(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】二次電池及びその二次電池を含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/392 20210101AFI20220620BHJP
H01M 50/317 20210101ALI20220620BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20220620BHJP
H01M 50/325 20210101ALI20220620BHJP
H01M 50/333 20210101ALI20220620BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20220620BHJP
【FI】
H01M50/392
H01M50/317 101
H01M50/105
H01M50/325
H01M50/333
H01M50/178
(21)【出願番号】P 2020565952
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(86)【国際出願番号】 KR2020004752
(87)【国際公開番号】W WO2020246700
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0066143
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ヒ・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン・ジュン・パク
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-503150(JP,A)
【文献】国際公開第2011/070816(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1753213(KR,B1)
【文献】特表2017-506802(JP,A)
【文献】特開2017-062916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/392
H01M 50/317
H01M 50/105
H01M 50/131
H01M 50/178
H01M 50/333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と分離膜が交互に配置された構造を有する電極組立体;
内部に前記電極組立体を収容する空間が形成される外装材;
前記外装材内に備えられ、前記電極組立体の少なくとも一部を囲み、前記外装材内の気体は透過できるが、前記外装材内の液体は透過できない防水部;及び
前記外装材の内側面に備えられ、前記外装材の内圧が一定値を超過する場合、前記外装材内の気体が外部に排出される経路を提供するベント部;を含み、
前記防水部は、前記外装材の複数の内側面のうち、前記ベント部が備えられた内側面と向かい合うように備えられており、
前記外装材は、2枚の外装シートが互いに向かい合う構造を有し、
前記外装材の複数の外側面のうち少なくとも一面には、前記2枚の外装シートの端部が互いに向かい合う周囲部が形成され、
前記ベント部は、前記外装材の複数の内側面のうち、前記周囲部が形成される外側面に対応する内側面に備えられており、
前記周囲部の内側面と前記ベント部の間に備えられ、弾性力により前記ベント部を加圧する弾性部;をさらに含む、二次電池。
【請求項2】
前記外装材の複数の内側面のうち一面から外部に突出される電極リード;をさらに含み、
前記ベント部は、
前記外装材の複数の内側面のうち、前記電極リードが突出される内側面を除外した内側面に備えられる、請求項
1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記防水部は、前記電極組立体の全体を囲む、請求項1
または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記ベント部は、
互いに向かい合う第1ベント部材及び第2ベント部材;を含み、
前記第1ベント部材と前記第2ベント部材の間の間隔は、前記外装材の内部から前記外装材の外部の方向に行くほど近くなる、請求項
1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記外装材の外部の方向に延長された前記第1ベント部材の一端部と前記第2ベント部材の一端部は互いに接触することにより、前記外装材内の気体が外部に排出される経路が遮断され、
前記外装材の内圧が前記一定値を超過する場合、前記第1ベント部材の前記一端部と前記第2ベント部材の前記一端部が互いに離隔されることにより、前記外装材内の気体が外部に排出される経路が提供される、請求項
4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記弾性部は、
前記周囲部の内側面と前記第1ベント部材の間に備えられ、弾性力により前記第1ベント部材を加圧する第1弾性部材;及び
