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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】屈折率の高い親水性材料
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/16 20060101AFI20220620BHJP
   A61L 27/52 20060101ALI20220620BHJP
   C08F 220/26 20060101ALI20220620BHJP
   C08F 220/56 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A61L27/16
A61L27/52
C08F220/26
C08F220/56
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019531925
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2017066370
(87)【国際公開番号】W WO2018112180
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】62/435,441
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/586,890
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518407515
【氏名又は名称】ベンズ リサーチ アンド デベロップメント コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】BENZ RESEARCH AND DEVELOPMENT CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ベンズ、 パトリック
(72)【発明者】
【氏名】リボウル、 アダム
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-502763(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0125918(KR,A)
【文献】特開昭62-081601(JP,A)
【文献】特開昭62-045604(JP,A)
【文献】国際公開第2016/100188(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 15/00-33/18
C08F 220/26
C08F 220/56
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(i)重合された(メタ)アクリレート基、およびC -C 炭素鎖と少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分または(ii)重合された(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマーサブユニット、
(b)重合された(メタ)アクリレート基を含む、第1のモノマーサブユニットとは異なる第2のモノマーサブユニットであって、少なくとも1つの側基が(i)フェニルおよびナフチル基から選ばれる環と少なくとも1つのハロゲンを含むアリールオキシ部分および(ii)該アリールオキシ部分を該重合された(メタ)アクリレート基に結合させる 1 -C 脂肪族炭素部分を含み、該 1 -C 脂肪族炭素部分が少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含んでいてよい、第2のモノマーサブユニット、および
(c)第1および第2のモノマーサブユニットとは異なるサブユニットであって、重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルコキシアルキル側基を含む(ここで、アルコキシアルコキシアルキル側基の各々のアルキル部分は、独立して1~5の炭素原子を含む)第3のモノマーサブユニット、
を含んでなる少なくとも1つのコポリマーを含む親水性眼内レンズであって、
第1のモノマーサブユニットは、前記コポリマー組成物の30~50重量%であり、第2のモノマーサブユニットは、前記コポリマー組成物の20~40重量%であり、および第3のモノマーサブユニットは、前記コポリマー組成物の20~40重量%である親水性眼内レンズ。
【請求項2】
前記第1のモノマーサブユニットが、重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分を含む、請求項1に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項3】
前記コポリマーが、重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルキル側基を含む、第1、第2および第3のモノマーサブユニットとは異なる第4のモノマーサブユニットをさらに含む、請求項1または2に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項4】
前記コポリマーが、架橋されたサブユニットであるモノマーサブユニットをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項5】
前記第2のモノマーサブユニットのアリールオキシ基がフェノキシ基を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項6】
前記第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分が1つのヒドロキシル基で置換されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項7】
前記第2のモノマーサブユニットにおけるハロゲンがブロモ部分である、請求項1~6のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項8】
前記第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分がC部分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項9】
前記第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分が-CH-CHOH-CH-で表される、請求項1~8のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項10】
前記第3のモノマーサブユニットのアルコキシアルコキシアルキル基がC~C12基である、請求項1~9のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項11】
前記第3のモノマーサブユニットの前記アルコキシアルコキシアルキル基が2個の酸素原子を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項12】
前記第3のモノマーサブユニットのアルコキシアルコキシアルキル基が2-エトキシエトキシエチルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項13】
前記第1のモノマーサブユニットの少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分が2つのヒドロキシル置換基からなる、請求項1~12のいずれか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項14】
前記第1のモノマーサブユニットの少なくとも2個のヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分がC~C脂肪族炭素部分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項15】
前記第1のモノマーサブユニットが2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項16】
前記第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基がC~C12基である、請求項~15のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項17】
前記第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基が単一の酸素原子を含む、請求項~16のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項18】
前記第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基が2-エトキシエチルである、請求項~17のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項19】
前記第3のモノマーサブユニットが重合された2-エトキシエトキシエチルメタクリレートを含み、前記第2のモノマーサブユニットが重合されたブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項20】
前記コポリマーが、1種以上の紫外線吸収剤、開始剤および/または架橋剤をさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項21】
前記コポリマーが、トリメタクリレート架橋剤の架橋サブユニットであるモノマーサブユニットをさらに含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項22】
前記コポリマーが、等張生理食塩水中で35℃で20重量%以上の平衡含水量を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項23】
1mmまでの中心厚さを有し、35℃の温度で生理食塩溶液中に置かれたときに約1分以内に展開する、請求項1~23のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項24】
1mmまでの中心厚さを有し、5~20秒以内で展開する、請求項1~24のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項25】
546nmおよび20℃での屈折率が約1.47~約1.50である、請求項1~25のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項26】
内径約1.6mmのチューブを通して注入することができる、請求項1~26のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【請求項27】
546nmおよび20℃での屈折率が1.47よりも大きい、請求項1~27のいずれか一項に記載の親水性眼内レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月16日付け出願の米国仮特許出願第62/435,441号および米国特許出願第15/586,890号の優先権を主張し、その全ての開示内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の眼内レンズ(IOL)が知られている。例えば、ワンピース型の眼内レンズや複数のピースを有する複合眼内レンズが知られている。ワンピース型の眼内レンズは、光学部分と非光学部分の両方が1つの材料から作られているものである。IOLの非光学部分は支持部と呼ばれ、取り付け目的に使用される。
【0003】
疎水性および親水性の両方の折り畳み可能なIOLが、例えば、米国特許第7,947,796、7,387,642、7,067,602、6,517,750および6,267,784号明細書の従来技術に記載されており、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、米国特許公報第2013/0253159、2008/0221235、2006/0276606、2006/0199929、2005/0131183、2002/0058724、2002/0058723および2002/0027302号公報も、WO/2015/161199と共に参照されたく、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
さらに、モノマーである2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートを含むレンズ材料が、例えば、WO2010/128266、WO2001/018079、WO2000/079312、WO96/40303、および米国特許第5,693,095号明細書における先行技術において開示されている。レンズ材料である2-エトキシエチルメタクリレートも、ガラス転移温度が低い化合物として当該技術分野において知られている。例えば、Garcia, F., et al., J. of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, vol. 40, 3987-4001 (2002)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、屈折率が高く、IOLの注入後に粘着性が無いようにすることができ、優れた手術結果を促す良好な機械的特性を維持しつつ小さな切開で注入可能であることのような達成困難な特性の組み合わせを提供することができる、親水性材料を含む改良されたIOL材料が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の実施形態は、例えば、コポリマー、レンズ、眼内レンズ、眼内レンズ用のブランク、ならびに組成物および眼内レンズの製造方法および使用方法を含む。
