(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】GLP-1受容体リガンド部分コンジュゲート化オリゴヌクレオチドおよびその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 14/575 20060101AFI20220620BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20220620BHJP
A61P 3/08 20060101ALI20220620BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220620BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20220620BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220620BHJP
A61K 31/7115 20060101ALI20220620BHJP
A61K 31/712 20060101ALI20220620BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20220620BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20220620BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20220620BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220620BHJP
A61K 47/59 20170101ALI20220620BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20220620BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20220620BHJP
【FI】
C07K14/575
C12N15/113 Z ZNA
A61P3/08
A61P35/00
A61K31/7088
A61P43/00 121
A61K31/7115
A61K31/712
A61K31/7125
A61K31/713
A61K48/00
A61K47/54
A61K47/59
A61K47/64
A61K47/68
(21)【出願番号】P 2018557878
(86)(22)【出願日】2017-05-04
(86)【国際出願番号】 US2017031010
(87)【国際公開番号】W WO2017192820
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-04-10
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593073230
【氏名又は名称】アイオニス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IONIS PHARMACEUTICALS,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】391008951
【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・ピー・モニア
(72)【発明者】
【氏名】タザ・ピー・プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ガース・エイ・キンバーガー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・リー
(72)【発明者】
【氏名】プニト・ピー・セス
(72)【発明者】
【氏名】シャリニ・アンデション
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ・カリーナ・アンマラ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ローラン・クネール
(72)【発明者】
【氏名】アストリッド・マリア・エルヴェゴード-ハルヴァーション
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ドゥルーリー
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ヴァルール
【審査官】坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-525901(JP,A)
【文献】特表2014-524908(JP,A)
【文献】国際公開第2014/203518(WO,A1)
【文献】Nucleic Acids Research,2010年,Vol.38, No.19,p.6567-6576
【文献】Journal of Drug Targeting,2013年,Vol.21, No.1,p.27-43,DOI:10.3109/1061186X.2012.740674,オンラインで取得した文献のため、ページが一致していません。
【文献】Nucleic Acid Therapeutics,2013年,Vol.23, No.6,p.369-378
【文献】The Journal of Nuclear Medicine,2007年,Vol.48, No.5,p.736-743
【文献】Science Advances,2018年10月17日,Vol.4,eaat3386
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 14/575
C12N 15/113
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾糖、または少なくとも1つの修飾核酸塩基を含
む膵臓細胞におけるRNA転写産物に相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドであり、
前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は
(a)His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)(ここで、Aibはアミノイソ酪酸である);または
(b)His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)(ここで、Aibはアミノイソ酪酸であり、Penはペニシラミンである);
のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分であり、
前記コンジュゲートリンカーが
(a)
【化1】
(式中、
Xは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する);または
(b)
【化2】
(式中、
Xは、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し);および
Yは、ホスフェート基を含み、直接または間接的に修飾オリゴヌクレオチドに付着する);または
(c)
【化3】
(式中、Xはジスルフィド結合を含み、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
T
1は、前記修飾オリゴヌクレオチドを含み;かつBxは、修飾または非修飾核酸塩基である);または
(d)
【化4】
(式中、
前記ホスフェート基は、前記修飾オリゴヌクレオチドに連結され、かつYは、前記コンジュゲート基に連結され;
Yは、ホスホジエステルまたはアミノ(-NH-)基であり;
Zは、式:
【化5】
を有するピロリジニル基であり;
jは、0または1であり;
nは、約1~約10であり;
pは、1~約10であり;
mは、0または1~4であり;および
Yがアミノである場合、mは、1である);または
(e)
【化6】
を含む、化合物。
【請求項2】
前記コンジュゲートリンカーが前記修飾オリゴヌクレオチドを前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記修飾オリゴヌクレオチドが15~30個の結合ヌクレオシドの長さである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記修飾オリゴヌクレオチドが
結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;および
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、前記ギャップセグメントは、前記5’ウイングセグメントおよび前記3’ウイングセグメントに直接隣接してかつそれらの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子形式の配列表と共に出願されている。配列表は、2017年4月27日に作成された、29kbサイズのBIOL0303WOSEQ_ST25.txtという名称のファイルとして提供される。配列表の電子形式の情報は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本実施形態は、GLP-1受容体を発現している細胞を標的化するための化合物および方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
GLP-1受容体は、刺激性Gタンパク質受容体を介してアデニル酸シクラーゼに結合するクラス2のGタンパク質共役受容体である。腸栄養刺激により、グルカゴン様ペプチド-1が循環中に放出される。循環するGLP-1は、膵臓のβ膵島細胞上のGLP-1受容体に結合する。これは、GLP-1受容体を活性化し、β膵島細胞からのインスリン開口分泌をもたらすシグナル伝達事象を誘導する。GLP-1およびGLP-1受容体の結合によって受容体が細胞質中へ内部移行し、最終的にリソソーム中へ選別される(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Kuna et al.,2013 Am J Physiol Endo Metab 305:E161-E170
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に提供される実施形態は、GLP-1受容体を発現している細胞内の核酸標的の発現をモジュレートするための化合物および方法に関する。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドおよびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、GLP-1受容体を発現している細胞、例えば膵臓β膵島細胞を、本明細書に提供される化合物と接触させることは、細胞内の核酸標的の発現をモジュレートする。特定の実施形態において、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む化合物は、GLP-1受容体を発現していない細胞と比較して、GLP-1受容体を発現している細胞を選択的または優先的に標的化する。特定の実施形態において、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む化合物は、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含まない化合物と比較して、GLP-1受容体を発現している細胞を選択的または優先的に標的化する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】非コンジュゲート化親ASO(ISIS 776102もしくはISIS 556089)またはGLP1-コンジュゲート化ASO(ISIS 913193もしくはISIS 816385)で処理したHEK293細胞内のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)濃度に対するパーセントFOXO1 mRNA(
図1A)およびMALAT1 mRNA(
図1B)を示すグラフである。
【
図2】非コンジュゲート化親MALAT1 ASO(ISIS 556089)またはGLP1-コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)で処理したGLP1受容体過剰発現HEK293細胞(
図2A)、野生型HEK293細胞(
図2B)、またはGRP40過剰発現HEK293細胞(
図2C)におけるアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)濃度に対するMALAT1 mRNAレベルを示すグラフである。
【
図3】ASOなし、非コンジュゲート化親MALAT1 ASO(ISIS 556089)、またはGLP1-コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)で処理した分散マウス膵島細胞におけるMALAT1 mRNAレベル(
図3A);ASOなし、非コンジュゲート化親MALAT1 ASO(ISIS 556089)、またはGLP1-コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)で処理したインタクトマウス膵島におけるMALAT1 mRNAレベル(
図3B);およびASOなし、非コンジュゲート化親FOXO1 ASO(ISIS 776102)、GLP1-コンジュゲート化スクランブルFOXO1 ASO(ION 913195)、またはGLP1-コンジュゲート化FOXO1 ASO(ION 913193)で処理したインタクトマウス膵島細胞におけるFOXO1 mRNAレベル(
図3C)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
前述した概要および以下の詳細な説明の両方は、単なる例示および説明であり、特許請求される実施形態を限定するものではないことを理解するべきである。本明細書において、単数の使用は、別途記述されない限り複数を含む。本明細書において使用される「または」の使用は、別途記述されない限り「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる」ならびに「含む」および「含まれる」等の他の形態の使用は、限定するものではない。
【0008】
本明細書において使用されるセクションの見出しは、構成目的のものにすぎず、記載される主題を限定するものと解釈すべきではない。本出願において引用される全ての文献または文献の一部、例として、限定されるものではないが、特許、特許出願、論説、書籍、論文、ならびにGenBankおよびNCBIリファレンス配列記録は、参照により、本明細書において考察される文献の一部についておよび全体として本明細書に明示的に組み込まれる。
【0009】
本明細書に含まれる例のオリゴヌクレオチドの各配列番号に示す配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対する任意の修飾とは独立していることが理解される。従って、配列番号により規定されるオリゴヌクレオチドは、独立して、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対する1つ以上の修飾を含み得る。ISISまたはION番号(ISIS#またはION#)により記述されるオリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列、化学修飾、およびモチーフの組み合わせを示す。
【0010】
本明細書全体を通して、ペプチド配列の最初の文字は、別途示されない限り、N-末端におけるペプチドの最初のアミノ酸であり、ペプチド配列の最後の文字は、C-末端におけるペプチドの最後のアミノ酸であることが理解される。
【0011】
別途示されない限り、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0012】
「2’-デオキシヌクレオシド」は、天然存在デオキシリボ核酸(DNA)中に見出される2’-H(H)フラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態において、2’-デオキシヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み得、またはRNA核酸塩基(ウラシル)を含み得る。
【0013】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOEおよび2’-O(CH2)2-OCH3とも称される)は、フラノシル環の2’位におけるO-メトキシ-エチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチル修飾糖は、修飾糖である。
【0014】
「2’-MOEヌクレオシド」(2’-O-メトキシエチルヌクレオシドとも称される)は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0015】
「2’-置換ヌクレオシド」または「2-修飾ヌクレオシド」は、2’-置換または2’-修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書において使用される糖部分に関する「2’-置換」または「2-修飾」は、HまたはOH以外の少なくとも1つの2’-置換基を含む糖部分を意味する。
【0016】
「5-メチルシトシン」は、5位に付着しているメチル基を有するシトシンを意味する。
【0017】
「約」は、値の±10%以内を意味する。例えば、「化合物が標的核酸の70%の阻害をもたらした」と記述される場合、標的核酸レベルが60%および80%の範囲内で阻害されることが意味される。
【0018】
「投与」または「投与すること」は、本明細書に提供される化合物または組成物を個体に導入してその目的の機能を実施する経路を指す。使用することができる投与経路の一例としては、限定されるものではないが、非経口投与、例えば皮下、静脈内、または筋肉内注射または注入が挙げられる。
【0019】
「アミノイソ酪酸」または「Aib」は、別途記述されない限り、式:
【化1】
を有する2-アミノイソ酪酸を意味する。
【0020】
「動物」は、ヒトまたは非ヒト動物、例として、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、および非ヒト霊長類、例として、限定されるものではないが、サルおよびチンパンジーを指す。
【0021】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する任意の検出可能および/または計測可能な活性を意味する。特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的に対するアンチセンス化合物の不存在下の標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルと比較した、標的核酸またはそのような標的核酸によりコードされるタンパク質の量または発現の減少である。
【0022】
「アンチセンス化合物」は、オリゴヌクレオチドおよび場合により、1つ以上の追加の特徴部、例えばコンジュゲート基または末端基を含む化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、一本鎖および二本鎖化合物、例えばオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNA、shRNA、ssRNA、および占有を基礎とする(occupancy-based)化合物が挙げられる。
【0023】
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の不存在下の標的核酸レベルと比較した、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの低減を意味する。
【0024】
「アンチセンス機序」は、ハイブリダイゼーションのアウトカムまたは効果が、例えば、転写またはスプライシングを含む細胞機構が付随的に失速する標的分解または標的占有のいずれかである、化合物と標的核酸とのハイブリダイゼーションを含む全ての機序である。
【0025】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸またはその領域もしくはセグメントに相補的な核酸塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸またはその領域もしくはセグメントに特異的にハイブリダイズ可能である。
【0026】
「二環式ヌクレオシド」または「BNA」は、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。「二環式糖」または「二環式糖部分」は、2つの環を含む修飾糖部分(第2の環が、第1の環中の原子の2つを連結する架橋を介して形成されており、それにより、二環構造を形成している)を意味する。特定の実施形態において、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態において、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
【0027】
「分枝鎖基」は、少なくとも3つの基への共有結合を形成し得る少なくとも3つの位置を有する原子団を意味する。特定の実施形態において、分枝鎖基は、コンジュゲートリンカーおよび/または開裂可能部分を介してテザー化リガンドをオリゴヌクレオチドに連結するための複数の反応性部位を提供する。
【0028】
「細胞標的化部分」は、1つまたは複数の特定の細胞タイプに結合し得るコンジュゲート基またはコンジュゲート基の一部を意味する。
【0029】
「cEt」または「拘束エチル」は、4’-炭素および2’-炭素を連結する架橋を含む二環式フラノシル糖部分(架橋は、式:4’-CH(CH3)-O-2’を有する)を意味する。
【0030】
化合物中の「化学修飾」は、その化合物中の単位のいずれかの、化学反応を介する置換または変化を説明する。「修飾ヌクレオシド」は、修飾糖部分および/または修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオシドを意味する。「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖、および/または修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0031】
「化学的に区別される領域」は、ある意味で同一の化合物の別の領域と化学的に異なる化合物の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾を有さないヌクレオチドを有する領域と化学的に区別される。
【0032】
「キメラアンチセンス化合物」は、それぞれの位置が複数の下位単位を有する少なくとも2つの化学的に区別される領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0033】
「開裂可能結合」は、分割され得る任意の化学結合を意味する。特定の実施形態において、開裂可能結合は、アミド、ポリアミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方または両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、ジスルフィド、またはペプチドの中から選択される。
【0034】
「開裂可能部分」は、生理学的条件下で、例えば、細胞、動物、またはヒト内部で開裂される結合または原子団を意味する。
【0035】
オリゴヌクレオチドに関する「相補的」は、そのようなオリゴヌクレオチドまたはその1つ以上の領域の核酸塩基配列が、別のオリゴヌクレオチドまたは核酸またはその1つ以上の領域の核酸塩基配列に、これら2つの核酸塩基配列を逆方向にアラインした場合にマッチすることを意味する。本明細書に記載の核酸塩基マッチまたは相補的核酸塩基は、別途規定されない限り、以下の対:アデニン(A)およびチミン(T)、アデニン(A)およびウラシル(U)、シトシン(C)およびグアニン(G)、ならびに5-メチルシトシン(mC)およびグアニン(G)に限定される。相補的オリゴヌクレオチドおよび/または核酸は、それぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基相補性を有することを必要とせず、1つ以上の核酸塩基ミスマッチを含み得る。対照的に、オリゴヌクレオチドに関する「完全に相補的」または「100%相補的」は、そのようなオリゴヌクレオチドがいかなる核酸塩基ミスマッチも有さずにそれぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基マッチを有することを意味する。
【0036】
「コンジュゲート基」は、オリゴヌクレオチドに付着している原子団を意味する。コンジュゲート基は、コンジュゲート部分と、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに付着させるコンジュゲートリンカーとを含む。
【0037】
「コンジュゲートリンカー」は、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに連結する少なくとも1つの結合を含む原子団を意味する。
【0038】
「コンジュゲート部分」は、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに付着した原子団を意味する。
【0039】
「設計すること」または「~するように設計される」は、選択核酸分子と特異的にハイブリダイズする化合物を設計するプロセスを指す。
【0040】
「示差的に修飾されている」は、修飾の不存在を含む、互いに異なる化学修飾または化学置換基を意味する。従って、例えば、MOEヌクレオシドおよび非修飾DNAヌクレオシドは、DNAヌクレオシドが非修飾であっても、「示差的に修飾されている」。同様に、DNAおよびRNAは、両方が天然存在の非修飾ヌクレオシドであっても、「示差的に修飾されている」。異なる核酸塩基を含むことを除いて同一であるヌクレオシドは、示差的に修飾されていない。例えば、2’-OMe修飾糖および非修飾アデニン核酸塩基を含むヌクレオシドと、2’-OMe修飾糖および非修飾チミン核酸塩基を含むヌクレオシドとは、示差的に修飾されていない。
【0041】
「二本鎖アンチセンス化合物」は、互いに相補的であり、二本鎖を形成する2つのオリゴマー化合物を含むアンチセンス化合物であって、前記2つのオリゴマー化合物の一方は、オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物を意味する。
【0042】
「発現」は、遺伝子のコード情報が、細胞中に存在し、細胞中で作動する構造に変換される全ての機能を含む。このような構造としては、限定されるものではないが、転写および翻訳の産物が挙げられる。
【0043】
「ギャップマー」は、1つ以上のヌクレオシドを有する外部領域間に位置する、RNアーゼH開裂を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域を含むオリゴヌクレオチドを意味し、内部領域を含むヌクレオシドは、外部領域を含むヌクレオシドまたはヌクレオチドと化学的に区別される。内部領域は、「ギャップ」と称することができ、外部領域は、「ウイング」と称することができる。
【0044】
「ハイブリダイゼーション」は、オリゴヌクレオチドおよび/または核酸のアニーリングを意味する。特定の機構に限定するものではないが、ハイブリダイゼーションの最も一般的な機構は、相補的な核酸塩基間のワトソン・クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合であり得る水素結合を含む。特定の実施形態において、相補的核酸分子としては、限定されるものではないが、アンチセンス化合物および核酸標的が挙げられる。特定の実施形態において、相補的核酸分子としては、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチドおよび核酸標的が挙げられる。
【0045】
「発現または活性を阻害すること」は、未処理または対照サンプルにおける活性の発現に対する発現または活性の低下または妨害を指し、必ずしも発現または活性の完全な排除を示すものではない。
【0046】
「ヌクレオチド間結合」は、オリゴヌクレオチド中の隣接するヌクレオシド間の共有結合を形成する基または結合を意味する。「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然存在のホスフェートヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。非ホスフェート結合は、本明細書では修飾ヌクレオシド間結合と称される。
【0047】
「結合ヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合により一緒に結合している隣接ヌクレオシドを意味する。
【0048】
「リンカー-ヌクレオシド」は、オリゴヌクレオチドをコンジュゲート部分に結合するヌクレオシドを意味する。リンカー-ヌクレオシドは、化合物のコンジュゲートリンカー内に位置する。リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドと連続していても、化合物のオリゴヌクレオチド部分の一部と見なされない。
【0049】
「ミスマッチ」または「非相補的」は、第1および第2のオリゴヌクレオチドをアラインした場合、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸の対応する核酸塩基に相補的でない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基を意味する。例えば、核酸塩基、例として、限定されるものではないが、ユニバーサル核酸塩基、イノシン、およびヒポキサンチンは、少なくとも1つの核酸塩基とハイブリダイズし得るが、それがハイブリダイズした核酸塩基に対して依然としてミスマッチまたは非相補的である。別の例として、第1および第2のオリゴヌクレオチドをアラインした場合、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸の対応する核酸塩基にハイブリダイズし得ない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基は、ミスマッチまたは非相補的核酸塩基である。
【0050】
「モジュレートすること」は、細胞、組織、臓器、または生物中の特徴を変化させるかまたは調整することを指す。例えば、標的核酸をモジュレートすることは、細胞、組織、臓器、または生物中の標的核酸のレベルを増加または減少させることを意味し得る。「モジュレーター」は、細胞、組織、臓器、または生物中の変化をもたらす。例えば、化合物は、細胞、組織、臓器、または生物中の標的核酸の量を減少させるモジュレーターであり得る。
【0051】
「MOE」は、メトキシエチルを意味する。
【0052】
「モノマー」は、オリゴマーの単一単位を指す。モノマーとしては、限定されるものではないが、ヌクレオシドおよびヌクレオチドが挙げられる。
【0053】
「モチーフ」は、オリゴヌクレオチド中の非修飾および/もしくは修飾糖部分、核酸塩基、ならびに/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0054】
「天然」または「天然存在」は、天然で見出されるものを意味する。
【0055】
「非二環式修飾糖」または「非二環式修飾糖部分」は、糖の2つの原子を架橋して第2の環を形成しない、置換基等の修飾を含む修飾糖部分を意味する。「核酸」は、モノマーヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸としては、限定されるものではないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、および二本鎖核酸が挙げられる。
【0056】
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対合し得る複素環式部分を意味する。本明細書において使用される「天然存在の核酸塩基」は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、およびグアニン(G)である。「修飾核酸塩基」は、化学的に修飾された天然存在の核酸塩基である。「ユニバーサル塩基」または「ユニバーサル核酸塩基」は、天然存在の核酸塩基および修飾核酸塩基以外の核酸塩基であり、任意の核酸塩基と対合することができる。
【0057】
「核酸塩基配列」は、いかなる糖またはヌクレオシド間結合からも独立した核酸またはオリゴヌクレオチドにおける連続核酸塩基の順序を意味する。
【0058】
「ヌクレオシド」は、核酸塩基および糖部分を含む化合物を意味する。核酸塩基および糖部分は、それぞれ独立して、非修飾であるかまたは修飾されている。「修飾ヌクレオシド」は、修飾核酸塩基および/または修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。修飾ヌクレオシドは、核酸塩基を欠く脱塩基ヌクレオシドを含む。
【0059】
「オリゴマー化合物」は、単一オリゴヌクレオチドおよび場合により1つ以上の追加の特徴部、例えばコンジュゲート基または末端基を含む化合物を意味する。
【0060】
「オリゴヌクレオチド」は、互いに独立してそれぞれ修飾または非修飾であり得る結合ヌクレオシドのポリマーを意味する。別途示されない限り、オリゴヌクレオチドは、8~80個の結合ヌクレオシドからなる。「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの糖、核酸塩基、またはヌクレオシド間結合が修飾されているオリゴヌクレオチドを意味する。「非修飾オリゴヌクレオチド」は、いずれの糖、核酸塩基、またはヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0061】
「親オリゴヌクレオチド」は、配列が、異なる長さ、モチーフ、および/または化学構造を除いて類似する配列のより多くのオリゴヌクレオチドのための設計の基礎として使用されるオリゴヌクレオチドを意味する。新たに設計されるオリゴヌクレオチドは、親オリゴヌクレオチドと同一のまたは重複する配列を有し得る。
【0062】
「ホスホロチオエート結合」は、非架橋酸素原子の1つが硫黄原子で置き換えられた修飾ホスフェート結合を意味する。ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0063】
「リン部分」は、リン原子を含む原子団を意味する。特定の実施形態において、リン部分は、モノ、ジ、もしくはトリホスフェート、またはホスホロチオエートを含む。
【0064】
「部分」は、規定数の核酸の連続(すなわち結合)核酸塩基を意味する。特定の実施形態において、部分は、規定数の標的核酸の連続核酸塩基である。特定の実施形態において、部分は、規定数のオリゴマー化合物の連続核酸塩基である。
【0065】
「低減する」は、より小さい範囲、サイズ、量、または数にすることを意味する。
【0066】
「RNAi化合物」は、少なくとも部分的に、RISCまたはAgo2を介するが、RNアーゼHを介さずに作用して標的核酸および/または標的核酸によりコードされるタンパク質をモジュレートするアンチセンス化合物を意味する。RNAi化合物としては、限定されるものではないが、二本鎖siRNA、一本鎖RNA(ssRNA)、およびマイクロRNA、例として、マイクロRNA模倣体が挙げられる。
【0067】
「セグメント」は、核酸内の領域のより小さいまたは下位の一部として定義される。
【0068】
効果に関する「選択的な」は、任意の量的範囲または倍差だけ1つに対する効果が他よりも大きいことを指す。例えば、GLP-1受容体を発現している細胞に対して「選択的な」GLP-1受容体コンジュゲートリガンド部分を含むか、またはGLP-1受容体を発現している細胞を「選択的に」標的化する化合物は、GLP-1受容体コンジュゲートリガンド部分を含まない化合物よりも高い度合いで、GLP-1受容体を発現している細胞を標的化する。別の例として、GLP-1受容体を発現している細胞に対して「選択的な」GLP-1受容体コンジュゲートリガンド部分を含むか、またはGLP-1受容体を発現している細胞を「選択的に」標的化する化合物は、GLP-1受容体を発現していないかまたは比較的低いレベルで発現している細胞よりも高い度合いで、GLP-1受容体を発現している細胞を標的化する。「選択的な」という用語は、絶対的な全か無かの選択性を必要としないことが理解されるであろう。
【0069】
化合物に関する「一本鎖」は、化合物が1本のオリゴヌクレオチドのみを有することを意味する。「自己相補的」は、少なくとも部分的にそれ自体にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。1つのオリゴヌクレオチドからなり、オリゴヌクレオチドが自己相補的である化合物は、一本鎖化合物である。一本鎖化合物は、相補的化合物に結合して二本鎖を形成し得る。
【0070】
「部位」は、標的核酸内のユニークな核酸塩基位置と定義される。
【0071】
「特異的にハイブリダイズ可能」は、非標的核酸に対して最小限の効果を示すかまたは全く示さずに、所望の効果を誘導するのに十分なオリゴヌクレオチドと標的核酸との間の相補性の程度を有するオリゴヌクレオチドを指す。特定の実施形態において、特異的ハイブリダイゼーションは、生理学的条件下で生じる。
【0072】
標的核酸を参照した「特異的に阻害する」は、非標的核酸に対してより少ないまたは最小限の効果を示すかまたは全く示さずに、標的核酸の発現を低減または遮断することを意味する。低減は、必ずしも標的核酸の発現の完全な排除を示すわけではない。
【0073】
「標準的な細胞アッセイ」は、実施例に記載されるアッセイおよびその妥当なバリエーションを意味する。
【0074】
「標準的なインビボ実験」は、実施例に記載される手順およびその妥当なバリエーションを意味する。
【0075】
「糖部分」は、非修飾糖部分または修飾糖部分を意味する。「非修飾糖部分」または「非修飾糖」は、RNAに見られる2’-OH(H)フラノシル部分(「非修飾RNA糖部分」)、またはDNAに見られる2’-H(H)部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。非修飾糖部分は、1’、3’、および4’位のそれぞれに1つの水素、3’位に酸素、ならびに5’位に2つの水素を有する。「修飾糖部分」または「修飾糖」は、修飾フラノシル糖部分または糖代替物を意味する。「修飾されたフラノシル糖部分」は、非修飾糖部分の少なくとも1つの水素の代わりに非水素置換基を含むフラノシル糖を意味する。特定の実施形態において、修飾フラノシル糖部分は、2’-置換糖部分である。このような修飾フラノシル糖部分としては、二環式糖および非二環式糖が挙げられる。
【0076】
「糖代替物」は、核酸塩基をオリゴヌクレオチド内の別の基、例えばヌクレオシド間結合、コンジュゲート基、または末端基に結合させ得るフラノシル部分以外のものを有する修飾糖部分を意味する。糖代替物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つ以上の位置に取り込むことができ、そのようなオリゴヌクレオチドは、相補的な化合物または核酸にハイブリダイズし得る。
【0077】
「標的遺伝子」は、標的をコードする遺伝子を指す。
【0078】
標的核酸に関連した「標的化すること」は、所望の効果を誘導する、前記標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを意味する。GLP-1受容体に関連した「標的化すること」は、GLP-1受容体に対するGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の結合を意味する。
【0079】
「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写産物」および「核酸標的」は、全て本明細書に記載される化合物が標的とし得る核酸を意味する。
【0080】
「標的領域」は、1つ以上の化合物が標的とする標的核酸の部分を意味する。
【0081】
「標的セグメント」は、化合物が標的化される標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0082】
「末端基」は、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合している化学基または原子団を意味する。
【0083】
特定の実施形態
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドおよびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、化合物はさらに、コンジュゲートリンカーを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、オリゴヌクレオチドをGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合する。
【0084】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、8~80個の結合ヌクレオシドの長さ、10~30個の結合ヌクレオシドの長さ、12~30個の結合ヌクレオシドの長さ、または15~30個の結合ヌクレオシドの長さである。
【0085】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾糖、または少なくとも1つの修飾核酸塩基を含む修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0086】
特定の実施形態において、修飾糖は、4’-(CH2)-O-2’(LNA);4’-(CH2)2-O-2’(ENA);または4’-CH(CH3)-O-2’(cEt)等の二環式糖である。特定の実施形態において、修飾糖は、2’-O-メトキシエチル、2’-F、または2’-OMeである。
