(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】光遮蔽体を伴う改良型のヒートシンクを有した車両のランプ組立体
(51)【国際特許分類】
F21S 41/47 20180101AFI20220620BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20220620BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20220620BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20220620BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20220620BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220620BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220620BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20220620BHJP
【FI】
F21S41/47
F21S45/47
F21V29/503
F21V29/70
F21W102:135
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018085673
(22)【出願日】2018-04-26
【審査請求日】2021-01-27
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516326748
【氏名又は名称】ヴァレオ、ノース、アメリカ、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VALEO NORTH AMERICA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ギャビン、フランシス、ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン、マイケル、ブランディン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルフリート、ハッチンソン
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-041802(JP,A)
【文献】特開2007-324042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0168428(US,A1)
【文献】特開2016-015215(JP,A)
【文献】特開2014-096254(JP,A)
【文献】特開2015-185312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/47
F21S 45/47
F21V 29/503
F21V 29/70
F21W 102/135
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ組立体で使用するためのヒートシンクであって、前記ヒートシンクは、
ワンピースの単一の金属板から形成されており、前記ヒートシンクは、
第1平面内にあり、光線を放出するための少なくとも1つの光源を受けて支持するように適合されている第1部分と、
前記第1平面に略直交する第2平面にある第2部分であって、
前記第2部分は、前記第1部分から第1方向に延び、前記ランプ組立体のハウジングに取り付けられるように構成さ
れ、かつ、前記第2部分は、折れ曲がり部分を介して、前記第1部分の第1端において前記第1部分に接続されている、前記第2部分と、
前記第1平面に略直交するとともに前記第2平面に略平行な第3平面内にあり、前記第1部分から前記第1方向に延びる第3部分であって、
前記第3部分は、前記ランプ組立体の外に向かう前記光線の少なくとも第1部分を遮断するとともに前記ランプ組立体の反射面に向かう前記光線の第2部分を遮断しないように構成された遮蔽体として構成され、かつ、
前記第3部分は、折れ曲がり部分を介して、前記第1部分の前記第1端とは反対側の第2端において前記第1部分に接続されている、前記第3部分と、
を備えている、ヒートシンク。
【請求項2】
前記第3部分が、前記ランプ組立体の非光学面に向けて投射された光線を遮断するように構成されている、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】
ランプ組立体で使用するためのヒートシンクであって、前記ヒートシンクは一体型の本体を含み、前記一体型の本体が、
第1平面内にあり、光線を発する少なくとも1つの光源を受けて支持するように適合されている第1部分と、
前記第1平面に略直交する第2平面内にあり、前記第1部分から第1方向に延び、前記ランプ組立体のハウジングに取り付けられるように構成された第2部分と
