(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】シャッター装置のガイドレール構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/58 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
E06B9/58 A
(21)【出願番号】P 2018207029
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】馬場 寿一
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(72)【発明者】
【氏名】廣長 遼太
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-143437(JP,U)
【文献】実開昭58-85086(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
9/02
9/06- 9/18
9/40- 9/50
9/56- 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール構造であって、
前記ガイドレールの下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成され
、
前記ガイドレールは、前記シャッターカーテンの幅方向の端部がスライド自在に挿入されるガイドレール本体と、前記建物の躯体に取り付けられているとともに、前記ガイドレール本体に前記シャッターカーテンの厚さ方向に連結されたガイドレール副体と、を有して構成されており、前記ガイドレール副体の下部に前記切欠き部が形成され、
前記ガイドレール副体は、上下2本の枠部材で形成されており、下側の枠部材に前記切欠き部がこの下側の枠部材の長さ方向全長に渡って形成されていることを特徴とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項2】
請求項
1に記載のシャッター装置のガイドレール構造において、下端部が地中に埋設されている前記下側の枠部材は、前記地中から露出している第1下枠部材と、前記地中に埋設されている第2下枠部材と、に分割されていることを特徴
とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項3】
建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール構造であって、
前記ガイドレールの下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成され、
前記基礎と前記切欠き部との間には隙間が形成されており、この隙間は、覆い部材で覆われていることを特徴とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項4】
請求項
3に記載のシャッター装置のガイドレール構造において、前記覆い部材は、前記ガイドレールを前記基礎に取り付けるための取付部材にもなっていることを特徴
とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のシャッター装置のガイドレール構造において、前記覆い部材は2個あり、これらの覆い部材は略L字状となっていることを特徴とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項6】
請求項5に記載のシャッター装置のガイドレール構造において、前記2個の覆い部材のうち、一方の覆い部材は、前記ガイドレールの前記下部における側壁部と対面するとともにこの側壁部に止着具により止着される第1面部と、前記基礎と対面するとともにこの基礎に止着具により止着される第2面部とを有しており、他方の覆い部材は、前記ガイドレールの前記下部における後壁部と対面するとともにこの後壁部に止着具により止着される第1面部と、前記基礎と対面するとともにこの基礎に止着具により止着される第2面部とを有していることを特徴とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項7】
建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール構造であって、
前記ガイドレールの下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成され、
前記切欠き部の上端部の高さ位置は、前記基礎の上端部の高さ位置よりも高くなっており、前記切欠き部のうち、前記基礎の前記上端部の前記高さ位置よりも上の部分は、化粧部材で覆われていることを特徴とするシャッター装置のガイドレール構造。
【請求項8】
建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール製造方法であって、
前記ガイドレールは、前記シャッターカーテンの幅方向の端部がスライド自在に挿入されるガイドレール本体と、前記建物の躯体に取り付けられるとともに、前記ガイドレール本体に前記シャッターカーテンの厚さ方向に連結されるガイドレール副体と、を有して構成されており、
前記ガイドレール副体の下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成され、
前記ガイドレール副体は、前記切欠き部が形成されていない第1副体と、前記切欠き部が長さ方向全長に渡って形成されている第2副体と、を有して構成されており、
アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、前記ガイドレール本体と前記第1副体を形成する作業が実施される第1工程と、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、前記基礎の高さ寸法よりも長い長さ寸法を有する前記第2副体を形成する作業が実施される第2工程と、この第2工程の後に、前記第2副体の前記長さ寸法が少なくとも前記基礎の前記高さ寸法と同じ又は略同じとなるように、前記第2副体を切断する作業が実施される第3工程と、を含むことを特徴とするシャッター装置のガイドレール製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載のシャッター装置のガイドレール製造方法において、前記第3工程は、工場又は現場で実施されることを特徴とするシャッター装置のガイドレール製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のシャッター装置のガイドレール製造方法において、前記切欠き部の長さ寸法は、前記基礎の地面からの立上り寸法と同じ又は略同じであることを特徴とするシャッター装置のガイドレール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター装置のシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレール構造及びその製造方法に係り、例えば、ビルや工場・倉庫等の出入口を開閉するための出入口用シャッター装置(言い換えると、管理用シャッター装置)や、管理及び防災併用シャッター装置、車庫用シャッター装置、窓用シャッター装置などの各種のシャッター装置のシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールに利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、建物に形成されている開口部である出入口を開閉するために上下方向に開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置が示されている。