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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 23/02 20060101AFI20220620BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
D06F23/02
D06F39/08 311Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020511897
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2018103155
(87)【国際公開番号】W WO2019042343
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】201710774775.8
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】518357782
【氏名又は名称】青島海爾智能技術研発有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李以民
(72)【発明者】
【氏名】労春峰
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205688223(CN,U)
【文献】特開平06-154475(JP,A)
【文献】実開昭53-066866(JP,U)
【文献】特開昭50-055161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 23/00 - 23/06
D06F 37/00 - 37/42
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機であって、
前記洗濯機の内槽は、扉が開口に閉合された場合に密閉される容器であり、前記内槽の側壁には複数のリフティングリブが設けられ、前記リフティングリブは内部が中空であって前記内槽の内部と連通しており、前記内槽の側壁には前記リフティングリブの中空部と連通する少なくとも1つの排水口が設けられ、前記排水口には前記リフティングリブの内部に位置するシールバルブが設けられ、前記内槽が高速回転する際、前記シールバルブの弁体は遠心力の作用によって前記内槽の径方向の中心方向に向かって移動して、前記内槽の側壁に設けられる前記排水口を開放し、
前記シールバルブは前記弁体とカウンタウェイトを含み、前記弁体と前記カウンタウェイトは支持ロッドの両端にそれぞれ固定接続され、
装着ベースが、前記排水口に対応して同軸に設置され、錐体であり、前記リフティングリブの前記中空部において前記内槽の側壁に設けられ、前記錐体の内部は前記弁体を装着するために中空となっており、前記弁体は前記排水口に垂直であり、
前記弁体の一端は、前記錐体の天井部を貫通して前記支持ロッドにヒンジ接続され、前記弁体の他端は、前記排水口を密封するために、前記排水口に挿入可能な止栓である、ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記リフティングリブの内部は中空であり、前記リフティングリブの底部と前記内槽の側壁との接続箇所に隙間が設けられ、前記隙間は、前記リフティングリブの内部の前記中空部と前記内槽の内部とを連通する水流経路を構成することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記リフティングリブの前記中空部に対応する前記内槽の側壁には少なくとも1つの排水口が設けられ、前記排水口は、前記リフティングリブの前記中空部に流入した洗浄水が前記排水口を通じて排出されるよう、前記リフティングリブの前記中空部と外部とを連通させることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記支持ロッドの中央部は前記内槽に支持されるよう接触しており、前記内槽の高速回転時に、前記カウンタウェイトは遠心力の作用を受けて前記内槽の径方向に沿って上下に移動しつつ、前記支持ロッドを介して、前記弁体を前記内槽の径方向且つ前記カウンタウェイトの運動方向とは反対方向に変位させることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記支持ロッドは交差するよう設けられる第1ロッド部と第2ロッド部を含み、前記第1ロッド部と前記第2ロッド部の接続箇所は前記支持ロッドの両端よりも低くなるよう設けられ、且つ、前記第1ロッド部と前記第2ロッド部の接続箇所は前記内槽に支持されるよう接触しており、前記支持ロッドの両端に設置される前記弁体と前記カウンタウェイトは、前記接続箇所周りに上下に回転移動することを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記第1ロッド部の端部は前記弁体にヒンジ接続され、前記第2ロッド部の端部は前記カウンタウェイトに固定接続され、前記第1ロッド部の軸方向の長さは前記第2ロッド部の軸方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項5に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記シールバルブの前記弁体は前記内槽の径方向に移動可能に前記装着ベースに装着されることを特徴とする請求項5に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記支持ロッドと前記錐体の天井面との接触箇所が支点となり、前記支持ロッドの端部の前記カウンタウェイトが支点周りに上下に移動可能となるよう、前記支持ロッドの接続箇所が前記錐体の天井部に位置規制されるよう接触していることを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記弁体に弾性力を付与して押動し、対応する排水口を閉止させるよう、前記シールバルブの弁体及び/又は支持ロッドは弾性復元部材を介して前記内槽に接続され、前記内槽の高速回転時には、遠心力が前記弾性復元部材の弾性力に抗して前記弁体を移動させて排水口を開放することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項10】
前記弾性復元部材はバネであり、前記バネは前記弁体の外周に覆設されて前記内槽の径方向に延伸し、前記バネの両端が前記弁体の止栓と装着ベースの先端にそれぞれ位置規制されるよう接触することで、前記バネが前記弁体と前記装着ベースの間にしっかりと挟持されることを特徴とする請求項9に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記リフティングリブは前記内槽の軸方向に沿って延伸しており、前記リフティングリブの前記中空部の前後両端には少なくとも1つの排水口がそれぞれ設けられ、各排水口には前記シールバルブがそれぞれ対応するよう装着され、2つの前記シールバルブのカウンタウェイトは、いずれも対応する前記排水口に対して前記内槽の中心方向に偏移していることを特徴とする請求項9に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の技術分野に属し、具体的には、回転可能且つ貯水可能な内槽のみが設けられた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、一般的に、ドラム洗濯機は互いに嵌装される内槽と外槽を含む。外槽は密封されて貯水に用いられる。また、内槽には衣類が投入され、内槽を回転させることで衣類を打ち付けて洗浄する。且つ、内槽には脱水孔が設けられ、外槽内の水が脱水孔から内槽に流入して内槽内の衣類を浸漬する。また、内槽内の水は脱水孔から外槽に流出する。且つ、内槽内の衣類の水分は内槽の高速回転時に脱水孔から外槽に排出される。こうして、衣類を洗浄するとの目的が実現される。
【0003】
しかし、内槽と外槽は互いに嵌装されるため、洗濯機の使用過程で内槽と外槽の間に汚れが溜まりやすい。また、内槽と外槽が互いに嵌装されることから、ユーザは内槽の外壁と外槽の内壁をクリーニングする術がない。よって、洗濯機内部の細菌が増殖し、洗濯機の洗濯効率や衣類洗浄後の清潔度が低下する。
【0004】
また、上述した従来の洗濯機の場合、内槽の外部に外槽が覆設されており、洗濯機の洗浄過程では内槽が回転することで衣類を打ち付けて洗浄する。そのため、洗濯機の洗浄容量は内槽が基準となり、洗濯機の内部空間の利用率が低い。よって、従来をベースにした場合、洗濯機の洗浄容量を増大することは不可能である。
【0005】
上記に鑑みて、内槽と外槽を一体化し、内槽を密封容器とすることで水と衣類を投入可能とし、且つ回転により衣類を打ち付けて洗浄を実施可能な洗濯機を如何にして設置するか、及び、洗濯機に外槽を設けないか、外槽と洗濯機のハウジングを一体的に設けることで、洗濯機の内槽を拡大して洗濯機の洗浄容量を増大可能とすることが、研究開発の焦点となっている。
【0006】
しかし、内槽は洗浄水を貯めるだけでなく、回転により槽内の衣類を打ち付けて洗浄する必要がある。そのため、上記洗濯機に適用される脱水構造及び排水構造を如何に設置するかもまた喫緊に解決を要する難題となっている。
【0007】
上記の技術的欠点に鑑みて、本願を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術に存在する上記の欠点を解消するために、洗濯機を提供することを目的とする。本発明で記載する洗濯機の脱水構造では、内槽に排水口を設け、排水口にシールバルブを設けることで、洗濯機が脱水プログラムの場合に内槽が高速回転状態になると、シールバルブが内槽の高速回転に伴う遠心力の作用を受けて開放されることで、内槽内の衣類から離脱した洗浄水が排出される。これにより、洗濯機の脱水プログラムにおいて内槽内の洗浄水を排出するとの課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決し、上記の技術的効果を達成するために、本発明が採用する技術方案の基本的設計思想は下記の通りである。
