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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】枢動部分を有するかみそりハンドル
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/52 20060101AFI20220617BHJP
   B26B 21/44 20060101ALI20220617BHJP
   B26B 21/48 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
B26B21/52 C
B26B21/44 B
B26B21/48
B26B21/52 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020550146
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 US2019024184
(87)【国際公開番号】W WO2019191165
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/650,305
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル テイポール ヴェラサミー
(72)【発明者】
【氏名】エリック グレン シーグマン
(72)【発明者】
【氏名】ジン キョン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジャック アンソニー ワシントン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ハロルド ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】レーガン メアリー フィアスコン
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー オリバー ヴーゲン
(72)【発明者】
【氏名】マルコ フォンテッキオ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アルヴァ ベーア
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-512928(JP,A)
【文献】特表2008-515510(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0023351(US,A1)
【文献】特表2010-528753(JP,A)
【文献】特開2016-168276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 21/00 - 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かみそり用ハンドルであって、
・主要本体と、
・枢動軸を中心に前記主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドであって、前記枢動ヘッドが、実質的に台形柱形状を有し、ベース部材と、前記ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を備える、枢動ヘッドと、を備え、
・前記カバー部材が、少なくとも1つの外部開口部を画定する面を備え、前記枢動ヘッドが、前記主要本体及び前記外部開口部と流体連通する内部区画を備え
・前記枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、前記内部チャネル内に少なくとも部分的に配設されている、かみそり用ハンドル。
【請求項2】
記枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分と、を備え、前記枢動ばねが、前記枢動ヘッドと結合されており、前記主要本体と相互作用して、前記枢動ヘッドを、前記枢動軸を中心に、休止位置に付勢する、請求項1に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項3】
記枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、更に、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねのうちの1つが、前記枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ前記枢動軸から約1mm~約5mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、請求項1に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項4】
前記枢動ヘッドが、前記枢動軸を中心に、前記休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、前記枢動ばねが、前記第1の枢動軸を中心に約2N-mm~約12N-mmの付勢トルクを加える、請求項1に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項5】
・第1の近位部分及び第1の遠位端部を有する第1のアームであって、前記第1の近位部分が、第1の場所において前記主要本体に結合されている、第1のアームと、
・第2の近位部分及び第2の遠位端部を有する第2のアームであって、前記第2の近位部分が、第2の場所において前記主要本体に結合されている、第2のアームと、を更に備え、
・前記第1の遠位端部及び前記第2の遠位端部が、離間した関係であり、その間で枢動可能に結合されている前記枢動ヘッドを有する、請求項1に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項6】
前記第1のアームが、前記第1の遠位端部に溶接された第1の円筒形ピン部材を備え、前記第2のアームが、前記第2の遠位端部に溶接された第2の円筒形ピン部材を備え、前記第1のピンが、前記枢動ヘッド内の第1の受容軸受部と動作可能に係合し、前記第2のピンが、前記枢動ヘッド内の第2の受容軸受部と動作可能に係合する、請求項5に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項7】
前記ベース部材が、ベネフィット送達部材に結合されており、前記ベネフィット送達部材が、前記主要本体内に配設された近位端部と、前記枢動ヘッド内に配設された遠位端部と、を有し、前記ベネフィット送達部材が、流体分配管である、請求項1に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項8】
かみそり用ハンドルであって、
・主要本体と、
・枢動軸を中心に前記主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドであって、前記枢動ヘッドが、実質的に台形柱形状を有し、ベース部材と、前記ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を備え、前記ベース部材及び前記カバー部材が、前記主要本体から延在する流体流動部材に結合された内部区画を画定する、枢動ヘッドと、を備え
・前記枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、前記内部チャネル内に少なくとも部分的に配設されている、かみそり用ハンドル。
【請求項9】
前記内部区画が、前記枢動ヘッドの前記台形柱形状によって制約されて、最大容積を画定し、ここで、前記流体流動部材が、前記枢動ヘッドの面上の流体出口開口部と流体連通する内部区画に結合されている、請求項に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項10】
記枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分と、を備え、前記枢動ばねが、前記枢動ヘッドと結合されており、前記主要本体と相互作用して、前記枢動ヘッドを、前記枢動軸を中心に、休止位置に付勢する、請求項に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項11】
記枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねのうちの1つが、前記枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ前記枢動軸から約1mm~約5mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、請求項に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項12】
前記枢動ヘッドが、前記枢動軸を中心に、前記休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、前記枢動ばねが、前記第1の枢動軸を中心に約2N-mm~約25N-mmの付勢トルクを加える、請求項に記載のかみそり用ハンドル。
【請求項13】
・第1の近位部分及び第1の遠位端部を有する第1のアームであって、前記第1の近位部分が、第1の場所において前記主要本体に結合されている、第1のアームと、
・第2の近位部分及び第2の遠位端部を有する第2のアームであって、前記第2の近位部分が、第2の場所において前記主要本体に結合されている、第2のアームと、を更に備え、
・前記第1の遠位端部及び前記第2の遠位端部が、離間した関係であり、その間で枢動可能に結合されている前記枢動ヘッドを有する、請求項1に記載のかみそり用ハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、かみそりのためのハンドルに関し、より具体的には、枢動部分を有するハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
湿式剃毛用の5枚刃又は6枚刃のかみそりなどの剃毛かみそりにおける近年の進歩により、より深剃りの、より細かい、かつより快適な剃毛を提供し得る。剃毛の深剃り性に影響し得る1つの要因は、剃毛表面に刃が接触する量である。刃が接触する表面積が大きくなるほど、剃毛は深剃りとなる。剃毛の現在の手法は、例えば、刃に対して実質的に平行であり、かつハンドルに対して実質的に垂直な軸を中心とした回転の枢動軸を有する(すなわち、前後枢動運動)かみそりが大部分を占める。剃毛の快適性に影響し得る1つの要因は、皮膚表面に送達される流体又は熱などの皮膚ベネフィットの提供である。しかしながら、皮膚ベネフィットを効果的に提供することは、コンパクトで耐久性のあるかみそりにおける効果的な刃の枢動に関する要件によって妨げられる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
必要とされるものは、湿式又は乾式剃毛に好適であり、皮膚ベネフィットを提供し、深彫りで快適な剃毛のために枢動するかみそりである。電動式及び手動式かみそりを含む、かみそりは、好ましくは、より単純であり、コスト効率的であり、信頼性があり、コンパクトであり、耐久性があり、製造がより容易及び/又は速やかに行える、並びにより正確な組み立てがより容易及び/又は速やかに行えるものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ハンドルが開示される。ハンドルは、主要本体と、枢動軸を中心に主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドと、を有することができる。枢動ヘッドは、実質的に台形柱形状を有することができ、ベース部材と、ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を含むことができる。カバー部材は、少なくとも1つの外部開口部を画定する面を含むことができ、枢動ヘッドは、主要本体及び外部開口部と流体連通する内部区画を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の他の特徴及び利点、並びに本発明自体は、添付の図面と併せて読むときに、種々の実施形態の以下の説明から、より完全に理解することができる。
図1】本発明の一実施形態による、剃毛かみそりの概略斜視図である。
図2図1の剃毛かみそりの下面の概略斜視図である。
図3図2の剃毛かみそりの一部分の概略斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による、剃毛かみそりの概略斜視図である。
図5図4の剃毛かみそりの下面の概略斜視図である。
図6図5の剃毛かみそりの一部分の概略斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による、かみそりのハンドルの概略側面図である。
図8】台形柱形状の物体の概略斜視図である。
図9】本発明のハンドルの一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略側面図である。
図10】本発明のハンドルの一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図11】本発明のハンドルの一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図12】本発明のハンドルの一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図13】本発明のハンドルの一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図14】本発明のハンドルの一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図15A】アームの一実施形態の概略図である。
図15B】アームの一実施形態の概略図である。
図15C】アームの一実施形態の概略図である。
図16A】アームの一実施形態の概略図である。
図16B】アームの一実施形態の概略図である。
図16C】アームの一実施形態の概略図である。
図17A】アームの一実施形態の概略図である。
