(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】生体情報測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
A61B5/00 B
A61B5/00 M
(21)【出願番号】P 2020566471
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 JP2020001235
(87)【国際公開番号】W WO2020149355
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2019006650
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514078221
【氏名又は名称】社会医療法人蘇西厚生会 まつなみリサーチパーク
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松波 英寿
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-030203(JP,U)
【文献】米国特許第5267563(US,A)
【文献】国際公開第2018/123536(WO,A1)
【文献】特表2017-518814(JP,A)
【文献】特開2013-233401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体の第1の面に配置された第1のセンサ
及び第2のセンサと、前記
第1のセンサ及び前記第2のセンサを取り囲む開口部を有する粘着部材とを備え
る生体情報測定装置であって、
前記開口部において、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記粘着部材から離隔して配置され、
前記
第1のセンサ及び前記第2のセンサの測定面は露出して
おり、
前記生体情報測定装置を皮膚に装着した際に、前記粘着部材は前記皮膚に貼付され、
前記第1のセンサの端部は前記皮膚から離隔され、且つ
前記第2のセンサは前記皮膚に接触することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
前記
粘着部材は前記本体の第1の面に配置され、
前記生体情報測定装置
の前記第1の面からの前記粘着部材の厚みは、前記
第1の面から前記
第1のセンサの端部までの厚みよりも厚
く、且つ
前記第1の面からの前記粘着部材の厚みと、前記第1の面から前記第2のセンサの端部までの厚みと等しいことを特徴とする請求項
1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記粘着部材は、
前記本体を覆うように、前記
第1の面とは反対側の
第2の面に配置され、
且つ
前記粘着部材は、前記
第1の面と同じ側の面に粘着性を有することを特徴とする請求項
1に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記粘着部材は、通気孔を有することを特徴とする請求項
3に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記粘着部材は、抗菌剤、芳香剤、カプサイシン及びサリチル酸メチルからなる群から選択される1つ以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
入力部と、通信部と、をさらに備え、
前記入力部は、前記
第1のセンサ及び前記第2のセンサが配置された
第1の面とは反対側の
第2の面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
前記生体情報測定装置は、利用者の腹部に貼付され、
前記生体情報測定装置は、前記利用者が装着したベルトから電源を供給されることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項8】
前記生体情報測定装置は、利用者の背部に貼付され、
前記生体情報測定装置は、前記利用者が着席したシートから電源を供給されることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置に関する。本発明の一実施形態は、特に、利用者の皮膚に貼付して継続的に生体情報を測定する生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自立した生活、Quality of Life(QOL)の観点から、在宅医療の必要性と重要性が、近年、益々高まりを見せている。在宅医療には、その支援システムの構築が不可欠であり、様々な支援システムやそれに用いられる機器が提案されている。本発明者らは、特許文献1及び2において、支援対象者の生体に装着され、支援対象者の生体から生体情報を収集する収集デバイスと、その収集デバイスで収集された生体情報を無線送信する無線送信部とが組み込まれてなるウェアラブル端末を用いた効果的な医療支援を実現する在宅医療支援システムを提供した。支援対象者の異常を検知し、迅速な支援を行うためには、ウェアラブル端末により収集される支援対象者の生体情報の精度が高いことが必要である。