前記第1平面に略直交するとともに前記第2平面に略平行な第3平面内にあり、前記第1部分から前記第1方向に延びる第3部分であって、前記光線の少なくとも一部を遮断するための遮蔽体として構成されている、前記第3部分と、
を備え、
前記ランプ組立体は、反射面を有し、
前記第3部分は、前記反射面から遠ざかるように投射された光線を遮断するように構成されている、
ヒートシンク。
【請求項4】
前記第3部分は、前記反射面から遠ざかるように前記ランプ組立体の外に投射された光線を遮断するように構成されている、請求項3に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記第2部分が前記第1方向に第1の距離だけ延び、前記第3部分が前記第1方向に第2の距離だけ延び、前記第1の距離が前記第2の距離よりも大きい、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記第3部分が、前記第1方向に延びるように曲げられた前記ヒートシンクの形状の断面を有している、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項7】
前記第1部分がタブ部分を備え、前記タブ部分の各々が、前記第1平面に略直交するとともに前記第1方向と略反対の第2方向に延びている、請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項8】
前記タブ部分の各々が、前記第2方向に延びるように曲げられた前記ヒートシンクの形状の断面を有している、請求項7に記載のヒートシンク。
【請求項9】
ランプ組立体で使用するためのヒートシンクであって、前記ヒートシンクは一体型の本体を含み、前記一体型の本体が、
第1平面内にあり、光線を放出するための少なくとも1つの光源を受けて支持するように適合された第1部分と、
前記第1平面に略直交する第2平面内にあり、前記第1部分から第1方向に延び、前記ランプ組立体のハウジングに取り付けられるように構成された第2部分と、
前記第1平面に略直交するとともに前記第2平面に略平行な第3平面内にあり、前記第1部分から前記第1方向に延びる第3部分と、
を備え、
前記ランプ組立体は反射面を有し、前記第3部分は、前記反射面から遠ざかるように投射される前記光線の少なくとも一部を受けるように構成されており、
前記第3部分は、光線の前記一部を受ける面を有し、この面が、受けた光を前記反射面に向かわせるように構成されている、ヒートシンク。
【請求項10】
前記第3部分が、湾曲した形状、段付きの形状、および非対称な形状のいずれかを有する縁部を有する、請求項9に記載のヒートシンク。
【請求項11】
前記第3部分が、湾曲した形状、段付きの形状、および非対称な形状のいずれかを有する縁部を有する、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項12】
前記第3部分が、湾曲した形状、段付きの形状、および非対称な形状のいずれかを有する縁部を有する、請求項3に記載のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のランプ組立体に関し、より特定的には光遮蔽体を伴うヒートシンクを有した車両のランプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の照明システムの分野において、政府の規制は、放出されたビームが所定のパターンに適合することを要求している。例えば、ヘッドランプはロービームとハイビームとを作り出すことが求められる。ハイビームは、運転者の見ることのできる距離を最大限にするために、自らの光の大部分を真っ直ぐ前方へと放つ。しかしながら、ハイビームは概して、当該車両の前方にいるか当該車両に向かって対向してくるかのいずれかの別車両が道路上に存在するとき、安全に用いるには強すぎるグレア(眩輝)を生じさせてしまう。
【0003】
上向きに投射された光は、霧や、雨や、雪の中を運転するときには、水滴の再帰反射のせいで運転者を「逆戻り眩惑」してしまう可能性もある。
図1は、発光ダイオード(LED)から放出された迷光光線を示す、従来技術のヘッドランプ組立体の一部を描いている。光源によって放出された光線は、制御されておらず、従ってヘッドランプから統制されずに出て行く。迷光光線は、グレアや逆戻り眩惑を生じさせる可能性がある。
【0004】
時には下向き(すれ違い)ビームと呼ばれるロービームは、より制御されたビームパターンの上向き光を有すると共に、自らの光の大部分を下方と、(右側通行の国々では)右方または(左側通行の国々では)左方へ向ける。それは、対向してくる運転者への過剰なグレアや、当該車両の運転者への逆戻り眩惑を伴うことなく、安全な前方視認性をもたらすようにである。
【0005】
更に、大部分の国際的な規制は、先行し、或いは対向して来る自動車における運転者の目の中へ大量の光が放たれるのを防止する、鮮明で非対称なカットオフを伴ったビームを指定している。
【0006】
