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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】スマート・トイレ及び電気器具システム
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20220620BHJP
   G01N 33/493 20060101ALI20220620BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20220620BHJP
   A61B 5/117 20160101ALI20220620BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
G01N33/493 B
G01N33/493 A
G01N33/497 Z
A61B5/117 200
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020554346
(86)(22)【出願日】2018-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2018111476
(87)【国際公開番号】W WO2019144658
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】201810082073.8
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519394207
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ(ウーハン)カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516089359
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ,インコーポレーテッド オブ ジュハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ドーチャオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チョン
(72)【発明者】
【氏名】ヘー,シエンジュン
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-005631(JP,A)
【文献】特開2000-148985(JP,A)
【文献】特開2001-137199(JP,A)
【文献】特開平05-192269(JP,A)
【文献】特開2017-174012(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105256871(CN,A)
【文献】特開2016-001838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00
G01N 33/493
G01N 33/497
A61B 5/117
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート・トイレを使用している人体の声紋情報、人体の匂い情報、顔の画像情報、前記人体の体重、前記スマート・トイレに対する人体の位置及び前記スマート・トイレの使用時間を含む、使用中の前記スマート・トイレの特徴情報を収集するための情報収集装置と、
人工ニューラル・ネットワーク・アルゴリズムを用いて前記特徴情報に基づいて前記スマート・トイレを使用している人体に対して身元識別を行う身元識別モジュールを含む制御装置と、
前記スマート・トイレに対する人体の位置を検出するための位置検出モジュールと、
前記スマート・トイレの使用時間を検出するための計時モジュールと、を含み、
前記特徴情報をサンプル・データとして、ニューラル・ネットワークを学習させてトレーニングし、前記ニューラル・ネットワークのネットワーク構造及びネットワーク・ノード間の重みを調整することにより、前記ニューラル・ネットワークに前記スマート・トイレを使用している人体の身元と前記特徴情報との間の関係をフィッティングさせることを特徴とするスマート・トイレ。
【請求項2】
人体から前記スマート・トイレに排出された代謝物をサンプリングするための代謝物サンプリング装置をさらに含み、
前記制御装置は、前記代謝物サンプリング装置によってサンプリングされた代謝物の成分を分析するための代謝物分析モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のスマート・トイレ。
【請求項3】
前記代謝物分析モジュールは、尿中のペーハー、尿比重、ウロビリノーゲン、潜血、白血球の含有量、尿タンパク質の含有量、ビリルビンの含有量、ケトン体の含有量、尿赤血球の含有量及び/又は尿の色を分析するために用いられ、及び/又は、
前記代謝物分析モジュールは、糞便中の赤血球数、白血球の含有量、膿球の含有量及び/又は寄生虫卵の種類及び含有量を分析することを特徴とする請求項2に記載のスマート・トイレ。
【請求項4】
記憶装置をさらに含み、前記制御装置は、前記代謝物分析モジュールの成分分析結果を前記身元識別モジュールが識別した身元に対応して前記記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項2に記載のスマート・トイレ。
【請求項5】
通信モジュールをさらに含み、前記制御装置は、前記通信モジュールを介してサーバー及び/又は端末と通信可能に接続することができ、前記制御装置は前記通信モジュールを介して前記代謝物分析モジュールの成分分析結果と、対応する、前記身元識別モジュールが識別した身元情報とを前記サーバー及び/又は端末にアップロードすることを特徴とする請求項4に記載のスマート・トイレ。
【請求項6】