【0003】
近年の健康志向の高まりから、ウェアラブル端末により取得した生体情報を、利用者の健康管理や効果的なエクササイズの支援に利用するシステムも提案されている(特許文献3)。また、継続的な生体情報の収集を目的として、電力の消耗を少なくしたウェアラブル端末も提案されている(特許文献4)。しかし、特許文献3及び4に記載されたウェアラブル端末は、エクササイズの支援を目的とするため、運動時の装着性やファッション性は備えるものの、在宅医療支援システム等の医療用途のシステムに求められる測定精度を満足する装着性を有するものではない。
【0004】
また、特許文献5には、粘着部材を介して人体への着脱が可能な生体センサ装置とウェアラブル端末等の電子機器を組み合わせた睡眠時無呼吸症候群の患者をモニタリングするための呼吸解析装置が記載されているが、医療用途のシステムに求められる測定精度を満足する装着性についての検討はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5795424号公報
【文献】特許第5917754号公報
【文献】国際公開第2016/036582号
【文献】特開2017-176827号公報
【文献】特開2017-080141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的の1つは、高い測定精度が得られる装着性を備えた生体情報測定装置を提供することである。また、本発明の目的の1つは、利用者のQOLを向上させる装着性を備えた生体情報測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、センサと、センサを取り囲む開口部を有する粘着部材とを備え、センサの測定面は露出している生体情報測定装置が提供される。
【0008】
センサは、粘着部材から離隔して配置されてもよい。
【0009】
センサは、反射型パルスオキシメータを含み、粘着部材が配置される生体情報測定装置本体の面からの粘着部材の厚みは、生体情報測定装置本体の面から反射型パルスオキシメータの端部までの厚みよりも厚くてもよい。
【0010】
粘着部材は、センサが配置された面とは反対側の生体情報測定装置本体の面に配置され、粘着部材は、センサが配置された面と同じ側の面に粘着性を有してもよい。
【0011】
粘着部材は、通気孔を有してもよい。
【0012】
粘着部材は、抗菌剤、芳香剤、カプサイシン及びサリチル酸メチルからなる群から選択される1つ以上の添加剤を含んでもよい。
【0013】
入力部と、通信部と、をさらに備え、入力部は、センサが配置された面とは反対側の面に配置されてもよい。
【0014】
生体情報測定装置は、利用者の腹部に貼付され、生体情報測定装置は、利用者が装着したベルトから電源を供給されてもよい。
【0015】
生体情報測定装置は、利用者の背部に貼付され、生体情報測定装置は、利用者が着席したシートから電源を供給されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によると、高い測定精度が得られる装着性を備えた生体情報測定装置が提供される。また、本発明の一実施形態によると、利用者のQOLを向上させる装着性を備えた生体情報測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置100を示す模式図であり、(a)は生体情報測定装置100の上面が示された斜視図であり、(b)は生体情報測定装置100の下面が示された斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置本体110を示すブロック構成図である。
【
図3】生体情報測定装置100の貼付位置について説明する模式図であり、(a)は利用者1の前面から見た生体情報測定装置100の貼付位置を示す模式図であり、(b)は利用者1の側面から見た生体情報測定装置100の貼付位置を示す模式図である。
【
図4】生体情報測定装置100の充電方法について説明する模式図であり、(a)は腹部2に貼付した生体情報測定装置100cの有線での充電方法を示し、(b)は腹部2に貼付した生体情報測定装置100cの無線での充電方法を示す。
【
図5】背部に貼付した生体情報測定装置100dの充電方法を示す。
【
