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  • 特許-ブロー成形装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】ブロー成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/28 20060101AFI20220620BHJP
   B29C 49/04 20060101ALI20220620BHJP
   B29C 49/32 20060101ALI20220620BHJP
   B29C 49/46 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
B29C49/28
B29C49/04
B29C49/32
B29C49/46
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020531689
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2018062724
(87)【国際公開番号】W WO2019108577
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】15/824,571
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504298235
【氏名又は名称】ウェイラー エンジニアリング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ディー・スティーブンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・インモルディーノ
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-225978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0029936(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2614948(EP,A1)
【文献】特開平05-185497(JP,A)
【文献】特開平08-300461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/32
B29C 49/28
B29C 49/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平基台を含むフレームと、
押出機ステーションとブロー・充填ステーションとの間にある直線状の経路で移動するように、前記基台にスライド可能に取り付けられた金型台車と、
前記金型台車と動作可能に関連付けられた金型台車駆動装置と、
前記金型台車内にあり、共に金型キャビティを画定している第1及び第2の対向する半金型を含む、少なくとも1つの金型アセンブリであって、前記第2の半金型は、前記経路に沿って、前記第1の半金型に対して独立して移動可能であるため、前記金型アセンブリを開閉することができ、また前記第1の半金型は前記金型台車に固定されている、少なくとも1つの金型アセンブリと、
前記金型アセンブリを開閉するために、前記金型アセンブリと動作可能に関連付けられた金型駆動装置と、
前記押出機ステーションにあり、前記基台に対して垂直方向に往復移動できるように前記フレームに取り付けられた押出機ダイヘッドと、
前記ブロー・充填ステーションの上方で前記フレームに取り付けられたブロー・充填ヘッドと、
前記押出機ステーション及び前記ブロー・充填ステーションで前記金型アセンブリを位置決めするために、前記金型台車駆動装置と動作可能に関連付けられた制御部と
を備える、ブロー成形装置。
【請求項2】
隣接してはいるが、前記金型台車内で独立して作動可能な2つの金型アセンブリを有する、請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項3】
前記押出機ダイヘッドが、前記金型台車の前記経路に沿って設置された押出機バレルと連通している、請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項4】
前記押出機ダイヘッドが、前記金型台車の前記経路に対して実質的に直角に位置する押出機バレルと連通している、請求項1に記載のブロー成形装置。
【請求項5】
水平基台を含む支持フレームと、
前記基台にスライド可能に取り付けられ、押出機ステーションとブロー・充填ステーションとの間にある直線状の経路で移動可能な金型台車アセンブリと、
前記金型台車と動作可能に関連付けられた金型台車位置決め駆動部と、
前記金型台車内で隣接する第1及び第2の金型アセンブリであって、前記金型アセンブリはそれぞれ、共に金型キャビティを画定しており、前記経路に沿って前記金型キャビティを開閉するように独立して作動可能である、対向する半金型を含む、第1及び第2の金型アセンブリと、
前記金型キャビティを開閉するために、各金型アセンブリと動作可能に関連付けられた金型駆動装置と、
垂直方向に往復移動できるように、前記押出機ステーションの上方で前記フレームに取り付けられた押出機ダイヘッドと、
前記ブロー・充填ステーションの上方で前記フレームに取り付けられたブロー・充填ヘッドと、
前記押出機ステーション及び前記ブロー・充填ステーションで前記金型アセンブリを位置決めするために、前記金型台車位置決め駆動部と動作可能に関連付けられた制御部と
を備えるブロー成形装置であって、