幾つかの用途においては、ヘッドランプ組立体内の反射器とレンズとの間に、可動式の遮蔽体、シェード、ないしマスクが設置されている。遮蔽体の上縁部が突き出ることによって、規制を満たすためにビームパターンを形作るのを助けるビームのカットオフがもたらされる。遮蔽体、シェード、ないしマスクは、多くの場合にヘッドランプ組立体内の別体部品であり、一部の用途では、当該遮蔽体、シェード、ないしマスクを非作用位置と作用位置との間で動かすのに別体の駆動器(ソレノイドなど)を要する。
【0007】
従って必要とされるのは、グレアや逆戻り眩惑を軽減したり排除したりするために、発光ダイオード(LED)などの光源からの直接光を遮蔽する目的で、ビームパターンを遮蔽するための、改良されたシステムや方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の主たる目的は、グレアおよび/または逆戻り眩惑を軽減し、或いは排除するランプ組立体を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、グレアや逆戻り眩惑を軽減させるために光ビームの少なくとも一部を遮蔽するように適合されたヒートシンクを有するランプ組立体を提供することである。
【0010】
本発明の更にもう一つの目的は、少なくとも1つの光源がその上に取り付けられると共に、グレアや逆戻り眩惑を軽減させるために当該少なくとも1つの光源からのビームの少なくとも一部を遮蔽するための遮蔽体を有したヒートシンクを提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、当該ヒートシンクに不可分ないし一体的に形成された遮蔽体を有するヒートシンクを提供することである。
【0012】
本発明の尚もう一つの目的は、ヒートシンクの遮蔽体に対して、発光ダイオード(LED)などの光源の位置や向きを合わせる、ランプ組立体で用いるためのヒートシンクを提供することである。
【0013】
本発明の更にもう一つの目的は、同時に光源を支持するところのヒートシンクの一部として直接的に付加され、不可分に形成され、或いは一体的に形成された遮蔽体を提供することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、光源と直接的に関連付けられて影響し合う関係にある遮蔽体を有し、ヒートシンク上に取り付けられた光源に対しての、遮蔽体についての定置、位置合わせ、および公差の制御を可能とするヒートシンクを提供することである。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、光源に対して遮蔽体を精確に定置して位置合わせするためのシステムおよび方法を提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、光源に対して遮蔽体を定置するため、および遮蔽体をヒートシンクへと統合することによって存在する部品の数を減少させるためのシステムおよび方法を提供することである。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、グレアや逆戻り眩惑を軽減するように光源からの光を遮蔽するだけでなく、輸送段階や組立段階における光源の保護をもなす遮蔽体を提供することである。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、ヒートシンクに不可分ないし一体的に形成された遮蔽体を提供することである。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、周囲の部品類への熱的な制約を生じさせるLEDの熱/出力の直接的な露出の危険性、或いは太陽光線が光学面へ逆向きに集束してホットスポットを生じさせる危険性を低減させるために、特定用途に対してカスタマイズすることのできる遮蔽体を有したヒートシンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
一つの態様において、本発明の一実施形態は、ランプ組立体で用いるためのヒートシンクであって、第1平面内にあって光線を放出するための少なくとも1つの光源を受けて支持するように適合されている第1部分を有した本体と、第1部分から伸びて光線の少なくとも一部を遮る遮蔽体と、を備えたヒートシンクを含んで成る。
【0021】
もう一つの態様において、本発明の一実施形態は、支持体と、支持体上に取り付けられた反射器と、ヒートシンクとを具備したヘッドランプ組立体であって、そのヒートシンクが、第1平面内にあって光線を放出するための少なくとも1つの光源を受けるように適合されている第1部分を有した本体と、第1部分から伸びて光線の少なくとも一部を遮る遮蔽体とを備えている、ヘッドランプ組立体を含んで成る。
【0022】
更にもう一つの態様において、本発明の一実施形態は、一体化された遮蔽体を伴うヒートシンクを作るための方法であって、ヒートシンクの形状を、予め決められた形状構成へと折り曲げ、ないしは形成する段階であって、折り曲げられ、ないしは形成されたヒートシンクの形状の少なくとも一部によって遮蔽体が画成されるようにする段階を備え、ヒートシンクが一体品構造で形成される、方法を含んで成る。
