(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】文字列表示装置および文字列表示方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/32 20060101AFI20220620BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220620BHJP
G09G 5/22 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
G09G5/32 630
G09G5/00 510B
G09G5/22 630D
(21)【出願番号】P 2018140239
(22)【出願日】2018-07-26
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390026387
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(72)【発明者】
【氏名】生島 和正
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-167962(JP,A)
【文献】特開昭60-125886(JP,A)
【文献】特開2017-125934(JP,A)
【文献】特開平07-137222(JP,A)
【文献】特開2001-060084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/32
G09G 5/00
G09G 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元状に配列された複数の表示素子を備える文字列表示部と、
前記複数の表示素子の表示状態を制御することで所定の文字列パターンを文字列表示部に表示させる表示制御部と、を備える文字列表示装置において、
前記表示制御部は、前記文字列パターンの連続する文字パターン間に余白列を設けないようにし、かつ、前記連続する文字パターンにそれぞれ対応する2つの表示素子が互いに隣接する場合に前記隣接する表示素子の一方に対応する文字パターン部分を表示させないようにした前記
連続する文字パターンからなる文字列パターンを前記文字列表示部に表示させる、文字列表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記連続する文字パターンが左右に連続する場合には、前記隣接する表示素子のうち右側または左側の文字パターンに対応する表示素子に対応する文字パターン部分を表示させないようにした文字列パターンを前記文字列表示部に表示させる、請求項1に記載の文字列表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記連続する文字パターンが上下に連続する場合には、前記隣接する表示素子のうち上側または下側の文字パターンに対応する表示素子に対応する文字パターン部分を表示させないようにした文字列パターンを前記文字列表示部に表示させる、請求項1に記載の文字列表示装置。
【請求項4】
前記連続する文字パターンがいずれも漢字に対応する文字パターンである、請求項1ないし3のいずれかに記載の文字列表示装置。
【請求項5】
前記文字パターンを構成する線の幅が、一つの表示素子の幅である、請求項1ないし4のいずれかに記載の文字列表示装置。
【請求項6】
前記文字列表示部が、前記表示素子に電圧を印加することにより、または、前記表示素子に電圧を印加しないことにより文字列パターンを表示させる、請求項1ないし5のいずれかに記載の文字列表示装置。
【請求項7】
前記文字列表示部は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまたは電子ペーパーを有し、前記複数の表示素子は、前記液晶ディスプレイ、前記有機ELディスプレイまたは前記電子ペーパーを構成する表示素子である、請求項1ないし6のいずれかに記載の文字列表示装置。
【請求項8】
前記文字列表示部は、プロジェクターの投影面を有し、前記複数の表示素子は、前記プロジェクター
の投影用の表示素子である、請求項1ないし6のいずれかに記載の文字列表示装置。
【請求項9】
二次元状に配列された複数の表示素子を備える文字列表示装置において、前記複数の表示素子の表示状態を制御することで、所定の文字列パターンを前記文字列表示装置に表示させる文字列表示方法であって、
前記文字列パターンの連続する文字パターン間に余白列を設けないようにし、かつ、前記連続する文字パターンにそれぞれ対応する2つの表示素子が互いに隣接する場合に前記隣接する表示素子の一方に対応する文字パターン部分を表示させないようにした前記
連続する文字パターンからなる文字列パターンを前記文字列表示装置に表示させる、文字列表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字パターンをドット形式で表現した文字フォントを用いてドットマトリクス形式で文字列を表示する文字列表示装置および文字列表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置において、連続する文字パターンからなる文字列パターンを表示する場合に、連続する文字パターン間に余白列を設けることで、文字列の可読性を高くする技術が知られている(たとえば特許文献1)。
