(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】放送受信器の音声入力システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20220620BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20220620BHJP
G10L 15/30 20130101ALI20220620BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20220620BHJP
H04H 60/44 20080101ALI20220620BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20220620BHJP
【FI】
H04B1/16 R
G10L15/22 453
G10L15/30
G10L15/00 200G
G10L15/00 200J
H04H60/44
H04H60/82
(21)【出願番号】P 2018235137
(22)【出願日】2018-12-17
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】有北 知弘
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022033(JP,A)
【文献】特開2003-223183(JP,A)
【文献】特開2002-118478(JP,A)
【文献】特開2007-178927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
G10L 15/22
G10L 15/30
G10L 15/00
H04H 60/44
H04H 60/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから発話音声の入力を受け付けて放送受信器の選局動作を制御する、放送受信器の音声入力システムであって、
各放送局について当該放送局と呼称が類似する放送局を管理する呼称類似放送局管理手段と、
前記各放送局のうち前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局を管理する受信可能放送局管理手段と、
ユーザから入力を受け付けた発話音声が呼称を表す放送局を音声認識する音声認識手段と、
選局制御手段とを有し、
前記選局制御手段は、
前記音声認識手段が音声認識した放送局を、前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している場合に、当該音声認識した放送局を選局するように前記放送受信器を制御し、
前記音声認識手段が音声認識した放送局を、前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理していない場合に、前記呼称類似放送局管理手段が当該音声認識した放送局に呼称が類似する放送局として管理している放送局であって、前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している放送局である受信可能呼称類似放送局が存在するときに、当該受信可能呼称類似放送局を選局するように前記放送受信器を制御することを特徴とする放送受信器の音声入力システム。
【請求項2】
各々ユーザによって使用される放送受信器を備えた複数の個別システムと、前記個別システムが通信を介してアクセス可能なサーバとを備え、前記ユーザから発話音声の入力を受け付けて当該ユーザが使用する前記放送受信器の選局動作を制御する、放送受信器の音声入力システムであって、
前記個別システムは、
ユーザから発話音声の入力を受け付けて、入力を受け付けた発話音声を前記サーバに前記通信を介して送信する音声送信手段と、
各放送局のうち前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局を通知する受信可能放送局通知を前記通信を介して前記サーバに送信する受信可能放送局通知手段と、
前記サーバから受信した選局指示で選局を指示された放送局を選局するように、前記放送受信器の選局動作を制御する選局動作制御手段とを有し、
前記サーバは、
各放送局について当該放送局と呼称が類似する放送局を管理する呼称類似放送局管理手段と、
各個別システムから受信した前記受信可能放送局通知に基づいて、各個別システムの前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局を管理する受信可能放送局管理手段と、
前記個別システムから受信した発話音声が呼称を表す放送局を音声認識する音声認識手段と、
選局指示手段とを有し、
前記選局指示手段は、
前記音声認識手段が音声認識した放送局を、当該音声認識した発話音声の送信元の個別システムである発話音声送信元個別システムの前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している場合に、当該音声認識した放送局の選局を指示する選局指示を、前記発話音声送信元個別システムに送信し、
前記音声認識手段が音声認識した放送局を、前記発話音声送信元個別システムの前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理していない場合に、前記呼称類似放送局管理手段が当該音声認識した放送局に呼称が類似する放送局として管理している放送局であって、前記発話音声送信元個別システムの前記放送受信器が
現時点において受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している放送局である受信可能呼称類似放送局が存在するときに、当該受信可能呼称類似放送局の選局を指示する選局指示を、前記発話音声送信元個別システムに送信することを特徴とする放送受信器の音声入力システム。
【請求項3】
請求項2記載の放送受信器の音声入力システムであって、