提示装置をさらに含み、前記記憶装置はまた、様々な身体特徴パラメータの範囲に対応する代謝物成分の標準範囲を記憶し、前記制御装置は、前記身元識別モジュールが識別した身元に基づいてその該当する身体特徴パラメータの範囲を取得し、前記代謝物分析モジュールの成分分析結果と、該当する身体特徴パラメータの範囲に対応する代謝物成分の標準範囲とを比較し、前記成分分析結果が前記標準範囲外である場合に、提示するように前記提示装置を制御することを特徴とする請求項4に記載のスマート・トイレ。
【請求項7】
身元情報を集録するための情報集録モジュールをさらに含み、前記身元識別モジュールは、前記特徴情報と、前記情報集録モジュールによって集録された身元情報に基づいて前記スマート・トイレを使用している人体に対して身元識別を行うことを特徴とする請求項1に記載のスマート・トイレ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のスマート・トイレを含み、ウェアラブル・デバイス、家庭用フィットネス機器及び/又は家庭用電気器具を含むスマート・デバイスをさらに含み、
前記スマート・トイレは、前記スマート・デバイスと通信可能に接続され、及び/又は、
前記スマート・トイレ及び前記スマート・デバイスは、いずれもサーバーと通信可能に接続されることを特徴とする電気器具システム。
【請求項9】
前記家庭用電気器具は、エアコン、調理器具、空気浄化器、加湿器及び/又は冷蔵庫を含むことを特徴とする請求項8に記載の電気器具システム。
【請求項10】
前記スマート・トイレは、人体から前記スマート・トイレに排出された代謝物をサンプリングするための代謝物サンプリング装置と、前記代謝物サンプリング装置によってサンプリングされた代謝物の成分を分析するための代謝物分析モジュールとをさらに含み、
前記スマート・トイレの制御装置又は前記サーバーは、前記代謝物分析モジュールの成分分析結果に基づいて前記スマート・デバイスに提示情報をプッシュすることを特徴とする請求項8に記載の電気器具システム。
【請求項11】
前記提示情報は、食事アドバイス、フィットネス計画及び/又は環境パラメータ推奨設定値を含むことを特徴とする請求項10に記載の電気器具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年1月29日に出願された、出願番号が201810082073.8であり、名称が「スマート・トイレ及び電気器具システム」である中国特許出願の優先権を主張し、ここでは、その内容を全て参照により本願に組み込むものとする。
【0002】
本願は、電気器具の分野に関し、特にスマート・トイレ及び電気器具システムに関する。
【背景技術】
【0003】
モノのインターネット技術の発展に伴い、スマート・ライフは、健康的でファッショナブルなトレンドになっている。トイレも、人々の日常生活で非常に重要で欠けてはならないものであり、従来のトイレは、単一の水を流す機能を備えるので、人々の健康的な生活を追い求める要求に応えることはできない。
【0004】
従来技術では指紋識別とキー識別によりユーザーの身元を識別するスマート・ヘルス・トイレ用スマート検出システム及び方法が提供されており、このような形態の場合、ユーザーがトイレを使用する前にまず指でキーを押して指紋を識別する必要があるため、使用しにくく、衛生的ではない。従来技術では身元識別機能を備えたトイレも提供されており、この提案では便座に担持された重量により現在のトイレユーザーの身元を識別し、明らかに、同じ体重の複数の人がこのトイレを同じく使用する場合に、この提供された解決手段は、ユーザーの本当の身元を正確に識別することができない。従来技術では音声制御機能を備えたスマート・トイレも提供されており、この提案では、「水を流して」、「音楽を流して」などのユーザーの音声でトイレの機能実行を制御することが提案されているが、ユーザーの身元を識別することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本願の1つの目的は、ユーザーの身元を便利かつ正確に識別可能なスマート・トイレ及びそれを有する電気器具システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願は、以下のような技術的解決手段を採用する。
【0007】
スマート・トイレは、
少なくとも前記スマート・トイレを使用している人体の声紋情報及び/又は匂い情報を含む、使用中の前記スマート・トイレの特徴情報を収集するための情報収集装置と、
前記特徴情報に基づいて前記スマート・トイレを使用している人体に対して身元識別を行うための身元識別モジュールを含む制御装置と、を含む。
【0008】
声紋情報、匂い情報などの人体に特有の特徴情報を収集して身元を識別するため、ユーザーが何ら操作を行う必要がなく、スマート・トイレを使用する場合に、スマート・トイレは、ユーザーの様々な特徴情報を統合してユーザーの身元を自動的に正確に識別することができ、使用の利便性を大幅に向上させる。
【0009】
好ましくは、前記特徴情報は、顔の画像情報、前記人体の体重、前記スマート・トイレに対する人体の位置及び/又は前記スマート・トイレの使用時間をさらに含む。
【0010】
好ましくは、前記身元識別モジュールは、人工ニューラル・ネットワーク・アルゴリズムを用いて前記特徴情報に基づいて前記スマート・トイレを使用している人体に対して身元識別を行う。
【0011】
好ましくは、前記スマート・トイレは、人体からスマート・トイレに排出された代謝物をサンプリングするための代謝物サンプリング装置をさらに含み、
前記制御装置は、前記代謝物サンプリング装置によってサンプリングされた代謝物の成分を分析するための代謝物分析モジュールをさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記代謝物分析モジュールは、尿中のペーハー、尿比重、ウロビリノーゲン、潜血、白血球の含有量、尿タンパク質の含有量、ビリルビンの含有量、ケトン体の含有量、尿赤血球の含有量及び/又は尿の色を分析するために用いられ、及び/又は、
前記代謝物分析モジュールは、糞便中の赤血球数、白血球の含有量、膿球の含有量及び/又は寄生虫卵の種類及び含有量を分析する。
【0013】
