(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】外来作業管理システム及び外来作業管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220620BHJP
B65G 63/00 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G63/00 J
(21)【出願番号】P 2018011644
(22)【出願日】2018-01-26
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391016211
【氏名又は名称】株式会社宇徳
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 亮太
【審査官】岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-085041(JP,A)
【文献】特開2004-075317(JP,A)
【文献】特開2009-286624(JP,A)
【文献】特開2017-202936(JP,A)
【文献】特開2002-015044(JP,A)
【文献】特開2018-005409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海運業者の貨物保管施設に対する運搬車両による海運貨物の搬入及び搬出に係る外来作業を管理するシステムであって、
制御用端末を備えると共に、システム全体を制御する制御部を含む制御ユニットと、
前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付を行い、該受付時に前記運搬車両の運転手の連絡先及び前記運搬車両による外来作業の内容を含む、受付情報を取得する受付ユニットと、
受付を済ませた後の前記運搬車両を、前記貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導するための運搬車両誘導ユニットと、
前記受付情報に基づいて、前記作業現場の作業員に対し、前記運搬車両により搬入された海運貨物の入庫作業、及び、前記運搬車両により搬出される海運貨物の出庫作業を含む、現場作業を指示するための作業指示ユニットと、
前記制御ユニットにより作成する作業状況情報に基づき、外来作業の状況をインターネット上に表示するウェブユニットと、を含み、
前記運搬車両誘導ユニットは、前記制御用端末を介して、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報が格納される呼出情報格納部と、該呼出情報格納部に格納された前記呼出情報、予め設定される前記敷地内への前記運搬車両の誘導可能台数、及び、前記作業指示ユニットから取得される作業進捗情報に基づき、前記運転手の連絡先に対して、前記敷地内或いは前記作業現場への前記運搬車両の進入許可を通知する第1通知手段と、を含
み、
更に、前記作業現場の検量作業員により、搬入された海運貨物の検量情報が入力される検量用端末と、該検量用端末に入力された前記検量情報を格納する検定情報格納部とを備える、検定管理ユニットを含み、
前記ウェブユニットは、搬入される海運貨物の事前受付をインターネット上で行うと共に、事前受付をした海運貨物が搬入された後に、前記事前受付時に入力されるメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信し、
前記検量用端末は、前記事前受付時に前記ウェブユニットにより取得される、搬入される海運貨物の事前検量情報を、対応する海運貨物の検量情報が入力される際に参照して表示することを特徴とする外来作業管理システム。
【請求項2】
前記ウェブユニットは、
インターネット経由でウェブブラウザを介して各種情報を取得及び表示するためのウェブサーバと、
前記事前受付時に入力される、前記メールアドレス及び前記事前検量情報を含む事前受付情報を格納する事前受付情報格納部と、
前記検定情報格納部に格納された前記検量情報を含む前記入庫報告書を取得し、前記事前受付情報に含まれるメールアドレスに対して、前記入庫報告書を送信する第2通知手段と、を含むことを特徴とする請求項
1記載の外来作業管理システム。
【請求項3】
前記受付ユニットは、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付時に、運搬車両毎に受付番号を発行し、
前記ウェブユニットは、前記外来作業の状況をインターネット上に表示する際に、前記受付番号の入力を受けて、該受付番号に紐付く運搬車両の、前記敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間と、前記敷地内への進入が許可される順番と、作業の進捗状況と、混雑状況の推測データとの、少なくともいずれか1つを表示することを特徴とする請求項
1又は
2記載の外来作業管理システム。
【請求項4】
前記受付ユニットは、受付のために前記貨物保管施設に来場する人物により、前記受付情報が入力される受付用端末と、該受付用端末に入力された前記受付情報を格納する受付情報格納部と、少なくとも前記受付番号が印字された受付票を書面にて発行する受付票発行手段と、を含むことを特徴とする請求項
3記載の外来作業管理システム。
【請求項5】
前記作業指示ユニットは、
前記制御ユニットにより、前記受付ユニットから取得する前記受付情報に基づく、作業指示情報が格納される作業指示情報格納部と、
前記作業現場の作業員により操作され、前記作業指示情報格納部から前記作業指示情報を参照して表示すると共に、該作業指示情報を更新するための入力が行われ、前記第1通知手段に対して前記作業進捗情報を送信する作業用端末と、を含むことを特徴とする請求項
1から
4のいずれか1項記載の外来作業管理システム。
【請求項6】
前記作業指示ユニットは、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む納品情報を格納する納品情報格納部を含み、
該納品情報格納部は、前記制御用端末を介して、前記受付情報に基づいて前記納品情報が入力されると共に、少なくとも前記作業用端末及び前記検量用端末を介して前記納品情報が更新されることを特徴とする請求項
5記載の外来作業管理システム。
【請求項7】
前記ウェブユニットは、インターネット上に搬入確認画面を表示し、海運貨物の搬入の受付が完了した際に発行される搬入参照番号が前記搬入確認画面に入力されることで、対応する海運貨物の、前記検量情報及び/又は前記納品情報の少なくとも一部を、前記搬入確認画面に表示すると共に、対応する海運貨物の入庫報告書をインターネット経由で発行することを特徴とする請求項
6記載の外来作業管理システム。
【請求項8】
前記作業指示ユニットは、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む引取情報を格納する引取情報格納部を含み、
該引取情報格納部は、搬出される海運貨物の前記受付情報及び輸入情報に基づいて、前記制御用端末を介して前記引取情報が入力されると共に、少なくとも前記作業用端末を介して前記引取情報が更新されることを特徴とする請求項
6又は7記載の外来作業管理システム。
【請求項9】
前記作業指示ユニットは、検査依頼を受けた検査対象の海運貨物を示す検査対象情報と、前記検査対象の海運貨物の検査内容情報とを含む、検査情報を格納するための検査情報格納部を含み、
該検査情報格納部は、前記制御用端末を介して前記検査情報が入力され、この際、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記納品情報に紐付けられて前記検査情報が入力されると共に、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記引取情報に紐付けられて前記検査情報が入力され、
前記納品情報格納部は、前記納品情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記納品情報が更新され、
前記引取情報格納部は、前記引取情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記引取情報が更新され、
前記制御ユニットは、前記納品情報又は前記引取情報に基づいて、少なくとも、前記検査対象の海運貨物が検査のために持ち出されている持出状態と、前記検査対象の海運貨物の検査が終了して返却された返却状態とを含む、前記検査対象の海運貨物のステータスを判定することを特徴とする請求項
8記載の外来作業管理システム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記受付情報、前記納品情報、及び、前記引取情報に基づいて、前記作業状況情報を作成することを特徴とする請求項
8又は
9記載の外来作業管理システム。
【請求項11】
前記作業指示ユニットは、前記制御用端末を介して操作され、前記受付情報に基づいて書面にて作業指示書を発行する作業指示書発行手段を含むことを特徴とする請求項1から
10のいずれか1項記載の外来作業管理システム。
【請求項12】
前記第1通知手段は、前記運転手の連絡先に対して、自動音声アナウンスの電話をかけて通知を行うことを特徴とする請求項1から
11のいずれか1項記載の外来作業管理システム。
【請求項13】
前記作業用端末は、外部のシステムを参照して、搬出される海運貨物の写真データを表示することを特徴とする請求項
5から
12のいずれか1項記載の外来作業管理システム。
【請求項14】
海運業者の貨物保管施設に対する運搬車両による海運貨物の搬入及び搬出に係る外来作業を管理する方法であって、
制御用端末及びシステム全体を制御する制御部を備える制御ユニットと、受付ユニットと、呼出情報格納部及び第1通知手段を備える運搬車両誘導ユニットと、作業指示ユニットと、ウェブユニットと、を含む外来作業管理システムを用い、
前記受付ユニットにより、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付を行い、該受付時に前記運搬車両の運転手の連絡先及び前記運搬車両による外来作業の内容を含む、受付情報を取得し、
前記運搬車両誘導ユニットにより、受付を済ませた後の前記運搬車両を、前記貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導し、この際、前記制御用端末を介して前記呼出情報格納部に対して格納した、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報と、予め設定される前記敷地内への前記運搬車両の誘導可能台数と、前記作業指示ユニットから取得する作業進捗情報とに基づき、前記第1通知手段により、前記運転手の連絡先に対して、前記敷地内或いは前記作業現場への前記運搬車両の進入許可を通知することで誘導し、
前記作業指示ユニットにより、前記受付情報に基づいて、前記作業現場の作業員に対し、前記運搬車両により搬入された海運貨物の入庫作業、及び、前記運搬車両により搬出される海運貨物の出庫作業を含む、現場作業を指示し、
前記ウェブユニットにより、前記制御ユニットによって作成する作業状況情報に基づき、外来作業の状況をインターネット上に表示
し、
更に、前記外来作業管理システムは、検量用端末と検定情報格納部とを備える検定管理ユニットを含み、
前記作業現場の検量作業員により、前記検量用端末に対して、搬入された海運貨物の検量情報を入力すると共に、前記検量用端末に入力された前記検量情報を検定情報格納部へ格納し、
前記ウェブユニットにより、搬入される海運貨物の事前受付をインターネット上で行うと共に、事前受付をした海運貨物が搬入された後に、前記事前受付時に入力されるメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信し、
前記事前受付時に前記ウェブユニットにより取得する、搬入される海運貨物の事前検量情報を、前記検量用端末により、対応する海運貨物の検量情報の入力を受ける際に参照して表示することを特徴とする外来作業管理方法。
【請求項15】
前記ウェブユニットは、ウェブサーバと、事前受付情報格納部と、第2通知手段とを含み、
前記ウェブサーバにより、インターネット経由でウェブブラウザを介して各種情報を取得及び表示し、
前記事前受付時に入力される、前記メールアドレス及び前記事前検量情報を含む事前受付情報を、前記事前受付情報格納部に格納し、
前記第2通知手段により、前記検定情報格納部に格納された前記検量情報を含む前記入庫報告書を取得し、前記事前受付情報に含まれるメールアドレスに対して、前記入庫報告書を送信することを特徴とする請求項
14記載の外来作業管理方法。
【請求項16】
前記受付ユニットにより、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付時に、運搬車両毎に受付番号を発行し、
前記ウェブユニットにより、前記外来作業の状況をインターネット上に表示する際に、前記受付番号の入力を受けて、該受付番号に紐付く運搬車両の、前記敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間と、前記敷地内への進入が許可される順番と、作業の進捗状況と、混雑状況の推測データとの、少なくともいずれか1つを表示することを特徴とする請求項
14又は
15記載の外来作業管理方法。
【請求項17】
前記受付ユニットは、受付用端末と、受付情報格納部と、受付票発行手段とを含み、
受付のために前記貨物保管施設に来場する人物により、前記受付用端末に対して前記受付情報を入力すると共に、該受付用端末に入力された前記受付情報を前記受付情報格納部へ格納し、前記受付票発行手段により、少なくとも前記受付番号が印字された受付票を書面にて発行することを特徴とする請求項
16記載の外来作業管理方法。
【請求項18】
前記作業指示ユニットは、作業指示情報格納部と、作業用端末とを含み、
前記制御ユニットにより、前記作業指示情報格納部に対し、前記受付ユニットから取得する前記受付情報に基づく作業指示情報を格納し、
前記作業現場の作業員の操作を受けて、前記作業用端末により、前記作業指示情報格納部からの前記作業指示情報の参照及び表示、該作業指示情報の更新、及び、前記第1通知手段に対する前記作業進捗情報の送信を行うことを特徴とする請求項
14から
17のいずれか1項記載の外来作業管理方法。
【請求項19】
前記作業指示ユニットは、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む納品情報を格納する納品情報格納部を含み、
該納品情報格納部に対し、前記制御用端末を介して、前記受付情報に基づいて前記納品情報を入力すると共に、少なくとも前記作業用端末及び前記検量用端末を介して、前記納品情報を更新することを特徴とする請求項
18記載の外来作業管理方法。
【請求項20】
前記ウェブユニットにより、インターネット上に搬入確認画面を表示し、海運貨物の搬入の受付が完了した際に発行する搬入参照番号の、前記搬入確認画面への入力を受けて、対応する海運貨物の、前記検量情報及び/又は前記納品情報の少なくとも一部を、前記搬入確認画面に表示すると共に、対応する海運貨物の入庫報告書をインターネット経由で発行することを特徴とする請求項
19記載の外来作業管理方法。
【請求項21】
前記作業指示ユニットは、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む引取情報を格納する引取情報格納部を含み、
該引取情報格納部に対し、搬出される海運貨物の前記受付情報及び輸入情報に基づいて、前記制御用端末を介して前記引取情報を入力すると共に、少なくとも前記作業用端末を介して前記引取情報を更新することを特徴とする請求項
19又は20記載の外来作業管理方法。
【請求項22】
前記作業指示ユニットは、検査依頼を受けた検査対象の海運貨物を示す検査対象情報と、前記検査対象の海運貨物の検査内容情報とを含む、検査情報を格納するための検査情報格納部を含み、
該検査情報格納部に対し、前記制御用端末を介して前記検査情報を入力し、この際、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記納品情報に紐付けて前記検査情報を入力すると共に、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記引取情報に紐付けて前記検査情報を入力し、
前記納品情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記納品情報を更新し、
前記引取情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記引取情報を更新し、
前記制御ユニットにより、前記納品情報又は前記引取情報に基づいて、少なくとも、前記検査対象の海運貨物が検査のために持ち出されている持出状態と、前記検査対象の海運貨物の検査が終了して返却された返却状態とを含む、前記検査対象の海運貨物のステータスを判定することを特徴とする請求項
21記載の外来作業管理方法。
【請求項23】
前記制御ユニットにより、前記受付情報、前記納品情報、及び、前記引取情報に基づいて、前記作業状況情報を作成することを特徴とする請求項
21又は
22記載の外来作業管理方法。
【請求項24】
前記作業指示ユニットは、作業指示書発行手段を含み、
前記制御用端末を介して前記作業指示書発行手段を操作することで、前記受付情報に基づいて書面にて作業指示書を発行することを特徴とする請求項
14から
23のいずれか1項記載の外来作業管理方法。
【請求項25】
前記第1通知手段により、前記運転手の連絡先に対して、自動音声アナウンスの電話をかけることで通知を行うことを特徴とする請求項
14から
24のいずれか1項記載の外来作業管理方法。
【請求項26】
