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特許7091356皮膚灌流圧を決定するデバイス、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】皮膚灌流圧を決定するデバイス、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220620BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20220620BHJP
   A61B 5/0295 20060101ALI20220620BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
A61B5/00 101N
A61B5/026 120
A61B5/0295
A61F13/02 D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019548721
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2018055940
(87)【国際公開番号】W WO2018162728
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】1703775.5
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1703781.3
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1703783.9
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルニ・ラシンドラ・ブラウンヒル
(72)【発明者】
【氏名】スコット・グラブ
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ケネス・フレイジャー・グルージョン・ハント
(72)【発明者】
【氏名】リース・ナイト
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ライテンバーガー
(72)【発明者】
【氏名】リー・パーティントン
(72)【発明者】
【氏名】マーカス・ダミアン・フィリップス
【審査官】樋口 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-506871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0029900(US,A1)
【文献】特表2003-532478(JP,A)
【文献】特開2006-280770(JP,A)
【文献】特開2014-121382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚灌流圧決定デバイスであって、
センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知するための第一のセンサーと、前記標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知するための第二のセンサーとを有するセンサーモジュールを含み、前記センサーモジュールが前記標的エリアに押し付けられたとき、前記第一のセンサーは前記感知された第一のパラメータに対応する出力を生成し、前記第二のセンサーは前記感知された第二のパラメータに対応する出力を生成するように、前記第一のセンサーと前記第二のセンサーが配置され、前記第一のセンサーが、前記標的エリア上の前記センサーモジュールによって加えられる力を決定するように配置された力センサーを備え、
前記第一のセンサーの出力および前記第二のセンサーの出力を処理するためのプロセッサをさらに備え、前記プロセッサが、前記第二のセンサーの前記出力が前記標的エリアで所定量の血液灌流に関連する所定の条件を満たすことを決定するように構成され、
前記所定の条件が、所定の閾値を超える前記標的エリアでの血液灌流量に対応する条件である
皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項2】
前記力センサーが、前記センサーモジュールが前記標的エリアに押し付けられた時に前記第二のセンサーが前記標的エリアと前記力センサーの間に配置されるように配置される、請求項1に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項3】
前記第二のセンサーが、前記標的エリアによって反射された光源によって放射される光を受けるように配置された光源および光学検出器を備える、請求項1または2に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項4】
前記光源が少なくとも一つの発光ダイオードを備え、前記光学検出器が少なくとも一つの光検出器を備える、請求項3に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項5】
前記第二のセンサーがパルスセンサーである、請求項1~4のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項6】
前記デバイスが、プローブ部分を備える携帯型デバイスであり、前記プローブ部分が前記センサーモジュールを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項7】
前記プローブ部分が、使用時に前記標的エリアに押し付けられる下面を有するパッド部分を含む、請求項6に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項8】
前記デバイスが、患者の手足を包むためのカフ部分を備えた携帯デバイスであり、前記センサーモジュールが前記カフの内側部分上に配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項9】
前記カフが膨張可能であり、前記カフの膨張が前記標的エリアに対して前記センサーモジュールを押し付けるように前記カフが構成されている、請求項8に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項10】
前記カフが手動で作動する、請求項8に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項11】
前記カフが、電気機械アクチュエータ、または流体系膨張デバイスによって膨張するように構成されている、請求項9に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項12】
前記デバイスが創傷被覆材を含み、前記センサーモジュールが前記創傷被覆材と一体化されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項13】
前記創傷被覆材が、前記センサーモジュールを前記標的エリアに対して押し付けるように配置されたアクチュエータを備える、請求項12に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項14】
前記所定の条件が、前記標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件である、請求項1~13のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記第二のパラメータが前記所定の条件を満たすとき、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる圧力を表す出力を生成するようにさらに構成されている、請求項14のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項16】
前記所定の条件および前記プロセッサの前記出力のうち少なくとも一つを保存するためのメモリをさらに備える、請求項15のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
【請求項17】
記第一のセンサーおよび前記第二のセンサーの少なくとも一つの出力を表す情報を表示するためのディスプレイを備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイスを含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月9日出願のイギリス特許出願第1703775.5号、2017年3月9日出願のイギリス特許出願第1703781.3号、2017年3月9日出願のイギリス特許出願第1703783.9号に対する優先権を主張する。これらの出願はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれ、本開示の一部分をなす。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、皮膚灌流圧を決定するための皮膚灌流圧決定デバイス、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
創傷治癒は、傷害に応答して人体によって実施される自然なプロセスである。創傷が治癒するためにかかる時間は、人体の治癒能力および創傷治癒を促進するために創傷に適用される任意の治療を含む多くの異なる因子に依存する。創傷の治癒状態を理解し、治癒プロセスを監視することができるようにすることは、創傷のさらなる治療に関する決定について知らせることに役立ち、また、将来の創傷療法の開発を助けることができる。
【0004】
創傷治癒と相関することが知られている一つの因子は、創傷に隣接した組織の皮膚灌流圧(SPP)である。SPPは、血圧カフを使用した血管の制御された閉塞の後に、皮膚組織内の血管に血流を回復するために必要な圧力の量である。
【0005】
血流の回復を検出するための技術には、放射性同位体クリアランス、レーザドップラ流量測定、およびフォトプレチスモグラフィが含まれる。こうした技術は典型的には臨床医によって実施され、多くの場合、かさばり、複雑かつ高価な計測器を必要とする。
【0006】
さらに、病原体から創傷を保護し、創傷の治癒を補助し、創傷の領域をさらなる損傷から保護するために、典型的には創傷被覆材が創傷に適用される。治癒を評価するために、創傷の中および周囲の組織は定期的に検査されうる。検査は、裸眼を使用して臨床医によって実施されうるが、創傷の状態を決定するために創傷領域の外観を分析する光学デバイスを使用しても実施されうる。創傷領域に接近するには、創傷被覆材を取り外す必要がある。これは時間がかかり、不便であり、患者にとってしばしば不快である。さらに、元々の被覆材は、検査時に取り替える必要がなくても、通常新しい被覆材に取り替えられる。
【0007】
治癒を評価するために、プローブまたは他の形態の検査デバイスを使用して、創傷被覆材の周囲のさまざまなポイントで創傷治癒に関連するパラメータを測定することができる。一例は、創傷を取り囲む組織内の血液灌流量の測定である。ただし、血液灌流量は創傷被覆材の周辺で変化する。例えば、前腕への創傷の周辺の組織の血液灌流量は、手首に近い組織よりも肘に近い組織の方が大きくなる場合がある。したがって、臨床医が異なる位置で繰り返し測定することは、治癒プロセスの状態を判断するために、一貫性がなく、信頼できない結果を生み出す可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載される実施形態の目的は、上述の問題を少なくとも部分的に軽減することである。
【0009】
特定の実施形態の目的は、標的エリアでの皮膚灌流圧を決定するための皮膚灌流圧を決定する、皮膚灌流圧決定デバイス、装置および方法を提供することである。
【0010】
さらに、特定の実施形態は、患者にとって時間のかかる、または不快な検査プロセスなしに、創傷の領域の簡便な検査を容易にする創傷被覆材を含む。
【0011】
特定の実施形態は、創傷近傍の皮膚組織の検査を確実に、一貫して、繰り返し行うことができるように、所定の配向で患者の創傷に適用できる創傷被覆材を提供できる。
【0012】
本開示の実施形態は、創傷治療のための装置および方法に関する。本開示の実施形態は、標的エリアでの皮膚灌流圧を決定するための皮膚灌流圧を決定する、皮膚灌流圧決定デバイス、装置および方法を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知するための第一のセンサーと、標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知するための第二のセンサーと、を有するセンサーモジュールを含む、皮膚灌流圧決定デバイスであって、センサーモジュールが標的エリアに押し付けられたとき、第一のセンサーは感知された第一のパラメータに対応する出力を生成し、第二のセンサーは感知された第二のパラメータに対応する出力を生成するように、第一のセンサーと第二のセンサーが配置された、皮膚灌流圧決定デバイスが提供される。
【0014】
第一のセンサーは、標的エリア上のセンサーモジュールによって加えられる力を決定するように配置された力センサーを備えうる。
【0015】
力センサーは、センサーモジュールが標的エリアに押し付けられたときに、第二のセンサーが標的エリアと力センサーの間に配置されるように配置されうる。
【0016】
第二のセンサーは、光源および標的エリアによって反射された光源によって放射される光を受けるように配置された光学検出器を備えうる。
【0017】
光源は、少なくとも一つの発光ダイオードを含んでもよく、光学検出器は少なくとも一つの光検出器を備える。第二のセンサーはパルスセンサーであってもよい。
【0018】
デバイスは、プローブ部分を備える携帯型デバイスであってもよい。プローブ部分はセンサーモジュールを備えてもよい。
【0019】
プローブ部分は、使用時に標的エリアに押し付けられる、下面を有するパッド部分を備えうる。
【0020】
デバイスは、患者の手足を包むためのカフ部分を備えた携帯型デバイスであってもよく、センサーモジュールはカフの内側部分上に配置されている。
【0021】
カフは膨張可能でありうる。カフは、カフの膨張がセンサーモジュールを標的エリアに押し付けるように構成されてもよい。
【0022】
カフは手動で作動させることができる。カフは、電気機械アクチュエータまたは流体式膨張デバイスによって膨張されるように構成されてもよい。
【0023】
デバイスは創傷被覆材を含んでもよい。センサーモジュールは創傷被覆材と一体型であってもよい。
【0024】
創傷被覆材は、センサーモジュールを標的エリアに押し付けるように配置されたアクチュエータを備えてもよい。
【0025】
皮膚灌流圧決定デバイスは、第一のセンサーの出力および第二のセンサーの出力を処理するためのプロセッサをさらに備えうる。プロセッサは、第二のセンサーの出力が、標的エリアで所定の血液灌流量に関連する所定の条件を満たすことを決定するように構成されうる。
【0026】
所定の条件は、所定の閾値を超える標的エリアでの血液灌流量に対応する条件であってもよい。
【0027】
所定の条件は、標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件であってもよい。
【0028】
プロセッサは、第二のパラメータが所定の条件を満たすときに、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力を表す出力を生成するように構成されうる。
【0029】
皮膚灌流圧決定デバイスは、所定の条件およびプロセッサの出力のうち少なくとも一つを保存するためのメモリをさらに備えうる。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、本開示の第一の態様の皮膚灌流圧決定デバイスを含む装置が提供されており、装置は、第一のセンサーおよび第二のセンサーの少なくとも一つの出力を表す情報を表示するためのディスプレイを備える。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、センサーモジュールを標的エリアに押し付けるステップであって、センサーモジュールは、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知する第一のセンサーと、標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知する第二のセンサーを有し、押し付けるステップと、その後、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力を減少させるステップと、感知された第一のパラメータに対応する第一のセンサー出力、および感知された第二のパラメータに対応する第二のセンサー出力をプロセッサで処理して、第二のセンサーの出力が標的エリアでの血液灌流量に対応する所定の条件を満たすことを決定するステップと、第二のパラメータが所定の条件を満たすときに、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に対応するプロセッサからの出力を出力するステップと、を含む、皮膚灌流圧を決定する方法が提供される。
【0032】
所定の条件は、所定の閾値を超える標的エリアでの血液灌流量に対応する条件であってもよい。
【0033】
所定の条件は、標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件であってもよい。
【0034】
センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力を軽減するステップは、第二のセンサー出力をプロセッサで処理して、第二のパラメータが標的エリアでの血液灌流量に関連するさらなる所定の条件を満たすことを決定するステップと、その後、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力を軽減するステップとを含みうる。
【0035】