図6】(a)は複数のセンサを配置した生体情報測定装置200を説明する模式図であり、(b)は(a)の線分AA’における断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置300を示す模式図であり、(a)は生体情報測定装置300の上面が示された斜視図であり、(b)は(a)の線分AA’における断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置400を示す模式図であり、(a)は生体情報測定装置400の上面が示された斜視図であり、(b)は(a)の線分AA’における断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る在宅医療支援システム10を示す模式図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る安全運転支援システム10Aを示す模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る安全運転支援車載装置510を示すブロック構成図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る健康管理システム10Bを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明に係る生体情報測定装置及び在宅医療支援システムについて説明する。本発明に係る生体情報測定装置及び在宅医療支援システムは、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置100を示す模式図である。
図1(a)は、生体情報測定装置100の上面が示された斜視図であり、
図1(b)は、生体情報測定装置100の下面が示された斜視図である。生体情報測定装置100は、シート状又は平板状の装置であり、利用者の体表面に貼付され、利用者の生体情報を継続的に取得する。ここで、「生体情報を継続的に取得する」とは、利用者の生体情報を連続的に取得することのみを意図するものではなく、予め設定された時間又は予め設定された時間の間隔で利用者の生体情報を断続的に取得することも意図する。なお、
図1においては、一例として、円盤状の生体情報測定装置100を示したが、生体情報測定装置100の形状は、シート状又は平板状の形状を有する限り、上面視した形状が矩形、多角形、角部がR形状を有する矩形若しくは多角形、楕円状、又はその他の形状を有していてもよい。
【0020】
生体情報測定装置100は、例えば、利用者の生体情報を測定するためのセンサ130が配置された生体情報測定装置本体110と、センサ130が配置された生体情報測定装置本体110の面と同じ面に配置された粘着部材150と、を備える。なお、後述する実施形態においても説明するように、粘着部材150は、センサ130が配置された面とは反対側の生体情報測定装置本体110の面に配置されてもよい。本実施形態においては、粘着部材150は、センサ130を取り囲む開口部151を有する。したがって、センサ130の測定面には粘着部材150が配置されず、センサ130の測定面は、粘着部材150から露出している。
【0021】
粘着部材150は、利用者の体表面(皮膚)に生体情報測定装置本体110を貼付するための部材であり、粘着性を有する。粘着部材150には、サージカルテープや絆創膏等に用いられる医療用途の公知の粘着剤を用いることができるが、肌に優しい粘着剤を用いることが好ましい。粘着部材150には、例えば、ウレタン系粘着剤、疎水性アクリル系粘着剤、親水性アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤及び合成ゴム系粘着剤等から選択することができるが、これらに限定されるものではない。ゴム系粘着剤は生ゴムであってもよい。また、粘着部材150は、これらの材料を含むゲルシートであってもよい。
【0022】
また、粘着部材150には、肌に優しい皮膚保護剤を用いることができる。粘着部材150には、例えば、カラヤ系皮膚保護剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)系皮膚保護剤及び混合系皮膚保護剤を用いることができる。カラヤ系皮膚保護剤は、天然カラヤガムを主体とした皮膚保護剤である。カラヤ系皮膚保護剤は、粘着力は弱いが、温度が上がると更に軟らかくなり、変形しやすい。このため、カラヤ系皮膚保護剤は、軟らかく皮膚に密着する追従性があり、吸収性に富み、制菌性を有する。CMC系皮膚保護剤は、CMC、ペクチン及びゼラチンを親水性ポリマーとし、ポリイソブチレンを疎水性ポリマーとして配合された皮膚保護剤である。CMC系皮膚保護剤においては、親水性ポリマーが汗や液体排泄物の吸収を担い、疎水ポリマーが粘着性を高める働きをする。CMC系皮膚保護剤は、粘着力が強く、温度に対する安定性と低吸収性を有することにより、使用可能期間が長い。混合系皮膚保護剤は、カラヤガムにゼラチン、ポリイソブチレンが配合された皮膚保護剤である。混合系皮膚保護剤は、CMC系皮膚保護剤に比し、カラヤを配合するため皮膚に対する親和性がよく、良好な皮膚管理ができる。
【0023】
