(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】磁気遮蔽型変流器
(51)【国際特許分類】
H01F 38/30 20060101AFI20220620BHJP
H01F 27/36 20060101ALI20220620BHJP
H01F 27/04 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
H01F38/30
H01F27/36 154
H01F27/04 Z
(21)【出願番号】P 2020129104
(22)【出願日】2020-07-30
(62)【分割の表示】P 2018530530の分割
【原出願日】2016-12-09
【審査請求日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】10-2015-0177272
(32)【優先日】2015-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511302024
【氏名又は名称】アモグリーンテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン ドン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム チョル ハン
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-112947(JP,A)
【文献】特開平05-152148(JP,A)
【文献】特開平06-267396(JP,A)
【文献】特開2011-243773(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02700953(EP,A1)
【文献】特開2009-283821(JP,A)
【文献】特開2007-299838(JP,A)
【文献】特表2002-530853(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0100787(KR,A)
【文献】特開昭63-128705(JP,A)
【文献】特開2004-014685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/30
H01F 27/36
H01F 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源線の磁界を開放し、これにより前記電源線の前記磁界に基づく電力量を算出する第1構成と、外部の磁界を遮断し、これにより盗電を防ぐ第2構成とを備える電力量計用磁気遮蔽型変流器
であって、
非晶質合金の板状のリボンが多数回巻き取られたリング状のコア、前記コアを収容するボビン、前記ボビンの外周面に沿って巻線されるコイルを含
み、両側面の中央に第1貫通口を具備し、円形の外周面を具備したマグネチックコアモジュール;
前記マグネチックコアモジュールの
前記外周面および
前記両側面を取り囲むものの、前記両側面の中央に
第2貫通口を具備し
、前記マグネチックコアモジュールの前記外周面に一致する円形の外周面を具備した鉄からなる遮蔽部材;および
前記マグネチックコアモジュールおよび前記遮蔽部材を保護するための外装ケース;を含み、
前記遮蔽部材は、内部に中空部を有する円筒状に形成されるものの、前記円筒が外周面に沿って分離された一対の遮蔽ケースからなり、
前記中空部に配置された前記マグネチックコアモジュールを囲み、前記
第2貫通口が前記一対の遮蔽ケースの各側面に備えられ、
前記一対の遮蔽ケースは、前記第2貫通口を具備した一つのケースと
前記第2貫通口を具備した板状の蓋
とを含み、
前記一つのケースは前記外周面をなす側壁の幅が前記円筒の外周面の幅と同じであり、
前記マグネチックコアモジュールの一方の側面、および前記円筒の前記外周面を形成し、
前記蓋はリング状
に形成され、前記マグネチックコアモジュールの他方の側面を形成し、
前記マグネチックコアモジュールは前記
一つのケースの側壁により形成される内部の前記中空部内に完全に収容され、前記蓋は前記
一つのケースの開口側を覆
い、
前記第2構成は、前記マグネチックコアモジュールの前記外周面および前記両側面を取り囲む前記一つのケースおよび前記蓋により実装され、前記第2貫通口の内径は前記第1貫通口の内径より小さく、前記第2貫通口を通過する前記電源線の直径より大きく、