【0087】
特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【0088】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、
結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;および
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントに直接隣接しかつそれらの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0089】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、一本鎖である。
【0090】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、miRNA拮抗薬またはmiRNA模倣物である。
【0091】
特定の実施形態において、化合物は、二重鎖を含む。特定の実施形態において、二重鎖は、修飾オリゴヌクレオチドを含む第1の鎖、および第1の鎖に相補的な第2の鎖を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む第1の鎖は、RNA転写産物に相補的である。特定の実施形態において、第2の鎖は、RNA転写産物に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、(i)修飾オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む第1の鎖と、(ii)第1の鎖に相補的な第2の鎖とを含む二重鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、(i)修飾オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む第1の鎖と、(ii)第1の鎖に相補的な第2の鎖とを含む二重鎖を含み、第1の鎖は、RNA転写産物に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、(i)修飾オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む第1の鎖と、(ii)第1の鎖に相補的な第2の鎖とを含む二重鎖を含み、第2の鎖は、RNA転写産物に相補的である。
【0092】
特定の実施形態において、化合物は、miRNA模倣物である。
【0093】
特定の実施形態において、化合物は、リボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、デオキシリボヌクレオチドを含む。
【0094】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、膵臓細胞または膵臓のβ膵島細胞等の細胞内のRNA転写産物に相補的である。
【0095】
特定の実施形態において、RNA転写産物は、プレmRNA、mRNA、非コードRNA、またはmiRNAである。
【0096】
特定の実施形態において、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は、GLP-1受容体を標的とするペプチドコンジュゲート部分、小分子コンジュゲート部分、アプタマーコンジュゲート部分、または抗体コンジュゲート部分である。
【0097】
特定の実施形態において、ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分である。
【0098】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む。
【0099】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む。
【0100】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、8~50アミノ酸長であり、かつその全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相同である。
【0101】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、その全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である。
【0102】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-37):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)である)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む。
【0103】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-37)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む。
【0104】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、8~50アミノ酸長であり、かつその全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相同である。
【0105】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、保存的アミノ酸置換、アミノ酸類似体、またはアミノ酸誘導体を含む。
【0106】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、その全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である。
【0107】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列を含む。
【0108】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列からなる。
【0109】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-36)アミド:HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH2(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-NH2(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含む。
【0110】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-36)アミド:(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-NH2(配列番号2)である)のアミノ酸配列からなる。
【0111】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1(7-36):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
【0112】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)を含む。
【0113】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)からなる。
【0114】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)である)を含む。
【0115】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)である)からなる。
【0116】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列を含む。
【0117】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列からなる。
【0118】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのC-末端アミドまたは酸であり得る。
【0119】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。
【0120】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)からなり、Aibは、アミノイソ酪酸である。
【0121】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである。
【0122】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)からなり、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである。
【0123】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1受容体に結合することができる。
【0124】
特定の実施形態において、GLP-1受容体は、細胞の表面上に発現される。
【0125】
特定の実施形態において、細胞は、β膵島細胞等の膵臓細胞である。
【0126】
特定の実施形態において、細胞は、動物内にある。
【0127】
特定の実施形態において、化合物は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つのGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む。
【0128】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドの5’末端に結合する。
【0129】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドの3’末端に結合する。
【0130】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、開裂可能である。
【0131】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、ジスルフィド結合を含む。
【0132】
特定の実施形態において、ジスルフィド結合は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合する。
【0133】
特定の実施形態において、ジスルフィド結合は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分のC-末端をオリゴヌクレオチドの5’末端に結合する。
【0134】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1~5個のリンカー-ヌクレオシドを含む。
【0135】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、3個のリンカー-ヌクレオシドを含む。
【0136】
特定の実施形態において、3個のリンカー-ヌクレオシドは、TCAモチーフを有する。
【0137】
特定の実施形態において、1~5個のリンカー-ヌクレオシドは、TCAモチーフを含まない。
【0138】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、ヘキシルアミノ基を含む。
【0139】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、ポリエチレングリコール基を含む。
【0140】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、トリエチレングリコール基を含む。
【0141】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、ホスフェート基を含む。
【0142】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、
【化2】
(式中、Xは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
Yは、直接または間接的に修飾オリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。特定の実施形態において、Xは、Oを含む。特定の実施形態において、Yは、ホスフェート基を含む。特定の実施形態において、Xは、ジスルフィド結合によってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着する。
【0143】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、
【化3】
(式中、Xは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
T
1は修飾オリゴヌクレオチドを含み;かつBxは、修飾または非修飾核酸塩基である)
を含む。特定の実施形態において、Xは、ジスルフィド結合を含む。
【0144】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、
【化4】
(式中、
ホスフェート基は、修飾オリゴヌクレオチドに連結され、かつYは、コンジュゲート基に連結され;
Yは、ホスホジエステルまたはアミノ(-NH-)基であり;
Zは、式:
【化5】
を有するピロリジニル基であり;
jは、0または1であり;
nは、約1~約10であり;
pは、1~約10であり;
mは、0または1~4であり;および
Yがアミノである場合、mは、1である)
を含む。
【0145】
特定の実施形態において、Yは、アミノ(-NH-)またはホスホジエステル基である。特定の実施形態において、nは、3であり、およびpは、3である。特定の実施形態において、nは、6であり、およびpは、6である。特定の実施形態において、nは、2~10であり、およびpは、2~10である。特定の実施形態において、nおよびpは、異なる。特定の実施形態において、nおよびpは、同じである。特定の実施形態において、mは、0または1である。特定の実施形態において、jは、0である。特定の実施形態において、jは、1であり、およびZは、式:
【化6】
を有する。
【0146】
特定の実施形態において、nは、2であり、およびpは、3である。特定の実施形態において、nは、5であり、およびpは、6である。
【0147】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、
【化7】
を含む。
【0148】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、
【化8】
を含む。
【0149】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーを含む化合物は、
【化9】
(式中
N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。
【0150】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーを含む化合物は、
【化10】
(式中
N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。
【0151】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーを含む化合物は、
【化11】
(式中
N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。
【0152】
特定の実施形態において、組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。
【0153】
特定の実施形態において、細胞内の標的核酸の発現をモジュレートする方法は、細胞を前述の実施形態のいずれかの化合物と接触させ、それにより細胞内の核酸標的の発現をモジュレートすることを含む。特定の実施形態において、細胞は、細胞の表面上にGLP-1受容体を発現する。特定の実施形態において、細胞は、β膵島細胞等の膵臓細胞である。特定の実施形態において、細胞は、下垂体細胞、軟膜細胞、中枢神経系(CNS)細胞、胃細胞、腸細胞、十二指腸細胞、回腸細胞、結腸細胞、乳房細胞、肺細胞、心臓細胞、甲状腺細胞、または腎臓細胞である。特定の実施形態において、表面上にGLP-1受容体を発現している細胞は、癌細胞である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、褐色細胞腫、傍神経節腫、髄質甲状腺癌腫、副腎皮質腺腫、副甲状腺癌腫、および下垂体腺腫を含む内分泌癌である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、髄膜腫、星状細胞腫、神経膠芽腫、上衣腫、およびシュワン腫を含む神経系癌である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、髄芽腫、腎芽腫、および神経芽腫を含む胚性癌である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、胆管細胞癌、肝癌、肺癌、およびリンパ腫を含む。特定の実施形態において、細胞を前述の実施形態のいずれかの化合物と接触させることは、核酸標的の発現を阻害する。特定の実施形態において、核酸標的は、プレmRNA、mRNA、非コードRNA、またはmiRNAである。特定の実施形態において、細胞は、動物内にある。
【0154】
特定の実施形態において、動物内の標的核酸の発現をモジュレートする方法は、前述の実施形態のいずれかの化合物を動物に投与することにより、動物内の標的核酸の発現をモジュレートすることを含む。特定の実施形態において、核酸標的の発現は、細胞の表面上にGLP-1受容体を発現している動物の細胞内でモジュレートされる。特定の実施形態において、核酸標的の発現は、動物のβ膵島細胞等の膵臓細胞内でモジュレートされる。特定の実施形態において、細胞は、β膵島細胞等の膵臓細胞である。特定の実施形態において、細胞は、下垂体細胞、軟膜細胞、十二指腸細胞、回腸細胞、結腸細胞、乳房細胞、肺細胞、または腎臓細胞である。特定の実施形態において、表面上にGLP-1受容体を発現している細胞は、癌細胞である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、褐色細胞腫、傍神経節腫、髄質甲状腺癌腫、副腎皮質腺腫、副甲状腺癌腫、および下垂体腺腫を含む内分泌癌である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、髄膜腫、星状細胞腫、神経膠芽腫、上衣腫、およびシュワン腫を含む神経系癌である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、髄芽腫、腎芽腫、および神経芽腫を含む胚性癌である。特定の実施形態において、癌は、限定されるものではないが、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、胆管細胞癌、肝癌、肺癌、およびリンパ腫を含む。特定の実施形態において、化合物を投与することは、動物における核酸標的の発現を阻害する。特定の実施形態において、核酸標的は、プレmRNA、mRNA、非コードRNA、またはmiRNAである。
【0155】
本明細書では、癌の処置における医薬の製造のための、本明細書に記載される化合物の使用も提供される。本明細書では、癌の処置における使用のための、本明細書に記載される化合物も提供される。
【0156】
特定の実施形態において、化合物を調製する方法は、
【化12】
(式中、X
1は、オリゴヌクレオチドであり、および化合物は、GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドである)
をGLP-1ペプチドと反応させることを含む。
【0157】
特定の実施形態において、化合物を調製する方法は、
オリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドの5’末端にヘキサメチルリンカーおよび末端アミンを含むオリゴヌクレオチドを、式:
【化13】
を有する3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)と反応させ、それにより、式:
【化14】
(式中、X
1は、オリゴヌクレオチドである);
を有する化合物2を得ることと、
化合物2をGLP-1ペプチドと反応させ、それにより、式:
【化15】
(式中、X
1は、オリゴヌクレオチドであり、およびX
2は、GLP-1ペプチドである)
を有するGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを得ることと
を含む。
【0158】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する方法は、
オリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドの5’末端にヘキサメチルリンカーおよび末端アミンを含むオリゴヌクレオチドを含む溶液を、式:
【化16】
を有する3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)を含む溶液と混合し、それにより、式:
【化17】
(式中、X
1は、オリゴヌクレオチドである)
を有する化合物2を得ることと、
化合物2を含む溶液を、GLP-1ペプチドを含む溶液と混合し、それにより、式:
【化18】
(式中、X
1は、オリゴヌクレオチドであり、およびX
2は、GLP-1ペプチドである)
を有するGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを得ることと
を含む。
【0159】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドを含む溶液は、リン酸ナトリウム緩衝液を含み、および3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)を含む溶液は、ジメチルホルムアミドを含む。
【0160】
特定の実施形態において、溶液は、室温で混合される。
【0161】
特定の実施形態において、化合物2を含む溶液は、アセトニトリルおよびNaHCO3をさらに含み、かつ約8.0のpHを有する。
【0162】
特定の実施形態において、GLP-1ペプチド含む溶液は、ジメチルホルムアミドをさらに含む。
【0163】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むことができる。
【0164】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むことができる。
【0165】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、8~50アミノ酸長であり得、かつその全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である。
【0166】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、その全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一であり得る。
【0167】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)である)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むことができる。
【0168】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むことができる。
【0169】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、8~50アミノ酸長であり得、かつその全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である。
【0170】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、その全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一であり得る。
【0171】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列を含むことができる。
【0172】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列からなることができる。
【0173】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-36)アミド:HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH2(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-NH2(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むことができる。
【0174】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-36)アミド(配列番号2)のアミノ酸配列からなることができる。
【0175】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-36):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むことができる。
【0176】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)を含むことができる。
【0177】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)からなることができる。
【0178】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)を含むことができる。
【0179】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)からなることができる。
【0180】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列を含むことができる。
【0181】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列からなることができる。
【0182】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)を含むことができ、Aibは、アミノイソ酪酸である。
【0183】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)からなることができ、Aibは、アミノイソ酪酸である。
【0184】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)を含むことができ、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである。
【0185】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)からなることができ、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである。
【0186】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、反応性硫黄部分を含むことができる。
【0187】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドは、ペニシラミンを含むことができる。
【0188】
化合物またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する前述の方法のいずれかにおいて、ペニシラミンは、GLP-1ペプチドのC-末端に結合され得る。
【0189】
オリゴヌクレオチドを含む特定の化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、アンチセンス化合物であり得る。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチド等のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有する。
【0190】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有する。
【0191】
特定の実施形態において、化合物またはアンチセンス化合物は、一本鎖である。そのような一本鎖化合物またはアンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態において、そのようなオリゴマー化合物は、オリゴヌクレオチドおよび場合によりコンジュゲート基を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾されている。特定の実施形態において、一本鎖アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、自己相補的な核酸塩基配列を含む。
【0192】
特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。そのような二本鎖化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1の修飾オリゴヌクレオチドと、第1の修飾オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有する第2の修飾オリゴヌクレオチドとを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、RNAオリゴヌクレオチドである。そのような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド中のチミン核酸塩基は、ウラシル核酸塩基で置き換えられている。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲート基を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの1つは、コンジュゲートされている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの両方は、コンジュゲートされている。特定の実施形態において、第1の修飾オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートされている。特定の実施形態において、第2の修飾オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートされている。特定の実施形態において、第1の修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシドの長さであり、第2の修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシドの長さである。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、二本鎖である。そのような二本鎖アンチセンス化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1のオリゴマー化合物と、第1のオリゴマー化合物に相補的な領域を有する第2のオリゴマー化合物とを含む。そのような二本鎖アンチセンス化合物の第1のオリゴマー化合物は、一般に修飾オリゴヌクレオチドおよび場合によりコンジュゲート基を含むかまたはそれらからなる。そのような二本鎖アンチセンス化合物の第2のオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、修飾または非修飾であり得る。二本鎖アンチセンス化合物のいずれかまたは両方のオリゴマー化合物は、コンジュゲート基を含むことができる。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物は、非相補的なオーバーハンギングヌクレオシドを含むことができる。
【0193】
特定の実施形態において、化合物は、(i)修飾オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む第1の鎖と、(ii)第1の鎖に相補的な第2の鎖とを含む二重鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、(i)修飾オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む第1の鎖と、(ii)第1の鎖に相補的な第2の鎖とを含む二重鎖を含み、第1の鎖は、RNA転写産物に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、(i)修飾オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む第1の鎖と、(ii)第1の鎖に相補的な第2の鎖とを含む二重鎖を含み、第2の鎖は、RNA転写産物に相補的である。
【0194】
一本鎖および二本鎖化合物の例としては、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド、siRNAs、オリゴヌクレオチドを標的化するマイクロRNA、および一本鎖RNAi化合物、例えば小ヘアピンRNAs(shRNAs)、一本鎖siRNAs(ssRNAs)、およびマイクロRNA模倣物が挙げられる。
【0195】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、5’から3’の方向に記述された場合、標的化される標的核酸の標的セグメントの逆相補配列を含む核酸塩基配列を有する。
【0196】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、10~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、12~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、12~22結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、14~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、14~20結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、15~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、15~20結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、16~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、16~20結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、17~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、17~20結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、18~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、18~21結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、18~20結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、20~30結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。換言すれば、そのようなオリゴヌクレオチドは、それぞれ12~30結合サブユニット、14~30結合サブユニット、14~20サブユニット、15~30サブユニット、15~20サブユニット、16~30サブユニット、16~20サブユニット、17~30サブユニット、17~20サブユニット、18~30サブユニット、18~20サブユニット、18~21サブユニット、20~30サブユニット、または12~22結合サブユニット長である。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、14結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、16結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、17結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、18結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、19結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、20結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、8~80、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、または20~30結合サブユニットのオリゴヌクレオチドを含む。特定のこのような実施形態において、本明細書に記載される化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79もしくは80、または上記の値の任意の2つにより規定される範囲の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、結合サブユニットは、ヌクレオチド、ヌクレオシド、または核酸塩基である。
【0197】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドに付着した、コンジュゲート基等の追加の特徴部または要素をさらに含むことができる。特定の実施形態において、そのような化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、そのような化合物は、オリゴマー化合物である。コンジュゲート基がヌクレオシド(すなわちコンジュゲート基をオリゴヌクレオチドに結合するヌクレオシド)を含む実施形態では、コンジュゲート基のヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さに数えられない。
【0198】
特定の実施形態において、化合物は、短縮またはトランケートされていてよい。例えば、単一サブユニットは、5’末端から(5’トランケーション)、または代替的に3’末端から(3’トランケーション)欠失していてよい。核酸を標的とする短縮またはトランケート化合物は、化合物の5’末端から2つのサブユニットが欠失していてよく、または代替的に3’末端から2つのサブユニットが欠失していてよい。代替的に、欠失されるヌクレオシドは、化合物全体にわたり分散していてよい。
【0199】
単一の追加のサブユニットが延長化合物中に存在する場合、追加のサブユニットは、化合物の5’または3’末端に位置することができる。2つ以上の追加のサブユニットが存在する場合、追加されたサブユニットは、互いに隣接し、例えば化合物中で2つのサブユニットが化合物の5’末端に加えられ(5’付加)、または代替的に3’末端に加えられ得る(3’付加)。代替的に、追加されたサブユニットは、化合物全体に分散されてもよい。
【0200】
活性を排除せずに、オリゴヌクレオチド等の化合物の長さを増加もしくは減少させ、および/またはミスマッチ塩基を導入することが可能である(Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305-7309,1992;Gautschi et al.J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001;Maher and Dolnick Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)。しかしながら、オリゴヌクレオチド配列、化学構造およびモチーフの一見小さい変化が、臨床開発に要求される多くの特性の1つ以上の大きい差異をもたらし得る(Seth et al.J.Med.Chem.2009,52,10;Egli et al.J.Am.Chem.Soc.2011,133,16642)。
【0201】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、干渉RNA化合物(RNAi)であり、それとしては二本鎖RNA化合物(短鎖干渉RNAまたはsiRNAとも称される)および一本鎖RNAi化合物(またはssRNA)が挙げられる。このような化合物は、少なくとも部分的にRISC経路を介して機能して標的核酸を分解および/または封鎖する(従って、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物が挙げられる)。本明細書において使用されるsiRNAという用語は、配列特異的RNAiを媒介し得る核酸分子、例えば短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、短鎖干渉オリゴヌクレオチド、短鎖干渉核酸、短鎖干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)などを説明するために使用される他の用語と均等であることを意味する。さらに、本明細書において使用される「RNAi」という用語は、配列特異的RNA干渉、例えば転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、またはエピジェネティクスを説明するために使用される他の用語と均等であることを意味する。
