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特許7091335尿道前立腺部内のインプラントの正確な展開のためのシステム、デバイス、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】尿道前立腺部内のインプラントの正確な展開のためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20220620BHJP
   A61F 2/88 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A61F2/966
A61F2/88
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2019530744
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2017065469
(87)【国際公開番号】W WO2018107123
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-12-07
(31)【優先権主張番号】62/432,542
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518370116
【氏名又は名称】ゼンフロー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シコット, マルセル ソング
(72)【発明者】
【氏名】ブライ, オースティン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コレット-ナイ, ベン
(72)【発明者】
【氏名】メータ, シュレヤ
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0007206(US,A1)
【文献】特表2009-513200(JP,A)
【文献】特表平06-511174(JP,A)
【文献】米国特許第05476505(US,A)
【文献】特表2004-516067(JP,A)
【文献】特表2010-533554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0158049(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/962- 2/966
A61F 2/82 - 2/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込可能デバイスを送達するためのシステムであって、前記システムは、送達デバイスを備え、前記送達デバイスは、
インプラントと、
外側管状部材と、
第1の内側管腔および第2の内側管腔を有する、内側管状部材であって、前記内側管状部材は、前記外側管状部材内で摺動可能であり、前記第1の内側管腔は、前記インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された伸長グラスパ部材を格納するように適合されている、内側管状部材と、
前記第2の内側管腔内で摺動可能な遠位制御部材であって、前記遠位制御部材は、前記インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成されたリテーナを備える、遠位制御部材と
を備え、前記インプラントは、変形可能であり、前記インプラントは、前記内側状部材の前記第1の内側管腔内にあるときに直線状構成ある、システム。
【請求項2】
前記インプラントは、尿道前立腺部を少なくとも部分的に開放状態に維持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インプラントは、第1のリング形状の構造および第2のリング形状の構造と、前記第1のリング形状の構造と前記第2のリング形状の構造との間に延在する相互接続部とを備える本体を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記インプラントの前記本体は、単一ワイヤのみである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記インプラントは、前記リテーナと解放可能に結合するように構成された遠位係合部材を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記インプラントは、前記伸長グラスパ部材と解放可能に結合するように構成された近位係合部材を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記インプラントは、前記インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延在するワイヤ状遠位係合部材を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記インプラントは、ワイヤ状近位係合部材を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のリング形状の構造は、前記インプラントの最遠位のリング形状の構造であり、前記第2のリング形状の構造より比較的に小さい幅を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記内側管状部材は、前記遠位制御部材に対して摺動可能および回転可能である一方、前記リテーナは、前記インプラントの前記遠位部分と解放可能に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記リテーナと結合され、前記リテーナからの前記インプラントの前記遠位部分の解放を可能にするためにユーザによって操作可能な近位端を有する、伸長部材をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記リテーナは、管状であり、前記遠位制御部材に沿って摺動するように適合されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記遠位制御部材は、前記インプラントの前記遠位部分を受容するように適合された陥凹を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記リテーナは、前記陥凹を露出するために移動可能である一方、前記インプラントの前記遠位部分は、前記陥凹内に受容される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記リテーナは、スロットを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
伸長アンカ部材をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記伸長アンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成されたアンカを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記アンカは、膨張可能バルーンである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記伸長アンカ部材は、複数のバルーンを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記伸長アンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成された部分を有するワイヤ形態部材を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記伸長グラスパ部材は、前記インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された陥凹を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、前記陥凹が前記第1の内側管腔によって拘束解除されると、前記インプラントの近位部分が前記伸長グラスパ部材の前記陥凹から自由に解放するように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記送達デバイスの近位端領域と結合された近位制御デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記近位制御デバイスは、前記送達デバイスからの前記インプラントの展開を制御するためにユーザによって操作可能である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記近位制御デバイスは、筐体を備え、前記伸長グラスパ部材を前記筐体および前記内側管状部材に対して遠位に前進させるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記近位制御デバイスは、筐体を備え、前記内側管状部材を前記筐体および前記遠位制御部材に対して近位に後退および回転させるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記近位制御デバイスは、筐体を備え、前記外側管状部材を前記筐体に対して近位に後退させるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記近位制御デバイスは、
ユーザアクチュエータと、
前記ユーザアクチュエータと結合された第1の歯車アセンブリと、
前記第1の歯車アセンブリと結合されたカムアセンブリと、
前記カムアセンブリと結合された第2の歯車アセンブリと
を備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の歯車アセンブリは、前記伸長グラスパ部材の縦方向移動を制御するように構成され、前記カムアセンブリは、前記内側管状部材の縦方向移動を制御するように構成され、前記第2の歯車アセンブリは、前記内側管状部材の回転を制御するように構成されている、請求項28に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2016年12月9日に出願された米国仮出願第62/432,542号に対して優先権、およびその利益を主張する。上記文献は、全ての目的のためにその全体としてここで参照することによって援用される。
【0002】
(分野)
本明細書に説明される主題は、尿道前立腺部の中へのインプラントの送達または展開のためのシステム、デバイス、および方法に関し、より具体的には、男性の尿道の蛇行性屈曲を通した非外傷性および低侵襲性様式における送達に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
良性前立腺肥大症(BPH)と関連付けられた尿閉、前立腺癌、膀胱癌、尿路傷害、前立腺炎、膀胱括約筋協調不全、良性または悪性尿道狭窄、および治療が所望される他の病状からの閉塞の治療のため等、尿道前立腺部の中へのインプラントの設置のための多数の臨床理由が存在する。必然的に複雑かつ蛇行性の解剖学的幾何学形状、患者間の幾何学的および組織の変動性、およびそれらの病状と関連付けられた解剖学的制限に起因して、尿道前立腺部管腔の中へのインプラントの正確かつ一貫した設置は、困難であることが証明されている。さらに、複雑な課題が、低侵襲性様式においてそのようなインプラントを送達するために十分な可撓性を伴うシステムの設計および/または加工において提示される。これらおよび他の理由から、尿道前立腺部へのインプラント送達の改良されたシステム、デバイス、および方法の必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
本明細書に提供されるのは、インプラントを尿道前立腺部または身体の他の部分内に送達または展開するための送達システムと、その関連方法とのいくつかの例示的実施形態である。送達システムの実施形態は、尿道前立腺部の中に挿入可能な送達デバイスと、送達デバイスと結合され、送達デバイスからの1つ以上のインプラントの展開を制御するように構成される、近位制御デバイスとを含むことができる。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、複数の管状構成要素を含むことができ、それぞれが、本明細書により詳細に説明される種々の機能を有する。送達システムと併用するためのインプラントの複数の実施形態もまた、説明される。
【0005】
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点も、以下の図および発明を実施するための形態の検討に応じて、当業者に明白である、または明白となるであろう。全てのそのような付加的システム、方法、特徴、および利点は、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であって、付随の請求項によって保護されることが意図される。例示的実施形態の特徴は、請求項内にそれらの特徴の明示的列挙がない限り、添付の請求項を限定するものといかようにも解釈されないべきである。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
埋込可能デバイスを送達するためのシステムであって、前記システムは、送達デバイスを備え、前記送達デバイスは、
外側管状部材と、
第1の内側管腔および第2の内側管腔を有する、内側管状部材であって、前記内側管状部材は、前記外側管状部材内で摺動可能であり、前記第1の内側管腔は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された伸長グラスパ部材を格納するように適合されている、内側管状部材と、
前記第2の内側管腔内で摺動可能な遠位制御部材であって、前記遠位制御部材は、前記インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成されたリテーナを備える、遠位制御部材と
を備える、システム。
(項目2)
前記インプラントをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記インプラントは、尿道前立腺部を少なくとも部分的に開放状態に維持するように構成されている、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記インプラントは、第1および第2のリング形状の構造と、前記第1および第2のリング形状の構造間に延在する相互接続部とを備える、本体を有する、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記インプラントの本体は、単一ワイヤのみである、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記インプラントは、前記リテーナと解放可能に結合するように構成された遠位係合部材を備える、項目2に記載のシステム。
(項目7)
前記インプラントは、前記伸長グラスパ部材と解放可能に結合するように構成された近位係合部材を備える、項目2に記載のシステム。
(項目8)
前記インプラントは、前記インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延在するワイヤ状遠位係合部材を備える、項目2に記載のシステム。
(項目9)
前記インプラントは、ワイヤ状近位係合部材を備える、項目2に記載のシステム。
(項目10)
前記第1のリング形状の構造は、前記インプラントの最遠位のリング形状の構造であり、前記第2のリング形状の構造より比較的に小さい幅を有する、項目2に記載のシステム。
(項目11)
