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特許7091321乗物制御同期化のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】乗物制御同期化のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20220620BHJP
   A63G 31/16 20060101ALI20220620BHJP
   B61L 27/00 20220101ALI20220620BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G31/16
B61L27/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019521702
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 US2017058564
(87)【国際公開番号】W WO2018081443
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】62/413,520
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】デンビンスキー カイル アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】キング スティーヴン モリス
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-264210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0336012(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0023121(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0012157(US,A1)
【文献】米国特許第06631322(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L15/00-58/40
B61L 1/00-99/00
A63G 1/00-33/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物制御システムであって、
経路に沿って乗物車両の別個のグループの移動を同期させるように構成された中央制御装置であって、乗物車両の個のグループの各々は、互いに非連結でかつ仮想列車を形成する複数の個々の乗物車両を含み、各仮想列車は、前記経路に沿った複数の予定位置及び複数の予定タイムスタンプを含む1又は2以上のスケジュールが割り当てられ、該複数の予定タイムスタンプのうちの予定タイムスタンプの各々は、該複数の予定位置のうちのそれぞれの予定位置に関連する中央制御装置と、
複数の車両制御装置であって、該複数の車両制御装置の車両制御装置、前記複数の個々の乗物車両のうちのそれぞれの個々の乗物車両に通信可能に結合され、車両制御装置、前記1又は2以上のスケジュールに少なくとも基づいて前記経路に沿った該それぞれの個々の乗物車両の速度を制御するように構成される、複数の車両制御装置と、
を含み、
各仮想列車内の前記複数の個々の乗物車両のうちの1つは対応する仮想列車の先頭車両であり、
前記中央制御装置は、指定された先頭車両の前記車両制御装置を通じて各仮想列車と通信するように構成され、
各先頭車両は、前記対応する仮想列車内の車両の相対位置を監視するように、かつ前記相対位置に基づいて前記対応する仮想列車内の車両にスケジュールを割り当てるように構成される、
乗物制御システム。
【請求項2】
前記車両制御装置は、前記それぞれの個々の乗物車両の位置を位置追跡システムによって決定するように構成され、請求項1に記載の乗物制御システム。
【請求項3】
前記位置追跡システムは、1又は2以上のリニアエンコーダを含む、請求項2に記載の乗物制御システム。
【請求項4】
前記中央制御装置は、乗物車両の前記別個のグループに関連したタイムスタンプを決定するように構成された1又は2以上のクロックを含み、該中央制御装置は、前記タイムスタンプ及び前記それぞれの個々の乗物車両の位置に少なくとも基づいて前記1又は2以上のスケジュールを調節するように構成される、請求項2に記載の乗物制御システム。
【請求項5】
ショー設備を含み、該ショー設備は、1又は2以上のクロックを含み、該ショー設備は、前記1又は2以上のスケジュール及び該1又は2以上のクロックからのタイムスタンプに少なくとも基づいてショーイベントを実行するように構成される、請求項1に記載の乗物制御システム。
【請求項6】
前記車両制御装置の各々は、前記それぞれの個々の乗物車両に関するタイムスタンプを決定するように構成されたクロックを含み、該車両制御装置の各々は、該それぞれの個々の乗物車両の位置を追跡するように構成された位置追跡システムを含み、該車両制御装置は、該それぞれの個々の乗物車両のタイムスタンプ及び位置に少なくとも基づいて該それぞれの個々の乗物車両の速度を調節するように構成される、請求項1に記載の乗物制御システム。
【請求項7】
前記複数の車両制御装置は、前記それぞれの個々の乗物車両の速度又は位置を調節して、前記経路に沿った1又は2以上の位置に対する乗物車両の前記別個のグループの該それぞれの個々の乗物車両の間の所定の経過時間差を維持するように構成される、請求項1に記載の乗物制御システム。
【請求項8】
前記中央制御装置は、乗物車両の前記別個のグループの位置を表示するように構成されたディスプレイを含み、該中央制御装置は、乗物車両の該別個のグループの位置及び/又は速度を調節するための入力をオペレータから受け取るように構成された入力装置を含む、請求項1に記載の乗物制御システム。
【請求項9】
車両の前記グループ内の前記複数の個々の乗物車両の相対位置は、前記1又は2以上のスケジュールに従って前記経路の分裂経路部によって変更されるように構成される、請求項1に記載の乗物制御システム。
【請求項10】
中央制御装置により、複数のスケジュールをそれぞれの複数の仮想列車に割り当てるステップであって、各仮想列車は複数の個々の乗物車両を含み、各仮想列車内の該複数の個々の乗物車両のうちの1つは前記対応する仮想列車の先頭車両であり、前記複数のスケジュールは前記先頭車両に伝達され、該複数のスケジュールのスケジュール、経路に沿った予定位置のそれぞれのセットに関連した予定タイムスタンプのセットを含む、ステップと、
前記個々の乗物車両の各々に通信可能に結合された車両制御装置により、前記経路に沿った前記複数の仮想列車内の車両の実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプを決定するステップと、
前記先頭車両により、前記実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプを前記複数のスケジュールと比較するステップと、