前記第1構成は、前記一つのケースおよび前記蓋の前記第2貫通口に対して開放される前記マグネチックコアモジュールの内周面により実装される、磁気遮蔽型変流器。
【請求項2】
前記一対の遮蔽ケースは、前記外周面の分離された部位に前記コイルを引き出すための溝部を具備する、請求項1に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項3】
前記ボビンは、
内部に備えられた円筒形側壁と前記外周面との間の空間に前記コアが収容されるボビンケース;および
中央に貫通口を具備し、前記ボビンケースを覆うボビン蓋を含む、請求項1に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項4】
前記ボビンケースと前記ボビン蓋は締り嵌め方式で結合される、請求項3に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項5】
前記ボビンケースは、前記円筒形側壁の内側に備えられた第1段差部;および前記外周面の内側に備えられた第2段差部をさらに含み、
前記ボビン蓋は前記貫通口に沿って前記ボビンケース側に延長形成された突出部を含み、
前記第1段差部には前記ボビン蓋の外周辺が載置され、前記第2段差部には前記突出部が載置される、請求項3に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項6】
前記コイルはその外面に絶縁性コーティング材または絶縁性テープを具備する、請求項1に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項7】
前記遮蔽部材の中空部および前記外装ケースの内部にモールディングされるエポキシ樹脂をさらに含む、請求項1に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項8】
前記外装ケースは、
前記遮蔽部材の貫通口と同心円で備えられた円筒形側壁と外周面に沿って備えられた外壁との間に空間が形成された第1ケース;および
前記第1ケースの円筒形側壁と同心円で備えられた円筒形側壁と外周面に沿って備えられた外壁との間に空間が形成された第2ケースを含み、
前記第1ケースおよび前記第2ケースの空間に前記マグネチックコアモジュールおよび前記遮蔽部材が収容される、請求項1に記載の磁気遮蔽型変流器。
【請求項9】
前記外装ケースは、
前記第1ケースの外周面に備えられた結合輪;および
前記第2ケースの外周面で前記結合輪の対応する位置に備えられた結合溝をさらに含む、請求項8に記載の磁気遮蔽型変流器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変流器に関するものであって、さらに詳細には外部から印加される磁界を遮蔽させると共に小型化できる、磁気遮蔽型変流器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に家庭や工場などで使われる電力量計は機械式と電子式に区分され、高い信頼度と安定した検針および小型化などの長所を有しているため、電子式電力量計が普遍化している。最近では、遠隔検針または建物の内部の電子機器別検針機能を具備したスマートメーターが登場した。
【0003】
このような電子式電力量計は、電力の使用量を算出するために電流と電圧を検出するようになるが、この時、電流の検出は、変流器(current transformer)、シャント抵抗(shunt resistance)、ホール効果センサ(Hall
effect sensor)電流センサ、ロゴスキーコイル(rogowskii coil)等のような電流センサを利用する。
【0004】
前述した電流センサのうち、電力消費量、電気絶縁、温度による出力変化率、DCオフセットなどのような主要特性を満足させつつも、相対的に低廉な変流器が電子式電力量計において多くの比重を占めている。
【0005】
このような変流器は、電源による大きな電流を小さな電流に変流させて電流を検出し、変換比率によって実際に供給された電流を検出する。ここで、変換比率は変流器のコアに巻線されるコイルのターン数で決定される。
【0006】
このような変流器は、内部に特定の組成のコア(鉄心)を具備して外部で一定の大きさ以上の磁界の影響を受けるようになると、コアで発生する磁束が歪曲または相殺されて正確な変流が行われないため、電流検出に誤差が発生する。
【0007】