さらなる所定の条件は、所定の閾値に満たない標的エリアでの血液灌流量に対応する条件であってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、標的エリアに加えられる圧力に関連する感知された第一のパラメータを表す第一のセンサー出力と、標的エリアでの血液灌流量に関連する感知された第二のパラメータを表す第二のセンサー出力をプロセッサで処理して、第二のセンサーの出力が、標的エリアでの血液灌流量に対応する所定の条件を満たすことを決定するステップと、第二のパラメータが所定の条件を満たすときに、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に対応するプロセッサからの出力を出力するステップと、を含む、皮膚灌流圧を決定する方法が提供される。
【0037】
所定の条件は、所定の閾値を超える標的エリアでの血液灌流量に対応する条件であってもよい。
【0038】
所定の条件は、標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件であってもよい。
【0039】
方法はさらに、第二のセンサー出力をプロセッサで処理して、第二のパラメータが標的エリアでの血液灌流量に関連するさらなる所定の条件を満たすことを決定するステップと、その後、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力を軽減するステップとを含みうる。
【0040】
さらなる所定の条件は、所定の閾値に満たない標的エリアでの血液灌流量に対応する条件であってもよい。
【0041】
本開示の特定の実施形態は、皮膚灌流圧の測定中に、皮膚の血管を塞がれる圧力が加えられる同じ位置で測定される、皮膚組織の血液灌流量に関連するパラメータを可能にする。したがって、皮膚灌流圧の正確な測定は、圧力がかけられる位置で決定されうる。
【0042】
本開示の特定の実施形態は、標的エリアに加えられる圧力および標的エリアでの血液灌流量に関連するパラメータを同時に感知するための、単一センサーモジュールを含むデバイスを使用して、血液灌流圧を決定することを可能にする。したがって、デバイスはコンパクトで、携帯可能で、操作が簡単である。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、
使用時に創傷の上に重なる創傷保護部分と、創傷保護部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分であって、周辺部分は所定の波長の光を感知するように構成された光学センサーを有する測定プローブを置くように配置された少なくとも一つの窓を含み、窓は所定の波長で光に対して透明である、周辺部分と、を含む、創傷被覆材が提供される。
【0044】
所定の波長は、可視光、紫外線または赤外線に対応する波長であってもよい。
【0045】
所定の波長は495nm~1350nmとしうる。特に、所定の波長は650nm~1350nmとしうる。
【0046】
その窓または各窓は周辺部分を通る開口部を含みうる。その窓または各窓は光学的に透明な材料を含みうる。
【0047】
光学的に透明な材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸セルロース、またはアクリルまたはシリコンまたはポリウレタンまたはアシレートのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0048】
周辺部分は、創傷被覆材を患者の皮膚に固定するための下面および下面に接着剤を有しうる。
【0049】
創傷被覆材は、創傷保護部分が中央に配置され、周辺部分が創傷保護部分の周辺に延びるアイランド型被覆材でありうる。
【0050】
周辺部分は、創傷保護部分から離れるように突出する少なくとも一つのローブをさらに備えうるが、ここでその窓または各窓は少なくとも部分的にそのローブまたは各ローブに提供される。その窓または各窓は円形または卵形であってもよい。
【0051】
創傷被覆材は、創傷保護部分に隣接する少なくとも二つの窓を含みうる。創傷保護部分は窓間に配置されうる。
【0052】
創傷保護部分は、四つの辺とおよび各辺にそれぞれに隣接して配置された四つの窓とを有してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、創傷被覆材と、所定の波長の光を感知するように構成された光学センサーとを含む測定プローブを備える装置が提供される。
【0054】
測定プローブは、使用時に患者の皮膚に押し付けられる下面を有するパッド部分を備え、窓がパッド部分のサイズおよび形状に対応するサイズおよび形状を有する。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、創傷または創傷に近接する組織領域に関連する少なくとも一つの特性を感知する方法であって、創傷保護部分を含む創傷被覆材を創傷の上に配置するステップであって、それにより創傷保護部分が創傷の上に重なるようにし、配置するステップと、創傷被覆部材の周辺部分の窓領域で測定プローブのパッド部分を配置するステップと、および窓を通して測定プローブからの光を送信するステップと含む、方法を提供する。
【0056】
方法は、窓から離れた創傷被覆材の残りの領域で、創傷被覆材を透過する測定プローブからの光を防ぐことをさらに含むことができる。
【0057】
方法は、さらに、創傷被覆材上の複数の窓のそれぞれに連続的に測定プローブを位置づけることと、各位置でそれぞれのプローブ測定を行うこととを含むことができる。
【0058】
本開示の特定の実施形態により、測定プローブを使用して創傷または創傷に近接する組織領域の一貫した検査が可能となる。
【0059】
本開示の特定の実施形態は、創傷治癒に関連する測定値の記録をそれぞれの所定の位置に対してコンパイルできるように、測定プローブによる一つまたは複数の所定の位置で行われる創傷または創傷に近接する組織領域での反復測定を可能にする。
【0060】
本開示の特定の実施形態は、創傷被覆材を除去する必要なしに、創傷または創傷に近接する組織領域の検査を可能にする。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、上面、および創傷被覆材が固定可能な表面に対して、上面に直交する軸の周りの創傷被覆材の配向を決定するための少なくとも一つのしるしを含む創傷被覆材が提供される。
【0062】
少なくとも一つのしるしは、上面に提供されてもよい。
【0063】
創傷被覆材は、創傷保護部分と、創傷接触部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分とを備えてもよく、創傷保護部分は少なくとも一つのしるしを含む。
【0064】
周辺部分は、下面および創傷被覆材を表面に固定するために下面に接着剤を有しうる。
【0065】
複数のしるしは、上面に提供されうる。各しるしは、他のグラフィックマーカーのそれぞれとは異なる少なくとも一つのグラフィックマーカーを含みうる。
【0066】
創傷被覆材は、少なくとも二つのポールを有してもよく、少なくとも一つのグラフィックマーカーが、各ポールで提供されてもよい。各マーカーは英数字を含んでもよい。各マーカーは、方向マーカーを含んでもよい。
【0067】
創傷被覆材は、アイランド型被覆材であってもよい。
【0068】
各しるしは、印刷された要素または創傷被覆材の陥凹領域または突出領域であってもよい。各しるしは、カラーパッチ、金属要素、磁気要素および共振タグのうちの少なくとも一つを含みうる。各しるしは、RFIDタグを含みうる。
【0069】
創傷被覆材は、少なくとも一つのセンサー部位をさらに備えてもよく、該少なくとも一つのしるしは、創傷に対して所望の位置にセンサー部位を配置するための可視的な合図を提供する。各センサー部位は、それぞれの少なくとも一つのしるしに関連付けられうる。
【0070】
各センサー部位は、創傷被覆材センサーが配置される位置、検査デバイスのプローブ部分の一部を受けるように構成された窓の位置、または検査デバイスのプローブ部分の一部を受けるように構成された創傷被覆材の標的エリアを備えうる。
【0071】
各しるしは、創傷被覆材のそれぞれのセンサー部位と独自に関連するように構成された、RFIDタグおよびグラフィックマーカーを含みうる。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、創傷に近接して創傷被覆材を配置するステップと、創傷被覆材の上面に直交する軸の周りに創傷被覆材を回転させて、上面の少なくとも一つのしるしを所望の回転方向に整列させるステップと、創傷被覆材を創傷に向かって促すことにより、創傷被覆材を介して創傷を被覆するステップとを含む、創傷被覆材を表面に対して所望の配向に配向する方法が提供される。
【0073】
方法は、創傷被覆材を回転させて、創傷または所定の患者の特徴に対して望ましい位置関係で創傷被覆材の周辺部分上に少なくとも一つのしるしを整列させることをさらに含みうる。
【0074】
方法は、創傷被覆材が少なくとも一つのセンサー部位をさらに含むことと、創傷被覆材を回転させるステップが、各センサー部位を創傷に対して所望の位置に配置することを含むことと、をさらに含むことができる。
【0075】
各センサー部位を配置するステップは、創傷被覆材センサーを所望の位置、または創傷被覆材センサーを配置する創傷被覆材の窓部分に配置することを含みうる。
【0076】
本開示の特定の実施形態は、創傷の近くの皮膚組織の検査を確実に、一貫して繰り返し行うことを可能にする。
【0077】
本開示の特定の実施形態は、創傷治癒の進行を所望の期間にわたって正確に監視できるように、創傷治癒に関連するパラメータの測定値を、創傷近傍の特定の位置についてコンパイルすることを可能にする。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、上面、創傷被覆材が固定可能な表面に対して、上面に直交する軸の周りの創傷被覆材の配向を決定するための少なくとも一つのしるし、創傷保護部分、および創傷接触部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分を含む創傷被覆材が提供され、創傷保護部分は少なくとも一つのしるしを含み、複数のしるしは、上面に提供され、各しるしは他の各グラフィックマーカーとは異なる少なくとも一つのグラフィックマーカーを含む。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、上面、創傷被覆材が固定可能な表面に対して、上面に直交する軸の周りの創傷被覆材の配向を決定するための少なくとも一つのしるし、創傷保護部分、および創傷接触部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分を含む創傷被覆材が提供され、創傷保護部分は少なくとも一つのしるしを含む。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、上面を含む創傷被覆材と、創傷被覆材が固定可能な表面に対して、上面に直交する軸の周りの創傷被覆材の配向を決定するための少なくとも一つのしるしが提供され、各しるしはRFIDタグを含む。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、上面、創傷被覆材が固定可能な表面に対して、上面に直交する軸の周りの創傷被覆材の配向を決定するための少なくとも一つのしるし、少なくとも一つのセンサー部位を含む創傷被覆材が提供され、該少なくとも一つのしるしは、創傷に対して所望の位置にセンサー部位を位置付けるための可視的な合図を提供し、各しるしは、RFIDタグおよび創傷被覆材の各センサー部位に独自に関連するよう構成されるグラフィックマーカーを含む。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、創傷被覆材、センサーモジュールを備える皮膚灌流圧決定デバイス、創傷または創傷に近接した組織領域に関連する少なくとも一つの特性を感知するように構成されたセンサーを含むセンサーモジュール、およびセンサーモジュールによって感知された創傷または創傷に近接した組織領域に関連する少なくとも一つの特性に関連する少なくとも一つの条件を示すように構成されたディスプレイを含む装置が提供される。
【0083】
皮膚灌流圧決定デバイスは、手持ち式デバイスを含むことができる。
【0084】
ディスプレイは、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、またはスマートフォンを含むことができる。
【0085】
ディスプレイは、測定位置、加えられた力、閉塞到達の表示、強い力の警告、移動速度の表示、灌流測定結果、または測定品質表示の視覚的表示を提供するように構成されうる。
【0086】
ディスプレイは、皮膚灌流圧決定デバイス上に位置付けることができる。
【0087】
ディスプレイは、一つまたは複数の視覚インジケータを含み得る。
【0088】
一つまたは複数の視覚インジケータは、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、記号、テキストおよび/または数値表示、グラフィック表示、または外周インジケータを含むことができる。
【0089】
一つまたは複数の視覚インジケータは、一つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含み得る。
【0090】
一つまたは複数の視覚インジケータは、LEDインジケータ、有機発光ダイオード(OLED)インジケータ、および/またはEINKインジケータを含むことができる。
【0091】
一つまたは複数の視覚インジケータは、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、記号、テキストおよび/または数値表示、グラフィック表示、または外周インジケータを含むことができる。
【0092】
センサーモジュールは、標的エリアに圧力をかけるように構成することができる。
【0093】
センサーモジュールは、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知する第一のセンサーと、標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知する第二のセンサーとを備えうる。
【0094】
ディスプレイは、測定プロセス中に、加えられた圧力を増加させるために、または加えられた圧力を減少させるために、ユーザー指示を提供するように構成されうる。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、創傷被覆材、センサーモジュールを備える皮膚灌流圧決定デバイス、創傷または創傷に近接した組織領域に関連する少なくとも一つの特性を感知するように構成されたセンサーを含むセンサーモジュール、およびセンサーモジュールによって感知された創傷または創傷に近接した組織領域に関連する少なくとも一つの特性に関連する少なくとも一つの条件を示すように構成された聴覚的および/または触覚インジケータを含む装置が提供される。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、創傷保護部分を含む創傷被覆材を創傷の上に配置し、それにより創傷保護部分が創傷の上に重なる、配置することと、創傷被覆材上または隣接した標的エリアにセンサーモジュールを含む、皮膚灌流圧決定デバイスを位置付けることであって、センサーモジュールが、創傷または創傷に近接した組織領域に関連する少なくとも一つの特性を検出するように構成されたセンサーを含む、位置付けることと、皮膚灌流圧決定デバイスのセンサーで検出された創傷または創傷に近接する組織領域に関連する少なくとも一つの特性に関連する視覚、聴覚、または触覚インジケータを受信することと、を含む、創傷または創傷に近接する組織領域に関連する少なくとも一つの特性を決定する方法が提供される。
【0097】
視覚インジケータをディスプレイに組み込むことができる。
【0098】
皮膚灌流圧決定デバイスは、手持ち式デバイスを含むことができる。
【0099】
ディスプレイは、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、またはスマートフォンを含むことができる。
【0100】
皮膚灌流圧決定デバイスは、視覚、聴覚、または触覚インジケータを含むことができる。
【0101】
ディスプレイは、一つまたは複数の視覚インジケータを含み得る。
【0102】
視覚インジケータは、一つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含み得る。
【0103】
視覚インジケータは、LEDインジケータ、有機発光ダイオード(OLED)インジケータ、および/またはEINKインジケータを含むことができる。
【0104】
視覚インジケータは、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、記号、テキストおよび/または数値表示、グラフィック表示、または外周インジケータを含むことができる。
【0105】
創傷または創傷に近接する組織の領域に関連する少なくとも一つの特性は、皮膚灌流圧を含むことができる。
【0106】
方法は、圧力を皮膚灌流圧決定デバイスに加えて、標的エリアに圧力を加えることをさらに含むことができる。
【0107】
センサーモジュールは、センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知する第一のセンサーと、標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知する第二のセンサーとを有することができる。
【0108】
視覚、聴覚、または触覚インジケータは、ユーザー指示を提供して、標的エリア上の皮膚灌流圧決定デバイスの加えられた圧力を増加させ、または加えられた圧力を減少させることができる。
【0109】
視覚、聴覚、または触覚インジケータは、測定位置、加えられた力、閉塞到達の表示、強い力の警告、移動速度の表示、灌流測定結果、または測定品質表示の表示を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
本開示の実施形態は、単に例示として、添付図面を参照して記載される。
【0111】
図1図1は、使用時の皮膚灌流圧決定デバイスの概略図である。
図2図2は、図1に示す皮膚灌流圧決定デバイスの構成要素の概略図である。