好ましくは、前記スマート・トイレは、記憶装置をさらに含み、前記制御装置は、前記代謝物分析モジュールの成分分析結果を前記身元識別モジュールが識別した身元に対応して前記記憶装置に記憶させる。
【0014】
好ましくは、前記スマート・トイレは、通信モジュールをさらに含み、前記制御装置は前記通信モジュールを介してサーバー及び/又は端末と通信可能に接続することができ、前記制御装置は前記通信モジュールを介して前記代謝物分析モジュールの成分分析結果と、対応する、前記身元識別モジュールが識別した身元情報とを前記サーバー及び/又は端末にアップロードする。
【0015】
好ましくは、前記スマート・トイレは、提示装置をさらに含み、前記記憶装置はまた、様々な身体特徴パラメータの範囲に対応する代謝物成分の標準範囲を記憶し、前記制御装置は、前記身元識別モジュールが識別した身元に基づいてその該当する身体特徴パラメータの範囲を取得し、前記代謝物分析モジュールの成分分析結果と、該当する身体特徴パラメータの範囲に対応する代謝物成分の標準範囲とを比較し、前記成分分析結果が前記標準範囲外である場合に、提示するように前記提示装置を制御する。
【0016】
好ましくは、前記スマート・トイレは、身元情報を集録するための情報集録モジュールをさらに含み、前記身元識別モジュールは、前記特徴情報と、前記情報集録モジュールによって集録された身元情報に基づいて前記スマート・トイレを使用している人体に対して身元識別を行う。
【0017】
別の態様では、本願は、以下のような技術的解決手段を採用する。
【0018】
電気器具システムは、前記スマート・トイレを含み、ウェアラブル・デバイス、家庭用フィットネス機器及び/又は家庭用電気器具を含むスマート・デバイスをさらに含み、
前記スマート・トイレは、前記スマート・デバイスと通信可能に接続され、及び/又は、
前記スマート・トイレ及び前記スマート・デバイスは、いずれもサーバーと通信可能に接続される。
【0019】
好ましくは、前記家庭用電気器具は、エアコン、調理器具、空気浄化器、加湿器及び/又は冷蔵庫を含む。
【0020】
好ましくは、前記スマート・トイレは、人体から前記スマート・トイレに排出された代謝物をサンプリングするための代謝物サンプリング装置と、前記代謝物サンプリング装置によってサンプリングされた代謝物の成分を分析するための代謝物分析モジュールとをさらに含み、
前記スマート・トイレの制御装置又は前記サーバーは、前記代謝物分析モジュールの成分分析結果に基づいて前記スマート・デバイスに提示情報をプッシュする。
【0021】
好ましくは、前記提示情報は、食事アドバイス、フィットネス計画及び/又は環境パラメータ推奨設定値を含む。
【0022】
本願に係るスマート・トイレは、情報収集装置によりユーザーの声紋情報、匂い情報などの特徴情報を収集することができ、このように、ユーザーが何ら操作を行うことなく、スマート・トイレの制御装置は、ユーザーの様々な特徴情報を統合してユーザーの身元を正確に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の図面を参照しながら本願の実施例を説明することにより、本願の上記及びその他の目的、特徴及び利点は明らかになる。
【0024】
図1】本願の具体的な実施形態に係るスマート・トイレのシステム概略図を示す。
図2】本願の具体的な実施形態に係るニューラル・ネットワーク・アルゴリズム構造図を示す。
図3】本願の具体的な実施形態に係る電気器具システムの概略構成図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、実施例に基づいて本願を説明するが、本願はこれらの実施例に限定されない。本願の本質を混乱させないように、既知の方法、プロセス、流れ及び構成部品については詳しく説明しない。
【0026】
さらに、当業者は、本明細書で提供される図面が例示を目的とするものであり、そして図面が必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解すべきである。
【0027】
文脈で別途の明確な説明がない限り、本明細書及び特許請求の範囲における「含む」、「包含する」などの用語は、排他的又は網羅的というよりむしろ包含の意味として解釈されるべきであり、すなわち、「含むがそれらに限定されない」という意味である。
【0028】
本願の説明では、用語「第1」、「第2」などの用語は、説明するためのものにすぎず、相対的な重要性を示す又は示唆するものとして理解することができないことを理解されたい。また、本願の説明では、特別な説明がない限り、用語「複数」は、2つ又は2つ以上を意味している。
【0029】
本願の概念を説明する際に用語「1つの」及び「前記」並びに同様の単語(特に添付された特許請求の範囲におけるもの)が使用されており、これらの用語は、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。また、本明細書で別途の説明がない限り、本明細書で数値範囲が記載される場合、簡単な方法で該当する範囲に属する各独立の値を指しており、各独立の値はこれらの値が本明細書で個別に記載されている場合と同様に本明細書に組み込まれる。さらに、本明細書で別途の説明又は文脈による明確な反対の示唆がない限り、本明細書に記載の全ての方法のステップは、任意の適切な順序で実行できる。本願の変更は、記載されているステップの順序に限定されない。別途に明記しない限り、本明細書で提供される任意又は全ての例又は例示的な言語(例えば、「例えば」)は、本願の概念をより明確に説明するために使用されるものにすぎず、本願の概念の範囲を限定するものではない。当業者であれば精神及び範囲から逸脱せず様々な修正及び適応が容易に理解できる。
【0030】
本願は、スマート・トイレを提供し、トイレに対するスマート化により、ユーザー体験を向上させる。スマート・トイレは、例えば和式トイレ又は洋式トイレ(すなわち腰掛式便器)であってもよい。
【0031】