前記作業用端末により、外部のシステムを参照して、搬出される海運貨物の写真データを表示することを特徴とする請求項
18から
25のいずれか1項記載の外来作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海運業者の貨物保管施設に対する運搬車両による海運貨物の搬入及び搬出に係る外来作業を管理するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海運業者が取り扱う海運貨物には、船舶を利用して国内外へ輸送する貨物が含まれ、管理が煩雑になり易いため、本出願人は、それを解決するために、先に海運貨物を管理するシステムについて出願を行っている(特許文献1参照)。一方、海運業者の貨物保管施設には、これから船舶で輸送する貨物の搬入や、船舶で輸送されてきた貨物の搬出等の外来作業を目的として、トラック等の運搬車両が多数出入りする。貨物保管施設では、作業の受付が行われ、作業現場に運搬車両が誘導された後、貨物の搬入作業や搬出作業等が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記の如き海運業者の貨物保管施設における外来作業は、例えば以下のような理由によって、効率に改善の余地がある。まず、貨物を搬入出するための、作業現場における貨物の入出庫や準備作業を、紙ベースの作業指示書が現場に届いてから行っていた。又、運搬車両が集中して来場すると、作業待ちの運搬車両が多数発生し、そのような運搬車両が、貨物保管施設の敷地内だけでは収まらず、貨物保管施設の敷地外でも待機していた。そして、そのような運搬車両を、貨物保管施設の敷地外から敷地内へ誘導する際、及び、敷地内の待機場所から作業現場へ誘導する際に、敷地内の待機場所や作業現場に空きが生じたことを、事務職員等が目視やカメラ映像で確認した後、事務職員等が運搬車両の運転手に連絡を入れる或いは場内アナウンス等を行うことで、誘導を行っていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、海運貨物の保管施設における外来作業の効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)海運業者の貨物保管施設に対する運搬車両による海運貨物の搬入及び搬出に係る外来作業を管理するシステムであって、制御用端末を備えると共に、システム全体を制御する制御部を含む制御ユニットと、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付を行い、該受付時に前記運搬車両の運転手の連絡先及び前記運搬車両による外来作業の内容を含む、受付情報を取得する受付ユニットと、受付を済ませた後の前記運搬車両を、前記貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導するための運搬車両誘導ユニットと、前記受付情報に基づいて、前記作業現場の作業員に対し、前記運搬車両により搬入された海運貨物の入庫作業、及び、前記運搬車両により搬出される海運貨物の出庫作業を含む、現場作業を指示するための作業指示ユニットと、前記制御ユニットにより作成する作業状況情報に基づき、外来作業の状況をインターネット上に表示するウェブユニットと、を含み、前記運搬車両誘導ユニットは、前記制御用端末を介して、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報が格納される呼出情報格納部と、該呼出情報格納部に格納された前記呼出情報、予め設定される前記敷地内への前記運搬車両の誘導可能台数、及び、前記作業指示ユニットから取得される作業進捗情報に基づき、前記運転手の連絡先に対して、前記敷地内或いは前記作業現場への前記運搬車両の進入許可を通知する第1通知手段と、を含むことを特徴とする外来作業管理システム。
【0007】
本項に記載の外来作業管理システムは、海運業者の貨物保管施設に対して、運搬車両によって海運貨物を搬入及び搬出する作業を含む、外来作業を管理するものであり、制御ユニット、受付ユニット、運搬車両誘導ユニット、作業指示ユニット、及び、ウェブユニットを含んでいる。制御ユニットは、事務職員等によって操作される制御用端末と、システム全体を制御する制御部とを備え、例えば、貨物保管施設で現在行われている外来作業全体の進捗状況等を加味して、作業状況情報を作成する。受付ユニットは、外来作業のために貨物保管施設に来場する運搬車両の受付を行い、この受付時に、例えば運搬車両の運転手から、受付情報を取得する。この受付情報には、少なくとも、受付対象の運搬車両の運転手の連絡先と、受付対象の運搬車両による外来作業の内容とが含まれ、他には、受付対象の運搬車両のナンバー(自動車登録番号)等が含まれていてもよい。ここでの運転手の連絡先とは、運転手が所持している携帯端末を想定している。
【0008】
運搬車両誘導ユニットは、受付ユニットに対して受付を済ませた後の運搬車両を、貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導するものである。すなわち、運搬車両は、受付を済ませた後、運搬車両誘導ユニットによって誘導されるまで、基本的には、貨物保管施設の敷地外で待機することになる。運搬車両誘導ユニットは、呼出情報格納部と第1通知手段とを含んでおり、呼出情報格納部には、制御ユニットの制御用端末を介して、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報が格納される。ここで、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両とは、受付を済ませた運搬車両により行われる外来作業の情報が登録され、貨物保管施設の敷地内に空きがあれば、敷地内に呼び出してもよい運搬車両を示している。そして、呼出情報格納部には、例えば、受付を済ませた順序や、外来作業の優先順位等に応じて、順序付けられて呼出情報が格納される。
【0009】
第1通知手段は、呼出情報格納部に格納された呼出情報と、予め設定される貨物保管施設の敷地内への運搬車両の誘導可能台数と、作業指示ユニットから取得される作業進捗情報とに基づき、運転手の連絡先に対して、貨物保管施設の敷地内或いは作業現場への、運搬車両の進入許可を通知する。作業進捗情報には、外来作業を受け入れる準備が作業現場にて整った運搬車両を判別できる情報や、作業現場にて外来作業が終了した運搬車両があることを判別できる情報が含まれる。ここで、例を挙げて説明すると、まず、第1通知手段は、貨物保管施設の敷地内への運搬車両の誘導可能台数に達するまで、呼出情報の順序付けに従って順次、呼出情報により示される運搬車両の運転手の連絡先に対し、敷地内への進入許可を通知する。又、第1通知手段は、作業進捗情報を確認し、敷地内の待機場所で待機している運搬車両の中に、外来作業を受け入れる準備が作業現場にて整っている運搬車両が有ることを判別したときに、その運搬車両の運転手の連絡先に対し、作業現場への運搬車両の進入許可を通知する。
【0010】
一方、貨物保管施設の敷地内へ誘導可能な台数まで、運搬車両を誘導した後は、第1通知手段は、作業進捗情報を確認しながら、外来作業が終了した運搬車両がでるまで、敷地内への進入許可の通知を停止する。その後、作業進捗情報から外来作業が終了した運搬車両があることを判別すると、呼出情報の順序付けに従い、貨物保管施設の敷地外で待機している運搬車両の中から、1台の運搬車両を選定する。そして、第1通知手段は、選定した運搬車両の運転手の連絡先に対し、敷地内への運搬車両の進入許可を通知する。この間、第1通知手段は、上述したような敷地内から作業現場への進入許可の通知は続行している。なお、進入許可を通知するタイミングは、上記のような各条件を満たしていれば、任意に設定される。又、貨物保管施設の敷地内へ誘導可能な運搬車両の台数は、例えば、海運貨物を搬入する運搬車両用と、海運貨物を搬出する運搬車両用とに分けて、設定されてもよい。
【0011】
すなわち、本項に記載の外来作業管理システムは、運搬車両誘導ユニットによって、敷地内の待機場所や作業現場に空きが有ることの判別や、運搬車両を誘導するための通知を行うものである。これにより、敷地内の待機場所や作業現場に空きが生じたことを、事務職員等が目視やカメラ映像で確認する必要もなく、又、事務職員等が運搬車両の運転手に連絡を入れたり場内アナウンスを行ったりする必要もないため、労力及び時間のロスが低減されるものである。
更に、作業指示ユニットは、受付ユニットにより取得される受付情報に基づいて、作業現場の作業員に対し、運搬車両により搬入された海運貨物の入庫作業と、運搬車両により搬出される海運貨物の出庫作業とを含む、現場作業を指示するものである。指示内容には、例えば、作業の種類や作業対象の海運貨物の情報が含まれている。このため、現場の作業員は、作業指示書の到着を待つことなく、作業指示ユニットから指示を受けた時点で、外来作業を受け入れるための準備を進めることとなる。
【0012】
又、ウェブユニットは、制御ユニットにより作成される作業状況情報に基づき、外来作業の状況をインターネット上に表示するものである。例えば、作業状況情報は、受付ユニットから取得される受付情報や、作業指示ユニットから取得される情報に基づいて作成される。これにより、海運貨物の荷主や運搬車両の運転手等は、インターネットに接続可能な端末を介して、外来作業の状況を把握することとなる。
上記のように、本項に記載の外来作業管理システムは、運搬車両誘導ユニットによる運搬車両の誘導、作業指示ユニットによる作業現場への指示、及び、ウェブユニットによる外来作業の状況の表示といった、外来作業を管理する様々な業務を実行することで、海運貨物の保管施設における外来作業の効率を向上させるものである。
【0013】
(2)上記(1)項において、更に、前記作業現場の検量作業員により、搬入された海運貨物の検量情報が入力される検量用端末と、該検量用端末に入力された前記検量情報を格納する検定情報格納部とを備える、検定管理ユニットを含み、前記ウェブユニットは、搬入される海運貨物の事前受付をインターネット上で行うと共に、事前受付をした海運貨物が搬入された後に、前記事前受付時に入力されるメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信し、前記検量用端末は、前記事前受付時に前記ウェブユニットにより取得される、搬入される海運貨物の事前検量情報を、対応する海運貨物の検量情報が入力される際に参照して表示する外来作業管理システム(請求項1)。
【0014】
本項に記載の外来作業管理システムは、検定管理ユニットを更に含み、この検定管理ユニットは、検量用端末と検定情報格納部とを備えている。検量用端末は、運搬車両によって作業現場に搬入された海運貨物の検量情報を、作業現場の検量作業員により入力するためのものであり、検量用端末に入力された検量情報が、検定情報格納部に格納される。検量情報には、海運貨物の大きさや重量が含まれている。
一方、ウェブユニットは、搬入される海運貨物の事前受付をインターネット上で行う。事前受付は、例えば海運貨物の荷主や通関業者等によって、海運貨物を搬入する運搬車両の受付よりも前のタイミングで行われ、この事前受付時に、少なくとも、荷主や通関業者等のメールアドレスと、搬入される海運貨物の事前検量情報とが入力される。事前検量情報には、海運貨物の大きさや重量が含まれている。
【0015】
又、ウェブユニットは、事前受付をした海運貨物が貨物保管施設に搬入された後に、事前受付時に入力されたメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信する。入庫報告書は、例えば、制御ユニットにより、或いは、制御ユニットを介して事務職員等により作成される。このため、事前受付を行った海運貨物の荷主や通関業者等は、海運業者に改めて依頼をすることなく、入庫報告書を入手することとなる。
更に、検定管理ユニットの検量用端末は、事前受付時にウェブユニットにより取得される、搬入される海運貨物の事前検量情報を、対応する海運貨物の検量情報が入力される際に参照して表示する。これにより、作業現場の検量作業員は、検量用端末に表示される海運貨物の事前検量情報を確認しながら、海運貨物の検量情報を検量用端末へ入力することとなるため、検量作業が効率よく行われることとなる。
【0016】
(3)上記(2)項において、前記ウェブユニットは、インターネット経由でウェブブラウザを介して各種情報を取得及び表示するためのウェブサーバと、前記事前受付時に入力される、前記メールアドレス及び前記事前検量情報を含む事前受付情報を格納する事前受付情報格納部と、前記検定情報格納部に格納された前記検量情報を含む前記入庫報告書を取得し、前記事前受付情報に含まれるメールアドレスに対して、前記入庫報告書を送信する第2通知手段と、を含む外来作業管理システム(請求項2)。
【0017】
本項に記載の外来作業管理システムは、ウェブユニットが、ウェブサーバ、事前受付情報格納部、及び、第2通知手段を含むものである。ウェブサーバは、インターネット経由でウェブブラウザを介して各種の情報を取得及び表示するためのものであり、例えば、上記(1)項に記載した外来作業状況の表示や、上記(2)項に記載した事前受付を行うための入力画面の表示及び入力された事前受付情報の取得等を実現する。事前受付情報格納部は、事前受付時に入力される事前受付情報、すなわち、海運貨物の荷主や通関業者等のメールアドレス及び海運貨物の事前検量情報を含む事前受付情報を、ウェブサーバを介して取得して格納する。又、第2通知手段は、検定管理ユニットの検定情報格納部に格納された検量情報を含む入庫報告書を、例えば制御ユニットから取得し、事前受付情報に含まれるメールアドレスに対して送信する。このように、本項に記載の外来作業管理システムは、より具体的な構成のウェブユニットを備えることで、ウェブユニットにより行う様々な機能を円滑に実現するものである。
【0018】
(4)上記(2)(3)項において、前記受付ユニットは、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付時に、運搬車両毎に受付番号を発行し、前記ウェブユニットは、前記外来作業の状況をインターネット上に表示する際に、前記受付番号の入力を受けて、該受付番号に紐付く運搬車両の、前記敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間と、前記敷地内への進入が許可される順番と、作業の進捗状況と、混雑状況の推測データとの、少なくともいずれか1つを表示する外来作業管理システム(請求項3)。
【0019】
本項に記載の外来作業管理システムは、貨物保管施設に来場する運搬車両の受付時に、受付ユニットが、受付をした運搬車両毎に受付番号を発行する。発行された受付番号は、受付をした運転手等により把握され、運転手等から海運貨物の荷主や通関業者等に伝えられる。そして、ウェブユニットは、外来作業の状況をインターネット上に表示する際に、受付ユニットから発行された受付番号の入力を受けて、入力された受付番号に紐付く運搬車両の外来作業の状況を表示する。具体的には、対応する運搬車両の敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間、対応する運搬車両の敷地内への進入が許可される順番、対応する運搬車両の作業の進捗状況、及び、混雑状況の推測データのうち、少なくともいずれか1つを表示する。ここで、混雑状況の推測データとは、例えば、過去のデータに基づいて、運搬車両や外来作業の混雑状況を、曜日や時間毎に推測してグラフ化したものである。
【0020】
そして、例えば、貨物保管施設の敷地外で待機している運搬車両の運転手は、インターネットに接続可能な携帯端末を介して、自身が運転する運搬車両の、敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間や順番、混雑状況の推測データ等を確認することで、敷地内へ進入するおおよその時間を把握することとなる。このため、運搬車両の運転手は、貨物保管施設の敷地外で待機する場合であっても、貨物保管施設の近傍で待機する必要はなく、貨物保管施設から離れた場所で、別の用事や休憩等を行うこととしてもよい。これにより、運搬車両の運転手は、待機時間を効率よく過ごすこととなり、又、貨物保管施設の近傍で待機する運搬車両に起因する、貨物保管施設の周辺道路の渋滞が緩和されるものとなる。一方、海運貨物の荷主や通関業者は、例えば、インターネットに接続可能な固定端末や携帯端末を介して、海運貨物を運搬中或いは運搬予定の運搬車両の、作業の進捗状況や、混雑状況の推測データ等を確認する。これにより、海運貨物の荷主や通関業者は、海運業者に電話等で問い合わせることなく、外来作業の進捗やおおよその終了時間等を把握することとなる。
【0021】
(5)上記(4)項において、前記受付ユニットは、受付のために前記貨物保管施設に来場する人物により、前記受付情報が入力される受付用端末と、該受付用端末に入力された前記受付情報を格納する受付情報格納部と、少なくとも前記受付番号が印字された受付票を書面にて発行する受付票発行手段と、を含む外来作業管理システム(請求項4)。
本項に記載の外来作業管理システムは、受付ユニットが、受付用端末、受付情報格納部、及び、受付票発行手段を備えるものである。受付用端末は、受付のために貨物保管施設に来場する人物、通常は運搬車両の運転手により、受付時に受付情報が入力される。そして、受付用端末に入力された受付情報は、受付情報格納部に格納され、少なくとも受付番号が印字された受付票が、書面にて受付票発行手段により発行される。例えば、受付票は、2部発行されるものとし、1部を運転手の控用、もう1部を海運業者への提出用に用いてもよい。こうすることにより、運転手が入手する受付票は、受付番号等の確認に利用され、海運業者が入手する受付票は、事務職員等が行う受付作業で利用されることとなる。このように、本項に記載の外来作業管理システムは、より具体的な構成の受付ユニットを備えることで、受付ユニットにより行う様々な機能を円滑に実現するものである。