【0010】
洗濯機であって、洗濯機の内槽は、扉が開口に閉合された場合に密閉される容器である。内槽の側壁には複数のリフティングリブが設けられている。リフティングリブは内部が中空であり、内槽の内部と連通している。内槽の側壁には、リフティングリブの中空部と連通する少なくとも1つの排水口が設けられており、排水口には、リフティングリブの内部に位置するシールバルブが設けられている。内槽が高速回転する際、シールバルブの弁体は遠心力の作用によって内槽の径方向の中心方向に向かって移動して、内槽の側壁に設けられる排水口を開放する。
【0011】
更に、リフティングリブの内部は中空であり、リフティングリブの底部と内槽の側壁との接続箇所に隙間が設けられている。前記隙間は、リフティングリブの内部の中空部と内槽の内部とを連通する水流経路を構成する。
【0012】
更に、リフティングリブの中空部に対応する内槽の側壁には少なくとも1つの排水口が設けられている。前記排水口は、リフティングリブの中空部に流入した洗浄水が排水口を通じて排出されるよう、リフティングリブの中空部と外部とを連通させる。
【0013】
更に、前記シールバルブは弁体とカウンタウェイトを含む。弁体とカウンタウェイトは、支持ロッドの両端にそれぞれ固定接続される。また、支持ロッドの中央部は内槽に支持されるよう接触している。これにより、内槽の高速回転時に、カウンタウェイトは遠心力の作用を受けて内槽の径方向に沿って上下に移動しつつ、支持ロッドを介して、弁体を内槽の径方向且つカウンタウェイトの運動方向とは反対方向に変位させる。
【0014】
更に、前記支持ロッドは、交差するよう設けられる第1ロッド部と第2ロッド部を含む。第1ロッド部と第2ロッド部の接続箇所は、支持ロッドの両端よりも低くなるよう設けられる。且つ、第1ロッド部と第2ロッド部の接続箇所は内槽に支持されるよう接触している。これにより、支持ロッドの両端に設置される弁体とカウンタウェイトは、接続箇所周りに上下に回転移動する。
【0015】
更に、第1ロッド部の端部は弁体にヒンジ接続され、第2ロッド部の端部はカウンタウェイトに固定接続される。第1ロッド部の軸方向の長さは第2ロッド部の軸方向の長さよりも短い。
【0016】
更に、前記リフティングリブの中空部には装着ベースが設けられている。装着ベースは内槽の側壁に固定され、シールバルブの弁体は内槽の径方向に移動可能に装着ベースに装着される。弁体の一端は装着ベースを貫通して支持ロッドの端部に接続され、弁体の他端は内槽の側壁に設けられた排水口に対応するよう設置される。
【0017】
更に、前記装着ベースは排水口に対応して同軸に設置される錐体である。錐体の内部は、弁体を装着するために中空となっている。弁体の上端は錐体の天井部を貫通して支持ロッドにヒンジ接続され、下端は排水口に対応してこれを密封する止栓となっている。好ましくは、止栓が装着ベースから抜け落ちないよう、錐体の天井部における開口の直径は止栓の外周の直径よりも小さくなっている。より好ましくは、支持ロッドと錐体の天井面との接触箇所が支点となり、支持ロッドの端部のカウンタウェイトが支点周りに上下に移動可能となるよう、支持ロッドの接続箇所が錐体の天井部に位置規制されるよう接触している。
【0018】
更に、弁体に弾性力を付与して押動し、対応する排水口を閉止させるよう、前記シールバルブの弁体及び/又は支持ロッドは弾性復元部材を介して内槽に接続される。また、内槽の高速回転時には、遠心力が弾性復元部材の弾性力に抗して弁体を移動させ、排水口を開放する。好ましくは、前記弾性復元部材はバネである。バネは弁体の外周に覆設されて内槽の径方向に延伸する。バネの両端が弁体の止栓と装着ベースの先端にそれぞれ位置規制されるよう接触することで、バネが弁体と装着ベースの間にしっかりと挟持される。
【0019】
更に、リフティングリブは内槽の軸方向に沿って延伸している。リフティングリブの中空部の前後両端には少なくとも1つの排水口がそれぞれ設けられ、各排水口にはシールバルブがそれぞれ対応するよう装着される。2つのシールバルブのカウンタウェイトは、いずれも対応する排水口に対して内槽の中心方向に偏移している。
【発明の効果】
【0020】
本発明で記載する洗濯機は、従来技術の洗濯機と比較して以下の有益な効果を有する。
【0021】
上記のように設けることで、内槽のリフティングリブの内部に排水口を隠匿して設置可能とし、隠匿された排水口から内槽内の水流を排出するとの目的を達成する。且つ、排水口にシールバルブを設け、内槽の高速回転時の遠心力を利用してシールバルブのバルブコアを制御することで排水口の開閉を実現する。これにより、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、内槽の高速回転時の遠心力がシールバルブのバルブコアに作用することで、排水口が自動的に内槽を開放し、排水するとの目的が達せられる。
【0022】
更に、扉を閉合することで洗浄用の密封容器となるよう内槽を設けることで、衣類は洗浄過程において密封された内槽内の洗浄水とのみ接触する。これにより、内槽と外槽の間の洗浄水が内槽内に流入して衣類を汚染するとの事態が回避されるため、洗濯機による洗浄の清潔度が大幅に向上する。また、内槽と外槽の間が洗浄水により汚染されることで洗濯機による衣類の洗浄が徹底されないとの事態が回避される。
【0023】
且つ、本発明は構造がシンプルであり、効果が著しく、利用普及に適している。
【0024】
本発明の技術方案の設計思想をより明確とすることで、これによりもたらされる有益な効果がより容易に理解されるよう、以下に、図面を組み合わせて本発明の一部具体的実施形態につき詳細に記載する。
【0025】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例1における洗濯機の構造を示す図である。
図2】本発明の実施例1における洗濯機の背面構造を示す図である。
図3】本発明の図2のA部分におけるシールバルブが閉状態の場合の拡大構造を示す図である。
図4】本発明の図2のA部分におけるシールバルブが開状態の場合の拡大構造を示す図である。
図5】本発明の実施例2における洗濯機の背面構造を示す図である。
図6】本発明の図5のB部分におけるシールバルブが閉状態の場合の拡大構造を示す図である。
図7】本発明の図5のB部分におけるシールバルブが開状態の場合の拡大構造を示す図である。
図8】本発明の実施例3における洗濯機の構造を示す図である。
図9】本発明の図8のC部分におけるシールバルブが閉状態の場合の拡大構造を示す図である。
図10】本発明の図8のC部分におけるシールバルブが開状態の場合の拡大構造を示す図である。
図11】本発明の実施例4における洗濯機の構造を示す図である。
図12】本発明の図11のD部分におけるシールバルブが閉状態の場合の拡大構造を示す図である。
図13】本発明の図11のD部分におけるシールバルブが開状態の場合の拡大構造を示す図である。
図14】本発明の実施例5における洗濯機の構造を示す図である。
図15】本発明の図14のE部分におけるシールバルブが閉状態の場合の拡大構造を示す図である。
図16】本発明の図14のE部分におけるシールバルブが開状態の場合の拡大構造を示す図である。
図17】本発明の実施例6における洗濯機の内槽の断面構造を示す図である。
図18】本発明の実施例7における洗濯機の内槽の背面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
なお、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0028】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0029】
本発明の記載において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0030】
本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0031】
図1図2に示すように、本発明の実施例では洗濯機について説明する。洗濯機はハウジング2を含み、ハウジング2内に内槽1が設けられている。内槽1の軸線は水平に延伸するか、或いは、前方から後方に向かって徐々に下方に傾斜して設けられる。内槽1の前端は開口して設けられる内槽の槽口101となっており、後端は密封して設けられる内槽底102となっている。内槽1の槽壁には貫通孔が設けられていない。よって、内槽1の内部は、前部のみが開口して設けられる密封容器を構成している。また、洗濯機のハウジング2の前端には、外側に開放可能な扉4が装着されている。そのため、扉4を閉止することで内槽の槽口101が封止され、扉4を開放することで内槽の槽口101から内槽1の内部に衣類を投入するとの目的が達せられる。内槽1の後端は、内槽支持部材3を介して洗濯機のハウジング2内に装着される。前記内槽支持部材3は内槽1の後端に同軸に設けられる。内槽支持部材3の上下両端は、それぞれ内槽1の前端の槽口方向に屈曲している。屈曲部は少なくとも内槽1の中央部まで延伸し、上下の屈曲部がそれぞれ制震吊りバネ6と制震支持ロッド7を介して洗濯機のハウジング2に接続される。これにより、内槽支持部材3を震動可能に洗濯機のハウジング2内に装着するとの目的が実現される。且つ、内槽底102の中心は、内槽1が回転駆動されるよう洗濯機の駆動モータ5のモータ軸に同軸に設置される。内槽1と駆動モータ5はいずれも内槽支持部材3に固定装着される。好ましくは、内槽底102と駆動モータ5は、それぞれ内槽支持部材3の両側に設けられる。駆動モータ5は内槽支持部材3に固定接続される。駆動モータ5のモータ軸は、軸受を介して内槽支持部材3を貫通し、内槽底102に同軸に固定接続される。且つ、駆動モータ5は、内槽支持部材3に対し回転可能である。これにより、内槽支持部材3に対する内槽1と駆動モータ5の装着が実現されるとともに、駆動モータ5の作用によって、内槽1が単独で回転することにより内部の衣類を洗浄するとの目的が実現される。
