(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】モジュール式組立品を備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20220620BHJP
【FI】
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2019528792
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(86)【国際出願番号】 EP2017081410
(87)【国際公開番号】W WO2018114313
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-26
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/135342(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/179388(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
複数のカートリッジであって、少なくとも一つのカートリッジがカートリッジ式エアロゾル形成基体を備え、かつ前記複数のカートリッジが、相互に選択的に接続して、前記複数のカートリッジのうちの一つ以上を含むカートリッジ組立品を形成するように構成され、前記カートリッジの各々が、前記カートリッジの第一の端における第一の接続部分と、前記カートリッジの第二の端における第二の接続部分と、を備え、各カートリッジの前記第一の接続部分が、前記残りのカートリッジの各々の前記第二の接続部分に接続するように構成され、各カートリッジが、前記第一の端と前記第二の端との間で前記カートリッジの第一の側面上に位置付けられたカートリッジ空気吸込み口と、前記第一の端と前記第二の端との間で前記カートリッジの第二の側面上に位置付けられたカートリッジ空気出口と、を備え、前記第一の側面が前記第二の側面の反対側である、複数のカートリッジと、
エアロゾル発生装置であって、
液体貯蔵セクション内に位置付けられた液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵セクションと、
前記エアロゾル発生システムの使用中に、前記液体貯蔵セクションからの液体エアロゾル形成基体を加熱するように構成された電気ヒーターと、
電源および前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラを備える電源セクションと、
前記エアロゾル発生装置
の下流端においてくぼみを画定する装置ハウジングであって、前記くぼみが前記エアロゾル発生装置の前記下流端において前記カートリッジ組立品を受容するように構成される装置ハウジングと、
前記カートリッジ組立品が前記くぼみの中に受容された時に、前記カートリッジ組立品のうちの前記カートリッジの各々を通る気流を方向付けるように前記くぼみの中に位置付けられる少なくとも一つの気流遮断要素と、
を備えるエアロゾル発生装置と、
を備えるエアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記カートリッジ組立品および前記エアロゾル発生装置の下流端のうちの少なくとも一つへの接続のために構成される、マウスピースをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生装置の前記下流端においてくぼみを画定する装置ハウジングを備え、前記くぼみが前記カートリッジ組立品を受容するように構成される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記第一の接続部分が、締まり嵌めによって前記第二の接続部分へと接続するように構成される、請求項1又は2又は3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
各カートリッジが長方形の断面形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つの気流遮断要素が、前記くぼみの第一の壁から延びる一つ以上の第一の気流遮断要素の組と、前記第一の組の反対側にある前記くぼみの第二の壁から延びる一つ以上の第二の気流遮断要素の組と、を備え、前記第一の気流遮断要素は前記第一の壁に沿って間隙を介しており、前記第二の気流遮断要素は前記第二の壁に沿って間隙を介しており、前記カートリッジ組立品が前記くぼみの中に受容された時に、前記くぼみおよび前記カートリッジ組立品を通る蛇行する気流経路を画定するように前記第一の気流遮断要素が前記第二の気流遮断要素からずれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記カートリッジのうちの少なくとも一つが、前記カートリッジ空気吸込み口を横切って延びる多孔性材料の第一の層と、前記カートリッジ空気出口を横切って延びる多孔性材料の第二の層と、前記多孔性材料の前記第一の層と前記多孔性材料の前記第二の層との間に位置付けられた前記カートリッジ式エアロゾル形成基体と、を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記液体貯蔵セクションが多孔性担体材料を含み、前記液体エアロゾル形成基体が前記多孔性担体材料上に提供される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
