(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】バッテリー装置及びバッテリーにおける温度の調節方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/04 20060101AFI20220620BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20220620BHJP
H01M 10/637 20140101ALI20220620BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20220620BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220620BHJP
H01M 10/6571 20140101ALI20220620BHJP
【FI】
H02J7/04 L
H01M10/615
H01M10/637
H01M10/633
H01M10/625
H01M10/6571
(21)【出願番号】P 2020514487
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(86)【国際出願番号】 KR2018014154
(87)【国際公開番号】W WO2019103412
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2019-11-20
(31)【優先権主張番号】10-2017-0158761
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドン・クン・クォン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-252907(JP,A)
【文献】特開2017-085866(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0048991(KR,A)
【文献】特開2015-159115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0357614(US,A1)
【文献】特開2001-251780(JP,A)
【文献】特開平07-007866(JP,A)
【文献】特開2013-046559(JP,A)
【文献】特開平05-062718(JP,A)
【文献】特開2010-044895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270976(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2016-0125829(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2016-0060967(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2016-0112073(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2015-0030501(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2014-0092978(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
H01M 10/615
H01M 10/637
H01M 10/633
H01M 10/625
H01M 10/6571
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部発電機と接続される発電電力ラインに接続される複数のバッテリーと、
前記バッテリーが位置する空間の温度に基づいて、前記バッテリー間の充放電を制御して、前記バッテリーの温度が昇温可能な制御器と、
を備えてなるバッテリー装置において、
前記複数のバッテリーは、並列に接続され、前記並列に接続された複数のバッテリーの最終端子が前記発電電力ラインに接続され、
前記バッテリー装置は、前記バッテリーと接続され、前記バッテリーが位置する空間に温風を供給するように配設される温風器をさらに備え、
前記制御器は、前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給するように前記バッテリーの放電が制御可能であり、
前記制御器は、
前記バッテリーが位置する空間の温度が測定可能な感温部と、
前記感温部において測定された温度値と、予め設定された設定温度値とが比較可能な第1の比較部と、
前記第1の比較部において比較した結果に基づいて、前記複数のバッテリー間の充放及び放電並びに前記温風器への電流の供給を制御する制御部と、
を備え、
前記比較において前記測定された温度値が前記設定温度値より大きい場合、前記制御部は、前記温風器を作動させないように制御され、
前記比較において前記測定された温度値が前記設定温度値以下である場合、前記制御部は、前記温風器を作動させるように制御され、
前記制御器は、
前記バッテリーの電圧が測定可能な電圧測定部と、
前記電圧測定部において測定された電圧値と、予め設定された設定電圧値とが比較可能な第2の比較部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2の比較部において比較した結果において前記測定された電圧値が前記設定電圧値よりも大きい場合、前記温風器を作動させるように制御され、
前記制御部は、前記第2の比較部において比較した結果において前記測定された電圧値が前記設定電圧値以下である場合、前記温風器を作動させないように制御される、バッテリー装置。