前記先頭車両により、前記個々の車両間の距離を所定の範囲に維持しながら、前記複数のスケジュールからの前記実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプのずれに基づいて、個々の仮想列車内の個々の車両の速度及び/又は位置を調節するステップと、
前記先頭車両により、前記対応する仮想列車内の車両の前記相対位置を監視するステップと、
前記先頭車両により、前記相対位置に基づいて前記対応する仮想列車のそれぞれにおける車両にスケジュールを割り当てるステップと、
を含む、請求項1に記載の乗物制御システムを動作させるための方法。
【請求項11】
前記複数のスケジュールは、前記複数の仮想列車の隣接した仮想列車間の、前記経路に沿った場所に対する列車タイムスタンプ差を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記隣接した仮想列車間の前記列車タイムスタンプ差は、前記個々の仮想列車の隣接した個々の車両の車両タイムスタンプ差よりも大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のスケジュールの1又は2以上のスケジュールをショー設備に割り当てるステップを含み、該ショー設備は、前記1又は2以上のスケジュールの予定されたショータイムスタンプに従ってショーイベントを実行するように構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
個々の仮想列車内の前記個々の車両の相対位置を少なくとも前記実際の位置及び関連したタイムスタンプに基づいて決定するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の仮想列車の前記車両は、互いに物理的に連結されていない、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の仮想列車は、異なる数の乗物車両を有し、前記スケジュールの前記予定タイムスタンプのセット及び前記関連した位置のセットは、該異なる数の乗物車両を考慮する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記個々の仮想列車が前記経路に沿って走行する際に、該個々の仮想列車の中に1又は2以上のショー車両を入れ込むステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記先頭車両により、前記対応する仮想列車内の車両の前記相対位置を監視するステップと、
前記先頭車両により、乗物車両を含む仮想列車内の各乗物車両に関する相対位置を決定するステップと、
前記先頭車両により、予定タイムスタンプのセット及び経路に沿った関連した予定位置のセットを含む1又は2以上のスケジュールを、少なくとも前記相対位置に基づいて前記仮想列車の各乗物車両に割り当てるステップと、
前記先頭車両により、前記仮想列車の前記乗物車両の2又は3以上のサブセットを、少なくとも前記相対位置及び前記1又は2以上のスケジュールに基づいて経路に沿って分離するステップと、
再連結するステップであって、前記仮想列車内の1又は2以上の乗物車両の前記相対位置が前記分離及び再連結ステップの後に変更されるように、前記先頭車両により、前記分離するステップの後に、前記仮想列車の前記乗物車両の前記2又は3以上のサブセットを前記経路に沿って再連結するステップと、
を含請求項1に記載の乗物制御システムを動作させるための方法。
【請求項19】
前記乗物車両の2又は3以上のサブセットを分離するステップは、
少なくとも前記1又は2以上のスケジュールに基づいて、前記経路の分裂経路部の第1の経路に沿って第1のサブセットを送るステップと、
少なくとも前記1又は2以上のスケジュールに基づいて、前記経路の分裂経路部の第2の経路に沿って第2のサブセットを送るステップと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記2又は3以上のサブセットを分離するステップは、前記第1のサブセット及び/又は前記第2のサブセットの前記乗物車両の間の距離を調節するステップを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月27日出願の米国特許仮出願第62/413,520号「仮想同期を伴う乗物制御システム用システム及び方法」の優先権及び利益を主張するものであり、その開示内容全体が全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本開示は、一般には遊園地の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、遊園地のゲーム又は乗物に関連して使用される方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
20世紀初頭から、遊園地(又は、テーマパーク)は、ますます一般的になっている。1つの形式の遊園地アトラクションは、軌道に沿って走行する(travel)複数の乗物車両(ride vehicles)で構成することができる。特定のアトラクションにおいて、各乗物車両の場所及び速度は、1又は2以上のセンサ及び/又は制御装置によって測定及び/又は計算することができ、他の乗物車両に対する間隔を決定して軌道上の各乗物車両の間に所望の距離が維持されることを保証するようになっている。このようなシステム及び制御スキームは、実施するのが難しく、動作させるのが非効率的であり、維持するのに費用がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
独自にクレームされた主題による範囲に相応した特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を制限することは意図されておらず、むしろ、これらの実施形態は、特定の開示された実施形態の概要を提示することのみが意図されている。実際には、本開示は、以下に記載の実施形態と類似する又は相違することができる様々な形態を包含することができる。
【0005】
1つの実施形態によれば、乗物制御システムは、経路に沿った乗物車両の別個のグループ(separate groups of ride vehicles)の移動を同期させるように構成された中央制御装置を含む。当該乗物車両の別個のグループの各々は、互いに非連結でかつ仮想列車(virtual train)を形成する複数の個々の乗物車両を含む。各仮想列車は、経路に沿った複数の予定位置(expected positions)及び複数の予定タイムスタンプ(expected timestamps)を有する1又は2以上のスケジュールが割り当てられる。複数の予定タイムスタンプの予定タイムスタンプの各々は、複数の予定位置のそれぞれの予定位置に関連する。乗物制御システムは、複数の車両制御装置も含む。複数の車両制御装置の各車両制御装置は、複数の個々の乗物車両のそれぞれの個々の乗物車両に通信可能に結合される。各車両制御装置は、経路に沿ったそれぞれの個々の乗物車両の速度を1又は2以上のスケジュールに少なくとも基づいて制御するように構成される。
【0006】