前記周囲部の内側面と前記第2ベント部材の間に備えられ、弾性力により前記第2ベント部材を加圧する第2弾性部材;を含む、請求項
4に記載の二次電池。
【請求項7】
前記外装材の内圧が前記一定値以下に再び下がる場合、前記第1ベント部材の前記一端部と前記第2ベント部材の前記一端部が再び接触することにより、前記外装材内の気体が外部に排出される経路が再び遮断される、請求項
5に記載の二次電池。
【請求項8】
前記周囲部のうち、前記ベント部が備えられる前記内側面に対応する外側面に形成される周囲部を除外した周囲部では、前記2枚の外装シートが互いに接合されて密封部が形成され、
前記周囲部のうち、前記ベント部が備えられる前記内側面に対応する外側面に形成される周囲部では、前記2枚の外装シートが、互いに接合されないか前記密封部の接合力より低い接合力で互いに接合される、請求項1
または6に記載の二次電池。
【請求項9】
請求項1~
8の何れか一項に記載の二次電池を含む、電池パック。
【請求項10】
前記外装材は、2枚の外装シートが互いに向かい合う構造を有し、
前記外装材の複数の外側面のうち上方を向いている上部外側面には、前記2枚の外装シートが互いに向かい合う周囲部が形成され、
前記ベント部は、前記外装材の複数の内側面のうち前記周囲部が形成される前記上部外側面に対応する内側面に備えられる、請求項
9に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年6月4日付韓国特許出願第10-2019-0066143号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池及びその二次電池を含む電池パックに関し、二次電池の内圧上昇時に二次電池内部の気体を所望の方向に排出できる構造を有する二次電池及びその二次電池を含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
繰り返し充電及び放電が可能な二次電池は、その構造または製造方法によって円筒状二次電池、角形二次電池、パウチ型二次電池などに区分され得る。このうちパウチ型二次電池は、シート形態のパウチ外装材内に電極と分離膜が交互に配置された構造を有する電極組立体が収容された構造を有する。特に、パウチ型二次電池は、製造に必要な工程が比較的簡単で製造コストが低いため、広く用いられている。
【0004】
一方、二次電池の異常な作動などにより、二次電池内部の圧力が上昇する場合が発生し得る。特に、二次電池内部の圧力が異常に上昇する場合、二次電池が爆発する可能性があるが、これを防止するためには、二次電池内部の圧力が一定値を超過する場合、二次電池内部の気体が外部に排出される必要がある。
【0005】
しかし、二次電池内部の気体は高温及び高圧状態なので、二次電池内部の気体が誤った方向に排出される場合には、二次電池の周辺の構造物に損傷が発生し得る。このような問題を防止するためには、二次電池内部の気体が一定の経路を介して排出できるように二次電池を設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、二次電池内部の圧力が異常に上昇する場合、二次電池内部の気体が一定の経路を介して排出されるようにすることにより、二次電池の周辺の構造物の損傷を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の一側面によれば、電極と分離膜が交互に配置された構造を有する電極組立体;内部に前記電極組立体を収容する空間が形成される外装材;前記外装材内に備えられ、前記電極組立体の少なくとも一部を囲み、前記外装材内の気体は透過できるが、前記外装材内の液体は透過できない防水部;及び、前記外装材の内側面に備えられ、前記外装材の内圧が一定値を超過する場合、前記外装材内の気体が外部に排出される経路を提供するベント部;を含み、前記防水部は、前記外装材の複数の内側面のうち、前記ベント部が備えられた内側面と向かい合うように備えられる二次電池が提供される。
【0008】
前記外装材は、2枚の外装シートが互いに向かい合う構造を有し、前記外装材の複数の外側面のうち少なくとも一面には、前記2枚の外装シートの端部が互いに向かい合う周囲部が形成され、前記ベント部は、前記外装材の複数の内側面のうち前記周囲部が形成される外側面に対応する内側面に備えられてよい。
【0009】
前記外装材の複数の内側面のうち一面から外部に突出される電極リード;をさらに含み、前記ベント部は、前記外装材の複数の内側面のうち前記電極リードが突出される内側面を除外した内側面に備えられてよい。
【0010】
前記防水部は、前記電極組立体の周囲全体を囲んでよい。
【0011】
前記ベント部は、互いに向かい合う第1ベント部材及び第2ベント部材;を含み、前記第1ベント部材と前記第2ベント部材の間の間隔は、前記外装材の内部から前記外装材の外部の方向に行くほど近くなってよい。
【0012】
前記外装材の外部の方向に延長された前記第1ベント部材の一端部と前記第2ベント部材の一端部は互いに接触することにより、前記外装材内の気体が外部に排出される経路が遮断され、ただし、前記外装材の内圧が前記一定値を超過する場合、前記第1ベント部材の前記一端部と前記第2ベント部材の前記一端部が互いに離隔されることにより、前記外装材内の気体が外部に排出される経路が提供されてよい。
