(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置
(51)【国際特許分類】
B22F 3/18 20060101AFI20220620BHJP
B21B 1/00 20060101ALI20220620BHJP
B21B 13/00 20060101ALI20220620BHJP
B21B 13/06 20060101ALI20220620BHJP
B21B 13/10 20060101ALI20220620BHJP
B30B 11/00 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
B22F3/18
B21B1/00 Z
B21B13/00 D
B21B13/06 Z
B21B13/10 Z
B30B11/00 F
(21)【出願番号】P 2021182133
(22)【出願日】2021-11-08
【審査請求日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】202011233691.1
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011232564.X
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514276562
【氏名又は名称】燕山大学
【氏名又は名称原語表記】YANSHAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 438, Hebei Street, Haigang District, Qinhuangdao City, HeBei 066004 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宋 剣鋒
(72)【発明者】
【氏名】時 迎港
(72)【発明者】
【氏名】王 棟
(72)【発明者】
【氏名】何 軒
(72)【発明者】
【氏名】焦 朝旭
(72)【発明者】
【氏名】王 思然
(72)【発明者】
【氏名】樊 又銘
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲とん▼宇
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-149305(JP,A)
【文献】特開2019-181499(JP,A)
【文献】特開昭61-087805(JP,A)
【文献】特開昭56-058902(JP,A)
【文献】特公昭36-006351(JP,B1)
【文献】特開昭52-133810(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0274601(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-8/00
C22C 1/04-1/05
C22C 33/02
B21B 13/00-13/21
B21B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム構成、ホルダー、ホッパー、横方向ロールシステム、縦方向ロールシステム及び圧延ロール水平移動モジュールを含み、
前記フレーム構成は、前記ホルダーに設置され、前記横方向ロールシステム及び前記縦方向ロールシステムは、それぞれ、前記フレーム構成に交差状に設置されると共に同一の水平面にあり、前記横方向ロールシステムは、厚さ方向に圧延圧力をかけると共に金属粉末で圧延される鋼帯の厚さを制御でき、前記縦方向ロールシステムは、幅方向に圧延圧力をかけると共に金属粉末で圧延される鋼帯の幅を制御でき、前記横方向ロールシステムにおける圧延ロール軸と、トルクを提供する動力システムの出力軸とは、一体化して構成され、
前記横方向ロールシステムは、第一横方向ロール及び第二横方向ロールを含み、前記縦方向ロールシステムは、第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールを含み、第一横方向ロール、第二横方向ロール、第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールは、互いに、閉じられる四角形のロール隙間を形成しており、前記ホッパーは、前記ロール隙間における上方に位置し、第一横方向ロール及び第二横方向ロールにおける圧延ロールは、それぞれ、正弦円周曲線が表面に設置され、前記第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールは段階状圧延ロールであり、前記段階状圧延ロールは、圧延ロールの強度及び剛性を増やすと共に縦方向ロール軸に掛けられる負荷を減らすことができ、
前記第一横方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部は、円錐歯車を介して、前記第一縦方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部に接続され、前記第二横方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部は、円錐歯車を介して、前記第二縦方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部に接続され、前記第一横方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線と前記第一縦方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線とが垂直に交わり、前記第二横方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線と前記第二縦方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線とが垂直に交わり、