別の実施形態において、方法は、複数のスケジュールをそれぞれの複数の仮想列車に割り当てるステップを含む。複数のスケジュールの各スケジュールは、経路に沿った予定位置のそれぞれのセットに関連した予定タイムスタンプのセットを含む。また、本方法は、経路に沿った複数の仮想列車内の車両の実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプを決定するステップと、実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプを複数のスケジュールと比較するステップとを含む。本方法は、個々の車両間の距離を所定の範囲に維持しながら、複数のスケジュールとの実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプのずれ(deviation)に基づいて、個々の仮想列車内の個々の車両の速度及び/又は位置を調節するステップをさらに含む。
【0007】
別の実施形態において、方法は、乗物車両を含む仮想列車内の各乗物車両に関する相対位置を決定するステップと、経路に沿った予定タイムスタンプのセット及び関連した予定位置のセットを含む1又は2以上のスケジュールを、少なくとも相対位置に基づいて仮想列車の各乗物車両に割り当てるステップを含む。本方法は、仮想列車の乗物車両の2又は3以上のサブセットを、少なくとも相対位置及び1又は2以上のスケジュールに基づいて経路に沿って分離するステップも含む。本方法は、仮想列車の乗物車両の2つ以上のサブセットを、経路に沿って分離するステップの後に再連結するステップをさらに含み、仮想列車内の1又は2以上の乗物車両の相対位置が、分離及び再連結ステップの後に変更される。
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面全体を通して同様の符号が同様の要素を表す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むとより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態による、テーマパーク乗物の乗物制御システムの実施形態のブロック図である。
図2】本開示の実施形態による、図1のテーマパーク乗物の概略図である。
図3】本開示の実施形態による、図1の乗物制御システムの一部のブロック図である。
図4】本開示の実施形態による、図1の乗物制御システムによって実行することができる走行プロセスのフローチャートである。
図5】本開示の実施形態による、図1のテーマパークの一群の乗物車両のブロック図である。
図6】本開示の実施形態による、図1のテーマパーク乗物の一部の概略図である。
図7】本開示の実施形態による、図1のテーマパーク乗物の一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、遊園地内のアトラクションの一群の物理的に分離した又は非連結の乗物車両の協調制御を容易にするための、乗物車両又は「仮想列車」グループの同期化のためのシステム及び方法を提供する。提供される仮想列車内の各車両は物理的に連結されていないので、個々の車両は、物理的に連結された列車車両の列車上で実行するのがより難しい場合があるより複雑な特殊効果(例えば、縦揺れ又は横揺れ効果)を体験することが可能となる。しかしながら、それでも非連結の車両は、中央乗物制御装置によってグループとして効率的に制御することができる。特に、複数グループの乗物車両及び他のアトラクション特徴部は、1又は2以上のクロック又は制御装置によって同期させることができる。例えば、経路に対する乗物車両の位置は、1又は2以上のクロックのタイムスタンプに関連づけることができる。実際の位置及び関連した実際のタイムスタンプは(例えば、車両位置情報に基づいて測定又は決定される場合)、乗物車両が予定時間に経路に沿って予定場所内に位置するかどうか決定するために主制御装置に伝達することができる。ずれ(deviation)が生じると、個々の車両の速度の調節をもたらすことができる。しかしながら、このような速度調節は、仮想列車の隣接する車両の間の所定の所望距離範囲によって抑制される。すなわち、仮想列車の個々の車両が予定より遅れている場合、何らかの速度増加を仮想列車の他の車両に中継して列車の車両間の所望の間隔を維持することができる。
【0011】
一般的に、遊園地アトラクションは、経路(例えば、鉄道又は軌道)に沿って走行する車両を含む乗物又はショー(show)を含むことになる。例えば、移動中の乗物は、異なる周囲環境に(例えば、山頂、トンネル内、水中などに)位置することができ、車両は、異なる形式のショーイベント(例えば、移動するアクションフィギュア(アニマトロニックス)、ビデオ画面投影、効果音、水効果など)を通る経路に沿って移動することができる。特に、経路に沿った特定の車両の移動は、経路上の他の車両、周囲環境、経路に沿ったショー設備(show equipment)(例えば、アニマトロニックス、ビデオ画面投影、効果音、水効果、照明効果など)、及び/又は周囲環境内の他のアトラクションと同期させることができる。
【0012】
一部のテーマ乗物に関して、車両の移動は、中央制御装置又はコンピュータを有する乗物制御システムによって監視及び制御することができる。中央制御装置は、他の車両、周囲環境、ショー設備、及び/又は他のアトラクションに対する、関連した経路に沿った各車両の位置及び速度を監視することができる。例えば、中央制御装置は、1又は2以上の車両間の車両間隔を決定することができ、車両間隔が所定の最小距離内にある場合には軌道上の車両を停止することができる。さらなる実施例として、中央制御装置は、特定のショー設備を起動する前に経路に沿った車両の位置を決定することができる。上記及び他の状況において、中央制御装置は、経路に沿って様々な場所に取り付けられたセンサから受け取ったセンサフィードバックに基づいて、軌道に沿った車両の位置を決定することができる。しかしながら、このような従来のフィードバックに基づく制御システムは、維持するのに費用がかかり、統合するのが難しい場合があり、さらに経路に沿った車両の移動の自由度を制限する場合がある。さらに、このような従来のフィードバックに基づく制御システムは、経路上の車両を効率的方法で同期させることを可能にしない場合がある。
【0013】
特定の実施形態において、個々の乗物車両、複数グループの乗物車両、及び/又はショー設備の効果的な同期化を含むことができる遊園地乗物を提供する。具体的には、遊園地乗物は、中央制御装置及びクロックによって同期させることができる1又は2以上の乗物車両又は複数グループの乗物車両(例えば、仮想列車)を含むことができる。例えば、一部の実施形態において、各乗物車両は、内部クロック及び1又は2以上の位置センサを含むことができる。乗物車両が経路に沿って走行する際に、乗物車両は、経路上の位置を内部クロックからの位置に関連したタイムスタンプと共に決定することができる。次に、決定された位置及び関連したタイムスタンプは、スケジュール、又は予定位置及び予定タイムスタンプのセットと比較することができる。この比較に基づいて、乗物車両の速度を調節することができる。例えば、「スケジュールより遅れている」場合、乗物車両は速度を増加することができ、「スケジュールよりも早い」場合、乗物車両は速度を低減することができる。
