(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】決済システム、および決済方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20220617BHJP
【FI】
G06Q20/20 310
(21)【出願番号】P 2021041722
(22)【出願日】2021-03-15
(62)【分割の表示】P 2017068160の分割
【原出願日】2017-03-30
【審査請求日】2021-03-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成28年10月6日に、トッパン・フォームズ株式会社、TFペイメントサービス株式会社、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、株式会社セガ・インタラクティブのホームページにて公開 (2)平成28年10月6~7日に、コナミホールディングス株式会社にて、および、平成28年10月12日に、マイドームおおさかにて、開催されたアミューズメント向けマルチ電子マネーサービス 新商品商談会にて公開 (3)平成29年2月10~12日に、幕張メッセにて開催されたジャパンアミューズメントエキスポ2017にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】515039797
【氏名又は名称】TFペイメントサービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 剛志
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 顕宏
(72)【発明者】
【氏名】大滝 忠信
(72)【発明者】
【氏名】紙 正彦
(72)【発明者】
【氏名】北野 豊文
(72)【発明者】
【氏名】木下 雄瀬
(72)【発明者】
【氏名】本池 哲
(72)【発明者】
【氏名】藤本 淳
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-044290(JP,A)
【文献】特開2010-262390(JP,A)
【文献】特開2013-140453(JP,A)
【文献】特開2008-257518(JP,A)
【文献】特開2016-081421(JP,A)
【文献】特開2007-268237(JP,A)
【文献】特開2010-272048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続される決済サーバと管理対象装置を管理する管理端末と決済端末を備える決済システムであって、
前記管理端末は、
前記決済サーバから取得した前記決済端末または前記管理対象装置の設定情報に基づいて、前記決済端末または前記管理対象装置のうち少なくとも一方の設定管理を実行する管理実行部を有し、
前記決済端末は、
決済用媒体を識別する決済用媒体識別情報を前記決済用媒体から読み出し、決済金額に基づく金額情報を前記決済用媒体へ書き込む決済用媒体RW部と、
前記決済金額を示す信号を前記管理対象装置へ送信する信号送信部と、
前記決済サーバから、自身の決済端末に対応した設定情報を受信した場合に設定情報を自身の記憶部に記憶させ、前記決済用媒体RW部による決済用媒体への書き込みを行なう場合に前記決済サーバに対して前記決済金額に基づく金額情報と決済端末を識別する決済端末識別情報を含む決済端末決済情報を送信する通信部と、
を有することを特徴とする決済システム。
【請求項2】
インターネットに接続される決済サーバと管理対象装置を管理する管理端末と決済端末を備える決済システムにおける決済方法であって、
前記管理端末の管理実行部が、
前記決済サーバから取得した前記決済端末または前記管理対象装置の設定情報に基づいて、前記決済端末または前記管理対象装置のうち少なくとも一方の設定管理を実行し、
前記決済端末の決済用媒体RW部が、決済用媒体を識別する決済用媒体識別情報を前記決済用媒体から読み出し、決済金額に基づく金額情報を前記決済用媒体へ書き込み、
前記決済端末の信号送信部が、前記決済金額を示す信号を前記管理対象装置へ送信し、
前記決済端末の通信部が、前記決済サーバから、自身の決済端末に対応した設定情報を受信した場合に設定情報を自身の記憶部に記憶させ、前記決済用媒体RW部による決済用媒体への書き込みを行なう場合に前記決済サーバに対して前記決済金額に基づく金額情報と決済端末を識別する決済端末識別情報を含む決済端末決済情報を送信する