図17B】アームの一実施形態の概略図である。
図18】本発明の一実施形態による、ハンドルに装着されているアームの一実施形態の概略図である。
図19A】アームの一実施形態の概略図である。
図19B】アームの一実施形態の概略図である。
図20】本発明の一実施形態による、ハンドルに装着されているアームの一実施形態の概略図である。
図21】本発明の一実施形態による、枢動ばねの一実施形態の概略斜視図である。
図22】本発明の一実施形態による、枢動ばね及び枢動ヘッドの一部分の一実施形態の概略斜視図である。
図23】本発明の一実施形態による、枢動ばね及び枢動ヘッドの一部分の一実施形態の概略斜視図である。
図24】本発明の一実施形態による、枢動ばね及び枢動ヘッドの一部分の一実施形態の概略斜視組立図である。
図25】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図26】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図27A】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略図である。
図27B】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略図である。
図28】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図29】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図30A】本発明の一実施形態による、ハンドルの一部分の概略斜視組立図である。
図30B】本発明の一実施形態による、ハンドルの一部分の概略斜視組立図である。
図31】本発明の一実施形態による、ハンドルの一部分の概略斜視図である。
図32】本発明の一実施形態による、ハンドルの一部分の概略斜視組立図である。
図33】本発明の一実施形態による、ハンドルの一部分の概略斜視組立図である。
図34】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの概略斜視図である。
図35】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの概略斜視図である。
図36】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの概略斜視組立図である。
図37A】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図37B】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図38A】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図38B】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図39A】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図39B】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図40A】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図40B】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図41A】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図41B】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図41C】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図41D】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図42】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図43A】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の斜視組立図である。
図43B】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の斜視組立図である。
図43C】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の斜視組立図である。
図43D】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の斜視組立図である。
図43E】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の斜視組立図である。
図43F】本発明の一実施形態による、組み立ての工程を示す枢動ヘッドの一部分の斜視組立図である。
図44】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図45】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図46】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図47】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視切り欠き図である。
図48】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視図である。
図49】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分の概略斜視組立図である。
図50】本発明の一実施形態による、かみそりのハンドルの概略図である。
図51】本発明の一実施形態による、かみそりのハンドルの部分的な側面図である。
図52】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材の一部分の斜視図である。
図53】本発明の一実施形態による、フィレット半径を示すかみそりのハンドルの一部分の切り欠き図である。
図54】本発明の一実施形態による、面取り部を示すかみそりのハンドルの一部分の切り欠き図である。
図54A図54に示される面取り部の幾何学形状の概略斜視図である。
図54B図54に示される面取り部の幾何学形状の概略斜視図である。
図54C図54に示される面取り部の幾何学形状の概略斜視図である。
図55】本発明の一実施形態による、スロットを示すかみそりのハンドルの一部分の平面図である。
図56】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分に取り付けられた流体ベネフィット送達部材の斜視図である。
図57】本発明の一実施形態による、枢動ヘッドの一部分に取り付けられている流体ベネフィット送達部材の斜視組立図である。
図58】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材の一部分の斜視図である。
図59】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材の一部分の断面図である。
図60】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材の一部分の斜視図である。
図61】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材のための接続を有する枢動ヘッドの一部分の斜視図である。
図62】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材及び枢動ヘッドの一部分の斜視図である。
図63】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材及び枢動ヘッドの一部分の斜視図である。
図64】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材及び枢動ヘッドの一部分の斜視図である。
図65】本発明の一実施形態による、流体ベネフィット送達部材の一部分及び枢動ヘッドの一部分の斜視図である。
図66A】枢動ヘッドの切り欠き図を示し、流体分配部材を示す。
図66B】枢動ヘッドの切り欠き図を示し、流体分配部材を示す。
図67A】本発明の一実施形態による、本明細書に記載の試験方法と関連付けられた装置の一部分の概略図である。
図67B】本発明の一実施形態による、本明細書に記載の試験方法と関連付けられた装置の一部分の概略図である。
図68】本発明の一実施形態による、一実施形態の代表的なトルク曲線を示すグラフである。
図69】本発明の一実施形態による、一実施形態の代表的なトルク曲線を示すグラフである。
図70】本発明の一実施形態による、本明細書に記載の試験方法と関連付けられた装置の一部分の概略図である。
図71】本発明の一実施形態による、本明細書に記載の試験方法と関連付けられた装置の一部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
特に断らない限り、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、「1つ以上」を意味する。
【0007】
図1を参照すると、剃毛かみそり10の一実施形態が示されている。剃毛かみそりは、ハンドル12と、ハンドル12に取り外し可能に取り付けることができ、1つ以上の刃17を収容することができる刃カートリッジユニット15と、を有することができる。本明細書における説明は、主にハンドル12と、ハンドル12に対する刃カートリッジユニット15の枢動、及びかみそり10のユーザの皮膚への皮膚ベネフィット送達構成要素の提供を促進するハンドル12と関連付けられた特徴部と、に関する。
【0008】
示される実施形態では、皮膚ベネフィット送達構成要素は、カートリッジユニット15の開口部を通ってハンドル12から延在し、したがって、剃毛中にユーザの皮膚に近接する可能性がある。本明細書に記載されるように、ベネフィットは、枢動ヘッドを通して送達される。枢動ヘッドをハンドルに対して枢動させる機構は、ベネフィット枢動送達接続部と、ばね部材と、1つ以上の軸受と、を備える。ベネフィット枢動送達接続部は、ハンドルからユーザの皮膚にベネフィット(熱又は流体など)を送達するように機能する。
【0009】
皮膚ベネフィットを提供するかみそりの2つの非限定的な実施形態が、本明細書に開示される。図1に示す第1のものは、ユーザの皮膚に流体を送達することができる。図1に描写されるかみそりの下面を示す図2に示されるように、ハンドル12の一部分は、刃カートリッジユニット15を通って延在し、面80として露出され得る。面80は、皮膚境界面であり得、下記でより詳細に考察されるが、シェーバーを使用するユーザの皮膚に接触又は近接することが意図される。図2において、及び刃カートリッジユニット15が取り外されている図3においてより詳細に示されるように、面80は、枢動ヘッド22の表面であり、開口部78を有することができ、開口部78を通じて流体が剃毛中及び剃毛後の皮膚ベネフィットのために分配され得る。枢動ヘッド22は、本明細書では枢動軸又はハンドル12に関する第1の回転軸26、並びに第1の回転軸26に対して略垂直である二次回転軸27と称される、枢動軸を中心として枢動することができる。ハンドル12内のリザーバからの流体流は、以下により詳細に記載されるように、押下可能なボタンであり得る皮膚ベネフィットアクチュエータ14を押圧することによって達成することができ、これは、ハンドル12の内側の流体リザーバを押圧して、流体流を枢動ヘッド22に向かって及びそれを通って付勢する。リザーバは、任意のタイプであってもよい。一実施例は、参照により本明細書に組み込まれる、同時所有、かつ同時係属中の米国特許出願第15/499,307号に記載されている。
【0010】
同様に、図4は、ハンドル12と、ハンドル12に取り外し可能に取り付けることができ、1つ以上の刃17を収容することができる刃カートリッジユニット15と、を有することができる、剃毛かみそりの別の実施形態を示す。図4の実施形態では、枢動ヘッド22は、皮膚への熱ベネフィット又は熱皮膚ベネフィットを送達し得る、熱送達要素を備えることができる。図1に示されるかみそりと同様に、枢動ヘッド22は、ハンドル12に対して第1の回転軸26、並びに第1の回転軸26に対して略垂直である二次回転軸27を中心として枢動することができる。図4に描写されるかみそりの下面を示す図5に示されるように、ハンドル12の一部分は、下記でより詳細に考察されるが、刃カートリッジユニット15を通って延在し、加熱面82として露出され得る。図5、及び刃カートリッジユニット15が取り外されている図6により詳細に示されるように、加熱面82は、枢動ヘッド22の表面であり、剃毛中又は剃毛後に、熱皮膚ベネフィットを送達するために加熱され得る。加熱は、以下でより詳細に記載されるように、押下可能なボタンであり得る、皮膚ベネフィットアクチュエータ14を押圧することによって達成され得、ハンドル12の内側の電動回路を、枢動ヘッド22への可撓性回路に近づける。ハンドル12は、以下で考察されるように、熱送達要素に電力を供給する、1つ以上の電池(図示せず)などの電源を保持してもよい。ある実施形態では、熱送達要素は、アルミニウム又は鋼などの金属を含んでもよい。本明細書に開示されるかみそりのハンドルは、参照により本明細書に組み込まれる、代理人整理番号14532FQを有する同一所有者の同時継続中の米国特許出願に開示される熱送達要素を含むことができる。
【0011】
ここで図7を参照すると、流体皮膚ベネフィットを提供するかみそり用ハンドルの一実施形態が、より詳細に記載される。
【0012】
流体皮膚ベネフィットを提供するかみそり10に関して記載される構成要素の多くはまた、特に本明細書に記載されるハンドル及び枢動ヘッドに関する際に、熱皮膚ベネフィットを提供するかみそり10に組み込まれ得、これは全て以下でより詳細に記載されるように、枢動ヘッドの形状、枢動ヘッドを休止位置に付勢するばね機構、及び枢動ヘッドの回転範囲を制限する制限部材を含むことに留意されたい。
【0013】