図1に示すように、情報収集装置110及び制御装置120を含み、情報収集装置110は、例えばスマート・トイレ100を使用している人体の声紋情報、匂い情報などを含む、使用中のスマート・トイレ100の特徴情報を収集する。いわゆる声紋(Voiceprint)は、電気音響機器によって表示され、音声情報を運ぶ音波スペクトルである。人間の言語の生成は、人体の言語中枢部と発音器官との間の複雑な生理学的及び物理的なプロセスであり、人が話す時に用いる発音器官である舌、歯、喉、肺、鼻腔は、サイズ及び形状が大きく異なるため、任意の2人の声紋スペクトルは異なるものである。人々の音声の音響的特徴は、相対的な安定性がある一方、変動性もあり、絶対的に変わらないものではない。このような変動は、生理、病理、心理、シミュレーション、偽装に起因する可能性があるし、環境の干渉にも関連している。それにもかかわらず、各人の発音器官が異なるため、声紋識別装置により、異なる人の音声を区別したり、それが同じ人の音声であるか否かを判断したりすることができる。異なる人が独特な声紋や匂いがある(例えば、あるユーザーが喫煙が好きであると、体に煙の匂いがあるのが一般的である)ため、声紋情報、匂い情報を取得することでスマート・トイレ100を使用しているユーザーの身元を正確に識別することができる。例えば、制御装置120は、情報収集装置110が収集したスマート・トイレ100を使用している人体の特徴情報に基づいて身元を識別するための身元識別モジュール121を含む。
【0032】
ユーザーの身元を制御装置120に予め集録してもよく、例えば、スマート・トイレは、ユーザーが情報集録モジュール130により個人情報を集録する情報集録モジュール130を含み、身元識別モジュール121は、特徴と、情報集録モジュール130に集録された身元情報に基づいてスマート・トイレ100を使用している人体に対して身元識別を行うことができる。すなわち、ユーザーは、スマート・トイレが後でユーザーの代謝物を検出した後に検出結果をユーザーとマッチングするように、まず名前、年齢、性別、体重、身長などを含む個人情報をスマート・トイレ100に集録してもよい。当然のことながら、理解できるように、ユーザーの個人情報は、スマート・トイレ100によって自動に設立されてもよく、例えば、あるユーザーがスマート・トイレ100を使用するときに、スマート・トイレ100は、該ユーザーについて自動的にファイルを生成し、かつその後の検出結果を該ユーザーのファイルに記憶し、ユーザーが後で対応するファイルに名前を付けてもよく、スマート・トイレ100は、別のユーザーの使用を検出したときに、該ユーザーについて個別にファイルを生成する。
【0033】
声紋情報及び匂い情報をいずれも特定のセンサーによって検出することができ、制御装置120は、それぞれのセンサーに、有線又は無線で通信可能に接続することができる。1つの具体的な実施形態では、情報収集装置110は、声紋情報を収集するための声紋識別装置111を含み、声紋識別のプロセスは、以下を含む。
【0034】
A、特徴の抽出:話者の声紋について分離可能性が高く安定性が高いなどの特性を持つ音響的又は言語的特徴を抽出し選択する。音声識別と異なり、声紋識別用の特徴は、「個性的」な特徴でなければならず、また、話者を識別するための特徴は、話者にとって「共通特徴」でなければならない。現在、ほとんどの声紋識別システムが音響方面の特徴を使用しているが、人を特徴付ける特徴は、(1)人間の発音メカニズムの解剖学的構造に関連する音響的特徴(スペクトル、ケプストラム、フォルマント、基音、反射係数など)、鼻音、深呼吸音、嗄声、笑い声など、(2)社会の経済的状況、教育レベル及び出身地などに影響された語義、修辞、発音、言語習慣など、(3)個人の特徴又は両親の影響を受けた韻律、リズム、スピード、口調、音量など、の特徴を含み、多方面のものである必要がある。数学的な方法でモデリングできるという観点から、声紋自動識別モデルに現在使用可能な特徴は、(1)音響的特徴(ケプストラム)、(2)形態論特徴(話者に関連する単語n-gram、音素n-gram)、(3)韻律特徴(n-gramを用いて説明した基音及びエネルギー「ジェスチャー」)、(4)言語、方言及びアクセント情報、(5)チャネル情報(どのようなチャネルを使用するか)を含む。
【0035】
B、パターンのマッチング:
【0036】
該過程でモードを識別し、その方法は、以下を含む。
【0037】
(1)テンプレート・マッチング方法:動的時間伸縮法(DTW)によりトレーニング特徴シーケンスとテスティング特徴シーケンスとを整合させ、主に固定フレーズの応用(通常、テキスト関連タスクである)に使用される。
【0038】
(2)最近傍法:トレーニング時に全ての特徴ベクトルを保持し、識別時にそれぞれのベクトルに対してトレーニング・ベクトルのうち最も近いK個を見つけ、それによって識別する。
【0039】
(3)ニューラル・ネットワーク方法:多層知覚、動径基底関数(RBF)などの多くの形式があり、話者と背景話者とを区別するために明示的トレーニングを行うことができる。
【0040】
(4)隠れマルコフ・モデル(HMM)方法:通常、単一状態のHMM又はガウス混合モデル(GMM)を使用する。
【0041】
(5)VQクラスタリング方法(例えば、LBG):好ましくはHMM方法と組み合わせて使用する。
【0042】
(6)多項式分類器方法。
【0043】
情報収集装置は、ユーザーの匂いを収集するための匂いスキャナー112(すなわち、電子鼻)をさらに含む。電子鼻は、ガスセンサーアレイの応答パターンを使用して匂いを識別する電子システムであり、主に匂いサンプリングオペレーター、ガスセンサーアレイ及び信号処理システムという3つの機能デバイスで構成される。電子鼻が匂いを識別する主なメカニズムは、アレイ内のそれぞれのセンサーが検出対象ガスに対して異なる感度を持っており、例えば、第1番のガスがあるセンサーで高い応答を発生するが、他のセンサーで低い応答を発生することができ、同様に、第2番のガスが高い応答を生成するセンサーが第1番のガスに対して敏感ではなく、センサーアレイ全体が異なるガスに対する応答パターンが異なり、このような差異があるため、システムはセンサーの応答パターンにより匂いが識別できる。具体的には、ある匂いがある活性材料のセンサーの前に現れると、センサーは、化学的入力を電気信号に変換し、複数のセンサーによる1種の匂いに対する応答で、センサーアレイによる該匂いに対する応答スペクトルが構成される。明らかに、匂い中の様々な化学成分がいずれも感受性材料と作用するため、このような応答スペクトルは、該匂いの広範囲応答スペクトルとなる。匂いの定性的又は定量的分析を実現するために、センサーの信号を適切に前処理(ノイズ除去、特徴抽出、信号増幅など)した後に適切なパターン識別分析方法で処理する必要がある。理論的には、各匂いはその特徴的応答スペクトルを有するはずであり、その特徴的応答スペクトルに基づいて異なる匂いが区別できる。同時に、ガスセンサーをアレイに構成して複数のガスに対する交差感受性を測定し、適切な分析方法で混合ガス分析を実現してもよい。
