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特許7091261造粒機、造粒機用のノズル構成、及び、関連する作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】造粒機、造粒機用のノズル構成、及び、関連する作動方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
B29B9/06
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019003338
(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公開番号】P2019123239
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】18151470.4
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ シュネルバッハ
(72)【発明者】
【氏名】カマル エルジュハリ
(72)【発明者】
【氏名】アナトリー バクラスホフ
(72)【発明者】
【氏名】ディルク シュリーフ
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-500131(JP,A)
【文献】特表2009-537351(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0082620(US,A1)
【文献】米国特許第05679380(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/06
B29C 48/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造粒機(2)用のノズル構成(4、104、204)であって、
入口側(26)と出口側(28)とを有するノズル本体(35、135、235)と、
溶融物ストランドを形成するためにノズル孔(58、158、258)を有し、前記ノズル本体の前記出口側(28)上に配置されたノズル板(34、134、234)と、
を備え、
複数の流路(32、132、232)が、溶融物流を前記ノズル板(34、134、234)に供給するため、前記ノズル本体(35、135、235)内に形成されて、前記入口側(26)から前記出口側(28)へと流体導通態様で延びており、
少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)が、前記ノズル本体(35、135、235)の前記複数の流路(32、132、232)のうちの1つの流路と、前記ノズル板(34、134、234)の前記ノズル孔(58、158、258)と、の両方と流体連通している
ことを特徴とするノズル構成(4、104、204)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)は、少なくとも部分的に前記ノズル本体(35、135、235)内に形成されている
ことを特徴とする請求項に記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)は、略円形断面を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)の直径は、前記ノズル板(34、134、234)の円形ノズル孔の直径に対応している
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項5】
少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)が、前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)と前記ノズル板(34、134、234)との間の少なくとも1つの流路(32、132、232)内に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(64)は、前記ノズル板(62)上に一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項に記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、分離部品(62)として形成されている
ことを特徴とする請求項に記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、前記流路(32、132、232)内に交換可能に配置されている
ことを特徴とする請求項5及び7のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、スロットルリング要素として形成されている
ことを特徴とする請求項5、7及び8のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、少なくとも部分的に、前記接続路(44、144、244)内に、または、前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)に隣接して、配置されている
