(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】エア給紙装置、エア給紙装置における給紙台昇降制御方法
(51)【国際特許分類】
B65H 1/14 20060101AFI20220620BHJP
B65H 3/48 20060101ALI20220620BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
B65H1/14 322A
B65H3/48 320Z
B65H7/14
(21)【出願番号】P 2017127428
(22)【出願日】2017-06-29
【審査請求日】2020-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158757
【氏名又は名称】▲濱▼田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121094
【氏名又は名称】藤原 亮
(72)【発明者】
【氏名】柴田 龍一
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-008903(JP,A)
【文献】特開2015-134685(JP,A)
【文献】特開2017-105563(JP,A)
【文献】特開2010-120721(JP,A)
【文献】特開2009-051632(JP,A)
【文献】特開2006-273510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/14
B65H 3/48
B65H 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降可能な給紙台と、
前記給紙台に載置された用紙を浮上させるためのエアを出力する浮上エア送風機構と、
前記浮上エア送風機構により浮上した前記用紙のうち最上位の用紙を他の浮上した前
記用紙から分離させるようにエアを出力する分離エア送風機構と、
前記分離エア送風機構により分離された前記最上位の用紙を本体装置に向けて吸引搬
送する吸引搬送機構と、
前記給紙台の側面側に配置されたセンサ窓と、
前記センサ窓を通して前記給紙台上の前記用紙に向けて発光し、前記センサ窓を通して
反射光量を検出する1つの
光電センサと、
前記
センサ窓は、前記吸引搬送機構により用紙を搬送する用紙搬送方向に直交
する用紙端部で、前記分離エア送風機構の送風口よりも低い位置で、前記浮上エア送風
機構の送風口における高さ方向の範囲内に設置され、前記浮上エア送風機構及び前記分
離エア送風機構の動作時に、前記
センサ窓背面に配された光電センサの検出結果に基ず
いて、前記給紙台の昇降動作を制御する給紙制御部と、
を備えたことを特徴とするエア給紙装置。
【請求項2】
前記給紙制御部は、
前記光電センサが検出した光量が、第1基準値よりも小さい場合に、前記給紙台を上昇
させることを特徴とする請求項1に記載のエア給紙装置。
【請求項3】
前記給紙制御部は、
前記光電センサが検出した光量が、第1基準値よりも大きい場合に、前記給紙台を下降
させることを特徴とする請求項2に記載のエア給紙装置。
【請求項4】
前記給紙制御部は、
さらに、前記送風機構の動作開始前に、前記光電センサの検出結果に基づいて、前記給
紙台の昇降動作を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のエア
給紙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等に用いられるエア給紙装置およびエア給紙装置における給紙台昇降制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置、複写装置等の画像形成装置では、給紙台に載積された用紙の束から、画像形成部に1枚ずつ給紙する給紙装置を備えている。従来、給紙装置は、回転する給紙ローラを最上位の用紙に接触させ、摩擦力により最上位の用紙を束から分離して用紙を送り出す方式が広く行なわれていた。
【0003】
近年では、エアを利用して最上位の用紙を浮かすことで束から分離して用紙を送り出すエア給紙方式が実用化されている。エア給紙方式では、エアを吹き付けて浮上させた最上位の用紙を、エアを吸引する吸気口が形成された搬送ベルトで吸着し、画像形成機構に向けて搬送することも行なわれている。
【0004】