このような原理を利用して、電力量計の外部で磁石を利用して磁界を発生させることによって、電力の使用量を減少させる、いわゆる「盗電」が発生するようになる。特に、遵法精神の低い地域(例えば、低開発国)では磁石を利用した盗電が増加する趨勢である。
【0008】
これを解決するために、変流器と電力量計の外部ケースとの間の距離を十分に確保することによって外部で磁石による影響力を縮小させることができるが、変流器と電力量計の外部ケースとの間の距離を増加させることは、電力量計の全体の大きさを不要に増加させるだけでなく、機器の小型化の趨勢にも反することである。特に、電力量計はその内部で変流器が一側に偏重して配置されるのが一般的であり、前記の方法は電力量計の大きさをさらに増加させるため、実用的ではない。
【0009】
したがって、外部磁界による影響を遮蔽させながらも電力量計の小型化および変流器自体の小型化を低費用で具現できる変流器の開発が急を要しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような点を勘案して案出されたものであって、外部から印加される磁界を遮蔽できると共に低費用で具現することができ、変流器自体の小型化および電力量計の小型化に寄与できる磁気遮蔽型変流器を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した課題を解決するために、本発明は板状のリボンが多数回巻き取られたリング状のコア、前記コアを収容するボビン、前記ボビンの外周面に沿って巻線されるコイルを含むマグネチックコアモジュール;前記マグネチックコアモジュールの外周面および両側面を取り囲むものの、前記両側面の中央に貫通口を具備した鉄からなる遮蔽部材;および前記マグネチックコアモジュールおよび前記遮蔽部材を保護するための外装ケース;を含む、磁気遮蔽型変流器を提供する。
【0012】
本発明の好ましい実施例によると、前記遮蔽部材は内部に中空部を有する円筒状に形成されるものの、前記円筒が外周面に沿って分離された一対の遮蔽ケースからなり、前記貫通口が前記一対の遮蔽ケースの各側面に備えられ得る。
【0013】
また、前記一対の遮蔽ケースは、前記外周面をなす側壁の大きさが均一であり得る。
【0014】
また、前記一対の遮蔽ケースは、前記外周面をなす側壁の大きさが互いに異なり得る。
【0015】
また、前記一対の遮蔽ケースのうち一つは前記外周面をなす側壁の幅が前記円筒の外周面の幅と同じであり、前記一対の遮蔽ケースのうち他の一つは板状であり得る。
【0016】
また、前記一対の遮蔽ケースは前記外周面の分離された部位に前記コイルを引き出すための溝部を具備することができる。
【0017】
また、前記貫通口はその内径が前記マグネチックコアモジュールの外径より大きくてもよい。
【0018】
また、前記ボビンは、内部に備えられた円筒形側壁と前記外周面との間の空間に前記コアが収容されるボビンケース;および中央に貫通口を具備し、前記ボビンケースを覆うボビン蓋を含むことができる。
【0019】
また、前記ボビンケースと前記ボビン蓋は締り嵌め方式で結合され得る。
【0020】
また、前記ボビンケースは、前記円筒形側壁の内側に備えられた第1段差部;および前記外周面の内側に備えられた第2段差部をさらに含み、前記ボビン蓋は前記貫通口に沿って前記ボビンケース側に延長形成された突出部を含み、前記第1段差部には前記ボビン蓋の外周辺が載置され、前記第2段差部には前記突出部が載置され得る。
【0021】
また、前記コイルはその外面に絶縁性コーティング材または絶縁性テープを具備することができる。
【0022】
また、前記磁気遮蔽型変流器は、前記遮蔽部材の中空部および前記外装ケースの内部にモールディングされるエポキシ樹脂をさらに含むことができる。
【0023】
また、前記外装ケースは、前記遮蔽部材の貫通口と同心円で備えられた円筒形側壁と外周面に沿って備えられた外壁との間に空間が形成された第1ケース;および前記第1ケースの円筒形側壁と同心円で備えられた円筒形側壁と外周面に沿って備えられた外壁との間に空間が形成された第2ケースを含み、前記第1ケースおよび前記第2ケースの空間に前記マグネチックコアモジュールおよび前記遮蔽部材が収容され得る。
【0024】
また、前記外装ケースは、前記第1ケースの外周面に備えられた結合輪;および前記第
2ケースの外周面で前記結合輪の対応する位置に備えられた結合溝をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、マグネチックコアモジュールの外周面および両側面を遮蔽部材で取り囲むことによって、外部から印加される磁界が遮蔽部材を通じて磁気経路を形成するため、外部磁界がマグネチックコアモジュールに伝達されず、安定して外部磁界の影響を遮断させることができる。
