(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】自動車窓用解氷液、解氷方法および解氷液輸送方法
(51)【国際特許分類】
C09K 3/18 20060101AFI20220620BHJP
B60S 1/46 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
C09K3/18
B60S1/46 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018136797
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-05-27
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【氏名又は名称】前川 英明
(72)【発明者】
【氏名】アメリー、ノエル
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、コラノフスキ
(72)【発明者】
【氏名】ドニ、テボー
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104087249(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102492582(CN,A)
【文献】特表昭63-502355(JP,A)
【文献】特開平09-132772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0056004(US,A1)
【文献】特開2017-081533(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102899004(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/18
B60S 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用解氷液(10)であって、
‐その液(10)中での総重量パーセントが
40%から50%である、少なくとも
二つのアルカリ金属塩、および
‐その液(10)中での重量パーセントが0.0001%から
60%である、少なくとも水
を含んでな
り、
少なくとも二つのアルカリ金属塩の一つがギ酸カリウムである、解氷液(10)。
【請求項2】
前記アルカリ金属塩の総重量パーセントが45%から50%である、請求項
1に記載の解氷液(10)。
【請求項3】
前記解氷液がアルカリ金属塩としてギ酸カリウムを重量パーセント45%から50%で含む、
請求項1または2に記載の解氷液(10)。
【請求項4】
霜の形成および/または再生を防止するための不凍剤をさらに含
む、請求項
1~3のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項5】
前記不凍剤の重量パーセントが0.0001%から5%である、請求項4に記載の解氷液(10)。
【請求項6】
腐食防止剤をさらに含
む、請求項
1~5のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項7】
前記腐食防止剤の重量パーセントが0.0001%から3%である、請求項6に記載の解氷液(10)。
【請求項8】
水以外の溶媒をさらに含
む、請求項
1~7のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項9】
前記溶媒の重量パーセントが0.0001%から5%である、請求項8に記載の解氷液(10)。
【請求項10】
水以外の溶媒を含まない、請求項1~
7のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項11】
温度-20℃における粘度が10ミリパスカル・秒(mPa・s)未満であることを特徴とする、請求項
1~10のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項12】
氷点が-20℃以下であることを特徴とする、請求項
1~11のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項13】
氷点が-30℃以下であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項14】
少なくとも一部が霜の層に覆われた自動車窓の外表面(30)に散布するための解氷液(10)であって、その解氷液(10)と霜とからなる混合物の氷点が霜単独の時の氷点よりも低
いことを特徴とする、請求項
1~13のいずれか一つに記載の解氷液(10)。
【請求項15】
前記混合物の氷点が-20℃以下であることを特徴とする、請求項14に記載の解氷液(10)。
【請求項16】
ワイパーブレード(20)を備えた自動車窓の外表面(30)を解氷するための方法であって、
‐請求項
1~15のいずれか一つに記載の解氷液を外表面(30)に散布
する工程A、
‐ワイパーブレード(20)を動かさず、外表面への解氷液(10)の散布も行わないでいる遅延工程B、および
‐ワイパーブレード(20)を第一の位置から第二の位置まで動か
す工程C