出入口の左右両側を形成する壁等の建物の躯体に取り付けられているガイドレールに、シャッターカーテンの左右両端部である幅方向両端部がスライド自在に挿入されていることにより、シャッターカーテンは、これらのガイドレールに案内されて開閉移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ガイドレールを建物の躯体に取り付けるとき、このガイドレールが、建物が配置されている基礎と干渉してしまう場合があり、このような場合には、現場において、例えば、基礎のうち、ガイドレールが干渉する部分を削る作業等が発生するため、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業に手間が掛かっていた。
【0005】
このため、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業を容易に行えるようになるための工夫が求められている。
【0006】
本発明の目的は、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業を容易に行えるようになるシャッター装置のガイドレール構造及びその製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシャッター装置のガイドレール構造は、建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール構造であって、前記ガイドレールの下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
前述したように、従来、ガイドレールを建物の躯体に取り付けるとき、このガイドレールが、建物が配置されている基礎と干渉してしまう場合には、現場において、例えば、基礎のうち、ガイドレールが干渉する部分を削る作業等が発生するため、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業に手間が掛かっていた。
【0009】
しかし、本発明に係るガイドレール構造では、上述のように、ガイドレールの下部には、建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成されているため、従来のように、現場において、基礎のうち、ガイドレールが干渉する部分を削る作業等が不要となる。
【0010】
このため、本発明に係るガイドレール構造によると、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業を容易に行えるようになる。
【0011】
なお、本発明に係るガイドレール構造において、ガイドレールの下端部は、地中に埋設されるものであってもよく、地中に埋設されないものであってもよい。
【0012】
本発明に係るガイドレール構造において、ガイドレールの形式、構造は任意なものでよく、例えば、このガイドレールは、シャッターカーテンの幅方向の端部がスライド自在に挿入されるガイドレール本体と、建物の躯体に取り付けられているとともに、ガイドレール本体にシャッターカーテンの厚さ方向に連結されたガイドレール副体と、を有して構成されており、ガイドレール副体の下部に切欠き部が形成されているものでもよく、これらのガイドレール本体とガイドレール副体とが一体となっているもの等でもよい。
【0013】
前者の場合において、下部に切欠き部が形成されているガイドレール副体の形式、構造は任意なものでよい。
【0014】
ガイドレール副体の形式、構造の第1の例は、ガイドレール副体が1本の枠部材で形成されており、この枠部材の下部に切欠き部が形成されているものである。
【0015】
この第1の例において、枠部材の下端部は、地中に埋設されるものであってもよく、地中に埋設されないものであってもよい。
【0016】
前者の場合には、枠部材は、地中から露出している上枠部材と、地中に埋設されている下枠部材と、に分割されているようにしてもよく、分割されていないようにしてもよい。
【0017】
前者の場合によると、後者の場合と比較して、地中から露出している上枠部材に対して、経年劣化や通常損耗等による交換の必要性が生じた場合、この上枠部材のみを新しい上枠部材と容易に交換することができるようになる。
【0018】
また、ガイドレール副体の形式、構造の第2の例は、上下2本の枠部材で形成されており、下側の枠部材に切欠き部がこの下側の枠部材の長さ方向全長に渡って形成されているものである。
【0019】
この第2の例において、下側の枠部材の下端部は、地中に埋設されるものであってもよく、地中に埋設されないものであってもよい。
【0020】
前者の場合には、下側の枠部材は、地中から露出している第1下枠部材と、地中に埋設されている第2下枠部材と、に分割されているようにしてもよく、分割されていないようにしてもよい。
【0021】
前者の場合によると、後者の場合と比較して、地中から露出している第1下枠部材に対して、経年劣化や通常損耗等による交換の必要性が生じた場合、この第1下枠部材のみを新しい第1下枠部材と容易に交換することができるようになる。
【0022】
以上の本発明に係るガイドレール構造において、基礎と切欠き部との間には隙間が形成されないようにすることが好ましいが、基礎と切欠き部との間に隙間が形成されている場合には、この隙間からガイドレールの内部へ塵や埃、雨水等の異物が極力入らないように、この隙間は、覆い部材で覆われるようにすることが好ましい。
【0023】
なお、本発明に係るガイドレール構造において、ガイドレールは、基礎に取り付けるようにしてもよく、基礎に取り付けなくてもよい。
【0024】
前者の場合において、基礎と切欠き部との間の隙間を覆うための上述した覆い部材を、ガイドレールを基礎に取り付けるための取付部材にもなるようにしてもよい。すなわち、覆い部材を、ガイドレールを基礎に取り付けるための取付部材を兼ねたものとしてもよい。
