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特許7090701可調節性脈管リングおよびかかるリングを備える植込み可能キット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】可調節性脈管リングおよびかかるリングを備える植込み可能キット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
A61B17/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020523062
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 IB2018000870
(87)【国際公開番号】W WO2019012331
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】15/647,329
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520014899
【氏名又は名称】メディカル・イノヴァスィヨン・デヴロップマン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リュドヴィック・カズナーヴ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512706(JP,A)
【文献】特開2005-103299(JP,A)
【文献】特開2007-21219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0097487(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12 - 17/138
A61F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物学的管路(2)の直径を制御するため、かつしたがって前記生物学的管路(2)内を循環する流体の流量および/または圧力を制御するために、前記生物学的管路(2)の周囲に植え込まれ閉じられるように意図された、調節可能な内径(Φ)を有するリング(1)であって、
閉位置において一定の直径を有する外側ベルト(3)と、
前記閉位置において膨張および収縮されることにより内径(Φ)を変更し得る内側チャンバ(4)と、
可撓性膨張/収縮チューブ(5)であって、前記可撓性膨張/収縮チューブ(5)の一方の端部が前記内側チャンバ(4)に連結され、前記可撓性膨張/収縮チューブ(5)の他方の端部が膨張手段に連結されるように意図される、可撓性膨張/収縮チューブ(5)と、
を備え、
前記外側ベルト(3)および前記内側チャンバ(4)は、開状態カラーを形成し、前記外側ベルト(3)は、前記生物学的管路(2)の周囲において前記リング(1)を閉じるための閉鎖手段(7)を備え、
前記閉鎖手段は、相互に対して接合されることが可能である2つのリップであって、前記リングが生物学的管路の周囲に植え込まれて閉じられた後に前記内側チャンバの過膨張により相互から分離される、2つのリップを備え、
前記2つのリップは、相互に対面する接触表面を有し、前記閉鎖手段は、前記2つのリップのうちの第1のリップの前記接触表面上に配置された少なくとも1つの貫通部と、前記2つのリップのうちの第2のリップの前記接触表面から突出する少なくとも1つの突出部と、を備え、前記突出部および前記貫通部は、嵌合により前記突出部が前記貫通部内に保持されるように構成され、前記嵌合は、前記リング内の過圧時に解除されるように選択される、リング(1)。
【請求項2】
前記生物学的管路(2)は、脈管である、請求項1に記載のリング(1)。
【請求項3】
前記内側チャンバ(4)は、静止時および前記閉位置において、前記生物学的管路(2)の直径を制御するための使用時に必要とされる最小縮小直径に対応する縮小内径(Φir)を有する、請求項1または2に記載のリング(1)
【請求項4】
前記貫通部は、前記第1のリップに形成された貫通穴であり、前記突出部は、前記第2のリップの前記接触表面に対して装着され摩擦嵌めにより前記貫通穴内に保持されるようにサイズ設定された嵌合部分を備える舌部である、請求項1から3のいずれか一項に記載のリング(1)
【請求項5】
前記舌部は、前記第2のリップの反対側において前記嵌合部分に隣接する把持部分を備え、前記把持部分は、前記貫通穴を通過しユーザにより把持されるようにサイズ設定される、請求項に記載のリング(1)
【請求項6】