を含む連続工程を含む、解氷方法。
【請求項17】
前記工程Aにおいて、ワイパーブレード(20)を動かさない、請求項16に記載の解氷方法。
【請求項18】
前記工程Cを、解氷液(10)の外表面への散布と同時に行う、請求項16または17に記載の解氷方法。
【請求項19】
前記工程Cに引き続き、
‐ワイパーブレード(20)を動かさず、外表面への解氷液(10)の散布も行わないでいる遅延工程D、および
‐ワイパーブレード(20)を第二の位置から第一の位置まで動かす工程E
を連続して行う、請求項
16~18のいずれか一つに記載の解氷方法。
【請求項20】
請求項1~
15のいずれか一つに記載の解氷液(10)を輸送するための方法であって、散布が、
‐貯蔵器(6)から解氷液(10)を吸い上げ、
‐流路(64)内に解氷液(10)を循環させ、
‐窓の外表面(30)に解氷液(10)をスプレーもしくは噴出させる
からなることを特徴とする、輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は解氷液、特に自動車窓用解氷液に関するものである。
【0002】
霜は、外気温が0℃よりも低くなってすぐに凍結した多数の水滴からなっており、これら水滴同士の間にはほとんど、あるいは全く結合力がない。
【背景技術】
【0003】
解氷液はフロントガラスのような自動車窓の外表面を解氷するものが知られている。このような解氷液によって自動車のフロントガラス表面にできた霜を融かすことはできるが、解氷液はより改良する必要がある。
【0004】
さらに、解氷液には冬期の道路を解氷するように作られたものも知られている。米国特許2004/0119043A1にはそのような解氷液が開示されている。しかしながら、このような解氷液は自動車用に使用するのにはあまり適していない。
【0005】
自動車には解氷のためのスプレー機構、特に、ウィンドウォッシャー液ポンプを用いたスプレー機構が備えられていることがある。従って、この場合、解氷液はウィンドウォッシャー液ポンプが使用できるものでなければならない。すなわち、解氷液は自動車のワイパー機能と馴染む物理特性、特に、粘性特性を有していなければならない。
【0006】
本発明の目的のひとつは、このような要請に答えることである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明をさらに良く理解できるようにするため、および、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点がさらに明らかになるようにするため、添付した図面を参照しながら詳しい説明を以下に述べる。添付した図面は以下の通りである。
【
図1】
図1は、本発明による解氷方法の様々な工程における自動車のフロントガラス部分の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明による解氷方法の様々な工程における自動車のフロントガラス部分の模式図である。
【
図3】
図3は、本発明による解氷方法の様々な工程における自動車のフロントガラス部分の模式図である。
【
図4】
図4は、本発明による解氷方法の様々な工程における自動車のフロントガラス部分の模式図である。
【
図5】
図5は、本発明による解氷方法の様々な工程における自動車のフロントガラス部分の模式図である。
【
図6】
図6は、解氷液輸送装置およびフロントガラス部分の模式図である。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、
‐液中での総重量パーセントが0.0001%から50%である、少なくとも一つのアルカリ金属塩、および
‐液中での重量パーセントが0.0001%から99.9999%である少なくとも水
を含んでなる自動車用解氷液を提案するものである。
【0009】
本明細書において、成分の重量パーセントとは解氷液の総質量に対する成分の質量比を意味するものである。
【0010】
上記のような構成にすることで、本発明による解氷液は強力な解氷力を持つとともに、自動車用解氷剤として使用可能な物理特性を有するものとなる。
【0011】
本解氷液は、自動車の表面、特に、外表面の少なくとも一部が霜の層に覆われた時に、その上に散布、噴出および/またはスプレーするものである。
【0012】
少なくとも一部が霜の層に覆われた自動車の外表面に散布する本解氷液は、解氷液と霜との混合物の氷点が霜単独の時の氷点よりも低くなるという点に特徴がある。このようにして、解氷液を自動車に散布および/またはスプレーすることで、自動車に付いた霜を融かすことができる。
【0013】
解氷液と霜との混合物の氷点は、たとえば、-20℃以下である。
【0014】
さらに、本解氷液は、特に、窓の外表面に散布された後に霜が形成および/または再生するのを防止、あるいは、少なくとも遅らせることができる。すなわち、本解氷液は窓での再結氷を防止して、特に、運転者の視界を持続的に確保するものである。
【0015】
また本解氷液は、たとえば、窓の外表面についた雪を融かすのに用いてもよい。
【0016】
解氷液の氷点は、特に、含まれるアルカリ金属塩の濃度の関数である。
【0017】
本発明においては、液中の少なくとも一つのアルカリ金属塩の総重量パーセントは50%未満である。すなわち、解氷液が複数のアルカリ金属塩を含む場合、各々のアルカリ金属塩の重量パーセントの総和が50%以下である。