【0032】
更に、本発明の実施例における洗濯機は、従来技術における扉が内槽の槽口を閉止することで内槽が密封容器を構成する任意の洗濯機とすればよい。洗濯機が脱水プログラムを実行する際には、内槽が高速回転するよう制御される。これにより、衣類から離脱した内槽内の水流が内槽から円滑に排出されるため、内槽に孔を有さない洗濯機において正常に脱水プログラムを実行するとの目的が達成される。よって、本発明の実施例における洗濯機は図中の構造に限らず、例えば図8に示すような従来の一般的な洗濯機としてもよい。洗濯機は、内槽1が脱水孔を有さず、且つ扉4により内槽の槽口101を閉止することで密封容器を形成するものであればよい。
【0033】
また、扉を閉合することで洗浄用の密封容器となるよう内槽を設けることで、衣類は洗浄過程において密封された内槽内の洗浄水とのみ接触する。これにより、内槽と外槽の間の洗浄水が内槽内に流入して衣類を汚染するとの事態が回避されるため、洗濯機による洗浄の清潔度が大幅に向上する。また、内槽と外槽の間が洗浄水により汚染されることで洗濯機による衣類の洗浄が徹底されないとの事態が回避される。
【実施例1】
【0034】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、以下のように設置する。
【0035】
図1図4に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽底102には少なくとも1つの排水口10が設けられており、排水口10には内槽底102の径方向に移動して開閉するシールバルブ9が設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽底102の径方向の中心方向へと移動して、内槽底102に設けられる排水口10を開放する。
【0036】
本実施例において、前記内槽底102の外周には等間隔の角度で配置される複数の排水口10が設けられており、各排水口10にシールバルブ9が1つずつ対応して設けられる。前記シールバルブ9の弁体92は、位置規制構造の作用によって、内槽1の高速回転に伴う遠心力の作用を受けて内槽底102の径方向に移動し、排水口10を開放する。好ましくは、各排水口10は内槽底102の中心に対し対称に配置される。これにより、内槽底102の重心が中心に位置するため、内槽1の偏心が防止される。
【0037】
本実施例において、前記シールバルブ9は弁体92を含む。弁体92は接続ロッドを介してカウンタウェイト91に接続される。前記接続ロッド93とカウンタウェイト91は、内槽底102の中心に対して対向する両側に設けられる。内槽1が高速回転する際、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽底102の径方向に沿って外側へと移動し、接続ロッド93を介して弁体92を内槽底102の中心方向へと移動させる。これにより、対応する排水口10が開放される。洗濯機の内槽底102にシールバルブ9を設けることで、内槽1の高速回転時には、遠心力がカウンタウェイト91に作用して、カウンタウェイト91を内槽1の外周方向へと移動させる。これにより、反対側の弁体92が内槽底102の中心方向に引っ張られて移動する結果、内槽1の高速回転時の遠心力を利用して内槽底102に設けられた排水口10を開放するとの目的が実現される。
【0038】
好ましくは、カウンタウェイト91と弁体92の接続構造にかかる遠心力の作用方向が、弁体92を内槽底102の中心方向へ移動させる方向となるよう、カウンタウェイト91の重量は弁体92の重量よりも大きくする。より好ましくは、遠心力の作用を高めるために、カウンタウェイト91の重量を弁体92の重量の2倍よりも大きくする。これにより、弁体92はカウンタウェイト91及び摩擦力の影響に抗し、遠心力の作用によって内槽底102の中心方向へと確実に移動する。
【0039】
本実施例において、前記接続ロッドは、内槽底102の中心を通過して内槽底102の径方向に延伸する。接続ロッド93の両端はカウンタウェイト91とシールバルブ9の弁体92にそれぞれ固定接続され、カウンタウェイト91とシールバルブ9の弁体92が、内槽底102の中心に対し対向する両側にそれぞれ設けられる。これにより、カウンタウェイト91と弁体92は遠心力の作用を受けてそれぞれ反対方向に変位するが、カウンタウェイト91の重量は弁体92の重量よりも大きいことから、カウンタウェイト91が接続ロッドを介して弁体92を引っ張り、自身とともに弁体92を内槽底102の中心方向に近付けるよう移動させる。結果として、内槽1の高速回転時には、遠心力の作用によって弁体92が排水口10を開放する。且つ、各排水口10はいずれも内槽底102の外周寄りに設置されている。そのため、洗濯機の脱水時には、内槽1の側壁に沿って流動する水流が内槽底102の外周に設けられた排水口10から排出される。これにより、洗濯機の脱水プログラムの過程で全ての脱水水流が排出され、内槽1内に水流が残留するとの事態が回避される。
【0040】
本実施例において、前記シールバルブ9は内槽底102に固定接続されるため、内槽1とともに回転する。シールバルブ9と内槽底102を固定接続することで、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、シールバルブ9の弁体92とカウンタウェイト91はいずれも内槽1とともに高速回転する。これにより、弁体92が遠心力の作用を受けて、内槽底102に設けられる排水口10を開放するよう保証する。
【0041】
本実施例において、内槽底102には弁体92を装着するための装着ベース97が設けられている。前記装着ベース97は、内槽底102の径方向に沿って延伸する位置規制室を含む。前記弁体92は、内槽底102の径方向に移動可能に位置規制室内に設けられる。また、前記排水口10は、位置規制室における内槽底102の外周寄りの一端に設けられる。上記のように設けることで、バルブコアは内槽底に設けられた位置規制室内で移動するが、位置規制室の影響で、バルブコアは内槽の径方向にのみ伸縮変位可能である。これにより、内槽の高速回転に伴う遠心力の作用を受けた場合に、バルブコアが内槽の径方向へと伸縮移動して、位置規制室端部の排水口を開閉するよう保証している。
【0042】
本実施例において、前記シールバルブ9の弁体92は、弾性復元部材を介して内槽底102に接続される。これにより、弁体92に弾性力を付与して押動し、対応する排水口10を閉止させる。また、内槽1の高速回転時には、遠心力が弾性復元部材の弾性力に抗して弁体92を移動させ、排水口10を開放する。シールバルブ9に弾性復元部材を設けることで、初期状態時には弁体92を閉位置に位置させて排水口10を閉塞するよう保証する。且つ、シールバルブ9が遠心力の作用を受けて開放されたあと、洗濯機が脱水プログラムの実行を停止したときには、弁体92が弾性復元部材に引っ張られて初期状態の閉位置へと戻り、排水口10を閉塞する。これにより、洗濯機が洗浄プログラム及びすすぎプログラムを実行する際に内槽1が密閉容器となるよう保証されるため、洗浄水又はすすぎ水の流出が回避される。
【0043】
本実施例において、前記弾性復元部材はバネ911とする。バネ911は一端が弁体92に接続され、他端が内槽底102に設けられた装着ベース97における内槽底102の中心寄りの一端に固定される。弁体92は、バネ911の引張力の作用を受けて、装着ベース97の径方向外側への移動が規制される。これにより、弁体92はバネ911に引っ張られ、位置復帰の作用力が付与される。
【0044】
本実施例では、図4に示すように、洗濯機が脱水状態になると、内槽1が高速回転状態となる。すると、カウンタウェイト91が遠心力の作用を受けて内槽1の外周に向かって移動しつつ、弁体92に対し内槽1の中心方向に移動する引張力を付与する。弁体92にかかるカウンタウェイト91の遠心力はバネ911の弾性力に抗し、弁体92を内槽底102の中心方向へと移動させてシールバルブを開放する。また、図3に示すように、洗濯機が脱水状態でない場合、内槽1は高速回転状態にはならない。よって、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けず、バネ911が押圧状態となって、弁体92に対し内槽底102の外周方向へ向かう押動力を付与する。これにより、弁体92は内槽底102の外周方向に向かってシールバルブを閉止するまで移動する。且つ、内槽1が洗浄又はすすぎプログラムの場合、バネ911は常に弁体92に対し弾性力を付与する。これにより、弁体92が排水口10を終始閉塞するよう保証することで、内槽底102における排水口10が常に閉状態となるよう保証する。
【0045】
本実施例において、内槽底102にはカウンタウェイト91の移動を規制する位置規制溝98が設けられている。前記位置規制溝98は内槽底102の径方向に延伸しており、前記カウンタウェイト91が内槽底102の対応する位置規制溝に装着される。これにより、内槽1の高速回転時には、カウンタウェイト91が位置規制溝の軸線方向に沿って移動し、カウンタウェイト91を引っ張って排水口10を開放する。内槽底に位置規制溝を設け、カウンタウェイトが常に内槽底の径方向に沿って移動するよう保証することで、カウンタウェイトの移動方向に偏りが生じないよう保証する。これにより、カウンタウェイトが遠心力の作用を受けて内槽の径方向に沿って移動する際に、弁体を引っ張って排水口を開閉するとの目的が実現される。
【0046】