また、連続する文字パターン間に余白列を設けてしまうと、その分だけ、表示スペースが減少してしまうため、余白列を設けずに連続する文字パターン同士を接して表示するとともに、各文字パターンに対応する表示素子の階調、濃淡、色相などを変化させることで、連続する文字パターン間の余白列を取り除いた場合でも、文字列の可読性を高くする技術が知られている(たとえば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-129353号公報
【文献】特開2009-258221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2では、文字パターンの表示素子の階調、濃淡、色相などを制御する機構が必要となり、装置が複雑となり高価となってしまうという問題があった。そのため、より容易かつ安価に、表示スペースを有効に活用することができ、かつ、文字列の可読性を高くすることができる技術が望まれていた。
【0005】
本発明は、容易かつ安価に、表示スペースを有効に活用することができ、かつ、文字列の可読性を高くすることができる文字列表示装置および文字列表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る文字列表示装置は、二次元状に配列された複数の表示素子を備える文字列表示部と、前記複数の表示素子の表示状態を制御することで所定の文字列パターンを文字列表示部に表示させる表示制御部と、を備える文字列表示装置において、前記表示制御部は、前記文字列パターンの連続する文字パターン間に余白列を設けないようにし、かつ、前記連続する文字パターンにそれぞれ対応する2つの表示素子が互いに隣接する場合に前記隣接する表示素子の一方に対応する文字パターン部分を表示させないようにした前記連続する文字パターンからなる文字列パターンを前記文字列表示部に表示させる。
上記文字列表示装置において、前記表示制御部は、前記連続する文字パターンが左右に連続する場合には、前記隣接する表示素子のうち右側または左側の文字パターンに対応する表示素子を表示させないようにした文字列パターンを前記文字列表示部に表示させるように構成することができる。
上記文字列表示装置において、前記表示制御部は、前記連続する文字パターンが上下に連続する場合には、前記隣接する表示素子のうち上側または下側の文字パターンに対応する表示素子に対応する文字パターン部分を表示させないようにした文字列パターンを前記文字列表示部に表示させるように構成することができる。
【0007】
上記文字列表示装置において、前記連続する文字パターンがいずれも漢字に対応する文字パターンであるように構成することができる。
上記文字列表示装置において、前記文字パターンを構成する線の幅が、一つの表示素子の幅であるように構成することができる。
上記文字列表示装置において、前記文字列表示部が、前記表示素子に電圧を印加することにより、または、前記表示素子に電圧を印加しないことにより文字列パターンを表示させるように構成することができる。
上記文字列表示装置において、前記文字列表示部は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまたは電子ペーパーを有し、前記複数の表示素子は、前記液晶ディスプレイ、前記有機ELディスプレイまたは前記電子ペーパーを構成する表示素子であるように構成することができる。
上記文字列表示装置において、前記文字列表示部は、プロジェクターの投影面を有し、前記複数の表示素子は、前記プロジェクターの投影用の表示素子であるように構成することができる。
【0008】
本発明に係る文字列表示方法は、二次元状に配列された複数の表示素子を備える文字列表示装置において、前記複数の表示素子の表示状態を制御することで、所定の文字列パターンを前記文字列表示装置に表示させる文字列表示方法であって、前記文字列パターンの連続する文字パターン間に余白列を設けないようにし、かつ、前記連続する文字パターンにそれぞれ対応する2つの表示素子が互いに隣接する場合に前記隣接する表示素子の一方に対応する文字パターン部分を表示させないようにした前記文字列パターンを前記連続する文字パターンからなる文字列表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容易かつ安価に、表示スペースを有効に活用することができ、かつ、文字列の可読性を高くすることができる文字列表示装置および文字列表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る文字列表示装置のブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る表示素子群を説明するための図である。
【
図3】本実施形態における文字列表示方法を説明するための図である。
【
図4】従来の表示方法で表示した横書き文字列と、本実施形態における文字列表示方法で表示した横書き文字列とを示す図である。
【
