(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】ドロンカップ型熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20220620BHJP
F28F 3/06 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28F3/06 A
(21)【出願番号】P 2019503171
(86)(22)【出願日】2018-02-28
(86)【国際出願番号】 JP2018008878
(87)【国際公開番号】W WO2018159859
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】P 2017040870
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】大久保 厚
(72)【発明者】
【氏名】坂井 耐事
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-115879(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0126911(US,A1)
【文献】実開平06-022770(JP,U)
【文献】特開2000-074591(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0000691(KR,A)
【文献】特開2000-018872(JP,A)
【文献】特開2008-106969(JP,A)
【文献】特開2018-044745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/00-3/08
F28D 9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のカッププレート(2a,2b)内にインナーフィン(3)を収容した細長いチューブエレメント(1)を、複数積層して構成されるドロンカップ型熱交換器において、
カッププレート(2a,2b)は、インナーフィン(3)を収容する偏平な収容部(4)と、収容部(4)の両端部に連通する一対のカップ部(5)を有し、カップ部(5)には積層される各チューブエレメント(1)内に流体を連通させる流通孔(6)が形成され、収容部(4)には収容されるインナーフィン(3)の長手方向両端部をカップ部(5)の流通孔(6)より手前に位置決めするため、その長手方向の両先端部における幅方向の少なくとも一端部に角部(9)が形成され、
前記互いに対向する一対のカッププレート(2a,2b)におけるカップ部(5)間の接合は、各カップ部(5)における流通孔(6)の流通方向に沿った側面(10)が互いに重なり合った状態で接合されており、
前記接合において、重なりの内側に位置するカッププレート(2a)の側面(10)の端部は、一対のカッププレート(2a,2b)とインナーフィン(3)とが組み合された状態において、インナーフィン(3)の高さを超えて他方のカッププレート(2b)側に突出せず、
前記接合において、重なりの外側に位置するカッププレート(2b)の側面(10)に段差部(11)が形成されると共に、その段差部(11)から立ち上がった側面(10)の端部が外側に拡開されており、少なくとも一部の段差部(11)の底面に、重なりの内側に位置するカッププレート(2a)の側面(10)の端部が接した状態で接合された熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器において、
段差部(11a)は、重なりの外側に位置するカッププレート(2b)の長手方向の先端部の近傍のみに、カップ部(5)の半径方向の外側に膨出して形成されており、そこに重なりの内側に位置するカッププレート(2a)の側面(10)の下端面(10a)が着座されている熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のカッププレート内にインナーフィンを収容したチューブエレメントを複数積層したドロンカップ型熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルクーラ等の熱交換器は、例えば自動車のエンジンオイルを冷却水で冷却する際に利用される。このような熱交換器として、一対のカッププレート内にインナーフィンを収容したチューブエレメントを複数積層して構成されるドロンカップ型の熱交換器が多く採用されている。
図10、
図11にドロンカップ型の熱交換器に使用される従来の一般的なチューブエレメントの例を示す。
図10はチューブエレメントの一部を示す部分断面図であり、
図11は
図10におけるXI-XI矢視平面図である。
図10、
図11において、細長いチューブエレメント1は対向配置した一対のカッププレート2a,2bの周縁を互いにろう付接合して形成され、その内部空間に、オフセット型のインナーフィン3が収容されている。そのカッププレート2a,2bはインナーフィン3を収容する偏平で細長い収容部4と、その収容部4の両端部にカップ部5を有し、そのカップ部5には、積層された各チューブエレメント1内に流体を連通させるための流通孔6が形成されている。