前記個別システムは自動車に搭載される車載のシステムであることを特徴とする放送受信器の音声入力システム。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の放送受信器の音声入力システムであって、
前記呼称類似放送局管理手段は、各放送局について、少なくとも、当該放送局の名称と略称が同じ放送局を、当該放送局と呼称が類似する放送局して管理することを特徴とする放送受信器の音声入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信器の音声入力を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送受信器の音声入力を行う技術としては、ユーザが発声した音声が表す放送局名を音声認識し、音声認識した放送局名の放送局の放送エリア内に現在位置が含まれるときには、当該放送局の選局を放送受信器に行わせ、音声認識した放送局名の放送局の放送エリア内に現在位置が位含まれていないときには、音声認識した放送局名の放送局と同じ放送局系列に属する放送局であって、当該放送局の放送エリアに現在位置が含まれる放送局の選局を放送受信器に行わせる技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザによって放送局名が、当該ユーザの属する地域で慣用されている当該放送局の略称で音声入力されることがある。また、このような略称や呼称が、離れた地域の他の放送局の正規の名称と同じもしくは酷似している場合がある。
【0005】
そして、このような場合には、音声入力が表す名称を正規の名称とする放送局が音声認識されることとなり、ユーザの意図した放送局への選局を放送受信器に行わせることができなくなる。
【0006】
そこで、本発明は、音声入力による、よりユーザの意図に沿った放送受信器の選局を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、ユーザから発話音声の入力を受け付けて放送受信器の選局動作を制御する、放送受信器の音声入力システムに、各放送局について当該放送局と呼称が類似する放送局を管理する呼称類似放送局管理手段と、前記放送受信器が受信可能な放送局を管理する受信可能放送局管理手段と、ユーザから入力を受け付けた発話音声が呼称を表す放送局を音声認識する音声認識手段と、選局制御手段とを備えたものである。ここで、前記選局制御手段は、前記音声認識手段が音声認識した放送局を、前記放送受信器が受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している場合に、当該音声認識した放送局を選局するように前記放送受信器を制御し、前記音声認識手段が音声認識した放送局を、前記放送受信器が受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理していない場合に、前記呼称類似放送局管理手段が当該音声認識した放送局に呼称が類似する放送局として管理している放送局であって、前記放送受信器が受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している放送局である受信可能呼称類似放送局が存在するときに、当該受信可能呼称類似放送局を選局するように前記放送受信器を制御する。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、各々ユーザによって使用される放送受信器を備えた複数の個別システムと、前記個別システムが通信を介してアクセス可能なサーバとを備え、前記ユーザから発話音声の入力を受け付けて当該ユーザが使用する前記放送受信器の選局動作を制御する、放送受信器の音声入力システムを提供する。ここで、前記個別システムは、ユーザから発話音声の入力を受け付けて、入力を受け付けた発話音声を前記サーバに前記通信を介して送信する音声送信手段と、前記放送受信器が受信可能な放送局を通知する受信可能放送局通知を前記通信を介して前記サーバに送信する受信可能放送局通知手段と、
前記サーバから受信した選局指示で選局を指示された放送局を選局するように、前記放送受信器の選局動作を制御する選局動作制御手段とを備えている。また、前記サーバは、各放送局について当該放送局と呼称が類似する放送局を管理する呼称類似放送局管理手段と、各個別システムから受信した前記受信可能放送局通知に基づいて、各個別システムの前記放送受信器が受信可能な放送局を管理する受信可能放送局管理手段と、前記個別システムから受信した発話音声が呼称を表す放送局を音声認識する音声認識手段と、選局指示手段とを備えている。そして、前記選局指示手段は、前記音声認識手段が音声認識した放送局を、当該音声認識した発話音声の送信元の個別システムである発話音声送信元個別システムの前記放送受信器が受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している場合に、当該音声認識した放送局の選局を指示する選局指示を、前記発話音声送信元個別システムに送信し、前記音声認識手段が音声認識した放送局を、前記発話音声送信元個別システムの前記放送受信器が受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理していない場合に、前記呼称類似放送局管理手段が当該音声認識した放送局に呼称が類似する放送局として管理している放送局であって、前記発話音声送信元個別システムの前記放送受信器が受信可能な放送局として前記受信可能放送局管理手段が管理している放送局である受信可能呼称類似放送局が存在するときに、当該受信可能呼称類似放送局の選局を指示する選局指示を、前記発話音声送信元個別システムに送信する。
【0009】
ここで、この音声入力システムにおいて、前記個別システムは自動車に搭載される車載のシステムであってよい。
また、以上の放送受信器の音声入力システムは、前記呼称類似放送局管理手段において、各放送局について、少なくとも、当該放送局の名称と略称が同じ放送局を、当該放送局と呼称が類似する放送局して管理するように構成してもよい。
【0010】