前記貫通部は、前記第1のリップに形成された貫通穴であり、前記突出部は、舌部であり、前記舌部は、前記第2のリップの前記接触表面に対して装着され前記貫通穴内に配置されるようにサイズ設定された嵌合部分と、前記第1のリップの前記接触表面の反対側において前記第1のリップの表面上に載置されるようにサイズ設定された拡大部分と、を備える、請求項1または2に記載のリング(1)
【請求項7】
前記舌部は、前記第2のリップの反対側において前記嵌合部分に隣接する把持部分を備え、前記把持部分は、前記貫通穴を通過しユーザにより把持されるようにサイズ設定される、請求項に記載のリング(1)
【請求項8】
前記内側チャンバ(4)は、前記リングの静止時および前記閉位置において陥入部を有しておらず、前記生物学的管路(2)と接触状態になるように意図された、前記内側チャンバ(4)の内側エッジ(4)は、円形の形状を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のリング(1)。
【請求項9】
前記内径(Φ)は、膨張により縮小し、収縮により増大する、請求項1からのいずれか一項に記載のリング(1)。
【請求項10】
前記2つのリップ(3、3)は、遠心方向に延在する、請求項1からのいずれか一項に記載のリング(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの放射線不透過性パーツを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のリング(1)。
【請求項12】
前記内側チャンバは、前記リングの静止時および非閉位置において、5°以下の角度セクター上の開状態カラーを形成し、前記外側ベルトは、前記リングの静止時および前記非閉位置において、10°以下の角度セクターにわたる開状態カラーを形成する、請求項1から11のいずれか一項に記載のリング(1)
【請求項13】
管路(2)の内径の調節およびしたがって前記管路(2)内を循環する流体の流量の調節を可能にする、外科的手段により植え込まれ得るキットであって、
請求項1から12のいずれか一項に記載のリング(1)と、
前記内側チャンバ(4)内への膨張/収縮流体の現場での注入を、または前記内側チャンバ(4)からの膨張/収縮流体の現場での抽出を可能にするために前記可撓性膨張/収縮チューブ(5)の遠位端部(5d)に連結されるように意図された膨張/収縮モジュールと、
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、生物学的管路の直径の調節、およびしたがって生物学的管路内を循環し得る流体(血液)の流量の調節を可能にするために、生物学的管路、具体的には脈管、およびさらに具体的には門脈などの血管の周囲に外科的手段により植え込まれ得る医用デバイスの分野である。
【0002】
より厳密には、これらの植込み可能医用デバイスは、脈管リングであって、流体を使用して膨張および収縮されることによりそれらの脈管リングの内径を、およびしたがってそれらの脈管リングが周囲に配置されるように意図される管路/脈管の内径を調節することが可能である、脈管リングである。
【0003】
また、本発明は、外科的手段により植え込まれ得、血管の内径の制御および結果として血管内を循環する流体の流量の制御を可能にし得るキットに関する。
【背景技術】
【0004】
例えば肺動脈などに関して血流を制限するために、患者の血管の周囲に膨張性バンドリングにより構成される医用デバイスを植え込むことが知られている。これは、特許文献1の主題であり、この文献は、患者の肺動脈の周囲の定位置に配置されるように意図された膨張性バンドリングと、吹込ボタンに対してバンドリングを連結する膨張チューブと、を備える、肺動脈用の環状バンドデバイスを開示している。このバンドリングは、概C字形状であり、膨張性バルーンを形成する、薄い外部剛性シリコーン層および薄い内部シリコーン層を備える。この外部剛性シリコーン層または外壁部は、「C字」の開口に対応する端部ゾーン内へと延在することにより、膨張拘束デバイスを肺動脈の直径へと適合させることを可能にするロッキング手段を形成する。また、リングは、縫合糸を通過させるための穴を備え、それにより縫合糸が患者の肺動脈に対して固定されることが可能となる。このリングが膨張することにより、中心方向への薄い可撓性シリコーン内壁部の変形がもたらされ、それにより肺動脈の圧迫と肺動脈内径の縮小とが引き起こされる。膨張は、吹込ボタンの使用により注入される液体を使用して実施され、この吹込ボタンは、リングの収縮を可能にするために引くこともまた可能である。
【0005】