前記金型アセンブリはそれぞれ、前記金型台車に固定された半金型、及び前記経路に沿って、前記金型台車に固定された半金型に対して独立して移動可能な半金型を含む、ブロー成形装置。
【請求項6】
前記金型台車位置決め駆動部がサーボ駆動部である、請求項5に記載のブロー成形装置。
【請求項7】
前記金型台車位置決め駆動部が油圧駆動部である、請求項5に記載のブロー成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月28日に出願された米国特許出願第15/824,571号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容全体を、参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、押出ブロー成形装置に関する。より詳細には、本発明は、ブロー/充填/密封法によって容器を製造するための、押出ブロー成形装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ブロー/充填/密封法は、押出ブロー成形法である。基本的なブロー成形装置は、押出機と、単一又は複数のパリソンを有するダイと、型締装置と、金型とを備える。基本的なブロー/充填/密封押出ブロー成形法のステップでは、パリソンの押出し、押し出されたパリソンの金型内での膨張による容器の成形、成形された容器の充填及び密封、並びに密封された容器の金型からの取外しを1つの連続処理の中で行っている。ブロー/充填/密封法は、液体医薬品の無菌包装を行うのに好ましい方法である。典型的なブロー/充填/密封機及び方法については、Weilerらによる特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第3,597,793号明細書
【文献】米国特許第4,176,153号明細書
【文献】米国特許第4,707,966号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
押出ブロー成形用装置は、パリソン成形ステーションと、ブロー成形ステーションと、ブロー成形ステーションの下流側にある容器取出ステーションとを有する。ブロー/充填/密封ブロー成形法では、パリソン成形ステーションで押し出されたパリソンがパリソン成形ステーションの金型に収容され、ここでパリソンを保持している金型がブロー・充填ステーションへと搬送され、そこでパリソンが容器へと形を変え、次いで充填及び密封される。ここで密封された容器は依然として金型の中にあり、その後取出ステーションへと搬送される。取出ステーションで金型が開放されると、取出コンベヤが成形及び充填された容器を受け取り、必要に応じてバリ取りや包装などの二次加工を行うために、ブロー成形装置から当該容器を運び去る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本ブロー成形装置は、1台の金型台車と、この台車に関連付けられた少なくとも1つの金型アセンブリとを設けて、そこでブロー成形プロセス中に、この金型アセンブリの一部のみを作動させ、その結果として処理時間を短縮させることにより、ブロー・充填ステーションでのブロー/充填/密封作業がより効率的に行われるように促進する。
【0007】
ブロー成形装置は、押出機ステーションとブロー・充填ステーションとの間にある経路で移動可能な金型台車を備える。この金型台車は、共に金型キャビティを画定している第1及び第2の対向する半金型を有する、少なくとも1つの金型アセンブリを備える。第1の半金型は金型台車に固定され、第2の半金型は、経路に沿って、第1の半金型に対して金型台車内で独立して移動可能であるため、金型アセンブリを開閉することができる。
【0008】
金型台車及び金型アセンブリ、又は複数の金型アセンブリの閉ループ位置制御は、ブロー成形装置と動作可能に関連付けられたサーボ制御部によってもたらされる。フィードバックループは、位置センサによって制御部にもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明を具体化し、かつ単一の金型アセンブリを備えた、ブロー成形装置の側面図である。
図2】本発明を具体化し、かつ同じ金型台車上に並んだ2つの金型アセンブリを備えた、ブロー成形装置の側面図である。
図3図1に示す装置と同様であるが、金型台車の移動経路に対して実質的に直角に位置する押出機を有する、ブロー成形装置の側面図である。
図4図3に示すブロー成形装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照すると、図1は、フレーム12の水平基台14にスライド可能に取り付けられた金型台車16内に単一の金型アセンブリ28を備えた、ブロー成形装置10を示す。金型アセンブリ28は、協働する第1の半金型30及び第2の半金型32を含み、これらの半金型は、金型アセンブリ内の金型キャビティを共に画定している。第1の半金型30は金型台車16に固定されている。一方、第2の半金型32は、金型台車16にスライド可能に取り付けられており、金型駆動装置33が金型アセンブリ28を開閉するために、金型台車16に沿って第1の半金型30に接近したり、離隔したり移動可能である。
【0011】
金型台車16自体は、金型台車駆動装置20による要求に金型台車位置決め駆動部18が応答することにより、押出機ステーション34とブロー・充填ステーション36との間にある経路内で移動可能となっている。この経路は、必要に応じて直線状又は曲線状とすることができる。
【0012】