【0018】
好ましくは、少なくとも一つのアルカリ金属塩の総重量パーセントは30%から50%である。より好ましくは、少なくとも一つのアルカリ金属塩の総重量パーセントは40%から50%である。さらに好ましくは、少なくとも一つのアルカリ金属塩の総重量パーセントは45%から50%である。
【0019】
解氷液中の少なくとも一つのアルカリ金属塩の一つは、ギ酸カリウムであってもよい。
【0020】
解氷液は2つ以上のアルカリ金属塩を含んでいてもよい。特に、解氷液は、いくつかのアルカリ金属塩の混合物を含んでいてもよく、アルカリ金属塩としてはギ酸カリウムや他のカリウム塩、金属イオンの酢酸塩、コハク酸塩および/またはギ酸塩などであるが、これらに限定されない。
【0021】
本発明の要旨を逸脱しない範囲で、解氷液は単一のアルカリ金属塩、特に、ギ酸カリウムを含むのであってもよい。あるいは他のアルカリ金属塩を単独に含むような態様でもよい。このような単一のアルカリ金属塩の重量パーセントは、たとえば、45%から50%である。
【0022】
霜の形成および/または再生を防止するために、解氷液には不凍剤がさらに含まれていてもよい。不凍剤よって、窓の表面に油膜が形成されるようになり、表面に霜が形成あるいは再生するのを好適に防止、あるいは遅らせることができる。不凍剤を添加することによって解氷液の氷点が低くできるようにすることが好ましい。
【0023】
不凍剤の重量パーセントは、たとえば、0.0001%から5%である。不凍剤の例としては、エチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコール、メタノール、およびこれらの混合物が挙げられる。不凍剤のモル質量は84g・mol-1であることが好ましい。
【0024】
さらにまた、解氷液は芳香剤を含んでいてもよい。芳香剤は、たとえば、S-リモネンを含んでなるものである。解氷液中における芳香剤の重量パーセントは、たとえば、0.0001%から5%であるが、0.0001%から0.3%であることが好ましく、0.05%から0.2%であることがさらに好ましい。
【0025】
また、解氷液には腐食防止剤がさらに含まれていてもよい。腐食防止剤は、解氷液の収納器、供給路、あるいは自動車のフロントガラス部品の腐食などを防止するためのものである。腐食防止剤は、特に、自動車の金属部品の酸化を防ぐことを目的とするものである。
【0026】
腐食防止剤としては、たとえば、リン酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩およびこれらの混合物が挙げられる。腐食防止剤の重量パーセントは、たとえば、0.0001%から3%である。
【0027】
解氷液には水以外のいかなる溶媒もなくてよい。すなわち、解氷液は水以外の溶媒を含まなくてもよい。
【0028】
態様によっては、解氷液は水以外の溶媒をさらに含んでいてもよい。この水以外の溶媒の重量パーセントは、たとえば、0.0001%から5%である。解氷液には複数の水以外の溶媒が含まれていてもよい。これらの水以外の溶媒の総重量パーセントは、たとえば、0.0001%から5%である。
【0029】
解氷液中に水以外の溶媒を添加することによって、解氷液に洗浄性および/または可溶化性を付与することができる。さらに加えて、解氷液の表面張力を低下させることが可能になることもある。すなわち、溶媒によって解氷液の湿潤力を向上できる場合がある。また、溶媒によって解氷液の氷点を低下させることができる場合もある。
【0030】
特に、解氷液には、グリコールまたはグリコール類に属する化合物が含まれていてもよい。このグリコールまたはグリコール類に属する化合物は他の溶媒を構成するものであってもよい。
【0031】
たとえば、解氷液には氷点を下げるために用いることができる1-メトキシ-2-プロパノールやジプロピレングリコール・モノメチルエーテルが含まれていてもよい。
【0032】
解氷液には、添加することによって解氷液の粘度を変えるための粘性剤が含まれていてもよい。
【0033】
解氷液の粘度は低いことが好ましい。解氷液の粘度は、低温度、特に-15℃では10mPa・s以下であることが好ましい。-15℃における解氷液の粘度は、たとえば、8mPa・s以下である。態様によっては、たとえば、解氷液の粘度は-20℃で10mPa・s以下である。
【0034】
粘度が低いと、環境温度とは無関係に、特に、氷点下においても自動車のウィンドウォッシャー液ポンプによって環境温度の解氷液を輸送することが可能になる。
【0035】
解氷液は氷点が-20℃以下になるように設計されることが好ましい。特に、解氷液の氷点は-20℃から-30℃である。態様によっては、解氷液の氷点は、たとえば、-30℃以下である。
【0036】
本発明による解氷液の一例を以下に記述する。
【0037】
解氷液は、たとえば、ギ酸カリウムを含み、ギ酸カリウムの重量パーセントは解氷液の45%から50%である。この解氷液の氷点は-30℃である。-20℃における粘度は10mPa・s以下である。解氷液は不凍剤をさらに含み、その解氷液中での重量パーセントは0.0001%から5%である。また解氷液には腐食防止剤がさらに含まれていて、その解氷液中での重量パーセントは3%未満である。
【0038】