前記第一横方向ロールに位置する圧延ロール軸と第一縦方向ロールに位置する圧延ロール軸とが繋がる端部及び第二横方向ロールに位置する圧延ロール軸と第二縦方向ロールに位置する圧延ロール軸が繋がる端部には、それぞれ、等間隔で設けられた三つの周方向のガイドキー溝が設置されており、各圧延ロールにおける圧延ロール軸の端部は、前記ガイドキー溝及び
前記ガイドキー溝にはめ込まれたガイドキーを介して前記円錐歯車に接続され、等間隔で設けられた三つの周方向のガイドキー溝
を備えており、
第一横方向ロール及び第二横方向ロールのうちの一つ及び第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールのうちの一つは、それぞれ、水平移動に用いられる圧延ロール水平移動モジュールが接続されており、前記圧延ロール水平移動モジュールは、一対のボールねじ、一対のボールねじナット軸、一対の圧延ロール軸受座接続部、歯車系及びモーターシステムを含み、前記圧延ロール軸受座接続部は、圧延ロール軸受座に接続される接続溝が第一方端に設置され、ボールねじにおける一方端にねじ山を介して螺合接続されるねじ山穴が第二方端に設置され、前記ボールねじは、螺合方向が異なるねじ山構成が両端にそれぞれ設置され、第一方端が前記圧延ロール軸受座に接続され、第二方端がボールねじナット軸に接続されることから、前記ボールねじナット軸による回転により、ボールねじを介して、前記軸受座が水平に移動するように回転し、ひいては、対応する圧延ロールが水平に移動するように連動しており、
前記ボールねじナット軸は、第一方端がボールねじと螺合するねじ山穴とされ、第二方端に歯車系の第二歯車と嵌合されるキー溝が設置されており、ボールねじナットにおける中央には、突出する円柱状プラットフォームが設けられ、前記円柱状プラットフォームは、ホルダー端蓋との組み合わせにより、ボールねじナット軸による移動の自由度を限定することを実現するためのものであり、前記歯車系は、中央の第一歯車及び二つの第二歯車からなり、前記第二歯車が前記第一歯車よりも大きく、前記第一歯車は、第一歯車軸を介してモーターシステムの出力軸に接続され、二つの第二歯車は、それぞれ、第一歯車の両側に位置し、モーターシステムが提供する出力トルクにより第一歯車が回転するように連動し、第一歯車による回転により二つの第二歯車が同一の方向に回転するように連動して、ひいては、ボールねじナット軸を介して圧延ロールが両側において同期にて同じ変位だけ移動するように連動する、ことを特徴とする半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置。
【請求項2】
前記ホッパーは、錐形状本体、第一支持板及び第二支持板を含み、前記錐形状本体は、四つの板部品をリベットで接合してなるものであり、前記錐形状本体は、底面積が先端面積よりも小さいと共に底面積とロール隙間の大きさと比例しており、前記第一支持板及び前記第二支持板は、それぞれ、前記錐形状本体における両側に設置される直角板材であり、前記第一支持板及び第二支持板における一対の摺動溝は、吊り下げ部を介してホルダーにネジ固定され、前記摺動溝により、圧延ロールに対する前記ホッパーの高さを調節することができる、ことを特徴とする請求項1に記載の半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置。
【請求項3】
前記ホッパーは、圧延機が生産できる鋼帯の最も小さい厚さを満たすことができる傾きを側面に有しており、使用される場合に、圧延ロールに対するホッパーの高さを調節することにより、他の厚さの鋼帯を圧延することができる、ことを特徴とする請求項2に記載の半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置。
【請求項4】
仕上げ圧延手段及び切り取り手段を含む仕上げ圧延システムをさらに含み、前記仕上げ圧延手段は、仕上げ圧延ホルダー、第一ロール系、第二ロール系、第三ロール系、第一ロール隙間調節装置、第二ロール隙間調節装置及び第三ロール隙間調節装置を含み、前記切り取り手段は、切り取りホルダー、オフセットカム、カムリンク、往復切り取り刃及び昇降可能鋼帯支持板を含み、
前記仕上げ圧延ホルダーは、第一仕上げ圧延ホルダー及び第二仕上げ圧延ホルダーを含み、前記第一仕上げ圧延ホルダー及び第二仕上げ圧延ホルダーは、接合箇所に位置する三つの突出で構成される組み合わせにより接続されており、
前記第一ロール系及び第二ロール系は、それぞれ、トルクが入力されない側方湾曲ロール及び圧延圧力を有する二つの圧延ロールを含み、前記第三ロール系は、圧延圧力を有する二つの圧延ロールを含み、前記第一ロール系における圧延圧力を有する二つの圧延ロールは、水平線と一定の角度でホルダーの後上方に取り付けられ、半固体の金属粉末を粗圧延用圧延機で圧延した鋼帯を、第一ロール系に入り、一回目の圧延を経て、側方湾曲ロールの作用により、圧延圧力をかける二つの圧延ロールのロール隙間に入り、水平線との45度の方向で圧延してから、第二ロール系により二回目の圧延を経ることにより、鋼帯が入力される方向が最初の鉛直方向から横方向ロールに変わる場合に、三回目の圧延を行い、次に、圧延して形成することが終わり、
前記
第一ロール隙間調節装置は、第一ロール系のロール隙間を調節するためのものであって、軸受座接続部、水平移動ねじボルト、ナット、ばね、ばね座及び固定ガイドレール圧板を含むものであり、