決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子マネーの決済を行う決済システム、および決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品を購入する際に、現金による支払いの他に、電子マネーによる支払いを行なうことが可能な決済システムがある。電子マネーによる決済を行なう決済システムとして、例えば、商品またはサービスを提供する電子マネー端末装置が、イントラネットを介して決済装置に接続され、このイントラネットに対しインターネットを介して決済サーバを接続した決済システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す決済システムにおいては、イントラネットに決済装置が接続されるため、1つの施設内において1つの決済装置を利用することが想定されている。そのため、ユーザが、決済装置を使って、施設内の電子マネー端末装置に対して設定変更(例えば、価格変更等)を行う場合、施設毎に自施設内のイントラネットに決済装置を設ける必要がある。これにより、各施設にそれぞれ決済装置が設けられる必要があるため、導入コストが嵩む。特に、同じグループ企業に所属する複数の施設において、決済システムを導入する場合には、同じグループ企業であるにも係わらず、それぞれの施設において決済装置を設置しなければならない。また、上述したように、特許文献1に示す決済システムにおいては、施設毎に自施設内のイントラネットに決済装置を設ける必要があるため、各電子マネー端末装置における設定情報(例えば、価格情報等)を、各施設がそれぞれ個別に管理しなければならない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、決済システムの導入コストおよび運用コストを抑制することができる決済システム、および決済方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、インターネットに接続される決済サーバと管理対象装置を管理する管理端末と決済端末を備える決済システムであって、前記管理端末は、前記決済サーバから取得した前記決済端末または前記管理対象装置の設定情報に基づいて、前記決済端末または前記管理対象装置のうち少なくとも一方の設定管理を実行する管理実行部を有し、前記決済端末は、決済用媒体を識別する決済用媒体識別情報を前記決済用媒体から読み出し、決済金額に基づく金額情報を前記決済用媒体へ書き込む決済用媒体RW部と、前記決済金額を示す信号を前記管理対象装置へ送信する信号送信部と、前記決済サーバから、自身の決済端末に対応した設定情報を受信した場合に設定情報を自身の記憶部に記憶させ、前記決済用媒体RW部による決済用媒体への書き込みを行なう場合に前記決済サーバに対して前記決済金額に基づく金額情報と決済端末を識別する決済端末識別情報を含む決済端末決済情報を送信する通信部と、を有することを特徴とする決済システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、インターネットに接続される決済サーバと管理対象装置を管理する管理端末と決済端末を備える決済システムにおける決済方法であって、前記管理端末の管理実行部が、前記決済サーバから取得した前記決済端末または前記管理対象装置の設定情報に基づいて、前記決済端末または前記管理対象装置のうち少なくとも一方の設定管理を実行し、前記決済端末の決済用媒体RW部が、決済用媒体を識別する決済用媒体識別情報を前記決済用媒体から読み出し、決済金額に基づく金額情報を前記決済用媒体へ書き込み、前記決済端末の信号送信部が、前記決済金額を示す信号を前記管理対象装置へ送信し、前記決済端末の通信部が、前記決済サーバから、自身の決済端末に対応した設定情報を受信した場合に設定情報を自身の記憶部に記憶させ、前記決済用媒体RW部による決済用媒体への書き込みを行なう場合に前記決済サーバに対して前記決済金額に基づく金額情報と決済端末を識別する決済端末識別情報を含む決済端末決済情報を送信する決済方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、複数の施設における決済処理を行う決済装置をインターネット上に設けることにより決済システムの導入コストを抑制するとともに、各電子マネー端末装置における設定情報(例えば、価格情報等)を当該決済装置によって管理することにより決済システムの運用コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の第1の実施形態による決済システムの構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】この発明の第1の実施形態による決済システムの決済サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】この発明の第1の実施形態による決済システムの決済端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】この発明の第1の実施形態による決済システムの決済サーバの記憶部に記憶される施設情報のテーブルの一例を示す図である。
