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特許7090967電流遮断装置及びその電流遮断装置を含む電池モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】電流遮断装置及びその電流遮断装置を含む電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/578 20210101AFI20220620BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20220620BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20220620BHJP
【FI】
H01M50/578
H01M50/50 201A
H01M50/503
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020507018
(86)(22)【出願日】2018-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 KR2018015200
(87)【国際公開番号】W WO2019156322
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-02-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0017174
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ホ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン・テク・オ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ソク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ピル・パク
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0268584(US,A1)
【文献】特開2015-056380(JP,A)
【文献】国際公開第2014/033806(WO,A1)
【文献】特表2015-519715(JP,A)
【文献】特表2014-519153(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0068722(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第101752601(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/578
H01M 50/50
H01M 50/503
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に傾斜面が形成された第1連結部と、
前記第1連結部の傾斜面に対応される形状を有する傾斜面が一面に形成された第2連結部と、を含んでなり、
前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が、互いに接触して接触面を形成することによって、
前記第1連結部と前記第2連結部は電気的に連結され、
前記第1連結部に前記第1連結部の傾斜面方向へ一定以上の外力が加えられるか、前記第2連結部に前記第2連結部の傾斜面方向へ一定以上の外力が加えられる場合、前記接触面における前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が互いに切り離されると共に前記第1連結部と前記第2連結部が互いに離間することで、前記第1連結部と前記第2連結部が電気的に遮断され、
前記第1連結部の外側部には、前記第1連結部が第1電池のリードと結合される第1固定部が備えられており、
前記第2連結部の外側部には、前記第2連結部が第2電池のリードと結合される第2固定部が備えられており、
前記第1固定部は、前記第1電池の前記リードの両側面のうち前記第1連結部が備えられた一側面に備えられており、
前記第2固定部は、前記第2電池の前記リードの両側面のうち前記第2連結部が備えられた一側面に備えられている、電流遮断装置。
【請求項2】
前記接触面に形成され、前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が互いに接着されるようにする接着部をさらに含む、請求項1に記載の電流遮断装置。
【請求項3】
前記第1連結部及び前記第2連結部の上部又は下部において、前記第1連結部と前記第2連結部を前記第1連結部と前記第2連結部の下方又は上方に加圧する加圧部をさらに含む、請求項1又は2に記載の電流遮断装置。
【請求項4】
前記加圧部が前記第1連結部と前記第2連結部を加圧できるように、前記加圧部を支持する支持部をさらに含む、請求項3に記載の電流遮断装置。
【請求項5】
前記加圧部は、前記第1連結部と前記第2連結部の上部及び下部に備えられ、