前記内側管状部材は、前記遠位制御部材に対して摺動可能および回転可能である一方、前記リテーナは、前記インプラントの遠位部分と解放可能に結合されている、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記リテーナと結合され、前記リテーナからの前記インプラントの遠位部分の解放を可能にするためにユーザによって操作可能な近位端を有する、伸長部材をさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記リテーナは、管状であり、前記遠位制御部材に沿って摺動するように適合されている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記遠位制御部材は、前記インプラントの遠位部分を受容するように適合された陥凹を備える、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記リテーナは、前記陥凹を露出するために移動可能である一方、前記インプラントの遠位部分は、前記陥凹内に受容される、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記リテーナは、スロットを備える、項目15に記載のシステム。
(項目17)
伸長アンカ部材をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目18)
前記伸長アンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成されたアンカを備える、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記アンカは、膨張可能バルーンである、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記伸長アンカ部材は、複数のバルーンを備える、項目18に記載のシステム。
(項目21)
前記伸長アンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成された部分を有するワイヤ形態部材を備える、項目17に記載のシステム。
(項目22)
前記伸長グラスパ部材は、前記インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された陥凹を備える、項目1に記載のシステム。
(項目23)
前記システムは、前記陥凹が前記第1の内側管腔によって拘束解除されると、前記インプラントの近位部分が前記伸長グラスパ部材の陥凹から自由に解放するように構成されている、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記送達デバイスの近位端領域と結合された近位制御デバイスをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目25)
前記近位制御デバイスは、前記送達デバイスからの前記インプラントの展開を制御するためにユーザによって操作可能である、項目24に記載のシステム。
(項目26)
前記近位制御デバイスは、筐体を備え、前記伸長グラスパ部材を前記筐体および前記内側管状部材に対して遠位に前進させるように構成されている、項目24に記載のシステム。
(項目27)
前記近位制御デバイスは、筐体を備え、前記内側管状部材を前記筐体および前記遠位制御部材に対して近位に後退および回転させるように構成されている、項目24に記載のシステム。
(項目28)
前記近位制御デバイスは、筐体を備え、前記外側管状部材を前記筐体に対して近位に後退させるように構成されている、項目24に記載のシステム。
(項目29)
前記近位制御デバイスは、
ユーザアクチュエータと、
前記ユーザアクチュエータと結合された第1の歯車アセンブリと、
前記第1の歯車アセンブリと結合されたカムアセンブリと、
前記カムアセンブリと結合された第2の歯車アセンブリと
を備える、項目24に記載のシステム。
(項目30)
前記第1の歯車アセンブリは、前記伸長グラスパ部材の縦方向移動を制御するように構成され、前記カムアセンブリは、前記内側管状部材の縦方向移動を制御するように構成され、前記第2の歯車アセンブリは、前記内側管状部材の回転を制御するように構成されている、項目29に記載のシステム。
(項目31)
埋込可能デバイスを送達するためのシステムであって、前記システムは、
内側管腔を有する第1の伸長部材と、前記内側管腔内で摺動可能であり、かつインプラントの近位部分を保持するように構成されている、伸長グラスパ部材と、前記インプラントの遠位部分を保持するように構成された遠位制御部材とを備える、送達デバイスと、
前記送達デバイスの近位端領域と結合された近位制御デバイスであって、前記近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータと、筐体とを備える、近位制御デバイスと
を備える、システム。
(項目32)
前記近位制御デバイスは、第1の歯車アセンブリを前記筐体内に備え、前記近位制御デバイスは、前記ユーザアクチュエータの移動を前記第1の歯車アセンブリ内の移動に変換するように構成されている、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記近位制御デバイスは、第1の方向における前記第1の歯車アセンブリの移動と第2の方向における前記第1の歯車アセンブリの移動との間で選択するスイッチを備える、項目31に記載のシステム。
(項目34)
前記ユーザアクチュエータは、第1の爪および第2の爪と結合されているヨークと結合されている、項目33に記載のシステム。
(項目35)
前記スイッチは、前記第1の爪または前記第2の爪のいずれかをピニオン歯車と選択的に係合する、項目34に記載のシステム。
(項目36)
前記近位制御デバイスは、前記ピニオン歯車の回転がかさ歯車の回転を生じさせるように構成されている、項目35に記載のシステム。
(項目37)
前記近位制御デバイスは、前記かさ歯車の回転が前記伸長グラスパ部材と結合されたリールの回転を生じさせるように構成されている、項目36に記載のシステム。
(項目38)
前記かさ歯車と係合された入力歯車と、
前記入力歯車と係合されたリール歯車であって、前記リール歯車は、前記リールと結合または統合されている、リール歯車と
をさらに備える、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記入力歯車は、間欠歯車であり、前記入力歯車による前記リール歯車の回転は、前記リールの回転および前記伸長グラスパ部材の縦方向移動を生じさせる、項目38に記載のシステム。
(項目40)
前記第1の方向における前記第1の歯車アセンブリの移動は、前記伸長グラスパ部材の遠位移動を生じさせ、前記第2の方向における前記第1の歯車アセンブリの移動は、前記伸長グラスパ部材の近位移動を生じさせる、項目33に記載のシステム。
(項目41)
前記近位制御デバイスは、カムアセンブリを前記筐体内に備え、前記近位制御デバイスは、前記ユーザアクチュエータの移動を前記カムアセンブリ内の移動に変換するように構成されている、項目32に記載のシステム。
(項目42)
前記カムアセンブリは、前記第1の伸長部材と結合されている、項目41に記載のシステム。
(項目43)
前記カムアセンブリは、前記第1の伸長部材を前記筐体に対して近位に移動させるように構成されている、項目42に記載のシステム。
(項目44)
前記カムアセンブリは、スロットを有する回転可能カムを備え、前記第1の伸長部材は、前記スロット内に受容されたガイド部材と結合されている、項目43に記載のシステム。
(項目45)
前記スロットは、傾斜スロット部分と、半径方向スロット部分とを備える、項目44に記載のシステム。
(項目46)
前記カムアセンブリは、縦方向スロットを有する内側管を備え、前記ガイド部材が、前記縦方向スロット内に受容される、項目44に記載のシステム。
(項目47)
前記第1の歯車アセンブリは、前記第1の歯車アセンブリ内の別の歯車の歯と係合する第1の歯のセットを有する、かさ歯車を備え、前記かさ歯車は、前記かさ歯車の移動が前記カムアセンブリ内の移動を生じさせるように、前記カムアセンブリと結合されている、項目41に記載のシステム。
(項目48)
前記近位制御デバイスは、第2の歯車アセンブリを備える、項目41に記載のシステム。
(項目49)
前記カムアセンブリ内の移動は、前記第2の歯車アセンブリ内の移動を生じさせる、項目48に記載のシステム。
(項目50)
前記第2の歯車アセンブリは、前記第1の伸長部材と結合され、前記第1の伸長部材を前記筐体に対して回転させるように構成されている、項目49に記載のシステム。
(項目51)
前記第2の歯車アセンブリは、開口を有する中心歯車を備え、前記開口は、前記中心歯車の回転が前記第1の伸長部材の回転を生じさせるように、前記第1の伸長部材を受容するように構成されている、項目50に記載のシステム。
(項目52)
前記第2の歯車アセンブリは、前記カムアセンブリと結合され、遊星歯車アセンブリを経由して前記中心歯車と結合されている、環状歯車を備える、項目51に記載のシステム。
(項目53)
前記環状歯車は、第1の方向における前記環状歯車の回転が前記中心歯車の第1の指向性回転を生じさせ、第2の方向における前記環状歯車の回転が前記中心歯車の第2の指向性回転を生じさせるように、前記遊星歯車アセンブリに係合し、前記中心歯車の第1の指向性回転が、前記第2の指向性回転と反対である、項目52に記載のシステム。
(項目54)
前記近位制御デバイスは、前記伸長グラスパ部材によって保持される前記インプラントの近位部分が前記内側管腔から退出しないように防止する、解放可能係止機構を備える、項目32に記載のシステム。
(項目55)
前記係止機構は、前記第1の歯車アセンブリのかさ歯車内の溝と界面接触する移動可能な追跡機構を備え、前記近位制御デバイスは、前記インプラントが前記内側管腔から退出するにつれて、前記かさ歯車の移動が前記追跡機構を移動させるように構成されている、項目54に記載のシステム。
(項目56)
前記近位制御デバイスは、前記追跡機構が、前記インプラントの近位部分が前記内側管腔から退出することに先立って、さらなる運動を防止されるように構成されている、項目55に記載のシステム。
(項目57)
前記近位制御デバイスは、ユーザによって作動されるように構成された解放構造を備え、前記解放構造は、前記追跡機構を前記かさ歯車から係脱し、前記インプラントの近位部分が前記内側管腔から退出することを可能にするように構成されている、項目56に記載のシステム。
(項目58)
前記解放構造は、プルタブである、項目57に記載のシステム。
(項目59)
前記解放構造は、前記伸長グラスパ部材と結合されている、項目57に記載のシステム。
(項目60)
前記インプラントをさらに備える、項目31に記載のシステム。
(項目61)
インプラントを送達する方法であって、
送達デバイスを患者の体腔内で前進させることであって、前記送達デバイスは、インプラントを格納する第1の管状部材と、前記第1の管状部材内で摺動可能であり、前記インプラントの遠位部分と解放可能に結合されている、遠位制御部材と、前記第1の管状部材内で摺動可能であり、前記インプラントの近位部分と解放可能に結合されている、伸長グラスパ部材とを備える、ことと、
相対的運動を前記伸長グラスパ部材と前記第1の管状部材との間に生じさせ、前記インプラントの少なくとも一部を前記第1の管状部材内から暴露させることと、
前記インプラントの遠位部分を前記遠位制御部材から、および前記インプラントの近位部分を前記伸長グラスパ部材から解放することと
を含む、方法。
(項目62)
前記体腔は、ヒトの尿道前立腺部である、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記遠位部分および前記近位部分の解放に応じて、前記インプラントは、前記尿道前立腺部を少なくとも部分的に開放状態に維持するように適合された状態において、前記送達デバイスから解放される、項目61に記載の方法。
(項目64)
前記インプラントは、第1および第2のリング形状の構造と、前記第1および第2のリング形状の構造間に延在する相互接続部とを備える、本体を有する、項目61に記載の方法。
(項目65)
相対的運動を生じさせることは、前記伸長グラスパ部材を遠位に前進させることを含む、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記第1の管状部材からの前記第1のリング形状の構造の暴露の間、前記第1の管状部材を前記遠位制御部材に対して第1の方向に回転させることをさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記第1の管状部材からの前記第2のリング形状の構造の暴露の間、前記第1の管状部材を前記遠位制御部材に対して第2の方向に回転させることをさらに含み、前記第2の方向は、前記第1の方向と反対である、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記第1および第2の方向における前記第1の管状部材の回転は、前記遠位制御部材が前記インプラントの遠位部分と解放可能に結合されている間に生じる、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記第1の管状部材を前記伸長グラスパ部材および前記遠位制御部材に対して近位に後退させ、前記相互接続部を前記第1の管状部材から暴露させることをさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目70)
前記第1の管状部材を回転させながら、前記第1の管状部材を近位に後退させることをさらに含む、項目68に記載の方法。
(項目71)
前記相互接続部は、湾曲される、項目69に記載の方法。
(項目72)
リテーナは、前記インプラントの遠位部分を前記遠位制御部材に結合し、前記方法は、前記リテーナを解放し、前記インプラントの遠位部分を前記遠位制御部材から解放することを含む、項目61に記載の方法。
(項目73)
前記インプラントの近位部分を前記第1の管状部材内から暴露させ、前記インプラントの近位部分を前記伸長グラスパ部材から解放することをさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目74)
相対的運動を前記伸長グラスパ部材と前記第1の管状部材との間で生じさせる前に、前記送達デバイスを膀胱の壁に対して係留することをさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目75)
前記送達デバイスを係留することは、バルーンを前記膀胱内で膨張させることを含む、項目74に記載の方法。
(項目76)
近位制御デバイスは、前記送達デバイスの近位端領域と結合され、
前記方法は、前記ユーザによって前記近位制御デバイスのユーザアクチュエータを移動させることを含み、前記ユーザアクチュエータを移動させることは、前記近位制御デバイスの第1の歯車アセンブリ内の運動を生じさせる、項目61に記載の方法。
(項目77)
前記第1の歯車アセンブリは、前記伸長グラスパ部材を前記第1の管状部材に対して遠位に前進させる、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記第1の歯車アセンブリは、カムアセンブリおよび第2の歯車アセンブリ内の移動を生じさせる、項目76に記載の方法。
(項目79)
前記カムアセンブリ内の移動は、前記遠位制御部材に対して前記第1の管状部材の断続後退を生じさせる、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記第2の歯車アセンブリ内の移動は、前記遠位制御部材に対して前記第1の管状部材の断続回転を生じさせる、項目78に記載の方法。
(項目81)
前記ユーザアクチュエータは、第1のユーザアクチュエータであり、前記方法は、前記近位制御デバイスの第2のユーザアクチュエータを作動させることを含む、項目76に記載の方法。
(項目82)
前記第2のユーザアクチュエータを作動させることは、係止機構を係止解除し、前記遠位制御部材からの前記インプラントの遠位部分および前記伸長グラスパ部材からの前記インプラントの近位部分の解放を可能にする、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記第2のユーザアクチュエータを作動させることは、リテーナを前記インプラントの遠位部分から除去し、前記遠位制御部材を回転させ、前記インプラントの遠位部分を前記遠位制御部材から係脱させる、項目81に記載の方法。
(項目84)
前記第1の管状部材は、前記送達デバイスの外側管状部材内に摺動可能に受容された内側管状部材である、項目61に記載の方法。
【0006】