本実施例において、内槽底102には複数の位置規制溝98と複数の排水口10が交互に設けられる。各排水口10と位置規制溝は、1つずつ対応して内槽底102の中心に対し対向する両側に設けられるとともに、内槽底102の同一の直径に沿って延伸している。対向する両側の排水口10と位置規制溝98には、シールバルブ9とカウンタウェイト91がそれぞれ設けられ、シールバルブ9の弁体92とカウンタウェイト91が、内槽底102の対応する直径に沿って延伸する接続ロッドを介して接続される。これにより、内槽1が高速回転する際、カウンタウェイト91が遠心力を受けて内槽底102の外周方向へと移動し、反対側の弁体92が接続ロッドを介して内槽底102の中心方向へと移動することで、排水口10が開放される。また、内槽底102の外周に複数の排水口10を均一に配置することで、内槽1内の衣類から離脱した水が全て排出されるよう保証している。よって、内槽1内に水が残留することがなく、内槽1からの脱水時における排出の信頼性が向上する。
【実施例2】
【0047】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、以下のように設置する。
【0048】
図5図7に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽底102には少なくとも1つの排水口10が設けられており、排水口10には内槽底102の径方向に移動して開閉するシールバルブ9が設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽底102の平行な面で移動して、内槽底102に設けられる排水口10を開放する。
【0049】
本実施例において、前記シールバルブ9は弁体92とカウンタウェイト91を含む。弁体92及びカウンタウェイト91は、第1接続ロッド95の両端にそれぞれヒンジ接続される。また、内槽底102及びカウンタウェイト91は、第2接続ロッド96の両端にそれぞれヒンジ接続される。内槽1が高速回転する際、カウンタウェイト91は、遠心力の作用を受けて内槽底102の外周方向へと移動し、第1接続ロッド95を介して弁体92を内槽底102の平面に沿って移動させる。これにより、対応する排水口10が開放される。洗濯機の内槽底にシールバルブを設けることで、内槽の高速回転時には、遠心力がカウンタウェイトに作用して、カウンタウェイトを内槽の外周方向へと移動させる。これにより、接続ロッドを介してバルブコアが内槽底の平行な面に沿って移動する結果、内槽の高速回転時の遠心力を利用して内槽底に設けられた排水口を開放するとの目的が実現される。
【0050】
本実施例において、前記内槽底102には装着構造が設けられている。前記装着構造は、内槽底102に固定接続される中心部99を含む。中心部99の外周の径方向には突出リブが突設されており、第2接続ロッド96の端部が突出リブ910の突出端にヒンジ接続される。内槽底102に設けられた中心部及び突出リブ910からなる装着構造にシールバルブ9を装着することで、カウンタウェイト91は、遠心力の作用を受けた場合に、ヒンジ接続される第1接続ロッド95及び第2接続ロッド96の相互作用によって内槽底102の外周方向へと移動する。且つ、カウンタウェイト91は、突出リブ910にヒンジ接続される第2接続ロッド96により位置規制されるため、抜け落ちが防止される。また、カウンタウェイト91は中心部99から一定の距離だけ突出した突出リブ910に装着されるため、中心部と一定の距離を隔てている。これにより、カウンタウェイト91の変位スペースが保証される。
【0051】
本実施例において、前記内槽底102には複数の排水口10が設けられており、各排水口10にシールバルブ9が1つずつ対応して設けられる。前記シールバルブ9の弁体92は、位置規制構造の作用によって、内槽1の高速回転に伴う遠心力の作用を受けて内槽底102の径方向に移動し、排水口10を開放する。好ましくは、各排水口10は内槽底102の中心に対し対称に配置される。これにより、内槽底102の中心が重心と重なるため、内槽1の偏移が回避される。
【0052】
本実施例において、内槽底102には弁体92を装着するための装着ベース97が設けられている。前記装着ベース97は、内槽底102の平行な面に沿って延伸する位置規制室90を含む。前記弁体92は、内槽底102の平行な面に沿って移動可能に位置規制室90内に設けられ、前記排水口10はこれに対向するように位置規制室90内に設けられるため、弁体92が閉止することで対応する排水口10が閉塞される。好ましくは、弁体92が閉状態となったときに対応する排水口10が閉塞されるよう、排水口10は位置規制室に重ねて設置される。上記のように設けることで、バルブコアは内槽底に設けられた位置規制室内で移動するが、位置規制室の影響で、室内の軸方向にのみ伸縮変位可能である。これにより、内槽の高速回転に伴う遠心力の作用を受けた場合に、バルブコアが位置規制室の軸方向に沿って伸縮移動し、位置規制室端部の排水口を開閉するとともに、弁体の離脱による傾きを防止するよう保証している。
【0053】
本実施例において、前記シールバルブ9の弁体92及び/又は第1接続ロッド95及び/又は第2接続ロッド96は、弾性復元部材を介して内槽底102に接続される。これにより、弁体92に弾性力を付与して押動し、対応する排水口10を閉止させる。また、内槽1の高速回転時には、遠心力が弾性復元部材の弾性力に抗して弁体92を移動させ、排水口10を開放する。シールバルブ9に弾性復元部材を設けることで、初期状態時には弁体92を閉位置に位置させて排水口10を閉塞するよう保証する。且つ、シールバルブ9が遠心力の作用を受けて開放されたあと、洗濯機が脱水プログラムの実行を停止したときには、弁体92が弾性復元部材に引っ張られて初期状態の閉位置へと戻り、排水口10を閉塞する。これにより、洗濯機が洗浄プログラム及びすすぎプログラムを実行する際に内槽1が密閉容器となるよう保証されるため、洗浄水又はすすぎ水の流出が回避される。
【0054】
本実施例において、前記弾性復元部材はバネ911とする。バネ911は一端が第2接続ロッド96に接続され、他端が内槽底102に設けられた装着ベース97の中心部に固定される。カウンタウェイト91はバネ911の引張力の作用を受けて、装着ベース97から離間する方向への移動が規制される。これにより弁体92は移動が規制され、排水口10を閉塞する。より好ましくは、前記バネ911は、一端が第2接続ロッド96のうちカウンタウェイト91とのヒンジ接続端寄りに接続され、他端が装着ベース97の中心部の中央に固定接続される。
【0055】
本実施例において、突出リブ910と弁体92はそれぞれ中心部の両側に位置し、弁体92の移動方向は突出リブ910の延伸方向と交差するよう設定される。また、第1接続ロッド95と第2接続ロッド96はいずれも中心部の同じ側に位置する。
【0056】
本実施例において、好ましくは、カウンタウェイト91は中心部に対し内槽底102の外周寄りに設けられる。これにより、カウンタウェイト91は、遠心力の作用を受けて内槽1の外周方向に移動する際に、第2接続ロッド96を介して弁体92を引っ張って移動させ、シールバルブ9の弁体92を開放することで排水口10を開放する。
【0057】
好ましくは、本実施例において、カウンタウェイト91に対する遠心力の作用に最大限抗するよう、バネ911は内槽底102の径方向に延伸する。これにより、バネ911の伸縮方向と、カウンタウェイト91が遠心力を受けた際の移動方向とが平行になるよう保証して、カウンタウェイト91に対するバネ911の引張力の作用を最大化する。
【0058】
本実施例では、図7に示すように、洗濯機が脱水状態になると、内槽1が高速回転状態となり、カウンタウェイト91が遠心力の作用を受けて内槽1の外周に向かって移動する。また、ヒンジ接続される第1接続ロッド95及び第2接続ロッド96により位置規制されつつ、カウンタウェイト91は所定の軌道方向に沿って移動する。且つ、カウンタウェイト91は、第1接続ロッド95を介して弁体92を引っ張って移動させる。弁体92にかかるカウンタウェイト91の遠心力はバネ911の弾性力に抗し、弁体92を内槽底102の平行な面において変位させ、シールバルブを開放する。また、図6に示すように、洗濯機が脱水状態でない場合、内槽1は高速回転状態にはならない。よって、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けず、バネ911が引張状態となって、弁体92に対し内槽底102の外周方向へ向かう押動力を付与する。これにより、弁体92は初期位置に向かってシールバルブを閉止するまで移動する。且つ、内槽1が洗浄又はすすぎプログラムの場合、バネ911は常に弁体92に対し弾性力を付与する。これにより、弁体92が排水口10を終始閉塞するよう保証することで、内槽底102における排水口10が常に閉状態となるよう保証する。
【実施例3】
【0059】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、以下のように設置する。
【0060】
図8図10に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽1の側壁には複数のリフティングリブ8が設けられている。リフティングリブ8の内部は中空であり、内槽1の内部と連通している。内槽1の側壁には、リフティングリブ8の中空部と連通する少なくとも1つの排水口10が設けられており、排水口10には、リフティングリブ8の内部に位置するシールバルブ9が設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽1の径方向の中心方向に向かって移動し、内槽1の側壁に設けられる排水口10を開放する。
【0061】
上記のように設けることで、内槽のリフティングリブの内部に排水口を隠匿して設置可能とし、隠匿された排水口から内槽内の水流を排出するとの目的を達成している。且つ、排水口にシールバルブを設け、内槽の高速回転時の遠心力を利用してシールバルブのバルブコアを制御することで排水口の開閉を実現する。これにより、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、内槽の高速回転時の遠心力がシールバルブのバルブコアに作用することで、排水口が自動的に内槽を開放し、排水するとの目的が達せられる。
【0062】