【0014】
一部の実施形態において、乗物車両の速度は、乗物車両に関連した車両制御装置の入力によって直接的に調節することができ、及び/又は、遊園地乗物の中央制御装置の入力によって間接的に調節することができる。特に、乗物車両は、複数グループ又は「仮想列車」で経路に沿って走行することができる。特定の実施形態において、各仮想列車は、スケジュール又は他の入力を中央制御装置から受け取ることができるが、仮想列車内の個々の乗物車両は、仮想列車が受け取ったスケジュールに基づいてそれぞれの車両制御装置から入力を受け取ることができる。このために、各乗物車両は、中央制御装置からの直接的な入力がなくても仮想列車内での位置を維持することができる「信頼性の高い車両」つまり「スマート車両」とすることができる。すなわち、中央制御装置は、経路上の個別の乗物車両を監視及び制御することを必要とせずに、仮想列車を監視及び制御することができる。従って、中央制御装置は、より小さな計算能力を使用しながらより効率的に動作することができる。このようにして、各乗物車両は、仮想列車内での自身の位置を高い精度で維持することができ、結果的に、乗物車両は、仮想列車の乗物車両の間の機械的連結がなくても仮想列車内で互いに近接して走行することができる。
【0015】
以上を考慮して、図1は、乗物制御システム10の実施形態の概略図であり、本開示の実施形態によれば、乗物制御システム10はテーマパーク乗物12で利用することができる。乗物制御システム10は、中央制御装置22、1又は2以上の乗物車両16、及び様々なショー設備18を含むことができる。乗物車両16は、コース内に配置すること及び経路20(例えば、鉄道又は軌道)に沿って走行するように構成することができる。実際には、一部の実施形態において、経路20は、軌道を含むことができる。追加的に又は代替的に、経路20は無軌道とすることができ、乗物車両16は、経路20内に含まれる様々な地形上で経路20に沿った方向に走行することができる無人搬送車(AGV)とすることができる。特定の実施形態において、乗物車両16は、経路20に沿って走行しながら乗客着席領域21の中の乗客を搬送するように構成されている。特定の実施形態において、乗物車両16は、移動アクションフィギュア(例えば、アニマトロニックス)及び/又は様々な他の移動ショー設備などの、ショー又はアトラクションの構成要素とすることができる。図2に関してより詳細に示すように、乗物車両16は、経路20に沿って特定の方向に移動することができる。特定の状況において、乗物制御システム10は、乗物車両16が互いと連携して及び/又は他のショー設備18と連携して移動するように、乗物車両16を制御するように構成することができる。例えば、1又は2以上の乗物車両16は、互いに同時に経路20に沿って走行することができ、乗物制御システム10は、経路20に沿って各乗物車両16の移動を同期させるように構成することができる。さらなる実施例として、乗物車両16が経路20に沿って移動してショーイベントに関連したショー設備18に接近する場合、乗物制御シスム10は、ショーイベントを乗物車両16の移動と同期させるように構成することができる。具体的には、本明細書で詳細に説明するように、乗物制御システム10は、タイミングスキーム又は同期化によって、経路20に沿った乗物車両16の移動を同期させるように構成することができる。
【0016】
乗物制御システム10は、経路20に沿った1又は2以上の乗物車両16及びショー設備18の動作を同期させることができる。このために、乗物制御システム10は、中央処理装置24、中央処理装置24によって実行可能な命令を記憶する中央記憶装置26、乗物車両16及びショー設備18と無線通信する中央トランシーバ28、並びに経路20に沿った乗物車両16の位置を表示するディスプレイ30を有する中央制御装置22を含むことができる。中央処理装置24は、オペレータの対話並びに乗物車両16及びショー設備18の制御を可能することができる様々な構成要素を含む、ウェイサイドプロセッサとすることができる。換言すると、中央処理装置24は、オペレータからの入力を受け取ることができる入力装置32と通信することができる。例えば、一部の実施形態において、オペレータは、乗物車両16の位置をディスプレイ30上で監視すること、及び入力装置32によって乗物車両16の位置及び/又は速度の1又は2以上の調節を行うことができる。特定の実施形態において、本明細書で説明したように、オペレータは、乗物車両16のスケジュールの調節を行うことができる。
【0017】
実際には、特定の実施形態において、中央制御装置22は、乗物車両16の移動を監視及び制御するように構成することができ、乗物車両16は、事実上相互に及びショー設備18と同期される。さらに、一部の実施形態において、各乗物車両16は、自身の移動を監視及び制御するように構成することができ、各乗物車両16の移動は、他の乗物車両16及び/又はショー設備18と同期される。例えば、一部の実施形態において、中央制御装置22は、仮想列車(例えば、グループ)の乗物車両16の経路20に沿った移動を監視及び制御することができる。このような実施形態において、中央制御装置22が全体としての仮想列車の移動を監視及び制御する間に、仮想列車内の各乗物車両16は、自身の個別の移動を監視及び制御することができる。換言すると、以下に詳細に説明するように、各乗物車両16は、「信頼性の高い車両」つまり「スマート車両」とすることができ、これは中央制御装置22からの直接的な入力を必ずしも受け取ることなく、自身の動きを制御するように構成されている。このために、各乗物車両16は、車両制御装置33を含むことができ、車両制御装置33は、車両プロセッサ34、車両プロセッサ34によって実行可能な命令を記憶する車両メモリ36、並びに、他の乗物車両16、ショー設備18、及び中央制御装置22と無線通信する車両トランシーバ38をさらに含む。同様に、一部の実施形態において、ショー設備18は、中央制御装置22から独立して及び/又はこれと連動して機能して、その動作を乗物車両16及び他のショー設備18に連係させるように構成することもできる。このために、ショー設備18の各要素は、ショー設備プロセッサ40、ショー設備プロセッサ40によって実行可能な命令を記憶するショー設備メモリ42、並びにショー設備18の他の要素、乗物車両16、及び中央制御装置22と無線通信するショー設備トランシーバ44を含むことができる。
【0018】
さらに、各車両制御装置33は、経路20上の乗物車両16の位置を検出するように構成されている位置追跡システム45を含むことができる。例えば、一部の実施形態において、位置追跡システム45は、経路20に沿った乗物車両16の位置及び/又は経路20に沿って開始点に対して車両16が走行した距離を測定及び検出するように構成されたリニアエンコーダを含むことができる。一部の実施形態において、位置追跡システム45は、ロータリーエンコーダ、可変差動変圧器、ホール効果センセンサ、静電容量センサ、又はその任意の組み合わせなどの、経路20に対する乗物車両16の位置を検出するように構成されている何らかの他の適切センサを含むことができる。
【0019】