本明細書に記載される主題の詳細は、その構造および動作の両方に関して、類似参照番号が類似部品を指す、付随の図の検討によって、明白となり得る。図中の構成要素は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、主題の原理の例証に強調が置かれる。さらに、全ての例証は、概念を伝えることを意図しており、相対的サイズ、形状、および他の詳述される属性は、文字通りまたは精密ではなく、概略的に図示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、送達システムの例示的実施形態を描写する、ブロック図である。
図1B図1B、1C、および1Dは、それぞれ、インプラントの例示的実施形態を描写する、側面、端面、および斜視図である。
図1C図1B、1C、および1Dは、それぞれ、インプラントの例示的実施形態を描写する、側面、端面、および斜視図である。
図1D図1B、1C、および1Dは、それぞれ、インプラントの例示的実施形態を描写する、側面、端面、および斜視図である。
図2A図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2B図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2C図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2D図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2E図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2F図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2G図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図2H図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図3A図3A-3Cは、送達システム内での使用時のグラスパ構成要素の例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図3B図3A-3Cは、送達システム内での使用時のグラスパ構成要素の例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図3C図3A-3Cは、送達システム内での使用時のグラスパ構成要素の例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図4A図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4B図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4C図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4D図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4E図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4F図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4G図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4H図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4I図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4J図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図5図5A-5Bは、インプラントの展開の種々の段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、側面図である。
図6A図6Aおよび6Bは、それぞれ、近位制御デバイスの例示的実施形態を描写する、内部側面および内部斜視図である。
図6B図6Aおよび6Bは、それぞれ、近位制御デバイスの例示的実施形態を描写する、内部側面および内部斜視図である。
図6C図6Cは、送達システムと併用するための歯車の例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図7図7Aは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部上下図である。図7Bは、カムの例示的実施形態を描写する、斜視図である。
図8図8は、歯車アセンブリの例示的実施形態を描写する、内部側面図である。
図9A図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。
図9B図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。
図9C図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。
図9D図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。
図9E図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。
図9F図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。
図10A図10Aは、インプラントを送達するための方法の例示的実施形態を描写する、フローチャートである。
図10B図10Bは、インプラントを展開するためのステップのシーケンスの例示的実施形態を描写する、タイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本主題が詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、本開示の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されるため、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0009】
本明細書に提示される主題は、尿道前立腺部内の1つ以上のインプラントの送達または展開の文脈において説明される。尿道前立腺部内のインプラントの展開のための目的は、変動し得る。本明細書に説明される実施形態は、特に、BPHの治療に好適であるが、それらは、そのように限定されない。これらの実施形態が使用され得る、他の病状として、限定ではないが、前立腺癌、膀胱癌、尿路傷害、前立腺炎、膀胱括約筋協調不全、および/または良性もしくは悪性尿道狭窄からの閉塞の治療が挙げられる。さらに、これらの実施形態は、尿路の他の場所または膀胱、ならびに他の生物学的管腔、空洞、または空間、例えば、心臓、胃、腸、肝臓、脾臓、膵臓、および腎臓内の場所を含む、ヒト血管系、心臓系、肺系、または胃腸管内の1つ以上のインプラントの展開のためにも可用性を有することができる。
【0010】
図1Aは、近位制御デバイス200と結合される、伸長送達デバイス103を有する、例示的送達システム100の実施形態を描写する、ブロック図である。遠位端領域104は、尿道口を通して、患者の尿道(または患者の他の管腔または体腔)の中に挿入されるように適合される。遠位端領域104は、好ましくは、非外傷性構成(例えば、比較的に軟質および丸みを帯びた)を有し、患者への炎症または外傷を最小限にする。伸長送達デバイス103は、尿道前立腺部内またはそれに隣接して送達または展開されるべき1つ以上のインプラント102(図示せず)を搬送または格納する。送達デバイス103の近位端領域105は、近位制御デバイス200と結合され、これは、患者の身体の外側に留まり、医師または他の医療従事者によって使用され、1つ以上のインプラント102の送達を制御するように構成される。
【0011】
(送達デバイスおよび関連方法の例示的実施形態)
図1B、1C、および1Dは、それぞれ、静置構成におけるインプラント102の例示的実施形態を描写する、側面、端面、および斜視図である。埋込可能デバイス102は、ここに描写される静置構成に向かって付勢され、静置構成とインプラント102を送達デバイス103内に格納するためのより比較的に伸長な格納(または送達)構成(例えば、図3A参照)との間で変形可能である。格納構成は、最小限の曲率を伴う、直線または線形化された状態であることができる。静置構成は、格納構成より比較的に大きい側方幅および比較的に短い縦方向長さを有する。送達デバイス103の開放端部からの退出に応じて、インプラント102は、その形状を静置構成のものに向かって戻るように自由に遷移するが、患者の尿道壁によって付与される拘束力が、インプラント102が完全に静置構成に到達することを妨害し得る。インプラント102は、静置構成に向かって付勢されるため、インプラント102は、送達デバイス103の拘束力から解放されると、自動的に拡張するように構成され、「自己拡張式」と称され得る。例えば、患者の尿道内のその展開状態におけるインプラント102の形状は、展開構成と称され得、多くの場合、周囲組織によって静置構成から変形される形状であるであろうが、展開構成は、静置構成と同一であり得る。
【0012】
インプラント102は、多数の異なる方法で構成されることができ、米国特許公開第20150257908号および/または国際公開第WO2017/184887号(両方とも、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるそれらのインプラント構成の任意および全てのものを含む。
【0013】
インプラント102は、可変幾何学形状の1つ以上の離散本体(例えば、ワイヤ、リボン、管状部材)から形成されることができる。図1B-1Dの実施形態を参照すると、インプラント102は、所定の形状に設定された1つのみの単一ワイヤ部材から形成される、主要本体を有する。インプラント102は、2つ以上のリング形状の構造111(本実施形態では、4つ、すなわち、111a、111b、111c、および111dが存在する)を有することができ、1つ以上の相互接続部112が、各対の隣接するリング形状の構造111間に延在する(本実施形態では、1つの相互接続部が、各隣接する対間にあり、合計3つ、すなわち、112a、112b、および112cが存在する)。各相互接続部112は、1つのリング形状の構造111から直隣接するリング形状の構造111まで延在する。各相互接続部112は、図1B-1Dに示されるように、比較的に直線形状(図示せず)または湾曲(例えば、半円形または半楕円形)形状を有することができる。
【0014】
リング形状の構造111は、格納構成から拡張されると、尿道を完全または部分的に開放状態に維持するように構成される。デバイス100は、所望に応じて、各リング形状の構造111の幅(例えば、直径)が、尿道の幅より若干大きく、各相互接続部112の長さが、リング形状の構造111間の間隔を判定するように、種々のサイズで製造されることができる。リング形状の構造111は、同一または異なる幅を有することができる。例えば、ここに描写される実施形態では、リング形状の構造111aは、同一幅を有する、構造111b-111dより比較的に小さい幅を有する。これは、膀胱頸部前のより小さい幾何学形状に収束する、尿道前立腺部を収容することができる。
【0015】
各リング形状の構造111は、単一平面に位置または定置することができ、いくつかの実施形態では、その単一平面は、インプラント102の中心アクセス124と垂直な法線軸を伴って配向されることができる(図1Bに描写されるように)。他の実施形態では、リング形状の構造111は、複数の平面に位置することができる。リング形状の構造111は、中心軸126の周囲に延在し、真円(例えば、360度旋回)を形成することができる、またはここに示されるように、準真円(例えば、360度未満)を形成することができる。そのように限定されないが、多くの実施形態では、リング形状の構造111は、270~360度に延在する。
【0016】
図1B-1Dから分かるように、インプラント102の幾何学形状は、円形または楕円形断面を伴う、円筒形または略円筒形輪郭形状を有することができる。他の実施形態では、インプラント102は、三角形または略三角形断面を伴う角柱または略角柱形状もしくはその他を有することができる。
【0017】
インプラント102はまた、それぞれ、送達デバイス103の要素と係合するように構成される、遠位係合部材114と、近位係合部材115とを含むことができる。送達デバイス103との係合は、インプラント102の解放を制御することを可能にする、相互に対してインプラント102の端部の移動を可能にする、および/または例えば、医師が、インプラント102を再捕捉し、インプラント102を異なる位置に再展開することを所望する事例において、展開後のインプラント102の回収を可能にすること等の1つ以上の目的を果たすことができる。本実施形態では、遠位係合部材114は、非外傷性端部116(例えば、丸みを帯びた、球状、ボール状)を送達デバイス103との係合に好適な場所に位置付け、それによって、インプラント102の遠位端領域の制御を可能にするために、湾曲(例えば、S状)形状を有する、リング形状の構造111aからのワイヤ状延在部である。同様に、近位係合部材115は、別の非外傷性端部117を送達デバイス103との係合に好適な場所に位置付け、それによって、インプラント102の近位端領域の制御を可能にするために、湾曲形状を有する。他の実施形態では、遠位係合部材114および近位係合部材115は、省略されることができ、送達デバイス103は、リング形状の構造111または相互接続部112上等の1つ以上の他の遠位および/または近位場所において、インプラント102と結合することができる。
【0018】
送達デバイス103は、1つ以上の伸長可撓性部材(例えば、下記に説明されるように、120、130、140、および150)を含むことができ、それぞれ、1つ以上の内側管腔を有する。送達デバイス103の1つ以上の伸長可撓性部材は、内側管腔を伴わない、中実または非中空部材であることができる。図2Aは、送達デバイス103の遠位端領域104の例示的実施形態を描写する、斜視図である。本実施形態では、送達デバイス103は、第1の伸長管状部材120と、第2の伸長管状部材130と、第3の伸長管状部材140と、第4の伸長管状部材150とを含む。送達デバイス103は、変動し得、他の実施形態では、より多いまたはより少ない管状部材を含むことができる。
【0019】
本実施形態では、第1の伸長管状部材120は、最外管状部材であり、可撓性であるが、その中に含有される部材のための支持を提供する。第1の管状部材120は、本明細書では、外側シャフト120と称され、1つ以上の内側管腔を有することができる。本実施形態では、外側シャフト120は、本明細書では、内側シャフト130と称される、第2の伸長管状部材130を格納する、第1の内側管腔121を含む。外側シャフト120および内側シャフト130はそれぞれ、他方から独立して制御可能である。内側シャフト130は、遠位および近位に管腔121内で摺動することができ、ここでは、外側シャフト120の開放遠位端から部分的に延在して示される。
【0020】
本実施形態では、外側シャフト120は、3つの付加的管腔122、123、および124を含む。照明デバイス(図示せず)および撮像デバイス(図示せず)が、管腔122および123のいずれか内に格納されることができる。撮像デバイスは、光学または超音波撮像等の任意の所望のタイプの撮像モダリティを利用することができる。一例示的実施形態では、撮像デバイスは、前方(遠位)視CMOS撮像機を利用する。照明デバイスは、光学撮像のための適正な照明を提供するように構成されることができ、一実施形態では、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。超音波撮像のため等、照明が要求されない、実施形態では、照明デバイスおよびその個別の管腔122または123は、省略されることができる。照明デバイスおよび/または撮像デバイスはそれぞれ、管腔122および123の遠位端に固定して固着されることができる、またはそれぞれ、管腔122および123内で摺動可能であり、外側シャフト120からのさらなる遠位前進および/または外側シャフト120の中への後退を可能にすることができる。一例示的実施形態では、照明デバイスおよび撮像デバイスは、ともに搭載され、単一管腔122または123のみが、その目的のために存在する。管腔124は、潅注または洗浄ポートとして構成されることができ、そこから、生理食塩水等の流体が、尿道に導入され、領域を洗浄し、適正な流体を提供することができ、それを通して、インプラント102および周囲尿道前立腺部壁が、撮像されることができる。