チューブエレメント1が複数積層された状態で互いに接合されて、熱交換器のコア部が形成される。
図10には最下層のチューブエレメント1と、その上部に積層される2番目のチューブエレメント1のみが例示されており、3番目以降は一点鎖線で示した範囲に順次同様に積層され、さらに各チューブエレメント1の間にはアウターフィン7が配置される。なお最下層のチューブエレメント1は上側がカッププレート2aで下側が底板8で形成される。
各カッププレート2a,2bの収容部4の長手方向の両端部に積層方向に連通する一対の方円状のカップ部5が形成され、
図10に示すように、その周辺部分が1段立上げられた段差部5aを形成し、その段差部5aの周縁には水平に伸びる平坦な接合用の小フランジ部が形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
積層された複数のチューブエレメント1をろう付などにより互いに接合して熱交換器のコア部を形成する場合、各カッププレート2a,2b、インナーフィン3およびアウターフィン7も同時に接合される。平面の全体形状が偏平なインナーフィン3が、その上面と下面がそれぞれ対向するカッププレート2a,2bの収容部4の内面と接合されることにより、チューブエレメント1全体が補強され、その耐圧強度が確保される。そのため、これら各部品は、予め決められた相互の関係位置に配置され、その配置状態を維持して全体的に接合される必要がある。
しかし、仮組工程や接合工程において多少の位置ずれが発生することも多い。特にインナーフィン3を接合する際に生じる位置ずれは、熱交換器の性能に影響を及ぼすとともに、その耐圧強度にも大きな影響を及ぼす。
そのゆえ、従来から、カッププレート2a,2bに設定するインナーフィン3の位置ずれを防止するため、カッププレート2a,2bにおける収容部4のカップ5側に移動防止用の障害物となるダボを取り付け、そのダボでインナーフィン3のカップ部5側への移動を阻止する方法が採用されている。
しかし、ダボの位置は、収容部4の長手方向の先端部より内側になるので、それより先端側においては、収容部4の内面と、インナーフィン3の上下面との接合が無く、チューブエレメント1全体の強度が低下し耐圧性が低下する。
すなわち、このような未接合部分の存在により、内圧に対する変形量が増加するとともに、カッププレート2a,2bに固定したダボに応力が集中するので、特に耐圧の要求仕様が高い熱交換器においては、耐圧強度を確保することが困難になる。
この問題を回避するため、カッププレート2a,2bやアウターフィン7の板厚を厚くすることも考えられるが、その場合は重量増加やコストアップなどの別の問題が発生する。
また、カッププレート2a,2bどうしを接合するために、カッププレートの周縁に小フランジ部を形成すると、流通孔の開口面積の確保を条件とした場合は、その小フランジ部の分だけ、熱交換器全体が大型化することになり、一方、大型化の回避を条件とした場合は、その小フランジ部の分だけ、流通孔の開口面積が減少し流体の流通抵抗が増加することになる。
そこで本発明は、これらの問題を解決した新しい熱交換器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の発明は、一対のカッププレート内にインナーフィンを収容した細長いチューブエレメントを、複数積層して構成されるドロンカップ型熱交換器において、
カッププレートは、インナーフィンを収容する偏平な収容部と、収容部の両端部に連通する一対のカップ部を有し、カップ部には積層される各チューブエレメント内に流体を連通させる流通孔が形成され、収容部には収容されるインナーフィンの長手方向両端部をカップ部の流通孔より手前に位置決めするため、その長手方向の両先端部における幅方向の少なくとも一端部に角部が形成され、
前記互いに対向する一対のカッププレートにおけるカップ部間の接合は、各カップ部における流通孔の流通方向に沿った側面が互いに重なり合った状態で接合されており、
前記接合において、重なりの内側に位置するカッププレートの側面の端部は、一対のカッププレートとインナーフィンとが組み合された状態において、インナーフィンの高さを超えて他方のカッププレート側に突出せず、
前記接合において、重なりの外側に位置するカッププレートの側面に段差部が形成されると共に、その段差部から立ち上がった側面の端部が外側に拡開されており、少なくとも一部の段差部の底面に、重なりの内側に位置するカッププレートの側面の端部が接した状態で接合されていることを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の発明は、第1の発明において、段差部は、重なりの外側に位置するカッププレートの長手方向の先端部の近傍のみに、カップ部の半径方向の外側に膨出して形成されており、そこに重なりの内側に位置するカッププレートの側面 の下端面 が着座されていることを特徴とする(請求項2)。
【発明の効果】
【0005】
第1の発明は、収容部に収容されるインナーフィンの両端部を、カッププレート2a,2bのカップ部5の流通孔より手前に位置決めするため、その長手方向の両先端部における幅方向の少なくとも一端部に角部9が形成されていることを特徴とする。このように構成すると、収容部4内にダボなどの障害物を設ける必要がなくなり、インナーフィン3の両端部を収容部4の先端部に位置する角部9に一致させることにより、インナーフィン3とカッププレート2a,2bとを位置決めすることができる。それにより、カッププレートにおいてインナーフィンと接合されていない部分が減少するので、チューブエレメント1の耐圧性が向上し、チューブエレメント1を構成する各部品の薄肉化も可能になる。