【0025】
これによると、ガイドレールを基礎に取り付けるための取付部材を別途用意する必要がなくなり、それだけ部品点数の削減化を図ることがきるようになる。
【0026】
以上の本発明に係るガイドレール構造において、切欠き部の上端部の高さ位置は、ガイドレールの製造作業の際に生じる誤差等により、基礎の上端部の高さ位置よりも高くなっていてもよい。すなわち、切欠き部の上端部は、基礎の上端部から露出していてもよい。
【0027】
しかし、この場合には、切欠き部からの塵や埃、雨水等の異物がガイドレールの内部へ極力入らないように、切欠き部のうち、基礎の上端部の高さ位置よりも上の部分は、化粧部材で覆われるようにすることが好ましい。なお、この場合には、化粧部材は、切欠き部を覆うための覆い部材にもなる。
【0028】
したがって、上述した化粧部材を不要とするためには、切欠き部の上端部の高さ位置は、基礎の上端部の高さ位置と同じ又は略同じになるようにすることがより好ましい。
【0029】
本発明に係るシャッター装置の第1のガイドレール製造方法は、建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール製造方法であって、前記ガイドレールの下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成されており、前記ガイドレールをアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により形成する作業が実施される第1工程と、この第1工程の後、前記ガイドレールの前記下部に、少なくとも前記基礎の高さ寸法と同じ長さ寸法を有する前記切欠き部を形成する作業が実施される第2工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0030】
本発明に係る第1のガイドレール製造方法では、上述のように、ガイドレールの下部に、建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部を形成する作業が実施されるため、従来のように、現場において、基礎のうち、ガイドレールが干渉する部分を削る作業等が不要となる。
【0031】
このため、本発明に係る第1のガイドレール製造方法によると、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業を容易に行えるようになる。
【0032】
本発明に係る第1のガイドレール製造方法において、ガイドレールは、シャッターカーテンの幅方向の端部がスライド自在に挿入されるガイドレール本体と、建物の躯体に取り付けられるとともに、ガイドレール本体にシャッターカーテンの厚さ方向に連結され、下部に切欠き部が形成されているガイドレール副体と、を有して構成されているようにし、第1工程では、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、ガイドレール本体とガイドレール副体を形成する作業が実施され、第2工程では、ガイドレール副体の下部に、少なくとも基礎の前記高さ寸法と同じ長さ寸法を有する切欠き部を形成する作業が実施されるようにしてもよい。
【0033】
また、本発明に係るシャッター装置の第2のガイドレール製造方法は、建物に形成されている開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、を含んで構成されているシャッター装置のガイドレール製造方法であって、前記ガイドレールは、前記シャッターカーテンの幅方向の端部がスライド自在に挿入されるガイドレール本体と、前記建物の躯体に取り付けられるとともに、前記ガイドレール本体に前記シャッターカーテンの厚さ方向に連結されるガイドレール副体と、を有して構成されており、前記ガイドレール副体の下部には、前記建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が形成され、前記ガイドレール副体は、前記切欠き部が形成されていない第1副体と、前記切欠き部が長さ方向全長に渡って形成されている第2副体と、を有して構成されており、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、前記ガイドレール本体と前記第1副体を形成する作業が実施される第1工程と、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、前記基礎の高さ寸法よりも長い長さ寸法を有する前記第2副体を形成する作業が実施される第2工程と、この第2工程の後に、前記第2副体の前記長さ寸法が少なくとも前記基礎の前記高さ寸法と同じ又は略同じとなるように、前記第2副体を切断する作業が実施される第3工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0034】
本発明に係る第2のガイドレール製造方法では、上述のように、建物が設置されている基礎と干渉することを防止するための切欠き部が長さ方向全長に渡って形成されている第2副体を形成する作業が実施されるため、従来のように、現場において、基礎のうち、ガイドレールが干渉する部分を削る作業等が不要となる。
【0035】
このため、本発明に係る第2のガイドレール製造方法によると、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業を容易に行えるようになる。
【0036】
なお、本発明に係る第2のガイドレール製造方法において、第2副体の長さ寸法が少なくとも基礎の高さ寸法と同じ又は略同じとなるように、第2副体を切断する作業が実施される第3工程は、工場で実施されるようにしてもよく、現場で実施されるようにしてもよい。
【0037】
また、本発明に係る第2のガイドレール製造方法では、第2工程においてアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により形成される第2副体は、基礎の高さ寸法よりも長い長さ寸法を有しているため、第2工程で形成される第2副体は、基礎の高さ寸法が上記基礎の高さ寸法よりも長い又は短い他の現場でも使用することができる。
【0038】
この場合には、第3工程では、第2副体の長さ寸法が他の現場の基礎の高さ寸法と同じ又は略同じとなるように、第2副体を切断する作業が実施されることになる。
【0039】
以上説明した本発明に係るシャッター装置のガイドレール構造及びその製造方法は、任意の用途のためのシャッター装置のシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールに適用することができ、このシャッター装置は、例えば、ビルや工場・倉庫等の出入口を開閉するための出入口用シャッター装置(言い換えると、管理用シャッター装置)でもよく、管理及び防災併用シャッター装置でもよく、車庫用シャッター装置でもよく、窓用シャッター装置等でもよい。