このようなエア給紙方式では、最上位の用紙を送り出しに適切な高さまで浮上させるために、例えば、最上位の用紙の位置を検出する上面検知が行なわれている。そして、最上位の用紙位置が低すぎる場合には、給紙台を上昇させ、最上位の用紙位置が高すぎる場合には、給紙台を下降させる給紙台位置制御を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-89955号公報
【文献】特開2005-104723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、画像形成装置の高速化が進み、給紙速度の高速化が求められている。連続した給紙を迅速に行なえるようにするためには、最上位用紙のみを浮上させるのでは足りず、後続の何枚かの用紙も浮上させ、搬送ベルト付近に適正に待機させることが有効である。
【0007】
後続の何枚かの用紙も浮上させ、搬送ベルト付近に適正に待機させる場合には、浮上前の最上位の用紙の位置を検出するのみでは十分ではなく、浮上時における後続用紙を含めた用紙の浮上状態を把握して給紙台位置を制御することが要求される。
【0008】
後続用紙を含めた用紙の浮上状態の把握は、例えば、浮上時の用紙を側端方向から撮像し、画像解析により各用紙を認識することで行なうことが考えられるが、構成が複雑化し、コスト上昇等を招くことになる。
【0009】
そこで、本発明は、エア給紙装置において、後続用紙を含めた浮上状態に基づく給紙台位置制御を簡易な構成で行なえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である給紙装置は、昇降可能な給紙台と、前記給紙台に載置された用紙を浮上させるためのエアを出力する送風機構と、前記用紙の側面側に配置されたセンサ窓と、前記センサ窓に向けて発光し、反射光量を検出する光電センサとを含み、固定的に取り付けられた用紙状態検出部と、前記送風機構の動作時に、前記光電センサの検出結果に基づいて、前記給紙台の昇降動作を制御する給紙制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、エア給紙装置において、後続用紙を含めた浮上状態に基づく給紙台位置制御を簡易な構成で行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るエア給紙装置を適用した画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】用紙状態検出部の構成を示すブロック図である。
【
図3】エア給紙装置における給紙台昇降動作について説明するフローチャートである。
【
図4】送風停止時のセンサ窓から見た用紙状態とセンサ値とを説明する図である。
【
図5】送風時のセンサ窓から見た用紙状態とセンサ値とを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るエア給紙装置100を適用した画像形成装置10の構成を示すブロック図である。エア給紙装置100は、給紙台に載置された用紙束の上位部に側面方向からエアを吹き付けて浮上させることで用紙の送り出しを行なう。
【0014】
画像形成装置10は、印刷装置、複写装置、ファクシミリ装置等に適用することができる。画像形成装置10は、画像形成部12を備えており、エア給紙装置100から供給された用紙に対して、画像形成を行なう。画像形成部12の画像形成方式は任意であり、例えば、インクジェット方式、電子写真方式、孔版方式等とすることができる。
【0015】
また、エア給紙装置100が供給する「用紙」という文言は便宜的なものであり、紙に限られず、フィルムその他の表面に画像を形成可能なシート状物を含む概念である。
【0016】
本図に示すように、エア給紙装置100は、給紙台110、給紙台昇降機構120、浮上エア送風機構130、分離エア送風機構140、吸引式搬送ベルト150、吸引機構152、給紙制御部160、用紙状態検出部170を備えている。
【0017】
給紙台110は、用紙200を平積み状態で載置する。給紙台110に載置された用紙200のうち、上位何枚かがエアにより浮上し、最上位の用紙200aが分離して吸引式搬送ベルト150に吸着される。吸引式搬送ベルト150に吸着された用紙は、画像形成部12に向けて搬送される。図中の用紙201は、吸引式搬送ベルト150で画像形成部12方向に搬送されている状態を模式的に表している。
【0018】
給紙台昇降機構120は、給紙制御部160の制御に基づいて、給紙台110を駆動して昇降動作を行なわせる。給紙台昇降機構120の昇降動作により、載置された用紙200の位置が上下に移動する。給紙台昇降機構120の昇降機構の方式は問わない。例えば、モータ駆動のギヤ式、油圧式等を用いることができる。
【0019】