図3図3は、血液灌流に関連するパラメータを感知するセンサーの概略図である。
図4図4は、皮膚灌流圧を決定する方法を描写するフローチャートである。
図5図5は、図1に示す皮膚灌流圧決定デバイスの出力から得られるディスプレイの例である。
図6図6は、プローブ部分を含む皮膚灌流圧決定デバイスの代替的な実施形態を示す。
図7A図7Aは、図6に示す皮膚灌流圧決定デバイスを、創傷被覆材と併用することを示す。
図7B図7Bは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を図示する。
図7C図7Cは、照明源を有する手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を図示する。
図7D図7Dは、照明源を有する手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を図示する。
図7E-H】図7E図7Hは、光パターンのしるしの実施形態を図示する。
図7I-K】図7I図7Kは、光パターンのしるしの実施形態を図示する。
図7L図7Lは、しるしを有する創傷被覆材の実施形態を図示する。
図7M図7Mは、しるしを有する創傷被覆材の実施形態を図示する。
図7N図7Nは、しるしを有する創傷被覆材の実施形態を図示する。
図7O図7Oは、しるしを有する創傷被覆材の実施形態を図示する。
図7P図7Pは、創傷被覆材の横断面の一実施形態を図示する。
図7Q図7Qは、創傷被覆材の横断面の一実施形態を図示する。
図7R図7Rは、ノッチを有する創傷被覆材の実施形態を図示する。
図8図8は、創傷被覆材を含む皮膚灌流圧決定デバイスのさらなる実施形態を示す。
図9図9Aは、創傷被覆材を含む皮膚灌流圧決定デバイスの一例を示す。図9Bは、創傷被覆材および別個の皮膚灌流圧決定デバイスを含む配置の一例を示す。
図10図10Aは、図9Aに示す皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するための表示デバイスを示す。図10Bは、図9Bに示す皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのワイヤレスディスプレイを示す。
図11図11は、創傷被覆材および複数のセンサーモジュールを含む皮膚灌流圧決定デバイスのさらなる実施形態を示す。
図12図12は、図11に示すデバイスのディスプレイ出力の例を示す。
図13図13は、ディスプレイを組み込んだ手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスを示す。
図14図14は、皮膚灌流圧決定デバイスを含む装置のさらなる実施形態の概略図である。
図15図15は、皮膚灌流圧決定デバイスを含む装置のさらなる実施形態の概略図である。
図16図16は、皮膚灌流圧決定デバイスを含む装置のさらなる実施形態の概略図である。
図17A図17Aは、皮膚灌流圧決定デバイスを使用中の実施形態を図示する。
図17B図17Bは、皮膚灌流圧決定デバイスを使用中の実施形態を図示する。
図18A図18Aは、皮膚灌流圧決定デバイスを使用中の実施形態を図示する。
図18B図18Bは、皮膚灌流圧決定デバイスを使用中の実施形態を図示する。
図19A図19Aは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのディスプレイ、および創傷被覆材と共に使用中の皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を示す。
図19B図19Bは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのディスプレイ、および創傷被覆材と共に使用中の皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を示す。
図19C図19Cは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのディスプレイ、および創傷被覆材と共に使用中の皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を示す。
図19D図19Dは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのディスプレイ、および創傷被覆材と共に使用中の皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を示す。
図19E図19Eは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのディスプレイ、および創傷被覆材と共に使用中の皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を示す。
図19F図19Fは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用するためのディスプレイ、および創傷被覆材と共に使用中の皮膚灌流圧決定デバイスの実施形態を示す。
図20-1】図20A図20Cは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用中のディスプレイの実施形態を図示する。
図20-2】図20D図20Fは、皮膚灌流圧決定デバイスと共に使用中のディスプレイの実施形態を図示する。
図21-1】図21A及び図21Bは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
図21-2】図21C及び図21Dは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
図21-3】図21E及び図21Fは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
図21-4】図21Gは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
図22-1】図22A図221Cは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
図22-2】図22D及び図22Eは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
図23図23は、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスのディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0112】
図1は、患者の腕6に固定された皮膚灌流圧決定デバイス4およびリード線10を介して皮膚灌流圧決定デバイス4に接続されたモニタリングデバイス8を含む皮膚灌流圧を決定するための装置2を示す。皮膚灌流圧決定デバイス4は、創傷被覆材12と、創傷被覆材12と一体的に形成されたセンサーモジュール14を含む。創傷被覆材12は、患者のアーム6に固定されてアーム6の周りに巻きつけ、接着ストリップまたはフックおよびループファスナーなどのファスナーを使用して、反対側末端部分を一緒に固定することによって、着脱可能なバンドの形態になっている。その他の実施形態では、皮膚灌流圧決定デバイスは、創傷被覆材を含まないが、必要に応じて創傷に隣接して固定することができる取り外し可能なバンドであってもよい。バンドは、脚や胴などの他の肢を含む動物またはヒトの身体の他の部分に固定されうる。リード線10は、一方の端でセンサーモジュール14に接続され、他方の端でモニタリングデバイス8に接続される。リード線10は、センサーモジュール14とモニタリングデバイス8との間の通信のための手段を提供し、センサーモジュール14に電力を供給するための手段も提供する。
【0113】
モニタリングデバイス8は、センサーモジュール14から受信した信号を受信および処理し、処理された情報を統合ディスプレイ16上に表示するように構成される。
【0114】
図2は、図1に示す装置2の構成要素を表すシステム図である。
【0115】
図2は、破線によってそれぞれ囲まれる皮膚灌流圧決定デバイス4およびモニタリングデバイス8の構成要素を示す。センサーモジュール14は、センサーモジュール14を介して患者のアーム6に伝達される力を感知するための力センサー18の形態の第一のセンサー、およびセンサーモジュール14の下のアーム6の皮膚組織内の血液灌流量に対応するパラメータを感知するための光学センサー20の形態の第二のセンサーを備える。本実施形態では、光学センサー20はパルスセンサーであるが、反射型パルスオキシメーターセンサーなどの他の適切なセンサーを使用してもよい。力センサー18は、直径15mmおよび力の範囲が45Nの薄膜マイクロ力センサーである。力センサー18はまた、関連付けられた読み取り電子回路を備える。
【0116】
力センサー18は、光学センサー20の上部の上に配置され、光学センサー20は、力センサー18ではなくアーム6に向くように配置される。
【0117】
センサー18、20は、リード線10を含む電気ワイヤー10a、10bのそれぞれを介して、モニタリングデバイス8の入力に接続される。
【0118】
図3は、光学センサー20がアーム6に対して位置付けられている、光学センサー20単独の概略図である。光学センサー20は、所定の波長の光を発する(または所定の波長範囲にわたって光を発する)発光ダイオード(LED)22の形態の発光体と、LED22が発する光を検出するように構成されたフォトダイオード24の形態の光検出器とを備える。
【0119】
LED22およびフォトダイオード24は、ハウジング26内に配置され、フォトダイオード24によって検出可能な光の波長または波長範囲に対して不透明なシールド28によって分離される。シールド28は、LEDからの放射光がフォトダイオード24に直接伝達されるのを防止する。LED22によって放射された光が下部分を通過してアーム6の皮膚組織に到達し、アーム6の皮膚組織によって反射または散乱される光が、ハウジング26の下部分を通過してフォトダイオード24に戻るように、ハウジング26の下部分は開放または透明である。シールド28は、皮膚組織からわずかに離間しており、皮膚に接触せず、したがってシールド28の下に光が通過するのを妨げない。したがって、フォトダイオード24によって受けられる光は、LED22によって放射され、アーム6の皮膚組織によって反射、散乱、または吸収されて再放射された光である。
【0120】
示される実施形態では、LED22は495nm~570nmの波長を有する可視スペクトルの緑色帯域の光を放射する。緑色光は血液中のヘモグロビンによって高度に吸収されることが知られており、緑色光の吸収量は皮膚組織内の血液の量と相関している。したがって、LED22によって放射される緑色光の吸収量を測定することは、血液量を決定するために使用されることができ、したがってセンサーモジュール14の下の組織の標的エリアにおける血液灌流量を示す。
【0121】
再び図2を参照すると、モニタリングデバイス8は、力センサー18および光センサー20から受信した信号を処理するためのリード線10a、10bおよびプロセッサ32に接続された信号処理電子回路30を備える。プロセッサ32は、ディスプレイ16上の処理済み信号を表すデータを表示するように構成される。信号処理電子回路30は、センサーモジュール14に電力を供給するようにさらに構成される。しかし、当然のことながら、別個の電源が提供されてもよく、電源が創傷被覆材に組み込まれてもよい。他の実施形態では、皮膚灌流圧決定デバイスはプロセッサを備えてもよく、プロセッサはモニタリングデバイスにデジタル出力を提供するように構成されてもよい。
【0122】
ここで、装置2を使用した皮膚灌流圧を決定する方法を、図1~5を参照しながら説明する。
【0123】
センサーモジュール14は、開放または透明であるセンサーモジュール14のハウジング26の下部分が、図3に示す通り、皮膚組織の標的エリアに隣接するように、患者のアーム6に対して配置される。ハウジング26の下部分は、標的エリアと接触してもよい。次に皮膚灌流圧決定デバイス4は、図1に示すように、創傷被覆材12をアーム6の周りに巻きつけ、創傷被覆材12の末端部分を一緒に固定することによって、患者のアーム6に固定される。センサーモジュール14は、センサーモジュール14がモニタリングデバイス8と通信するように、リード線10によってモニタリングデバイス8に接続される。
【0124】
力センサー18からの出力、および光学センサー20がモニターされ、ディスプレイ16上に表示される。力センサー18および光学センサー20からの出力の例は、図5のそれぞれの下部および上部のトレースに示されている。
【0125】
上部トレースは、標的エリアで皮膚組織によって吸収されるLED22によって放射される光の量の表示を提供するフォトプレチスモグラム(PPG)である(すなわち、トレースは標的エリアでは皮膚組織によって反射され、フォトダイオード24によって受け取られる光の量に反比例する)。したがって、LED22によって放射される比較的大量の光を吸収する皮膚組織における比較的大量の血液は、比較的高い出力トレース値を生成し、逆もまた同じである。もちろん、皮膚組織によって反射される光の量がプロットされるようにトレースは反転させることができ、その場合、皮膚組織内の大量の血液が比較的低い出力トレース値を生成する。
【0126】
上部トレースは通常、拍動成分および非拍動成分を持つ。拍動成分は、パルサタイル動脈血によって吸収される光を表す一方で、非拍動成分は、非パルス性動脈血、静脈血および皮膚組織によって吸収される光を表す。血管および毛細血管を通して血液を押す心臓サイクルの圧力パルスによって引き起こされる血液量の変化に起因して拍動成分が生じ、したがって血流に関連する。したがって、拍動成分は、下にある組織内の血液灌流量の表示を得るためにモニターされうる。
【0127】
皮膚灌流圧決定デバイス4が患者のアーム6に固定された後の皮膚組織によって最初に吸収される光の量は、図5の上部トレースの時間tとtの間に示される。各ピークは、標的エリアの皮膚組織を通る動脈血のパルスを表す。
【0128】
時間tは、皮膚灌流圧測定が開始される時間であり、図4のフロー図によって示される方法の第一ステップの開始に対応する。
【0129】
使用時、臨床医(または患者本人)は、センサーモジュール14をアーム6に対して押圧して、標的エリアの下の組織内の血管を塞ぐ。時間tに示すように、力の量は、トレースの拍動成分が所定のレベルを下回るかまたは明らかでなくなるまで増加する。トレースが所定のレベルよりも下回ったら、臨床医はセンサーモジュール14をアーム6に対して保持し続け、時間tとtの間に示すように、パルサタイル動脈血流が標的エリアの組織で止まったことを確実にする。示した例では、所定のレベルより低いレベルで変動する、トレースの非ゼロノイズ成分が残っている。時間tで、臨床医は、時間tまでセンサーモジュール14に加えられた力をゆっくりと減少させ始め、この時点で、圧力モジュール14が完全に開放され、標的エリアでの組織内のパルサタイル動脈血流が完全に回復する。
【0130】
臨床医によってセンサーモジュール14を介して標的エリアの組織上に加えられる力は、低トレースによって記録される。下部トレースから分かるように、時間tとtとの間に力は記録されない。臨床医がセンサーモジュール14を患者のアーム6に対して押圧するとき、時間tとtの間で力が比較的急速に増加し、臨床医がセンサーモジュール14をアーム6に対して保持している間に時間tとtの間で水平状態になる。臨床医が時間tでセンサーモジュール14を徐々に開放し始めると、加えられた力は着実減って時間tでゼロに戻り、パルサイタル動脈血流が皮膚組織に戻る。
【0131】
血圧がセンサーモジュール14を押す臨床医によって加えられる組織内の血管の閉塞圧力を克服するのに十分であるときに、パルサイタル動脈血流が戻る。血流の戻りは、時間tSPPに示すとおり、上部トレースにおける拍動成分の戻りによって表される。パルサタイル動脈血流の戻りを決定するために異なる基準を使用することができる。例えば、血流の戻りは、上部トレースの値が、予想される最大ノイズ値よりも大きい値などの所定の閾値ISPP値に戻ることによって決定されうる。あるいは、閾値ISPPは、血管(すなわち、時間tとtの間のパルス振幅)を塞ぐために力がかけられる前に観察されたパルス振幅に基づいて決定される値としうる。一例では、血管を閉塞するために力が加えられる前に観察されるパルス振幅の所定の割合である閾値ISPPが使用されてもよい。他のアルゴリズムを使用して、トレースの拍動成分の戻りを決定してもよい。
【0132】
時間tSPPでの下部トレースの力FSPPの大きさが、次いで記録される。記録された力FSPPは、その後、皮膚灌流圧を決定するために使用できる。これは、計算、ルックアップテーブルによって、または力センサー18の事前較正に基づいて行うことができる。例えば、皮膚組織に押し付けられたセンサーモジュール14の接触面積の部分がわかっている場合、皮膚組織に加えられる圧力を計算できる。この場合、標的エリアはセンサーモジュール14の接触面積に対応する。記述された実施形態では、センサーモジュール14の接触面積は、円形であり、直径は10mmであり、したがって表面積はおよそ80mmである。接触面積が大きいほど、血流を止めるために必要な力は大きくなる。接触面積が小さいほど、加えられる力の変動によって生じる圧力の変動が大きくなるため、非常に小さい接触面積では、血流が戻る力を決定するために、臨床医が制御された方法で加えられた力を解放することが困難になる。接触面積が非常に小さいと、血液灌流センサーによる正確な読み取りが困難になる場合がある。したがって、センサーモジュール14の接触面積は、1mm~1000mm、例えば、10mm~400mmである。
【0133】
この配置の利点は、センサーモジュール14によって標的エリアに加えられる圧力と血液灌流量の同時測定が標的エリアで行われることである。測定を同時に行って記録することで、患者の体の所望の位置での血液灌流圧の正確で信頼性の高い測定値を生成できる。
【0134】
皮膚灌流圧の測定は、単一の測定として実施することも、長期にわたる繰り返し測定から明らかな傾向から決定することもできる。こうした測定は、創傷治癒の予測を補助するために使用されうる。
【0135】