【0040】
以上の本発明において、ガイドレールの下部に形成する切欠き部の長さ寸法は、任意であるが、建物が設置されている基礎の地面からの立上り寸法と同じあるいは略同じとすることが好ましく、建築基準法の規定や住宅性能表示の規定事項を考慮すると、およそ300mm~400mm程度とすることが好ましい。
【0041】
これによると、工場において、長さ寸法が上述したおよそ300mm~400mm程度の切欠き部をガイドレールに形成する作業を予め実施しておくようにすれば、現場においては、切欠き部の長さ寸法を現場の基礎の地面からの立上り寸法と同じあるいは略同じとなるように微調整する作業を行うだけで済むようになる。
【0042】
なお、ガイドレールの下端部を地中に埋設する場合には、ガイドレールの下部に形成する切欠き部の長さ寸法は、建物が設置されている基礎の地面からの立上り寸法に加えて、ガイドレールの地中埋込み寸法分(言い換えると、地中に埋設されるガイドレールの下端部の長さ寸法分)およそ30mm~100mmを考慮し、およそ400mm~500mm程度とするとよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によると、ガイドレールを建物の躯体に取り付ける作業を容易に行えるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るガイドレール構造が適用されているシャッター装置の全体を示す正面図である。
【
図2】
図2は、
図1のS2-S2線断面図であって、巻取軸とシャッターカーテンを除外して示した図である。
【
図3】
図3は、
図1で示されているガイドレールのS3矢視図である。
【
図6】
図6は、
図4で示されているガイドレールの拡大断面図である。
【
図7】
図7は、
図5で示されているガイドレールの拡大断面図である。
【
図8】
図8は、
図6及び
図7で示されているガイドレール副体単独の建物の躯体である壁側から見た側面図である。
【
図11】
図11は、
図8で示されているガイドレール副体に形成されている切欠き部の上端部の高さ位置が基礎の上端部の高さ位置よりも高くなっている実施形態を示す
図8と同様の図である。
【
図12】
図12は、ガイドレール副体が上下2本の枠部材で形成されている実施形態を示す
図8と同様の図である。
【
図13】
図13は、
図12で示されている下側の枠部材が、上下の第1及び第2下枠部材に分割されている実施形態を示す
図12と同様の図である。
【
図14】
図14は、少なくとも基礎の高さ寸法よりも長い長さ寸法を有し、切欠き部が長さ方向全長に渡って形成されている第2副体単独を示す
図8と同様の図である。
【
図15】
図15は、
図8で示されているガイドレール副体のうち、地中に埋設される部分を切断した実施形態を示す
図8と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係るシャッター装置は、開閉移動自在となっているシャッターカーテンで開閉される建物に形成されている開口部が車両出入口となっている車庫用シャッター装置であり、
図1には、建物の内部(言い換えると、室内)側から見たこの車庫用シャッター装置の全体の正面図が示されている。
【0046】
車庫用シャッター装置のシャッターカーテン1は、多数のスラット2が開閉移動方向である上下方向に連設されることにより形成されているとともに、シャッターカーテン1の幅方向である左右方向の両端部1A,1Bは、建物である車庫の躯体となっている左右の壁3A,3Bに取り付けられた本発明の一実施形態に係る左右のガイドレール4の内部に、上下方向にスライド自在に挿入され、これらのガイドレール4に案内されてシャッターカーテン1が上下方向に移動することにより、建物の躯体である壁3に形成された開口部となっている車両出入口5が開閉される。なお、本実施形態に係るガイドレール4の具体的な構造については、後述する。
【0047】
壁3には、車両出入口5の上部において、シャッターケース6が設置されており、このシャッターケース6の内部に巻取軸7が回転自在に収納され、シャッターケース6の下面に配置されている後述する外まぐさ部材と内まぐさ部材との間のスリットからシャッターカーテン1がシャッターケース6の内部に挿入されていて、シャッターカーテン1の上端部が巻取軸7に結合されているため、巻取軸7がシャッターケース6の内部に配置されている図示しない開閉機で回転することにより、あるいは、シャッターカーテン1の下端部を形成している座板8等に人為的な引き上げ力や引き下げ力を作用させて巻取軸7が回転することにより、シャッターカーテン1は、巻取軸7の巻き取り、繰り出しによって車両出入口5を開閉する上下方向への開閉移動を行う。
【0048】
なお、巻取軸7に、シャッターカーテン1が下方向へ閉じ移動するときの巻取軸7の正回転によりばね力が蓄圧されるリターンばねを配置し、シャッターカーテン1が上方向へ開き移動するための巻取軸7の逆回転を、このリターンばねの蓄圧されたばね力によって補助するようにしてもよい。
【0049】
図1に示されているように、シャッターケース6の表面は、シャッターケース6の骨組みに取り付けられている化粧パネル9で覆われており、この化粧パネル9には、シャッターケース6の左右の側面を覆う第1化粧部材9Aと、シャッターケース6の上面を覆う第2化粧部材9Bと、シャッターケース6の正面と下面の一部とを覆う第3化粧部材9Cとを有するものになっている。本実施形態では、第2及び第3化粧部材9B,9Cはそれぞれ左右2個あり、第2化粧部材9B同士の接続部及び第3化粧部材9C同士の接続部が、帯状の化粧部材9D,9Eで隠されている。
【0050】
図2は、
図1のS2-S2線断面図であって、巻取軸7とシャッターカーテン1を除外して示した図である。
【0051】
この
図2に示されているように、シャッターケース6の骨組みは、左右2個のブラケット10(
図2は、右側のブラケット10が示されている)と、これらのブラケット10に架け渡された架け渡し部材となっていて、横方向(
図1では左右方向)の長さを有している横架部材11,12と、これらの横架部材11,12と同じく架け渡し部材となっていて、横方向(
図1では左右方向)の長さを有している前述の外まぐさ部材13、内まぐさ部材14と、左右2個のブラケット10の間であるシャッターケース6の長さ方向(
図1では左右方向)の途中箇所において、横架部材11と横架部材12に架け渡された帯状の連結部材15と、この連結部材15と同じく、シャッターケース6の長さ方向の途中箇所において、横架部材12と内まぐさ部材14に架け渡された帯状の連結部材16とを含んで構成されている。図示されていないが、連結部材15と16は、それぞれ1個で一組をなし、この組は、左右2個のブラケット10の間に二組設けられている。