【請求項2】
前記発電電力ラインに配設される第1のスイッチと、
前記温風器と前記バッテリーとの間に配設される第2のスイッチと、
をさらに備える請求項1に記載のバッテリー装置。
【請求項3】
前記複数のバッテリー間の電流の流れを制御するように、前記複数のバッテリーの間に配設される複数の補助スイッチをさらに備える請求項2に記載のバッテリー装置。
【請求項4】
前記比較において前記測定された温度値が前記設定温度値より大きい場合、前記制御部は、前記温風器を作動させないように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記複数の補助スイッチの作動を制御し、
前記比較において前記測定された温度値が前記設定温度値以下である場合、前記制御部は、前記温風器を作動させるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記複数の補助スイッチの作動を制御する、請求項3に記載のバッテリー装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の比較部において比較した結果において前記測定された電圧値が前記設定電圧値よりも大きい場合、前記温風器を作動させるように、に基づいて、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記複数の補助スイッチの作動を制御し、
前記制御部は、前記第2の比較部において比較した結果において前記測定された電圧値が前記設定電圧値以下である場合、前記温風器を作動させないように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記複数の補助スイッチの作動を制御する、請求項4に記載のバッテリー装置。
【請求項6】
外部発電機と接続される発電電力ラインに接続される複数のバッテリーを設ける過程と、
前記複数のバッテリーが位置する空間の温度を測定する過程と、
測定された温度に基づいて、前記複数のバッテリー間の充放電を制御して、バッテリーの温度を昇温させる過程と、
を含み、
前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、
前記バッテリーと、前記バッテリーが位置する空間に温風を供給するように配設される温風器とを接続する過程と、
前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給する過程と、
をさらに含み、
前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、
前記温風器への電流を供給を中断させる過程と、
複数のバッテリーのうち放電済みのバッテリーに他のバッテリーの電流を供給する過程と、
複数のバッテリーのうち充電されるバッテリーと、放電されるバッテリーとを発熱させる過程と、
を含む、バッテリーにおける温度の調節方法。
【請求項7】
外部発電機と接続される発電電力ラインに接続される複数のバッテリーを設ける過程と、
前記複数のバッテリーが位置する空間の温度を測定する過程と、
測定された温度に基づいて、前記複数のバッテリー間の充放電を制御して、バッテリーの温度を昇温させる過程と、
を含み、
前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、
前記バッテリーと、前記バッテリーが位置する空間に温風を供給するように配設される温風器とを接続する過程と、
前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給する過程と、
をさらに含み、
前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、
前記バッテリーの電圧を測定する過程と、
測定される電圧値を予め設定された電圧値と比較する過程と、
測定される電圧値が予め設定された電圧値よりも小さい場合、前記バッテリーと前記温風器との接続を遮断する過程と、
をさらに含む、バッテリーにおける温度の調節方法。
【請求項8】
前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、
前記複数のバッテリーと前記発電電力ラインとの接続を遮断する過程と、
前記複数のバッテリー間の充放電経路を形成して、バッテリーを発熱させる過程と、
を含む請求項
6又は7に記載のバッテリーにおける温度の調節方法。
【請求項9】
前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給する過程は、
複数のバッテリーのうちの少なくとも一部を放電して前記温風器に電流を供給する過程と、
放電されるバッテリーを発熱させる過程と、
を含む請求項6又は7に記載のバッテリーにおける温度の調節方法。
【請求項10】
測定される
前記バッテリーの電圧値を予め設定された電圧値と比較した後、
測定される
前記バッテリーの前記電圧値が予め設定された電圧値よりも小さい場合、前記バッテリーと前記発電電力ラインとを接続して、前記バッテリーを充電する過程をさらに含む請求項7に記載のバッテリーにおける温度の調節方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー装置及びバッテリーにおける温度の調節方法に関し、さらに詳しくは、バッテリーの温度の低下を防止することのできるバッテリー装置及びバッテリーにおける温度の調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯電子製品への需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用の蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化することに伴い、充放電が繰り返し行える高性能のバッテリー装置への取り組みが盛んに行われている。なお、最近、炭素エネルギーが次第に枯渇され、環境への関心が高まることに伴い、蓄えられた電力が効率よく活用可能なバッテリー装置に関心が集中しており、それに関する研究が盛んに行われている。