図5】本実施形態における文字列表示方法で表示した横書き漢字の文字列パターンの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態における文字列表示方法で表示した横書きハングル語の文字列パターンの一例を示す図である。
【
図7】本実施形態における文字列表示方法で表示した横書き英語の文字列パターンの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態における文字列表示方法で表示した横書きラテン語の文字列パターンの一例を示す図である。
【
図9】変形実施形態における文字列表示方法で表示した縦書き漢字の文字列パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本実施形態に係る文字列表示装置を、図に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る文字列表示装置1を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る文字列表示装置1は、文字列表示部10と、表示制御部20と、を備える。
【0013】
文字列表示部10は、二次元状に配列された表示素子群11からなるディスプレイと、当該表示素子群11の点灯を駆動する駆動回路12とを有する。駆動回路12は、表示素子群11を構成する全ての表示素子110と電気的に接続しており、表示制御部20の制御により、各表示素子110の点灯のオン/オフを切り替える点灯信号を各表示素子110に送信する。
【0014】
文字列表示部10のディスプレイは、
図2に示すように、たとえば、n列×m行で配置されたn×m個の表示素子110からなる表示素子群11で構成することができる。これにより、文字列表示部10は、ドットマトリクス形式による文字列パターンの表示が可能となる。また、文字列表示部10が有するディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまたは電子ペーパーとすることができる。この場合、表示素子群11は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまたは電子ペーパーにおいて文字列パターンを表示する各ドットに対応するn列×m行の表示素子110を用いて構成することができる。また、文字列表示部10は、プロジェクターの投影面を有し、所定の文字列パターンをスクリーンなどに投影する構成とすることもできる。この場合、表示素子群11は、プロジェクター投影用のn列×m行の表示素子110で構成することができる。
【0015】
表示制御部20は、文字列表示部10に文字列パターンを表示させるためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、記憶媒体読取装置と、を備える。表示制御部20は、上記プログラムを実行することで、文字列表示部10に表示する文字列パターンの文字列情報を取得する取得機能と、取得した文字列情報に基づいて文字列パターンを表示するための表示情報を生成する生成機能と、生成した表示情報に応じて文字列表示部10に文字列パターンを表示させる表示機能と、を有する。以下において、表示制御部20の各機能の詳細を説明する。
【0016】
表示制御部20の取得機能は、文字列表示部10に表示させる文字列パターンに対応する文字列情報を取得する。たとえば、文字列表示部10に表示させる文字列パターンに対応する文字列情報が、表示制御部20のRAMまたはROMに記憶されている場合、取得機能は、当該RAMまたはROMから文字列情報を取得することができる。また、表示制御部20は、文字列表示装置1の外部の装置から文字列情報を記憶媒体、無線または有線により取得する構成とすることもできる。たとえば、取得機能は、文字列表示装置1の外部の処理装置(不図示)から、当該処理装置が所定の処理を行うためにユーザに表示すべき文字列パターンに対応する文字列情報を取得することができる。
【0017】
表示制御部20の生成機能は、取得機能により取得された文字列情報に基づいて、文字列表示部10に文字列情報に対応する文字列パターンを表示させるための表示情報を生成する。表示情報は、文字列表示部10の駆動回路12を駆動させるための制御情報であり、n×m個の表示素子群11のうち文字列パターンに対応する表示素子110を駆動回路12に点灯させるための制御情報である。文字列パターンを構成する文字パターンは、1つの表示素子110で表現される幅の線により描画されるドット形式の文字フォントである。
【0018】
ここで、
図3は、左から右に読む文字列の文字列パターンである、漢字の「補間」という文字列の文字列パターンを示すものである。従来では、たとえば(A)に示すように、「補」の文字パターンと「間」の文字パターンとの間に余白列を設けて、「補間」の文字列パターンの可読性を高くする方法が行われていた。この場合、余白列の分だけ表示素子群11(表示スペース)を余分に使用してしまうため、表示素子群11で表示できる文字数が少なくなるという問題があった。一方、このような問題に対して、従来では、(B)に示すように、余白列を設けずに文字列パターンを表示し、各文字パターンの階調や濃淡を変化させることで、可読性を担保する方法が知られている。しかしこの場合には、「補」の右側の線と「間」の左側の線がつながり一本の太い線となり、見栄えが悪くなるだけでなく、可読性が低下するという問題があった。