【0052】
ブラケット10における壁3側である後端部の上部に配設されている横架部材11は、リップ付きのチャンネル材によって形成され、ブラケット10における壁3側とは反対側である前端部の上部に配設されている横架部材12も、リップ付きのチャンネル材によって形成されている。
【0053】
左右のブラケット10は、
図1で説明した左右の第1化粧部材9Aで隠され、これらのブラケット10におけるシャッターケース6の内側の面には、
図1で示した巻取軸7の端部7Aを支持するための
図2に示す軸受け部材17が結合されている。本実施形態に係る巻取軸7は、シャッターカーテン1の上端部が結合されている回転部材と、この回転部材の内部に不回転の状態で配置され、回転部材の回転中心軸となっている中心軸とを含んで構成されたものとなっており、
図1で示した巻取軸7の端部7Aは、中心軸の端部であるため、軸受け部材17は、端部7Aを回転不能に支持するものとなっている。
【0054】
なお、左右のガイドレール4の壁3への取り付けは、ガイドレール4の上端部を、ブラケット10に隣接した位置であって、外まぐさ部材13と内まぐさ部材14との間の箇所、すなわち、内まぐさ部材14が載置されているまぐさ補助部材22と外まぐさ部材13と2個の緩衝部材23,24とブラケット10とで囲まれる空間部に下から挿入した後に行う。
【0055】
また、シャッターカーテン1の取り付けは、シャッターカーテン1が予め巻き取られている巻取軸7の両端部7Aを、左右のブラケット10のブラケット本体部20に設けられている軸受け部材17に架け渡してこれらの軸受け部材17によって支持させる作業を行い、この作業後に、シャッターカーテン1を巻取軸7から繰り出して、このシャッターカーテン1を、
図2で示されている外まぐさ部材13と内まぐさ部材14との間に形成されているスリットに上から下へ挿通させ、
図1で示されているシャッターカーテン1の左右の両端部1A,1Bをこれらのガイドレール4の内部に上下にスライド自在に挿入させる。
【0056】
なお、
図2で示されているように、本実施形態では、左右のブラケット10は、このブラケット10に形成されているフランジ部21を釘等の結合具26によって壁3に結合することにより、壁3に取り付けられている。また、横架部材11は、壁3に釘等の結合具26により結合されており、外まぐさ部材13も、釘等の結合具25により壁3に結合されている。
【0057】
次に、前述した本実施形態に係るガイドレール4の具体的な構造について詳述する。なお、左右のガイドレール4A,4Bは、左右対称の形状、構造を有しているため、右側のガイドレール4Bの形状、構造について以下説明する。
【0058】
【0059】
これらの
図3~
図5に示されているように、下端部及びその近傍が地中32に埋設されている右側のガイドレール4Bは、ガイドレール本体41と、このガイドレール本体41にシャッターカーテン1の厚さ方向両側に連結されているガイドレール副体42,43と、からなっており、ガイドレール副体42は、ガイドレール本体41よりも壁3B側に配置され、ガイドレール副体43は、ガイドレール本体41よりも壁3Bとは反対側に配置されている。
【0060】
具体的な形状、構造及び取付構造を後述するガイドレール副体42のうち、建物である車庫が設置されている基礎31(床30からの高さ位置がH)の上端部よりも上の部分は、
図4に示されているように、取付部材45により壁3Bに取り付けられており、基礎31の上端部よりも下の部分は、
図5に示されているように、取付部材48,51により基礎31に取り付けられている。
【0061】
なお、
図4で示されているように、壁3Bの内部には、断熱材36や柱部材37等が配置されており、建物の外部(言い換えると、室外)側の壁3Bは、内側壁材33と、外側壁材である化粧部材(言い換えると、表面部材)34と、これらの内側壁材33と化粧部材34との間に配置されている下地材35等で形成されており、建物の内部(言い換えると、室内)側の壁3Bは、化粧部材34と下地材35等で形成されており、化粧部材34とガイドレール副体42との隙間には、この隙間を充填するためのシーリング材38が配置されている。
【0062】
また、
図1及び
図4で示されているように、基礎31と壁3との境界部分には、この部分を覆うための横長のカバー部材29が配置されている。
【0063】
図6は、
図4で示されているガイドレール4Bの拡大断面図であり、
図7は、
図5で示されているガイドレール4Bの拡大断面図である。
【0064】
これらの
図6及び
図7に示されているように、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し成形品であるこれらのガイドレール本体41とガイドレール副体42,43のうち、ガイドレール本体41は、シャッターカーテン1の厚さ方向(
図1では前後方向、
図6及び
図7では上下方向)両側の側壁部41A,41Bと、これらの側壁部41A,41Bのシャッターカーテン1の幅方向(
図1、
図6及び
図7では左右方向)外側の端部同士を接続する後壁部41Cとからなり、シャッターカーテン1の幅方向内側の開口部からシャッターカーテン1の幅方向の端部がガイドレール本体41の内部に挿入される。
【0065】
また、このガイドレール本体41の内部には、シャッターカーテン1の厚さ方向両側と対向する緩衝部材44がガイドレール本体41の係止部41Dに係止されて配置されており、ゴムや合成樹脂等の軟質材料で形成されている緩衝部材44により、シャッターカーテン1は、ガイドレール本体41の内面に直接接触することなく、ガイドレール本体41に案内されて上下に開閉移動できるようになっている。
【0066】
なお、ガイドレール本体41の内部には、間隔をあけて互いに対向している2個の仕切り部41Gが設けられており、この仕切り部41Gと後壁部41Cとで囲まれる空間には、
図4及び
図5で示されているシャッターカーテン1の幅方向の端部1Bに取り付けられている耐風フック部材(抜け止め部材)40のフランジ部40Aが挿入配置されるようになっている。これにより、シャッターカーテン1全体が風圧等によりシャッターカーテン1の厚さ方向に大きく撓み変形しても、ガイドレール本体41の内部に挿入されているシャッターカーテン1の幅方向の端部1Bがガイドレール本体41の内部から抜け出すことが防止される。
【0067】
次に、ガイドレール副体42の形状、構造について説明する。
【0068】
図8は、
図6及び
図7で示されているガイドレール副体42単独の建物の躯体である壁3側から見た側面図であり、また、
図9は、
図8のS9-S9線断面図であり、
図10は、
図8のS10-S10線断面図である。
【0069】
図1に示されているように、本実施形態では、ガイドレール副体42の長さ寸法は、すなわち、ガイドレール副体42の地中32に埋設されている下端部からシャッターケース6の内部まで達している上端部までの長さ寸法は、Lとなっている(