【0013】
前記周囲部の内側面と前記ベント部の間に備えられ、弾性力により前記ベント部を加圧する弾性部;をさらに含んでよい。
【0014】
前記弾性部は、前記周囲部の内側面と前記第1ベント部材の間に備えられ、弾性力により前記第1ベント部材を加圧する第1弾性部材;及び、前記周囲部の内側面と前記第2ベント部材の間に備えられ、弾性力により前記第2ベント部材を加圧する第2弾性部材;を含んでよい。
【0015】
前記外装材の内圧が前記一定値以下に再び下がる場合、前記第1ベント部材の前記一端部と前記第2ベント部材の前記一端部が再び接触することにより、前記外装材内の気体が外部に排出される経路が再び遮断されてよい。
【0016】
前記周囲部のうち、前記ベント部が備えられる前記内側面に対応する外側面に形成される周囲部を除外した周囲部では、前記2枚の外装シートが互いに接合されて密封部が形成され、前記周囲部のうち、前記ベント部が備えられる前記内側面に対応する外側面に形成される周囲部では、前記2枚の外装シートが、互いに接合されないか前記密封部の接合力より低い接合力で互いに接合されてよい。
【0017】
前記目的を達成するための本発明の他の側面によれば、前記二次電池を含む電池パックが提供される。
【0018】
前記外装材は、2枚の外装シートが互いに向かい合う構造を有し、前記外装材の複数の外側面のうち上方を向いている上部外側面には、前記2枚の外装シートが互いに向かい合う周囲部が形成され、前記ベント部は、前記外装材の複数の内側面のうち前記周囲部が形成される前記上部外側面に対応する内側面に備えられてよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、二次電池内部の圧力が異常に上昇する場合、二次電池内部の気体が一定の経路を介して排出されることにより、二次電池の周辺の構造物の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による二次電池の構造を示した斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による二次電池の上部構造の平常時の様子を示した側断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による二次電池の内圧が一定値を超過した場合の二次電池の上部構造の様子を示した側断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態による二次電池の上部構造の様子を示した側断面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態による二次電池の上部構造の様子を示した側断面図である。
【
図6】
図5のA領域を拡大して示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図を参考にしつつ、本発明による二次電池及び電池パックの構造を説明する。
【0022】
二次電池
【0023】
図1は、本発明による二次電池の構造を示した斜視図であり、
図2は、本発明の第1実施形態による二次電池の上部構造の平常時の様子を示した側断面図である。そして、
図3は、本発明の第1実施形態による二次電池の内圧が一定値を超過した場合、二次電池の上部構造の様子を示した側断面図である。
【0024】
図1から
図3に示されているとおり、本発明による二次電池10は、電極組立体100を含んでよい。電極組立体100は、電極と分離膜が交互に配置された構造を有してよい。
【0025】
また、二次電池10は、内部に電極組立体100を収容する空間が形成される外装材200を含んでよい。外装材200は、パウチ型外装材であってよい。すなわち、本発明による二次電池10は、パウチ型二次電池であってよい。
【0026】
引き続き
図1から
図3を参考にすれば、本発明による二次電池10の外装材200は、第1外装シート210a及び第2外装シート220aを含んでよい。また、本発明による二次電池10は、外装材200の第1外装シート210a及び第2外装シート220aが互いに向かい合う周囲部200aを含んでよい。周囲部200aは、第1外装シート210a及び第2外装シート220aの端部が互いに向かい合う構造を有してよい。周囲部200aは、外装材200の複数の外側面のうち少なくとも一面に形成されてよい。
図1には、周囲部200aが外装材200の上面及び下面に形成された様子が示されている。
【0027】
また、本発明による二次電池10は、外装材200の一面から突出される電極リード300をさらに含んでよい。電極リード300は、電極組立体100の電極タブ(図示省略)と電気的に接続される構成であって、外装材200の内側面のうち一面から外部に向けて突出される構造を有してよい。
図1には、2つの電極リード300が互いに反対方向に突出された様子が示されている。
【0028】
図2及び
図3に示されているとおり、本発明による二次電池10は、外装材200の内圧が一定値を超過する場合、外装材200内の気体が外部に排出される経路を提供するベント部400を含んでよい。