【0202】
特定の実施形態において、化合物の第1の鎖は、siRNAガイド鎖であり、化合物の第2の鎖は、siRNAパッセンジャー鎖である。特定の実施形態において、化合物の第2の鎖は、第1の鎖に相補的である。特定の実施形態において、化合物の各鎖は、16、17、18、19、20、21、22、または23個の結合ヌクレオシドの長さである。特定の実施形態において、化合物の第1または第2の鎖は、コンジュゲート基を含むことができる。
【0203】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の不斉中心を有し、従ってエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性体構造を生じ、その立体異性体構造は、絶対立体化学の観点から(R)または(S)、例えば糖アノマーに関するαもしくはβ、またはアミノ酸に関する(D)もしくは(L)等と規定され得る。本明細書に提供される修飾オリゴヌクレオチドには、別途明記しない限り、それらのラセミおよび光学的に純粋な形態を含む全てのそのような可能な異性体が含まれる。同様に、全てのシス-およびトランス-異性体ならびに互変異性型も含まれる。
【0204】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の原子が、示される元素の非放射性同位体または放射性同位体で置き換えられたバリエーションを含む。例えば、水素原子を含む本明細書の化合物は、各1H水素原子の全ての可能な重水素置換を包含する。本明細書の化合物により包含される同位体置換としては、限定されるものではないが、1Hの代わりに2Hまたは3H、12Cの代わりに13Cまたは14C、14Nの代わりに15N、16Oの代わりに17Oまたは18O、および32Sの代わりに33S、34S、35S、または36Sが挙げられる。特定の実施形態において、非放射性同位体置換は、治療または研究ツールとして使用するための有益な新たな特性を化合物に付与し得る。特定の実施形態において、放射性同位体置換は、画像化アッセイ等の研究または診断目的に好適な化合物を作製し得る。
【0205】
特定の機構
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、標的核酸にハイブリダイズして、少なくとも1つのアンチセンス活性をもたらすことが可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、1つ以上の標的核酸に選択的に影響する。そのような化合物は、1つ以上の標的核酸にハイブリダイズして、1つ以上の所望のアンチセンス活性をもたらし、かつ1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズせず、または望ましくない有意なアンチセンス活性をもたらすような方法で1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズしない、核酸塩基配列を含む。
【0206】
特定のアンチセンス活性において、本明細書に記載される化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を開裂させるタンパク質のリクルートメントをもたらす。例えば、特定の本明細書に記載される化合物は、標的核酸のRNアーゼH媒介開裂をもたらす。RNアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を開裂させる細胞エンドヌクレアーゼである。このようなRNA:DNA二重鎖におけるDNAは、非修飾DNAである必要はない。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、RNアーゼH活性を誘発するために十分に「DNA様」である。さらに、特定の実施形態において、ギャップマーのギャップ中1つ以上の非DNA様ヌクレオシドは、忍容される。
【0207】
特定のアンチセンス活性において、本明細書に記載される化合物または化合物の一部は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)中に積まれ、最終的に標的核酸の開裂をもたらす。例えば、特定の本明細書に記載される化合物は、Argonauteによる標的核酸の開裂をもたらす。RISC中に積まれる化合物は、RNAi化合物である。RNAi化合物は、二本鎖(siRNA)または一本鎖(ssRNA)であり得る。
【0208】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を開裂するタンパク質のリクルートメントをもたらさない。特定のこのような実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸のスプライシングの変動をもたらす。特定の実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸とタンパク質または他の核酸との間の結合相互作用の阻害をもたらす。特定のこのような実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳の変動をもたらす。
【0209】
アンチセンス活性は、直接または間接的に観察することができる。特定の実施形態において、アンチセンス活性の観察または検出は、標的核酸もしくはそのような標的核酸によりコードされるタンパク質の量の変化、核酸もしくはタンパク質のスプライスバリアントの比の変化、および/または細胞もしくは動物における表現型変化の観察または検出を含む。
【0210】
標的核酸、標的領域およびヌクレオチド配列
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、標的核酸は、内因性RNA分子である。特定の実施形態において、標的核酸は、非コードRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、タンパク質をコードする。特定のこのような実施形態において、標的核酸は、イントロン、エクソンおよび未翻訳領域を含むmRNAおよびプレmRNAから選択される。特定の実施形態において、標的RNAは、mRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、プレmRNAである。特定のこのような実施形態において、標的領域は、完全にイントロン内に存在する。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン/エクソンジャンクションに跨る。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン内に少なくとも50%存在する。特定の実施形態において、標的核酸は、GLP-1受容体を発現している細胞内に存在する。特定の実施形態において、GLP-1受容体発現細胞は、β膵島細胞等の膵臓細胞である。
【0211】
ハイブリダイゼーション
一部の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、本明細書に開示の化合物と、標的核酸との間で生じる。ハイブリダイゼーションの最も一般的な機序は、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン・クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型水素結合)を含む。
【0212】
ハイブリダイゼーションは、変動条件下で生じ得る。ハイブリダイゼーション条件は、配列依存的であり、ハイブリダイズされる核酸分子の性質および組成により決定される。
【0213】
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズするか否かを決定する方法は、当技術分野において周知である。特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物は、標的核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0214】
相補性
オリゴヌクレオチドは、そのようなオリゴヌクレオチドまたはその1つ以上の領域の核酸塩基配列が別のオリゴヌクレオチドまたは核酸またはその1つ以上の領域の核酸塩基配列に、この2つの核酸塩基配列を逆方向にアラインした場合にマッチする場合、別の核酸に相補的であると記載される。本明細書に記載の核酸塩基マッチまたは相補的核酸塩基は、別途規定されない限り、以下の対:アデニン(A)およびチミン(T)、アデニン(A)およびウラシル(U)、シトシン(C)およびグアニン(G)、ならびに5-メチルシトシン(mC)およびグアニン(G)に限定される。相補的オリゴヌクレオチドおよび/または核酸は、それぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基相補性を有する必要はなく、1つ以上の核酸塩基ミスマッチを含み得る。オリゴヌクレオチドは、そのようなオリゴヌクレオチドがいかなる核酸塩基ミスマッチも有さずにそれぞれのヌクレオシドにおける核酸塩基マッチを有する場合、完全相補的または100%相補的である。
【0215】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。化合物と標的核酸との間の非相補的核酸塩基は、標的核酸に特異的にハイブリダイズできる状態のままである場合、忍容され得る。さらに、化合物は、標的核酸の1つ以上のセグメントにわたってハイブリダイズし得るため、介在または隣接セグメントは、ハイブリダイゼーション事象に関与しない(例えば、ループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)。
【0216】
特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物またはその特定の部分は、少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、またはこれらまで、標的核酸、標的領域、標的セグメント、またはその特定の部分に相補的である。特定の実施形態において、本明細書に提供される化合物またはその特定の部分は、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、95%~100%、またはこれらの範囲の任意の数、標的核酸、標的領域、標的セグメント、またはその特定の部分に相補的である。標的核酸との化合物の相補性のパーセントは、日常的な方法を用いて決定することができる。
【0217】
例えば、化合物の20核酸塩基のうちの18が標的領域に相補的であり、従って特異的にハイブリダイズする化合物は、90パーセント相補性を表すであろう。この例では、残りの非相補的核酸塩基は、相補的な核酸塩基間にクラスター化または散在し得、互いにまたは相補的な核酸塩基に連続する必要はない。従って、標的核酸と完全に相補的な2つの領域に隣接する4つの非相補的核酸塩基を有する18核酸塩基長の化合物は、標的核酸と77.8%の全体的な相補性を有するであろう。標的核酸の領域との化合物のパーセント相補性は、当技術分野で既知のBLASTプログラム(ベーシックローカルアラインメント検索ツール)およびPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を使用して定型的に決定することができる。相同性パーセント、配列同一性パーセントまたは相補性パーセントは、例えば、SmithおよびWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)のデフォルト設定を使用して決定することができる。
【0218】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物またはその特定の部分は、標的核酸またはその特定の部分に完全に相補的(すなわち100%相補的)である。例えば、化合物は、標的核酸、またはその標的領域、もしくは標的セグメント、もしくは標的配列に完全に相補的であり得る。本明細書において使用される「完全に相補的」は、化合物の各核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基に相補的であることを意味する。例えば、20核酸塩基化合物は、その化合物に完全に相補的である、標的核酸の20核酸塩基部分が存在する限り、400核酸塩基長である標的配列に完全に相補的である。完全に相補的は、第1および/または第2の核酸の特定の部分に関連して使用することもできる。例えば、30核酸塩基化合物の20核酸塩基部分は、400核酸塩基長である標的配列に「完全に相補的」であり得る。30核酸塩基化合物の20核酸塩基部分は、標的配列が、各核酸塩基が化合物の20核酸塩基部分に相補的な対応する20核酸塩基部分を有する場合、標的配列に完全に相補的である。同時に、30核酸塩基化合物の全体は、化合物の残りの10核酸塩基が標的配列に相補的であるか否かに応じて、標的配列に完全に相補的であってもなくてもよい。
【0219】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、標的核酸に対してミスマッチされた1つ以上の核酸塩基を含む。特定のこのような実施形態において、標的に対するアンチセンス活性は、そのようなミスマッチにより低減されるが、非標的に対する活性の方がより低減される。従って、特定のこのような実施形態において、化合物の選択性が改善される。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特異的に位置する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の5’末端から1、2、3、4、5、6、7、または8位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端から9、8、7、6、5、4、3、2、1位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の5’末端から1、2、3、または4位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の3’末端から4、3、2、または1位に存在する。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有さないオリゴヌクレオチド内に特異的に位置する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位に存在する。
【0220】
非相補的核酸塩基の局在は、化合物の5’末端または3’末端におけるものであり得る。代替的に、1つまたは複数の非相補的核酸塩基は、化合物の内部位置に存在し得る。2つ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、それらは連続的(すなわち結合している)または非連続的であり得る。一実施形態において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーオリゴヌクレオチドのウイングセグメント中に局在する。
【0221】
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の核酸塩基長であり、または最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の核酸塩基長である、本明細書に記載される化合物は、標的核酸、例えば標的核酸、またはその規定の一部に対して4つ以下、3つ以下、2つ以下、または1つ以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0222】
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の核酸塩基長であり、または最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の核酸塩基長である、本明細書に記載される化合物は、標的核酸、例えば標的核酸、またはその規定の一部に対して6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、または1つ以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0223】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物としては、標的核酸の一部に相補的なものも挙げられる。本明細書において使用される「一部」は、標的核酸の領域またはセグメント内の定義された数の連続(すなわち結合している)核酸塩基を指す。「一部」は、化合物の定義された数の連続核酸塩基も指し得る。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも8個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも9個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも10個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも11個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも12個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも13個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも14個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも15個の核酸塩基の一部に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも16個の核酸塩基の一部に相補的である。標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個もしくはそれより多い核酸塩基の一部、またはそれらの値の任意の2つにより定義される範囲に相補的な化合物も企図される。
【0224】
同一性
本明細書に提供される化合物はまた、特定のヌクレオチド配列、配列番号、または特定のISISもしくはION番号で表される化合物、またはその一部に対して、規定されたパーセント同一性を有し得る。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドである。本明細書において使用される化合物は、同一の核酸塩基対合能力を有する場合、本明細書に開示した配列と同一である。例えば、開示されたDNA配列においてチミジンの代わりにウラシルを含むRNAは、ウラシルおよびチミジンが両方ともアデニンと対合するため、DNA配列と同一であると見なされるであろう。本明細書に記載される化合物のより短いおよび長い型、ならびに本明細書に提供される化合物に対して非同一の塩基を有する化合物も想定される。非同一塩基は、互いに隣接するか、または化合物全体に分散され得る。化合物のパーセント同一性は、それが比較される配列と同一の塩基対を有する塩基の数に従って計算される。
【0225】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物またはその部分は、本明細書に開示した化合物もしくは配列番号またはその部分の1つ以上に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%、またはこれらまで同一である。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号、または特定のISISもしくはION番号で表される化合物、あるいはその部分に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%、またはそれらの値間の任意の百分率だけ同一であり、化合物は、1つ以上のミスマッチ核酸塩基を有するオリゴヌクレオチドを含む。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位に存在する。特定のこのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位に存在する。
【0226】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、アンチセンス化合物を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物の部分は、標的核酸の等長部分と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分は、標的核酸の等長部分と比較される。
【0227】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの部分は、標的核酸の等長部分と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分は、標的核酸の等長部分と比較される。
【0228】
特定の修飾化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、結合ヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(RNAまたはDNA)であり得、または修飾オリゴヌクレオチドであり得る。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾RNAまたはDNAに対して少なくとも1つの修飾(すなわち少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(修飾糖部分および/または修飾核酸塩基を含む)および/または少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合)を含む。
【0229】
A.修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分もしくは修飾核酸塩基、または修飾糖部分および修飾核酸塩基の両方を含む。
【0230】
1.修飾糖部分
特定の実施形態において、糖部分は、非二環式の修飾糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、二環式または三環式糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代替物である。そのような糖代替物は、他のタイプの修飾糖部分の置換に対応する1つ以上の置換を含み得る。
【0231】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1つ以上の非環式置換基を有するフラノシル環を含む非二環式修飾糖部分を含み、その非環式置換基は、限定されるものではないが、2’、4’、および/または5’位における置換基を含む。特定の実施形態において、非二環式修飾糖部分の1つ以上の非環式置換基は、分枝状である。非二環式修飾糖部分に好適な2’-置換基の例としては、限定されるものではないが、2’-F、2’-OCH3(「OMe」または「O-メチル」)、および2’-O(CH2)2OCH3(「MOE」)が挙げられる。特定の実施形態において、2’-置換基は、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF3、OCF3、O-C1~C10アルコキシ、O-C1~C10置換アルコキシ、O-C1~C10アルキル、O-C1~C10置換アルキル、S-アルキル、N(Rm)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(Rm)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(Rm)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)またはOCH2C(=O)-N(Rm)(Rn)の中から選択され、式中、各RmおよびRnは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1~C10アルキル、およびCookらの米国特許第6,531,584号明細書;Cookらの米国特許第5,859,221号明細書;およびCookらの米国特許第6,005,087号明細書に記載されている2’-置換基である。これらの2’-置換基の特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO2)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニルおよびアルキニルの中から独立して選択される1つ以上の置換基でさらに置換されてもよい。直鎖非二環式修飾糖部分に好適な4’-置換基の例としては、限定されるものではないが、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル、およびManoharanらの国際公開第2015/106128号パンフレットに記載されているものが挙げられる。非二環式修飾糖部分に好適な5’-置換基の例としては、限定されるものではないが、5’-メチル(RまたはS)、5’-ビニル、および5’-メトキシが挙げられる。特定の実施形態において、非二環式修飾糖は、2つ以上の非架橋糖置換基、例えば2’-F-5’-メチル糖部分ならびにMigawaらの国際公開第2008/101157号パンフレットおよびRajeevらの米国特許出願公開第2013/0203836号明細書に記載されている修飾糖部分および修飾ヌクレオシドを含む。
【0232】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、NH2、N3、OCF3、OCH3、O(CH2)3NH2、CH2CH=CH2、OCH2CH=CH2、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、およびN-置換アセトアミド(OCH2C(=O)-N(Rm)(Rn))から選択される直鎖2’-置換基を含む糖部分を含み、それぞれのRmおよびRnは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1~C10アルキルである。
【0233】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCF3、OCH3、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(CH3)2、O(CH2)2O(CH2)2N-(CH3)2、およびOCH2C(=O)-N(H)CH3(「NMA」)から選択される直鎖2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0234】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCH3、およびOCH2CH2OCH3から選択される直鎖2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0235】
修飾糖部分、例えば非二環式修飾糖部分を含むヌクレオシドは、ヌクレオシドの糖部分上の置換の位置により称される。例えば、2’-置換または2-修飾糖部分を含むヌクレオシドは、2’-置換ヌクレオシドまたは2-修飾ヌクレオシドと称される。
【0236】
特定の修飾糖部分は、第2の環を形成して二環式糖部分をもたらす架橋糖置換基を含む。特定のこのような実施形態において、二環式糖部分は、4’および2’フラノース環原子間の架橋を含む。そのような4’から2’の架橋糖置換基の例としては、限定されるものではないが、4’-CH2-2’、4’-(CH2)2-2’、4’-(CH2)3-2’、4’-CH2-O-2’(「LNA」)、4’-CH2-S-2’、4’-(CH2)2-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH3)-O-2’(S配置の場合、「束縛エチル」または「cEt」と称される)、4’-CH2-O-CH2-2’、4’-CH2-N(R)-2’、4’-CH(CH2OCH3)-O-2’(「束縛MOE」または「cMOE」)およびその類似体(例えば、Sethらの米国特許第7,399,845号明細書、Bhatらの米国特許第7,569,686号明細書、Swayzeらの米国特許第7,741,457号明細書、およびSwayzeらの米国特許第8,022,193号明細書を参照されたい)、4’-C(CH3)(CH3)-O-2’およびその類似体(例えば、Sethらの米国特許第8,278,283号明細書を参照されたい)、4’-CH2-N(OCH3)-2’およびその類似体(例えば、Prakashらの米国特許第8,278,425号明細書を参照されたい)、4’-CH2-O-N(CH3)-2’(例えば、Allersonらの米国特許第7,696,345号明細書およびAllersonらの米国特許第8,124,745号明細書を参照されたい)、4’-CH2-C(H)(CH3)-2’(例えば、Zhou,et al.、J.Org.Chem.,2009、74、118-134を参照されたい)、4’-CH2-C(=CH2)-2’およびその類似体(例えば、Sethらの米国特許第8,278,426号明細書を参照されたい)、4’-C(RaRb)-N(R)-O-2’、4’-C(RaRb)-O-N(R)-2’、4’-CH2-O-N(R)-2’、および4’-CH2-N(R)-O-2’(式中、各R、Ra、およびRbは、独立して、H、保護基、またはC1~C12アルキルである)(例えば、Imanishiらの米国特許第7,427,672号明細書を参照されたい)が挙げられる。
【0237】
特定の実施形態において、このような4’から2’への架橋は、独立して、-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(Ra)2-、-S(=O)x-、および-N(Ra)-から独立して選択される1~4つの結合基を含み、式中、
xは、0、1、または2であり;
nは、1、2、3、または4であり;
それぞれのRaおよびRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5~C7脂環式基、置換C5~C7脂環式基、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)、またはスルホキシル(S(=O)-J1)であり;
それぞれのJ1およびJ2は、独立して、H、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C1~C12アミノアルキル、置換C1~C12アミノアルキル、または保護基である。
【0238】
さらなる二環式糖部分は、当技術分野で既知であり、例えば、Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443、Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740、Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,20017,129,8362-8379;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wengelらの米国特許第7,053,207号明細書、Imanishiらの米国特許第6,268,490号明細書、Imanishiらの米国特許第6,770,748号明細書、Imanishiらの米国再発行特許第44,779号明細書;Wengelらの米国特許第6,794,499号明細書、Wengelらの米国特許第6,670,461号明細書;Wengelらの米国特許第7,034,133号明細書、Wengelらの米国特許第8,080,644号明細書;Wengelらの米国特許第8,034,909号明細書;Wengelらの米国特許第8,153,365号明細書;Wengelらの米国特許第7,572,582号明細書;およびRamasamyらの米国特許第6,525,191号明細書、Torstenらの国際公開第2004/106356号パンフレット、Wengelらの国際公開第91999/014226号パンフレット;Sethらの国際公開第2007/134181号パンフレット;Sethらの米国特許第7,547,684号明細書;Sethらの米国特許第7,666,854号明細書;Sethらの米国特許第8,088,746号明細書;Sethらの米国特許第7,750,131号明細書;Sethらの米国特許第8,030,467号明細書;Sethらの米国特許第8,268,980号明細書;Sethらの米国特許第8,546,556号明細書;Sethらの米国特許第8,530,640号明細書;Migawaらの米国特許第9,012,421号明細書;Sethらの米国特許第8,501,805号明細書;および米国特許出願公開であるAllersonらの米国特許出願公開第2008/0039618号明細書およびMigawaらの米国特許出願公開第2015/0191727号明細書を参照されたい。
【0239】
特定の実施形態において、二環式糖部分およびそのような二環式糖部分を取り込むヌクレオシドは、異性体立体配置によりさらに定義される。例えば、(本明細書に記載される)LNAヌクレオシドは、α-L立体配置またはβ-D立体配置であり得る。
【化19】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH
2-O-2’)またはα-L-LNA二環式ヌクレオシドは、アンチセンス活性を示したオリゴヌクレオチドに組み込まれている(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。本明細書において、二環式ヌクレオシドの一般的な記載には、両方の異性体立体配置が含まれる。本明細書の例示的な実施形態において、特定の二環式ヌクレオシド(例えば、LNAまたはcEt)の位置が特定される場合、それらは、別途明記しない限りβ-D立体配置にある。
【0240】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1つ以上の非架橋糖置換基および1つ以上の架橋糖置換基(例えば、5’-置換および4’-2’架橋糖)を含む。
【0241】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代替物である。特定のこのような実施形態において、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄、炭素または窒素原子で置き換えられている。特定のこのような実施形態において、そのような修飾糖部分は、本明細書に記載された架橋および/または非架橋置換基も含む。例えば、特定の糖代替物は、4’-硫黄原子および2’-位(例えば、Bhatらの米国特許第7,875,733号明細書およびBhatらの米国特許第7,939,677号明細書を参照されたい)および/または5’位の置換を含む。
【0242】
特定の実施形態において、糖代替物は、5つ以外の原子を有する環を含む。例えば、特定の実施形態において、糖代替物は、6員テトラヒドロピラン(「THP」)を含む。このようなテトラヒドロピランは、さらに修飾または置換されていてよい。このような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドとしては、限定されるものではないが、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.&Med.Chem.2002,10,841-854を参照されたい)、フルオロHNA:
【化20】
(「F-HNA」、例えばSwayzeらの米国特許第8,088,904号明細書;Swayzeらの米国特許第8,440,803号明細書;Swayzeらの米国特許;およびSwayzeらの米国特許第9,005,906号明細書を参照されたい。F-HNAは、F-THPまたは3’-フルオロテトラヒドロピランとも称され得る)、および式:
【化21】
(式中、前記修飾THPヌクレオシドのそれぞれに関して独立して、
Bxは、核酸塩基部分であり;
T
3およびT
4は、それぞれ独立して、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残部に結合するヌクレオシド間結合基であり、またはT
3およびT
4の一方は、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残部を結合するヌクレオシド間結合基であり、T
3およびT
4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、結合コンジュゲート基、または5’もしくは3’-末端基であり;
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6およびq
7は、それぞれ独立して、H、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、または置換C
2~C
6アルキニルであり;
R
1およびR
2のそれぞれは、水素、ハロゲン、置換または非置換アルコキシ、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、OC(=X)J
1、OC(=X)NJ
1J
2、NJ
3C(=X)NJ
1J
2、およびCNの中から独立して選択され、Xは、O、SまたはNJ
1であり、それぞれのJ
1、J
2、およびJ
3は、独立して、HまたはC
1~C
6アルキルである)
を有する追加の修飾THP化合物を含むヌクレオシドが挙げられる。
【0243】
特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6およびq7がそれぞれHである、修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6およびq7の少なくとも1つは、H以外である。特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6およびq7の少なくとも1つは、メチルである。特定の実施形態において、R1およびR2の一方がFである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、R1はFであり、R2はHであり、特定の実施形態において、R1は、メトキシであり、R2は、Hであり、特定の実施形態において、R1は、メトキシエトキシであり、R2は、Hである。
【0244】
特定の実施形態において、糖代替物は、6つ以上の原子および2つ以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチド中でのその使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510ならびにSummertonらの米国特許第5,698,685号明細書;Summertonらの米国特許第5,166,315号明細書;Summertonらの米国特許第5,185,444号明細書;およびSummertonらの米国特許第5,034,506号明細書を参照されたい)。本明細書において使用される用語「モルホリノ」は、以下の構造:
【化22】
を有する糖代替物を意味する。特定の実施形態において、モルホリノは、例えば、上記モルホリノ構造から置換基を付加するか、または変動させることにより修飾することができる。このような糖代替物は、本明細書において「修飾モルホリノ」と称される。
【0245】
特定の実施形態において、糖代替物は、非環式部分を含む。そのような非環式糖代替物を含むヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチドの例としては、限定されるものではないが、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照されたい)、ならびにManoharanらの国際公開第2011/133876号パンフレットに記載されているヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0246】
修飾ヌクレオシド中に使用され得る、多数の他の二環式および三環式の糖および糖代替物環系が当技術分野で既知である。
【0247】
修飾核酸塩基
核酸塩基(または塩基)の修飾または置換は、天然存在のまたは合成非修飾核酸塩基と構造的に区別可能であるが、機能的には天然存在のまたは合成非修飾核酸塩基と交換可能である。天然核酸塩基および修飾核酸塩基は、両方とも水素結合に関与し得る。このような核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性または他の何らかの有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に付与し得る。
【0248】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと称される、核酸塩基を含まない1つ以上のヌクレオシドを含む。
【0249】