前記第二ロール系及び第三ロール系のロール隙間は、それぞれ、第一油圧システム及び第二油圧システムにより調節される、ことを特徴とする請求項2に記載の半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半固体の金属粉末のニアネットシェイプの分野に関し、特に、半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半固体の粉末を連続的に形成する技術は、效率が高く、エネルギー消費が低く、操作が簡素であり、加工可能な製品の寸法範囲が大きいなどの利点を有していることから、その適用が極めて広く、レオロジー的形成とチクソモールディングという二つの形態が主に含まれている。様々な粉末形成技術においては、半固体の粉末を圧延して成形する技術によると、他の形成技術によっては生産できず又は生産が難しい鋼帯などを製作でき、また、そのプロセスの流れが短く、エネルギー消費が低く、コストが低く、ビレット又は製品の成分を正確に制御することができ、圧延製品が等方性でありながら歩留まりが高いことから、半固体粉末を圧延して形成する技術が連続的形成技術に最も重要な技術的手段となり、化学工業、エネルギー、交通や環境保護などの分野に幅広く適用されている。半固体の粉末を圧延する過程は、半固体の金属粉末のスラリーを材料供給ホッパーより圧延ロール間に入れ、圧延ロールによる力の作用により、一定の強度を有する連続的帯状ビレットを強固に固める過程である。今まで、半固体の金属粉末を圧延するため従来の装置は、依然として、従来における圧延用圧延機の二つのロールにより構成されるもの、又は、水平に設けられた二つの支持ロールと二つの動作ロールにより構成されるものであることから、まず、この新たな成形技術に十分に適用されておらず、次に、材料の供給が不便であり、装置が複雑であり、生産される鋼帯を幅方向に制御できず、帯材の辺部が揃わず生産の要求を満たさないので、後で縁取り処理が必要となり、特に、密度が比較的高いものを満たさない。
【0003】
一方、従来の圧延機は、二つのロール又は四つのロールからなり、しかも、圧延ロール軸線が平行に一つの平面に設けられており、作動ロールが二つしかないことから、このような圧延機によると、鋼帯の厚さしか制御できず、鋼帯における幅方向の寸法を制御できないと共に、幅方向に圧延圧力をかけないため、生産された帯材の辺部がばらばらとなり、密度が極めて低くなり、後で縁取り処理が必要となり、粉末の帯材の歩留まりが低くなる。このような従来の圧延機は、他の問題として、材料の供給が不便であり、手動で材料を供給したり漏斗で材料を供給したりすることが必要となる。しかしながら、圧延の技術を採用する場合に、圧延角に対して一定の要求が求められることから、このような圧延機への材料供給の形態により、異なる厚さを有する鋼帯の生産が制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の圧延機の構成を簡素化すると共に、半固体の金属粉末を圧延して成形する技術の発展に、装置のサポートを確実に提供して、半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置に必要な機能を完全にし、半固体の金属粉末を圧延して成形する技術の研究・進歩を促進し、より高い品質を有する鋼帯を生産できるために、半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置を設計して提供する。この設計によると、幅と厚さの両方を調節でき、帯材の辺部が揃うと共に密度が高い金属鋼帯を生産でき、效率が高く、エネルギー消費が低く、操作が簡便であり、加工できる寸法の範囲が大きいなどの明らかな利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
具体的に、本発明が提供する半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置は、フレーム構成、ホルダー、ホッパー、横方向ロールシステム、縦方向ロールシステム及び圧延ロール水平移動モジュールを含み、
前記フレーム構成は、前記ホルダーに設置され、前記横方向ロールシステム及び前記縦方向ロールシステムは、それぞれ、前記フレーム構成に交差状に設置されると共に同一の水平面にあり、前記横方向ロールシステムは、厚さ方向に圧延圧力をかけると共に金属粉末で圧延される鋼帯の厚さを制御でき、前記縦方向ロールシステムは、幅方向に圧延圧力をかけると共に金属粉末で圧延される鋼帯の幅を制御でき、前記横方向ロールシステムにおける圧延ロール軸と、トルクを提供する動力システムの出力軸とは、一体化して構成され、
前記横方向ロールシステムは、第一横方向ロール及び第二横方向ロールを含み、前記縦方向ロールシステムは、第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールを含み、第一横方向ロール、第二横方向ロール、第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールは、互いに、閉じられる四角形のロール隙間を形成しており、前記ホッパーは、前記ロール隙間における上方に位置し、第一横方向ロール及び第二横方向ロールにおける圧延ロールは、それぞれ、正弦円周曲線が表面に設置され、前記第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールは、それぞれ、段階状圧延ロールであり、前記段階状圧延ロールは、圧延ロールの強度及び剛性を増やすと共に縦方向ロールロール軸に掛けられる負荷を減らすことができ、