【0021】
外側シャフト120は、近位制御デバイス200と結合される、近位端(図示せず)を有する。送達デバイス103は、操向可能であり、蛇行性生体構造をナビゲートするように構成されることができる。操向性は、用途の必要性に応じて、一方向性(例えば、単一プルワイヤを使用して)または多方向性(例えば、デバイス103を中心として異なる半径方向場所に配列される2つ以上のプルワイヤを使用して)であることができる。いくつかの実施形態では、操向性のための構造(例えば、プルワイヤ)は、送達デバイス103の遠位端領域104(例えば、プルワイヤの遠位端が、遠位端領域104内のプレートまたは他の構造に固着される)から、送達デバイス103を操向させるためにユーザによって操作され得る、近位制御デバイス200まで延在する。操向構造は、外側シャフト120の1つ以上の管腔内に位置することができる、または外側シャフト120の側壁に結合される、もしくはその中に埋設されることができる。送達デバイス103は、デバイス103が、特定の側方方向に自動的に偏向し、送達デバイス103を操向させるために付与される力が、本付勢偏向と反対であるように、その様式で偏向(例えば、屈曲)するように付勢されることができる。操向送達デバイス103のための他の機構もまた、使用されることができる。操向機構はまた、インプラント102の展開の間、係止または調節され、生体構造内のインプラント102の位置を制御してもよい(例えば、展開の間の前方への操向は、インプラント102をより望ましい前方位置に設置することに役立ち得る)。
【0022】
内側シャフト130は、1つ以上のインプラント102および/または他の構成要素を格納するために、1つ以上の内側管腔を含むことができる。本実施形態では、内側シャフト130は、1つ以上のインプラント102が格納され得る、第1の管腔131と、第3の伸長管状部材140が格納され得る、第2の管腔132とを含む。本実施形態では、第3の伸長管状部材140は、インプラント102の遠位端領域と解放可能に結合するように構成され、遠位制御部材またはテザー140と称される。遠位制御部材140は、内側シャフト130に対して摺動可能に前進および/または後退されることができる。遠位制御部材140は、遠位制御部材140の開放遠位端から延在して示される、第4の伸長管状部材150を格納する、内側管腔141を含むことができる。第4の伸長管状部材150は、送達デバイス103を患者の生体構造に対して係留する、例えば、インプラント102の展開の間、送達デバイス103の構成要素を生体構造に対して定常に保つように構成され、アンカ送達部材150と称される。
【0023】
図2Aに描写される構成では、アンカ送達部材150は、遠位制御部材140の管腔141から延在され、遠位制御部材140は、内側シャフト130とともに、外側シャフト120の管腔121から延在されて示される。送達デバイス130が、尿道を通して前進されると、アンカ送達部材150は、好ましくは、遠位制御部材140内に完全に格納され、遠位制御部材140は、内側シャフト130とともに、それらが外側シャフト120の管腔121内に常駐し、管腔120の開放遠位端から延在しないように、図2Aに示される位置から後退される。言い換えると、いくつかの実施形態では、外側シャフト120の開放遠位端は、尿道を通した初期前進に応じて、デバイス103の最遠位構造を形成する。これは、外側シャフト120による送達デバイス103の操向を促進する。医師は、送達デバイス103の遠位端領域104を所望の埋込部位と近接するように、または患者の膀胱の中に完全に前進させることができる。アンカ送達部材150は、アンカ送達部材150を膀胱の中にさらに遠位に前進させることによって、またはすでに膀胱内に存在する場合、送達デバイス103の他の構成要素を近位に後退させることによってのいずれかにおいて、遠位制御部材140の開放遠位端から暴露されることができる。本時点で、アンカ送達部材150からのアンカは、膀胱内で展開されることができる。
【0024】
システム100内のこれらの構成要素の設置は、図2Aに関して説明される実施形態に限定されない。いくつかの実施形態では、外側シャフト120は、完全に省略されることができる。そのような実施形態では、展開手技の可視化は、蛍光透視法等の外部撮像を用いて遂行されることができ、インプラント102および送達デバイス103は、放射線不透過性であることができる、または放射線不透過性マーカを含むことができ、撮像および照明管腔122および123(および撮像および照明デバイス)ならびに潅注管腔は、省略される。いくつかの実施形態では、遠位制御部材140が内側シャフト130内に摺動可能に受容される代わりに、遠位制御部材140が、外側シャフト120の管腔(内側シャフト130を受容する同一管腔または異なる管腔のいずれか)内を摺動可能であることができる。同様に、アンカ送達部材150が遠位制御部材140内に摺動可能に受容される代わりに、アンカ送達部材150が、外側シャフト120の管腔(内側シャフト130および/またはアンカ送達部材150を受容する同一管腔または異なる管腔のいずれか)または内側シャフト130の管腔(遠位制御部材140を受容する同一管腔または異なる管腔のいずれか)内を摺動可能であることができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト130は、部材130、140、および150毎に、別個かつ明確に異なる管腔を有し、インプラント102を部材140および150の周囲で展開するように構成されることができる。
【0025】
図2Bは、種々の構成要素が展開されている、送達デバイス103の遠位端領域104を描写する、斜視図である。本実施形態では、アンカ送達部材150は、膨張可能部材またはバルーンの形態における、アンカ152を含む。アンカ152の他の実施形態は、図4A-4Gに関して説明される。アンカ152は、アンカ152が近位後退(例えば、比較的に軽い張力)に抵抗するように、膀胱頸部のものを上回るサイズまで拡張(または別様に遷移)する。アンカ152がバルーンである、実施形態では、そのバルーンは、弾性または非弾性であり、バルーン152の中に1つ以上の膨張ポート153を通して導入される膨張媒体(例えば、空気または生理食塩水等の液体)で膨張可能であることができる。ここでは、3つの膨張ポート153が、アンカ送達部材150のシャフト上に位置し、注射器を用いた膨張のためのポートを含み得る、近位制御デバイス200に戻るように近位に延在する、膨張管腔と連通する。アンカ152の展開に応じて、医師は、アンカ152が膀胱頸部および/または壁(まだ接触していない場合)と接触するまで、送達システム100を近位に後退させることができる。
【0026】
医師は、医師が、尿道内の所望の位置において、インプラント102の展開を開始するまで、外側シャフト120の撮像デバイスを使用して、送達デバイス103をアンカ152から離れるように近位に移動させることができる。遠位制御部材140上のリテーナ142は、インプラント102の遠位係合部材114と解放可能に結合される。医師は、医師がインプラント102の遠位端を展開させることを所望する、尿道の長さに沿った場所にリテーナ142を位置付けることができる。これは、遠位制御部材140および内側シャフト130をともにアンカ送達部材150に対して近位および/または遠位に移動させることを伴い得る。別の実施形態では、リテーナ142の位置は、生体構造内のインプラント102の縦方向位置が医師による任意の操作から独立してシステムによって設定されるように、アンカ152に対して固定される。遠位係合部材114とリテーナ142の結合はまた、医師が、遠位制御部材140および内側シャフト130をともに回転させることによって、インプラント102の半径方向配向を操作することを可能にする。遠位制御部材140の能動または受動成形は、インプラント102のより望ましい設置を可能にし得る。例えば、部材140は、インプラントをより前方の解剖学的位置に設置する、曲率を有してもよい。本曲率は、部材150内で本質的に設定される、または制御ワイヤ等の別個のエンティティを通して医師によって能動的に印加されてもよい。いったん所望の場所および配向に来ると、医師は、内側シャフト130を遠位制御部材140に対して近位に後退させ、インプラント102の展開を開始することができる。
【0027】
遠位係合部材114は、リテーナ142によって遠位制御部材140に対して定位置に保持され、遠位制御部材140に対する内側シャフト130の近位後退は、リング形状の構造111に、順次展開を開始させる(111a、次いで、111b、次いで、111c、次いで、111d(図示せず))。遠位制御部材140は、展開の間、定常のままである、または尿道に対して縦方向に移動されることができる。いくつかの実施形態では、遠位制御部材140は、インプラント102の角形成が比較的に蛇行性生体構造に適応することを可能にするように操向可能である。操向性を遂行するための機構は、本明細書のいずれかに議論され、同様に、遠位制御部材140に適用されることができる。これらまたは他の実施形態では、遠位制御部材140は、有意に可撓性であり、蛇行性生体構造に受動的に適応することができる。いくつかの実施形態では、遠位制御部材140は、所定の曲線を有し、ナビゲーションを補助する。
【0028】
展開を補助するために、内側シャフト130は、遠位制御部材140を中心として時計回りおよび反時計回りに回転することができる(矢印134によって描写されるように)。図1B-1Cに戻って参照すると、インプラント102は、遠位係合部材114から開始するように見ると、リング形状の構造111aに沿って時計回りに順行し、次いで、相互接続部112aに沿ってリング形状の構造111bのために反時計回り方向に逆行し、次いで、相互接続部112bに沿ってリング形状の構造111cのために時計回り方向に逆行し、次いで、近位係合部材115で終端するまで、相互接続部112cに沿ってリング形状の構造111dのために反時計回り方向に逆行する、非一定巻回方向を有する。管腔131の開放遠位端から退出しようとするインプラント102の部分の巻回方向に応じて、静置構成に向かったインプラント102の遷移は、インプラント102が展開されるにつれて、シャフト130が能動的に回転されない場合、トルクをシャフト130上に付与し得る。そのようなトルクは、適宜、時計回りまたは反時計回りのいずれかにおいて、シャフト130を受動的に(ユーザ介入を伴わずに)回転させ得る。本明細書のいずれかに説明される、ある実施形態では、シャフト130は、展開の間、能動的に回転される。遠位制御部材140に対する内側シャフト130の回転は、したがって、送達デバイス103が、回転し、インプラント102の巻回方向に追随することを可能にする。いくつかの実施形態では、全てのリング形状の構造111は、同一方向、すなわち、時計回りまたは反時計回り(例えば、完全渦巻または螺旋インプラントの場合のように)に巻回される、または設定巻回方向を有していない。
【0029】
本または他の実施形態では、内側シャフト130の遠位端領域は、内側シャフト130のより近位部分より比較的に可撓性であるように構成され、これは、展開の間、デバイス103の残りの過剰な運動の回避を可能にし、より良好な可視化およびデバイス103によるより少ない組織接触をもたらすことができる。そのような構成はまた、送達の間、デバイス103によるインプラント102上に付与される応力を低減させることができる。例えば、展開の間、外側シャフト120から延在する、内側シャフト130の部分は、外側シャフト120内に留まる、内側シャフト130の部分より比較的に可撓性であり、したがって、インプラント102が内側管腔131から退出するにつれて、内側シャフト130がより容易に撓曲することを可能にすることができる。これは、ひいては、送達デバイス103を安定化させ、医師がアポイントメントプロセスの安定画像を取得することを可能にすることができる。
【0030】
図2Bは、3つのリング形状の構造111a、111b、および111cが展開された後のインプラント102を描写する。シャフト130の近位後退は、インプラント102の全体またはリング形状の構造111の少なくとも全てが管腔131から退出するまで継続する。医師が、インプラント102の展開位置およびインプラント102の展開形状に満足する場合、インプラント102は、送達デバイス103から解放されることができる。
【0031】
インプラント102の遠位端の解放は、リテーナ142を解放することによって遂行されることができる。リテーナ142は、インプラント102の一部が格納される、空洞または陥凹にわたって、線形にまたは回転して作動する、円筒形構造または他のスリーブであることができる。図2Bの実施形態では、リテーナ142は、遠位係合部材114がそれを通して通過することを可能にする、開口部またはスロットを含む。リテーナ142は、部材114が遠位制御部材130から自由に解放される、開口部またはスロットが部材114にわたって位置付けられるまで、遠位係合部材114(図示せず)が格納される、空洞または陥凹に対して回転することができる。リテーナ142の回転は、リテーナ142と結合される(および近位制御デバイス200においてアクセス可能)、回転可能シャフト、ロッド、または他の部材の回転によって遂行されることができる。
【0032】
図2Cおよび2Dは、リテーナ142の異なる実施形態がさらに詳細に示される、システム100の別の例示的実施形態を描写する、斜視図である。ここでは、リテーナ142は、遠位制御部材140に対して遠位および/または近位に摺動する。インプラント102の遠位係合部材114は、遠位制御部材140の対応する陥凹内に受容されることができる。リテーナ142は、リテーナ142が部材140の段状部分に当接するまで、本陥凹内に受容される間、遠位係合部材114にわたって摺動することができる。制御ワイヤ146が、アンカ送達部材150と同一管腔または異なる管腔のいずれか内において、制御部材140の長さ内に延在する。制御ワイヤ146は、拡大部分147を伴う、リテーナ142と結合し、そこから、制御ワイヤ146が、部材140の中に開口部148を通して配索されることができる。
【0033】
係合部材114が、陥凹内に設置されることができ、リテーナ142は、係合部114にわたって前進され、インプラント102の遠位端を固着させ、部材140を制御することができる。尿道内のインプラント102の満足の行く展開に応じて、例えば、図2Cの状態において、リテーナ142は、制御ワイヤ146を用いて、近位に後退され、係合部材114を暴露させ、部材140からのその解放を可能にすることができる。図2Eおよび2Fは、図2Cおよび2Dに関して説明されるものと類似様式で動作する、リテーナ142のための別の構成を伴う、システム100の別の実施形態を描写する、斜視図である。ここでは、インプラント102は、示されず、遠位係合部材114が受容され得る、陥凹143が、さらに詳細に示される。
【0034】
図2Gおよび2Hは、それぞれ、システム100の別の例示的実施形態の側面および斜視図である。本実施形態では、内側シャフト130は、内側管腔131(図示せず)が位置する、可撓性遠位延在部160を含む。本構成では、管腔131の開放遠位端は、管腔132(図示せず)の開放遠位端の遠位に位置し、そこから、遠位制御部材140が、延在する。管腔122、123、および124(図示せず)は、遠位延在部160と反対の外側シャフト120上に位置する。可撓性遠位延在部160は、可撓性に寄与し、送達システムを安定化させ、かつ画像を安定化させる。可撓性延在部160は、リング形状の構造111を平面様式で整合させることに役立ち、かつ展開の間、インプラント102を尿道壁に向かって誘導する(例えば、半径方向に向ける)ことに役立つ。
【0035】