前記加圧部は、前記第1連結部と前記第2連結部の下方及び上方に加圧する、請求項3又は4に記載の電流遮断装置。
【請求項6】
第1電池と、
前記第1電池と離隔されている第2電池と、
前記第1電池と前記第2電池の間に備えられた電流遮断装置とを含んでなり、
前記電流遮断装置は、
一面に傾斜面が形成された第1連結部と、
前記第1連結部の傾斜面に対応される形状を有する傾斜面が一面に形成された第2連結部、とを含み、
前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が、互いに接触して接触面を形成することによって、
前記第1連結部と前記第2連結部は電気的に連結され、
前記第1連結部に前記第1連結部の傾斜面方向に一定以上の外力が加えられるか、前記第2連結部に前記第2連結部の傾斜面方向に一定以上の外力が加えられる場合、前記接触面における前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が互いに分離されると同時に前記第1連結部と前記第2連結部が互いに離間することで、前記第1連結部と前記第2連結部が電気的に遮断され、
前記第1連結部の外側部には、前記第1連結部が第1電池のリードと結合される第1固定部が備えられており、
前記第2連結部の外側部には、前記第2連結部が第2電池のリードと結合される第2固定部が備えられており、
前記第1固定部は、前記第1電池の前記リードの両側面のうち前記第1連結部が備えられた一側面に備えられており、
前記第2固定部は、前記第2電池の前記リードの両側面のうち前記第2連結部が備えられた一側面に備えられている、電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年2月12日付韓国特許出願第10-2018-0017174号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電流遮断装置及びその電流遮断装置を含む電池モジュールに関し、電池モジュールの安全性を向上させることができる電流遮断装置及びその電流遮断装置を含む電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
繰り返し充電及び放電が可能な二次電池の需要が増大されるにつれ、二次電池の安全性に対する重要性もまた増大されている。例えば、二次電池の単位体積当たりの容量が増加されることが要求されるが、二次電池の単位体積当たり容量が増加することによって二次電池の安全性はより弱くなりやすいため、二次電池の容量増加だけでなく二次電池の安全性も共に向上される必要がある。特に、リチウム二次電池は、過充電になる場合発火の危険が大きくなるためリチウム二次電池における安全性確保の問題は必須であると言える。
【0004】
一方、従来の技術によれば、このような二次電池内部の発火の問題等を解決するために、二次電池に充電される電解液に発火防止物質等を添加する等の技術が用いられるか、または二次電池の内部にCID(Current Interrupt Device)のような装置を取り付ける技術が用いられている。
【0005】
しかし、従来の技術による二次電池の安全装置等は、一つの二次電池の安全性確保のための構成であるため、複数の二次電池が集まって形成された電池モジュールの場合、従来の技術による安全装置だけでは電池モジュールの安全性確保に限界があるという問題点があった。
【0006】
例えば、電池モジュールの場合、二次電池同士が電気的に連結されているため、二次電池同士の電気的な相互作用によって電池モジュール全体の温度が急激に上昇するという問題点がある。よって、二次電池の個別的な安全性とは別途に電池モジュールの次元においても安全性が確保される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電池モジュールにおいて二次電池同士の電気的な相互作用によって発生し得る発火を防止することで、電池モジュールの安全性が向上されるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、傾斜面が形成された第1連結部と、一面に前記第1連結部の傾斜面に対応される形状を有する傾斜面が一面に形成された第2連結部とを含んでなり、前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面は互いに接触して接触面を形成し、前記第1連結部と前記第2連結部は電気的に連結され、前記第1連結部に前記第1連結部の傾斜面方向へ一定以上の外力が加えられるか、前記第2連結部に前記第2連結部の傾斜面方向へ一定以上の外力が加えられる場合、前記接触面において前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が互いに切り離されることで、前記第1連結部と前記第2連結部が電気的に遮断される電流遮断装置が提供される。
【0009】
前記接触面に形成され、前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が互いに接着されるようにする接着部をさらに含んでよい。
【0010】
