(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】バランスウェイト及びバランスウェイト付き回転シャフト
(51)【国際特許分類】
F16F 15/32 20060101AFI20220620BHJP
B60K 17/22 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
F16F15/32 D
B60K17/22 Z
(21)【出願番号】P 2018017654
(22)【出願日】2018-02-02
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000146076
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 光
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02228553(GB,A)
【文献】実開平04-071842(JP,U)
【文献】英国特許出願公開第02250568(GB,A)
【文献】特開平10-184804(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第3011824(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/32
B60K 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シャフトの外面に固定されるバランスウェイトであって、
互いに間隔を置いて配置されており、前記回転シャフトに固定可能な合わせ面を有する2つのセグメントと、前記2つのセグメントを連結する、少なくとも1つの連結部と、を有し、
前記少なくとも1つの連結部は、前記セグメントの前記合わせ面よりも外側にアーチ状に突出する連結部であり、
前記セグメントは、前記アーチ状の一部を形作るように、前記少なくとも1つの連結部と共に突出する突出部を有し、前記突出部では、前記セグメントの内面は、前記セグメントの前記合わせ面と、前記連結部の内面とを繋ぐ、立ち上がり面で構成されており、前記立ち上がり面は、軸線方向視で、前記セグメントの前記合わせ面から前記連結部の内面に向かって内側に湾曲しながら立ち上がっている、バランスウェイト。
【請求項2】
請求項1において、前記少なくとも1つの連結部は、前記2つのセグメントと共に隙間を区画し、前記隙間は、切り込みである、バランスウェイト。
【請求項3】
請求項2において、前記切り込みは、前記連結部を挟んだ二箇所の位置に配置されている、バランスウェイト。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記切り込みの先端側の輪郭形状は、平面視で、半円形状である、バランスウェイト。
【請求項5】
請求項2又は3において、前記切り込みの先端側の輪郭形状は、平面視で、円形状である、バランスウェイト。
【請求項6】
請求項1において、前記少なくとも1つの連結部は、2つの連結部であり、前記2つの連結部は、前記2つのセグメントと共に隙間を区画し、前記隙間は、孔である、バランスウェイト。
【請求項7】
請求項6において、前記孔は、長孔である、バランスウェイト。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、前記セグメントは、当該セグメントの前記合わせ面に溶接用のプロジェクションを有する、バランスウェイト。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項において、前記セグメントは、前記セグメントの平面視における輪郭線の一部を突出させてなる、溶接用の張出部を有し、
前記
セグメントは、互いに直交する方向に延びる2種類の輪郭線で区画された矩形状に形作られており、
前記
張出部は、平面視において、前記2種類の輪郭線の一方の輪郭線から、前記2種類の輪郭線の他方が延在する方向に沿って突出している、バランスウェイト。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、前記セグメントは、板状のセグメントで構成されている、バランスウェイト。
【請求項11】
回転シャフトと、前記回転シャフトの外面に固定された、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のバランスウェイトと、を有するバランスウェイト付き回転シャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バランスウェイト及びバランスウェイト付き回転シャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバランスウェイトには、バランスウェイトの中心部を除いて当該バランスウェイトに2つの切り込み(切断溝)を設け、前記中心部を連結部として残したものがある(例えば、特許文献1参照。)。前記特許文献1のバランスウェイトでは、回転シャフトとの溶接部は、前記連結部によって連結された2つのセグメントに設けられている。これにより、前記特許文献1のバランスウェイトでは、2つの溶接部の間に生じる剪断力が前記連結部にて吸収され、前記溶接部の破断が防止される。また従来のバランスウェイトには、バランスウェイトの溶接部(接合部)の間に孔を形成したものもある(例えば、特許文献2参照。)。これにより、前記特許文献2のバランスウェイトでは、2つの溶接部の間が前記孔によって断ち切られることにより、捻れに対する剛性が低下し、捻り疲労寿命が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平4-71842号公報