図7に示されるように、ハンドル12は、主要フレーム18及び二次フレーム20を含むことができる主要本体16を備えることができる。その構成要素主要フレーム18及び二次フレーム20部材を含む主要本体16は、金属、鋳造金属、プラスチック、耐衝撃性プラスチック、及び複合材料などの耐久性材料を含むことができる。主要フレーム18は、金属で作製することができ、ハンドルの構造的一体性のかなりの部分を提供することができる。一実施形態では、主要フレーム18は、亜鉛からなる。一実施形態では、主要フレーム18は、ダイカスト亜鉛からなる。二次フレーム20は、プラスチック材料で作製することができ、主要フレーム18の大部分に重なり、ハンドル12のサイズ及び快適性の有意な部分を提供することができる。
【0014】
引き続き図7を参照すると、枢動ヘッド22は、1つ以上のアーム24によって主要本体16に接続することができる。枢動ヘッド22は、以下により詳細に記載されるように、枢動ヘッド22をアーム24の遠位部分58に配設されたピン30に接続することによって画定される、第1の回転軸26を中心に枢動することができる。上述のように、刃カートリッジユニット15は、刃カートリッジユニット15は、ハンドル12上で枢動して、剃毛中にユーザの皮膚上により多くの皮膚接触領域を提供することができるように枢動ヘッド22に取り付ける。
【0015】
枢動ヘッド22は、刃カートリッジユニット15へ取り付けることと、ハンドル12からハンドル12に取り付けられた刃カートリッジユニット15への、及びそれを通る、皮膚ベネフィットの送達を促進することと、の両方を有利に促す形状を有し得る。
【0016】
枢動ヘッド22の形状は、代替的に、「漏斗」、又は「テーパ状」、若しくは「台形柱形状」として記載され得る。本明細書の説明から理解されるように、説明「台形柱」は、枢動ヘッドの全体的な視覚的印象に関して一般的である。例えば、台形柱形状要素の概略図が、図8に示されており、相対的に広い上面(又は開口部)32、相対的に狭い下面34、2つの長い主表面36、及び略台形形状の2つの端面38を有する形状を示す。
【0017】
説明「台形柱」は、枢動ヘッド22の全体的な視覚的外観についての最良の説明として本明細書で使用されるが、この説明は、本明細書に記載されるもの以外の任意の特定の幾何学的又は寸法的要件を意味するものではない。すなわち、カバー部材40を含む枢動ヘッド22は、完全な縁部又は表面を有する必要はない。更に、縁部は、破断せず、真っ直ぐである必要はなく、側部は、破断せず、平坦である必要はない。
【0018】
枢動ヘッド22及び本明細書に記載される様々な部品は、射出成形することができる熱可塑性樹脂で作製することができる。熱可塑性樹脂は、好ましくは、(ISO179/1により測定される)2kJ/mより高いノッチ付きシャルピー強度衝撃値を有する相対的に高い衝撃強度であり得る。熱可塑性樹脂は、ISO527-2/1-A(1mm/分)を使用して測定される際、500MPaを上回る相対的に高い引張弾性率を有し得る。
【0019】
一実施形態では、ポリオキシメチレン(polyoxymethylene、POM、またアセタールとしても既知である)の樹脂を、枢動ヘッド部に利用することができ、コポリマー形態は、ホモポリマー版を超える改善された熱安定性により、より容易に射出成形することができる。13kJ/m以上の値を含み、85kJ/mを超える値を含む、(ISO179/1により測定される)6kJ/mより高いノッチ付きシャルピー強度衝撃値を有するアセタールコポリマーを利用することができる。更に、熱可塑性材料は、ISO527-2/1-A(1mm/分)を使用して測定される際、900MPaを上回る引張弾性率を有して、相対的に剛性であることが考えられる。例としては、HOSTAFORM(登録商標)XT20及びHOSTAFORM(登録商標)S9363が挙げられる。
【0020】
ここで図9を参照すると、流体皮膚ベネフィットが枢動ヘッド22を介して送達され得る本開示の実施形態が、記載される。図9図13は、図8の台形柱形状の対応する面32、34、36、及び38が示されている側面プロファイルの枢動ヘッドを示し、台形柱形状は、枢動ヘッド22の一般的な形状の印象を概略的に表す。図9は、カバー部材40と、カバー部材40に接続されたベース部材42と、ハンドル12及び枢動軸、すなわち第1の回転軸26において枢動ヘッド22に接続されたアーム24と、を含む、枢動ヘッド22の一部分を示す。流体皮膚ベネフィットは、ベース部材42に動作可能に結合された流体ベネフィット送達部材76の形態のベネフィット送達部材を介して送達されて、流体送達部材から枢動ヘッド22への流体流を可能にすることができる。したがって、流体ベネフィット送達部材76は、ハンドル12内の流体リザーバ及びベース部材42に動作可能に結合された可撓性シリコーンプラスチック管などの可撓性プラスチックベネフィット枢動送達接続部を含むことができ、そのためハンドル12上の皮膚ベネフィットアクチュエータ14を押下すると、図10に示されるように、潤滑ローションを含む流体が、ハンドル12の内側から、枢動ヘッド22を通って、面80上の開口部78から伝達され得る。
【0021】
流体ベネフィット送達部材76用に選択された材料は、枢軸周りの角度偏向に対する低い抵抗を提供するための低弾性率と共に、耐久性に関して消費者環境に見られる様々な化学物質に対して、良好な耐化学薬品性を有することができる。
【0022】
一実施形態では、流体ベネフィット送達部材76のための材料は、熱可塑性エラストマ(thermoplastic elastomers、TPE)を含み得る。TPE材料としては、例えば、ポリ(スチレン-ブロック-エチレンブチレン-ブロック-スチレン)(styrene-block-ethylenebutylene-block-styrene、SEBS)、ポリ(スチレン-ブロック-ブタジエン-スチレン)(styrene-block-butadiene-block-styrene、SBS)、又はポリ(スチレン-ブロック-イソプレン-ブロック-スチレン)(styrene-block-isoprene-block-styrene、SIS)を含む、スチレン系ブロックコポリマーを挙げることができる。
【0023】
一実施形態では、流体ベネフィット送達部材76のための材料は、熱可塑性加硫(thermoplastic vulcanized、TPV)システムを含むことができる。一実施形態では、流体送達部材は、相対的により硬質のプラスチックを含む、異なる材料であり得る、ベース部材42上のオーバーモールドとして、例えば、二段階射出成形操作で、射出成形することができる。しかしながら、流体ベネフィット送達部材76はまた、別個に形成され、ベース部材42に接合され得る。好適なTPVシステムとしては、ポリプロピレン(polypropylene、PP)及びエチレンプロピレンジエンターポリマー(ethylene propylene diene terpolymer、EPDM)に基づくTPVシステム、ポリプロピレン及びニトリルゴムに基づくTPVシステム、ポリプロピレン及びブチルゴムに基づくTPVシステム、ポリプロピレン及びハロゲン化ブチルゴムに基づくTPVシステム、ポリプロピレン及び天然ゴムに基づくTPVシステム、又はポリウレタン及びシリコーンゴムに基づくTPVシステムを含むことができる。ポリプロピレンに基づくTPVシステムは、剃毛用途に一般的に使用される化学薬品に対するより高い耐化学薬品性を有し得る。
【0024】
一実施形態では、流体ベネフィット送達部材76のための材料は、華氏73度で1000時間で、実施されるISO89901を使用して測定したときに、初期引張ひずみから約3%未満の引張ひずみの増加を有する、クリープ抵抗性材料を含むことができる。
【0025】
一実施形態では、流体ベネフィット送達部材76のための材料は、ショアAデュロメータスケールで約10、及びショアAデュロメータスケールで約60の硬度を有する材料を含むことができる。
【0026】
流体ベネフィット送達部材76、又は熱送達部材96などの任意のベネフィット送達部材のための材料は、50Aを下回る値を含む、60A下であり得る。
【0027】
一実施形態では、流体ベネフィット送達部材76のための材料は、ASTMD-395によって測定された際、約25%未満の圧縮永久ひずみを有するエラストマを含み得る。
【0028】
一実施形態では、ベネフィット送達部材は、約6mm~約40mmの慣性モーメントを有する。
【0029】
流体ベネフィット送達部材76に好適な他の材料としては、熱可塑性ポリウレタン(thermoplastic polyurethane、TPU)、溶融加工可能なゴム(melt processable rubber、MPR)、可塑化ポリ塩化ビニル(plasticized polyvinyl chloride、PVC)、オレフィン性ブロックコポリマー(olefinic block copolymers、OBC)、アイオノマー、及びスチレン系ブロックコポリマーに基づく熱可塑性エラストマを挙げることができる。
【0030】
図8に示される概略形状の端面38に対応する)枢動ヘッド22の一方又は両方の端部44は、第1の回転軸26を中心とした枢動ヘッド22の回転範囲を制限する、制限部材46を有することができる。一実施形態では、制限部材46は、回転を停止するためにアーム24と接触することができる枢動ヘッド22の表面を提供することによって回転を制限する。例えば、一実施形態では、制限部材は、第1の回転軸26を中心とした枢動ヘッドの回転を停止するために、アーム24と接触関係になり得る第1の表面48及び第2の表面50を含むことができる。一実施形態では、表面48、50は、枢動軸26近くの最も近い位置から、台形柱形状の主面36の短い寸法に対応する枢動ヘッド22の部分の実質的にある程度の距離だけ、互いに対して広がる、分岐表面であり得る。図9から理解され得るように、第1の分岐表面48は、第1の位置への枢動ヘッドの移動を制限することができ、第2の分岐表面50は、第2の位置への枢動ヘッドの移動を制限することができる。枢動ヘッド22の枢動は、したがって、分岐表面とアーム24との相互作用によって制限される。第1の分岐表面48及び第2の分岐表面50は、平坦であるか、部分的に平坦であるか、又は非平坦部分を有してもよく、この唯一の要件が、分岐表面の一部分がアーム24に接触して、所望に応じて回転を制限することである。図9に示されるように、例えば、制限部材46の第1の分岐表面48は、実質的に平坦であってもよく、枢動ヘッド22を(図9で見られるように)反時計回り方向に更に枢動することから制限するように、隣接するアーム24と接触関係で、配設されてもよい。
【0031】
本明細書の説明から理解され得るように、角度分岐表面48及び50に関する分岐表面間の夾角43(例えば、分岐の角度)は、第1の回転軸26を中心とした枢動ヘッド22の角度回転を判定することができる。一実施形態では、角度分岐表面48及び50に関する分岐の角度は、最大50度以上であり得る。したがって、理解され得るように、一実施形態では、枢動ヘッド22は、0度の第1の位置から、第1の位置に対して約50度の第2の位置まで、及びそれらの間の任意の位置まで回転することができる。全ての位置において、ばね部材64は、枢動ヘッド22を第1の休止位置に向かって付勢するために、以下により詳細に記載されるように、主要バー部分軸86に対応する場所において付勢力を加えることができる。図9に示される位置は、(図9で見られるように)枢動ヘッドを時計回りに回転させるために、付勢力がばね部材64(図13に示される)に対して加えられないときの、枢動ヘッド22の位置であるため、休止位置と考えることができる。枢動ヘッドの休止位置は、夾角43内の任意の角度であり得る。
【0032】
図10を参照すると、枢動ヘッド22は、個別に第1のアーム24A及び第2のアーム24Bと呼ばれるアーム24によって主要本体16の主要フレーム18に接続されて示されている。「A」及び「B」の用語体形は、個々の対の要素を示すために本明細書で使用される。流体ベネフィット送達部材76は、主要本体16から延在し、ベース部材42に接続し、これはカバー部材40に接合されて、ハンドル12の内側のリザーバから枢動ヘッド22の面80上の1つ以上の開口部78に制御された流体輸送を提供する。上述のように、面80は、取り付けられた刃カートリッジユニット15上の開口部を通って延在することができ、そのため面80は、かみそり10が剃毛のために使用されるときに、ユーザの皮膚の非常に近くに、又は更にはその上に配設され得る。流体流は、例えば、ハンドル12の内側の可撓性流体リザーバに加えられる圧力によって提供され得る。圧力は、例えば、ユーザがハンドル12上の皮膚ベネフィットアクチュエータ14を押圧することによって加えられ得る。
【0033】
図10及び図11に示されるように、一実施形態では、アーム24の近位部分52は、装着場所60で主要フレーム18に接続され得る。アーム24は、金属で作製することができ、主要フレームは、金属主要フレーム上に金属アームを固定することによって相対的に強い接続が促進され得るように、金属で作製することができる。アーム24の近位部分52は、ハンドル12の主要本体16への接続のために、主要フレーム18上の突出部56と係合することができる、アーム24内の開口部54(図12により詳細に示される)を画定することができる。アーム24は同様に、枢動ヘッド22をハンドル12の主要本体16に接続するために、枢動ヘッド22内の軸受陥凹62と係合することができる遠位部分58を有する(下記でより詳細に記載される)。したがって、図11及び図12に示されるように、一実施形態では、第1のアーム24Aは、主要フレーム18上の第1の場所60Aにおいて、第1の突出部56Aに接続することができる開口部54Aを画定し得る第1の近位部分52Aを有することができ、第2のアーム24Bは、主要フレーム18上の第2の場所60Bにおいて、第2の突出部56Bに接続することができる開口部54Bを画定し得る第2の近位部分52Bを有することができる。同様に、第1のアーム24Aは、枢動ヘッド22内の第1の軸受陥凹に接続することができる第1の遠位部分58Aを有することができ、第2のアーム24Bは、枢動ヘッド22内の第2の軸受陥凹に接続することができる第2の遠位部分58Bを有することができる。
【0034】
