IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 王 凱の特許一覧

<>
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図1
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図2
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図3
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図4
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図5
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図6
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図7
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図8
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図9
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図10
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図11
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図12
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図13
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図14
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図15
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図16
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図17
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図18
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図19
  • 特許-高周波圧密木材の複合生産ライン 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】高周波圧密木材の複合生産ライン
(51)【国際特許分類】
   B27K 5/00 20060101AFI20220620BHJP
   B27D 3/00 20060101ALI20220620BHJP
   B27M 1/02 20060101ALI20220620BHJP
   B27M 1/08 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
B27K5/00 F
B27D3/00 Z
B27M1/02
B27M1/08 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019108974
(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公開番号】P2020147022
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2019-06-11
(31)【優先権主張番号】201910181348.8
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517058417
【氏名又は名称】王 凱
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-252909(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102107454(CN,A)
【文献】井上雅文、児玉順一、山本康二、則元京,高周波加熱による圧縮木材の寸法安定化,木材学会誌,日本,日本木材学会,1998年11月25日,Vol. 44, No. 6,pp. 410 - 416
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27K 5/00
B27D 3/00
B27M 1/02
B27M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波圧密木材の複合生産ラインであって、前記複合生産ラインは、操作機器と補助板材とを含み、前記補助板材は、木材(1)を挟むための上鋼板(10)と下鋼板(11)とを含み、前記操作機器は、
前記上鋼板(10)と下鋼板(11)を伝送チェーンのステーションに入れるように配置し、木材(1)加工が完了した後に上鋼板(10)と下鋼板(11)を取り出し、そのうち、前記上鋼板(10)、下鋼板(11)は木材(1)を挟んで加工モジュールを構成する投入取り出し部(2)と、
高周波発熱装置を配置して前記加工モジュールを加熱して軟化するサブ高周波軟化部(3s)と、
高周波発熱装置とプレス機を配置して軟化処理された木材に対してそれぞれ加熱して圧縮し続けるメイン高周波打ち抜き部(4)と、
水冷装置及び/又は空冷装置を配置して圧縮された前記加工モジュールを冷却する冷却部(5)と、
前記加工モジュールを入れるように配置し、それは前記投入取り出し部(2)、サブ高周波軟化部(3)、メイン高周波打ち抜き部(4)、冷却部(5)を順に貫通させ、前記加工モジュールを伝送する伝送チェーンである移動装置(6)と、
各部の制御システムを接続する操作装置(7)と、を含み、
前記サブ高周波軟化部(3)に、さらにそれと同一のM個の部分が設置され、各前記部分にいずれも独立した高周波発熱装置が設置され、M個の前記部分の伝送リンクは、前記投入取り出し部(2)とメイン高周波打ち抜き部(4)との間に並列接続される