ここで、たとえば、たとえば、「あいうえお放送」を受信可能で、「あい放送」を受信できない地域内において、ユーザが「あいうえお放送」を選局する意図で「あいうえお放送」の慣用的な略称となっている「あい放送」と発声した場合には、「あい放送」が受信可能でないことより「あい放送」はユーザが選局を意図した放送でないと推定される。一方、このような場合には、「あい放送」と呼称が類似している放送局であって、受信可能な「あいうえお放送」こそがユーザが選局を意図した放送局である蓋然性が高い。
【0011】
したがって、本発明に係る音声入力システムの構成によって、ユーザの発声音声を声認識手段が音声認識した放送局が放送受信器が受信可能な放送局でない場合に、当該音声認識した放送局に呼称が類似する放送局として管理している放送局であって、前記放送受信器が受信可能な放送局を選局するように放送受信器を制御することにより、よりユーザの意図に沿った放送受信器の選局を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、音声入力による、よりユーザの意図に沿った放送受信器の選局を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る車載システムと音声認識サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る放送局データベース、クライアント管理テーブルを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る音声入力サービス提供処理を示すフローチャートであえう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る情報システムの構成を示す。
図示するように、情報システムは、各々自動車に搭載される車載システム1と、音声認識サーバ2を備えており、各車載システム1は移動通信とインターネットなどのWAN3を介して音声認識サーバ2を利用することができる。
【0015】
次に、
図2に、車載システム1と音声認識サーバ2の構成を示す。
図示するように、車載システム1は、TV放送を受信するTV放送受信器11、現在位置の算出や地図上に現在位置や目的地までの経路を表したナビゲーション画面の出力を行うナビゲーション装置12、マイクロフォン13、スピーカ14、入力装置15、表示装置16、移動通信を行う移動通信装置17、制御部18を備えている。
【0016】
制御部18は、TV放送受信器11が受信したTV放送の映像の表示装置16への表示や、TV放送受信器11が受信したTV放送の音声のスピーカ14の出力や、ナビゲーション装置12が出力するナビゲーション画面の表示装置16への表示等を、入力装置15からのユーザ操作等に応じて制御する。
【0017】
次に、音声認識サーバ2は、音声入力サービス提供サーバ21、クライアント管理サーバ22、音声認識エンジン23、放送局名辞書24、放送局データベース25、クライアント管理テーブル26を備えている。
【0018】
放送局名辞書24には、全国のTV放送の各放送局の放送局名の音声認識用データが格納されており、音声認識エンジン23は、放送局名辞書24を用いて、音声認識対象の音声が放送局名を表す放送局を認識する。
【0019】
次に、
図3aに示すように、放送局データベース25には、全国の各放送局に各々対応する放送局レコードが登録されており、各放送局レコードには、当該放送局レコードに対応する放送局である対応放送局と、類似呼称放送局が登録されている。ここで、類似呼称放送局としては、正規の放送局名が対応放送局の正規の放送局名と類似する放送局、放送局名の略称が対応放送局の正規の放送局名と同じまたは類似する放送局等を含める
また、クライアント管理テーブル26は、各車載システム1に各々対応するクライアントレコードを有し、各クライアントレコードには、対応する車載システム1のIDと、対応する車載システム1で受信可能な放送局のリストが登録される。
【0020】
さて、このような構成において、車載システム1の制御部18は、TV放送受信器11が受信可能な放送局が変化したならば、現在、TV放送受信器11で受信可能な放送局のリストを含めた更新要求を、音声認識サーバ2のクライアント管理サーバ22に移動通信装置17を介して送信する。
【0021】
ここで、TV放送受信器11は、受信可能な放送局をリモコン番号と対応づけて登録したプリセットテーブルを備えており、TV放送受信器11は、受信可能な放送局を探索し、探索した受信可能な放送局のみが、各々異なるリモコン番号と対応づけて登録されているようにプリセットテーブルを更新する放送局スキャンを定期的もしくは所定の契機で行う。そして、制御部18は、ユーザから入力装置15を介して、プリセットテーブルに登録された放送局の選択を、リモコン番号の指定により受け付けて、TV放送受信器11で受信し出力する放送局を、選択を受け付けた放送局に切り替えることができる。
【0022】
そして、制御部18は、プリセットテーブルが更新されたときに、更新の後のプリセットテーブルに登録されている放送局のリストを、TV放送受信器11で受信可能な放送局のリストとして、当該リストを含めた更新要求を音声認識サーバ2のクライアント管理サーバ22に送信する。
【0023】
一方、音声認識サーバ2のクライアント管理サーバ22は、更新要求を受信すると、クライアント管理テーブル26の更新要求元の車載システム1のIDが登録されたクライアントレコードの、受信可能な放送局のリストを、更新要求に含まれる放送局のリストに更新する。
【0024】
また、制御部18は、ユーザから音声入力を要求されると、マイクロフォン13から入力するユーザの音声の音声データを含めた音声入力サービス提供要求を音声入力サービス提供サーバ21に、移動通信装置17を介して送信する。
【0025】
一方、音声入力サービス提供サーバ21は、音声入力サービス提供処理によって、車載システム1から受信した音声入力サービス提供要求を処理する。
以下、この音声入力サービス提供サーバ21が行う音声入力サービス提供処理について説明する。
図4に、音声入力サービス提供処理の手順を示す。