特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキルまたはアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、ならびにN-2、N-6およびO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-メチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-プロピニル(C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオールアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザならびに他の8-置換プリン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、および5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、広域塩基(promiscuous base)、サイズ拡張塩基(size-expanded base)、およびフッ素化塩基から選択される。さらなる修飾核酸塩基としては、三環式ピリミジン、例えば1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オンおよび9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)が挙げられる。修飾核酸塩基としては、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環により置き換えられているもの、例えば7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジンおよび2-ピリドンを挙げることもできる。さらなる核酸塩基としては、Meriganらの米国特許第3,687,808号明細書に開示されているもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されているもの;およびChapters 6 and 15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166 and 442-443に開示されているものが挙げられる。
【0250】
上記の修飾核酸塩基の特定のものおよび他の修飾核酸塩基の調製を教示する刊行物としては、限定されるものではないが、Manoharanらの米国特許出願公開第2003/0158403号明細書、Manoharanらの米国特許出願公開第2003/0175906号明細書;Dinhらの米国特許第4,845,205号明細書;Spielvogelらの米国特許第5,130,302号明細書;Rogersらの米国特許第5,134,066号明細書;Bischofbergerらの米国特許第5,175,273号明細書;Urdeaらの米国特許第5,367,066号明細書;Bennerらの米国特許第5,432,272号明細書;Matteucciらの米国特許第5,434,257号明細書;Gmeinerらの米国特許第5,457,187号明細書;Cookらの米国特許第5,459,255号明細書;Froehlerらの米国特許第5,484,908号明細書;Matteucciらの米国特許第5,502,177号明細書;Hawkinsらの米国特許第5,525,711号明細書;Haralambidisらの米国特許第5,552,540号明細書;Cookらの米国特許第5,587,469号明細書;Froehlerらの米国特許第5,594,121号明細書;Switzerらの米国特許第5,596,091号明細書;Cookらの米国特許第5,614,617号明細書;Froehlerらの米国特許第5,645,985号明細書;Cookらの米国特許第5,681,941号明細書;Cookらの米国特許第5,811,534号明細書;Cookらの米国特許第5,750,692号明細書;Cookらの米国特許第5,948,903号明細書;Cookらの米国特許第5,587,470号明細書;Cookらの米国特許第5,457,191号明細書;Matteucciらの米国特許第5,763,588号明細書;Froehlerらの米国特許第5,830,653号明細書;Cookらの米国特許第5,808,027号明細書;Cookらの米国特許第6,166,199号明細書;およびMatteucciらの米国特許第6,005,096号明細書が挙げられる。
【0251】
特定の実施形態において、標的核酸を標的とする化合物は、1つ以上の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、それぞれのシトシンは、5-メチルシトシンである。
【0252】
3.修飾ヌクレオチド間結合
RNAおよびDNAの天然存在ヌクレオシド間結合は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、1つ以上の修飾(すなわち非天然存在)ヌクレオシド間結合を有する本明細書に記載される化合物は、例えば、向上された細胞取り込み、標的核酸に対する向上された親和性、およびヌクレアーゼ存在下での増大された安定性等の所望の特性に起因して、多くの場合に天然存在ヌクレオシド間結合を有する化合物に優先して選択される。
【0253】
特定の実施形態において、標的核酸を標的化する化合物は、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0254】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子、およびリン原子を有さないヌクレオシド間結合を保持するヌクレオシド間結合を含む。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデートおよびホスホロチオエートが挙げられる。リン含有および非リン含有結合の調製方法は周知である。
【0255】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、任意のヌクレオシド間結合を使用して互いに結合され得る。ヌクレオシド間結合基の2つの主なクラスは、リン原子の存在または非存在により規定される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホジエステル結合(「P=O」)を含有するホスフェート(非修飾または天然存在結合とも称される)、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、およびホスホロチオエート(「P=S」)、およびホスホロジチオエート(「HS-P=S」)が挙げられる。代表的な非リン含有ヌクレオシド間結合基としては、限定されるものではないが、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-);シロキサン(-O-SiH2-O-);およびN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)が挙げられる。天然存在ホスフェート結合と比較して、修飾ヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を変動させ、一般に増大させるために使用することができる。特定の実施形態において、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物としてまたは別個のエナンチオマーとして調製することができる。代表的なキラルヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、アルキルホスホネートおよびホスホロチオエートが挙げられる。リン含有および非リン含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者に周知である。
【0256】
中性ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH2-N(CH3)-O-5’)、アミド-3(3’-CH2-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH2-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH2-O-5’)、メトキシプロピル、およびチオホルムアセタール(3’-S-CH2-O-5’)が挙げられる。さらなる中性ヌクレオシド間結合としては、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキシレートエステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホネートエステルおよびアミドを含む非イオン性結合が挙げられる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3 and 4,40-65を参照されたい)。さらなる中性ヌクレオシド間結合としては、混合N、O、SおよびCH2構成成分部分を含む非イオン性結合が挙げられる。
【0257】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、規定されたパターンまたは修飾ヌクレオシド間結合モチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、ヌクレオシド間結合は、ギャップ化モチーフで配置される。そのような実施形態では、2つのウイング領域のそれぞれのヌクレオシド間結合は、ギャップ領域中のヌクレオシド間結合と異なる。特定の実施形態において、ウイング中のヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルであり、ギャップ中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートである。ヌクレオシドモチーフは独立して選択されるため、ギャップヌクレオシド間結合モチーフを有するそのようなオリゴヌクレオチドは、ギャップヌクレオシドモチーフを有しても有さなくてもよく、ギャップヌクレオシドモチーフを有する場合、ウイング長およびギャップ長は、同一あっても同一でなくてもよい。
【0258】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、交互のヌクレオシド間結合モチーフを有する領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、均一修飾ヌクレオシド間結合の領域を含む。特定のこのような実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合により均一に結合している領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートにより均一に結合している。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルおよびホスホロチオエートから選択される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルおよびホスホロチオエートから選択され、少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートである。
【0259】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6つのホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8つのホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6つ連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8つ連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの12個連続のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくともブロックを含む。特定のこのような実施形態において、少なくとも1つのそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に位置する。特定のこのような実施形態において、少なくとも1つのそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端から3ヌクレオチド以内に位置する。
【0260】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のメチルホスポネート結合を含む。特定の実施形態において、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、1つまたは2つのメチルホスポネート結合を除く全てのホスホロチオエート結合を含む結合モチーフを含む。特定の実施形態において、1つのメチルホスポネートは、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央のギャップ中に存在する。
【0261】
特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合およびホスホジエステルヌクレオシド間結合の数は、ヌクレアーゼ耐性を維持するように配置することが望ましい。特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数および位置ならびにホスホジエステルヌクレオシド間結合の数および位置は、ヌクレアーゼ耐性を維持するように配置することが望ましい。特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させ得、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させ得る。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を依然として維持したまま、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることができ、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることができる。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を保持したまま、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることが望ましい。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ活性を保持したまま、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることが望ましい。
【0262】
4.特定のモチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、モチーフ、例えば非修飾および/もしくは修飾糖部分、核酸塩基、ならびに/またはヌクレオシド間結合のパターンを有し得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。そのような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの修飾、非修飾、および示差的修飾糖部分、核酸塩基、ならびに/またはヌクレオシド間結合がパターンまたはモチーフを規定する。特定の実施形態において、糖部分、核酸塩基、およびヌクレオシド間結合のパターンは、それぞれ互いに独立している。従って、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフおよび/またはヌクレオシド間結合モチーフにより説明することができる(本明細書において使用される核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列とは独立した核酸塩基の修飾を説明する)。
【0263】
1.特定の糖モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、規定されたパターンまたは糖モチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された1つ以上のタイプの修飾糖および/または非修飾糖部分を含む。特定の例において、このような糖モチーフとしては、限定されるものではないが、本明細書において考察される糖修飾のいずれかが挙げられる。
【0264】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、2つの外部領域または「ウイング」および中央または内部領域または「ギャップ」を含むギャップマーモチーフを有する領域を含むかまたはそれからなる。ギャップマーモチーフの3つの領域(5’-ウイング、ギャップ、および3’-ウイング)は、ヌクレオシドの連続配列を形成し、ウイングのそれぞれのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部は、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部と異なる。具体的には、ギャップに最も近いそれぞれのウイングのヌクレオシドの少なくとも糖部分(5’-ウイングの最も3’側のヌクレオシドおよび3’-ウイングの最も5’側のヌクレオシド)は、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分と異なり、従ってウイングとギャップとの間の境界(すなわちウイング/ギャップジャンクション)を定義する。特定の実施形態において、ギャップ内の糖部分は、互いに同一である。特定の実施形態において、ギャップは、ギャップの1つ以上の他のヌクレオシドの糖部分と異なる糖部分を有する1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、2つのウイングの糖モチーフは、互いに同一である(対称ギャップマー)。特定の実施形態において、5’-ウイングの糖モチーフは、3’-ウイングの糖モチーフと異なる(非対称ギャップマー)。
【0265】
特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、1~5つのヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、2~5つのヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、3~5つのヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのヌクレオシドは、全て修飾ヌクレオシドである。
【0266】
特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、8~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップのそれぞれのヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。
【0267】
特定の実施形態において、ギャップマーは、デオキシギャップマーである。このような実施形態において、それぞれのウイング/ギャップジャンクションのギャップ側上のヌクレオシドは非修飾2’-デオキシヌクレオシドであり、それぞれのウイング/ギャップジャンクションのウイング側上のヌクレオシドは修飾ヌクレオシドである。特定のこのような実施形態において、ギャップのそれぞれのヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。特定のこのような実施形態において、それぞれのウイングのそれぞれのヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。
【0268】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全修飾糖モチーフを有し、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全修飾糖モチーフを有する領域を含むかまたはそれからなり、領域の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全修飾糖モチーフを有する領域を含むかまたはそれからなり、完全修飾領域内の各ヌクレオシドは、本明細書において均一修飾糖モチーフと称される同一の修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、完全修飾オリゴヌクレオチドは、均一修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、均一修飾の各ヌクレオシドは、同一の2’-修飾を含む。
【0269】
2.特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、規定されたパターンまたはモチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された修飾および/または非修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、各核酸塩基は、修飾されている。特定の実施形態において、核酸塩基はいずれも修飾されていない。特定の実施形態において、各プリンまたは各ピリミジンは、修飾されている。特定の実施形態において、各アデニンは、修飾されている。特定の実施形態において、各グアニンは、修飾されている。特定の実施形態において、各チミンは、修飾されている。特定の実施形態において、各ウラシルは、修飾されている。特定の実施形態において、各シトシンは、修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド中のシトシン核酸塩基のいくつかまたは全部は、5-メチルシトシンである。
【0270】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。特定のこのような実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端の3ヌクレオシド以内に存在する。
【0271】
特定の実施形態において、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。特定のこのような実施形態において、修飾核酸塩基を含む1つのヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央ギャップに存在する。特定のこのような実施形態において、前記ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル部分である。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-チオピリミジンおよび5-プロピンピリミジンから選択される。
【0272】
3.特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、規定されたパターンまたはモチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された修飾および/または非修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、本質的には、各ヌクレオシド間結合基は、ホスフェートヌクレオシド間結合(P=O)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエート(P=S)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエートおよびホスフェートヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、ギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合は、全て修飾されている。特定のこのような実施形態において、ウイング中のヌクレオシド間結合のいくつかまたは全部は、非修飾ホスフェート結合である。特定の実施形態において、末端ヌクレオシド間結合は、修飾されている。
【0273】
5.特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、上記の修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)は、修飾オリゴヌクレオチドに組み込まれる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、その修飾、モチーフ、および全長によって特徴付けられる。特定の実施形態において、そのようなパラメーターは、それぞれ互いに独立している。従って、別途示されない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾でも非修飾でもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従っても従わなくてもよい。例えば、糖ギャップマーのウイング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同一であっても異なっていてもよく、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同一であっても異なっていてもよい。同様に、そのようなギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンから独立した1つ以上の修飾核酸塩基を含み得る。さらに、特定の例において、オリゴヌクレオチドは、全長または範囲によりおよび2つ以上の領域(例えば、特定の糖修飾を有するヌクレオシドの領域)の長さまたは長さ範囲により説明され、そのような場合、特定の範囲に含まれない全長を有するオリゴヌクレオチドをもたらす各範囲の数を選択することが可能であり得る。そのような場合、両方の要素を満たす必要がある。例えば、特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、15~20個の結合ヌクレオシドからなり、3つの領域A、B、およびCからなる糖モチーフを有し、領域Aは、特定の糖モチーフを有する2~6個の結合ヌクレオシドからなり、領域Bは、特定の糖モチーフを有する6~10個の結合ヌクレオシドからなり、領域Cは、特定の糖モチーフを有する2~6個の結合ヌクレオシドからなる。そのような実施形態は、AおよびCがそれぞれ6個の結合ヌクレオシドからなり、Bが10個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含まない(ヌクレオシドのこれらの数字は、A、B、およびCに関する必要条件の範囲で可能ではあるが)。これは、そのようなオリゴヌクレオチドの全長が22であり、修飾オリゴヌクレオチドの全長の上限(20)を超えるからである。本明細書では、オリゴヌクレオチドの説明が1つ以上のパラメーターに関して記載されない場合、それらのパラメーターは限定されない。従って、さらなる記載を有さずにギャップマー糖モチーフを有するとのみ記載される修飾オリゴヌクレオチドは、任意の長さ、ヌクレオシド間結合モチーフ、および核酸塩基モチーフを有し得る。別途示されない限り、全ての修飾は、核酸塩基配列とは独立している。
【0274】
特定のコンジュゲート化化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、オリゴヌクレオチド(修飾または非修飾)および場合により1つ以上のコンジュゲート基および/または末端基を含むかまたはそれらからなる。コンジュゲート基は、1つ以上のコンジュゲート部分と、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合するコンジュゲートリンカーとからなる。コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドのいずれかまたは両方の末端および/または任意の内部位置に付着し得る。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に付着している。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのいずれかまたは両方の末端に付着しているコンジュゲート基は、末端基である。特定のこのような実施形態において、コンジュゲート基または末端基は、オリゴヌクレオチドの3’および/または5’末端に付着している。特定のこのような実施形態において、コンジュゲート基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端に付着している。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの3’末端付近に付着している。特定の実施形態において、コンジュゲート基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端に付着している。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの5’末端付近に付着している。
【0275】
末端基の例としては、限定されるものではないが、コンジュゲート基、キャッピング基、ホスフェート部分、保護基、修飾または非修飾ヌクレオシド、および独立して修飾されたまたは非修飾の2つ以上のヌクレオシドが挙げられる。
【0276】
GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドおよびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合する。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は、小分子、アプタマー、抗体、またはペプチドを含む。
【0277】
1.特定のGLP-1受容体小分子コンジュゲート部分
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドと、GLP-1受容体に結合することが可能な小分子コンジュゲート部分とを含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドと、コンジュゲートリンカーと、GLP-1受容体に結合することが可能な小分子コンジュゲート部分とを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0278】
当技術分野で既知である、GLP-1受容体に結合することが可能な任意の小分子コンジュゲート部分をいくつかの実施形態で使用することができる。例えば、特定の実施形態では、GLP-1受容体に結合することが可能な小分子コンジュゲート部分は、Willard et al.,“Small Molecule Drug Discovery at the Glucagon-like Peptide-1 Receptor,”Experimental Diabetes Research Vol.2012 pgs.1-9;Sloop et al.,“Novel Small Molecule Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonist Stimulates Insulin Secretion in Rodents and From Human Islets,”Diabetes Vol,59,2010 pgs.3099-3107;Knudsen et al.,“Small-molecule agonists for the glucagon-like peptide 1 receptor,”PNAS 2007 Jan 16;104(3):937-42;またはWang et al.,“Non-peptidic glucose-like peptide-1 receptor agonists:aftermath of a serendipitous discovery,”Acta Pharmacologica Sinica (2010)31:1026-1030(これらは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されている小分子GLP-1受容体拮抗薬である。
【0279】
特定の実施形態において、GLP-1受容体に結合することが可能な小分子コンジュゲート部分は、以下の式:
【化23】
【化24】
【化25】
のいずれかを有する。
【0280】
2.特定のGLP-1受容体抗体コンジュゲート部分
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドと、GLP-1受容体に結合することが可能な抗体またはその断片とを含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体に結合することが可能な抗体またはその断片を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドである。当技術分野で既知である、GLP-1受容体に結合することが可能な任意の抗体またはその断片をいくつかの実施形態で使用することができる。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドおよび国際公開第2005018536号パンフレット、米国特許出願公開第20060275288号明細書、米国特許第8,389,689号明細書、または国際公開第2011056644号パンフレット(これらは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているGLP-1受容体に結合することが可能な抗体またはその断片を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、および国際公開第2005018536号パンフレット、米国特許出願公開第20060275288号明細書、米国特許第8,389,689号明細書、または国際公開第2011056644号パンフレット(これらは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているGLP-1受容体に結合することが可能な抗体またはその断片を含む。
【0281】
3.特定のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドおよびGLP-1ペプチドまたはその断片もしくは変異体を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1ペプチドまたはその断片もしくは変異体を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドである。当技術分野で既知の任意のGLP-1ペプチドまたはその断片もしくは変異体をいくつかの実施形態で使用することができる。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドおよび米国特許出願公開第20140206607号明細書;米国特許第9,187,522号明細書;米国特許第8,329,419号明細書;または国際公開第2007/124461号パンフレット(これらは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているGLP-1ペプチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、および米国特許出願公開第20140206607号明細書;米国特許第9,187,522号明細書;米国特許第8,329,419号明細書;または国際公開第2007/124461号パンフレット(これらは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているGLP-1ペプチドを含む。
【0282】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-37):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)である)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-37):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG-NH2(配列番号1)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0283】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-37):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)である)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-37):HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG-NH2(配列番号1)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0284】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-37)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-37)のアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0285】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびその全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である、8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびその全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である、8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0286】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびその全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である、8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびその全長にわたってGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である、8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0287】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0288】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0289】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-36)アミド:HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH2(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-NH2(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-36)アミド:HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH2(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-NH2(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-36):HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-36):HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(配列番号2)である)のアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0290】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-36)アミド(配列番号2)のアミノ酸配列からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-36)アミド(配列番号2)のアミノ酸配列からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-36)(配列番号2)のアミノ酸配列からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-36)(配列番号2)のアミノ酸配列からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0291】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号3)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号3)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0292】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号3)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号3)である)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号3)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0293】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)である)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号4)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)である)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号4)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0294】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)である)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号4)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号4)である)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:EGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号4)からなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0295】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、および限定されるものではないが、リラグルチド(Novo NordiskのVICTOZA(登録商標));アルビグルチド(GlaxoSmithKlineのSYNCRIA(登録商標));タスポグルチド(Hoffman La-Roche);LY2189265(Eli Lilly and Company);LY2428757(Eli Lilly and Company);デスアミノ-His7,Arg26,Lys34-((nε(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37);デスアミノ-His7,Arg26,Lys34(nε-オクタノイル)-GLP-1(7-37);Arg26,34,Lys38(Nε-(Ω-カルボキシペンタデカノイル))-GLP-1(7-38);Arg26,34,Lys36(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-36);Aib8.35,Arg26,34、Phe31-GLP-1(7-36))(配列番号5);HXaa8EGTFTSDVSSYLEXaa22Xaa23AAKEFIXaa30WLXaa33Xaa34G Xaa36Xaa37(式中、Xaa8は、A、V、またはGであり;Xaa22は、G、K、またはEであり;Xaa23は、QまたはKであり;Xaa30は、AまたはEであり;Xaa33は、VまたはKであり;Xaa34は、K、N、またはRであり;Xaa36は、RまたはGであり;およびXaa37は、G、H、P、または非存在である)(配列番号6);Arg34-GLP-1(7-37)(配列番号7);Glu30-GLP-1(7-37)(配列番号8);Lys22-GLP-1(7-37)(配列番号9);Gly8.36,Glu22-GLP-1(7-37)(配列番号10);Val8,Glu22,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号11);Gly8.36,Glu22,Lys33,Asn34-GLP-1(7-37)(配列番号12);Val8,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号13);Gly8.36,Glu22,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号14);Val8,Glu22,Gly36Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号15);Gly8.36,Glu22,Lys33、Asn34,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号16);Val8,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号17);Gly8.36,Glu22-GLP-1(7-36)(配列番号18);Val8,Glu22,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号19);Val8,Glu22,Asn34,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号20);Gly8.36,Glu22,Asn34-GLP-1(7-36)(配列番号21)を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分の類似体を含む。前述した類似体のいずれも場合によりアミド化され得る。