【0029】
ベント部400は、第1ベント部材410及び第2ベント部材420を含んでよい。このとき、第1ベント部材410と第2ベント部材420は、対称的に互いに向かい合っていてよい。
【0030】
一方、ベント部400は、外装材200の複数の内側面のうち周囲部200aが形成される外側面に対応する内側面に備えられてよい。
図2及び
図3には、ベント部400が、外装材200の複数の内側面のうち周囲部200aが形成される上部外側面に対応する内側面に備えられている様子が示されている。
【0031】
また、第1ベント部材410と第2ベント部材420は、外装材200の外部の方向に延長されてよい。このとき、第1ベント部材410と第2ベント部材420の間の間隔は、外装材200の内部から外装材200の外部の方向に行くほど近くなってよい。また、
図2に示されているとおり、外装材200の外部の方向に延長された第1ベント部材410の一端部と第2ベント部材420の一端部は互いに接触することにより、平常時には外装材200内の気体がベント部400を通過して外部に排出される経路が遮断されてよい。
【0032】
引き続き
図2及び
図3を参考にすれば、ベント部400は、外装材200の複数の内側面のうち電極リード300が突出される内側面を除外した内側面に備えられてよい。
【0033】
電極リードが突出される内側面にベント部が備えられる場合、二次電池内の気体がベント部を介して外部に排出される過程で、気体が電極リードと接触し得る。この場合、ベント部を介して外部に排出される気体の温度及び圧力により、電極リードが変形されるか損傷されるという問題が発生し得る。よって、本発明によれば、ベント部400は、外装材200の複数の内側面のうち電極リード300が突出される内側面を除外した内側面に備えられてよい。
【0034】
一方、本発明により二次電池10内の気体がベント部400を介して外部に排出される原理を説明する。
【0035】
二次電池10の異常な作動などにより外装材200の内圧が一定値を超過する場合、
図3に示されているとおり、外装材200の内圧により、平常時には互いに接触していた第1ベント部材410の一端部と第2ベント部材420の一端部が互いに離隔され、これにより二次電池10内の気体が外部に排出される。
【0036】
すなわち、本発明によれば、ベント部400と隣接した領域で外装材200の内圧が定められた1つの値を超過する場合、ベント部400の第1ベント部材410と第2ベント部材420が互いに離隔されるように二次電池10が製造され得る。例えば、ベント部400と隣接した領域で外装材200の内圧が特定の値Aを超過する場合、第1ベント部材410と第2ベント部材420が互いに離隔されることにより、二次電池10内の気体が外部に排出され得る。
【0037】
一方、外装材200内の気体が排出され外装材200の内圧が再び一定値以下に下がる場合、第1ベント部材410の一端部と第2ベント部材420の一端部が再び接触することにより、外装材200内の気体が外部に排出される経路が再び遮断され得る。すなわち、本発明によるベント部400の第1ベント部材410及び第2ベント部材420は、外装材200の内圧により相互間に接触及び離隔が繰り返しなされる構成であってよい。
【0038】
本発明によれば、二次電池10にベント部400が備えられるので、二次電池内部の圧力が異常に上昇する場合、二次電池10内部の気体が、開放されたベント部400により形成された一定の経路を介して排出され得る。よって、本発明によれば、二次電池内部の気体が排出される経路が一定しない場合に発生し得る、二次電池の周辺の構造物の予想できなかった損傷を防止することができる。
【0039】
一方、
図1から
図3を参考にすれば、本発明による二次電池10で周囲部200aのうち少なくとも一部では、2枚の外装シートが互いに接合されてよい。すなわち、本発明によれば、周囲部200aのうち、ベント部400が備えられる前記内側面に対応する外側面に形成される周囲部を除外した周囲部では、第1外装シート210a及び第2外装シート220aが互いに接合されて密封部が形成されてよい。
図1を参考にすれば、外装材200の下面に形成された周囲部200aで、第1外装シート210aと第2外装シート220aが互いに接合されて密封部を形成し得る。
【0040】
一方、本発明による二次電池10で、周囲部200aのうち他の一部では、2枚の外装シートが互いに接合されないか前記密封部の接合力より低い接合力で互いに接合されてよい。
図1を参考にすれば、外装材200の上面に形成された周囲部200aで、第1外装シート210aと第2外装シート220aは互いに接合されないか前記密封部の接合力より低い接合力で互いに接合されてよい。この場合、外装材200の内圧が一定値を超過する場合、外装材の他の領域が破断される前に、外装材200内の気体がベント部400を介して外部に速やかに排出され得る。
【0041】
一方、本発明による二次電池10は、外装材200内に備えられ、電極組立体100の少なくとも一部を囲む防水部500をさらに含んでよい。防水部500は、外装材200内の気体は透過できるが、外装材200内の液体は透過できない構成であってよい。防水部500は防水性を有し、メッシュ(mesh)構造を有する織物(fabric)であってよい。