【0019】
一方、本実施形態に係る文字列表示装置では、生成機能が、
図3(C)に示す文字列パターンが表示されるように、表示情報を生成する。具体的には、生成機能は、
図3(B)に示すように、余白列を設けない場合に左右連続する文字パターンにそれぞれ対応する表示素子110が隣接する場合には、互いに隣接する表示素子110のうち右側の文字パターンに対応する表示素子110が点灯しないように、表示情報を生成する。ここで隣接するとは、2つの表示素子110が同一行上(または同一列上)で隣りあい、線を構成することをいう。これにより、
図3に示す例において、生成機能は、
図3(B)に示すように、余白列を設けない場合には、左右連続する文字パターン「補」および「間」にそれぞれ対応する表示素子110のうち、a1およびa2で示す表示素子110と、b1およびb2で示す表示素子110とが互いに隣接することとなるため、
図3(C)に示すように、当該隣接する表示素子110のうち右側の文字パターン「間」に対応する、b1およびb2の表示素子110が表示状態とならないように表示情報、すなわち、駆動回路12の制御情報を生成する。ここで表示状態とは、表示素子110を点灯させることにより文字列パターンを表示させる場合もあれば、表示素子110を点灯させないことにより文字列パターンを表示させる場合(反転表示)もある。また、液晶ディスプレイのように表示素子に電圧を印加してバックライトを遮断することより文字列パターンを表示させる場合もあれば、電子ペーパーのように電界によって着色顔料を移動させることより文字列パターンを表示させる場合もある。
【0020】
表示制御部20の表示機能は、生成機能により生成された表示情報を、文字列表示部10の駆動回路12に送信し、文字列表示部10に表示情報に応じた文字列パターンを表示させる。表示情報を受信した駆動回路12は、表示情報において点灯が指示されている表示素子110に点灯信号を送信して点灯させるとともに、表示情報において消灯が指示されている表示素子110に消灯信号を送信して消灯させるように、各表示素子110の点灯を制御する。これにより、文字列表示部10は、
図3(C)に示すように、余白列を有さず、連続する文字パターンにそれぞれ対応する、互いに隣接する表示素子110のうち右側の文字パターンに対応するb1およびb2の領域にある表示素子110を消灯させた態様で、文字列パターンを表示することができる。図示の例とは異
なり、a1およびa2の領域にある表示素子110を消灯させた態様で、文字列パターンを表示してもよい。
【0021】
ここで、
図4は、他の漢字の横書き文字列パターンについて、従来の表示方法における文字列パターン(下段)と、本実施形態に係る表示方法における文字列パターン(上段)とを示す図であり、べた塗りされた背景に白抜きで文字列が表示されている(反転表示)。
図4の(A)~(L)においても、表示制御部20の生成機能は、左右連続する2つの文字パターンにそれぞれ対応する表示素子110が互いに隣接する場合に、当該隣接する表示素子110のうち右側の文字パターンに対応する表示素子110が表示状態とならないように表示情報を生成する。これにより、文字列表示部10は、当該表示情報に応じて、上記隣接する表示素子110のうち右側の文字パターンに対応する表示素子110のうち左側の文字パターンに隣接する表示素子110が非表示状態で、文字列パターンを表示する。
【0022】
また、
図5は、本実施形態における文字列表示方法で表示した漢字の横書き文字列パターン「特許」の一例を示す図である。なお、
図5(A)および(B)においては、左側に、従来の文字列表示方法で表示された文字列パターンを示し、中央に、左側の文字列パターンに対して、本実施形態に係る文字列表示方法において点灯しない表示素子110を示し、右側に、本実施形態に係る文字列表示方法で表示される文字列パターンを示している。ここで、中央の図においては、本実施形態に係る文字列表示方法において点灯しない表示素子110を斜線で示している。表示制御部20は、
図5(A)に示すように、余白列を設けない場合に、左右連続する2つの文字パターン「特許」をそれぞれ表示する表示素子110が互いに隣接する場合に、当該隣接する表示素子110のうち右側の文字パターン「許」に対応する表示素子110が点灯しないように表示情報を作成する。そして、文字列表示部10は、当該表示情報に基づいて文字列パターンを表示することで、
図5(A)の右図のように、余白列を有さず、かつ、左右連続する2つの文字パターン「特許」にそれぞれ対応する、互いに隣接する表示素子110のうち右側の文字パターン「許」に対応する表示素子110が点灯していない、文字列パターンを表示させることができる。これと同様に、表示制御部20は、
図5(B)に示すように、互いに隣接する表示素子110のうち
左側の文字パターン「特」に対応する表示素子110が点灯していない、文字列パターンを表示させることができる。
【0023】
さらに、
図6は、本実施形態における文字列表示方法で表示したハングル語の横書き文字列の一例を示す図であり、
図7は、本実施形態における文字列表示方法で表示した英語の横書き文字列の一例を示す図であり、