前記第一横方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部は、円錐歯車を介して、前記第一縦方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部に接続され、前記第二横方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部は、円錐歯車を介して、前記第二縦方向ロールに位置する圧延ロール軸における端部に接続され、前記第一横方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線と前記第一縦方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線とが垂直に交わり、前記第二横方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線と前記第二縦方向ロールに位置する圧延ロール軸の軸線とが垂直に交わり、
前記第一横方向ロールに位置する圧延ロール軸と第一縦方向ロールに位置する圧延ロール軸とが繋がる端部及び第二横方向ロールに位置する圧延ロール軸と第二縦方向ロールに位置する圧延ロール軸が繋がる端部には、それぞれ、等間隔で設けられた三つの周方向のガイドキー溝が設置されており、各圧延ロールにおける圧延ロール軸の端部は、前記ガイドキー溝及びガイドキーを介して前記円錐歯車に接続され、等間隔で設けられた三つの周方向のガイドキー溝により、二対の圧延ロールにそれぞれ横方向及び縦方向に移動できる自由度を与えており、
第一横方向ロール及び第二横方向ロールのうちの一つ及び第一縦方向ロール及び第二縦方向ロールのうちの一つは、それぞれ、水平移動に用いられる圧延ロール水平移動モジュールが接続されており、前記圧延ロール水平移動モジュールは、一対のボールねじ、一対のボールねじナット軸、一対の圧延ロール軸受座接続部、歯車系及びモーターシステムを含み、圧延ロール軸受座接続部は、第一方端に、圧延ロール軸受座に接続される接続溝が設置され、第二方端に、ボールねじにおける一方端にねじ山を介して螺合接続されるねじ山穴が設置され、前記ボールねじは、両端に、それぞれ、螺合方向が異なるねじ山構成が設置され、前記ボールねじは、第一方端が圧延ロール軸受座に繋がり、第二方端がボールねじナット軸に接続されることから、ボールねじナット軸の回転により、ボールねじを介して、軸受座が水平に移動するように回転し、ひいては、対応する圧延ロールが水平に移動するように連動する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、従来技術に比べると、以下の技術的効果が存在している。
本発明は、二対の圧延ロール系を設置し、二対の圧延ロール系に一対の横方向ロール及び一対の縦方向ロールロールを含み、横方向ロールは、形成される鋼帯の厚さを制御しながら厚さ方向に圧延圧力をかけるためものであり、縦方向ロールは、形成される鋼帯の幅を制御しながら幅方向に圧延圧力をかけるものであり、ロール系は、全体として、二つのモーターにより横方向ロールを駆動し、横方向ロールが縦方向ロールと共に、円錐歯車との組み合わせを介して同一の平面内に交差設置される。従来の粉末圧延や他の如何なる圧延用圧延機と異なるのは、本発明に係る圧延ロールが四つの圧延ロールからなるものでありながら、同一の水平面に設置されることから、従来の技術において、同時に駆動を行い、横方向ロール及び縦方向ロールにおけるロール径が異なるという欠点を克服しながら、ホッパーの高さが調整可能であり、圧延ロールを簡便に水平移動することができる。
【0007】
本発明に係る二対の圧延ロールにおける圧延ロール軸と縦方向ロール軸線とが交わる一方端は、等間隔で設けられる三つのガイドキー溝が周方向に設計されていることから、二対の圧延ロールに、それぞれ、横方向及び縦方向に移動する自由度を与えており、二つの駆動部により四つのロールを同期して回転するように設計することが実現され得る。デュアルモーターは、四つの圧延ロールを同期して回転するように駆動しながら、幅方向と厚さ方向に圧延圧力をかける。横方向ロール系における横方向ロール及び縦方向ロール系における縦方向ロールは、水平移動システムを対応して設計し、横方向ロールの間隔及び縦方向ロールの間隔を調節して圧延鋼帯の厚さと幅の両方が調整可能であるようになるという目的を達成することができる。
【0008】
本発明に係る圧延ロールの真上には金属製錐形状ホッパーが設計され、ホッパーの両側に位置する支持板がホルダーに接続されると共に両側にそれぞれ一対の摺動溝が設けられ、二対の吊り下げネジは、ホッパーを異なる高さに固定するためのものであり、しかも、その取り外しが簡便であり、縦方向ロールと横方向ロールとが交差して組み合わせられることから、横方向ロールにおけるロールの長さが縦方向ロールにおけるロールの長さよりも遥かに長いことになり、縦方向ロールにおけるロール径も合わせて縦方向ロール軸の軸径よりも遥かに長くなり、縦方向ロールの設計が圧延ロールを配置する構成に、比較的大きな依頼性を与え、段階式のものを採用することにより、縦方向ロールの直径が比較的大きいが縦方向ロールの軸径が比較的小さい場合でも、一定の強度及び剛性を有すると共に、縦方向ロール軸に掛けられる負荷を減らすように保証することができ、しかも、圧延機が安全に稼働しながら、縦方向ロールの使用期間を的確に延ばすように保証することができる。
【0009】