ことを特徴とする請求項5及び7乃至9のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、前記ノズル板(34、134、234)によって所定位置に保持されており、前記ノズル板(34、134、234)の取り外し後にアクセス可能である
ことを特徴とする請求項5及び7乃至10のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項12】
分配リング(154)が、前記ノズル板(134)と前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(146)との間に配置されており、好適には、当該リングの上に前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)の一部が形成されている
ことを特徴とする請求項5及び7乃至11のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項13】
ブロッキングエッジが、前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)に形成されている
ことを特徴とする請求項5乃至12のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)に形成されている
ことを特徴とする請求項5乃至13のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、前記流路(32、132、232)の前記少なくとも1つを制限するための円錐部を有している
ことを特徴とする請求項5乃至14のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、前記流路(32、132、232)の前記少なくとも1つを制限するための曲面部を有している
ことを特徴とする請求項5乃至15のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46、146、246)は、前記流路(32、132、232)の前記少なくとも1つを制限するための凹部を有している
ことを特徴とする請求項5乃至16のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの流れ断面レギュレータ(46b)は、穿孔された流れ断面レギュレータ(46b)として形成されている
ことを特徴とする請求項5乃至17のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項19】
前記穿孔された流れ断面レギュレータ(46b)は、ワイヤネッティング(60)を有している
ことを特徴とする請求項18に記載のノズル構成(4、104、204)。
【請求項20】
ノズル構成(4、104、204)を備え、溶融物の流れから粒状物を準備するための造粒機(2)であって、
前記ノズル構成(4、104、204)は、請求項1乃至19のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)である
ことを特徴とする造粒機(2)
【請求項21】
溶融物の流れを溶融物ストランドに分離する方法であって、少なくとも、
溶融物の流れをノズル構成(4、104、204)に供給する工程と、
前記溶融物の流れを複数の個別の溶融物流に分離する工程と、
前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)を用いて、前記複数の個別の溶融物流の間で圧力を等しくする工程と、
少なくとも1つの溶融物流を前記ノズル板(34、134、234)に供給する工程と、
を備え、
前記ノズル構成(4、104、204)は、請求項1乃至19のいずれかに記載のノズル構成(4、104、204)である
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
造粒機用のノズル構成であって、
入口側と出口側とを有するノズル本体と、
溶融物ストランドを形成するためにノズル孔を有し、前記ノズル本体の前記出口側上に配置されたノズル板と、
を備え、
複数の流路が、溶融物流を前記ノズル板に供給するため、前記ノズル本体内に形成されて、前記入口側から前記出口側へと流体導通態様で延びており、
少なくとも1つの環状接続路が、前記ノズル本体の前記複数の流路のうちの1つの流路と、前記ノズル板の前記ノズル孔と、の両方と流体連通しており、
少なくとも1つの流れ断面レギュレータが、前記少なくとも1つの環状接続路と前記ノズル板との間の少なくとも1つの流路内に配置されており、
前記流れ断面レギュレータは、スロットルリング要素及び穿孔された流れ断面レギュレータの1つとして形成されている
ことを特徴とするノズル構成。
【請求項23】
前記少なくとも1つの環状接続路(44、144、244)は、複数の流路(32、132、232)を前記出口側で流体導通態様で接続している
ことを特徴とする請求項に記載のノズル構成(4、104、204)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入口側と出口側とを有するノズル本体と、溶融物ストランドを形成するために前記出口側上に配置されたノズル孔付きのノズル板と、前記ノズル本体内に形成され前記入口側と前記出口側とに流体導通態様で接続され溶融物流を前記ノズル板に供給する流路と、を備えた造粒機用のノズル構成に関する。