【0007】
いくつかの実施形態は、例えば、(a)(i)重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分または(ii)重合された(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマーサブユニット、(b)重合された(メタ)アクリレート基を含む、第1のモノマーサブユニットとは異なる第2のモノマーサブユニットであって、少なくとも1つの側基が(i)少なくとも1つのハロゲンを含むアリールオキシ部分および(ii)該アリールオキシ部分を該重合された(メタ)アクリレート基に結合させる脂肪族炭素部分を含み、該脂肪族炭素部分が少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含んでいてよい、第2のモノマーサブユニット、および(c)重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルコキシアルキル側基を含む、第1および第2のモノマーサブユニットとは異なる第3のモノマーサブユニットを含んでなる少なくとも1つのコポリマーを含む親水性眼内レンズを提供する。
【0008】
いくつかの実施形態において、第1のモノマーサブユニットは、重合された(メタ)アクリレート基と少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分とを含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルキル側基を含む、第1、第2および第3のモノマーサブユニットとは異なる第4のモノマーサブユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、架橋サブユニットであるモノマーサブユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットのアリールオキシ基はフェノキシ基を含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は1つのヒドロキシル基で置換されている。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニット中のハロゲンはブロモ部分である。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分はC部分である。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は-CH-CHOH-CH-によって表される。いくつかの実施形態では、第3のモノマーサブユニットのアルコキシアルコキシアルキル基は、C~C12基である。いくつかの実施形態では、第3のモノマーサブユニットのアルコキシアルコキシアルキル基は、2つの酸素原子を含む。いくつかの実施形態において、第3のモノマーサブユニットのアルコキシアルコキシアルキル基は、2-エトキシエトキシエチルである。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットの少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分は、2つのヒドロキシル置換基からなる。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットの少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分はC~C脂肪族炭素部分を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基は、C~C12基である。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基は単一の酸素原子を含む。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基は、2-エトキシエチルである。いくつかの実施形態では、第3のモノマーサブユニットは重合された2-エトキシエトキシエチルメタクリレートを含み、第2のモノマーサブユニットは重合されたブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約30重量%~約50重量%であり、第2のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約20重量%~約40重量%であり、第3のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約20重量%~約40重量%である。
【0010】
いくつかの実施形態において、コポリマーは、1つ以上の紫外線吸収剤、開始剤および/または架橋剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、トリメタクリレート架橋剤の架橋サブユニットであるモノマーサブユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、等張生理食塩水中35℃で20重量%以上の平衡含水量を有する。いくつかの実施形態では、レンズは、1mmまでの中心厚さを有し、35℃の温度の生理食塩水中に置かれたときに約1分以内に展開する。いくつかの実施形態では、レンズは、1mmまでの中心厚さを有し、5~20秒、好ましくは5~10秒で広がる。いくつかの実施形態において、546nmおよび20℃での屈折率は、約1.47~約1.50である。いくつかの実施形態では、レンズは、内径約1.6mmのチューブを通して注入することができる。いくつかの実施形態において、546nmおよび20℃での屈折率は1.47より大きい。
【0011】
いくつかの実施形態は、例えば、(a)(i)重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分または(ii)重合された(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマーサブユニット、(b)重合された(メタ)アクリレート基を含む、第1のモノマーサブユニットとは異なる第2のモノマーサブユニットであって、少なくとも1つの側基が(i)少なくとも1つのハロゲンを含むアリールオキシ部分および(ii)該アリールオキシ部分を該重合された(メタ)アクリレート基に結合させる脂肪族炭素部分を含み、該脂肪族炭素部分が少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含む、第2のモノマーサブユニット、(c)重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルコキシアルキル側基を含む、第1および第2のモノマーサブユニットとは異なる第3のモノマーサブユニット、および(d)任意に、重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルキル側基を含む、第1、第2および第3のモノマーサブユニットとは異なる第4のモノマーサブユニット、を含んでなる少なくとも1つのコポリマーを含む組成物を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは、重合された(メタ)アクリレート基と、少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分とを含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、架橋サブユニットであるモノマーサブユニットをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットのアリールオキシ基はフェノキシ基を含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は1つのヒドロキシル基で置換されている。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニット中のハロゲンは、ブロモ部分である。いくつかの実施形態において、第3のモノマーサブユニットのアルコキシアルコキシアルキル基は、2-エトキシエトキシエチルである。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットの少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分は、2つのヒドロキシル置換基からなる。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットの少なくとも2個のヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分はC~C脂肪族炭素部分を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットのアルコキシアルキル基は、2-エトキシエチルである。いくつかの実施形態では、第3のモノマーサブユニットは重合された2-エトキシエトキシエチルメタクリレートを含み、第2のモノマーサブユニットは重合されたブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約30重量%~約50重量%であり、第2のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約20重量%~約40重量%であり、第3のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約20重量%~約40重量%である。いくつかの実施形態において、コポリマーは、1つ以上の紫外線吸収剤、開始剤および/または架橋剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、コポリマーは、トリメタクリレート架橋剤の架橋サブユニットであるモノマーサブユニットをさらに含む。いくつかの実施形態において、コポリマーは、精製工程に供される前に、2重量%以下の残存未反応モノマーを含有する。いくつかの実施形態において、コポリマーは、精製工程に供される前に、1重量%以下の残存未反応モノマーを含有する。いくつかの実施形態では、コポリマーは1重量%以下の残留未反応モノマーを含み、精製工程に供されていない。いくつかの実施形態では、コポリマーは、第1、第2および第3のモノマーサブユニット、および任意に、1つ以上の第4のモノマーサブユニット、紫外線吸収剤、開始剤および/または架橋剤からなる。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは重合された(メタ)アクリルアミド基を含む。
【0013】
いくつかの実施形態は、例えば、少なくとも1つのコポリマーを含む組成物を製造する方法であって、(a)(i)(メタ)アクリレート基および少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分または(ii)(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマー、(b)(メタ)アクリレート基を含む、第1のモノマーとは異なる第2のモノマーであって、少なくとも1つの側基が(i)少なくとも1つのハロゲンを含むアリールオキシ部分および(ii)該アリールオキシ部分を該(メタ)アクリレート基に結合させる脂肪族炭素部分を含み、該脂肪族炭素部分が少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含む、第2のモノマー、(c)(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルコキシアルキル側基を含む、第1および第2のモノマーとは異なる第3のモノマー、および(d)任意に、(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルキル側基を含む、第1、第2および第3のモノマーとは異なる第4のモノマー、を含むコモノマー混合物を調製すること、および、光または熱開始剤、例えば、CGI819(光)およびVazo型開始剤を添加することにより該コモノマー混合物を重合すること、を含んでなる方法を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、開始剤は光開始剤である。いくつかの実施形態では、コポリマーは、重合工程後に2重量%以下の残留未反応モノマーを含有する。いくつかの実施形態では、コポリマーは、重合工程後に1重量%以下の残留未反応モノマーを含有する。いくつかの実施形態では、コモノマー混合物は溶媒を含まない。