(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】車両が走行するトラックに対して車両の位置を検出するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220620BHJP
【FI】
G05D1/02 H
(21)【出願番号】P 2019522289
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2017077175
(87)【国際公開番号】W WO2018082972
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-21
(32)【優先日】2016-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513044245
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホイナランド, イングヴァル
(72)【発明者】
【氏名】フィエルドハイム, イヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ヘゲベ, イェルゲン ジュヴェ
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0229630(US,A1)
【文献】特開平3-290712(JP,A)
【文献】国際公開第2015/140216(WO,A1)
【文献】特表2016-506346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る遠隔操作式車両の位置を追跡するための方法であって、前記車両は、前記グリッド上の対応するxおよびy-方向に前記車両を移動させるための駆動部に接続された第1および第2の車輪のセットを有し、前記方法は、
-前記設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の総数の情報を受信することと、
-前記車両に取り付けられるセンサを前記車両のルートに沿って前記トラックに指向することであって、少なくとも第1のセンサは、前記x-方向において、前記車両の片側上の車輪支持体に取り付けられ、第2のセンサは、前記y-方向において、前記車両の他側上の車輪支持体に取り付けられていることを特徴とする、ことと、
-アクティブであり、車輪とトラックとの間の接触を可能にする、車輪支持体を用いて、前記車両を前記設定ルートに従って前記xおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を検出および監視することであって、前記アクティブ車輪支持体に取り付けられた前記センサは、前記トラック交差点を検出するために配列され、パッシブ車輪支持体に取り付けられた前記センサは、次のトラック交差点までの距離を測定するために配列されている、ことと、
-前記通過されたトラック交差点の数が前記設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に前記開始位置と前記停止位置との間を通過する前記トラック交差点の総数に近似するとき、信号をコントローラに伝送し、前記車両の前記車輪の駆動部を制御することと
を含む、方法。
【請求項2】
xおよびy-方向に沿って前記設定ルートを辿るために、前記車両の減速および加速の精密な制御を実施するための前記コントローラに伝送される前記信号を使用することによる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光学センサを前記少なくとも第1および/または第2のセンサとして使用することによる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
遠隔操作式車両であって、前記遠隔操作式車両は、貯蔵グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る前記車両の位置を追跡するためのものであり、前記車両は、前記グリッド上の対応するxおよびy-方向に前記車両を移動させるための駆動部に接続された第1および第2の車輪のセットを有し、前記車両は、
-前記設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の
総数の情報を受信する
ように構成された手段と、
-前記車両に取り付けられ、前記車両のルートに沿って前記トラックに指向される、センサであって、少なくとも第1のセンサは、前記x-方向において、前記車両の片側上の車輪支持体に取り付けられ、第2のセンサは、前記y-方向において、前記車両の他側上の車輪支持体に取り付けられていることを特徴とする、センサと
を備え、
-アクティブであり、車輪とトラックとの間の接触を可能にする、車輪支持体を用いて、前記車両を前記設定ルートに従って前記xおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を検出および監視する
ように構成された手段であって、前記アクティブ車輪支持体に取り付けられた前記センサは、前記トラック交差点を検出するために配列され、パッシブ車輪支持体に取り付けられた前記センサは、次のトラック交差点までの距離を測定するために配列されている、手段と、
-前記通過されたトラック交差点の数が前記設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に前記開始位置と前記停止位置との間を通過する前記トラック交差点の総数に近似するとき、前記車両の前記車輪の駆動部を制御する
ように構成されたコントローラと
をさらに備える、遠隔操作式車両。
【請求項5】