【
図5】この発明の第1の実施形態による決済システムの決済サーバの記憶部に記憶される決済情報のテーブルの一例を示す図である。
【
図6】この発明の第1の実施形態による決済システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】この発明の第2の実施形態による決済システムの管理端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】この発明の第2の実施形態による決済システムの決済サーバの記憶部に記憶される設定情報のテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態による決済システム1について図面を参照して説明する。
【0011】
[決済システムの構成]
図1は、この発明の第1の実施形態による決済システム1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示す決済システム1は、決済サーバ10と、それぞれに管理対象装置16(16A1、16A2、・・・16An、16B1、・・・16Bn)が接続された決済端末15(15A1、15A2、・・・15An、15B1、・・・15Bn)と、管理端末17と、ブランドサーバ30(30a、30b)と、を通信ネットワークによって通信接続することで構成されている。当該通信ネットワークは、インターネット40と、店舗20(20A、20B)毎に敷設されインターネット40に通信接続するイントラネット50(50A、50B)とによって構成されている。インターネット40には、決済サーバ10と、管理端末17と、少なくとも1つのブランドサーバ30とが通信接続されている。また、イントラネット50には、当該イントラネット50が敷設された店舗20内に設置された少なくとも1つの決済端末15が通信接続されている。
【0012】
決済サーバ10は、決済端末15から決済の要求を受け付け、決済の処理を行う。また、決済サーバ10は、行った決済を示す決済情報を生成してログデータとして蓄積しておき、当該ログデータをブランドサーバ30へ定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に配信する。
決済サーバ10は、サーバ装置、例えば、汎用コンピュータ、またはパーソナルコンピュータ等を含んで構成される。
【0013】
決済端末15は、管理対象装置16の利用に対してユーザによって支払われる料金の決済を受け付ける端末である。例えば、決済端末15に備えられた後述する決済用媒体RW(リーダ・ライタ)部152に決済用媒体(例えば、ICカード)が近づけられることによって、決済用媒体から決済用媒体RW部152へ決済用媒体を識別する決済用媒体識別情報が送信されることにより、当該決済の受け付けが行われる。
また、決済端末15は、決済サーバ10から定期的に設定情報を取得して設定変更を行う。当該設定情報とは、例えば、決済端末15や管理対象装置16において動作するソフトウェアのアップデート情報等の決済システム1全体に関わる情報、あるいは、決済端末15において用いられるブランド毎の設定情報(例えば、画像情報、音声情報、および接続プロトコルを示す情報等)である。
【0014】
決済端末15は、カードリーダー、例えば、非接触型ICカードリーダー等を含んで構成される。また、決済用媒体は、決済用カード、例えば、非接触型ICカード、または、非接触型ICカードの機能を内蔵する携帯型端末(PDA)、例えば、スマートフォンや携帯電等である。非接触型ICカードには、例えば、交通系ICカードや、流通系ICカード等が利用可能である。
【0015】
管理対象装置16は、決済端末15によりユーザによって支払われる料金に応じて、ユーザに対してサービスを提供する装置である。
管理対象装置16は、例えば、ゲーム機、カプセルトイの販売機器、自動販売機や自動券売機、コインロッカーの精算機、または駐輪場や駐車場における精算機である。
【0016】
なお、提供されるサービスが予め決まっている管理対象装置16においては、当該サービス提供を受ける数量(例えば、回数や時間など)を、ユーザは事前に選択することができる。例えば、サービス提供の数量が回数や時間で決まる場合には、ユーザは、その数量に応じた金額を、サービス提供を受ける前に金額を指定した上で決済を行なうことができる。管理対象装置16がゲーム機である場合には、例えば、ユーザは、3ゲーム分の金額である200円を選択して事前に決済することができる。