ここで図13を参照すると、枢動ヘッド22の一実施形態のある構成要素が、より詳細に示されている。枢動ヘッド22は、共に接続されたときにそれらの間にばね仕掛けの区画84を形成する嵌合部分を有することができ、この区画は、剃毛中にユーザへの皮膚ベネフィットの送達を促進する。例えば、上述のように、枢動ヘッド22は、カバー部材40と、カバー部材40に接続されたベース部材42と、枢動ヘッド22を主要本体16に接続するアーム24と、を有することができる。
【0035】
異なる角度からの枢動ヘッド22の一実施形態のある構成要素の組立図を示す、図13及び図14に示されるように、アーム24は、その遠位部分58に配設されたピン30を有することができる。一実施形態では、円筒形ピン30は、アーム24の遠位部分58に溶接することができる。各ピン30は、枢動ヘッド22上の軸受陥凹62内に動作可能に配設され得る。軸受陥凹62は、ピン30の外径よりわずかに大きい内径を有するカバー部材40上の円筒状開口部であり得、そのためカバー部材40、したがって枢動ヘッド22は、第1の回転軸26上で自由に枢動することができる。ばね部材64は、カバー部材40の嵌合面とベース部材42との間に部分的に配設され、図4に示されるように、アーム24に対して枢動ヘッド22を第1の位置へと付勢するように作用し、ここで、制限部材46の第1の分岐表面48は、アーム24と接触関係で休止する。
【0036】
ばね部材64は、枢動ヘッドの第1の休止位置への付勢を促進する任意のばね部材であり得る。ばね部材は、例えば、ねじりコイルばね、コイルばね、板ばね、螺旋圧縮ばね、及びディスクばねのいずれかであり得る。示された実施形態では、ばね部材64は、ねじりばねを含み、少なくとも1つのコイルばね68を有し得る。一実施形態では、図14に示すように、2つのコイルばね68A及び68Bは、主要バー部分70によって離間した関係で共に結合される。一実施形態では、コイルばね68は、各々長手方向コイル軸74を画定することができる。一実施形態では、回転軸は、枢動軸又は第1の枢動軸と呼ぶことができ、長手方向コイル軸のうちの1つに対して平行であり、長手方向コイル軸のうちの1つからオフセットされ得る。
【0037】
加えて、ばね部材64は、プラスチック、耐衝撃性プラスチック、金属、及び複合材料で作製することができる。一実施形態では、ばね部材64は、金属、ポリエーテルエーテルケトン、及びいくつかの等級のシリコーンゴムなどの応力緩和に耐性を有する材料から作製することができる。応力緩和抵抗性材料からなる、ばね部材64のこのような一実施形態は、非負荷時に枢動ヘッドがその休止位置に戻るのを防止するばね部材の永久変形を、枢動ヘッドが、不必要に「セット」されることを防止することができる。一実施形態では、ばね部材64は、ASTM A313当たりのばねテンパー度で200シリーズ又は300シリーズのステンレス鋼で作製することができる。一実施形態では、ばね部材64は、1800MPaを超える極限引張強度金属、又は約800MPa~約2000MPaの工学降伏応力を有するステンレス鋼ワイヤ(例えば、302ステンレス鋼ワイヤ)からなることができる。
【0038】
第1のアーム24A及び第2のアーム24Bは、各々、略平行な平面を両側に有する略平坦な部材であり得る。アーム24は、図9に示されるように、仮想平面66を画定することができ、アーム24Aの仮想平面66Aは、アーム24Bの仮想平面66Bと同一平面上にあり得る。ピン30は、各々、各ピンに対して中心に配設された仮想長手方向ピン軸68を有することができ、アーム24A上のピン30Aの仮想長手方向ピン軸68Aは、図14に示されるように、アーム24B上のピン30Bの長手方向ピン軸68Bと同軸であり得る。
【0039】
アーム24は、枢動ヘッド22に有利に適合された様々な形状及び特徴部を有することができる。加えて、アームは、プラスチック、耐衝撃性プラスチック、金属、及び複合材料で作製することができる。一実施形態では、アーム24は、金属からなり得る。アーム24は、ASTM規格E8によって測定された工学降伏応力が約200MPa超、好ましくは500MPa超であり、ASTM規格E8によって測定される引張強度が1000MPa超である、200又は300シリーズステンレス鋼で作製することができる。
【0040】
図15図20に示されるように、アーム24は、枢動ヘッド22及び枢動ヘッド22が取り付けられるハンドル12のサイズに適切にサイズ決定及び成形することができる。図15及び図16に示される例示的実施形態では、アーム24は、約10mm~約25mmのアーム長さAlを有する平面図で考えることができ、約17mmであり得る。一実施形態では、アーム24は、約5mm~約20mmのアーム幅Awを有することができ、約10mmであり得る。図15及び図16に示される実施形態では、アーム24は、約0.5mm~約4mmのアーム厚みAtを有する実質的に均一な厚みの板とすることができ、約1mmであり得る。一実施形態では、アーム24は、図15A及び図15Bに示されるように、実質的に平坦な側面プロファイルであり得る。一実施形態では、アーム24は、図15B及び図15Cの側面プロファイルに示されるように、少なくとも1つの屈曲部を有することができる。示されるように、ピン30は、アーム24と一体であってもよく、又は溶接などによってアーム24に取り付けられてもよく、そのためピン30の部分30Cは、枢動ヘッド22の軸受陥凹62と係合するように、横方向に延在する。ピン30は、約2mm~約15mmの長さを有する円形断面円筒形状であってもよく、約4mmであり得る。ピン30は、約0.6mm~約2.5mmの直径などの最大断面寸法を有することができ、約1.0mmであり得る。アーム内の穴の外周は、約5mm~約25mmであってもよく、約10mmであり得る。偶発的な落下中に製品の完全性を確実とし、使用中の過度の偏向を防止するために、アームの長さに沿って、アームは、65N-cmを超えるアーム材料の弾性率を乗じた最小断面慣性モーメントを有する。一実施形態では、この最小断面慣性モーメントにアーム材料の弾性率を乗じたものは、約400N-cm~約20000N-cmであり得る。
【0041】
図15及び図16に示されるように、アーム24は、開口部54を画定する近位部分52で部分を有することができる。開口部は、アーム24を主要本体16に係合して取り付けるために使用することができる。例えば、図15に示されるアーム24は、図10及び図11に示されるアーム24に対応し、開口部54は、主要本体16の主要フレーム18上の突出部56と係合する。
【0042】
図17図20は、アーム24の代替的な実施形態を示す。図17B及び図19Bに示されるように、アーム24は、可変厚みAtを有することができ、アーム24に対して略中央のより厚い部分、及びアーム24の端部付近のより薄い部分を有することができる。かかる構成は、アーム24の強度及び重量の最適化を可能にすることができる。図18及び図20は、アーム24の近位部分52上のフック部材が、主要本体16の嵌合部分と係合することができる代替的な接続実施形態を示す。
【0043】
枢動ヘッド22は、枢動ヘッドに加えられた付勢力によって第1の回転軸26を中心に回転されて、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心として第2の位置まで回転させることができ、そのため第2の分岐表面50が、アーム24と接触関係で休止する。付勢力を取り除くと、ばね部材64は、枢動ヘッドを第1の位置に戻すように回転するように作用することができる。一実施形態では、枢動ヘッド22は、第1の枢動軸と考えられ得る、第1の回転軸26を中心に、第1の位置から約0度~約50度の回転角度を通して回転させることができ、回転されるとき、枢動ばねは、約50度の回転角度において約30N-mm未満で第1の回転軸26を中心に付勢トルクを加える。一実施形態では、枢動ヘッド22は、第1の枢動軸と考えられ得る、第1の回転軸26を中心に、第1の位置から約0度~約50度の回転角度を通して回転させることができ、回転されるとき、枢動ばねは、約2N-mm~約12N-mmの第1の回転軸26を中心に付勢トルクを加える。
【0044】
流体ベネフィット送達部材76が枢動ヘッド22のベース部材42に結合される一実施形態では、柔軟に結合されている流体ベネフィット送達部材76は、修復剤の一部分、付勢トルクを同様に、提供することができる。例えば、一実施形態では、流体送達部材は、修復材の約30%、第1の回転軸26を中心に付勢トルクを寄与することができる。一実施形態では、修復材、第1の回転軸26を中心とした付勢トルクは、約10N-mm未満であり得、約4.5N-mmがばね部材64によって寄与され、約1.5N-mmが流体ベネフィット送達部材76によって寄与される、約6N-mmであり得る。以下で考察されるように、ばね部材によって供給される枢動トルクは、第1の枢動トルクと考えることができる。流体ベネフィット送達部材76又は熱送達部材96を含む、ベネフィット送達部材によって供給される枢動トルクは、第2の枢動トルクと考えることができる。ベネフィット送達部材は、枢動ヘッドに枢動トルクを供給するその能力から分離可能、すなわち、切断、除去、又は別様に分離することができる。快適な剃毛を可能にするための十分なトルクを有するかみそりを供給するために、ラジアンにおける当該角度偏向によって割られた当該第1の枢動トルクと第2の枢動トルクとの合計の、当該枢動ベネフィット送達接続部が分離された、当該枢動ヘッドのラジアンにおける当該角度偏向で割られた当該第2の枢動トルクに対する比は、2超であり、4超である場合もある。トルクは、下記の試験方法の項に記載される静的トルク剛性方法に従って測定することができる。
【0045】
図21に示されるように、ばね部材64は、ねじりばねであってもよく、主要バー部分70によって結合された第1のコイルばね69A及び第2のコイルばね69Bを含むことができる。脚部延長部72は、各コイルばね69から、アーム24と動作可能に係合するのに十分な長さで延在して、枢動ヘッド22を第1の休止位置に向かって付勢させるために必要な付勢力を提供することができる。枢動ヘッドが第1の休止位置から離れて、第1の回転軸26を中心に回転するように付勢されると、ばね部材64は、枢動ヘッドを第1の位置に戻すために抵抗回復力を加える。コイルばね69A及び69Bは、各々長手方向コイル軸74を画定することができる。第1のコイルばね68Aの長手方向コイル軸74Aは、第2のコイル軸68Bの長手方向コイル軸74Bと同軸であり得る。長手方向軸74の一方又は両方は、枢動軸と称される場合がある、第1の回転軸26に対して実質的に平行であり、かつ第1の回転軸からオフセットされ得る。ばね部材64は、鋼を含む金属で作製することができ、約600MPa超の工学降伏応力を有するステンレス鋼であってもよい。示される実施形態では、コイルばね69は、枢動ヘッド22の各端部上に動作可能に配設され、主要バー部分70の一部分は、カバー部材40とベース部材42との間に存在して、枢動ヘッドを休止位置に向かって付勢するために直接係合を提供する。示される実施形態では、第1の回転軸26と、長手方向コイル軸74と、主要バー部分軸86と、の間に画定されるある関係が存在することを理解することができる。具体的には、図9に描写されるように、第1の回転軸26は、長手方向コイル軸74A、74Bの両方に対して平行であり、長手方向コイル軸74A、74Bの両方からオフセットされ得、並びに主要バー部分軸86に対して平行であり、主要バー部分軸86からオフセットされ得る。一実施形態では、第1の回転軸26は、長手方向コイル軸74A、74Bの両方に対して平行であり、長手方向コイル軸74A、74Bの両方から約1mm~約5mmの距離分オフセットされ得る。一実施形態では、第1の回転軸26は、長手方向コイル軸74A、74Bの両方に対して平行であり、長手方向コイル軸74A、74Bの両方から約2mmの距離分オフセットされ得る。
【0046】
一実施形態では、ばね部材は、摂氏80度を超えるガラス転移温度を有する非晶質ポリマー、金属、ASTMD-395によって測定される際に圧縮永久ひずみが25%未満のエラストマ、及びこれらの組み合わせを含む材料で作製することができる。
【0047】
一実施形態では、ばね部材は、華氏73度で1000時間で実施されるISO89901を使用して測定したときに、初期引張ひずみから約3%未満の引張ひずみの増加を有する、クリープ抵抗性材料を含む。
【0048】
図22図24は、その面上に配設された少なくとも1つのチャネル87を有するベース部材42の一実施形態を示す。一実施形態では、ベース部材42は、ばね部材64の一部分を収容するためのチャネル87を含む。図22図24に示される実施形態は、流体ベネフィット送達部材76を含むが、チャネル87に関して、ベース部材42が、流体ベネフィット送達部材76に結合される必要はなく、その代わりに、以下により詳細に記載されるように、加熱面82に関する構成要素を収容することができる。ベース部材42は、成形プラスチックであり得、チャネル87は、成形チャネルであり得る。同様に、流体送達部材76は、成形可撓性プラスチックであり得、ベース部材42と一体的に成形することができる。チャネル87は、図21図24に示されるように、ばね部材64の主要バー部分70を受容するように形成されたサイズ及び形状を有することができる。図22は、チャネル87に挿入される前のばね部材64を示す。図23は、ベース部材42の外部部分に配設された、第1のコイルばね68A及び第2のコイルばね68Bを有するチャネル87内に配置されたばね部材64を示す。図18に示されるように、成形プラスチックで作製され、ベース部材42との嵌合面を有するように作製されたカバー部材40はまた、図24の矢印で示される方向で、ベース部材上に並進し、ベース部材に接続することによって接合され得る。
【0049】
カバー部材40がベース部材42と嵌合関係にあると、カバー部材及びベース部材は、接着剤、圧入、又は溶接などによって、接合することができる。一実施形態では、図25及び図26に示されるように、突き刺しピン89は、図25及び図26に示されるように、冷間プレス嵌めで開口部90内に駆動されて、ベース部材42及びカバー部材40を動作可能に安定した嵌合関係で維持させることができる。流体皮膚ベネフィットのための流体送達部材を含む一実施形態では、ベース部材42及びカバー部材40が確実に嵌合されると、区画84が、部品間に画定され、ここで区画84は、流体がハンドル12から流れることができ、流体が枢動ヘッド22の皮膚境界面80上の開口部90に流れることができる容積を有する。
【0050】