図1から5に示したように、本発明は、少なくとも1本、ここでは2本のワイパーブレードを備えた自動車窓の外表面30を解氷する方法に関するものでもある。この解氷方法は、たとえば順に、連続する工程A)、工程B)および工程C)を含むものである。
‐工程A)は外表面30に本発明による解氷液を散布する工程である。工程A)の間、ワイパーブレード20は動かさないことが好ましい。
‐工程B)はワイパーブレード20を動かさないでいる遅延工程である。工程B)の間、解氷液10の散布は行わないことが好ましい。
‐工程C)を
図2に示す。工程C)で、ワイパーブレード20は最初の位置P1から第二の位置P2へ移動する。この移動工程C)は外表面30上への解氷液10の散布と同時に行われることが好ましい。また。最初の位置P1はフロントガラス上でのワイパーブレード20の最も下の位置に対応し、第二の位置P2はフロントガラス上でのワイパーブレード20の最も上の位置に対応することが好ましい。
【0039】
工程C)に続いて、たとえば、工程D)および工程E)が行われる。
‐工程D)を
図3に示す。工程D)はワイパーブレード20を動かさないでいる遅延工程である。工程D)の間、解氷液の散布は行わないことが好ましい。
‐工程E)を
図4に示す。工程E)で、ワイパーブレード20は第二の位置P2から最初の位置P1へ移動する。この工程E)は外表面上への解氷液10の散布と同時に行われることが好ましい。あるいは、工程E)の間、解氷液を散布しなくてもよい。
【0040】
工程C)におけるワイパーブレード20の動きは、たとえば、多段階的に行われる。すなわち、ワイパーブレード20は最初の位置P1から第二の位置P2まで、いくつかの連続する段階的な動きによって移動し、各段階の間に数秒の停止時間があってもよい。あるいは、工程C)の間、ワイパーブレード20は工程E)のときよりも遅いスピードで動いてもよい。
【0041】
工程B)および/またはD)それぞれの遅延時間は、たとえば、10秒から1分である。たとえば、工程B)およびD)の各遅延時間は約30秒である。この遅延工程によって、解氷液が外表面30上に留まり作用することが可能になる。すなわち、遅延工程によって、ワイパーブレード20が動き始める前に、霜や霜の一部が融けるのを待つことができる。
【0042】
解氷方法はすすぎ工程をさらに含んでいてもよい。
図5にすすぎ工程を示す。たとえば、すすぎ工程ではウィンドウォッシャー液12または水を外表面30に散布する。このときウィンドウォッシャー液12または水はすすぎ液として機能する。
【0043】
工程A)に先立って、あるいは、工程A)に替えて、工程X)を行ってもよい。
図1に示した工程X)では、自動車のワイパーブレード20が設置されている部分の外表面に解氷液10を散布する。一般に、このような部分は外表面の下部領域で、そこにワイパーブレード20が取り付けられている。すなわち、工程X)では、一方はワイパーブレード20、他方は外表面30または外表面30を覆う霜からなる界面あるいは両者が接触する部分付近の外表面30に解氷液10を散布するものである。
【0044】
特に、外表面上に霜が存在するとき、ワイパーブレード20が引っかかって、霜で動かなくなってしまうことが時としてある。工程X)によれば、ワイパーブレード20を動かす前に、外表面から剥離、解放して、劣化するのを避けることができる。
【0045】
図6には解氷液10を貯蔵器6から自動車の外表面30へ輸送する装置1を示した。
【0046】
装置1は、解氷液10を収納するための解氷液貯蔵器6およびウィンドウォッシャー液12を収納するためのウィンドウォッシャー貯蔵器4を有している。
【0047】
解氷液貯蔵器6は第一循環路を介して噴霧機構につながっている。すなわち、第一循環路は解氷液貯蔵器6と噴霧機構とを連絡するように作られている。第一循環路は、流路64とポンプ62からなっている。ポンプ62によって、解氷液10は解氷液貯蔵器6から噴霧機構へと流路64内を循環することができる。
【0048】
ウィンドウォッシャー貯蔵器4は第二循環路を介して噴霧機構につながっている。すなわち、第二循環路はウィンドウォッシャー貯蔵器と噴霧機構とを連絡するように作られている。第二循環路は、流路44とポンプ42からなっている。ポンプ42によって、ウィンドウォッシャー液12はウィンドウォッシャー貯蔵器4から噴霧機構へと流路44内を循環することができる。
【0049】
噴霧機構は、解氷液10および/またはウィンドウォッシャー液12を外表面部分30に噴霧、スプレーおよび/または散布するように作られる。噴霧機構は、たとえば、自動車のボンネットに配置したり、直接、ワイパーブレード20に設置したり、あるいは、直接、ワイパーブレード20を支えるアームに取り付けたりする。
【0050】
装置1には、さらに制御ユニット8が備えられている。制御ユニット8は上記したポンプ42,62それぞれに連絡していて、これらを駆動させることができる。
【0051】
制御ユニット8は、さらにワイパーブレード20を駆動させるモーター7にも連絡している。このように制御ユニット8は、ワイパーブレード20の動きを制御できるように作られる。
【0052】
本発明は、さらにまた、解氷液10を輸送する方法に関するものである。この輸送方法は、
‐解氷液貯蔵器6から解氷液10を吸い上げ、
‐第一循環路の流路64内に解氷液10を循環させ、
‐外表面30に解氷液10をスプレーもしくは噴出させる
ことを特徴とするものである。