(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】触媒転化式センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/416 20060101AFI20220617BHJP
G01N 27/12 20060101ALI20220617BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20220617BHJP
G01N 27/404 20060101ALI20220617BHJP
G01N 27/16 20060101ALI20220617BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
G01N27/416 311G
G01N27/416 371G
G01N27/12 B
G01N1/22 R
G01N27/404 341J
G01N27/16 B
G01N27/16 Z
B01J35/02 G
(21)【出願番号】P 2021003288
(22)【出願日】2021-01-13
(62)【分割の表示】P 2016221960の分割
【原出願日】2016-11-14
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】前川 亨
(72)【発明者】
【氏名】皆越 知世
(72)【発明者】
【氏名】石橋 研二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 洋
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-518647(JP,A)
【文献】特開2009-092431(JP,A)
【文献】特開2013-130540(JP,A)
【文献】特開平08-292138(JP,A)
【文献】特開2002-022725(JP,A)
【文献】特開2003-075342(JP,A)
【文献】特開2014-199231(JP,A)
【文献】特開2005-214933(JP,A)
【文献】特開昭58-103660(JP,A)
【文献】特開2005-345139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱分解によって生成した転化ガスを検出することで検知対象ガスを検知するべく、
ケーシング内に、
前記検知対象ガスを流下させるガス流路と、
前記ガス流路と接続し、前記検知対象ガスを自然拡散させる拡散手段によって前記ガス流路と空間的に区別できるように仕切られた転化部と、を備え、
前記転化部は、加熱した触媒と接触させることにより前記検知対象ガスを熱分解して転化ガスを生成する加熱触媒部、および、熱分解によって生成した転化ガスを検出可能なセンサ素子部を有する触媒転化式センサ。
【請求項2】
前記ガス流路におけるガス流入口とガス流出口が、拡散手段に対して同じ側に設けてある、請求項1に記載の触媒転化式センサ。
【請求項3】
前記拡散手段は樹脂膜である請求項1または2に記載の触媒転化式センサ。
【請求項4】
前記検知対象ガスがヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンであり、前記転化ガスがフッ化水素である請求項1~3の何れか一項に記載の触媒転化式センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解によって生成した転化ガスを検出することで検知対象ガスを検知する触媒転化式センサに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造にエッチングガス又はクリーニングガスとして使用される、三フッ化窒素(NF3)、C4F6、C4F8、四フッ化炭素等のフッ素系特殊ガスは、通常、周辺環境に対する負荷があると考えられている。そのため、三フッ化窒素等のフッ素系特殊ガスの漏洩を検知することにより、これらフッ素系特殊ガスを周辺環境に放出しないように対策することができる。
【0003】
このようなフッ素系特殊ガスは、直接電気化学反応による検知ができないためガスセンサによる感度が低く、事前に熱分解により他のガスに転化させることにより検知できることが知られている。
【0004】
尚、本発明における従来技術となる上述した「熱分解によって生成した転化ガスを検出することで検知対象ガスを検知する」技術は、一般的な技術であるため、特許文献等の従来技術文献は示さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱分解によって転化ガスを生成するには、高温とする必要があるため、通常、熱源が大きく、断熱機構を備えた熱分解炉を使用するため、装置が大型化する傾向にあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、転化率を向上でき、小型化を達成できる触媒転化式センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る触媒転化式センサの第一特徴構成は、熱分解によって生成した転化ガスを検出することで検知対象ガスを検知するべく、ケーシング内に、前記検知対象ガスを流下させるガス流路と、前記ガス流路と接続し、前記検知対象ガスを自然拡散させる拡散手段によって前記ガス流路と空間的に区別できるように仕切られた転化部と、を備え、前記転化部は、加熱した触媒と接触させることにより前記検知対象ガスを熱分解して転化ガスを生成する加熱触媒部、および、熱分解によって生成した転化ガスを検出可能なセンサ素子部を有する点にある。