【0044】
身元識別精度をさらに向上させるために、特徴情報は、顔の画像情報、人体の体重、スマート・トイレに対する人体の位置、スマート・トイレの使用時間などをさらに含んでもよい。例えば、情報収集装置は、顔識別モジュール113、体重計量モジュール114、位置検出モジュール115、計時モジュール116などをさらに含む。顔識別モジュール113によりスマート・トイレを使用しているユーザーの顔を識別し、顔識別モジュール113は、顔画像取得部、顔画像前処理部、顔画像特徴抽出部及び顔画像マッチング及び識別部を含み、顔画像収集部では、撮像レンズにより顔画像を収集し、静止画像、動的画像、異なる位置、異なる表情などを効果的に収集することができる。ユーザーが収集装置の撮影範囲内にいる場合に、収集装置は、自動的に検索してユーザーの顔画像を撮影する。顔画像前処理部では、顔の画像前処理は、顔の検出結果に基づき、画像を処理して最終的に特徴抽出に供するプロセスである。システムによって取得された原画像は、様々な条件の制限及びランダムな干渉を受けて、直接的に使用できないことが多く、画像処理の初期段階でグレースケール補正、ノイズフィルタリングなどの画像前処理を行う必要がある。顔画像の場合に、その前処理プロセスは、主に顔画像の光補正、グレースケール変換、ヒストグラム均等化、正規化、幾何学的補正、フィルタリング及び鮮明化などを含む。顔画像特徴抽出部では、その使用可能な特徴は、一般的には視覚的特徴、ピクセル統計特徴、顔画像変換係数特徴、顔画像代数特徴に分けられる。顔特徴の抽出は、顔の特定の特徴を対象として実行される。顔特徴の抽出は、顔特徴付けとも呼ばれ、顔の特徴についてモデリングするプロセスである。顔特徴の抽出方法は、2つの主な種類に要約でき、1種は、知識に基づく特徴付け方法であり、もう一種は、代数的特徴又は統計学習に基づく特徴付け方法である。知識に基づく特徴付け方法は、主に顔の器官の形状の記述及びそれらの間の距離の特性に基づいて顔の分類に役立つ特徴データを取得し、その特徴成分は、一般的には特徴点間のユークリッド距離、曲率及び角度などを含む。顔は、目、鼻、口、顎などの部分で構成され、これらの部分及びそれらの間の構造的関係の幾何学的記述は、顔を識別することに重要な特徴として使用でき、これらの特徴は、幾何学的特徴と呼ばれる。知識に基づく顔の特徴付けは、主に幾何学的特徴に基づく方法及びテンプレート・マッチング方法を含む。顔画像マッチング及び識別部では、抽出された顔画像の特徴データを検索してデータベースに記憶された特徴テンプレートとマッチングし、閾値を設定し、類似度がこの閾値を超えると、マッチングして得られた結果を出力する。顔識別とは、識別対象の顔の特徴と得られた顔の特徴テンプレートとを比較し、類似度に基づいて顔の身元情報を判断することである。このプロセスは、2種類に分けられ、1種は確認であり、1対1に画像を比較するプロセスであり、もう1種は見分けであり、1対多に画像をマッチングして比較するプロセスである。顔を識別する場合に、ユーザーが顔認識モジュールのカメラに位置合わせする必要があるため、顔画像の取得を容易にするために、好ましくは、顔識別モジュールのカメラをトイレの向こう側の、人の頭の高さに対応する位置に設置され、このようにして、ユーザーが意図的にカメラを探す必要がなく、ユーザーがスマート・トイレを通常使用している時にユーザーの顔を自動的に識別することができる。
【0045】
体重計量モジュール114により、スマート・トイレを使用しているユーザーの体重を計量し、体重計量モジュール114は、例えば、体重センサーであり、スマート・トイレが腰掛式便器である場合、体重センサーを便座の下に設置することが好ましく、スマート・トイレが和式トイレである場合、体重センサーをユーザーの踏む地面の下に設置することが好ましい。
【0046】
位置検出モジュール115によりスマート・トイレ100に対する人体の位置を検出する。一般的に各ユーザーがトイレを使用する独自の習慣を持っているため、異なるユーザーがスマート・トイレ100を使用するときのスマート・トイレ100に対する位置もわずかに変化する。身元識別モジュール121は、位置検出モジュール115によって検出されたユーザー位置に基づいてこれらの微妙な変化を分析して見つけ、それによりそれらをユーザーの身元を識別するための要因として使用することができる。当然のことながら、位置検出モジュール115を設置せず、スマート・トイレ100における様々な位置に複数の重量センサーを設置してもよく、ユーザーの位置が異なると、複数の重量センサーによって検出された重量も異なるため、複数の体重センサーの検出量に基づいてスマート・トイレ100に対するユーザーの位置を分析して取得してもよい。
【0047】
計時モジュールによりスマート・トイレ100の使用時間を検出する。各ユーザーがトイレを使用する独自の習慣を持っており、例えば、一部のユーザーがトイレを使用しながら携帯電話で遊んだり、便秘の問題を抱えていたりするため、そのトイレ使用時間は一般的に長くなる。身元識別モジュール121は、計時モジュール116によってカウントされたユーザーのトイレ使用時間を、ユーザーの身元を識別するための要因として使用してもよい。1つの具体的な実施形態では、体重計量モジュール114が、重量が大きく増加し、かつ所定の時間(例えば、10s)続いたことを検出した場合に、ユーザーがスマート・トイレの使用を開始したことを意味し、このときに、計時モジュール116は計時し始め、体重計量モジュール114が所定の時間(例えば、10s)内に体重を検出できなくなった(又はユーザーが水を流したことを検出した)場合に、ユーザーがトイレの使用を終えたことを意味し、計時モジュール116は計時を停止する。