【0022】
(6)上記(2)から(5)項において、前記作業指示ユニットは、前記制御ユニットにより、前記受付ユニットから取得する前記受付情報に基づく、作業指示情報が格納される作業指示情報格納部と、前記作業現場の作業員により操作され、前記作業指示情報格納部から前記作業指示情報を参照して表示すると共に、該作業指示情報を更新するための入力が行われ、前記第1通知手段に対して前記作業進捗情報を送信する作業用端末と、を含む外来作業管理システム(請求項5)。
【0023】
本項に記載の外来作業管理システムは、作業指示ユニットが、作業指示情報格納部及び作業用端末を備えるものであり、作業指示情報格納部は、制御ユニットによって、受付ユニットから取得される受付情報に基づく、作業指示情報が格納される。例えば、作業指示情報は、事務職員等により受付情報が確認されながら、制御ユニットの制御用端末を介して入力され、作業指示情報格納部へと格納される。作業指示情報には、例えば、入庫作業や出庫作業といった作業種別、搬入或いは搬出する運搬車両を特定する情報、出庫の場合は対象の海運貨物を特定する情報等、作業現場の作業員が確認して作業準備が進められる情報が含まれる。作業用端末は、作業現場の作業員によって操作されるものであり、作業指示情報格納部から作業指示情報を参照して表示する。このため、作業員は、作業用端末を介して作業指示情報を確認しながら、外来作業の受入準備作業や、運搬車両に対する海運貨物の荷卸し又は積込み等の作業を行うこととなる。
【0024】
又、作業用端末は、現場での作業が終了したこと等の、作業指示情報を更新するための入力が作業員によって行われる。更に、作業用端末は、運搬車両誘導ユニットの第1通知手段が通知を行うために参照する作業進捗情報を、第1通知手段に対して送信する。作業進捗情報の送信は、任意のタイミングで実行してよい。又、作業進捗情報として、外来作業を受け入れる準備が整った運搬車両があることや、作業現場で外来作業が終了した運搬車両があることを、作業員が任意のタイミングで作業用端末を介して送信し、そのような作業進捗情報を受信した第1通知手段により、作業進捗情報を受信して直ぐに、対象の運搬車両の運転手に対し、敷地内や作業現場への進入許可の通知を行うようにしてもよい。加えて、作業用端末は、例えば、貨物保管施設の敷地内で待機している運搬車両に係る外来作業の一覧や、現在作業現場で行われている外来作業の一覧等を、作業指示情報に基づいて表示するようにしてもよい。このようにすることで、作業現場の作業員は、これから行うこととなる作業の量や、他の作業員が行っている作業の状況等を把握することとなる。従って、本項に記載の外来作業管理システムは、作業現場の作業員によって、上記のように作業用端末が活用されることで、作業現場での作業が円滑に行われるものである。
【0025】
(7)上記(6)項において、前記作業指示ユニットは、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む納品情報を格納する納品情報格納部を含み、該納品情報格納部は、前記制御用端末を介して、前記受付情報に基づいて前記納品情報が入力されると共に、少なくとも前記作業用端末及び前記検量用端末を介して前記納品情報が更新される外来作業管理システム(請求項6)。
本項に記載の外来作業管理システムは、作業指示ユニットが、納品情報格納部を更に含み、この納品情報格納部は、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む、納品情報を格納するものである。納品情報格納部は、制御ユニットの制御用端末を介して、受付情報に基づいて納品情報が入力され、又、少なくとも作業用端末及び検量用端末を介して納品情報が更新される。作業用端末による更新は、例えば、搬入された海運貨物が入庫されたタイミングでの、当該海運貨物のロケーションの更新を含んでいる。又、検量用端末による更新は、例えば、搬入された海運貨物の検量作業が行われたタイミングでの、当該海運貨物の在庫情報の更新を含んでいる。このような構成により、搬入される海運貨物の管理を効率よく行うものである。
【0026】
(8)上記(7)項において、前記ウェブユニットは、インターネット上に搬入確認画面を表示し、海運貨物の搬入の受付が完了した際に発行される搬入参照番号が前記搬入確認画面に入力されることで、対応する海運貨物の、前記検量情報及び/又は前記納品情報の少なくとも一部を、前記搬入確認画面に表示すると共に、対応する海運貨物の入庫報告書をインターネット経由で発行する外来作業管理システム(請求項7)。
【0027】
本項に記載の外来作業管理システムは、ウェブユニットが、インターネット上に搬入確認画面を表示するものである。搬入確認画面は、搬入された海運貨物の荷主や通関業者等に対して表示され、海運貨物の搬入の受付が完了した際に例えば受付ユニットや制御ユニットを介して発行される搬入参照番号が、荷主や通関業者等によって搬入確認画面に入力されることで、ウェブユニットは、搬入参照番号に対応する海運貨物の、検量情報及び/又は納品情報の少なくとも一部を、搬入確認画面に表示する。このため、荷主や通関業者等は、インターネットに接続可能な固定端末や携帯端末を介して、貨物保管施設に搬入された海運貨物の情報を確認することとなる。更に、ウェブユニットは、搬入確認画面に入力された搬入参照番号に対応する海運貨物の入庫報告書を、インターネット経由で発行する。入庫報告書は、搬入確認画面からダウンロードできるようにしてもよく、搬入確認画面にメールアドレスの入力を促し、入力されたメールアドレスに対して送信するようにしてもよい。これにより、海運貨物の荷主や通関業者等は、海運業者に依頼をすることなく、入庫報告書を入手することとなる。
【0028】
(9)上記(7)(8)項において、前記作業指示ユニットは、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む引取情報を格納する引取情報格納部を含み、該引取情報格納部は、搬出される海運貨物の前記受付情報及び輸入情報に基づいて、前記制御用端末を介して前記引取情報が入力されると共に、少なくとも前記作業用端末を介して前記引取情報が更新される外来作業管理システム(請求項8)。
本項に記載の外来作業管理システムは、作業指示ユニットが、引取情報格納部を更に含み、この引取情報格納部は、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む、引取情報を格納するものである。引取情報格納部は、制御ユニットの制御用端末を介して、搬出される海運貨物の受付情報及び輸入情報に基づいて引取情報が入力され、又、少なくとも作業用端末を介して引取情報が更新される。作業用端末による更新は、例えば、搬出される海運貨物が運搬車両に積み込まれたタイミングでの、当該海運貨物のロケーションの更新を含んでいる。このような構成により、搬出される海運貨物の管理を効率よく行うものである。
【0029】
(10)上記(9)項において、前記作業指示ユニットは、検査依頼を受けた検査対象の海運貨物を示す検査対象情報と、前記検査対象の海運貨物の検査内容情報とを含む、検査情報を格納するための検査情報格納部を含み、該検査情報格納部は、前記制御用端末を介して前記検査情報が入力され、この際、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記納品情報に紐付けられて前記検査情報が入力されると共に、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記引取情報に紐付けられて前記検査情報が入力され、前記納品情報格納部は、前記納品情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記納品情報が更新され、前記引取情報格納部は、前記引取情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記引取情報が更新され、前記制御ユニットは、前記納品情報又は前記引取情報に基づいて、少なくとも、前記検査対象の海運貨物が検査のために持ち出されている持出状態と、前記検査対象の海運貨物の検査が終了して返却された返却状態とを含む、前記検査対象の海運貨物のステータスを判定する外来作業管理システム(請求項9)。
【0030】
本項に記載の外来作業管理システムは、作業指示ユニットが、検査情報を格納するための検査情報格納部を含み、検査情報には、検査対象情報と検査内容情報とが含まれている。検査対象情報は、例えば税関検査等の検査のために荷主や通関業者等から持出依頼を受けた、検査対象の海運貨物を示すものであり、検査内容情報は、検査対象の海運貨物に対する検査内容を示すものである。検査情報格納部は、例えば荷主や通関業者等から依頼を受けたタイミングで、制御用端末を介して検査情報が入力される。この際、検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する納品情報に紐付けられて検査情報が入力される。すなわち、納品情報は、搬入された海運貨物に係る情報であり、検査対象の海運貨物に対応する納品情報も含まれているため、検査対象の海運貨物の、納品情報と検査情報とが紐付けられるものである。他方、検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する引取情報に紐付けられて検査情報が入力される。すなわち、引取情報は、搬出される海運貨物に係る情報であり、検査対象の海運貨物に対応する引取情報も含まれているため、検査対象の海運貨物の、引取情報と検査情報とが紐付けられるものである。
【0031】
そして、納品情報を格納している納品情報格納部は、納品情報に対して検査情報が紐付けられている検査対象の海運貨物が、例えば運搬車両の運転手により、検査のために貨物保管施設から持ち出されたタイミングと、検査が終了して貨物保管施設へ返却されたタイミングとにおいて、持ち出された海運貨物に対応する納品情報が更新される。例を挙げると、検査対象の海運貨物が持ち出されたタイミングでは、例えば、持ち出された海運貨物に対応する納品情報に含まれるロケーション情報が、持出中であることを示す内容へと更新される。又、検査対象の海運貨物が返却されたタイミングでは、例えば、返却された海運貨物に対応する納品情報に含まれるロケーション情報が、返却済みであることを示す内容へと更新される。このようなロケーション情報の更新に加えて、納品情報に含まれる在庫情報を更新することとしてもよい。更に、引取情報を格納している引取情報格納部は、引取情報に対して検査情報が紐付けられている検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと返却されたタイミングとにおいて、上述した納品情報格納部の納品情報と同じように、引取情報が更新される。これらの納品情報の更新、及び、引取情報の更新は、制御用端末又は作業用端末を介して行われる。
【0032】
一方、制御ユニットは、上記のように更新される納品情報又は引取情報に基づいて、検査対象の海運貨物のステータスを判定する。このステータスには、少なくとも、検査対象の海運貨物が検査のために持ち出されている持出状態と、検査対象の海運貨物の検査が終了して返却された返却状態とが含まれている。例えば、制御ユニットは、検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する納品情報を納品情報格納部から取得し、取得した納品情報のロケーション情報や在庫情報から、検査対象の海運貨物のステータスを判定する。このとき、例えば、上述したように、ロケーション情報が持出中であることを示す内容である場合は、検査対象の海運貨物が持出状態であると判定し、ロケーション情報が返却済みであることを示す内容である場合は、検査対象の海運貨物が返却状態であると判定する。検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する引取情報からステータスを判定する。このような構成により、例えば制御用端末を介して事務職員等により制御ユニットへアクセスされることで、検査対象の海運貨物の持出や返却等のステータスが把握されることとなるため、検査対象の海運貨物の管理が容易に行われるものとなる。更に、外来作業として、海運貨物の搬入作業や搬出作業に加えて、運搬車両による検査対象の海運貨物の持出作業や返却作業を管理するものである。
【0033】
(11)上記(9)(10)項において、前記制御ユニットは、前記受付情報、前記納品情報、及び、前記引取情報に基づいて、前記作業状況情報を作成する外来作業管理システム(請求項10)。
本項に記載の外来作業管理システムは、ウェブユニットが外来作業の状況をインターネットに表示するために参照する作業状況情報を、制御ユニットが、受付情報、納品情報、及び、引取情報に基づいて作成するものである。これにより、作業状況情報の作成に必要な情報を効率よく取得し、外来作業の状況を円滑に表示するものとなる。
【0034】
(12)上記(1)から(11)項において、前記作業指示ユニットは、前記制御用端末を介して操作され、前記受付情報に基づいて書面にて作業指示書を発行する作業指示書発行手段を含む外来作業管理システム(請求項11)。
本項に記載の外来作業管理システムは、作業指示ユニットが作業指示書発行手段を含み、この作業指示書発行手段は、制御ユニットの制御用端末を介して操作され、受付情報に基づいて書面にて作業指示書を発行するものである。すなわち、作業指示ユニットによる現場作業の指示と共に、書面の作業指示書を併せて利用することで、より正確かつ確実な作業指示を行うものである。
【0035】
(13)上記(1)から(12)項において、前記第1通知手段は、前記運転手の連絡先に対して、自動音声アナウンスの電話をかけて通知を行う外来作業管理システム(請求項12)。
本項に記載の外来作業管理システムは、第1通知手段が、運搬車両の運転手の連絡先に対して通知を行う際に、自動音声アナウンスの電話をかけて通知を行うものである。ここで、運転手の連絡先(携帯端末)に対して行う通知には、通常、インターネットを介したメールや専用アプリ等による通知と、電話をかけることによる通知とが想定される。しかしながら、例えば、運転手が所持している携帯端末が、運搬業者等から支給されているものである場合、インターネットへの接続が制限されていることがあり、又、携帯端末の操作に不慣れな運転手の場合は、インターネットを用いる携帯端末の機能を上手く使いこなせない虞がある。そこで、本項に記載の外来作業管理システムは、第1通知手段が自動音声アナウンスの電話をかけることによる通知を行うことで、人手を介さずに自動で通知を行いながらも、通知の確実性をより高めるものである。
【0036】
(14)上記(6)から(13)項において、前記作業用端末は、外部のシステムを参照して、搬出される海運貨物の写真データを表示する外来作業管理システム(請求項13)。
本項に記載の外来作業管理システムは、作業指示ユニットの作業用端末が、作業員の操作を受けて、外部のシステムを参照して、搬出される海運貨物の写真データを表示するものである。これにより、作業現場の作業員は、海運貨物の写真データから、海運貨物の荷姿や形状を把握することとなるため、海運貨物の取り違いが格段に抑制され、又、海運貨物の出庫作業等がより円滑に行われるものとなる。
【0037】
(15)海運業者の貨物保管施設に対する運搬車両による海運貨物の搬入及び搬出に係る外来作業を管理する方法であって、制御用端末及びシステム全体を制御する制御部を備える制御ユニットと、受付ユニットと、呼出情報格納部及び第1通知手段を備える運搬車両誘導ユニットと、作業指示ユニットと、ウェブユニットと、を含む外来作業管理システムを用い、前記受付ユニットにより、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付を行い、該受付時に前記運搬車両の運転手の連絡先及び前記運搬車両による外来作業の内容を含む、受付情報を取得し、前記運搬車両誘導ユニットにより、受付を済ませた後の前記運搬車両を、前記貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導し、この際、前記制御用端末を介して前記呼出情報格納部に対して格納した、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報と、予め設定される前記敷地内への前記運搬車両の誘導可能台数と、前記作業指示ユニットから取得する作業進捗情報とに基づき、前記第1通知手段により、前記運転手の連絡先に対して、前記敷地内或いは前記作業現場への前記運搬車両の進入許可を通知することで誘導し、前記作業指示ユニットにより、前記受付情報に基づいて、前記作業現場の作業員に対し、前記運搬車両により搬入された海運貨物の入庫作業、及び、前記運搬車両により搬出される海運貨物の出庫作業を含む、現場作業を指示し、前記ウェブユニットにより、前記制御ユニットによって作成する作業状況情報に基づき、外来作業の状況をインターネット上に表示する外来作業管理方法。
【0038】
(16)上記(15)項において、更に、前記外来作業管理システムは、検量用端末と検定情報格納部とを備える検定管理ユニットを含み、前記作業現場の検量作業員により、前記検量用端末に対して、搬入された海運貨物の検量情報を入力すると共に、前記検量用端末に入力された前記検量情報を検定情報格納部へ格納し、前記ウェブユニットにより、搬入される海運貨物の事前受付をインターネット上で行うと共に、事前受付をした海運貨物が搬入された後に、前記事前受付時に入力されるメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信し、前記事前受付時に前記ウェブユニットにより取得する、搬入される海運貨物の事前検量情報を、前記検量用端末により、対応する海運貨物の検量情報の入力を受ける際に参照して表示する外来作業管理方法(請求項14)。