このタイプの膨張可能脈管リングは、心臓外科学のみならず肝臓外科学においても存在する。例えば、特許文献2は、血管の、すなわちより厳密には門脈の内部の血流を制御するためのインプラントを記載している。この制御は、肝臓移植および大規模的な肝切除術の成功にとって特に極めて重要となる。実際に、肝臓移植片に許容不可能な損傷を与えるリスクがあることから、移植または肝切除術の直後に門脈中の血流が過度に高くないことは、患者にとって不可欠である。この現象は、「過小グラフト(Small For Size (SFS))」症候群の名で知られている。この症候群は、100gの肝臓あたり260ml/分超の門脈流量、および/または20mmHg超の門脈圧力の場合に発生する。これは、肝臓の致死的な変化を引き起こす。
【0006】
特許文献2による脈管周囲可調節性インプラントは、非伸張性バンド内部に配置された開口環状形状の膨張可能バルーンを備える。この膨張バルーンは、膨張チューブにより注入チャンバに連結される。非伸張性外側バンドは、リングまたは脈管のロッキング手段を備える。環状内側バルーンの膨張および収縮により、インプラントが周囲に配置される脈管の内径を制限する(膨張)または増大させる(収縮)ことが可能となる。このインプラントは、膨張可能バルーンの内部に、血管内部の血圧を測定するための手段を備える。特許文献2の図2A図2Dは、膨張されたときの膨張可能バルーンの形状の変化を示している。膨張可能バルーンの内壁部は、円形状(図2)から、増大によって通路から離れる形状へと変化し、これは、膨張バルーン中の隆起部により引き起こされるようである。門脈のかかる圧縮は、圧挫と同等であり、これにより血流中に乱流を引き起こす狭窄が引き起こされて、結果として血栓症リスクがもたらされることは明白である。
【0007】
したがって、特許文献2によるこのインプラントは、脈管、特に門脈の内部の流量のおよび/または血圧の満足な制御を可能にはしない。このインプラントは、肝切除術または肝臓移植後におけるSFS症候群の問題に対して有効な解決策をもたらさない。
【0008】
さらに、既知のインプラント医用デバイスは、患者から除去されるために追加の外科手術を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2008/0097947号明細書
【文献】国際公開第2010/102661号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況において、本発明は、簡単かつ安全な様式で除去することが可能な、流量または血圧を調整するために生物学的管路内部の流体の循環流量を制御するためのデバイスを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、好ましくは脈管である生物学的管路の直径を制御するため、かつしたがって管路内を循環する流体の流量および/または圧力を制御するために、この管路の周囲に植え込まれ閉じられるように意図された、調節可能な内径を有するリングであって、
閉位置において一定の直径を有する外側ベルトと、
閉位置において膨張および収縮されることによりその内径を変更し得る内側チャンバと、
可撓性膨張/収縮チューブであって、可撓性膨張/収縮チューブの一方の端部が内側チャンバに連結され、可撓性膨張/収縮チューブの他方の端部が膨張手段に連結されるように意図される、可撓性膨張/収縮チューブと、
を備え、
外側ベルトおよび内側チャンバが、開状態カラーを形成し、外側ベルトが、管路の周囲においてリングを閉じるための閉鎖手段を備え、
閉鎖手段が、相互に対して接合されることが可能である2つのリップであって、リングが生物学的管路の周囲に植え込まれ閉じられた後に内側チャンバの過膨張により相互から分離される、2つのリップを備え、
リップが、相互に対面する接触表面を有し、閉鎖手段が、2つのリップのうちの第1のリップの接触表面上に配置された少なくとも1つの貫通部と、2つのリップのうちの第2のリップの接触表面から突出する少なくとも1つの突出部と、を備え、突出部および貫通部が、嵌合により突出部が貫通部内に保持されるように構成され、嵌合が、リング内の過圧時に解除されるように選択される、リングに関する。
【0012】
これらの実現により、リングは、単なる過圧により生物学的管路から容易にかつ迅速に除去されることが可能になる。過圧は、このチューブの目的である治療が終了すると、膨張/収縮チューブを介して内側チャンバに対して印加され得る。
【0013】
しかし、過圧は、生物学的管路内にも過圧を結果的にもたらし得る。かかる環境下でリングを開口することは、患者の安全性を改善し得る。
【0014】
内側チャンバは、静止時および閉位置において、管路の直径を制御するための使用時に必要とされる最小縮小直径に対応する縮小内径を有し得る。
【0015】
これらの実現により、過圧に対する開口を容易にする予歪みが閉鎖手段に対して加えられる。
【0016】
本発明によるリングは、血液流量、具体的には門脈流量および/または門脈圧力を制御するように意図された既知の植込み可能脈管周囲リングの優れた展開例である。
【0017】