【文献】特開2005-214335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のバランスウェイトを回転シャフトに固定した場合であっても、捻れ等に起因する応力が、前記溶接部等の固定部に集中することがある。これは、バランスウェイト付き回転シャフトの製品寿命に影響を与える。
【0005】
本発明の目的は、回転シャフトとの固定部に集中する応力を緩和させることができるバランスウェイトを提供することである。また本発明の他の目的は、製品寿命の向上が図られた、バランスウェイト付き回転シャフトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバランスウェイトは、回転シャフトの外面に固定されるバランスウェイトであって、互いに間隔を置いて配置されており、前記回転シャフトに固定可能な合わせ面を有する2つのセグメントと、前記2つのセグメントを連結する、少なくとも1つの連結部と、を有し、前記少なくとも1つの連結部は、前記セグメントの前記合わせ面よりも外側にアーチ状に突出する連結部である。
本発明に係るバランスウェイトによれば、前記連結部がアーチ状に突出した分、当該連結部の領域が広く大きな可動域となることにより、前記回転シャフトとの固定部に集中する応力を緩和させることができる。
【0007】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記セグメントは、前記アーチ状の一部を形作るように、前記少なくとも1つの連結部と共に突出する突出部を有するものとすることができる。
この場合、可動域が増加することにより、前記回転シャフトとの固定部に集中する応力をより緩和させることができる。
【0008】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記少なくとも1つの連結部は、前記2つのセグメントと共に隙間を区画し、前記隙間が、切り込みであるものとすることができる。
この場合、1つの連結部を主な可動域として、前記連結部が可動し易くなることにより、前記回転シャフトとの固定部に集中する応力をより緩和させることができる。
【0009】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記切り込みは、前記連結部を挟んだ二箇所の位置に配置されているものとすることができる。
この場合、1つの連結部を主な可動域として、複数の固定部に集中する応力を当該固定部のそれぞれに対してバランスよく分散させつつ、前記応力の集中を緩和させることができる。
【0010】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記切り込みの先端側の輪郭形状は、平面視で、半円形状であるものとすることができる。
この場合、連結部と切り込みとの応力の集中を緩和させることができる。
【0011】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記切り込みの先端側の輪郭形状は、平面視で、円形状であるものとすることができる。
この場合、連結部と切り込みとの応力の集中を緩和させることができる。
【0012】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記少なくとも1つの連結部は、2つの連結部であり、前記2つの連結部は、前記2つのセグメントと共に隙間を区画し、前記隙間は、孔とすることができる。
この場合、バランスウェイトの剛性を十分に確保しつつ、回転シャフトとの固定部に集中する応力を緩和させることができる。
【0013】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記孔は長孔とすることができる。
この場合、連結部への応力の集中を緩和させることができる。
【0014】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記セグメントは、当該セグメントの前記合わせ面に溶接用のプロジェクションを有するものとすることができる。
この場合、溶接を行う位置の選択の自由度を大きく確保しつつ、回転シャフトとの固定部に集中する応力を緩和させることができる。
【0015】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記セグメントは、平面視において、前記セグメントの輪郭線の一部を突出させてなる、溶接用の張出部を有するものとすることができる。
この場合、セグメントの輪郭線の一部を突出させて溶接部とすることにより、溶接幅が短く制限される。このため、回転シャフトに対してバランスウェイトを固定した状態では、当該バランスウェイトに対する回転シャフトの拘束力が弱まる。これにより、回転シャフトとの固定部に集中する応力を更に緩和させることができる。
【0016】
本発明に係るバランスウェイトにおいて、前記セグメントは、板状のセグメントで構成されているものとすることができる。
この場合、バランスウェイトを一体物として容易に製造することができる。
【0017】
本発明に係る、バランスウェイト付き回転シャフトでは、回転シャフトと、前記回転シャフトの外面に固定された、上記いずれかに記載のバランスウェイトと、を有する。