【0023】
この発明(本明細書で示され、説明された全ての実施形態を含む)は、単独で、若しくは一緒に、および/または、以下の特徴の一覧のうちの1つないし複数に包含される1つないし複数の特徴と組み合わされて用いることができるであろう。
・ 遮蔽体が、本体に不可分ないし一体的に形成されているヒートシンク。
・ 遮蔽体が、第1平面に略直交する第2平面内にあるヒートシンク。
・ 遮蔽体が、断面において略L字形を形成するように、第1部分と不可分ないし一体的に形成されているヒートシンク。
・ 遮蔽体が、光線の少なくとも一部のカットオフをもたらし、ないしは画成する縁部を備えているヒートシンク。
・ 縁部が真っ直ぐでないヒートシンク。
・ 少なくとも1つの光源からの光線の少なくとも一部が非光学面の方へ向けられ、遮蔽体がそれらの光線を遮るヒートシンク。
・ 当該ヒートシンクが、少なくとも1つの光源を取り付けるための着床用区域を備え、着床用区域は、光源が当該着床用区域上に取り付けられたときに、その光源が遮蔽体に対して予め決められた公差内で位置合わせされるように、遮蔽体との機能的関係において向きが合わされているヒートシンク。
・ 遮蔽体が、ヒートシンクの本体に不可分ないし一体的に形成されているヘッドランプ組立体。
・ 遮蔽体が、第1平面に略直交する第2平面内にあるヘッドランプ組立体。
・ 遮蔽体が、断面において略L字形を形成するように、第1部分と不可分ないし一体的に形成されているヘッドランプ組立体。
・ 遮蔽体が、光線の少なくとも一部のカットオフをもたらし、ないしは画成する縁部を備えているヘッドランプ組立体。
・ 第1部分が、少なくとも1つの光源を取り付けるための着床用区域を備え、着床用区域は、光源が当該着床用区域上に取り付けられたときに、その光源が遮蔽体に対して予め決められた公差内で位置合わせされるように、遮蔽体との機能的関係において向きが合わされているヘッドランプ組立体。
・ 支持体が、ヘッドランプ・ハウジングまたはヘッドランプ・ベゼル(枠)の少なくとも一方であるヘッドランプ組立体。
【0024】
本発明のこれらの、或いは他の目的および利点は、以下の説明、添付図面、および付帯特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】制御ないし遮蔽されておらず、潜在的にグレアや逆戻り眩惑を生じさせ得る直接的なLED光線を描いている、従来技術のヘッドランプ組立体の一部および反射器Rの斜視図。
【
図1B】制御ないし遮蔽されておらず、潜在的にグレアや逆戻り眩惑を生じさせ得る直接的なLED光線を描いている、従来技術のヘッドランプ組立体の一部および反射器Rの斜視図。
【
図2A】灯火モジュールと本発明の一実施形態によるヒートシンクとを有するヘッドランプ組立体を備えた車両の部分図。
【
図2B】灯火モジュールと本発明の一実施形態によるヒートシンクとを有するヘッドランプ組立体を備えた車両のもう一つの部分図。
【
図3】本発明の一実施形態によるヒートシンクの斜視図。
【
図4】
図3に示すヒートシンクの別視点からの図であって、遮蔽体と、光源、即ちLEDとの間の関係を含む当該実施形態の様々な特徴を描いている図。
【
図5】本発明の一実施形態による熱遮蔽体の斜視図であって、やはり熱遮蔽体上に取付けられたLEDに対して直接的に関連付けられて位置合わせされて、光源に対する遮蔽体についての公差内であり得る最適な上部配置を可能とする遮蔽体を描いている図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図2Aは、本発明の一実施形態によるランプ組立体10を示している。この実施形態においてランプ組立体10は、ハイビームとロービームとを投射するためのヘッドランプ組立体である。図示例においてランプ組立体10は、
図2Aの部分図に示す車両V上に取り付けられている。
図2Bは、ランプ組立体10が車両V上に取り付けられた、本発明のもう一つの実施形態を示している。
【0027】
図3から
図5を参照すると、ランプ組立体10は、第1部分14、第2部分16、および結合部分18を有する本体11を備えたヒートシンク12を具備している。その結合部分18は、第1部分14を第2部分16と結合させている。
図3に示すように、本体11は、不可分ないし一体的な構造である。その構造は、図示するように略L字形となっている。
【0028】
ヒートシンク12の第2部分16は、複数の穴ないし開口20を備えている。それらの穴ないし開口20は、金物類(例えば、少なくとも1つの固定具、設置ないし位置合わせ用のポスト(図示せず)、ケーブルのハーネスないしクリップ、または、反射器(図示せず)若しくはハウジング(図示せず)上にヒートシンク12を取り付けるための他の金物(図示せず)など)を受け入れるように適合されている。ヒートシンク12は、従来知られたやり方でヘッドランプ・ハウジング22上に当該ヒートシンク12を設置するのを更に容易とし得る、1つないし複数の翼状部24および26を備えていてよい、ということに留意されたい。