このリングは、その元々の構造により、例えば脈管などの管路内を循環する例えば血液などの流体の流量または圧力の新規のタイプの非外傷性空気圧調整または液圧調整を提案する。
【0018】
これは、SFS症候群を解消する有効な手段を施術者に提供することにより、肝切除術および肝臓移植の成功に向かう著しい進歩をもたらす。
【0019】
さらに、このリングは、安全であり、信頼性が高く、コストが手頃であり、要求される品質基準および生産性基準に準拠した工業規模での生産が可能である。
【0020】
また、本発明は、流量または血圧を制御するために外科的手段により植え込まれ得るキットであって、このリングと、内側チャンバ内への膨張/収縮流体の現場での注入を、または内側チャンバからの膨張/収縮流体の現場での抽出を可能にするために膨張/収縮チューブの遠位端部に連結されるように意図された膨張/収縮モジュールと、を備える、キットに関する。
【0021】
定義
本開示では、各単数形表現および各複数形表現は、複数形表現または単数形表現を互換的に示す。
【0022】
例として以下で示される定義は、本開示の理解を容易にするように意図される。
【0023】
「管路」および「脈管」は、例えば血液またはリンパ液などの生物学的流体が中を循環するチャネルを互換的に示す。
【0024】
リングの「閉位置」は、リングが円筒体を画定するようにリングの2つの端部が相互に対して固定されることを意味する。
【0025】
リングの「静止時」は、リングの内側チャンバの内部圧力および外部圧力が、周囲雰囲気圧力に均衡されることを意味する。リングが、静止時に管路の周囲に位置決めされ閉じられるとき、リングは、管路の直径を制限し、管路を圧縮し、管路を縮小するように少なくとも部分的に膨張される。
【0026】
可撓性チューブの遠位端部は、インプラントが定位置に配置される患者の体外に位置する可撓性チューブの自由端部であり、すなわち膨張/収縮手段に連結されるように意図される自由端部である。
【0027】
可撓性チューブの近位端部は、可撓性チューブの遠位端部の反対側の端部であり、すなわち本発明によるリングに連結された端部である。
【0028】
硬度D1、D2は、リングを構成する材料のショアA硬度を意味する。
【0029】
管路の直径を制御するための使用時に必要とされる最小縮小直径は、静止時の、すなわち部分的に膨張された内側チャンバの内径を意味し、その場合には、リングが位置決めされるように意図される管路Dcの直径は、このリングが周囲に存在しないときの「平常状態」で管路が有する平常直径Dcn(または最大直径)に対する最小値Dcrまで制限および縮小される。囲まれる各管路ごとに、リングが管路の周囲に位置決めされたときに管路が達成しなければならないDcr値が決定される。例えば、管路が門脈である場合には、門脈の直径を制御するための使用時に必要とされる最小縮小直径は、門脈の直径が制限を伴わない門脈の自然な平常直径Dcnに対して55%、好ましくは50%だけ制限される、内側チャンバの内径Φirである。また、管路の直径Dcは、リングが管路の周囲に位置決めされると、必要に応じてリングの内側チャンバの膨張により縮小され得ること、または内側チャンバの収縮により増大されることに明確に留意されたい。「平常状態」は、制限を伴わず、かつ生物学的流体が非病理的な平常の平均的な生物学的流量にて循環する、管路の状態を意味する。平常状態では、生物学的管路は平常直径Dcnを有し、この平常直径Dcnは、個体の生物学的種、性別、および年齢に依存する。
【0030】
内側チャンバが、静止時および閉位置において、管路の直径を制御するための使用時に必要とされる最小縮小直径に対応する内径Φirを有し得ることにより、陥入部、隆起部、または折り曲げ部を有することなく、内側チャンバの形状を画定することが可能となり、リングは、管路の直径をある特定のレベルまで縮小し、したがって管路内を循環する流体の流量および/または圧力をある特定のレベルまで低下させる。
【0031】
使用に必要とされる最小縮小直径は、リングを周囲に植え込むかつロックするように意図される管路の直径の縮小レベルにより定義され得る(例えば縮小率として表現される)。この縮小率は、ユーザの要件に対応し得る。具体的には、門脈内などにおける流量および血流のこの縮小率に関しては、リングは、リングを周囲に配置およびロックするように意図される脈管の直径を最大で55%だけ、好ましくは最大で50%だけ縮小するように選択されたΦirを有すると提示され得る。したがって、本発明によるリングが、静止時におよびしたがって既に部分的に膨張されている状態で門脈の周囲に位置決めされ閉じられるとき、このリングは、この門脈の直径を制限する。リングは、この直径を最大で55%だけ、好ましくは50%だけ縮小する。この場合に、患者の要件および所望の治療に応じて、リングをさらに膨張させ、したがって内側チャンバの直径をさらに縮小させ結果として門脈の直径を縮小させるか、またはリングを収縮させ、内側チャンバの直径を増大させ結果としてリングが周囲に位置決めされた門脈の直径を増大させるかのいずれかを行うことが可能である。