押出機ダイヘッド24と連通している押出機バレル23を有する押出機22は、押出機ステーション34に設けられている。図1からわかるように、押出機ダイヘッド24は金型アセンブリ28の上方に位置しており、これにより、押出機ダイヘッド24からのパリソン部分が、金型アセンブリ28によって画定されている金型キャビティ内に直接収容され得る。押出機22は、金型台車16が押出機ステーション34と隣接するブロー・充填ステーション36との間を往復するときに、押出機ダイヘッド24に必要となる間隙をもたらすために、リフト38上で垂直方向に往復移動できるように取り付けられている。
【0013】
ブロー・充填ステーション36は、ブロー・充填ヘッド26と、充填前に切断されたパリソン部分を膨張させるためのマンドレル(図示せず)とを含む。
【0014】
容器取出ステーション42はブロー・充填ステーション36の下流側に設けられており、開放された金型アセンブリ28から充填済み容器を取り外すための取出コンベヤ44を含む。
【0015】
制御部40は、それぞれの駆動装置及び駆動部と動作可能に関連付けられているだけでなく、パリソンの押出し、容器のブローイング及び充填、並びに充填済み容器の取出しに関する金型アセンブリの動作と位置決めとを調整している。
【0016】
単一の押出機により処理される2つの金型アセンブリを備えたブロー成形装置を、図2に示している。この特定の実施形態では、ブロー成形装置50は、支持フレーム52の水平基台54にスライド可能に取り付けられた金型台車56を備える。金型アセンブリ68及び後続金型アセンブリ88を導く2つの金型アセンブリは、金型台車56内にある。主金型アセンブリ68は、金型台車56に固定された第1の半金型70と、型盤73に取り付けられ、金型台車56内で、固定された第1の半金型70に対して移動可能な可動半金型72とを含む。半金型70及び72は、主金型アセンブリ68の金型キャビティを画定するように協働している。
【0017】
同様に、後続金型アセンブリ88は、固定半金型90と、型盤93によって搬送され、固定半金型90に対して移動可能な可動半金型92とを含む。固定半金型90は金型台車56に取り付けられ、かつ固定半金型70に隣接設置されている。
【0018】
金型駆動装置94は、主金型アセンブリ68と動作可能に関連付けられており、また金型駆動装置96は、後続金型アセンブリ88と動作可能に関連付けられている。金型駆動装置94及び96の動作は、フレーム52によって支持される制御部80によって管理されている。
【0019】
成形装置50は、フレーム52上にある押出機ステーション74と、押出機ステーション74の下流側にあるブロー・充填ステーション76とを備える。
【0020】
押出機ステーション74は、押出機62と、押出機バレル63と、押出機バレル63と流体連通している押出機ダイヘッド64と、パリソン切断装置65とを含む。押出機リフト78は、押出機ダイヘッド64の下に配置された開放半金型間でパリソン部分が押し出されるときに、押出機ダイヘッド64に対して垂直方向の高さ調整と、必要となる間隙とをもたらしている。押出機リフトは、リフト、エアシリンダ、及び油圧シリンダなどであり得る。
【0021】
金型台車駆動装置60は、水平基台54にスライド可能に取り付けられた金型台車56に対応する金型台車位置決め駆動部58と、動作可能に関連付けられている。金型台車駆動装置60は、主金型アセンブリ68及び後続金型アセンブリ88を押出機ダイヘッド64の下に順次配置して、それぞれの開放半金型間で押し出されるパリソン部分を収容するようにしている。
【0022】
ブロー・充填ステーション76は、ブロー・充填ヘッド66と、マンドレル67とを含む。パリソン部分が押出機ステーションで半金型間に収容され、次いで切断され、また半金型が対応する金型駆動装置によって切断されたパリソン部分を挟んだ後、このパリソンを保持する金型アセンブリが、ブロー・充填ステーション76のマンドレル67の下に配置される。次いでマンドレル67は開口端パリソン部分に入り、閉鎖半金型によって画定された金型キャビティの輪郭に適合するように、場合によってはバキュームアシストを用いた上で、圧縮滅菌ガスを使用してパリソンが膨張され、その後、膨張したパリソンに所望の内容物が充填される。次いで、結果として得られる充填済み容器は、主金型アセンブリの上方にある従来の密封金型(図示せず)を使用して密封される。その後金型アセンブリは、容器取出ステーション(図示せず)に向かってさらに下流側へと移動する。
【0023】
図3及び図4を参照すると、フレーム112上にあるブロー成形装置110は、押出機供給ホッパー125、押出機バレル123、及び押出機バレル123と動作可能に関連付けられた押出機ダイヘッド124を含む押出機122を備える。押出機バレルは、フレーム112の水平基台114にスライド可能に取り付けられた金型台車116の経路に対して、実質的に直角に配置されている。
【0024】
ブロー・充填ヘッド126は、フレーム112上で押出機ダイヘッド124に隣接して、かつ金型台車116の経路内に設置され、この金型台車116は、金型台車116内の金型アセンブリ(図示せず)をまず押出機ダイヘッド124の下の位置に往復移動させて、押し出されたパリソン部分を受け取り、その後ブロー・充填ヘッド126の下に往復移動させて容器を成形し、かつ成形済み容器を充填する。金型台車116は、金型台車駆動装置120、サーボ駆動部又は油圧駆動部によって位置決めされるが、サーボ駆動部によって位置決めされることが好ましい。
【0025】
前述の明細書及び図面は例示として意図されるものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。部品に関するさらに別の変形形態及び再構成が本発明の趣旨及び範囲内で想定可能であり、またこれらは当業者であれば容易に想到できるであろう。
図1
図2
図3
図4