また、互いに対向する一対のカッププレート2a,2bにおけるカップ部5間の接合は、各カップ部5における流通孔の流通方向に沿った側面10が互いに重なり合った状態で接合されていることを特徴とする。このように構成すると、前記小フランジ部が不要となるので、熱交換器が大型化することなく流通孔の開口面積を確保することができる。
そして、重なりの内側に位置するカッププレート2aの側面10の端部は、インナーフィン3の高さを超えて他方のカッププレート2b側に突出していないことを特徴とする。このように構成すると、カッププレート2aの側面10の端面を、収容部4における側面10の端面に合わせて、カッププレート2aの全周に渡って略同一の平面上に揃えることが可能となり、カッププレート2aのプレス加工による成型加工性および材料歩留りが向上する。
さらに、重なりの外側に位置するカッププレートの側面に段差部が形成されると共に、その段差部から立ち上がった側面の端部が外側に拡開されており、少なくとも一部の段差部の底面に、重なりの内側に位置するカッププレートの側面の端部が接した状態で接合されていることを特徴とする。
このように拡開すると、その部分が双方のカッププレートを嵌合させる際にガイドとして機能するので、その嵌合が容易になり、作業性が向上する。また、少なくとも一部の段差部11の底面に他方のカッププレートの端部が接した状態でろう付などの接合が行われるように構成すると、接合工程において各カッププレート2a,2bの積層方向に圧縮荷重を付加した場合においても、その荷重は当該段差部11で支持されるので、上下に対を為すカッププレート2a,2bの嵌合部がずれたり変形したりすることなく健全かつ気密に接合される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は本発明の熱交換器の実施形態において、積層される複数のチューブエレメントの一部を分解して示す部分分解斜視図。
図2は
図1における各チューブエレメントを互いに積層した状態を示す部分側断面図。
図3は
図2におけるIII-III矢視の平断面図。
図4は本発明の熱交換器の第2の実施形態であって、各チューブエレメントを互いに積層した状態を示す部分側断面図。
図5は
図4におけるV-V矢視の平断面図。
図6は本発明の第3の実施形態の部分側面図。
図7は同平面図。
図8は同要部拡大断面図。
図9は同要部断面図。
図10は従来の熱交換器において、各チューブエレメントを互いに積層した状態を示す部分側断面図。
図11は
図10におけるVII-VII矢視の平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、図面により、本発明の熱交換器の構成要素であるチューブエレメントの実施形態を説明する。
図1は積層される複数のチューブエレメントの一部を分解して示す部分分解斜視図であり、
図2、
図3は
図1のチューブエレメント1を積層した状態を示す図である。なお本発明の実施形態における各図面の各部材が、前述した
図10、
図11における各部材と略同様の場合には、
図10、
図11と同一の符号を付し、重複する説明は可能な範囲で省略する。
図1において、それぞれ細長い、上側のカッププレート2aと、下側のカッププレート2bと、両カッププレート2a,2b間に介装されるインナーフィン3とによりチューブエレメント1が構成される。そして、上側のカッププレート2aの外周縁が下側のカッププレート2bの内周に嵌着される。その下側のカッププレート2bの周縁は、段付きに形成され、その外周縁部が外側に拡開し、その拡開部8bが上側のカッププレート2aの縁部を円滑に案内する。さらに、上下方向に積層される各チューブエレメント1の間にアウターフィン7が配置される。なお最下側に示すのは底板8であり、その平面形状は下側のカッププレート2bと同一である。この例では、その底板8の長手方向の両端のカップ部の底面には、積層方向の上方に向けた円形凸部8aが形成されているが、この円形凸部8aは無くとも良い。カッププレート2a,2b、インナーフィン3およびアウターフィン7の材質は、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属材であり、インナーフィン3の形状としては例えばオフセットフィン、その他の公知のフィンを使用することができる。
上下一対のカッププレート2a,2bを互いに対向させた状態において、それらの長手方向の中央部に平面方形の収容部4が形成され、その長手方向の両端部に平面が方円形で且つ収容部4より高さの高い偏平なカップ状のカップ部5が形成される。インナーフィン3はカッププレート2a,2bの収容部4内に配置される。そしてカップ部5の底には流体を積層方向に流通させるための略円形の流通孔6が形成されている。なお流通孔6は上下一対のカッププレート2a,2bのそれぞれに同軸的に形成される。
カッププレート2a,2bの収容部4の幅は、その両端部に連通するカップ部5の幅よりわずかに大きく形成されている。そして収容部4の長手方向の両端部と、カップ部5の方円形の方形部分との境の4箇所に、角部9が形成される。本実施形態では、各角部9がカッププレート2a,2bの長手方向に対し傾斜しているが、その傾斜に代えて、角部9を直角に形成してもよい。