前記少なくとも第1および/または第2のセンサは、光学センサである、請求項4に記載の遠隔操作式車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(導入)
本発明は、グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る車両の位置を追跡するための方法および遠隔操作式車両に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
貯蔵容器を貯蔵システムから取り上げるための遠隔操作式車両またはロボットは、既知である。関連先行技術貯蔵システムの詳細な説明は、EP1037828B1に提示され、そのような貯蔵システムのために好適な先行技術車両の詳細は、ノルウェー特許NO317366B1およびWO2015193278A1に詳細に開示される。そのような先行技術貯蔵システムは、ある高さまで相互の上にスタックされている貯蔵容器を含有する、3次元貯蔵グリッドを備える。貯蔵グリッドは、通常、その上で複数の遠隔操作式車両またはロボットが側方に移動するように配列される上部レールまたはトラックによって相互接続される、アルミニウム製の列として構築される。各車両は、車両を1つの位置から別の位置に移動させるためと、貯蔵グリッド内に貯蔵される容器を取り上げ、搬送し、および設置するために適合される、昇降デバイスを駆動するためとのモータを装備される。電源、例えば、再充電可能バッテリは、電力を車両内に備えられるモータおよび駆動部に供給する。車両は、典型的には、無線リンクを介して、制御システムと通信し、必要に応じて、充電ステーションにおいて再充電されることができる。
【0003】
車輪の回転は、車輪に接続されるベルトによって、または車輪にもしくは少なくとも部分的にその中に位置する個々の駆動手段によって、駆動されてもよい。最後の実施例は、開始位置と停止位置との間の加速および減速の高度な制御を伴う、応答性ロボットを提供するであろう。
【0004】
ロボットが、トラック上で移動するとき、開始位置から加速し、停止位置へと減速するように制御される。開始および停止位置は、容器を貯蔵グリッド内の1つの貯蔵列から取り上げ、それを別の貯蔵列内に設置することに先立った、ロボットのために設定されるルートに依存するであろう。ロボットの設定ルートは、典型的には、いくつかの開始および停止位置を備えるであろう。具体的ロボットのためのルートは、全ての貯蔵容器およびその内容物ならびに容器を取り扱う車両の位置の制御を有する、監督システムによって設定されるであろう。
【0005】
グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿るロボットを操作および制御するとき、常時、全ての動作中のロボットおよびその位置を追跡することが重要である。ロボットの位置は、異なる方法において入手されることができる。1つの方法は、フレーム構造の上部のトラックに対してロボットの位置を追跡することである。位置は、ロボットの外部に位置する追跡デバイスを用いて、またはロボット内に統合されるデバイスによって、入手されることができる。
【0006】
特開平03-290712Aは、フレーム構造を形成する床タイルとして敷設された誘導ガイド経路に対して設定ルートを辿る遠隔操作式トラックレスの車両の位置を追跡するための方法を開示している。この車両は、ルートに沿ってガイド経路の交差点を検出するための統合されたセンサを有する。信号は、通過された交差点の数に従って車両を制御するためのコントローラに伝送される。
統合された追跡デバイスを使用することによって、ロボット自体が、その位置を追跡することが可能となるであろう。しかしながら、統合された追跡デバイスは、非常に複雑なシステムであり、必ずしも、非常に精密ではない。
【0007】
フレーム構造に対して、トラック上で走行するロボットの位置を検出する、単純であるが精密な方法の必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第1037828号公報
【文献】ノルウェー特許第317366号公報
【文献】国際公開第2015/193278号公報
【文献】特開平03-290712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明によると、ロボットの位置は、グリッド構造として敷設されたトラックに対してxおよびy-方向に通過された交差点の数を追跡し、ならびに次のトラック交差点までの距離を検出する、統合された追跡デバイスによって検出される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の簡単な説明)
本発明は、貯蔵グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る遠隔操作式車両の位置を追跡するための方法であって、車両は、グリッド上の対応するxおよびy-方向に車両を移動させるための駆動部に接続される第1および第2の車輪のセットを有し、方法は、
-設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の総数の情報を受信することと、
-車両に取り付けられるセンサを車両のルートに沿ってトラックに指向することであって、少なくとも第1のセンサは、x-方向において、車両の片側上の車輪支持体に取り付けられ、第2のセンサは、y-方向において、車両の他側上の車輪支持体に取り付けられていることを特徴とする、ことと、
-アクティブであり、車輪とトラックとの間の接触を可能にする、車輪支持体を用いて、車両を設定ルートに従ってxおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を検出および監視することであって、アクティブ車輪支持体に取り付けられたセンサは、トラック交差点を検出するために配列され、パッシブ車輪支持体に取り付けられたセンサは、次のトラック交差点までの距離を測定するために配列されている、ことと、