前記第1連結部及び前記第2連結部の上部又は下部において、前記第1連結部と前記第2連結部を前記第1連結部と前記第2連結部の下方又は上方に加圧する加圧部をさらに含んでよい。
【0011】
前記加圧部が前記第1連結部と前記第2連結部を加圧できるように、前記加圧部を支持する支持部をさらに含んでよい。
【0012】
前記加圧部は、前記第1連結部と前記第2連結部の上部及び下部に備えられ、前記加圧部は、前記第1連結部と前記第2連結部の下方及び上方に加圧できる。
【0013】
前記第1連結部の外側部及び前記第2連結部の外側部に形成され、前記第1連結部及び前記第2連結部が二次電池周縁部の一部と結合される固定部をさらに含んでよい。
【0014】
前記第1連結部及び前記第2連結部の上部又は下部において、前記第1連結部と前記第2連結部を前記第1連結部と前記第2連結部の上方又は下方に加圧する加圧部をさらに含み、前記接着部の接着強度(kgf/cm)と前記加圧部の弾性係数(kgf/cm)の和は、2から5kgf/cmであってよい。
【0015】
本発明の他の側面によれば、第1電池と、前記第1電池と離隔されている第2電池と、前記第1電池と前記第2電池の間に備えられた電流遮断装置とを含んでなり、前記電流遮断装置は、一面に傾斜面が形成された第1連結部と、前記第1連結部の傾斜面に対応される形状を有する傾斜面が一面に形成された第2連結部とを含み、前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面は互いに接触して接触面を形成し、前記第1連結部と前記第2連結部は電気的に連結され、前記第1連結部に前記第1連結部の傾斜面方向へ一定以上の外力が加えられるか、前記第2連結部に前記第2連結部の傾斜面方向へ一定以上の外力が加えられる場合、前記接触面において前記第1連結部の傾斜面と前記第2連結部の傾斜面が互いに切り離されることで、前記第1連結部と前記第2連結部が電気的に遮断される電池モジュールが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電池モジュールにおいて二次電池同士の電気的な相互作用によって発生し得る発火を防止することで、電池モジュールの安全性が向上され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による電池モジュールが正常に作動している状態における電流遮断装置の構造の第1実施形態を示した斜視図である。
図2】電池モジュールが過充電された場合、第1実施形態による電流遮断装置が電流を遮断する原理を示した斜視図である。
図3】本発明による電池モジュールが正常に作動している状態における電流遮断装置構造の第2実施形態を示した斜視図である。
図4】電池モジュールが過充電された場合、第2実施形態による電流遮断装置が電流を遮断する原理を示した斜視図である。
図5】本発明による電池モジュールが正常に作動している状態における電流遮断装置構造の第3実施形態を示した斜視図である。
図6】電池モジュールが過充電された場合、第3実施形態による電流遮断装置が電流を遮断する原理を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明による電流遮断装置の構造を説明する。
【0019】
(電流遮断装置)
図1は、本発明による電池モジュールが正常に作動している状態における電流遮断装置の構造の第1実施形態を示した斜視図である。
【0020】
図1に示された通り、本発明による電池モジュール10は複数の電池100を含んでよい。複数の電池100は二次電池であってよく、例えば、リチウム二次電池であってよい。図1には、複数の電池100の構成として第1電池110及び第2電池120が示されている。しかし、電池モジュール10は当然三つ以上の電池を含んでよい。一方、本発明による電池モジュールを構成する複数の電池には、それぞれリード200が備えられてよい。図1には、第1電池110及び第2電池120にそれぞれ第1リード210及び第2リード220が備えられた場合が示されている。
【0021】
一方、第1電池110及び第2電池120の間には電流遮断装置300が備えられてよい。
【0022】
図1に示された通り、本発明の第1実施形態による電流遮断装置300は傾斜面に形成された複数の連結部を含んでよい。すなわち、図1に示された通り、本発明の第1実施形態による電流遮断装置300は、一面に傾斜面(SL、図2参照)が形成された第1連結部302及び第1連結部302の傾斜面に対応される傾斜面が形成された第2連結部304を含んでよい。このとき、傾斜面が互いに対応されるというのは傾斜面が向かい合うということを意味してよい。また、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面の模様及び大きさは、互いに同一であってよい。
【0023】