粘着部材150として、カラヤ系皮膚保護剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)系皮膚保護剤及び混合系皮膚保護剤には、以下のような保護剤を例示することができるが、これらに限定されるものではない。KG系皮膚保護剤(カラヤガム)、CKG系皮膚保護剤(カラヤガム及びCMCの混合物)、KPB系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてカラヤガム及びペクチン、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレンの混合物)、KPBS系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてカラヤガム及びペクチン、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレン及びスチレンイソブレンスチレンの混合物)、CPB系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC及びペクチン、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレンの混合物)、CPS系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC及びペクチン、疎水性ポリマーとしてスチレンイソブレンスチレンの混合物)、CPBS系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC及びペクチン、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレン及びエチレン・酢酸・ビニル・コポリマーの混合物)、CPBM系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC及びペクチン、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレン及びマイクロファイバーの混合物)、CPBHS系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC及びペクチン、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレン及び水素添加スチレンの混合物)、CPFB系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC、ペクチン及びコットンファイバー、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレンの混合物)、CB系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレンの混合物)、CS系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC、疎水性ポリマーとしてスチレンイソブレンスチレンの混合物)、及びCBS系皮膚保護剤(親水性ポリマーとしてCMC、疎水性ポリマーとしてポリイソブチレン及びスチレンイソブレンスチレンの混合物)。
【0024】
なお、
図1において、粘着部材150は、生体情報測定装置本体110と同じ形状(底面から見た外周部の形状)、同じ大きさ(開口部151も含めて底面から見た外周部の大きさ)として示したが、本実施形態はこれらに限定されず、生体情報測定装置本体110を利用者の体表面に貼付できれば、粘着部材150の弾性を考慮して、生体情報測定装置本体110よりも粘着部材150を小さく設定してもよい。このように、生体情報測定装置100が粘着部材150を備えることにより、生体情報測定装置100を貼付した利用者が動いていても、センサ130と利用者の体表面との距離が一定となるため、測定感度を向上させることができる。
【0025】
一実施形態において、粘着部材150は、抗菌剤、芳香剤、カプサイシン及びサリチル酸メチルからなる群から選択される1つ以上の添加剤を含んでもよい。抗菌剤としては、医療用の外用薬に含まれる公知の抗菌剤を用いることができる。粘着部材150に抗菌剤を含有することにより、体表面に生体情報測定装置100を貼付した際に、粘着部材150との接触面での細菌の増殖を抑制し、皮膚の炎症を低減することができる。また、芳香剤には、医薬品及び外用薬に含まれる公知の芳香剤を用いることができ、体温により粘着部材150から空気中に放出される揮発性の芳香剤が好ましい。粘着部材150に芳香剤を含有することにより、体表面に生体情報測定装置100を貼付した際に、体温により芳香剤が粘着部材150から空気中に放出され、生体情報測定装置100を貼付することによる利用者のストレスを低減することもできる。また、利用者の嗜好に合わせて、芳香剤を粘着部材150に添加し、香りのバリエーションを付与してもよい。即ち、利用者が好みの香りの生体情報測定装置100を選択可能にしてもよい。抗菌性と芳香性を有するフィトンチッドを用いることもできる。
【0026】