ことを特徴とする高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項2】
前記移動装置(6)の伝送チェーンは、横方向リンクと縦方向リンクとを含む、前記横方向リンクは、前記投入取り出し部(2)に設置された第1の輸送段(60)と、前記サブ高周波軟化部(3)に設置された第2の輸送段(61)と、メイン高周波軟化部(4)に設置された第3の輸送段(62)と、冷却部(5)に設置された第4の輸送段(63)と、末端冷却部(5)位置から投入取り出し部(2)位置までの第5の輸送段(64)とを含む、前記縦方向リンクは、第5の輸送段(64)先端と投入取り出し部(2)を接続する第1の縦方向輸送段(69)、及び前記冷却部(5)と第5の輸送段(64)末端を
接続する第2の縦方向輸送段(68)を含む、前記縦方向リンクは、少なくとも横方向リンクに垂直な2本の輸送チェーンを含む
請求項1に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項3】
前記第2の輸送段(61)と第3の輸送段(62)との間に一段リンクのコネクタ段(65)が設置され、前記コネクタ段(65)の長さは前記上鋼板(10)と下鋼板(11)の長さ以上であり、
前記投入取り出し部(2)を外側に突出して第3の縦方向輸送段(67)が設置され、前記第3の縦方向輸送段(67)を起点とし、前記サブ高周波軟化部(3)部分内の伝送リンクと接続する分岐輸送段(66)がM個設置され、前記分岐輸送段(66)は横方向ローラリンクである、前記部分内の伝送リンクの他端に延出輸送段(660)が延出するように設けられ、前記延出輸送段(660)と前記コネクタ段(65)との間に第4の縦方向輸送段(661)が設置され、前記第3の縦方向輸送段(67)と第4の縦方向輸送段(661)は、いずれも縦方向チェーンリンクである
請求項2に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項4】
前記投入取り出し部(2)は、下鋼板(10)を置くための下載置装置(20)と、上鋼板(11)を載置するための上載置装置(21)と、下転送機構(22)と上アーム機構(23)とを含む、前記下載置装置(20)は伝送チェーンの側辺に設置され、前記下載置装置(20)の前記下鋼板(11)に対応する側辺にさらに径方向に移動するプッシュ機構が設置され、前記下伝送機構(22)は、伝送チェーンに垂直であるように前記下載置装置(20)の下に設置されたチェーン伝送構造である、前記上載置装置(21)は上載置装置(20)の上に設置され、前記上アーム機構(23)は前記上載置装置(20
)の上に設置され、前記上アーム機構(23)は、移動アーム(230)及び前記移動アーム(230)の下端に設置されたクリップを含む、前記移動アーム(230)は垂直方向と水平方向の両方に移動するように構成される、前記クリップは、リミットプレート(231)及び前記リミットプレート(231)の両側に設置された長クリップ(232)を含み、前記長クリップ(232)の上端のヒンジ部にそれを開閉させる動力機構が接続され、前記長クリップ(232)の底部に内側に湾曲するクリップ先端部(233)が設置され、前記長クリップ(232)は前記リミットプレート(231)の外側に貼り合わせて、そのクリップ先端部(233)が前記リミットプレート(231)の底部に配置され、
前記サブ高周波軟化部(3)とメイン高周波打ち抜き部(4)は、いずれも高周波発熱装置(30)とプレス機(31)とを含み、前記プレス機(31)は、垂直運動可能な上押さえ板(32)と、下押さえ板(33)と前記上押さえ板(32)を垂直運動させる油圧動力機構(34)とを含み、前記下押さえ板(33)は加工モジュールの下端に設置され、前記高周波発熱装置(30)の上電極が上押さえ板(32)上に固定され、動作時に上押さえ板(32)により加圧されて前記上鋼板(10)に下向きに接触させ、前記高周波発熱装置(30)の下電極はフレキシブル導電板(35)を介して下押さえ板(33)に固定され、動作時に前記下鋼板(11)に接触させる、前記上押さえ板(32)の両側辺に複数のクリップローラ(36)が均等に配置され、前記クリップローラ(36)のローラ軸は上押さえ板(32)内に接続され、少なくとも1つのクリップローラ(36)のローラ軸に動力機構が接続され、前記クリップローラ(34)のローラ面は、動作時に前記上鋼板(10)の上面にちょうど当接し、
前記冷却部(5)は、水冷モジュールと空冷モジュールとを含む、前記水冷モジュールは、複数の前記伝送チェーンの上方に設置された上部ブラケット(50)と伝送チェーンの側面に設置された下部ブラケット(58)とを含み、前記上部ブラケット(50)の底部に上部スプレーヘッド(51)が設置され、前記下部ブラケット(58)に下部スプレーヘッド(52)が設置され、前記上部スプレーヘッド(52)は動作時に前記上鋼板(10)の真上に位置し、前記下部スプレーヘッド(52)は動作時に前記下鋼板(11)の直下に位置し、前記上部スプレーヘッド(51)と前記下部スプレーヘッド(52)はいずれも配管と水ポンプを介して給水管路に接続され、前記冷却部(5)の伝送チェーン側に排水溝(59)が設置され、
前記空冷モジュールは前記水冷モジュールの下流に接続される、前記空冷モジュールは、前記伝送チェーンの上方に設置された上部空冷フレーム(53)と前記伝送チェーンの側面に設置された下部空冷フレーム(57)とを含む、前記上部空冷フレーム(53)に複数の等間隔に設置された第1のガスノズル(54)が設置され、前記下部空冷フレーム(57)に複数の等間隔に設置された第2のガスノズル(55)が設置され、前記第1のガスノズル(54)は動作時に前記上鋼板(10)の真上に位置し、前記第2のガスノズル(55)は動作時に前記下鋼板(11)の直下に位置し、前記第1のガスノズル(54
)と前記第2のガスノズル(57)はいずれもホースを介してガスポンプに接続される
請求項1に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項5】
前記投入取り出し部(2)の前には、さらに含水率測定器を配置して木材の含水率に対して試験を行うための含水率試験部(8)を含み、前記移動装置(6)は、さらに前記含水率試験部(8)に設置された伝送チェーンを含む