LED光源、特に表面実装LEDの使用は、コンパクトで、広く利用可能で、安価で、信頼性が高く、かつ低電力消費の光源を提供する。上述の実施形態では、可視スペクトルの緑色帯域の光を放射するLEDが使用される。しかし、血液によって吸収または反射される波長を持つ光を放射する他の適切な光源を使用することができる。600nm~1350nmの波長(または波長の範囲)を持つ光を放射する光源を使用しうる。特に、600nm~750nmの波長を持つ可視スペクトルの赤色帯域で光を放射する光源、または850nm~1000nmの波長を持つ可視スペクトルの近赤外線帯域で光を放射する光源を使用しうる。650nm~1350nmの波長を持つ生体組織の近赤外線ウィンドウで光を放射する光源は、光がこれらの波長で組織に最大の浸透深さを持ち、放射光の大部分が組織内の血管に達するので、有益である。
【0136】
代替的な光検出器が使用されうる。例えば、フォトトランジスタまたは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ベースのセンサーを使用しうる。これらのセンサーおよび記述された実施形態のフォトダイオードは、安価で、コンパクトで、かつ広く利用可能であるため好ましい。
【0137】
標的エリアに加えられる圧力に関連するパラメータを決定するための代替的センサーが使用されうる。特に、典型的な創傷被覆材の厚さに対応する、またはそれよりも薄い厚さを有するセンサーを使用してもよい。適切な容量性、抵抗性薄膜または微細加工されたセンサーまたは歪みゲージなどが使用されうる。こうしたセンサーは、下記に説明する通り、創傷被覆材への組み込みに適している。上述の実施形態は、力センサーを備えるが、センサーモジュールによって加えられる圧力またはセンサーモジュールによって標的エリアに生じる応力に関連するパラメータを決定するために使用されうる出力を生成する代替的なタイプのセンサーを使用できることが理解されよう。こうしたセンサーは、センサーまたはセンサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力を出力するように構成されたセンサーを含みうる。
【0138】
上述の実施形態では、センサーモジュール14からの出力を示す単純なトレースが、臨床医または患者を補助するために提供される。しかしながら、プロセッサは、測定プロセスの各段階で、加えられた力を増加させるか、または加えられた力を減少させる指示などのディスプレイ16上の患者/臨床医への指示を表示するように構成されてもよい。可聴信号は、臨床医/患者にパルス強度を知らせるために生成されうる。可聴信号は、トレースの拍動成分の大きさに応じて周波数または音量が変化する連続的または一連のビープ音であってもよい。例えば、拍動成分が閾値を下回った時に、可聴ビープ音は静かになり、拍動成分が戻って標的エリアの組織内の血流の戻りを示すと、再びビープ音が鳴る場合がある。文書化された指示に加えて、光または記号または色信号または可聴信号を使用して、加えられた力を増減するようユーザーに指示することができる。
【0139】
図6は、グリップ部分106およびプローブ部分108を備える手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス104を含む装置102の一部の代替的実施形態の一例を示す。プローブ部分108は、センサーモジュール(図示せず)が収容されるパッド部分110を有する。センサーモジュールは、図2に示すセンサーモジュール14に一致している。手持ち式デバイス104は、リード線112によって図1に示すものと類似したモニタリングデバイスに接続される。
【0140】
使用時、グリップ部分106は臨床医によって保持され、パッド部分110を患者の皮膚の標的エリアに押し付けるために使用される。次に、図4に示し上述した方法に従い、標的エリアでの皮膚灌流圧を決定する。
【0141】
図7Aは、創傷被覆材202と併用する手持ち式デバイス104を示す。創傷被覆材202は、中央創傷保護部分204および周辺固定部分206を含む。図7Aに示すように、周辺固定部分206は、中央の創傷保護部分204の周囲の周りに延び、創傷被覆材202の周囲を形成する。固定部分206は、創傷被覆材202を患者の皮膚に固定するために、その下面にアクリル接着剤またはシリコン接着剤などの接着剤を有する。
【0142】
四つの円形の窓208A、208B、208C、208Dは、固定部分206のそれぞれのローブ210A、210B、210C、210Dに提供される。ローブ210A、210B、210C、210Dは、各ローブ210A、210B、210C、210Dが他のローブ210A、210B、210C、210Dの一つに対向して離間して配置されるように、創傷保護部分204の周りに離間して配置される。各窓208A、208B、208C、208Dは、パッド部分110を患者の皮膚に直接押し付けることができる開口部によって画定される。各窓208A、208B、208C、208Dは、パッド部分110が患者の皮膚に押し付けられるのに役立つように、パッド部分110のサイズおよび形状に対応するサイズおよび形状を持つ。窓208A、208B、208C、208Dは、創傷被覆材を除去する必要なしに、創傷の位置に近い標的エリアで血液灌流圧を測定できる便利な方法を提供する。窓208A、208B、208C、208Dの固定位置は、創傷治癒を評価するために、同じ位置での皮膚灌流圧の測定を繰り返し確実に行うことができるようにする。これにより、創傷治癒の一貫した確実な追跡が容易になる。もちろん、手持ち式デバイスの適切な形状のパッド部分を見つけるのに役立つ他の形状の窓を、利用することもできる。ローブ210A、210B、210C、210Dの少なくとも一部は、例えば、一つまたは複数の穿孔されたセクションを介して創傷被覆材202の残りの部分に接続されることによって着脱可能であってもよい。さらに、窓208A、208B、208C、208Dは、創傷被覆材202の適用直前に、創傷被覆材202の取り外し可能な部分を除去することによって、使用時に明らかにされおよび/または作成されうる。取り外し可能な部分は、一つまたは複数の穿孔されたセクションを介して創傷被覆材202の残りの部分に接続されうる。ローブの数、位置およびサイズは、創傷被覆材に対する体の位置または創傷のサイズまたは創傷の種類などの要件にしたがって調整することができる。
【0143】
創傷被覆材202は、創傷被覆材202の配向を決定するために、しるしが提供される上面を有する。いくつかの実施形態では、しるしは配向を決定するために、標的エリアまたは測定位置を検出するために、および/または創傷被覆材を識別するために使用することができる。測定間の時間は約一日~約七日でありえるため、しるしは、ユーザーが同じ位置および/または被覆材から正確にかつ繰り返し測定ができることを保証するのに役立ちうる。
【0144】
いくつかの実施形態では、しるしは、図7Aに示す英数字A、B、C、およびDを含むことができるが、創傷被覆材の配向を決定するために、また創傷被覆材202の窓208A、208B、208C、208Dそれぞれを独自に識別するために、方向マーカーなどを含みうる。各しるしは、被覆材またはくぼみまたは凹みまたは穴または金属要素または磁気要素または共鳴タグに、記号または一つもしくは複数のカラーパッチまたは折り目を含むことができる。本明細書で使用される場合、創傷被覆材の上面は、創傷床から最も遠位または遠位の創傷被覆材の表面を意味する。
【0145】
他のしるしおよびパターンは、配向を決定するために、標的エリアまたは測定位置を検出するために、および/または創傷被覆材を識別するために使用することができる。いくつかの実施形態では、創傷被覆材の位置は色分けできる。いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、カラーパッチを有することができるか、または配向、位置、および/または創傷被覆材を識別するために色分けすることができる。カラーリングは、皮膚灌流圧測定を行うための標的エリアを特定するために使用することができる。カラーパッチは、意図された測定位置の横または上で使用できる。いくつかの実施形態では、カラーは、測定デバイス上または測定デバイス内のカラーセンサーを使用して検出できる。手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを有する他のデバイスのプローブ部分108は、創傷被覆材202の上または近くのカラーパッチを検出するために使用できるカラーセンサーを備えることができる。いくつかの実施形態では、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス104は、照明源を含みうる。図7Bおよび図7Cに示すように、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス104の照明源109は、創傷被覆材の上面上の領域115を照明できる。いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、照明源によって照明されたときに見えるカラーパッチでマーク付けできる。例えば、カラーパッチは、紫外線スペクトル上で見える色であり、照明源109から紫外線が照明されると見える色でありうる。いくつかの実施形態では、照明源は、創傷被覆材の上面を照明することができ、反射光は、図7Dに図示したカラーセンサーまたは他のセンサーによって検出できる。いくつかの実施形態では、このようなイメージングまたは照明を使用して、創傷の細菌を検出するために使用できる(例えば、MolecuLightなどのシステム)。
【0146】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、創傷被覆材の標的エリアを識別するための光パターンを含みうる。図7E図7Kは、使用可能な様々な光パターンを図示する。図7Eは、バーコードの実施形態を図示する。図7Fは、ドットパターンの実施形態を図示する。図7Gおよび図7Hは、グリッドパターン(図7Gに示す)または平行線(図7Hに示す)を含めて使用できる線パターンの実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、図7Iに示すものと類似した方向指標を創傷被覆材に使用できる。いくつかの実施形態では、図7Jおよび図7Kに示すものと類似した記号または線描を使用できる。
【0147】
図7Lおよび図7Mに示すように、創傷被覆材202は、創傷被覆材の位置に位置付けられた本明細書に記載のものと類似のカラー701(図7Lに示す)またはパターン703(図7Mに示す)のうちの一つまたは複数を有し、配向を決定し、測定位置を検出し、および/または創傷被覆材を識別することができる。手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスは、創傷被覆材の上に位置付けることができ、カメラを利用して創傷被覆材上の色、パターン、または他のしるしを検出できる。手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス104は、パターンを検出し測定位置を識別するカメラを含みうる。いくつかの実施形態では、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスは、創傷被覆材の表面上の色、パターン、または他のしるしの捕捉を補助するための照明源を含みうる。
【0148】
創傷被覆材、測定位置、および/または創傷被覆材の識別は、創傷被覆材の上面上のしるしを観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、しるしを被覆材上に非対称的に位置付けることができる。例えば、しるし714は、図7Nに図示するように、四角形被覆材202の四つの角のうちの三つに位置することができる。創傷被覆材は、向きを変えられるため(上部裏当て層および創傷接触層を含む)、三つの角でしるしを使用するだけで配向を決定できる。
【0149】
いくつかの実施形態では、図7Oに図示するように、創傷被覆材202は、創傷被覆材の異なる位置に位置付けられた異なる形状、スタイル、および/またはサイズのしるしを有し、配向を決定し、測定位置を検出し、および/または創傷被覆材を識別することができる。創傷被覆材202は、各位置に独特のしるしを有することができる。例えば、創傷被覆材202は、円のしるし715、三角形のしるし716、および正方形のしるし717を有しうる。いくつかの実施形態では、各位置の独特のしるしは、ユーザーが各測定時間に同じ位置から読み取り値および/または測定値が一貫して取られていることを確認するのに役立ちうる。
【0150】
図7L~7Oは、パターンまたは色のしるしの使用を図示するものであるが、被覆材の辺の任意の色、パターン、コード、および/またはノッチを使用して、パターンまたは色に加えて、位置を識別または被覆材を識別することができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、磁気コードを利用して、ユーザーが創傷被覆材上で測定位置を特定するのを補助することができる。創傷被覆材の磁性材料またはパターンは、意図された測定位置、配向を決定するために使用される位置、および/または創傷被覆材を識別するために使用される位置の横または上で使用できる。手持ち式デバイスは、創傷被覆材の磁性材料またはパターンを検出する磁気センサー(例えば、磁気計)を含みうる。いくつかの実施形態では、磁性材料は、異なる量の磁性材料を異なる位置で利用して、検出デバイスまたは手持ち式デバイスによって検出された異なるサイズの信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、検出される信号のサイズが異なると、磁気計または磁気センサーの感度が影響を受けることがある。いくつかの実施形態では、創傷被覆材の位置を特定するために磁性材料の様々なパターンを使用できる。
【0152】
それぞれのしるしは、パッド部分110がそれぞれの窓に位置する時、RFIDタグの位置、および/またはRFIDタグに関連する窓などの情報を手持ち式デバイス104に通信するように構成されたRFID識別タグを含みうる。他の実施形態では、RFIDタグおよび可視マーカーの組み合わせを使用することができ、可視マーカーおよびRFIDタグは組み合わされたときに、保存情報を使用して、創傷被覆材および/または創傷被覆材が適用される患者を識別することができる。例えば、被覆材は、シリアル番号の形態の識別子を有してもよい。シリアル番号の少なくとも一部分はRFIDタグから取得可能であってもよく、またシリアル番号の異なる部分は視覚的マーカーから取得可能であってもよい。二つの部分を組み合わせて、創傷被覆材の匿名識別を可能にし、ゆえに創傷被覆材が適用されている患者の匿名識別を可能にする。
【0153】
手持ち式デバイスは、創傷被覆材のしるしについての情報を取得するための適切なRFIDリーダーまたはカメラモジュールを備えうる。装置は、測定値を創傷被覆材または創傷被覆材の特定の窓/ローブと関連付けるように構成されてもよい。
【0154】
当然のことながら、窓208A、208B、208C、208Dは、センサーモジュールの光学センサーによって使用される光の波長に対して透明な材料で形成されうる。例えば、各窓208A、208B、208C、208Dは、495nm~570nmの波長を持つ緑色光に対して、透明または実質的に透明な材料で作製されうる。窓は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸セルロース、またはアクリルまたはシリコンまたはポリウレタンまたはアシレートまたは他の適切な材料のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0155】
図7P~7Qは、窓721を伴う創傷被覆材720の断面図を示す。図7Pおよび図7Qの創傷被覆材720は、図7Aを参照して本明細書に記述される創傷被覆材の実施形態の断面を図示する。前述のように、創傷被覆材720は、周辺固定部分725および中央創傷保護部分728を含みうる。図7Pおよび図7Qに図示する通り、創傷被覆材720は、創傷接触層722、吸収または発泡層723、および上部フィルムまたは裏当て層724を含み得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、図7Aに示す窓208A、208B、208C、208Dは、被覆材の窓部分の下に延びる創傷被覆材からの創傷接触層の材料で形成されうる。図7Pに図示するように、創傷接触層722は、被覆材720の周辺固定部分725および窓721にわたって延びうる。裏当て層724は、創傷被覆材の窓部分721の開口部726を含みうる。こうした実施形態では、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスは、窓721の創傷接触層722の上に位置付けられうる。
【0157】
図7Qは、創傷接触層722に開口部727と、創傷被覆材の窓部分721の裏当て層724の開口部726とを有する創傷被覆材720の実施形態を図示する。図7Qの実施形態では、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスは、窓721内に位置付けられ、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスと患者の皮膚との間の創傷被覆材の窓部分には材料が存在しない。こうした実施形態では、手持ち式の皮膚灌流圧決定デバイスは、窓内の皮膚と直接接触することができる。いくつかの実施形態では、創傷接触層および吸収または発泡層は任意である。
【0158】
いくつかの実施形態では、裏当て層724は、熱可塑性ポリウレタンから形成できる。創傷接触層722は穿孔層であってもよく、随意に接着剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、吸収または発泡層723は、例えば、スペーサー層、スーパー吸収材、不織布、発泡体、マスキング層、および/またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の被覆材構造材料とすることができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、別個の被覆材層を使用して、窓の材料を形成することができる。例えば、創傷接触層は、吸収および/または発泡層、または中央創傷保護部分728の下に使用できる。別個の非穿孔性および/または非接着性フィルムを、被覆材の周辺固定部分725の周りおよび/または窓内に使用できる。いくつかの実施形態では、窓内で使用される材料を、圧力および/または光透過に対して選択することができる。