乗物車両16は、1又は2以上のクロック50(例えば、クロノグラフ、クロノメーターなど)によって相互に及びショー設備18と事実上同期させることができる。例えば、一部の実施形態において、乗物車両16及びショー設備18の各々は、中央制御装置22のクロック50に同期することができる。一部の実施形態において、1又は2以上の乗物車両16のグループ及び/又はショー設備18のグループの各々は、それぞれのクロック50に同期することができる。更にまた、一部の実施形態において、各乗物車両16及びショー設備18は、それぞれの個別のクロック50に同期することができる。全体を通して説明するように、1又は2以上のクロック50に対する1又は2以上の乗物車両16及び/又はショー設備18の同期は、経路20に沿った走行時間及び走行距離を追跡して乗物車両16の1又は2以上のスケジュールに対して調整すること、並びにショー設備18のショーイベントを1又は2以上のスケジュールに対して調節することを含むことができる。
【0020】
例示的に、図2は、乗物車両16が走行する経路20の実施形態の平面図であり、本開示の実施形態に従って、乗物車両16は、図1の乗物制御システム10によって互いに同期するように制御される。詳細には、乗物車両16及びショー設備18は、乗物車両16が経路20に沿って走行する際にクロック50の1又は2以上によって事実上同期させることができる。例えば、一部の実施形態において、複数の乗物車両16は、経路20に沿って仮想列車52の中で一緒に走行することができ、このことは、少なくとも部分的にクロック50の1又は2以上による乗物車両16の同期によって可能することができる。実際には、仮想列車52の乗物車両16は、仮想列車52が機械的に連結された列車車両を有する列車と同様に、経路20に沿って走行するように事実上同期させることができる。
【0021】
本明細書で提示するように、仮想列車52は、互いに近接するが物理的に非連結で経路20に沿って走行することができる乗物車両16のグループとすることができる。テーマパーク乗物12は、各々が複数の乗物車両16を有する1又は2以上の仮想列車52で実施することができる。各仮想列車52は別々に制御することができ、特定の仮想列車52の制御信号は、対象の仮想列車52の一部である車両16のグループのみを制御し、他の仮想列車52に関連するテーマパーク乗物12の乗物車両16を制御しない。
【0022】
一部の実施形態において、仮想列車52の各乗物車両16は、仮想列車52の隣接した乗物車両16から相隔たることができ、経路20上の特定の地点で交差する各乗物車両16の間で経過する時間は、仮想列車52の各乗物車両16の間で実質的に同じである。実際には、一部の実施形態において、固定点を通過する仮想列車52の各乗物車両16の間の経過時間は実質的に同じとすることができるが、仮想列車52の各乗物車両16の間の距離は、経路20の1又は2以上の要因によって変わる場合があるが。このような要因としては、経路20の高さの増減、経路20の転向、仮想列車52の速度の意図的増減、及び乗物車両16の運動量方向、速度、及び/又は加速などの変化を引き起こす可能性がある経路20の他の要素を挙げることができる。
【0023】
各仮想列車52は、適切な任意数の乗物車両16を含むことができる。例えば、一部の実施形態において、各仮想列車52は、長さ及び乗物車両16の数が変わる場合があり、これは、少なくともある程度、特定の時間にテーマパーク乗物12を利用しようとする乗客の数に起因する場合がある。特に、乗客は、乗物車両16が乗車エリア54にある間に乗車又は降車することができる。図示のように、一部の実施形態において、乗車エリア54には補助経路56から至ることができる。一部の実施形態において、乗車エリア54は、経路20のセクション内に配置することができる。実際には、本明細書で提示するように、各仮想列車52は、所望の乗物処理能力に応じて、適切な数の乗物車両16を有するように乗物の各走行時に動的に再構成することができる。
【0024】
本明細書で説明するように、中央制御装置22は、経路20上に存在する仮想列車52を監視及び/又は制御することができるが、乗物車両16は、中央制御装置22から直接的な入力がなくても制御することができる。このために、中央制御装置22は、仮想列車52の各々の位置を複数の方法で決定することができる。例えば、特定の仮想列車52の乗物車両16は、それぞれの位置追跡システム45(図1)によってその経路20上の位置を測定/検出することができる。次に、実施形態において、乗物車両16は、その測定位置/検出位置を特定の仮想列車52の指定された「先頭」乗物車両16の車両制御装置33に送ることができ、特定の仮想列車52の指定された「先頭」乗物車両16は、乗物車両16の測定位置/検出位置をまとめて仮想列車52の長さ、仮想列車52内の各乗物車両16の相対位置、及び経路20上の仮想列車52の位置を決定することができる。実際には、特定の実施形態において、中央制御装置22は、指定された「先頭」乗物車両16の車両制御装置33を介して各仮想列車52と通信することができる。追加的に又は代替的に、一部の実施形態において、乗物車両16は、測定位置/検出位置を中央制御装置22に送ることができ、中央制御装置22は、次に、測定位置/検出位置をまとめて、仮想列車52の長さ、仮想列車52内の各乗物車両16の相対位置、及び経路20上の仮想列車52の位置を決定することができる。このような実施形態において、中央制御装置22は、仮想列車52内の乗物車両16の各々の車両制御装置33によって受信することができる汎用信号を仮想列車52に送ることによって特定の仮想列車52と通信することができる。すなわち、制御信号は、個々の乗物車両16のための専用又は個別制御信号ではなく、全仮想列車52の単一の制御信号(例えば、駆動信号)とすることができる。このようにして、中央制御装置22は、各乗物車両16を個別に監視するのではなく、単に全体として仮想列車52を監視することができ、その結果、電力消費量及び計算能力を節減する。さらにに、単一の制御信号を仮想列車52に供給することによって、通信を効率化することができる。
【0025】
本明細書で提示するように、各乗物車両16は、自身の速度をスケジュールに対して及び/又は他の乗物車両16に対して適切に調節するように構成された「信頼性の高い車両」とすることができる。例えば、乗物車両16が乗車エリア54から出る前に、中央制御装置22は、各仮想列車52に対してスケジュールを割り当てることができる。1つの実施形態において、スケジュールは、各々が予定タイムスタンプに関連した、仮想列車52の乗物車両16に関する経路20上の予定場所のセットとして定義することができる。スケジュールは、各仮想列車52及び/又は仮想列車52の個々の乗物車両16と関連づけることができる。例えば、仮想列車52は、スケジュールに従う制御信号を受け取った後、1又は2以上のクロック50を参照して仮想列車52の1又は2以上の乗物車両16が「スケジュール通り」であるか否かを決定することができる。具体的には、乗物車両16及び/又は仮想列車52にスケジュール及びクロック50が割り当てられた後、各乗物車両16は、乗物車両16がスケジュールの予定場所及び予定タイムスタンプに実質的に一致する各時間に経路20に沿った各場所に位置するように、経路20に沿って走行することができる。
【0026】