-通過されたトラック交差点の数が設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の総数に近似するとき、信号をコントローラに伝送し、車両の車輪の駆動部を制御することと
を含む、方法によって定義される。
【0011】
本方法のさらなる特徴は、従属請求項に定義される。
【0012】
本発明はまた、貯蔵グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る車両の位置を追跡するための遠隔操作式車両であって、車両は、グリッド上の対応するxおよびy-方向に車両を移動させるための駆動部に接続される第1および第2の車輪のセットを有し、該車両は、
-設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の数の情報を受信するための手段と、
-車両に取り付けられ、車両のルートに沿ってトラックに指向される、センサであって、少なくとも第1のセンサは、x-方向において、車両の片側上の車輪支持体に取り付けられ、第2のセンサは、y-方向において、車両の他側上の車輪支持体に取り付けられていることを特徴とする、センサと
を備え、
-アクティブであり、車輪とトラックとの間の接触を可能にする、車輪支持体を用いて、車両を設定ルートに従ってxおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を検出および監視するための手段であって、アクティブ車輪支持体に取り付けられたセンサは、トラック交差点を検出するために配列され、パッシブ車輪支持体に取り付けられたセンサは、次のトラック交差点までの距離を測定するために配列されている、手段と、
-通過されたトラック交差点の数が設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の総数に近似するとき、車両の車輪の駆動部を制御するためのコントローラと
をさらに備える、遠隔操作式車両によって定義される。
【0013】
一実施形態では、少なくとも第1および/または第2のセンサは、光学センサである。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る遠隔操作式車両の位置を追跡するための方法であって、前記車両は、前記グリッド上の対応するxおよびy-方向に前記車両を移動させるための駆動部に接続された第1および第2の車輪のセットを有し、前記方法は、
-前記設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の数の情報を受信することと、
-前記車両に取り付けられるセンサを前記車両のルートに沿って前記トラックに指向することと、
-前記車両を前記設定ルートに従って前記xおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を検出および監視することと、
-前記通過されたトラック交差点の数が前記設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に前記開始位置と前記停止位置との間を通過する前記トラック交差点の総数に近似するとき、信号をコントローラに伝送し、前記車両の前記車輪の駆動部を制御することと
を含む、方法。
(項目2)
少なくとも1つのセンサを前記ロボットの片側に前記x-方向において取り付けることにより、別のセンサは、前記ロボットの他側に前記y-方向において取り付けられる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記少なくとも1つのセンサを車輪支持体に取り付けることによる、項目2に記載の方法。
(項目4)
トラック交差点を検出するためのセンサを、前記トラック上で走行する車輪のセットを備えるアクティブ車輪支持体上に設置されるように配列することと、次のトラック交差点までの距離を測定するためのセンサをパッシブ車輪支持体上に配列することとによる、項目3に記載の方法。
(項目5)
xおよびy-方向に沿って設定ルートを辿るために、前記車両の減速および加速の精密な制御を実施するための前記コントローラに伝送される前記信号を使用する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
光学センサを使用することによる、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
遠隔操作式車両であって、前記遠隔操作式車両は、グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る前記車両の位置を追跡するためのものであり、前記車両は、前記グリッド上の対応するx、y方向に前記車両を移動させるための駆動部に接続された第1および第2の車輪のセットを有し、前記車両は、
-前記設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の数の情報を受信するための手段と、
-前記車両に取り付けられ、前記車両のルートに沿って前記トラックに指向される、センサと、
-前記車両を前記設定ルートに従って前記xおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を監視するための検出および監視する手段と、
-前記通過されたトラック交差点の数が前記設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に前記開始位置と前記停止位置との間を通過する前記トラック交差点の総数に近似するとき、前記車両の駆動部を制御するためのコントローラと