本発明に係るバランスウェイト付き回転シャフトによれば、バランスウェイトと回転シャフトとの固定部に集中する応力を緩和させることにより、製品寿命の向上が図られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回転シャフトとの固定部に集中する応力を緩和させることができるバランスウェイトを提供することができる。また本発明によれば、製品寿命の向上が図られた、バランスウェイト付き回転シャフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係るバランスウェイトを適用した、本発明の第一の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトを示す平面図である。
【
図2A】
図1のバランスウェイト付き回転シャフトの要部を示す平面図である。
【
図3A】本発明の第二の実施形態に係るバランスウェイトを
図1の回転シャフトに適用した、本発明の第二の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトの要部を示す平面図である。
【
図4A】本発明の第三の実施形態に係るバランスウェイトを
図1の回転シャフトに適用した、本発明の第三の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトの要部を示す平面図である。
【
図5A】本発明の第四の実施形態に係るバランスウェイトを
図1の回転シャフトに適用した、本発明の第四の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトの要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。
【0021】
図1中、符号100は、本発明の第一の実施形態に係るバランスウェイト10を適用した、本発明の第一の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトである。バランスウェイト付き回転シャフト100は、回転シャフト110と、回転シャフト110の外面に固定されたバランスウェイト10と、を有している。回転シャフト110は、軸線Oに沿って延在している。回転シャフト110は、軸線Oの周りに回転可能である。回転シャフト110は、軸線O周りに回転させたとき、バランスウェイト10によって、回転バランスが安定的に保たれる。
【0022】
本実施形態では、回転シャフト110は、車両の動力伝達系に採用可能なプロペラシャフトである。本実施形態では、回転シャフト110は、円筒形のシャフト本体111と、シャフト本体111の一端に固定された端部112と、シャフト本体111の他端に固定された端部113と、で構成されている。本実施形態では、回転シャフト110の端部112及び113が自在継手の一部を構成している。回転シャフト110の端部112及び113の構成は、動力伝達系内に回転シャフト110を接続する方法に応じて、適宜変更することができる。
【0023】
本実施形態では、
図1に示すように、回転シャフト110のシャフト本体111の一方の側(本実施形態では、図面手前側)には、2つのバランスウェイト10が固定されている。2つのバランスウェイト10は、軸線Oの方向に間隔を置いて固定されている。本実施形態では、シャフト本体111の他方の側(本実施形態では、図面裏側)にも、図示の一方の側と同様に、2つのバランスウェイト10が固定されている(図示省略。)。即ち、本実施形態では、回転シャフト110に対して、合計4つのバランスウェイト10が固定されている。
【0024】
図1に示すバランスウェイト10は、本発明の第一の実施形態に係るバランスウェイトである。
【0025】
図2A及び
図2Bに示すように、バランスウェイト10は、互いに間隔を置いて配置されており、回転シャフト110(本実施形態では、シャフト本体111)に固定可能な2つのセグメント11を有している。セグメント11は、
図2Bに示すように、外面12と内面13とを有している。本実施形態において、セグメント11は、
図2Bに示すように、外面12と内面13との間の厚みが薄い、板状のセグメントである。本実施形態では、セグメント11は、
図2Aに示すように、平面視で、長手方向(バランスウェイト10の短手方向)に延びる輪郭線L1と、当該輪郭線L1に対して直交する短手方向(バランスウェイト10の長手方向)に延びる輪郭線L2とで区画された、矩形状の形状に形作られている。
【0026】
本実施形態に係るバランスウェイト10では、セグメント11は、
図2Bに示すように、軸線方向視で、回転シャフト110(本実施形態では、シャフト本体111)の外面Fに合わさるように、湾曲した合わせ部11aを有している。セグメント11の合わせ部11aでは、当該セグメント11の内面13は、回転シャフト110の外面Fと合わさる、合わせ面13aで構成されている。セグメント11の合わせ面13aは、例えば、
図2Bに示すように、軸線方向視で、バランスウェイト10を回転シャフト110に固定させた状態で、回転シャフト110の外面Fに一致させることができる。
【0027】
また、バランスウェイト10は、2つのセグメント11を連結する、少なくとも1つの連結部Cを有している。連結部Cは、
図2Bに示すように、各セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出する連結部である。ここで、「外側」とは、セグメント11の内面13から外面12に向かう側である。
【0028】
連結部Cは、
図2Bに示すように、2つのセグメント11の間からアーチ状に突出し、回転シャフト110との間に空間Sを形成している。詳細には、連結部Cの内面14は、例えば、