【0039】
(17)上記(16)項において、前記ウェブユニットは、ウェブサーバと、事前受付情報格納部と、第2通知手段とを含み、前記ウェブサーバにより、インターネット経由でウェブブラウザを介して各種情報を取得及び表示し、前記事前受付時に入力される、前記メールアドレス及び前記事前検量情報を含む事前受付情報を、前記事前受付情報格納部に格納し、前記第2通知手段により、前記検定情報格納部に格納された前記検量情報を含む前記入庫報告書を取得し、前記事前受付情報に含まれるメールアドレスに対して、前記入庫報告書を送信する外来作業管理方法(請求項15)。
(18)上記(16)(17)項において、前記受付ユニットにより、前記貨物保管施設に来場する運搬車両の受付時に、運搬車両毎に受付番号を発行し、前記ウェブユニットにより、前記外来作業の状況をインターネット上に表示する際に、前記受付番号の入力を受けて、該受付番号に紐付く運搬車両の、前記敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間と、前記敷地内への進入が許可される順番と、作業の進捗状況と、混雑状況の推測データとの、少なくともいずれか1つを表示する外来作業管理方法(請求項16)。
【0040】
(19)上記(18)項において、前記受付ユニットは、受付用端末と、受付情報格納部と、受付票発行手段とを含み、受付のために前記貨物保管施設に来場する人物により、前記受付用端末に対して前記受付情報を入力すると共に、該受付用端末に入力された前記受付情報を前記受付情報格納部へ格納し、前記受付票発行手段により、少なくとも前記受付番号が印字された受付票を書面にて発行する外来作業管理方法(請求項17)。
(20)上記(16)から(19)項において、前記作業指示ユニットは、作業指示情報格納部と、作業用端末とを含み、前記制御ユニットにより、前記作業指示情報格納部に対し、前記受付ユニットから取得する前記受付情報に基づく作業指示情報を格納し、前記作業現場の作業員の操作を受けて、前記作業用端末により、前記作業指示情報格納部からの前記作業指示情報の参照及び表示、該作業指示情報の更新、及び、前記第1通知手段に対する前記作業進捗情報の送信を行う外来作業管理方法(請求項18)。
【0041】
(21)上記(20)項において、前記作業指示ユニットは、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む納品情報を格納する納品情報格納部を含み、該納品情報格納部に対し、前記制御用端末を介して、前記受付情報に基づいて前記納品情報を入力すると共に、少なくとも前記作業用端末及び前記検量用端末を介して、前記納品情報を更新する外来作業管理方法(請求項19)。
(22)上記(21)項において、前記ウェブユニットにより、インターネット上に搬入確認画面を表示し、海運貨物の搬入の受付が完了した際に発行する搬入参照番号の、前記搬入確認画面への入力を受けて、対応する海運貨物の、前記検量情報及び/又は前記納品情報の少なくとも一部を、前記搬入確認画面に表示すると共に、対応する海運貨物の入庫報告書をインターネット経由で発行する外来作業管理方法(請求項20)。
【0042】
(23)上記(21)(22)項において、前記作業指示ユニットは、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む引取情報を格納する引取情報格納部を含み、該引取情報格納部に対し、搬出される海運貨物の前記受付情報及び輸入情報に基づいて、前記制御用端末を介して前記引取情報を入力すると共に、少なくとも前記作業用端末を介して前記引取情報を更新する外来作業管理方法(請求項21)。
【0043】
(24)上記(23)項において、前記作業指示ユニットは、検査依頼を受けた検査対象の海運貨物を示す検査対象情報と、前記検査対象の海運貨物の検査内容情報とを含む、検査情報を格納するための検査情報格納部を含み、該検査情報格納部に対し、前記制御用端末を介して前記検査情報を入力し、この際、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記納品情報に紐付けて前記検査情報を入力すると共に、前記検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合に、該海運貨物に対応する前記引取情報に紐付けて前記検査情報を入力し、前記納品情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記納品情報を更新し、前記引取情報に対して前記検査情報が紐付けられている前記検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと、検査が終了して返却されたタイミングとにおいて、前記制御用端末又は前記作業用端末を介して、持ち出された海運貨物に対応する前記引取情報を更新し、前記制御ユニットにより、前記納品情報又は前記引取情報に基づいて、少なくとも、前記検査対象の海運貨物が検査のために持ち出されている持出状態と、前記検査対象の海運貨物の検査が終了して返却された返却状態とを含む、前記検査対象の海運貨物のステータスを判定する外来作業管理方法(請求項22)。
【0044】
(25)上記(23)(24)項において、前記制御ユニットにより、前記受付情報、前記納品情報、及び、前記引取情報に基づいて、前記作業状況情報を作成する外来作業管理方法(請求項23)。
(26)上記(15)から(25)項において、前記作業指示ユニットは、作業指示書発行手段を含み、前記制御用端末を介して前記作業指示書発行手段を操作することで、前記受付情報に基づいて書面にて作業指示書を発行する外来作業管理方法(請求項24)。
(27)上記(15)から(26)項において、前記第1通知手段により、前記運転手の連絡先に対して、自動音声アナウンスの電話をかけることで通知を行う外来作業管理方法(請求項25)。
(28)上記(20)から(27)項において、前記作業用端末により、外部のシステムを参照して、搬出される海運貨物の写真データを表示する外来作業管理方法(請求項26)。
【0045】
そして、(15)~(28)項の外来作業管理方法は、各々、上記(1)~(14)項に記載の外来作業管理システムを用いて実行されることで、上記(1)~(14)項の外来作業管理システムに対応する同等の作用を奏するものである。
【発明の効果】
【0046】
本発明は上記のような構成であるため、海運貨物の保管施設における外来作業の効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の実施の形態に係る外来作業管理システムの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】海運貨物が搬入される場合の、本発明の実施の形態に係る外来作業管理方法の一例の流れを概略的に示すイメージ図である。
【
図3】海運貨物が搬出される場合の、本発明の実施の形態に係る外来作業管理方法の一例の流れを概略的に示すイメージ図である。
【
図4】海運貨物が検査のために持ち出される場合の、本発明の実施の形態に係る外来作業管理方法の一例の流れを概略的に示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づき説明する。なお、図面の全体にわたって、同一部分は同一符号で示している。又、従来技術と同一部分或いは対応する部分については、説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10の構成の一例を、概略的に示している。図示のように、外来作業管理システム10は、受付ユニット12、運搬車両誘導ユニット14、作業指示ユニット16、ウェブユニット18、制御ユニット20、及び、検定管理ユニット22を含んでいる。各ユニットは、コンピュータを初めとする複数台のハードウェア機器と、各機器で作動する複数のソフトウェアとを用いて、機能的に実現されるものである。又、
図1に示すユニット間の接続線は、有線又は無線でデータの送受信が可能に、直接的又は制御ユニット20等を介して間接的に、ユニット同士が接続されることを示しており、これらの接続は、LAN等を用いた内部ネットワークや、インターネット等を用いた外部ネットワークにより実現される。
【0049】
受付ユニット12は、外来作業を行うために海運業者の貨物保管施設に来場する、トラック等の運搬車両の受付を行うものであり、複数台でもよい受付用端末60と、受付情報格納部62と、複数台でもよい受付票発行手段64とを備えている。受付用端末60は、タブレット型や据置型等のコンピュータ端末が用いられ、受付時に運搬車両の運転手等によって操作され、運転手等から受付情報の入力を受ける。受付情報には、受付対象の運搬車両の運転手の連絡先(運転手が所持する携帯端末の連絡先)、受付対象の運搬車両のナンバー、受付対象の運搬車両による外来作業の内容(搬入、搬出等)、取り扱う海運貨物の情報等が含まれている。受付情報格納部62は、受付用端末60を介して入力された受付情報を格納し、アクセス可能な他の機器からのアクセスを受けて、受付情報を公開する。受付票発行手段64は、運転手等によって受付用端末60への受付情報の入力が完了すると、運転手等に対して書面にて受付票を発行する。受付票には、外来作業の内容や受付番号等が印字される。
【0050】
運搬車両誘導ユニット14は、受付用端末60を用いて受付を済ませた後の運搬車両を、海運業者の貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導するものであり、呼出情報格納部30と第1通知手段32とを備えている。呼出情報格納部30には、後述する制御ユニット20の制御用端末24を介して、海運業者の事務職員等により、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報が格納される。すなわち、呼出情報により示される運搬車両は、事務職員等による受付情報に基づいた受付作業が完了し、空きがあれば敷地内の待機場所へと呼出可能な運搬車両である。又、呼出情報格納部30には、各々が運搬車両を示す複数の呼出情報が、例えば、受付を済ませた順序や、外来作業の優先順位等に応じて、順序付けられて格納される。
【0051】
第1通知手段32は、受付ユニット12を介して取得された運転手の連絡先に対して、貨物保管施設の敷地内或いは作業現場への、運搬車両の進入許可を通知する。本実施例では、第1通知手段32による通知は、自動音声アナウンスを利用した電話をかけることで実行する。通知を行うタイミングは、呼出情報格納部30に格納された呼出情報と、予め設定される貨物保管施設の敷地内への運搬車両の誘導可能台数と、後述する作業指示ユニット16から取得する作業進捗情報とに基づき、第1通知手段32によって判定する。なお、本実施例における運転手の連絡先とは、所謂スマートフォンやガラパゴス携帯等の、運転手が所持している携帯端末の連絡先を示している。
【0052】
作業指示ユニット16は、受付ユニット12により取得された受付情報に基づいて、作業現場の作業員に対し、現場作業を指示するものであり、作業指示情報格納部70、複数台の作業用端末72、納品情報格納部74、引取情報格納部76、検査情報格納部77、及び、作業指示書発行手段78を備えている。作業指示情報格納部70は、作業指示情報を格納するものであり、作業指示情報は、後述する制御ユニット20の制御用端末24を介して、受付ユニット14から取得される受付情報に基づいて、例えば事務職員等により入力されて格納される。例えば、作業指示情報には、海運貨物の入庫作業や出庫作業といった作業種別、搬入或いは搬出する運搬車両を特定する情報、出庫の場合は対象の海運貨物を特定する情報等、作業現場の作業員が確認して、少なくとも外来作業を行う準備が進められる情報が含まれる。又、作業指示情報格納部70に格納される作業指示情報は、作業員による作業の進捗に伴い、作業員によって作業用端末72を介して更新される。
【0053】
作業用端末72の各々は、作業現場の作業員によって操作され、主に作業指示情報に関連する表示や更新等を行う。例えば、作業用端末72は、作業指示情報格納部70から参照する作業指示情報の表示、上述したような作業指示情報の更新、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32が通知を行うために参照する作業進捗情報の送信、貨物保管施設の敷地内で待機している運搬車両に係る外来作業の一覧の表示、作業現場で現在行われている外来作業の一覧の表示、納品情報格納部74に格納された納品情報の更新、引取情報格納部76に格納された引取情報の更新、及び、搬出される海運貨物の写真データの表示等を行う。
【0054】
ここで、作業用端末72から第1通知手段32に対して送信する作業進捗情報には、作業現場にて外来作業を受け入れる準備が整った運搬車両を判別する情報や、作業現場で外来作業が終了した運搬車両があることを判別する情報が含まれている。作業進捗情報は、作業員の操作により任意のタイミングで送信してもよく、例えば、作業員が作業用端末72に対して、外来作業を受け入れる準備が整ったことを入力した時点や、外来作業が終了したことを入力した時点で、自動で送信するようにしてもよい。又、作業用端末72による海運貨物の写真データの表示は、例えば、搬出される海運貨物を特定する情報の入力を作業員から受けて、搬出される海運貨物の写真データを蓄積している外部システム80にアクセスし、特定された海運貨物の写真データを外部システム80から参照することで実行する。作業用端末72には、例えば、タブレット型やノート型等の、携帯可能なコンピュータ端末が用いられる。
【0055】
納品情報格納部74は、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む、納品情報を格納するものであり、後述する制御ユニット20の制御用端末24を介して、例えば事務職員等により、受付情報に基づいて納品情報が入力される。このとき、搬入される海運貨物が、後述するように事前受付が行われた海運貨物である場合、事前受付時に取得される事前受付情報と、受付情報との双方に基づいて、納品情報格納部74に対して納品情報が入力される。納品情報格納部74に格納された納品情報は、上述したように作業用端末72を介して、作業現場の作業員により更新され、又、後述する検定管理ユニット22の検量用端末40を介して、作業現場の検量作業員により更新される。更に、後述するように、税関検査等の検査対象の海運貨物に係る納品情報は、海運貨物が検査のために持ち出されたタイミングや検査から返却されたタイミングで、事務職員等により制御用端末24を介して、或いは、作業現場の作業員により作業用端末72を介して、更新されるものとする。
【0056】
引取情報格納部76は、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む、引取情報を格納するものであり、後述する制御ユニット20の制御用端末24を介して、例えば事務職員等により、搬出される海運貨物の受付情報及び輸入情報に基づいて、引取情報が入力される。ここで、輸入情報とは、貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物についての、海外から輸入されるまでの間に取得された情報である。引取情報格納部76に格納された引取情報は、上述したように作業用端末72を介して、作業現場の作業員により更新される。更に、後述するように、税関検査等の検査対象の海運貨物に係る引取情報は、海運貨物が検査のために持ち出されたタイミングや検査から返却されたタイミングで、事務職員等により制御用端末24を介して、或いは、作業現場の作業員により作業用端末72を介して、更新されるものとする。
【0057】
検査情報格納部77は、検査対象の海運貨物に係る検査情報を格納するためのものである。ここで、検査とは税関検査等を示しており、検査対象の海運貨物は、貨物保管施設から持ち出されて、別の場所で検査を受けた後、貨物保管施設へ返却される。検査対象の海運貨物には、貨物保管施設に搬入されて輸出のために保管されている海運貨物や、輸入されて貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物等が含まれる。検査情報格納部77には、検査情報として、荷主や通関業者等から検査依頼を受けた検査対象の海運貨物を示す検査対象情報と、検査対象の海運貨物に対して行われる検査内容情報とが格納される。又、検査情報格納部77は、後述する制御ユニット20の制御用端末24を介して検査情報が入力される。この際、検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する納品情報に紐付けられて検査情報が入力される。又、検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する引取情報に紐付けられて検査情報が入力される。
作業指示書発行手段78は、後述する制御ユニット20の制御用端末24を介して、例えば事務職員等により操作されることで、受付情報に基づく作業指示書を書面にて発行するものである。
【0058】
ウェブユニット18は、外来作業管理システム10によってウェブを用いて実行する様々な機能を実現するものであり、それらの機能には、インターネット上への外来作業の状況の表示、搬入される海運貨物の事前受付、事前受付をした海運貨物の入庫報告書の送信、インターネット上への搬入確認画面の表示、及び、搬入確認画面を介した入庫報告書の発行が含まれる。ウェブユニット18は、ウェブサーバ50、事前受付情報格納部52、及び、第2通知手段54を備えている。ウェブサーバ50は、インターネット経由でウェブブラウザを介して各種の情報を取得及び表示するもの、事前受付情報格納部52は、事前受付時に入力される事前受付情報を格納するもの、そして、第2通知手段54は、入庫報告書を送信するためのものである。