本発明に係る水平圧延ロールのロールは、その設計に、正弦円周曲線が用いられる。この設計は、半固体の金属粉末を圧延する際に摩擦力が低いという問題を専ら解決するためのものであり、正弦円周曲線とされるロールの設計は、より一層、スラリーをロール隙間に入れることができる。縦方向ロールには、階段式のものが設計されており、縦方向ロールの直径が比較的大きいが縦方向ロールの軸径が比較的小さい場合でも、依然として、一定の強度及び剛性を有すると共に、縦方向ロール軸に掛けられる負荷を減らすように保証することができ、しかも、圧延機が安全に稼働しながら、縦方向ロールの使用期間を的確に延ばすように保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る正面の構成の模式図の一例である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る背面の構成の模式図の一例である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る取り付けの分解図の一例である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る横方向ロールの構成の模式図の一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るロール系取り付けの上面図の一例である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る圧延ロールと円錐歯車を接続する模式の一例図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る圧延ロール水平移動モジュールと圧延ロールを取り付ける模式図の一例である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る金属製ホッパーの構成の模式図の一例である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る金属製ホッパーの第一支持板の構成の模式図の一例である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る金属製ホッパーの第二支持板の構成の模式図の一例である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る金属製ホッパーのバッフルの立体構成図の一例である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る仕上げ圧延手段の構成の模式図の一例である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る鋼帯切り取り手段の構成の模式図の一例である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る仕上げ圧延手段のロール系の構成の模式図の一例である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る仕上げ圧延手段取り付け体の左側面視における第一ロール系弾性調節装置の一部を示す図面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を本発明の実施形態を説明する。
具体に、本発明が提供する半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置は、
図1乃至
図6に示されるように、フレーム構成100、ホルダー1、ホッパー4、横方向ロールシステム、縦方向ロールシステム及び圧延ロール水平移動モジュールを含む。フレーム構成は、ホルダー1に設置され、横方向ロールシステム及び縦方向ロールシステムは、それぞれ、フレーム構成に交差設置され、横方向ロールシステムは、第一横方向ロール5及び第二横方向ロール6を含み、縦方向ロールシステムは、第一縦方向ロール2及び第二縦方向ロール3を含み、第一横方向ロール5及び第二横方向ロール6の軸線は、それぞれ、円錐歯車を介して第一縦方向ロール2及び第二縦方向ロール3の軸線に接続され、各圧延ロールの圧延ロール軸が他の圧延ロールの圧延ロール軸と繋がる端部には、それぞれ、等間隔で配置される三つのガイドキー溝101が設置され、各圧延ロールの圧延ロール軸は、ガイドキー溝101及びガイドキーを介して円錐歯車に接続される。
【0012】
横方向ロールは、主な圧延圧力をかけて金属粉末で圧延される鋼帯の幅を制御するためのものであり、圧延圧力は、主に横方向ロールにより掛けられるものであることから、横方向ロールとトルクを提供する動力システムの入力軸とが一体化して設計される。縦方向ロールは、段階式のものとして設計されることから、縦方向ロールの直径が比較的大きいが縦方向ロールの軸径が比較的小さい場合でも、依然として、一定の強度及び剛性を有すると共に、縦方向ロール軸に掛けられる負荷を減らすように保証することができ、圧延機が安全に稼働しながら縦方向ロールの使用期間を的確に延ばすように保証することができる。
【0013】
二対の圧延ロールの圧延ロール軸が互いに接続する一方端は、等間隔で設けられる三つのガイドキー溝101が周方向に設計されていることから、二つの駆動部により四つのロールを同期して回転するように設計することが実現され得る。水平圧延ロールのロールは、その設計に、正弦円周曲線が采用されており、ただし、正弦円周曲線は、半固体の金属粉末を圧延する際に摩擦力が低いという問題を解決できるためのものであり、正弦円周曲線のロールは、より良く、スラリーをロール隙間に入れることができる。
【0014】
二対のロール系における横方向ロールと縦方向ロールは、それらの軸線が交わる側に、円錐歯車を介して組み合わせられ、ガイドキーを介して、対応する圧延ロール軸に接続されることから、交差して組み合わせられる二つの圧延ロールが同期して動くという目的を達成しながら、二つのロールは、ロール径の差が大き過ぎることにより干渉が生じてしまうのを避け、しかも、ガイドキーを周方向に等間隔で配置して構成することにより、二対の圧延ロールにそれぞれ横方向及び縦方向に移動できる自由度を与え、圧延ロールの水平移動システムにより圧延される鋼帯の幅及び厚さに自由度を与える。