【0003】
バッテリー装置に配備されるバッテリーとして、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、及びリチウムイオン電池などが使用可能である。中でも、リチウムイオン電池は、充放電が自由にでき、自己放電率が非常に低い他、エネルギー密度が高いというメリットがあることから、脚光を浴びている。
【0004】
しかしながら、リチウムイオン電池は、充電または放電の過程が電気化学的な反応によって行われるため、周りの温度環境の条件に多大な影響を受ける。リチウムイオン電池が高温の環境に長時間に亘って晒される場合、充放電効率が低くなり、且つ、寿命が短縮される虞がある。なお、リチウムイオン電池の温度が昇温され過ぎる場合、発熱による電解質の分解、熱暴走現象などが生じる虞がある。この理由から、エアコンなどの冷却機を起動してリチウムイオン電池が高温の環境に晒されることを防止していた。
【0005】
逆に、リチウムイオン電池が低温の環境に晒される場合、放出される電流の量が減量されて、リチウムイオン電池の能力が低下するという問題が生じる虞がある。しかしながら、リチウムイオン電池の温度を降温させる技術に比べて、リチウムイオン電池の温度を昇温させる技術への取り組みが十分に行われていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2016-0125829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、バッテリーの温度が容易に昇温可能なバッテリー装置及びバッテリーにおける温度の調節方法を提供する。
【0008】
本発明は、バッテリーの温度を調節するのに用いられるエネルギーの効率が向上可能なバッテリー装置及びバッテリーにおける温度の調節方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るバッテリー装置は、外部発電機と接続される発電電力ラインに接続される複数のバッテリーと、前記バッテリーが位置する空間の温度に基づいて、バッテリー間の充放電を制御して、バッテリーの温度が昇温可能な制御器と、を備えてなり、前記複数のバッテリーは、並列に接続され、前記並列に接続された複数のバッテリーの最終端子が前記発電電力ラインに接続される。
【0010】
また、前記バッテリー装置は、前記バッテリーと接続され、前記バッテリーが位置する空間に温風を供給するように配設される温風器をさらに備え、前記制御器は、前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給するように前記バッテリーの放電が制御可能である。
【0011】
さらに、前記バッテリー装置は、前記発電電力ラインと前記バッテリーとの間に配設される第1のスイッチと、前記温風器と前記バッテリーとの間に配設される第2のスイッチと、をさらに備える。
【0012】
さらにまた、前記バッテリー装置は、前記複数のバッテリー間の電流の流れを制御するように、前記複数のバッテリーの間に配設される複数の補助スイッチをさらに備える。
【0013】
さらにまた、前記制御器は、前記バッテリーが位置する空間の温度が測定可能な感温部と、前記感温部において測定された温度値と、予め設定された設定温度値とが比較可能な第1の比較部と、前記第1の比較部において比較した結果に基づいて、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記複数の補助スイッチの作動を制御する制御部と、を備える。
【0014】
さらにまた、前記制御器は、前記バッテリーの電圧が測定可能な電圧測定部と、前記電圧測定部において測定された電圧値と、予め設定された設定電圧値とが比較可能な第2の比較部と、をさらに備え、前記制御部は、前記第2の比較部において比較した結果に基づいて、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、及び前記複数の補助スイッチの作動を制御する。
【0015】
また、本発明に係るバッテリーにおける温度の調節方法は、発電機と接続される発電電力ラインに接続される複数のバッテリーを設ける過程と、前記複数のバッテリーが位置する空間の温度を測定する過程と、測定された温度に基づいて、前記複数のバッテリー間の充放電を制御して、バッテリーの温度を昇温させる過程と、を含む。
【0016】
さらに、前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、前記複数のバッテリーと前記発電電力ラインとの接続を遮断する過程と、前記複数のバッテリー間の充放電経路を形成して、バッテリーを発熱させる過程と、を含む。
【0017】
さらにまた、前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、前記バッテリーと、前記バッテリーが位置する空間に温風を供給するように配設される温風器とを接続する過程と、前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給する過程と、をさらに含む。
【0018】
さらにまた、前記バッテリーから放電される電流のうちの少なくとも一部を前記温風器に供給する過程は、複数のバッテリーのうちの少なくとも一部を放電して前記温風器に電流を供給する過程と、放電されるバッテリーを発熱させる過程と、を含む。
【0019】