請求項1に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項6】
前記含水率試験部(8)の伝送チェーンは、試験段(80)と、前記試験段(80)片側に接続された進入段(81)と前記進入段(81)側辺に設置されたNG品出力段(82)とを含む、前記試験段(80)とNG品出力段(82)は縦方向チェーンリンクであり、前記進入段(81)は前記投入取り出し部(2)の伝送チェーンに接続する横方向ローラリンクである、前記含水率試験部(8)は、マイクロ波送信端(830)とマイクロ波受信端(831)が設置されるマイクロ波水分測定器と、試験段(80)のステーションに設置された試験用ブラケット(84)とを含み、前記マイクロ波送信端(830)は試験用ブラケット(84)の底部に設置され、前記マイクロ波受信端(831)は試験段(80)の伝送リンクに設置され、前記試験用ブラケット(84)は移動機構により水平方向と垂直方向の移動を実現し、
好ましくは、前記試験段(80)の伝送チェーンにさらに重量測定装置(85)と強度測定装置(86)が設置される、前記重量測定装置(85)は伝送チェーンの内側に設置されたトレイとトレイ底部に設置された重量測定器であり、前記重量測定器の底部は昇降シャシーにより固定される、前記強度測定装置(85)は、伝送チェーンの外側に設置されたノックオン装置である
請求項5に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項7】
前記投入取り出し部(2)側にさらに木材スティッチング部(9)が設置される、前記木材スティッチング部(9)は、木材供給装置(90)と、膜搬送器(91)と、配列輸送装置(92)と、搬入輸送装置(93)と、高周波加熱接着装置(94)と搬出輸送装置(95)とを含み、
前記配列輸送装置(92)と搬入輸送装置(93)は平行に配列した輸送チェーンであり、2つの輸送チェーンは全行程を縦方向輸送チェーン(920)で接続され、前記縦方向輸送チェーン(920)と搬入輸送装置(93)のコネクタ箇所にさらに木材を90°反転させるための反転装置(921)が設置され、前記膜搬送器(91)は搬入輸送装置(93)に設置され、
前記膜搬送器(91)は、PVBフィルムロール(914)を置くためのラック(910)を含む、前記ラック(910)両側が下向きに延出してラックピン(911)として設置され、前記ラックピン(911)に伝送チェーンに沿って運動する移動機構が接続され、前記ラックピン(911)はちょうど木材の両側辺に配置され、前記ラック(910)にPVBフィルム落下のための開口が設けられ、前記移動機構は落下するPVBフィルムを常に配列接着対象の木材の前側に配置させる、前記開口内の片側に圧延ローラ(912)が設置され、前記圧延ローラ(912)の外側辺はちょうど前記PVBフィルム(914)に接触しており、前記圧延ローラ(912)の回転によりPVBフィルムロール(914)を駆動して下方にあるPVBフィルムを回転させることができ、前記ラック(910)の下方にさらにPVBフィルムを切断するためのカッター(913)が設置される、前記下方のPVBフィルムは配列接着対象の木材に接触すると同時に、カッター(913)はPVBフィルムを切断し、切断したPVBフィルムを前に進んでいる配列接着対象の木材に前の木材と挟み込むようにする、前記搬入輸送装置(93)の外側にさらにリミットプレート(930)が設置され、
前記高周波加熱接着装置(94)内に加熱接着チャンバ(946)が設置される、前記加熱接着チャンバ(946)の上下壁は、負電極接続の下電極板(940)と正電極接続の上電極板(941)とを含む、前記上電極板(941)は当該装置内に設置された油圧機構のリンクと接続し、前記下電極板(940)は前記搬入輸送装置(93)の輸送チェーンと接続し、前記加熱接着チャンバ(946)の先端にリミットブロック(942)が設置され、後端に可搬性のあるピストンブロック(943)が設置され、前記リミットブロック(942)は移動接続機構により水平方向又は垂直方向に移動可能であり、
前記搬出輸送装置(95)は高周波加熱接着装置(94)の出口端に接続し、接着後の木材を送り出すために用いられるものであり、
好ましくは、前記木材スティッチング部(9)の末端には、さらに研磨部が接続され、前記研磨部に前記搬出輸送装置(95)と接続する輸送チェーン及び木材を研磨するための研磨機が設置され、
好ましくは、前記ラック(910)底部開口のカッター(913)非側方に下向きに延出したプレート(915)が設置され、前記ラック(91)底部のカッター(913)片側にレール(916)が設置され、前記カッター(913)は回転可能な円形ブレードであり、前記カッター(913)は角度調整可能な角度接続フレーム(918)を介して前記レール(916)に係合されたスライダ(917)に接続され、その刃はプレート(915)に向けられ、角度接続フレームで角度調整後、前記刃はPVBフィルムをプレート(915)に押し付け、スライダ(917)のスライドにより垂下したPVBフィルムを切断することができる
請求項1に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項8】
前記補助板材は、さらに木材の上下面に設置された上多孔質板(12)と下多孔質板(13)とを含み、前記上多孔質板(12)と下多孔質板(13)はいずれも熱硬化性プラスチック又は金属材料で製造される、前記上多孔質板(12)と下多孔質板(13)の厚さはいずれも2ー20mmであり、
前記上多孔質板(12)と下多孔質板(13)は、マルチメッシュのプレート構造又は実板であり、当該実板の前記木材に接触する面にマルチメッシュ構造が設けられ、前記多孔質構造の具体的な形態は、無秩序又は秩序状態の3次元多孔質板構造を含むか、あるいは規則又は不規則な単層孔質板構造であり、
前記熱硬化性プラスチックは、フェノールプラスチック、ウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、フランプラスチック、アクリル樹脂のいずれか一種であり、前記金属材料は、炭素鋼、鉄線、タングステン鋼合金、ステンレス鋼のいずれか一種を含み、