インプラント102の近位端の解放もまた、制御可能である。図3Aは、インプラント102の一部が内側シャフト130の内側管腔131内に示される、システム100の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。ここでは、インプラント102は、遠位および/または近位に管腔131内で摺動可能なグラスパ136と結合される、近位係合部材115を用いた展開に先立って、線形化された状態にある。グラスパ136は、遠位端領域137をシャフト138上に含む、またはそれと結合されることができる。グラスパ136は、好ましくは、インプラント102を内側シャフト130に対して回転および縦方向に平行移動(例えば、押動および引動)させるように制御可能である。
【0036】
図3Bおよび3Cは、それぞれ、インプラント102を伴わない、およびインプラント102を伴う、グラスパ136の遠位端領域137の例示的実施形態を描写する、斜視図である。グラスパ136は、近位係合部材115を受容および保持するために、陥凹(空洞またはポケットとも称される)139を含む。ここでは、拡大部分117は、比較的により小さい幅を有する遠位縮径領域によって、陥凹139内に保定される。内側管腔131内にある間、内側シャフト130の側壁は、近位係合部材115を陥凹139内に維持する。遠位端領域137が、内側管腔131から退出する(内側シャフト130をグラスパ136に対して後退させることによって、またはグラスパ136を内側シャフト130に対して前進させることによってのいずれかにおいて)と、内側シャフト側壁によって付与される拘束力は、もはや存在せず、係合部材115は、グラスパ136から自由に解放される。したがって、医師が、展開されたインプラント102の設置に満足すると、遠位係合部材114は、リテーナ142を移動させ、遠位係合部材114が制御部材140から結合解除されることを可能にすることによって、解放されることができ、近位係合部材115は、グラスパ136を内側シャフト130内から暴露させ、近位係合部材115がグラスパ136から結合解除することを可能にすることによって、解放されることができる。
【0037】
グラスパ136はまた、インプラント102の装填を補助することができる。いくつかの実施形態では、グラスパ136を用いたインプラント102上への引張力の印加(インプラント102の反対端部が固着されている間、例えば、リテーナ142によって)は、静置構成から内側シャフト130の中へのインプラント102の挿入に好適な線形化された構成へのインプラント102の遷移を促進する。
【0038】
アンカ送達部材150は、複数の異なる構成および幾何学形状(例えば、膀胱壁を横断して1つの方向に、膀胱壁を横断して2つの方向(例えば、左および右)に、または膀胱壁を横断して3つ以上の方向に延在するものを含む)を有することができる。図4A-4Bは、患者の身体内の展開の種々の段階におけるアンカ送達部材150の例示的実施形態を描写する、断面図である。図4Aでは、アンカ送達部材150は、開放遠位端151が、膀胱頸部を越え、膀胱402内に来るまで、尿道401を通して前進されているが、本および他の実施形態では、端部401は、膀胱402に進入することに先立って停止されることができる。ここでは、2つの係留アーム408aおよび408bが、アンカ送達部材150の内側管腔内に格納される。他の実施形態では、係留アーム408はそれぞれ、部材150内の別個の管腔内に格納されることができる。係留アーム408は、開放遠位端151からの退出に応じて、偏向可能部分410aおよび410bが、図4Bに描写されるように、側方に遷移し、膀胱壁と接触し、アンカ152を形成するように、アンカ送達部材150に対して遠位に前進されることができる(またはアンカ送達部材150は、膀胱402の中に前進され、係留アーム408に対して近位に後退されることができる)。
【0039】
係留アーム408は、図4Bの静置構成に向かって付勢される、形状保定材料から形成されることができる。係留アーム408の遠位端はそれぞれ、ここに描写されるように、非外傷性端(例えば、丸みを帯びた、球状、ボール状)を有することができる、または代替として、アーム408の遠位端は、付加的非外傷性効果のために、膀胱壁から離れるように湾曲することができる。他の実施形態では、1つのみの係留アーム408が、使用される。図4Cは、アンカ送達部材150の別の例示的実施形態を描写する、断面図である。ここでは、偏向可能部分410aおよび410bは、略直線または線形化された形状を有し、遠位および/または近位にアンカ送達部材150に対して摺動可能な共有シャフト412から偏向する。本明細書に説明される係留実施形態の全てにおいて、1つ以上の偏向可能部分は、共有シャフト(ここに描写されるように)または別個のシャフト(図4A-4Bに描写されるように)から偏向することができる。
【0040】
図4D-4Eは、アンカ送達部材150の別の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。図4Dは、アンカ152がアンカ送達部材150の開放遠位端151からの部分的展開の状態にある、本実施形態を描写する。図4Eは、膀胱402内の完全展開後のアンカ152を描写する。ここでは、アンカ152は、ヒンジ422a、422b、および422cによって接続される、側方に偏向可能な支柱420a、420b、421a、および421bを含む。具体的には、側方に偏向可能な支柱420aおよび421aは、ヒンジ422aによって接続され、側方に偏向可能な支柱420bおよび421bは、ヒンジ422bによって接続され、支柱421aおよび421bは、ヒンジ422cによって接続される。再び、アンカ152は、図4Eに描写される静置構成に向かって付勢され、いったんアンカ送達部材150の内側管腔内から暴露されると、本構成に向かって自動的に遷移する。ヒンジ422はそれぞれ、図4Eに描写されるように、例えば、デバイスの縮小されたまたはより比較的に可撓性の区分によって画定される、一体型ヒンジとして実装されることができる。他のヒンジ構成もまた、利用されることができる。
【0041】
別の実施形態では、プルワイヤまたは他の部材424が、支柱421および/またはヒンジ422cのうちの1つ以上に取り付けられ、近位制御デバイス200の近位に延在する。図4Eでは、プル部材424は、破線で示され、随意であることを示す。近位制御デバイス200におけるプル部材424の近位後退は、構造配列を図4Eに描写される構成に側方に偏向させる。本配列は、張力がプル部材424上に維持される間、有意な係止力を提供する。
【0042】
図4Fは、アンカ送達部材150の別の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。ここでは、形状保定要素430は、比較的に直線または線形化された形状であった、アンカ送達部材150の内側管腔内から前進されている。開放遠位端151からの退出に応じて、要素430の遠位部分は、本実施形態では、コイルまたは渦巻の形状である、側方に拡張された形状432に向かって自動的に遷移する。図4Gは、側方に拡張された形状432が、複数のループを有し、数字の「8」または蝶ネクタイに類似する、別の例示的実施形態を描写する。多くの異なる形状が、ここに描写されるものに加え、側方に拡張された形状432のために利用されることができる。係留実施形態の全てにおいて、身体組織に暴露される、ワイヤまたは要素の遠位端は、丸みを帯びたまたは拡大非外傷性端部を有することができる(図4Fおよび4Gに描写されるように)。
【0043】
インプラント展開手技の完了に応じて、アンカ152は、圧潰または後退され、送達デバイス103の除去を可能にすることができる。例えば、アンカ152がバルーンである、実施形態では、そのバルーンは、収縮され、随意に、デバイス103の管腔の中に後退され、続いて、膀胱および尿道から抜去される。アンカ152がワイヤ形態または他の拡張可能部材(図4A-4Gに関して説明されるもの等)である、実施形態では、アンカ152は、展開されたデバイス103の管腔の中に後退され、デバイス103は、続いて、膀胱および尿道から抜去されることができる。後退は、流体または空気圧作動、ねじタイプ機構、またはその他を使用して、遂行されることができる。
【0044】
図2Bでは、アンカ152は、アンカ送達部材150が中心を通して延在する、略球状バルーンである。他の実施形態では、バルーンアンカ152は、側方にオフセットされる、またはアンカ送達部材150の片側のみに位置付けられることができる。図4Hは、側方にオフセットされたバルーン152を有する、例示的実施形態を描写する、部分断面図である。ここでは、側方にオフセットされたバルーン152は、力を膀胱頸部403の側面に付与し、アンカ送達部材150(および送達デバイス103)を方向450に押進させる。
【0045】
他の実施形態では、デバイス103は、独立して、異なる側方方向に膨張し得る、2つ以上のバルーンを含むことができる。1つ以上の残りのバルーンを収縮状態に維持しながらの1つ以上のバルーンの独立膨張は、ユーザが、生体構造に対して送達カテーテルの角度を変化させることを可能にし、したがって、有意な曲率を伴う生体構造内のインプラントの展開を可能にすることができる。図4Iは、第1のアンカバルーン152aが部材150の反対側に位置する第2のアンカバルーン152bより大きいサイズまで膨張されている、別の例示的実施形態を描写する。膀胱壁上に付与される力の結果、部材150は、より小さいバルーン152bから離れるように方向451に傾斜される。膨張のための適切なバルーンまたは複数のバルーンの選択は、医師によって実施されることができ、膨張および収縮のプロセスは、医師が、送達手技の残りが実施され得る、生体構造内のデバイス103の望ましい角度配向を達成するまで、繰り返されることができる。送達部材150は、望ましい解剖学的位置に設置されるインプラント102の能力を妨害しないであろう様式において事前に成形された可撓性または剛性シャフトであることができる。例えば、バルーン搭載場所のすぐ近位の部材150における曲率は、膀胱頸部からの拘束なく、インプラント102がより前方に設置されることを可能にし得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、成形されたバルーンまたは実質的に弾性のバルーンは、膀胱頸部と同一場所で膨張されることができる。図4Jは、バルーン152が膀胱頸部403で膨張される、例示的実施形態を描写する。ここでは、バルーン152は、膀胱402内に形成される、第1のローブ155と、尿道401内に形成される、第2のローブ156とを含む。本構成は、部材150を直接膀胱頸部403にわたって係留するために使用されることができる。
【0047】
(近位制御デバイスおよび関連方法の例示的実施形態)
図5Aは、インプラント102の展開に先立った送達システム100の例示的実施形態を描写する、側面図であり、図5Bは、インプラント102が展開構成にある、本実施形態を描写する、側面図である(アンカ送達部材150および遠位制御部材140は、示されない)。本実施形態では、近位制御デバイス200は、ハンドル201と、ユーザアクチュエータ202(本実施例では、トリガとして構成される)と、主要本体203とを有する、ハンドヘルドデバイスである。送達デバイス103の縦軸は、破線204によって示される。近位制御デバイス200は、アクチュエータ202の作動によって、デバイス103の構成要素の相対的運動を生じさせる、手動式機構を含むことができる。他の実施形態では、近位制御デバイス200は、代わりに、電動式機構を利用することができる。
【0048】
図6Aは、制御デバイス200の主要筐体203内の種々の機械的アセンブリまたはサブアセンブリを描写する、近位制御デバイス200の内部図である。本実施形態では、近位制御デバイス200は、インプラント102上で3つのタイプの運動、すなわち、軸204に沿ったインプラント102の遠位前進(例えば、押動)、軸204に沿ったインプラント102および/または内側シャフト130の近位後退(例えば、引動)、および軸204を中心とした内側シャフト130の回転(例えば、回転)を実施するように構成される。他の実施形態では、所望される送達機能に応じて、近位制御デバイス200は、前述のタイプの運動の1つまたは2つの任意のサブセットを実施する、これらのタイプの運動を実施するが、異なる構成要素上に付与させる、またはここに述べられていない他のタイプの運動を実施するように構成されることができる。
【0049】
本実施形態では、近位制御デバイス200は、本実施形態では、ヨークとして構成される、縦方向に平行移動可能な部材601を含む。ヨーク601は、トリガ202の凹部がヨーク601の近位縦方向平行移動を生じさせるように、トリガ202と結合される。ヨーク601は、本実施形態では、爪として構成される、2つの近位に位置するラチェット部材602および603と結合される。爪602は、爪603上の対応する歯に対向する、歯のセットを有し、各爪602および603の歯は、本明細書では、第1の歯車アセンブリ600の一部である、ピニオン歯車と称される、歯車605(図6B参照)上の相補的歯と界面接触または係合することができる。
【0050】
スイッチ604は、ユーザにアクセス可能であり、2つの位置間で偏移されることができ、各位置は、爪602および603の1つのみをピニオン歯車605と係合させることに関与する。爪602および603はそれぞれ、偏向可能であり、ピニオン歯車605との係合に向かって付勢される(例えば、ばねを用いて)。本実施形態では、下向き位置におけるスイッチ604の設置は、爪602をピニオン歯車605との係合から外れるように移動させ、爪603をピニオン歯車605と係合させるように移動させる。ヨーク601および爪603の近位移動は、ピニオン歯車605を反時計回りに回転させる。上向き位置におけるスイッチ604の設置は、係合を逆転させ、爪602をピニオン歯車605と係合するように設置させ、ヨーク601および爪602の近位移動は、ピニオン歯車605を時計回りに回転させる。
【0051】
本実施形態では、第1の歯車アセンブリ600は、ピニオン歯車605と、第2の歯車610と、第3の歯車612と、第4の歯車614とを含む。他の実施形態では、第1の歯車アセンブリ600は、本明細書に説明されるものより多いまたはより少ない歯車を用いて、同一または類似機能性を達成するように実装されることができる。
【0052】
ピニオン歯車605は、ピニオン歯車605と垂直に配向される、第2の歯車610と係合される。ピニオン歯車605は、歯車605の半径方向縁から突出する、歯を有する一方、第2の歯車610は、本明細書では、かさ歯車610と称される、歯車610の遠位面および近位面の両方から突出する、歯を有する。ピニオン歯車605の反時計回り回転は、第1の方向におけるかさ歯車610の回転を生じさせ、ピニオン歯車605の時計回り回転は、第2の反対方向におけるかさ歯車610の回転を生じさせるであろう。かさ歯車610の回転の方向は、ひいては、インプラント102が筐体203に対して近位に後退または遠位に前進されるかどうかを判定する。
【0053】
図6Bは、近位制御デバイス200の本実施形態の内部をより詳細に描写する、斜視図である。かさ歯車610上の近位に面する歯は、入力歯車と称される、歯車612上の歯と係合する。入力歯車612の歯は、歯車614の歯と係合される。歯車614は、グラスパシャフト138を格納または保持するように構成される、リール616と結合または統合される。図9A-9Bの実施形態から分かるように、リール616は、グラスパシャフト138が受容され得る、随意の溝またはチャネル617を含むことができる。リール616の回転は、回転方向に応じて、グラスパシャフト138をリール616上に巻回させる、またはリール616から巻回解除させる。リール616上へのグラスパシャフト138の巻回は、インプラント102の近位後退(例えば、内側シャフト管腔131の中に)に対応する一方、リール616からのグラスパシャフト138の巻回解除は、インプラント102の遠位前進(例えば、内側シャフト管腔131から)に対応する。図9A-9Bの実施形態では、チャネル617は、リール616の円周を中心として複数回延在する、螺旋チャネルである。図6Bに描写される実施形態では、チャネル617は、省略される。
【0054】