さらにまた、前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、前記温風器への電流の供給を中断させる過程と、複数のバッテリーのうち放電済みのバッテリーに他のバッテリーの電流を供給する過程と、複数のバッテリーのうち充電されるバッテリーと、放電されるバッテリーとを発熱させる過程と、を含む。
【0020】
さらにまた、前記複数のバッテリー間の充放電を制御する過程は、前記バッテリーの電圧を測定する過程と、測定される電圧値を予め設定された電圧値と比較する過程と、測定される電圧値が予め設定された電圧値よりも小さい場合、前記バッテリーと前記温風器との接続を遮断する過程と、をさらに含む。
【0021】
さらにまた、前記バッテリーにおける温度の調節方法は、測定される電圧値を予め設定された電圧値と比較した後、測定される電圧値が予め設定された電圧値よりも小さい場合、前記バッテリーと前記発電電力ラインとを接続して、前記バッテリーを充電する過程をさらに含む。
【0022】
さらにまた、前記複数のバッテリーが位置する空間の温度を測定する過程は、測定された温度値と予め設定された設定温度値とを比較する過程を含み、前記測定された温度に基づいて、バッテリーの温度を昇温させる過程は、測定された温度値が前記設定温度値以下である場合、前記バッテリーの温度を昇温させる過程を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態によれば、バッテリーが低温の環境に晒される場合、バッテリーの温度を容易に昇温させることができる。このため、低い温度によりバッテリーの出力が低下するという問題を防止することができる。
【0024】
また、バッテリーの温度を昇温させるのに用いられるエネルギーを効率よく用いることができる。このため、エネルギーが無駄使いになるということを防止することができ、少ないエネルギーでバッテリーの温度を昇温させることができる。したがって、エネルギーの使用効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係るバッテリー装置の構造を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るバッテリーにおける温度の調節方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態に係るバッテリーにおいて、温風器に電流を供給する構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るある一つのバッテリーから他のバッテリーへと電流を供給する構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る他のバッテリーからさらに他のバッテリーへと電流を供給する構造を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るバッテリーを充電する構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るバッテリー装置の構造を示す図である。
【0028】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るバッテリー装置100は、発電電力ライン51と接続されるバッテリー110、及び制御器120を備える。また、バッテリー装置100は、温風器130、第1のスイッチ140、第2のスイッチ150、第3のスイッチ(図示せず)、及び複数の補助スイッチをさらに備えていてもよい。
【0029】
発電器50は、バッテリー110に電力を供給するか、あるいは、バッテリー110から供給された電力を入力される。このため、バッテリー110内の電圧が十分ではない場合、発電電力ライン51からバッテリー110へと電力を供給して、バッテリー110が充電可能である。バッテリー110内の電圧が十分である場合、バッテリー110が発電電力ライン51へと電力を伝えることができる。このとき、発電器50の代わりに、変電所、送電線が配備されてもよい。
【0030】
発電電力ライン51は、発電器50とバッテリー110とを電気的に接続する役割を果たす。このため、発電器50の電力が発電電力ライン51を介してバッテリー110に伝われ得る。
【0031】
バッテリー110は、発電電力ライン51と電気的に接続される。バッテリー110は、発電電力ライン51から供給される電力を蓄えてもよい。例えば、バッテリー110は、リチウムイオン電池であってもよい。
【0032】
また、バッテリー110は、複数配備されてもよい。複数のバッテリー110は、並列に接続されて互いに電気的に接続されてもよい。このため、一つのバッテリー110に蓄積された電流が他のバッテリー110に流れることができる。したがって、バッテリー110の間に電流が流れながら、バッテリー110が充放電可能である。このとき、並列に接続されたバッテリー110の最終端子が発電電力ライン51と接続される。
【0033】
第1のスイッチ140は、発電電力ライン51にまたはバッテリー110と発電器50との間に配設される。このため、第1のスイッチ140は、発電器50とバッテリー110との間の電気的な接続を遮断したり、電気的に接続したりできる。すなわち、第1のスイッチ140は、発電電力ライン51とバッテリー110との接続をオン/オフにすることができる。したがって、第1のスイッチ140の作動を制御して、発電電力ライン51からバッテリー110へと電力を供給したり、バッテリー110から発電電力ライン51へと電力を伝えたりすることが中断可能である。
【0034】