液体移動要素をさらに備え、該液体移動要素は、使用時に、液体エアロゾル形成基体が、前記多孔性担体材料から前記電気ヒーターへと前記液体移動要素に沿って毛細管作用によって輸送されるように構成され
ている、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記液体貯蔵セクション、前記電気ヒーター、および前記液体移動要素が気化器セクション内に一緒に提供され、前記気化器セクションが装置ハウジングの一部を形成する気化器ハウジングを備え、また前記気化器ハウジングが前記電源セクションへと接続するように構成された上流端および前記カートリッジ組立品を受容するように構成されたくぼみを画定する下流端を備える、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式カートリッジ組立品を備えるエアロゾル発生システムに関する。本発明は、電気的に作動する喫煙システムとして特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生装置の一部の中に収容されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、ニコチン溶液などの液体エアロゾル形成基体が貯蔵される液体貯蔵部分を備えてもよい。しばしば「eシガレット」と呼ばれるこうした装置は典型的に、複数の従来の紙巻たばこを消費するのに相当する吸煙回数を提供するために十分な液体エアロゾル形成基体を含有する。
【0003】
従来の紙巻たばこを消費する体験をより忠実にシミュレートする体験をeシガレットユーザーに提供する試みでは、一部の装置はeシガレット構成をたばこ由来の基体と組み合わせて、ユーザーによって吸入されるエアロゾルにたばこの味覚を付与することを試みてきた。しかしながら、こうした装置は、典型的にはカスタマイズすることができるユーザー体験のための限定的な範囲を提供する。
【0004】
複数のエアロゾル形成基体を備え、かつ周知の装置でのこれらの問題の少なくとも一部を軽減または除去するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明によると、複数のカートリッジおよびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供される。複数のカートリッジのうちの少なくとも一つのカートリッジはカートリッジ式エアロゾル形成基体を含む。複数のカートリッジは、相互に選択的に接続するように構成され、複数のカートリッジのうち一つ以上を含むカートリッジ組立品を形成する。エアロゾル発生装置は、液体貯蔵セクションの中に位置付けられた液体エアロゾル形成基体を備える液体貯蔵セクションを備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生システムの使用中に液体貯蔵セクションからの液体エアロゾル形成基体を加熱するよう構成された電気ヒーターをさらに備え、また電源セクションは、電源と、電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラと備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の下流端でカートリッジ組立品を受容するように構成される。
【0006】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生システムのエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよく、またベイパー(例えば、室温にて通常、液体または固体である物質の、気体状態の微粒子)、ならびに気体および凝縮されたベイパーの液体の液滴を含んでもよい。
【0007】
本発明によるエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置およびカートリッジ組立品を提供し、カートリッジ組立品は、複数のカートリッジからの一つ以上のカートリッジの組み合わせを含む。すなわち、カートリッジ組立品はモジュール式組立品であり、各カートリッジは組立品のモジュールを形成する。有利なことに、これは、ユーザーが複数のカートリッジのうちの一つ以上の任意の組み合わせを使用してカートリッジ組立品を組み立てられるようにすることによって、ユーザー体験のカスタマイズを容易にする。
【0008】
エアロゾル発生システムは、少なくとも一つの気流入口および少なくとも一つの気流出口を備えることが好ましい。使用中、空気は、気流入口から気流出口への流路に沿ってエアロゾル発生システムを通して流れる。空気は、気流入口における流路の上流端から気流出口における流路の下流端まで流路に沿って流れる。
【0009】
エアロゾル発生システムは、カートリッジ組立品およびエアロゾル発生装置の下流端のうちの少なくとも一つに接続するように構成されたマウスピースをさらに備えることが好ましい。マウスピースは、カートリッジ組立品およびエアロゾル発生装置のうちの少なくとも一つに締まり嵌めによって接続するように構成されてもよい。エアロゾル発生システムが少なくとも一つの気流出口を備える実施形態では、マウスピース内に少なくとも一つの気流出口を提供することが好ましい。