本実施例では、リフティングリブ8の内部が中空であり、リフティングリブ8の底部と内槽1の側壁との接続箇所に隙間が設けられている。前記隙間は、リフティングリブ8内部の中空部と内槽1の内部とを連通する水流経路を構成している。これにより、水流経路を通じて内槽1内の水流をリフティングリブ8の中空部に流入可能にするとの目的が実現される。
【0063】
本実施例では、リフティングリブ8の中空部に対応する内槽1の側壁に少なくとも1つの排水口10が設けられている。前記排水口10は、リフティングリブ8の中空部に流入した洗浄水が排水口10を通じて排出されるよう、リフティングリブ8の中空部と外部とを連通させる。且つ、排水口10には、排水口10を制御可能に開閉するよう、シールバルブ9がそれぞれ対応して設けられる。これにより、リフティングリブ8の中空部に流入した水流は、シールバルブ9の働きによって開閉可能な排水口10から流出する。
【0064】
本実施例において、前記シールバルブ9は弁体92とカウンタウェイト91を含む。弁体92とカウンタウェイト91は、支持ロッド94の両端にそれぞれ固定接続される。また、支持ロッド94の中央部は内槽1に支持されるよう接触している。これにより、内槽1の高速回転時に、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽1の径方向に沿って上下に移動しつつ、支持ロッド94を介して、弁体92を内槽1の径方向且つカウンタウェイト91の運動方向とは反対方向に変位させる。
【0065】
排水口に前記シールバルブを設置することで、内槽の高速回転時にカウンタウェイトが遠心力の作用を受けて内槽の外周方向へと移動する。これにより、支持ロッドの支点が下方に動作してバルブコアが上方へと移動し、バルブコアが移動することで排水口が開放される結果、遠心力を利用して排水口を開放するとの目的が達せられる。
【0066】
本実施例において、前記支持ロッド94は、交差するよう設けられる第1ロッド部941と第2ロッド部942を含む。第1ロッド部941と第2ロッド部942の接続箇所は、支持ロッドの両端よりも低くなるよう設けられる。且つ、第1ロッド部941と第2ロッド部942の接続箇所は内槽1に支持されるよう接触している。これにより、支持ロッド94の両端に設置される弁体92とカウンタウェイト91は、接続箇所周りに上下に回転移動する。支持ロッドを上記の構造とすることで、弁体とカウンタウェイトは支持ロッドを介して「シーソー」のような構造を構成する。これにより、カウンタウェイトが遠心力の作用を受けると弁体が反対方向に移動し、遠心力によりシールバルブのバルブコアを自動で開放するとの目的が実現される。
【0067】
本実施例において、第1ロッド部941の端部は弁体92にヒンジ接続され、第2ロッド部942の端部はカウンタウェイト91に固定接続される。また、第1ロッド部941の軸方向の長さは第2ロッド部942の軸方向の長さよりも短い。第1ロッド部の長さを第2ロッド部の長さよりも短くすることで、カウンタウェイトが広範囲を動かなければ弁体を開放できないようにしている。これにより、構造全体の制御精度が著しく向上する。且つ、カウンタウェイトに小さな外力を付与するだけで、バルブコアに対し大きな作用力を付与可能である。よって、弁体が移動して排水口を開放する際の作用力の強さが小さくなる。
【0068】
本実施例では、前記リフティングリブ8の中空部に装着ベース97が設けられている。装着ベース97は内槽1の側壁に固定され、シールバルブ9の弁体92が内槽1の径方向に移動可能に装着ベース97に装着される。弁体92の一端は装着ベース97を貫通して支持ロッドの端部に接続される。また、弁体92の他端は内槽1の側壁に設けられた排水口10に対応するよう設置される。
【0069】
本実施例において、前記装着ベース97は、排水口10に対応して同軸に設置される錐体である。錐体の内部は、弁体92を装着するために中空となっている。弁体92の上端は錐体の天井部を貫通して支持ロッド94にヒンジ接続される。また、下端は排水口10に対応してこれを密封する止栓921となっている。好ましくは、止栓が装着ベース97から抜け落ちないよう、錐体の天井部における開口の直径は止栓921の外周の直径よりも小さくなっている。より好ましくは、支持ロッド94と錐体の天井面との接触箇所が支点となり、支持ロッド94の端部のカウンタウェイト91が支点周りに上下に移動可能となるよう、支持ロッド94の接続箇所が錐体の天井部に位置規制されるよう接触している。
【0070】
内槽の側壁にリフティングリブの中空部に向かって延伸する装着ベースを設け、内槽の側壁から一定の高さを隔てた装着ベースの天井部に支持ロッドを装着することで、支持ロッドの端部と内槽の側壁との間に一定の高低差を持たせることができる。これにより、支持ロッドが下方に移動する際に弁体を動作させるための変位スペースを提供するとの目的が実現される。
【0071】
本実施例において、前記シールバルブ9の弁体92及び/又は支持ロッド94は、弾性復元部材を介して内槽1に接続される。これにより、弁体92に弾性力を付与して押動し、対応する排水口10を閉止させる。また、内槽1の高速回転時には、遠心力が弾性復元部材の弾性力に抗して弁体92を移動させ、排水口10を開放する。シールバルブ9に弾性復元部材を設けることで、初期状態時には弁体92を閉位置に位置させて排水口10を閉塞するよう保証する。且つ、シールバルブ9が遠心力の作用を受けて開放されたあと、洗濯機が脱水プログラムの実行を停止したときには、弁体92が弾性復元部材に引っ張られて初期状態の閉位置へと戻り、排水口10を閉塞する。これにより、洗濯機が洗浄プログラム及びすすぎプログラムを実行する際に内槽1が密閉容器となるよう保証されるため、洗浄水又はすすぎ水の流出が回避される。
【0072】
好ましくは、前記弾性復元部材はバネ911とする。バネ911は弁体92の外周に覆設されて内槽1の径方向に延伸する。バネ911の両端は、弁体92の止栓と装着ベース97の先端にそれぞれ位置規制されるよう接触する。これにより、バネ911は弁体92と装着ベース97の間にしっかりと挟持される。
【0073】
好ましくは、本実施例において、リフティングリブ8は内槽1の軸方向に沿って延伸している。リフティングリブ8の中空部の前後両端には少なくとも1つの排水口10がそれぞれ設けられ、各排水口10にシールバルブ9がそれぞれ対応するよう装着される。2つのシールバルブ9のカウンタウェイト91は、いずれも対応する排水口10に対して内槽1の中心方向に偏移している。また、リフティングリブ両端のシールバルブに設けられるカウンタウェイトを向かい合うよう設置することで、内槽の重心が中央部に位置するため、内槽の回転時における安定性が向上する。
【0074】
本実施例では、図10に示すように、洗濯機が脱水状態の場合に内槽1が高速回転状態になると、内槽1内の水が遠心力の作用を受けて内壁に密着しつつ流動し、内槽1の壁とリフティングリブ8の間の隙間からリフティングリブ8の内部に流れ込む。このとき、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽1の外周に向かって移動する。且つ、カウンタウェイト91は、支持ロッド94を介して弁体92に内槽1の中心方向に向かう上方への作用力を付与する。弁体92にかかるカウンタウェイト91の遠心力はバネ911の弾性力に抗し、弁体92を内槽1の径方向に変位させ、排水口10を開放する。また、図9に示すように、洗濯機が脱水状態でない場合、内槽1は高速回転状態にはならない。よって、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けず、バネ911は引張状態となって、弁体92に対し内槽底102の外周方向へ向かう押動力を付与する。これにより、弁体92は初期位置に向かって排水口10を閉止するまで移動する。且つ、内槽1が洗浄又はすすぎプログラムの場合、バネ911は常に弁体92に対し弾性力を付与する。これにより、弁体92が排水口10を終始閉塞するよう保証することで、内槽底102における排水口10が常に閉状態となるよう保証する。
【実施例4】
【0075】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、以下のように設置する。
【0076】
図11図13に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽1は、内槽底102側の一端と内槽の槽口101側の一端の大きさが異なるテーパー状の槽である。内槽1の側壁には複数のリフティングリブ8が設けられている。リフティングリブ8の内部は中空であり、内槽1の内部と連通している。内槽1の側壁には、リフティングリブ8の中空部と連通する少なくとも1つの排水口10が設けられている。排水口10は内槽1の大径端寄りの側に設けられる。また、排水口10にはリフティングリブ8の内部に位置するシールバルブ9が設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽1の径方向の中心方向に向かって移動し、内槽1の側壁に設けられる排水口10を開放する。
【0077】
上記のように設けることで、内槽のリフティングリブの内部に排水口を隠匿して設置可能とし、隠匿された排水口から内槽内の水流を排出するとの目的を達成している。且つ、排水口にシールバルブを設け、内槽の高速回転時の遠心力を利用してシールバルブのバルブコアを制御することで排水口の開閉を実現する。これにより、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、内槽の高速回転時の遠心力がシールバルブのバルブコアに作用することで、排水口が自動的に内槽を開放し、排水するとの目的が達せられる。
【0078】