【背景技術】
【0002】
これらのタイプのノズル構成は、従来技術において知られていて、例えば造粒機において利用されている。それらは、例えば熱可塑性プラスチックのような溶融状態の造粒材料を、多く場合において複数の溶融物ストランドの形態で、ノズル板を用いて押し出すために利用される。水中造粒として知られる処理の範囲内で、個々の溶融物ストランドは、切断装置によって順次にストランド片に分割される。当該ストランド片は、例えば水のような冷却流体と接触して冷却され、所望の粒状物ないし顆粒を形成する。水中造粒法は、そのような装備の設置空間に関する要求が低く、ダスト放出や騒音も少ない一方で、造粒材料の高スループットを許容する。
【0003】
従来技術から知られているノズル構成によれば、溶融物は入口側からノズル本体内に案内される。溶融物は、複数の流路によって、ノズル本体内を案内されてノズル板に至る。ノズル板は、典型的には、高レベルの生産性を達成するべく複数のノズル孔を有し、溶融物が処理されるべき機能として、所望の造粒結果をもたらす。例えば、比較的小さい穿孔板を用いて高いスループットをもたらしたり、所定のスループットで特に小さい顆粒をもたらす。従来技術から知られているノズル構成を用いる場合、区分された複数の流路がノズル本体内に形成されるため、ノズル板の設計においては、これら流路の配置に考慮がなされなければならない。ノズル板のノズル孔は、均一に溶融物が供給されることが、保証されるべきである。当然に、個々の流路の配置は、当該流路がハウジング部によって互いから分離されることに帰結する。従って、ノズル板のノズル孔は、ノズル板の制限された領域内、特には流路の出口に対応する領域内、のみに配置され得る。
【0004】
全体として、これは、全体的に達成可能な材料ないし溶融物のスループットにおいて不利な効果を伴い、また、ノズル孔の形態、量及び位置は、それらに課される設計上の厳格な制限を伴う。このような状況下で、そのようなノズル板の設計は、溶融物ストランドを分割するために用いられる下流の切断装置に最適には適合され得ない。従来技術から知られているノズル構成の更なる欠点は、あるノズル構成によって異なる特性、例えば異なる粘度や密度を有する溶融物ないし材料、が処理される場合に、明らかとなる。典型的には、溶融物ストランドが所望の態様、例えば均一な態様でノズル板を出ることを保証するように、各材料ないし各溶融物は、例えば特定の処理圧力のような有利な処理パラメータを用いて処理されるべきである。従来技術から知られているノズル構成を用いる場合、材料の変更は、典型的には、全体のノズル構成が交換されることに帰結し、処理されるべき各材料、あるいは少なくとも各材料群、のための準備として異なるノズル構成が保有されることに帰結する。様々な材料が処理されるべき場合には、複数のノズル構成が手元に保有される必要を生じさせるため、高い資本投資に帰結する。更に、ノズル構成の交換は、時間を要する。
【発明の概要】
【0005】
このような背景に対して、本発明の目的は、従来技術の欠点が可能な限り改善されるように、前述のタイプのノズル構成を発展させることである。特に、ノズル板への溶融物の供給を改善し、複数の異なる材料ないし溶融物で動作可能なノズル構成が、具体化されるべきである。
【0006】
本発明によれば、前記目的は、前述のタイプのノズル構成において、複数の流路を流体導通態様で接続すると共に、ノズルのノズル孔に流体導通態様で接続された少なくとも1つの環状接続路を介して、達成される。本発明は、複数の流路を流体導通態様で接続する環状接続路によって、溶融物がノズル板により均一に供給され得て、流路間の圧力均等化が可能とされる、という認識を利用するものである。これは、ノズル本体上に配置されるノズル板の出口開口が、形態、量及び位置に関して、より柔軟に設計されることを許容する。溶融物が環状接続路によってノズル板に選択的に(偏って)供給されることがない、例えば別々の流路を介して供給されないで環状接続路によって規定される領域の全域を介して供給される、という事実の結果として、ノズル孔によって規定されるノズル板の出口開口面積は、最大化され得る。全体として、ノズル板は、処理されるべき材料により良く適合され得て、更に、製品スループットも、例えば孔の数を増大することによって増大され得て、粒状物の質も標準化され得る。
【0007】
本発明の第2の特徴によれば、あるいは、第1の特徴に従う本発明の有利な発展によれば、ノズル構成が、接続路とノズル板との間の少なくとも1つの流路に配置された少なくとも1つの分離流れ断面レギュレータを有することが、提案される。そのような流れ断面レギュレータによって、流路内の流れ状態は、目標とされる態様に影響され得る。これは、複数の異なる材料ないし溶融物が1つのノズル構成において処理されるべき場合に、特に有利である。流路内、特にはノズル板の流路内、における流れ及び圧力の状態は、そのような分離流れ断面レギュレータの目標部分によって、所望に影響され得る。処理されるべき複数の材料のために利用され得るノズル構成は、材料が変更されるたびに全体のノズル構成が交換されなければならない解決策と比較して、コスト上の利点を達成する。そのような流れ断面レギュレータの交換は典型的にはノズル構成の交換よりも顕著に迅速に実施され得るため、変更時間及びセットアップ時間も低減され得る。