図2Bに示すように、軸線方向視で、バランスウェイト10を回転シャフト110に固定させた状態で、回転シャフト110の外面Fとの間に、空間Sを形成している。即ち、本発明において、「セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出する連結部C」とは、
図2Bに示すように、セグメント11を回転シャフト110に固定した状態で、バランスウェイト10と回転シャフト110との間に空間Sが形成されるような形状の連結部である。
【0029】
更に、本実施形態に係るバランスウェイト10では、セグメント11は、
図2Bに示すように、軸線方向視で、前記アーチ状の一部を形作るように、連結部Cと共に突出する突出部11bを有している。
【0030】
突出部11bは、各セグメント11の連結部C側に設けられている。突出部11bは、連結部Cに繋がっている。これによって、本実施形態では、連結部Cは、2つのセグメント11の突出部11bと共に、セグメント11の合わせ面13aから立ち上がり、セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出している。言い換えれば、セグメント11の突出部11bでは、当該セグメント11の内面13は、セグメント11の合わせ面13aと連結部Cの内面14とを繋ぐ、立ち上り面13bで構成されている。セグメント11の突出部11bにおける立ち上り面13bは、例えば、
図2Bに示すように、軸線方向視で、セグメント11の合わせ面13aから連結部Cの内面14に向かって立ち上がっている。セグメント11の立ち上り面13bは、例えば、
図2Bに示すように、軸線方向視で、バランスウェイト10を回転シャフト110に固定させた状態で、連結部Cの内面14と共に、空間Sを形成している。
【0031】
更に、本実施形態に係るバランスウェイト10では、
図2A及び
図2Bに示すように、連結部Cは、2つのセグメント11と共に隙間Gを区画し、前記隙間Gは、切り込み18である。このように、連結部Cは、少なくとも1つの切り込み18によって形作ることができる。切り込み18は、2つのセグメント11それぞれの外面12から内面13まで至っている。言い換えれば、切り込み18は、バランスウェイト10を貫通している。
【0032】
本実施形態に係るバランスウェイト10では、切り込み18は、
図2Aに示すように、連結部Cを挟んだ二箇所の位置に配置されている。2つの切り込み18は、
図2Aに示すように、平面視で、バランスウェイト10の両側に、互いの切り込み18の先端18eが向かい合わせになるように配置されている。本実施形態では、連結部Cは、2つの切り込み18の先端18e側の相互間に位置し、セグメント11の輪郭線L1方向における全体幅W10よりも狭幅の連結部である。この場合、連結部15は、
図2Aに示すように、平面視で、2つの切り込み18の先端18e側の形状によって、その外縁が輪郭付けられた連結部となる。連結部15は、
図2Aに示すように、平面視で、互いに接近する2つの曲線(切り込み18の先端18e側の形状を描く線)によって、その外縁が輪郭付けられている。このため、
図2Aに示すように、平面視で、当該連結部15の幅がアーチ状の上部に向かうに従って、両側から均等に狭くなるような、立体形状を有している。
【0033】
また、本実施形態に係るバランスウェイト10では、2つの切り込み18は、セグメント11の輪郭線L2の方向の、バランスウェイト10の中心の位置に配置されている。ただし、2つの切り込み18は、セグメント11の輪郭線L2の方向の、バランスウェイト10の任意の位置に配置することができる。また、2つの切り込み18の先端18eは、セグメント11の輪郭線L2を基点に任意の位置に配置することができる。切り込み18の長さ(切り込み18の先端18eとセグメント11の輪郭線L2との間の長さ)Lも、適宜調整することができる。更に、本実態形態に係るバランスウェイト10では、切り込み18の長さLは、2つの切り込み18の長さLが等しくなるように設定されている。ただし、切り込み18の幅d、長さL及びバランスウェイト10全体における位置は、適宜選択することができる。2つの切り込み18は、輪郭線L1に沿う方向に延在している。ただし、切り込み18は、平面視で、輪郭線L1及びL2に対し、斜めであってもよい。
【0034】
ところで、本実態形態に係るバランスウェイト10では、切り込み18の先端18e側の輪郭形状は、
図2Aに示すように、平面視で、半円形状である。切り込み18は、
図2Aに示すように、同一の幅dで延在する切り込み本体部18aと、切り込み本体部18aと繋がる切り込み先端部18bと、を有している。切り込み18の先端18e側の輪郭形状は、切り込み先端部18bの輪郭形状で形作られている。本実施形態では、切り込み先端部18bの輪郭形状は、半径r=d/2の半円形状となっている。
【0035】
本実施形態では、バランスウェイト10は、回転シャフト110の外面Fに対して溶接によって固定されている。本実施形態では、2つのセグメント11は、それぞれ、
図2B等に示すように、当該セグメント11の合わせ面13aに溶接用のプロジェクションPを有している。
【0036】
本実施形態に係るバランスウェイト10では、プロジェクションPは、セグメント11と一体に構成されている。プロジェクションPは、セグメント11の合わせ面13aから突出し、回転シャフト110の外面Fに接触させることができる。