いくつかの実施形態では、入力歯車612は、間欠歯車として構成されることができ、1つ以上の歯は、入力歯車612の回転が別の歯車の対応する回転を常時生じさせないであろうように、存在しない。そのような入力歯車612の実施例は、図6Cの斜視図に描写される。ここに描写される斜視図から、入力歯車612は、歯車の半径方向縁の左側621に規則的間隔で離間される、歯620を有する。歯620はまた、歯が存在しない領域623を除き、歯車の半径方向縁の右側622上にも規則的間隔で存在する。平滑表面ハブ624が、本間欠領域623に隣接して存在する。入力歯車612の右側622は、リール歯車614と係合するように構成される。間欠領域623の設置は、ユーザによるトリガ202の連続押下(したがって、ピニオン歯車605、かさ歯車610、および入力歯車612の連続回転)がリール歯車614の連続回転に変換されないように事前に判定される。代わりに、リール歯車614は、歯620を有する入力歯車612の部分と係合される時のみ旋回され、間欠領域623がリール歯車614を横断している間、旋回されないであろう。間欠領域623の設置は、グラスパシャフト138の縦方向平行移動(例えば、遠位および/または近位)における一時停止を可能にする。間欠領域623は、送達シーケンスのある部分の間のみに縦方向平行移動が生じるように、具体的に設置される。
【0055】
本実施形態では、下向き位置におけるスイッチ604の設置は、ユーザによるトリガ202の押下をインプラント102の押動に変換する一方、上向き位置におけるスイッチ604の設置は、ユーザによるトリガ202の押下をインプラント102および/または内側シャフト130の引動に変換する。他の実施形態では、これらのスイッチ位置は、逆転され、反対の運動を生じさせることができる。
【0056】
図7Aは、近位制御デバイス200のカムアセンブリ702を描写する、上下図である。カムアセンブリ702は、外側スロット付き管またはカム703と、内側スロット付き管704と、ガイド部材706とを含む。カムアセンブリは、ヨーク601内に位置付けられることができる。図7Bは、カム703の本実施形態を描写する、斜視図である。カム703は、かさ歯車610の回転がまたカム703を回転させるように、かさ歯車610と結合される。内側スロット付き管704は、カム703が回転するときに回転しないように、近位制御デバイス200内に搭載される。ガイド部材706は、カム703内のスロット710および内側管704内のスロット714の両方内に位置し、それに追随する、アームまたは支柱部材として構成されることができる。ガイド部材706は、内側スロット付き管704内に位置する、ハブ802(図8)と結合され、ひいては、内側シャフト130と結合される。かさ歯車610の回転は、カム703の回転を生じさせ、これは、ひいては、ガイド部材706をカム703内のスロット710の経路または配索に追随させる。ガイド部材706は、回転不可能である、内側管704内のスロット714を通して延在するため、カム703の回転は、ガイド部材706を、半径方向ではなく、縦方向のみに移動させる。
【0057】
スロット710は、1つ以上の傾斜スロット部分および/または1つ以上の半径方向スロット部分を有することができる。ここに描写される実施形態では、スロット710は、複数の傾斜部分(例えば、スロット部分717a、717b、および717c)と、複数の半径方向部分(例えば、スロット部分719a、719b、719c、および719d)とを有する。他の形状も同様に、使用され、ともに連結され、所望の経路を形成することができる。傾斜スロット部分717は、一定または可変傾きを有することができ、いくつかの実施形態では、これらの傾斜スロット部分は、傾きが正から負に(「V」のように)逆転するように変動し得る。
【0058】
傾斜スロット部分717は、回転の間、ガイド部材706を縦軸204に沿って移動させる、非垂直および非平行角度(縦軸204に対して)を伴う、カム703内の開口部または溝であることができる。半径方向スロット部分719は、大部分の実施形態では、カム703の回転が、半径方向スロット部分719をガイド部材706に対して移動させる一方、ガイド部材706が、縦方向(近位または遠位)に移動しないように、縦軸204と平行である。半径方向スロット部分719は、送達シーケンスの一時停止に対応し、トリガ202は、押下され続け、送達デバイス103の他の構成要素は、移動するが、内側シャフト130は、同一相対的位置に留まる。
【0059】
図7Aでは、ガイド部材706は、半径方向スロット部分719a(図7B)内の最遠位端に位置する。内側シャフト130の後退のために、カム703は、反時計回り方向720に回転される。カム703が、半径方向スロット部分719aをガイド部材706を越えて回転させる間、内側シャフト130の縦方向移動は、存在しない。ガイド部材706が、傾斜スロット部分717aに到達すると、内側シャフト130とともに近位に後退し始める。本プロセスは、ガイド部材706が半径方向スロット部分719(例えば、シャフト130後退における一時停止)および傾斜スロット部分717(例えば、シャフト130の後退)の連続を通して移動するにつれて繰り返される。いくつかの実施形態では、ガイド部材706は、外側シャフト120と選択的に結合され、その構成要素の縦方向移動を生じさせることができる。例えば、内側シャフト130を近位に後退させると、外側シャフト120も同様に、近位に後退され、例えば、医師が、展開プロセスを継続して撮像することを可能にすることができる。本明細書に説明される実施形態と併用され得る、カムアセンブリを利用する類似実施形態は、組み込まれる国際公開第WO2017/184887号に説明される。
【0060】
近位制御デバイス200はまた、内側管腔131内からのインプラント102の押出の間、内側シャフト130を遠位制御部材140に対して回転させるように構成されることができる。図8は、かさ歯車610の回転を、ひいては、内側シャフト130と結合される、ハブ707の回転に変換するように構成される、第2の歯車アセンブリ800の例示的実施形態を描写する、側面図である。歯車アセンブリ800は、カムアセンブリ702の遠位に位置する(図6Aおよび7A参照)。歯車アセンブリ800は、カム703の回転が歯車802の回転を生じさせるように、カム703と結合される、第1の歯車802を含むことができる。本実施形態では、歯車802は第1の半径方向内向きに突出する歯のセット804と、間欠領域806とを伴う、環状またはリング状形状を有する。歯車802は、歯804と異なる平面に位置する間欠領域を伴う、第2の半径方向内向きに突出する歯のセット(図示せず)を有することができる。
【0061】
歯車アセンブリ800はまた、並進歯車810、812、および814を含むことができ、これは、遊星歯車とも称され得、これは、歯車802の回転を中心に位置する歯車816に伝達させる。本実施例では、第1の歯のセット804は、歯車810と係合し、これは、ひいては、中心歯車816と係合し、第1の方向に回転させる。中心歯車816は、ハブ707が、回転方向に固着されるが、縦方向に自由に摺動する、開口を有する。したがって、歯車802の回転は、ハブ707の回転に変換され、これは、ひいては、内側シャフト130を回転させる。歯車802(図示せず)の第2の歯のセットは、歯車812と係合し、これは、ひいては、歯車814と係合され、これは、ひいては、中心歯車816と係合され、反対方向における中心歯車816の回転を生じさせる。種々の平面における第1および第2の歯のセットならびに間欠領域の位置に応じて、1つの方向における環状歯車802の一定回転は、同一方向における、反対方向における、中心歯車816のタイミングが図られた回転、または中心歯車816の完全無回転に変換されることができる。
【0062】
3つの段階の送達シーケンスが、インプラント102の対応する特徴に関して説明されることができる。各リング形状の構造111および相互接続部112は、グラスパ136による押動を受ける。いくつかの実施形態では、インプラント102も同様に、グラスパ136によって回転されることができる。いくつかの実施形態では、インプラント送達における、グラスパ136によって進行された(リール616によって提供された)総縦方向押動距離は、インプラント102の実施形態の全てのリング形状の構造111の加算円周にほぼ匹敵する。押動および回転の組み合わせられた移動は、尿道前立腺部上に付与される側方力にもかかわらず、インプラント102のリング形状の構造111が、平面に定置され、空洞を開放させるために十分な半径方向力を提供することを確実にすることができる。インプラント102の各相互接続部112は、ハブおよびカムによる引動段階(回転を伴わない)を受ける。したがって、カムの内側のハブによって進行される総軸方向引動距離は、インプラント102の総縦方向長さとほぼ匹敵する。引動段階および押動/回転段階は、送達シーケンスの間、同時に生じることはない。すなわち、それらは、相互に排他的である。
【0063】
近位制御デバイス200は、リング形状の構造111の全てが、内側管腔131から展開された後、但し、管腔131内からの近位係合特徴115および陥凹139の前進に先立って、インプラント102のさらなる展開が自動的に防止されるように構成されることができる。これは、医師に、インプラント102を送達デバイス103から解放することに先立って、インプラント102が適切に展開および設置されたことを検証する機会を提供する。
【0064】
図9A-9Fは、インプラント102の早期解放を防止するためのロックまたは係止機構900を伴う、近位制御デバイス200の例示的実施形態を描写する、内部斜視図である。係止機構900は、図9A-9Bに示されるように、かさ歯車610の近位に面する表面内の溝またはチャネル902と界面接触する。縦方向に、側方に、および半径方向内向きに移動可能な追跡機構904は、突起905を伴う、ヘッド部分を有し、突起905が、溝902の中に押入され、それを追跡するように、遠位に付勢される。かさ歯車610が、ピニオン歯車605(図示せず)によって回転されるにつれて、追跡機構904は、渦巻溝902に追随し、半径方向内向きに移動する。本移動は、インプラント102がほぼ完全に展開されるまで継続するが、近位係合部材115が、依然として、グラスパ136によって内側管腔131内に保定されている。本時点で、突起905は、溝902(例えば、空洞)の比較的により深い部分906に進入し、これは、追跡機構904を固着して捕捉する。かさ歯車610のさらなる回転は、追跡機構904を側方に移動させる、または図9C-9Dに描写される位置まで半円弧に転回させ、追跡機構904のアーム907は、固定された本体915によって、さらなる側方運動から防止される。かさ歯車610のさらなる回転は、防止され、これは、ひいては、全ての歯車の回転を防止し、ユーザがトリガ202を継続して引動しないように防止する。
【0065】
医師が、インプラント102の設置に満足すると、筐体203の外側でユーザにアクセス可能な係止解除アクチュエータまたはタブ910が、近位に引動される。係止解除タブ910は、直接または間接的に、図2Cおよび2Dに関して説明されるように、リテーナ142を解放することに関与する、制御ワイヤ146に結合される。したがって、係止解除タブ910の近位移動は、リテーナ142を近位に移動させ、送達デバイス103からのインプラント102の遠位係合部材114の解放を可能にする。係止解除タブ910はまた、タブ910の近位後退が突起905を溝902内から抜去するように、追跡機構904と結合されることができる。本作用は、デバイス200を係止解除し、ユーザは、トリガ202の押下を自由に継続し、これは、ひいては、リール616を前方に給送し、グラスパシャフト138をさらに巻回解除させ、インプラント102の近位係合部材115および陥凹139をシャフト130の内側管腔131から退出させる。本段階において、インプラント102の遠位係合部材114および近位係合部材115の両方は、暴露され、インプラント102は、デバイス103から自由に係脱するまたは解放される。
【0066】
近位制御デバイス200は、遠位制御部材140を送達デバイス103の他の構成要素に対して回転させ、遠位制御デバイス140からの遠位係合部材114の除去を促進するように構成されることができる。図9Eに描写される実施形態では、第2のカム940は、本体941内で回転可能である。遠位制御部材140(図示せず)は、カム940の回転が遠位制御部材140の回転を生じさせるように、カム940に固着される(例えば、位置決めねじを用いて)。カム940は、それぞれ、本体941に固定され、カム940の両側に位置する、2つの剛性部材(例えば、ピン)946aおよび946bと接触する、2つの傾斜表面944aおよび944bを有する。カム940は、回転可能であるが、本体941に対して縦方向に固定される。係止解除タブ910の引動は、本体941および部材946aおよび946bを近位に移動させる。カム940は、近位に移動することができず、したがって、傾斜表面944上の部材946の接触は、カム940を回転させ、これは、ひいては、遠位制御部材140を回転させる。したがって、タブ910の後退は、リテーナ142を解放し、遠位制御部材140を回転させ、これは、インプラント102の遠位係合部材114を露出させる(インプラント102は、ここで、尿道と接触して拡張される)。回転は、部材140の陥凹143からの遠位係合部材114の抜去を補助し、完全な係脱を確実にすることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、遠位制御部材140は、事前に設定された屈曲(図示せず)をリテーナ142の近位に有する。遠位制御部材140は、遠位係合部材114に取り付けられると(例えば、図2B、2G、および2Hに描写されるように)、本事前に設定された屈曲形状から変形され、したがって、本事前に設定された屈曲形状に戻るように付勢され、これはまた、インプラント102からの部材140の係脱を補助することができる(デバイス200が部材140を回転させる実施形態の代わりに、またはそれに加えてのいずれか)。
【0068】
停止表面912が、固定された本体915上の別の停止表面914と反対の追跡機構904上に存在する。図9Bに示される追跡機構904の位置では、これらの対向停止表面912および914は、本体915が静的位置に保持される(例えば、筐体203によって)別個の構成要素であるため、係止解除タブ910が近位に後退されないように防止する。例えば、半円弧における、追跡機構904の側方移動は、停止表面912が、図9Dに示されるように、中断し、停止表面914を通過するまで継続する。本特徴は、インプラント102が十分に展開される前に、係止解除タブ910を近位に後退させることによって、インプラント102の早期係止解除を防止する。
【0069】
近位制御デバイス200はまた、患者からの部分的に展開されたインプラント102の除去を可能にする、緊急解放機構を含むことができる。係止解除タブ910は、偏向可能アーム920の切り欠きを追跡機構904の基部上の戻り止め922から係脱させることによって、追跡機構904から結合解除されることができる。他の実施形態では、切り欠きおよび戻り止め特徴は、逆転されることができる。傾き付き表面925を有する、緊急解放ボタン924は、アーム920の真下に位置付けられる(図9A-9B参照)。例えば、解放ボタン924を押動させることによる、作動は、傾き付き表面925に、図9Eに描写されるように、アーム920を上向きに偏向させ、切り欠きを戻り止め922から結合解除させる。本状態では、係止解除タブ910は、追跡機構904から結合解除され、停止表面912および914が対向位置にある間でも、近位に自由に後退される。係止解除タブ910の近位後退は、制御ワイヤ146を後退させ、インプラント102の遠位係合部材114を遠位制御部材140から解放する。本時点で、部分的に展開されたインプラント102は、依然として、グラスパ136に取り付けられており、これは、外側シャフト120の中に近位に後退され、次いで、患者から完全に除去されることができる。
【0070】
(送達方法の例示的実施形態)
図10Aは、システム100を使用して、インプラント102を送達する方法1000の例示的実施形態を描写するフロー図である。外側シャフト120の遠位端領域は、好ましくは、いずれの部分も外側シャフト120の開放遠位端から延在しないように、外側シャフト120内に完全に含有される後退状態において、内側シャフト130、遠位制御部材140、およびアンカ送達部材150とともに、尿道の中に挿入される。尿道の中への前進後、ステップ1002では、アンカ送達部材150が、送達デバイス103の残り(例えば、部材120、130、および140)に対して遠位に前進され、アンカ152を膀胱内に展開するために使用される。いくつかの実施形態では、アンカ152の展開は、注射(例えば、ルアーテーパ)ポートを通した膨張媒体の導入によって、1つ以上のバルーンの膨張であることができる(例えば、図2Bおよび4H-4Jに描写されるように)。図6Aは、バルーン膨張のための管類650を描写する。他の実施形態では、アンカ152の展開は、それらが膀胱壁に対向する位置に偏向するようなアンカ送達部材150からの1つ以上のワイヤ形態部材の前進であることができる(例えば、図4A-4G)。アンカ送達部材150および/または任意のワイヤ形態部材の縦方向位置付け(例えば、前進および後退)は、直接または近位制御デバイス200を用いてのいずれかにおいて、ユーザがアンカ送達部材150および/または任意のワイヤ形態部材の近位端を手動で操作することによって遂行されることができる。