【0026】
また、本発明は、遮蔽部材を安価の鉄で具現することによって、外部磁界の遮蔽性能を満足させながらも変流器の製造費用を軽減させることができる。
【0027】
また、本発明は、内部に中空部を有する円筒状の遮蔽部材を外周面に沿って一定の大きさに分離されるように構成することによって、マグネチックコアモジュールが遮蔽部材に容易に収容されるため、製造工程上の便宜性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明は、遮蔽部材を遮蔽力に優れている鉄で構成することによって、変流器と電力量計の外部ケースとの間に距離を設ける必要がないため、変流器の小型化はもちろん電力量計の全体の大きさを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例に係る磁気遮蔽型変流器を示した斜視図。
【
図3】
図1におけるマグネチックコアモジュールの細部分解斜視図。
【
図5】本発明の一実施例に係る磁気遮蔽型変流器の遮蔽部材の他の例を示す斜視図。
【
図6】本発明の一実施例に係る磁気遮蔽型変流器を具備した電力量計の構成を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略したのであり、明細書全体に亘って同一または類似する構成要素については同じ参照符号を付加する。
【0031】
本発明の一実施例に係る磁気遮蔽型変流器100は、
図1~
図4に図示された通り、マグネチックコアモジュール101、遮蔽部材150、および外装ケース160を含む。
【0032】
前記マグネチックコアモジュール101は、その中央に備えられた貫通口102に電力線または電源線が配置されると、前記電力線または電源線に流れる電流によって誘導される磁力による電流を励起して電流量を検出する。このようなマグネチックコアモジュール101は、コア110、ボビン120およびコイル130を含む。
【0033】
前記コア110は、板状のリボンが多数回巻き取られたリング状に形成される。この時、前記コア110は、非晶質合金のリボンで構成され得る。
【0034】
前記ボビン120は、その内部に前記コア110を収容する。このようなボビン120は、ボビンケース120aおよびボビン蓋120bを含むことができる。
【0035】
前記ボビンケース120aは円筒状に形成されるものの、一側が開放され、その内部で前記コア110の内部円と同心円をなす円筒形側壁122を具備することができる。この時、前記ボビンケース120aは、前記円筒形側壁122と外周面との間の空間121にリング状の前記コア110が収容され得る。
【0036】
前記ボビン蓋120bは、中央に貫通口125を具備する板状のリング状に形成され、前記ボビンケース120aの一側の開放部を覆う。ここで、前記貫通口125の内径は前記円筒形側壁122により形成される内径と実質的に同一に形成され得る。
【0037】
この時、前記ボビンケース120aと前記ボビン蓋120bは締り嵌め方式で結合され得る。一例として、前記ボビンケース120aは、
図3に図示された通り、前記円筒形側壁122の内側に備えられた第1段差部123および、前記ボビンケース120aの外周面の内側に備えられた第2段差部124を含むことができる。また、前記ボビン蓋120bは、前記貫通口125に沿って前記ボビンケース120a側に延長形成された突出部126を含むことができる。
【0038】
ここで、前記第1段差部123は前記突出部126の長さに対応する大きさの段差を具備し、前記第2段差部124は前記ボビン蓋120bの厚さに対応する大きさの段差を具備することができる。
【0039】
このように、前記ボビンケース120aの前記円筒形側壁122と外周面の内側に前記第1段差部123および前記第2段差部124を具備することによって、前記第1段差部123には前記ボビン蓋120bの外周辺が載置され、前記第2段差部124には前記突出部126が載置され得る。
【0040】
この時、前記ボビン蓋120bの外径は、前記ボビンケース120aで前記第1段差部123に形成される内径と実質的に同一であり、前記ボビン蓋120bの前記貫通口125の内径、すなわち、前記突出部126により形成される内径は、前記ボビンケース120aの外周面の内側で前記第2段差部124により形成される内径と実質的に同一に構成され、したがって前記ボビン蓋120bは前記ボビンケース120aの開放側で締り嵌め方式で結合され得る。