図示するように、音声入力サービス提供サーバ21は、車載システム1から音声入力サービス提供要求を受信したならば(ステップ402)、音声認識エンジン23に、音声入力サービス提供要求に含まれる音声データの音声認識を行わせる(ステップ404)。
【0026】
そして、音声認識エンジン23が音声認識に失敗したならば(ステップ406)、所定のエラー通知を、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1に送信して(ステップ416)、ステップ402に戻り、次の音声入力サービス提供要求の受信を待つ。
【0027】
一方、音声認識エンジン23が音声認識に成功したならば(ステップ406)、音声認識エンジン23が音声認識した放送局が、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1が現在受信可能な放送局であるかどうかを、クライアント管理テーブル26の音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1のIDが登録されたクライアントレコードの受信可能な放送局のリストを参照して判定する(ステップ408)。
【0028】
そして、音声認識した放送局が要求元の車載システム1が現在受信可能な放送局であれば(ステップ408)、当該要求元の車載システム1に、音声認識した放送局を選局するよう指示する選局コマンドを送信する(ステップ410)。そして、ステップ402に戻り、次の音声入力サービス提供要求の受信を待つ。
【0029】
一方、音声認識した放送局が要求元の車載システム1が現在受信可能な放送局でなければ(ステップ408)、放送局データベース25の、音声認識した放送局が対応放送局として登録されている放送局レコードに、類似呼称放送局として登録されている放送局を取得する。そして、類似呼称放送局として登録されている放送局のうちに、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1が現在受信可能な放送局が存在するかどうかを、クライアント管理テーブル26の音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1のIDが登録されたクライアントレコードの受信可能な放送局のリストを参照して判定する(ステップ412)。
【0030】
そして、類似呼称放送局として登録されている放送局のうちに、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1が現在受信可能な放送局が存在しない場合には(ステップ412)、所定のエラー通知を、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1に送信して(ステップ416)、ステップ402に戻り、次の音声入力サービス提供要求の受信を待つ。
【0031】
一方、類似呼称放送局として登録されている放送局のうちに、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1が現在受信可能な放送局が存在した場合には(ステップ412)、存在した放送局を選局するよう指示する選局コマンドを、音声入力サービス提供要求の要求元の車載システム1に送信する(ステップ414)そして、ステップ402に戻り、次の音声入力サービス提供要求の受信を待つ。
【0032】
以上、音声入力サービス提供サーバ21が行う音声入力サービス提供処理について説明した。
さて、以上の音声入力サービス提供処理によって送信された、選局コマンドを受信した車載システム1の制御部18は、選局コマンドで指定された放送局に、TV放送受信器11で受信し出力する放送局を切り替える。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明した。
このように、本実施形態によれば、たとえば、「桜島テレビ」を受信可能で、「桜テレビ」を受信できない地域内において、ユーザが「桜島テレビ」を選局する意図で「桜島テレビ」の略称である「さくらてれび」と車載システム1に向かって発声すると、「さくらてれび」の音声データが音声認識サーバ2に送られる。音声認識サーバ2は、音声データ「さくらてれび」に対して、放送局「桜テレビ」を音声認識するが、「桜テレビ」が車載システム1が受信可能な放送局でないのでユーザが選局を意図した放送局ではなく、音声認識した「桜テレビ」と呼称が類似し、車載システム1が受信可能な放送局である「桜島テレビ」こそがユーザが選局を意図した放送局であると推定し、選局を意図した放送局であると推定した放送局「桜島テレビ」の選局コマンドを車載システム1に送る。そして、「桜島テレビ」の選局コマンドを受け取った車載システム1は選局コマンドで指定された放送局「桜島テレビ」に、TV放送受信器11で受信し出力する放送局を切り替える。
【0034】
そして、この結果、ユーザが略称「さくらてれび」で選局を意図した「桜島テレビ」の音声入力による選局動作がTV放送受信器11において行われる。
ところで、以上の実施形態では、音声入力の処理における、音声認識や選局コマンドの生成を音声認識サーバ2において行ったが、これは、音声認識サーバ2を設けずに、音声認識サーバ2の音声入力サービス提供サーバ21、音声認識エンジン23、放送局名辞書24、放送局データベース25等の機能を各車載システム1に設けて、車載システム1において単独で音声認識や選局コマンドの生成を行うようにしてもよい。
【0035】
また、以上の実施形態では、TV放送の放送局の選局を行う場合について示したが、本実施形態はラジオ放送の放送局の選局を行う場合についても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…車載システム、2…音声認識サーバ、3…WAN、11…TV放送受信器、12…ナビゲーション装置、13…マイクロフォン、14…スピーカ、15…入力装置、16…表示装置、17…移動通信装置、18…制御部、21…音声入力サービス提供サーバ、22…クライアント管理サーバ、23…音声認識エンジン、24…放送局名辞書、25…放送局データベース、26…クライアント管理テーブル。