【0008】
本構成の触媒転化式センサは、ガス流路と転化部とを空間的に区別できるように仕切る拡散手段によりガス流路を流下する検知対象ガスを転化部の側に自然拡散させることができるため、転化部へ移行する検知対象ガスのガス量がガス流路を流下する流量に依存し難いように構成することができる。そのため、流量センサの劣化によって経時的にガス流路を流下する検知対象ガスの流量が変動した場合であっても、直ちに転化部へ移行する検知対象ガスのガス量に影響し難くなるため、転化部へ移行する検知対象ガスのガス量は変動し難くなる。従って、本発明の触媒転化式センサにおいては、検知対象ガスを転化ガスに転化させる転化率は検知対象ガスの流量の影響を受け難くなるため、経時的に転化率が低下し難くなる。
【0009】
また、本構成の拡散手段であれば、転化部の内部に自然拡散して滞留する検知対象ガスを加熱触媒部に効率よく接触させることができるため、転化率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の触媒転化式センサは、転化部に加熱触媒部およびセンサ素子部を有することにより、大型の熱分解炉を使用する必要が無いため小型化を達成することができる。
【0011】
本発明に係る触媒転化式センサの第二特徴構成は、前記ガス流路におけるガス流入口とガス流出口が、拡散手段に対して同じ側に設けた点にある。
【0012】
本構成によれば、ケーシングにおいて、例えば同じ側にガス流入口とガス流出口を設けることができる。
【0013】
本発明に係る触媒転化式センサの第三特徴構成は、前記拡散手段を樹脂膜とした点にある。
【0014】
本構成によれば、簡易な構成で、拡散手段を透過して転化部の内部へ自然拡散する検知対象ガスのガス量を調節することができる。
【0015】
本発明に係る触媒転化式センサの第四特徴構成は、前記検知対象ガスをヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C4F6)とし、前記転化ガスをフッ化水素とした点にある。
【0016】
本構成によれば、ガスセンサによる感度が低く、直接電気化学反応による検知ができないヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンをフッ化水素に転化して効率よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の触媒転化式センサの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示したように、本発明の触媒転化式センサXは、熱分解によって生成した転化ガスを検出することで検知対象ガスを検知するべく、ケーシング1内に、検知対象ガスを流下させるガス流路10と、ガス流路10と接続し、検知対象ガスを自然拡散させる拡散手段20によってガス流路と空間的に区別できるように仕切られた転化部30と、を備え、転化部30は、加熱した触媒31と接触させることにより検知対象ガスを熱分解して転化ガスを生成する加熱触媒部30A、および、熱分解によって生成した転化ガスを検出可能なセンサ素子部30Bを有する。
【0019】
本実施形態では、検知対象ガスがヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C4F6)であり、センサ素子部30Bがフッ化水素(HF)を検知できる電気化学式センサ素子であるフッ化水素センサとした場合について説明するが、これらに限定されるものではない。例えば検知対象ガスをC5F8やC4F8としたり、当該センサ素子部30Bは、フッ素(F2)を検知できるフッ素センサとすることができる。
【0020】
拡散手段20は、ガス流路10と転化部30とを仕切るものであり、これらを空間的に区別できるように構成してあればよく、ガス流路10を流下する検知対象ガスが転化部30の側に自然拡散できるように検知対象ガスを透過させる態様となるように構成してある。即ち、ガス流路10を流下する検知対象ガスの一部は、そのままガス流路10の下流側へ流下し、残りの一部が拡散手段20を透過して転化部30の内部へ自然拡散する態様となる。本明細書における「自然拡散」とは、例えば検知対象ガスを加圧するなどして強制的に拡散手段20の孔を通過させて転化部30の内部へ透過させることはせず、ガス流路10を流下する検知対象ガスの少なくとも一部が、当該流圧の影響を受け難い状態で拡散手段20の孔を通過して転化部30の内部へ透過する態様のことをいうものとする。
【0021】
このような拡散手段20は、ガス流路10から膜を透過して一定濃度で平衡に達する検知対象ガスと同じく、転化ガスも転化部30内に駐留せずに、検知対象ガス濃度に対応した濃度で平衡となりガス流路10に排出されるものであればよい。
【0022】