追加的に又は代替的に、中央制御装置22は、仮想列車52の各乗物車両16の間の及び/又は各仮想列車52の間の時間及び/又は距離閾値範囲のセットとして、スケジュールを仮想列車52に割り当てることができる。例えば、中央制御装置22は、隣接した仮想列車52の間の時間差を決すること及び仮想列車52の速度を適宜調節することができる。例示すると、第1の仮想列車52は、第1の時間に経路20に沿った特定の位置に到着することができる。その後、第2の仮想列車52は、第2の時間に経路20に沿った特定の位置に到着することができる。第1の時間と第2の時間との間との時間差がスケジュールの所定範囲(例えば、所定の最低及び最大時間差)以外である場合、第1の仮想列車52、第2の仮想列車52、又はその両方は、第1の仮想列車52と第2の仮想列車52との間の時間差が所定の閾値範囲内となるように、それらの速度を調節することができる。追加的に又は代替的に、第1の仮想列車52及び/又は第2の仮想列車52は、第1の仮想列車52と第2の仮想列車52との間の位置差分を決定することができ、この位置差分は、一部の実施形態において、第1の仮想列車52と第2の仮想列車52との間の時間差に少なくとも部分的に基づくことができ、上述のように適宜調節することができる。
【0027】
仮想列車52は、乗車エリア54から出発した場合にスケジュール(例えば、制御信号又はスケジュールに関連した命令セット)を受け取ることができる。一部の実施形態において、場所/時間ベースのスケジュールは、時間及び/又は距離閾値範囲ベースのスケジュールに基づいて動的に更新することができる。例えば、上述したように、仮想列車52がスケジュールの所定の範囲以外にある場合、乗物車両16及び/又は仮想列車52は、その速度を所定の範囲内にあるように調節することができる。同時に、乗物車両16及び/又は仮想列車52は、速度変化を考慮してそのスケジュールを調節することもできる。
【0028】
さらに、仮想列車52がスケジュールに従って運転される間に、ショー設備18は、経路20上に存在する仮想列車52の各々のスケジュールに関連したショースケジュールを受け取ることもできる。例えば、ショー設備18は、特定の時間に特定のアクションを実行するように構成することができる。実際には、ショー設備18は、ショースケジュールに従って特定のアクションを実行するように構成することができ、特定のアクションは、特定の仮想列車52が経路20に沿った適切な位置に位置付けられる間にショー設備18によって実行される。換言すると、ショー設備18は、特定の仮想列車52の乗物車両16の中のユーザーがショー設備18を眺望する間に特定のアクションを実行するように構成することができる。実際には、一部の実施形態において、ショー設備18のショースケジュールは、上述の標準スケジュール及び相対スケジュールと連係して変わることができる。
【0029】
スケジュールを実行するために、乗物制御システム10は、1又は2以上のクロック50を利用することができる。例えば、上述したように、一部の実施形態において、乗物車両16、ショー設備18、及び中央制御装置22の各々は、全て、別々のクロック50と個別に関連づけることができる(例えば、クロック50と通信して)。追加的に又は代替的に、中央制御装置22は、複数のクロック50を含むこと及びクロック50をテーマパーク乗物12の中の様々なタスクに割り当てることができる。例えば、中央制御装置22のクロック50は、上述したスケジュールを実行するために、仮想列車52、1又は2以上のショー設備18、1又は2以上の仮想列車52、仮想列車52及び/又はショー設備18の1又は2以上のスケジュール、又はその何らかの組み合わせに関連づけることができる。例示すると、上述のスケジュールの各々は、予定タイムスタンプに関連した特定の予定位置/アクションを含む。乗物車両16、仮想列車52、及び/又はショー設備18は、スケジュールに従って、正しい位置にあること及び/又は適切な時間に正しいアクションを実行していることを保証するために、割り当てられたクロック50を参照することができる。
【0030】
一部の実施形態において、中央制御装置22は、1又は2以上の手順を実行して仮想列車52をスケジュール通りに保つように構成することができる。例示すると、図3は、本開示の実施形態による、図1の乗物制御システム10によって実行される手順の実施形態の概略図である。上述したように、中央制御装置22は、中央制御装置22によって実行することができる命令又は手順を記憶するように構成された中央記憶装置26を含むことができる。例えば、特定の実施形態において、中央記憶装置26は、相互に同期するように乗物車両16、仮想列車52、又はテーマパーク乗物12のショー設備18のいずれかを監視及び制御するために中央制御装置22によって実行することができる手順を保持することができる。
【0031】
例えば、特定の実施形態において、中央記憶装置26は、「STOP」手順60、「ON-PATH」手順62、「OFF-PATH」手順64、及び「NEAR-ON-PATH」手順66などを含むことができる。さらに、中央記憶装置26は、1又は2以上のクロック50;任意の特定の乗物車両16、ショー設備18の一部、又は仮想列車52が特定の時間(例えば、スケジュール)に位置する必要がある位置;ショーイベントなどの様々な他の情報を含むことができる。
【0032】
特定の実施形態において、「STOP」手順60は、(確認のために乗物車両16又は仮想列車52が中央制御装置22に伝達することができる)乗物車両16の1つ及び/又は仮想列車52の1つの位置が、クロック50の1又は2以上によって表示された特定の時間に関して、乗物車両16又は仮想列車52の所望の又は予定の位置に一致しない場合に実行される動作特徴とすることができる。換言すると、「STOP」手順60は、1又は2以上のスケジュールにより概説したように、乗物車両16の1つ及び/又は仮想列車52の1つが、適切な時間において経路20に沿った予定場所に位置していないか又は所定の量だけ「スケジュールから外れる」場合に実行することができる。
【0033】
「STOP」手順60が実行又は起動された場合、中央制御装置22は、経路20に沿った乗物車両16及び/又は仮想列車52の各々の運転及び移動を停止するように構成することができる。実際には、「STOP」手順60が実行又は起動され、テーマパーク乗物12の動作が一時的に停止された場合、スケジュールは、停止に対応するように調節することができる。さらに、特定の実施形態において、「STOP」手順60の後、中央制御装置22は、「ON-PATH」手順62、「OFF-PATH」手順64、及び/又は「NEAR-ON-PATH」手順66などの様々な他の手順を実行するように構成することができる。「ON-PATH」手順62は、乗物車両16又は仮想列車52の1又は2以上が位置することになる予定の場所に配置され、テーマパーク乗物12の通常動作を継続することができる場合に、中央制御装置22によって実行することができる。「NEAR-ON-PATH」手順66は、乗物車両16の1又は2以上又は仮想列車52が、特定の時間についてその予定位置に関して軌道から若干外れている場合、もしくは乗物車両16又は仮想列車52の1又は2以上がスケジュールから所定の量だけ外れている場合に実行することができる。