図2Bに示すように、本実施形態では、バランスウェイト10は、プロジェクションPを回転シャフト110の外面Fに接触させた状態で、当該プロジェクションPに通電させることで、回転シャフト110に対して溶接される。即ち、溶接後のプロジェクションPは、バランスウェイト10と回転シャフト110との溶接部(固定部)70になる。これにより、バランスウェイト付き回転シャフト100は、軸線O周りに回転させたとき、バランスウェイト10によって、回転バランスが安定的に保たれる。
【0037】
本実施形態に係るバランスウェイト10は、2つのセグメント11を連結する連結部15を有し、バランスウェイト10に伝わる力を逃がす、逃げ構造を有している。本実施形態では、連結部15は、
図2Aに示すように、平面視で、切り込み18で形作られている。更に、連結部15は、アーチ状に突出している。本実施形態に係るバランスウェイト10によれば、回転シャフト110からの力が2つのセグメント11それぞれの溶接部70に対して相対的に加わったとき、具体的には、溶接部70の相互間に、捻り力等が加わったときも、
図2Bに示すように、連結部15がアーチ状に突出した分、当該連結部15の領域が広く大きな可動域となる。これにより、溶接部70に集中する応力を緩和させることができる。
【0038】
また、本実施形態に係るバランスウェイト10では、セグメント11は、前記アーチ状の一部を形作るように、連結部Cと共に突出する突出部11bを有している。この場合、可動域が増加することにより、回転シャフト110との溶接部70に集中する応力をより緩和させることができる。
【0039】
また、本実施形態に係るバランスウェイト10において、連結部15は、
図2Aに示すように、平面視で、2つのセグメント11と共に隙間Gを区画し、前記隙間Gは、切り込み18である。この場合、1つの連結部15を主な可動域として、連結部15が可動し易くなることにより、溶接部70に集中する応力をより緩和させることができる。
【0040】
特に、本実施形態に係るバランスウェイト10では、切り込み18は、連結部15を挟んだ二箇所の位置に配置されている。この場合、1つの連結部15を主な可動域として、複数の溶接部70に集中する応力を当該溶接部70のそれぞれに対してバランスよく分散させつつ、前記応力の集中を緩和させることができる。
【0041】
更に、本実施形態に係るバランスウェイト10では、切り込み18の先端18e側の輪郭形状は、
図2Aに示すように、平面視で、半円形状である。この場合、連結部15と切り込み18との応力の集中を緩和させることができる。
【0042】
また、本実施形態に係るバランスウェイト10において、セグメント11は、
図2Bに示すように、軸線方向視で、当該セグメント11の合わせ面13aに溶接用のプロジェクションPを有している。この場合、溶接部70は、平面視でセグメント11の任意の位置に配置することができる。従って、溶接を行う位置の選択の自由度を大きく確保しつつ、溶接部70に集中する応力を緩和させることができる。
【0043】
ところで、本実施形態に係るバランスウェイト10は、他の溶接方法を用いて、回転シャフト110の外面Fに対して固定することもできる。例えば、バランスウェイト10は、輪郭線L1の少なくとも一部を溶接することにより、回転シャフト110に対して固定することができる。
【0044】
図3A及び
図3B中、符号200は、本発明の第二の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトである。バランスウェイト付き回転シャフト200は、
図3Bに示すように、
図1の回転シャフト110の外面Fにバランスウェイト20を溶接したものである。バランスウェイト20は、本発明の第二の実施形態に係るバランスウェイトである。バランスウェイト20は、バランスウェイト10の変形例である。以下、
図1、
図2A及びBと実質的に同一の部分は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
【0045】
本実施形態に係るバランスウェイト20では、
図3A及び
図3Bに示すように、セグメント11は、溶接用の張出部21を有している。張出部21は、
図3Aに示すように、セグメント11の平面視における輪郭線L1の一部を突出させてなる。
図3Bに示すように、張出部21は、回転シャフト110の外面Fに溶接するための溶接部である。符号70は、溶接後の溶接部を示す。
【0046】
張出部21は、
図3Aに示すように、平面視で、セグメント11の輪郭線L1から、セグメント11の輪郭線L2が延在する方向に沿って突出している。本実施形態では、張出部21は、
図3Aに示すように、平面視で、セグメント11の輪郭線L1から矩形状をなして突出している。本実施形態のように、張出部21を矩形状に突出させれば、溶接領域(溶接面積)を広く確保することができる。なお、張出部21の形状は、適宜選択することができる。例えば、張出部21は、平面視で、半円形状、ドーム形状等の曲線形状等に突出させることができる。
【0047】
本実施形態に係るバランスウェイト20では、セグメント11に張出部21を設け、当該張出部21を溶接部としている。この場合、セグメント11の溶接幅(固定幅)は、張出部21の輪郭線L1方向における幅W21となる。張出部21の幅W21は、セグメント11の輪郭線L1方向における全体幅W20にくらべて短く制限される。即ち、セグメント11の輪郭線L1の一部を突出させて溶接部とすることにより、溶接幅が短く制限される。このように、セグメント11の溶接幅、即ち、バランスウェイト20の溶接幅を短く制限すれば、回転シャフト110に対してバランスウェイト20を固定した状態では、回転シャフト110からの力が2つのセグメント11それぞれの溶接部70に対して相対的に加わったとき、具体的には、溶接部70の相互間に、捻り力等が加わったときの、バランスウェイト20に対する回転シャフト110の拘束力が弱まる。従って、本実施形態に係るバランスウェイト20によれば、溶接部70に集中する応力を更に緩和させることができる。