また、粘着部材150にカプサイシンを含有することにより、温感効果を得ることができる。一方、粘着部材150にサリチル酸メチルを含有することにより、冷感効果を得ることができる。これらは湿布剤にも用いられることから、これらの成分と上述した抗菌剤及び/又は芳香剤を組み合わせて、粘着部材150に添加してもよい。
【0027】
一実施形態において、粘着部材150は、光を透過しない部材であることが好ましい。例えば、上記の粘着部材150の材料に、着色料を更に添加してもよい。本明細書において「光を透過しない」とは、光の透過率が10%以下、好ましくは、1%以下、より好ましくは0.1%以下である。粘着部材150が光を透過しないことにより、センサ130が脈拍計や反射型パルスオキシメータ等の光学的手段により測定するセンサである場合に、外部からの光の影響を抑制し、測定精度を向上することができる。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置本体110を示すブロック構成図である。生体情報測定装置本体110は、例えば、制御部111、記憶部115、通信部117、電源119、入力部120及びセンサ130を備えるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
一実施形態において、制御部111は、生体情報測定装置本体110を制御する装置であって、例えば、中央処理装置(CPU)である。また、制御部111は、生体情報測定装置本体110を制御するプログラムを含む。なお、生体情報測定装置本体110を制御するプログラムは、記憶部115に格納され、制御部111で実行される。また、一実施形態において、制御部111は、生体情報測定装置本体110を制御するオペレーティングシステム(OS)と、生体情報測定装置100で機能するアプリケーションプログラム又はモジュールを含んでもよい。
【0030】
一実施形態において、記憶部115は、利用者の情報を格納してもよい。利用者の情報には、例えば、利用者の認証コード(ID)等の利用者を特定する情報が含まれてもよい。記憶部115は、生体情報測定装置本体110を制御するプログラムを格納してもよい。また、記憶部115は、センサ130により測定した生体情報を一時的に格納してもよい。
【0031】
一実施形態において、通信部117は、生体情報測定装置100と外部の装置との通信を行う装置であって、例えば、Wi-Fi(登録商標)(IEEE 802.11規格を使用する通信手段)やBluetooth(登録商標)等の無線通信規格に適合した通信手段を備えるが、これらに限定されるものではない。通信部117には物理アドレス(MACアドレス)が割り当てられており、物理アドレスから生体情報測定装置100を特定することができる。生体情報測定装置100の物理アドレスは利用者と対応付けられているため、生体情報測定装置100の物理アドレスに基づいて、利用者を特定することができる。後述するように、一実施形態において、生体情報測定装置100は、通信部117による無線通信を介して、利用者のセンサ130により測定した生体情報を在宅医療支援システムが備えるサーバに送信することができる。
【0032】
一実施形態において、電源119は、一般的なバッテリであって、生体情報測定装置100に配設された各装置に電源を供給する電源である。なお、後述する実施形態で説明するように、電源119は、接続端子を備え、外部から電源供給して充電してもよい。また、電源119は、ワイヤレス電力伝送により、非接触で外部から電源供給して充電してもよい。電源119は、軽量、且つ大容量であることが好ましいが、特に限定されない。
【0033】
一実施形態において、
図1(a)に示すように、生体情報測定装置100は、センサ130が配置された面とは反対側の面に入力部120が配置されてもよい。入力部120は、例えば、緊急通知ボタンであってもよい。例えば、入力部120を押下することにより、利用者が緊急な支援を必要とする状態にあることを通知してよい。なお、後述する実施形態に示すように、生体情報測定装置本体110に入力部120を配置しなくてもよい。
【0034】
一実施形態において、センサ130は、利用者から生体情報を取得する装置であって、例えば、体温計、脈拍計、血圧計、反射型パルスオキシメータ及び心電計等の測定装置から1つ以上を選択して配置することができる。なお、本実施形態において、脈拍計により測定される脈拍数は、心拍数とほぼ同義として扱う。生体情報測定装置100が有するセンサ130の数、形状及び配置は任意に選択可能であり、特に限定されない。また、センサ130として用いる体温計、脈拍計、血圧計、反射型パルスオキシメータ及び心電計等の測定装置には公知のセンサを用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
また、一実施形態において、