好ましくは、前記上多孔質板(12)と下多孔質板(13)はいずれもステンレスメッシュを折り畳んでなり、前記ステンレスメッシュの空隙率は4ー100メッシュであり、前記折り畳み数は6以下である
請求項1に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【請求項9】
前記上鋼板(10)と下鋼板(11)の木材に向かう面に多孔質層(101)が設けられ、前記多孔質層の厚さは2ー20mmであり、前記多孔質層の具体的な形態は、無秩序又は秩序状態の3次元多孔質板構造を含むか、あるいは規則又は不規則な単層孔質板構造であり、
前記上鋼板(10)と下鋼板(11)の木材に向かう面には、横方向又は縦方向に沿って排水溝(100)が設けられる
請求項1に記載の高周波圧密木材の複合生産ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木板加工技術分野に属し、特に高周波圧密木材の複合生産ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧縮木は、古くから現れており、木材加工の分野では新しい名詞ではない。20世紀初頭のアメリカでは、SearsとOlsenはすでに圧縮木を生産する特許を持っている。ドイツでは、積層材や圧縮木も商業的に生産されているが、これらの製品は、「lignofol」と呼ばれている。当時、Bernhard、PerryとSternなど多くの研究者や学者は、すでに積層材と圧縮木に関する力学的性能実験をたくさん行った。膠着木材compregnated woodは、米国とドイツでも商業的に生産されており、米国では「pregwood」、ドイツでは「kunstharzschichtholz KHS」と呼ばれている。国内外の貴重な樹種木材の日々の減少と数量制限に直面することとともに、現在の木材強化技術の発展に伴い、コストの低い低密度木材を採用し、力学的性能の良い高密度板材に圧縮することが多く、その応用範囲を拡大した。しかし、植物の細胞壁は、可塑性が高くないため、直接圧縮すると木材が破裂して破損し、一般的に圧縮前に木材を加熱して細胞壁を軟化させる必要がある。
【0003】
コルクを硬木に圧密する従来の加熱方式は、熱伝導油や蒸気で接触するように加熱を行うものであり、加熱周期が長く、木材内部の温度が不均一で、生産効率が低いとともに、圧縮後の木材内部の密度が不均一で、エネルギー消費量が大きく、軟化時間が長すぎる。出願人は高周波を圧密木材に応用する技術を研究し、高周波による圧密木材の軟化は理想的で、時間が短くてエネルギー消費が低いが、高周波圧縮の時間が短すぎるため、弾性反発問題は深刻である。特許CN201310044738では、熱圧板と180以上の高温定形という技術的効果により弾性反発を解決したことが提案される。しかし、出願人がテストを行うことで、当該特許技術は弾性反発を解決することができない。一方では、従来の圧密木材の工場化応用機器は自動化されておらず、検出、加工、スティッチングなどを含むプラントがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、木材検出、加熱圧縮、自動的なスティッチング及び後期研磨などのプロセスを整然とした全体を確立し、自動化、加工効率が高いという生産システムを構築する高周波圧密木材の複合生産ラインを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の具体的な技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0006】
本発明は、操作機器と補助板材とを含む高周波圧密木材の複合生産ラインを提供し、前記補助板材は、木材を挟むための上鋼板と下鋼板とを含み、前記操作機器は、
前記上鋼板と下鋼板を伝送チェーンのステーションに入れるように配置し、木材加工が完了した後に上鋼板と下鋼板を取り出し、そのうち、前記上鋼板、下鋼板は木材を挟んで加工モジュールを構成する投入取り出し部と、
高周波発熱装置を配置して前記加工モジュールを加熱して軟化するサブ高周波軟化部と、
高周波発熱装置とプレス機を配置して軟化処理された木材に対してそれぞれ加熱して圧縮し続けるメイン高周波打ち抜き部と、
水冷装置及び/又は空冷装置を配置して圧縮された前記加工モジュールを冷却する冷却部と、
前記加工モジュールを入れるように配置し、前記投入取り出し部、サブ高周波軟化部、メイン高周波打ち抜き部、冷却部を順に貫通させ、前記加工モジュールをリサイクル伝送する伝送チェーンする移動装置と、
各部の機電制御システムを接続する操作装置とを含む。
【0007】
一部の改良された技術的解決手段としては、前記サブ高周波軟化部に、さらにそれと同一のM個の部分が設置され、各前記部分にはいずれも独立した高周波発熱装置が設置され、M個の前記部分の伝送リンクは、前記投入取り出し部とメイン高周波打ち抜き部との間に並列接続される。
【0008】
他の改良された技術的解決手段としては、前記投入取り出し部の前には、さらに含水率測定器を配置して木材の含水率に対してテストを行うための含水率テスト部を含み、、前記移動装置は、さらに前記含水率テスト部に設置された伝送チェーンを含む。
【0009】
一部の改良された技術的解決手段としては、前記投入取り出し部側には、さらに順に接続される圧密木板入力装置と、配列輸送装置と、搬入輸送装置と、高周波加熱接着装置と搬出輸送装置とを含む木材スティッチング部が設置され、前記圧密木板入力装置と配列輸送装置との間に膜搬送器が設置され、木板面にPVB接着膜を付着させ、その後に整列して高周波加熱接着装置に搬送して加熱する。
【0010】
さらなる改良された技術的解決手段としては、前記木材スティッチング部の末端には、さらに前記搬出輸送装置と接続する輸送チェーン及び木材を研磨するための研磨機が設置される研磨部が接続される。
【0011】
本発明は一方で、材料の含水率を低下するように加圧した木板の上下面に多孔質板を増設する。その手段は、前記補助板材は、さらに木材の上下面に設置された上多孔質板と下多孔質板とを含み、前記上多孔質板と下多孔質板はいずれも熱硬化性プラスチック又は金属材料で製造される。前記上多孔質板と下多孔質板の厚さはいずれも2ー20mmであることである。
【0012】