【0008】
本発明は、接続路が少なくとも部分的にノズル本体内に設計されることによって、更に発展される。この場合、「部分的」というのは、接続路を取り囲む壁の少なくとも一部の部分領域がノズル本体内に形成されることを意味する。接続路を取り囲む壁の他の領域は、例えば当該目的のために提供される部品によって提供されてもよい。少なくとも部分的にノズル本体内とされる接続路の設計は、結果として、用いられる部品の数が低く維持され得るという利点を有し、全体として、ノズル構成の迅速な組み付け能力を高める。
【0009】
接続路は、好適には、略円形断面を有している。略円形断面は、流体交換の可能性や、複数の流路間で圧力を等しくすることに関して、特に有利であることが証明されている。特に、当該断面は、環状接続路に沿って均一な溶融物が広がることを促進する。
【0010】
ノズル構成は、好適には、接続路の直径がノズル板の円形ノズル孔の直径に対応する、というように設計される。これは、特に、単にノズル板のノズル孔が例えば流路が当該ノズル板の方向で開口する領域に直接的に配置されることを可能にするのではなく、より大きい領域、特には環状領域に配置され得る、ということを可能にする。この結果として、ノズル孔の形態、量及び位置が、より高い自由度で選択され得る。更なる好適な実施形態では、環状接続路は、流体の交換がノズル板の基準面に平行な面内で可能とされるように、セットアップされる。また、流路は、円形または半円形に配置され、それらの中点がノズル構成の長手方向軸線に対応する、というのが好適である。
【0011】
別の実施形態によれば、流れ断面レギュレータは、ノズル板上に一体的に形成されることが好適である。これによれば、用いられる部品の数が低減され得る。
【0012】
あるいは、流れ断面レギュレータは、分離部品として設計されることが好適である。更に、ノズル構成は、流れ断面レギュレータが流路内に交換可能に配置される、というように設計されることが好適である。そのような交換可能な配置は、特に異なる溶融物タイプないし材料タイプが1つのノズル構成で処理され例えば圧力状態が変更されるべき場合において、流れ断面レギュレータの迅速で容易な交換を可能にする。
【0013】
好適な発展形態に従えば、流れ断面レギュレータは、リング要素として、特にはスロットルリング要素として、設計される。このタイプの流れ断面レギュレータの実施形態は、溶融物の圧力を間接的に調整する(影響を及ぼす)と共に流れ断面を目標とされる態様に調整する(影響を及ぼす)ことに関して、特に有利であることが証明されている。リング要素は、全体として、より生産コスト上の効果があり、所望の利用意図(材料ないし溶融物のタイプ)に適合され得る。
【0014】
更に、流れ断面レギュレータは、少なくとも部分的に、接続路内に、または、接続路に隣接して、配置されることが好適である。これに関連して、ノズル板にできるだけ近く、流れ断面、ひいては関節的に溶融物圧力、を調整することが有利であることが、証明されている。接続路を有するノズル構成が利用される時、ノズル板に隣接して配置された接続路において直接的に流れ断面ないし溶融物圧力を配置ないし適合させることが、特に有利である。
【0015】
更に好適な発展形態に従えば、流れ断面レギュレータは、ノズル板によって所定位置に保持されており、ノズル板の取り外し後にアクセス可能である。材料ないし溶融物が変更される時、同様にノズル板もしばしば交換されるため、このタイプの設計構造は、ノズル板の取り外し(しばしば必須である)後に流れ断面レギュレータが直接的にアクセス可能で容易に交換され得るため、再編成時間の低減を支援する。
【0016】
本発明は、ブロッキングエッジが、流れ断面レギュレータに形成される、というように発展される。そのようなブロッキングエッジは、自由な流れ断面を調整する、あるいは、ノズル板の領域内の圧力状態を調整する、のに特に好適であることが証明されている。増大された背圧は、例えば穿孔板が不均一に加熱される場合であっても、溶融物のより均一な分配に帰結する。
【0017】
好適な発展形態に従えば、接続路の少なくとも一部が、流れ断面レギュレータ上に形成される。これによれば、例えば、接続路は、ノズル本体上に形成される壁部によって、及び、流れ断面レギュレータ上に形成される壁部によって、規定され得る。この場合にも、目的は、全体として要求される部品全数を低減すると同時に、例えば流れ断面レギュレータを取り外すことによって接続路がアクセス可能で実用可能であり続けることを保証することである。
【0018】
ノズル構成が、ノズル板と流れ断面レギュレータとの間に配置される分配リングを備え、好ましくは当該リングの上に前記接続路(44、144、244)の一部が形成されることが、更に好適である。この場合、流路は、合計で3つの部品、すなわち、ノズル本体、流路及び分配リング、に関連する壁部によって制限される。全体として、そのようなノズル構成のモジュール化された構造に関する利点がもたらされる。
【0019】