また、利用時間に応じて金額が計算される場合には、ユーザは、サービス提供を受けた後に、利用時間に応じて算出された料金を確認した上で決済を行なうことができる。
【0017】
管理端末17は、決済端末15において決済が行われる際に、決済端末15の後述する表示部154によって表示させるブランド(決済サービス)毎の画像を示す画像情報、および決済端末15の後述する音声出力部155によって再生させるブランド毎の音声を示す音声データ等と、ブランドとを対応付けて管理する。また、管理端末17は、決済端末15において決済が行われる際に用いられる決済端末15側のブランド毎の接続プロトコル(インターフェース)を示す情報等と、ブランドとを対応付けて管理する。
【0018】
例えば、管理端末17から、決済サーバ10に対し、決済端末15において用いられる上述したブランド毎の設定情報(例えば、画像情報、音声情報、および接続プロトコルを示す情報等)を送信し、当該設定情報が決済サーバ10において記憶される。
そして、決済端末15は、当該設定情報が更新されているか否かについて、定期的(例えば、1日毎、または1週間毎等)に、決済サーバ10に対して問い合わせを行う。
当該設定情報が更新されていた場合、決済端末15は、当該設定情報を決済サーバ10からダウンロードし、自らの決済端末15が記憶している設定情報を更新する。
なお、上記のブランド毎の設定情報は、ブランド特有の決済環境(例えば、表示画面や接続プロトコル等)を構成するソフトウェア部品の設定に関する設定情報であり、ブランド特有の設定情報である。
【0019】
店舗20は、決済端末15および管理対象装置16が設置された店舗(施設)である。店舗20は、例えば、ゲームセンター、小売店、交通機関の各駅、または駐輪場や駐車場等である。ここで、店舗20は、商品の販売やサービスの提供を目的とした建物に限られるものではなく、少なくとも商品の販売やサービスの提供が可能な施設であればよい。例えば、複数店舗が収容された複合商業施設やテーマパークなどの施設であってもよい。
なお、ここで言う「施設」とは、法人毎に統括される施設であってもよいし、各地域の支店毎に統括される施設、または建物毎に統括される施設であってもよく、施設が統括される単位や、施設の規模等は任意である。
【0020】
ブランドサーバ30は、定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に決済サーバ10から送信された決済情報を取得する。ブランドサーバ30は、各ブランド(決済サービス)を運営する企業によって管理されるサーバ装置である。ブランドとは、例えば、流通系企業や鉄道系企業によって運営されるプリペイド型電子マネーのブランド、クレジット系企業によって運営されるポストペイ型電子マネーのブランド、または、インターネット決済専用のプリペイド型電子マネーのブランド等である。
【0021】
なお、決済端末15によって決済可能なブランドは、当該決済端末15が設置された店舗20によって異なる。各店舗20では、自らの店舗20に設置された決済端末15によって決済可能なブランドが予め定められている。ユーザは、当該ブランドの決済用媒体を使用して決済を行うことができる。
なお、原則的に、同一の店舗20内に設置された決済端末15においては、決済可能なブランドは共通である。したがって、決済端末15が設置された店舗20が特定されれば、決済端末15によって決済可能なブランドも特定することができる。
【0022】
[決済サーバの構成]
次に、決済サーバ10の機能構成について図面を参照して説明する。
図2は、この発明の第1の実施形態による決済システム1決済サーバ10の機能構成を示すブロック図である。同図に示す決済サーバ10は、記憶部101と、決済処理部102と、通信部103と、を含んで構成される。
なお、この決済サーバ10は、1台のサーバ装置から構成されていてもよいし、クラウド上に構成されたサーバであってもよい。
【0023】
記憶部101は、施設情報と、決済情報と、を記憶する。
施設情報は、管理対象装置16に接続される少なくとも1つの決済端末15が設けられる店舗20(施設)毎に、当該店舗20を識別する施設識別情報と、前記決済端末15を識別する決済端末識別情報と、前記店舗20において利用可能なブランド(決済サービス)を識別する決済サービス識別情報とが対応づけられた情報である。
また、決済情報は、決済端末15において行なわれる決済に関する情報である決済端末決済情報と、前記決済端末15の決済端末識別情報とが対応づけられた情報である。
【0024】