区画84内の流体収容は、カバー部材40とベース部材42との間の封止関係によって達成することができる。図27Aは、カバー部材40の嵌合面を示し、図27Bは、ベース部材42の第1の嵌合面88を示す。図27A図27Bに示される実施形態では、封止が、ベース部材42に動作可能に接続されたときに、ベース部材42の第2の嵌合面90と並置された接触関係で嵌合することができる、カバー部材40の第1の嵌合面88によって達成され得る。ガスケット部材92は、第1の嵌合面88から外向きに延在することができ、ベース部材42上の対応するガスケット溝94内に封止嵌合することができる。
【0051】
枢動ヘッド22の一実施形態は、図28図33に示される様式でハンドル12上に組み立てることができる。図28に示されるように、アーム24のピン30は、長手方向ピン軸67(図14に示すように)及び第1の回転軸26と位置合わせする、図28の矢印の方向に並進することによって、カバー部材40の軸受陥凹62に挿入することができる。図28に示されるように、ばね部材64は、カバー部材40とベース部材42との間で動作可能な関係で配設される。ピン30が図29に示されるように軸受陥凹62に挿入されると、ピン30及びアーム24は、軸受陥凹62内で自由に回転することができる。アーム24は、図30の矢印の方向に摺動しながら、任意の好適な様式で適所に保持され得、これは、主要本体16のスロット103内のアーム固定の描写の(A)の前及び(B)の後を示す。図31に示されるように、一度適所に配置されると、アーム24の開口部54は、主要本体16内の対応するアクセス開口部106を通じて露出され得る。図32に示されるように、スロット103上又はスロット103内の1つ以上の延長部107は、次の工程のために、アームを適所に保持するための締まり嵌めを提供することができる。
【0052】
ここで図33を参照すると、枢動ヘッド22をハンドル12に固定するために組み立てられる、あるハンドル12要素が示されている。主要フレーム18の一実施形態は、第1の位置(A)から二次フレーム20(B)に接合するために、図33の矢印の方向に並進して示されている。主要フレーム18は、主要フレーム18上の対応する接着ボスと嵌合することができる、二次フレーム20上の接着剤溝120に加えられた接着剤によって、二次フレーム20に接合され得る。主要フレーム18は、嵌合関係で、二次フレーム20の一部分上に配設することができ、そのため突出部56は、主要本体16のアクセス開口部106及びアーム24の開口部54を通って挿入される。突出部56は、アーム24のハンドル12への正極の金属対金属結合を提供することができる。一実施形態では、接着剤は、突出部56及び開口部54の接続部に加えて、アーム(したがって、枢動ヘッド12)の主要フレーム18(したがって、ハンドル12)への付加的な固定を提供することができる。
【0053】
ここで図34図36を参照すると、皮膚ベネフィットとして熱を送達するための熱送達部材96を有する枢動ヘッドの一実施形態が、記載される。熱を送達するための枢動ヘッド22は、1つ以上のアーム24、1つ以上のばね部材64、カバー部材40及びベース部材42などの流体を送達するための上記で記載されたものに共通の構成要素を有することができ、これらの共通の構成要素は、上述のように、又は同様の様式で構成することができる。しかしながら、熱ベネフィットを送達するための枢動ヘッド22はまた、熱送達構成要素からなる熱送達部材96を有してもよく、ハンドル12に動作可能に取り付けられた第1の近位部分98Aから、枢動ヘッド22内に動作可能に配設された第2の遠位部分98Bに電気を伝導し、加熱面82で皮膚に熱を送達するための可撓性導電ストリップ98を含む。
【0054】
図35は、熱皮膚ベネフィットを送達するかみそり用の枢動ヘッド22の一実施形態を示す。枢動ヘッドは、ベース部材42に接続されたカバー部材40と、カバー部材40とベース部材42との間に部分的に配設されたばね部材64と、を含むことができる。図35に示される枢動ヘッド22は、図36の組立図に示される構成要素を含むことができる。図36に示されるように、一実施形態では、上述のようなばね部材64は、カバー部材40とベース部材42との間に、実質的に上述のように、配設することができる。他の構成要素は、カバー部材40の外側に配設することができ、カバー部材40の狭い下面に対応するサイズを有する層状関係で取り付けることができる。
【0055】
図36に示されるように、熱送達部材96は、改善された剃毛体験をもたらすように剃毛中に皮膚の表面に、又は皮膚の表面に近接して熱を送達するためのフェースプレート102を含んでもよい。ある実施形態では、フェースプレート102は、フェースプレート102の耐久性及び耐引っかき性を改善するための窒化チタンなどの相対的に硬質のコーティング(つまりフェースプレート102の材料よりも硬質)を備えた外側皮膚接触加熱面82を有してもよい。同様に、フェースプレート102がアルミニウムから製造される場合、フェースプレート102は陽極酸化処理を経てもよい。皮膚接触面の硬質コーティングはまた、フェースプレート102の皮膚適用面82の色を変化又は向上させるために使用されてもよい。熱送達要素96は、ハンドル12の一部分と電気的に連通していてもよい。以下で更に詳細に記載するように、熱送達要素16は、枢動ヘッド22に装着され、電源(図示せず)と連通してもよい。
【0056】
図36を引き続き参照すると、図4の剃毛かみそり10に組み込まれ得る、熱送達要素96の可能な一実施形態が示されている。フェースプレート102は、可能な限り薄いが、機械的に安定であり得る。例えば、フェースプレート102は、約100マイクロメートル~約200マイクロメートルの壁厚を有してもよい。フェースプレート102は、鋼などの約10W/mK~30W/mKの熱伝導率を有する材料を含んでもよい。フェースプレート102が鋼の薄片から製造され得る結果、フェースプレート102は低い熱伝導率を有し、したがって、外周壁110を通じた熱損失を最小限とし、皮膚境界面80に向かう熱流を最大限とするのに役立つ。上記の理由から、より薄い鋼片が好ましいが、フェースプレート102は、約160W/mK~200W/mKの範囲の熱伝導率を有する、より厚いアルミニウム片から構成されてもよい。熱送達要素96は、マイクロコントローラ、及びハンドル12内に位置決めされた、例えば、再充電可能な電池などの電源(図示せず)、と電気的に接触する、例えば、可撓性導電ストリップ98の抵抗性熱要素部分などの加熱器(図示せず)を含んでもよい。
【0057】
熱送達要素96は、フェースプレート102と、可撓性導電ストリップ98加熱器と、熱分散層100と、圧縮性断熱層99と、カバー部材40の一部分と、を含んでもよい。フェースプレート102は、皮膚適用面82の反対側にある陥凹内面122を有してもよく、この陥凹内面122は、加熱器98と、熱分散層100と、圧縮性断熱層99と、を受容するように構成されている。外周壁110は、内面122を画定することができる。外周壁110は、内面122を横断し、かつ内面122から離れて、外周壁110から延在する1つ以上のタブ108を有してもよい。例えば、図36は、外周壁110からの4つの延長部を示す。
【0058】
熱分散層100は、フェースプレート102の内面122上に、かつその内面と直接接触して位置決めされてもよい。熱分散層100は、フェースプレート102の内面122に直接的に接触する下面124と、加熱器98に直接的に接触する(下面37とは反対側にある)上面126と、を有してもよい。熱分散層100は、熱伝導率が高い材料の層として定義され得、圧縮性であり得る。例えば、熱分散層100は、黒鉛箔を含んでもよい。熱分散層100の潜在的な利点には、横方向の熱流を改善し(加熱器98からの熱送達をフェースプレート102の内面122全体に分散することであり、この熱送達が皮膚適用面82へと伝達される)、結果的に熱分布をより均一にし、ホットスポット及びコールドスポットを最小限にすることが含まれる。熱分散層100は、十分な熱伝導又は熱伝達を促進するために、フェースプレート102に対して平行な平面において約200W/mK~約1700W/mK(好ましくは、400W/mK~700W/mK)、フェースプレート102に対して垂直な平面において約10W/mK~50W/mK、好ましくは15W/mK~25W/mKの異方性の熱伝導率を有し得る。加えて、熱分散層100の圧縮性により、熱分散層100はフェースプレート102の内面122の不均一な表面及び加熱器98の不均一な表面に適合することが可能となり、したがってより良好な接触及び熱伝達が提供される。熱分散層100の圧縮性はまた、浮遊粒子が加熱器98内へと押し入ることを最小限にし(熱分散層100が加熱器よりも軟質となり得るため)、したがって加熱器98に対する損傷が防止される。ある実施形態では、熱分散層100は、その元の厚みの約20%~約50%だけ圧縮される黒鉛箔を含んでもよい。例えば、熱分散層100は、約50マイクロメートル~約300マイクロメートル、より好ましくは80マイクロメートル~200マイクロメートルの圧縮厚みを有してもよい。
【0059】
加熱器98は、2つの圧縮性層の間に位置決めされてもよい。例えば、加熱器98は、熱分散層100と圧縮性断熱層99との間に位置決めされてもよい。2つの圧縮性層は、加熱器98に損傷を与えることなく加熱器98を適所にクランプすることを促進し、したがって熱送達要素96の固定及び組み立てを改善し得る。圧縮性断熱層99は、熱流をフェースプレート102に向かって、かつカバー部材40から離れて方向付けるのに役立ち得る。したがって、浪費される熱をより少なくし、剃毛中に皮膚に到達し得る熱をより多くすることが可能となる。圧縮性断熱層99は、例えば、0.30W/mK未満、好ましくは0.1W/mK未満の低い熱伝導率を有し得る。特定の実施形態では、圧縮性断熱層38は、連続気泡又は独立気泡型の圧縮性発泡体を含み得る。圧縮性断熱層99は、その元の厚みから20%~50%圧縮されてもよい。例えば、圧縮性断熱層99は、約400μm~約800μmの圧縮厚みを有してもよい。
【0060】
カバー部材40は、圧縮性断熱層99の上部に装着され、フェースプレート102に固定されてもよい。したがって、加熱器98、熱分散層100、及び圧縮性断熱層99は、フェースプレート102とカバー部材40との間で共に押圧されてもよく、下記でより詳細に記載されるように組み立てられ得る。熱分散層100、加熱器98、及び圧縮性断熱層99は、外周壁110内にぴったりと嵌まり得る。様々な層を共に押圧することにより、熱送達要素96内の異なる層の境界面を横切るより効率的な熱伝達がもたらされ得る。この圧縮力がない場合、境界面を横切る熱伝達は、不十分となり得る。更に、層を共に押圧することにより、様々な層の間における接着剤の使用など、二次組み立てプロセスを排除することもできる。圧縮性断熱層99は、外周壁110内にぴったりと嵌まり得る。
【0061】
したがって、一実施形態では、カバー部材40と接触関係にある第1の層は、発泡体部材などの圧縮性断熱層99であり得る。可撓性導電ストリップ98の形態の加熱器の一部分は、発泡体断熱層99と、黒鉛箔ストリップ熱分散層100との間に挟まれ得る。発泡体断熱層99の層、可撓性導電性ストリップ98、及び黒鉛箔ストリップは、フェースプレート102によってカバー部材40の狭い下面に層状接触関係で接続することができる。フェースプレート102は、加熱面82に対応する円滑な外面と、熱送達構成要素を枢動ヘッド22に接続するために使用することができるタブ108と、を有することができる。
【0062】
熱皮膚ベネフィットを送達するための枢動ヘッドを組み立てることは、図37図49を参照して記載され得る。図37の組立図を参照すると、黒鉛箔ストリップ熱分散層100は、フェースプレート102の陥凹内面122上などの、フェースプレート102のトラフ104上に配置することができる。次の工程では、図38の組立図に示されるように、可撓性導電ストリップ98の遠位部分98Bが、フェースプレート102のトラフ104に成形され、嵌合することができる。次に、図39の組立図に示されるように、圧縮性断熱層99部材は、フェースプレート102のトラフ104に配置することができる。トラフ104内に配置された他の部材と同様に、発泡体断熱層99は、トラフ104内に嵌合するようにサイズ決定及び成形することができる。次に、図40に示されるように、カバー部材40は、フェースプレート102内の他の層状構成要素の上部に配置することができる。
【0063】
カバー部材40が、トラフ104上で層状部材の上部に配置されると、図41A図41Dの組立図に示されるように、フェースプレート102は、タブ108を介してカバー部材40に固定され得る。示されるように、図41Aにおいて1及び2、図41Bにおいて3及び4と標識された一対のタブを含む、1つ以上のタブ108は、図41C及び図41Dの断面斜視組立図に示されるように、カバー部材40上の受容開口部111に折り畳まれてもよい。図42に関して記載されたように、ばね部材64は、上記のように、カバー部材40内に配置され、カバー部材40の、チャネル87を含む、対応する形状適合陥凹に着座させることができる。最後に、ベース部材42は、図43A図43Fの組立図に関して記載された順序でカバー部材に接続することができる。図43A図43Cに示されるように、ベース部材42上の1つ以上の第1のラッチ部材112は、カバー部材40の1つ以上の第1のラッチ受容部分114に配置かつ留められ、図43C図43Fに示されるように、ベース部材42は、カバー部材40上に回転かつ押圧することができ、そのため1つ以上の第2のラッチ部材116は、協働する第2のラッチ受容部分118にスナップ嵌めすることができる。
【0064】
ベース部材40がカバー部材42上の適所に確実にスナップ嵌めされると、枢動ヘッド22の示された実施形態は、ハンドル12に結合される準備が整う。図44及び図45に示されるように、アーム24は、上記のように、ピン30を軸受陥凹62に摺動させることによって、カバー部材40の軸受陥凹62に矢印の方向に挿入することができる。次いで、図46に示されるように、アーム24は、主要本体16のスロット103に矢印の方向に挿入することができる。図47の切り欠き斜視図に示されるように、スロット103が、アーム24の近位部分、並びにばね部材64の脚部延長部72の中に配設されて示される。アーム24がスロット103への適所にあり、図48に示される適所にあると、主要本体16の部分を、矢印の方向にコールドスタンプして、アーム24をハンドル12の主要本体16に固定することができる。図49の部分切り欠き斜視図に示されるように、アーム24の開口部54に対応する主要本体16の部分は、開口部54への押圧によって、永久的に塑性変形され得る。この動作は、コールドスタンプ又はコールドかしめとして既知であり、アーム24の固定結合を可能にし、したがって、ヘッド22を主要本体16(したがって、ハンドル12)に枢動させることを可能にする。