【0029】
ヒートシンク12の第1部分14は、略平坦な表面14aと、少なくとも1つの光源30を取り付けるための光源取付けないし着床用区域28(
図5)とを備えている。少なくとも1つの光源30は例えば、発光ダイオード(LED)、有機LED、高度にピクセル化されたLED、またはレーザーダイオードなどである。略平坦な表面14aはまた、プリント回路基板ないしPCB32を支持してもいる。そのプリント回路基板ないしPCB32は、複数の導体34、電気接続体、ワイヤ、またはケーブルリボン(平型ケーブル:図示せず)で、少なくとも1つの光源30に結合されている。少なくとも1つの光源30は、道路に対して横向きに(
図5参照)、ないしは縦向きに、或いは如何なる所望の角度でも取り付けることができる、ということも理解されたい。プリント回路基板ないしPCB32は、少なくとも1つの光源30に電力を供給すると共に、その光源30の作動を制御する。光源取付けないし着床用区域28は、隆起した着床用表面36を画成する略U字の形状を備えている。その着床用表面36は、プリント回路基板ないしPCB32と略同じ平面内に、少なくとも1つの光源30を位置合わせする。隆起した着床用表面36は、プリント回路基板ないしPCB32の略U字形の開口44内に受け入れられる。
【0030】
ヒートシンク12は、一対の案内ないし位置合わせポスト42を備えていることに留意されたい。そられのポスト42は、
図5に示すように、少なくとも1つの光源30に対してプリント回路基板ないしPCB32を位置合わせして設置するよう、プリント回路基板ないしPCB32にある各嵌合用開口45と協働して、それらの開口45内に受け入れられる。
【0031】
図4に示すように、ヒートシンク12は更に、第2対の翼状部ないしタブ部分48を備えている。それらの部分48は、表面14bから、
図3で矢印Aによって表示される第1方向へ遠ざかって伸びている。複数の翼状部ないしタブ部分48は、互いに略平行であって、略平坦な表面14aのある仮想平面に略直交している。
【0032】
ヒートシンク12は更に、
図3に示すように表面14aから遠ざかって矢印Bの方向へ伸びる光遮蔽体50を備えている。説明される例示において、遮蔽体50は、ヒートシンク12の第1部分14に不可分ないし一体的に形成されている。光源取付ないし着床用区域28に少なくとも1つの光源30が取り付けられた後、遮蔽体50と、少なくとも1つの光源30とは、互いに対して自動的に位置合わせされて整列させられる。遮蔽体50は、表面50aが光線LRの少なくとも一部を遮って(
図4)望ましくない方向へ(例えば、非光学面に向かって)投射されるのを防止するように適合され、寸法が決められ、そして形作られている。
図4は、遮られた光線BLRを示している。遮蔽体50が、ヒートシンク12の一部として、直接的に連結され、説明される例示においては不可分ないし一体的に形成されている、ということに特に留意されたい。この設計は、少なくとも1つの光源30の遮蔽体50に対する予め決められた所望の公差(典型的には±0.2mm)内での自動的かつ精確な位置合わせを可能とすることから、特に有利である。ヒートシンク12上の光源取付ないし着床用区域28は、少なくとも1つの光源30の遮蔽体50に対する位置合わせを保証し、少なくとも1つの光源30に対する遮蔽体50の精確な定置を容易とする。
【0033】
遮蔽体50は、
図3に示すように矢印Bの方向へ伸びている。遮蔽体50は、略平坦な表面14aに略直交して第2部分16に略平行な平面内にある、ということを理解されたい。
【0034】
図5に示すように、少なくとも1つの光源30は、光源取付けないし着床用区域28上へと、従来の手段を用いて(例えば、粘着性物質や接着剤によって)取り付けられている。プリント回路基板ないしPCB32は、略平坦な表面16a上に、複数の位置合わせポスト42を用いて定置されている。それらの位置合わせポスト42は、プリント回路基板ないしPCB32の略U字形の開口45内に受け入れられる。プリント回路基板ないしPCB32と少なくとも1つの光源30とがヒートシンク12上に取り付けられた後、プリント回路基板ないしPCB32が少なくとも1つの光源30へ電力を供給することができるよう、電気接続体34を用いて、少なくとも1つの光源30がプリント回路基板ないしPCB32へ従来知られたやり方で接続される。
【0035】
これらの構成要素がヒートシンク12に取り付けられたときには、光線LRの少なくとも一部の効果的で望ましい遮蔽、遮断、ないしマスキングをもたらすよう、少なくとも1つの光源30が遮蔽体に対して位置合わせされるようになる有利性がある、ということに留意されたい。遮蔽体50は、
図4に示すように不必要な迷光光線LRを遮る遮蔽ないし遮断面をもたらす表面50aを有している。遮蔽体50が無ければ、迷光光線LRが望ましくない方向に(例えば、予め設計された反射器の反射面(