拡散手段20は、異なる材料を組み合わせて構成してもよく、単一の材料で構成してもよいが、少なくとも多孔質膜を備えることが好ましい。多孔質膜のみで構成するほうが、ガス流路10から膜を透過して一定濃度で平衡に達する検知対象ガスと同じく、転化ガスも転化部30内に駐留せずに、検知対象ガス濃度に対応した濃度で平衡となりガス流路10に排出され易い。
【0023】
例えば、拡散手段20を異なる材料を組み合わせて構成する場合は、
図2に示したように、所定の孔径を有する孔部21aを備えた樹脂膜21、および、ガス透過性の多孔質膜22を隣接配置して重ねた態様とすることができる。
【0024】
樹脂膜21は、プラスチック合成樹脂などの高分子成分などを薄い膜状に成型したものとすればよいが、これに限定されるものではない。このような樹脂膜21に所定の孔径を有する孔部21aを1個あるいは複数個形成する。孔部21aの孔径および孔数を設定することにより、拡散手段20を透過して転化部30の内部へ自然拡散する検知対象ガスのガス量を調節することができる。ガス量の調節は、所望のガス量となるように孔部21aの孔径および孔数を設定すればよい。
【0025】
多孔質膜22は、ガス透過性の多孔質膜等を使用すればよいが、これに限定されるものではない。このような多孔膜は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜等を使用することができる。当該多孔質膜22は、検知対象ガスが転化部30の内部へ自然拡散する程度を所望の程度に規定することができる。また多孔質膜22は、ガス流路10から膜を透過して一定濃度で平衡に達する検知対象ガスと同じく、転化ガスも転化部内に駐留せずに、検知対象ガス濃度に対応した濃度で平衡となり流路に排出される程度を所望の程度に規定することができる。
【0026】
上述したように、拡散手段20は、ガス流路10を流下する検知対象ガスが転化部30の側に自然拡散できるように検知対象ガスを透過させる態様となっているが、一方で、転化部30において生成した転化ガスが拡散手段20を透過してガス流路10の側に移行し難いように構成するのが望ましい。即ち、転化ガスがガス流路10の側に移行し難くなれば、センサ素子部30Bによって効率よく転化ガスを検知することができる。そのため、上述した拡散手段20であれば、孔部21aの孔径および孔数の他、孔部21aの配設位置を種々設定し、さらに多孔質膜22の透気度を種々変更する等して、拡散手段20の透気抵抗度が、適用される検知対象ガスが転化部30の側に自然拡散でき、かつ、転化ガスが転化部30からガス流路10の側に移行し難くなるように構成することができる。
【0027】
拡散手段20を単一の材料で構成する場合は、例えば所定の孔径を有する孔部を形成した樹脂膜、或いは、ガス透過性の多孔質膜等の何れかを使用すればよいが、これに限定されるものではない。
【0028】
樹脂膜は、上述したプラスチック合成樹脂などの高分子成分などを薄い膜状に成型したものとすればよいが、これに限定されるものではない。この場合も当該樹脂膜に所定の孔径を有する孔部を1個あるいは複数個形成する。孔部2の孔径および孔数を設定することにより、拡散手段20を透過して転化部30の内部へ自然拡散する検知対象ガスのガス量を調節することができる。そのため、所望のガス量となるように孔部の孔径および孔数を設定すればよい。
【0029】
多孔質膜は、例えば上述したPTFE膜等を使用することができる。尚、拡散手段20を単一の材料で構成する場合は単一の同じ材料(多孔質PTFE膜)であっても、透気度を異ならせた複数の多孔質PTFE膜を組み合わせることも可能である。
【0030】
本構成であれば、簡易な構成で、拡散手段20を透過して転化部30の内部へ自然拡散する検知対象ガスのガス量を調節することができる。ガス量の調節は、所望のガス量となるように孔部の孔径および孔数を設定すればよい。
【0031】
転化部30は、検知対象ガスを熱分解して生成した転化ガスを検出するように構成するため、加熱触媒部30Aおよびセンサ素子部30Bを有する。本実施形態の転化部30はケーシング1の内部空間の一部として構成してある。即ち、当該ケーシング1は、その内部を拡散手段20によって仕切ってあり、仕切られた空間の一方を転化部30とし、他方をガス流路10の一部としてある。本実施形態では、ガス流路10におけるガス流入口とガス流出口を、拡散手段20に対して同じ側となるように設けた場合について説明する。ケーシング1は円柱状や立方体状等、どのような形状であってもよい。本実施形態では、検知対象ガスがガス流路10を流下する方向と、検知対象ガスの一部が拡散手段20を透過して転化部30の内部へ自然拡散する方向とが異なる(略直交する)ように構成してある場合について説明する。この場合、ガス流路10を流下する検知対象ガスの少なくとも一部を、より当該流圧の影響を受け難い状態で拡散手段20の孔を通過して転化部30の内部へ自然拡散させ易くなる。
【0032】
加熱触媒部30Aは、拡散手段20を透過して転化部30の内部へ自然拡散した検知対象ガスを加熱した触媒31に接触させ、検知対象ガスを熱分解して転化ガスを生成する。
本実施形態における当該触媒31は、PdおよびPtを含有する貴金属触媒とした場合について説明するが、これらに限定されずRu、RhおよびIrも使用することができる。