補助スイッチ160は、複数のバッテリー110間の電流の流れを制御する役割を果たす。補助スイッチ160は、複数配備されて、複数のバッテリー110の間に配設されてもよい。補助スイッチ160は、バッテリー110が配備される数に見合う分だけ配備されてもよい。このため、補助スイッチ160の作動を制御して、並列に接続されたバッテリー110の間に電流を流すことができる。
【0035】
さらに、複数の補助スイッチ160は、第1のスイッチ140に接続されるラインと接続されてもよい。このため、複数の補助スイッチ160の作動を制御して、所望のバッテリー110にのみ発電電力ライン51の電力を供給したり、所望のバッテリー110においてのみ発電電力ライン51へと電力を伝えたりすることができる。
【0036】
温風器130は、バッテリー110が位置する空間に温風を供給する役割を果たす。温風器130は、バッテリー110と電気的に接続される。このとき、並列に接続されたバッテリー110の最終端子が温風器130と接続されてもよい。すなわち、並列に接続されたバッテリー110の最終端子が発電電力ライン51及び温風器130と並列に接続されてもよい。したがって、バッテリー110から供給される電力により温風器130が作動して熱風を生じさせることができ、バッテリー110の温度を昇温させることができる。
【0037】
さらにまた、温風器130は、発熱体及びファンを備えていてもよい。発熱体は、熱を生じさせる役割を果たし、ファンは、発熱体の後方に配設されて前方のバッテリー110に向かって空気を押し出してもよい。このため、発熱体から熱を生じさせる状態で、ファンを作動させれば、穏やかな風がバッテリー110の保存空間に強制的に送られる。
【0038】
第2のスイッチ150は、温風器130とバッテリー110との間に配設される。このため、第2のスイッチ150は、温風器130とバッテリー110との間の電気的な接続を遮断したり、電気的に接続したりできる。すなわち、第2のスイッチ150は、温風器130とバッテリー110との接続をオン/オフにすることができる。したがって、第2のスイッチ150の作動を制御して、バッテリー110から温風器130へと電力を伝えたり伝えなかったりしながら、温風器130を作動させたり作動させなかったりできる。
【0039】
このとき、バッテリー110及び発電電力ライン51は、電力を消費する装置(図示せず)と電気的に接続されてもよい。したがって、バッテリー110に蓄えられた電力や発電電力ライン51が供給する電力が電力を消費する装置へと供給可能であり、電力を消費する装置が供給される電力により作動可能である。
【0040】
第3のスイッチは、電力を消費する装置とバッテリー110との間に配設される。また、第3のスイッチは、電力を消費する装置と発電電力ライン51との間に配設される。このため、第3のスイッチは、電力を消耗する装置とバッテリー110とを電気的に接続しており、電力を消耗する装置と発電電力ライン51とを電気的に接続したり、これらの接続を遮断したりできる。したがって、第3のスイッチの作動を制御して、電力を消耗する装置へと電力を供給したり、該装置への電力の供給を中断させたりできる。
【0041】
制御器120は、バッテリー110が位置する空間の温度に基づいて、バッテリー110間の充電及び放電を制御してもよい。このため、バッテリー110間の充電及び放電により生じる熱を用いて、バッテリー110の温度を昇温させることができる。
【0042】
また、制御器120は、バッテリー110から放電される電流のうちの少なくとも一部を温風器130に供給するように、バッテリー110の放電を制御してもよい。このため、制御器120は、バッテリー110を放電させて熱を生じさせながら、温風器130を作動させてバッテリー110が位置する空間に温風を供給することができる。したがって、バッテリー110が発熱するだけではなく、バッテリー110が保存される空間も加熱されて、バッテリー110の温度が速やかに昇温可能である。
【0043】
制御器120は、感温部121、第1の比較部122、及び制御部123を備える。なお、制御器120は、電圧測定部124、及び第2の比較部125をさらに備えていてもよい。
【0044】
感温部121は、バッテリー110が位置する空間の温度を測定してもよい。例えば、感温部121は、測温センサーであってもよく、バッテリー110が位置する空間に配設されてもよい。このため、感温部121を用いて、バッテリー110が位置する空間の温度をモニターリングすることができる。
【0045】
第1の比較部122は、感温部121と接続される。第1の比較部122は、感温部121において測定された温度値と、予め設定された設定温度値とを比較してもよい。設定温度値としては、-20℃~0℃の値のうちのいずれか一つが選ばれてもよい。このため、測定される温度値が設定温度値よりも大きければ、バッテリー110が位置する空間の温度が常温であるため、バッテリー110が正常に作動可能であると判断することができる。したがって、バッテリー110の温度を昇温させる必要がないと判断することができる。
【0046】
これに対し、測定される温度値が設定温度値以下であれば、バッテリー110が位置する空間の温度が低温であるため、バッテリー110の出力が低下する虞があると判断してもよい。したがって、バッテリー110またはバッテリー110が位置する空間の温度を昇温させる作業を行わなければならないと判断することができる。
【0047】
制御部123は、第1の比較部122と接続される。このため、制御部123は、第1の比較部122において比較した結果に基づいて、バッテリー110間の充電及び放電並びに温風器130への電流の供給を制御することができる。すなわち、制御部123は、第1のスイッチ140、第2のスイッチ150、第3のスイッチ、及び複数の補助スイッチ160の作動を制御することができる。
【0048】