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、(メタ)アクリレート基と、少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分とを含む。いくつかの実施形態では、コモノマー混合物はさらに架橋可能なモノマーを含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのアリールオキシ基はフェノキシ基を含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は1つのヒドロキシル基で置換されている。いくつかの実施形態では、第2のモノマー中のハロゲンはブロモ部分である。いくつかの実施形態において、第3のモノマーのアルコキシアルコキシアルキル基は、2-エトキシエトキシエチルである。いくつかの実施形態では、第1のモノマーの少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分は、2つのヒドロキシル置換基を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーの少なくとも2個のヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分はC~C脂肪族炭素部分を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、第4のモノマーのアルコキシアルキル基は2-エトキシエチルである。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは2-エトキシエトキシエチルメタクリレートを含み、第2のモノマーはブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーはコモノマー組成物の約20~約40重量%であり、第2のモノマーはコモノマー組成物の約20~約40重量%であり、第3のモノマーはコモノマー組成物の約30~約50重量%である。いくつかの実施形態において、コモノマー組成物は、1つ以上の紫外線吸収剤、開始剤および/または架橋剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、コモノマー組成物は、架橋可能なトリメタクリレートを含むモノマーをさらに含む。
【0015】
少なくとも1つの実施形態に対する少なくとも1つの利点は、IOL、特に親水性IOLに対するより高い屈折特性を含む。
【0016】
少なくとも1つの実施形態に対する少なくとも1つのさらなる利点は、IOLに対する良好な展開特性を含む。例えば、本明細書の態様のIOLは、5~10秒で展開し得る。
【0017】
少なくとも1つの実施形態に対する少なくとも1つのさらなる利点は、IOLの注入後に粘着特性がないことを含む(例えば、感触が光学素子に粘着しない)。
【0018】
少なくとも1つの実施形態に対する少なくとも1つのさらなる利点は、1.47、1.48、1.49または1.50より大きな屈折率を含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態に対するさらにもう一つの利点は、1.6mm注入器、例えば、Medicel Accuject(商標)1.6mmのような非常に小さなオリフィスの注入器を通過することができる高ジオプターのIOLである。
【0020】
少なくとも1つの実施形態に対するさらにもう一つの利点は、45以上のアッベ値を有するIOLである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(序論)
本明細書に引用された全ての参考文献は、その全体が参考として援用される。
【0022】
眼内レンズは一般に当技術分野において公知である。例えば、米国特許第7,947,796;7,387,642;7,067,602;6,517,750および6,267,784号明細書を参照されたい。
【0023】
本明細書で使用されるとき、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリル、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、アミド、およびアクリル酸またはメタクリル酸の他の適切な誘導体、ならびにそれらの混合物を指す。適切な(メタ)アクリルモノマーの実例としては、限定するものではないが、以下のメタクリレートエステルが挙げられる:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート(BMA)、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、ベンジルメタクリレート、アリルメタクリレート、2-n-ブトキシエチルメタクリレート、2-クロロエチルメタクリレート、sec-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、2-エチルブチルメタクリレート、シンナミルメタクリレート、クロチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、メタリルメタクリレート、3-メトキシブチルメタクリレート、2-メトキシブチルメタクリレート、2-ニトロ-2-メチルプロピルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートおよびテトラヒドロピラニルメタクリレート。適切なアクリレートエステルの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート(BA)、n-デシルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、t-ブチルアミノエチルアクリレート、2-スルホエチルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、アリルアクリレート、2-n-ブトキシエチルアクリレート、2-クロロエチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、2-エチルブチルアクリレート、シンナミルアクリレート、クロチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、フルフリルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、メタリルアクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、2-メトキシブチルアクリレート、2-ニトロ-2-メチルプロピルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェニルエチルアクリレート、フェニルアクリレート、プロパルギルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートおよびテトラヒドロピラニルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
1つの実施形態は、
(a)(i)重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分または(ii)重合された(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマーサブユニット、
(b)重合された(メタ)アクリレート基を含む、第1のモノマーサブユニットとは異なる第2のモノマーサブユニットであって、少なくとも1つの側基が(i)少なくとも1つのハロゲンを含むアリールオキシ部分および(ii)該アリールオキシ部分を該重合された(メタ)アクリレート基に結合させる脂肪族炭素部分を含み、該脂肪族炭素部分が少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含む、第2のモノマーサブユニット、および
(c)重合された(メタ)アクリレート基および少なくとも1つのアルコキシアルコキシアルキル側基を含む、第1および第2のモノマーサブユニットとは異なる第3のモノマーサブユニット
を含んでなる少なくとも1つのコポリマーを含む親水性眼内レンズを提供する。
(第1のモノマーサブユニット)
第1のモノマーサブユニットは親水性モノマーに由来する。いくつかの実施形態では、それは、コポリマーについて重量%で測定して最大量で存在するか、またはコポリマーについて重量%で測定して最初の3つのモノマーサブユニットのうちの別のものと等しい量で存在し得る。第1のモノマーサブユニットは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドなどの重合性部分を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットはまた、少なくとも2つのヒドロキシル置換基、例えば2,3,4-ヒドロキシル置換基を含む少なくとも1個の炭素部分も含む。第1のモノマーサブユニットは、折り畳み式IOLに適している親水性モノマーサブユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも2個のヒドロキシル置換基を含む少なくとも1つの炭素部分は、2,3,4-ヒドロキシル置換基を含むまたはからなるC~Cのアルキル部分である。例としては、ジヒドロキシプロピル(例えば、2,3-ジヒドロキシプロピル)、ジヒドロキシブチル(例えば、2,3-ジヒドロキシブチル、2,4-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
他の実施形態では、第1のモノマーサブユニットは重合された(メタ)アクリルアミド基を含む。例としては、N、N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリルアミド、ジヒドロキシプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびヒドロキシメチルアクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、重合された(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマーサブユニットはまた、C~Cアルキル部分も含む。いくつかの実施形態では、重合された(メタ)アクリルアミド基を含む第1のモノマーサブユニットはまた、C~Cアルキル部分および1つ以上のヒドロキシル置換基、例えば1,2,3,4-ヒドロキシル置換基も含む。
(第2のモノマーサブユニット)
第2のモノマーサブユニットは、コポリマーについての重量%で測定したときに第2の最大量で存在するか、またはコポリマーについての重量%で測定したときに第1のモノマーサブユニットと等しい量で存在するモノマーサブユニットであり得る。このサブユニットは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのような重合性部分を含む。サブユニットはまた、1つ以上のヒドロキシル部分を含む脂肪族スペーサーも含む。最後に、第2のモノマーサブユニットは、例えばF、Cl、Brおよび/またはIを含む少なくとも1つのハロゲンを含む任意に置換されたアリールまたはアリールオキシ部分を含む。別の実施形態において、重合されたアクリレートまたはメタクリレートを含む第2のモノマーサブユニットは、その代わりに、窒素において水素またはC~Cアルキルにより任意に置換されている重合されているアクリルアミドまたはメタクリルアミド基を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットは重合されたメタクリレート基を含む。
【0027】
例えば、アリールオキシアルキルメタクリレートモノマーサブユニットを、式:Ar-O-R-MAで表すことができ、式中、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよいアリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「MA」はメタクリレートである。あるいは、アリールオキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットを、式:Ar-O-R-Aで表すことができ、式中、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよいアリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「A」はアクリレートである。同様に、アリールオキシアルキルアクリルアミドモノマーサブユニットを、式:Ar-O-R-AAで表すことができ、式中、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよいアリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「AA」はアクリルアミドである。また、アリールオキシアルキルメタクリルアミドモノマーサブユニットを、式:Ar-O-R-MAAで表すことができ、式中、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよいアリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「MAA」はメタクリルアミドである。二価の基R、R、RおよびRは、少なくとも1つのヒドロキシ基によってさらに置換されていてもよい。AAまたはMAAモノマーサブユニットは、任意に、窒素において水素またはC~Cアルキルで置換することができる。C~Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0028】
ヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルメタクリレートならびにヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルアクリレートはいずれも、当業者に理解されるように、エステル含有モノマー化合物である。同様に、当業者は、ヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルアクリルアミドならびにヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルメタクリルアミドを、アミド含有モノマー化合物として認識するであろう。
【0029】
いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは、1~5個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基から独立して選択することができ、いくつかの実施形態では, 1,2,3,4または5-炭素原子でそのアルキル基は1以上のヒドロキシ基で置換されている。Rに関しては、ヒドロキシ置換アルキル基は、Ar-O基のOに結合していると共にMA基のO原子にも結合していることが理解されよう。同様に、Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基は、Ar-O基のOに結合していると共にA基のO原子にも結合していることが理解されよう。同様に、Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基はAr-O基のOに結合していると共にAA基のN原子にも結合していることが理解されるであろう。同様に、Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基は、Ar-O基のOに結合していると共にMAA基のN原子にも結合していることが理解されよう。ヒドロキシ基はアルキル基のいずれの炭素に置換されていてもよい。本明細書の実施形態に従って使用することができるヒドロキシ置換アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル基を含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基を含み、ここで少なくとも1つのC-HがC-OHで置換される。アルキル基はまた、単なる例として提供される以下のものを含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基の分岐鎖異性体も含んでもよい:-CH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-CH(CHCH、-C(CHなどであり、ここで、少なくとも1つのC-HがC-OHで置換される。いくつかの実施形態では、RおよびRが1、2、3または4個の炭素原子を有する、ヒドロキシ置換アリールオキシアルキルメタクリレートまたはヒドロキシ置換アリールオキシアルキルアクリレートが選択される。
【0030】
、R、RおよびRの特定の実施形態は、非限定的な例などによるものである。AAまたはMAAモノマーサブユニットは、任意に、窒素において水素またはC~Cアルキルで置換されていてもよい。
【0031】
アリールオキシ基は、酸素原子に結合したアリール化合物を含むと、当業者によって認識されるであろう。いくつかの実施形態では、アリール基は、置換されていてよいフェニルまたはナフチルを含む。いくつかの実施形態では、アリール基は、非限定的な例として、窒素または硫黄のような1つ以上のヘテロ原子を含み得る。アリール部分は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル基を含むがこれらに限定されない1つ以上のアルキル基によって任意に置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖アルキル基の分岐鎖異性体であってよい。アリール部分は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよび/またはペンチル基を含むがこれらに限定されない酸素に結合したアルキル基を含む1つ以上のアルコキシ基によって任意に置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖アルキル基の分岐鎖異性体であってよい。さらに、アリール部分は、例えば、F、Cl、Brおよび/またはIである1つ以上のハロゲン基により置換されている。いくつかの実施形態では、アリール部分は1つのハロゲンで置換されている。いくつかの実施形態では、アリール部分は、2個、3個、4個または5個のハロゲンで置換されている。アリール部分が少なくとも2個のハロゲンで置換されているいくつかの実施形態では、ハロゲンは同じでも異なっていてもよい。
【0032】
コポリマーの形成に有用ないくつかの特定のヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルアクリレート、ヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルメタクリルアミドならびにヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルアクリルアミドモノマーサブユニットの例としては、これに限定はされないが、2-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、3-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、4-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、3-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、4-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリルアミド、3-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリルアミド、4-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリルアミド、および/または2-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリルアミド、3-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリルアミド、または4-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリルアミドが挙げられる。いくつかの実施形態では、第2のモノマーはブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート(BrHPPMA)を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、本発明のコポリマーは、一般式(II)で表される第2のモノマーも含むことができる。この式中、R'は水素またはメチル、YはOまたは-NR''、XはH、Cl、Br、-CHまたは-OCH、nは1~6、mは1~6、R’’は水素またはC~Cアルキル、および、ZはH、OHまたはハロゲン基である。
【0034】
【化1】
【0035】
他の実施形態において、nおよびmは1または2であり、XはBrであり、ZはHであり、YはOであり、qは1、2、3、4または5である。いくつかの実施形態において、qは1または2である。
【0036】
したがって、好ましい一実施形態は、第2のモノマーサブユニットが重合された(メタ)アクリレート基を含む眼内レンズを提供する。別の実施形態では、アリールオキシ基はフェノキシ基を含む。さらに別の実施形態では、アリールオキシ基は非置換フェノキシ基を含む。他の実施形態では、第2のモノマーの脂肪族炭素部分は、1つのヒドロキシル基で置換されている。他の実施形態では、第2のモノマーの脂肪族炭素部分はC部分である。別の実施形態では、第2のモノマーの脂肪族炭素部分は-CH(Br)-CHOH-CH-によって表される。最後に、第2のモノマーの側基は、1つの実施形態では、-CH(Br)-CHOH-CH-OPhを含み、ここでOPhは非置換フェノキシ基である。
(第3のモノマーサブユニット)
第3のモノマーサブユニットは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドなどの重合性部分を含む。サブユニットはまたアルコキシアルコキシアルキル側基も含む。第3のモノマーサブユニットは、折り畳み式IOLに適しているモノマーサブユニットを含み得る。例としては、アルコキシアルコキシアルキル(メタ)アクリレートまたはアルコキシアルコキシ(メタ)アクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
別の実施形態では、重合したアクリレートまたはメタクリレート基を含む第3のモノマーサブユニットは、その代わりに、窒素において水素またはC~Cアルキルにより置換されていてよい重合されたアクリルアミドまたはメタクリルアミド基を含んでよい。いくつかの実施形態では、第3のモノマーサブユニットは重合されたメタクリレート基を含む。
【0038】
アルコキシアルコキシアルキルメタクリレートモノマーサブユニットは式:R15-O-R-O-R-MAで表すことができ、式中、R、RおよびR15はアルキル基であり、「MA」はメタクリレートである。アルコキシアルコキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットは、式:R20-O-R-O-R-Aで表すことができ、式中、R、RおよびR20はアルキル基であり、「A」はアクリレートである。アルコキシアルコキシアルキルメタクリレートおよびアルコキシアルコキシアルキルアクリレートはいずれも、当業者に認識されるように、エステル含有モノマー化合物である。いくつかの実施形態では、R~R、R15およびR20は、独立して、1~5個の炭素原子、一部の実施形態では、1、2、3、4または5個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択することができる。Rに関しては、アルキル基がR-O基のOに結合していると共にMA基のO原子にも結合していることが理解されるであろう。同様に、Rに関して、アルキル基がR-O基のOに結合していると共にA基のO原子にも結合していることが理解されよう。本明細書の実施形態に従って使用され得るアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル基を含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基を含む。アルキル基はまた、単なる例として提供される以下のものを含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基の分岐鎖異性体も含んでもよい:-CH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-CH(CHCH、-C(CHなど。いくつかの実施形態では、R~R、R15およびR20が1、2、3または4個の炭素原子を有する、アルコキシアルコキシアルキルメタクリレートまたはアルコキシアルコキシアルキルアクリレートが選択される。本明細書の実施形態のコポリマーを形成するのに有用ないくつかの特定のアルコキシアルコキシアルキルメタクリレートおよびアルコキシアルコキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットの例としては、限定はされないが、メトキシメトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、プロポキシプロポキシエチルメタクリレート、ブトキシブトキシメチルメタクリレート、メトキシメトキシプロピルメタクリレート、エトキシエトキシプロピルメタクリレート、プロポキシプロポキシプロピルメタクリレート、ブトキシブトキシプロピルメタクリレート、メトキシメトキシブチルメタクリレート、エトキシエトキシブチルメタクリレート、プロポキシプロポキシブチルメタクリレート、ブトキシブトキシブチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、プロポキシプロポキシエチルのアクリレート、ブトキシブトキシメチルアクリレート、メトキシメトキシプロピルアクリレート、エトキシエトキシプロピルアクリレート、プロポキシプロポキシプロピルアクリレート、ブトキシブトキシプロピルアクリレート、メトキシメトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシブチルアクリレート、プロポキシプロポキシブチルアクリレートおよびブトキシブトキシブチルアクリレートが挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、コポリマーはエトキシエトキシエチルメタクリレート(EOEOEMA)を含む。