本発明は、流れ断面レギュレータが流路を制限するための円錐部を有する、というように発展され得る。付加的または代替的に、流れ断面レギュレータは流路を制限するための曲面部を有する。流れ断面レギュレータのこれらの様々な実施形態は、本質的に、処理されるべき材料の関数として、自由な流れ断面を目標とされる態様に調整する(影響を及ぼす)ように機能し、従って材料圧力または溶融物圧力を目標とされる態様に調整する(影響を及ぼす)ように機能する。例えば、第1材料を処理するためには流路を制限するための円錐部を有する流れ断面レギュレータが有利であり得る一方、流路を制限するための凹部を有する流れ断面レギュレータを用いて第2材料を利用することが有利であり得る。更に、特には処理されるべき材料の関数として、具体的な形態を組み合わせることも可能である。
【0020】
別の実施形態によれば、流れ断面レギュレータは、穿孔された流れ断面レギュレータとして形成される。穿孔された流れ断面レギュレータがワイヤネッティングを有していることが、更に好適である。自由な流れ断面が、穿孔された流れ断面レギュレータの孔の量(数)、形態及びサイズを介して、同様に例えばワイヤネッティングの孔の数や孔サイズのような構成によって、流れ断面レギュレータの領域内で調整され得る。
【0021】
本発明は、ノズル構成を参照しながら前述された。更なる特徴において、本発明は、ノズル構成を備え溶融物の流れから粒状物を生産するための造粒機に関する。本発明は、ノズル構成が前述の特徴のいずれかに従って形成される造粒機に関して、前述の目的を達成する。
【0022】
更なる特徴において、本発明は、溶融物の流れを溶融物ストランドに分離する方法に関する。本発明は、溶融物の流れをノズル構成に供給する工程と、前記溶融物の流れを複数の個別の溶融物流に分離する工程と、リング路を用いて、前記複数の個別の溶融物流の間で圧力を等しくする工程と、前記少なくとも1つの溶融物流をノズル板に供給する工程と、を備えたことを特徴とする方法を参照して、前述の目的を達成する。
【0023】
以上のような造粒機、または、以上のような方法が伴う利点に関しては、前述の設計内容が参照され、それらと同じ内容がここに組み込まれる。
【0024】
本発明の更なる特徴及び利点が、添付の特許請求の範囲と以下の詳細な説明から理解される。例示的な実施形態が、概略図の助けと共に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明によるノズル構成を有する本発明による造粒機の第1実施形態の斜視図である。
【0026】
図2図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の斜視図である。
【0027】
図3図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の斜視図である。
【0028】
図4図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0029】
図5】本発明によるノズル構成の第2実施形態の断面図である。
【0030】
図6】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図5に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0031】
図7】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図5に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0032】
図8】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図5に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0033】
図9】本発明によるノズル構成の第3実施形態の断面図である。
【0034】
図10】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0035】
図11】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0036】
図12】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0037】
図13】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0038】
図14】様々に形成された流れ断面レギュレータを有する、図1に従う本発明によるノズル構成の実施形態の断面図である。
【0039】
図15】異なる孔の形態を有するノズル板の斜視図である。
【0040】
図16】異なる孔の形態を有するノズル板の斜視図である。
【0041】
図17】異なる孔の形態を有するノズル板の斜視図である。
【0042】
図18】異なる孔の形態を有するノズル板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、水中造粒機として好適に形成された造粒機2を示している。もっとも、本発明の例示的な実施形態は、他の造粒機や造粒方法においても利用され得る。造粒機2は、水中造粒機14に駆動力を提供する駆動部6を備える。水中造粒機14は、結合装置16によってノズル構成4に接続されている。
【0044】