図1では、第二縦方向ロール3と第二横方向ロール6とは円錐歯車9及び円錐歯車10を介して接続されている。
図2では、第一縦方向ロール2及び第一横方向ロール5は、円錐歯車13及び円錐歯車14を介して接続される。
【0015】
第一横方向ロール5及び第二縦方向ロール3は、それぞれ、水平移動するように、圧延ロール水平移動モジュールに接続される。第一横方向ロール5の水平移動モジュールを例に挙げて簡単に説明すると、
図7に示されるように、圧延ロール水平移動モジュールは、一対のボールねじ11及び12、一対のボールねじナット軸21及び22、一対の圧延ロール軸受座接続部31及び32、歯車系41及びモーターシステム51を含み、圧延ロール軸受座接続部31及び32は、第一方端に、圧延ロール軸受座に接続される接続溝が設置され、第二方端に、ボールねじの一方端にねじ山を介して螺合接続されるねじ山穴が設置され、ボールねじ11及び12における両端には、それぞれ、螺合方向が異なるねじ山構成が設置され、ボールねじ11及び12における第一方端は、圧延ロール軸受座に繋がり、ボールねじ11及び12における第二方端は、ボールねじナット軸に接続されることにより、ボールねじのナット軸による回転により、ボールねじを介して、軸受座が水平に移動するように連動して、対応する圧延ロールが水平に移動するように連動する。
【0016】
圧延機により鋼帯の幅を制御する従来の形態は、複数の回(例えば、一回目で厚さを制御し、二回目で幅を制御する)に分けて、又は、圧延ロールを凹溝付きのものに設計して、軸線に沿う断面が「工」という文字形となる圧延ロールである。この圧延ロールに比べると、本発明において、横方向ロール及び圧延ロールを同一の水平面に設置することから、横方向ロール及び縦方向ロールが共に、主動的に駆動するための圧延圧力をかけ、幅と厚さを一回目の圧延に制御できることができる。
【0017】
ボールねじナット軸における第一方端は、ボールねじと組み合わせられるねじ山穴であり、ボールねじナット軸における第二方端には、歯車系の第二歯車と組み合わせられるキー溝が設けられ、ボールねじナット軸は、中央部に、突出する円柱状のプラットフォームが設けられ、円柱状のプラットフォームは、ホルダー端蓋と組み合わせられるためのものであり、ボールねじナット軸が移動できる自由度を限定し、歯車系は、中央第一歯車及び二つの第二歯車を含み、第二歯車が第一歯車よりも大きく、第一歯車は、第一歯車軸を介して、モーターシステムの出力軸に繋がり、二つの第二歯車は、それぞれ、第一歯車における両側に位置しており、モーターシステムが提供する出力トルクにより、第一歯車が回転するように連動し、第一歯車の回転により、二つの第二歯車が同じ方向に回転するように連動し、ひいては、ボールねじのナット軸を介して、各圧延ロールが両側において同じ変位だけ同期に移動するように連動する。
【0018】
ホッパー4は、錐形状本体、第一支持板及び第二支持板を含み、錐形状本体は、四つの板部品によりリベットを介して接合されたものであり、錐形状本体の底面積が錐形状本体の先端面積よりも小さいと共にロール隙間と比例する。ホッパー4は、金属粉末を圧延する原理の要求に合致するかみ角(圧延ワークと圧延ロールとの接触する円弧が対応する中心角)と対応する傾きを側面に有する。この傾きは、圧延機で生産される鋼帯の最も小さい厚さを対応して満たすものであり、他の厚さの鋼帯を圧延する場合に、圧延ロールに対するホッパーの高さを調節すればよい。第一支持板及び第二支持板は、それぞれ、錐形状本体における両側に設置され、それぞれ直角の板材であり、第一支持板及び第二支持板における一対の摺動溝は、吊り下げネジを介して、ホルダーに固定される。第一支持板及び第二支持板の曲げ箇所には、支持能力を高めるように、それぞれ、板金角支持板及び溶接角支持板が設計される。この二つの支持件は、ホッパー本体と繋がる部分以外、他の部分にも、それぞれ一対の摺動溝を用いて吊り下げネジを介して圧延ホルダーの端蓋が接続されることから、圧延機に対するホッパー高さが調節可能となると供、その着脱が簡便、安全かつ的確である。
【0019】
錐形状本体は一側にバッフルが設置されており、ただし、バッフル本体が一定の夾角を有する湾曲部とされ、湾曲部における上部にホッパー4と接続される突出が設置され、湾曲部における底部に、縦方向ロールと互いに干渉することを防ぐ溝が開設され、湾曲部における底辺には、ホルダーにボルトを介して固定される水平取り付け部が接続される。
【0020】
第一横方向ロール5及び第二横方向ロール6における圧延ロール表面は、それぞれ、正弦円周曲線が設置される。第一横方向ロール及び第二横方向ロールにおける圧延ロール表面の正弦円周曲線は、パラメータの方程式が以下の通りである。
ただし、x、yが第一横方向ロールにおける圧延ロール表面及び第二横方向ロールにおける圧延ロール表面における圧延ロール軸心に対する正弦円周曲線の座標、rが圧延ロールの半径、Aが圧延ロール円周に対する正弦曲線のピックのピック値、tがパラメータであり、wを6とすると、対応する正弦円周曲線の周期が60度となり、正弦円周曲線の波形のピック値及び密度が、実際の生産のニーズに応じてA値及びw値を調節することにより実現されてもよい。
【0021】
