器を構築するように単一の低コストポンプで50dBを超える信号利得を実現するために使用可能であり、それにより、信頼性や製造性が向上し、コストや非線形効果(信号ひずみ)が低減している。汎用の支持ベースによって低コストが実現でき、各種の入手可能な商業用素子(例えば市販の素子)により製造を行うこともできる。全面ガラス型繊維を使用することで、放熱のための比較的高価な放熱器の使用は回避され、耐高温の設計が実現されている。PM光ファイバを選択すれば、MOPAシステムの他の部分を簡略化して、より安価にすることができる。
【0041】
上記したように、開示技術は、マルチ利得セクションの設計においてポンプ光を一つの利得セクションからもう一つの利得セクションに再循環させるようにすることをその特徴の一つとしている。設定数のポンプ光の第二利得光ファイバセクションへの通過を許可するように、第一段階の光学相互作用長(例えば、第一利得光ファイバセクションの光ファイバの長さ)を選択することでポンプ光の二つの利得セクション間の共有量を制御することができる。利得光ファイバセクションを設計する場合、結合損失を最大限軽減するように、具体的に利得光ファイバセクションの開口数を選択/調整することができる。
【0042】
この特徴は、非DCF/全面ガラス型繊維を有する設計、例えばラマン増幅器中のコア・ポンプされた光ファイバ増幅器設計(信号とポンプ光は同一のガイドにより案内される光ファイバ:ファイバコア)に使用可能である。ドープされた利得光ファイバ以外の各種タイプの光学利得媒体、例えば、バルク結晶や半導体光増幅器デバイスのようなドープされた結晶利得媒体を使用してもよい。
【0043】
本特許文献には多くの詳細が含まれているが、これらの詳細はいかなる発明や保護しようとする範囲を制限するものとしても解釈されるべきではなく、特定発明による特定実施例の特徴についての説明と見なすべきである。本特許の個々の実施例の文脈で説明される幾つかの特徴は、単一の実施例において組み合せられて実現されるようにしてもよい。逆に、単一の実施例の文脈で説明される様々な特徴はそれぞれ、複数の実施例において又はあらゆる適切なサブ組合せとして実現されるようにしてもよい。また、上記では幾つかの組合せで作動するように特徴を説明しながら最初にもこのように主張していたが、場合によっては、それらの組合せのうちの保護しようとする組合せから一つ又は複数の特徴を取り除くこともでき、そして、保護しようとする組合せをサブ組合せ又はその変形に用いることもできる。
【0044】
幾つかの実施形態と例示を説明したが、本特許文献に説明されて示される内容に基づいて他の実施形態において強化と変化を行うことも可能である。
図1
図2
図3
図4