【0059】
インターネット上への外来作業の状況の表示は、主にウェブサーバ50により実現され、後述する制御ユニット20により作成される作業状況情報に基づいて表示する。外来作業の状況は、海運貨物を搬入又は搬出する運搬車両の運転手や、海運貨物の荷主及び通関業者等によって、インターネットに接続可能な端末を介して参照される。
搬入される海運貨物の事前受付は、主にウェブサーバ50と事前受付情報格納部52とにより実現され、ウェブサーバ50は、事前受付用の画面をウェブブラウザにより表示する。事前受付は、搬入される海運貨物の荷主や通関業者等を対象とし、ウェブサーバ50は、事前受付用の画面を介して、事前受付情報の入力を受ける。事前受付情報には、海運貨物の荷主や通関業者等のメールアドレスや、搬入される海運貨物の事前検量情報(海運貨物の大きさや重量)等が含まれている。そして、ウェブサーバ50により取得された事前検量情報は、事前受付情報格納部52へ格納される。
【0060】
事前受付をした海運貨物の入庫報告書の送信は、主に第2通知手段54により実現され、第2通知手段54は、上記のように事前受付をした海運貨物が貨物保管施設に搬入された後に、事前受付時に入力された海運貨物の荷主や通関業者等のメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信する。送信する入庫報告書は、例えば、後述する検定管理ユニット22の検定情報格納部42に格納された検量情報等に基づいて、制御ユニット20により又は制御ユニット20を介して作成され、制御ユニット20から取得される。
【0061】
インターネット上への搬入確認画面の表示は、主にウェブサーバ50により実現され、ウェブサーバ50は、ウェブブラウザを利用して、搬入された海運貨物に係る搬入確認画面を、搬入された海運貨物の荷主や通関業者等に対して表示する。例えば、海運貨物の搬入の受付が完了した際に発行される搬入参照番号が、荷主や通関業者等によって搬入確認画面に入力されることで、ウェブサーバ50は、搬入参照番号に対応する海運貨物の、検量情報や納品情報の少なくとも一部を、搬入確認画面に表示する。
搬入確認画面を介した入庫報告書の発行は、主にウェブサーバ50により実現され、ウェブサーバ50は、上記のように搬入確認画面に入力された搬入参照番号に対応する海運貨物の入庫報告書を、荷主や通関業者等の要求に応じて、インターネット経由で発行する。
【0062】
検定管理ユニット22は、海運貨物の検定の管理を行うものであり、複数台の検量用端末40と検定情報格納部42とを備えている。検量用端末40の各々は、作業現場の検量作業員により操作され、運搬車両によって作業現場に搬入された海運貨物の検量作業が行われる際に、海運貨物の大きさや重量等の検量情報が入力される。そして、検定情報格納部42は、検量用端末40に入力された検量情報を格納する。又、検量用端末40の各々は、事前受付が行われた海運貨物の検量作業の際に、上述したようにウェブユニット18により取得された事前検量情報を参照して表示する。更に、検量用端末40は、納品情報の更新に利用される。検量用端末40には、例えば、タブレット型やノート型等の、携帯可能なコンピュータ端末が用いられる。なお、検量用端末40への検量情報の入力は、貨物保管施設に搬入された全ての海運貨物について行う必要はなく、例えば、搬入の事前受付が行われた海運貨物について検量作業を行う際は、それらの検量情報を検量用端末40へ入力し、事前受付が行われていない海運貨物について検量作業を行う際は、外来作業管理システム10とは別のシステムに対して、それらの検量情報を入力するようにしてもよい。
【0063】
制御ユニット20は、複数の制御用端末24と制御部26とを備え、海運業者の事務職員等から制御用端末24を介して操作され、システム全体を制御しながら、様々な機能を実現させるものである。例えば、制御ユニット20は、受付情報と納品情報と引取情報とに基づく作業状況情報の作成、呼出情報格納部30への呼出情報の格納、入庫報告書の作成、作業指示情報の作成及び作業指示情報格納部70への格納、納品情報の入力及び納品情報格納部74への格納、引取情報の入力及び引取情報格納部76への格納、納品情報や引取情報に基づく検査対象の海運貨物のステータス判定、及び、作業指示書発行手段78の操作等を実行、或いは実行するために利用される。制御用端末24には、例えば、据置型やノート型等のコンピュータ端末が用いられる。
【0064】
続いて、
図1に示した外来作業管理システム10を利用して実行する、本発明の実施の形態に係る外来作業管理方法について説明する。
図2には、外来作業として海運貨物の搬入が行われる場合の外来作業管理方法の流れを、外来作業管理システム10を利用する各利用者(荷主・通関業者S、運搬車両の運転手D、海運業者の事務職員C、検量作業員M、及び、作業現場の作業員W)が時系列(N1~N11)に沿って行う業務毎に示している。すなわち、
図2の図表の縦列が各利用者を示し、横行が時系列の各時期を示している。以下では、時系列の時期毎に分けて説明を進め、又、海運貨物を搬入する1台の運搬車両(以下、「当該搬入車両」という。)にスポットを当てて説明するものとする。なお、外来作業管理システム10の構成については、適宜、
図1を参照のこと。
【0065】
(時系列の時期N1)
時系列の時期N1では、荷主・通関業者Sにより、搬入予定の海運貨物の事前登録を行う。搬入の事前登録は、ウェブユニット18のウェブサーバ50がインターネット上に表示する事前受付用の画面に対して、事前受付情報が入力されることで実行される。すなわち、荷主・通関業者Sは、インターネットに接続された荷主・通関業者Sの端末82を介して、事前受付用の画面にアクセスし、荷主・通関業者Sのメールアドレスや、搬入予定の海運貨物の事前検量情報(大きさ及び重量)を含む、事前受付情報を入力する。ウェブユニット18は、事前受付用の画面に入力された事前受付情報を、ウェブサーバ50を介して事前受付情報格納部52へと格納する。なお、搬入予定の海運貨物の事前登録は、必ずしも行う必要はない。
【0066】
(時系列の時期N2)
時系列の時期N2では、海運貨物を搬入するために海運業者の貨物保管施設に来場した運搬車両(当該搬入車両)の運転手Dにより、受付ユニット12の受付用端末60に対して、受付情報を入力する。受付情報には、運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先、当該搬入車両のナンバー、外来作業の内容(搬入)、搬入する海運貨物の情報等が含まれている。このとき、搬入する海運貨物が、上記の時期N1について説明したように、事前受付が行われたものである場合は、受付ユニット12は、ウェブユニット18の事前受付情報格納部52から事前受付情報を参照し、少なくともその一部を受付用端末60に表示する。
【0067】
又、受付ユニット12は、受付ユニット12に入力された受付情報を、受付情報格納部62へと格納する。更に、受付ユニット12は、運転手Dによる受付用端末60に対する受付情報の入力が終了した後、受付をした運搬車両毎に受付番号を発行し、この受付番号と、外来作業の内容等の少なくとも受付情報の一部とが印字された受付票を、受付票発行手段64から発行する。本実施例では、受付票発行手段64によって、運転手等の控え用と海運業者への提出用との、同内容の2部の受付票を発行する。その後、運転手Dは、提出用の受付票を事務職員Cへ提出し、控用の受付票を所持したまま、当該搬入車両を運転して貨物保管施設の敷地外へと移動する。なお、受付用端末60と受付票発行手段64とを組にして、その組を貨物保管施設の複数個所に設置し、各箇所において同時に受付が行えるようにしてもよい。
【0068】
(時系列の時期N3)
時系列の時期N3において、当該搬入車両の運転手Dは、貨物保管施設の敷地内への進入が許可されるまで、貨物保管施設の敷地外で待機する状態となる。このとき、運転手Dは、運転手Dが所持する携帯端末84を介して、ウェブユニット18のウェブサーバ50によりインターネット上に表示される外来作業の状況を確認してもよい。すなわち、ウェブサーバ50は、外来作業の状況を、作業状況情報28に基づいてインターネット上に表示する。この際に参照する作業状況情報28は、受付情報格納部62に格納された受付情報と、納品情報格納部74に格納された納品情報(搬出の場合は引取情報格納部76に格納された引取情報)とに基づいて、制御ユニット20の制御部26により作成する。このため、受付情報や納品情報(引取情報)が更新されると、作業状況情報28が更新され、ウェブサーバ50により表示する外来作業の状況も更新される。
【0069】
又、ウェブサーバ50は、外来作業の状況を表示する際、上記の時期N2について説明した受付時に受付ユニット12において発行された受付番号の入力を、ウェブブラウザを介して受け、入力された受付番号に対応する運搬車両(当該搬入車両)の外来作業の状況を表示する。表示する外来作業の状況には、受付番号に対応する運搬車両の敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間、受付番号に対応する運搬車両の敷地内への進入が許可される順番、受付番号に対応する運搬車両の作業の進捗状況、及び、過去のデータに基づいて作成される運搬車両や外来作業の混雑状況の推測データ等が含まれる。この際に用いる過去データには、検査に係る外来作業等の、短時間で終了することが見込まれる外来作業のデータは含めなくてもよい。なお、外来作業の状況の確認は、この時系列の時期N3のタイミングに限らず、任意のタイミングで行ってよく、又、運搬車両の運転手Dに限らず、海運貨物の荷主・通関業者Sによって行ってもよい。
【0070】
(時系列の時期N4)
時系列の時期N4では、海運業者の事務職員Cにより、上記の時期N2で提出された受付票を元にして、搬入される海運貨物の受付作業を行う。より詳しくは、受付票で特定される海運貨物に係る情報を、受付ユニット12の受付情報格納部62や、ウェブユニット18の事前受付情報格納部52から取得し、制御ユニット20の制御用端末24を介して入力する。制御用端末24に入力された各情報は、内容に応じて、制御ユニット20の制御部26により、運搬車両誘導ユニット14の呼出情報格納部30と、作業指示ユニット16の作業指示情報格納部70及び納品情報格納部74とへ格納する。このとき、一部の情報は、制御用端末24を介さずに、受付情報格納部62や事前受付情報格納部52から、呼出情報格納部30や作業指示情報格納部70や納品情報格納部74へと、制御部26によって自動的に格納してもよい。なお、制御用端末24は、複数の事務職員Cにより同時に操作されるように、複数台備えられていてもよい。
【0071】
ここで、納品情報格納部74に格納する情報は、搬入される海運貨物の在庫情報やロケーション情報を含む納品情報である。又、作業指示情報格納部70に格納する情報は、作業現場の作業員Wに対して指示を行うための作業指示情報であり、例えば、本実施例の場合、海運貨物の搬入に応じた作業内容(入庫作業等)、海運貨物を作業現場へ搬入してくる運搬車両(当該搬入車両)を特定する情報等が含まれている。又、呼出情報格納部30に格納する情報は、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報である。具体的に、本実施例では、上記の時期N2で受付を行った当該搬入車両の受付作業が完了し、この当該搬入車両を、空きがあれば敷地内の待機場所へと呼出可能な運搬車両として、呼出情報の形態で呼出情報格納部30に格納する。ここで、呼出情報格納部30には、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報が、順次格納されることになるが、この際、受付を行った順番や作業の優先順位等に基づいて、順序付けして呼出情報を格納するものとする。
【0072】
更に、時系列の時期N4では、作業指示情報格納部70に作業指示情報が格納された時点で、作業現場の作業員Wにより、作業指示ユニット16の作業用端末72を介して、作業指示情報が確認されるようになる。作業用端末72は、作業員Wの操作を受けて、運搬車両や海運貨物毎の個別の作業指示内容だけでなく、作業指示情報格納部70に格納された作業指示情報に基づいて、貨物保管施設の敷地内で待機している運搬車両に係る外来作業の一覧や、現在作業現場で行われている外来作業の一覧等を表示する。そして、作業員Wは、作業用端末72を介して確認される作業指示情報の中で、外来作業の受入準備等を進める指示が出ている作業指示情報についてのみ、受入準備等を進める。受入準備等を進める指示は、例えば制御ユニット20を介して、敷地内に誘導された状態の運搬車両に係る作業指示情報について出すものとする。そして、作業員Wは、外来作業の受入準備が終了したタイミングで、作業用端末72を操作して、作業現場にて外来作業の受入準備が整った運搬車両を特定する作業進捗情報を、第1通知手段32に対して送信する。本実施例では、後述する時系列の時期N8までの間に、上記の受入準備や作業進捗情報の送信を行うものとする。
【0073】
(時系列の時期N5)
時系列の時期N5では、貨物保管施設の敷地外で待機している当該搬入車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32により、自動音声アナウンスの電話をかけることで、貨物保管施設の敷地内への進入許可を通知する。詳しく説明すると、第1通知手段32は、貨物保管施設の敷地内へ誘導した運搬車両の台数が、予め設定される敷地内への運搬車両の誘導可能台数に達していない場合や、既に誘導可能台数に達する台数の運搬車両を敷地内へ誘導しているが、作業用端末72から受信する作業進捗情報から、作業現場で外来作業を終了した運搬車両があることを判別した場合に、呼出情報格納部30に格納されている呼出情報の中から、呼出情報の順序付けに基づき、呼出情報を1つ選定する。そして、選定した呼出情報により示される運搬車両の、運転手Dの連絡先に対し、上述したように貨物保管施設の敷地内への進入許可を通知する。この際、選定した呼出情報により示される運搬車両の連絡先は、受付ユニット12の受付情報格納部62から取得する。ここでは、その選定された呼出情報により示される運搬車両が、当該搬入車両となっている。
【0074】
(時系列の時期N6)
時系列の時期N6では、まず、事務職員Cにより、制御ユニット20の制御用端末24を介して、作業指示ユニット16の作業指示書発行手段78を操作することで、受付情報に基づいた作業指示書を書面にて発行する。一方、上記の時期N5において、敷地内への進入許可が通知された当該搬入車両の運転手Dは、当該搬入車両を運転して貨物保管施設の敷地内へと進入し、上記のように発行された作業指示書を、貨物保管施設の受付等で受領する。
(時系列の時期N7)
時系列の時期N7では、当該搬入車両の運転手Dが、上記の時期N6において受領した作業指示書を、所定場所へと持参した後、敷地内の作業現場への進入が許可されるまで、敷地内の待機場所で待機する。
【0075】
(時系列の時期N8)
時系列の時期N8では、まず、貨物保管施設の敷地内で待機している当該搬入車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32により、自動音声アナウンスの電話をかけることで、敷地内の作業現場への進入許可を通知する。詳しく説明すると、第1通知手段32は、作業用端末72から受信する作業進捗情報から、作業現場にて外来作業の受入準備が整った運搬車両があることを把握したタイミングで、その運搬車両の運転手Dの連絡先に通知をする。ここで、作業現場にて受入準備が進められたのは、敷地内に誘導された状態の運搬車両に係る作業指示情報により示される外来作業であるため、作業現場への進入許可が通知される運搬車両は、敷地内で待機している運搬車両であり、本実施例では当該搬入車両となっている。そして、作業現場への進入許可が通知された当該搬入車両の運転手Dは、当該搬入車両を運転して所定の作業場所へと進入する。
【0076】
次に、時系列の時期N8では、作業現場に進入した当該搬入車両から、作業現場の作業員Wにより、フォークリフト等を用いて、搬入された海運貨物の荷卸しを行う。この際、作業員Wは、作業用端末72を利用して、作業指示情報(当該搬入車両の情報や搬入された海運貨物の情報等)を確認しながら、荷卸しを行う。又、荷卸しをした海運貨物を、フォークリフト等を用いて所定位置に入庫する。なお、この入庫作業は、後述する検量作業が終了した後に行ってもよい。
【0077】
続いて、時系列の時期N8では、検量作業員Mにより、検定管理ユニット22の検量用端末40を利用して、荷卸しされた海運貨物の検量作業を行う。本実施例では、上記の時期N1において事前受付が行われた海運貨物の検量作業を、検量用端末40を利用して行うものとする。この際、検量用端末40は、作業指示ユニット16の納品情報格納部74から、検量対象の海運貨物の一部の情報を参照する。更に、検量用端末40は、ウェブユニット18の事前受付情報格納部52から、事前受付情報に含まれる検量対象の海運貨物の事前検量情報を取得し、この事前検量情報を表示する。なお、上記の時期N4において、納品情報格納部74へ納品情報を格納する際に、納品情報の一部として事前検量情報を納品情報格納部74へ格納してもよく、この場合は納品情報格納部74から事前検量情報を参照する。
【0078】
検量作業員Mは、上記のように検量用端末40に表示された海運貨物の事前検量情報等を確認しながら、海運貨物の検量情報(大きさ及び重量)を、検量用端末40に対して入力する。検量用端末40に入力された検量情報は、検定管理ユニット22の検定情報格納部42へと格納する。検量用端末40に検量情報が入力されることで、納品情報格納部74に格納された納品情報の一部(在庫情報等)が更新される。ここで、検量作業員Mは、検量作業を行うことを正式に認定された作業員であり、例えば、一般社団法人日本海事検定協会所属の作業員である。なお、検量用端末40は、複数の検量作業員Mにより、異なる海運貨物の検量作業が同時に行えるように、複数台備えられていてもよい。