を備える、遠隔操作式車両。
(項目8)
少なくとも1つのセンサは、前記ロボットの片側に前記x-方向において接続され、別のセンサは、前記ロボットの他側に前記y-方向において接続されている、項目7に記載の遠隔操作式車両。
(項目9)
前記少なくとも1つのセンサは、車輪支持体に接続されている、項目8に記載の遠隔操作式車両。
(項目10)
前記センサは、光学センサである、項目7~9のいずれかに記載の遠隔操作式車両。
【0014】
本発明は、ここで、図を参照して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明による、センサを装備されたロボットを示す。
【
図2】
図2は、光がグリッドから反射される様子を図示する。
【
図3】
図3は、トラックに対してロボットの位置を検出するためのトラックセンサを使用する原理を図示する。
【
図4】
図4は、ロボットをグリッド構造のxおよびy-方向に移動させるときに生成される、光センサ信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿るロボットの位置を追跡するための遠隔操作式車両(以降、ロボットと呼ばれる)を備える。
【0017】
図1は、斜視図において、そのようなロボットの実施例を示す。ロボットは、ロボットをグリッド上の対応する異なる方向に移動させるための駆動部に接続される第1および第2の車輪のセットを有する。第1および第2の車輪のセットは、相互に垂直に配向される。明確化のために、デカルト座標系が、示され、そのxおよびy-軸は、長方形車両本体の主方向に沿って整合される。
【0018】
ロボットはさらに、設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の数の情報を伴う命令を受信するための手段を備える。
【0019】
センサは、ロボットに取り付けられ、ロボットのルートに沿ってトラックに指向される。本発明の一実施形態では、センサは、トラックからの光の反射を検出する、光学センサである。
【0020】
図2は、光学センサをトラックおよびグリッド構造に対してロボットの位置を検出するためのトラックセンサとして使用する原理を図示する。光が、ロボットがxまたはy-方向にトラックに沿って移動するとき、トラックから反射される。ロボットがトラック交差点通過すると、検出された光の反射強度は、変化するであろう。
【0021】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのセンサが、x-方向において走行するロボットの片側に取り付けられ、別のセンサが、y-方向において走行するロボットの他側に取り付けられる。これは、少なくとも1つのセンサが、ロボットがxおよびy-方向のいずれかに移動するときにアクティブであることができることを意味する。
【0022】
本発明の一実施形態では、センサは、ロボットの各側に位置する車輪支持体に接続される。車輪支持体は、典型的には、
図1に図示されるように、2つの車輪を保持するであろう。アクティブ車輪支持体は、車輪とトラックとの間の接触を可能にする。ロボットの反対側上の対の車輪支持体は、それらがロボットの本体からトラックの中に降下されると同時に、アクティブとなる。
【0023】
本発明の一実施形態では、光学センサが、使用される。トラックに対してロボットの位置を検出するための他のまたは付加的センサ(例えば、音響センサ)もまた、使用されてもよい。異なるタイプのセンサの組み合わせが、実行可能である。
【0024】
遠隔操作式車両はさらに、センサに接続される、検出および監視する手段を備える。これは、車両を設定ルートに従ってxおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点の監視を可能にするであろう。
【0025】
車両はさらに、通過されたトラック交差点の数に従って、車両の駆動部を制御するためのコントローラを備える。これが、設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の総数に近似するとき、コントローラは、ロボットの減速を開始するであろう。
【0026】
本発明はさらに、グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックに対して設定ルートを辿る遠隔操作式車両またはロボットの位置を追跡するための方法を含む。車両は、グリッド上の対応するxおよびy-方向に車両を移動させるための駆動部に接続される第1および第2の車輪のセットを有する。本方法は、いくつかのステップを含む。
【0027】
第1のステップは、設定ルートに従って、xおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の数の情報を受信することである。本情報は、遠隔操作式車両のコントローラに渡される。
【0028】
次のステップは、車両に取り付けられるセンサを車両のルートに沿ってトラックに指向することである。これは、上記に説明され、
図2に図示される。
【0029】
一実施形態は、少なくとも1つのセンサをロボットの片側、すなわち、ロボットのx-方向に取り付けることと、別のセンサをロボットの他側、すなわち、y-方向に取り付けることとを含み、ロボットのxおよびy-方向は、ロボットが移動するトラックのグリッド構造のxおよびy-方向に対応する。
【0030】
本方法の別の実施形態は、少なくとも1つのセンサを車輪支持体に取り付けることを含む。これによって、センサは、トラックセクションの中に降下され、それが指向されるトラックにより近接し、その時点で、それが接続される車輪支持体は、アクティブとなり、すなわち、車輪とトラックとの間の接触が、確立される。
【0031】