【0010】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の下流端にくぼみを画定する装置ハウジングを備え、くぼみはカートリッジ組立品を受容するように構成されることが好ましい。有利なことに、カートリッジ組立品を受容するためのくぼみを提供することは、エアロゾル発生システムの使用中に、カートリッジ組立品の各カートリッジを横切る、または通る気流の制御を容易にしうる。有利なことに、カートリッジ組立品を受容するためのくぼみを提供することは、ユーザーがカートリッジ組立品をエアロゾル発生装置と組み合わせることを容易にしうる。
【0011】
くぼみは任意の好適な断面形状を有してもよい。くぼみの断面形状は、カートリッジ組立品の断面形状と実質的に同一であることが好ましい。断面形状は、実質的に円形であってもよい。断面形状は、正方形を含む長方形などの多角形であってもよい。
【0012】
エアロゾル発生システムは、カートリッジ組立品が締まり嵌めによってくぼみの中に保持されるように構成されてもよい。エアロゾル発生システムがマウスピースを備える実施形態では、マウスピースがエアロゾル発生装置へと接続された時に、エアロゾル発生システムは、マウスピースがカートリッジ組立品をくぼみの中に保持するように構成されてもよい。マウスピースは、締まり嵌めによってエアロゾル発生装置へと接続するように構成されてもよい。
【0013】
カートリッジの各々は、カートリッジの第一の端において第一の接続部分を備え、かつカートリッジの第二の端において第二の接続部分を備え、各カートリッジの第一の接続部分は、残りのカートリッジの各々の第二の接続部分に接続するように構成されることが好ましい。有利なことに、こうした配置により、複数のカートリッジが任意の順序または組み合わせで相互に接続できる。
【0014】
第一の接続部分は第二の接続部分へと締まり嵌めによって接続するように構成されることが好ましい。第一の接続部分の各々は、オスコネクターを備えてもよく、また第二の接続部分の各々は、メスコネクターを備えてもよい。第一の接続部分の各々は、メスコネクターを備えてもよく、また第二の接続部分の各々は、オスコネクターを備えてもよい。
【0015】
各カートリッジは、第一の接続部分および第二の接続部分を画定するカートリッジハウジングを備えることが好ましい。カートリッジハウジングは任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。好適な材料としては、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0016】
各カートリッジは、カートリッジ空気吸込み口およびカートリッジ空気出口を備え、カートリッジをエアロゾル発生装置とともに使用中に空気はカートリッジを通して流れることができることが好ましい。各カートリッジがカートリッジハウジングを含む実施形態では、カートリッジハウジングは、カートリッジ空気吸込み口およびカートリッジ空気出口を画定することが好ましい。
【0017】
各カートリッジは、カートリッジの上流端に位置するカートリッジ空気吸込み口と、カートリッジの下流端に位置するカートリッジ空気出口とを備えてもよい。有利なことに、この配置は、エアロゾル発生システムの使用中にカートリッジ組立品のカートリッジを通る線形の気流を容易にすることによって、短いカートリッジ組立品を提供する場合がある。各カートリッジは、実質的に円形の断面形状を有してもよい。
【0018】
各カートリッジは、上流端と下流端との間のカートリッジの第一の側面上に位置付けられたカートリッジ空気吸込み口と、上流端と下流端との間のカートリッジの第二の側面上に位置付けられたカートリッジ空気出口とを備えてもよく、第一の側面は第二の側面の反対側である。有利なことに、この配置は、カートリッジ空気吸込み口およびカートリッジ空気出口の各々に対して十分な断面積を保持する一方で、薄いカートリッジ組立品を提供する場合がある。各カートリッジは、正方形を含む実質的に長方形の断面形状を有してもよい。
【0019】
各カートリッジが、カートリッジの第一の側面上および第二の側面上にカートリッジ空気吸込み口およびカートリッジ空気出口をそれぞれ備え、かつエアロゾル発生装置がその中にカートリッジ組立品を受容するためのくぼみを備える実施形態では、エアロゾル発生システムは、カートリッジ組立品のカートリッジの各々を通る空気の平行な流れを容易にするように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジ組立品の第一の側面に気流を提供するように位置付けられたくぼみ空気吸込み口と、カートリッジ組立品の第二の側面から気流を受容するように位置付けられたくぼみ空気出口とを備えてもよい。
【0020】
エアロゾル発生システムは、カートリッジ組立品のカートリッジの各々を通る気流の直列の流れを容易にするように構成されることが好ましい。エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの気流遮断要素を備えてもよい。少なくとも一つの気流遮断要素は、カートリッジ組立品がくぼみの中に受容された時に、カートリッジ組立品のカートリッジの各々を通る気流を方向付けるために、くぼみの中に位置付けられる。少なくとも一つの気流遮断要素は、装置ハウジングの一部を形成してもよい。少なくとも一つの気流遮断要素は、エアロゾル発生システムの使用中に、カートリッジ組立品を通して蛇行する気流経路に沿って気流を方向付けるように構成されることが好ましい。
【0021】