【0071】
ステップ1004では、アンカ152は、デバイス200上に近位に指向される力の付与によって、膀胱壁に対して保持されることができる。アンカ152は、したがって、システム100がそこからインプラント102を正確な場所に展開するための縦座標を提供することができる。本特徴は、インプラントが膀胱頸部に近すぎるように設置されないことを確実にすることができる。
【0072】
1006では、遠位制御部材140および内側シャフト130は、次いで、それらがまだ前進されていない(例えば、ステップ1006がステップ1002および/または1004に先立って生じ得る)場合、外側シャフト120内から遠位に前進されることができる。ユーザは、インプラント102が所望の位置に来るまで、撮像を用いて(本明細書に説明されるように)、近位制御デバイス200の位置を操作することができる。いったんインプラント102が所望の位置に来ると、インプラント展開手技が、開始することができる。インプラント展開のためのステップは、近位制御デバイス200のユーザ作動(例えば、トリガ202の作動、スイッチ604に関する位置の選択等)によって、自動的に実施されることができる、またはステップは、直接、送達デバイス103の各構成要素の手動操作によって、もしくは特定の実装のために、所望に応じて、2つの組み合わせによって、実施されることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、管腔131内からのインプラント102の展開は、(1)内側シャフト130が移動されないまま、グラスパ136を内側シャフト130に対して遠位に前進させることによって、完全に遂行される一方、他の実施形態では、内側管腔131内からのインプラント102の展開は、(2)グラスパ136が移動されないまま、内側シャフト130をグラスパ136に対して近位に後退させることによって、完全に遂行される。いくつかの実施形態では、インプラント102の展開は、(3)両方の移動の組み合わせによって、完全に遂行される。さらに他の実施形態では、インプラント102の展開は、(1)、(2)、または(3)と組み合わせて、1つ以上の方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)における遠位制御部材140に対する内側シャフト130の1つ以上の回転によって、完全に遂行される。
【0074】
インプラント102を展開するためのステップ1008、1010、および1012のシーケンスの例示的実施形態は、図10Aおよび図10Bのタイミング図を参照して説明される。最初に、図10Aを参照すると、ステップ1008では、第1のリング形状の構造111aが、内側シャフト130の管腔131から退出させられ、ステップ1010では、相互接続部112が、管腔131から退出させられ、ステップ1012では、第2のリング形状の構造111bが、管腔131から退出させられる。ステップ1010および1012は、インプラント102上に存在する付加的相互接続部112およびリング形状の構造111毎に、繰り返されることができる。
【0075】
図10Bでは、ステップ1008は、T0におけるタイミング図の最左から開始する。リング形状の構造111aの展開は、1008とマークされた時間の持続時間に対応し、相互接続部123の展開は、時間帯1010に対応し、リング形状の構造111bの展開は、時間帯1012に対応する。当業者は、リング形状の構造111の展開と相互接続部112の展開との間の区別が、インプラント102のそれらの部分間の遷移が、段階的であり得、精密な分界を有する必要がないため、近似することを認識するであろう。
【0076】
図10Bに関して説明される実施形態は、反対巻回方向(例えば、時計回り、次いで、反時計回り、次いで、時計回り等)を有するリング形状の構造111を伴う、インプラントのためのものである。3つの異なる運動は、図10Bに示される。上部は、1つの方向(例えば、時計回り)における内側シャフト130の回転運動であり、中央は、送達デバイス103の1つ以上の構成要素の縦方向運動(例えば、近位または遠位)であり、底部は、上部に示されるものと反対方向(例えば、反時計回り)における内側シャフト130の回転運動である。インプラント102のリング形状の構造111が全て同一の1つの方向に巻回される、実施形態では、内側シャフト130の回転もまた、1つのみの方向であろう。
【0077】
時間T0からT1まで、インプラント102の展開が、領域1031に示されるように、内側シャフト130を回転させることによって遂行される。同時に、領域1032では、グラスパ136、したがって、インプラント102が、外側シャフト120を縦方向(遠位にまたは近位のいずれにも)または回転方向に移動させずに、また、内側シャフト130(遠位にまたは近位のいずれにも)を縦方向に移動させずに、遠位に前進される。一例として、近位制御デバイス200内では、内側シャフト130および外側シャフト120の両方の対応する縦方向移動を伴わずに、内側シャフト130の回転移動が、ピニオン歯車605およびかさ歯車610の回転に変換される(ヨークおよび爪を通して)、ユーザによるトリガ202の押下によって遂行される。かさ歯車610の回転はまた、ガイド部材706が半径方向スロット部分(例えば、719a)内にある間、カムアセンブリ702のカム703(図7A-7B)を回転させ、したがって、シャフト120および130のいずれも、縦方向に移動しない。カム703の回転はまた、第2の歯車アセンブリ800(図8)に内側シャフト130を回転させる。グラスパ136の前進は、入力歯車612を回転させるかさ歯車610によって生じ、これは、ひいては、リール歯車614(図6A-6B)を回転させ、リール616を回転させ、グラスパシャフト138を遠位に巻回解除させる。
【0078】
時間T1からT2まで、内側シャフト130の回転は、停止されるが、グラスパ136の遠位前進は、継続する一方、シャフト120および130は、縦方向に移動しない。一例として、近位制御デバイス200内では、ユーザによるトリガ202の押下が、継続し、カム703が、ガイド部材706を半径方向スロット部分(例えば、719a)内に伴ったまま回転し続ける。カム703の回転は、第2の歯車アセンブリ800の環状歯車802を回転させ続けるが、本時点で、環状歯車802の間欠部分(歯を伴わない)に到達し、遊星歯車810、812、および814のいずれも、回転されず、したがって、中心歯車816および内側シャフト130の回転は、停止される。本実施形態では、第1のリング形状の構造111aの展開は、時間T2において完了する。
【0079】
時間T2からT4まで、第1の相互接続部112の展開が、生じる。領域1033では、時間T2からT4まで、グラスパ136(およびインプラント102)の遠位前進は、生じない。相互接続部112の展開は、グラスパ136を定位置に保持しながら、外側シャフト120および内側シャフト130の両方の近位後退によって遂行される。これは、相互接続部112をシャフト130の内側管腔131から退出させる。一例として、近位制御デバイス200では、ユーザによるトリガ202の押下が、継続し、かさ歯車610が、カム703および入力歯車612の両方と同様に回転し続ける。入力歯車612内の間欠部分623に到達し、入力歯車612の回転は、もはやリール歯車614の回転を生じさせず、したがって、グラスパシャフト138の遠位前進は、停止される。カムアセンブリ702内では、ガイド部材706は、半径方向スロット部分(例えば、719a)から傾斜スロット部分(例えば、717a)に遷移し、カム703の回転は、ガイド部材706を近位に移動させる。ガイド部材706がシャフト120および130と結合されると、これらのシャフト120および130もまた、近位に移動する。
【0080】
内側シャフト130の回転に関して、時間T2からT3まで、内側シャフト130の回転は、生じない。近位制御デバイス200内では、環状歯車802の間欠部分が、継続し、中心歯車816によるシャフト130の回転は存在しない。
【0081】
相互接続部112が直線である、実施形態では、相互接続部112が時間T2からT4までに展開される間、シャフト130が回転しないように防ぐことが望ましくあり得る。図1B-1Dの実施形態等、相互接続部112が湾曲される、実施形態では、相互接続部展開の間、内側シャフト130の回転を開始することが望ましくあり得る。図10Bは、湾曲相互接続部112のための展開を描写し、T3からT4まで、内側シャフト130は、領域1034によって示されるように、反対方向に回転される。一例として、近位制御デバイス200内では、ユーザによるトリガ202の押下が、継続し、本運動は、反対方向における中心歯車816の運動に関与する遊星歯車と係合する歯を伴う領域を有する、環状歯車802に伝達される。反対方向における中心歯車816の回転が、したがって、開始し、内側シャフト130も同様に、時間T0からT1のものと反対方向に回転され、これは、相互接続部112の展開を促進し、反対に巻回された第2のリング形状の構造111bに適切な方向における内側シャフトの回転を開始する。
【0082】
T4では、相互接続部112の展開は、完了し、第2のリング形状の構造111bの展開が、開始する。シャフト120および130の近位後退は、領域1033の中段によって示されるように、停止される。グラスパシャフト138の遠位前進は、T4において、領域1035内で再開される一方、外側シャフト120は、回転方向または縦方向に移動されない。内側シャフト130の回転は、領域1034に示されるように、継続するが、内側シャフト130は、縦方向に移動されない。一例として、近位制御デバイス200内では、ユーザは、トリガ202を押下し続ける。カム703の回転は、継続するが、ガイド部材706は、第2の半径方向スロット部分(例えば、719b)に到達し、ガイド部材706の近位移動は、停止する(シャフト120および130の後退と同様に)。中心歯車816の回転は、継続する。入力歯車612の間欠部分623は、中断し、歯620は、リール歯車614と再係合し、リール歯車614およびリール616の両方の回転を再び開始させ、したがって、グラスパシャフト138の遠位前進も同様に開始する。
【0083】
これらの運動は、時間T5まで継続し、本時点で、内側シャフト130の回転は、停止される。近位制御デバイス200内では、環状歯車802の間欠部分に到達し、歯車802は、遊星歯車から係脱し、中心歯車816の回転は、停止される。ユーザによるトリガ202の押下は、時間T5からT6まで継続し、構成要素は、時間T1からT2まで説明されたような類似運動を伴って動作する。別の相互接続部112およびリング形状の構造111が存在する場合、時間T6において開始するシーケンスは、時間T2において開始されるように説明されたものと同一であり、時間T6まで継続し得る。本プロセスは、インプラント102の全てのリング形状の構造111が、展開されるまで、必要に応じて繰り返される。いくつかの実施形態では、トリガ202のさらなる押下は、係止機構900(図9A-9B)によって停止され、近位係合部分115の早期展開および解放を防止することができる。
【0084】
本明細書に説明される多くの実施形態では、リング形状の構造111の全ての展開が、トリガ202の単一連続押下を用いて生じることができる。これらの実施形態の全てでは、近位制御デバイス200は、代わりに、トリガ202の繰り返される引動がインプラント102のリング形状の構造111の全てを展開するために要求されるように構成されることができる。
【0085】
展開の間、例えば、時間T0後、最近位リング形状の構造112の展開が完了されるまでに、医師が、インプラント102を再捕捉することを所望する場合、トリガ202の押下は、停止されることができる。トリガ202は、最外位置に戻るようにばね荷重または別様に付勢されることができる。医師は、スイッチ604を展開に対応する位置から再捕捉に対応する異なる位置に調節することができる。スイッチ604の本調節は、爪603を係脱させ、爪602に係合するであろう。医師は、再び、トリガ202を押下することができ、そのような押下は、かさ歯車610の逆運動に変換され、これは、ひいては、第1の歯車アセンブリ600、カム703、および第2の歯車アセンブリ800の残りの逆運動に変換されるであろう。例えば、スイッチ604が、時間T0とT6との間の任意の時間で調節される場合、トリガ202の次の押下は、イベントのシーケンスを図10Bにおける右から左に逆転させるであろう。これらの運動は、単に、すでに説明されたものの逆転であるため、それらは、ここでは繰り返されないであろう。
【0086】
医師が、展開に満足する場合、1014において、インプラント102の遠位係合部分114および近位係合部分115は、それぞれ、遠位制御部材140およびグラスパ136から解放されることができる。一例として、近位制御デバイス200では、医師は、タブ910を引動させ、トリガ202が最後まで押下されることを可能にすることができ、これは、ひいては、グラスパ136の遠位前進、シャフト120および130の近位後退、または両方のいずれかによって、インプラント102の近位係合部分115を展開することができる。タブ910は、制御ワイヤ146と結合されることができ、タブ910の引動は、ワイヤ146を引動させ、リテーナ142を遠位係合部分114から除去することができる。
【0087】
アンカ152が、次いで、再捕捉され(例えば、バルーンの収縮またはワイヤ形態部材の後退)、所望に応じて、アンカ送達部材150の中に抜去される。アンカ送達部材150、遠位制御部材140、および内側シャフト130は、外側シャフト120の中に後退され、次いで、尿道から抜去されることができる。
【0088】
本明細書に説明される実施形態は、図を明示的に参照せずに、以下の段落において、言い換えられ、発展される。多くの例示的実施形態では、埋込可能デバイスを送達するためのシステムが、提供され、本システムは、外側管状部材と、第1の内側管腔および第2の内側管腔を有する、内側管状部材であって、内側管状部材は、外側管状部材内で摺動可能であり、第1の内側管腔は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成される、伸長グラスパ部材を格納するように適合される、内側管状部材と、第2の内側管腔内で摺動可能な遠位制御部材であって、インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成される、リテーナを含む、遠位制御部材とを含む、送達デバイスを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、インプラントは、尿道前立腺部を少なくとも部分的に開放状態に維持するように構成される。いくつかの実施形態では、インプラントは、第1および第2のリング形状の構造と、第1および第2のリング形状の構造との間に延在する、相互接続部とを含む、本体を有する。インプラントの本体は、単一ワイヤのみであることができる。インプラントは、リテーナと解放可能に結合するように構成される、遠位係合部材および/または伸長グラスパ部材と解放可能に結合するように構成される、近位係合部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延在する、ワイヤ状遠位係合部材および/またはワイヤ状近位係合部材を含む。いくつかの実施形態では、第1のリング形状の構造は、インプラントの最遠位のリング形状の構造であり、第2のリング形状の構造より比較的に小さい幅を有することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、内側管状部材は、遠位制御部材に対して摺動可能および回転可能である一方、リテーナは、インプラントの遠位部分と解放可能に結合される。本システムはさらに、リテーナと結合され、リテーナからのインプラントの遠位部分の解放を可能にするためにユーザによって操作可能な近位端を有する、伸長部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、リテーナは、管状であり、遠位制御部材に沿って摺動するように適合される。遠位制御部材は、インプラントの遠位部分を受容するように適合される、陥凹を含むことができ、リテーナは、陥凹を露出するために移動可能であることができる一方、インプラントの遠位部分は、陥凹内に受容される。いくつかの実施形態では、リテーナは、それを通してインプラントが通過し得る、スロットを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本システムは、伸長アンカ部材を含む。伸長アンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成される、アンカを含むことができる。アンカは、膨張可能バルーンまたは複数の膨張可能バルーンであることができる。いくつかの実施形態では、伸長アンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成される部分を有する、ワイヤ形態部材を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、伸長グラスパ部材は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成される、陥凹を含む。いくつかの実施形態では、システムは、陥凹が第1の内側管腔によって拘束解除されると、インプラントの近位部分が伸長グラスパ部材の陥凹から自由に解放するように構成される。