図4は、横方向ロールの構成の模式図の一例であり、半固体の金属粉末のスラリーが従来の圧延すべき連続的弾塑性部と異なることから、半固体の金属粉末のスラリーは、粘塑性により、その摩擦力が比較的小さくなり、円柱面とされる従来の圧延ロールが、十分な摩擦力をかけてスラリーをロール隙間に入れるように連動することができないことから、本願が設計する水平圧延ロールロールに正弦円周曲線形の曲面が用いられており、正弦波形の連動により、半固体の金属スラリーを順調にロール隙間に入れると共に、正弦円周曲線が特徴付けのパラメータ方程式を有しているため次の理論分析に役立つ。
【0022】
図5はロール系の取り付けの模式図の一例であり、
図6は圧延ロールと円錐歯車を接続する模式図の一例である。ロール系は、一対の水平圧延ロール及び一対の縦方向ロールからなり、各水平圧延ロール及び縦方向ロールは、それぞれ、軸線が交わる側において、円錐歯車を取り付ける軸端部に、等間隔で設けられるガイドキー溝が周方向に設けられ、ガイドキー溝を介して、円錐歯車及び圧延ロールを一体化して取り付け、水平圧延ロールがモーターの作用により回転する場合に、円錐歯車のトルクにより、縦方向ロールが回転するように連動し、ひいては、二つの駆動部により四つのロールが同期に回転する目的が実現され、圧延ロールにおける周方向のガイドキーを設計することにより、圧延ロールが水平に移動する場合に、円錐歯車が合わせて水平に移動し、二つの駆動部により四つのロールが同期に回転する場合でもロール隙間が依然として調節可能である。
【0023】
図7は圧延ロール水平移動モジュール、圧延ロール及びその部品を取り付ける図の一例であり、圧延ロールにおける両側に位置する軸受座接続部、ボールねじ、ボールねじナット軸、中央の第一歯車における両側に位置する第二歯車からなる歯車系、及び、モーターの減速機と軸継手ならなる動力システムが含まれており、ボールねじは、圧延ロール軸受座に接続され、ボールねじナット軸における一方端は、内部に、ボールねじと組み合わせられるねじ山穴が設計されており、他方端における外壁に、第二歯車と接続されるキー溝が設計されており、モーターにより第一歯車が回転するように連動する場合に歯車を介して、両側に位置する第二歯車が同一の方向に回転するように連動し、ひいては、ボールねじナット軸の作用により圧延ロールが水平に移動するように連動する。
【0024】
図8は金属製ホッパー4の斜視図の一例であり、金属製ホッパー4は、リベットで接続された六つの金属製部品及び一つの金属製蓋が一緒に組み合わせられたものであり、ただし、そのうちの四つが錐形状ホッパー4本体を構成し、残りの二つがホッパー4の支持件401及び支持件402であり、支持件401及び支持件402は、
図8、
図9及び
図10に示されるように、ホルダーに固定され、ホッパー4における側面に接続される箇所に、半固体の金属粉末による圧力を考えるために、金属製隅支持板が設計されており、ホルダーと接続される箇所における側板の直角に溶接隅支持板が設計されると共に、支持件におけるホルダーと接続される箇所に一対の摺動溝が設計され、吊り下げネジを介して、ホルダーに固定されることから、圧延ロールに対するホッパー4の高さが簡便に調節され得る。
【0025】
図11は、金属製ホッパー4のバッフルの斜視図の一例であり、本願に係る半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置は、半固体の金属粉末スラリーを用いて鋼帯を圧延するものであり、半固体の金属スラリーの粘塑性により、スラリーを圧延ロールへ流す過程にホッパー4から圧延ロールの側面に散って落ちる。原材料を省くために、金属製ホッパー4のバッフル43を二つ設計し、二つのバッフル43は、それぞれ錐形状本体における両側に設置されるように、
図11に示されるように構成され、本体が一定の夾角を有する湾曲部430であり、湾曲部における上部にホッパー4と接続される突出431が設置され、湾曲部における底部には、縦方向ロールと互いに干渉しないように防ぐための溝432が設けられ、湾曲部430における底辺に、ボルトを介してホルダーに固定される水平取り付け部433が接続され、弯曲接続箇所に補強用リブが設計され、水平取り付け部433に、バッフルをホルダー1に固定するためのねじ山穴が設けられる。
【0026】
図12乃至
図15に示されるように、粗圧延された板材は、仕上げ圧延システムに入り、仕上げ圧延され、仕上げ圧延システムは、仕上げ圧延手段及び切り取り手段を含み、仕上げ圧延手段は、仕上げ圧延ホルダー、第一ロール系1002、第二ロール系1003、第三ロール系1004、第一ロール隙間調節装置1007、第二ロール隙間調節装置1005及び第三ロール隙間調節装置1006を含み、切り取り手段は、切り取りホルダー、オフセットカム2002、カムリンク2003、往復切り取り刃2004及び昇降可能鋼帯支持板2005を含む。
【0027】
仕上げ圧延ホルダー1001は、第一仕上げ圧延ホルダー10011及び第二仕上げ圧延ホルダー10012を含み、第一仕上げ圧延ホルダー及び第二仕上げ圧延ホルダーは、接合箇所における三つの突出構成を介して組み合わせて接続され、第一仕上げ圧延ホルダー及び第二仕上げ圧延ホルダーは、側部に、それぞれ、第一ロール系取り付け穴、第二ロール系取り付け穴及び第三ロール系取り付け穴が設けられ、第一ロール系取り付け穴は、ホルダーを貫通しない直方体形状穴であり、第一ロール系取り付け穴の付近には、円穴とされる突出が設置され、突出は、ロール隙間の弾性調節装置を取り付けるためのものであり、第二ロール系取り付け穴及び第三ロール系取り付け穴の付近には、それぞれ、油圧調節システムを取り付けるための直方体形状穴が設置される。
【0028】