【0032】
縮小率は、リングが定位置に配置されるように意図される管路に応じて、ならびにさらに動作目的およびかかるリングの位置決めの目的に応じて適合化される。したがって、SFSの場合には、55%またはさらには50%だけ門脈の直径を縮小することが望ましい。一般的には、ヒトの門脈は、15mm(±5mm)の直径を有する。静止位置、すなわち膨張状態(しかし最大限までではない)において門脈の周囲に位置決めされ閉じられるリングは、門脈の直径の55%の縮小に対して6.75mm(±2.25mm)まで直径を縮小しなければならない。
【0033】
脈管が静脈(可撓性壁部)である場合、脈管の直径は、循環流体の流量が平常の平均的な生物学的流量に対応する直径である。
【0034】
実際には、肝切除術または肝臓移植の最中に、外科医は、本発明による開状態リングを肝臓の上流の門脈の周囲において定位置に配置し、リングの端部同士を相互にしっかり固定することによりこのリングを閉じる。したがって、門脈は、その直径が最大で55%、好ましくは最大で50%だけ縮小するように制限される。考慮される門脈直径は、例えば、ヒトの平常の平均的な門脈流量に対応する直径、すなわち700ml(+/-200ml)/分、すなわち健康な個人においては肝臓100gに対する約50ml/分、または大規模な肝切除術(肝臓の80%を除去)を受けた患者においては肝臓100gに対する約260ml/分に対応する直径である。肝臓100gに対する約260ml/分というこの流量値は、最大値に相当し、この最大値未満では患者はSFS症候群にさらされる。
【0035】
施術者は、手元にある臨床データに応じて、内側チャンバの膨張または収縮により門脈直径をさらに縮小または増大するように選択することにより、患者の健康状態を考慮しつつ患者にとって望ましい値を正常値へと徐々に戻すことによってこの値に門脈流量を固定することが可能である。
【0036】
この処置は、脈管内流量を低下させ次いで任意に上昇させるために脈管周囲リングの位置が指定される、他の医学的種または非医学的種に対しても該当し得る。生物学的管路の直径は、管路が遮断される(管路のクランピング)まで、本発明によるリングを使用して縮小されてもよい。
【0037】
好ましくは、Φiは、膨張により縮小し、収縮により増大する。
【0038】
リングの内側チャンバが、管路の周囲で静止時に閉位置において膨張されることと、さらにリングの内径Φが、膨張により縮小し、収縮により増大することと、により、狭窄および血栓症の関連リスクを抑制しつつ、閉位置において周囲にリングが定位置に配置される生物学的管路/脈管の中を循環する流体の流量および/または内圧を安全にかつ確実に制御することが可能となる。
【0039】
本発明の新規の特徴によれば、リングは、内側チャンバが、この内側チャンバが膨張されたときにリングの閉位置において、陥入部(または折り曲げ部)も隆起部も形成せず「実質的に」円形の内側形状を有することを特徴とする。「実質的に」円形とは、本開示の意味の範囲内では、Φの±20%、好ましくは10%の許容公差を有しつつ中心から等距離に位置する点を有する平面閉曲線を意味する。
【0040】
上記に示すように、リングは、以下の特徴のうちの少なくとも1つにより定義され得る開状態カラーであってもよい。
(i)内側チャンバは、リングの静止時および非閉位置において、1°~5°の間の角度セクター上の開状態カラーを形成する。
(ii)外側ベルトは、リングの静止時および非閉位置において、1°~10°の間の角度セクターにわたる開状態カラーを形成する。
【0041】
これらの実現により、過圧時の閉鎖手段の開口を容易にするさらなる予歪みが閉鎖手段に対して加えられ得る。
【0042】
好ましい実施形態では、開状態カラーは、角度セクターを有するのではなく幅狭のチャネルを有し、リングを閉じるために接合されることとなる端部同士は、リングが静止時に開位置にあるときには平行である。
【0043】
本発明の可能な一変形例では、可撓性膨張チューブは、少なくとも1つの逆止弁を備える。
【0044】
X線に対する可視性を与えるために、本発明によれば、リングは、例えば放射線不透過性インサートなどの少なくとも1つの放射線不透過性パーツを備えることが有用であり得る。
【0045】
本発明によるリングの好ましい一実施形態の以下の説明は、他の顕著な特徴を強調する。
【0046】
この詳細な説明は、添付の図面を参照として提示される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】収縮され閉位置にある、一実施形態によるリングの斜視図である。