また、第1連結部302は、第1電池110と連結及び固定されていてよく、第2連結部304は、第2電池120に連結及び固定されていてよい。このために、第1連結部302の外側部には、第1連結部302が第1電池110の周縁部の一部と結合される第1固定部342が備えられてよく、第2連結部304の外側部には、第2連結部304が第2電池120の周縁部の一部と結合される第2固定部344が備えられてよい。図1に示された通り、第1固定部342は、第1電池110の両側面のうち第1連結部302が備えられた一側面に備えられてよく、第2固定部344は、第2連結部304が備えられた一側面に備えられてよい。また、第1固定部342は、第1電池110の第1リード210と結合されてよく、第2固定部344は、第2電池120の第2リード220と結合されてよい。また、図面に示されていないが、第1固定部342が第1電池110の周縁部が結合される面の少なくとも一部には、接着性物質が塗布されてよく、第2固定部344と第2電池120の周縁部が結合される面の少なくとも一部には、接着性物質が塗布されてよい。
【0024】
第1連結部302及び第2連結部304は、それぞれ第1電池110及び第2電池120と連結されてよく、第1連結部302及び第2連結部304の傾斜面は、互いに接触して接触面を形成してよい。また、第1連結部302と第2連結部304の間には、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面が互いに接着されるように接着力を有する接着部310が形成されてよいが、本明細書及び特許請求の範囲では、第1連結部302と第2連結部304の間に接着部が備えられた場合にも第1連結部302及び第2連結部304の傾斜面が互いに接触するものと解釈されなければならない。
【0025】
第1連結部302と第2連結部304は、互いに電気的に連結されてよい。このとき、電気的に連結されるというのは、第1連結部302と第2連結部304の間に電流が流れる状態であることを意味してよい。第1連結部302と第2連結部304が電気的に連結されるために接着部310は電気伝導性を有する物質を含んでよい。
【0026】
図1に示された通り、本発明の第1実施形態による電流遮断装置300は、普段には第1電池110と第2電池120の間に備えられることで、第1電池110が第2電池120を電気的に連結できる。
【0027】
一方、電池モジュールを構成する複数の電池のうち一部又は全部が過充電される場合、電池内電解液の気化及び電極組立体の厚さの増加等によって過充電された電池が膨張するようになる。
【0028】
図2は、電池モジュールが過充電された場合、第1実施形態による電流遮断装置が電流を遮断する原理を示した斜視図である。
【0029】
図2を参照すれば、第1電池110が膨張した場合、第1電池110は、第1連結部302に第1連結部302の傾斜面方向に外力を加えるようになり、第2電池120が膨張した場合、第2電池120は、第2連結部304に第2連結部304の傾斜面方向に外力を加えるようになる。
【0030】
第1連結部302又は第2連結部304にそれぞれ第1連結部302の傾斜面又は第2連結部304の傾斜面方向に外力が加えられる場合、そのような外力が一定の大きさ未満の場合には、第1連結部302及び第2連結部304を含めた電流遮断装置300に変形が発生しない。第1連結部302の傾斜面及び第2連結部304の傾斜面の間に接着部310による接着力が存在するからである。
【0031】
しかし、第1連結部302又は第2連結部304に作用する外力が一定の大きさ以上となる場合、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面との接着力だけでは、第1連結部302と第2連結部304との接着を維持できなくなる。よって、図2に示された通り、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面が互いに切り離されるようになり、結局第1連結部302と第2連結部304の間は電気的に遮断されるようになる。これで、第1電池110と第2電池120の間にも電気的に遮断され電池モジュール10の作動が中止される。
【0032】
図3は、本発明による電池モジュールが正常に作動している状態における電流遮断装置構造の第2実施形態を示した斜視図である。
【0033】
本発明の第2実施形態による電流遮断装置もまた第1連結部302と第2連結部304に一定の大きさ以上の外力が作用する場合、第1連結部302の傾斜面(SL、図4参照)と第2連結部304の傾斜面が互いに切り離されることで、第1連結部302と第2連結部304の間に電気的に遮断されるようにするという点では、本発明の第1はい及び第2実施形態による電流遮断装置は互いに類似している。しかし、そのような原理を具現するための細部的な構成の側面において本発明の第2実施形態による電流遮断装置は、本発明の第1実施形態による電流遮断装置と異なっている。下記では、本発明の第1実施形態による電流遮断装置との差を中心に本発明の第2実施形態による電流遮断装置を説明する。
【0034】
図3に示された通り、本発明の第2実施形態による電流遮断装置300は、第1連結部302及び第2連結部304の上部又は下部に備えられ、第1連結部302と第2連結部304を下方又は上方に加圧する加圧部320を含んでよい。例えば、図3に示された通り、加圧部は、第1連結部302と第2連結部304の上部及び下部に備えられてよく、第1連結部302と第2連結部304の上部に備えられた加圧部320は、第1連結部302と第2連結部304を下方に加圧してよく、第1連結部302と第2連結部304の下部に備えられた加圧部320は、第1連結部302と第2連結部304を上方に加圧してよい。このとき、加圧部320は弾性を有する構成であってよい。例えば、加圧部320はバネ構造を有してよい。