前記上多孔質板と下多孔質板は、マルチメッシュのプレート構造又は実板であり、当該実板の前記木材に接触する面にマルチメッシュが設けられ、前記マルチメッシュ構造の具体的な形態は、無秩序又は秩序状態の3次元多孔質板構造を含むか、あるいは規則又は不規則な単層孔質板構造である。
【0013】
本発明は、さらに一方では、上下鋼板で直接改良を行い、前記上鋼板と下鋼板の木材に向かう面に多孔質層が設けられ、前記多孔質層の厚さは2ー20mmであり、前記多孔質層の具体的な形態は、無秩序又は秩序状態の3次元多孔質板構造を含むか、あるいは規則又は不規則な単層孔質板構造である。
【0014】
前記上鋼板と下鋼板の木材に向かう面には、横方向又は縦方向に沿って排水溝が設けられる。
【0015】
本発明で提供される高周波圧密木材の複合生産ラインは、ラインを採用した生産モードであり、木材検出、加熱圧縮、自動スティッチング及び後期研磨などのプロセスを整然とした全体として構築し、木材の運搬時間を大幅に減らし、企業の規模化生産レベルを高める。また、本発明の生産ラインでは高周波短時間高効率圧縮の特性に対して、軟化部ステーションを増設し、多装置連動生産を実現し、生産効率を大幅に向上させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、さらに、加熱圧縮時に木板を多孔質板の間に挟んで、テストを行うことにより、従来50ml程度の液体水しか流出していなかった同様の木板が、350mlの液体水を集める約7倍の出水率を高める圧密木材の含水率を低減する補助機器を提供する。当該方法は、高周波超短時間圧縮による弾性反発の問題が深刻な技術的問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】高周波圧密木材の複合生産ラインの一つの実施形態の構造概略図である。
図2】高周波圧密木材の複合生産ラインのもう一つの実施形態の構造概略図である。
図3】投入取り出し部の正面構造概略図である。
図4】投入取り出し部の側面構造概略図である。
図5】メイン高周波打ち抜き部とサブ高周波軟化部の構造概略図である。
図6】冷却部の構造概略図である。
図7】検出部の構造概略図である。
図8】検出部の検出段の一実施形態の構造概略図である。
図9】木材スティッチング部の構造概略図である。
図10】木材スティッチング部の高周波加熱接着装置の内部構造概略図である。
図11】膜搬送器の一つの実施形態の断面構造概略図である。
図12】膜搬送器のもう一つの実施形態の断面構造概略図である。
図13】多孔質板の秩序の単層孔質板の構造概略図である。
図14】多孔質板の秩序の単層孔質板の構造概略図である。
図15】多孔質板の無秩序の単層孔質板の構造概略図である
図16】多孔質板の秩序の単層孔質板の側辺の構造概略図である。
図17】多孔質板の無秩序の3次元多孔質板の構造概略図である。
図18】多孔質板の無秩序の3次元多孔質板の構造概略図である。
図19】多孔質層付き実板の断面概略図です。
図20】多孔質層付き上下鋼板の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による高周波圧密木材の複合生産ラインは、図1に示すように、前記生産ラインは操作機器及び補助板材を含み、前記補助板材は木材1を挟むための上鋼板10と下鋼板11を含み、前記操作機器は、
前記上鋼板10と下鋼板11を伝送チェーンのステーションに入れるように配置し、木材1加工が完了した後に上鋼板10と下鋼板11を取り出し、そのうち、前記上鋼板10、下鋼板11は木材1を挟んで加工モジュールを構成する投入取り出し部2と、高周波発熱装置を配置して前記加工モジュールを加熱して軟化するサブ高周波軟化部3と、高周波発熱装置とプレス機を配置して軟化処理された木材に対してそれぞれ加熱して圧縮し続けるメイン高周波打ち抜き部4と、
水冷装置及び/又は空冷装置を配置して圧縮された前記加工モジュールを冷却する冷却部5と、
前記加工モジュールを入れるように配置し、前記投入取り出し部2、サブ高周波軟化部3、メイン高周波打ち抜き部4、冷却部5を順に貫通させ、前記加工モジュールをリサイクル伝送する伝送チェーンである移動装置6と、
各部の機電制御システムを接続する操作装置7とを含む。
【0019】
図1に示すように、前記移動装置6の伝送チェーンは、横方向リンクと縦方向リンクとを含む。前記横方向リンクは、前記投入取り出し部2に設置された第1の輸送段60と、前記サブ高周波軟化部3に設置された第2の輸送段61と、メイン高周波軟化部4に設置された第3の輸送段62と、冷却部5に設置された第4の輸送段63と、末端冷却部5位置から投入取り出し部2位置までの第5の輸送段64とを含む。前記縦方向リンクは、第5の輸送段64先端と投入取り出し部2を接続する第1の縦方向輸送段69、及び前記冷却部5と第5の輸送段64末端を接続する第2の縦方向輸送段68を含む。前記縦方向リンクは、少なくとも横方向リンクに垂直な2本の輸送チェーンを含む。
【0020】
説明しておくと、本発明に記載の伝送リンクは、横方向リンクと縦方向リンクとを含み、いずれもローラ式とチェーン式を採用することができ、一部の例では、本発明の横方向リンクはローラ式を採用することが多く、縦方向リンクはチェーン式を採用することが多い。一方では、具体的なリンク方式は、具体的な作業部に応じて具体的に設置されており、例えばサブ高周波軟化部やメイン高周波打ち抜き部では、加工モジュールの下端に電極固定や加圧保持のための下定盤を設置する必要があるため、伝送リンクを上定盤上に設置することとし、具体的には以下のクリップローラ技術的解決手段を示している。
【0021】
さらに説明しておくと、本発明に記載の横方向と縦方向リンクの曲がり角は、コーナーの外側又は前のリンクの端末に、所定の位置にある木材を遮断するためのバリアを設置してもよいし、その上にさらに圧力センサーを設置してもよく、木材が所定の位置にあることが誘起されると下流リンクを起動することで、インテリジェントな自動制御を実現する。
【0022】