本実施例では、前記リフティングリブ8が内槽1の軸線方向に延伸している。リフティングリブ8の第1端部は内槽1の大径端まで延伸しており、内槽1の側壁の排水口10はいずれもリフティングリブ8の第1端部に設けられる。好ましくは、排水口10の軸線は内槽1の軸と平行に設けられる。内槽を一端が大きく、一端が小さいテーパー状の槽とすることで、内槽の高速回転時に内槽内の水が遠心力の作用を受けて大径端に集約するよう流動し、大径端に設けられた排水口から流出する。これにより、内槽内の水流が内槽の高速脱水時に遠心力の作用を受けて全て排出される。よって、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、内槽内の衣類から振り出された水流が全て排出され、内槽内に水が残留するとの事態が回避される。
【0079】
本実施例では、リフティングリブ8の内部が中空であり、リフティングリブ8の底部と内槽1の側壁との接続箇所に隙間が設けられている。前記隙間は、リフティングリブ8内部の中空部と内槽1の内部とを連通する水流経路を構成している。これにより、水流経路を通じて内槽1内の水流をリフティングリブ8の中空部に流入可能にするとの目的が実現される。
【0080】
本実施例では、リフティングリブ8の中空部に対応する内槽1の側壁に少なくとも1つの排水口10が設けられている。前記排水口10は、リフティングリブ8の中空部に流入した洗浄水が排水口10を通じて排出されるよう、リフティングリブ8の中空部と外部とを連通させる。好ましくは、各排水口10は内槽1の軸線に対し対称に配置される。これにより、内槽1の中心と重心が重なるため、内槽1の回転時における偏心移動が回避される。
【0081】
本実施例において、前記シールバルブ9は弁体92とカウンタウェイト91を含む。弁体92とカウンタウェイト91は支持ロッドの両端にそれぞれ固定接続される。また、支持ロッドの中央部は内槽1に支持されるよう接触している。これにより、内槽1の高速回転時に、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽1の径方向に沿って上下に移動しつつ、支持ロッドを介して、弁体92を内槽1の径方向且つカウンタウェイト91の運動方向とは反対方向に変位させる。
【0082】
本実施例において、前記支持ロッド94は、交差するよう設けられる第1ロッド部941と第2ロッド部942を含む。第1ロッド部941と第2ロッド部942の接続箇所は、支持ロッドの両端よりも低くなるよう設けられる。且つ、第1ロッド部941と第2ロッド部942の接続箇所は内槽1に支持されるよう接触している。これにより、支持ロッドの両端に設置される弁体92とカウンタウェイト91は、接続箇所周りに上下に回転移動する。好ましくは、第1ロッド部941の端部は弁体92にヒンジ接続され、第2ロッド部942の端部はカウンタウェイト91に固定接続される。また、第1ロッド部の軸方向の長さは第2ロッド部の軸方向の長さよりも短い。
【0083】
本実施例では、前記リフティングリブ8の中空部に装着ベース97が設けられている。装着ベース97は内槽1の側壁に固定され、シールバルブ9の弁体92が内槽1の径方向に移動可能に装着ベース97に装着される。弁体92の一端は装着ベース97を貫通して支持ロッドの端部に接続される。また、弁体92の他端は内槽1の側壁に設けられた排水口10に対応するよう設置される。
【0084】
本実施例において、前記装着ベース97は排水口10に対応して同軸に設置される錐体である。錐体の内部は、弁体92を装着するために中空となっている。弁体92の上端は錐体の天井部を貫通して支持ロッドにヒンジ接続される。また、下端は排水口10に対応してこれを密封する止栓となっている。好ましくは、止栓が装着ベース97から抜け落ちないよう、錐体の天井部における開口の直径は止栓921の外周の直径よりも小さくなっている。より好ましくは、支持ロッドと錐体の天井面との接触箇所が支点となり、支持ロッドの端部のカウンタウェイト91が支点周りに上下に移動可能となるよう、支持ロッド94の接続箇所が錐体の天井部に位置規制されるよう接触している。
【0085】
本実施例において、好ましくは、錐体内部の中空領域を密封室とする。これにより、リフティングリブ8の中空部の水流が装着ベース97から排水口10に流出する際に、装着ベース97の内部に構成される流路の両端に圧力差が形成される。そのため、圧力差の作用でリフティングリブ8内部の水流にサイフォン効果が生じ、リフティングリブ8内部の水流が全て排水口10から排出される。
【0086】
本実施例において、前記シールバルブ9の弁体92及び/又は支持ロッド94は、弾性復元部材を介して内槽1に接続される。これにより、弁体92に弾性力を付与して押動し、対応する排水口10を閉止させる。また、内槽1の高速回転時には、遠心力が弾性復元部材の弾性力に抗して弁体92を移動させ、排水口10を開放する。シールバルブに弾性復元部材を設けることで、初期状態時には弁体を閉位置に位置させて排水口を閉塞するよう保証する。且つ、シールバルブが遠心力の作用を受けて開放されたあと、洗濯機が脱水プログラムの実行を停止したときには、バルブコアが弾性復元部材に引っ張られて初期状態の閉位置へと戻り、排水口を閉塞する。これにより、洗濯機が洗浄プログラム及びすすぎプログラムを実行する際に内槽が密閉容器となるよう保証されるため、洗浄水又はすすぎ水の流出が回避される。
【0087】
好ましくは、本実施例において、前記弾性復元部材はバネ911とする。バネ911は弁体92の外周に覆設されて内槽1の径方向に延伸する。バネ911の両端は、弁体92の止栓と装着ベース97の先端にそれぞれ位置規制されるよう接触する。これにより、バネ911は弁体92と装着ベース97の間にしっかりと挟持される。
【0088】
本実施例において、シールバルブ9のカウンタウェイト91は、対応する排水口10に対して内槽1の中心方向に偏移している。これにより、内槽1の重量が全て内槽1の後部に集中することを回避し、内槽1の中心を前方に移動させることで内槽1の回転時の安定性を向上させる。
【0089】
本実施例では、図13に示すように、洗濯機が脱水状態の場合に内槽1が高速回転状態になると、内槽1内の水が遠心力の作用を受けて内壁に密着しつつ流動し、内槽1の壁とリフティングリブ8の間の隙間からリフティングリブ8の内部に流れ込んだあと、内槽1の壁に沿って内槽1の大径端に集約するよう流動する。このとき、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽1の外周に向かって移動する。且つ、カウンタウェイト91は、支持ロッドを介して弁体92に内槽1の中心方向に向かう上方への作用力を付与する。弁体92にかかるカウンタウェイト91の遠心力はバネ911の弾性力に抗し、弁体92を内槽1の径方向に変位させ、排水口10を開放する。また、図12に示すように、洗濯機が脱水状態でない場合、内槽1は高速回転状態にはならない。よって、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けず、バネ911は引張状態となって、弁体92に対し内槽底102の外周方向へ向かう押動力を付与する。これにより、弁体92は初期位置に向かって排水口10を閉止するまで移動する。且つ、内槽1が洗浄又はすすぎプログラムの場合、バネ911は常に弁体92に対し弾性力を付与する。これにより、弁体92が排水口10を終始閉塞するよう保証することで、内槽底102における排水口10が常に閉状態となるよう保証する。
【実施例5】
【0090】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、以下のように設置する。
【0091】
図14図16に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽1は、内槽底102側の一端と槽口側の一端の大きさが異なるテーパー状の槽である。内槽1の側壁には複数のリフティングリブ8が設けられている。リフティングリブ8の内部は中空であり、内槽1の内部と連通している。内槽1の大径端部には、リフティングリブ8の中空部と連通する少なくとも1つの排水口10が設けられており、排水口10にはリフティングリブ8の内部に位置するシールバルブ9が設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽1の軸方向に内槽1の中心方向へと移動して、内槽1の端部に設けられる排水口10を開放する。
【0092】
上記のように設けることで、内槽1のリフティングリブ8の内部に排水口10を隠匿して設置可能とし、隠匿された排水口10から内槽1内の水流を排出するとの目的を達成している。且つ、リフティングリブ8の端部における内槽1の大径端に排水口10を設けるとともに、排水口10にシールバルブ9を設け、内槽1の高速回転時の遠心力を利用してシールバルブ9の弁体92を制御することで排水口10の開閉を実現する。これにより、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、内槽1の高速回転時の遠心力がシールバルブ9の弁体92に作用することで排水口10が自動的に開放されるとともに、内槽1内の水が遠心力の作用を受けて大径端に集約するよう流動し、リフティングリブ8内部に設けられた排水口10からサイフォン作用で排水されるとの目的を達成している。
【0093】
本実施例において、内槽1の大径端には複数の排水口10が設けられている。各排水口10は、内槽1の軸心に対して対称に配置される。且つ、前記排水口10は内槽1の大径端の外周箇所に設けられる。
【0094】
本実施例において、前記シールバルブ9は弁体92とカウンタウェイト91を含む。弁体92とカウンタウェイト91は支持ロッドの両端にそれぞれ固定接続される。また、支持ロッドの中央部は内槽1に支持されるよう接触している。これにより、内槽1の高速回転時に、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽1の径方向に沿って上下に移動しつつ、支持ロッドを介して、弁体92を内槽1の軸方向に伸縮変位させる。
【0095】