【0035】
一方、第1連結部302又は第2連結部304を加圧するために、加圧部は他の構成によって支持される必要がある。このために、本発明の第2実施形態による電流遮断装置300は、加圧部320が第1連結部302と第2連結部304を加圧できるように加圧部320を支持する支持部330を含んでよい。
【0036】
このとき、図3に示された通り、加圧部320が第1連結部302と第2連結部304の上部及び下部に備えられる場合、支持部330は、第1連結部302と第2連結部304の下部に備えられた加圧部320を支持するように、加圧部320の下部に備えられた第1支持部332及び第1連結部302と第2連結部304の上部に備えられた加圧部320を支持するよう、加圧部320の上部に備えられた第2支持部334を含んでよい。
【0037】
図4は、電池モジュールが過充電された場合、第2実施形態による電流遮断装置が電流を遮断する原理を示した斜視図である。
【0038】
図4を参照すれば、第1電池110が膨張した場合、第1電池110は第1連結部302に第1連結部302の傾斜面方向に外力を加えるようになり、第2電池120が膨張した場合、第2電池120は第2連結部304に第2連結部304の傾斜面方向に外力を加えるようになる。
【0039】
第1連結部302又は第2連結部304にそれぞれ第1連結部302の傾斜面又は第2連結部304の傾斜面方向に外力が加えられる場合、そのような外力が一定の大きさ未満の場合には、第1連結部302及び第2連結部304を含めた電流遮断装置300に変形が発生しない。第1連結部302と第2連結部304の上方又は下方に加圧部320が第1連結部302及び第2連結部304を加圧し、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面の間に静止摩擦力が作用するからである。
【0040】
しかし、第1連結部302又は第2連結部304に作用する外力が一定の大きさ以上となる場合、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面との静止摩擦力だけでは、第1連結部302と第2連結部304との接触関係を維持できなくなる。よって、図4に示された通り、第1連結部302の傾斜面と第2連結部304の傾斜面が互いに切り離されるようになり、結局第1連結部302と第2連結部304の間は電気的に遮断されるようになる。これで、第1電池110と第2電池120の間にも電気的に遮断されて電池モジュール10の作動が中止される。
【0041】
図5は、本発明による電池モジュールが正常に作動している状態における電流遮断装置構造の第3実施形態を示した斜視図であり、図6は、電池モジュールが過充電された場合、第3実施形態による電流遮断装置が電流を遮断する原理を示した斜視図である。
【0042】
本発明の第3実施形態による電流遮断装置300は、前述した本発明の第1実施形態による電流遮断装置の接着部310、及び本発明の第2実施形態による電流遮断装置の加圧部320及び支持部330が結合された形態であってよい。本発明の第3実施形態による電流遮断装置300における接着部310、加圧部320及び支持部330に対する説明は、本発明の第1実施形態及び第2実施形態による電流遮断装置に対する説明で代替する。
【0043】
一方、本発明の第1実施形態から第3実施形態による電流遮断装置は、何れも外部から一定の大きさ以上の外力が作用した時に第1連結部の傾斜面と第2連結部の傾斜面が互いに切り離されるようにすることで、第1連結部と第2連結部の電気的連結を遮断するものであるため、第1連結部と第2連結部の電気的連結が遮断される時の外力の大きさは、接着部における接着強度又は加圧部が第1連結部及び第2連結部を加圧する強度に依存してよい。特に、加圧部が弾性を有する場合、加圧部が第1連結部及び第2連結部を加圧する強度は、加圧部全体に対する弾性係数に依存すると言える。このとき、複数の加圧部が備えられる場合、加圧部全体に対する弾性係数は、電流遮断装置に備えられた加圧部全体が単位長さ程変形されるのに必要な力の大きさとして定義されてよい。
【0044】
ところが、本発明による電流遮断装置において接着部の接着強度又は加圧部全体に対する弾性係数が非常に大きい場合には、電気的な遮断が発生する外力の大きさがあまりにも大きくなるため、電気的な遮断が起こらなければならないものの、電気的な遮断が起こらなくなり、電池モジュールの安全性が確保されないという問題点がある。
【0045】
一方、電池が膨張する現象は、過充電状態だけでなく、電池が高温で保存されている状態の時にも起こり得る。ところが、電池が単に高温で保存されている時は、電池の発火可能性が低いため電流を遮断する必要がない。ところが、本発明による電流遮断装置において接着部の接着強度又は加圧部全体に対する弾性係数が非常に小さい場合には、電池又は電池モジュールが単に高温で保存されているだけの時にも電流の遮断が起こるようになり、電池モジュールの不良率が高くなるという問題点がある。よって、電池モジュールの安全性が確保されつつ同時に電池モジュールの不良率を最小化するためには、電流遮断装置の製造及び電池モジュールの製造時に接着部の接着強度又は加圧部全体に対する弾性係数を一定の範囲内で適切に設定する必要がある。