これらの状況において、中央制御装置22は、復帰シーケンスを実行することができ、さらにスケジュールを外れた乗物車両16及び/又は仮想列車52を所望の又は予定の場所に再配置するために1又は2以上の指令信号(例えば、修正移動)を送ることができる。特定の状況において、中央制御装置22は、スケジュールを外れた仮想列車52を所望の位置に徐々に移動させることができる、及び/又はゆっくりしたペースで復帰するようにスケジュールを外れた仮想列車52をリスタートすることができる。「OFF-PATH」手順64は、仮想列車52が特定の時間について仮想列車52の予定位置に関してスケジュールを外れている場合に実行することができる。これらの状況において、中央制御装置22は、仮想列車52にポイントツーポイント(point-to-point)で指示する復帰シーケンスを実行することができ、仮想列車52は、制御システム10のリスタート前に、特定の時間に関して所望の又は予定の位置に配置される。一部の実施形態において、「OFF-PATH」手順64は、スケジュールから外れている乗物車両16及び/又は仮想列車52に修正スケジュールを送ることによって実行することができる。
【0034】
さらに、一部の実施形態において、乗物車両16及び/又は仮想列車52の1又は2以上は、図3で上述したように、経路20上の他の仮想列車52が経路に沿って走行し続ける間にスケジュールから外れている場合に位置/速度を修正することができる。例えば、図4は、乗物車両16及び/又は仮想列車52の1又は2以上が、経路20に沿って走行する際に実行することができる走行プロセス80を説明するフローチャートである。
【0035】
ブロック82において、車両(例えば、乗物車両16の1つ及び/又は仮想列車52の1つ)は、1又は2以上のスケジュールを受け取ることができる。上述したように、スケジュールは、車両が特定の時間に経路20に対してあるべき位置を示すことができる、及び/又は車両が経路20に沿って他の車両に対してあるべき距離/時間閾値がどのような状態かを示すことができる。車両が1又は2以上のスケジュールを受け取ると、車両は、経路20に沿った走行を開始することができる(ブロック84)。車両が経路20に沿って走行する際に、車両は、時間に対する経路20上の自身の位置を監視することができ、これは1又は2以上のクロック50によって追跡することができる。1又は2以上のクロック50を車両内に含めること及び/又は車両と別個とすることができる(別の車両内及び/又は中央制御装置22内など)。車両がその位置及び時間を監視する際に、車両は、その監視した位置を1又は2以上のスケジュールの予定位置及び時間と比較することができる(ブロック86)。
【0036】
車両が現在の位置及び時間が1又は2以上のスケジュールの予定位置及びタイムスタンプに実質的に一致していないと決定した場合、車両は、その速度を適切に増減するように指示することができる(ブロック88)。例えば、車両がスケジュールの予定時間より前に経路20に沿った特定の位置に到着した場合、車両は、測定した位置及び時間がスケジュールの予定位置及びタイムスタンプに実質的に一致するまで速度を一時的に増大することができる。同様に、車両がスケジュールの予定タイムスタンプの後に経路20に沿った特定の位置に到着した場合、車両は、測定した位置及び関連の時間がスケジュールの予定位置及びタイムスタンプに実質的に一致するまで速度を一時的に低減することができる。
【0037】
このようにして、各車両、より具体的には、各乗物車両16及び/又は仮想列車52は、信頼性が高い車両(例えば、「スマート車両」)とすることができる。すなわち、各乗物車両16は、独立して、経路20に沿ってその速度/位置を監視して修正することができる。車両は、経路20全長を走行するまで及び/又は乗車エリア54(図2)に到着するまで走行プロセス80を継続することができる。
【0038】
一部の実施形態において、仮想列車52内の乗物車両16の相対位置を監視及び制御することもできる。例えば、図5は、仮想列車52内の乗物車両16の概略図である。一部の実施形態において、中央制御装置22は、特定の乗物車両16を割り当てて仮想列車52を形成することができ、上述したように、乗物車両16を仮想列車52によって監視することができる。すなわち、中央制御装置22は、乗車エリア54(図2)にある場合にスケジュールを乗物車両16に割り当てることができ、乗物車両16は、特定の仮想列車52内で走行する。このようにして、中央制御装置22は、仮想列車52内の乗物車両16の相対位置を追跡することができる。一部の実施形態において、乗物車両16は、経路20上の位置を中央制御装置22に通信することができ、中央制御装置22は、中央制御装置22が仮想列車52にスケジュールを送る前に、仮想列車52内の乗物車両16の相対位置を決定することができる。
【0039】
例示の実施形態において、仮想列車52は、乗物車両16a、乗物車両16b、及び乗物車両16cによって示される3つの別個の乗物車両16を包含する。図示するように、乗物車両16a、乗物車両16b、及び乗物車両16cの各々は、経路20に沿って仮想列車52の走行方向96に対して、それぞれ、第1の位置90、第2の位置92、及び第3の位置94に存在することができる。
【0040】
一部の実施形態において、列車制御装置100は、仮想列車52内の乗物車両16の相対位置を監視及び制御することができる。具体的には、一部の実施形態において、列車制御装置100は、中央制御装置22及び/又は仮想列車52内の「先頭」乗物車両16の車両制御装置33とすることができる。例えば、特定の実施形態において、仮想列車52の各乗物車両16は、乗車エリア54から経路20に沿って出発する前に、乗車エリア54内の現在位置を列車制御装置100に伝達することができる。その後、列車制御装置100は、仮想列車52内の各乗物車両16の相対位置(例えば、第1の位置90、第2の位置92、又は第3の位置94)を決定することができる。列車制御装置100が仮想列車52内の乗物車両16の相対位置を決定した後、列車制御装置100は、上述したように、少なくとも相対位置に基づいて、スケジュールを個々の乗物車両16に割り当てることができる。実際には、一部の実施形態において、一部の乗物車両16は、相対位置に応じて経路20に沿って様々な経験をすることができる。例えば、乗物車両16は、少なくとも仮想列車52内の相対位置に基づいて経路20の様々な部分に沿って異なる特殊効果又は走行を経験することができる。
【0041】
さらに、上述したように、乗物車両16は、仮想列車52内の他の乗物車両16に対する距離を維持するように構成される「信頼性の高い」車両とすることができ、これは、一部の実施形態において、従来の機関車の列車車両の機械的連結と同様の効果を有することができる。例えば、各乗物車両16は、分離距離96だけ分離することができ、分離距離96は、一部の実施形態において、乗物車両16が経路20に沿って走行する際に各乗物車両16の間の時間差に対応することもできる。具体的には、特定の実施形態において、分離距離96は、実質的に乗物車両16の乗物車両全長98に一致する長さに維持することができる。さらに、特定の実施形態において、分離距離96は、乗物車両全長98よりも短く及び/又は乗物車両全長98よりも長くすることができる何らかの他の適切な距離に維持することができる。実際には、分離距離96は、実質的に経路20に沿った他の仮想列車52の間の距離を下回ることができる。すなわち、仮想列車52内の乗物車両16は、隣接する又は他の仮想列車52に関連した他の乗物車両16によりも、互いにより近接することができる。概して、分離距離96は、時間/タイムスタンプを追跡する1又は2以上のクロック50を参照して、仮想列車52内の他の乗物車両16の位置及びタイムスタンプに影響を与える乗物車両16によって維持することができる。