また、記憶部101は、決済端末15において決済が行われる際に、決済端末15の後述する表示部154によって表示させるブランド毎の画像を示す画像情報、および決済端末15の後述する音声出力部155によって再生させるブランド毎の音声を示す音声データ等と、ブランドとが対応付けられたテーブルを予め管理端末17から送信されて記記憶している。
また、記憶部101は、決済端末15において決済が行われる際に用いられる決済端末15側のブランド毎の接続プロトコル(インターフェース)を識別する情報等と、ブランドとが対応付けられたテーブルを予め管理端末17から送信されて記憶している。
【0025】
記憶部101は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive;ハードディスクドライブ)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory;イーイーピーロム)、RAM(Random Access read/write Memory;読み書き可能なメモリ)、ROM(Read Only Memory;読み出し専用メモリ)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0026】
決済処理部102は、前記決済端末15から決済の要求を受けると、前記記憶部101を参照し、前記決済端末15から送信される決済端末識別情報に基づいて、前記決済端末15が設けられた店舗20を特定し、特定された店舗20において利用可能なブランドを特定し、特定されたブランドのうち対応可能なブランドによって、前記決済の要求に対応した決済の処理を行う。
決済処理部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を含んで構成される。
【0027】
通信部103は、インターネット40と通信接続する通信インターフェースである。 通信部103は、インターネット40を介して、決済サーバ10とブランドサーバ30との間におけるデータの送受信を行う。また、通信部103は、インターネット40およびイントラネット50を介して、上述した接続プロトコル(インターフェース)によって、決済サーバ10と決済端末15との間におけるデータの送受信を行う。
【0028】
[決済端末の構成]
次に、決済端末15および管理対象装置16の機能構成について図面を参照して説明する。
図3は、この発明の一実施形態による決済システム1の決済端末15の機能構成を示すブロック図である。同図に示す決済端末15は、制御部150と、記憶部151と、決済用媒体RW(リーダ・ライタ)部152と、照明部153と、表示部154と、音声出力部155と、通信部156と、パルス送信部157と、を含んで構成される。
【0029】
制御部150は、決済端末15の各機能ブロックによって行われる処理を制御する。制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を含んで構成される。制御部150は、決済サーバ10に対し、決済端末決済情報に含まれる決済端末識別情報に基づいて、自身の決済端末15が設けられた施設を特定させ、特定された施設において利用可能な決済サービスを特定させ、特定された決済サービスのうち対応可能な決済サービスによって、決済の要求に対応した決済を行なわせる指示をする。
【0030】
記憶部151は、決済端末15によって決済可能なブランドに関するブランド情報、および決済が行われる際に用いられる決済端末15側のブランド毎の接続プロトコル(インターフェース)等を予め管理端末17から送信されて記憶している。
記憶部151は、記憶媒体、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0031】
決済用媒体RW部152は、決済用媒体(例えば、ICカード)からの決済情報の読み出し、および決済用媒体への決済情報の書き込みを行う。
【0032】
照明部153、表示部154、および音声出力部155は、決済端末15を利用するユーザに対して、照明、画像、および音声により通知や警告等を行うためのユーザインタフェースである。
照明部153は、例えば、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)、白熱電球、または蛍光灯等を含んで構成される。表示部154は、ディスプレイ、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)、または有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイを含んで構成される。音声出力部155は、スピーカーを含んで構成される。
【0033】