【0296】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、および限定されるものではないが、イラグルチド、タスポグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、セマグルチドを含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分の類似体を含む。これらの類似体は、Lorenz M et al.,“Recent progress and future options in the development of GLP-1 receptor agonists for the treatment of diabesity,”Bioorg Med Chem Lett.2013 Jul 15;23(14):4011-8(これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0297】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:H-AibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPPSC-NH2(配列番号22)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。
【0298】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:H-AibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPPSX-NH2(配列番号23)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、Xは、ペニシラミンであり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである。
【0299】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRC(これは、従来の3文字表記では、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Cys(配列番号24)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRC-NH2(配列番号24)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0300】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号25)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:H-His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-NH2(配列番号25)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Hは、N-末端を示し、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0301】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:AGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEAIAWLVKGGPSSGAPPSC(これは、従来の3文字表記では、Ala-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Ala-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号26)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:AGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEAIAWLVKGGPSSGAPPPSC-NH2(配列番号26)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0302】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:AGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEAIAWLVKGGPSSGAPPPSX(ここで、Xは、ペニシラミンである)(これは、従来の3文字表記では、Ala-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Ala-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号27)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Penは、ペナシラミンである。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:AGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEAIAWLVKGGPSSGAPPPSX-NH2(配列番号27)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Xは、ペニシラミンであり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0303】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLV(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val(配列番号28)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLV-NH2(配列番号28)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0304】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVK(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys(配列番号29)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVK-NH2(配列番号29)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0305】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly(配列番号30)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKG-NH2(配列番号30)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0306】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGG(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly(配列番号31)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGG-NH2(配列番号31)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0307】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGP(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro(配列番号32)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGP-NH2、(配列番号32)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aib、はアミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0308】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPS(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser(配列番号33)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPS-NH2(配列番号33)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0309】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSS(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser(配列番号34)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSS-NH2(配列番号34)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0310】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSG(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly(配列番号35)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSG-NH2(配列番号35)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0311】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGA(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala(配列番号36)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGA-NH2(配列番号36)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0312】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAP(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro(配列番号37)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAP-NH2(配列番号37)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0313】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSZ(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Zaa(配列番号38)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化26】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0314】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSZ-NH
2(配列番号38)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化27】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0315】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Arg-Gly-Arg-Gly-Zaa(配列番号39)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化28】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0316】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGZ-NH
2(配列番号39)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化29】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0317】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEGQAANXEFIAWLVRGRG(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Asn-Xaa-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Arg-Gly-Arg-Gly(配列番号40)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびXまたはXaaは、式:
【化30】
を有するリシン(5アジドペンタン酸アミド)である。
【0318】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEGQAANXEFIAWLVRGRG-NH
2(配列番号40)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびXまたはXaaは、式:
【化31】
を有するリシン(5アジドペンタン酸アミド)である。
【0319】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVK-AibRZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Aib-Arg-Zaa(配列番号41)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化32】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0320】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVK-AibRZ-NH
2(配列番号41)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化33】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0321】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HSEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRZ(これは、従来の3文字表記では、His-Ser-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Zaa(配列番号42)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化34】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0322】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HSEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRZ-NH
2(配列番号42)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化35】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0323】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Zaa(配列番号43)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化36】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0324】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPZ-NH
2(配列番号43)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化37】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0325】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Zaa(配列番号44)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化38】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0326】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSZ-NH
2(配列番号44)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化39】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0327】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Zaa(配列番号45)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化40】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0328】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKZ-NH
2(配列番号45)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化41】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0329】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Zaa(配列番号46)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化42】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0330】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVZ-NH
2(配列番号46)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化43】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0331】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVC(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Cys(配列番号47)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である。
【0332】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVC-NH2(配列番号47)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびNH2は、C-末端アミドを示す。
【0333】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Zaa(配列番号48)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化44】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0334】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLZ-NH
2(配列番号48)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化45】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0335】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Zaa(配列番号49)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化46】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0336】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWZ-NH
2(配列番号49)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化47】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0337】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Zaa(配列番号50)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化48】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0338】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAZ-NH
2(配列番号50)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化49】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0339】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGZ(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Zaa(配列番号51)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化50】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0340】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGZ-NH
2(配列番号51)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化51】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0341】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNZ(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Zaa(配列番号52)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化52】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0342】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNZ-NH
2(配列番号52)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化53】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0343】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKZ(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Zaa(配列番号53)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化54】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0344】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKZ-NH
2(配列番号53)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化55】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0345】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLZ(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Zaa(配列番号54)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化56】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0346】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLZ-NH
2(配列番号54)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化57】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0347】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWZ(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Zaa(配列番号55)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ZまたはZaaは、
【化58】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0348】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWZ-NH
2(配列番号55)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化59】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0349】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPPSZ(これは、従来の3文字表記では、His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Zaa(配列番号56)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびZまたはZaaは、
【化60】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0350】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPPSZ-NH
2(配列番号56)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、NH
2は、C-末端アミドを示し、およびZまたはZaaは、
【化61】
を含む4-アジドノルロイシンである。
【0351】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSC(これは、従来の3文字表記では、His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号57)である)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0352】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、およびアミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSC-NH2(配列番号57)を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、NH2は、C-末端アミドを示す。
【0353】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、および配列番号1~57のいずれか1つのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、および配列番号1~57のいずれか1つのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0354】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびその全長にわたって配列番号1~57のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である、8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびその全長にわたって配列番号1~57のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である、8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0355】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびその全長にわたって配列番号1~57のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびその全長にわたって配列番号1~57のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である8~50アミノ酸長のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0356】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、およびGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列と比較した場合に1、2、3、4、5、6、7または8アミノ酸置換、挿入、欠失、またはそれらの2つ以上の組み合わせを有するアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列と比較した場合に1、2、3、4、5、6、7または8アミノ酸置換、挿入、欠失、またはそれらの2つ以上の組み合わせを有するアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0357】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、場合によりコンジュゲートリンカー、および配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、および配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列と比較した場合に1、2、3、4、5、6、7または8アミノ酸置換、挿入、欠失、またはそれらの2つ以上の組み合わせを有するアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、および配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列と比較した場合に1、2、3、4、5、6、7または8アミノ酸置換、挿入、欠失、またはそれらの2つ以上の組み合わせを有するアミノ酸配列を含むGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含む。
【0358】
上記の実施形態のいずれかにおいて、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、保存的アミノ酸置換、アミノ酸類似体、またはアミノ酸誘導体を含むことができる。特定の実施形態において、保存的アミノ酸置換は、他の脂肪族アミノ酸による脂肪族アミノ酸の置き換え;スレオニンによるセリンの置き換えもしくはその逆;他の酸性残基による酸性残基の置き換え;アミド基を支持する他の残基による、アミド基を支持する残基の置き換え;塩基性残基の他の塩基性残基との交換;または他の芳香族残基による芳香族残基の置き換え、あるいはそれらの組み合わせを含み、および脂肪族残基は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンもしくはそれらの合成均等物を含み、酸性残基は、アスパラギン酸、グルタミン酸もしくはそれらの合成均等物を含み、アミド基を含む残基は、アスパラギン酸、グルタミン酸もしくはそれらの合成均等物を含み、塩基性残基は、リシン、アルギニンもしくはそれらの合成均等物を含み、または芳香族残基は、フェニルアラニン、チロシンもしくはそれらの合成均等物を含む。
【0359】
本明細書に提供する実施形態に使用できるさらなるGLP-1ペプチドコンジュゲート部分または類似体は、米国特許出願公開第20140206607号明細書;米国特許第9,187,522号明細書;国際公開第2007/124461号パンフレット;国際公開第2014/096179号パンフレット;国際公開第2009/030738号パンフレット;国際公開第2016/055610号パンフレット;および米国特許第8,329,419号明細書(これらは、全て参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0360】
コンジュゲートリンカー
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合する。特定の化合物において、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は、単結合によってコンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに付着している。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、ヒドロカルビル鎖等の鎖構造、またはエチレングリコール、ヌクレオシドもしくはアミノ酸単位等の反復単位のオリゴマーを含む。
【0361】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、およびヒドロキシルアミノから選択される1つ以上の基を含む。特定のこのような実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミドおよびエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキルおよびアミド基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキルおよびエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのホスフェート基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つの中性結合基を含む。
【0362】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカー、例として、上記コンジュゲートリンカーは、二官能性結合部分、例えば親化合物、例えば本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドへのコンジュゲート基の付着に有用であることが当技術分野において公知のものである。一般に、二官能性結合部分は、少なくとも2つの官能基を含む。官能基のあるものは、化合物の特定の部位に結合するように選択され、他方は、コンジュゲート基に結合するように選択される。二官能性結合部分中に使用される官能基の例としては、限定されるものではないが、求核基と反応するための求電子剤および求電子基と反応するための求核剤が挙げられる。特定の実施形態において、二官能性結合部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル、およびアルキニルから選択される1つ以上の基を含む。
【0363】