例えば、バッテリー110が位置する空間の温度が低温であると判断される場合、制御部123は、第1のスイッチ140及び第3のスイッチを切ってもよい。すなわち、バッテリー110と発電電力ライン51との電気的な接続を遮断し、バッテリー110と電力を消耗する装置との電気的な接続を遮断してもよい。第2のスイッチ150を入れて、バッテリー110と温風器130とを電気的に接続してもよい。
【0049】
次いで、制御部123は、複数の補助スイッチ160のうちの少なくとも一部は入れ、他の一部は切ってもよい。その状態で、制御部123が第2のスイッチ150を入れると、複数のバッテリー110のうち、補助スイッチ160の入れられたバッテリー110から温風器130へと電流を放電させてもよい。このため、放電されるバッテリー110が発熱することができ、温風器130が作動してバッテリー110が保存された空間に温風を供給することができる。したがって、バッテリー110が保存された空間の温度が速やかに昇温可能である。
【0050】
次いで、補助スイッチ160の入れられたバッテリー110が完全に放電されれば、制御部123は、第2のスイッチ150を切ってもよい。すなわち、バッテリー110と温風器130との電気的な接続を遮断してもよい。このため、温風器130の作動が中断可能である。
【0051】
次いで、制御部123は、補助スイッチ160の作動を制御して、放電済みのバッテリー110と未放電のバッテリー110とを電気的に接続してもよい。このため、未放電のバッテリー110から放電済みのバッテリー110へと電流が供給可能である。未放電のバッテリー110は放電され、放電済みのバッテリー110は充電されながら、バッテリー110が発熱することができる。したがって、バッテリー110が常温の状態を保つことができる。
【0052】
バッテリー110が保存された空間の温度が常温まで昇温すれば、バッテリー110を充放電する作業を中断させてもよい。次いで、制御部123は、第1のスイッチ140や第3のスイッチを入れてもよい。すなわち、バッテリー110と発電電力ライン51とを電気的に接続したり、バッテリー110と電力を消耗する装置とを電気的に接続したりしてもよい。
【0053】
電圧測定部124は、バッテリー110の電圧を測定してもよい。例えば、電圧測定部124は、バッテリー110の電圧が検出可能な検出器であってもよい。電圧測定部124は一つ配備されて複数のバッテリー110の全体の電圧を測定してもよい。あるいは、電圧測定部124は複数配備されて各バッテリー110の電圧を測定し、測定された値の平均を算出して複数のバッテリー110の全体の電圧を測定してもよい。このため、電圧測定部124を用いて、バッテリー110の全体の電圧状態をモニタリングすることができる。
【0054】
第2の比較部125は、電圧測定部124と接続される。第2の比較部125は、電圧測定部124において測定された電圧値と、予め設定された設定電圧値とを比較してもよい。設定値としては、緩衝されたバッテリー110の電圧100%に対して、40~60%の大きさの値のうちのいずれか一つが選ばれてもよい。このため、測定される電圧値が設定電圧値よりも大きければ、バッテリー110が完全に放電されるリスクがないと判断することができる。したがって、バッテリー110の温度を昇温させる作業を中断させる必要がないと判断することができる。
【0055】
これに対し、測定される電圧値が設定電圧値以下であれば、バッテリー110が完全に放電されるリスクがあると判断してもよい。したがって、バッテリー110の温度を昇温させる作業を中断させて、バッテリー110が放電されることを防止しなければならないと判断することができる。
【0056】
このとき、制御部123は、第2の比較部125とも接続される。このため、制御部123は、第2の比較部125において比較した結果に基づいて、バッテリー110間の充放電及び温風器130への電流の供給を制御することができる。すなわち、制御部123は、第1のスイッチ140、第2のスイッチ150、第3のスイッチ、及び複数の補助スイッチ160の作動を制御することができる。
【0057】
例えば、バッテリー110の全体が放電されるリスクがあると判断される場合、制御部123は、第2のスイッチ150及び第3のスイッチを切ってもよい。すなわち、バッテリー110と電力を消耗する装置との電気的な接続を遮断し、バッテリー110と温風器130との電気的な接続を遮断してもよい。
【0058】
次いで、制御部123は、補助スイッチ160をすべて入れた状態で、第1のスイッチ140を入れてもよい。すなわち、バッテリー110を電気的にすべて接続した状態で、バッテリー110と発電電力ライン51とを電気的に接続してもよい。このため、発電電力ライン51がバッテリー110に電力を供給して、バッテリー110が充電可能である。
【0059】
一方、バッテリー110が位置する空間の温度が低温であると判断されるとともに、バッテリー110の全体が放電されるリスクがあると判断される場合、制御部123は、第1のスイッチ140、第2のスイッチ150、及び補助スイッチ160をすべて入れた状態で第3のスイッチのみを切ってもよい。このため、発電電力ライン51から供給する電力がバッテリー110を充電しながら、温風器130を作動させて、バッテリー110が位置する空間に温風を供給することができる。
【0060】
このように、バッテリー110が低温の環境に晒される場合、自動的にバッテリー110の温度を容易に昇温させることができる。このため、低い温度によりバッテリー110の出力が低下するという問題を防止することができる。また、バッテリー110の温度を昇温させるのに用いられるエネルギーを効率よく用いることができる。このため、エネルギーが無駄使いになるということを防止することができ、少ないエネルギーでバッテリーの温度を昇温させることができる。したがって、エネルギーの使用効率が向上する。
【0061】