図1(b)に示すように、センサ130は、粘着部材150から離隔して配置されてもよい。一実施形態において、粘着部材150が配置される生体情報測定装置本体110の面からの粘着部材150の厚みは、生体情報測定装置本体110の面からセンサ130の端部までの厚みよりも厚くてもよい。一実施形態において、センサ130が、例えば、脈波計又は反射型パルスオキシメータである場合、測定に必要な脈波計又は反射型パルスオキシメータから体表面との距離を、粘着部材150の厚みにより調整することができる。また、開口部151は、脈波計又は反射型パルスオキシメータによる測定に用いられる光が粘着部材150により乱反射しないように、センサ130から粘着部材150を離隔させる大きさを有することが好ましい。
【0036】
[生体情報測定装置100の貼付位置]
図3は、生体情報測定装置100の貼付位置について説明する模式図である。
図3(a)は、利用者1の前面から見た生体情報測定装置100の貼付位置を示す模式図であり、
図3(b)は、利用者1の側面から見た生体情報測定装置100の貼付位置を示す模式図である。生体情報測定装置100の貼付位置は、利用者1の生体情報を取得可能な部位であれば特に限定されないが、利用者1が貼付しやすい部位に貼付することが好ましい。例えば、生体情報測定装置100aは、利用者1の上腕に貼付する例を示す。生体情報測定装置100が入力部120を有する場合、生体情報測定装置100は、利用者1の利き手とは反対の上腕に貼付することが好ましい。このような部位に生体情報測定装置100を貼付することにより、利用者1が自身の体調に異常を感じた場合に、入力部120を押下することにより、例えば、生体情報測定装置100を用いたシステムに配置されたサーバに緊急通知を発信することができる。生体情報測定装置100bは、利用者1の胸部に貼付する例を示す。生体情報測定装置100bを利用者1の胸部に貼付することにより、心電計による測定精度が向上し、心電図の信頼性が向上する。
【0037】
図4は、生体情報測定装置100の充電方法について説明する模式図である。
図3(a)及び
図3(b)に示した生体情報測定装置100cは、利用者1の腹部2に貼付する例を示し、
図4(a)は、腹部2に貼付した生体情報測定装置100cの有線での充電方法を示す。
図4(a)において、利用者1は、シャツ3とズボン4を着用し、ベルト80をズボン4に装着する。ベルト80は、電源85を備えたバックル81とベルト本体83を含む。バックル81は、ベルト本体83により、利用者1の腹部2に固定される。利用者1の腹部に貼付された生体情報測定装置100cは、バックル81の背面側に位置する。コネクタ87により電源85と生体情報測定装置100cとを接続することにより、電源85から生体情報測定装置100cへ電力を供給することができる。コネクタ87は、例えば電気配線であり、シャツ3の左前身頃と右前身頃との間を通して、生体情報測定装置100cに接続してもよい。また、シャツ3が、Tシャツのようにタックアウト着用する服である場合には、シャツ3の裾の下からコネクタ87を通して、生体情報測定装置100cに接続してもよい。
【0038】
図4(b)において、ベルト80aは、電源85を備えたバックル81とベルト本体83を含む。ベルト80aには、電源85に接続する送電コイルをバックル81に配置されている。また、一実施形態において、生体情報測定装置100cには、電源119に接続する受信コイルが配置されている。生体情報測定装置100cは、電磁誘電方式のワイヤレス充電88によりベルト80aの電源85から充電される。このように、生体情報測定装置を利用者1の腹部2に貼付することにより、有線又は無線接続を介して、利用者1が装着したベルトから電源を生体情報測定装置100cに供給することができる。
【0039】
また、バックル81に配置された電源85は、交換可能な電池であってもよく、繰り返しの充放電が可能なバッテリであってもよい。利用者1の就寝時等のベルトを着用しない時間帯に電源85とコンセントを接続して充電するようにしてもよい。また、バックル81の表面に太陽電池を配置して、太陽光や室内の照明により電源85を充電するように構成してもよい。なお、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、例えば、利用者1が着用する帽子、靴、ジャッケット等に電源85を配置して、有線又は無線にて生体情報測定装置100cへ電源を供給するようにしてもよい。
【0040】
図3(b)に示した生体情報測定装置100dは、利用者1の背部に貼付する例を示し、
図5は、背部に貼付した生体情報測定装置100dの充電方法を示す。利用者1は、背部に生体情報測定装置100dを貼付している。例えば、利用者1が車両50を運転している場合、利用者1が着席したシート51の背もたれには、送電コイル53が配置される。利用者1の背部に貼付された生体情報測定装置100dは、送電コイル53と対向する配置となる。送電コイル53をシート51の背もたれに配置し、電源119に接続する受信コイルを生体情報測定装置100dに配置することにより、電磁誘電方式のワイヤレス充電を行うことができる。なお、送電コイル53には、車両50が搭載するバッテリから電力を供給すればよい。このように、生体情報測定装置100dを利用者1の背部に貼付することにより、利用者1が着席したシート51から電源を生体情報測定装置100dに供給することができる。なお、本実施形態においては、車両50に配置したシート51から充電する例を説明したが、充電方法これに限定されるものではない。例えば、利用者1の自宅の椅子やベッドなどに送電コイル53を配置して、家庭用の電源から生体情報測定装置100dを充電するようにしてもよい。