少なくとも一つの気流遮断要素は、くぼみの第一の壁から延びる一つ以上の第一の気流遮断要素の組と、第一の組の反対側にあるくぼみの第二の壁から延びる一つ以上の第二の気流遮断要素の組とを備えてもよく、第一の気流遮断要素は第一の壁に沿って間隙を介しており、第二の気流遮断要素は第二の壁に沿って間隙を介しており、カートリッジ組立品がくぼみの中に受容された時に、くぼみおよびカートリッジ組立品を通る蛇行する気流経路を画定するように第一の気流遮断要素は第二の気流遮断要素からずれる。くぼみは、第一の方向に沿ってカートリッジ組立品を受容するように構成されることが好ましい。すなわち、くぼみは、第一の方向に沿ってくぼみの中にカートリッジ組立品を挿入することのために構成される。第一の気流遮断要素は、第一の方向で第一の壁に沿って間隙を介していることが好ましい。第二の気流遮断要素は、第一の方向で第二の壁に沿って間隙を介していることが好ましい。第一の気流遮断要素は、第一の方向に沿って第二の気流遮断要素からずれて、くぼみを通って蛇行する気流経路を画定することが好ましい。
【0022】
有利なことに、蛇行する流路を画定することで、エアロゾル発生システムを通る気流が確実にカートリッジ組立品の各カートリッジを通って流れるようになる。
【0023】
カートリッジのうちの少なくとも一つは、カートリッジ空気吸込み口を横切って延びる多孔性材料の第一の層、カートリッジ空気出口を横切って延びる多孔性材料の第二の層、および多孔性材料の第一の層と第二の多孔性材料の第二の層との間に位置付けられたカートリッジ式エアロゾル形成基体を含んでもよい。有利なことに、多孔性材料の第一の層および第二の層は、カートリッジの中にカートリッジ式エアロゾル形成基体を保持すると共に、カートリッジを気流が通ることができるようにもしうる。多孔性材料の第一の層および第二の層の各々は、メッシュを含んでもよい。
【0024】
カートリッジのうちの一つのみがカートリッジ式エアロゾル形成基体を含みうる。好ましくは、カートリッジのうちの少なくとも二つは、各々カートリッジ式エアロゾル形成基体を備えうる。第一のカートリッジは、第一のカートリッジ式エアロゾル形成基体を備え、また第二のカートリッジは第二のエアロゾル形成基体を備え、第一のカートリッジ式エアロゾル形成基体は第二のカートリッジ式エアロゾル形成基体とは異なることが好ましい。
【0025】
少なくとも一つのカートリッジは、固体エアロゾル形成基体を含むカートリッジ式エアロゾル形成基体を備えうる。固体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。
【0026】
固体エアロゾル形成基体は、脱プロトン化ニコチンを含有するたばこを含んでもよい。たばこの中のニコチンを脱プロトン化することは有利なことに、ニコチンの揮発性を増大させうる。ニコチンは、たばこをアルカリ化処理に供することによって脱プロトン化されてもよい。
【0027】
固体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0028】
固体エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物を描写するために使用される。好適なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセタート、ジアセタート、もしくはトリアセタートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)であり、また最も好ましくはグリセリンである。
【0030】
固体エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、固体エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0031】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で5パーセントを超えてもよい。
【0032】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ5パーセント~およそ30パーセントであってもよい。
【0033】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ20パーセントであってもよい。
【0034】
複数のエアロゾル形成カートリッジは、各々が異なる固体エアロゾル形成基体を備える少なくとも二つのエアロゾル形成カートリッジを備えることが好ましい。例えば、カートリッジは、異なるたばこまたは異なるたばこブレンドを含んでもよい。こうした配置は、ユーザーがカートリッジ組立品の組み合わせを選択してカートリッジ組立品を形成できるようにすることによって、ユーザー体験のカスタマイズを容易にし、カートリッジの組み合わせは、たばこまたはたばこブレンドの望ましい混合物に対応する。
【0035】
液体貯蔵セクションの液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然の風味または人工の風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。好適なエアロゾル形成体としては、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物が挙げられる。
【0036】
液体貯蔵セクション内の液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。
【0037】