この加熱触媒部30Aは、例えば400~600℃程度、好ましくは450℃程度まで加熱することができるように構成すればよい。検知対象ガスが加熱した触媒31に接触すると、検知対象ガスが熱分解されることによって転化ガスを生成することができる。加熱触媒部は1つであれば消費電力を抑制できるが、設置数は1つに限定されず、複数設けてもよい。加熱触媒部を複数設ける場合は、例えば2つの加熱触媒部を所定間隔で並置してそれらの下流側にセンサ素子部30Bが配設されるように構成してもよいし、2つの加熱触媒部がケーシング1の内部で対面するように配設してもよい。また、加熱触媒部を複数設ける場合は、それぞれの加熱触媒部を加熱する温度を同じ温度に設定してもよく、設置位置に応じた適切な温度に変更してもよい。当該温度は、拡散手段20の性能が適切に発揮できる温度に設定するのがよい。尚、当該温度は、触媒31を備えているため比較的低温で熱分解が可能となる。
【0033】
本実施形態では、加熱触媒部30Aとして接触燃焼式センサの素子を用いる場合について説明する。この場合、簡便かつ小型の態様で加熱触媒部を構成することができる。
【0034】
接触燃焼式センサは、所定のガスと感応する検知素子を備えている。当該検知素子は、接触燃焼式の素子であって、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイルの表面が、検出対象ガスに対して活性な貴金属触媒を坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。貴金属触媒は、上述した白金族である、Pt、Pd、Ru、RhおよびIrの少なくとも1つ以上の微粒子を使用することができる。
【0035】
上述したように、本実施形態では、検知対象ガスがC4F6であり、転化ガスがフッ化水素であるが、これは以下の化1の反応式によって転化が進行すると考えられる。
【0036】
【0037】
センサ素子部30Bは、電気化学式センサ、光センサ、半導体式ガスセンサ、接触燃焼式センサ等が適用できる。本実施形態では、貴金属担持カーボンを有して、生成した転化ガスであるフッ化水素を検知できる電気化学式センサ素子である場合について説明する。
【0038】
当該電気化学式センサ素子は、ガス拡散電極からなる検知極、当該検知極に一体に接合されている補助相、常温溶融塩である電解液、検知極と同様の構成からなる対極をセンサケースに収容することによって構成することができる。検知極は金触媒を担持させたカーボン粉末(金担持カーボン)とバインダーとしてのポリ4フッ化エチレンとの混合物から形成してある。補助相は多孔性ニッケルシートの孔中に補助相材料である硝酸リチウムを充填して形成してある。このような電気化学式センサ素子は、フッ化水素に対しても感度が高い。
【0039】
この金担持カーボンであれば、約10nm程度まで微粒子化することができるため、電気化学式センサ素子を小型化することができる。また、金担持カーボンを微粒子化することで、表面積が増大してフッ化水素に対しても感度を向上することができる。
本発明で使用する検知対象ガスであるC4F6は、ガスセンサによる感度が低く、直接電気化学反応による検知ができないため、事前に熱分解によりフッ化水素に転化させることにより検知できる。
【0040】
本発明の触媒転化式センサXは、検知対象ガスを吸引して流下させるポンプ、流量センサ、センサ素子部30Bが検知した結果に基づいて検知対象ガスの漏洩を判定する演算手段、警報レベル以上の検知対象ガスの濃度を継続して検知した場合に警報を発するように制御する警報手段(何れも図外)等と共に警報器やガス検知器の部材とすることができる。
【0041】
本発明の触媒転化式センサXは、拡散手段20によりガス流路10を流下する検知対象ガスを転化部30の側に自然拡散させることができるため、転化部30へ移行する検知対象ガスのガス量がガス流路10を流下する流量に依存し難いように構成することができる。そのため、流量センサが劣化して経時的にガス流路10を流下する検知対象ガスの流量が変動した場合であっても、直ちに転化部30へ移行する検知対象ガスのガス量に影響し難くなるため、転化部30へ移行する検知対象ガスのガス量は変動し難くなる。従って、本発明の触媒転化式センサXにおいては、検知対象ガスを転化ガスに転化させる転化率は検知対象ガスの流量の影響を受け難くなるため、経時的に転化率が低下し難くなる。
【0042】
上述した拡散手段20であれば、転化ガスが転化部30から外部(ガス流路10)に移行し難くなるように構成することができるため、転化部30の内部で滞留する転化ガスを効率よく安定してセンサ素子部30Bによって検知できる。
【0043】
また、本発明の触媒転化式センサXは、転化部30に加熱触媒部30Aおよびセンサ素子部30Bを有することにより、大型の熱分解炉を使用する必要が無いため小型化を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、熱分解によって生成した転化ガスを検出することで検知対象ガスを検知する触媒転化式センサに利用できる。
【符号の説明】
【0045】
X 触媒転化式センサ
1 ケーシング
10 ガス流路
20 拡散手段
30 転化部
30A 加熱触媒部
30B センサ素子部
31 触媒