図8は、本実施形態における文字列表示方法で表示したラテン語の横書き文字列の一例を示す図である。
図6~8の中央の図においては、
図5と同様、点灯しない表示素子110を斜線で示している。漢字以外の文字列パターンにおいても、文字列表示装置1は、
図6~8に示すように、左右連続する2つの文字パターンにそれぞれ対応する表示素子110が互いに隣接する場合に、当該隣接する表示素子110のうち右側(または左側)の文字パターンに対応する表示素子110が点灯しないように表示情報を作成し、当該表示情報に基づいて、左右連続する2つの文字パターンにそれぞれ対応する、互いに隣接する表示素子110のうち右側(または左側)の文字パターンに対応する表示素子110が点灯していない、文字列パターンを表示する。
【0024】
以上のように、本実施形態では、余白列を設けないようにし、かつ、左右連続する2つの文字パターンにそれぞれ対応する表示素子110が互いに隣接する場合に当該隣接する表示素子110のうち右側または左側の文字パターンに対応する表示素子110が隣接する表示素子の一方に対応する文字パターン部分を表示させないようにした文字列パターンを表示する。これにより、余白列を設けなくても、文字列の可読性を高めることができるため、表示素子群11の表示スペースを有効に利用することができ、かつ、文字列の可読性の高い、文字列表示装置を提供することができる。特に、本実施形態では、互いに隣接する表示素子110のうち右側または左側の文字パターンに対応する表示素子110を点灯しないように文字列パターンを表示することで、従来のように、表示素子110の階調や濃淡を調整することなく、単に、表示素子110の点灯のオン/オフを制御するだけで、文字列の可読性を高めることができるため、容易かつ安価に、表示素子群11の表示スペースを有効に利用することができ、かつ、文字列の可読性の高い、文字列表示装置を提供することができる。
【0025】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0026】
たとえば、上述した実施形態では、左から右に読む文字列の文字列パターンを例示したが、文字列パターンは特に限定されず、右から左に読む文字列の文字列パターンにも本実施形態に係る文字列表示方法を適用することができる。この場合、文字列表示装置1は、余白列を設けない場合において、左右連続する2つの文字パターンをそれぞれ表示する表示素子110が互いに隣接する場合に、当該隣接する表示素子110のうち左側または右側の文字パターンに対応する表示素子110が点灯しないように文字列パターンを表示する構成とすることができる。また、本実施形態に係る文字列表示方法は、上から下に読む文字列の文字列パターンにも適用することができる。この場合、文字列表示装置1は、余白列を設けない場合において、上下連続する2つの文字パターンをそれぞれ表示する表示素子110が互いに隣接する場合に、当該隣接する表示素子110のうち下側または上側の文字パターンに対応する表示素子110が点灯しないように文字列パターンを表示する構成とすることができる。
図9は、変形実施形態における文字列表示方法で表示した漢字の縦書き文字列パターン「上下」の一例を示す図である。
図9(A)は、余白列を設けない場合において、上下連続する2つの文字パターンをそれぞれ表示する表示素子110が互いに隣接する場合に、当該隣接する表示素子110のうち下側の文字パターンに対応する表示素子110が点灯しないように文字列パターンを表示したものであり、
図9(B)は、当該隣接する表示素子110のうち上側の文字パターンに対応する表示素子110が点灯しないように文字列パターンを表示したものである。
【0027】
さらに、上述した実施形態では、漢字、ハングル語、英語、およびラテン語の文字列を例示したが、これら文字列に限定されず、本実施形態に係る文字列表示方法を、ひらがな、カタカナ、数字の文字列にも適用することができ、また、それ以外の国の言語にも適用することができる。また、日本語の文字列の文字列パターンを表示する場合には、本実施形態に係る文字列表示方法を、漢字に対応する文字列パターンのみに適用してもよいし、漢字、ひらがな、カタカナ、数字の一部または全部に適用してもよい。
【0028】
また、上述した実施形態では、左から右に読む横書き文字列の文字列パターンを説明したが、右から左に読む横書き文字列の文字列パターンに本発明の技術思想は適用することができる。
【0029】
さらに、上述した実施形態では、表示素子110を点灯させることで文字パターンを表示する構成を例示したが、この構成に限定せずに、表示素子群11のうち文字パターンに対応しない表示素子110を点灯させ、文字パターンに対応する表示素子110を消灯させることで、文字列パターンを表示する構成とすることができる。この場合も、「文字列パターンの連続する文字パターン間に余白列を設けないようにし、かつ、連続する文字パターンにそれぞれ対応する2つの表示素子が互いに隣接する場合に、隣接する表示素子の一方に対応する文字パターン部分を表示させないようにした文字列パターン」を表示させることが可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1…文字列表示装置
10…文字列表示部
11…表示素子群
110…表示素子
12…駆動回路
20…表示制御部