浮上エア送風機構130は、給紙台110に載置された用紙200の上位数枚を浮上させるためのエアを出力する機構である。このため、給紙台110上方の用紙200の側面側にエア吹出口を有している。
【0020】
分離エア送風機構140は、浮上エア送風機構130によって上昇した複数枚の用紙200から最上位の用紙200aを分離させるためのエアを出力する機構である。このため、浮上エア送風機構130の開口部よりも上部に、より水平方向に狭いエア吹出口を有している。浮上エア送風機構130、分離エア送風機構140とも給紙制御部160の制御により送風動作を行なう。
【0021】
浮上エア送風機構130、分離エア送風機構140の送風により、用紙200の空送、重送を避け、確実に1枚ずつ給紙を行なうために、送風停止時の最上位用紙200aの高さ方向の位置と、送風時の上位用紙の浮上状態には適正な状態が存在する。本実施形態では、この適正な状態を、給紙台110の昇降制御により実現するようにしている。
【0022】
吸引式搬送ベルト150は、エア吸引用の多数の孔が形成された無端ベルトであり、ローラにより回転駆動される。吸引式搬送ベルト150の内側には吸引機構152が配置されており、吸引式搬送ベルト150の外側に用紙201を吸着して、画像形成部12方向に搬送する。すなわち、給紙台110に載置された用紙200の最上位の用紙200aが、順次吸引式搬送ベルト150により吸着搬送されることになる。
【0023】
給紙制御部160は、マイクロコンピュータ等の演算装置から構成することができ、エア給紙装置100における給紙動作を制御する。本実施形態では、特に、用紙状態検出部170の検出結果に基づいて、給紙台昇降機構を動作させ、給紙台110の位置を制御する。
【0024】
給紙制御部160は、給紙台110の位置を制御するにあたり、現在の給紙台110の位置を評価するために、用紙状態検出部170が出力するセンサ値C1についての2種類の基準値X0、X1が設定されている。基準値X0と基準値X1とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0025】
基準値X0は、送風を行なっていないときの給紙台110の位置を評価する値であり、基準値X1は、送風を行なっているときの給紙台110の位置を評価する値である。基準値X0、基準値X1は、幅を持つ値であってもよい。また、基準値X0、基準値X1は、用紙種類等に応じて異なる値としてもよい。
【0026】
用紙状態検出部170は、給紙台110に載置された用紙の状態を検出するものであり、浮上エア送風機構130のエア吹出口付近に固定的に取り付けられている。
図2は、用紙状態検出部170の構成を示すブロック図である。
【0027】
本図に示すように、用紙状態検出部170は、センサ窓174と光電センサ171とを備えている。センサ窓174は、給紙台110に載置された用紙200の側面側に配置している。センサ窓174は、浮上エア送風機構130により浮上している上位何枚かの用紙200の浮上状態を観察できる程度の大きさとする。また、浮上していない状態の最上位用紙200aの適正位置が収まる位置に配置する。
【0028】
光電センサ171は、発光部172と受光部173とを備えている。発光部172は、例えば、発光ダイオード等を用いることができ、センサ窓174に向けて発光する。発光する光は、例えば、赤外光とすることができる。可視光等の他の光であってもよい。センサ窓174は、発光部172が出力する光を透過する材質とする。空洞であってもよい。一方で、センサ窓174の周囲は発光部172が出力する光を遮断する材質とする。
【0029】
受光部173は、例えば、フォトダイオード等を用いることができ、発光部172が出力した光の反射光を検出し、光量に応じた物理量、例えば、電圧値に変換してセンサ値C1として出力する。すなわち、センサ窓174内の平均光量を検出する照度センサとして動作する。
【0030】
ここでは、受光量が大きいほど、受光部173の出力電圧が大きくなるものとする。受光部173が受光する光は、主としてセンサ窓174部分に存在している用紙200による反射光であるため、センサ窓174部分に存在している用紙200の量、密度が大きいほど、受光量が大きくなり、受光部173が出力するセンサ値C1が大きくなる。
【0031】
光電センサ171は、用紙束の側面に対して斜めに取り付けてもよいし、真っ直ぐに取り付けてもよい。また、光電センサ171は、用紙200に接触することがないため、用紙200の浮上に影響を与えることはない。
【0032】
次に、上記構成のエア給紙装置100における給紙台昇降動作について