ロボットが、トラックに沿って移動しているとき、開始位置から停止位置までのその経路上で1つ以上の交差点を通過するであろう。
【0032】
図3は、光センサを装備されたロボットがトラックから反射された光を受光する、本原理を図示する。ロボットが、トラック交差点を通して移動しているとき、反射される光の強度は、光が反射されないため、低下するであろう。
【0033】
本発明の次のステップは、車両を設定ルートに従ってxおよびy-方向に移動させるときに通過されたトラック交差点を検出および監視することである。トラック交差点の検出は、反射された光の測定された強度に基づく。他のタイプのセンサが、使用される場合、検出は、受信された信号の変化の検出に基づく。
【0034】
図4は、ロボットをグリッド構造として敷設されたトラックのxおよびy-方向に移動させるときに生成される光センサ信号を示す。センサ信号に基づいて、ロボットは、通過されたトラック交差点の数を追跡することが可能である。
【0035】
図4Aは、トラック交差点の実施例を示し、x-方向における二重トラックと、y-方向における単一トラックとが存在する。x-方向に走行するロボットは、y-方向に指向されるセンサを有するであろう(
図3参照)。したがって、単一トラック構成を検出するであろう。ロボットがy-方向に走行しているとき、二重トラック構成を検出するであろう。
図4Aにおける文字BおよびCは、
図4Bおよび4Cに示される対応する信号を指す。
【0036】
図4Bは、
図4Aに示される、ロボットがy-方向に走行しているときの光強度(I)対時間(t)を示す。図に示されるように、光強度は、センサが、それが指向されるトラックからの強い反射された信号を受信する場合、高くなるであろう。センサがトラック交差点を通過しているとき、信号は、反射された信号が不在であるため、低下するであろう。反射された光の強度の一時的ピークが、二重トラック構成に起因して生じるであろう。トラック交差点を通過した後、反射された信号の強度Iは、次のトラック交差点まで、再び高くなるであろう。
【0037】
図4Cは、4Bに示されるものと類似するが、単一トラック構成に起因して、検出された信号に1回のみの低下を伴う、反射された信号を示す。
【0038】
本発明の最後のステップは、通過されたトラック交差点の数が設定ルートに沿って個別のxおよびy-方向に開始位置と停止位置との間を通過するトラック交差点の総数に近似するとき、信号をコントローラに伝送し、ロボットの車輪の駆動部を制御することである。
【0039】
このように、コントローラは、ロボットが方向を変更する次の交差点に先立って、ロボットの精密な減速を制御することができる。
【0040】
本発明の一実施形態は、上記に説明されるように、トラック交差点を検出するためのセンサを車輪のセットを備えるアクティブ車輪支持体上に設置されるように配列することと、次のトラック交差点までの距離を測定するためのセンサをパッシブ車輪支持体上に配列することとを含む。これは、早期警告信号を提供し、コントローラに、次のトラック交差点が接近しつつあることを知らせるために使用されることができる。
【0041】
本発明の一実施形態によると、コントローラに伝送される信号は、xおよびy-方向に沿って設定ルートを辿るために、車両の減速および加速の精密な制御を実施するために使用されることができる。
【0042】
以下は、本発明の方法が上記に説明される遠隔操作式車両上に実装され得る方法の実施例を説明する。
【0043】
グリッドを形成するフレーム構造上に敷設されたトラックは、スプレッドシート内のセルと同様にアドレス指定されることができる。例えば、貯蔵グリッドが、容器を貯蔵するために、100個の列またはセルを備える場合、各セルは、一意の識別を与えられることができる。x-方向に10個のセルと、y-方向に10個のセルとを伴う、グリッドは、100個のセル上で走行する2-次元トラック構成を作製するであろう。
【0044】
ロボットの移動が、制御されるとき、コントローラは、ロボットが容器を取り上げるためのセルと、容器を設置するためのセルとを追跡するであろう。これに基づいて、コントローラは、ロボットが辿るべきルートを設定するであろう。
【0045】
例えば、ロボットが、セルC2から容器を取り上げ、それをセルH8内に設置すべきであり、セルC8およびH2が、他のロボットによって遮断されている場合、以下のルートが、コントローラによって設定されてもよい。ルートの第1の分岐は、C2からC5であり、次の分岐は、C5からH5であり、最後の分岐は、H5からH8となる。該ルートに従って、ロボットは、3回、開始および停止しなければならない。これは、最初に、y-方向、次いで、x-方向、最後に、y-方向に駆動するであろう。ロボットは、該ルートに従って各開始位置と各停止位置との間を通過するトラック交差点の数を受信するであろう。
【0046】
ロボットに取り付けられたセンサおよびロボット内に備えられる検出する手段は、各方向における通過されたトラック交差点の数を検出するであろう。通過された交差点の数が、各分岐上で通過するトラック交差点の総数に近接すると、信号が、コントローラに伝送され、ロボットの移動を制御する。このように、コントローラは、減速が開始すべきときならびに加速率および持続時間を正確に把握するであろう。
【0047】
本発明によると、ロボットの位置は、グリッド構造が追跡されるにつれて、敷設されたトラックに対してxおよびy-方向に通過された交差点の数を検出するために統合された追跡デバイスによって検出される。
【0048】
本発明の特徴は、ロボット内にまたは外部手段内に備えられる他の距離測定手段に加えて使用されることができる。
【0049】
本発明による方法は、フレーム構造に対してロボットの位置を検出する、単純であるが精密な方法を提供するであろう。これは、フレーム構造の上部に敷設されたトラック上で移動するロボットの高速かつ効率的移動を可能にする。