第一ロール系1002及び第二ロール系1003は、それぞれ、入力トルクが入力されない側方湾曲ロール及び、入力トルクがあると共に圧延圧力がある二つの圧延ロールを含み、第三ロール系1004は、圧延圧力を有する二つの圧延ロールを含み、第一ロール系における圧延圧力を有する二つの圧延ロールは、水平線との一定の角度でホルダーの後上方に取り付けられ、半固体の金属粉末に基づく圧延鋼帯形成装置により圧延した鋼帯は、粗圧延を経て、第一ロール系に入り、一回目圧延され、側方湾曲ロールの作用により圧延圧力をかける二つの圧延ロールのロール隙間に入り、水平線と一定の傾斜角度を成す方向に沿って圧延されてから、第二ロール系により二回目圧延をされて、鋼帯に入力方向を最初の鉛直方向から横方向に変更させ三回目圧延され、最後に、圧延成形が済む。
【0029】
弾性調節装置は、第一ロール系1002のロール隙間を調節するためのものであり、第一ロール隙間調節装置1007は、弾性調節装置であり、軸受座接続部10071、水平移動ねじボルト10072、ナット10073、ばね10074、ばね座10075及び固定ガイドレール圧板10076を含み、固定ガイドレール圧板10076は、ホルダーに接続して取り付けされ、圧延ロール軸受座における側面の溝と嵌合しており、軸受座接続部10071は、圧延ロール軸受座に接続されるT字溝が第一側に設計され、水平移動ねじボルト10072を取り付けるための取り付け穴第二側に設置され、水平移動ねじボルト10072における両端及び中央に、それぞれ、ねじ山が設置され、水平移動ねじボルト10072における第一方端が軸受座接続部10071と嵌合しており、水平移動ねじボルト10072における第二方端及び中央部は、ばね及びナットを取り付けるためのものであり、ナットを介して、ばねの弾力及び水平移動ねじボルト10072の移動を制御して、ひいては、ロール隙間の大きさを制御する。
【0030】
第二ロール系1003及び第三ロール系1004のロール隙間は、それぞれ、第一油圧システム10031及び第二油圧システム10041を介して調節されており、第一油圧システム10031及び第二油圧システム10041は、それぞれ、圧延ロール水平移動梁、球面敷き、固定ガイドレール圧板、油圧シリンダー及びそのピストンを含み、圧延ロール水平移動梁は、ホルダーを貫通して、圧延ロール軸受座と対応的に嵌合し、油圧シリンダーは、ホルダーにおける内部の両側に取り付けられると共に圧延ロール水平移動梁の直下に位置しており、油圧シリンダーのピストンと圧延ロール水平移動梁との間に、球面敷きが取り付けられ、油圧シリンダーの圧力を変えて、ピストンにより圧延ロール水平移動梁及びそれに位置する圧延ロールを鉛直方向に沿って、一定の距離だけ水平移動するように押すことにより、ロール隙間を調節することができる。
【0031】
切り取りホルダー2001は、肋板式の二つのホルダーにより構成されており、肋板式のホルダーは、底板20012及側板20011を含み、側板20011と底板20012が交わる両側に、それぞれ、補強用リブが設けられ、側板20011は、上方に、オフセットカム軸を取り付けるための貫貫通穴が設置され、オフセットカム2002は、その回転中心に、オフセットカム軸を取り付けるための円穴及びキー溝が設けられ、オフセットカム2002は、カムリンク2003における長方形の凹溝内に位置し、カムリンク2003は、上リンク及び下リンクを含み、上リンク及び下リンクは、それぞれ、U型とされ、開口端における両側に突出する突出が設置され、突出にねじ山穴が設けられ、U型の周辺の中線に、オフセットカムの厚さと一致する溝が設けられ、そして、オフセットカムと組み合わせて嵌合隙間を形成する。上リンク及び下リンクは、突出するねじ山を介して接続され、上リンクと下リンクとの間に形成される長方形の凹溝にオフセットカム2002が取り付けられる。
【0032】
往復切り取り刃2004は、刃背部に、等間隔で分布される七つのねじ山貫通穴が設置されると共に于ボルトを介して刃ホルダー20041に固定される。
【0033】
以下に、本発明に係る作動の原理について説明する。
ホッパー4は、圧延機ホルダー1の真上に位置しており、半固体の金属粉末スラリーを載置するものであり、出口が四つの圧延ロールにより形成され、四面が閉じるロール隙間に直面する。第一横方向ロール5と第二横方向ロール6は、一対の横方向ロール系を構成し、第一縦方向ロール2と第二縦方向ロール3は、一対の縦方向ロール系を構成し、横方向ロール系は、生産される鋼帯の厚さを制御すると共に圧延圧力をかけるためのものであり、縦方向ロール系は、生産される鋼帯の幅を制御すると共に圧延圧力をかけるためのものである。第一縦方向ロール2と第一横方向ロール5との軸線が交わる一側には、一対の円錐歯車が嵌合しており、第一横方向ロール5における他方端の軸ヘッドは、生産のニーズに応じて、適正な入力トルクを供給するためものであり、第二縦方向ロール3及び第二横方向ロール6は、同様な相互作用を供給し、第一横方向ロール5及び第二横方向ロール6の軸ヘッドに入力トルクがある場合に、円錐歯車における四つのロールを介して同時に回転する。水平移動システム7、8は、歯車を介して圧延ロール軸受座に嵌合して接続される接続部とボールねじナットとの両者の作用により、モーターが提供する駆動に基づいて圧延ロールが水平に移動するようにし、ひいては、圧延隙間の寸法を調節して異なる幅及び厚さとなる鋼帯を圧延することができる。
【0034】
当該装置は、使用際に、システム全体の粗圧延機として用いられ、次に、対応する仕上げ圧延ホルダー及び切り取り手段により、鋼帯全体を圧延することができる。
【0035】
以上に説明した実施例は、本発明における好ましい実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明に係る設計の趣旨を逸脱しない限り、当業者は、本発明の技術的手段について様々な変形や改良を行うことが可能であり、それらは、いずれも、本発明の特許請求の範囲による保護範囲に含まれる。