通信部156は、イントラネット50およびインターネット40を介して、決済サーバ10、および管理端末17との通信を行う。
【0034】
パルス送信部157は、行われた決済の金額に応じたパルス信号を発生し、当該パルス信号を管理対象装置16へ送信する。例えば、当該パルス信号は、管理対象装置16において上記と同じ金額の硬貨(現金)が投入された際に管理対象装置16に入力されるパルス信号と同一のパルス信号である。これにより、管理対象装置16は、電子マネーによる支払いであっても、現金による支払いであっても、金額が同じ場合には同様の処理を行うことができる。
【0035】
[施設情報の構成]
次に、上述した施設情報の構成について図面を参照して説明する。
図4は、この発明の第1の実施形態による決済システム1の決済サーバ10の記憶部101に記憶される施設情報のテーブルの一例を示す図である。
【0036】
施設情報は、
図4(A)に示すテーブルと
図4(B)に示すテーブルとによって構成される。
図4(A)に示すテーブルは、決済端末15を識別する決済端末IDと、店舗20を識別するである店舗IDとが対応付けられたデータである。また、
図4(B)に示すテーブルは、店舗IDと、各店舗において利用可能なブランドを識別するブランドIDとが対応付けられたデータである。このように、施設情報は、これらの2つのテーブルによって、店舗ID(施設識別情報)と、決済端末ID(決済端末識別情報)と、ブランドID(決済サービス識別情報)とを対応づけたデータである。
施設情報は、決済サーバの管理者等によって予め記憶部101に記憶されている。
【0037】
[決済情報の構成]
次に、上述した決済情報の構成について図面を参照して説明する。
図5は、この発明の第1の実施形態による決済システム1の決済サーバ10の記憶部101に記憶される決済情報のテーブルの一例を示す図である。
【0038】
決済情報は、
図5に示すテーブルによって構成される。
図5に示すテーブルは、決済端末IDと、決済端末決済情報とが対応付けられたデータである。当該決済端末決済情報には、決済金額と、日時と、媒体種別と、媒体IDとを示すデータが含まれる。
決済情報は、決済端末15が決済サーバ10に対して決済を要求する際に決済端末15から決済サーバ10へ送信される、当該決済端末15の決済端末IDと決済端末決済情報とに基づいて決済サーバ10によって生成され、記憶部101に記憶される。
【0039】
[決済システムの動作]
次に、決済システム1の動作について図面を参照して説明する。
図6は、この発明の第1の実施形態による決済システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0040】
(ステップS001)決済端末15の決済用媒体RW部152にはユーザが支払う金額を選択する画面が表示されており、ユーザは当該画面において金額を表すボタンにタッチすることで選択する。そして、ユーザにより決済用媒体RW部152に決済用媒体が通信可能な距離内に近づけられる(例えば、翳される)と、決済用媒体から決済用媒体RW部152へ、当該決済用媒体の媒体種別を示す情報、および当該決済用媒体を識別する媒体ID(決済用媒体識別情報)が送信される。なお、媒体種別を示す情報には、当該決済用媒体のブランドを示す情報が含まれる。
【0041】
また、当該決済端末15に接続された管理対象装置16の利用料金(決済金額)を示す情報が、決済用媒体RW部152から決済用媒体へ送信される。決済用媒体は、受信した当該利用料金を示す情報に基づいて、自らの決済用媒体に記憶されている金額に関する情報を更新する。例えば、決済用媒体は、自ら記憶している、チャージされている金額を示す情報を読み出し、当該情報を、当該チャージされている金額から決済金額分を差し引いた金額を示す情報によって更新する。
決済端末15は、決済金額、決済用媒体が近づけられた日時、媒体種別を示す情報、媒体IDに基づいて決済端末決済情報を生成する。
【0042】
(ステップS002)決済端末15は、決済の要求を示す情報とともに、自らの決済端末15を識別する決済端末ID、および生成した決済端末決済情報を、決済サーバ10の通信部103へ送信する。
【0043】
(ステップS003)決済サーバ10の通信部103は、決済端末15から送信された決済の要求を示す情報、決済端末ID、および決済端末決済情報を受信する。決済サーバ10の決済処理部102は、受信した決済端末IDおよび決済端末決済情報に基づいて、記憶部101に記憶されている決済情報を更新する。
【0044】
(ステップS004)決済サーバ10の決済処理部102は、記憶部101に記憶されている施設情報(例えば、
図4(A)に示すテーブル)を参照し、決済端末15から送信された決済端末ID(決済端末識別情報)に基づいて、決済端末15が設けられた店舗20(施設)を特定する。