【0041】
前記コイル130は前記コア110に誘導される磁力による電流を生成する。このようなコイル130は、前記ボビン120の外周面に沿って巻線され得る。この時、前記コイル130は、決定された電流変換比率によるターン数で巻線され得る。
【0042】
このような前記コイル130は、導電性鉄からなる前記遮蔽部材150との電気的連結を防止するために、その外面に前記絶縁材140を具備することができる。一例として、前記絶縁材140は絶縁性コーティング材または絶縁性テープであり得る。
【0043】
前記遮蔽部材150は前記マグネチックコアモジュール101の外周面および両側面を取り囲むように備えられる。このような遮蔽部材150は、安価の鉄で構成されて前記マグネチックコアモジュール101の両側面の中央に貫通口151を具備する。
【0044】
この時、前記貫通口151の内径は、前記マグネチックコアモジュール101の貫通口102の直径より小さく形成され、前記貫通口102を通過する電源線の直径よりは大きく形成されて、遮蔽部材150がマグネチックコアモジュール101を完全に取り囲むことができるようにする。
【0045】
このように、安価の鉄からなる前記遮蔽部材150で前記マグネチックコアモジュール101の外周面および両側面を取り囲むと、外部から印加される磁界が前記遮蔽部材150を通じて磁気経路を形成することができる。そうすると、外部磁界が前記マグネチックコアモジュール101に伝達されなくなるため、外部磁界の遮蔽性能を満足させながらも前記磁気遮蔽型変流器100の製造費用を軽減させることができる。
【0046】
このような遮蔽部材150は
図2に図示された通り、内部に中空部152を有する円筒状に形成されるものの、前記円筒の外周面に沿って分離された一対の遮蔽ケース150a、150bで構成され得る。この時、前記遮蔽部材150が前記マグネチックコアモジュール101を取り囲むように前記中空部152に前記マグネチックコアモジュール101が載置され得る。
【0047】
一例として、前記一対の遮蔽ケース150a、150bは、一側が開放され、他側の中央に前記貫通口151を具備した、同じ形状で構成され得る。すなわち、前記一対の遮蔽ケース150a、150bは、前記外周面をなす側壁153の大きさが均一であり得る(
図2参照)。この時、前記貫通口151は前記一対の遮蔽ケース150a、150bの各側面に対応する位置に備えられ得る。
【0048】
本実施例では、前記一対の遮蔽ケース150a、150bが均一な大きさの側壁153を有するものとして図示し説明したが、これに限定されず、前記一対の遮蔽ケース150a、150bが前記マグネチックコアモジュール101を完全に取り囲むように互いに異なる大きさの側壁を具備してもよい。すなわち、前記遮蔽部材150はその外周面の任意の位置で分離された形態に形成され得る。
【0049】
ここで、前記一対の遮蔽ケース150a、150bは、外周面をなす前記側壁153の分離された部位に前記コイル130を引き出すための前記溝部154を具備することができる。
【0050】
このように、内部に中空部152を有する円筒状の前記遮蔽部材150は、側壁153に沿って分離され、前記コイル130を引き出すように前記側壁153に前記溝部154を具備することによって、前記マグネチックコアモジュール101を前記遮蔽部材150内に容易に収容することができるため、製造工程上の便宜性を向上させることができる。
【0051】
前記外装ケース160は前記マグネチックコアモジュール101が内部に結合された前記遮蔽部材150を保護する機能を有し、一対のケース160a、160bで構成され得る。
【0052】
ここで、前記第1ケース160aおよび前記第2ケース160bのそれぞれは、前記遮蔽部材150の前記貫通口151と同心円で備えられた円筒形側壁161、161’を具備することができる。この時、前記側壁161、161’と外周面に沿って備えられた外壁162、162’との間に形成される空間163、163’は、前記マグネチックコアモジュール101および前記遮蔽部材150を収容するためのものである。
【0053】
また、前記外装ケース160は、前記第1ケース160aの前記側壁161の外側に結合輪164が備えられ、前記第2ケースの前記側壁161’で前記結合輪164の対応する位置に結合溝165が備えられ得る。
【0054】