【0065】
上記で開示されたように、枢動ヘッド22は、ばね部材64の付勢力の下で、枢動軸、すなわち回転軸26を中心に枢動することができる。しかしながら、第1の回転軸26及び二次回転軸27の両方に、他の枢動機構を用いることも可能である。広くは、枢動ヘッド22は、例えば、ばね、接合部、ヒンジ、軸受、又は枢動ヘッドがハンドルに対して枢動可能に関係することを可能にする任意の他の好適な接続を介して、ハンドル12に対して枢動可能に関係し得る。枢動ヘッドは、ピン枢動部、シェル軸受、リンケージ、回転接合部、回転式ヒンジ、プリズム状スライダ、プリズム状接合部、円筒形接合部、球状接合部、ボールソケット型接合部、平面接合部、スロット接合部、縮小スロット接合部、又は任意の他の好適な接合部、又は1つ以上のばね、並びにボール軸受、円筒形ピン軸受、又は転がり要素スラスト軸受などの1つ以上の転がり要素軸受などの、1つ以上のばね、及び1つ以上の摺動接触軸受を含む機構を介して、ハンドル12に対して枢動可能に関係してもよい。摺動接触軸受は、典型的には、0.1~0.3の摩擦レベルを有することができる。転がり要素軸受は、典型的には、0.001~0.01の摩擦を有することができる。より低い摩擦軸受が好ましく、更に枢動機構が、その回転軸からオフセットされて、円滑な運動を確実にし、軸受がくっつくことを防止する。
【0066】
典型的には、第1の回転軸26を中心とした枢動機構は、カートリッジ休止位置からの約0度~約50度の範囲の回転運動を可能にする。第1の回転軸26を中心とした枢動機構の回転剛性は、枢動軸を第1の回転軸26を中心に25度偏向させ、この位置を維持するために、この第1の回転軸26を中心とした必要なトルクを測定することによって測定されてもよい。50度の回転におけるトルクレベルは、概して、20N-mm未満であり得る。第1の回転軸26と関連付けられた回転剛性(回転軸を中心に測定されたトルクを角回転度で割る)は、概して、回転度当たり0.3N-mm未満、好ましくは、回転度当たり0.05N-mm~回転度当たり0.18N-mとすることができる。
【0067】
典型的には、二次回転軸27を中心とする付加的な枢動機構(図1及び図4に示される)は、-12.5度~+12.5度の範囲の回転運動を可能にする。二次回転軸を中心とした枢動機構の回転剛性は、枢動軸を、二次回転軸27を中心に-5度~+5度偏向させ、この位置を維持するために、二次回転軸を中心とする必要なトルクを測定することによって測定されてもよい。回転剛性は、これらの測定トルクにおける差の絶対値を、角度運動における10度の差で割ることによって計算され得る。二次回転軸27を中心とした枢動機構と関連付けられた回転剛性は、概して、回転度当たり約0.8N-mm~約2.5N-mmの範囲である。
【0068】
上記で開示されたように、実施形態の第1の回転軸26を中心とした回転を可能にする枢動ヘッド22及び枢動機構の構成要素を、詳細に示す。ハンドル12を、一対のアーム24と、ばね部材26と、ベネフィット枢動送達接続部と、によって枢動ヘッド22に接続する。上記で開示される実施形態では、ばね部材は、金属からなり得る。しかし、ばね部材64はまた、金属、ポリエーテルエーテルケトン、又はシリコーンゴムなどの応力緩和抵抗材料からなってもよく、その全てが、かみそり10又はかみそりのハンドル12が、枢動ヘッド22をハンドルの近位端に接続する構成要素の応力緩和により、不適切に保管されるとき、かみそり10又はかみそりのハンドル12が「セット」されること、又は偏向角度で永久的に変形するのを防ぐことができる。
【0069】
ベネフィット枢動送達接続部は、皮膚送達ベネフィット構成要素がハンドル12から枢動ヘッド22に通過して、カートリッジ15を通して皮膚境界面80に皮膚ベネフィットを送達するための接続部であり得る。後述するように、流体ベネフィット送達部材76及び熱送達部材96は、第1の回転軸26及び二次回転軸27を中心とした枢動ヘッドの適切な枢動を促進するように構成することができる。
【0070】
図50を参照すると、かみそり10が示され、ここで熱送達部材96の可撓性導電ストリップ98が、ハンドル12と刃カートリッジ15に取り付けられた枢動ヘッドとの間の間隙をブリッジする。図50に示され、図51により詳細に示されるように、可撓性導電ストリップ98は、ハンドル12と枢動ヘッド22との間を横断する距離よりも長く、その結果、可撓性導電ストリップ98のループ150が得られる。略U字形又はS字形であり得るこのループ150は、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心に枢動させるのに必要な付勢トルク力に対する可撓性導電ストリップ98の影響を最小限に抑えることができる。広くは、ベネフィット送達部材のこのループ150は、ベネフィット部材とばね部材64との合計によって提供される付勢トルクと、ばね部材のみによって提供される付勢トルクとの比に寄与し、トルク比は、以下でより詳細に考察される。
【0071】
同様に、図52に描写されるように、可撓性プラスチック管などの流体送達ベネフィット部材はまた、ループ150部分を有することができ、そのため可撓性管の余長は、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心として枢動させるのに必要な付勢トルク力に対する流体ベネフィット送達部材76の影響を最小限に抑えることを可能にする。一実施形態では、図53に示されるように、流体ベネフィット送達部材76の設置された長さは、流体ベネフィット送達部材76の自由長よりも1mm~3mm小さくてもよい。この強制圧縮は、ループ150部分に寄与し、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心に枢動させるのに必要な付勢トルク力に対する流体ベネフィット送達部材76の影響を更に最小限に抑える助けとなることが見出されている。
【0072】
枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心に枢動させるのに必要な付勢トルク力に対する流体ベネフィット送達部材76の影響を更に最小限に抑えることが見出される付加的な特徴部は、図53図61を参照して理解され得る。図53では、流体送達部材が、ハンドル12を出て枢動ヘッドまでの距離を横断し始める場所におけるハンドル12の一部分、約1mm~約5mmのフィレット曲率半径152が提供される。曲率半径は、使用中の枢動ヘッド22の枢動に起因して、屈曲点において流体送達部材の表面に加わる応力を低減することが理解され得る。
【0073】
同様の様式で、図54に示されるように、流体送達部材がハンドル12を出て、枢動ヘッドまでの距離を横断し始める場所におけるハンドル12の一部分において、示されるように面取り部154が提供される。面取り部は、ハンドルの近位端において約5度~約30度の面取り角度を有することができ、約3mm~約15mmの面取り長さを有することができる。曲率半径152と同様に、面取り部154は、使用中の枢動ヘッド22の枢動に起因して、屈曲点において流体送達部材の表面に加えられる応力を低減すると考えられる。
【0074】
面取り部の寸法は、図54A図54Cの図に示されるように画定することができる。図200では、面取りされる縁部205及び前面206を有するブロック201が示されている。図210では、縁部205が面取りされて面取り部202を生成した後のブロック201が示されている。図220では、面取り長さ204及び面取り角度203を有する面取り部202が示されている。広くは、枢動ベネフィット送達部材と関連付けられたトルクは、約5度~30度の面取り角度、及び3mm~15mmの面取り長さを有する面取り部である、枢動ベネフィット送達部材の周囲構造における切り取りによって低減され得る。
【0075】
更に、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心に枢動させるのに必要な付勢トルク力に対する流体ベネフィット送達部材76の影響を最小限に抑えるために見出された付加的な特徴部は、流体ベネフィット送達部材76の出口の場所におけるハンドル12上のスロット156として、図55から理解され得る。一実施形態では、スロットは、約3mm~約10mmの回転軸26に対して略平行に測定された幅と、約2mm~約15mmの幅に対して垂直に測定された長さと、を有することができる。
【0076】
流体送達部材及びハンドルの上述の構成のいずれも、図56図60に描写されるように、流体送達部材自体の様々な構成のいずれかと組み合わせることができる。例えば、図56に描写されるように、可撓性成形プラスチック管であり得る流体ベネフィット送達部材76は、遠位部分160が近位部分162よりも薄い壁直径を有するように構成され得る。図56に示されるように、ハンドル12(図示せず)内の他の構成要素と流体連通して接続され得る近位部分162は、製造及び使用中に耐久性及びより大きい物理的一体性を提供する直径及び/又は壁厚を有することができる。しかしながら、枢動ヘッドのカバー部材42に接続する遠位部分160は、相対的により小さい直径又は相対的により薄い壁厚を含むことができ、それによって、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心に枢動させるのに必要な付勢トルク力に対して、より大きい可撓性及びより小さい影響を提供し得る。
【0077】
図57では、流体ベネフィット送達部材76の代替的な実施形態が示され、ここで流体ベネフィット送達部材76の管壁は、リブ状又は波形状である。このような設計は、壁の多くが相対的により薄くなることを可能にすることによって、ベース部材42に接合されたときに、枢動ヘッド22を第1の回転軸26を中心に枢動させるのに必要な付勢トルク力に対して、より高い可撓性及びより小さい影響を提供する場合があると考えられる。
【0078】
強度を強化し、可撓性を提供するためにコイルばねを利用する流体ベネフィット送達部材76の代替的な実施形態を、図58図60に描写する。図58に描写されるように、プラスチック又は金属で作製され得るコイルばね164は、流体ベネフィット送達部材76の外側の周りに構成することができる。図59の断面図に描写されるように、プラスチック又は金属で作製され得るコイルばね164は、流体ベネフィット送達部材76の内側の周りに構成することができる。図60に描写されるように、プラスチック又は金属で作製され得るコイルばね164は、流体ベネフィット送達部材76の壁に成形されるように構成することができる。
【0079】
図61は、流体送達部材76をベース部材42に接合する特徴部の一実施形態を描写する。示されるように、ボール及びソケット接合部構成要素166は、ベース部材42上に存在し得る。管状流体送達部材の遠位端部は、ボール及びソケット接合部構成要素166の受容端部への押圧又は接着によって接合され得る。
【0080】
流体ベネフィット送達部材76の枢動ヘッド22への接合は、図62に示されるように、2つの構成要素の実施形態であり得る。2つの構成要素の実施形態では、流体ベネフィット送達部材76は、スナップ嵌め、摩擦嵌合、接着剤接合などの任意の好適な様式で、枢動ヘッド22の嵌合部分に取り付けることができる、一体型枢動ヘッド接続部材170で成形することができる。この実施形態では、ばね部材64(図示せず)を、枢動ヘッド22の外部に加えて、枢動ヘッドに付勢力を提供することができる。
【0081】
一実施形態では、枢動ヘッド22の流体ベネフィット送達部材76及びベース部材42は、二段階射出成形型にオーバーモールドされて、枢動ヘッド22を形成することができる3つの構成要素アセンブリを形成することができる。このようにして、ベース部材は、相対的に硬質の材料であり得、流体ベネフィット送達部材76は、相対的に軟質の材料であり得る。流体送達部材用に成形されたポリマー射出成形の一部分は、上述のように、ベース部材42のガスケット部材92を形成する。図63を参照すると、ベース部材42及び流体ベネフィット送達部材76は、それらが別個に射出成形されたかのように見えるように示される。しかしながら、一実施形態では、流体ベネフィット送達部材76及びベース部材42は、二段階射出成形プロセスでオーバーモールドされて、流体ベネフィット送達部材76の材料がベース部材42を通って延在し、ガスケット部材92として第1の嵌合面88において露出する、図64に示される一体型部材を製造することができる。図65は、カバー部材42の第1の嵌合面88の別の斜視図を示し、流体ベネフィット送達部材76と一体であるガスケット部材92が、そこから露出し、かつ延在している。記載されるようなベース部材42による流体送達部材の二段階射出成形は、流体ベネフィット送達部材76からベース部材42を取り除くために必要な力を増加させることによって、流体ベネフィット送達部材76/ベース部材42ユニットの構造的一体性を増加させると考えられる。上述のように、ベース部材は、第3の構成要素、すなわちカバー部材40に接合することができ、そのためそれぞれの第1の嵌合面88及び第2の嵌合面90が接合され、ガスケット部材92は、カバー部材40のガスケット溝94内にとどまり、ガスケットを形成する。
【0082】
一実施形態では、枢動ヘッド22の流体流路は、流体ベネフィット送達部材76から、皮膚境界面であり得る、枢動ヘッド22の面80内の開口部78へと、相対的に遮られない、円滑で連続的な流体流を提供するように構成することができる。流体ベネフィット送達部材76管の断面積に近似する領域を有する場所に入る、流体ベネフィット送達部材76と接合された枢動ヘッド22の部分断面図を描写する、図66A及び図66Bに示されるように、流体流を誘導及び分配する、流動分配器171が、存在し得る。流動分配器を有することが、流体ベネフィット送達部材76の管の入口点に相対的に近い分布を開始すると考えられる。区画84へ入る直後で流体の偏向及び分配を開始することにより、流体流が向上し、開口部78を含む、開口部の閉塞又は詰まりが最小化又は排除されることが、予想外に見出されている。一実施形態では、流体流動分配器171は、流体ベネフィット送達部材76の枢動ヘッド22への接続部の接合部から約0.5mm~約2mmに位置する。一実施形態では、枢動ヘッド22内の流体リザーバは、流体ベネフィット送達部材76の枢動ヘッド22への接続部により近い小さな断面を有することができる。