【0079】
更に、時系列の時期N8では、検量作業が行われた海運貨物が、上記の時期N1において事前受付が行われた海運貨物であるため、ウェブユニット18の第2通知手段54により、事前受付が行われた海運貨物の荷主・通関業者Sのメールアドレスに対して、入庫報告書をメールで送信する。この際、荷主・通関業者Sのメールアドレスは、ウェブユニット18の事前受付情報格納部52から取得する。入庫報告書は、検定情報格納部42に格納された検量情報等に基づいて作成され、制御ユニット20の制御部26等によって自動で作成してもよく、制御用端末24を介して事務職員C等により作成してもよい。
【0080】
(時系列の時期N9)
時系列の時期N9では、作業現場の作業員Wにより、作業用端末72に対して、当該搬入車両によって搬入された海運貨物の荷卸し及び入庫作業が終了したことを、入庫位置等と共に入力する。この入力により、納品情報格納部74に格納された納品情報の一部(海運貨物のロケーション等)が更新され、又、作業指示情報格納部70に格納された、入庫された海運貨物に係る作業指示情報が、作業終了のステータス等へと更新される。更に、上記の入力を受けて、作業用端末72から第1通知手段32へと、作業現場で外来作業を終了した運搬車両があることを示す作業進捗情報を送信する。
【0081】
(時系列の時期N10)
時系列の時期N10では、上記の時期N9において作業用端末72から送信された作業進捗情報を、第1通知手段32が受信することで、第1通知手段32により、貨物保管施設の敷地外で待機している運搬車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、自動音声アナウンスの電話をかけることで、貨物保管施設の敷地内への進入許可を通知する。この際、通知先の運搬車両には、呼出情報格納部30に格納されている呼出情報の順序付けに基づき、順序が早い呼出情報により示される運搬車両が選定される。このように敷地内への進入許可が通知された運搬車両に係る外来作業は、上記の時期N6~時期N9に記載した当該搬入車両に係る外来作業と同様に進められる。
【0082】
(時系列の時期N11)
時系列の時期N11では、海運貨物の荷主・通関業者Sにより、海運貨物の搬入確認が行われる。具体的には、ウェブユニット18のウェブサーバ50により、搬入確認画面をインターネット上に表示し、この搬入確認画面が、インターネットに接続された荷主・通関業者Sの端末82を介して、荷主・通関業者Sにより確認される。搬入確認画面には、例えば海運貨物の搬入受付時等に受付ユニット12や制御ユニット20等を介して発行される搬入参照番号が、荷主・通関業者Sによって入力され、この入力を受けて、ウェブサーバ50は、搬入参照番号に対応する海運貨物の納品情報や検量情報の一部を、搬入確認画面に表示する。この際、ウェブサーバ50は、納品情報を納品情報格納部74から取得し、検量情報を検定情報格納部42から取得する。なお、荷主・通関業者Sにより搬入確認を行うタイミングは、海運貨物が搬入された後であれば任意である。
【0083】
更に、ウェブサーバ50は、荷主・通関業者Sの要求に応じて、インターネット経由で入庫報告書を発行する。例えば、ウェブサーバ50は、搬入確認画面から入庫報告書をダウンロードできるようにアップロードしたり、搬入確認画面に荷主・通関業者Sのメールアドレスの入力を促し、入力されたメールアドレスに対してメールで入庫報告書を送信したりすればよい。なお、入庫報告書は、上記の時期N8について記載したように、制御ユニット20の制御部26や制御用端末24を介して作成する。
加えて、時系列の時期N11では、海運業者の事務職員Cにより、搬入された海運貨物の輸出情報を入力する。具体的には、制御ユニット20の制御用端末24を介して、搬入された海運貨物の輸出情報を入力して、納品情報の一部として納品情報格納部74へ格納する。
【0084】
次に、
図3には、外来作業として海運貨物の搬出が行われる場合の外来作業管理方法の流れを、外来作業管理システム10を利用する各利用者(荷主・通関業者S、運搬車両の運転手D、海運業者の事務職員C、検数作業員N、及び、作業現場の作業員W)が時系列(H1~H10)に沿って行う業務毎に示している。すなわち、
図2と同様に、
図3の図表の縦列が各利用者を示し、横行が時系列の各時期を示している。以下では、時系列の時期毎に分けて説明を進め、又、海運貨物を搬出する1台の運搬車両(以下、「当該搬出車両」という。)にスポットを当てて説明するものとする。なお、
図2に示した業務や処理と同じ内容のものについては、説明を簡略化或いは省略する。
【0085】
(時系列の時期H1)
時系列の時期H1では、海運業者の事務職員Cにより、海外から輸入された海運貨物の輸入情報を入力する。具体的には、制御ユニット20の制御用端末24を介して、輸入された海運貨物の輸入情報を入力して、引取情報の一部として引取情報格納部76へ格納する。
更に、時系列の時期H1では、作業現場の作業員Wにより、作業指示ユニット16の作業用端末72を介して、コンテナから取り出した海運貨物のロケーション(引取情報の一部)等を引取情報格納部76へ入力する。ここで、船舶により海外から輸入された海運貨物は、コンテナに収容された状態であるため、作業員Wによりフォークリフト等を用いて、コンテナから取り出して所定位置に入庫する。この入庫位置を海運貨物のロケーションとして入力するものである。
【0086】
(時系列の時期H2)
時系列の時期H2では、海運貨物を搬出するために海運業者の貨物保管施設に来場した運搬車両(当該搬出車両)の運転手Dにより、受付ユニット12の受付用端末60に対して、受付情報を入力する。受付情報には、運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先、当該搬入車両のナンバー、外来作業の内容(搬出)、搬出する海運貨物の情報等が含まれている。更に、受付ユニット12は、
図2の時期N2について説明したのと同様に、受付情報を受付情報格納部62へと格納し、受付票発行手段64から受付番号等が印字された受付票を2部発行する。その後、運転手Dは、提出用の受付票を事務職員Cへ提出し、控用の受付票を所持したまま、当該搬出車両を運転して貨物保管施設の敷地外へと移動する。
【0087】
(時系列の時期H3)
時系列の時期H3において、当該搬出車両の運転手Dは、貨物保管施設の敷地内への進入が許可されるまで、貨物保管施設の敷地外で待機する状態となる。このとき、運転手Dは、
図2の時期N3について説明したのと同様に、運転手Dが所持する携帯端末84を介して、ウェブユニット18のウェブサーバ50によりインターネット上に表示される外来作業の状況を確認する。外来作業の状況の確認については、
図2の時期N3についての記載を参照のこと。
【0088】
(時系列の時期H4)
時系列の時期H4では、海運業者の事務職員Cにより、上記の時期H2で提出された受付票を元にして、搬出される海運貨物の受付作業を行う。より詳しくは、受付票で特定される海運貨物に係る情報を、受付ユニット12の受付情報格納部62から取得し、制御ユニット20の制御用端末24を介して入力する。制御用端末24に入力された各情報は、内容に応じて、制御ユニット20の制御部26により、運搬車両誘導ユニット14の呼出情報格納部30と、作業指示ユニット16の作業指示情報格納部70及び引取情報格納部76とへ格納する。このとき、一部の情報は、制御用端末24を介さずに、受付情報格納部62から、呼出情報格納部30や作業指示情報格納部70や引取情報格納部76へと、制御部26によって自動的に格納してもよい。
【0089】
ここで、作業指示情報格納部70に格納する情報は、作業現場の作業員Wに対して指示を行うための作業指示情報であり、例えば、本実施例の場合、海運貨物の搬出に応じた作業内容(出庫作業等)、海運貨物を搬出するために作業現場へ進入してくる運搬車両(当該搬出車両)を特定する情報等が含まれている。又、呼出情報格納部30に格納する情報は、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報である。呼出情報の格納については、
図2の時期N4についての記載を参照のこと。
【0090】
更に、時系列の時期H4では、作業指示情報格納部70に作業指示情報が格納された時点で、作業現場の作業員Wにより、作業指示ユニット16の作業用端末72を介して、作業指示情報が確認されるようになる。作業用端末72は、作業員Wの操作を受けて、運搬車両や海運貨物毎の個別の作業指示内容だけでなく、作業指示情報格納部70に格納された作業指示情報に基づいて、貨物保管施設の敷地内で待機している運搬車両に係る外来作業の一覧や、現在作業現場で行われている外来作業の一覧等を表示する。加えて、作業用端末72は、搬出される海運貨物の写真データを蓄積している外部システム80にアクセスし、海運貨物の写真データを外部システム80から参照して表示する。そして、作業員Wは、
図2の時期N4について説明したのと同様に、外来作業の受入準備等を進める指示が出ている作業指示情報についてのみ、受入準備等を進め、外来作業の受入準備が終了したタイミングで、作業用端末72を操作して、作業現場にて外来作業の受入準備が整った運搬車両を特定する作業進捗情報を、第1通知手段32に対して送信する。外来作業が海運貨物の搬出である場合、受入準備は、例えば、対象の海運貨物を出庫し、積込み場所まで搬送することである。本実施例では、後述する時系列の時期H8までの間に、上記の受入準備や作業進捗情報の送信を行うものとする。
【0091】
(時系列の時期H5)
時系列の時期H5では、貨物保管施設の敷地外で待機している当該搬出車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32により、自動音声アナウンスの電話をかけることで、貨物保管施設の敷地内への進入許可を通知する。敷地内への進入許可通知の詳細については、
図2の時期N5についての記載を参照のこと。
【0092】
(時系列の時期H6)
時系列の時期H6では、
図2の時期N6について説明したのと同様に、事務職員Cの操作により、作業指示ユニット16の作業指示書発行手段78から、受付情報に基づいた作業指示書を書面にて発行する。そして、上記の時期H5において、敷地内への進入許可が通知された当該搬出車両の運転手Dは、当該搬出車両を運転して貨物保管施設の敷地内へと進入し、上記のように発行された作業指示書を、貨物保管施設の受付等で受領する。
【0093】
(時系列の時期H7)
時系列の時期H7では、
図2の時期N7について説明したのと同様に、当該搬出車両の運転手Dが、上記の時期H6において受領した作業指示書を、所定場所へと持参した後、敷地内の作業現場への進入が許可されるまで、敷地内の待機場所で待機する。
更に、時系列の時期H7では、検数作業員Nにより、当該搬出車両の運転手Dにより持参された作業指示書と、搬出のために出庫された海運貨物とを対査する。この際、検数作業員Nは、海運貨物の状態(ダメージの有無)や数量等を確認する(検数作業)。なお、検数作業員Nは、検数作業を行うことを正式に認定された作業員であり、例えば、一般社団法人日本貨物検数協会所属の作業員である。
【0094】
(時系列の時期H8)
時系列の時期H8では、まず、貨物保管施設の敷地内で待機している当該搬出車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32により、自動音声アナウンスの電話をかけることで、敷地内の作業現場への進入許可を通知する。作業現場への進入許可通知の詳細については、
図2の時期N8についての記載を参照のこと。そして、作業現場への進入許可が通知された当該搬出車両の運転手Dは、当該搬出車両を運転して所定の作業場所へと進入する。
次に、時系列の時期H8では、作業現場に進入した当該搬出車両に対して、作業現場の作業員Wにより、フォークリフト等を用いて、搬出する海運貨物の積込みを行う。この際、作業員Wは、作業用端末72を利用して、作業指示情報(当該搬出車両の情報や搬出する海運貨物の情報等)を確認しながら、積込みを行う。
【0095】
(時系列の時期H9)
時系列の時期H9では、作業現場の作業員Wにより、作業用端末72に対して、当該搬出車両によって搬出する海運貨物の出庫及び積込み作業が終了したことを入力する。この入力により、引取情報格納部76に格納された引取情報の一部(海運貨物のロケーション等)が更新され、又、作業指示情報格納部70に格納された、搬出された海運貨物に係る作業指示情報が、作業終了のステータス等へと更新される。更に、上記の入力を受けて、作業用端末72から第1通知手段32へと、作業現場で外来作業を終了した運搬車両があることを示す作業進捗情報を送信する。
【0096】
(時系列の時期H10)
時系列の時期H10では、
図2の時期N10について説明したのと同様に、上記の時期H9において作業用端末72から送信された作業進捗情報を、第1通知手段32が受信することで、第1通知手段32により、貨物保管施設の敷地外で待機している運搬車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、自動音声アナウンスの電話をかけることで、貨物保管施設の敷地内への進入許可を通知する。このように敷地内への進入許可が通知された運搬車両に係る外来作業は、上記の時期H6~時期H9に記載した当該搬出車両に係る外来作業と同様に進められる。
【0097】
続いて、
図4には、外来作業として、検査のために海運貨物の持出が行われる場合の外来作業管理方法の流れを、外来作業管理システム10を利用する各利用者(荷主・通関業者S、運搬車両の運転手D、海運業者の事務職員C、検数作業員N、及び、作業現場の作業員W)が時系列(M1~M10)に沿って行う業務毎に示している。検査のための海運貨物の持出は、搬出や搬入等の他の外来作業と比べて、優先度が高いものとなる。
図4の図表では、
図2及び
図3と同様に、縦列が各利用者を示し、横行が時系列の各時期を示している。以下では、時系列の時期毎に分けて説明を進め、又、検査対象の海運貨物を持出する1台の運搬車両(以下、「当該持出車両」という。)にスポットを当てて説明するものとする。なお、
図2や
図3に示した業務や処理と同じ内容のものについては、説明を簡略化或いは省略する。
【0098】
(時系列の時期M1)
時系列の時期M1では、荷主・通関業者Sにより、貨物保管施設に保管されている海運貨物の検査依頼を、海運業者に対して行う。そして、この検査依頼を受けて、海運業者の事務職員Cにより、制御ユニット20の制御用端末24を介して、作業指示ユニット16の検査情報格納部77へ検査情報を入力する。検査情報には、依頼内容から把握された、検査対象の海運貨物を示す検査対象情報と、検査の内容を示す検査内容情報とが含まれている。又、検査情報の入力は、納品情報又は引取情報に紐付けて実行する。すなわち、検査対象の海運貨物が、貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合は、納品情報格納部74に格納されている、検査対象の海運貨物に対応する納品情報に紐付けて、検査対象の海運貨物の検査情報を入力する。一方、検査対象の海運貨物が、貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合は、引取情報格納部76に格納されている、検査対象の海運貨物に対応する引取情報に紐付けて、検査対象の海運貨物の検査情報を入力する。なお、荷主・通関業者Sからの検査依頼は必須ではなく、後述するように、検査対象の海運貨物を持出するために海運業者の貨物保管施設に来場した運搬車両の運転手Dから、荷主・通関業者Sの代理として検査依頼を受けてもよい。この場合は、後述する時期M4で行う受付作業時に、検査情報格納部77へ検査情報を入力すればよい。
【0099】
(時系列の時期M2)
時系列の時期M2では、検査対象の海運貨物を持出するために海運業者の貨物保管施設に来場した運搬車両(当該持出車両)の運転手Dにより、受付ユニット12の受付用端末60に対して、受付情報を入力する。受付情報には、運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先、当該搬入車両のナンバー、外来作業の内容(検査のための持出)、持出する海運貨物の情報等が含まれている。更に、受付ユニット12は、
図2の時期N2や
図3の時期H2について説明したのと同様に、受付情報を受付情報格納部62へと格納し、受付票発行手段64から受付番号等が印字された受付票を2部発行する。その後、運転手Dは、提出用の受付票を事務職員Cへ提出し、控用の受付票を所持したまま、当該持出車両を運転して貨物保管施設の敷地外へと移動する。なお、検査に係る外来作業の場合、受付ユニット12を介した受付は必須ではなく、事務職員Cにより運転手Dから直接受付を行ってもよい。
【0100】
(時系列の時期M3)
時系列の時期M3において、当該持出車両の運転手Dは、貨物保管施設の敷地内への進入が許可されるまで、貨物保管施設の敷地外で待機する状態となる。このとき、運転手Dは、
図2の時期N3や
図3の時期H3について説明したのと同様に、運転手Dが所持する携帯端末84を介して、ウェブユニット18のウェブサーバ50によりインターネット上に表示される外来作業の状況を確認してもよい。外来作業の状況の確認については、
図2の時期N3についての記載を参照のこと。なお、検査に係る外来作業を行う運転手Dに対する外来作業状況の表示は、例えば、外来作業の優先度の観点から、敷地内への進入が許可される順番のみであってもよい。
【0101】
(時系列の時期M4)