このような結合輪164および結合溝165によって前記外装ケース160をなす前記第1ケース160aと前記第2ケース160bが結合され得る。
【0055】
併せて、前記磁気遮蔽型変流器100は、前記遮蔽部材150の前記中空部152および前記外装ケース160の内部にモールディングされる前記エポキシ樹脂170をさらに含むことができる。このようなエポキシ樹脂170は、前記外装ケース160の内部の前記マグネチックコアモジュール101および前記遮蔽部材150を固定することはもちろん、外部の物理化学的衝撃から保護することができる。
【0056】
このように、前記外装ケース160の内部を磁気遮蔽特性を有する前記エポキシ樹脂170でモールディングすることによって、前記遮蔽部材150の遮蔽機能の他に付加的な遮蔽機能を提供するため、より薄い厚さの遮蔽部材を利用しつつも外部磁界の影響をさらに遮断させることができ、したがって、前記磁気遮蔽型変流器100を小型化することができる。
【0057】
このような磁気遮蔽型変流器100は
図4に図示された通り、前記コア110を収容する前記ボビン120の外部には前記コイル130が巻線されて前記マグネチックコアモジュール101を形成する。
【0058】
この時、前記マグネチックコアモジュール101は、外部と遮断された形態の前記遮蔽部材150内に収容され得、前記遮蔽部材150は前記外装ケース160内に装着され得る。ここで、前記遮蔽部材150と前記マグネチックコアモジュール101との間または前記遮蔽部材150と前記外装ケース160との間は、前記エポキシ樹脂170でモールディングされ得る。
【0059】
他の例として、
図5に図示された通り、本発明の実施例に係る前記磁気遮蔽型変流器100は前記遮蔽部材150’が一つのケース150a’と板状の蓋150b’で構成され得る。
【0060】
一例として、前記遮蔽部材150’をなす一対の遮蔽ケースのうち一つ150a’は、側壁153’の幅が前記遮蔽部材150’の外周面の幅と同じであり、一対の遮蔽ケースのうち他の一つ150b’は、リング状の板状に形成され得る。
【0061】
すなわち、一つのケース150a’は円筒状に形成されるものの、一側は開口され、他側はその中央に貫通口151’を具備することができる。この時、前記ケース150b’は開口側に前記コイル130を引き出すための溝部154’が備えられ得、前記蓋150b’はその中央に貫通口151’’を具備することができる。
【0062】
このような構成によって、前記マグネチックコアモジュール101は、前記ケース150a’の前記側壁153’により形成される内部の中空部152’内に完全に収容され得、この状態で前記蓋150b’が前記ケース150a’の開口側を覆うことによって、前記遮蔽部材150’は前記マグネチックコアモジュール101に対する外部磁界の影響を遮蔽するように前記マグネチックコアモジュール101の外周面および両側面を覆うことができる。
【0063】
前述したような磁気遮蔽型変流器100は、電力量計内に備えられて電源の電流を検出することによって、電力量の算出に利用され得る。
【0064】
図6に図示された通り、電力量計10は電力算出部11、電力表示部12、および磁気遮蔽型変流器100を含む。
【0065】
前記電力算出部11は、前記磁気遮蔽型変流器100を通じて検出した電流量によって消費される電力量を算出することができる。この時、前記電力算出部11は前記磁気遮蔽
型変流器100の前記コイル130のターン数によって検出された電流量を実際の電流量に変換して電力量を算出することができる。
【0066】
前記電力表示部11は、前記電力算出部12により算出された電力量を表示することができる。このような前記電力表示部12は、LCD、またはLEDからなるディスプレイ装置であり得る。
【0067】
このように構成された前記電力量計10は、前記磁気遮蔽型変流器100が外部磁界を遮蔽させることによって、外部磁界の影響を受けずに誤差なく電力量を測定することができ、したがって盗電を防止することができる。
【0068】
また、前記電力量計10は、前記磁気遮蔽型変流器100を外部ケースに近接配置させる場合にも外部磁界の影響を受けないため、不要な空間を省略することによってコンパクトに配置することができ、したがって、全体の大きさを減少させて小型化され得る。
【0069】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案することができるはずであるが、これもまた本発明の思想範囲内に入るものと言える。