【0042】
図2に示されているとおり、防水部500は、外装材200の複数の内側面のうちベント部400が備えられた内側面と向かい合うように備えられてよい。
図2には、ベント部400が備えられた外装材200の上部内側面と向かい合うように防水部500が備えられた様子が示されている。
【0043】
本発明によれば、防水部500が外装材200の複数の内側面のうちベント部400が備えられた内側面と向かい合うように備えられるため、外装材200の内圧が一定値を超過する場合、二次電池10内の気体は、防水部500を通過した後にベント部400及び周囲部200aを経て外部に排出されるが、二次電池10内の液体(例えば、電解液)は外部に排出されないか液体が外部に排出されることを最小化できる。
【0044】
二次電池10の外装材200の内圧に主な影響を及ぼすものは、二次電池10内の液体ではなく気体であり、液体、特に、電解液が外部に流出される場合、二次電池10が正常に作動しないという問題が発生し得る。よって、本発明によれば、外装材の内圧が一定値を超過する場合、外装材200の内圧に主な影響を及ぼす気体だけが外部に排出されるので、外装材200の内圧が異常に上昇しても、二次電池内の液体の排出により二次電池10の作動が中断されるという問題を防止することができる。
【0045】
図4は、本発明の第2実施形態による二次電池の上部構造の様子を示した側断面図である。
【0046】
図3に示されているとおり、本発明の第1実施形態によれば、防水部500は、電極組立体100の一部(特に、電極組立体でベント部と向かい合う領域)のみを囲むことができる。しかし、
図4に示されているとおり、本発明の第2実施形態によれば、防水部500は、電極組立体100の周囲全体を囲むことができる。本発明の第2実施形態によれば、防水部500が電極組立体100内の全領域を囲むようになるので、防水部500内の液体が外部に排出されることを根本的に遮断することができる。
【0047】
図5は、本発明の第3実施形態による二次電池の上部構造の様子を示した側断面図であり、
図6は、
図5のA領域を拡大して示した側断面図である。
【0048】
本発明の第3実施形態による二次電池10は、周囲部200aの内側面とベント部400の間に備えられる弾性部600をさらに含んでよい。弾性部600は、弾性力によりベント部400を加圧する構成であって、弾性を有する材質からなってよい。
【0049】
図5及び
図6に示されているとおり、弾性部600は、第1弾性部材610及び第2弾性部材620を含んでよい。第1弾性部材610は、周囲部200aの内側面と第1ベント部材410の間に備えられてよく、第2弾性部材620は周囲部200aの内側面と第2ベント部材420の間に備えられてよい。第1弾性部材610は、弾性力により第1ベント部材410を加圧することができ、第2弾性部材620は、弾性力により第2ベント部材420を加圧することができる。例えば、第1弾性部材610と第2弾性部材620はスプリングであってよい。一方、第1弾性部材610の一端部と他端部は、それぞれ第1外装シート210aの内側面と第1ベント部材410に付着されてよく、第2弾性部材620の一端部と他端部は、それぞれ第2外装シート220aの内側面と第2ベント部材420に付着されてよい。
【0050】
本発明の第3実施形態によれば、外装材200の内圧が一定値以下の場合、弾性部600の弾性力により第1ベント部材410と第2ベント部材420の間の接触がより安定的になされ得る。より好ましくは、第1弾性部材610及び第2弾性部材620は、第1ベント部材410と第2ベント部材420が互いに接触する領域(すなわち、外装材の外部の方向に延長された第1ベント部材の一端部と第2ベント部材の一端部が互いに接触する領域)を加圧することができる。
【0051】
電池パック
【0052】
本発明による電池パックは、複数の二次電池を含んでよい。
【0053】
前述のとおり、本発明による二次電池の外装材の複数の外側面のうち少なくとも一部には、2枚の外装シートが互いに向かい合う周囲部が形成されてよい。このとき、周囲部は外装材の複数の外側面のうち上方を向いている上部外側面に形成されてよい。
【0054】
また、二次電池のベント部は、外装材の複数の内側面のうち周囲部が形成される上部外側面に対応する内側面に備えられてよい。
【0055】
二次電池10の構造に対する他の内容は、二次電池の構造に対して
図1から
図6を参考にして前述した内容で代替する。
【0056】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態と図によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
10:二次電池
100:電極組立体
200:外装材
200a:周囲部
210a:第1外装シート
220a:第2外装シート
300:電極リード
400:ベント部
410:第1ベント部材
420:第2ベント部材
500:防水部
600:弾性部
610:第1弾性部材
620:第2弾性部材