【0046】
(実施例)
下記では、実施例及び実験例を介して本発明の内容をより詳細に説明する。しかし、実施例及び実験例は、本発明の説明のための例示に過ぎず、本発明の範囲が実施例及び実験例によって限定されるのではない。
【0047】
(実施例1)
本発明の実施例1では、電流遮断装置に加圧部を用いた。加圧部全体に対する弾性係数は3kgf/cmであった。
【0048】
実施例1による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。
【0049】
(実施例2)
本発明の実施例2では、電流遮断装置に加圧部を用いた。加圧部全体に対する弾性係数は5kgf/cmであった。
【0050】
実施例2による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。実施例2における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0051】
(実施例3)
本発明の実施例3では、電流遮断装置に接着部及び加圧部を共に用いた。接着部の接着強度は1kgf/cmであり、加圧部全体に対する弾性係数は1kgf/cmであった。一方、接着部の接着強度は、両構成が接着面で接着された後、両構成を引張した際に接着面で両構成を単位長さ程引張した際に必要な力の大きさとして定義される。
【0052】
実施例3による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。実施例3における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0053】
(実施例4)
本発明の実施例4では、電流遮断装置に接着部及び加圧部を共に用いた。接着部の接着強度は1kgf/cmであり、加圧部全体に対する弾性係数は3kgf/cmであった。
【0054】
実施例4による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。実施例4における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0055】
(実施例5)
本発明の実施例5では、電流遮断装置に接着部を用いた。接着部の接着強度は2kgf/cmであった。
【0056】
実施例5による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。実施例5における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0057】
(実施例6)
本発明の実施例6では、電流遮断装置に接着部及び加圧部を共に用いた。接着部の接着強度は2kgf/cmであり、加圧部全体に対する弾性係数は2kgf/cmであった。
【0058】
実施例6による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。実施例6における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0059】
(比較例1)
比較例1では、電流遮断装置に加圧部を用いた。加圧部全体に対する弾性係数は1kgf/cmであった。
【0060】
比較例1による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。比較例1における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0061】
(比較例2)
比較例2では、電流遮断装置に加圧部を用いた。加圧部全体に対する弾性係数は7kgf/cmであった。
【0062】
比較例2による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。比較例2における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0063】
(比較例3)
比較例3では、電流遮断装置に接着部を用いた。接着部の接着強度は1kgf/cmであった。
【0064】
比較例3による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。比較例3における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0065】
(比較例4)
比較例4では、電流遮断装置に接着部及び加圧部を共に用いた。接着部の接着強度は1kgf/cmであり、加圧部全体に対する弾性係数は5kgf/cmであった。
【0066】
比較例4による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。比較例4における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0067】