図3に示すように、インナーフィン3の長手方向の先端部の幅方向の両部は、収容部4の一対の角部9に接触した状態で位置決めされる。
図2に示すように、対向するカップ部5は、各カップ部5における流通孔6の流通方向に沿った側面10が互いに重なり合った状態となっている。そして図中、下側のカップ部5の側面10に外側へ段差部11が形成されると共に、その段差部11から立ち上がった側面10の端部が外側に拡開されて、そこに拡開部8bが形成されている。また、重なりの内側に位置するカッププレート2aの側面10の端部は、インナーフィン3の高さを超えて他方のカッププレート2b側に突出していない。なお
図1においては、これら段差部11や側面10の端部の外側への拡開は、図面の複雑化を避けるため省略して示されている。
上記のように側面10を互いに重ねた状態とすることにより、カップ部5の接合部を小さくして、コンパクトな熱交換器としている。また、側面10の端部を外側に拡開して拡開部8bとすると、その拡開部8bに上側のカッププレート2aの側面10の縁部を案内することができる。それによって、その側面10どうしの嵌合作業が容易になり、その作業効率が向上する。
また、カッププレート2aの側面10の端部は、インナーフィン3の高さを超えて他方のカッププレート2b側に突出していないので、カッププレート2aの側面10の端面を、収容部4における側面10の端面に合わせて、カッププレート2aの全周に渡って略同一の平面上に揃えることが可能となり、カッププレート2aのプレス加工による成型加工性および材料歩留りが向上する。
図2、
図3のように位置決めした状態で、チューブエレメント1を構成する各部材、およびアウターフィン7などは、ろう付により一体に接合される。熱交換器をアルミニウム材とする場合には、ろう材が被覆されたクラッド材をプレートとして使用することができる。
図4、
図5は本発明の熱交換器におけるチューブエレメント1の第2の実施形態を
図2、
図3に準じて示すものである。この実施形態が
図2、
図3の実施形態と異なる部分は、チューブエレメント1の収容部4に収容されたインナーフィン3の長手方向両先端部が、収容部4からカップ部5の内部に僅かに突出されている点で、そのほかは前記実施例と同様に形成される。
この実施形態では、インナーフィン3の長手向長さが収容部4の長手方向長さより幾分長く設定されている。そして、そして
図4に示すように、幾分長い分だけインナーフィン3の先端部がカップ部5の内部に突出する。そして、この突出部分にろう付によるフィレットが形成されることにより、カッププレート2a、2bとインナーフィン3との接合面積がより増加し、かつ接合部の応力集中も緩和され、耐圧性がよりいっそう向上する。この突出量はインナーフィン3として例えばオフセットフィンを使用する場合、そのオフセットピッチ(あるオフセットから次のオフセットまでの寸法)の数ピッチ以内で十分であり、1ピッチ未満でも良い。突出部分は流体の圧力を受けるので、過剰な突出はその部分でインナーフィン3が折損する原因となる。なお、別の位置決め方法として、インナーフィン3の4隅を、
図5に示す如く、カッププレート2a,2bの角部9の傾斜面に合わせた形状とし、両傾斜面によりカッププレート2a,2bとインナーフィン3とを位置決めしてもよい。
次に、
図6は本発明の第3の実施形態の部分側面図であり、
図7は同平面図、
図8(A)(B)は同要部拡大断面図、
図9は
図7のA-Aにおける断面図である。この実施形態が前記実施形態と異なる点は、段差部11a及びそれに着座する側面10の形状である。
図7のA-A断面位置では、段差部11aが半径方向の外側に膨出して
図8(A)のように形成されており、そこに他方のカッププレートの側面10の下端面10aが着座されている。このとき当該側面10は、その下端面10aが段差部11aに整合するように、外側に膨出されている。
このように、段差部11aの底に他方のカッププレートの側面10の下端面10aが接した状態でろう付接合することにより、接合工程において各部材の接触を確実にするために各カッププレート2a,2bの積層方向に圧縮荷重を付加した場合においても、その荷重は段差部11aで支持されるので、上下に対を為すカッププレート2a,2bの嵌合部がずれたり変形したりすることがない。
一方、
図7のB-Bの断面位置では、段差部11は、
図8(B)のように、前記
図4の実施形態と同じ形状に形成されている。
このように、荷重を支持する段差部11aをカッププレートの長手方向の先端部の近傍のみに限定して形成したことにより、カップレートの膨出を最小限にとどめるとともに流通孔の開口面積を十分に確保することが可能となり、小型で流通抵抗が低くかつ組立性の良い熱交換器を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明は、オイルクーラ等のドロンカップ型の熱交換器に利用できる。
【符号の説明】
【0009】
1 チューブエレメント
2a カッププレート
2b カッププレート
3 インナーフィン
4 収容部
5 カップ部
5a 段差部
6 流通孔
7 アウターフィン
8 底板
8a 円形凸部
8b 拡開部
9 角部
10 側面
10a 下端面
11 段差部
11a 段差部