液体プラスチック溶融物が、典型的には押出機(図面には不図示)からノズル構成4に供給される。ノズル構成4は、電気的に、あるいは加熱流体によって、加熱される。更に、冷却流体が流体入口12によってノズル構成4内に導入され、流体出口24を介して外へ出る。溶融物は、溶融物ストランド(図1には不図示)の形態で水中造粒機14の方向にノズル構成4を出て、切断装置(不図示)によってストランド片に分離される。切断装置は、好適には、回転切断刃を有するように設計される。水中造粒機14において、これら溶融物ストランド片は、特には水のような冷却流体と接触して、急激に冷却される。この結果として、溶融物ストランド片は粒状物を形成し、更なる処理の過程で粒状体として水中から分離され得る。
【0045】
駆動部6は、特に切断装置(不図示)を駆動するように機能する。切断装置は、溶融物ストランドをストランド片に分離するために設けられている。駆動部6、水中造粒機14及びノズル構成4のアセンブリ(組立体)は、機械フレーム20上に配置されている。これが、スペーサ要素22によってベース板18に結合されており、ベース板18は、その一部がハウジング8に接続されている。ハウジング8は、床部10上に配置されており、床部10は、造粒機の簡略化された位置決め能力のため、ローラを有している。
【0046】
図2及び図3は、図1に示されたノズル構成4を、造粒機2から分離した状態で示している。図2には、ノズル構成4の入口側26が示されている。ガイドコーンが、当該入口側26上に配置されており、当該コーンは、主に、例えばスタートアップバルブ構成(不図示)によって提供されるような溶融物の流れから環状の溶融物流を形成するために用いられている。溶融物は、流路32の方向にガイドコーン30によって案内される。流路32は、流体導通態様で、入口側26及び出口側28を接続している。ノズル構成4は、更に、加熱要素取付部38を有している。加熱要素取付部38は、供給される溶融物がノズル構成4内で意図しない硬化を生じないことを保証するように、加熱要素、特には加熱カートリッジによって、ノズル構成4を加熱するように構成されている。ノズル構成4は、代替的に、水蒸気を伴う加熱流体によって、あるいは、他の手段によって、加熱され得る。
【0047】
ノズル構成4の出口側28が、図3に示されている。溶融物ストランドが、ノズル板34のノズル孔58を通って、例えば水中造粒機14の切断装置の方向に(図1参照)、ノズル構成4を出る。ノズル板34は、例えば、隔離リング36によってノズル本体35に取り付けられ得る。ノズル板34の入口側の孔の円は、本質的に当該ノズル板をノズル本体35に取り付けるために利用されることが、留意されるべきである。
【0048】
図4は、ノズル構成4の断面図である。当該断面は、ノズル構成4の長手方向軸線に垂直な方向に延びている。ノズル構成4は、ノズル本体35を有しており、当該ノズル本体35内に、ノズル構成を加熱するための加熱要素を収容するための加熱要素取付部38が配置されている。当該加熱要素取付部38内に加熱要素ないし加熱カートリッジを挿入する能力を高めるべく、ノズル本体35はベント孔48を有している。更に、流路32が、ノズル本体35内に配置されている。これらの流路32は、ノズル構成4の長手方向軸線回りの円形に配置されている。流路32は、流れ断面レギュレータ46による領域内で制限されている。更に、流路32は、環状接続路44によって互いに接続されている。環状接続路44には、ノズル板34のノズル孔58が接続されている。環状接続路44は、当該環状接続路44の直径に対応するノズル板34の領域内でのノズル孔58の概ね任意の配置を可能にする。
【0049】
ノズル板34は、取付ボルト50によってノズル本体35に取り付けられている。更に、隔離リング36が、少なくとも部分的に、ノズル板34とノズル本体35との間に導入されている。ガイドコーン30が、ノズル構成4またはノズル本体35の入口側26に取り付けられている。ガイドコーン30は、アライメントピン40によって整列ないし中央合わせされており、コーン取付ボルト42によってノズル本体35にボルト付けされている。図4から理解されるように、流れ断面レギュレータ46が、ノズル板34によって所定位置に保持されている。流れ断面レギュレータ46の様々な変形例が、処理されるべき材料ないし処理されるべき溶融物に依存して当該流れ断面レギュレータが交換され得ることで、利用可能である。本実施形態では、ノズル板34のみが、流れ断面レギュレータ46を交換するために取り外される必要があり、これによって、流れ断面レギュレータ46は直ちにアクセス可能となり交換され得る。
【0050】
別の例示的な実施形態のノズル構成104が、図5に示されている。図4から既に知られているのと同様、ノズル構成104も、加熱要素取付部138を有するノズル本体135を備えている。更に、ガイドコーン130が、アライメントピン140及びコーン取付ボルト142によってノズル本体135に取り付けられている。更に、流路132が、ノズル本体135内に形成されている。流路132は、入口側から環状接続路144の方向に延びている。流れ断面レギュレータ146aが、流路132の領域内に配置されている。本実施形態では、当該流れ断面レギュレータ146aが、流路132を制限する曲面部を有している。また、本実施形態では、環状接続路144は、ノズル本体壁部と、分配リング144または流れ断面レギュレータ146aに属する壁部と、によって規定されている。
【0051】