一例では、図2に示すように、前記サブ高周波軟化部3にさらにそれと同一のM個の部分が設置され、各前記部分にいずれも独立した高周波発熱装置が設置され、M個の前記部分の伝送リンクは、前記投入取り出し部2とメイン高周波打ち抜き部4との間に並列接続される。本発明を技術から見ると、軟化ステップにはかかる時間が最も長く、例えば6分間かかる。軟化ステップとは一回目昇温することで、木材表面温度を熱圧板で110℃に昇温すると5分間かかると予測され、高周波で110℃に昇温すると例えば1分間かかることが要求される。2段目において高周波で180以上に昇温する速度が比較的速く、例えば2分間かかる。そのため、生産ラインにおいて1つのサブ高周波軟化部だけで軟化効率が低すぎるため、当該方法はサブ高周波熱プレス機を3台並列接続し、またメインプレス機1台と並列接続することで、生産率を3倍に高めることができる。
【0023】
上記方法に対して、伝送チェーンの改良としては、前記第2の輸送段61と第3の輸送段62との間に一段ローラリンクのコネクタ段65が設置され、前記コネクタ段65の長さは前記上鋼板10と下鋼板11の長さ以上であることである。
【0024】
前記投入取り出し部2を外側に突出して第3の縦方向輸送段67が設置され、前記第3の縦方向輸送段67を起点とし、前記サブ高周波軟化部3部分内の伝送リンクと接続する分岐輸送段66がM個設置され、前記分岐輸送段66は横方向ローラリンクである。前記部分内の伝送リンクの他端に延出輸送段660が延出するように設けられ、前記延出輸送段660と前記コネクタ段65との間に第4の縦方向輸送段661が設置され、前記第3の縦方向輸送段67と第4の縦方向輸送段661は、いずれも縦方向チェーンリンクである。当該方法における生産ラインが動作する時に、投入取り出し部は木材を分岐輸送部を通して各サブ高周波軟化部に順に輸送し、木材の軟化が完了すると延出輸送部と第4の縦方向輸送部を通してメイン高周波打ち抜き部に輸送する。
【0025】
図3-4に示すように、前記投入取り出し部2は、下鋼板10を載置するための下載置装置20と、上鋼板11を載置するための上載置装置21と、下転送機構22と上アーム機構23とを含む。前記下載置装置20は伝送チェーンの側辺に設置され、前記下載置装置20の前記下鋼板11に対応する側辺にさらに径方向に移動するプッシュ機構が設置され、前記下転送機構22は、伝送チェーンに垂直であるように前記下載置装置20の下に設置されたチェーン伝送構造である。前記上載置装置21は上載置装置20の上に設置され、前記上アーム機構23は前記上載置装置20の上に設置され、前記上アーム機構23は、移動アーム230及び前記移動アーム230の下端に設置されたクリップを含む。前記移動アーム230は垂直方向と水平方向の両方に移動するように構成される。前記クリップは、リミットプレート231及び前記リミットプレート231の両側に設置された長クリップ232を含み、前記長クリップ232の上端のヒンジ部にそれを開閉させる動力機構が接続され、前記長クリップ232の底部に内側に湾曲するクリップ先端部233が設置され、前記長クリップ232は前記リミットプレート231の外側に貼り合わせて、そのクリップ先端部233が前記リミットプレート231の底部に配置される。
【0026】
当該投入取り出し部は、下転送機構により下鋼板を伝送チェーンの開始ステーションにプッシュし、作業員又は別途に設置したアームが木材を前記下鋼板の上に置き、上アーム機構により上鋼板を上載置装置から取り外し、木材の上に載せることで、それを加工モジュールに組み立てる。
【0027】
説明しておくと、上記方法における機構は、本方面に記載したその機能を実現可能な上で、当業者は従来技術に基づき、例えば上記プッシュ機構、アーム機構及び長クリップの開閉運動を合理的に実現することができ、プッシュ機構は移動装置により実現し、アームと長クリップは油圧と空気動機構のいずれかにより実現することができる。
【0028】
本発明に記載のサブ高周波軟化部とメイン高周波打ち抜き部は、構造と機能が類似しているが、メイン高周波打ち抜き部の油圧加圧機構により大きな圧力が加えられる点において異なる。一部の例では、図5に示すように、前記サブ高周波軟化部3とメイン高周波打ち抜き部4は、いずれも高周波発熱装置30とプレス機31とを含み、前記プレス機31は、垂直運動可能な上定盤32と、下定盤33と前記上定盤32を垂直運動させる油圧動力機構34とを含み、前記下定盤33は加工モジュールの下端に設置され、前記高周波発熱装置30の上電極が上定盤32上に固定され、動作時に上定盤32により加圧されて前記上鋼板10に下向きに接触させ、前記高周波発熱装置30の下電極はフレキシブル導電板35を介して下定盤33に固定され、動作時に前記下鋼板11に接触させる。前記上定盤32の両側辺に複数のクリップローラ36が均等に配置され、前記クリップローラ36のローラ軸は上定盤32内に接続され、少なくとも1つのクリップローラ36のローラ軸に動力機構が接続され、前記クリップローラ34のローラ面は、動作時に前記上鋼板10の上面にちょうど当接する。本発明のサブ高周波軟化部とメイン高周波打ち抜き部の伝送チェーンはいずれも上定盤に設置されたクリップローラである。加圧が完了した後、クリップローラが回転し、その回転摩擦により加工モジュールを前方に駆動させる。このようにして、上下定盤の木材に対する加圧の設置に影響せず、また伝送を実現することができる。木材は常に2枚の上下鋼板に挟まれ、上下のクリップローラと下定盤に制限され、材料の厚さが制限された状態で下方の各ステーションに移動される。
【0029】
図6に示すように、前記冷却部5は、水冷モジュールと風冷モジュールとを含む。前記水冷モジュールは、複数の前記伝送チェーンの上方に設置された上部ブラケット50と伝送チェーンの側面に設置された下部ブラケット58とを含み、伝送チェーンが下部ブラケット内側にあり、そのため、図中の正視角度から見て伝送チェーンを示すことができず、前記上部ブラケット50の底部に上部スプレーヘッド51が設置され、前記下部ブラケット58に下部スプレーヘッド52が設置され、前記上部スプレーヘッド52は動作時に前記上鋼板10の真上に位置し、前記下部スプレーヘッド52は動作時に前記下鋼板11の直下に位置し、前記上部スプレーヘッド51と前記下部スプレーヘッド52はいずれも配管と水ポンプを介して給水管路に接続され、前記冷却部5の伝送チェーン側に排水溝59が設置される。
【0030】