【0048】
次いで、
図4A及び
図4B中、符号300は、本発明の第三の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトである。バランスウェイト付き回転シャフト300は、
図4Bに示すように、
図1の回転シャフト110の外面Fにバランスウェイト30を溶接したものである。バランスウェイト30は、本発明の第三の実施形態に係るバランスウェイトである。バランスウェイト30は、バランスウェイト20の変形例である。以下、
図1、
図2A及びB、
図3A及びBと実質的に同一の部分は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
【0049】
本実施形態に係るバランスウェイト30もまた、2つのセグメント11を連結する、少なくとも1つの連結部35を有している。また、本実施形態では、逃げ構造として、連結部35を有している。連結部35は、第一の実施形態に係る連結部15と同様、
図4Bに示すように、各セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出する連結部である。
【0050】
本実施形態に係るバランスウェイト30も、バランスウェイト20と同様、連結部35は、2つのセグメント11の間からアーチ状に突出し、回転シャフト110との間に空間Sを形成している。詳細には、連結部35の内面34は、例えば、
図4Bに示すように、軸線方向視で、バランスウェイト30を回転シャフト110に溶接させた状態で、回転シャフト110の外面Fとの間に、空間Sを形成している。
【0051】
更に、本実施形態に係るバランスウェイト30でも、
図4A及び
図4Bに示すように、連結部35は、2つのセグメント11と共に隙間Gを区画し、前記隙間Gは、切り込み18である。即ち、本実施形態もまた、前記逃げ構造は、少なくとも1つの切り込み18によって形作られた連結部35で構成されている。
【0052】
本実施形態に係るバランスウェイト30も、他のバランスウェイト10及び20と同様、切り込み18は、
図4Aに示すように、連結部Cを挟んだ二箇所の位置に配置されている。即ち、本実施形態では、連結部35は、セグメント11の輪郭線L1方向における全体幅W30よりも狭幅の連結部である。この場合も、連結部35は、
図4Aに示すように、平面視で、2つの切り込み18の先端18e側の形状によって、その外縁が輪郭付けられた連結部となる。連結部35は、
図4Aに示すように、平面視で、互いに接近する2つの曲線(切り込み18の先端18e側の形状を描く線)によって、その外縁が輪郭付けられている。このため、連結部35は、
図4Aに示すように、平面視で、当該連結部16の幅がアーチ状の上部に向かうに従って、両側から均等に狭くなるような、立体形状を有している。但し、本実施形態では、以下の点が、バランスウェイト10及び20と異なる。
【0053】
本実態形態に係るバランスウェイト30では、切り込み18の先端18e側の輪郭形状は、
図4Aに示すように、平面視で、円形状である。切り込み18は、
図4Aに示すように、平面視で、同一の幅dで延在する切り込み本体部18aと、切り込み本体部18aと繋がる切り込み先端部18cと、を有している。切り込み18の先端18e側の輪郭形状は、切り込み先端部18cで形作られている。切り込み先端部18cの輪郭形状は、切り込み本体部18a側の一部を除き、d/2よりも大きな半径Rの円形状となっている。
【0054】
本実施形態に係るバランスウェイト30も、2つのセグメント11を連結する連結部35を有し、バランスウェイト30に伝わる力を逃がす、逃げ構造を有している。本実施形態でも、連結部35は、
図4Aに示すように、平面視で、2つのセグメント11と共に隙間Gを区画し、前記隙間Gは、切り込み18である。更に、連結部35も、各セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出する連結部である。本実施形態に係るバランスウェイト30によれば、回転シャフト110からの力が2つのセグメント11それぞれの溶接部70に対して相対的に加わったとき、具体的には、溶接部70の相互間に、捻り力等が加わったときも、
図4Bに示すように、連結部16がアーチ状に突出した分、当該連結部16の領域が広く大きな可動域となる。これにより、溶接部70に集中する応力を緩和させることができる。
【0055】
特に、本実施形態に係るバランスウェイト30では、切り込み18の先端18e側の輪郭形状は、
図4Aに示すように、平面視で、円形状である。この場合、連結部35と切り込み18との応力の集中を緩和させることができる。
【0056】
次いで、
図5A及び
図5B中、符号400は、本発明の第四の実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフトである。バランスウェイト付き回転シャフト400は、
図5Bに示すように、
図1の回転シャフト110の外面Fにバランスウェイト40を溶接したものである。バランスウェイト40は、本発明の第四の実施形態に係るバランスウェイトである。バランスウェイト40は、バランスウェイト20の他の変形例である。以下、
図1、
図2A及びB、
図3A及びB、
図4A及びBと実質的に同一の部分は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