【0042】
一部の実施形態において、仮想列車52内の乗物車両16は、経路20上で様々な経験をすることができ、特定の実施形態において、この経験は、乗物車両16の位置(例えば、第1の位置90、第2の位置92、又は第3の位置94)に依存する場合がある。例えば、乗物車両16の1つのみ又はサブセットが、特定の特殊効果を経験する場合がある。一部の実施形態において、特殊効果は、乗物車両16内に包含された及び/又は経路20に隣接する場所に包含された特殊効果システムから管理することができる。特殊効果としては、例えば、振動効果、効果音、水効果、匂い効果、低音効果、煙/蒸気効果などを挙げることができる。本明細書に記載するように、個々の乗物車両16が物理的に切り離されるか又は非連結なので、運動効果は、車両単位で引き起こすことができる。別の実施例において、全般的に適用される運動効果の中で不規則性(例えば、列車の中間に対して端部でのより強い効果)を生じることができる列車又はより長い連結車両とは対照的に、仮想列車52は、必要であれば運動効果の間に、より均一な経験を提供することができる。
【0043】
実際には、一部の実施形態において、仮想列車52内の各乗物車両16は、仮想列車52内の他の乗物車両16に対して、経路20に沿って異なる様式で走行することができる。例えば、一部の実施形態において、乗物車両16の1つは、仮想列車52内で位置を入れ替わることができる。例示すると、特定の実施形態において、乗物車両16aは、乗物車両16bが第1の位置90に移動し、乗物車両16cが第2の位置92に移動する間に第1の位置90から第3の位置94に移動することができる。このようにして、仮想列車52内の乗客は、テーマパーク乗物12内の異なる地点で先頭車両位置にいることを体験することができ、これは楽しみ及びスリルを高めることができる。
【0044】
図6は、仮想列車52内の乗物車両16の相対位置の入れ替えを可能にする経路20の可能性のある実施形態を示す。図6に示すように、一部の実施形態において、経路20は、分裂経路部(split-path portion)110を含むことができ、分裂経路部110は、2つの別個の経路20(例えば、経路20a及び経路20b)を含むことができる。一部の実施形態において、分裂経路部110は、適切な任意数の別個の経路20を含むことができる。さらに、一部の実施形態において、分裂経路部110は、別個の経路20と同様に機能する1又は2以上のループを含むことができる。具体的には、分裂経路部110は、仮想列車52内の乗物車両16の順序の入れ替え(例えば、再編成(shuffling))を可能にすることができる。例えば、仮想列車52の各乗物車両16は、仮想列車52が分裂経路部110に到着するまで経路20に沿って(例えば、第1の事例111の間)一緒に走行することができる。仮想列車52が分裂経路部110に到着すると、乗物車両16の1又は2以上は、他の乗物車両16が経路20bに沿って走行する間(例えば、第2の事例113の間)に経路20aに沿って走行することができる。実際には、適切な任意数又はサブセットの乗物車両16が、経路20a又は経路20bに沿って走行することができる。分裂経路部110を移動する間に、乗物車両16は適切に速度を増減することができ、乗物車両16は、乗物車両16が分裂経路部110を移動した後(例えば、第3の事例115の間)に異なる順序で合流するようになっている。例えば、図示するように、仮想列車52は、それぞれ、数字1~5によって各々示された乗物車両16を含むことができる。乗物車両16は、分裂経路部110に到着する前に、図示のように連続して経路20に沿って走行することができる。乗物車両16は、分裂経路部110を通って走行した後、図示のように乗物車両16を分裂経路部110の前とは異なる順序で合流又は再連結することができる。特定の実施形態において、ショー設備18は、分裂経路部110の開始点に配置することができ、仮想列車52が分裂経路部110に到着する際にショーイベントが実行されるように、スケジュールに従ってショーイベントを実行することができる。
【0045】
図7は、一実施形態による経路20の一部の概略図である。特に、一部の実施形態において、乗物車両16の1又は2以上は、内部に配置されたショー設備18又は役者を含むショー車両114とすることができる。このような実施形態において、ショー車両114は、仮想列車52が経路20に沿って走行する間に仮想列車52に合流することができる。例えば、一部の実施形態において、仮想列車52は、1又は2以上のショー車両114が仮想列車52と合流することができるショー用入口116に接近しながら経路20に沿って走行することができる。具体的には、仮想列車52内の乗物車両16は、仮想列車52がショー用入口116に接近する際に、隣接する乗物車両16の間に1又は2以上の拡張された隙間を生じることができる。次に、仮想列車52は、仮想列車52内に拡張された隙間が形成された後に、ショー用入口116を通過して走行することができる。仮想列車52がショー用入口116を通過して走行する間、ショー車両114は、仮想列車52内の拡張された隙間に入れ込むことができる。ショー車両114は、経路20の一部で乗物車両16と一緒に走行した後、ショー用出口118を通って仮想列車52から出ることができる。ショー車両114が仮想列車52を出た後、ショー車両114が抜け出た拡張された隙間は、仮想列車52内の乗物車両16が互いに適切な距離内及び/又は適切な時間差内で配置されるように再度近づくように縮めることができる。
【0046】
本明細書では、本発明の実施形態の特定の特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神に該当する全てのこのような修正及び変更を包含することが意図されていると理解されたい。
【0047】
本明細書で呈示されクレームされる技術は、本発明の技術分野を明らかに向上させる有形物及び実際的性質の具体的な実施例を参照しかつそれに適用、それ自体は、抽象的、無形、又は純粋に理論的ではなない。さらに、本明細書に添付した何らかの請求項が「~(機能)を(実行)する手段」又は「~(機能)を(実行)するステップ」と記載された1又は2以上の要素を含む場合、当該な要素は、米国特許法の第112条(f)に従って解釈されるものとする。しかしながら、何らかの他の方法で記載された要素を含む何らかの請求項については、当該要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されないものとすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7