【0039】
したがって、特に好ましい実施形態は、アルコキシアルコキシアルキル基がC~C12基である眼内レンズを提供する。一実施形態では、アルコキシアルコキシアルキル基が2個の酸素原子を含む。特定の実施形態では、アルコキシアルコキシアルキル基は2-エトキシエトキシエチルである。
(任意の第4のモノマーサブユニット)
いくつかの実施形態では、コポリマーは、重合された(メタ)アクリレート基と1つのアルコキシアルキル側基とを含む、第1、第2および第3のモノマーサブユニットとは異なる第4のモノマーサブユニットを含むことができる。
【0040】
第4のモノマーサブユニットを製造するために使用されるそのようなモノマーサブユニットの例として、アルコキシアルキルメタクリレートおよび/またはアルコキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットが挙げられる。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットは、重合された(メタ)アクリレート基を含み、1つのアルコキシアルキル側基を含む。アルコキシアルキルメタクリレートモノマーサブユニットは式:R-O-R-MAで表すことができ、ここでRおよびRはアルキル基であり、「MA」はメタクリレートである。アルコキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットは、式:R-O-R-Aで表すことができ、ここで、RおよびRはアルキル基であり、「A」はアクリレートである。アルコキシアルキルメタクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレートはいずれも、当業者に認識されるようにエステル含有モノマー化合物である。いくつかの実施形態において、R~Rは1~5個の炭素原子を有する、一部の実施形態では1、2、3、4または5個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択することができる。Rに関しては、アルキル基がR-O基のOに結合していると共にMA基のO原子にも結合していることが理解されるであろう。同様に、Rに関して、アルキル基がR-O基のOに結合していると共にA基のO原子にも結合していることが理解されよう。本明細書の実施形態に従って使用され得るアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル基を含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基を含む。アルキル基はまた、単なる例として提供される以下のものを含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基の分岐鎖異性体も含んでよい:-CH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-CH(CHCH、-C(CHなどである。いくつかの実施形態では、R~Rが1、2、3または4個の炭素原子を有する、アルコキシアルキルメタクリレートまたはアルコキシアルキルアクリレートが選択される。本明細書の実施形態によるコポリマーを形成するのに有用ないくつかの特定のアルコキシアルキルメタクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットの例としては、限定はされないが、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、プロポキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、プロポキシプロピルメタクリレート、ブトキシメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、プロポキシブチルメタクリレート、ブトキシブチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、プロポキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート、プロポキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、プロポキシブチルアクリレート、およびブトキシブチルアクリレートが挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、コポリマーはエトキシエチルメタクリレート(EOEMA)を含む。
【0041】
したがって、特に好ましい実施形態は、アルコキシアルキル基がC~C12基である眼内レンズを提供する。一実施形態では、アルコキシアルキル基は単一の酸素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルコキシアルキル基は反復するアルコキシアルキル基ではない。特定の実施形態では、アルコキシアルキル基は2-エトキシエチルである。
【0042】
いくつかの実施形態では、アルコキシアルキルメタクリレートおよび/またはアルコキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットは、高いガラス転移温度を有するコポリマーを製造するために本明細書に開示されたコポリマー中で利用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、第4のモノマーサブユニットを含まない。
(任意の第5のモノマーサブユニット)
いくつかの実施形態において、コポリマーは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドなどの重合性部分を含む、第1、第2、第3および第4のモノマーサブユニットとは異なる第5のモノマーサブユニットを含むことができる。サブユニットはまた、1つ以上のヒドロキシル部分を含む脂肪族スペーサーも含む。最後に、第5のモノマーサブユニットは、置換されていてよいアリールまたはアリールオキシ部分を含む。別の実施形態では、重合したアクリレートまたはメタクリレート基を含む第5のモノマーサブユニットは、その代わりに、窒素において水素またはC~Cアルキルで置換されていてよい重合されたアクリルアミドまたはメタクリルアミド基を含んでよい。いくつかの実施形態では、第5のモノマーサブユニットは重合されたメタクリレート基を含む。
【0044】
例えば、アリールオキシアルキルメタクリレートモノマーサブユニットは、式:Ar-O-R-MAで表すことができ、ここで、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよい置換アリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「MA」はメタクリレートである。あるいは、アリールオキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットは、式:Ar-O-R-Aで表すことができ、ここで、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよい置換アリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「A」はアクリレートである。同様に、アリールオキシアルキルアクリルアミドモノマーサブユニットは、式:Ar-O-R-AAで表すことができ、ここで、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよい置換アリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「AA」はアクリルアミドである。さらに、アリールオキシアルキルメタクリルアミドモノマーサブユニットは、式:Ar-O-R-MAAで表すことができ、ここで、Arは、例えば置換されていてよいフェニルのような置換されていてよいアリール化合物であり、Rは二価アルキル基のような脂肪族スペーサーであり、「MAA」はメタクリルアミドである。二価の基R、R、RおよびRは、少なくとも1つのヒドロキシ基によってさらに置換されていてもよい。AAまたはMAAモノマーサブユニットは、窒素において水素またはC~Cアルキルで任意に置換することができる。C~Cアルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびそれらの異性体が含まれる。
【0045】
ヒドロキシ置換アリールオキシアルキルメタクリレートおよびヒドロキシ置換アリールオキシアルキルアクリレートはいずれも、当業者に認識されるようにエステル含有モノマー化合物である。同様に、当業者であれば、ヒドロキシ置換アリールオキシアルキルアクリルアミドおよびヒドロキシ置換アリルオキシアルキルメタクリルアミドを、アミド含有モノマー化合物であると認識するであろう。いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは、1~5個の炭素原子、いくつかの実施形態では、1、2、3、4または5個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基から独立して選択することができ、そのアルキル基は1以上のヒドロキシ基で置換されている。Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基は、Ar-O基のOに結合していると共にMA基のO原子にも結合していることが理解されるであろう。同様に、Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基は、Ar-O基のOに結合していると共にA基のO原子にも結合していることが理解されよう。同様に、Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基はAr-O基のOに結合していると共にAA基のN原子にも結合していることが理解されるであろう。同様に、Rに関して、ヒドロキシ置換アルキル基はAr-O基のOに結合していると共にMAA基のN原子にも結合していることが理解されるであろう。ヒドロキシ基はアルキル基のいずれの炭素に置換されていてもよい。本明細書の実施形態に従って使用することができるヒドロキシ置換アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル基を含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基を含み、ここで少なくとも1つのCHがC-OHで置換される。アルキル基はまた、単なる例として提供される以下のものを含むがこれらに限定されない直鎖アルキル基の分岐鎖異性体も含んでよい:-CH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-CH(CHCH、-C(CHなどであり、ここで、少なくとも1つのC-HがC-OHで置換される。いくつかの実施形態では、RおよびRが1、2、3または4個の炭素原子を有する、ヒドロキシ置換アリールオキシアルキルメタクリレートまたはヒドロキシ置換アリールオキシアルキルアクリレートが選択される。R、R、RおよびRの具体的な実施形態は、非限定的な例として、1-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシブチルなどである。AAまたはMAAモノマーサブユニットは、窒素において水素またはC~Cアルキルにより任意に置換されていてよい。
【0046】
アリールオキシ基は、酸素原子に結合したアリール化合物を含むことが当業者によって認識されるであろう。いくつかの実施形態では、アリール基は、置換されていてよいフェニルまたはナフチルを含む。いくつかの実施形態では、アリール基は、非限定的な例として、窒素または硫黄のような1つ以上のヘテロ原子を含み得る。アリール部分は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル基を含むがこれらに限定されない1つ以上のアルキル基によって任意に置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖アルキル基の分岐鎖異性体であってよい。アリール部分は、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよび/またはペンチル基を含むがこれらに限定されない酸素に結合したアルキル基を含む1つ以上のアルコキシ基により任意に置換されていてよい。アルキル基は、直鎖アルキル基の分岐鎖異性体であってよい。
【0047】
コポリマーの形成に有用ないくつかの特定のヒドロキシ置換アリールオキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシ置換アリールオキシアルキルアクリレート、ヒドロキシ置換アリールオキシアルキルメタクリルアミドおよびヒドロキシ置換アリールオキシアルキルアクリルアミドモノマーサブユニットの例としては、これらに限定されないが、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリルアミド、および/または2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリルアミドが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート(HPPMA)を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明のコポリマーはまた、一般式(I)で表される第5のモノマーも含んでよく、式中、R'は水素またはメチル、YはOまたは-NR''、XはH、-CHまたは-OCH、nは1~6、R’’は水素またはC~Cアルキルである。