液体エアロゾル形成基体はニコチンを含まなくてもよい。こうした実施形態では、気化された液体エアロゾル形成基体は、使用中に固体エアロゾル形成基体から一つ以上の揮発性化合物を揮散するために、カートリッジのうちの一つの固体エアロゾル形成基体を通して引き出されてもよい。気化された液体エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体からニコチンを揮散しうる。脱プロトン化ニコチンを含有するたばこを含む固体エアロゾル形成基体を有するカートリッジは、液体エアロゾル形成基体がニコチンを含まない実施形態で特に好適である場合がある。
【0038】
液体貯蔵セクションは多孔性担体材料を備えてもよく、液体エアロゾル形成基体は多孔性担体材料上に提供される。有利なことに、多孔性担体材料上に液体エアロゾル形成基体を提供することで、液体エアロゾル形成基体が液体貯蔵セクションから漏れるリスクを低減しうる。
【0039】
多孔性担体材料は、液体エアロゾル形成基体に対して透過性であり、かつ多孔性担体材料を通して液体エアロゾル形成基体が移動できる任意の好適な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。材料または材料の組み合わせは、液体エアロゾル形成基体に対して不活性であることが好ましい。多孔性担体材料は毛細管材料であってもよく、または毛細管材料でなくてもよい。多孔性担体材料は、液体エアロゾル形成基体の分散および拡散を改善する親水性の材料を含んでもよい。これは、一貫したエアロゾル形成を支援する場合がある。特定の好ましい材料(複数可)は、液体エアロゾル形成基体の物理特性に依存することになる。好適な材料の例は毛細管材料であり、例えば、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチック材料、例えば、紡糸または押出成形された繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。多孔性担体材料は、異なる液体物理特性を有して使用されるように、任意の好適な空隙率を有してもよい。
【0040】
少なくとも一つのカートリッジは、液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジ式エアロゾル形成基体を備えてもよい。液体エアロゾル形成基体は、カートリッジの中に位置付けられた多孔性担体材料上に提供されてもよい。好適な液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置の液体貯蔵セクションに対して本明細書に記述されるものを含む。好適な多孔性担体材料は、エアロゾル発生装置の液体貯蔵セクションに対して本明細書で説明されるものを含む。カートリッジ内に提供された液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置の液体貯蔵セクション内に提供された液体エアロゾル形成基体とは異なることが好ましい。
【0041】
少なくとも一つのカートリッジは、フィルター材料を含んでもよい。フィルター材料は酢酸セルロースを含んでもよい。
【0042】
少なくとも一つのカートリッジは、風味剤を含んでもよい。風味剤はメントールを含んでもよい。
【0043】
少なくとも一つのカートリッジは、カートリッジ空気吸込み口の上方に延びる第一のシール、およびカートリッジ空気出口の上方に延びる第二のシールを含んでもよい。複数のカートリッジの各カートリッジは、第一のシールおよび第二のシールを含んでもよい。第一のシールおよび第二のシールの各々は、取り外し可能な密封であることが好ましい。カートリッジ組立品を形成するために一つ以上のカートリッジを組み立てる前に、第一のシールおよび第二のシールは、第一のシールおよび第二のシールを備える各カートリッジからユーザーによって取り外される。
【0044】
各カートリッジがカートリッジハウジングを含む実施形態では、第一のシールおよび第二のシールの各々は、シールの周辺付近でカートリッジハウジングに固定されることが好ましい。第一のシールおよび第二のシールの各々は、接着剤および超音波溶接などの溶接のうちの少なくとも一つによってカートリッジハウジングに固定されてもよい。
【0045】
第一のシールのおよび第二のシールの各々は、シート材料から形成されることが好ましい。シート材料は、高分子フィルムおよび金属箔のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0046】
エアロゾル発生システムは、使用時に、液体エアロゾル形成基体が、液体移動要素に沿って液体貯蔵セクションから電気ヒーターへと毛細管作用によって輸送されるように構成された液体移動要素をさらに備えてもよい。液体貯蔵セクションが多孔性担体材料を含む実施形態では、液体移動要素は、液体エアロゾル形成基体を多孔性担体材料から電気ヒーターへと輸送するように構成される。
【0047】