前記風冷モジュールは前記水冷モジュールの下流に接続される。前記風冷モジュールは、前記伝送チェーンの上方に設置された上部風冷フレーム53と前記伝送チェーンの側面に設置された下部風冷フレーム57とを含む。前記上部風冷フレーム53に複数の等間隔に設置された第1のガスノズル54が設置され、前記下部風冷フレーム57に複数の等間隔に設置された第2のガスノズル55が設置され、前記第1のガスノズル54は動作時に前記上鋼板10の真上に位置し、前記第2のガスノズル55は動作時に前記下鋼板11の直下に位置し、前記第1のガスノズル54と前記第2のガスノズル57はいずれもホースを介してガスポンプに接続される。
【0031】
図7に示すように、前記投入取り出し部2の前には、さらに含水率測定器を配置して木材の含水率に対してテストを行うための含水率テスト部8を含み、前記移動装置6は、さらに前記含水率テスト部8に設置された伝送チェーンを含む。
【0032】
前記含水率テスト部8の伝送チェーンは、テスト段80と、前記テスト段80片側に接続された進入段81と前記進入段81側辺に設置されたNG品出力段82とを含む。前記テスト段80とNG品出力段82は縦方向チェーンリンクであり、前記進入段81は前記投入取り出し部2の伝送チェーンに接続する横方向ローラリンクである。前記含水率テスト部8は、マイクロ波送信端830とマイクロ波受信端831が設置されるマイクロ波水分測定器と、テスト段80のステーションに設置されたテスト用ブラケット84とを含み、前記マイクロ波送信端830はテスト用ブラケット84の底部に設置され、前記マイクロ波受信端831はテスト段80の伝送リンクに設置され、前記テスト用ブラケット84は移動機構により水平方向と垂直方向の移動を実現する。
【0033】
実際の運用では、含水率テスト部により直接含水率に不合格の木材を流水ラインから取り除き、例えば日本の杉木は、高周波加熱に適した含水量が9ー16%であり、当該範囲よりも大きいか小さい場合には生産ラインから取り除かれる。
【0034】
図8に示すように、前記テスト段80の伝送チェーンにさらに重量測定装置85と強度測定装置86が設置される。前記重量測定装置85は伝送チェーンの内側に設置されたトレイとトレイ底部に設置された重量測定器であり、前記重量測定器の底部は昇降シャシーにより固定される。木材が前記トレイの位置に到着する時、昇降シャシーが上昇し、木材を伝送チェーンから取り外して重量を計る。説明しておきたいのは、ここで記載した昇降シャシーの技術的解決手段が明確すべきであるものであり、例えば、従来技術を採用した油圧レバーの昇降などのことである。前記強度測定装置85は、伝送チェーンの外側に設置されたノックオン装置である。
【0035】
一般的には、規制の板材に仕上げるために木材をスティッチングする必要がある。例えば家具板材の一般仕様は2440*1220mmで、一般的な厚さは3mm、5mm、6mm、9mm、12mm、15mm、16mm、18mm、25mmである。そのため、本発明の生産ラインにさらに木材スティッチング部が増設した。図9に示すように、前記投入取り出し部2側にさらに木材スティッチング部9が設置される。前記木材スティッチング部9は、木材供給装置90と、膜搬送器91と、配列輸送装置92と、搬入輸送装置93と、高周波加熱接着装置94と搬出輸送装置95とを含む。
【0036】
前記配列輸送装置92と搬入輸送装置93は平行に配列した輸送チェーンであり、2本の輸送チェーンは全行程において縦方向輸送チェーン920で接続され、前記縦方向輸送チェーン920と搬入輸送装置93のコネクタ箇所にさらに木材を90°反転させるための反転装置921が設置される。ここで反転装置921は前記木材を反転するだけでよく、1つの例では、反転装置921の回転可能なL型反転プッシュは、水平方向の長ロッドと、垂直方向の短ロッドと、2本のロッドが接するところにある後部の回転ロッドとを含み、反転していないときは水平方向の長ロッドを木材に向け、木材が進むときは水平方向の長ロッドに入り、木材の先端面が垂直方向の短ロッドに当接する時に、当該プッシュの回転ロッドをモーターで90°回転させ、水平方向の長ロッドは垂直方向になり、そのとき木材の先端面が次の接触伝送チェーンの底面に反転して反転が完了する。
【0037】
図11に示すように、前記膜搬送器91は搬入輸送装置93に設置され、前記膜搬送器91は、PVBフィルムロール914を置くためのラック910を含む。前記ラック910両側が下向きに延出してラックピン911として設置され、前記ラックピン911に伝送チェーンに沿って運動する移動機構が接続され、前記ラックピン911はちょうど木材の両側辺に配置され、前記ラック910にPVBフィルム落下のための開口が設けられ、前記移動機構は落下するPVBフィルムを常に配列接着対象の木材の前側に配置させる。前記開口内の片側に圧延ローラ912が設置され、前記圧延ローラ912の外側辺はちょうど前記PVBフィルム914に接触しており、前記圧延ローラ912の回転によりPVBフィルムロール914を駆動して下方にあるPVBフィルムを回転させることができ、前記ラック910の下方にさらにPVBフィルムを切断するためのカッター913が設置される。前記下方のPVBフィルムは配列接着対象の木材に接触すると同時に、カッター913はPVBフィルムを切断し、切断したPVBフィルムを前に進んでいる配列接着対象の木材に前の木材と挟み込むように1つの作業を完了させた後、膜搬送器は後ろに1本の木材の距離を進み、次の木材が前に進む時に膜を切り続ける。前記搬入輸送装置93の外側にさらにリミットプレート930が設置される。
【0038】
一部の例では、図12に示すように、前記ラック910底部開口のカッター913非側方に下向きに延出したプレート915が設置され、前記ラック91底部のカッター913片側にレール916が設置され、前記カッター913は回転可能な円形ブレードであり、前記カッター913は角度調整可能な角度接続フレーム918を介して前記レール916に係合されたスライダ917に接続され、その刃はプレート915に向けられ、角度接続フレームで角度調整後、前記刃はPVBフィルムをプレート915に押し付け、スライダ917のスライドにより垂下したPVBフィルムを切断することができる。ここで記載した角度接続フレームはそのうち1本の接続ロッドを回転させればよいものであり、例えば、伸縮ロッドで2本の交差接続ロッドを接続して形成された三角ブラケットは、上記角度接続フレームであり、そのうちの1本の接続ロッドの端部に前記カッターが接続される。特定の角度を感知することで調整の参照になるように、角度接続フレームの間に角度センサーが設置されてもよい。使用時、角膜が落下し、角度接続フレームで角度を調整することで、PVBフィルムをプレート上に押し付けるようにカッターを上向きに駆動し、その際にスライダが動力機構によりスライドし、円形ブレードが転がり、PVBフィルムを切断し、切断されたPVBフィルムを前に進んでいる配列接着対象の木材に前の木材と挟み込むようにする。