(比較例5)
比較例5では、電流遮断装置に接着部及び加圧部を共に用いた。接着部の接着強度は2kgf/cmであり、加圧部全体に対する弾性係数は5kgf/cmであった。
【0068】
比較例5による電流遮断装置を電池モジュールに取り付けて電池モジュールを製造した後、電池モジュールを過充電するか又は電池モジュールを高温状態で保存し、電流遮断装置の作動可否を測定した。比較例5における電池モジュールの過充電条件及び電池モジュールの高温状態での保存条件は、実施例1と同一である。
【0069】
(実験例1)
実験例1では実施例1から6及び比較例1から5によって製造された電池モジュールを過充電した後、電流遮断装置が電流を遮断したか否かを測定した。
【0070】
電池モジュールの過充電条件は次の通りである。充電状態(SOC、state of charge)が100%である時の電圧が4.2Vの電池5個を直列連結した電池モジュールを50%程過充電し、電池モジュール全体の電圧が31.5V(4.2V*5*1.5)となるようにした。電池モジュールの過充電時の一定電流(constant current)が流れるようにした状態で1時間充電した。
【0071】
(実験例2)
実験例2では、実施例1から6及び比較例1から5によって製造された電池モジュールを高温状態に保存した後、電流遮断装置が電流を遮断したか否かを測定した。
【0072】
電池モジュールの高温状態での保存条件は次の通りである。実施例2で電池モジュールの充電状態(SOC)が100%となるように充電した後、摂氏60度のチャンバーで8週間保存した。
【0073】
実施例及び比較例の電池モジュールに対して実験例1及び実験例2を進行した後、その結果を検討すれば下記の表1の通りである。
【0074】
【表1】
【0075】
前記表1を参考すれば、実施例1から6において接着部の接着強度と加圧部全体に対する弾性強度の和は、それぞれ3kgf/cm、5kgf/cm、2kgf/cm、4kgf/cm、2kgf/cm及び4kgf/cmであり、このとき、実験例1の電流遮断装置では電流の遮断が起こり、実験例2の電流遮断装置では電流の遮断が起こらなかった。
【0076】
前述の通り、本発明による電流遮断装置において接着部の接着強度又は加圧部全体に対する弾性係数が非常に大きい場合には、電気的な遮断が発生する外力の大きさが極めて大きくなるため、電気的な遮断が起こらなければならないものの、電気的な遮断が起こらなくなり、電池モジュールの安全性が確保されず、本発明による電流遮断装置において接着部の接着強度又は加圧部全体に対する弾性係数が非常に小さい場合には、電池又は電池モジュールが単に高温で保存されているだけの時にも電流の遮断が起こるようになり、電池モジュールの不良率が高くなるという問題点がある。ところが、実施例1から6の場合、表1に記載された通り、電気的な遮断が起こらなければならない時には電気的な遮断が起こることで電池モジュールの安全性が確保され、電池モジュールが高温保存状態にある場合には電気的な遮断が起こらないことで電池モジュールに不良が発生していないことが確認できる。
【0077】
一方、比較例1及び3の場合、接着部の接着強度又は加圧部全体に対する弾性強度が1kgf/cmであるが、この場合、実験例1では電気的な遮断が起こることで電池モジュールの安全性は確保したが、電池モジュールが高温保存状態にある場合にも電気的な遮断が起こることで電池モジュールに不良が発生したことが確認できる。
【0078】
また、比較例2、4及び5の場合、接着部の接着強度と加圧部全体に対する弾性強度は、それぞれ7kgf/cm、6kfg/cm、7kfg/cmであるが、この場合、実験例2では電池モジュールが高温保存状態にある場合、電気的な遮断が起こらなかったため電池モジュールに不良が発生していないが、実験例1において過充電状態で電気的な遮断が起こらないことで電池モジュールの安全性が確保されていないことが確認できる。
【0079】
したがって、本発明による電流遮断装置は、接着部の接着強度と加圧部全体に対する弾性強度の和が2から5kgf/cmの場合、電池モジュールの安全性を確保しつつ同時に電池モジュールの不良問題も解決できることが確認できる。
【0080】
以上で本発明は、たとえ限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明は、これによって限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と、下記に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
10 電池モジュール
100 電池
110 第1電池
120 第2電池
200 リード
210 第1リード
220 第2リード
300 電流遮断装置
302 結局第1連結部
302 第1連結部
304 第2連結部
310 接着部
320 加圧部
330 支持部
332 第1支持部
334 第2支持部
342 第1固定部
344 第2固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6