【0049】
【化2】
【0050】
他の実施形態において、nは1または2であり、Xは水素であり、YはOである。
【0051】
したがって、好ましい一実施形態は、第5のモノマーサブユニットが重合された(メタ)アクリレート基を含む眼内レンズを提供する。別の実施形態では、アリールオキシ基はフェノキシ基を含む。さらに別の実施形態では、アリールオキシ基は非置換フェノキシ基を含む。他の実施形態では、第5のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は、1個のヒドロキシル基で置換されている。他の実施形態では、第5のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は、C部分である。他の実施形態では、第5のモノマーサブユニットの脂肪族炭素部分は、-CH-CHOH-CH-で表される。最後に、第5のモノマーサブユニットの側基は、一の実施形態において、-CH-CHOH-CH-OPhを含み、ここで、OPhは非置換フェノキシ基である。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、第5のモノマーサブユニットを含まない。
(架橋剤(第6のモノマー))
眼内レンズは、架橋されている第6のモノマーサブユニットをさらに含むコポリマーを含むことができる。特に、二または三官能性架橋剤を用いて、架橋サブユニットを形成することができる。しかしながら、該二または三官能性架橋剤の代わりに、または加えて、当該分野で公知の他の二または多官能架橋剤も採用することができる。
【0053】
コポリマーは、ポリマー化学の分野の当業者に知られている従来の重合技術を用いて調製することができる。架橋剤を重合反応に使用することができる。例えば、任意の架橋性または二官能性モノマーを、所望の架橋密度を得るために有効量で使用することができる。例えば、ポリマーの重量を基準にして、0~約10重量%、例えば約0.01~約4重量%、またはいくつかの実施形態では0.5~3重量%の濃度範囲である。適切な架橋剤の例には、ジオレフィン官能性成分、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(「DEGDMA」)、トリエチレングリコールジメタクリレートなどが含まれる。一般に、架橋剤は得られるコポリマーの寸法安定性を高めるのを助ける。
【0054】
いくつかの実施形態において、組成物は、3つ以上の重合性官能基を有する1つ以上の架橋剤(多官能性架橋剤)を含む。多官能性架橋剤の例としては、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)が挙げられるが、これに限定されない。類似のアクリレート架橋剤、例えばトリメチロールプロパントリアクリレートもまた、それらのメタクリレート類似体のいずれかの代わりに、またはメタクリレート類似体と組み合わせて利用することができる。いくつかの実施形態は、2つ以上の三官能性架橋剤、または当技術分野において公知であるか、または参照により本明細書に組み込まれる多官能性架橋剤および二官能性架橋剤、例えば、EGDMAまたはDEGDMAを含む。したがって、いくつかの実施形態では、コポリマー組成物は、EGDMA、DEGDMAおよび/またはTMPTMAを含む。いくつかのこのような実施形態では、EGDMAおよび/またはTMPTMAの量は、乾燥コポリマーの重量に基づき、約0.5~約5重量%(例えば、約2~約3、または約2.5~約3重量%)の範囲である。
【0055】
一実施形態では、使用される唯一の架橋剤は、三官能性メタクリレート架橋剤などの三官能性架橋剤である。
【0056】
本実施形態において有用な特定のコポリマーの例は、全ての重量がグラムで示される実施例において論じられる。
(組成/量)
本明細書で記載のコポリマーは、重量で測定して、主要成分として、第1のおよび第2のモノマーサブユニット、例えば、アルコキシアルコキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルコキシアルキルアクリレート、ヒドロキシおよびハロゲン置換されたアリールオキシアルキルメタクリレート、およびヒドロキシおよびハロゲン置換されたアリールオキシアルキルアクリレートモノマーサブユニット、および、微量成分として、第3のおよび第4のモノマーサブユニットを含むことができる。
(重量)
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約20~60重量%、例えば、約30~約50重量%の第1のモノマーサブユニットを含み得る。いくつかの実施形態において、第一のモノマーサブユニットは、約30~40重量%、約40~50重量%、または約50~60重量%のコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは、約35~40重量%、約40~45重量%、または約45~50重量%のコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%または約50重量%のコポリマーを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーサブユニットは親水性モノマーサブユニットを含む。いくつかの実施形態では、親水性モノマーサブユニットはGMAを含む。他の実施形態では、第1のモノマーサブユニットは、Am、DMA、EOEAm、HEAmなどの1つまたは2つ以上の異なるモノマーサブユニットを含み得る。
【0058】
本特許請求の範囲は理論によって限定されないが、本開示の他の箇所で詳述されているように、第1のモノマーサブユニットの存在は高い含水量をもたらす。
【0059】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて約10重量%~約40重量%の第2のモノマーサブユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットは、約15~35重量%のコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットは、約15~20重量%、約20~25重量%、約25~30重量%、約30~35重量%、または約35~40重量%のコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットは、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%または約40重量%のコポリマーを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、第2のモノマーサブユニットはBrHPPMAを含む。
【0061】
本コポリマーでは、重量で測定して、1以上の第1および第2のモノマーサブユニットの合計量がコポリマーの大部分を構成することができる。例えば、いくつかの実施形態において、任意のアルコキシアルコキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルコキシアルキルアクリレート、ヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルメタクリレート、ならびにヒドロキシおよびハロゲン置換アリールオキシアルキルアクリレートモノマーサブユニットの組み合わせた合計量は、コポリマーの全重量に基づいて、約55重量%~約95重量%であり得る。いくつかの実施形態において、第1および第2のモノマーサブユニットは、約55~60重量%、約55~65重量%、約55~70重量%、約55~75重量%、または約55~80重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、第1および第2のモノマーサブユニットは、約55~65重量%、または約65~75重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、第1および第2のモノマーサブユニットは、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、または約80重量%のコポリマーを含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて約20重量%~約40重量%の第3のモノマーサブユニットを含み得る。いくつかの実施形態において、第3のモノマーサブユニットは、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、または約40重量%のコポリマーを含む。
【0063】
本発明のコポリマーでは、重量で測定して、1つ以上の第3のモノマーサブユニットの合計量がポリマーの微量分を構成する。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて約0~15重量%の第4のモノマーサブユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットは、約5~10重量%または約7~10重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、第4のモノマーサブユニットは、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、または約15重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、第4のモノマーサブユニットは、約7.5重量%のコポリマーを含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて約0重量%の第4のモノマーサブユニットを含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて約0~25重量%の第5のモノマーサブユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、第5のモノマーサブユニットは、約0~10重量%、約0~15重量%、または約0~20重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、第5のモノマーサブユニットは、約0重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、または約25重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、第5のモノマーサブユニットは、約20重量%のコポリマーを含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、第5のモノマーサブユニットはEOEMAである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるコポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて約0重量%の第5のモノマーサブユニットを含み得る。
【0068】
本発明のコポリマーにおいて、1つ以上の架橋性モノマーサブユニットの総量は、コポリマーの少量分を構成する。例えば、いくつかの実施形態では、組み込まれた架橋性モノマーサブユニットの組み合わせた合計量は、コポリマーの全重量に基づいて約0.5重量%~3.0重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、架橋性モノマーサブユニットは、約0.5~1.0重量%、約0.5~1.5重量%、約0.5~2.0重量%、または約0.5~2.5重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、架橋性モノマーサブユニットは、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2.0重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、または約3.0重量%のコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、架橋モノマーサブユニットは、約2.74重量%のコポリマーを含み得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、架橋モノマーサブユニットはTMPTMAを含む。
【0070】
ポリマーまたはコポリマーがエトキシエチルメタクリレートのようなモノマーサブユニットを含むまたは含有すると言われる場合、これはエトキシエチルメタクリレートモノマーサブユニットが反応し、ポリマーに組み込まれたことを意味すると理解される。特許請求の範囲に記載の化合物のモノマーサブユニットはまた、具体化されたコポリマー化合物に重合され得るオリゴマーの形態でもあり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、コポリマーは、約20重量%~約40重量%のコポリマー組成物を含み、第2のモノマーサブユニットはコポリマー組成物の約20重量%~約40重量%であり、第3のモノマーサブユニットは約30重量%~約50重量%である、架橋剤は約>0重量%~約5重量%である。