【0057】
本発明によれば、連結部Cは、少なくとも1つとすることができる。本実施形態に係るバランスウェイト40では、
図5Aに示すように、連結部Cは、2つの連結部45である。また、本実施形態では、前記逃げ構造として、連結部45を有している。連結部45は、他の実施形態に係る連結部15及び35と同様、
図5Bに示すように、各セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出する連結部である。
【0058】
本実施形態に係るバランスウェイト40もまた、
図5Bに示すように、連結部45は、2つのセグメント11の間からアーチ状に突出し、回転シャフト110との間に空間Sを形成している。詳細には、連結部45の内面44は、例えば、
図5Bに示すように、軸線方向視で、バランスウェイト40を回転シャフト110に溶接させた状態で、回転シャフト110の外面Fとの間に、空間Sを形成している。
【0059】
更に、本実施形態に係るバランスウェイト40では、
図5A及び
図5Bに示すように、2つの連結部45は、
図5Aに示すように、平面視で、2つのセグメント11と共に隙間Gを区画し、隙間Gは、孔19である。即ち、本実施形態では、前記逃げ構造は、少なくとも1つの孔19によって形作られた複数の連結部45で構成されている。このように、複数の連結部45は、少なくとも1つの孔19によって形作ることができる。孔19は、2つのセグメント11それぞれの外面12から内面13まで至っている。言い換えれば、孔19は、バランスウェイト40を貫通している。
【0060】
本実施形態に係るバランスウェイト40では、
図5Aに示すように、平面視で、孔19は、2つのセグメント11の間に配置されている。本実施形態では、バランスウェイト40の中心に配置されている。本実施形態では、バランスウェイト40は、
図5Aに示すように、平面視で、短手方向に延びる輪郭線L3と、長手方向に延びる輪郭線L4とで区画された本体部を有している。前記本体部は、
図5Aに示すように、平面視で、矩形の形状に形作られている。本実施形態では、連結部45は、バランスウェイト40の輪郭線L4と孔19との相互間に位置し、バランスウェイト40の輪郭線L3方向における全体幅W40よりも狭幅の連結部である。この場合、連結部45は、バランスウェイト40の輪郭線L4と孔19の先端19e側の形状とによって、その外縁が輪郭付けられた連結部となる。連結部45は、
図5Aに示すように、平面視で、一方が他方に接近する、曲線(本実施形態では、孔19の先端19e側の形状を描く線)及び直線(本実施形態では、バランスウェイト40の輪郭線L4)によって、その外縁が輪郭付けられている。このため、連結部45は、
図5Aに示すように、平面視で、当該連結部45の幅がアーチ状の上部に向かうに従って、片側に偏って狭くなるような、立体形状を有している。
【0061】
また、本実施形態に係るバランスウェイト40では、孔19は、バランスウェイト40の輪郭線L4の方向の、当該輪郭線L4の中心の位置に配置されている。ただし、孔19は、バランスウェイト40の輪郭線L4の方向の、任意の位置に配置することができる。また、孔19のそれぞれの先端19eは、バランスウェイト40の輪郭線L4に向かって、任意の位置に配置することができる。孔19の長さ(2つの先端19eの間の長さ)Lも、適宜調整することができる。更に、本実態形態に係るバランスウェイト40では、孔19は、バランスウェイト40の輪郭線L3の中心を通り、バランスウェイト40の輪郭線L4に沿って伸びる線に対して線対称となっている。言い換えれば、孔19は、2つの連結部45の幅が等しくなるように配置されている。孔19の幅d、長さL及びバランスウェイト10全体における位置は、適宜選択することができる。2つの孔19は、輪郭線L3に沿う方向に延在している。ただし、孔19は、平面視で、バランスウェイト40の輪郭線L3及びL4に対し、斜めであってもよい。
【0062】
特に、本実施形態では、孔19は、
図5Aに示すように、平面視で、長孔である。より具体的には、孔19は、
図5Aに示すように、同一の幅dで延在する孔本体部19aと、孔本体部19aの各側と繋がる孔先端部19bと、を有している。孔19の両方の先端19e側の輪郭形状は、孔先端部19bの輪郭形状で形作られている。本実施形態では、孔先端部19bの輪郭形状は、半径r=d/2の半円形状となっている。
【0063】
本実施形態に係るバランスウェイト40も、2つのセグメント11を連結する連結部45を有し、バランスウェイト40に伝わる力を逃がす、逃げ構造を有している。2つの連結部45は、孔19で形作られている。更に、連結部45も、各セグメント11の合わせ面13aよりも外側にアーチ状に突出する連結部である。本実施形態に係るバランスウェイト40によっても、回転シャフト110からの力が2つの溶接部70に対して相対的に加わったとき、具体的には、溶接部70の相互間に、捻り力等が加わったとき、
図5Bに示すように、連結部17がアーチ状に突出した分、当該連結部17の領域が広く大きな可動域となる。これにより、溶接部70に集中する応力を緩和させることができる。
【0064】
特に、本実施形態に係るバランスウェイト40では、2つの連結部45は、2つのセグメント11と共に隙間Gを区画し、前記隙間Gは、孔19としている。この場合、回転シャフト110からの力が2つのセグメント11それぞれの溶接部70に対して相対的に加わったとき、具体的には、溶接部70の相互間に、捻り力等が加わったときも、バランスウェイト40の剛性を十分に確保しつつ、回転シャフト110との溶接部70に集中する応力を緩和させることができる。