【0039】
前記高周波加熱接着装置94内に加熱接着チャンバ946が設置される。前記加熱接着チャンバ946の上下壁は、負電極接続の下電極板940と正電極接続の上電極板941とを含む。図10に示すように、前記上電極板941は当該装置内に設置された油圧機構のリンクと接続し、前記下電極板940は前記搬入輸送装置93の輸送チェーンと接続し、前記加熱接着チャンバ946の先端にリミットブロック942が設置され、後端に可搬性のあるピストンブロック943が設置され、前記リミットブロック942は移動接続機構により水平方向又は垂直方向に移動可能であり、前記上電極板941の側辺に接着後の圧密木板を貼り付けてロールアウトするローラが設置される。
【0040】
前記搬出輸送装置95は高周波加熱接着装置94の出口端に接続し、接着後の木材を送り出すために用いられるものである。
【0041】
一部の例では、前記木材スティッチング部9の末端にさらに研磨部(図示せず)が接続され、前記研磨部は前記搬出輸送装置95に接続された輸送チェーン及び木材を研磨するための研磨機が設置され、前記研磨機は従来技術の研磨機を採用すればよいものである。
【0042】
本発明の別の発明では、加工対象の木板に多孔質板のクリップを加えて圧密木の含水率を低減することで、反発の問題を解決する。この原理に基づき、一部の改良例として以下のとおりである。
【0043】
前記補助板材は、さらに木材の上下面に設置された上多孔質板12と下多孔質板13とを含み、前記上多孔質板12と下多孔質板13はいずれも熱硬化性プラスチック又は金属材料で製造される。前記上多孔質板12と下多孔質板13の厚さはいずれも2ー20mmである。
【0044】
前記上多孔質板12と下多孔質板13は、マルチメッシュのプレート構造又は実板であり、当該実板の前記木材に接触する面にマルチメッシュ構造が設けられ、図19に示すように、前記マルチメッシュ構造の具体的な形態は、無秩序又は秩序状態の3次元多孔質板構造を含むか(図16-18に示す)、あるいは規則又は不規則な単層孔質板構造(図13-15に示す)である。
【0045】
好ましい一例では、前記上多孔質板12と下多孔質板13はいずれもステンレスメッシュを折り畳んでなり、前記ステンレスメッシュの空隙率は4-100メッシュであり、前記折り畳み数は6以下である。
【0046】
説明しておくと、前記熱硬化性プラスチックは、フェノールプラスチック、ウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、フランプラスチック、アクリル樹脂のいずれか一種である。前記金属材料は、炭素鋼、鉄線、タングステン鋼合金、ステンレス鋼のいずれか一種を含む。
【0047】
上記原理に基づくもう一つの改良例としては、前記上鋼板10と下鋼板11の木材向きの面に多孔質層101が設けられ、前記多孔質層101の厚さは2ー20mmである。前記多孔質層の具体的な形態は、無秩序又は秩序状態の3次元多孔質板構造を含むか、あるいは規則又は不規則な単層孔質板構造である。前記上鋼板10と下鋼板11の木材向きの面には、横方向及び/又は縦方向に沿って排水溝100(図20に示す)が設けられる。
【0048】
上記方法における多孔質板は、投入取り出し部に木板の上下端を加えた後、クリップ鋼板とともに軟化して高周波加熱加圧し、再び投入取り出し部に戻った時点で多孔質板を取り出す。一般にクリップ鋼板で木材に密着させることで、木材が片側からわずかに排気するだけで水が見えない。一方、本発明の技術的解決手段では、多孔質板を加えた後、水滴が流出することが見られ、従って従来の暗号化された熱蒸気排出に比較して当該方法は排水量を高めることができる。
【0049】
説明しておくと、本発明において多孔質板を増設するか又は鋼板に多孔質層を加える技術的解決手段は、熱圧板の直圧だけでなくローラ圧にも適用できる。高周波を熱源として適用するだけでなく、熱伝導油も適用する。
【0050】
なお、上記方法で押えられた圧密木は多孔質板に押さえて表面帯にブツが生じるが、木材の使用にはすべて砂光が必要であるため、研磨ステップで除去することができ、木材の外観に影響を及ぼさない。
【試験例1】
【0051】
多孔質板圧密を加えた性能指標の考察
565*200*40mmのポプラ木12枚をサンプルとし、圧縮前の含水率を13-14%と測定し、そのうち3枚を多孔質板の対照群とし、9枚を多孔質板クリップテスト群とし、テスト群のマルチメッシュは4メッシュ、10メッシュ、20メッシュのステンレス鋼ネットを採用し、ネット体を単層ネット、三層ネットと六層ネットとしてテストを行い、高周波圧密試験機を用いて圧密する。圧密過程のパラメータは、一回目の加熱温度120℃、時間2min、陽極電流1.0A/55とし、二回目の加熱温度130℃、時間12min、陽極電流0.8A/45とし、3回目の加熱温度180℃、時間32min、陽極電流0.8A/45としたことである。
【0052】
圧密木層ごとにそれぞれ5つの点、例えば4つの角と中心点を均一に選び、各点の含水率を測定し、含水率の大きさを計算し、考察結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から分かるように、本発明による多孔質金属板クリップを増設して圧密を行う技術的解決手段は、出水率を大幅に向上させ、対照群の7-8%の含水率と比較して、本発明の方法の含水率は3%以下に低下し、最適に2.2%に低下することができる。
【0055】
以上に記載した実施形態は、当該技術的解決手段の保護範囲に対する限定を構成しない。上記実施形態の精神と原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等な置換と改良など、いずれも当該技術的解決手段の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20