図8も参照)。
【0070】
ガイドレール副体42のうち、上部、すなわち、建物である車庫が設置されている基礎31の上端部よりも上の部分(
図3参照)は、前述の
図6及び
図9に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向両側のうち、ガイドレール本体41の側壁部41Bと間隔をあけて平行となっている側壁部42Aと、この側壁部42Aのシャッターカーテン1の幅方向両端部からガイドレール本体41側へ延出している前後壁部42B,42Cとからなっている。後壁部42Cに設けられた被係止部42Dにガイドレール本体41の側壁部41Bに設けられた係止部41Eが係止されているとともに、前壁部42Bの端部である内側に屈曲している屈曲部42Eが、ガイドレール本体41の側壁部41Bに形成された突片部41Fにビス等の止着具39で止着されることにより、ガイドレール本体41とガイドレール副体42とがシャッターカーテン1の厚さ方向に連結されている。
【0071】
なお、
図6に示されているように、ガイドレール副体42の上部は、略L字状の取付部材45により、壁3の柱部材37に取り付けられている。この取付部材45は、ガイドレール副体42の後壁部42Cと対面するとともにこの後壁部42Cにビス等の止着具46により止着される第1面部45Aと、柱部材37と対面するとともにこの柱部材37にビス等の止着具47により止着される第2面部45Bとを有するものである。
【0072】
一方、ガイドレール副体42のうち、下部、すなわち、基礎31の上端部よりも下の部分(
図3参照)は、前述の
図7及び
図10に示されているように、基礎31側の部分が切り欠かれた切欠き部42Fを有する側壁部42Aと、基礎31側の部分が切り欠かれた切欠き部42Gを有する後壁部42Cを除いて、上部と同じ又は略同じ形状、構造を有している。言い換えると、ガイドレール副体42の下部は、ガイドレール副体42の上部の側壁部42Aにおいて、基礎31側の部分を切り欠いた切欠き部42Fを形成するとともに、上部の後壁部42Cにおいて、基礎31側の部分を切り欠いた切欠き部42Gを形成したものと同じ又は略同じ形状、構造を有するものとなっている。
【0073】
なお、
図7に示されているように、ガイドレール副体42の下部は、2個の略L字状の取付部材48,51により、基礎31に取り付けられている。
取付部材48は、ガイドレール副体42の側壁部42Aと対面するとともにこの側壁部42Aにビス等の止着具49により止着される第1面部48Aと、基礎31と対面するとともにこの基礎31にビス等の止着具50により止着される第2面部48Bとを有している。同様に、取付部材51は、ガイドレール副体42の後壁部42Cと対面するとともにこの後壁部42Cにビス等の止着具52により止着される第1面部51Aと、基礎31と対面するとともにこの基礎31にビス等の止着具53により止着される第2面部51Bとを有している。
【0074】
なお、ガイドレール本体41の側壁部41Aと嵌合しているガイドレール副体43の内部には、例えば、シャッターカーテン1の閉じ移動中において、このシャッターカーテン1の閉じ移動方向に存在する障害物を検出するための検出手段(例えば、光センサや超音波センサ等)や、電動・手動を切り替えるワイヤー等を用いた切替手段などを配置するようにしてもよい。
【0075】
以上説明したように、本実施形態では、ガイドレール4Bを構成するガイドレール副体42を建物の躯体である壁3に取り付けるとき、このガイドレール副体42が建物である壁3Bが配置されている基礎31と干渉してしまうおそれがあるが、ガイドレール副体42の下部には、
図7、
図8及び
図10に示す切欠き部42F,42Gが形成されている。
【0076】
このため、本実施形態によると、従来のように、現場において、基礎31のうち、ガイドレールが干渉する部分を削る作業等が不要となるため、ガイドレール4Bを壁3Bに取り付ける作業を容易に行えるようになる。
【0077】
また、本実施形態では、
図7で示されているように、基礎31と、ガイドレール副体42の側壁部42Aの切欠き部42Fとの間には、隙間S1が形成されており、また、基礎31と、ガイドレール副体42の後壁部42Cの切欠き部42Gとの間には、隙間S2が形成されているが、これらの隙間S1,S2は、ガイドレール副体42を基礎31に取り付けるための取付部材48,51によって覆われる(言い換えると、塞がれる)ようになっている。
【0078】
このため、本実施形態によると、隙間S1,S2からガイドレール副体42の内部へ塵や埃、雨水等の異物が入ることが防止されるようになっている。
【0079】
また、本実施形態では、ガイドレール副体42を基礎31に取り付けるための取付部材48,51は、隙間S1,S2を覆うための覆い部材を兼ねたものとなっている。言い換えると、隙間S1,S2を覆うための覆い部材は、ガイドレール副体42を基礎31に取り付けるための取付部材48,51を兼ねたものとなっている。
【0080】
このため、本実施形態によると、ガイドレール副体42を基礎31に取り付けるための取付部材を別途用意する必要がなくなり、それだけ部品点数の削減化を図ることがきるようになる。言い換えると、隙間S1,S2を覆うための覆い部材を別途用意する必要がなくなり、それだけ部品点数の削減化を図ることがきるようになる。
【0081】
なお、以上説明した本実施形態に係る
図8で示されているガイドレール副体42を含むガイドレール製造方法の一実施形態として、工場において、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、
図6及び
図7で示されているガイドレール本体41及びガイドレール副体42,43を形成する作業が実施される第1工程と、この第1工程の後、ガイドレール副体42の下部に、少なくとも
図3に示す基礎31の高さ寸法Hと同じ又は略同じ長さ寸法(本実施形態では、基礎31の高さ寸法Hと、地中32に埋設される部分の長さ寸法L3を加えた長さ寸法L1)を有する切欠き部42F,42Gを形成する作業が実施される第2工程と、を含むものを挙げることができる。
【0082】
なお、
図3に示されている基礎31の高さ寸法(言い換えると、基礎31の地面からの立上り寸法)Hは、建築基準法の規定や住宅性能表示の規定事項を考慮すると、およそ300mm~400mm程度とすることが好ましい。
【0083】
この場合には、
図3に示されているガイドレール副体42に形成されている切欠き部42F,42Gの長さ寸法L1は、地中32から露出している部分の長さ寸法L2(基礎31の地面からの立上り寸法Hと同じ又は略同じ)に、地中32に埋設されている部分の長さ寸法分(言い換えると、地中埋込み寸法分)L3(およそ30mm~100mm)を加えたおよそ400mm~500mm程度とするとことが好ましい。
【0084】
図11は、ガイドレール副体の別実施形態を示す