コンジュゲートリンカーの例としては、限定されるものではないが、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-メレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)および6-アミノヘキサン酸(AHEXまたはAHA)が挙げられる。他のコンジュゲートリンカーとしては、限定されるものではないが、置換もしくは非置換C1~C10アルキル、置換もしくは非置換C2~C10アルケニルまたは置換もしくは非置換C2~C10アルキニルが挙げられ、好ましい置換基の非限定的列記としては、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニルおよびアルキニルが挙げられる。
【0364】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、そのようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態において、そのようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、リンカー-ヌクレオシドは、非修飾である。特定の実施形態において、リンカー-ヌクレオシドは、場合により、プリン、置換プリン、ピリミジンまたは置換ピリミジンから選択される保護された複素環式塩基を含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニンおよび2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。一般に、リンカー-ヌクレオシドは、標的組織に到達した後、化合物から開裂されることが望ましい。従って、リンカー-ヌクレオシドは、一般に開裂可能結合を介して互いに結合し、かつ化合物の残りの部分に結合する。特定の実施形態において、そのような開裂可能結合は、ホスホジエステル結合である。
【0365】
本明細書において、リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの一部として見なされない。従って、化合物が特定の数もしくは範囲の結合ヌクレオシドからなり、および/または参照核酸に対する特定のパーセント相補性のオリゴヌクレオチドを含み、かつ化合物がリンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲート基も含む実施形態では、そのリンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さに向かって計数されず、参照核酸に対するオリゴヌクレオチドのパーセント相補性の決定に使用されない。例えば、化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドと、(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドと連続する1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲート基とを含み得る。このような化合物の連続的な結合ヌクレオシドの総数は、30個を超える。代替的に、化合物は、8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲート基を含まない場合がある。このような化合物の連続的な結合ヌクレオシドの総数は、30個以下である。別途示されない限り、コンジュゲートリンカーは、10個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、5個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、3個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、2個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。
【0366】
特定の実施形態において、コンジュゲート基がオリゴヌクレオチドから開裂されることが望ましい。例えば、特定の状況において、特定のコンジュゲート部分を含む化合物は、特定の細胞タイプにより吸収される方がよいが、化合物が吸収されると、コンジュゲート基が開裂されて非コンジュゲート化または親オリゴヌクレオチドを解放することが望ましい。従って、特定のコンジュゲートは、一般にコンジュゲートリンカー内に1つ以上の開裂可能部分を含み得る。特定の実施形態において、開裂可能部分は、開裂可能結合である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、少なくとも1つの開裂可能結合を含む原子団である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つ以上の開裂可能結合を有する原子団を含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、細胞内またはリソソーム等の細胞内コンパートメント内で選択的に開裂される。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ヌクレアーゼ等の内因性酵素によって選択的に開裂される。
【0367】
特定の実施形態において、開裂可能結合は、アミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方または両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、またはジスルフィドの中から選択される。特定の実施形態において、開裂可能結合は、ホスホジエステルのエステルの一方または両方である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ホスフェートまたはホスホジエステルを含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲート部分またはコンジュゲート基との間のホスフェート結合である。
【0368】
特定の実施形態において、開裂可能部分は、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドを含むかまたはそれからなる。特定のこのような実施形態において、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドは、互いに結合し、および/または開裂可能結合を介して化合物の残りの部分に結合している。特定の実施形態において、そのような開裂可能結合は、非修飾ホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ホスフェートヌクレオシド間結合によってオリゴヌクレオチドの3’または5’-末端ヌクレオシドのいずれかに付着し、かつホスフェートまたはホスホロチオエート結合によってコンジュゲートリンカーまたはコンジュゲート部分の残りの部分に共有結合した2’-デオキシヌクレオシドである。特定のこのような実施形態において、開裂可能部分は、2’-デオキシアデノシンである。
【0369】
1.特定のヘキシルアミノリンカー
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化62】
(式中、各nは、独立して0、1、2、3、4、5、6、または7から選択される)
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0370】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化63】
(式中、各nは、独立して1~20であり;およびpは、1~6である)
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0371】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化64】
(式中、各nは、独立して、1~20である)
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0372】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化65】
(式中、各nは、独立して、1~20である)
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0373】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化66】
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0374】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化67】
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0375】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化68】
から選択されるコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0376】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化69】
を有するコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0377】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化70】
(式中
Xは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合し;および
Yは、直接または間接的に修飾オリゴヌクレオチドに結合する)
を有するコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0378】
特定の実施形態において、化合物は、国際公開第2014/179620号パンフレット(これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されている任意のコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0379】
2.特定のアルキルホスフェートリンカー
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化71】
(式中:
ホスフェート基は、修飾オリゴヌクレオチドに連結され、かつYは、コンジュゲート基に連結され;
Yは、ホスホジエステルまたはアミノ(-NH-)基であり;
Zは、式:
【化72】
を有するピロリジニル基であり;
jは、0または1であり;
nは、約1~約10であり;
pは、1~約10であり;
mは、0または1~4であり;および
Yがアミノである場合、mは、1である)
を有するコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0380】
特定の実施形態において、Yは、アミノ(-NH-)である。特定の実施形態において、Yは、ホスホジエステル基である。特定の実施形態において、nは、3であり、およびpは、3である。特定の実施形態において、nは、6であり、およびpは、6である。特定の実施形態において、nは、2~10であり、およびpは、2~10である。特定の実施形態において、nおよびpは、異なる。特定の実施形態において、nおよびpは、同じである。特定の実施形態において、mは、0である。特定の実施形態において、mは、1である。特定の実施形態において、jは、0である。特定の実施形態において、jは、1であり、およびZは、式:
【化73】
を有する。
【0381】
特定の実施形態において、nは、2であり、およびpは、3である。特定の実施形態において、nは、5であり、およびpは、6である。
【0382】
特定の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【化74】
(式中、Xは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
T
1は、修飾オリゴヌクレオチドを含み;かつBxは、修飾または非修飾核酸塩基である)
を有するコンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。
【0383】
3.特定のクリックケミストリーリンカー
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、当技術分野で既知のクリックケミストリーを用いて調製される。化合物は、クリックケミストリーを用いて調製されており、固体担体に付着したオリゴマー化合物上のアルキニルホスホネートヌクレオシド間結合が、1,2,3-トリアゾリルホスホネートヌクレオシド間結合に変換された後、固体担体から開裂される(Krishna et al.,J.Am.Chem.Soc.2012,134(28),11618-11631)(これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態で使用するのに好適なさらなるリンカーは、“Click Chemistry for Biotechnology and Materials Science”Ed.Joerg Laham,Wiley 2009(これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているクリックケミストリーによって調製することができる。
【0384】
特定の実施形態において、クリック反応を用いて、
【化75】
を、限定されるものではないが、以下の化合物:
【化76】
(式中、Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む、末端アミンを有するオリゴヌクレオチドと反応させて、
【化77】
を得、これを、アジドを有するGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分と反応させて、
【化78】
(式中、N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、およびXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着する)
を得ることにより、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分とオリゴヌクレオチドとを結合することができる。
【0385】
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、以下の化合物:
【化79】
から調製される。
【0386】
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、
【化80】
を含む。
【0387】
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、
【化81】
を含む。
【0388】
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、化合物は、
【化82】
(式中、N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。
【0389】
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、化合物は、
【化83】
(式中、N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。
【0390】
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、化合物は、
【化84】
(式中、N-N=Nは、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する)
を含む。
【0391】
4.特定のマレイミドリンカー
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、
【化85】
を含み、
Xは、直接または間接的にGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する。
【0392】
特定の実施形態において、上記のコンジュゲートリンカーは、ペプチドをオリゴヌクレオチドに結合することができる。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってペプチドに結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、
【化86】
を含み、
Xは、直接または間接的にペプチドに付着し;および
Yは、直接または間接的にオリゴヌクレオチドに付着する。
【0393】
5.特定のジスルフィド結合
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、ジスルフィド結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分とジスルフィド結合を形成する活性化ジスルフィドを含む。特定の実施形態において、化合物は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分と開裂可能または可逆的な結合を形成することが可能な活性化ジスルフィド部分を含むオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーを有することなく、ジスルフィド結合によってGLP-1ペプチドコンジュゲート部分に直接付着するオリゴヌクレオチドを含む。
【0394】
特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドと活性化ジスルフィド部分との間のリンカーを含む。別の実施形態では、活性化ジスルフィド部分は、式-S-S(O)2-置換もしくは非置換C1~C12アルキルまたは-S-S-C(O)O-置換もしくは非置換C1~C12アルキルを有する。好ましい活性化ジスルフィド部分は、メタンチオスルホネートおよびジチオカルボメトキシである。さらなる実施形態において、活性化ジスルフィドは、置換もしくは非置換ジチオピリジル、置換もしくは非置換ジチオベンゾチアゾリル、または置換もしくは非置換ジチオテトラゾリルである。好ましい活性化ジスルフィドは、2-ジチオピリジル、2-ジチオ-3-ニトロピリジル、2-ジチオ-5-ニトロピリジル、2-ジチオベンゾチアゾリル、N-(C1~C12アルキル)-2-ジチオピリジル、2-ジチオピリジル-N-オキシド、または2-ジチオ-1-メチル-1H-テトラゾリルである。
【0395】
いくつかの実施形態では、活性化ジスルフィド部分は、式-S-S(O)n-R1を有し、式中、
nは、0、1、または2であり;および
R1は、置換もしくは非置換複素環式、置換もしくは非置換脂肪族、または-C(O)O-R2から選択され、R2-は、置換または非置換脂肪族である。
【0396】
別の実施形態では、活性化ジスルフィド部分は、式-S-S(O)2-置換もしくは非置換C1~C12アルキルまたは-S-S-C(O)O-置換もしくは非置換C1~C12アルキルを有する。特定の実施形態において、活性化ジスルフィド部分は、メタンチオスルホネートおよびジチオカルボメトキシを含む。さらなる実施形態において、活性化ジスルフィドは、置換もしくは非置換ジチオピリジル、置換もしくは非置換ジチオベンゾチアゾリル、または置換もしくは非置換ジチオテトラゾリルであり得る。活性化ジスルフィドのさらなる例としては、限定されるものではないが、2-ジチオピリジル、2-ジチオ-3-ニトロピリジル、2-ジチオ-5-ニトロピリジル、2-ジチオベンゾチアゾリル、N-(C1~C12アルキル)-2-ジチオピリジル、2-ジチオピリジル-N-オキシド、および2-ジチオ-1-メチル-1H-テトラゾリルが挙げられる。
【0397】
いくつかの実施形態では、二価結合基は、二価置換または非置換脂肪族基である。別の実施形態では、二価結合基は、式-Q1-G-Q2-を有し、式中、
Q1およびQ2は、独立して非存在または置換もしくは非置換C1~C12アルキレン、置換もしくは非置換アルカリーレンまたは-(CH2)m-O-(CH2)p-から選択され、
各mおよびpは、独立して、1~約10の整数であり;
Gは、-NH-C(O)-、-C(O)-NH-、-NH-C(O)-NH-、-NH-C(S)-NH-、-NH-O-、NH-C(O)-O-、または-O-CH2-C(O)-NH-である。
【0398】
二価結合基の例としては、限定されるものではないが、
【化87】
が挙げられる。
【0399】
特定の実施形態において、化合物は、米国特許第7,713,944号明細書(これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているジスルフィド結合によってGLP-1ペプチドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、オリゴヌクレオチドは、米国特許第7,713,944号明細書(これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されている活性化ジスルフィドを含む。
【0400】
特定の実施形態において、直接または本明細書に記載されるコンジュゲートリンカーにより、ジスルフィド結合によってGLP-1ペプチドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含む上記の化合物のいずれかは、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分のシステイン、ペニシラミン、ホモシステイン、メルカプトプロピオン酸、またはβ-メルカプト-β,β,-シクロペンタメチレンプロピオン酸部分と、オリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートリンカーとの間のジスルフィド結合を含むことができる。特定の実施形態において、化合物は、ジスルフィド結合によってGLP-1ペプチドコンジュゲート部分に直接結合したオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、ジスルフィド結合によってGLP-1ペプチドコンジュゲート部分に直接結合したオリゴヌクレオチドを含み、ジスルフィド結合は、オリゴヌクレオチドと、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分のシステイン、ペニシラミン、ホモシステイン、メルカプトプロピオン酸、またはβ-メルカプト-β,β,-シクロペンタメチレンプロピオン酸部分との間である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ジスルフィド結合は、コンジュゲートリンカーとGLP-1ペプチドコンジュゲート部分とを結合し、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートリンカーに付着している。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1ペプチドコンジュゲート部分を含み、ジスルフィド結合は、コンジュゲートリンカーをGLP-1ペプチドコンジュゲート部分のシステイン、ペニシラミン、ホモシステイン、メルカプトプロピオン酸、またはβ-メルカプト-β,β,-シクロペンタメチレンプロピオン酸部分に結合し、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートリンカーに付着している。特定の実施形態において、システイン、ペニシラミン、ホモシステイン、メルカプトプロピオン酸、またはβ-メルカプト-β,β,-シクロペンタメチレンプロピオン酸部分は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分のN-末端、C-末端、側鎖、または内部アミノ酸位置に存在する。
【0401】
6.特定の酵素開裂可能結合
特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲートリンカーによってGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合されたオリゴヌクレオチドを含み、コンジュゲートリンカーは、酵素開裂可能部分を含む。特定の実施形態において、GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分である。特定の実施形態において、酵素開裂可能部分は、ジペプチド等のペプチドである。
【0402】
プロドラッグの活性化に使用される当技術分野で既知の酵素は、特定の実施形態に提供される酵素開裂可能部分を開裂するのに使用することができる。特定の実施形態において、酵素開裂可能部分は、DTジアホラーゼ、プラスミン、カルボキシペプチダーゼG2、チミジンキナーゼ(ウイルス)、シトシンデアミナーゼ、ブドウ糖オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、α-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アゾレダクターゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ、β-グルクロニダーゼ、β-ラクタマーゼ、アルカリホスファターゼ、アミノペプチダーゼ,ペニシリンアミダーゼまたはニトロレダクターゼにより開裂され得る。
【0403】
特定の実施形態において、酵素開裂可能部分は、プロテアーゼまたはペプチダーゼにより開裂可能である。特定の実施形態において、酵素開裂可能部分は、ガストリクシン、メマプシン-2、キモシン、レニン、レニン-2、カテプシンD、カテプシンE、ペニシロペプシン、リゾプスペプシン、ムコルペプシン、バリアペプシン、アスペルギロペプシンI、エンドチアペプシン、サッカロペプシン、フィテプシン(phytepsin)、プラスメプシン-1、プラスメプシン-2、ヤプシン-1、ヤプシン-2、ネペンテシン、メマプシン-1、ナプシンA、HIV-1レトロペプシン、HIV-2レトロペプシン、サル免疫不全ウイルスレトロペプシン、ウマ感染性貧血ウイルスレトロペプシン、ネコ免疫不全ウイルスレトロペプシン、ハツカネズミ白血病ウイルスタイプレトロペプシン、マソン・ファイザー白血病ウイルスレトロペプシン、ヒト内因性レトロウイルスKレトロペプシン、レトロペプシン(ヒトT細胞白血病ウイルス)、ウシ白血病ウイルスレトロペプシン、ラウス肉腫ウイルスレトロペプシン、スキタリド(scytalido)グルタミン酸ペプチダーゼ、アスペルギログルタミン酸ペプチダーゼ、サーモプシン、シグナルペプチダーゼII、スプマペプシン(spumapepsin)、タイプ4プレピリンペプチダーゼ1、オンプチン(omptin)、プラスミノーゲン活性化因子Pla、パパイン、キモパパイン、カリカイン、グリシルエンドペプチダーゼ、茎ブロメライン、フィカイン、アクチニダイン、カテプシンV、ビグナイン(vignain)、カテプシンX、ジンギパイン、カテプシンF、アナナイン、果実ブロメライン、カテプシンL、カテプシンL1(肝蛭(Fasciola sp.))、カテプシンS、カテプシンK、カテプシンH、アリューレイン、ヒストリサイン、カテプシンB、ジペプチジル-ペプチダーゼI、ペプチダーゼ1(ダニ)、CPBペプチダーゼ、クルジパイン、V-カス(cath)ペプチダーゼ、ブレオマイシンヒドロラーゼ(動物)、ブレオマイシンヒドロラーゼ(酵母)、アミノペプチダーゼC、CPCペプチダーゼ、カルパイン-1、カルパイン-2、カルパイン-3、Tprペプチダーゼ(ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis))、ポリオウイルスタイプピコルナイン3C、肝炎Aウイルスタイプピコルナイン3C、ヒトライノウイルス2タイプピコルナイン3C、口蹄疫ウイルスピコルナイン3C、エンテロウイルスピコルナイン2A、ライノウイルスピコルナイン2A、核封入-aペプチダーゼ(プラムポックスウイルス)、タバコエッチウイルスNIaペプチダーゼ、アデナイン、ジャガイモウイルスYタイプヘルパー構成成分ペプチダーゼ、シンドビスウイルスタイプnsP2ペプチダーゼ、ストレプトパイン、クロストリパイン、ユビキチニルヒドロラーゼ-L1、ユビキチニルヒドロラーゼ-L3、レグマイン(植物β型)、レグマイン、動物タイプ、カスパーゼ-1、カスパーゼ-3、カスパーゼ-7、カスパーゼ-6、カスパーゼ-8、カスパーゼ-9、ピログルタミル-ペプチダーゼI(原核生物)、ピログルタミル-ペプチダーゼI(脊索動物)、ハツカネズミ肝炎コロナウイルスパパイン様ペプチダーゼ1、ユビキチン特異的ペプチダーゼ5、ティモウイルスペプチダーゼ、ウサギ出血性疾病ウイルス3C様ペプチダーゼ、ジンジパインRgpA、ジンジパインKgp、γ-グルタミルヒドラーゼ、口蹄疫ウイルスL-ペプチダーゼ、ブタ感染性胃腸炎ウイルスタイプメインペプチダーゼ、カリシビリン(calicivirin)、スタフォパインA、Ulp1ペプチダーゼ、セパラーゼ(酵母タイプ)、YopJタンパク質、PfpIペプチダーゼ、ソルターゼA(ブドウ球菌(Staphylococcus)タイプ)、アミノペプチダーゼN、リジルアミノペプチダーゼ(細菌)、アミノペプチダーゼA、ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ、ピログルタミル-ペプチダーゼII、サイトゾルアラニルアミノペプチダーゼ、シスチニルアミノペプチダーゼ、アミノペプチダーゼB、アミノペプチダーゼEy、アンジオテンシン変換酵素ペプチダーゼユニット1、ペプチジル-ジペプチダーゼ・カエデ属(Acer)、アンジオテンシン変換酵素ペプチダーゼユニット2、アンジオテンシン変換酵素-2、チメットオリゴペプチダーゼ、ニューロリシン、サッカロリシン、オリゴペプチダーゼA、ペプチジル-ジペプチダーゼDcp、ミトコンドリア中間体ペプチダーゼ、オリゴペプチダーゼF、サーモリシン、ビブリオリシン、シュードリシン、コッコリシン、オーレオリシン、ステアロリシン(stearolysin)、ミコリシン、スナパリシン、レイシマノリシン、細菌コラゲナーゼV、細菌コラゲナーゼG/A、マトリックスメタロペプチダーゼ-1、マトリックスメタロペプチダーゼ-8、マトリックスメタロペプチダーゼ-2、マトリックスメタロペプチダーゼ-9、マトリックスメタロペプチダーゼ-3、マトリックスメタロペプチダーゼ-10(ヒト(Homo sapiens)タイプ)、マトリックスメタロペプチダーゼ-11、マトリックスメタロペプチダーゼ-7、マトリックスメタロペプチダーゼ-12、エンベリシン、マトリックスメタロペプチダーゼ-13、膜タイプマトリックスメタロペプチダーゼ-1、膜タイプマトリックスメタロペプチダーゼ-2、マトリックスメタロペプチダーゼ-20、フラギリシン、マトリックスメタロペプチダーゼ-26、セラリシン、アエルギノリシン、ガメトリシン(gametolysin)、アスタシン、メプリンαサブユニット、プロコラーゲンC-ペプチダーゼ、コリオリシンL、コリオリシンH、フラバスタシン、フィブロラーゼ、ジャララギン、アダマリシン、アトロリシンA、アトロリシンB、アトロリシンC、アトロリシンE、アトロキサーゼ、ルセリシン(russellysin)、ADAM1ペプチダーゼ、ADAM9ペプチダーゼ、ADAM10ペプチダーゼ、クズバニアン(Kuzbanian)ペプチダーゼ(非哺乳動物)、ADAM12ペプチダーゼ、ADAM17ペプチダーゼ、ADAMTS4ペプチダーゼ、ADAMTS1ペプチダーゼ、ADAMTS5ペプチダーゼ、ADAMTS13ペプチダーゼ、プロコラーゲンI N-ペプチダーゼ、ネプリライシン、エンドセリン-変換酵素1、オリゴペプチダーゼO1、ネプリライシン-2、PHEXペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA1、カルボキシペプチダーゼA2、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼN、カルボキシペプチダーゼE、カルボキシペプチダーゼM、カルボキシペプチダーゼT、カルボキシペプチダーゼB2、カルボキシペプチダーゼA3、メタロカルボキシペプチダーゼDペプチダーゼユニット1、メタロカルボキシペプチダーゼDペプチダーゼユニット2、亜鉛D-Ala-D-Alaカルボキシペプチダーゼ(ストレプトマイセス(Streptomyces)タイプ)、vanY D-Ala-D-Alaカルボキシペプチダーゼ、vanX D-Ala-D-Alaジペプチダーゼ、ピトリライシン、インスライシン、ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼβ-サブユニット、ナルジリシン(nardilysin)、ロイシンアミノペプチダーゼ3、ロイシルアミノペプチダーゼ(植物タイプ)、アミノペプチダーゼI、アスパルチルアミノペプチダーゼ、膜ジペプチダーゼ、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ、ペプチダーゼT、カルボキシペプチダーゼSs1、β-溶解性メタロペプチダーゼ、スタフィロリシン、リソスタフィン、メチオニルアミノペプチダーゼ1(大腸菌類(Escherichia)タイプ)、メチオニルアミノペプチダーゼ2、Xaa-Proジペプチダーゼ(細菌タイプ)、アミノペプチダーゼP(細菌)、アミノペプチダーゼP2、Xaa-Proジペプチダーゼ(真核生物)、IgA1特異的メタロペプチダーゼ、テントキシリシン、ボントキシリシン、アミノペプチダーゼY、アミノペプチダーゼAp1、アミノペプチダーゼS(ストレプトマイセス(Streptomyces)タイプ)、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII、カルボキシペプチダーゼTaq、炭疽菌致死因子、デューテロリシン、ペプチジル-Lysメタロペプチダーゼ、FtsHペプチダーゼ、m-AAAペプチダーゼ、i-AAAペプチダーゼ、AtFtsH2ペプチダーゼ、パパリシン-1、Ste24ペプチダーゼ、ジペプチジル-ペプチダーゼIII、部位2ペプチダーゼ、胞子形成因子SpoIVFB、HybDペプチダーゼ、gprペプチダーゼ、キモトリプシンA(畜牛タイプ)、グランザイムB(ヒト(Homo sapiens)タイプ)、因子VII-活性化ペプチダーゼ、トリプシン(ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)タイプ)、ヒポデルミンC、エラスターゼ-2、カテプシンG、ミエロブラスチン、グランザイムA、グランザイムM、キマーゼ(ヒト(Homo sapiens)タイプ)、マスト細胞ペプチダーゼ1(クマネズミ属(Rattus)タイプ)、デュオデナーゼ、トリプターゼα、グランザイムK、マスト細胞ペプチダーゼ5(マウスナンバリング)、トリプシン1、キモトリプシンB、エラスターゼ-1、膵臓エンドペプチダーゼE、膵臓エラスターゼII、エンテロペプチダーゼ、キモトリプシンC、プロスタシン、カリクレイン1、カリクレイン関連ペプチダーゼ2、カリクレイン関連ペプチダーゼ3、カリクレイン1(ハツカネズミ(Mus musculus))、カリクレイン1関連ペプチダーゼb3、カリクレイン1関連ペプチダーゼc2(ドブネズミ(Rattus norvegicus))、カリクレイン13(ハツカネズミ(Mus musculus))、アンクロッド、ボトロンビン、補体因子D、補体構成成分活性化C1r、補体構成成分活性化C1s、補体因子Bb、マンナン結合レクチン関連セリンペプチダーゼ1、補体因子I、凝固因子XIIa、血漿カリクレイン、凝固因子XIa、凝固因子IXa、凝固因子VIIa、凝固因子Xa、トロンビン、タンパク質C(活性化)、凝固因子C(カブトガニ(Limulus)、カブトガニ(Tachypleus))、活性化、凝固因子B(カブトガニ(Limulus)、カブトガニ(Tachypleus))、活性化、凝血酵素(カブトガニ(Tachypleus)タイプ)、アクロシン、ヘプシン、マンナン結合レクチン関連セリンペプチダーゼ2、ウロキナーゼタイププラスミノーゲン活性化因子、t-プラスミノーゲン活性化因子、プラスミン、カリクレイン関連ペプチダーゼ6、プラスミノーゲン活性化因子(チスイコウモリ属(Desmodus)タイプ)、カリクレイン関連ペプチダーゼ8、カリクレイン関連ペプチダーゼ4、ストレプトグリシンA、ストレプトグリシンB、ストレプトグリシンE、α-溶解性エンドペプチダーゼ、グルタミルペプチダーゼI、DegPペプチダーゼ、HtrA2ペプチダーゼ、リジルエンドペプチダーゼ(細菌)、カリクレイン関連ペプチダーゼ7、マトリプターゼ、トガビリン、IgA1-特異的セリンペプチダーゼ(ナイセリアタイプ)、フラビビリン、スブチリシンカールスバーグ、スブチリシンレンツス(lentus)、テルミターゼ、スブチリシンAk1、ラクトセピンI、C5aペプチダーゼ、デンチリシン、スブチリシンBPN’、スブチリシンE、アクアリシン1、セレビシン、オリジン、エンドペプチダーゼK、テルモミコリン、部位-1ペプチダーゼ、ケキシン、フューリン、PCSK1ペプチダーゼ、PCSK2ペプチダーゼ、PCSK4ペプチダーゼ、PCSK6ペプチダーゼ、PCSK5ペプチダーゼ、PCSK7ペプチダーゼ、トリペプチジル-ペプチダーゼII、ククミシン、プロリルオリゴペプチダーゼ、ジペプチジル-ペプチダーゼIV(真核生物)、アシルアミノアシル-ペプチダーゼ、線維芽細胞活性化タンパク質αサブユニット、オリゴペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼY、セリンカルボキシペプチダーゼA、セリンカルボキシペプチダーゼC、セリンカルボキシ
ペプチダーゼD、kexカルボキシペプチダーゼ、D-Ala-D-AlaカルボキシペプチダーゼA、K15タイプDD-トランスペプチダーゼ、D-Ala-D-AlaカルボキシペプチダーゼB、アミノペプチダーゼDmpB、D-Ala-D-AlaペプチダーゼC、ペプチダーゼClp(タイプ1)、Xaa-Proジペプチジル-ペプチダーゼ、Lon-Aペプチダーゼ、PIM1ペプチダーゼ、アッセンブリン、サイトメガロウイルスアッセンブリン、ヘルペスウイルス8タイプアッセンブリン、リプレッサーLexA、UmuDタンパク質、シグナルペプチダーゼI、ミトコンドリア内膜ペプチダーゼ1、シグナルペプチダーゼSipS、シグナラーゼ(動物)21kDa構成成分、リソソームPro-Xaaカルボキシペプチダーゼ、ジペプチジル-ペプチダーゼII、ヘパシビリン、ポティウイルスP1ペプチダーゼ、ペスチウイルスNS3ポリタンパク質ペプチダーゼ、ウマ動脈炎ウイルスセリンペプチダーゼ、プロリルアミノペプチダーゼ、C-末端プロセシングペプチダーゼ-1、C-末端プロセシングペプチダーゼ-2、トリコーンコアペプチダーゼ(古細菌)、シグナルペプチドペプチダーゼA、感染性膵臓壊死ビルナウイルスVp4ペプチダーゼ、ジペプチダーゼE、セドリシン、セドリシン-B、トリペプチジル-ペプチダーゼI、クマモリシン、フィサロリシン、SpoIVBペプチダーゼ、アーケアン(archaean)プロテアソーム、β構成成分、細菌プロテアソーム、β構成成分、HslUVペプチダーゼのHslV構成成分、恒常的プロテアソーム触媒サブユニット1、恒常的プロテアソーム触媒サブユニット2、恒常的プロテアソーム触媒サブユニット3、γ-グルタミルトランスフェラーゼ1(細菌タイプ)、ムレインテトラペプチダーゼLD-カルボキシペプチダーゼ(大腸菌類(Escherichia)タイプ)、PepAアミノペプチダーゼ、プレセニリン1、ポリポロペプシン、カンジトロペプシン(canditropsin)、カンジダペプシンSAP2、カスパーゼ-2、カスパーゼDRONC(ショウジョウバエメラノガスター)タイプペプチダーゼ、ユビキチン特異的ペプチダーゼ7、ヒトコロナウイルス229Eメインペプチダーゼ、SARSコロナウイルスピコルナイン3C様ペプチダーゼ、AvrPphBペプチダーゼ、ソルターゼB、好冷性アルカリ性メタロペプチダーゼ(シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、アクトリシン(acutolysin)A、アミノペプチダーゼS(ブドウ球菌(Staphylococcus)タイプ)、カルボキシペプチダーゼPfu、イソアスパルチルジペプチダーゼ(メタロタイプ)、D-アミノペプチダーゼDppA、およびムレインエンドペプチダーゼから選択されるプロテアーゼまたはペプチダーゼにより開裂可能である。特定の実施形態において、酵素開裂可能部分は、カテプシンプロテアーゼまたはペプチダーゼにより開裂可能である。
【0404】
組成物および医薬組成物を配合する方法
本明細書に記載される化合物は、医薬組成物または配合物の調製のための薬学的に許容可能な活性または不活性物質と混合することができる。組成物および医薬組成物を配合する方法は、多数の基準、例として、限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度、または投与される用量に依存的である。
【0405】
特定の実施形態は、1つ以上の化合物またはその塩を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載される化合物と、薬学的に許容可能な希釈剤または担体とを含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、無菌生理食塩水溶液と、本明細書に記載される1つ以上の化合物とを含む。特定の実施形態において、そのような医薬組成物は、無菌生理食塩水溶液と、1つ以上の化合物とからなる。特定の実施形態において、無菌生理食塩水は、医薬等級生理食塩水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載される1つ以上の化合物と、無菌水とを含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載される1つの化合物と、無菌水とからなる。特定の実施形態において、無菌水は、医薬等級水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載される1つ以上の化合物と、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)とを含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載される1つ以上の化合物と、無菌PBSとからなる。特定の実施形態において、無菌PBSは、医薬等級PBSである。