【0093】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、含まれ、送達デバイスの近位端領域と結合される。近位制御デバイスは、送達デバイスからのインプラントの展開を制御するためにユーザによって操作可能であることができる。いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、筐体を含み、伸長グラスパ部材を筐体および内側管状部材に対して遠位に前進させるように構成される、および/または内側管状部材を筐体および遠位制御部材に対して近位に後退および回転させるように構成される、および/または外側管状部材を筐体に対して近位に後退させるように構成される。
【0094】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータと、ユーザアクチュエータと結合される、第1の歯車アセンブリと、第1の歯車アセンブリと結合される、カムアセンブリと、カムアセンブリと結合される、第2の歯車アセンブリとを含む。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、伸長グラスパ部材の縦方向移動を制御するように構成され、カムアセンブリは、内側管状部材の縦方向移動を制御するように構成され、および/または第2の歯車アセンブリは、内側管状部材の回転を制御するように構成される。
【0095】
多くの実施形態では、埋込可能デバイスを送達するためのシステムが、提供され、本システムは、内側管腔を有する、第1の伸長部材と、内側管腔内を摺動可能であり、インプラントの近位部分を保持するように構成される、伸長グラスパ部材と、インプラントの遠位部分を保持するように構成される、遠位制御部材と、送達デバイスの近位端領域と結合される、近位制御デバイスであって、ユーザアクチュエータと、筐体とを含む、近位制御デバイスとを含む、送達デバイスを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、第1の歯車アセンブリを筐体内に含み、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータの移動を第1の歯車アセンブリ内の移動に変換するように構成される。いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、第1の方向における第1の歯車アセンブリの移動と第2の方向における第1の歯車アセンブリの移動との間で選択する、スイッチを含む。いくつかの実施形態では、ユーザアクチュエータは、第1の爪および第2の爪と結合される、ヨークと結合される。スイッチは、第1の爪または第2の爪のいずれかをピニオン歯車と選択的に係合させることができる。近位制御デバイスは、ピニオン歯車の回転がかさ歯車の回転を生じさせるように構成されることができる。近位制御デバイスは、かさ歯車の回転が伸長グラスパ部材と結合されるリールの回転を生じさせるように構成されることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、かさ歯車と係合される、入力歯車と、入力歯車と係合される、リール歯車であって、リールと結合または統合される、リール歯車とを含む。いくつかの実施形態では、入力歯車は、間欠歯車であり、入力歯車によるリール歯車の回転は、リールの回転および伸長グラスパ部材の縦方向移動を生じさせる。いくつかの実施形態では、第1の方向における第1の歯車アセンブリの移動は、伸長グラスパ部材の遠位移動を生じさせ、第2の方向における第1の歯車アセンブリの移動は、伸長グラスパ部材の近位移動を生じさせる。
【0098】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、カムアセンブリを筐体内に含み、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータの移動をカムアセンブリ内の移動に変換するように構成される。カムアセンブリは、第1の伸長部材と結合されることができ、第1の伸長部材を筐体に対して近位に移動させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、カムアセンブリは、スロットを有する、回転可能カムを含み、第1の伸長部材は、スロット内に受容される、ガイド部材と結合される。いくつかの実施形態では、スロットは、傾斜スロット部分と、半径方向スロット部分とを含む。カムアセンブリは、縦方向スロットを有する内側管を含むことができ、ガイド部材が縦方向スロット内に受容される。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、第1の歯車アセンブリ内の別の歯車の歯と係合する第1の歯のセットを有する、かさ歯車を含み、かさ歯車は、かさ歯車の移動がカムアセンブリ内の移動を生じさせるように、カムアセンブリと結合される。
【0100】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、第2の歯車アセンブリを含み、カムアセンブリ内の移動は、第2の歯車アセンブリ内の移動を生じさせることができる。第2の歯車アセンブリは、第1の伸長部材と結合されることができ、第1の伸長部材を筐体に対して回転させるように構成されることができる。第2の歯車アセンブリは、中心歯車の回転が第1の伸長部材の回転を生じさせるように、第1の伸長部材を受容するように構成される開口を有する、中心歯車を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の歯車アセンブリは、カムアセンブリと結合され、遊星歯車アセンブリを経由して中心歯車と結合される、環状歯車を含む。環状歯車は、第1の方向における環状歯車の回転が中心歯車の第1の指向性回転を生じさせ、第2の方向における環状歯車の回転が中心歯車の第2の指向性回転を生じさせるように、遊星歯車アセンブリに係合することができ、中心歯車の第1の指向性回転が第2の指向性回転と反対である。
【0101】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、伸長グラスパ部材によって保持されるインプラントの近位部分が内側管腔から退出しないように防止する、解放可能係止機構を含む。いくつかの実施形態では、係止機構は、第1の歯車アセンブリのかさ歯車内の溝と界面接触する、移動可能な追跡機構を含み、近位制御デバイスは、インプラントが内側管腔から退出するにつれて、かさ歯車の移動が追跡機構を移動させるように構成される。近位制御デバイスは、追跡機構が、インプラントの近位部分が内側管腔から退出することに先立って、さらなる運動を防止されるように構成されることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、ユーザによって作動されるように構成される、解放構造を含み、解放構造は、追跡機構をかさ歯車から係脱し、インプラントの近位部分が内側管腔から退出することを可能にするように構成される。解放構造は、プルタブであることができ、伸長グラスパ部材と結合されることができる。
【0103】
多くの実施形態では、インプラントを送達する方法が、提供され、送達デバイスを患者の体腔内で前進させることであって、送達デバイスは、インプラントを格納する、第1の管状部材筐体と、第1の管状部材内で摺動可能であり、インプラントの遠位部分と解放可能に結合される、遠位制御部材と、第1の管状部材内で摺動可能であり、インプラントの近位部分と解放可能に結合される、伸長グラスパ部材とを含む、ことと、相対的運動を伸長グラスパ部材と第1の管状部材との間に生じさせ、インプラントの少なくとも一部を第1の管状部材内から暴露させることと、インプラントの遠位部分を遠位制御部材から、およびインプラントの近位部分を伸長グラスパ部材から解放することとを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、体腔は、ヒトの尿道前立腺部である。いくつかの実施形態では、遠位部分および近位部分の解放に応じて、インプラントは、尿道前立腺部を少なくとも部分的に開放状態に維持するように適合される状態において、送達デバイスから解放される。
【0105】
いくつかの実施形態では、インプラントは、第1および第2のリング形状の構造と、第1および第2のリング形状の構造間に延在する、相互接続部を含む、本体を有し、相対的運動を生じさせることは、伸長グラスパ部材を遠位に前進させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の管状部材からの第1のリング形状の構造の暴露の間、第1の管状部材を遠位制御部材に対して第1の方向に回転させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の管状部材からの第2のリング形状の構造の暴露の間、第1の管状部材を遠位制御部材に対して第2の方向に回転させることを含み、第2の方向は、第1の方向と反対である。第1および第2の方向における第1の管状部材の回転は、遠位制御部材がインプラントの遠位部分と解放可能に結合されている間に生じることができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の管状部材を伸長グラスパ部材および遠位制御部材に対して近位に後退させ、相互接続部を第1の管状部材から暴露させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の管状部材を回転させながら、第1の管状部材を近位に後退させることを含む。これらの実施形態では、相互接続部は、湾曲されることができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、リテーナが、インプラントの遠位部分を遠位制御部材に結合し、本方法は、リテーナを解放し、インプラントの遠位部分を遠位制御部材から解放することを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、インプラントの近位部分を第1の管状部材内から暴露させ、インプラントの近位部分を伸長グラスパ部材から解放することを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、相対的運動を伸長グラスパ部材と第1の管状部材との間で生じさせる前に、送達デバイスを膀胱の壁に対して係留することを含む。いくつかの実施形態では、送達デバイスを係留することは、バルーンを膀胱内で膨張させることを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスが、送達デバイスの近位端領域と結合され、本方法は、ユーザによって近位制御デバイスのユーザアクチュエータを移動させることを含み、ユーザアクチュエータを移動させることは、近位制御デバイスの第1の歯車アセンブリ内の運動を生じさせる。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、伸長グラスパ部材を第1の管状部材に対して遠位に前進させる。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、カムアセンブリおよび第2の歯車アセンブリ内の移動を生じさせる。いくつかの実施形態では、カムアセンブリ内の移動は、遠位制御部材に対して第1の管状部材の断続後退を生じさせる。いくつかの実施形態では、第2の歯車アセンブリ内の移動は、遠位制御部材に対して第1の管状部材の断続回転を生じさせる。
【0111】
いくつかの実施形態では、ユーザアクチュエータは、第1のユーザアクチュエータであり、本方法は、近位制御デバイスの第2のユーザアクチュエータを作動させることを含む。いくつかの実施形態では、第2のユーザアクチュエータを作動させることは、係止機構を係止解除し、遠位制御部材からのインプラントの遠位部分および伸長グラスパ部材からのインプラントの近位部分の解放を可能にする。いくつかの実施形態では、第2のユーザアクチュエータを作動させることは、リテーナをインプラントの遠位部分から除去し、遠位制御部材を回転させ、インプラントの遠位部分を遠位制御部材から係脱させる。
【0112】
いくつかの実施形態では、第1の管状部材は、送達デバイスの外側管状部材内に摺動可能に受容される、内側管状部材である。
【0113】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能および代用可能であることが意図されることに留意されたい。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、一実施形態のみに関して説明される場合、特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、別様に明示的に述べられない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態と併用されることができることを理解されたい。本段落は、したがって、随時、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別のもので代用する(以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に述べていない場合でも)ことの請求項の導入の先行する基礎および書面による支援としての役割を果たす。特に、そのような組み合わせおよび代用の許容性が当業者によって容易に認識されることを前提として、あらゆる可能性として考えられる組み合わせおよび代用の明示的列挙は、過度の負担となることが明示的に認識される。
【0114】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別様に決定付けられない限り、複数参照を含む。
【0115】
実施形態は、種々の修正および代替形態を被るが、その具体的実施例が、図面に示され、本明細書に詳細に説明されている。しかしながら、これらの実施形態は、開示される特定の形態に限定されず、対照的に、これらの実施形態は、本開示の精神内にある全修正、均等物、および代替を網羅することを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素が、その範囲内にない特徴、機能、ステップ、または要素によって請求項の発明の範囲を定義する消極的限定と同様に、請求項に列挙または追加されてもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B