【0160】
図7Rは、被覆材の周辺固定部分731に沿ったノッチ730を有する創傷被覆材702を図示する。ノッチ730は、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスによる測定のための測定位置を示すことができる。例えば、図7Aを参照して説明したように、被覆材からローブ210A、210B、210C、210Dを取り外す代わりに、被覆材は、図7Rに示すノッチで設計されうる。
【0161】
図8は、図2に示すセンサーモジュール14と一致する統合センサーモジュールを有する創傷被覆材304を含む、皮膚灌流圧決定デバイス302を示す。創傷被覆材304は、患者の脚306に取り付けられて示されている。リード線308は、センサーモジュールを、図1に示すものなどのモニタリングデバイス(図示せず)に接続する。
【0162】
図9Aは、図2に示すセンサーモジュール14と一致する統合センサーモジュール406を有する創傷被覆材404を含む、皮膚灌流圧決定デバイス402の実施形態を示す。創傷被覆材404は、中央創傷保護部分408および周辺固定部分412を含む。固定部分412は、創傷被覆材を患者の皮膚に固定するために、その下面に接着剤を有する。センサーモジュール406は、周辺固定部分412と一体的に形成され、図10Aに示すように、センサーモジュール406をモニタリングデバイスに接続するリード線414に接続される(下記に説明する)。説明した実施形態では、創傷被覆材404はアイランド型被覆材である。中央部分408の厚さは、下部創傷接触層と上層との間に一つまたは複数の構成要素部分を含みうる(図9Aおよび図9Bに見られる)。
【0163】
図9Bは、図2に示すセンサーモジュール14と一致するセンサーモジュール504、およびセンサーモジュール504が一体的に形成される固定部分506を備える皮膚灌流圧決定デバイス502の実施形態を示す。デバイス502は、図9Bに示すように、創傷保護部分510および周辺固定部分512を含む創傷被覆材508に隣接する患者の皮膚に固定されうる。配置の利点は、皮膚灌流圧決定デバイス502を妨げる必要なく、創傷被覆材508を定期的に取り替えられることである。示される実施形態では、皮膚灌流圧決定デバイス502は無線であり、図10Bに示すものなどのモニタリングデバイスと通信するように構成されてもよい(下記に説明する)。
【0164】
図10Aは、図9Aに示す皮膚灌流圧決定デバイス402と併せて使用されうるリード線414によってセンサーモジュールに接続された個人用手持ち式デバイスの形態のモニタリングデバイス416の例を示す。モニタリングデバイス416は、統合ディスプレイ418を有し、タブレット、スマートフォンなどの統合ディスプレイを有する携帯型コンピュータであってもよい。モニタリングデバイス416は、臨床医が携帯し、患者との相談中に創傷被覆材404に接続されてもよい。次に、デバイス416は、創傷に関する情報を臨床医に表示するのに使用する、および/または将来の参照用またはその後の遠隔データベースへの転送のためにデバイスに保存することができる。
【0165】
図10Bは、図10Aに示すデバイスと類似した個人用手持ち式デバイスの形態のモニタリングデバイス514の例を示すが、図9Bに示す皮膚灌流圧決定デバイス502と無線通信するように構成されている。
【0166】
図11は、図2に示すセンサーモジュール14と一致するそれぞれ四つの統合センサーモジュール606A、606B、606C、606Dを有する創傷被覆材604を含む、皮膚灌流圧決定デバイス602を示す。創傷被覆材604は、中央創傷保護部分608および周辺固定部分610を含む。固定部分610は、創傷被覆材を患者の皮膚に固定するために、その下面に接着剤を有する。センサーモジュール606A、606B、606C、606Dは、周辺固定部分610と一体的に形成され、それぞれのローブ612A、612B、612C、612Dに位置する。ローブ612A、612B、612C、612Dは、各ローブ612A、612B、612C、612Dが他のローブ612A、612B、612C、612Dの一つに対向して離間して配置されるように、創傷保護部分608の周りに離間して配置される。他の突出要素分布パターンも、もちろん利用することができる。
【0167】
図12は、図11に示すセンサーモジュール606A、606B、606C(ディスプレイのカラムA、BおよびCによって表される)のうちの三つからの出力から得られる情報のグラフィック表示の一例である。ディスプレイは、各センサーモジュール606A、606B、606Cモジュールからどのように血液灌流圧が得られたかを共に表示することで、被覆材604が適用される創傷の周辺で血液灌流圧がどのように変化しうるかの表示を提供できることを提供する。
【0168】
図13は、グリップ部分704およびプローブ部分706を備える手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス702のさらなる実施形態の一例を示す。デバイス702は、プローブ部分706がセンサーモジュールを収容するパッド部分708を備えるという点で、図6に示すデバイスと類似している。グリップ部分704は、センサーモジュールの出力から得られる情報を表示するための統合ディスプレイ710を備える。
【0169】
図14は、皮膚灌流圧決定デバイス804、モニタリングデバイス806、および膨張式カフ808を含む皮膚灌流圧を決定するためのさらなる装置802を示す。皮膚灌流圧決定デバイス804は、創傷被覆材810と、創傷被覆材810と一体的に形成されたセンサーモジュール812を含む。センサーモジュール812は、図1に示すセンサーモジュール14と一致している。モニタリングデバイス806は、信号処理電子回路814、プロセッサ816、電池818の形態の電源、およびディスプレイ820を備える。電池818は、センサーモジュール812、プロセッサ816およびディスプレイ820に電力を供給するように配置される。モニタリングデバイス806は、創傷被覆材と一体的に形成される。
【0170】
膨張式カフ808は、使用時に、カフ808が創傷被覆材810および患者の手足822または創傷被覆材が固定される患者の体の他の領域を囲むように配置される。カフ808は、ディスプレイ820が臨床医または他の医療専門家に見えるように構成される。例えば、窓(図示せず)は、ディスプレイ820の近傍のカフ808内に提供されうる。ディスプレイ820は、創傷被覆材810の厚さに対応するか、またはそれ未満の厚さを有し、創傷被覆材への組み込みに適した薄膜ディスプレイであってもよい。
【0171】
カフ808は、ハンドポンプなどの外部ポンプ、または装置802に組み込まれたポンプを使用して膨張および収縮させることができる。カフ808の膨張は、センサーモジュール812を患者の手足に押し付ける。カフ808は次に、皮膚灌流圧測定値を得るために図1に示す装置に関して上述した方法にしたがって、センサーモジュール812に加える力を減少させるために収縮させることができる。収縮は、所定の一連のステップにしたがって、および/または他の感知されたパラメータにしたがって、ユーザーによって手動で、または自動的に行われてもよい。
【0172】
図15は、創傷被覆材および図14に示すモニタリングデバイスに対応するモニタリングデバイスを含む装置の代替的配置を示す。したがって、同じ構成要素に対する同じ参照符号が使用されている。装置は、センサーモジュール812の上部に位置し、エアクッション902を膨張させて、センサーモジュール812を患者の皮膚822に対して押し付けることができるよう、創傷被覆材810と一体化された膨張可能なエアクッション902の形態の空気圧アクチュエータをさらに備える。装置は、所定の時間シーケンスで測定を自動的に行い、結果を保存して、臨床医または介護者による訪問の間にデータをコンパイルするように構成されうる。デバイスはさらに、傾向を計算し、介護者によるその後の検索のためにそれらを保存するように構成されてもよい。
【0173】
図16は、皮膚灌流圧決定デバイス1004、モニタリングデバイス1006、および力アクチュエータ1008を含む皮膚灌流圧を決定するためのさらなる装置1002を示す。皮膚灌流圧決定デバイス1004は、創傷被覆材1010と、創傷被覆材1010と一体的に形成されたセンサーモジュール1012を含む。センサーモジュール1012は、図1に示すセンサーモジュール14と一致している。モニタリングデバイス1006は、信号処理電子回路1014、プロセッサ1016、メモリ1018の形態のデータ記憶デバイス、および電池1020の形態の電源を備える。電池は、センサーモジュール1012、プロセッサ1016、およびメモリ1018に電力を供給するように配置される。モニタリングデバイス1006は、創傷被覆材1010と一体的に形成される。力アクチュエータ1008は、センサーモジュール1012を患者の皮膚1022に対して押し付けるように配置された図15に示す配置に関して説明した通り、電気機械アクチュエータ、熱アクチュエータ、またはエアクッションなどの空気圧アクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータの例としては、モーター、ソレノイド、形状記憶アクチュエータ、ワックスアクチュエータおよび圧電アクチュエータなどが挙げられる。力アクチュエータ1008は、力アクチュエータに供給される駆動信号から、加える力を決定できるように較正されてもよい。こうした実施形態では、追加的な力センサーは必要としない。
【0174】
プロセッサは、力アクチュエータ1008を駆動し、センサーモジュール1012からの出力を処理するよう構成されており(代わりに別個のプロセッサが使用されてもよいが)、所定の時間パターンなどの所定の要件にしたがって、またはユーザーが開始した時にアドホックベースで、一連の皮膚灌流圧測定を自動的に行うようにプログラムされている。メモリは、センサーモジュール1012から取得されたデータを保存するように構成される。保存されたデータはその後、例えば、臨床医との相談の間、保管および/または処理のためにさらなるデバイスに送信されうる。これは、有線リンクまたは無線で行うことができる。
【0175】
図14図15および図16は、電池の形態の電源を示す。しかし、代替的な電源は、例えばいくつかのピエゾ素子などに基づいて、例えば着用者の動きから、温度差および例えば熱電対列を用いて、ユーザーまたは環境によって生成された熱から、または例えば光起電力電池、または例えばユーザーによって充電されうるぜんまい仕掛け式メカニズムなどの他のエネルギー生成システムを用いる光から、エネルギーを生成する、一つまたは複数の蓄電池、燃料電池またはエネルギー発生器などを使用してもよい。使用される任意の電池は、再充電不能または再充電可能としうる。再充電は、有線または非接触の充電技術を使用して実施されうる。
【0176】
図17Aは、カフ1202の実施形態を示す。本明細書で使用される場合、カフおよび取り外し可能なバンドという用語は、患者の手足または身体に巻き付け、接着ストリップまたはフックおよび面ファスナーなどの留め具を使用して両端部を互いに固定することにより、患者の手足または身体に固定することができる取り外し可能なバンドを指す。カフ1202は、図1に示すセンサーモジュール14と類似および一致する、センサーモジュール1212を有することができる。いくつかの実施形態では、手動作動を使用して、カフ1202に圧力を加え、センサーモジュール1212を患者の手足またはデバイスが固定される患者の体の他の領域に押し付けることができる。手動作動は、ユーザーの手および/または指を利用して、デバイスおよび/または患者の皮膚にかけられる力の量を制御することができる。図17Aは、患者の手足1222を取り巻くカフ1202を図示する。ユーザーは、図17Aに示したようにセンサーモジュール1212の位置でカフ1202を押すことができる。センサーモジュール1212は、患者の手足1222に対して押し付けることができる。センサーモジュール1212上にアサートされた圧力は、センサーモジュール1212に加えられた力を減少させるために解放されうる。これらのステップは、皮膚灌流圧測定を得るために、図1に示す装置および図4に示す方法に関して上述した方法にしたがって実施することができる。手動圧力の解放は、所定の一連のステップおよび/または他の感知されたパラメータにしたがってもよい。図17Aに示すように、いくつかの実施形態では、デバイスは、本明細書でさらに詳細に説明する通り、結果を表示し、ユーザーフィードバックを提供する遠隔デバイス1223と通信することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、センサーモジュール(図示せず)は、創傷被覆材1210に組み込まれうる。ユーザーは、図17Bに図示した測定値を実行するために、創傷被覆材1210内のセンサーモジュールを押すことができる。
【0178】
図18Aおよび図18Bは、センサーモジュール1312を有するカフ1302の実施形態を、患者の手足1322またはデバイスが固定される患者の体の他の領域に対して使用されることを示す。いくつかの実施形態では、カフ1302は、図1に示した装置に関して上述した方法および図4に示す方法にしたがって、皮膚灌流圧測定を得るために圧力および放出圧力を患者の皮膚に対して適用しうる。
【0179】
いくつかの実施形態では、センサーモジュールへ圧力の印加および解放は、皮膚灌流圧測定値を得るために完全に自動化されうる。カフは、患者の手足の周りで収縮するようにカフを制御できる電気機械アクチュエータを使用できる。患者の手足に適切な圧力がかけられると、カフは自動的に圧力を解放できる。他の実施形態では、カフ1302は、図18Bに示したように流体式膨張パッドまたはデバイスを使用して、カフ1302を膨張および収縮させることにより、カフ1302上の圧力の膨張および/または解放を制御することができる。図18Bは、患者の手足1322の周りの膨張状態のカフ1302を図示する。圧力の自動印加および/または解放は、所定の一連のステップにしたがうことができ、および/または他の感知されたパラメータにしたがって起こりうる。
【0180】
上述の通り、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスを使用して、皮膚灌流圧測定値を得ることができる。本明細書に記載のセンサーモジュールを備えた手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスまたは他のデバイスは、測定値を得るために、創傷床の上、下、左、および/または右のいずれかに配置することができる。いくつかの実施形態では、手持ち式の皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスは、創傷床の端から5cmの位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、手持ち式の皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスは、創傷床の端から約2cm~10cmの位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、創傷の縁まで測定することができる。いくつかの実施形態では、測定は、創傷から、または創傷に関連しない患者の体の位置から任意の距離で行うことができる。皮膚灌流測定値は、創傷床付近または創傷床上の一つまたは複数の位置から取得できる。いくつかの実施形態では、皮膚灌流測定値は、各位置から一つずつ取得できる。
【0181】
手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスは、第一の位置に配置されてもよく、また測定値は、本明細書に記載の方法にしたがって第一の位置から取得されてもよい。次いで、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスは、第二の位置に配置されてもよく、また測定値は、本明細書に記載の方法にしたがって第二の位置から取得されてもよい。測定が望ましい各位置で、プロセスを繰り返すことができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、手持ち式の皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスは、信号処理電子回路およびセンサーモジュールのセンサーから受信した信号を処理するためのプロセッサを含むか、またはそれらと通信することができる。いくつかの実施形態では、手持ち式の皮膚灌流圧決定デバイスまたはセンサーモジュールを備えた他のデバイスは、図1に示すものと類似したモニタリングデバイスに接続されるか、またはそれと連通することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ディスプレイ上の処理済み信号を表すデータを表示することができる。プロセッサは、測定プロセスの各段階で、加えられた力を増加させるか、または加えられた力を減少させる指示などのディスプレイ上の患者/臨床医への指示を表示するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイを遠隔デバイスに配置することができる。例えば、ディスプレイは、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、および/またはユーザーインターフェースを有する他のデバイス上に位置することができる。他の実施形態では、ディスプレイは、センサーモジュールを含むデバイス上にありうる。例えば、ディスプレイは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス上に位置することができる。
【0183】