【0083】
広くは、流体ベネフィット送達部材76と関連付けられた内部流体導管は、約1mm~約3mmの内部水圧直径を有することができる。広くは、流体ベネフィット送達部材は、流体ベネフィット送達部材の外部に沿って、約1.5mm~約3.5mmの最小水力直径を有し得る。
【0084】
広くは、流体ベネフィット送達部材76に使用される材料は、ASTMD-395によって測定される、約25%未満、好ましくは約10%未満の圧縮永久ひずみを有するエラストマであり得る。一実施形態では、シリコーンエラストマは、流体ベネフィット送達部材76に好適であることが見出されている。
【0085】
広くは、流体送達部材に有用な他の材料としては、相対的に高いクリープ抵抗性、例えば、73Fにおいて1000時間で実施される、ISO899-1を使用して測定したときに、初期の引張ひずみから約3%未満、好ましくは約1%未満の引張ひずみの増加を有する熱可塑材又は熱硬化材が挙げられる。
【0086】
第1の枢動トルク及び第2の枢動トルクと称される上述のトルクは、回転剛性に関するものと称され得る。広くは、熱送達部材96及び流体ベネフィット送達部材76の可撓性導電ストリップ98などのベネフィット送達部材は、応力緩和の材料からなり得るので、枢動ヘッド22の回転剛性が2倍超、より好ましくは5倍超である場合、ベネフィット送達部材を用いた枢動ヘッド22の回転剛性が取り除かれることが有利であり得る。ベネフィット送達部材を有しない枢動ヘッド22の回転剛性は、枢動ヘッド22とハンドル12との間に付勢力を及ぼさないように、ベネフィット送達部材を分離、例えば、切断することによって測定され得る。概して、枢動機構の回転剛性は、ベネフィット枢動送達接続部が、ハンドルの近位端及び枢動ヘッド22で切断された、枢動機構の回転剛性の2倍を超えることが望ましい。この後者の構成は、かみそり10又はかみそりのハンドル12が「セット」され得る確率及び状態を大幅に低減する。(ベネフィット枢動送達接続部を有する又は有しない)枢動機構の回転剛性は、以下に記載の静的トルク剛性方法によって測定することができる。
【0087】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられるあらゆる最小数値の限定は、それよりも大きいあらゆる数値限定を、こうしたより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものである。本明細書の全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、こうしたより広い数値範囲内に含まれるあらゆるより狭い数値範囲を、こうしたより狭い数値範囲があたかも本明細書にいずれも明確に記載されているかのように含むものである。
【0088】
試験方法:
静的トルク剛性方法:
いかなる理論にも束縛されるものではないが、本明細書に記載される軸受又は枢動機構のトルク剛性は、かみそり、かみそりカートリッジ、又はかみそりのハンドル内の軸受又は枢動機構を特徴付けるために加えられ得ると考えられる。試験される特定の物品は、この方法の残りの試験構成要素と称される。また、以下の方法の説明において、用語「枢動機構」は、軸受及び枢動機構の両方を包含すると理解される。
【0089】
静的トルク剛性方法は、トルク剛性を測定するために使用することができる。この方法では、枢動機構の回転軸(例えば、回転軸26など)を中心に、試験部品の異なる区分が、互いに対して回転され、区分間のトルク対回転角度が測定される。広くは、図67を参照すると、枢動機構400は、枢動機構の一方の側に位置する試験構成要素の第1の区分401を、回転軸AAを中心に枢動機構の反対側に位置する試験構成要素の第2の区分402に対して回転することが理解され得る。これらの第1の区分及び第2の区分は、枢動機構の部品を含んでもよい。
【0090】
図68及び図69では、異なる機構のトルク剛性のいくつかの代表的な測定値を示す。これらの図から、トルク剛性は、トルク及び回転角度の測定値の間の比例性の測定であると理解され得る。より具体的には、トルク剛性Kは、別様に指定のない限り、枢動機構400の角度運動の全範囲405の中間50% 404にわたるトルク対回転角度の測定値408に対する最小二乗最良適合線407に対する比例定数である。個々のトルク測定値は、回転することができる第1の区分401と、固定されて一定に保持された第2の区分402との間の相対角度を保持しながら、トルク及び角度の測定値であると理解することができる。
【0091】
静的トルク剛性方法は、(1)枢動機構の運動の全角度範囲にわたって回転の瞬間中心を特定することと、(2)回転軸を中心とするトルクセンサを有する適切な試験固定具に試験構成要素をクランプすることと、(3)トルク及び回転の個々の測定を行うことと、(4)トルク剛性を計算することと、からなる。静的トルク剛性方法のための試験環境条件は、摂氏23度の室温、及び35%~50%の相対湿度で測定を行うこと、及び乾燥し、「出来上がった」状態の試験構成要素を使用することからなる。
【0092】
工程1:機構の枢動の運動の全角度範囲にわたって、回転の瞬間中心を特定する。
回転の瞬間中心は、個々の回転角度における枢動機構の回転軸の場所である。個々のトルク対角度測定のための回転軸の特定は、多くの枢動機構が、回転軸がオフセットされているか、又は更には枢動機構の外側にある場所に仮想枢軸を有するため、多くの枢動機構が、回転軸の場所を示すピン又はシャフトなどの明らかな特徴部を有しないため、及びいくつかのより複雑な枢動機構が、運動中に場所を変化させる回転軸を有するため、重要であり得る。
【0093】
図70に示されるように、平面回転を受ける枢動機構の回転Cの瞬間中心は、回転する第1の区分401上の2つの点、P1及びP2、の経路、PATH1及びPATH2、を追跡することによって判定することができる。例示として、図70は、3つの位置401a、401b、及び401cにおける区分401を示し、位置401bにおいて、回転Cの瞬間中心を計算する。この回転角度において、2本の線、T1及びT2は、それぞれ、PATH1及びPATH2に正接して引かれ得る。2本の追加の線、R1及びR2は、それぞれ、T1及びT2に対して垂直に引かれ得る。瞬間中心は、R1とR2との交点に位置することができる。広くは、全ての枢動中心が、0.25mmの面積を有する領域Rにある場合、枢動機構の全角度運動範囲に対して固定されると考えることができる。
【0094】
工程2:回転軸を中心としたトルクセンサを有する適切な試験固定具内の試験構成要素をクランプする。
図71に示されるように、適切な試験測定システム420は、トルク剛性を計算するために必要な、トルク対角度測定を行うように構成することができる。Instron社製MT1 MicroTorsion試験機などのトルク試験機の代表的な構成要素は、試験機ベース421、試験機トルクセル422、及びトルク試験器回転部材423として示される。Instron社製MT1 MicroTorsion試験機は、トルク精度+/-0.5%、トルク再現性+/-0.5%、及び0.003度の角度分解能を有する、225N-mmのフルスケールトルクセルを有する。試験機の回転部材423が、回転軸TTを中心に回転しながら、試験機ベース421は、固定され、かつトルクセル422に取り付けられる。固定された第2の区分402は、第1のクランプ機構424を使用して、試験機のトルクセル側422に締結される。回転する第1の区分401は、第2のクランプ機構425を使用して、試験機の回転部材423に締結される。両方のクランプ機構は、枢動機構に横荷重がほとんど又は全くない状態で、枢動軸が可動域にわたって自由に回転することを可能にするように設計される。それらはまた、枢動機構の回転軸AAに対して共線的に、試験機の回転軸TTを作製するように設計されている。回転の瞬間中心が変化する枢動機構の場合、これらの軸が共線形であることを確実にするために、複数のクランプが使用されるべきである。
【0095】
静的トルク剛性方法により測定される回転角度は、当該第1の区分の休止位置に対して回転する試験構成要素の移動する第1の区分401の偏向角度である。換言すれば、測定されている角度は、第1の区分の休止位置からの第1の区分の相対角度として画定される。第1の区分のゼロ角度位置は、(1)試験構成要素が、空間内に固定されているとき、(2)第1の区分が、固定された試験構成要素に対して、その回転軸を中心に自由に回転するとき、(3)第1の区分の回転軸が、測定される角度の範囲について、トルク試験機の回転軸に対して同軸に配向されるとき、及び(4)これら以外の外力又はトルクが、第2の区分から伝達されず、重力が第1の区分に作用するとき、ハンドルに対する第1の区分の休止位置であると画定される。測定の前に、第1の区分の、ゼロ角度位置の一方の側への回転は全て、正として設計され、第1の区分のゼロ角度位置の他の側への回転は、負として設計される。トルク測定値の記号の規定は、第1の区分の正の回転において正であり、第1の区分の負の回転において負である。
【0096】
工程3:トルク対角度の個々の測定値を作製する。
以下は、安全かみそりのトルク角度データの測定の順序である。
【0097】
最初に枢動機構の全角度範囲を判定することによって、トルク測定を実行する角度を判定し、次いで、この範囲を、測定のために30のほぼ等しい離間した間隔に分割することにより、合計31の角度をもたらし、測定のために中間の17の角度を選択する。これらの17の角度におけるトルク及び角度の測定は、枢動機構の全角度範囲の中間50%にわたる、トルク剛性の正確な計算を提供することができる。
【0098】
角度の各々について、試験構成要素を適切なクランプ(424及び425)に締結して、測定される角度の回転の瞬間中心が、試験機の回転軸TTと一致することを確実にする。
【0099】
クランプをゼロ角度位置でトルク試験機に取り付ける。第1の区分をゼロ角度位置からこの第1の正の角度位置まで移動することによって測定される、第1の正の値の角度位置で、第1の測定を行う。
【0100】
この角度位置で20秒~1分待機する。トルク値を記録する。第1の区分をゼロ角度位置に戻し、1分待つ。測定が行われる次の角度位置に移動する。全ての測定が行われるまで、前述の工程を繰り返す。
【0101】
工程4.測定されたデータをトルク剛性から計算する。
トルク剛性値を判定するため、17のトルク測定値(y軸)対対応する17の角度測定値(x軸)をプロットする。少なくとも二乗線形回帰を使用して、データを通じて最適直線を生成する。トルク剛性値は、線Y=KX+Bの傾きであり、ここでY=トルク(Nmm)であり、X=角度(度)であり、K=トルク剛性値(Nmm/度)であり、B=最良適合直線からゼロ角度におけるトルク(Nmm)である。
【0102】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0103】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0104】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。
【0105】
上述した本開示の代表的な実施形態を、以下のように説明することができる。
A.ハンドルであって、
・主要本体と、
・枢動軸を中心に主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドであって、枢動ヘッドが、実質的に台形柱形状を有し、ベース部材と、ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を備える、枢動ヘッドと、を備え、
・カバー部材が、少なくとも1つの外部開口部を画定する面を備え、枢動ヘッドが、主要本体及び外部開口部と流体連通する内部区画を備える、ハンドル。
B.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設されている、パラグラフAに記載のハンドル。
C. 枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分と、を備え、枢動ばねが、枢動ヘッドと結合され、主要本体と相互作用して、枢動ヘッドを、枢動軸を中心に、休止位置に付勢する、パラグラフA又はBに記載のハンドル。
D.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、更に、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約1mm~約5mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフA~Cのいずれかに記載のハンドル。
E.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、更に、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約2mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフA~Dのいずれかに記載のハンドル。
F.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に最大約25N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフA~Eのいずれかに記載のハンドル。
G.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約2N-mm~約12N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフA~Fのいずれかに記載のハンドル。
H.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約3N-mm~約10N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフA~Gのいずれかに記載のハンドル。
I.枢動ばねが、鋼及びステンレス鋼からなる群から選択される金属で作製される、パラグラフA~Hのいずれかに記載のハンドル。
J.枢動ばねが、約800MPa~約2300MPaの降伏応力を有するステンレス鋼を含む、パラグラフA~Iのいずれかに記載のハンドル。
K.