液体移動要素は、その長さに沿って液体エアロゾル形成基体を搬送することのできる任意の好適な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。液体移動要素は多孔性材料より形成されてもよいが、そうである必要はない。液体移動要素は繊維質の構造または海綿体状の構造を有する材料から形成されてもよい。液体移動要素は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、液体移動要素は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。液体移動要素は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。液体移動要素の構造は複数の小さな穴または管を形成し、これを通して毛細管作用によって液体エアロゾル形成基体を輸送できることが好ましい。特定の好ましい材料(複数可)は、液体エアロゾル形成基体の物理特性に依存することになる。好適な毛細管材料の例としては、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチック材料、例えば、紡糸または押出成形された繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、セラミック、ガラス繊維、シリカガラス繊維、炭素繊維、オーステナイト系316ステンレス鋼ならびにマルテンサイト系440および420ステンレス鋼などの医療グレードのステンレス鋼合金の金属繊維など)でできた繊維質材料が挙げられる。液体移動要素は異なる液体物理特性で使用されるように、任意の好適な毛細管を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、蒸気圧などが挙げられるがこれらに限定されない物理特性を有し、これらは液体移動要素を通して、液体エアロゾル形成基体を輸送することを可能にする。液体移動要素は、耐熱性材料で形成されてもよい。液体移動要素は、複数の繊維撚糸を含んでもよい。複数の繊維撚糸は概して、液体移動要素の長さに沿って整列されてもよい。
【0048】
液体貯蔵セクションが多孔性担体材料を備える実施形態では、多孔性担体材料および液体移動要素は、同一の材料を含んでもよい。多孔性担体材料および液体移動要素は、異なる材料を含むことが好ましい。
【0049】
電気ヒーターは、液体貯蔵セクションおよび電源セクションのうちの一方または両方とは別個に提供されてもよい。液体貯蔵セクション、電気ヒーター、および存在する場合には液体移動要素は気化器セクション内に一緒に提供されることが好ましい。気化器セクションは、装置ハウジングの一部を形成する気化器ハウジングを備え、気化器ハウジングは、電源セクションに接続するように構成された上流端と、カートリッジ組立品を受容するように構成されたくぼみを画定する下流端とを備えることが好ましい。有利なことに、液体貯蔵セクション、電気ヒーター、および存在する場合には、電源セクションから分離した単一の気化器セクション内の液体移動要素を提供することは、電源セクションを交換する必要を無くして、(例えば、液体エアロゾル形成基体が消耗した時に)気化器セクションの交換を容易にしうる。
【0050】
電気ヒーターは抵抗加熱コイルを備えてもよい。
【0051】
電気ヒーターは抵抗加熱メッシュを備えてもよい。
【0052】
抵抗加熱メッシュは複数の導電性フィラメントを備えてもよい。導電性フィラメントは実質的に平坦であってもよい。本明細書で使用される場合、「実質的に平坦」とは、単一の平面内に形成され、かつ湾曲した形状もしくはその他の非平面形状に巻かれない、または別の方法で湾曲した形状もしくはその他の非平面形状に合うように適合されないことを意味する。平坦な加熱メッシュは、製造中に簡単に取り扱うことができ、かつ頑丈な構造を提供する。
【0053】
導電性フィラメントはフィラメントの間に隙間を画定してもよく、また隙間は約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時に液体エアロゾル形成基体が隙間の中へと引き出されるように隙間内に毛細管作用を生じさせて、ヒーター組立品と液体の間の接触面積が増えることが好ましい。
【0054】
導電性フィラメントは約160~約600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメントの数が約160~約600個(±10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は約75マイクロメートル~約25マイクロメートルであることが好ましい。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は約25パーセント~約56パーセントであることが好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。導電性フィラメントは、互いに平行に配列されたフィラメントのアレイであってもよい。
【0055】
導電性フィラメントは約8マイクロメートル~約100マイクロメートルの直径を有してもよく、約8マイクロメートル~約50マイクロメートルの直径を有することが好ましく、約8マイクロメートル~約39マイクロメートルの直径を有することがより好ましい。
【0056】
抵抗加熱メッシュは、約25平方ミリメートル以下の面積を覆ってもよい。抵抗加熱メッシュは長方形であってもよい。抵抗加熱メッシュは正方形であってもよい。抵抗加熱メッシュは、約5ミリメートル×約2ミリメートルの寸法を有してもよい。
【0057】