【0406】
本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含む動物に投与された際、(直接または間接的に)生物活性代謝産物またはその残基を提供することができる任意の薬学的に許容可能な塩、エステルもしくはそのようなエステルの塩、または任意の他のオリゴヌクレオチドを包含する。特定の実施形態は、薬学的に許容可能な化合物の塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬学的に許容可能な塩、および他の生物学的均等物を示している。好適な薬学的に許容可能な塩としては、限定されるものではないが、ナトリウムおよびカリウム塩が挙げられる。
【0407】
非限定的な開示および参照による組み込み
本明細書に記載される特定の化合物、組成物および方法は、特定の実施形態に従った特異性により記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載される化合物を単に説明する役割を有し、その化合物を限定することを意図するものではない。
【0408】
限定されるものではないが、科学文献、特許出願公開、ジェンバンクアクセッションナンバー等を含む本明細書に引用した各参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。
【0409】
本出願に不随する配列リストは、必要に応じて「RNA」または「DNA」のいずれかとして各配列を特定するが、実際には、これらの配列は、化学修飾の任意の組み合わせで修飾され得る。当業者は、修飾オリゴヌクレオチドを記述する「RNA」または「DNA」のような指定が特定の場合に任意であることを容易に認識するであろう。例えば、2’-OH糖部分およびチミン塩基を含むヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖を有するDNA(DNAの1つの2’-Hの代わりに2’-OH)または修飾塩基を有するRNA(RNAのウラシルの代わりにチミン(メチル化ウラシル))として記述され得る。従って、限定されるものではないが、配列リストに含まれるものを含む、本明細書に提供される核酸配列は、限定されるものではないが、そのような修飾核酸塩基を有する核酸を含む、天然または修飾されたRNAおよび/またはDNAの任意の組み合わせを含む核酸を包含することが意図される。さらなる実施例として、また限定されるものではないが、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾または非修飾であるかに関わらず、そのような核酸塩基配列を有する任意のオリゴマー化合物を包含し、そのオリゴマー化合物としては、限定されるものではないが、配列「AUCGAUCG」を有するもの等のRNA塩基を含む化合物、ならびに「AUCGATCG」等のいくつかのDNA塩基およびいくつかのRNA塩基を含む化合物、ならびに「ATmCGAUCG」(ここで、mCは、5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す)等の他の修飾核酸塩基を有するオリゴマー化合物が挙げられる。
【0410】
本明細書に記載される化合物は、糖アノマーの場合のようなαもしくはβまたはアミノ酸の場合のような(D)もしくは(L)等、(R)または(S)を含む。本明細書に提供される化合物には、別途明記しない限り、それらのラセミおよび光学的に純粋な形態を含むそのような可能な異性体の全てが含まれる。同様に、全てのシス-およびトランス-異性体ならびに互変異性型も含まれる。本明細書に記載される化合物には、キラル的に純粋なまたは富んだ混合物、およびラセミ混合物が含まれる。例えば、複数のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のキラリティーが調節されまたはランダムなそのような化合物を含む。
【0411】
別途示されない限り、本明細書に記載されるオリゴマー化合物を含む任意の化合物は、その薬学的に許容可能な塩を含む。
【0412】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の原子が、示される元素の非放射性同位体または放射性同位体で置き換えられたバリエーションを含む。例えば、水素原子を含む本明細書の化合物は、各1H水素原子の全ての可能な重水素置換を包含する。本明細書の化合物により包含される同位体置換としては、限定されるものではないが、1Hの代わりに2Hまたは3H、12Cの代わりに13Cまたは14C、14Nの代わりに15N、16Oの代わりに17Oまたは18O、および32Sの代わりに33S、34S、35S、または36Sが挙げられる。
【実施例】
【0413】
実施例1:GLP-1ペプチドとコンジュゲートされた、MALAT1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の調製
3-メルカプトプロピオネートリンカーを介して5’位でコンジュゲートされたGLP-1を含むコンジュゲート化修飾オリゴヌクレオチドの調製方法。
【0414】
別途記述されない限り、オリゴマー化合物の合成に使用する全ての試薬および溶液は、商業源から購入する。標準的なホスホロアミダイト構築ブロックおよび固体担体を、例えばT、A、G、およびmC残基を含むヌクレオシド残基の組み込みに使用する。ホスホロアミダイトの無水アセトニトリル中の0.1M溶液を、2’-デオキシリボヌクレオシド、cEt BNAヌクレオシド、および好適に保護された6-アミノ-ヘキサノールのために使用した。
【化88】
【0415】
5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ISIS 786434)(核酸塩基配列:TCAGCATTCTAATAGCAGC(配列番号38)を、標準的な固相オリゴヌクレオチド手順を用いて合成および精製した。修飾オリゴヌクレオチドの5’末端は、ヘキサメチレンリンカーおよび末端アミンを含む。化合物1(3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)をChem-Impex(cat#11566)から得た。修飾オリゴヌクレオチド(約6μmol)を125μLリン酸ナトリウム緩衝液、pH8に溶解し、12μmolの化合物1をDMFに溶解した。化合物1の溶液を修飾オリゴヌクレオチド溶液に滴加し、室温で反応させた。反応は2~3時間後に完了し、生成物2をソース30Q樹脂上のHPLCにより緩衝液A 100mM NH4OAc/30%ACN/H2Oおよび緩衝液B 100mM NH4OAc/30%ACN/H2O+1.5M NaBrを用いて精製し、逆相カラム上のHPLCにより単離した。生成物画分を濃縮し、-20℃で保管した。
【0416】
化合物2を、標準的な固相ペプチド合成により合成したGLP-1ペプチドHisAibGluGlyThrPheThrSerAspValSerSerTyrLeuGluGluGlnAlaAlaLysGluPheIleAlaTrpLeuValLysGlyGlyProSerSerAlaProProProSerCys-NH2(配列番号22)との反応のための出発物質として使用した。Aibは2-アミノイソ酪酸である。化合物2を脱気水に溶解し、0.1M NaHCO3を加えてpHを約8.0に調整した。GLP-1ペプチドを50/50 0.1M NaHCO3(pH8):DMF(ジメチルホルムアミド)に溶解した。ペプチド溶液を5分間隔で少量ずつ(毎回、全体積の30%)化合物2に加えた。約1時間後、反応混合物を水(反応溶液の体積の5倍V/V)で希釈し、生成物をソース30Q樹脂上のHPLCにより緩衝液A 100mM NH4OAc/30%ACN/H2Oおよび緩衝液B 100mM NH4OAc/30%ACN/H2O+1.5M NaBrを用いて精製した。生成物画分を逆相カラム上のHPLCにより単離してISIS 816385を得た。
【0417】
実施例2:GLP-1ペプチドとコンジュゲートされた、MALAT1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の調製
3-メルカプトプロピオネートリンカーを介してC-末端ペニシラミンに5’位でコンジュゲートされたGLP-1を含むコンジュゲート化修飾オリゴヌクレオチドの調製方法。
【化89】
【0418】
化合物2を実施例1のように合成し、標準的な固相ペプチド合成により合成したGLP-1ペプチド:HisAibGluGlyThrPheThrSerAspValSerSerTyrLeuGluGluGlnAlaAlaLysGluPheIleAlaTrpLeuValLysGlyGlyProSerSerAlaProProProSerPen-NH2(配列番号23)との反応のための出発物質として使用した。Aibは2-アミノイソ酪酸であり、Penはペニシラミンである。化合物2を脱気水に溶解し、0.1M NaHCO3を加えてpHを約8.0に調整した。GLP-1ペプチドを脱気水に溶解した。化合物2の溶液とペプチド溶液とを穏やかなボルテックスで混合し、pHを調べた。0.1M NaHCO3を加えてpHを約7.5に調整した。約2時間後、追加のペプチドを加え、NaHCO3を加えてpHを上方に調整した。反応を約65時間で4℃とし、生成物を実施例1に記載したようにHPLCにより精製した。
【0419】
実施例3:GLP-1ペプチドとコンジュゲートされた、FOXO1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の調製
3-メルカプトプロピオネートリンカーを介して5’位でコンジュゲートされたGLP-1を含むコンジュゲート化修飾オリゴヌクレオチドの調製方法。
【0420】
ION 913193、FOXO1を標的とする5’-GLP-1ペプチドコンジュゲート化ASOを、化学修飾:Tdo mCdo Ado Tks mCks Tds Tds mCds Tds Tds Ads Ads Ads Aks Tes Aks mCes mCks mCk(k=cEt;d=2’-デオキシ;e=2’-MOE;mC=5-メチルシトシン;o=ホスホジエステル;およびs=ホスホロチオエート)を有する5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ION 913192)(核酸塩基配列:TCATCTTCTTAAAATACCC(配列番号59)から出発して、実施例1の手順に従って調製した。
【0421】
ION 913195、FOXO1にミスマッチされた核酸塩基配列を有する対照5’-GLP-1ペプチドコンジュゲート化ASOを、化学修飾:Tdo mCdo Ado Gks Gks mCks mCds Ads Ads Tds Ads mCds Gds mCds mCds Gds Tks mCks Ak(k=cEt;d=2’-デオキシ;e=2’-MOE;mC=5-メチルシトシン;o=ホスホジエステル;およびs=ホスホロチオエート)を有する5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ION 913194)(核酸塩基配列:TCAGGCCAATACGCCGTCA(配列番号60)から出発して、実施例1の手順に従って調製した。
【0422】
実施例4:GLP-1ペプチドとコンジュゲートされた、インスリンを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の調製
メルカプトプロピオネートリンカーを介して5’位でコンジュゲートされたGLP-1を含むコンジュゲート化修飾オリゴヌクレオチドの調製方法。
【0423】
ION 919553、インスリンを標的とする5’-GLP-1ペプチドコンジュゲート化ASOを、化学修飾:Tdo mCdo Ado Ges mCes mCes Aes Aes Gds Gds Tds mCds Tds Gds Ads Ads Gds Gds Tes mCes Aes mCes mCe(k=cEt;d=2’-デオキシ;e=2’-MOE;mC=5-メチルシトシン;o=ホスホジエステル;およびs=ホスホロチオエート)を有する5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ION 919553)(核酸塩基配列:TCAGCCAAGGTCTGAAGGTCACC(配列番号61)から出発して、実施例1の手順に従って調製した。
【0424】
実施例5:GLP-1ペプチドとコンジュゲートされた、MALAT1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の調製
化学修飾:Ges mCeo Tdo Gdo mCdo Tdo Ado Tdo Tdo Ado Gdo Ado Ado Tds Ges mCe(d=2’-デオキシ;e=2’-MOE;mC=5-メチルシトシン;o=ホスホジエステル;およびs=ホスホロチオエート)を有するION 951976(核酸塩基配列:GCTGCTATTAGAATGC(配列番号62)を、標準的な固相オリゴヌクレオチド手順を使用して合成および精製した。実施例1に記載したISIS 816385をION 951976とハイブリダイズし、2つのオリゴヌクレオチドの二重鎖を生成した。
【0425】
実施例6:GLP-1ペプチドコンジュゲート化ASOによるインビボでの膵臓β膵島細胞の特異的標的化
研究1
ASOに対するGLP-1ペプチドのコンジュゲーションが膵臓へのASO送達を増大させるか否かを決定するために、固形飼料を給餌された雄C57BL/6マウスは、ハツカネズミMALAT1を標的化する3-10-3 cEt ASO(ISIS 556089)(核酸塩基配列:GCATTCTAATAGCAGC)(配列番号63)または実施例1に記載したGLP-1コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)のいずれかの2種の静脈内注射を濃度1.8.0.6、または0.2μmol/kgで受容した。組織を最終注射から72時間後に収集して、化合物の送達および効力を評価した。
【0426】
QuantiGene ViewRNA組織アッセイ(Affymetrix、cat.No.QVT0011)を用いてMALAT1発現を検出した。種特異的なMALAT1プローブをAffymetrix(cat.No.VB-11110-01/マウス;VF1-13963/猿)から購入した。手短には、マウス組織を10%中性緩衝ホルマリン中に固定し、パラフィン中に包埋し、4mm切片に切断した。脱パラフィン後、組織スライドをAffymetrix前処理溶液中で10~30分間煮沸した後、プロテアーゼを用いて40℃で組織に応じて10~40分間処理した。MALAT1 RNAプローブを1:40希釈で使用し、サンプルと共に40℃で120分間インキュベートした。洗浄後、MALAT1 RNA/プローブ複合体をプレアンプリファイア、アンプリファイア、およびAP-オリゴヌクレオチドと40℃でそれぞれ25、15、および15分間ハイブリダイズした。PBS中で洗浄して遊離APオリゴヌクレオチドを除去した後、スライドをFast Red基質と共に室温で30分間インキュベートした。Aperioスキャナを使用して組織画像を得た。Hung et al.,2013 Nuc Acid Ther.369-78。
【0427】
インサイチュハイブリダイゼーション分析は、GLP-1ペプチドコンジュゲーションがβ膵島細胞内でMALAT1染色を低下させたが、膵臓の腺房細胞で低下させなかったことを示す。膵臓切片のASO染色は、GLP-1コンジュゲートが組織へのASO送達を増大させることにより効力を改善することを示した。GLP-1コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)で処理したマウスは、膵臓β膵島細胞内でのMALAT1発現の低下を示したが、非コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 556089)で処理したマウスでは示さなかった。様々な用量のISIS 816385で処理したマウスは、膵臓β膵島細胞内でのMALAT1発現の低下を示した。GLP-1コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)で処理したマウスは、膵臓β膵島細胞内でのASO蓄積を示したが、非コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 556089)で処理したマウスでは示さなかった。GLP-1コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)は、処理マウスの膵臓β膵島細胞内で用量依存的に蓄積した。
【0428】
研究2
実施例1に記載したGLP-1コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 816385)の膵臓MALAT1発現に関する用量応答を決定するために、固形飼料を給餌した雄C57BL/6マウスは、上記に記載したISIS 816385または非コンジュゲート化MALAT1 ASO(ISIS 556089)の単回静脈内注射を濃度0.2、0.06、および0.02μmol/kgで受容した。
【0429】
上記に記載したQuantiGene ViewRNA組織アッセイを用いてMALAT1発現を検出した。
【0430】
インサイチュハイブリダイゼーション分析は、GLP-1ペプチドコンジュゲーションが膵臓のβ膵島細胞内でMALAT1染色を0.2μmol/kg用量および0.06μmol/kg用量で低下させたことを示した。肝臓におけるISIS 816385またはISIS 556089の観察可能な効果は、いずれの用量でも観察されなかった。
【0431】
実施例7:ヒトGLP-1受容体を過剰発現しているHEK293細胞におけるGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたMALAT1およびFOXO1のアンチセンス阻害
標的MALAT1およびFOXO1を標的化するように設計されたアンチセンスオリゴヌクレオチドをグルカゴン様ペプチド1受容体ペプチド作動薬(GLP-1ペプチド)にコンジュゲートし、ヒトGLP-1受容体の安定した恒常的発現を有するHEK293細胞株(hGLP1R-HEK)を使用して、ヒト標的遺伝子発現に対するそれらの効果に関して試験した。
【0432】
Flp-IN(商標)293細胞内でhGLP1Rを発現させることにより、hGLP1R-HEK細胞株を生成した。培養したhGLP1R-HEK細胞を30,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、およそ24時間にわたり、生理食塩水、100nMまたは10μMの、上記に記載したMALAT1を標的とする非コンジュゲート化親アンチセンスオリゴヌクレオチドISIS 556089、またはFOXO1を標的とするISIS 776102(核酸塩基配列:TCTTCTTAAAATACCC)(配列番号64)、または対応するGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(上記に記載したMALAT1を標的とするISIS 816385、または上記に記載したFOXO1を標的とするION 913193)である。処理期間後、細胞を回収し、mRNAを単離し、nanadropUV-Vis分光光度計により測定して、総RNA含有量に対して調整した。MALAT1またはFOXO1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定し、同一のサンプル中のハウスキーピング遺伝子(RPLP0)のmRNAレベルに対して正規化した。ヒトMALAT1 mRNAレベルを、遺伝子発現アッセイHS00273907を用いて測定し、FOXO1 mRNAレベルを、アッセイHs01054576(Applied Biosystems)を用いて測定した。ハウスキーピング遺伝子RPLP0のmRNAレベルは、フォワード配列CCATTCTATCATCAACGGGTACAA(配列番号66)、リバース配列AGCAAGTGGGAAGGTGTAATCC(配列番号67)を有するプライマープローブセットを使用して測定した。
【0433】
データは、未処理対照細胞に対するMALAT1またはFOXO1 mRNAのパーセント阻害として示される。白色記号は、親アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理を表す一方、黒色記号は、GLP-1ペプチドにコンジュゲートされたアンチセンスヌクレオチドによる処理を表す。
図1に示すように、hGLP1R-HEK細胞株では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、GLP-1ペプチドにコンジュゲートされた際、親アンチセンスオリゴヌクレオチドと比較してより強力にMALAT1またはFOXO1 mRNAを阻害した。
【0434】
実施例8:野生型、およびヒトGPR40またはGLP-1受容体を過剰発現しているHEK293細胞における非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理後のMALAT1の用量依存的アンチセンス阻害
実施例7のMALAT1アンチセンスオリゴヌクレオチドを様々な濃度で野生型、hGPR40およびhGLP1R-HEK細胞内でさらに試験した。
【0435】
培養したhGLP1R-HEK、野生型HEK293(WT HEK293)細胞、またはhGPR40受容体を発現している細胞を30,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、およそ24時間にわたり、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10または30μMのアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した(濃度は
図2に示す)。処理期間後、細胞を回収し、mRNAを単離し、本明細書に記載した(実施例7)プライマープローブセットを使用した定量的リアルタイムPCRによりMALAT1 mRNAレベルを測定した。データをハウスキーピング遺伝子(RPLP0)に対して正規化したMALAT1 mRNAレベルとして示す。白色記号は、MALAT1を標的化する親アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 556089)による処理を表す一方、黒色記号は、GLP-1ペプチドにコンジュゲートされた同一のアンチセンスヌクレオチド(ISIS 816385)による処理を表す。
【0436】
各オリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を下記の表に示す。
【0437】
【0438】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、GLP-1ペプチド作動薬にコンジュゲートされた際、hGLP1R-HEK細胞株(
図2A)では40倍強力にMALAT1遺伝子発現を阻害し、WT HEK293(
図2B)またはhGPR40-HEK細胞株(
図2C)ではそのように阻害しなかった。
【0439】
実施例9:非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理後のマウス1次ランゲルハンス島におけるMALAT1およびFOXO1のアンチセンス阻害
MALAT1およびFOXO1を標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、遺伝子発現を低下させる能力に関してマウス1次ランゲルハンス島においてさらに試験した。
【0440】
膵島を、失血させた12~15週齢の雌C57BL/6Crlマウスから収集した膵臓のコラゲナーゼ消化により単離した。膵島を使用時まで組織培養物中に維持した。膵島を、低い細胞外カルシウム濃度を含む培地中で振とうすることにより単一細胞に分離した。10~20のインタクトまたは分離した膵島をプラスチックペトリ皿に播種し、およそ24時間にわたり、10μMのアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した。処理期間後、細胞を回収し、RNAを単離し、RIBOGREEN(登録商標)により測定して総RNA含有量に対して調整した。MALAT1またはFOXO1 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。マウスMalat1 mRNAレベルを、Applied Biosystemsの遺伝子発現アッセイMm01227912_s1を用いて測定した一方、マウスFOXO1 mRNAレベルを、フォワード配列CAGTCACATACGGCCAATCC(配列番号68)、リバース配列CGTAACTTGATTTGCTGTCCTGAA(配列番号69)およびプローブ配列TGAGCCCTTTGCCCCAGATGCCTAT(配列番号70)を有するプライマープローブセットを使用して測定した。全データは、フォワード配列GAGGAATCAGATGAGGATATGGGA(配列番号71)、リバース配列AAGCAGGCTGACTTGGTTGC(配列番号72)およびプローブ配列TCGGTCTCTTCGACTAATCCCGCCAA(配列番号73)を有するプライマープローブセットを使用して測定した、同一のサンプル中のハウスキーピング遺伝子(RPLP0)のmRNAレベルに対して正規化した。
【0441】
ハウスキーピング遺伝子(RPLP0)に対するMALAT1またはFOXO1 mRNAのレベルとしてのデータを
図3に示す。星形記号は、MALAT1(ISIS 816385)またはFOXO1(ISIS 919193)に対する処理なしを表し、白丸は、親非コンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(MALAT1を標的とするISIS 556089またはFOXO1を標的とするISIS 776102)による処理を表し、白色正方形は、GLP1ペプチドにコンジュゲートされたスクランブルFOXO1アンチセンスオリゴヌクレオチド配列(ION 913195)による処理を表す一方、黒色記号は、GLP1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理を表す。
【0442】
実施例10:非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理後のマウス1次ランゲルハンス島におけるFOXO1のアンチセンス阻害およびFoxo1タンパク質低下
FOXO1を標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、マウス1次ランゲルハンス島においてタンパク質レベルを低下させる能力に関して試験した。
【0443】
安楽死させた12~15週齢の雌B6.Cg-Lepob/Jマウスから収集した膵臓のコラゲナーゼ消化により膵島を単離し、使用時まで組織培養物中で維持した。150のインタクト膵島をプラスチックペトリ皿内に配置し、1μMのアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間毎に3時間処理し、それぞれおよそ24時間、48時間または96時間の総処理時間後に回収した。処理期間後、膵島を回収し、膵島の半分を使用して、本明細書に記載したように(実施例9)FOXO1 mRNAレベルを測定した。膵島の半分を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Complete MiniおよびphosphoSTOP、Roche Diagnostics)を含むM-PERタンパク質抽出試薬(Thermo Scientific)中でホモジナイズした。溶解物のタンパク質含有量を、BCAアッセイ試薬(Pierce)を使用して定量化した。FoxO1タンパク質を、FoxO1に対する1次抗体C29H4(Cell Signalling、#2880)を使用して、ウェスタンブロット分析により検出した。Sigmaの一次抗体(#T6074)を使用して、ゲル上に負荷するサンプルの対照としてα-チューブリンを測定した。抗-FoxO1抗体の場合、二次抗体はHRP-コンジュゲート化ポリクローナルヤギ抗-ウサギP0448(DAKO)であり、抗-α-チューブリン抗体の場合、二次抗体はHRP-コンジュゲート化ポリクローナルヤギ抗-マウスP0447(DAKO)であった。増強化学発光試薬(Pierce)を検出に使用した。
【0444】
FOXO1 mRNAの阻害を、ハウスキーピング遺伝子に対するFOXO1 mRNAとして示し、下記の表に未処理細胞のパーセントとして表し、非コンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 776102)によるmRNAの僅かな低下、およびGLP-1コンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(ION 913193)による70%を超える低下を示す。
【0445】
【0446】
ウェスタンブロットは、ビヒクルまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドで96時間処理した膵臓内で測定したFoxO1タンパク質レベルの低下を示した。タンパク質レベルを、ゲル上のバンドの強度を測定することにより定量化し、α-チューブリンの強度に対して正規化し、ビヒクル処理膵島のパーセントとして表した。FoxO1タンパク質レベルをビヒクル処理膵島内で100%に設定した。対照的に、FoxO1タンパク質レベルは、GLP-1-FOXO1 ASO処理膵島内で5%であった。
【0447】
実施例11:MALAT1を標的化する非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドのC57BL/6Crlマウスへの投与後の、膵臓におけるインサイチュのランゲルハンス島内のアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込み
MALAT1を標的とする非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、処理の静脈内または皮下投与後の膵島内へのアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みを評価した。
【0448】
雌C57BL/6Crlマウスを5つの処理グループに割り当てた。2つのグループは、ビヒクル(生理食塩水)または2μmol/kg GLP-1コンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 816385)のいずれかを尾静脈注射により受容した。3つのグループは、生理食塩水、2μmol/kg非コンジュゲート化親アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 556089)または2μmol/kg GLP-1コンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 816385)のいずれかを皮下投与により週2回、2週間受容した。全動物を最終用量からおよそ72時間後に犠牲にし、アンチセンスオリゴヌクレオチド取り込みの免疫組織化学的検査によるエクスビボ分析のために膵臓を回収した。
【0449】
全組織を10%中性緩衝ホルマリン中に室温で32時間固定した。固定後、サンプルを標準的な一連のエタノール、次いでキシレンを使用して脱水し、パラフィン中に包埋した。組織切片を厚さ4μmに切断し、superfrost(登録商標)Plusスライド上に載せた後、乾燥炉内において60℃で1時間焼いた。アンチセンスオリゴヌクレオチド検出のための免疫組織化学的検査をVentana Discovery XT免疫染色機(Ventana Medical System、Inc)内で製造業者の推奨に従って行い、全試薬はVentana製品(Roche Diagnostics、Basel、Switzerland)であった。プロテアーゼ1を酵素抗原回収物(retrieval)として使用し、インキュベーションは8分間であった。バックグラウンドの低減のために抗体ブロッカーを4分間加えた後、ウサギ抗-ASO 2.5を37℃で1時間加えた(希釈1:5000、Ionis Pharmaceuticals)。2次検出のために、OmiMap抗-ウサギHRPを16分間インキュベートした後、DISCOVERY ChromoMap DABキット(RUO)を用いて発色検出を行った。スライドをヘマトキシリンで4分間対比染色し、その後、4分間にわたって青味付けした。染色したスライドを標準的な明視野顕微鏡下で分析した。
【0450】
皮下または静脈内投与のいずれかで投与したISIS 816385で処理した動物の膵臓ランゲルハンス島内でアンチセンスオリゴヌクレオチドを検出した。オリゴヌクレオチドは、ISIS 556089で皮下処理した動物のランゲルハンス島では検出されなかった。
【0451】
実施例12:C57BL/6Crlマウスにおける非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与後の膵臓におけるインサイチュのランゲルハンス島内でのMALAT1のアンチセンス阻害
MALAT1に対する非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、処理の静脈内または皮下投与後の膵臓におけるMALAT1のアンチセンス阻害を評価した。
【0452】
雌C57BL/6Crlマウスを本明細書に記載したように(実施例11)5つの処理グループに割り当てた。動物を最終用量からおよそ72時間後に犠牲にし、インサイチュハイブリダイゼーションによるMALAT1発現のエクスビボ分析のために膵臓を回収した。
【0453】
組織を本明細書に記載したように(実施例11)調製した。インサイチュmRNA増幅および標識化プロセスを、Advanced Cell Diagnostics(ACD)に基づくRNAscope(登録商標)VSアッセイを用いて、Ventana Discovery ULTRA、Automated ISHプラットフォーム(Ventana Medical System、Inc)上で行った。特別注文によるプローブをMALAT1 mRNAの検出のためにACDから取得し、様々なパラメーターを試験して、ISH用の新規なRNAscope方法を最適化した。複数のステップを用いてシグナルを増幅し、次いでプローブを標識化し、RNAscope(登録商標)2.5 VSReagent Kit-REDを使用して検出した。染色スライドを標準的な明視野顕微鏡下で分析した。
【0454】
MALAT1発現は、GLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 816385)で皮下または静脈内処理された動物の膵臓ランゲルハンス島内で低下したが、外分泌組織内で低下しなかった。MALAT1発現は、非コンジュゲート化親アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 556089)で皮下処理された動物では低下しなかった。
【0455】
実施例13:MALAT1を標的化する非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドのC57BL/6Crlマウスへの投与から72時間後の、肝臓内へのアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込み
MALAT1に対する非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、静脈内または皮下投与経路のいずれかによるアンチセンスオリゴヌクレオチドの肝臓内への取り込みを評価した。
【0456】
動物を本明細書に記載したように(実施例11)処理に割り当てた。全動物を最終用量からおよそ72時間後に犠牲にし、アンチセンスオリゴヌクレオチド取り込みの免疫組織化学的検査によるエクスビボ分析のために膵臓を回収した。
【0457】
組織を調製し、免疫組織化学的検査を本明細書に記載したように(実施例12)行った。
【0458】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、示されるように皮下または静脈内投与のいずれかで投与されたISIS 816385およびISIS 556089の両方で処理された動物の肝臓の肝実質細胞およびクッパー細胞内で検出された。
【0459】
実施例14:C57BL/6Crlマウスにおける非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与後の肝臓におけるMALAT1のアンチセンス阻害
MALAT1に対する非コンジュゲート化親(ISIS 556089)およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、静脈内および皮下投与経路による肝臓におけるMALAT1のアンチセンス阻害を評価した。
【0460】
雌C57BL/6Crlマウスを本明細書に記載したように(実施例13)5つの処理グループに割り当てた。全動物を最終からおよそ72時間後に犠牲にし、インサイチュハイブリダイゼーションによるMALAT1発現のエクスビボ分析のために肝臓を回収した。
【0461】
組織を調製し、インサイチュハイブリダイゼーションを本明細書に記載したように(実施例12)行った。
【0462】
肝臓MALAT1発現は、皮下投与により投与された、ISIS 556089で処理した動物の肝実質細胞内よりも高い程度において、ISIS 816385で処理した動物の肝実質細胞内で低下した。肝臓MALAT1はまた、静脈内投与によりISIS 816385を投与された動物におけるビヒクル対照と比較して低下した。
【0463】
実施例15:C57BL/6Crlマウスにおける非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの単一用量の投与から72時間後の単離されたランゲルハンス島および肝臓内のMALAT1の用量依存的アンチセンス阻害
非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、単回皮下投与から72時間後の肝臓に対する単離された膵臓ランゲルハンス島におけるMALAT1のアンチセンス阻害の効力を評価した。
【0464】
雌C57BL/6Crlマウスを8つの処理グループに割り当て、ビヒクル、0.01μmol/kg、0.03μmol/kg、0.1μmol/kgまたは1μmol/kg ISIS 816385のいずれかの単一皮下注射を受容し、他の3つの処理グループは、0.01μmol/kg、0.1μmol/kgまたは1μmol/kg ISIS 556089を受容した。全動物を最終用量から72時間後に犠牲にした。mRNA分析のために、本明細書に記載したように(実施例9)肝臓サンプルを収集し、膵島を単離した。MALAT1 mRNAレベルを本明細書に記載したように(実施例9)定量化し、ビヒクル処理動物(対照)の百分率として表した。
【0465】
いずれの処理グループにおける肝臓内でも、または親アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 556089)で処理した動物からのランゲルハンス島内でも、MALAT1の有意なアンチセンス阻害は観察されなかった。GLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドは、0.07μmol/kgの推定ED50でMALAT1 mRNAレベルを用量依存的に阻害した。
【0466】
実施例16:C57BL/6Crlマウスにおける非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの単一用量の投与から72時間後の単離されたランゲルハンス島および肝臓におけるFOXO1の用量依存的アンチセンス阻害
非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、単一用量の皮下投与から72時間後の肝臓に対する単離された膵臓ランゲルハンス島におけるFOXO1のアンチセンス阻害の効力を評価した。
【0467】
雌C57BL/6Crlマウスを7つの処理グループに割り当て、ビヒクル、0.01μmol/kg、0.03μmol/kg、0.1μmol/kgまたは1μmol/kg ION 913193のいずれかの単一皮下注射を受容し、2つの処理グループは、0.01μmol/kgまたは1μmol/kg ISIS 776102を受容した。全動物を最終用量から72時間後に犠牲にした。mRNA分析のために、本明細書に記載したように(実施例9)肝臓サンプルを収集し、膵島を単離した。FOXO1 mRNAレベルを本明細書に記載したように(実施例9)定量化し、ビヒクル処理動物(対照)の百分率として表した。
【0468】
親アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 776102)で処理したいずれの処理グループでも、肝臓またはランゲルハンス島内のFOXO1の有意なアンチセンス阻害は観察されなかった。GLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドは、0.04μmol/kgの推定ED50でFOXO1 mRNAレベルを用量依存的に阻害した。
【0469】
実施例17:ob/obマウスへの非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの反復投与から6週間後の単離されたランゲルハンス島および肝臓におけるFOXO1のアンチセンス阻害
非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでさらに試験して、処理から6週間後の肝臓に対する単離された膵臓ランゲルハンス島におけるFOXO1のアンチセンス阻害の効力を評価した。
【0470】
雄ob/obマウス(B6.V-Lepob/OlaHsd、Harlan)を5つの処理グループに割り当て、ビヒクル、0.1μmol/kg ISIS 776102、0.1μmol/kg ION 913195、0.03 ION 913193または1μmol/kg ION 913193のいずれかを受容した。全動物を週1回、6週間処理した。最終用量からおよそ120時間後、全動物を犠牲にし、mRNA分析のために、本明細書に記載したように(実施例9)肝臓サンプルを収集し、膵島を単離した。FOXO1 mRNAレベルを本明細書に記載したように(実施例9)定量化し、mRNAレベルを各サンプルにおけるハウスキーピング遺伝子(RPLP0)に対して正規化した。