図8と同様の図である。本実施形態に係るガイドレール副体52のうち、切欠き部42F,42Gが形成されている部分の長さ寸法L1´は、
図8の実施形態のガイドレール副体42のうち、切欠き部42F,42Gが形成されている部分の長さ寸法(
図11では、下端部から2点鎖線で示されている上端部までの長さ寸法)L1よりも長くなっている。そして、本実施形態に係るガイドレール副体52のうち、切欠き部42F,42Gが形成されていない部分の長さ寸法L4´は、
図8の実施形態のガイドレール副体42のうち、切欠き部42F,42Gが形成されていない部分の長さ寸法L4よりも短くなっている。
【0085】
このため、
図3から分かるように、本実施形態では、ガイドレール副体52の切欠き部42F,42Gの上端部の高さ位置は、基礎31の上端部の高さ位置よりも高くなり、ガイドレール副体52の切欠き部42F,42Gのうち、この切欠き部42F,42Gの長さ寸法L´と、
図8の実施形態のガイドレール副体42の切欠き部42F,42Gの長さ寸法Lとの差分が、基礎31の上端部の上方で露出することになる。
【0086】
前述の
図4に示されているように、ガイドレール副体42のうち、基礎31の上端部の高さ位置よりも上の部分は、化粧部材34で覆われる(言い換えると、隠される)ようになっており、本実施形態においても、ガイドレール副体52のうち、基礎31の上端部の高さ位置よりも上の部分は、化粧部材34で覆われるようになっている。
【0087】
このため、本実施形態では、ガイドレール副体52の切欠き部42F,42Gのうち、基礎31の上端部の上方で露出している部分から、ガイドレール副体52の内部へ塵や埃、雨水等の異物が入ることが防止されるようになっている。
【0088】
このように、ガイドレール副体に形成する切欠き部の長さ寸法が、ガイドレール副体の製造作業の際に生じる誤差により、規定の長さ寸法よりも長くなったとしても、ガイドレール副体の内部へ塵や埃、雨水等の異物が入ることが防止されるようになっている。
【0089】
言い換えると、ガイドレール副体に形成する切欠き部の上端部の高さ位置が、ガイドレールの製造作業の際に生じる誤差により、基礎の上端部の高さ位置よりも高くなったとしても、ガイドレール副体の内部へ塵や埃、雨水等の異物が入ることが防止されるようになっている。
【0090】
以上説明した各実施形態では、ガイドレール副体42,52は、1本の枠部材で形成されており、この枠部材の下部に切欠き部42F,42Gが形成されているものであったが、
図12は、ガイドレール副体が、上下2本の枠部材で形成されており、下側の枠部材に切欠き部がこの下側の枠部材の長さ方向全長に渡って形成されている実施形態を示す
図8と同様の図である。
【0091】
この
図12に示されているように、本実施形態に係るガイドレール副体62は、上下2本の枠部材63,64で形成されており、下側の枠部材64は、2個の枠部材65,66で形成されている。
【0092】
上側の枠部材63は、
図8の実施形態に係るガイドレール副体42のうち、切欠き部42F,42Gが形成されていない部分の長さ寸法L4と同じ又は略同じ長さ寸法を有しており、下側の枠部材65,66は、
図8の実施形態に係るガイドレール副体42のうち、切欠き部42F,42Gが形成されている部分の長さ寸法L1と同じ又は略同じ長さ寸法を有している。
【0093】
そして、上側の枠部材63は、
図8の実施形態に係るガイドレール副体42のうち、切欠き部42F,42Gが形成されていない部分と同じ又は略同じ形状、構造を有している。一方、下側の枠部材65,66のうち、一方の枠部材65は、
図8の実施形態に係るガイドレール副体42のうち、切欠き部42Fが形成されている側壁部42Aと、前壁部42Bとを有する部分と同じ又は略同じ形状、構造を有しており、他方の枠部材66は、
図8の実施形態に係るガイドレール副体42のうち、切欠き部42Gが形成される後壁部42Aと、被係止部42Dとを有する部分と同じ又は略同じ形状、構造を有している。したがって、本実施形態では、2個の枠部材65,66で形成されている下側の枠部材64には、切欠き部42F,42Gがこの枠部材64の長さ方向全長に渡って形成されている。
【0094】
前述した実施形態に係るガイドレール副体42,52の製造は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により枠部材を形成する作業を実施した後、この枠部材の下部に切欠き部を形成する作業を実施する必要があるが、本実施形態に係るガイドレール副体62の製造は、ガイドレール副体62を形成する(言い換えると、構成する)3個の枠部材63,65,66を、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により形成する作業を実施するだけで済むようになる。
【0095】
このため、本実施形態によると、ガイドレール副体の製造作業の簡単化を図れるようになる。
【0096】
以上説明した各実施形態に係るガイドレール副体42,52,62の下端部及びその近傍は、
図3に示されているように、地中32に埋設されるようになっており、これらのガイドレール副体42,52,62のうち、地中32に埋設される部分の長さ寸法は、L3となっている。
【0097】
図13は、
図12の実施形態に係るガイドレール副体62の下側の枠部材65,66のうち、地中32に埋設される部分を分割した実施形態(言い換えると、
図12の実施形態に係るガイドレール副体62の変形例)を示す
図12と同様の図である。
【0098】
この
図13に示されているように、本実施形態では、下側の枠部材64を形成する2個の枠部材65,66のうち、一方の枠部材65は、地中32から露出している(言い換えると、地中32に埋設されない)第1下枠部材65Aと、地中32に埋設される第2下枠部材65Bと、に分割されている。他方の枠部材66も、地中32から露出している第1下枠部材66Aと、地中32に埋設される第2下枠部材66Bと、に分割されている。
【0099】
第1下枠部材65A,66Aの長さ寸法L2は、
図12の実施形態に係るガイドレール副体42の長さ寸法L1から、第2下枠部材65B,66Bの長さ寸法L3を引いた長さ寸法となっている。
【0100】
本実施形態によると、地中32から露出している第1下枠部材65A,66Aに対して、経年劣化や通常損耗等による交換の必要性が生じた場合、この第1下枠部材65A,66Aのみを新しい第1下枠部材65A,66Aと容易に交換することができるようになる。
【0101】
なお、第1下枠部材65A,66Aと、第2下枠部材65B,66Bは、前述した
図7で示されている取付部材48,51により基礎31に取り付けられるものとなっている。
【0102】
図14は、
図12の実施形態に係るガイドレール副体62の下側の枠部材64の別変形例を示す
図12(B)と同様の図である。
【0103】
本実施形態に係る下側の枠部材80は、