図19A図19Fは、測定プロセスの各段階で加えられる力を増加させるか、または加えられる力を減少させるためのユーザー指示を提供できるディスプレイの実施形態を図示する。ディスプレイ1916は、インジケータバー1917を含んでもよい。インジケータバー1917は、力が測定位置に加えられるか、センサーモジュールに加えられると、サイズが上昇または増加することがある。インジケータバー1917は、加えられた力が減少するにつれて、サイズが下降または減少することがある。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、および/またはユーザーインターフェースを有する他のデバイスでありうる。図19A図19Fは、インジケータバー1917を有するディスプレイ1916と、創傷被覆材1901の上または接触して位置付けられた手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス1902とを図示する。手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス1902が創傷被覆材1901の上または接触して示されている一方で、いくつかの実施形態では、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス1902は、創傷被覆材1901の近位に位置付けてもよい。表示バー1917は、ディスプレイ1916の底部1918と上部1919との間を移動できる。図19A図19Fは、本明細書で説明した測定方法のステップ全体を通して、創傷被覆材1901および手持ち式デバイス1902の実施形態を図示する。図19A図19Fに図示した通り、創傷被覆材1901と手持ち式デバイス1902との間の相互作用は、ディスプレイ1916の表示バー1917の移動または位置に対応することができる。
【0184】
図19Aは、創傷被覆材1911の測定位置または標的エリア1911に配置された手持ち式デバイス1902を図示する。本明細書で使用される場合、測定位置および/または標的エリアは、本明細書では皮膚灌流圧測定がなされる位置を指すために互換的に使用される。ディスプレイ1916は、ディスプレイ1916の底部1918付近のインジケータバー1917を示す。ディスプレイ上のインジケータバー1917の位置は、手持ち式デバイス1902によって測定位置1911に加えられる圧力はほとんどないというフィードバックをユーザーに提供する。ディスプレイ1906上のインジケータバー1917がいっぱいになるか、ディスプレイ1916の上部1919まで上昇するまで、測定位置1911に圧力をかけることができる。
【0185】
図19Bに示すように、手持ち式デバイス1902を、測定位置1911上に位置付け、測定位置1911に力を加えることができる。測定位置1911に加えられた力が増加すると、ディスプレイ1916上のインジケータバー1917は、図19Bに図示した通り上昇しうる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ1916は、間違った量または正しい量の力が手持ち式デバイス1902によって測定位置1911に加えられた時に、インジケータ、記号、または色変化を提供できる。
【0186】
ディスプレイ1916上のインジケータバー1917が、図19Cに示すようにディスプレイの上部1919に達するまで、引き続き力を加えることができる。いくつかの実施形態では、測定位置1911に適切な量の力が加えられたか、または加えられていることを示すために、インジケータバー1917は色またはパターンを変えることができる。他の実施形態では、測定位置1911に適切な量の力が加えられたか、または加えられていることを示すために、記号またはインジケータを表示することができる。
【0187】
適切な量の力が測定位置1911に加えられ、本明細書に記述した方法にしたがって灌流測定が行われると、手持ち式デバイス1902によって加えられた力は、図19Dに示すように、測定位置1911から手持ち式デバイス1902を取り除くと減少しうる。いくつかの実施形態では、手持ち式デバイス1092は、測定位置1911からゆっくりと取り除かれて、適切な測定値を得る。手持ち式デバイス1902が測定位置1911から取り除かれると、インジケータバー1917は、図19Dおよび図19Eに図示したように減少または下降し始める可能性がある。いくつかの実施形態では、インジケータバー1917は、ユーザーが手持ち式デバイス1902を測定位置からゆっくりと取り除くことを補助しうる。例えば、インジケータバーの下降または減少が速すぎる場合、ユーザーはより遅い速度で手持ち式デバイス1902を取り除くように調整することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ1916は、手持ち式デバイス1902を取り除くのが速すぎるまたは遅すぎる場合、インジケータ、記号、または色変化を提供できる。図19Fに図示した通り、手持ち式デバイス1902が測定位置1911から完全に取り除かれると、インジケータバー1917はディスプレイ1916上には存在しないかまたは見えなくなる。
【0188】
ディスプレイ1916は、加えられるべき圧力に対して現在加えられている圧力の量に関して、ライブまたはリアルタイムのフィードバックを与えることができる。ディスプレイ1916および表示バー1917は、最初の使用がデータを収集するのに不十分である場合、次回使用のパフォーマンスを改善するために役立つ教育フィードバックを提供することができる。
【0189】
図19A~19Fに図示するように、第一の位置で測定が行われると、手持ち式デバイス1902は、第二の測定位置に適用され、ディスプレイ1916上でユーザーが提供する力印加指示を用いてプロセスを繰り返すことができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、ディスプレイまたはユーザーインターフェースを使用して、ユーザーにガイダンスおよび/またはフィードバックを提供することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイまたはユーザーインターフェースは、本明細書に記載の方法にしたがって灌流測定を行うための測定位置および加えられた力に関して、ガイダンスおよび/またはフィードバックを提供することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイは様々な条件を示すことができる。例えば、ディスプレイは、測定位置、加えられた力、閉塞到達の表示、強い力の警告、移動速度の表示、灌流測定結果、および/または測定品質表示の視覚的表示を提供することができる。いくつかの実施形態では、これらの条件またはインジケータは、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、および/またはユーザーインターフェースを有する他のデバイスなどの遠隔ディスプレイに表示されうる。いくつかの実施形態では、これらの条件またはインジケータは、例えば、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイスなどのセンサーモジュールを含むデバイス上に表示することができる。
【0191】
図20Aは、創傷2010に対する測定値2011の位置を示す表示の実施形態を図示する。図20Bは、皮膚灌流圧決定デバイスまたは他の測定デバイスによって測定位置に加えられる力を示すために使用される力インジケータを有するディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。力インジケータは、適切な量の力が測定位置に加えられる時を示すことによって、ユーザーを補助することができる。図20Bに図示するように、力インジケータ表示は、測定位置に加えられる力の視覚的表示を提供することができる。加えられた力の視覚的表示は、図20Bに図示するように、マルチセグメントゲージタイプインジケータ2012で示されうる。
【0192】
図20Cは、閉塞圧力インジケータの実施形態を図示する。閉塞圧力インジケータは、閉塞圧力および/または閉塞圧力に達したときの視覚的表示を提供できる。閉塞圧力インジケータは、適切な量の圧力が測定位置に加えられて閉塞を生じさせたことを示すことによって、ユーザーを補助することができる。いくつかの実施形態では、加えられた力の視覚的表示は、図20Cに図示するように、マルチセグメントゲージタイプインジケータ2013で示されうる。
【0193】
図20Dは、力が臨界レベルを超えたときを示すために使用される視覚インジケータを備えたディスプレイの実施形態を示す。いくつかの実施形態では、加えられた力の視覚的表示は、図20Cに図示するように、マルチセグメントゲージタイプインジケータ2014で示されうる。
【0194】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、二段階表示の強い力の警告インジケータであってもよい。二段階表示には、閉塞圧力に達するとき、および力が臨界レベルを超えるときの表示を含めることができる。他の実施形態では、強い力の警告は三段階表示を有することができる。三段階表示には、閉塞圧力に達するとき、力が所望のレベルに達したとき、および力が臨界レベルを超えるときの表示を含めることができる。
【0195】
図20Eは、手持ち式デバイスの動きの速度を視覚的に表示するディスプレイの実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、移動速度インジケータは、速度が適切か(例えば、目標速度など)、速度が遅すぎるか、および/または速度が高すぎる、もしくは速すぎるかの表示を含みうる。いくつかの実施形態では、移動速度インジケータは、図20Eに図示する速度のグラフィック表示とすることができる。
【0196】
図20Fは、灌流レベルおよび/または灌流測定結果の視覚的表示を有するディスプレイを示す。いくつかの実施形態では、灌流レベルおよび/または灌流測定結果の視覚的表示は、図20Fに示すように、テキストおよび/または数値表示でディスプレイされうる。例えば、灌流測定結果は、圧力単位で表すことができる。
【0197】
いくつかの実施形態では、測定位置から得られた測定値の質の表示を含みうる。
【0198】
図21A図21Gは、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2102のディスプレイまたはユーザーインターフェースの実施形態を図示する。図21Aは、ディスプレイ2116を有する手持ち式デバイス2102を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイ2116は、一つまたは複数の視覚インジケータ2120を含み得る。いくつかの実施形態では、視覚インジケータ2120は、光源、例えば、発光ダイオード(LED)を含みうる。視覚インジケータ2120は、異なる色であってもよく、色を変えることができ、および/またはユーザーにガイダンスまたはフィードバックを提供するためのパターンまたは配列で点灯できる。いくつかの実施形態では、複数の視覚インジケータ2120を使用して、創傷被覆材または手持ち式デバイスの一つまたは複数の条件またはパラメータを表示することができる。いくつかの実施形態では、光源は、単一色、複数色、および/または点滅光源とすることができる。
【0199】
図21Bは、デバイスの電源がオンかまたはオフかを知らせるための視覚インジケータ2120を有する手持ち式デバイス2102を図示する。いくつかの実施形態では、インジケータ2120は、状態に応じて異なる色を表示することができ、または状態に応じて点灯または消灯を切り替えることができる。図21Cは、特定の力がかけられたことを示す視覚インジケータ2123を有する手持ち式デバイス2102を図示する。例えば、視覚インジケータ2123は、閉塞の力に達する時を表示することができる。視覚インジケータ2123は、被覆材に加えられる力が増加するにつれて、一つずつ点灯しうる光源の列を含むマルチセグメントゲージタイプインジケータでディスプレイされる力表示を有しうる。図21Cに示すように、手持ち式の皮膚灌流圧決定デバイス2102は、二つのタイプの視覚インジケータを含みうる。手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2102のディスプレイ2016は、円形視覚インジケータ2120およびマルチセグメントゲージタイプインジケータ2123を含みうる。
【0200】
図21Dおよび図21Eは、二つの視覚インジケータ2120aおよび2120bを有する手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2102を図示する。いくつかの実施形態では、二つの視覚インジケータ2120aおよび2120bは、力の印加および除去に適切な速度がいつ使用されるかを示すことができる。異なる条件を示すために、インジケータを点灯または消灯することができる。例えば、図21Dは、消灯したインジケータ2120bを有する手持ち式デバイス2102の実施形態を図示し、図21Eは、点灯したインジケータ2120bを有する手持ち式デバイス2102の実施形態を図示する。他の実施形態では、二つの視覚インジケータ2120bのうちの一つは、速度が正しい場合に第一の色をディスプレイでき、速度が高すぎる場合に第二の色をディスプレイすることができる。いくつかの実施形態では、二つの視覚インジケータを組み合わせて使用して、特定の状態をディスプレイまたは表示することができる。二つの視覚インジケータは、条件に応じて異なる色の組み合わせおよび/または照明の組み合わせを表示できる。
【0201】
いくつかの実施形態では、二つの視覚インジケータ2120aおよび2120bを使用して、二つの異なる条件を表示することができる。図21Fに示すように、視覚インジケータ2120aを使用して、デバイスがオンかまたはオフかを表示することができ、視覚インジケータ2120bを使用して、測定位置に加えられる力が所望のレベルに達したことを表示することができる。
【0202】
図21Gは、複数のインジケータを有する手持ち式デバイス2102の実施形態を図示する。視覚インジケータ2120eは、ある状態が発生した時に点灯する注意記号または他の記号であってもよい。インジケータは、任意の形状または記号、光源、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、および/または他の任意のインジケータタイプであってもよい。
【0203】
図22Aおよび図22Bに示すように、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2202は、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス、測定技術、および/または測定情報の様々な条件のテキストおよび/または数値表示を提供するディスプレイ2216を含みうる。例えば、ディスプレイ2216は、力(図22Aに示す)、除去速度(図22Bに示す)、または測定結果のテキストおよび/または数値表示を提供できる。
【0204】
いくつかの実施形態では、手持ち式デバイス2202は、手持ち式デバイス2202、測定技術、および/または測定情報の様々な条件のグラフィック表示を提供するディスプレイ2216を含みうる。いくつかの実施形態では、グラフィックインジケータは、複数の視覚インジケータを含みうる。いくつかの実施形態では、図22Cに示すように、グラフィックインジケータは、マルチセグメントゲージタイプインジケータ2217でありうる。いくつかの実施形態では、グラフィックインジケータは、図22Dおよび図22Eに図示されるように、アナログディスプレイ2218とすることができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、視覚インジケータは、LEDインジケータ、有機発光ダイオード(OLED)インジケータ、および/または電子ペーパー表示技術(EINK)インジケータでありうる。
【0206】
手持ち式デバイスの視覚インジケータに加えて、またはその代わりに、可聴および/または触覚インジケータを使用できる。いくつかの実施形態では、可聴および/または触覚インジケータは、力レベルおよび/または除去速度を表示および/またはモニターするために、可聴および/触覚信号を提供することができる。可聴信号または触覚インジケータは、臨床医/患者に状態またはパラメータを通知するように作製されうる。いくつかの実施形態では、可聴および/または触覚信号を使用して、閉塞圧力に達するときの警告および/または強い力の警告を含む、警告またはアラートを提供することができる。いくつかの実施形態では、可聴信号は、トレースの拍動成分の大きさ、またはある状態に達したときに応じて周波数または音量が変化する連続的または一連のビープ音であってもよい。可聴信号は、トレースの拍動成分の大きさ、またはある状態に達したときに応じて周波数または音量が変化する連続的または一連の振動であってもよい。例えば、拍動成分が閾値を下回ると、可聴ビープ音パターンまたは振動パターンが停止し、拍動成分が戻って標的エリアの組織内の血流の戻りを示すと、再び現れる場合がある。
【0207】
いくつかの実施形態では、インジケータは外周インジケータであってもよい。図23は、外周インジケータ2322を有する手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2302の実施形態を図示する。外周インジケータ2322は、手持ち式デバイス2302の近位センサー端2324から最も遠い手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2302の遠位端2323上に位置することができる。外周インジケータ2322は、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2302、センサー、測定位置、測定方法、および/またはユーザーに指針またはフィードバックを提供できる任意の他の特性の一つまたは複数の特性またはパラメータを示すことができる。いくつかの実施形態では、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2302は、ユーザーに視覚的な力のフィードバックを提供するための一つまたは複数の外周インジケータ2322を含みうる。視覚的な力のフィードバックは、リアルタイムまたは実質的にリアルタイムのフィードバックでありうる。いくつかの実施形態では、各外周インジケータ2322は、異なる特性に関してガイダンスまたはフィードバックを提供できる。例えば、第一の外周インジケータは、第一の特性に関してユーザーにガイダンスを提供することができ、第二の外周インジケータは、第二の特性に関してユーザーにガイダンスを提供することができるなどする。いくつかの実施形態では、外周インジケータ2322を使用して、同一の特性の異なるレベルを表示することができる。例えば、第一の外周インジケータは、第一の特性が第一の閾値に達するときに、点灯するかまたは視覚的表示を提供でき、および第二の外周インジケータは、第一の特性が第二の閾値に達するときに、点灯するかまたは視覚的表示を提供できるなどする。外周インジケータ2022は、色変化インジケータでありうる。いくつかの実施形態では、外周インジケータ2022は、LEDインジケータであってもよく、一つまたは複数のLED色を使用できる。図23に図示するように、手持ち式皮膚灌流圧決定デバイス2302は、三つの外周インジケータ2322を有することができる。