図1B】収縮され開位置にある、一実施形態によるリングの斜視図である。
図2A】好ましい一実施形態による静止時かつ閉位置にあるリングの上面図である。
図2B】好ましい一実施形態による静止時かつ開位置にあるリングの上面図である。
図2C】管路の周囲に位置決めされることが可能な状態にある一変形形態によるリングの上面図である。
図3図2A図2B、または図2Cの切断面III-IIIに沿った長手方向断面図である。
図4A図2Aに示すリングの正面図である。
図4B図2Bまたは図2Cに示すリングの正面図である。
図4C図3の切断面IV-IVに沿った長手方向断面図である。
図5A】リングが生物学的管路の周囲に植え込まれ閉じられた後に内側チャンバの過膨張により相互に分離され得る閉鎖手段を有するリングの別の実施形態の上面図である。閉鎖手段のリップ同士が、リップの一方に対して装着された舌部が他方のリップの貫通穴の中に摩擦嵌めされることにより相互に対して接合されている。
図5B】リングが生物学的管路の周囲に植え込まれ閉じられた後に内側チャンバの過膨張により相互に分離され得る閉鎖手段を有するリングの別の実施形態の上面図である。閉鎖手段のリップ同士が、リップの一方に対して装着された舌部が他方のリップの貫通穴の中に摩擦嵌めされることにより相互に対して接合されている。
図5C】リングが生物学的管路の周囲に植え込まれ閉じられた後に内側チャンバの過膨張により相互に分離され得る閉鎖手段を有するリングの別の実施形態の上面図である。閉鎖手段のリップ同士が、リップの一方に対して装着された舌部が他方のリップの貫通穴の中にスナップ嵌めされることにより相互に対して接合されている。
【発明を実施するための形態】
【0048】
添付の図面に示すように、本発明によるリング(1)は、その内径(Φ)を変更することにより例えば門脈などの血管などの生物学的管路のセグメントを圧縮および開放することが可能となるように膨張および収縮されることが可能なリングである。前記リング(1)は、図面では一点鎖線で表される管路/脈管(2)内を循環する流れを制御するために、この生物学的管路の周囲に植え込まれ閉じられるように意図される。
【0049】
リング(1)は、
外側ベルト(3)と、
膨張および収縮され得る内側チャンバ(4)と、
可撓性膨張/収縮チューブ(5)と、
を備える。
【0050】
外側ベルト(3)は、実質的に一定の内径および外径を有する。この外側ベルト(3)は、開状態カラーと同様であり(図1B図2B図2C、および図4B)、その2つの自由端部は、2つの外側リップ(3、3)を備える閉鎖手段(7)を有し、これらの2つの外側リップ(3、3)は、遠心方向に延在し、開状態カラー(図1B図2B図2C、および図4B)においては相互に対向位置にありかつ閉状態カラー(図1A図2A、および図4A)においては相互に接触状態となる面(3、3)を有する。図2A図2B図2C、および図3に示すように、これらのリップ(3、3)はそれぞれ、流量を調整されるべき脈管(2)の周囲への植込み後のリング(1)の閉鎖(図1A図2A、および図4A)を確保するために、以降においてさらに詳細に説明される閉鎖手段を備える。
【0051】
この外側ベルト(3)は、シリコーンエラストマーもしくは類似体を含むまたはさらに良好にはシリコーンエラストマーもしくは類似体により構成される生体適合性エラストマーの群から選択される、硬度D1の半剛性材料から作製される。
【0052】
内側チャンバ(4)は、膨張可能および収縮可能なバルーンであり、このバルーンは、静止時および閉位置(図2A)においては使用に望ましい最小直径値(+/-10%)に対応し得る直径(Φir)、すなわち、このバルーンが定位置に配置されると即座にこのバルーンが周囲に位置決めされた管路の直径Dcを制限する直径を有する。ヒトの門脈の場合には、収縮前の平常直径または最大値Dvpnは、例えば10mm~20mmの間からなる。定位置に配置され門脈の周囲にロックされたリングは、内径(Φir)を有し、この内径は、好ましくは最大で50%の門脈流量の低下を決定する。
【0053】
膨張の効果を受けて、内側チャンバ(4)は、中心方向において体積を増大させ、これにより内側チャンバ(4)の内径(Φ)を縮小させる。収縮は、遠心方向において内側チャンバ(4)の体積の縮小をもたらして、リング(1)が定位置に配置され閉鎖手段(7)を使用して閉じられる患者の脈管(2)(例えば門脈)の圧縮または開放をそれぞれ行う。
【0054】
図2Bに示す実施形態では、外側ベルト(3)により構成される開状態カラーは、外側リップ3および3の平行面3および3により画定された狭いチャネルに沿って延在する開口を有する。
【0055】