本実施例において、前記支持ロッド94は、交差するよう設けられる第1ロッド部941と第2ロッド部942を含む。第1ロッド部941と第2ロッド部942の接続箇所は、支持ロッド94の両端よりも低くなるよう設けられる。且つ、第1ロッド部941と第2ロッド部942の接続箇所は内槽1に支持されるよう接触している。これにより、支持ロッドの両端に設置される弁体92とカウンタウェイト91は、接続箇所周りに上下に回転移動する。好ましくは、第1ロッド部941の端部は弁体92にヒンジ接続され、第2ロッド部942の端部はカウンタウェイト91に固定接続される。また、第1ロッド部941の軸方向の長さは第2ロッド部942の軸方向の長さよりも短い。
【0096】
本実施例では、前記リフティングリブ8の中空部に装着ベース97が設けられている。装着ベース97は内槽1の側壁に固定される。また、装着ベース97の軸線は内槽1の軸方向に延伸し、弁体92は内槽1の軸方向に伸縮移動するよう装着ベース97に装着される。弁体92の一端は装着ベース97を貫通して支持ロッドの端部に接続される。また、弁体92の他端は内槽1の端部に設けられる排水口10に対応するよう設置される。
【0097】
本実施例において、好ましくは、装着ベース97内部の中空領域を密封室とする。これにより、リフティングリブ8の中空部の水流が装着ベース97から排水口10に流出する際に、装着ベース97の内部に構成される流路の両端に圧力差が形成される。そのため、圧力差の作用でリフティングリブ8内部の水流にサイフォン効果が生じ、リフティングリブ8内部の水流が全て排水口10から排出される。
【0098】
本実施例において、前記装着ベース97は内槽1の側壁の構成線に沿って延伸する。前記内槽1の構成線は、内槽1の軸線周りに360度回転することで、内槽1のテーパー状の側壁の線分を構成する。装着ベース97の第1端は対応する排水口10に応じて設けられ、第2端には弁体92の端部が挿通及び装着される。弁体92の一端は装着ベース97の第1端を貫通して支持ロッドにヒンジ接続される。また、他端には、排水口10に対応してこれを密封する止栓921が設けられている。好ましくは、装着ベース97の第1端には弁体92を挿通するための開口が設けられている。開口の直径は、止栓が装着ベース97から抜け落ちないよう、止栓の外周の直径よりも小さくなっている。より好ましくは、支持ロッド94と内槽1の側壁との接触箇所が支点となり、支持ロッド94の端部のカウンタウェイト91が支点周りに上下に移動して弁体92をスライド変位させるよう、支持ロッド94の接続箇所が内槽1の側壁に位置規制されるよう接触している。
【0099】
本実施例において、前記シールバルブ9の弁体92及び/又は支持ロッド94は、弾性復元部材を介して内槽1に接続される。これにより、弁体92に弾性力を付与して押動し、対応する排水口10を閉止させる。また、内槽1の高速回転時には、遠心力が弾性復元部材の弾性力に抗して弁体92を移動させ、排水口10を開放する。シールバルブに弾性復元部材を設けることで、初期状態時には弁体を閉位置に位置させて排水口を閉塞するよう保証する。且つ、シールバルブが遠心力の作用を受けて開放されたあと、洗濯機が脱水プログラムの実行を停止したときには、バルブコアが弾性復元部材に引っ張られて初期状態の閉位置へと戻り、排水口を閉塞する。これにより、洗濯機が洗浄プログラム及びすすぎプログラムを実行する際に内槽が密閉容器となるよう保証されるため、洗浄水又はすすぎ水の流出が回避される。
【0100】
好ましくは、本実施例において、前記弾性復元部材はバネ911とする。バネ911は弁体92の外周に覆設されて装着ベース97の軸方向に延伸する。バネ911の両端は、弁体92の止栓と装着ベース97の第1端にそれぞれ位置規制されるよう接触する。これにより、バネ911は弁体92と装着ベース97の間にしっかりと挟持される。
【0101】
本実施例において、シールバルブ9のカウンタウェイト91は、対応する排水口10に対して内槽1の中心方向に偏移している。これにより、内槽1の重心全体が前方へ移動するため、内槽1の重心が後部に集中して内槽1が後傾するとの事態が回避される。
【0102】
本実施例では、前記リフティングリブ8が内槽1の軸線方向に延伸している。リフティングリブ8の第1端部は内槽1の大径端まで延伸しており、内槽1の側壁の排水口10はいずれもリフティングリブ8の第1端部における中空箇所に設けられる。好ましくは、内槽1は、内槽底102側の一端の直径が内槽の槽口101側の一端の直径よりも大きなテーパー状の槽である。リフティングリブ8は内槽底102側の一端まで延伸しており、リフティングリブ8内部の中空部の端部が内槽底102により直接構成される。且つ、内槽底102の対応部分には、リフティングリブ8の中空部と連通する排水口10が設けられている。
【0103】
本実施例では、リフティングリブ8の内部が中空であり、リフティングリブ8の底部と内槽1の側壁との接続箇所に隙間が設けられている。前記隙間は、リフティングリブ8内部の中空部と内槽1の内部とを連通する水流経路を構成している。これにより、内槽1内の水流を隙間からリフティングリブ8の中空部に流入させる。
【0104】
本実施例では、図16に示すように、洗濯機が脱水状態の場合に内槽1が高速回転状態になると、内槽1内の水が遠心力の作用を受けて内壁に密着しつつ流動し、内槽1の壁とリフティングリブ8の間の隙間からリフティングリブ8の内部に流れ込んだあと、内槽1の壁に沿って内槽1の大径端に集約するよう流動する。このとき、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けて内槽1の外周に向かって移動する。且つ、カウンタウェイト91は、支持ロッドを介して弁体92に内槽1の中心方向に向かう引張力を付与する。弁体92にかかるカウンタウェイト91の遠心力はバネ911の弾性力に抗し、弁体92を内槽1の軸方向において変位させ、排水口10を開放する。また、図15に示すように、洗濯機が脱水状態でない場合、内槽1は高速回転状態にはならない。よって、カウンタウェイト91は遠心力の作用を受けず、バネ911は引張状態となって、弁体92に対し内槽底102の方向へ向かう押動力を付与する。これにより、弁体92は初期位置に向かって排水口10を閉止するまで移動する。且つ、内槽1が洗浄又はすすぎプログラムの場合、バネ911は常に弁体92に対し弾性力を付与する。これにより、弁体92が排水口10を終始閉塞するよう保証することで、内槽底102における排水口10が常に閉状態となるよう保証する。
【実施例6】
【0105】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、上記実施例3~5を元に、内槽1内の水が円滑にリフティングリブ8の中空部に流れ込んでリフティングリブ8の中空部に設けられた排水口10から排出されるよう、以下のように設置する。
【0106】
図17に示すように、本実施例では、洗濯機用の内槽1のリフティングリブ8について説明する。リフティングリブ8の内部は中空となっている。また、リフティングリブ8の中空部と内槽1の内部を連通するために、リフティングリブ8には複数の貫通孔が設けられている。リフティングリブ8の中空部には、内槽1の開口端から内槽底102側の端部まで延伸するガードプレート81が設けられている。ガードプレート81は、リフティングリブ8の中空部を互いに独立した2つの部分に分割する。
【0107】
内槽のリフティングリブの中空部に分割用のガードプレートを設けることで、内槽内の洗浄水は、リフティングリブの中空部に流れ込んだあと、ガードプレートに妨げられてリフティングリブの内部に残留する。リフティングリブの中空部に残留した水は、ガードプレートに沿ってリフティングリブの中空部に設けられた排水口まで流動する。そして、内槽の高速回転による脱水時にシールバルブが開放されることで、水流が排水口から排出される。これにより、内槽のリフティングリブの中空部に排水口を設け、内槽内の水流を円滑に排出するとの目的が実現される。
【0108】
本実施例において、ガードプレート81は内槽1の側壁の構成線と交差して一定の角度だけ傾斜するよう設けられるため、内槽1の回転時に、水流は傾斜したガードプレート81に案内されて、ガードプレート沿いに流動する。これにより、リフティングリブ8の中空部に残留した水がガードプレート81に沿って排水口10へと流動するため、残留水が円滑に排出される。
【0109】
本実施例では、リフティングリブ8の側壁に複数の貫通孔が設けられている。各貫通孔は2つの部分に分けられ、それぞれが、リフティングリブ8の中空部においてガードプレート81により分割される2つの独立した空間に対応して連通している。よって、内槽1内の残留水は貫通孔を通じて円滑にリフティングリブ8の内部に流入可能である。好ましくは、リフティングリブ8と内槽1の側壁の間には一定の隙間が隔てられている。これにより、内槽1において内槽1の壁に密着しつつ流動する残留水は、隙間から円滑に内槽1のリフティングリブ8に流れ込む。
【0110】
本実施例において、洗濯機の内槽1は、内槽底102側の一端と内槽の槽口101側の一端の大きさが異なるテーパー状の槽である。内槽1の側壁には複数のリフティングリブ8が設けられており、各リフティングリブ8は内槽1の槽口端から内槽底102側の端部まで延伸している。また、内槽1の大径端には、リフティングリブ8の内部空間と連通する排水口10が設けられている。排水口10には、リフティングリブ8の内部に位置するシールバルブ9が設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽1の軸方向に内槽1の中心方向へと移動して、内槽1の端部に設けられる排水口10を開放する。好ましくは、内槽底102の直径を槽口端の直径よりも大きくし、排水口10を内槽底102に設けるとともに、内槽底102の外周に沿って均一に配置する。
【0111】