【0045】
(ステップS005)決済サーバ10の決済処理部102は、記憶部101に記憶されている施設情報(例えば、
図4(B)に示すテーブル)を参照し、ステップS004で特定した店舗20(施設)において利用可能なブランド(決済サービス)を特定する。
【0046】
(ステップS006)決済サーバ10の決済処理部102は、ステップS005で特定したブランド(決済サービス)のうち対応可能なブランドによって、ステップS003で受信した情報に基づく決済の要求に対応した決済の処理を行なう。ここでは、店舗20において対応可能なブランドのうち、どのブランドで決済を行うかについては、決済端末15から送信される決済端末決済情報に含まれる媒体種別に基づいて当該決済端末15に翳された決済用媒体のブランドが特定され、この特定されたブランドによって決済が行われる。
【0047】
(ステップS007)決済サーバ10の通信部103は、決済処理が完了したことを示す決済完了通知を決済端末15へ送信する。
【0048】
(ステップS008)決済端末15は、決済サーバ10の通信部103から送信された決済完了通知を受信すると、管理対象装置16へ当該決済完了通知を送信する。
【0049】
(ステップS009)管理対象装置16は、決済端末15から送信された決済完了通知を受信すると、ユーザに対してサービスを提供する(例えば、ゲーム機がユーザによって利用可能な状態に切り替わる)。
【0050】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態による決済システム1について図面を参照して説明する。
なお、第1の実施形態と構成が共通している範囲については説明を省略する。
【0051】
[管理端末の構成]
以下に、管理端末17の機能構成について図面を参照して説明する。
図7は、この発明の第2の実施形態による決済システム1の管理端末17の機能構成を示すブロック図である。同図に示す管理端末17は、管理実行部171と、設定更新要求部172と、通信部173と、を含んで構成される。
【0052】
管理実行部171は、ユーザ(例えば、いずれかの店舗20の施設管理者)による操作入力に基づいて設定情報を生成する。当該設定情報は、決済端末15および管理対象装置16の設定(例えば、管理対象装置16の利用料金に関する設定等)に関する情報や、ブランド毎の設定情報(例えば、画像情報、音声情報、および接続プロトコルを示す情報等)である。設定情報の構成の一例については、後述する。
【0053】
設定更新要求部172は、生成された設定情報を、通信部173を介して決済サーバ10へ送信する。
【0054】
通信部173は、インターネット40と通信接続する通信インターフェースである。 通信部173は、インターネット40を介して、管理端末17と決済サーバ10との間におけるデータの送受信を行う。
【0055】
決済サーバ10の通信部103は、管理端末17の通信部173から送信された設定情報を受信する。そして、決済サーバ10の決済処理部102は、当該設定情報に基づいて記憶部101に記憶されている設定情報を更新する。
【0056】
[設定情報の構成]
次に、上述した設定情報の構成について図面を参照して説明する。
図8は、この発明の第2の実施形態による決済システム1の決済サーバ10の記憶部101に記憶される設定情報のテーブルの一例を示す図である。
【0057】
設定情報は、
図8に示すテーブルによって構成される。
図8に示すテーブルは、決済端末IDと、管理対象装置16における料金情報とが対応付けられたデータである。当該料金情報には、「料金」と、「セット割引の有無」と、「セット個数」と、「セット料金」とを示すデータが含まれる。
記憶部101に記憶された設定情報は、管理端末17から決済サーバ10へ送信される設定情報に基づいて更新される。なお、当該設定情報は、管理端末17においてユーザ(例えば、店舗20の施設管理者)による操作に基づいて生成される。
【0058】
管理端末17は、決済端末15に対応付けられた設定情報(決済端末15における設定情報および当該決済端末15に接続された管理対象装置16における設定情報、例えば、管理対象装置16の利用料金に関する設定に関する設定情報)を管理する。
例えば、管理端末17は、当該設定情報を決済サーバ10へ送信し、当該設定情報が決済サーバ10において記憶される。
そして、決済端末15は、当該設定情報が更新されているか否かについて、定期的(例えば、1日毎、または1週間毎等)に、決済サーバ10に対して問い合わせを行う。
当該設定情報が更新されていた場合、決済端末15は、当該設定情報を決済サーバ10からダウンロードし、自らの決済端末15が記憶している設定情報を更新する。