【0208】
図7A図7C図7L図7O図7R図8図9A図9B図11、および図17Bは、ローブを有する正方形、長方形、実質的に長方形、または実質的に長方形の被覆材を図示するが、いくつかの実施形態では、様々な被覆材の形状およびサイズを使用できる。いくつかの実施形態では、被覆材は、長方形、正方形、円形、楕円形、丸みのある長方形、三角形、および/またはその他任意の形状でありうる。いくつかの実施形態では、複数のローブの被覆材を使用できる。たとえば、Smith&Nephewから市販されているALLEVYN(商標)またはALLEVYN Life(商標)製品ラインで利用可能な被覆材などの四裂片、三裂片、および/または仙骨被覆材は、本明細書に記載の実施形態と共に使用することができる。いくつかの実施形態では、被覆材は、測定デバイスが配向を決定できるように、対称線のない非対称ローブまたはノッチ付き被覆材を含むことができる。
【0209】
血液灌流センサーは、他のタイプの光学センサーを備えてもよく、または非光学センサーであってもよく、モニタリングデバイスは他のタイプのデータ記憶デバイスを備えてもよいことが理解されよう。また当然のことながら、該当する場合、記録されたデータが処理されおよび/または皮膚灌流圧決定デバイス上でローカルに保存されるように、または遠隔処理および/または保存のために転送されるように、およびその逆も同様であるように、前述の各実施形態を修正することができる。
【0210】
上述の実施形態は、光学センサーを皮膚に隣接して位置付けられ、力センサーが光学センサーの上方に配置されるように構成されたセンサーモジュールを含む。他の可能な配置には、使用時に力センサーが皮膚組織の標的領域の隣に配置され、光学センサーが力センサーの上方に位置付けられるように、力センサーおよび光学センサーが配置されるセンサーモジュールが含まれる。こうした配置では、力センサーは、光を透過できる貫通孔または透明部分を備えていてもよい。
【0211】
本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0212】
本開示の実施形態は、概して、TNP被覆材に組み込まれるような局所陰圧(「TNP(topical negative pressure)」)療法システムで使用するために適用可能であることは理解されるであろう。手短に言えば、陰圧創傷治療は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを補助し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を低減してもよい。加えて、治療によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNP治療システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援してもよい。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片およびフラップにおいて見出すことができる。本明細書に使用する通り、-XmmHgなど、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。さらに、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低い)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高い)。いくつかの実施形態では、局所的な周囲気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。本開示のいくつかの実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHg、または約-20mmHgから-200mmHgの間であり得る。これらの圧力は、760mmHgであり得る、平常の周囲気圧に対して相対的であることには留意されたい。それゆえ、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHgと-150mmHgとの間であり得る。代替として、最高-75mmHg、最高-80mmHgまたは-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧デバイスにより供給され得る。
【0213】
図面では、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【0214】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、「含む」および「含有する」およびこれらの変形は、「~に限定されないが~を含む」を意味し、他の部分、添加物、成分、整数またはステップを除外することを意図しない(およびこれらを除外しない)。本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、単数形は、文脈が別途必要な場合を除いて、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が別途必要な場合を除いて、単数形と同様に複数形も考慮されると理解されるべきである。
【0215】
特定の態様、実施形態、または本開示の実施例に関連して説明される特徴、整数、特性、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。(あらゆる特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)本明細書において開示されるすべての特徴、および/またはそのように開示されるあらゆる方法もしくはプロセスのすべてのステップは、特徴および/またはステップのうち少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。開示対象は、いかなる前述の実施形態のいかなる詳細にも制限されない。開示は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のいずれか新規のもの、もしくは新規の組み合わせ、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのいずれか新規のもの、もしくはいずれかの新規の組み合わせに及ぶ。
【0216】
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時に提出されるまたはそれ以前に提出されたすべての論文および文書に向けられており、本明細書を用いて公開されているものであり、かかる論文および文書すべての内容は参照により本明細書に組み込まれている。
[付記項1]
皮膚灌流圧決定デバイスであって、
センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知するための第一のセンサーと、前記標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知するための第二のセンサーとを有するセンサーモジュールを含み、前記センサーモジュールが前記標的エリアに押し付けられたとき、前記第一のセンサーは前記感知された第一のパラメータに対応する出力を生成し、前記第二のセンサーは前記感知された第二のパラメータに対応する出力を生成するように、前記第一のセンサーと前記第二のセンサーが配置された、皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項2]
前記第一のセンサーが、前記標的エリア上の前記センサーモジュールによって加えられる前記力を決定するように配置された力センサーを備える、付記項1に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項3]
前記力センサーが、前記センサーモジュールが前記標的エリアに押し付けられた時に前記第二のセンサーが前記標的エリアと前記力センサーの間に配置されるように配置される、付記項2に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項4]
前記第二のセンサーが、前記標的エリアによって反射された光源によって放射される光を受けるように配置された光源および光学検出器を備える、付記項1~3のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項5]
前記光源が少なくとも一つの発光ダイオードを備え、前記光学検出器が少なくとも一つの光検出器を備える、付記項4に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項6]
前記第二のセンサーがパルスセンサーである、付記項1~5のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項7]
前記デバイスが、プローブ部分を備える携帯型デバイスであり、前記プローブ部分が前記センサーモジュールを備える、付記項1~6のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項8]
前記プローブ部分が、使用時に前記標的エリアに押し付けられる下面を有するパッド部分を含む、付記項7に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項9]
前記デバイスが、患者の手足を包むためのカフ部分を備えた携帯デバイスであり、前記センサーモジュールが前記カフの内側部分上に配置されている、付記項1~6のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項10]
前記カフが膨張可能であり、前記カフの膨張が前記標的エリアに対して前記センサーモジュールを押し付けるように前記カフが構成されている、付記項9に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項11]
前記カフが手動で作動する、付記項9に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項12]
前記カフが、電気機械アクチュエータ、または流体系膨張デバイスによって膨張するように構成されている、付記項10に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項13]
前記デバイスが創傷被覆材を含み、前記センサーモジュールが前記創傷被覆材と一体化
されている、付記項1~6のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項14]
前記創傷被覆材が、前記センサーモジュールを前記標的エリアに対して押し付けるように配置されたアクチュエータを備える、付記項13に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項15]
前記第一のセンサーの出力および前記第二のセンサーの出力を処理するためのプロセッサをさらに備え、前記プロセッサが、前記第二のセンサーの前記出力が前記標的エリアで所定量の血液灌流に関連する所定の条件を満たすことを決定するように構成される、付記項1~14のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項16]
前記所定の条件が、所定の閾値を超える前記標的エリアでの血液灌流量に対応する条件である、付記項15に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項17]
前記所定の条件が、前記標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件である、付記項15または16に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項18]
前記プロセッサが、前記第二のパラメータが前記所定の条件を満たすとき、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる圧力を表す出力を生成するようにさらに構成されている、付記項15~17のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項19]
前記所定の条件および前記プロセッサの前記出力のうち少なくとも一つを保存するためのメモリをさらに備える、付記項15~18のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイス。
[付記項20]
前記装置が、前記第一のセンサーおよび前記第二のセンサーの少なくとも一つの出力を表す情報を表示するためのディスプレイを備える、付記項1~19のいずれか一項に記載の皮膚灌流圧決定デバイスを含む装置。
[付記項21]
皮膚灌流圧を決定する方法であって、
センサーモジュールを標的エリアに対して押し付けるステップであって、前記センサーモジュールが、前記センサーモジュールによって標的エリアに加えられる圧力に関連する第一のパラメータを感知する第一のセンサーと、前記標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知するための第二のセンサーとを有する、押し付けるステップと、
続いて前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力を低減させるステップと、
前記感知された第一のパラメータに対応する第一のセンサー出力および前記感知された第二のパラメータに対応する第二のセンサー出力をプロセッサで処理して、前記第二のセンサーの前記出力が前記標的エリアでの血液灌流量に対応する所定の条件を満たすことを決定するステップと、前記第二のパラメータが前記所定の条件を満たすとき、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力に対応する前記プロセッサからの出力を出力するステップとを含む、方法。
[付記項22]
前記所定の条件が、所定の閾値を超える前記標的エリアでの血液灌流量に対応する条件である、付記項21に記載の方法。
[付記項23]
前記所定の条件が、前記標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件である、付記項21または22に記載の方法。
[付記項24]
前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力を低減させる前
記ステップであって、
前記第二のセンサー出力を前記プロセッサで処理して、前記第二のパラメータが、前記標的エリアでの血液灌流量に関連するさらなる所定の条件を満たすことを決定するステップと、続いて前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力を低減させるステップとを含む、付記項21~23のいずれか一項に記載の方法。
[付記項25]
前記さらなる所定の条件が、所定の閾値を下回る前記標的エリアでの血液灌流量に対応する条件である、付記項24に記載の方法。
[付記項26]
前記方法が、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力に対応する前記プロセッサからの前記出力に基づいて、皮膚灌流圧を決定するステップを含む、付記項21~25のいずれか一項に記載の方法。
[付記項27]
皮膚灌流圧を決定する方法であって、
標的エリアに加えられた圧力に関連する感知された第一のパラメータを表す第一のセンサー出力および前記標的エリアでの血液灌流量に関連する感知された第二のパラメータを表す第二のセンサー出力をプロセッサで処理して、前記第二のセンサーの前記出力が前記標的エリアでの血液灌流量に関連する所定の条件を満たすことを決定するステップと、前記第二のパラメータが前記所定の条件を満たすとき、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力に対応する前記プロセッサからの出力を出力するステップとを含む、方法。
[付記項28]
前記所定の条件が、所定の閾値を超える前記標的エリアでの血液灌流量に対応する条件である、付記項27に記載の方法。
[付記項29]
前記所定の条件が、前記標的エリアでの血流の拍動成分の存在に対応する条件である、付記項27または28に記載の方法。
[付記項30]
前記第二のセンサー出力を前記プロセッサで処理して、前記標的エリアでの血液灌流量に関連するさらなる所定の条件を満たすことを決定するステップと、続いて前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力を低減させるステップとをさらに含む、付記項27~29のいずれか一項に記載の方法。
[付記項31]
前記さらなる所定の条件が、所定の閾値を下回る前記標的エリアでの血液灌流量に対応する条件である、付記項29に記載の方法。
[付記項32]
創傷被覆材であって、
使用時に創傷の上に重なる創傷保護部分と、
前記創傷保護部分の少なくとも一部の周りに延在する周辺部分であって、前記周辺部分が、所定の波長の光を感知するように構成された光学センサーを有する測定プローブを置くよう配置された少なくとも一つの窓を備え、前記窓が前記所定の波長の光に対して透明である、周辺部分と、を備える、創傷被覆材。
[付記項33]
前記所定の波長が、可視光、紫外線または赤外光に対応する波長である、付記項32に記載の創傷被覆材。
[付記項34]