【0072】
いくつかの実施形態では、本実施形態のコポリマー組成物は、第1の、第2のおよび第3のモノマーサブユニット、および1つ以上の架橋剤、および任意に、1つ以上の紫外線吸収性化合物またはモノマー、紫色および/または青色吸収剤、または酸化防止剤から形成されたコポリマーからなる、または本質的になる。
【0073】
いくつかの実施形態では、コポリマーは、GMA、ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および2-エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、およびTMPTMA、および任意に、1つ以上の紫外線吸収性化合物またはモノマー、紫色および/または青色吸収剤、または酸化防止剤からなるモノマーサブユニットから形成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、コポリマーは、以下の成分を含む、それらから本質的になる、またはそれらからなる:
(a)約30~50%の組み込まれた(メタ)アクリレート基および少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む脂肪族炭素部分;
(b)約20~40%の、ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートのような組み込まれたヒドロキシおよびハロゲン置換されたアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート;
(c)約20~40%の、2-エトキシエトキシエチルメタクリレートのような組み込まれたアルコキシアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
(d)約>0%~約5%の、組み込まれた架橋剤;および
(e)任意に、水、1つ以上の紫外線吸収性化合物またはモノマー、紫色および/または青色吸収剤、ならびに酸化防止剤のような1つ以上任意の他の成分。
【0075】
いくつかの実施形態において、第1、第2および第3のモノマーサブユニットは、一緒になって、約70、75、80、85および/または90重量%以上のモノマーサブユニット組成物を含む。
(組成物の性質)
コポリマーは、それが水中で完全に平衡化された後のコポリマーの重量に基づいて、約15%以上、または約20%以上の含水量を有することができる。いくつかの実施形態では、コポリマーは、それが水中で完全に平衡化された後のコポリマーの重量を基準にして約15~約25重量%の範囲の平衡含水量を有する。他の実施形態では、含水量は、それが水と完全に平衡化した後のコポリマーの約20重量%~約30重量%の範囲である。
【0076】
コポリマーは眼内レンズを製造するために使用される他の材料よりも優れた機械的および光学的特性を有することができ、例えば、従来技術を超えて高屈折率が高く、折り畳み可能なままであり、アッベ値が高い。本実施形態の成分は、粘着性が低下した親水性レンズを提供することができ、それにより、高い屈折率を維持しつつ、望ましく信頼性のある展開時間を呈するIOLを提供する。
【0077】
このコポリマーは、公知の親水性レンズ、例えばBenzIOL25(米国特許第6,517,750号を参照;2-ヒドロキシエチルメタクリレートと2-エトキシエチルメタクリレートのコポリマー)と比較して優れた屈折率を有することができる。いくつかの実施形態において、本開示のコポリマーの屈折率は、約(または約)1.47、1.48、1.49または1.50より大きい。これらの屈折率は、水和レンズまたは非水和レンズで測定することができる。
【0078】
コポリマーは物理的特性の広い範囲を有するように設計される。いくつかの実施形態において、本開示のコポリマーは、約35℃以上、例えば約35℃~約100℃のガラス転移温度を有するように設計され得る。好ましい実施形態において、ガラス転移温度は、約30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、85℃、100℃またはそれ以上である。これらのより高いガラス転移温度は、非水和コポリマーから得ることができる。例えば、等張生理食塩水または水中に置かれていなかったコポリマーである。
【0079】
本コポリマーは親水性であるので、それらは約15%以上、例えば15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%以上の平衡含水量を有することもできる。それらの高い含水量のために、本発明のコポリマーは一般に親水性と考えられる。一般に、本発明のレンズはまた、例えばBenzIOL25(米国特許第6,517,750号を参照;2-ヒドロキシエチルメタクリレートと2-エトキシエチルメタクリレートのコポリマー)を含むレンズに匹敵するまたはより高い屈折率を有すると共に、得られるポリマーの屈折率を高めるために芳香族モノマーサブユニットを含む他の親水性レンズよりも、より柔軟で、例えば、折り畳み可能であるので、従来レンズと比較して有利な特性も有する。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明のコポリマーは、45または46より高いアッベ値を有することができる。いくつかの実施形態では、本発明のコポリマーは、45、46、47、48、または49のアッベ値を有することができる。いくつかの実施形態において、本発明のコポリマーは47のアッベ値を有することができる。ヒトの水晶体はアッベ値が約47である。高いアッベ値は低い色収差を示し、これはIOLにとって望ましい品質である。したがって、特定の実施形態において、本開示のIOLは、45、46、47、48または49のアッベ値を有する。
【0081】
いくつかの実施形態において、アッベ値は以下の式によって測定され得る。
【0082】
アッベ値=(589nmにおける屈折率-1)(486nmにおける屈折率-656nmにおける屈折率)
いくつかの実施形態において、コポリマーは、重合後に少量の残留未反応モノマーを含有する。いくつかの実施形態では、重合はそのままで(すなわち、溶媒なしで)行われる。いくつかの実施形態において、コポリマーは、精製工程に供されることなく、2重量%以下、または1重量%以下、または0.5重量%以下の残留未反応モノマーを含む。
(レンズ)
本実施形態はまた、本コポリマーから少なくとも部分的に作製された眼内レンズも提供する。そのような眼内レンズは、光学部分と1つ以上の支持部とを含む。典型的には、実施形態のコポリマーは眼内レンズの光学部分の一部または全体を構成する。いくつかの実施形態において、レンズの光学部分は、異なるポリマーまたは材料によって囲まれた本コポリマーのうちの1つから作製されたコアを有する。光学部分が少なくとも部分的に本コポリマーの1つから構成されているレンズは、通常、支持部も有する。支持部はまた、実施形態のコポリマーから作製され得るか、または異なる材料、例えば別のポリマーから作製され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、本眼内レンズは、柔らかい、折り畳み可能な中央光学領域と、外周領域(支持部領域)とを有し、両方の領域が同じポリマーで作られているワンピースレンズである。他の実施形態では、必要に応じて、光学領域および支持部領域を異なる種類のポリマーまたは材料から形成することができる。例えば、1つ以上の触覚部分が光学部分と同じ材料から作製され、他の支持部が実施形態のポリマー以外の材料から作製される場合、いくつかのレンズは、異なる材料から作製される支持部を有することもできる。多成分レンズは、一方の材料を他方の同時押出プロセスに埋め込むこと、硬質材料を軟質材料の周りに固化させること、または硬質成分の相互貫入ネットワークを予備成形された親水性コアに形成することによって製造できる。1つ以上の支持部がレンズの光学部分とは異なる材料から作られる場合、支持部は、当技術分野で知られている任意の方法で、例えば1つ以上の穴を光学部分に穿孔し、支持部を挿入することによって、光学部分に取り付けることができる。
【0084】
本実施形態のコポリマーは、眼内レンズが小さな切開部を通して個人の眼の中に挿入され得るようにそれらが折り畳まれ得るように設計され得る。レンズの支持部は、レンズの挿入および展開後に眼内でレンズに必要な支持を提供し、挿入後および切開部の閉鎖後にレンズの位置を安定させるのを助ける傾向がある。支持部デザインの形状は、特に限定されず、例えば、プレートタイプまたは、C型ループデザインとしても知られている厚さが段階的ならせん状フィラメントの、任意の所望の構成であり得る。
【0085】
IOLの光学部分は、水和前に直径が約6mmであり得る。直径6mmは当技術分野ではかなり標準的であり、一般に、自然発生条件下で瞳孔を完全に拡張した状態で覆うように選択される。しかしながら、他のサイズも可能であり、本実施形態は眼内レンズの特定の直径またはサイズに限定されない。さらに、レンズ光学部分が円形である必要はなく、それは、楕円形、正方形、または必要に応じて他の任意の形状であり得る。
【0086】
眼内レンズは、光学部分の最外周面から延びるIOLの1つ以上の非光学感触構成要素をさらに含み得る。支持部構成要素は、任意の所望の形状、例えば段階的らせん状フィラメントまたは平板部分であり得、そして眼の後眼房内にレンズを支持するために使用される。任意の所望の設計構成を有するレンズを製造することができる。眼内レンズが光学部分および支持部以外に他の構成要素を含む場合、そのような他の部分は、支持部および光学部分と同じポリマー、あるいは必要に応じて他の材料で作ることができる。
【0087】
実施形態の眼内レンズは、既知の方法で眼の中に挿入することができる。例えば、眼内レンズは、眼科医によって典型的に使用される種類の小さくて薄い鉗子によって、眼への挿入の前に折り畳まれてもよい。レンズが目標位置に来た後、それは展開するために解放される。当該技術分野において周知であるように、典型的には、交換されるべきレンズは、眼内レンズの挿入の前に除去される。本実施形態の眼内レンズは、折り畳みおよび展開後でも透き通った透明な屈折レンズ体を提供することができる、一般に生理学的に不活性な軟質ポリマー材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、本実施形態の折り畳み式眼内レンズは、注入器によって任意の眼に挿入することができ、それによって機械的コンプライアント材料が折り畳まれ、1mm~3mmの内径のチューブなどのチューブを通して押し込まれる。一実施形態では、チューブは、約2.0または1.9または1.8または1.7または1.6または1.5mm以下の内径を有する。一実施形態では、内径は約1.4~2.0mmである。一実施形態では、内径は約1.8mmであり、別の実施形態では1.6mmである。一実施形態では、完成したIOLレンズは、1.6 Medi-cell インジェクタのように微小注入可能である(例えば、内径約1.6mmのチューブを通して注入可能)。
(組成物の製造方法)
本明細書の実施形態のコポリマーは、ポリマー化学の分野の当業者に公知の従来の重合技術を用いて調製することができる。架橋性剤とも呼ばれる架橋剤を重合反応に使用することができる。例えば、任意の適切な架橋性二官能性、多官能性モノマー、またはこれらの組み合わせを有効量で使用して所望の架橋密度を得ることができる。例えば、乾燥コポリマーの重量を基準にして0.5~約5(例えば、約2~約3または約2.5~約3)重量%の濃度範囲である。適切な架橋剤の例としては、ジオレフィン化合物、例えばエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、DEGDMA、およびテトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、および他の架橋剤、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)があり、これは三個の以上のオレフィン性重合性官能基を含む。一般に、架橋剤は得られるポリマーの寸法安定性を高めるのを助ける。
【0088】
また、必要ならば、重合において開始剤を使用することができる。2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)および2,2'-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)のようなアゾ誘導体のような当該技術分野において一般的に使用される任意の開始剤を使用することができる。開始剤は、光開始剤、熱開始剤、または当業者によって認識されるような他の種類の開始剤であってもよい。いくつかの実施形態では、光開始剤はCGI819である。開始剤は開始目的に有効な量で使用され、一般にポリマーの重量に基づいて約0.01~1.0重量%の量で存在する。
【0089】