本実施例において、リフティングリブ8内部の中空部における第1室82は、内槽1の大径端に設けられる排水口10に対応して連通している。また、リフティングリブ8内部の中空部における第2室83と内槽1の大径端に設けられる排水口10はガードプレートにより隔離されている。これにより、排水口10を第1室82の大きい側の横断面箇所に設け、リフティングリブ8内部の残留水をガードプレートに沿って第1室82の大きい側の横断面端に向かって流動させる。そして、第1室82の大きい側の横断面端における排水口10から円滑に排出することで、排水の円滑性を高めるとの目的を実現する。
【0112】
本実施例において、洗濯機の脱水時には内槽1が同一方向に高速回転する。リフティングリブ8の中空部の第1室82は、第2室83よりも洗濯機の脱水時における内槽1の回転方向側に位置している。そのため、洗濯機の脱水プログラム時に内槽1が一方向に回転する際には、内槽1のリフティングリブ8における第1室82側が内槽1下部の水流と接触する撹水面となる。内槽1内の水流は内槽1の一方向の回転に伴って第1室82へと流れ込み、第1室82の端部の排水口10から排出される。
【0113】
本実施例において、第1室82は、一端の横断面が他端のテーパー状の空間よりも大きくなっている。第1室82の大きい側の横断面端は内槽1の大径端に設けられている。また、内槽1の端部に設けられる排水口10は、第1室82の大きい側の横断面端と連通している。
【0114】
本実施例において、リフティングリブ8における内槽1の大径端との接続箇所には複数の貫通孔が設けられており、接続箇所に設けられる少なくとも一部の貫通孔がリフティングリブ8の中空部における第1室82と連通している。これにより、内槽1の大径端の残留水が貫通孔からリフティングリブ8の中空部に流れ込むよう案内されるため、内槽1内の水流が円滑に排出される。
【0115】
本実施例では、更に洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽1は、内槽底102側の一端と内槽の槽口101側の一端の大きさが異なるテーパー状の槽である。内槽1の側壁には、上記いずれかのリフティングリブ8が複数設けられている。
【0116】
本実施例において、前記内槽1は、内槽底102側の一端の直径が内槽の槽口101側の一端の直径よりも大きい。内槽底102には、各リフティングリブ8それぞれに一対一で連通する排水口10が設けられている。また、各排水口10には、リフティングリブ8の内部に位置するシールバルブ9がそれぞれ設けられている。内槽1が高速回転する際、シールバルブ9の弁体92は遠心力の作用によって内槽1の軸方向に内槽1の中心方向へと移動して、内槽1の端部に設けられる排水口10を開放する。
【実施例7】
【0117】
本発明の実施例では、洗濯機の内槽1内の衣類から離脱した水流を排出するとともに、洗濯機の動作過程において、内槽1を密封して貯水することで正常な洗浄を行うべく、以下のように設置する。
【0118】
図18に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機の内槽1は、扉4が内槽の槽口101に閉合された場合に密閉される容器である。内槽1の外周には複数の排水口10が設けられており、各排水口10には、排水口10の開閉を制御する制御弁がそれぞれ設けられている。各制御弁11は、洗濯機の制御回路基板にマッチングされ、且つ接続されている。これにより、洗濯機が高速脱水プログラムを実行する際には制御弁が開放されて、内槽1内の水が各排水口10から排出される。
【0119】
洗濯機の内槽1の排水口10に開閉を制御可能な制御弁を設けることで、洗濯機が脱水プログラムを実行する際には制御弁を開放するよう自動制御する一方、脱水プログラムでない場合には制御弁を閉止するよう自動制御する。これにより、洗濯機で排水口10の開閉を自動制御するとの目的が実現される。
【0120】
本実施例において、洗濯機の内槽1は、槽口端と内槽底102側の端部の直径が異なるテーパー状の槽であり、洗濯機の内槽1の排水口10が内槽1の大径端に設けられる。好ましくは、洗濯機の内槽1の内槽底102の直径は内槽1の開口端の直径よりも大きく、内槽底102の外周に複数の排水口10が均一に配置されている。
【0121】
本実施例において、内槽底102の外周には複数の排水口10が設けられている。各排水口10は内槽1の軸線に対し対称に配置されている。また、各排水口10にはそれぞれ制御弁が対応して設けられている。
【0122】
本実施例において、各制御弁11は互いに連動するよう接続されており、洗濯機が対応する命令を発すると、各制御弁11が同時に開閉動作を実行する。これにより、洗濯機の内槽1に設けられた各排水口10が同時に連動制御され、開閉動作を同期して実行するとの目的が実現される。且つ、洗濯機の内槽1の各制御弁を同期して動作させ、内槽1内の水流を円滑に排出するとの効果が奏される。
【0123】
本実施例では、洗濯機の内槽1の排水口10に設けられる制御弁11を電磁駆動制御とする。内槽1の排水口10には電磁弁体92が設けられており、洗濯機のハウジング2には、電磁弁体92の開閉を制御するよう対応して設けられる磁気駆動装置が装着されている。磁気駆動装置が通電して動作する際には電磁弁体92が開放するよう制御され、動作していないときには電磁弁体92が自動的に閉止する。洗濯機の制御弁を電磁駆動制御とすることで、内槽1の回転時の制御が洗濯機ハウジング2と干渉したり接触したりしない。よって、洗濯機の内槽1を回転自在とし、干渉なく動作させるとの目的が実現される。
【0124】
本実施例では、洗濯機の内槽1の排水口10に設けられる制御弁11をワイヤレス給電制御とする。内槽1の排水口10には電子制御弁体92が設けられており、洗濯機のハウジング2には、電子制御弁体92の開閉を制御するよう対応して設けられるワイヤレス給電駆動装置が装着されている。ワイヤレス給電駆動装置が通電して動作する際には電子制御弁体92が開放するよう制御され、動作していないときには電子制御弁体92が自動的に閉止する。洗濯機の制御弁をワイヤレス給電制御とすることで、内槽1の回転時の制御が洗濯機ハウジング2と干渉したり接触したりしない。よって、洗濯機の内槽1を回転自在とし、干渉なく動作させるとの目的が実現される。
【0125】
本実施例において、内槽底102には中心から外周に向かって延伸する複数の突出リブ12が設けられている。各突出リブ12は、内槽底102の中心に対し対称に配置される。また、隣り合う突出リブ12の間には排水口10が1つずつ設けられている。前記排水口10は内槽底102の外周に設けられ、且つ両側の突出リブ12と等間隔に設けられる。
【0126】
本実施例では、上記いずれかの洗濯機の制御方法について更に説明する。洗濯機が脱水プログラムを実行する際には内槽1が高速回転し、内槽1の外周の各排水口10に設けられた制御弁11が開放される。また、内槽1内の洗浄水が遠心力の作用で内槽1の壁方向へと流動し、内槽1に設けられた排水口10から流出する。
【0127】
上記の方法では、洗濯機の内槽の排水口に開閉を制御可能な制御弁を設けることで、洗濯機が脱水プログラムを実行する際には制御弁を開放するよう自動制御する一方、脱水プログラムでない場合には制御弁を閉止するよう自動制御する。これにより、洗濯機で脱水プログラムを実行する際に排水口の開閉を自動制御するとの目的が実現される。
【0128】
本実施例では、洗濯機が洗浄プログラムやすすぎプログラムを正常に実行する際に、内槽1の外周の各排水口10に設けられた制御弁11を閉止して、内槽1内の衣類と洗浄水を内槽1の内部に密封する。そして、内槽1の回転の作用力を受けて、衣類を打ち付けることで洗浄を実施する。
【0129】
本実施例において、洗濯機が脱水プログラムを実行する際には、内槽1が高速回転し、内槽1内の洗浄水が遠心力の作用を受けて内槽1の壁に密着しつつ流動する。内槽1の壁に密着しつつ流動する洗浄水は、テーパー状の内槽1の壁に位置規制されながら内槽1の大径端に向かって流動し、内槽1の大径端の外周に設けられた制御弁11が開状態の排水口10から流出する。
【0130】
本実施例を総括すると、洗濯機の制御方法は具体的に以下のステップを含む。
【0131】
ステップ1:洗濯機が動作を開始する。
【0132】
ステップ2:制御弁が閉状態となり、洗濯機の内槽に洗浄水が投入されて、洗濯機の内槽が回転することで洗浄プログラムが実行される。
【0133】
ステップ3:洗浄プログラムが完了すると制御弁が開放され、内槽内の洗浄水が排水口から流出する。
【0134】
ステップ4:排水が終了すると、制御弁が再び閉止する。
【0135】
ステップ5:制御弁が閉状態となり、洗濯機の内槽にすすぎ水が投入されて、洗濯機の内槽が回転することですすぎプログラムが実行される。
【0136】
ステップ6:すすぎプログラムが完了すると制御弁が開放され、内槽内のすすぎ水が排水口から流出する。
【0137】
ステップ7:排水が終了したあとも制御弁は開放を維持する。
【0138】
ステップ8:制御弁の開状態において、洗濯機の内槽が高速回転を開始することで脱水プログラムが実行される。これにより、衣類から離脱した水が排水口から流出する。
【0139】
上記のステップでは、洗濯機の内槽の排水口に開閉を制御可能な制御弁を設け、洗濯機の動作過程において制御弁の開閉を自動制御する。これにより、内槽内に貯水して洗浄又はすすぎを行ったり、排水して脱水したりとの目的が実現される。
【0140】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0141】
1 内槽
2 ハウジング
3 内槽支持部材
4 扉
5 駆動モータ
6 制震吊りバネ
7 制震支持部材
8 リフティングリブ
9 シールバルブ
10 排水口
11 制御弁
12 突出リブ
90 位置規制室
91 カウンタウェイト
92 弁体
93 接続ロッド
94 支持ロッド
95 第1接続ロッド
96 第2接続ロッド
97 装着ベース
98 位置規制溝
99 中心部
910 突出リブ
911 バネ
921 止栓
941 第1ロッド部
942 第2ロッド部
81 ガードプレート
82 第1室
83 第2室
101 内槽の槽口
102 内槽底
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