【0048】
身元識別モジュール121は、人工ニューラル・ネットワーク・アルゴリズムを用いて特徴情報に基づいてスマート・トイレ100を使用している人体に対して身元識別を行うことが好ましい。具体的には、多くの異なる使用環境(ユーザーの声紋情報、ユーザーの匂い情報、ユーザーのトイレ使用時間、ユーザーの体重などの包括的な方法などを含むが、それらに限定されない)でのユーザー身元データをまとめて収集し、いくつかの身体特徴状態パラメータをサンプル・データとして選択して、ニューラル・ネットワークを学習させてトレーニングする。そして、ネットワーク構造及びネットワーク・ノード間の重みを調整することにより、ニューラル・ネットワークにユーザーの身元とその特徴情報との間の関係をフィッティングさせ、最終的にニューラル・ネットワークがユーザーの身元と特徴情報との間の対応関係が正確にフィッティングできるようにする。具体的な実施ステップは以下のとおりである。
【0049】
S001、データを収集する。
【0050】
様々な使用環境でのユーザー自身の特徴情報パラメータ及び対応する身元情報の確定状況を収集する。具体的な収集方法は、実験室のシミュレーション環境での特徴パラメータを収集する(すなわち、ユーザーが積極的にスマート・トイレに声紋情報、匂い、体重、顔の画像などの特徴情報を取得させる)、モノのインターネット技術により実際のユーザーが使用する時の特徴情報パラメータを収集する(すなわち、ユーザーが受動的にモノのインターネット内の各電気器具にその特徴情報パラメータを収集される)などの方法を含むが、それらに限定されない。
【0051】
S002、サンプル・データを選択する。
【0052】
データの分析と専門家の経験及び知識により、ユーザーの身元状態に影響を与えるパラメータを入力パラメータとして選択し、また、ユーザーの身元情報の確定状態を出力パラメータとする。入力パラメータは、ユーザーの声紋情報、ユーザーの匂い情報、ユーザーのトイレ使用時間及びユーザーの体重などの総合方式、トレッドミルから返信したヘルス・プラン、並びに家電製品から返信したレシピ情報などを含むが、それらに限定されない。入力パラメータは、単一のパラメータだけでなく、特定のルールに従って抽出された特徴で構成される入力パラメータの1次元又は多次元の配列も含む。
【0053】
得られた入力パラメータと出力パラメータのペアの一部をトレーニング・サンプル・データとして使用し、一部をテスティング・サンプル・データとして使用する。
【0054】
S003、ネットワーク構造を設計する。
【0055】
ユーザーの特徴情報とそこにあるルールに基づき、ネットワークの基本構造、ネットワークの入出力ノードの数、ネットワークの隠れ層の数、隠れノードの数及びネットワークの初期重み値などを暫定的に決定することができる。本願のニューラル・ネットワーク・アルゴリズムの概略図は、図2に示す通りである。
【0056】
S004、ネットワークをトレーニングしてテスティングする。
【0057】
ネットワークの設計が完了したら、トレーニング用サンプル・データを使用してネットワークをトレーニングする必要がある。
【0058】
トレーニング方法を、実際のネットワーク構造及びトレーニング中にあう問題に応じて調整してもよい。本明細書で、本願の1つの方法を例として以下のように説明する。
【0059】
入力データxを取り込み、活性化関数、初期化重み値及びオフセットに基づいてネットワークの実際出力a(x)を算出する。すなわち、a(x)=1/(1+e-z)であり、但し、Z=Wk*x+blである。
【0060】
ネットワークの所望出力y(x)と実際出力a(x)が出力精度の要件、すなわち
||y(x)-a(x)||<∈、(但し、∈は目標の最小誤差である)を満たすか否かを判断する。
【0061】
ネットワークのトレーニングが完了したら、テスト・サンプルを使用してネットワークのポジティブ・テストをする。テスト誤差が要件を満たさない場合に、上記ステップを繰り返してネットワークを改めてトレーニングする。テスト誤差が要件を満たす場合に、ネットワーク・トレーニング・テストが完了する。
【0062】
さらに、制御装置120により各センサーのオン/オフをさらに制御することができ、例えば、体重計量モジュール114が、重量が大きく増加し、かつ所定の時間(例えば、10s)続いたことを検出した場合に、ユーザーがスマート・トイレの使用を開始したことを意味し、制御装置120は、各センサーをオンにしてユーザー特徴パラメータを取得するように制御し、体重計量モジュール114が所定の時間(例えば、10s)内に体重が検出できなくなった(又はユーザーが水を流したことを検出する)場合に、ユーザーがトイレの使用を終えたことを意味し、制御装置は、各センサーをオフに制御する。
【0063】
さらに、人体は、毎日外界からの栄養分を吸収すると同時に、自ら代謝した老廃物を体外に排出する。新陳代謝は、循環的で動的なプロセスである。人体は、このような動的なバランスで体の正常な動作を維持する。体に病気が発生すると、この動的なバランスが崩れ、体から代謝された老廃物が異常になり、これに基づき、スマート・トイレは、代謝物サンプリング装置170及び代謝物分析モジュール180をさらに含む。代謝物サンプリング装置170は、人体からスマート・トイレ100に排出された代謝物をサンプリングするために用いられ、代謝物分析モジュール180は、代謝物サンプリング装置170によってサンプリングされた代謝物の成分を分析し、例えば、ユーザーの尿中のペーハー、尿比重、ウロビリノーゲン、潜血、白血球の含有量、尿タンパク質の含有量、ビリルビンの含有量、ケトン体の含有量、尿赤血球の含有量及び/又は尿の色を分析し、さらに、例えば、ユーザーの糞便中の赤血球数、白血球の含有量、膿球の含有量及び/又は寄生虫卵の種類及び含有量を分析する。このようにして、ユーザーは、病院で行列して受診を受付することなく自分の健康状態を容易に知ることができる。
【0064】