導電性フィラメントは任意の好適な導電性材料を含んでもよい。好適な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料・金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。好適なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。好適な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。好適な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは一つ以上の絶縁体で被覆されていてもよい。導電性フィラメント用の好ましい材料は、304、316、304L、および316Lステンレス鋼、ならびに黒鉛である。
【0058】
抵抗加熱メッシュの電気抵抗は、約0.3~約4オームであることが好ましい。メッシュの電気抵抗は約0.5~約3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。
【0059】
電気ヒーターが抵抗加熱コイルを備える実施形態では、コイルのピッチは約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートルであることが好ましく、約1.5ミリメートルであることが最も好ましい。コイルのピッチは、コイルの隣接した巻きの間の間隔を意味する。コイルは6回未満の巻き数を備えてもよく、5回未満の巻き数を有することが好ましい。コイルは、約0.10ミリメートル~約0.15ミリメートルの直径を有する電気抵抗性のあるワイヤーで形成されてもよく、好ましくは約0.125ミリメートルの直径を有する電気抵抗性のあるワイヤーで形成される。電気抵抗性のあるワイヤーは、904または301ステンレス鋼で形成されることが好ましい。他の好適な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。他の好適な合金の例としては、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。抵抗加熱コイルはまた、リボンの形態で提供される金属箔(アルミ箔など)を含んでもよい。
【0060】
電源は電池を備えてもよい。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また二つ以上のカートリッジ組立品を有するエアロゾル発生装置の使用のために十分なエネルギーを蓄積できる容量を有する場合がある。
【0061】
添付図面を参照しながら、例証としてのみ、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生システムのカートリッジ組立品およびマウスピースの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のカートリッジ組立品のカートリッジの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のエアロゾル発生システムの断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5のエアロゾル発生システムのカートリッジ組立品およびマウスピースの斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6のカートリッジ組立品のカートリッジの分解斜視図である。
【
図8】
図8は、
図5のエアロゾル発生システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システム10の斜視図を示す。エアロゾル発生システム10は、電源セクション14および気化器セクション16を備えるエアロゾル発生装置12を備える。エアロゾル発生システム10は、カートリッジ組立品18およびマウスピース20をさらに備える。気化器セクション16は、装置ハウジング24の一部を形成する気化器ハウジング22を備える。気化器ハウジング22の下流端は、カートリッジ組立品18を受容するためのくぼみ26を画定する。くぼみ26は、第一の方向27に沿ってくぼみ26の中へカートリッジ組立品18を挿入することのために構成される。
【0064】
カートリッジ組立品18は複数のカートリッジ28を備え、カートリッジ28は、
図2でより明瞭に示されるように相互に取り外し可能に接続するように構成される。各カートリッジ28は、カートリッジ28の第一の端におけるソケットの形態の第一の接続部分32と、カートリッジ28の第二の端におけるプラグの形態の第二の接続部分34とを画定するカートリッジハウジング30を備える。各カートリッジ28の第一の接続部分32は、締まり嵌めによって他方のカートリッジ28の第二の接続部分34に接続するように構成される。有利なことに、この配置は、ユーザーがカートリッジ28の所望の組み合わせを所望の順序で一緒に接続することによって、カスタマイズされたカートリッジ組立品18を構築できるようにする。ユーザーは、単一のカートリッジ28のみ、または二つ以上のカートリッジ28を含むカートリッジ組立品18を構築してもよい。マウスピース20は、カートリッジ組立品18の下流端においてカートリッジ28の第二の接続部分34へと接続するためのソケットの形態のマウスピース接続部分36を備える。
【0065】
図3は、カートリッジ28のうちの一つの分解斜視図を示す。カートリッジ28は、カートリッジハウジング30の第一の側面にあるカートリッジ空気吸込み口38と、カートリッジハウジング30の第二の側面にあるカートリッジ空気出口40と、を備える。カートリッジ式エアロゾル形成基体42は、カートリッジハウジング30の中に位置付けられる。メッシュスクリーンの形態の多孔性材料44の層は、カートリッジ空気吸込み口38およびカートリッジ空気出口40を横切って延び、カートリッジ式エアロゾル形成基体42をカートリッジハウジング30内に保持する。