図2は、本発明の実施形態に係るバッテリーにおける温度の調節方法を示すフローチャートであり、
図3は、本発明の実施形態に係るバッテリーにおいて、温風器に電流を供給する構造を示す図であり、
図4は、本発明の実施形態に係るある一つのバッテリーから他のバッテリーへと電流を供給する構造を示す図であり、
図5は、本発明の実施形態に係る他のバッテリーからさらに他のバッテリーへと電流を供給する構造を示す図であり、
図6は、本発明の実施形態に係るバッテリーを充電する構造を示す図である。以下、本発明の実施形態に係るバッテリーにおける温度の調節方法について説明する。
【0062】
図2を参照すると、本発明の実施形態に係るバッテリーにおける温度の調節方法は、発電機と接続される発電電力ラインに接続される複数のバッテリーを設ける過程(S110)と、複数のバッテリーが位置する空間の温度を測定する過程(S120)、及び測定された温度に基づいて、複数のバッテリー間の充電及び放電を制御して、バッテリーの温度を昇温させる過程(S130)を含む。
【0063】
このとき、バッテリーの温度の調節は、休止期間(Rest)に行われてもよい。すなわち、バッテリーが充電及び放電をしないことからバッテリーの発熱がないので、休止期間にバッテリーが容易に低温状態になる。したがって、休止期間にバッテリーが位置する空間の温度に基づいて、バッテリーの温度を昇温させる作業を行うことができる。
【0064】
また、本発明の実施形態においては、バッテリーが第1のバッテリー、第2のバッテリー、及び第3のバッテリーを備え、補助スイッチが第1の補助スイッチ、第2の補助スイッチ、及び第3の補助スイッチを備える場合を例にとって説明する。しかし、バッテリー及び補助スイッチが配備される個数はこれに何ら限定されることなく、種々に変更可能である。
【0065】
感温部を用いて、バッテリーが位置する空間の温度をリアルタイムにてモニタリングしてもよい。感温部において測定される温度値と、予め設定された設定温度値とを比較してもよい。設定温度値としては、-20℃~0℃の値のうちのいずれか一つが選ばれてもよい。このため、測定される温度値が設定温度値よりも大きければ、バッテリーが位置する空間の温度が常温であるため、バッテリーが正常に作動可能であると判断することができる。したがって、バッテリーの温度を昇温させる必要がないと判断することができる。
【0066】
これに対し、測定される温度値が設定温度値以下であれば、バッテリーが位置する空間の温度が低温であるため、バッテリーの出力が低下する虞があると判断してもよい。したがって、バッテリーまたはバッテリーが位置する空間の温度を昇温させる作業を行わなければならないと判断することができる。
【0067】
バッテリーが位置する空間の温度が低温であると判断される場合、
図3に示すように、第1のスイッチ140及び第3のスイッチを切ってもよい。すなわち、バッテリー110と発電電力ライン51との電気的な接続を遮断し、バッテリー110と電力を消耗する装置との電気的な接続を遮断してもよい。第2のスイッチ150は入れて、バッテリー110と、バッテリー110が位置する空間に温風を供給するように配設される温風器130とを電気的に接続してもよい。
【0068】
このとき、第1の補助スイッチ161を切り、第2の補助スイッチ162と第3の補助スイッチ163は入れてもよい。したがって、第2のバッテリー112及び第3のバッテリー113のみが温風器130と電気的に接続され、第1のバッテリー111と温風器130とは電気的に接続されない。このため、第2のバッテリー112と第3のバッテリー113から放電される電流が温風器130へと供給されて、温風器130を作動させることができる。
【0069】
第2のバッテリー112及び第3のバッテリー113は放電されながら発熱してもよく、温風器130が作動してバッテリー110が保存された空間に温風を供給してもよい。したがって、バッテリー110が保存された空間が二重に加熱されて温度が速やかに昇温可能である。このため、第2のバッテリー112及び第3のバッテリー113の電力を効率よく用いて温度を昇温させることができる。
【0070】
次いで、第2のバッテリー112及び第3のバッテリー113が放電されれば、
図4に示すように、第2のスイッチ150を切ってもよい。すなわち、バッテリー110と温風器130との電気的な接続を遮断してもよい。このため、温風器130への電流の供給が中断されて温風器130の作動が中断可能である。
【0071】
次いで、バッテリー110の間に電流を流し込んでバッテリー110が充放電できるように、バッテリー110間の充放電経路を形成してもよい。すなわち、複数のバッテリー110のうち放電済みのバッテリー110に、未放電の他のバッテリー110の電流を流してもよい。このため、充電されるバッテリーと、放電されるバッテリー110とが発熱して、バッテリー110が位置する空間の温度が昇温可能になる。
【0072】
例えば、第1の補助スイッチ161及び第2の補助スイッチ162を入れた状態で、第3の補助スイッチ163を切ってもよい。このため、第1のバッテリー111と第2のバッテリー112とは電気的に接続され、第3のバッテリー113は、第1のバッテリー111及び第2のバッテリー112と電気的に接続されないことが可能になる。
【0073】
未放電の第1のバッテリー111の内部の電圧の方が、放電済みの第2のバッテリー112の内部の電圧よりも高いため、第1のバッテリー111から第2のバッテリー112へと電流が流れ込む。このため、第1のバッテリー111は放電され、第2のバッテリー112は充電されながら、第1のバッテリー111と第2のバッテリー112とが発熱することができる。第1のバッテリー111及び第2のバッテリー112の電圧が等しくなると、電流の供給が中断されてもよい。
【0074】
次いで、