【0471】
処理グループのいずれの肝臓内でも、または親アンチセンスオリゴヌクレオチド(ISIS 776102)もしくはGLP-1ペプチドにコンジュゲートされたスクランブルFOXO1アンチセンスオリゴヌクレオチド配列で処理したランゲルハンス島内でも、FOXO1の有意なアンチセンス阻害は観察されなかった(ION 913195)。GLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチド(ION 913193)処理動物は、試験した両方の用量レベルにおいて、単離されたランゲルハンス島においてFOXO1 mRNAレベルが低下し(0.03μmol/kgで42%平均FOXO1 mRNA低下、および0.1μmol/kgで72%平均FOXO1 mRNA低下)、GLP-1ペプチドコンジュゲーションは、インビボで膵臓ランゲルハンス島におけるアンチセンス阻害を向上させることを示した。
【0472】
実施例18:非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドで6週間処理したob/obマウスから単離されたランゲルハンス島におけるFoxO1タンパク質レベルの低下
非コンジュゲート化親およびGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドを、6週間処理したob/obマウスから単離されたマウス膵臓ランゲルハンス島におけるFoxO1タンパク質レベルの低下の能力に関してさらに試験した。
【0473】
雄ob/obマウスを本明細書に記載したように(実施例17)5つの処理グループに割り当てた。最終用量からおよそ120時間後、全動物を犠牲にし、膵島をFoxO1タンパク質分析のために本明細書に記載したように(実施例10)単離した。各処理グループから無作為サンプルを選択し、各処理グループから少なくとも1つのサンプルが同一のゲル上で分析されるように、各ゲル上に負荷した。強度を定量化することによりFoxO1タンパク質レベルを測定し、同一のサンプルにおけるα-チューブリンレベルに対して正規化した。個々のゲル中の全サンプルを、ION 913195を受容した動物の膵島において測定したレベルの百分率として表した。
【0474】
Foxo1タンパク質レベルは、ION 913193で処理した動物では、ION 913195に対して、それぞれ0.03μmol/kgおよび0.1μmol/kgを受容した動物において57%および81%低下し、0.1μmol/kg ISIS 776102で処理した動物に対して64%および36%低下した。
【0475】
実施例19:MALAT1を標的とするGLP-1ペプチドコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製
ION 962963、MALAT1を標的とする5’-GLP-1ペプチドコンジュゲート化ASOを、化学修飾Gks mCks Aks Tds Tds mCds Tds Ads Ads Tds Ads Gds mCds Aks Gks mCk(k=cEt;d=2’-デオキシ;e=2’-MOE;mC=5-メチルシトシン;o=ホスホジエステル;およびs=ホスホロチオエート)を有する5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ISIS 722061)(核酸塩基配列:GCATTCTAATAGCAGC(配列番号65)から出発して、実施例1の手順に従って調製した。
【0476】
実施例20:クリックリンカーを介してGLP-1ペプチドにコンジュゲートされた、MALAT1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの調製
クリックリンカーを介して5’位でコンジュゲートされたGLP-1を含むコンジュゲート化修飾オリゴヌクレオチドの調製方法。
【0477】
5’-BCN MALAT-1標的化オリゴヌクレオチドISIS 791173の調製:
5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ISIS 786434)(核酸塩基配列:TCAGCATTCTAATAGCAGC(配列番号58)を、標準的な固相オリゴヌクレオチド手順を用いて合成および精製した。修飾オリゴヌクレオチドの5’末端は、ヘキサメチレンリンカーおよび末端アミンを含む。BCN-NHS エステル(Mol.Wt 291.11g/mol、7441R,8S,9s)-ビシクロ(6.1.0)ノナ4-イン-9-イルメチルN-スクシンイミジルカーボネート)をAldrichから得た。修飾オリゴヌクレオチド(約1g)を5mL四ホウ酸ナトリウム緩衝液、pH8.5に溶解した。13.4mgのBCN-NHSエステルを10mL DMSOに溶解し、ASO溶液に加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を1M NaCl溶液で希釈し、逆相カラム上のHPLCにより脱塩した。
【0478】
GLP-1クリック-コンジュゲート化ASO(ION 1071996)の調製
12mgの修飾オリゴヌクレオチドISIS 791173を1mLの0.1M四ホウ酸ナトリウム、pH8.5に溶解し(ASO溶液)、12mgのN-末端アジド-GLP-1ペプチドを400μL DMFに溶解した(ペプチド溶液)。ペプチド溶液をASO溶液に加え、室温で18時間撹拌した。18時間の時点で沈殿が観察され、1mLの追加のDMFを加えた。反応をさらに5時間継続させた。生成物を、SAXカラム上のHPLCにより緩衝液A 100mM NH
4OAc/30%ACN/H
2Oおよび緩衝液B 1.5M NaBr/ NH
4OAc/30%ACN/H
2Oを用いて精製し、逆相カラム上のHPLCにより脱塩した。生成物画分を収集し、凍結乾燥して予想コンジュゲート化ASO、ION 1071996を得た。
【化90】
【0479】
実施例21:様々なリンカーを有する非コンジュゲート化親またはGLP-1ペプチド-コンジュゲート化ASOによる処理後のマウス1次ランゲルハンス島におけるMALAT1のアンチセンス阻害
ASOに対するGLP-1ペプチドのコンジュゲーションの化学構造が膵臓内へのASO送達に影響するか否かを決定するために、雄C57BL/6マウスは、0.6μmol/kg/週の週1回のビヒクル(生理食塩水)、ISIS 556089(親非コンジュゲート化ASO)、ISIS 816395(ジスルフィドリンカーおよび5’TCAリンカーを有するGLP-1コンジュゲート化ASO)、ION 962963(ジスルフィドリンカーを有し、5’ヌクレオチドスペーサーを有さないGLP-1コンジュゲート化ASO)、またはION 1071996(クリックリンカーを介してコンジュゲートされたGLP-1コンジュゲート化ASO)の静脈内注射を3週間受容した。最終注射から72時間後に組織を収集して、化合物の送達および効力を評価した。
【0480】
MALAT1発現を実施例6のように検出した。インサイチュハイブリダイゼーション分析は、β膵島細胞内のMALAT1発現が、生理食塩水対照と比較して、GLP-1コンジュゲート化ASO(ISIS 816385、ION 962963、およびION 1071996)で処理したマウスで低下するが、非コンジュゲート化親ASO(ISIS 556089)で処理したマウスで低下しないことを示した。
【0481】
実施例22:LVX-GLP1R細胞におけるMALAT-1発現の用量依存的低下
FLAGタグ化GLP1Rを安定して発現しているHEK細胞を、FLAG-GLP1Rインサートを有するpLVX-IRES-Puro(Clontech Laboratories Inc.、Mountainview、CA)を用いた293T細胞のトランスフェクションにより生成されたFLAGタグ化GLP1R含有レンチウイルスで感染させることにより生成した。感染細胞をピューロマイシン(2μg/ml)で選択し、次いでウェスタンブロットおよび免疫蛍光法により受容体発現に関して分析した。培養したGLP1R細胞を10,000細胞/ウェルの密度で播種し、およそ24時間にわたり、0.3、1、3、9、27、82、247、741、2,222、6,667、および20,000nM修飾オリゴヌクレオチドで処理した。処理期間後、RNeasyミニキット(Qiagen、Valencia、CA、USA)を使用して総RNAを調製し、プライマープローブセットRTS2739(フォワード配列:AGGCGTTGTGCGTAGAGGAT(配列番号74)、リバース配列:AAAGGTTACCATAAGTAAGTTCCAGAAAA(配列番号75)、プローブ配列:AGTGGTTGGTAAAAATCCGTGAGGTCGGX(配列番号76)を使用してqRT-PCRを行った。手短には、5μL水中の約50ng総RNAを、フォワードおよびリバースプライマー(各10μM)を含む0.3μLプライマープローブセット、蛍光で標識したプローブ(3μM)、0.3μL室温酵素ミックス(Qiagen)、4.4μL RNaseフリー水、および10μLの2×PCR反応緩衝液と20μL反応物中で混合した。StepOne Plus RT-PCRシステム(Applied Biosystems、Phoenix、AZ、USA)を使用して、逆転写を48℃で10分間行い、40サイクルのPCRを各サイクル中に94℃において20秒間および60℃において20秒間で行った。mRNAレベルを、Ribogreenアッセイ(Life Technologies)により決定した各反応に存在する総RNA量に対して正規化し、生理食塩水対照(100%発現)に対して正規化した。結果を下記の表に示し、TCAリンカーを有する(816385)または有さない(962963)GLP-1複合体化ASOによるMALAT-1の用量依存的阻害の増大を示す。
【0482】
【0483】
実施例23:MALAT1を標的化するGLP-1コンジュゲート化ASOのインビトロでの活性に対するペプチド長およびコンジュゲーション位置の効果
MALAT1に相補的なGLP-1コンジュゲート化ASOのインビトロでの活性に対する正確なペプチド配列、ペプチド長、およびコンジュゲーション位置の効果を評価するために、ペプチド配列におけるバリエーションを有する一連の修飾オリゴヌクレオチドをクリックケミストリーにより合成した。全ペプチドは、C-末端アミドを有する。ION 1083582は、下記に示すように、5-アジドペンタン酸-修飾リシン残基(X)とのクリック反応によりION 791173から合成した。他の化合物は、上記の実施例20に示すように、C-末端アジドノルロイシン(Z)とのクリック反応によりION 791173から合成した。
【化91】
【0484】
LVX-GLP1R細胞(実施例22に記載した)を10,000細胞/ウェルの密度で播種し、4倍希釈シリーズの7用量のペプチド-コンジュゲート化ASOと共にインキュベートした。処理期間後、総RNAを上記の実施例22のように調製および分析した。IC50は、下記の表に示す。
【0485】
【0486】
実施例24:PTENを標的とするGLP-1コンジュゲート化siRNAの調製
PTENを標的とするsiRNAヌクレオチド二重鎖の調製方法
化学修飾Txs Ufs Amo Ufs Cmo Ufs Amo Ufs Amo Afs Umo Gfs Amo Ufs Cms Afs Gms Gfs Ums Aes Ae(Tx=5’-(E)-ビニルP-2’-O-メトキシエチル-チミン、f=2’-α-フルオロ-2’デオキシリボース、m=2’-O-メチルリボース、e=2’O-メトキシエチルリボース、o=ホスホジエステル;およびs=ホスホロチオエート)を有するISIS 522247(核酸塩基配列TTATCTATAATGATCAGGTAA(配列番号77)および化学修飾Afs Cms Cfo Umo Gfo Amo Ufo Cmo Afo Umo Ufo Amo Ufo Amo Gfo Amo Ufs Ams Af(上記と同様))を有するISIS 790973(核酸塩基配列ACCTGATCATTATAGATAA(配列番号78)を、標準的な固相オリゴヌクレオチド手順を使用して合成および精製した。
【0487】
GLP-1コンジュゲート化ION 1055394を、遊離N-末端アミンおよびC-末端アミドを含む配列HisAibGluGlyThrPheThrSerAspValSerSerTyrLeuGluGluGlnAlaAlaLysGluPheIleAlaTrpLeuValLysGlyGlyProSerSerGlyAlaProProProSerCysを有するGLP-1ペプチドにコンジュゲートされた5’-ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ION 1055395)(化学修飾Afs Cms Cfo Umo Gfo Amo Ufo Cmo Afo Umo Ufo Amo Ufo Amo Gfo Amo Ufs Ams Af(上記と同様)を有する核酸塩基配列ACCTGATCATTATAGATAA(配列番号78))から出発して、実施例1の手順に従って調製した。
【0488】
ISIS 522247を790973とハイブリダイズし、2つのオリゴヌクレオチドの二重鎖を生成した。ISIS 522247を1055394とハイブリダイズし、2つのオリゴヌクレオチドの二重鎖を生成した。
【0489】
実施例25:GLP-1拮抗薬コンジュゲート化オリゴヌクレオチドの調製
GLP-1拮抗薬コンジュゲート化オリゴヌクレオチド、DLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSC-S-S-プロピオニル-HA-o-TdomCdoAdoGksmCksAks TdsTdsmCdsTdsAdsAdsTdsAdsGdsmCdsAksGksmCk(ION 998975)の合成方法。
【0490】
38mgの実施例1に記載したリンカー-ISIS 786434(化合物2)を1.5mL H2Oに溶解し、0.5mLの0.1M NaHCO3/H2Oを加えてpHを約7.5~8.0に調整した(ASO溶液)。
【0491】
27.7mgのペプチドDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSC-NH2(配列番号79)を2mLのDMF:0.1M NaHCO3(1:1)に溶解した(ペプチド溶液)。ペプチド溶液をASO溶液にゆっくり加え、室温で30分間撹拌した。反応をLCMSにより監視し、撹拌をさらに1時間継続した。主要な画分は、予想された生成物であることが見出された。生成物を水で希釈し、強アニオン交換カラム上のHPLC(緩衝液A=30%アセトニトリル水溶液中100mM酢酸アンモニウム;緩衝液B:A中1.5M NaBr、28カラム容積中、0~60%B)により精製するまで4℃で保った。完全長ASOを含む画分を一緒にプールし、アセトニトリルの10%濃度を得るまで希釈し、逆相カラム上のHPLC(緩衝液A 0.1M塩化ナトリウム、B=水、C=水中50%アセトニトリル)により脱塩した。画分を一緒にプールし、蒸発させて、LCMSにより確認された予想生成物を得た。
【0492】
実施例26:マレイミドリンカーを介して5’位でコンジュゲートされたGLP-1を含むコンジュゲート化修飾オリゴヌクレオチドの調製方法。
MALAT1を標的化する5’ヘキシルアミノ修飾オリゴヌクレオチド(ISIS 786434)を本明細書で以前に記載したように合成および精製した。ISIS 786434を四ホウ酸ナトリウム緩衝液中、pH7、室温で5eq.のN-スクシンイミジル3-マレイミドプロピオネート(MW 266.21g/mol)と反応させて、5’-(3-マレイジミル)プロピオニル-C6 MALAT1 ASOを得た。C-末端システインアミド(「GLP-1ペプチド-システインアミド」、HAibEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGPSSGAPPPSC-NH2)を含有するGLP-1ペプチドを0.1Mリン酸ナトリウム、pH8.5/DMFに溶解し、室温で撹拌しながら5’-(3-マレイジミル)プロピオニル-C6 MALAT1 ASOに加えた。生成物(ION1086699)が形成された。
さらに、本発明は次の態様を包含する。
1. 修飾オリゴヌクレオチド、コンジュゲートリンカー、およびGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む化合物。
2. 前記コンジュゲートリンカーは、前記修飾オリゴヌクレオチドを前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に結合する、項1に記載の化合物。
3. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、8~80個の結合ヌクレオシドの長さである、項1または2に記載の化合物。
4. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドの長さである、項3に記載の化合物。
5. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシドの長さである、項3に記載の化合物。
6. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、15~30個の結合ヌクレオシドの長さである、項3に記載の化合物。
7. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾糖、または少なくとも1つの修飾核酸塩基を含む、項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
8. 前記修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、項7に記載の化合物。
9. 前記修飾オリゴヌクレオチドの各修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、項8に記載の化合物。
10. 前記修飾糖は、二環式糖である、項7~9のいずれか一項に記載の化合物。
11. 前記二環式糖は、4’-(CH
2
)-O-2’(LNA);4’-(CH
2
)2-O-2’(ENA);および4’-CH(CH
3
)-O-2’(cEt)からなる群から選択される、項10に記載の化合物。
12. 前記修飾糖は、2’-O-メトキシエチル、2’-F、または2’-OMeである、項7~9のいずれか一項に記載の化合物。
13. 前記修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである、項7~12のいずれか一項に記載の化合物。
14. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、
結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;および
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、前記ギャップセグメントは、前記5’ウイングセグメントおよび前記3’ウイングセグメントに直接隣接してかつそれらの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む、項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
15. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、一本鎖である、項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
16. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、項15に記載の化合物。
17. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、miRNA拮抗薬またはmiRNA模倣物である、項15に記載の化合物。
18. 二重鎖を含む、項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
19. 前記二重鎖は、
前記修飾オリゴヌクレオチドを含む第1の鎖;および
前記第1の鎖に相補的な第2の鎖
を含む、項18に記載の化合物。
20. 前記修飾オリゴヌクレオチドを含む前記第1の鎖は、RNA転写産物に相補的である、項19に記載の化合物。
21. 前記第2の鎖は、RNA転写産物に相補的である、項19に記載の化合物。
22. miRNA模倣物である、項18に記載の化合物。
23. リボヌクレオチドを含む、項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
24. デオキシリボヌクレオチドを含む、項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
25. 前記修飾オリゴヌクレオチドは、細胞内のRNA転写産物に相補的である、項1~24のいずれか一項に記載の化合物。
26. 前記細胞は、膵臓細胞である、項25に記載の化合物。
27. 前記膵臓細胞は、β膵島細胞である、項26に記載の化合物。
28. 前記RNA転写産物は、プレmRNA、mRNA、非コードRNA、またはmiRNAである、項25~27のいずれか一項に記載の化合物。
29. 前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は、GLP-1受容体を標的とするペプチドコンジュゲート部分、小分子コンジュゲート部分、アプタマーコンジュゲート部分、または抗体コンジュゲート部分である、項1~28のいずれか一項に記載の化合物。
30. 前記ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1ペプチドコンジュゲート部分である、項29に記載の化合物。
31. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む、項30に記載の化合物。
32. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、保存的アミノ酸置換、アミノ酸類似体、またはアミノ酸誘導体を含み、前記保存的アミノ酸置換は、他の脂肪族アミノ酸による脂肪族アミノ酸の置き換え;スレオニンによるセリンの置き換えもしくはその逆;他の酸性残基による酸性残基の置き換え;アミド基を支持する他の残基による、アミド基を支持する残基の置き換え;塩基性残基の他の塩基性残基との交換;または他の芳香族残基による芳香族残基の置き換え、あるいはそれらの組み合わせを含み、および前記脂肪族残基は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンもしくはそれらの合成均等物を含み、前記酸性残基は、アスパラギン酸、グルタミン酸もしくはそれらの合成均等物を含み、前記アミド基を含む残基は、アスパラギン酸、グルタミン酸もしくはそれらの合成均等物を含み、前記塩基性残基は、リシン、アルギニンもしくはそれらの合成均等物を含み、または前記芳香族残基は、フェニルアラニン、チロシンもしくはそれらの合成均等物を含む、項31に記載の化合物。
33. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む、項31に記載の化合物。
34. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、8~50アミノ酸長であり、かつその全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である、項30に記載の化合物。
35. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、保存的アミノ酸置換、アミノ酸類似体、またはアミノ酸誘導体を含む、項34に記載の化合物。
36. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、その全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である、項34に記載の化合物。
37. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列を含む、項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
38. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列からなる、項37に記載の化合物。
39. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である、項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
40. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、前記アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)からなり、Aibは、アミノイソ酪酸である、項39に記載の化合物。
41. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである、項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
42. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、前記アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)からなり、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである、項41に記載の化合物。
43. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)を含む、項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
44. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、前記アミノ酸配列:His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)からなる、項43に記載の化合物。
45. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、GLP-1受容体に結合することができる、項30~44のいずれか一項に記載の化合物。
46. 前記GLP-1受容体は、細胞の表面上に発現される、項45に記載の化合物。
47. 前記細胞は、膵臓細胞である、項46に記載の化合物。
48. 前記膵臓細胞は、β膵島細胞である、項47に記載の化合物。
49. 前記細胞は、動物内にある、項46~48のいずれか一項に記載の化合物。
50. 少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つのGLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を含む、項1~49のいずれか一項に記載の化合物。
51. 前記コンジュゲートリンカーは、前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を前記修飾オリゴヌクレオチドの5’末端に結合する、項1~50のいずれか一項に記載の化合物。
52. 前記コンジュゲートリンカーは、前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分を前記修飾オリゴヌクレオチドの3’末端に結合する、項1~50のいずれか一項に記載の化合物。
53. 前記コンジュゲートリンカーは、開裂可能である、項1~52のいずれか一項に記載の化合物。
54. 前記コンジュゲートリンカーは、ジスルフィド結合を含む、項1~53のいずれか一項に記載の化合物。
55. 前記ジスルフィド結合は、ペニシラミンを含む、項54に記載の化合物。
56. 前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分は、項30~44のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチドコンジュゲート部分であり、および前記ジスルフィド結合は、前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分を前記修飾オリゴヌクレオチドに結合する、項55に記載の化合物。
57. 前記ジスルフィド結合は、前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分のC-末端を前記修飾オリゴヌクレオチドの前記5’末端または3’末端に結合する、項56に記載の化合物。
58. 前記コンジュゲートリンカーは、1~5個のリンカー-ヌクレオシドを含む、項1~57のいずれか一項に記載の化合物。
59. 前記コンジュゲートリンカーは、3個のリンカー-ヌクレオシドを含む、項58に記載の化合物。
60. 前記3個のリンカー-ヌクレオシドは、TCAモチーフを有する、項59に記載の化合物。
61. 1~5個のリンカー-ヌクレオシドは、TCAモチーフを含まない、項58に記載の化合物。
62. 前記コンジュゲートリンカーは、ヘキシルアミノ基を含む、項1~61のいずれか一項に記載の化合物。
63. 前記コンジュゲートリンカーは、ポリエチレングリコール基を含む、項1~62のいずれか一項に記載の化合物。
64. 前記コンジュゲートリンカーは、トリエチレングリコール基を含む、項1~63のいずれか一項に記載の化合物。
65. 前記コンジュゲートリンカーは、ホスフェート基を含む、項1~64のいずれか一項に記載の化合物。
66. 前記コンジュゲートリンカーは、
【化92】
(式中、
Xは、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
Yは、直接または間接的に前記修飾オリゴヌクレオチドに付着する)
を含む、項1~65のいずれか一項に記載の化合物。
67. Xは、Oを含む、項66に記載の化合物。
68. Yは、ホスフェート基を含む、項66または67に記載の化合物。
69. Xは、項54~57のいずれか一項に記載のジスルフィド結合によって前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着する、項66~68のいずれか一項に記載の化合物。
70. 前記コンジュゲートリンカーは、
【化93】
(式中、Xは、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分に付着し;および
T
1
は、前記修飾オリゴヌクレオチドを含み;かつBxは、修飾または非修飾核酸塩基である)
を含む、項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
71. Xは、項54~57のいずれか一項に記載のジスルフィド結合を含む、項70に記載の化合物。
72. 前記コンジュゲートリンカーは、
【化94】
(式中、
前記ホスフェート基は、前記修飾オリゴヌクレオチドに連結され、かつYは、コンジュゲート基に連結され;
Yは、ホスホジエステルまたはアミノ(-NH-)基であり;
Zは、式:
【化95】
を有するピロリジニル基であり;
jは、0または1であり;
nは、約1~約10であり;
pは、1~約10であり;
mは、0または1~4であり;および
Yがアミノである場合、mは、1である)
を含む、項1~71のいずれか一項に記載の化合物。
73. Yは、アミノ(-NH-)である、項72に記載の化合物。
74. Yは、ホスホジエステル基である、項72に記載の化合物。
75. nは、3であり、およびpは、3である、項72~74のいずれか一項に記載の化合物。
76. nは、6であり、およびpは、6である、項72~74のいずれか一項に記載の化合物。
77. nは、2~10であり、およびpは、2~10である、項72~74のいずれか一項に記載の化合物。
78. nおよびpは、異なる、項72~74のいずれか一項に記載の化合物。
79. nおよびpは、同じである、項72~74のいずれか一項に記載の化合物。
80. mは、0である、項72または74~74のいずれか一項に記載の化合物。
81. mは、1である、項72~79のいずれか一項に記載の化合物。
82. jは、0である、項72~81のいずれか一項に記載の化合物。
83. jは、1であり、およびZは、式:
【化96】
を有する、項72~81のいずれか一項に記載の化合物。
84. nは、2であり、およびpは、3である、項83に記載の化合物。
85. nは、5であり、およびpは、6である、項83に記載の化合物。
86. 前記コンジュゲートリンカーは、
【化97】
を含む、項1~85のいずれか一項に記載の化合物。
87. 前記コンジュゲートリンカーは、
【化98】
を含む、項1~85のいずれか一項に記載の化合物。
88. 前記コンジュゲートリンカーを含む前記化合物は、
【化99】
(式中、
N-N=Nは、前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的に前記オリゴヌクレオチドに付着する)
を含む、項1~85のいずれか一項に記載の化合物。
89. 前記コンジュゲートリンカーを含む前記化合物は、
【化100】
(式中、
N-N=Nは、前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的に前記オリゴヌクレオチドに付着する)
を含む、項1~85のいずれか一項に記載の化合物。
90. 前記コンジュゲートリンカーを含む前記化合物は、
【化101】
(式中
N-N=Nは、前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分のアジド基を表し、かつXは、直接または間接的に前記GLP-1受容体リガンドコンジュゲート部分の残りの部分に付着し;および
Yは、直接または間接的に前記オリゴヌクレオチドに付着する)
を含む、項1~85のいずれか一項に記載の化合物。
91. 細胞内の核酸標的の発現をモジュレートする方法であって、前記細胞を項1~90のいずれか一項に記載の化合物と接触させ、それにより前記細胞内の前記核酸標的の発現をモジュレートすることを含む方法。
92. 前記細胞は、膵臓細胞である、項91に記載の方法。
93. 前記膵臓細胞は、β膵島細胞である、項92に記載の方法。
94. 前記細胞は、前記細胞の表面上にGLP-1受容体を発現する、項91~93のいずれか一項に記載の方法。
95. 前記細胞を前記化合物と接触させることは、前記核酸標的の発現を阻害する、項91~94のいずれか一項に記載の方法。
96. 前記核酸標的は、プレmRNA、mRNA、非コードRNA、またはmiRNAである、項91~95のいずれか一項に記載の方法。
97. 前記細胞は、動物内にある、項91~96のいずれか一項に記載の方法。
98. 化合物を調製する方法であって、
【化102】
(式中、X
1
は、オリゴヌクレオチドであり、および前記化合物は、GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドである)
をGLP-1ペプチドと反応させることを含む方法。
99. GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する方法であって、
オリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドの5’末端にヘキサメチルリンカーおよび末端アミンを含むオリゴヌクレオチドを、式:
【化103】
を有する3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)と反応させ、それにより、式:
【化104】
(式中、X
1
は、前記オリゴヌクレオチドである)
を有する化合物2を得ることと、
化合物2をGLP-1ペプチドと反応させ、それにより、式:
【化105】
(式中、X
1
は、前記オリゴヌクレオチドであり、およびX
2
は、前記GLP-1ペプチドである)
を有する前記GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを得ることと
を含む方法。
100. GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを調製する方法であって、
オリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドの5’末端にヘキサメチルリンカーおよび末端アミンを含むオリゴヌクレオチドを含む溶液を、式:
【化106】
を有する3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)を含む溶液と混合し、それにより、式:
【化107】
(式中、X
1
は、前記オリゴヌクレオチドである)
を有する化合物2を得ることと、
化合物2を含む溶液を、GLP-1ペプチドを含む溶液と混合し、それにより、式:
【化108】
(式中、X
1
は、前記オリゴヌクレオチドであり、およびX
2
は、前記GLP-1ペプチドである)
を有する前記GLP-1ペプチドコンジュゲート化オリゴヌクレオチドを得ることと
を含む方法。
101. 前記オリゴヌクレオチドを含む前記溶液は、リン酸ナトリウム緩衝液を含み、および3-(2-ピリジルジチオプロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)を含む前記溶液は、ジメチルホルムアミドを含む、項100に記載の方法。
102. 前記溶液は、室温で混合される、項100または101に記載の方法。
103. 化合物2を含む前記溶液は、アセトニトリルおよびNaHCO
3
をさらに含み、かつ約8.0のpHを有する、項100~102のいずれか一項に記載の方法。
104. GLP-1ペプチドを含む前記溶液は、ジメチルホルムアミドをさらに含む、項100~103のいずれか一項に記載の方法。
105. 前記GLP-1ペプチドは、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む、項98~104のいずれか一項に記載の方法。
106. 前記GLP-1ペプチドは、配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列の等長部分に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31連続アミノ酸部分を含む、項105に記載の方法。
107. 前記GLP-1ペプチドは、8~50アミノ酸長であり、かつその全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相同である、項98~104のいずれか一項に記載の方法。
108. 前記GLP-1ペプチドは、その全長にわたって配列番号1~57のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である、項107に記載の方法。
109. 前記GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列を含む、項105~108のいずれか一項に記載の方法。
110. 前記GLP-1ペプチドは、前記GLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列からなる、項109に記載の方法。
111. 前記GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)を含み、Aibは、アミノイソ酪酸である、項105~108のいずれか一項に記載の方法。
112. 前記GLP-1ペプチドは、前記アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Cys(配列番号22)からなり、Aibは、アミノイソ酪酸である、項111に記載の方法。
113. 前記GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)を含み、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである、項105~108のいずれか一項に記載の方法。
114. 前記GLP-1ペプチドは、前記アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Pen(配列番号23)からなり、Aibは、アミノイソ酪酸であり、およびPenは、ペニシラミンである、項113に記載の方法。
115. 前記GLP-1ペプチドは、アミノ酸配列:His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)を含む、項105~108のいずれか一項に記載の方法。
116. 前記GLP-1ペプチドは、前記アミノ酸配列:His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly(配列番号1)からなる、項115に記載の方法。
117. 前記GLP-1ペプチド部分は、反応性硫黄部分を含む、項105~116のいずれか一項に記載の方法。
118. 前記GLP-1ペプチドは、ペニシラミンを含む、項105~117のいずれか一項に記載の方法。
119. 前記ペニシラミンは、前記GLP-1ペプチドのC-末端に結合される、項118に記載の方法。
120. 項1~90のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
121. 前記GLP-1ペプチドコンジュゲート部分は、アミノ酸配列:His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Glu-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-Zaa(配列番号56)を含む、項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
【配列表】