【0059】
なお、設定情報として、料金のルールを設定するようにし、決済サーバが、その料金ルールに基づいて、その条件に合致している料金を適宜設定するようにしてもよい。例えば、特定の曜日には、予め決められた決済端末IDにおける料金を、割引率に従った割引価格を適用して決済したり、特定の時間帯において割引価格を適用して決済するような条件と価格とが対応付けられた料金ルールを管理端末17から設定したりしてもよい。
【0060】
以上、説明したように、本発明の第1の実施形態に係る決済システム1によれば、インターネットに決済サーバ10が通信接続されるため、複数の店舗20(施設)における決済の処理を1つの決済サーバ10によって行うことができる。これにより、各店舗20は、決済サーバ10を自施設内に設ける必要がないため、従来のように施設毎に自施設内のイントラネットに決済サーバを設ける場合と比べて、決済システムの導入にかかるコストが増大してしまうことを抑制することができる。
【0061】
また、以上、説明したように、本発明の第1の実施形態に係る決済システムによれば、インターネットに決済サーバ10が通信接続されるため、店舗20(施設)、決済端末15、および管理対象装置16、更に決済端末15または管理対象装置16における設定情報等を紐付けて管理することができる。また、本発明の一実施形態に係る決済システムによれば、店舗20(施設)における設定情報と管理対象装置16における設定情報とを紐付けて管理することができることにより、電子マネーの決済に関する情報と管理対象装置16における設定情報とを合わせて管理することができる。
また、本発明の第1の実施形態に係る決済システムによれば、決済端末毎ではなく施設毎に利用可能なブランドを統括して管理し、さらに決済装置毎でなく施設毎に利用可能なブランドの種類を統一して運用するため、決済システムの運用にかかるコストが増大してしまうことを抑制することができる。
【0062】
また、本発明の第2の実施形態に係る決済システム1によれば、インターネットに決済サーバ10が通信接続されるため、複数の店舗20(施設)における決済端末15または管理対象装置16の設定情報を1つの決済サーバ10によって管理することができる。これにより、従来のように施設毎に自施設内のイントラネットに決済サーバを設ける場合と比べて、決済システムの導入にかかるコストを抑制することができる。
【0063】
また、本発明の第2の実施形態に係る決済システム1によれば、管理者、例えば、店舗20(施設)の施設管理者が、通信ネットワークを介して決済サーバ10から決済端末15または管理対象装置16の設定情報を取得し、当該設定情報に基づいて決済端末15または管理対象装置16の設定変更等を行うことができるため、決済システムの運用にかかるコストを抑制することができる。
【0064】
また、本発明の第2の実施形態に係る決済システム1によれば、電子マネーによって決済が行われることにより、10円硬貨、50円硬貨、または100円硬貨等をコイン投入装置に投入して支払いをする場合と比べて、投入される硬貨の枚数や組み合わせを考慮して金額を設定する(例えば、100円硬貨2枚で200円と設定する)必要がないため、柔軟に金額を設定することができる。
【0065】
また、コイン投入装置を利用して料金の支払いが行われる場合、設定金額の変更がなされる際には、コイン投入装置の設定を物理的に変更する必要が生じる。一方、本発明の第2の実施形態に係る決済システム1によれば、電子マネーを利用して決済がなされることを前提としているため、管理端末17から設定変更の要求に基づいて、硬貨の枚数や組み合わせに縛られない任意の価格を柔軟に設定することができる。
また、本発明の第2の実施形態に係る決済システム1によれば、設定金額を頻繁に変更する必要がある場合であっても、管理端末12から設定金額をサーバに登録(更新)するだけですむため、比較的短い期間で金額を変更することが可能となる。
【0066】
上述した実施形態における決済サーバ10をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0067】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1・・・決済システム、10・・・決済サーバ、15・・・決済端末、16・・・管理対象装置、17・・・管理端末、20・・・店舗、30・・・ブランドサーバ、40・・・インターネット、50・・・イントラネット、101・・・記憶部、102・・・決済処理部、103・・・通信部、150・・・制御部、151・・・記憶部、152・・・決済用媒体RW部、153・・・照明部、154・・・表示部、155・・・音声出力部、156・・・通信部、157・・・パルス送信部