制御装置120は、代謝物分析モジュール180によって得られたユーザーの代謝物成分に基づいてユーザーの健康状態が判断でき、例えば、スマート・トイレ100は、提示装置140及び記憶装置150をさらに含む。年齢、性別、職業によって代謝物成分の標準範囲が異なるため、記憶装置150はまた、様々な身体特徴パラメータの範囲に対応する代謝物成分の標準範囲を記憶している。制御装置120は、身元識別モジュール121が識別した身元に基づいてその該当する身体特徴パラメータの範囲を取得し、代謝物分析モジュール180の成分分析結果と、該当する身体特徴パラメータの範囲に対応する代謝物成分の標準範囲とを比較し、前記成分分析結果が前記標準範囲外である場合、該ユーザーが健康上の問題を抱えている可能性があることを意味し、この場合、制御装置120は、対応する提示を行うように前記提示装置140を制御してもよい。例えば、提示装置140は、音声、文字表示などの方法で対応する提示を行ってもよく、例えば、スマート・トイレ100に表示装置を設置し、制御装置120が現在のユーザーが健康リスクを抱えていると判断した場合に、標準範囲外のユーザー指標の分析結果を表示装置に表示してもよい。当然のことながら、ユーザーが健康リスクを抱えていなくても、制御装置120が分析結果を表示装置に表示してユーザーに自身の健康状態を把握させてもよい。
【0065】
制御装置120の演算量を低減して記憶装置の記憶容量への要求を低下させるために、好ましくは、スマート・トイレ100は、通信モジュール160をさらに含み、制御装置120は、通信モジュール160によりサーバー200と通信可能に接続され、代謝産物分析モジュール180の成分分析結果及び身元識別モジュール121によって識別された対応する身元情報をサーバー200にアップロードすることができ、サーバー200によってユーザーの健康状態を判断し、サーバー200にはまた、様々な検出結果にそれぞれ対応する病理学的分析が記憶され、サーバー200はユーザーの代謝物検出結果に基づいてユーザーの健康状態を予め判断し、例えば、ユーザーの身体のどの部分に問題があったかを予め判断し、かつ予め判断した結果をスマート・トイレ100に送信して提示装置140に表示してもよい。当然のことながら、理解できるように、端末(例えば、携帯電話、ipadなどの携帯端末)に対応するAPPを実装し、サーバー200が予め判断した結果を端末に送信して表示してもよい。さらに好ましくは、サーバー200は、オンライン診断プラットフォーム300と通信可能に接続されてもよく、ユーザーが健康リスクを抱えていると検出すると、ユーザー認証を取得した上、サーバー200はユーザーの代謝物検出結果をオンライン診断プラットフォーム300に送信してオンライン医者によってそれをオンラインで診断してもらい、かつ診断結果を出してサーバー200にフィードバックし、そしてサーバー200によってユーザーに見せるためにスマート・トイレ100又は携帯端末400に転送してもよい。また、サーバー200は、診断結果を分析し、かつユーザーに調整と改善計画をプッシュしてもよい。
【0066】
さらに、代謝物分析モジュール180の成分分析結果は、身元識別モジュール121が認識した身元に対応して記憶装置150に記憶され、それにより利用者の身体パラメータを記録することができ、ユーザーが病院に行って医者の診察を受ける際に、医者がユーザーの病状をうまく判断できるように、記憶装置150に記憶されたデータを抽出して医者に参考させることができる。
【0067】
さらに好ましくは、本願は、電気器具システムをさらに提供し、図3に示すように、上記スマート・トイレ100を含み、例えばウェアラブル・デバイス700(例えば、スマート・ブレスレット)、家庭用フィットネス機器600、家庭用電気器具500を含むスマート・デバイスをさらに含み、家庭用電気器具500は、例えばエアコン、調理器具、空気浄化器、加湿器、冷蔵庫などを含み、スマート・トイレ100は、スマート・デバイスと通信可能に接続され、スマート・トイレ100とスマート・デバイスは、いずれもサーバー200と通信可能に接続することができる。
【0068】
このようにして、スマート・トイレ100は、スマート・デバイスと対話することができ、例えば、スマート・デバイスは、ユーザーの生活習慣を反映する情報をスマート・トイレ100に送信し、スマート・トイレ100は、これらの生活習慣を組み合わせてユーザーの身元を識別することができる。ユーザーの生活習慣を反映する情報は、例えば、ユーザーの運動習慣、ユーザーの食事習慣、ユーザーがエアコンを使用する頻度、エアコンを使用する時の設定温度の高さ、冷蔵庫内の食品の種類などを含む。さらに、例えば、スマート・トイレ100は、ユーザーの代謝物の成分に基づいてユーザーの身体の健康状態を判断し、かつユーザーの身体の健康状態に基づいてスマート・デバイスに提示情報をプッシュし、例えばエアコンに適切な温度設定値をプッシュしたり、調理器具に食事アドバイス、食事禁忌などの情報をプッシュしたり、空気浄化器に空気浄化の度合いの情報をプッシュしたり、加湿器に適切な湿度設定値をプッシュしたり、冷蔵庫に食事アドバイスをプッシュしたり、家庭用フィットネス機器600にフィットネス計画をプッシュしたりすることができる。さらに、ウェアラブル・デバイス700は、その検出されたユーザーの心拍数、血圧、睡眠状態、運動状態をスマート・トイレ100に送信することができ、スマート・トイレ100は、ユーザーの代謝物成分及びユーザーの心拍数、血圧、睡眠状態、運動状態などのウェアラブル・デバイス700が検出した情報を組み合わせてユーザーの健康状態を総合的に判断し、ユーザーの健康状態の診断精度を向上させることができる。
【0069】