図2Cに示す好ましい変形形態では、外側ベルト(3)により構成された開状態カラーは、1°~10°の間からなる、および好ましくはこの例では約10°である、角度セクターαにわたり延在する開口を有する。この変形例では、内側チャンバ(4)は、開状態カラーであり、開状態カラーの端部は、1°~5°の間からなる、および好ましくは約5°に等しい角度セクターαにわたり延在する開口を画定する。
【0056】
図面により、特に図3により示すように、この内側チャンバ(4)は、環状であり、図面(図3)に示す例では、外側ベルト(3)と接触状態にあるかつ/または外側ベルト(3)に対してしっかりと固定された外壁部(4)と、湾曲内壁部(4)と、を備え、外壁部(4)および内壁部(4)は、側方面により相互に連結され、これらの側方面は、選択された例では実質的に直線状であるが、湾曲していることが可能であり、参照符号(4、4)により示される。内側チャンバ(4)は、一変形例によれば環状体形状であることが可能である。
【0057】
内壁部(4)は、この内側チャンバ(4)の内側エッジを形成する。この内側エッジ(4)は、リングが閉位置において(図1A図2A、および図4A)静止状態にあり(非膨張:内部過圧もなく、また非収縮:内部減圧もない)、管路の周囲に配置されないときには、円形形状を有する。本発明によれば、内側エッジ(4)の、より一般的には内側チャンバ(4)のこの円形形状は、リングが管路(例えば静脈)の周囲に配置されるとき、ならびに膨張動作および収縮動作の最中に、維持される。これは、内側チャンバ(4)が、静止状態、膨張状態、または収縮状態のいずれにおいても陥入部、折り曲げ部、または隆起部を形成しないことを意味する。内側エッジ(4)の、より一般的には内側チャンバ(4)の形状は、リングが管路(例えば静脈)の周囲にて配置されると、使用要件に対応する膨張静止状態からさらなる膨張状態および収縮状態にかけて「実質的に」平坦状および円形に留まる。ヒトの門脈流量の調節の場合には、これらの膨張状態および収縮状態は、例えば以下の内径限度値(Φ)、すなわち[5-25]、[6-24]、[7-20](mm単位。後に向かうにつれて好ましい順序で示す)の範囲内に含まれる。
【0058】
図2A図2B図2C図3図4Cに示すように、放射線不透過性バンド(4’)が、外壁部(4)内において内側チャンバ(4)と外側ベルト(3)との間に挿入され得る。
【0059】
内側チャンバ(4)は、例えば、シリコーンエラストマーもしくは類似体を含むまたはさらに良好にはシリコーンエラストマーもしくは類似体により構成される生体適合性可撓性エラストマーの群から選択される、硬度D2の可撓性材料から作製される。
【0060】
本発明の好ましい一特徴によれば、外側ベルト(3)の硬度D1は、内側チャンバ(4)の硬度D2よりも高い。例えば、D1は、60~100の間からなり、好ましくは70~90の間であり、例えば約80ショアAである。
【0061】
本発明の別の好ましい特徴によれば、内側ベルト(4)の硬度D2は、5~40の間であり、好ましくは10~30の間であり、さらにより好ましくは約20ショアAである。
【0062】
可撓性膨張/収縮チューブ(5)は、その近位端部(5p)により内側チャンバ(4)の内部に連結され、かつその遠位端部(5d)により図3には示さない膨張手段に連結される。膨張/収縮チューブ(5)は、図1A図1B図2A図2B図2C図3、および図4Cに示すようにリング(1)の開口の直径方向反対側に位置する。外側ベルト(3)は、端部ピース(6)を有し、この端部ピース(6)は、外部に向かって延在し、膨張チューブ(5)の近位端部(5p)を受ける。この膨張チューブ(5)は、プラスチック逆止弁を備えることが可能である。
【0063】
膨張チューブ(5)は、例えば約60ショアAなどの、D1~D2の間である硬度D3を有する例えば内側チャンバ(4)と同一の材料から作製されることが可能である。
【0064】
膨張/収縮手段(図面には示さない)は、例えばシリンジにより、好ましくは膨張/収縮流体の注入/タッピングにより正確な膨張/収縮調節を行うことを可能にするスクリューシリンジにより構成される。
【0065】
本発明によるリング(1)は、標準的な外科的手段(回復術)または腹腔鏡手段により脈管(2)の周囲の定位置に配置され得る。リング(1)の閉鎖は、閉鎖手段(7)により実施される。かように位置決めされたリング(1)は、縮小内径(Φir)を有し、この縮小内径は、使用に必要な最小直径(Dvpr)まで脈管(2)を制限し、したがって(Φir)に依拠する所与レベルまで例えば血液などの流量または圧力を制限する。次いで、施術者は、膨張/収縮により流量および/または圧力の調節を開始する。肝切除術または肝臓移植の場合には、この調節は、肝臓内圧力を20mmHg以下に、好ましくは15mmHgに維持することを目的とする。Φは、収縮により徐々に増大する。したがって、Dvp、ならびにそれに伴う門脈内の流量および/または血圧も、DvpがDvpn(門脈の平常直径または最大直径)に達するまで徐々に上昇する。DvprからDvpnへのこの上昇に必要とされる時間は、肝実質が、Dvpnに等しい門脈直径に対応するリング下流の圧力および/または流量に対して20mmHG未満の、好ましくは15mmHg未満の肝臓内圧力を封じ込める能力を回復するために必要な時間である。