図12の実施形態と同様に、2個の枠部材81,82で形成されており、これらの枠部材81,82のうち、一方の枠部材81は、切欠き部42Fが形成されている側壁部42Aと、前壁部42Bとを有するものとなっており、他方の枠部材82は、切欠き部42Gが形成される後壁部42Aと、被係止部42Dとを有するものとなっている。
【0104】
図14に示されている2個の枠部材81,82の長さ寸法L5は、少なくとも
図3に示されている床30からの基礎31の高さ寸法Hよりも長い長さ寸法(本実施形態では、基礎31の高さ寸法Hと、枠部材81,82のうち、地中32に埋設される部分の長さ寸法L3を加えた長さ寸法L1よりも長い長さ寸法)となっている。
【0105】
本実施形態では、長さ寸法がL5となっている長尺の枠部材である2個の枠部材81,82を、
図3で示されている現場の基礎31に取り付けるためには、まず、2個の枠部材81,82のそれぞれを長さ寸法がL1となるように、2個の枠部材81,82のそれぞれを
図14で示されている上下本の2点鎖線のうち、上の2点鎖線で示された箇所で切断する作業を工場又は現場において実施する。この後、長さ寸法がL1となった2個の枠部材81,82のそれぞれを、
図7で示されているように、取付部材48,51により現場の基礎31に取り付ける作業を実施する。
【0106】
なお、長さ寸法がL1となるように切断した2個の枠部材81,82を、
図3に示す地中32に埋設する部分(長さ寸法がL3)と、地中32に埋設しない部分(長さ寸法がL2)とに分割する場合には、上述した切断作業の後、2個の枠部材81,82のそれぞれを
図14で示されている上下本の2点鎖線のうち、下の2点鎖線で示された箇所で切断する作業を工場又は現場において実施する。
【0107】
なお、以上説明した2個の枠部材81,82で形成されるガイドレール副体の下側の枠部材80を含むガイドレール製造方法の一実施形態として、工場において、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、
図6及び
図7で示されているガイドレール本体41及びガイドレール副体43と、
図12及び
図13で示されているガイドレール副体62の上側の枠部材63を形成する作業が実施される第1工程と、工場において、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により、
図14に示されているガイドレール副体の下側の枠部材80を形成するものであって
図3に示す基礎31の高さ寸法Hよりも長い長さ寸法L5を有する2個の長尺の枠部材81,82を形成する作業が実施される第2工程と、この第2工程の後に、工場又は現場において、2個の枠部材81,82のそれぞれの長さ寸法がL1となるように、2個の枠部材81,82のそれぞれを切断する作業が実施される第3工程と、を含むものを挙げることができる。
【0108】
なお、この製造方法では、
図12及び
図13で示されているガイドレール副体62を形成する上側の枠部材63が、本実施形態に係る第1副体となっており、
図14で示されている2個の枠部材81,82で形成される下側の枠部材80が、本実施形態に係る第2副体となっている。
【0109】
以上のことからわかるように、本実施形態では、第2工程においてアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により形成される2個の枠部材81,82は、基礎31の高さ寸法Hよりも長い長さ寸法を有しているため、この第2工程で形成される2個の枠部材81,82は、基礎の高さ寸法が上記基礎31の高さ寸法Hよりも長い又は短い他の現場でも使用することができる。
【0110】
なお、前述した
図8の実施形態において、ガイドレール副体42のうち、地中32に埋設される部分を、
図15で示されているように、ガイドレール副体42から分割するようにしてもよい。この場合には、切欠き部42Fを有する枠部材91と、切欠き部42Gを有する枠部材92とで形成される長さ寸法がL3の枠部材90が生成されることになる。
【0111】
なお、ガイドレール副体42の形状、構造は、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、任意なものでよい。例えば、ガイドレール副体42は、ガイドレール本体41と同様に、シャッターカーテン1の厚さ方向(
図1では前後方向、
図6及び
図7では上下方向)両側の側壁部を有するものあってもよい。
【0112】
また、ガイドレール本体41やガイドレール副体43の形状、構造も、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、任意なものでよい。
【0113】
なお、以上説明した各実施形態では、ガイドレール4B(ガイドレール4Aも同様)は、ガイドレール本体41とガイドレール副体42,43とから構成されるものであったが、ガイドレール4Bは、ガイドレール本体41とガイドレール副体42,43を一体化したものであってもよい。
【0114】
また、以上説明した各実施形態において、シャッターカーテン1の閉じ移動中において、このシャッターカーテン1の閉じ移動方向に存在する障害物を検出するための検出手段(例えば、光センサや超音波センサ等)などを備える必要がなければ、ガイドレール副体43はなくてもよい。すなわち、ガイドレール4Bは、ガイドレール本体41とガイドレール副体42とから構成されるものであってもよい。この場合には、ガイドレール4Bは、ガイドレール本体41とガイドレール副体42を一体化したものであってもよい。
【0115】
なお、以上説明した各実施形態では、ガイドレール3の下端部及びその近傍は、
図3に示すように、地中32に埋設されるものあったが、地中32に埋設されるものでなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、例えば、車庫用シャッター装置や窓用シャッター装置等の各種用途のためのシャッター装置のシャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールに利用することができる。
【符号の説明】
【0117】
1 シャッターカーテン
1A,1B シャッターカーテンの幅方向の端部
3,3A,3B 建物の躯体である壁
4,4A,4B ガイドレール
5 開口部である車両出入口
31 基礎
34 化粧部材
41 ガイドレール本体
42,52,62 ガイドレール副体
42F,42G 切欠き部
48,51 覆い部材を兼ねる取付部材
63 ガイドレール副体を形成する上側の枠部材であって第1副体
64 ガイドレール副体を形成する上側の枠部材
65A,66A ガイドレール副体の下側の枠部材を形成する第1下枠部材
65B,66B ガイドレール副体の下側の枠部材を形成する第2下枠部材
80 第2副体
S1,S2 基礎と切欠き部との隙間