図3のフローチャートを参照して説明する。本動作は、例えば、印刷開始時等に給紙制御部160の制御により実行する。
【0033】
まず、給紙制御部160は、浮上エア送風機構130、分離エア送風機構140による送風動作に先立ち、用紙状態検出部170を起動する(S101)。すなわち、光電センサ171の発光部172から光を出力し、受光部173で測定を行なう。
【0034】
そして、光電センサ171が出力するセンサ値C1を取得し(S102)、基準値X0との大小の比較を行なう(S103)。上述のように、基準値X0は、幅を持つ値であってもよい。
【0035】
ここで、基準値X0は、浮上していない状態の最上位用紙200aが適正な位置にあるときの光電センサ171の出力値とする。基準値X0は、設計、開発時において、理論的、実験的にあらかじめ定めておくものとする。個体毎に値を調整してもよい。
【0036】
例えば、センサ窓174から見た用紙200の最上位用紙200aが、
図4(a)に示すような位置にある場合が適正であれば、そのときのセンサ値を基準値X0とする。この場合、
図4(b)に示すように、給紙台110の位置が低すぎて最上位用紙200aが適正位置より低ければ、用紙200からの反射光量が小さくなるため、センサ値C1は、基準値X0より小さくなる。一方、
図4(c)に示すように、給紙台110の位置が高すぎて最上位用紙200aが適正位置より高ければ、用紙200からの反射光量が大きくなるため、センサ値C1は、基準値X0より大きくなる。
【0037】
このため、給紙制御部160は、センサ値C1が基準値X0より小さい場合には、給紙台昇降機構120を動作させ、給紙台110を上昇させる(S104)。逆に、センサ値C1が基準値X0より大きい場合には、給紙台昇降機構120を動作させ、給紙台110を下降させる(S105)。
【0038】
給紙制御部160は、この処理を、センサ値C1が基準値X0と等しくなる(センサ値C1が基準値範囲X0内に収まる場合を含む)まで、繰り返す。そして、センサ値C1が基準値X0と等しくなると給紙台110の昇降動作を停止する(S106)。これにより、送風停止時において、最上位用紙200aの上下方向の位置が適正化される。
【0039】
給紙制御部160は、送風停止時において、最上位用紙200aの上下方向の位置が適正化されると、浮上エア送風機構130、分離エア送風機構140による送風動作を開始する(S107)。そして、給紙を開始する(S108)。具体的には、浮上エア送風機構130によって浮上し、分離エア送風機構140によって分離された最上位の用紙200aを、吸引式搬送ベルト150により吸着し、画像形成部12に搬送する。
【0040】
給紙制御部160は、給紙中においては、浮上している用紙200の状態の適正化を行なう。このため、光電センサ171が出力するセンサ値C1を取得し(S109)、基準値X1との大小の比較を行なう(S110)。上述のように、基準値X1は、幅を持つ値であってもよい。
【0041】
ここで、基準値X1は、浮上している用紙200の状態が適正であるときの光電センサ171の出力値とする。浮上している用紙200の状態は、浮上している枚数、用紙間隔、浮上位置等で表される。基準値X1も基準値X0と同様に、設計、開発時において、理論的、実験的にあらかじめ定めておくものとする。個体毎に値を調整してもよい。
【0042】
例えば、センサ窓174から見た用紙200の浮上状態が、
図5(a)に示すような状態が適正であれば、そのときのセンサ値を基準値X1とする。この場合、
図5(b)に示すように、給紙台110の位置が低すぎると、センサ窓174内の用紙密度が小さくなって、用紙200からの反射光量が小さくなるため、センサ値C1は、基準値X1より小さくなる。一方、
図5(c)に示すように、給紙台110の位置が高すぎると、センサ窓174内の用紙密度が大きくなって、用紙200からの反射光量が大きくなるため、センサ値C1は、基準値X1より大きくなる。
【0043】
このため、センサ値C1が基準値X1より小さい場合には、給紙台昇降機構120を動作させ、給紙台110を上昇させる(S111)。センサ値C1が基準値X1より大きい場合には、給紙台昇降機構120を動作させ、給紙台110を下降させる(S112)。センサ値C1が基準値X1と等しい場合(センサ値C1が基準値範囲X1内に収まる場合を含む)には、給紙台110の位置は適正であるため、給紙台昇降機構120を動作させず、給紙台110移動を停止する(S113)。これにより、浮上する用紙200の状態を適正に保つことができ、空送、重送の発生しない給紙動作を行なうことができる。
【0044】