【0066】
これは、患者のSFS症候群リスクを大幅に限定する。
【0067】
本発明によるリングは、閉鎖手段により閉じられると、内側チャンバの過膨張により再開口されて、閉鎖手段同士を相互から離間させ得る。リング(1)の開口後に、施術者は、リング(1)の過膨張の利点をまた活用することにより、リング(1)の自由端部同士を相互から離間した状態に維持し、したがってリング(1)の抜取りを容易にすることが可能である。これは、さらなる麻酔およびそれに関連するリスクを回避する利点を有する。
【0068】
図5A図5B、および図5Cは、本発明によるリングの実施形態を示し、閉鎖手段のリップ同士は、リングが生物学的管路の周囲に植え込まれ閉じられた後に、内側チャンバの過膨張によって、相互から分離されることが可能である。
【0069】
図5Aおよび図5Bに示す実施形態では、閉鎖手段は、リップのうちの第1のリップ3の接触表面を形成する面3上に配置された1つの貫通部3’と、リップのうちの第2のリップ3の接触表面を形成する面3から突出する1つの突出部8と、を備える。具体的には、貫通部3’は、第1のリップ3に形成された例えば円形断面などの貫通穴であり、突出部8は、第2のリップ3の接触表面3から延在する舌部である。前述のように、第1のリップ3および第2のリップ3は、変形可能材料、および特にシリコーンなどのエラストマー材料から形成される。舌部は、弾性変形可能になるように第2のリップ3と一体部品に作られる。舌部は、例えば円形断面の円筒状であり、舌部が延在する第2のリップ3に対して垂直に測定される長さを有する。舌部は、第2のリップ3の接触表面の面3に対して装着された、かつ摩擦嵌めにより第1のリップ3の貫通穴内に保持されるように直径および長さに関してサイズ設定された、嵌合部分8aを備える。サイズおよび材料の組合せの結果として得られる摩擦嵌めは、リング内の過圧時には解除されるように選択される。
【0070】
また、舌部は、第2のリップ3の反対側において嵌合部分8aに隣接する延長部を備える。この延長部は、嵌合部分8aに隣接するベース部から先端部まで漸減する直径を有する円錐形状を有する。この延長部は、貫通部3’を貫通し得る余剰長さ部分を与え、したがって貫通部3’内に嵌合部分8aを引っ張るようにユーザが舌部を把持することを可能にする把持部分8bを形成する。
【0071】
舌部および貫通穴は、好ましくは相互に対して相補的な、任意の他の適切な断面を有することが可能である。
【0072】
図5Cに示す実施形態は、舌部8’が、リングが閉じられたときに第1のリップ3の接触面の反対側の第1のリップ3の表面上に載置されることによりスナップ嵌めを実現するようにサイズ設定された拡大部分8a’を備える点において、図5Aおよび図5Bの実施形態と異なる。この拡大部分は、貫通穴の横寸法を上回る横寸法を、および具体的には貫通穴よりも5%~20%上回る大きさの横寸法を有する。図示する実施形態では、第2のリップ3の接触表面に対して装着された舌部8’の嵌合部分は、第1のリップ3の貫通穴よりも細い。この場合に、嵌合部分は、貫通穴の壁部との接触を伴わずに貫通穴内に配置され得る。しかし、嵌合部分は、貫通穴との摩擦嵌めを実現するように他の様式で構成されることが可能である。
【0073】
図5Aおよび図5Bの実施形態と同様に、舌部8’は、第2のリップ3の反対側の嵌合部分に隣接する把持部分を備え得る。
【0074】
本発明は、開示される舌部および貫通穴に限定されない。閉鎖手段は、圧力嵌め、摩擦嵌め、スナップ嵌め、およびその他などの嵌合により突出部が貫通部内に保持されるように構成された任意の他の種類の突出部および貫通部を備えることが可能であり、この嵌合は、リング内の過圧時には解除されるように選択される。
【符号の説明】
【0075】
1 リング
2 管路/脈管
3 外側ベルト
4 内側チャンバ、内側ベルト
4’ 放射線不透過性バンド
5 可撓性膨張/収縮チューブ、膨張チューブ
6 端部ピース
7 閉鎖手段
8 突出部
8’ 舌部
8a 嵌合部分
8a’ 拡大部分
8b 把持部分
外側リップ、第1のリップ
外側リップ、第2のリップ
面、平行面
面、平行面、接触表面
’ 貫通部
外壁部
湾曲内壁部、内壁部、内側エッジ
側方面
側方面
5d 遠位端部
5p 近位端部
α 角度セクター
α 角度セクター
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C