時系列の時期M4では、海運業者の事務職員Cにより、上記の時期M2で提出された受付票を元にして、持出される検査対象の海運貨物の受付作業を行う。より詳しくは、受付票で特定される海運貨物に係る情報を、受付ユニット12の受付情報格納部62から取得し、制御ユニット20の制御用端末24を介して入力する。制御用端末24に入力された各情報は、内容に応じて、制御ユニット20の制御部26により、運搬車両誘導ユニット14の呼出情報格納部30、作業指示ユニット16の作業指示情報格納部70、納品情報格納部74、引取情報格納部76へ格納する。このとき、検査対象の海運貨物に対応する納品情報又は引取情報のロケーション情報を、検査待ちを示す内容に更新してもよい。
【0102】
ここで、作業指示情報格納部70に格納する情報は、作業現場の作業員Wに対して指示を行うための作業指示情報であり、例えば、本実施例の場合、検査対象の海運貨物の持出に応じた作業内容(出庫作業等)、検査対象の海運貨物を持出するために作業現場へ進入してくる運搬車両(当該持出車両)を特定する情報等が含まれている。又、呼出情報格納部30に格納する情報は、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報である。呼出情報の格納については、
図2の時期N4についての記載を参照のこと。なお、外来作業が検査対象の海運貨物の持出である本実施例の場合、搬入や搬出と比較して優先度が高いため、当該持出車両を示す呼出情報は、搬入や搬出を行う他の運搬車両を示す呼出情報よりも早い順序付けで、呼出情報格納部30に格納される。更に、運搬車両誘導ユニット14を介さずに、受付作業が終了した時点で、事務職員C等により、当該持出車両を貨物保管施設の作業現場へ誘導するようにしてもよい。この場合、後述する時期M5やM8における、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32による通知が省略される。
【0103】
更に、時系列の時期M4では、作業指示情報格納部70に作業指示情報が格納された時点で、作業現場の作業員Wにより、作業指示ユニット16の作業用端末72を介して、作業指示情報が確認されるようになる。作業用端末72の表示内容は、
図3の時期H4について説明したのと同様であり、持出される海運貨物の写真データも、外部システム80から参照して表示される。更に、作業員Wによる外来作業の受入準備や作業進捗情報の送信は、
図2の時期N4や
図3の時期H4について説明したものと同様である。外来作業が検査対象の海運貨物の持出である場合、受入準備は、例えば、検査対象の海運貨物を出庫し、積込み場所まで搬送することである。本実施例では、後述する時系列の時期M8までの間に、受入準備や作業進捗情報の送信を行うものとする。
【0104】
(時系列の時期M5)
時系列の時期M5では、貨物保管施設の敷地外で待機している当該持出車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32により、自動音声アナウンスの電話をかけることで、貨物保管施設の敷地内への進入許可を通知する。敷地内への進入許可通知の詳細については、
図2の時期N5についての記載を参照のこと。
【0105】
(時系列の時期M6)
時系列の時期M6では、
図2の時期N6や
図3の時期H6について説明したのと同様に、事務職員Cの操作により、作業指示ユニット16の作業指示書発行手段78から、受付情報に基づいた作業指示書を書面にて発行する。そして、上記の時期M5において、敷地内への進入許可が通知された当該持出車両の運転手Dは、当該持出車両を運転して貨物保管施設の敷地内へと進入し、上記のように発行された作業指示書を、貨物保管施設の受付等で受領する。
【0106】
(時系列の時期M7)
時系列の時期M7では、
図2の時期N7や
図3の時期H7について説明したのと同様に、当該持出車両の運転手Dが、上記の時期M6において受領した作業指示書を、所定場所へと持参した後、敷地内の作業現場への進入が許可されるまで、敷地内の待機場所で待機する。
更に、時系列の時期M7では、
図3の時期H7について説明したのと同様に、検数作業員Nにより、当該持出車両の運転手Dにより持参された作業指示書と、持出のために出庫された海運貨物とを対査する。
【0107】
(時系列の時期M8)
時系列の時期M8では、まず、貨物保管施設の敷地内で待機している当該持出車両の運転手Dが所持する携帯端末84の連絡先に対し、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32により、自動音声アナウンスの電話をかけることで、敷地内の作業現場への進入許可を通知する。作業現場への進入許可通知の詳細については、
図2の時期N8についての記載を参照のこと。そして、作業現場への進入許可が通知された当該持出車両の運転手Dは、当該持出車両を運転して所定の作業場所へと進入する。
次に、時系列の時期M8では、作業現場に進入した当該持出車両に対して、作業現場の作業員Wにより、フォークリフト等を用いて、持出される検査対象の海運貨物の積込みを行う。この際、作業員Wは、作業用端末72を利用して、作業指示情報(当該持出車両の情報や持出する検査対象の海運貨物の情報等)を確認しながら、積込みを行う。
【0108】
(時系列の時期M9)
時系列の時期M9では、作業現場の作業員Wにより、作業用端末72に対して、当該持出車両によって持出された検査対象の海運貨物の出庫及び積込み作業が終了したことを入力する。この入力により、納品情報格納部74又は引取情報格納部76に格納された、持出された検査対象の海運貨物に対応する納品情報又は引取情報のロケーション情報が、持出中であることを示す内容に更新される。更に、作業指示情報格納部70に格納された、持出された海運貨物に係る作業指示情報が、作業終了のステータス等へと更新される。
【0109】
(時系列の時期M10)
当該持出車両により検査対象の海運貨物が持ち出された後の、時系列の時期M10では、例えば海運業者の事務職員C等により制御用端末24を介して、検査対象の海運貨物のステータスが確認される。検査対象の海運貨物のステータスは、制御ユニット20の制御部26により判定され、この判定結果が制御用端末24を介して確認される。制御部26は、検査対象の海運貨物に対応する、納品情報格納部74に格納された納品情報、或いは、引取情報格納部76に格納された引取情報を取得し、納品情報又は引取情報のロケーション情報から、検査対象の海運貨物が持出中であることを把握して、検査対象の海運貨物が持出状態であると判定する。
【0110】
なお、外来作業が検査のための海運貨物の持出である場合、持出される海運貨物の量に応じて、上述した業務の一部を簡略化することができる。例えば、持出される海運貨物の量が、当該持出車両の運転手Dにより容易に運ぶことができる量である場合は、作業用端末72を介した作業現場の作業員Wに対する作業指示を出さずに、検査対象の海運貨物が保管されている場所から、運転手Dが検査対象の海運貨物を受け取り、当該持出車両に積込んでもよい。この場合、受け渡された検査対象の海運貨物が、検査を依頼された海運貨物であることを、作業指示書等に基づいて、作業現場の作業員Wや検数作業員Nにより確認してもよく、又、持出された検査対象の海運貨物に対応する納品情報又は引取情報のロケーション情報を、事務職員Cにより制御用端末24を介して更新してもよい。
【0111】
ここで、外来作業として、検査が終了した海運貨物の返却が行われる場合の外来作業管理方法の流れについて、簡単に説明する。この場合、基本的には、
図2に示した搬入と同じような流れで、検査対象の海運貨物が返却されることになる。搬入と返却との相違点を挙げると、返却では、
図2の時期N1に記載した事前受付が行われず、当然のことながら、
図2の時期N8に記載した検量作業や入庫報告書の送信、
図2の時期N11に記載した搬入確認が行われない。更に、検査対象の海運貨物の返却では、例えば、返却する海運貨物の量が、運転手Dにより容易に運ぶことができる量である場合、作業用端末72を介した作業現場の作業員Wに対する作業指示を出さずに、運転手Dが、運搬車両から返却する海運貨物を降ろし、持出前に検査対象の海運貨物が保管されていた場所に対して、検査対象の海運貨物を引き渡してもよい。又、海運貨物の返却では、海運貨物が返却された後に、作業現場の作業員Wにより、作業用端末72に対して、運搬車両によって返却された検査対象の海運貨物の荷卸しや入庫作業が終了したことを入力するが、この入力により、納品情報格納部74又は引取情報格納部76に格納された、返却された検査対象の海運貨物に対応する納品情報又は引取情報のロケーション情報が、返却済みであることを示す内容に更新される。
【0112】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、
図1に示すように、海運業者の貨物保管施設に対して、運搬車両によって海運貨物を搬入及び搬出する作業を含む、外来作業を管理するものであり、制御ユニット20、受付ユニット12、運搬車両誘導ユニット14、作業指示ユニット16、及び、ウェブユニット18を含んでいる。制御ユニット20は、事務職員C(
図2~
図4参照)等によって操作される制御用端末24と、システム全体を制御する制御部26とを備え、例えば、貨物保管施設で現在行われている外来作業全体の進捗状況等を加味して、作業状況情報28(
図2の時期N3、
図3の時期H3及び
図4の時期M3参照)を作成する。受付ユニット12は、外来作業のために貨物保管施設に来場する運搬車両の受付を行い、この受付時に、例えば運搬車両の運転手D(
図2~
図4参照)から、受付情報を取得する(
図2の時期N2、
図3の時期H2及び
図4の時期M2参照)。この受付情報には、少なくとも、受付対象の運搬車両の運転手Dの連絡先と、受付対象の運搬車両による外来作業の内容とが含まれ、他には、受付対象の運搬車両のナンバー(自動車登録番号)等が含まれていてもよい。ここでの運転手Dの連絡先とは、運転手Dが所持している携帯端末84を想定している。
【0113】
運搬車両誘導ユニット14は、受付ユニット12に対して受付を済ませた後の運搬車両を、貨物保管施設の敷地内及び作業現場へ誘導するものである。すなわち、運搬車両は、受付を済ませた後、運搬車両誘導ユニット14によって誘導されるまで、基本的には、貨物保管施設の敷地外で待機することになる。運搬車両誘導ユニット14は、呼出情報格納部30と第1通知手段32とを含んでおり、呼出情報格納部30には、制御ユニット20の制御用端末24を介して、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両を示す呼出情報が格納される。ここで、受付作業が完了して呼出可能になった運搬車両とは、受付を済ませた運搬車両により行われる外来作業の情報が登録され、貨物保管施設の敷地内に空きがあれば、敷地内に呼び出してもよい運搬車両を示している。そして、呼出情報格納部30には、例えば、受付を済ませた順序や、外来作業の優先順位等に応じて、順序付けられて呼出情報が格納される。
【0114】
第1通知手段32は、呼出情報格納部30に格納された呼出情報と、予め設定される貨物保管施設の敷地内への運搬車両の誘導可能台数と、作業指示ユニット16から取得される作業進捗情報とに基づき、運転手Dの連絡先に対して、貨物保管施設の敷地内或いは作業現場への、運搬車両の進入許可を通知する。作業進捗情報には、外来作業を受け入れる準備が作業現場にて整った運搬車両を判別できる情報や、作業現場にて外来作業が終了した運搬車両があることを判別できる情報が含まれる。ここで、例を挙げて説明すると、まず、第1通知手段32は、貨物保管施設の敷地内への運搬車両の誘導可能台数に達するまで、呼出情報の順序付けに従って順次、呼出情報により示される運搬車両の運転手Dの連絡先に対し、敷地内への進入許可を通知する(
図2の時期N5、
図3の時期H5及び
図4の時期M5参照)。又、第1通知手段32は、作業進捗情報を確認し、敷地内の待機場所で待機している運搬車両の中に、外来作業を受け入れる準備が作業現場にて整っている運搬車両が有ることを判別したときに、その運搬車両の運転手Dの連絡先に対し、作業現場への運搬車両の進入許可を通知する(
図2の時期N8、
図3の時期H8及び
図4の時期M8参照)。
【0115】
一方、貨物保管施設の敷地内へ誘導可能な台数まで、運搬車両を誘導した後は、第1通知手段32は、作業進捗情報を確認しながら、外来作業が終了した運搬車両がでるまで、敷地内への進入許可の通知を停止する。その後、作業進捗情報から外来作業が終了した運搬車両があることを判別すると、呼出情報の順序付けに従い、貨物保管施設の敷地外で待機している運搬車両の中から、1台の運搬車両を選定する。そして、第1通知手段32は、選定した運搬車両の運転手Dの連絡先に対し、敷地内への運搬車両の進入許可を通知する(
図2の時期N10及び
図3の時期H10参照)。この間、第1通知手段は、上述したような敷地内から作業現場への進入許可の通知は続行している。なお、貨物保管施設の敷地内へ誘導可能な運搬車両の台数は、例えば、海運貨物を搬入する運搬車両用と、海運貨物を搬出する運搬車両用とに分けて、設定することとしてもよい。
【0116】
すなわち、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、運搬車両誘導ユニット14によって、敷地内の待機場所や作業現場に空きが有ることの判別や、運搬車両を誘導するための通知を行うことができる。これにより、敷地内の待機場所や作業現場に空きが生じたことを、事務職員C等が目視やカメラ映像で確認する必要もなく、又、事務職員C等が運搬車両の運転手Dに連絡を入れたり場内アナウンスを行ったりする必要もないため、労力及び時間のロスを低減することができる。
更に、作業指示ユニット16は、受付ユニット12により取得される受付情報に基づいて、作業現場の作業員W(
図2~
図4参照)に対し、運搬車両により搬入された海運貨物の入庫作業と、運搬車両により搬出される海運貨物の出庫作業とを含む、現場作業を指示するものである(
図2の時期N4、N8、
図3の時期H4、H8、及び、
図4の時期M4、M8参照)。指示内容には、例えば、作業の種類や作業対象の海運貨物の情報が含まれている。このため、現場の作業員Wは、作業指示書の到着を待つことなく、作業指示ユニット16から指示を受けた時点で、外来作業を受け入れるための準備を進めることができる。
【0117】
又、ウェブユニット18は、制御ユニット20により作成される作業状況情報28に基づき、外来作業の状況をインターネット上に表示するものである。例えば、作業状況情報28は、受付ユニット12から取得される受付情報や、作業指示ユニット16から取得される情報に基づいて作成される。これにより、海運貨物の荷主・通関業者S(
図2~
図4参照)や運搬車両の運転手D等は、インターネットに接続可能な端末を介して、外来作業の状況を把握することができる(
図2の時期N3、
図3の時期H3及び
図4の時期M3参照)。
上記のように、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、運搬車両誘導ユニット14による運搬車両の誘導、作業指示ユニット16による作業現場への指示、及び、ウェブユニット18による外来作業の状況の表示といった、外来作業を管理する様々な業務を実行することで、海運貨物の保管施設における外来作業の効率を向上させることが可能となる。
【0118】
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、検定管理ユニット22を更に含み、この検定管理ユニット22は、検量用端末40と検定情報格納部42とを備えている。検量用端末40は、運搬車両によって作業現場に搬入された海運貨物の検量情報を、作業現場の検量作業員M(
図2参照)により入力するためのものであり、検量用端末40に入力された検量情報が、検定情報格納部42に格納される(
図2の時期N8参照)。検量情報には、海運貨物の大きさや重量が含まれている。
一方、ウェブユニット18は、搬入される海運貨物の事前受付をインターネット上で行う(
図2の時期N1参照)。事前受付は、例えば海運貨物の荷主・通関業者Sによって、海運貨物を搬入する運搬車両の受付よりも前のタイミングで行われ、この事前受付時に、少なくとも、荷主・通関業者Sのメールアドレスと、搬入される海運貨物の事前検量情報とが入力される。事前検量情報には、海運貨物の大きさや重量が含まれている。
【0119】
又、ウェブユニット18は、事前受付をした海運貨物が貨物保管施設に搬入された後に、事前受付時に入力されたメールアドレスに対して、搬入された海運貨物の入庫報告書をメールで送信する(
図2の時期N8参照)。入庫報告書は、例えば、制御ユニット20により、或いは、制御ユニット20を介して事務職員C等により作成される。このため、事前受付を行った海運貨物の荷主・通関業者Sは、海運業者に改めて依頼をすることなく、入庫報告書を入手することができる。
更に、検定管理ユニット22の検量用端末40は、事前受付時にウェブユニット18により取得される、搬入される海運貨物の事前検量情報を、対応する海運貨物の検量情報が入力される際に参照して表示する(
図2の時期N8参照)。これにより、作業現場の検量作業員Mは、検量用端末40に表示される海運貨物の事前検量情報を確認しながら、海運貨物の検量情報を検量用端末40へ入力することができるため、検量作業を効率よく行うことが可能となる。
【0120】
更に、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、ウェブユニット18が、ウェブサーバ50、事前受付情報格納部52、及び、第2通知手段54を含むものである。ウェブサーバ50は、インターネット経由でウェブブラウザを介して各種の情報を取得及び表示するためのものであり、外来作業状況の表示や、事前受付を行うための入力画面の表示及び入力された事前受付情報の取得等を実現する。事前受付情報格納部52は、事前受付時に入力される事前受付情報、すなわち、海運貨物の荷主・通関業者Sのメールアドレス及び海運貨物の事前検量情報を含む事前受付情報を、ウェブサーバ50を介して取得して格納する。又、第2通知手段54は、検定管理ユニット22の検定情報格納部42に格納された検量情報を含む入庫報告書を、例えば制御ユニット20から取得し、事前受付情報に含まれるメールアドレスに対して送信する。このように、より具体的な構成のウェブユニット18を備えることで、ウェブユニット18により行う様々な機能を円滑に実現することができる。