本実施形態のコポリマーはまた、限定はしないが、ポリマーに紫外線(UV)吸収を付与するモノマーおよび/または青色光遮断などのレンズに吸収を付与するモノマーなどの追加のモノマーを含むこともできる。紫外線吸収モノマーは典型的にはオレフィン官能基を有する芳香族化合物である。当該技術分野で周知のように、有利な紫外線吸収化合物は、得られるポリマーに組み込むために重合前に添加することができる。紫外線吸収剤は、生理学的条件下で安定であるように、レンズマトリックス中に重合できることが好ましい。前述したモノマーサブユニットと共重合可能な任意のモノマーを、そのようなモノマーが眼内レンズの基本特性に実質的にまたは悪影響を及ぼさない限り、任意に使用することができる。使用することができる有用な追加のモノマーの例は、複合眼内レンズに関する米国特許第5,326,506号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、例えば、米国特許第6,365,652号明細書または米国第13/619043号(例えば、UVX)に記載されているトリス-アリールトリアゾール化合物のようなアリール-置換トリアゾール化合物を、所望のUV吸収特性を達成するように低濃度で使用することができる。そのような任意の追加のモノマーは、好ましくは、ポリマーの総重量に基づいて、10重量%以下、一般に5重量%未満の総量で存在する。
【0090】
いくつかの実施形態において、重合反応は溶媒なしで行われる。
【0091】
上記のように、得られるポリマーの寸法安定性を高めるために、例えば、EGDMA、DEGMA、TEGDMAまたはTMPTMAのような架橋剤を添加することが有用であり得る。得られるポリマーに組み込むために、重合の前にレンズモノマーサブユニットと共に紫外線吸収化合物を添加することも有利であり得る。紫外線吸収剤は、生理学的条件下での抽出に抵抗するように、レンズマトリックス中に重合できることが好ましい。紫外線吸収モノマーは、所望の紫外線吸収特性を与えるのに有効な量、一般にポリマーの4重量%未満、例えばポリマーの0.01~約1重量%で存在することができる。紫外線吸収剤は、当該分野で知られているもの、例えば、ナチュラルイエロー、ベンゾトリアゾール、米国第13/619043号に記載のもの(例えば、UVX)、などが挙げられる。
【0092】
本実施形態において有用な特定のコポリマーの例が表1に示され、これらは、実施例でも説明し、重合中に用いられる全ての重量はグラムで表され、すべてのモノマーサブユニットおよび架橋剤がコポリマー中に組み込まれることを想定して、すべてのモノマーサブユニットおよび架橋剤の合計に基づいてポリマー中のモノマーサブユニットのパーセントを括弧内に記載している。
【0093】
いくつかの実施形態では、この方法は、残留未反応モノマーが少ないために、ポリマーの形成後の精製工程を含まない。
(IOLの形成)
本実施形態の眼内レンズは、当技術分野において知られている方法によって形成することができる。例えば、例示的な方法では、コポリマーを形成するモノマーサブユニットをポリマーロッドに重合させることができ、ロッドからポリマーブランクまたはディスクを形成し、次いでブランクを例えば旋盤加工およびミリング加工により切断して、眼内レンズを得る。光学的に透明なソフトレンズ体を形成するために、ロッドは、管状または円筒状の型のような型の中で開始剤とモノマーサブユニットとの混合物を重合することから始まる手順によって製造することができる。上述のように、重合中または得られるポリマーマトリックス中に架橋剤および紫外線吸収化合物を配合することが望ましいかもしれない。一部の実施形態では、ポリマーロッドは、次に、切断および研磨または他の機械加工され、旋盤切削により所望の直径および厚さのブランクに加工し、機械的に研磨される。
【0094】
一般に、複合材料ロッドは、レンズ本体の中心から脚部または感触部分の最も遠い端部までの必要な距離よりも0.5~2.0mm厚い直径に旋盤切削または研削される。次に、このロッドを一様な厚さのブランクに切断する。ブランクは、従来法により旋盤切断および機械研磨により本実施形態の眼内レンズにするのに適した直径および厚さまで研磨およびラップ加工される。
【0095】
ブランクを眼内レンズに形成するための段階的プロセスの一般的な説明は、以下のフローチャートに記載されている。本明細書の検討から、眼内レンズ製造の分野の当業者は、眼内レンズ製造および極低温加工のプロセスに関する当分野における一般的な知識を用いて眼内レンズを製造することができる。
【0096】
眼内レンズは、本コポリマーを成形してレンズの光学部分の全部または一部を形成することによって製造することもできる。例えば、本発明のコポリマーを、モノマーサブユニットと追加の成分との液体混合物によって型内で重合させて、光学的に透明なソフトレンズ体を形成することができる。これらの成形方法は、前方または後方部分などのレンズの半分に光学素子を成形すること、またはレンズを完全に成形することを含み得る。レンズの光学部分の半分だけが型において成形されると、第2の側の光学部品は、例えば上述のように機械加工することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、様々な感触部分デザインの機械加工を可能にするために追加の材料を成形することができる。コポリマーは、汎用ブランクとして当技術分野で知られているように必要に応じて予備成形レンズの形に成形してもよい。
(用途)
1つの用途は、IOLを含む、人間の目に適合したレンズを含むレンズである。
【0097】
追加の実施形態を、以下の非限定的な実施例において提供し、比較例と対比する。
【実施例
【0098】
GMAはグリセロールメタクリレートまたは2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレートを指す。
Amはアクリルアミドを指す。
DMAは、N,N-ジメチルアクリルアミドを指す。
EOEAmは2-エトキシエチルアクリルアミドを指す。
HEAmはヒドロキシエチルアクリルアミドを指す。
HPPMAは、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを指す。
Br-HPPMAは、4-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを指す。
EOEOEAはエトキシエトキシエチルアクリレートを指す。
EOEOEMAはエトキシエトキシエチルメタクリレートを指す
EOEMAは、2-エトキシエチルメタクリレートを指す。
TMPTMAはトリメチロールプロパントリメタクリレートを指す。
【0099】
実施例1
4-ブロモ-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートの調製
【0100】
【化3】
【0101】
スキーム1
【0102】
【化4】
【0103】
【表1】
【0104】
窒素雰囲気下、4-ブロモフェノール、無水DMFを室温でフラスコに加えた。TEAB、およびGMAを無水DMFと共に(合計1L)を加えた。混合物を70℃までゆっくりと加熱し、70℃で2日間維持した。薄層クロマトグラフィー(TLC)によると、出発物質はもはや無く、生成物のみを示した。反応混合物を室温に冷却した。水(2L)を加えた。酢酸エチル(EtOAc)(2×1L)を用いて抽出を行った。このEtOAc層を、10%KOH水溶液、次いで水で洗浄し、次いで、無水NaSOで乾燥した。有機層を濾過した。溶媒を除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン(hex)、次いで5%EtOAc/hexで溶離して精製した。白色固体87gを回収した。白色固体をCHCl(200mL)に溶解した。CHCl溶液を10%KOH水溶液および水で洗浄した。溶媒を除去した。固体をアセトン(20mL)に溶解した。溶液が濁るまでヘキサン(100mL)を加えた(1滴のアセトンがそれを透明にした)。この溶液を室温で一晩維持すると、白色固体が析出した。溶液を濾過し、乾燥した。白色固体(45g)を回収した。融点:68-69℃;HPLC:99.7%;GC:100%。
【0105】
酸含量試験:メタノール/水(2:1、200mL)をフェノールフタレインを含む0.02N NaOH水溶液で中和した。生成物2gを添加して溶解させた。NaOH水溶液(0.02N)を添加したところ、赤色は1分以内に消えなかった。
実施例2
2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートの調製
【0106】
【化5】
【0107】
スキーム2
【0108】
【化6】
【0109】
【表2】
【0110】
雰囲気下、フェノール、無水DMFを室温でフラスコに添加した。TEAB、およびGMAを無水DMFと共に(合計1.5L)を加えた。混合物を70℃までゆっくりと加熱し、70℃で2日間保持した。TLCによると、出発材料はもはや無く、生成物のみを示した。反応混合物を室温に冷却した。水(2L)を加えた。EtOAc(3×1L)を用いて抽出を行った。このEtOAc層を、10%KOH水溶液、次いで水で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。有機層を濾過した。溶媒を除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーで、ヘキサン、次いで5%EtOAc/ヘキサンで溶離して精製した。無色油状物210gを回収した。粗油状物をCHCl(300mL)に溶解した。CHCl溶液を10%KOH水溶液、次いで水で洗浄した。溶媒を除去した。油状物をアセトン(50mL)に溶解した。溶液が濁るまでヘキサン(300mL)を加えた(1滴のアセトンがそれを透明にした)。この溶液を2日間冷蔵庫に保管し、白色固形物が沈殿するまで頻繁に振盪した。溶液を濾過し、乾燥させた。白色固形物(135g)を回収した。融点:28-29℃;HPLC:99.6%;GC:99.1%。
【0111】
酸含量試験:メタノール/水(2:1、200mL)をフェノールフタレインを含む0.02N NaOH水溶液で中和した。生成物2gを添加して溶解させた。NaOH水溶液(0.02N)を添加したところ、赤色は1分以内にはえなかった。
(ポリマーの例)
特記しない限り、以下の重合は4~5g規模で実施した。
実施例3
以下の表に記載のモノマーを組み合わせて混合した。均質な混合物を脱気した。この混合物を金型に分配し、0.25mW/cm2で30℃で60分間、続いて、3.0mW/cm2で85℃で10分間、光硬化させた。金型を室温まで冷却させた。金型を開き、ポリマーディスクを取り出して検査した。ポリマーは表1にまとめた特性を示した。
【0112】
【表3-1】
【0113】
【表3-2】
【0114】
【表3-3】
【0115】
実施例4
(注入の比較)
実施例3の40/30/30 のGMA/EOEOEMA/Br-HPPMA化合物およびIOL25を、同様のIOLに調製した。両方の材料を、Medicel 1.6mm Accujectインジェクターに注入した。IOLは、インジェクタの先端部およびチャンバに、HPMC粘弾性体と同じように厳密に注入した。すべてのIOLは同様に支持部を下方に向けて充填した。さらなる粘弾性体を部品の上部に適用し、注入器を閉じ、3分後にIOLを注入した。0~5のスケールでインジェクタを通して部品を押すのに必要な力の量を報告した。注入後にIOLが広がるのに要した時間を記録した。IOLが注入された生理食塩水の温度も、室温とともに記録した。
【0116】
実施例3の材料の化合物は、最小限の力で非常に滑らかに注入され、IOLまたは注射器先端に損傷を与えないことが観察された。同じ大きさの注射器を通過するには、同じ力のIOLのIOL25材料の注入が4倍もの力を必要とすることも観察された。IOL25材料のIOLおよび使用された注入器の先端への損傷も観察した。
【0117】
【表4】
【0118】
当業者には理解されるように、すべての目的において、特に記載された説明を提供することに関して、本明細書に開示されているすべての範囲は、すべての可能な部分的な範囲およびそれらの部分的な範囲の組み合わせも包含する。提示されたすべての範囲は充分に記載され、同じ範囲を少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分割可能であることを容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明されている各範囲は、下3分の1、中3分の1および上3分の1などに容易に分割することができる。当業者には理解されるように、「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より少ない」、「より多く」などのすべての表現は列挙された数を含み、そして上記で説明されたようにその後に部分的な範囲に分割することができる範囲を指す。同様に、本明細書に開示されたすべての比率は、より広い比率に含まれるすべての下位比率も含む。
【0119】
当業者は、また、マーカシュ群のように要素が共通の方法で一緒にグループ化されている場合、本実施形態は全体として列挙されたグループ全体だけでなく、グループの各要素の各々およびメイングループの可能なサブグループすべてを包含する。したがって、あらゆる目的のために、本実施形態は、メイングループそのものだけでなく、1つ以上のグループ要素が存在しないメイングループも包含する。本実施形態は、また、請求された実施形態におけるいずれかのグループ要素のうちの1つ以上の明示的な除外が考えられる。
【0120】
本明細書に開示された全ての参考文献、特許および刊行物は、その全体が完全に記載されているかのように、その全体があらゆる目的のために参照により具体的に組み込まれる。特に明記しない限り、「a」または「an」は「1つまたは複数」を意味する。
【0121】
好ましい実施形態を例示し説明してきたが、特許請求の範囲に規定される広い局面における実施形態から逸脱することなく、当業者によって変更および修正が可能であることを理解されたい。