・第1の近位部分及び第1の遠位端部を有する第1のアームであって、第1の近位部分が、第1の場所において主要本体に結合されている、第1のアームと、
・第2の近位部分及び第2の遠位端部を有する第2のアームであって、第2の近位部分が、第2の場所において主要本体に結合されている、第2のアームと、を更に備え、
・第1の遠位端部及び第2の遠位端部が、離間した関係であり、その間で枢動可能に結合されている枢動ヘッドを有する、パラグラフA~Jのいずれかに記載のハンドル。
L.第1のアームが、第1の遠位端部に溶接された第1の円筒形ピン部材を備え、第2のアームが、第2の遠位端部に溶接された第2の円筒形ピン部材を備え、第1のピンが、枢動ヘッド内の第1の受容軸受部と動作可能に係合し、第2のピンが、枢動ヘッド内の第2の受容軸受部と動作可能に係合する、パラグラフKに記載のハンドル。
M.ベース部材が、ベネフィット送達部材に結合され、ベネフィット送達部材が、主要本体内に配設された近位端部と、枢動ヘッド内に配設された遠位端部と、を有する、パラグラフA~Lのいずれかに記載のハンドル。
N.ベース部材が、ベネフィット送達部材に結合され、ベネフィット送達部材が、主要本体内に配設された近位端部と、枢動ヘッド内に配設された遠位端部と、を有し、ベネフィット送達部材が流体分配管である、パラグラフA~Mのいずれかに記載のハンドル。
O.ハンドルであって、
・主要本体と、
・枢動軸を中心に主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドであって、枢動ヘッドが、実質的に台形柱形状を有し、ベース部材と、ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を備え、ベース部材及びカバー部材が、主要本体から延在する流体流動部材に結合された内部区画を画定する、枢動ヘッドと、を備える、ハンドル。
P.内部区画が、枢動ヘッドの台形柱形状によって制約されて、最大容積を画定し、ここで、流体流動部材が、枢動ヘッドの面上の流体出口開口部において最小容積に結合されている、パラグラフOに記載のハンドル。
Q.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設されている、パラグラフO又はPに記載のハンドル。
R.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分と、を備え、枢動ばねが、枢動ヘッドと結合され、主要本体と相互作用して、枢動ヘッドを、枢動軸を中心に、休止位置に付勢する、パラグラフO~Qのいずれかに記載のハンドル。
S.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約1mm~約5mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフO~Rのいずれかに記載のハンドル。
T.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分と、を備え、更に、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約2mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフO~Sのいずれかに記載のハンドル。
U.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に最大約25N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフO~Tのいずれかに記載のハンドル。
V.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約2N-mm~約12N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフO~Uのいずれかに記載のハンドル。
W.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約3N-mm~約10N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフO~Vのいずれかに記載のハンドル。
X.枢動ばねが、鋼及びステンレス鋼からなる群から選択される金属で作製される、パラグラフO~Wのいずれかに記載のハンドル。
Y.枢動ばねが、約800MPa~約2300MPaの降伏応力を有するステンレス鋼を含む、パラグラフO~Xのいずれかに記載のハンドル。
Z.
・第1の近位部分及び第1の遠位端部を有する第1のアームであって、第1の近位部分が、第1の場所において主要本体に結合されている、第1のアームと、
・第2の近位部分及び第2の遠位端部を有する第2のアームであって、第2の近位部分が、第2の場所において主要本体に結合されている、第2のアームと、を更に備え、
・第1の遠位端部及び第2の遠位端部が、離間した関係であり、その間で枢動可能に結合されている枢動ヘッドを有する、パラグラフOに記載のハンドル。
AA.第1のアームが、第1の遠位端部に溶接された第1の円筒形ピン部材を備え、第2のアームが、第2の遠位端部に溶接された第2の円筒形ピン部材を備え、第1のピンが、枢動ヘッド内の第1の受容軸受部と動作可能に係合し、第2のピンが、枢動ヘッド内の第2の受容軸受部と動作可能に係合する、パラグラフZに記載のハンドル。
BB.ハンドルであって、
・主要本体と、
・枢動軸を中心に主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドであって、枢動ヘッドが、実質的に台形柱形状を有し、ベース部材と、ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を備える、枢動ヘッドと、を備え、
・カバー部材が、少なくとも1つの外部開口部を画定する面を備え、枢動ヘッドが、電気構成部品を備える内部区画を備える、ハンドル。
CC.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設されている、パラグラフBBに記載のハンドル。
DD. 枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分と、を備え、枢動ばねが、枢動ヘッドと結合され、枢動ヘッドと相互作用して、枢動ヘッドを、枢動軸を中心に、休止位置に付勢する、パラグラフBB又はCCに記載のハンドル。
EE.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約1mm~約5mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフBB~DDのいずれかに記載のハンドル。
FF.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばね(46)が、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばね(48A)と、第2のコイルばね(48B)と、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分(50)と、を備え、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約2mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフBB~EEのいずれかに記載のハンドル。
GG.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に最大約25N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフBB~FFのいずれかに記載のハンドル。
HH.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約2N-mm~約12N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフBB~GGのいずれかに記載のハンドル。
II.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約3N-mm~約10N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフBB~HHのいずれかに記載のハンドル。
JJ.枢動ばねが、鋼及びステンレス鋼からなる群から選択される金属で作製される、パラグラフBB~IIのいずれかに記載のハンドル。
KK.枢動ばねが、約800MPa~約2300MPaの降伏応力を有するステンレス鋼を含む、パラグラフBB~JJのいずれかに記載のハンドル。
LL.
・第1の近位部分及び第1の遠位端部を有する第1のアームであって、第1の近位部分が、第1の場所において主要本体に結合されている、第1のアームと、
・第2の近位部分及び第2の遠位端部を有する第2のアームであって、第2の近位部分が、第2の場所において主要本体に結合されている、第2のアームと、を更に備え、
・第1の遠位端部及び第2の遠位端部が、離間した関係であり、その間で枢動可能に結合されている枢動ヘッドを有する、パラグラフBBに記載のハンドル。
MM.第1のアームが、第1の遠位端部に溶接された第1の円筒形ピン部材を備え、第2のアームが、第2の遠位端部に溶接された第2の円筒形ピン部材を備え、第1のピンが、枢動ヘッド内の第1の受容軸受部と動作可能に係合し、第2のピンが、枢動ヘッド内の第2の受容軸受部と動作可能に係合する、パラグラフLLに記載のハンドル。
NN.ベース部材が、ベネフィット送達部材に結合され、ベネフィット送達部材が、主要本体内に配設された近位端部と、枢動ヘッド内に配設された遠位端部と、を有する、パラグラフBB~MMのいずれかに記載のハンドル。
OO.ベース部材が、ベネフィット送達部材に結合され、ベネフィット送達部材が、主要本体内に配設された近位端部と、枢動ヘッド内に配設された遠位端部と、を有し、ベネフィット送達部材が電気回路である、パラグラフBB~NNのいずれかに記載のハンドル。
PP.ハンドルであって、
・主要本体と、
・枢動軸を中心に主要本体と枢動可能に結合された枢動ヘッドであって、枢動ヘッドが、実質的に台形柱形状を有し、ベース部材と、ベース部材を嵌合関係で覆うカバー部材と、を備え、ベース部材及びカバー部材が、主要本体から延在する電気構成要素に結合された内部区画を画定する、枢動ヘッドと、を備える、ハンドル。
QQ.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設されている、パラグラフPPに記載のハンドル。
RR.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを共に結合する主要バー部分(50)と、を備え、枢動ばねが、枢動ヘッドと結合され、枢動ヘッドと相互作用して、枢動ヘッドを、枢動軸を中心に、休止位置に付勢する、パラグラフPP又はQQに記載のハンドル。
SS.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分(50)と、を備え、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約1mm~約5mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフPP~RRのいずれかに記載のハンドル。
TT.枢動ヘッドが、少なくとも1つの内部チャネルを更に備え、枢動ばねが、内部チャネル内に少なくとも部分的に配設され、枢動ばねが、第1のコイルばねと、第2のコイルばねと、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを離間した関係で共に結合する主要バー部分と、を備え、第1のコイルばね及び第2のコイルばねのうちの1つが、枢動軸に対して実質的に平行であり、かつ枢動軸から約2mmの距離分オフセットされている長手方向コイル軸を画定する、パラグラフPP~SSのいずれかに記載のハンドル。
UU.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に最大約25N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフPP~TTのいずれかに記載のハンドル。
VV.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約2N-mm~約12N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフPP~UUのいずれかに記載のハンドル。
WW.枢動ヘッドが、枢動軸を中心に、休止位置から約0度~約45度の角度の回転角度を通して回転可能であり、回転されるとき、枢動ばねが、第1の枢動軸を中心に約3N-mm~約10N-mmの付勢トルクを加える、パラグラフPP~VVのいずれかに記載のハンドル。
XX.枢動ばねが、鋼及びステンレス鋼からなる群から選択される金属で作製される、パラグラフPP~WWのいずれかに記載のハンドル。
YY.枢動ばねが、約800MPa~約2300MPaの降伏応力を有するステンレス鋼を含む、パラグラフPP~XXのいずれかに記載のハンドル。
ZZ.
・第1の近位部分及び第1の遠位端部を有する第1のアームであって、第1の近位部分が、第1の場所において主要本体に結合されている、第1のアームと、
・第2の近位部分及び第2の遠位端部を有する第2のアームであって、第2の近位部分が、第2の場所において主要本体に結合されている、第2のアームと、を更に備え、
・第1の遠位端部及び第2の遠位端部が、離間した関係であり、その間で枢動可能に結合されている枢動ヘッドを有する、パラグラフPPに記載のハンドル。
AAA.第1のアームが、第1の遠位端部に溶接された第1の円筒形ピン部材を備え、第2のアームが、第2の遠位端部に溶接された第2の円筒形ピン部材を備え、第1のピンが、枢動ヘッド内の第1の受容軸受部と動作可能に係合し、第2のピンが、枢動ヘッド内の第2の受容軸受部と動作可能に係合する、パラグラフZZに記載のハンドル。
図1
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図16B
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図17A
図17B
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図19B
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図37A
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図38A
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図40B
図41A
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