前記所定の波長が495nm~1350nmである、付記項33に記載創傷被覆材。
[付記項35]
前記所定の波長が650nm~1350nmである、付記項34に記載創傷被覆材。
[付記項36]
前記窓または各窓が前記周辺部分を通る開口部を備える、付記項32~35のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項37]
前記窓または各窓が光学的に透明な材料を含む、付記項32~36のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項38]
前記光学的に透明な材料が、ポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸セルロースまたはアクリルまたはシリコンまたはポリウレタン、またはアシレートのうち少なくとも一つを含む、付記項37に記載の創傷被覆材。
[付記項39]
前記周辺部分が、前記創傷被覆材を患者の皮膚に固定するための下面および前記下面上の接着剤を有する、付記項32~38のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項40]
前記創傷被覆材が、前記創傷保護部分が中央に配置され、前記周辺部分が前記創傷保護部分の周辺に延びる、アイランド型被覆材である、付記項32~39のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項41]
前記周辺部分が、前記創傷保護部分から離れるように突出する少なくとも一つのローブをさらに備え、前記窓または各窓が少なくとも部分的に前記ローブまたは各ローブにそれぞれ提供される、付記項40に記載の創傷被覆材。
[付記項42]
前記窓または各窓が円形または卵形である、付記項32~41のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項43]
前記創傷保護部分に隣接する少なくとも二つの窓を備え、前記創傷保護部分が前記窓間に配置される、付記項32~42のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項44]
前記創傷保護部分が四つの辺、および前記辺にそれぞれ隣接して配置される四つの窓を有する、付記項43に記載創傷被覆材。
[付記項45]
装置であって、
付記項32~44のいずれか一項に記載の前記創傷被覆材と、
前記所定の波長の光を検出するように構成された光学センサーを備える測定プローブと、を備える、装置。
[付記項46]
前記測定プローブが、使用時に患者の皮膚に対して押し付けられる下面を有するパッド部分を備え、前記窓が前記パッド部分のサイズおよび形状に対応する前記サイズおよび形状を有する、付記項45に記載の装置。
[付記項47]
創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する少なくとも一つの特性を感知する方法であって、
創傷の上に創傷保護部分を含む創傷被覆材を配置し、それによって前記創傷保護部分が前記創傷の上に重なるステップと、創傷被覆材の周辺部分の窓領域に測定プローブのパッド部分を配置するステップと、前記窓を通して前記測定プローブから光を送達するステップとを含む、方法。
[付記項48]
前記測定プローブからの光が、前記窓から離れた前記創傷被覆材の残りの領域で、前記創傷被覆材を貫通するのを防ぐことをさらに含む、付記項47に記載の方法。
[付記項49]
前記創傷被覆材の複数の窓の各々に一つずつ連続的に前記測定プローブを配置すること
と、各位置でそれぞれのプローブ測定を行うことと、をさらに含む、付記項47または48に記載の方法。
[付記項50]
創傷被覆材であって、
上面と、
前記創傷被覆材が固定可能である表面に対して、前記上面に直交する軸の周りに前記創傷被覆材の前記配向を決定するための少なくとも一つのしるしと、を含む、創傷被覆材。
[付記項51]
前記少なくとも一つのしるしが、前記上面に提供される、付記項50に記載の創傷被覆材。
[付記項52]
前記創傷被覆材が、
創傷保護部分と、
前記創傷接触部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分と、を備え、前記創傷保護部分が前記少なくとも一つのしるしを含む、付記項50に記載の創傷被覆材。
[付記項53]
前記周辺部分が、下面、および前記創傷被覆材を表面に固定するために前記下面に接着剤を有する、付記項50~52のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項54]
複数のしるしが、前記上面に提供され、各しるしが、他のグラフィックマーカーのそれぞれとは異なる前記少なくとも一つのグラフィックマーカーを含む、付記項50~53のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項55]
前記創傷被覆材が、少なくとも二つのポールを有し、少なくとも一つのグラフィックマーカーが前記ポールのそれぞれに提供されている、付記項54に記載の創傷被覆材。
[付記項56]
各マーカーは、英数字を含む、付記項54または55に記載の創傷被覆材。
[付記項57]
各マーカーが、方向マーカーを含む、付記項54~56のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項58]
前記創傷被覆材が、アイランド型被覆材である、付記項50~57のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項59]
それぞれのしるしが、前記創傷被覆材の印刷された要素、または陥凹した領域、または突出領域である、付記項50~58のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項60]
各しるしが、カラーパッチ、金属要素、磁気要素および共振タグのうち少なくとも一つを含む、付記項50~59のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項61]
各しるしが、RFIDタグを含む、付記項50~60のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項62]
前記創傷被覆材が、少なくとも一つのセンサー部位をさらに備え、前記少なくとも一つのしるしが、創傷に対して所望の位置に前記センサー部位を配置するための可視的な合図を提供する、付記項50~61のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項63]
各センサー部位が、少なくとも一つのしるしに関連する、付記項62に記載の創傷被覆材。
[付記項64]
各センサー部位が、創傷被覆材センサーが配置される位置、検査デバイスのプローブ部分の一部を受けるように構成された窓の位置、または検査デバイスのプローブ部分の一部を受けるように構成された前記創傷被覆材の標的エリアを備える、付記項62または付記項63に記載の創傷被覆材。
[付記項65]
各しるしが、前記創傷被覆材の各センサー部位と独自に関連するように構成された、RFIDタグおよびグラフィックマーカーを含む、付記項62~64のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
[付記項66]
創傷被覆材を表面に対して所望の配向に配向する方法であって、
創傷の近傍に創傷被覆材を配置するステップと、前記創傷被覆材の上面に直交する軸の周りに前記創傷被覆材を回転させて、前記上面の少なくとも一つのしるしを所望の回転方向に整列させるステップと、前記創傷被覆材を前記創傷に向かって促すことにより、前記創傷被覆材を介して前記創傷を被覆するステップとを含む、創傷被覆材を表面に対して所望の配向に配向する方法。
[付記項67]
前記創傷被覆材を回転させて、創傷または所定の患者の特徴に対して望ましい位置関係で前記創傷被覆材の周辺部分上に少なくとも一つのしるしを整列させることをさらに含む、付記項66に記載の方法。
[付記項68]
前記創傷被覆材が少なくとも一つのセンサー部位をさらに含むことと、前記創傷被覆材を回転させる前記ステップが各センサー部位を前記創傷に対して所望の位置に配置することを含むことと、をさらに含む、付記項66または67に記載の方法。
[付記項69]
各センサー部位を配置する前記ステップが、創傷被覆材センサーを所望の位置、または創傷被覆材センサーを配置する前記創傷被覆材の窓部分に配置することを含む、付記項68に記載の方法。
[付記項70]
創傷被覆材であって、
上面と、
前記創傷被覆材が固定可能である表面に対して、前記上面に直交する軸の周りに前記創傷被覆材の前記配向を決定するための少なくとも一つのしるしと、
創傷保護部分と、
前記創傷接触部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分と、を備え、前記創傷保護部分が前記少なくとも一つのしるしを含み、
複数のしるしが、前記上面に提供され、各しるしが、他のグラフィックマーカーのそれぞれとは異なる前記少なくとも一つのグラフィックマーカーを含む、創傷被覆材。
[付記項71]
創傷被覆材であって、
上面と、
前記創傷被覆材が固定可能である表面に対して、前記上面に直交する軸の周りに前記創傷被覆材の前記配向を決定するための少なくとも一つのしるしと、
創傷保護部分と、
前記創傷接触部分の少なくとも一部の周りに延びる周辺部分と、を備え、前記創傷保護部分が前記少なくとも一つのしるしを含む、創傷被覆材。
[付記項72]
創傷被覆材であって、
上面と、
前記創傷被覆材が固定可能である表面に対して、前記上面に直交する軸の周りに前記創傷被覆材の前記配向を決定するための少なくとも一つのしるしと、を含み、
それぞれのしるしは、RFIDタグを含む、創傷被覆材。
[付記項73]
創傷被覆材であって、
上面と、
前記創傷被覆材が固定可能である表面に対して、前記上面に直交する軸の周りに前記創傷被覆材の前記配向を決定するための少なくとも一つのしるしと、
少なくとも一つのセンサー部位と、を含み、
前記少なくとも一つのしるしが、前記センサー部位を創傷に対して望ましい位置に配置するための可視的な合成を提供し、
各しるしが、前記創傷被覆材の各センサー部位と独自に関連するように構成された、RFIDタグおよびグラフィックマーカーを含む、創傷被覆材。
[付記項74]
装置であって、
創傷被覆材と、
センサーモジュールを備える皮膚灌流圧決定デバイスであって、前記センサーモジュールが、創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する少なくとも一つの特性を感知するように構成されたセンサーを含む、皮膚灌流圧決定デバイスと、
前記センサーモジュールによって感知された創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する前記少なくとも一つの特性に関連する少なくとも一つの状態を示すように構成されたディスプレイと、を含む、装置。
[付記項75]
前記皮膚灌流圧決定デバイスが、手持ち式デバイスを含む、付記項74に記載の装置。
[付記項76]
前記ディスプレイが、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、またはスマートフォンを含む、付記項74~75のいずれか一項に記載の装置。
[付記項77]
前記ディスプレイが、測定位置、加えられた力、閉塞到達の表示、強い力の警告、移動速度の表示、灌流測定結果、または測定品質表示の視覚的表示を提供するように構成される、付記項74~76のいずれか一項に記載の装置。
[付記項78]
前記ディスプレイが、前記皮膚灌流圧決定デバイス上に位置付けられている、付記項74~77のいずれか一項に記載の装置。
[付記項79]
前記ディスプレイが、一つまたは複数の視覚インジケータを備える、付記項74~78のいずれか一項に記載の装置。
[付記項80]
前記一つまたは複数の視覚インジケータが、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、記号、テキストおよび/または数値表示、グラフィック表示、または外周インジケータを含む、付記項79に記載の装置。
[付記項81]
前記一つまたは複数の視覚インジケータが、一つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含む、付記項79~80のいずれか一項に記載の装置。
[付記項82]
前記一つまたは複数の視覚インジケータが、LEDインジケータ、有機発光ダイオード(OLED)インジケータ、および/またはEINKインジケータを含む、付記項79~80のいずれか一項に記載の装置。
[付記項83]
前記一つまたは複数の視覚インジケータが、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、記号、テキストおよび/または数値表示、グラフィック表示、または外周インジケータを含む、付記項79~82のいずれか一項に記載の装置。
[付記項84]
前記センサーモジュールが、標的エリアに圧力をかけるように構成されている、付記項74~83のいずれか一項に記載の装置。
[付記項85]
前記センサーモジュールが、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力に関連する第一のパラメータを感知する第一のセンサーと、前記標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知する第二のセンサーとを備える、付記項84に記載の装置。
[付記項86]
前記ディスプレイが、測定プロセス中に、前記加えられた圧力を増加させるために、または前記加えられた圧力を減少させるために、ユーザー指示を提供するように構成される、付記項84~85のいずれか一項に記載の装置。
[付記項87]
装置であって、
創傷被覆材と、
センサーモジュールを備える皮膚灌流圧決定デバイスであって、前記センサーモジュールが、創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する少なくとも一つの特性を感知するように構成されたセンサーを含む、皮膚灌流圧決定デバイスと、
前記センサーモジュールによって感知された創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する前記少なくとも一つの特性に関連する少なくとも一つの状態を示すように構成された可聴および/または触覚インジケータと、を含む、装置。
[付記項88]
創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する少なくとも一つの特性を決定する方法であって、
創傷保護部分を含む創傷被覆材を創傷の上に配置し、それにより前記創傷保護部分が創傷の上に重なる、配置することと、
センサーモジュールを備える皮膚灌流圧決定デバイスを、前記創傷被覆材上または隣接した標的エリアに位置付けることであって、前記センサーモジュールが、創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する少なくとも一つの特性を検出するように構成されたセンサーを含む、位置付けることと、
前記皮膚灌流圧決定デバイスの前記センサーで検出された創傷または創傷に近接した組織の領域に関連する前記少なくとも一つの特性に関連する視覚、可聴、または触覚インジケータを受信することと、を含む、方法。
[付記項89]
視覚インジケータがディスプレイに組み込まれる、付記項88に記載の方法。
[付記項90]
前記皮膚灌流圧決定デバイスが、手持ち式デバイスを含む、付記項88~89のいずれか一項に記載の方法。
[付記項91]
前記ディスプレイが、コンピュータモニタ、ラップトップ、タブレット、またはスマートフォンを含む、付記項89~90のいずれか一項に記載の方法。
[付記項92]
前記皮膚灌流圧決定デバイスは、視覚、聴覚、または触覚インジケータを含む、付記項88~91のいずれか一項に記載の方法。
[付記項93]
前記ディスプレイが、一つまたは複数の視覚インジケータを含む、付記項89~92のいずれか一項に記載の方法。
[付記項94]
視覚インジケータが一つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含む、付記項88~93のいずれか一項に記載の方法。
[付記項95]
視覚インジケータが、LEDインジケータ、有機発光ダイオード(OLED)インジケータ、および/またはEINKインジケータを含む、付記項88~94に記載の方法。
[付記項96]
視覚インジケータが、マルチセグメントゲージタイプインジケータ、記号、テキストおよび/または数値表示、グラフィック表示、または外周インジケータを含む、付記項88~95のいずれか一項に記載の方法。
[付記項97]
創傷または創傷に近接する組織の領域に関連する前記少なくとも一つの特性は、皮膚灌流圧を含む、付記項88~96のいずれか一項に記載の方法。
[付記項98]
圧力を前記皮膚灌流圧決定デバイスに加えて、標的エリアに圧力を加えることをさらに含む、付記項88~97のいずれか一項に記載の方法。
[付記項99]
前記センサーモジュールが、前記センサーモジュールによって前記標的エリアに加えられる前記圧力に関連する第一のパラメータを感知する第一のセンサーと、前記標的エリアでの血液灌流量に関連する第二のパラメータを感知する第二のセンサーとを有する、付記項98に記載の方法。
[付記項100]
前記視覚、聴覚、または触覚インジケータが、ユーザー指示を提供して、前記標的エリア上の前記皮膚灌流圧決定デバイスの前記加えられた圧力を増加させ、または前記加えられた圧力を減少させる、付記項98~99に記載の方法。
[付記項101]
前記視覚、聴覚、または触覚インジケータは、測定位置、加えられた力、閉塞到達の表示、強い力の警告、移動速度の表示、灌流測定結果、または測定品質表示の表示を提供する、付記項88~100のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E-H】
図7I-K】
図7L
図7M
図7N
図7O
図7P
図7Q
図7R
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図20-1】
図20-2】
図21-1】
図21-2】
図21-3】
図21-4】
図22-1】
図22-2】
図23