【0121】
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、受付ユニット12が、受付用端末60、受付情報格納部62、及び、受付票発行手段64を備えるものである。受付用端末60は、受付のために貨物保管施設に来場する人物、通常は運搬車両の運転手Dにより、受付時に受付情報が入力される。そして、受付用端末60に入力された受付情報は、受付情報格納部62に格納され、少なくとも受付番号が印字された受付票が、書面にて受付票発行手段により発行される(
図2の時期N2、
図3の時期H2及び
図4の時期M2参照)。受付票は2部発行し、1部を運転手Dの控用、もう1部を海運業者への提出用に用いる。こうすることにより、運転手Dが入手する受付票は、受付番号等の確認に利用することができ、海運業者が入手する受付票は、事務職員C等が行う受付作業で利用することができる。このように、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、より具体的な構成の受付ユニット12を備えることで、受付ユニット12により行う様々な機能を円滑に実現することが可能となる。
【0122】
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、作業指示ユニット16が、作業指示情報格納部70及び作業用端末72を備えるものであり、作業指示情報格納部70は、制御ユニット20によって、受付ユニット12から取得される受付情報に基づく、作業指示情報が格納される(
図2の時期N4、
図3の時期H4及び
図4の時期M4参照)。例えば、作業指示情報は、事務職員C等により受付情報が確認されながら、制御ユニット20の制御用端末24を介して入力され、作業指示情報格納部70へと格納される。作業指示情報には、例えば、入庫作業や出庫作業といった作業種別、搬入或いは搬出する運搬車両を特定する情報、出庫の場合は対象の海運貨物を特定する情報等、作業現場の作業員Wが確認して作業準備が進められる情報が含まれる。作業用端末72は、作業現場の作業員Wによって操作されるものであり、作業指示情報格納部70から作業指示情報を参照して表示する。このため、作業員Wは、作業用端末72を介して作業指示情報を確認しながら、外来作業の受入準備作業や、運搬車両に対する海運貨物の荷卸し又は積込み等の作業を行うことができる。
【0123】
又、作業用端末72は、現場での作業が終了したこと等の、作業指示情報を更新するための入力が作業員によって行われる(
図2の時期N9、
図3の時期H9及び
図4の時期M9参照)。更に、作業用端末72は、運搬車両誘導ユニット14の第1通知手段32が通知を行うために参照する作業進捗情報を、第1通知手段32に対して送信する。例えば、作業進捗情報として、外来作業を受け入れる準備が整った運搬車両があることや、作業現場で外来作業が終了した運搬車両があることを、作業員Wが任意のタイミングで作業用端末72を介して送信し、そのような作業進捗情報を受信した第1通知手段32により、作業進捗情報を受信して直ぐに、対象の運搬車両の運転手Dに対し、敷地内や作業現場への進入許可の通知を行うようにしてもよい。加えて、作業用端末72は、貨物保管施設の敷地内で待機している運搬車両に係る外来作業の一覧や、現在作業現場で行われている外来作業の一覧等を、作業指示情報に基づいて表示するようにしてもよい。このようにすることで、作業現場の作業員Wは、これから行うこととなる作業の量や、他の作業員Wが行っている作業の状況等を把握することができる。従って、作業現場の作業員Wによって、上記のように様々な業務で作業用端末72が活用されることで、作業現場での作業を円滑に行うことが可能となる。
【0124】
更に、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、作業指示ユニット16が、納品情報格納部74を含み、この納品情報格納部74は、搬入される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む、納品情報を格納するものである。納品情報格納部74は、制御ユニット20の制御用端末24を介して、受付情報に基づいて納品情報が入力され(
図2の時期N4参照)、又、少なくとも作業用端末72及び検量用端末40を介して納品情報が更新される(
図2の時期N8及びN9参照)。このような構成により、搬入される海運貨物の管理を効率よく行うことができる。
【0125】
加えて、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、作業指示ユニット16が、引取情報格納部76を更に含み、この引取情報格納部76は、搬出される海運貨物の在庫情報及びロケーション情報を含む、引取情報を格納するものである。引取情報格納部76は、制御ユニット20の制御用端末24を介して、搬出される海運貨物の受付情報及び輸入情報に基づいて引取情報が入力され(
図3の時期H1及びH4参照)、又、少なくとも作業用端末72を介して引取情報が更新される(
図3の時期H9参照)。このような構成により、搬出される海運貨物の管理を効率よく行うことができる。
【0126】
更に、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、作業指示ユニット16が、検査情報を格納するための検査情報格納部77を含み、検査情報には、検査対象情報と検査内容情報とが含まれている。検査対象情報は、例えば税関検査等の検査のために荷主・通関業者S等から持出依頼を受けた、検査対象の海運貨物を示すものであり、検査内容情報は、検査対象の海運貨物に対する検査内容を示すものである。検査情報格納部77は、例えば荷主・通関業者S等から依頼を受けたタイミングで、制御用端末24を介して検査情報が入力される(
図4の時期M1参照)。この際、検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する納品情報に紐付けられて検査情報が入力される。すなわち、納品情報は、搬入された海運貨物に係る情報であり、検査対象の海運貨物に対応する納品情報も含まれているため、検査対象の海運貨物の、納品情報と検査情報とが紐付けられるものである。他方、検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する引取情報に紐付けられて検査情報が入力される。すなわち、引取情報は、搬出される海運貨物に係る情報であり、検査対象の海運貨物に対応する引取情報も含まれているため、検査対象の海運貨物の、引取情報と検査情報とが紐付けられるものである。
【0127】
そして、納品情報を格納している納品情報格納部74は、納品情報に対して検査情報が紐付けられている検査対象の海運貨物が、例えば運搬車両の運転手Dにより、検査のために貨物保管施設から持ち出されたタイミングと、検査が終了して貨物保管施設へ返却されたタイミングとにおいて、持ち出された海運貨物に対応する納品情報が更新される(
図4の時期M9参照)。例を挙げると、検査対象の海運貨物が持ち出されたタイミングでは、例えば、持ち出された海運貨物に対応する納品情報に含まれるロケーション情報が、持出中であることを示す内容へと更新される。又、検査対象の海運貨物が返却されたタイミングでは、例えば、返却された海運貨物に対応する納品情報に含まれるロケーション情報が、返却済みであることを示す内容へと更新される。更に、引取情報を格納している引取情報格納部76は、引取情報に対して検査情報が紐付けられている検査対象の海運貨物が、検査のために持ち出されたタイミングと返却されたタイミングとにおいて、上述した納品情報格納部74の納品情報と同じように、引取情報が更新される。これらの納品情報の更新、及び、引取情報の更新は、制御用端末24又は作業用端末72を介して行われる。
【0128】
一方、制御ユニット20は、上記のように更新される納品情報又は引取情報に基づいて、検査対象の海運貨物のステータスを判定する。このステータスには、少なくとも、検査対象の海運貨物が検査のために持ち出されている持出状態と、検査対象の海運貨物の検査が終了して返却された返却状態とが含まれている。例えば、制御ユニット20は、検査対象の海運貨物が貨物保管施設に搬入された海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する納品情報を納品情報格納部74から取得し、取得した納品情報のロケーション情報や在庫情報から、検査対象の海運貨物のステータスを判定する。このとき、例えば、上述したように、ロケーション情報が持出中であることを示す内容である場合は、検査対象の海運貨物が持出状態であると判定し、ロケーション情報が返却済みであることを示す内容である場合は、検査対象の海運貨物が返却状態であると判定する。検査対象の海運貨物が貨物保管施設から搬出される予定の海運貨物である場合は、その海運貨物に対応する引取情報からステータスを判定する。このような構成により、例えば制御用端末24を介して事務職員C等により制御ユニット20へアクセスされることで、検査対象の海運貨物の持出や返却等のステータスを把握することができるため、検査対象の海運貨物の管理を容易に行うことが可能となる。更に、外来作業として、海運貨物の搬入作業や搬出作業に加えて、運搬車両による検査対象の海運貨物の持出作業や返却作業を管理することができる。
【0129】
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、作業指示ユニット16が作業指示書発行手段78を含み、この作業指示書発行手段78は、制御ユニット20の制御用端末24を介して操作され、受付情報に基づいて書面にて作業指示書を発行するものである(
図2の時期N6、
図3の時期H6及び
図4の時期M6参照)。すなわち、作業指示ユニット16による現場作業の指示と共に、書面の作業指示書を併せて利用することで、より正確かつ確実な作業指示を行うことが可能となる。
【0130】
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、貨物保管施設に来場する運搬車両の受付時に、受付ユニット12が、受付をした運搬車両毎に受付番号を発行する(
図2の時期N2、
図3の時期H2及び
図4の時期M2参照)。発行された受付番号は、受付をした運転手D等により把握され、運転手D等から海運貨物の荷主・通関業者S等に伝えられる。そして、ウェブユニット18は、外来作業の状況をインターネット上に表示する際に、受付ユニット12から発行された受付番号の入力を受けて、入力された受付番号に紐付く運搬車両の外来作業の状況を表示する(
図2の時期N3、
図3の時期H3及び
図4の時期M3参照)。具体的には、対応する運搬車両の敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間、対応する運搬車両の敷地内への進入が許可される順番、対応する運搬車両の作業の進捗状況、及び、混雑状況の推測データのうち、少なくともいずれか1つを表示する。
【0131】
そして、例えば、貨物保管施設の敷地外で待機している運搬車両の運転手Dは、インターネットに接続可能な携帯端末84を介して、自身が運転する運搬車両の、敷地内への進入が許可されるまでの待ち時間や順番、混雑状況の推測データ等を確認することで、敷地内へ進入するおおよその時間を把握することができる。このため、運搬車両の運転手Dは、貨物保管施設の敷地外で待機する場合であっても、貨物保管施設の近傍で待機する必要はなく、貨物保管施設から離れた場所で、別の用事や休憩等を行うこととしてもよい。これにより、運搬車両の運転手Dは、待機時間を効率よく過ごすことができ、又、貨物保管施設の近傍で待機する運搬車両に起因する、貨物保管施設の周辺道路の渋滞を緩和することができる。一方、海運貨物の荷主・通関業者Sは、インターネットに接続可能な固定端末や携帯端末を介して、海運貨物を運搬中或いは運搬予定の運搬車両の、作業の進捗状況や、混雑状況の推測データ等を確認する。これにより、海運貨物の荷主・通関業者Sは、海運業者に電話等で問い合わせることなく、外来作業の進捗やおおよその終了時間等を把握することが可能となる。
【0132】
しかも、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、ウェブユニット18が、インターネット上に搬入確認画面を表示するものである(
図2の時期N10参照)。搬入確認画面は、搬入された海運貨物の荷主・通関業者S等に対して表示され、海運貨物の搬入の受付が完了した際に例えば受付ユニット12や制御ユニット20を介して発行される搬入参照番号が、荷主・通関業者S等によって搬入確認画面に入力されることで、ウェブユニット18は、搬入参照番号に対応する海運貨物の、検量情報及び/又は納品情報の少なくとも一部を、搬入確認画面に表示する。このため、荷主・通関業者S等は、インターネットに接続可能なコンピュータ端末82を介して、貨物保管施設に搬入された海運貨物の情報を確認することができる。更に、ウェブユニット18は、搬入確認画面に入力された搬入参照番号に対応する海運貨物の入庫報告書を、インターネット経由で発行する。入庫報告書は、搬入確認画面からダウンロードできるようにしてもよく、搬入確認画面にメールアドレスの入力を促し、入力されたメールアドレスに対して送信するようにしてもよい。これにより、海運貨物の荷主・通関業者S等は、海運業者に依頼をすることなく、入庫報告書を入手することが可能となる。
【0133】
更に、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、ウェブユニット18が外来作業の状況をインターネットに表示するために参照する作業状況情報を、制御ユニット20が、受付情報、納品情報、及び、引取情報に基づいて作成するものである。これにより、作業状況情報の作成に必要な情報を効率よく取得し、外来作業の状況を円滑に表示することができる。
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、第1通知手段32が、運搬車両の運転手Dの連絡先に対して通知を行う際に、自動音声アナウンスの電話をかけて通知を行うものである(
図2の時期N5、N8、N10、
図3の時期H5、H8、H10、及び、
図4の時期M5、M8参照)。ここで、運転手Dの連絡先(携帯端末84)に対して行う通知には、通常、インターネットを介したメールや専用アプリ等による通知と、電話をかけることによる通知とが想定される。しかしながら、例えば、運転手Dが所持している携帯端末84が、運搬業者等から支給されているものである場合、インターネットへの接続が制限されていることがあり、又、携帯端末84の操作に不慣れな運転手の場合は、インターネットを用いる携帯端末84の機能を上手く使いこなせない虞がある。そこで、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、第1通知手段32が自動音声アナウンスの電話をかけることによる通知を行うことで、人手を介さずに自動で通知を行いながらも、通知の確実性をより高めることができる。
【0134】
又、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10は、作業指示ユニット16の作業用端末72が、作業員Wの操作を受けて、外部のシステム80を参照して、搬出される海運貨物の写真データを表示するものである(
図3の時期H4参照)。これにより、作業現場の作業員Wは、海運貨物の写真データから、海運貨物の荷姿や形状を把握することができるため、海運貨物の取り違いを格段に抑制することができ、又、海運貨物の出庫作業等をより円滑に行うことが可能となる。
一方、本発明の実施の形態に係る外来作業管理方法は、上述した本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10によって実行されることにより、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10に対応する同等の作用効果を奏するものである。
【0135】
なお、
図1に示した外来作業管理システム10の構成は一例であり、本発明の実施の形態に係る外来作業管理システム10の構成を限定するものではない。例えば、外来作業管理システム10を構成する各構成要素の数は、
図1の例より多くてもよく、或いは、少なくてもよい。又、
図1では別々の構成要素として記載されているものを、まとめて1つの機器等で実現してもよく、或いは、
図1では1つの構成要素として記載されているものを、複数の機器を用いて実現してもよい。
加えて、本発明の実施の形態に係る外来作業管理方法についても、
図2~
図4に示した内容に限定されるものではない。例えば、適用する外来作業は、海運貨物の搬入作業や搬出作業だけではなく、海運貨物の検査のための持出作業や返却作業、或いは、その他の外来作業であってもよい。
【符号の説明】
【0136】
10:外来作業管理システム、12:受付ユニット、14:運搬車両誘導ユニット、16:作業指示ユニット、18:ウェブユニット、20:制御ユニット、22:検定管理ユニット、24:制御用端末、26:制御部、28:作業状況情報、30:呼出情報格納部、32:第1通知手段、40:検量用端末、42:検定情報格納部、50:ウェブサーバ、52:事前受付情報格納部、54:第2通知手段、60:受付用端末、62:受付情報格納部、64:受付票発行手段、70:作業指示情報格納部、72:作業用端末、74:納品情報格納部、76:引取情報格納部、77:検査情報格納部、78:作業指示書発行手段、80:外部システム、D:運搬車両の運転手、M:検量作業員、W:作業現場の作業員