ノズル板134は、流体導通態様で環状接続路144に接続されている。前記ノズル板は、ノズル板取付ボルト152によって、ノズル本体135にリバーシブルに接続されている。隔離リング136が、ノズル板134の周りに配置されている。ノズル板134及び隔離リング136を備えた構成が、最終的に、クランプリング156によって所定位置に保持される。また、ノズル孔158がノズル板134内に配置される円形または部分円は、環状接続路144の直径に対応している。この目的で、ノズル構成104は、例えば処理されるべき材料または処理されるべき溶融物が変更される時に流れ断面レギュレータ146aが容易に交換され得るように、構成されている。クランプリング156は、流れ断面レギュレータ146aを交換するために取り外される必要がある。ノズル板134は、その後、アクセス可能となる。ノズル板取付ボルト152が係合解除されて分配リング154を含むノズル板134が取り外された後、流れ断面レギュレータ146aがアクセス可能となり、交換され得る。
【0052】
図6乃至図8において、様々な流れ断面レギュレータ146a~146cが、ノズル本体135内または流路132内に配置されている。
【0053】
図6において、流れ断面レギュレータ146bは、流路132を制限するための角度付け部を有しており、図7の流れ断面レギュレータ146cは、曲面部を有している。
【0054】
対照的に、図8の流れ断面レギュレータ146aは、波状部を有している。流路132の自由な流れ断面は、ノズル板134の領域内の溶融物の圧力と同様に、処理されるべき材料の関数として、流れ断面レギュレータ146a~146cの様々な設計によって、調整され得る(影響を及ぼされ得る)。
【0055】
代替的な例示的な実施形態のノズル構成204が、図9に示されている。図5乃至図8に示された例示的な実施形態と対照的に、図9のノズル構成204は、分配リングを備えておらず、流れ断面レギュレータ246を有している。環状接続路244は、ノズル本体235と、流れ断面レギュレータ246と、少なくとも僅かにノズル板234自身と、によって規定されている。図5乃至図8の例示的な実施形態と比較して、図9のノズル構成204の構成設計は、他の点では有意に変わるところがない。
【0056】
図10乃至図13には、図1に従う本発明の例示的実施形態のノズル構成4が、様々に形成された流れ断面レギュレータ(46b~46c)と共に示されている。図10及び図11では、流れ断面レギュレータ46bが、穿孔された流れ断面レギュレータ46bとして形成されている。流れ断面レギュレータ46bの領域での自由な流れ断面は、当該穿孔された流れ断面レギュレータ46bの孔の量(数)、形態及びサイズによって調整される。
【0057】
代替的な例示的な一実施形態の流れ断面レギュレータ46cが、ワイヤネッティング60がその上に配置された穿孔された流れ断面レギュレータ46cとして形成され、図12及び図13に示されている。ワイヤネッティング60は、穿孔された流れ断面レギュレータ46cのガイドコーン30に面する側に配置されている。流れ断面レギュレータ46cの領域での自由な流れ断面は、当該穿孔された流れ断面レギュレータ46cの孔の量(数)、形態及びサイズによって、また、例えば孔の量や孔のサイズのようなワイヤネッティングの特性によって、調整される。
【0058】
ノズル構成の代替的な例示的な一実施形態が、一体的に成形された流れ断面レギュレータ64を有するノズル板62を備え、図14に示されている。この場合、流れ断面レギュレータ64は、分離部品として実施されないで、ノズル板62の一部である。
【0059】
図15乃至図18は、ノズル板がノズル孔158の量(数)、位置及び直径に関して異なる、ノズル板134、134‘、134“、134“‘を示している。ノズル孔158が、それらのサイズ、位置及び量に関して、環状接続路144の直径に対応する領域内のノズル板134の中心周りの円形リング上で本質的に自由に位置決めされ得ることは、図11乃至図13から明らかである(例えば図5参照)。
【符号の説明】
【0060】
2 造粒機
4 ノズル構成
6 駆動部
8 ハウジング
10 床部
12 流体入口
14 水中造粒機
16 結合装置
18 ベース板
20 機械フレーム
22 スペーサ要素
24 流体出口
26 入口側
28 出口側
30 ガイドコーン
32 流路
34 ノズル板
35 ノズル本体
36 隔離リング
38 加熱要素取付部
40 アライメントピン
42 コーン取付ボルト
44 環状接続路
46a~46c 流れ断面レギュレータ
48 ベント孔
50 取付ボルト
58 ノズル孔
60 ワイヤネッティング
62 一体的に成形された流れ断面レギュレータを有するノズル板
64 一体的に成形された流れ断面レギュレータ
104 ノズル構成
130 ガイド
132 流路
134,134‘,134“,134“‘ ノズル板
135 ノズル本体
136 隔離リング
138 加熱要素取付部
140 アライメントピン
142 コーン取付ボルト
144 環状接続路
146a~146c 流れ断面レギュレータ
152 ノズル板取付ボルト
154 分配リング
156 クランプリング
158 ノズル孔
204 ノズル構成
232 流路
234 ノズル板
235 ノズル本体
236 隔離リング
238 加熱要素取付部
244 環状接続路
246 流れ断面レギュレータ
252 ノズル板取付ボルト
256 クランプリング
258 ノズル孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18