図1)から遠ざかってランプ組立体10の外へ)投射されてしまうであろう。望ましくない方向に投射する光線LRは、グレアや逆戻り眩惑を生じさせるものと見出されている。
【0036】
本明細書で説明された実施形態は、グレアや逆戻り眩惑を軽減し、ないしは完全に排除するための低費用で効果的な手段をもたらす有利性がある。グレアや逆戻り眩惑を軽減するのを容易にするため、表面50aは、迷光光線が望まれるよう(例えば、反射器へ向かって)方向付けられるように、不透明であったり、反射性であったり、肌理を付けられたりしていてもよい。
【0037】
説明される例示においては、遮蔽体50がヒートシンク12の一部として不可分ないし一体的に形成されているが、不可分には形成されていない遮蔽体を用いることもできるであろう、ということを理解されたい。例えば、溶接、粘着剤、または他の型式の固定具ないし固定手段を用いて、遮蔽体(図示せず)を第2部分16に留め付けることができるであろう。
【0038】
説明される例示におけるもう一つの有利な特徴は、遮蔽体50が費用効果の高い完全な解決策をもたらす、ということである。その遮蔽体は、追加部品の必要性を取り除き、熱の消散を増加させるからである。ヒートシンク12は例えば、打ち抜かれた薄板(図示せず)を、それから加工して区域60および62で折り曲げて、遮蔽体50および各翼状部48(
図4)をもたらし、或いは画成することで与えられてよい。この一体品構造は、部品類や組立てを排除してくれるという理由で有利であると見出されている。
【0039】
この例においては、遮蔽体50が略矩形状となっている。しかしながら、遮蔽体50は如何なる所望の形状をも有するようにカスタマイズすることができるであろう、ということを理解されたい。遮蔽体50の縁部50bは、例示においては略真っ直ぐであるが、真っ直ぐではなかったり、別の形状構成(例えば、
図6の代替実施形態に示すように湾曲した、段付きの、或いは非対称な線や縁部)で与えられたりすることができるであろう、ということに留意されたい。
【0040】
遮蔽体50は、少なくとも1つの光源30、プリント回路基板ないしPCB32、および電気接続体34を輸送中や組立中に保護するためのプロテクタをもたらす、ということにも留意されたい。この場合もまた遮蔽体50は、略真っ直ぐであるが、段付きの、湾曲した部分、弓形部分、或いは非対称形状の区域を有することができるであろう。
【0041】
説明される例示において、ヒートシンク12は、従来の材料(例えば、アルミニウムのような金属材料や、他の所望の材料)から、一体品の不可分ないし一体的な構造へと打ち抜かれ、ないしは加工される。しかしながら、ヒートシンク12は、他の従来手法で(例えば、ダイキャスト加工などを用いて)製造することができるであろう、ということも理解されたい。
【0042】
本明細書で説明されたシステムおよび方法は、単独で、ないしは組み合わせて用いられ得る以下の諸特徴のうちの1つないし複数をもたらす有利性がある。
・ グレアを軽減ないし排除するランプ組立体。
・ グレアや逆戻り眩惑を軽減するように、光ビームの少なくとも一部を遮蔽するよう適合されたヒートシンクを有するランプ組立体。
・ グレアや逆戻り眩惑を軽減する目的で、光源からのビームの少なくとも一部を遮蔽するための遮蔽体を有したヒートシンク。
・ 自らに不可分に形成された遮蔽体を有するヒートシンク。
・ 発光ダイオード(LED)などの光源をヒートシンクの遮蔽体に対して位置合わせしたり向きを合わせたりするランプ組立体で用いられるヒートシンク。
・ 光源を支持するヒートシンクの一部として、直接的に付加され、ないしは不可分に形成された遮蔽体。
・ 光源と直接的に関連付けられ、光源に対しての、遮蔽体についての定置、位置合わせ、および公差の、あり得る最適な制御を可能とするヒートシンク。
・ 光源に対して遮蔽体を精確に定置して位置合わせするためのシステムおよび方法。
・ 光源に対して遮蔽体を定置するため、および遮蔽体をヒートシンクへと統合することによって存在する部品の数を減少させるためのシステムおよび方法。
・ グレアや逆戻り眩惑を軽減するように光源からの光を遮蔽するだけでなく、輸送段階や組立段階における光源の保護をもなす遮蔽体。
・ ヒートシンクに不可分に形成された遮蔽体。
・ LED焼けや日焼けの危険性を低減させるために、特定用途向けにカスタマイズすることのできる遮蔽体を有したヒートシンク。
【0043】
この発明(図示されたり本明細書で説明されたりする全ての実施形態を含む)は、単独で、または、一緒に、および/若しくは、本出願において明記される1つないし複数の請求項によって包含される諸特徴(発明の概要および特許請求の範囲で言及される諸特徴や各段階のうちの1つないし複数を含むが、それらには限定されない)のうちの1つないし複数と組み合わせて用いることができるであろう。
本明細書で説明されたシステム、装置、および方法は、この発明の好適な諸実施形態を構成するが、本発明は、まさにこのシステム、装置、および方法に限定されるものではなく、添付特許請求の範囲にて定義された発明の範囲から逸脱することなく、それらの変更がなされてもよい、ということを理解されたい。