スマート・トイレ100及びスマート・デバイスは、サーバー200と対話してもよく、例えば、スマート・デバイスは、ユーザーの生活習慣を反映する情報をサーバー200に送信し、サーバー200によりこれらの情報をスマート・トイレ100に送信し、スマート・トイレ100は、これらの生活習慣を組み合わせてユーザーの身元を識別できる。ユーザーの生活習慣を反映する情報は、例えば、ユーザーの運動習慣、ユーザーの食事習慣、ユーザーがエアコンを使用する頻度、エアコンを使用する時の設定温度の高さ、冷蔵庫内の食品の種類などを含む。さらに、例えば、スマート・トイレ100は、その検出したユーザー代謝物の成分情報をサーバー200に送信し、サーバー200は、ユーザーの代謝物の成分に基づいてユーザーの身体の健康状態を判断し、かつユーザーの身体の健康状態に基づいてスマート・デバイスに提示情報をプッシュし、例えばエアコンに適切な温度設定値をプッシュしたり、調理器具に食事アドバイス、食事禁忌などの情報をプッシュしたり、空気浄化器に空気浄化の度合いの情報をプッシュしたり、加湿器に適切な湿度設定値をプッシュしたり、冷蔵庫に食事アドバイスをプッシュしたり、家庭用フィットネス機器600にフィットネス計画をプッシュしたりする。例えば、分析してユーザーが脂肪肝を患っていると判断した場合に、サーバー200は、ユーザーの体重、年齢に適合するフィットネス計画を作成して家庭用フィットネス機器600に送信すると同時に、家庭用フィットネス機器600を制御してユーザーに時間どおりに運動するようにユーザーに定期的に注意してもよく、また、サーバー200は、ユーザーの脂肪肝の状態を改善するように、適合するレシピを作成して調理器具に送信し、推奨レシピに従って自分の食事を調整するようにユーザーに注意してもよい。さらに、例えば、分析してユーザーが呼吸器疾患を患っていると判断した場合に、サーバー200は、空気浄化器に制御信号を送信して空気浄化器が定期的に屋内空気を自動的に浄化するように制御してもよく、サーバー200はまた、ユーザーの呼吸環境を改善し、ユーザーの快適性を向上させるために、推奨レシピを家庭用フィットネス機器600に送信してもよい。さらに、例えば、分析してユーザーが慢性腎炎を患っていると判断した場合に、サーバー200は、調理器具に情報をプッシュしてもよく、ユーザーが調理器具をオンにすると、調理器具は調理の過程で唐辛子、胡椒、アルコール食品を入れないようにユーザーに注意する。さらに、ウェアラブル・デバイス700は、その検出したユーザーの心拍数、血圧、睡眠状態、運動状態をサーバーに送信してもよく、サーバー200は、ユーザーの代謝物成分及びユーザーの心拍数、血圧、睡眠状態、運動状態などのウェアラブル・デバイス700が検出した情報を組み合わせてユーザーの健康状態を総合的に判断し、ユーザーの健康状態の診断精度を向上させる。
【0070】
さらに好ましくは、スマート・トイレ100がユーザーの代謝物を検出する精度を向上させるために、端末又はウェアラブル・デバイス700は、ユーザーに注意事項を送信し、例えば朝に空腹状態で代謝物を検出しようという提示を送信してもよい。1つの好ましい実施例では、ユーザーの睡眠状態を検出するウェアラブル・デバイス700、例えばスマート・ブレスレットは、ユーザーが目を覚ましたことを検出した場合に、音声又は文字の方式でユーザーに自動的に注意させ、空腹状態でトイレを使用して代謝物を検出するようにユーザーに注意させる。当然のことながら、スマート・ブレスレットは、情報を携帯電話などの移動端末400に送信し、移動端末400によって注意情報をユーザーに送信してもよい。
【0071】
本願に係るスマート・トイレ100は、情報収集装置110によりユーザーの声紋情報、匂い情報などの特徴情報を収集することができ、このように、ユーザーが何ら操作を行うことなく、スマート・トイレ100の制御装置120は、ユーザーの様々な特徴情報を統合してユーザーの身元を正確に識別することができる。
【0072】
当業者であれば容易に理解できるように、衝突がない限り、上記好ましい解決手段を自由に組み合わせて、加えることができる。
【0073】
上記実施形態は単に例示的なものにすぎず、限定的なものではなく、当業者が本願の基本原理から逸脱せずに上記詳細に対して行った様々な明らかな又は同等の修正又は置き換えは、いずれも本願の特許請求の範囲に包含されることを理解されたい。
【0074】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の様々な方法の全部又は一部のステップは、プログラムにより関連ハードウェアを指示して実現することができる。該プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶できる。記憶媒体は、リード・オンリー・メモリ(ROM、Read Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなどを含むことができる。
【0075】
本願の概念を説明する際に用語「1つの」及び「前記」並びに同様の単語(特に添付された特許請求の範囲におけるもの)が使用されており、これらの用語は、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。また、本明細書で別途の説明がない限り、本明細書で数値範囲が説明される場合、簡単な方法で該当する範囲に属する各独立の値を指しており、各独立の値がこれらの値が本明細書で個別に説明されているように本明細書に組み込まれる。さらに、本明細書で別途の説明又は文脈で明確な反対の提示がない限り、本明細書に記載の全ての方法のステップは、任意の適切な順序で実行できる。本願の変更は、記載されているステップの順序に限定されない。別途に明記しない限り、本明細書で提供される任意又は全ての例又は例示的な言語(例えば、「例えば」)は、本願の概念をよりよく説明するために使用されるものにすぎず、本願の概念の範囲を限定するものではない。当業者であれば精神及び範囲から逸脱せずに様々な修正及び適応が容易に理解できる。
【符号の説明】
【0076】
100 スマート・トイレ
110 情報収集装置
111 声紋識別装置
112 匂いスキャナー
113 顔識別モジュール
114 体重計量モジュール
115 位置検出モジュール
116 計時モジュール
120 制御装置
121 身元識別モジュール
130 情報集録モジュール
140 提示装置
150 記憶装置
160 通信モジュール
170 代謝物サンプリング装置
180 代謝物分析モジュール
200 サーバー
300 オンライン診断プラットフォーム
400 移動端末
500 家庭用電気器具
600 家庭用フィットネス機器
700 ウェアラブル・デバイス
図1
図2
図3