給紙制御部160は、この処理を、給紙動作を終了するまで、繰り返す(SS114)。そして、給紙動作を終了すると(S114:Yes)、浮上エア送風機構130、分離エア送風機構140による送風動作を終了する(S115)。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のエア給紙装置100によれば、後続用紙を含めた用紙の浮上状態を光電センサ171のセンサ値C1に基づいて評価し、給紙台110の昇降制御を行なっている。
【0046】
光電センサ171のセンサ値C1は、センサ窓174を介して入力する光量を示すものであるため、撮像画像等による各用紙の識別は不要であり、簡易な構成で後続用紙を含めた浮上状態に基づく給紙台位置制御を行なうことができる。
【0047】
本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形を行なうことができる。例えば、センサ窓、光電センサを異なる位置に複数個設け、送風停止時と送付時とで別のセンサ窓、光電センサを用いるようにしてもよい。
【0048】
また、光電センサの発光部を省略し、外光等による反射光を検出するようにしてもよい。また、通常の給紙時においては、給紙台110を下降させることはないため、給紙台110の上昇、給紙台110の停止のみの判断を行なうようにしてもよい。
【0049】
本発明の第1の態様である給紙装置は、昇降可能な給紙台と、前記給紙台に載置された用紙を浮上させるためのエアを出力する送風機構と、前記用紙の側面側に配置されたセンサ窓と、前記センサ窓に向けて発光し、反射光量を検出する光電センサとを含み、固定的に取り付けられた用紙状態検出部と、前記送風機構の動作時に、前記光電センサの検出結果に基づいて、前記給紙台の昇降動作を制御する給紙制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0050】
本態様では、後続用紙を含めた用紙の浮上状態を、光電センサの検出結果に基づいて評価し、給紙台の昇降制御を行なっている。光電センサの検出結果は、センサ窓を介して入力する光量を示すものであるため、撮像画像等による各用紙の識別は不要であり、簡易な構成で後続用紙を含めた浮上状態に基づく給紙台位置制御を行なうことができる。
【0051】
ここで、前記給紙制御部は、前記光電センサが検出した光量が、第1基準値よりも小さい場合に、前記給紙台を上昇させることができる。
【0052】
光電センサが検出した光量が第1基準値よりも小さい場合は、センサ窓内の用紙密度が小さくなっていることを示すため、給紙台を上昇させることで、給紙台を適正な位置とすることができる。
【0053】
また、前記給紙制御部は、前記光電センサが検出した光量が、第1基準値よりも大きい場合に、前記給紙台を下降させることができる。
【0054】
光電センサが検出した光量が第1基準値よりも大きい場合は、センサ窓内の用紙密度が大きくなっていることを示すため、給紙台を下降させることで、給紙台を適正な位置とすることができる。
【0055】
また、前記給紙制御部は、さらに、前記送風機構の動作開始前に、前記光電センサの検出結果に基づいて、前記給紙台の昇降動作を制御することができる。
【0056】
これにより、送風停止時おける最上位用紙を適正な位置にすることができる。
【0057】
本発明の第2の態様であるエア給紙装置における給紙台昇降動作制御方法は、昇降可能な給紙台と、前記給紙台に載置された用紙を浮上させるためのエアを出力する送風機構と、前記用紙の側面側に配置されたセンサ窓と、前記センサ窓に向けて発光し、反射光量を検出する光電センサとを含み、固定的に取り付けられた用紙状態検出部とを備えたエア給紙装置における給紙台昇降動作制御方法であって、前記送風機構の動作時に、前記光電センサの検出結果に基づいて、前記給紙台の昇降動作を制御することを特徴とする。
【0058】
本態様では、後続用紙を含めた用紙の浮上状態を、光電センサの検出結果に基づいて評価し、給紙台の昇降制御を行なっている。光電センサの検出結果は、センサ窓を介して入力する光量を示すものであるため、撮像画像等による各用紙の識別は不要であり、簡易な構成で後続用紙を含めた浮上状態に基づく給紙台位置制御を行なうことができる。
【符号の説明】
【0059】
10…画像形成装置
12…画像形成部
100…エア給紙装置
110…給紙台
120…給紙台昇降機構
130…浮上エア送風機構
140…分離エア送風機構
150…吸引式搬送ベルト
152…吸引機構
160…給紙制御部
170…用紙状態検出部
171…光電センサ
172…発光部
173…受光部
174…センサ窓
200…用紙