【0065】
更に、本実施形態に係るバランスウェイト40では、孔19は長孔である。この場合、連結部45への応力の集中を緩和させることができる。
【0066】
なお、本発明によれば、孔19の形状は、特に限定されない。例えば、楕円形孔、長方形孔等の多角形長孔等とすることができる。また、孔19は、長孔ではなく、円形孔、正方形孔等の正多角形孔等とすることができる。
【0067】
上述した各実施形態に係るバランスウェイト10~40ではいずれも、セグメント11は、板状のセグメントで構成されている。この場合、バランスウェイト10~40は、例えば、1枚の板状部材を用いたプレス加工等により、一体物として容易に製造することができる。
【0068】
また、上述した各実施形態では、セグメント11の基本形状は、平面視で、矩形の形状を基本としているが、矩形の形状以外の多角形状、円形状、楕円形状等、様々な形状とすることができる。即ち、上述した各実施形態では、バランスウェイト10~40全体の輪郭形状は、平面視で、2つの矩形のセグメント11を合わせた矩形の形状を基本としているが、本発明に係るバランスウェイトの基本的な輪郭形状は、矩形の形状に限定されるものではない。例えば、本発明に係るバランスウェイトの基本的な輪郭形状も、矩形の形状以外の多角形状、円形状、楕円形状等、様々な形状とすることができる。
【0069】
また、上述した各実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフト100~400は、回転シャフト110と、回転シャフト110の外面Fに固定された、バランスウェイト10~40のいずれかと、を有している。本実施形態に係るバランスウェイト付き回転シャフト100~400によれば、溶接部70に集中する応力を緩和させることにより、製品寿命の向上が図られる。
【0070】
上述のとおり、本発明によれば、回転シャフト110との溶接部70に集中する応力を緩和させることができるバランスウェイト10~40を提供することができる。また本発明によれば、製品寿命の向上が図られた、バランスウェイト付き回転シャフト100~400を提供することができる。
【0071】
上述したところは、本発明の様々な実施形態の一例であって、特許請求の範囲の記載によれば、種々の変更が可能である。例えば、上述した各実施形態に係るバランスウェイト10~40では、連結部Cは、セグメント11の突出部11bに接続されているが、セグメント11の合わせ部11aに直結することができる。即ち、本発明によれば、セグメント11の突出部11b(立ち上り面13b)は省略することができる。
【0072】
また、上述した各実施形態に係るバランスウェイト10~40は、セグメント11の輪郭線L1(バランスウェイトの輪郭線L3)が軸線Oに対して平行に配置されるように、回転シャフト110の外面Fに対して固定されている。しかしながら、本発明に係るバランスウェイトは、セグメント11の輪郭線L2(バランスウェイトの輪郭線L4)が軸線Oに対して平行に配置されるように、回転シャフト110の外面Fに対して固定することもできる。
【0073】
また、上述した各実施形態に係るバランスウェイト10~40では、隙間Gは、それぞれの平面視で、セグメント11の輪郭線L1(バランスウェイトの輪郭線L3)に沿った方向に延在している。しかしながら、隙間Gの延在方向は、回転シャフト110に対して固定されるバランスウェイト10~40の向きに応じて適宜変更することができる。また、隙間Gの形状、個数及び配置も、連結部Cの形状、個数及び配置に応じて、適宜変更することができる。
【0074】
更に、バランスウェイトは、回転シャフト110に対して溶接する以外にも、ボルト等の締結要素を用いて締結することもできる。更に上述した各実施形態に係る、バランスウェイト置及びバランスウェイト付き回転シャフトの各構成は、互いに適宜に置き換えて、又は、組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0075】
10:バランスウェイト(第一の実施形態), 11:セグメント, 11a:合わせ部, 11b:突出部, 12:セグメントの外面, 13:セグメントの内面, 13a:合わせ面, 13b:立ち上り面, 14:連結部の内面, 15:連結部, 18:切り込み, 18a:切り込み本体部, 18b:切り込み先端部(切り込みの先端側), 18c:切り込み先端部(切り込みの先端側), 18e:切り込みの先端, 19:孔, 19a:孔本体部, 19b:孔先端部(孔の先端側), 19e:孔の先端, 20:バランスウェイト(第二の実施形態), 21:張出部, 30:バランスウェイト(第三の実施形態), 34:連結部の内面, 35:連結部, 40:バランスウェイト(第四の実施形態), 44:連結部の内面, 45:連結部,100:バランスウェイト付き回転シャフト(第一の実施形態), 110:回転シャフト, 200:バランスウェイト付き回転シャフト(第二の実施形態), 300:バランスウェイト付き回転シャフト(第三の実施形態), 400:バランスウェイト付き回転シャフト(第四の実施形態), C:連結部, d:切り込み(孔)の幅, G:隙間, L:切り込み(孔)の長さ, L1:セグメントの(長辺側の)輪郭線, L2:セグメントの(短辺側の)輪郭線, L3:バランスウェイトの(短辺側の)輪郭線, L4:バランスウェイトの(長辺側の)輪郭線, P:プロジェクション, R:切り込み先端部の半径, r:切り込み先端部(孔先端部)の半径, S:空間, 70:溶接部(固定部)