【0066】
異なるカートリッジ28は、カートリッジハウジング30の中に位置付けられた異なる内容物を含んでもよい。一つ以上のカートリッジ28は、異なるカートリッジ式エアロゾル形成基体42を収容してもよい。より多くのカートリッジ28のうちの一つは、フィルター材料、風味剤、またはその両方を収容してもよい。
【0067】
図4は、カートリッジ組立品18がくぼみ26の中に受容されているエアロゾル発生システム10の断面図を示す。
【0068】
電源セクション14は、空気を電源セクション14の中へと入れるためのシステム空気吸込み口46、コントローラ48、および電源50を備える。
【0069】
気化器セクション16は、電源セクション14から空気を受容するための気化器空気吸込み口52、気化器空気吸込み口52とその上流端で流体連通する気流通路54、および気流通路54の下流端とくぼみ26との間に流体連通を提供する気化器空気出口56を備える。
【0070】
気化器セクション16は、気流通路54の外側に位置付けられた環状の多孔性担体材料60の中へと収着された液体エアロゾル形成基体58を備える液体貯蔵セクション57をさらに備える。毛細管芯を備える液体移動要素62は、多孔性担体材料60と接触して位置付けられた第一の端および第二の端と、気流通路54の中に位置付けられた中央部分と、を有する。液体エアロゾル形成基体58は、毛細管芯に沿った毛細管作用によって、多孔性担体材料60から毛細管芯の中央部分へと吸い出される。
【0071】
気化器セクション16はまた、毛細管芯の中央部分の周りに巻かれた抵抗加熱コイルを備える電気ヒーター64も備える。エアロゾル発生システム10の作動中、コントローラ48は、電源50から電気ヒーター64への電気エネルギーの供給を制御して、毛細管芯の中央部分から液体エアロゾル形成基体58を加熱および気化する。
【0072】
気化器ハウジング22の下流部分は、くぼみ26の第一の壁からくぼみ26の中へと延びる複数の第一の気流遮断要素66と、くぼみ26の第二の壁からくぼみ26内に延びる複数の第二の気流遮断要素68とを画定する。カートリッジ組立品18がくぼみ26の中に受容された時に、第一の気流遮断要素66および第二の気流遮断要素68はカートリッジ組立品18と連携して、くぼみ26およびカートリッジ組立品18の各々のカートリッジ28を通る蛇行する気流経路を画定するように、第一の気流遮断要素66は、第一の方向27に沿って第二の気流遮断要素68からずれる。
【0073】
くぼみ26の下流端において、くぼみ26とマウスピース20との間の流体連通を提供するくぼみ空気出口70がある。マウスピース20は、エアロゾル発生システム10からユーザーへの気流を提供するためのマウスピース空気出口72を画定する。
【0074】
エアロゾル発生システム10の使用中、空気はシステム空気吸込み口46を通ってシステムの中へと引き込まれ、気化器空気吸込み口52を通り、かつ気化された液体エアロゾル形成基体58が気流内に混入される気流通路54の中へと引き込まれる。その後、気流は気化器空気出口56を通ってくぼみ26およびカートリッジ組立品18の各々のカートリッジ28の中へと流れ、ここで少なくとも一つのカートリッジ式エアロゾル形成基体42からの揮発性化合物が気流内に混入される。その後、気流は、くぼみ空気出口70を通して、またマウスピース空気出口72を通してエアロゾル発生システム10の外へと流れて、気化した液体エアロゾル形成基体58および少なくとも一つのカートリッジ式エアロゾル形成基体42からの揮発性化合物をユーザーへと送達する。
【0075】
図5は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システム100を示す。エアロゾル発生システム100は、
図1~
図4に示されるエアロゾル発生システム10と類似しており、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0076】
エアロゾル発生システム100は、くぼみ126の構成を除いて、
図1および
図4のエアロゾル発生装置12と実質的に同一であるエアロゾル発生装置112を備える。特に、くぼみ126は円形断面形状を有し、またいかなる気流遮断要素も含まない。このくぼみ126の代替的な配置は、代替的なカートリッジ組立品設計に適合する。
【0077】
エアロゾル発生システム100は、一つ以上のカートリッジ128を含むカートリッジ組立品118を備える。カートリッジ128は各々円形断面形状を有し、そして各カートリッジ空気吸込み口138および各カートリッジ空気出口140を位置付けることによって
図1~
図4に示されるカートリッジ28とは異なる。特に、各カートリッジ空気吸込み口138は、カートリッジハウジング130の第一の端に位置付けられ、また各カートリッジ空気出口140はカートリッジハウジング130の第二の端に位置付けられる。従って、一つ以上のカートリッジ128が組み立てられてカートリッジ組立品118を形成する時、
図8で最も明瞭に示されるように、線形の気流経路は、カートリッジ組立品118およびマウスピース120を通して画定される。
【0078】
図5~
図8に示すカートリッジ組立品118と
図1~
図4に示すカートリッジ組立品18との間の構造的な差異はさておき、エアロゾル発生システム100の動作はエアロゾル発生システム10の動作と実質的に同一である。