図5に示すように、第1の補助スイッチ161を切った状態で、第3のスイッチを入れてもよい。このため、第2のバッテリー112と第3のバッテリー113とは電気的に接続され、第1のバッテリー111は、第2のバッテリー112及び第3のバッテリー113と電気的に接続されないことが可能になる。
【0075】
第1のバッテリー111により充電された第2のバッテリー112の内部の電圧の方が、放電済みの第3のバッテリー113の内部の電圧よりも高いため、第2のバッテリー112から第3のバッテリー113へと電流が流れ込む。このため、第2のバッテリー112は放電され、第3のバッテリー113は充電されながら、第2のバッテリー112と第3のバッテリー113とが発熱することができる。第2のバッテリー112及び第3のバッテリー113の電圧が等しくなると、電流の供給が中断されてもよい。
【0076】
第2のバッテリー112の電圧が第1のバッテリー111の電圧よりも低くなったため、第2のバッテリー112と第3のバッテリー113との電気的な接続を遮断し、第1のバッテリー111と第2のバッテリー112とを電気的に再び接続してもよい。このため、第1のバッテリー111から第2のバッテリー112へと電流が流れ込みながら、第1のバッテリー111は放電され、第2のバッテリー112は充電される。したがって、第1のバッテリー111と第2のバッテリー112とが発熱することができる。
【0077】
次いで、このような充電及び放電を繰り返し行って、バッテリー110を発熱させてもよい。したがって、温風器130により昇温された温度を、バッテリー110間の充放電により生じる熱を用いて保つことができる。このため、バッテリー110が位置する空間が常温に保たれ得る。バッテリー110が保存された空間の温度が所定の温度まで昇温するか、あるいは、所定の温度に保たれれば、バッテリー110を充放電する作業を中断させてもよい。
【0078】
一方、バッテリー110の温度を昇温させる作業を行うとき、電圧測定部においてバッテリー110の電圧を測定して、リアルタイムにてモニタリングしてもよい。電圧測定部において測定された電圧値と、予め設定された設定電圧値とを比較してもよい。設定値としては、緩衝されたバッテリー110の電圧100%に対して、40~60%の大きさの値のうちのいずれか一つが選ばれてもよい。このため、測定される電圧値が設定電圧値よりも大きければ、バッテリー110が完全に放電されるリスクがないと判断することができる。したがって、バッテリー110の温度を昇温させる作業を中断させる必要がないと判断することができる。
【0079】
これに対し、測定される電圧値が設定電圧値以下であれば、バッテリー110が完全に放電されるリスクがあると判断してもよい。したがって、バッテリー110の温度を昇温させる作業を中断させて、バッテリー110が放電されることを防止しなければならないと判断することができる。
【0080】
温風器130を作動させるとき、測定される電圧値が設定電圧値以下であれば、第2のスイッチ150を切ってもよい。すなわち、バッテリー110と温風器130との電気的な接続を遮断してもよい。このため、バッテリー110から温風器130へと電流が放電されないことが可能になり、バッテリー110の電圧が低くなることを防止することができる。
【0081】
次いで、補助スイッチ160をすべて入れた状態で、第1のスイッチ140を入れてもよい。すなわち、バッテリー110と発電電力ライン51とを電気的に接続してもよい。このため、
図6に示すように、発電電力ライン51からバッテリー110へと電力を供給して、バッテリー110がすべて放電されないうちに充電可能になる。このとき、第3のスイッチは切られた状態にある。
【0082】
また、バッテリー110が位置する空間の温度が低温であるとも判断されるとともに、バッテリー110の全体が放電されるリスクがあると判断される場合、第1のスイッチ140、第2のスイッチ150、及び補助スイッチ160をすべて入れた状態で第3のスイッチのみを切ってもよい。このため、発電電力ライン51から供給する電力がバッテリー110を充電しながら、温風器130を作動させてバッテリー110が位置する空間に温風を供給することができる。したがって、バッテリー110の充電と、バッテリー110が位置する空間の温度を昇温させる作業とが同時に行われることが可能になる。
【0083】
このように、バッテリー110が低温の環境に晒される場合、自動的にバッテリー110の温度を容易に昇温させることができる。このため、低い温度によりバッテリー110の出力が低下するという問題を防止することができる。なお、バッテリー110の温度を昇温させるのに用いられるエネルギーを効率よく使用可能である。このため、エネルギーが無駄使いになるということを防止することができ、少ないエネルギーでバッテリーの温度を昇温させることができる。したがって、エネルギーの使用効率が向上する。
【0084】
以上、本発明の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形が行え、且つ、均等な他の実施形態が採用可能であるということが理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、次の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0085】
50 発電器
51 発電電力ライン
100 バッテリー装置
110 バッテリー
111 第1のバッテリー
112 第2のバッテリー
113 第3のバッテリー
120 制御器
121 感温部
122 第1の比較部
123 制御部
124 電圧測定部
125 第2の比較部
130 温風器
140 第1のスイッチ
150 第2のスイッチ
160 補助スイッチ
161 第1の補助スイッチ
162 第2の補助スイッチ
163 第3の補助スイッチ