【0041】
[センサの配置]
図6(a)は複数のセンサを配置した生体情報測定装置200を説明する模式図であり、
図6(b)は
図6(a)の線分AA’における断面図を示す。生体情報測定装置200は、例えば、脈波計又は反射型パルスオキシメータから選択されるセンサ231とセンサ233を備える。また、生体情報測定装置200は、センサ231とセンサ233が配置された生体情報測定装置本体210の面と同じ面に配置された粘着部材250を備える。センサ233は、体温計、血圧計、心電計等の測定装置から1つ以上を選択して配置することができる。センサ231は、発光部231aと受光部231bを有する。発光部231aはLEDであり、受光部231bはフォトトランジスタである。発光部231aから利用者1の皮膚に光が照射され、血管を透過して反射した光を受光部231bが受光する。このため、発光部231aと受光部231bとは発光部231aから照射した光が血管を透過して反射し、受光部231bに入射するために必要な距離だけ離隔して配置される。センサ231が脈波計である場合、発光部231aは、例えば、550nm付近の波長の緑色光を出射する。また、センサ231が反射型パルスオキシメータである場合、発光部231aは、例えば、660nm付近の赤色光又は940nm付近の波長の近赤外線を出射する。
【0042】
上述したように、センサ231が脈波計又は反射型パルスオキシメータである場合、受光部231bは、発光部231aから利用者1の皮膚に光が照射され、血管を透過して反射した光を受光するために必要な距離だけ、発光部231aから離隔して配置される。このため、粘着部材250の厚みH1は、受光部231bが、発光部231aから利用者1の皮膚に光が照射され、血管を透過して反射した光を受光するために必要な距離H2だけ、発光部231aと体表面とを離隔する厚みに設定される。なお、粘着部材250の弾性を考慮して、利用者1の体表面に生体情報測定装置200を貼付したときに、受光部231bから皮膚までが距離H2となるように、粘着部材250の厚みH1を僅かに厚く設定してもよい。また、開口部251は、発光部231aから出射する光が粘着部材250により乱反射しないように、センサ231から粘着部材250を離隔させる大きさを有することが好ましい。
【0043】
また、センサ233が体温計、血圧計、心電計から選択される場合、センサ233は、利用者1の体表面に接触させる必要がある。このため、粘着部材250が配置される生体情報測定装置本体210の面からのセンサ233と粘着部材250の厚みは概略等しいことが好ましい。なお、粘着部材250の弾性を考慮して、利用者1の体表面に生体情報測定装置200を貼付したときに、センサ233が皮膚に密着するように、粘着部材250の厚みH1を僅かに厚く設定してもよい。また、粘着部材250において、センサ233を配置する位置に開口部253が配置されるが、開口部253の大きさは、センサ233の大きさよりも僅かに大きいことが好ましい。開口部253の大きさがセンサ233の大きさよりも僅かに大きいことにより、センサ233の位置での粘着部材250の生体情報測定装置本体210への配置が容易となる。なお、入力部220の構成は、入力部120と同様であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0044】
[粘着部材の変形例]
上述した実施形態においては、センサが配置された生体情報測定装置本体の面と同じ面に粘着部材を配置した例を説明したが、粘着部材は、センサが配置された面とは反対側の生体情報測定装置本体の面に配置されてもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置300を示す模式図である。
図7(a)は、生体情報測定装置300の上面が示された斜視図であり、
図7(b)は、
図7(a)の線分AA’における断面図を示す。生体情報測定装置本体310は、例えば、脈波計又は反射型パルスオキシメータから選択されるセンサ331とセンサ333を備える。センサ333は、体温計、血圧計、心電計等の測定装置から1つ以上を選択して配置することができる。センサ331は、発光部331aと受光部331bを有する。なお、発光部331aと受光部331bの構成は、発光部231aと受光部231bの構成と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0045】
また、利用者1の体表面に生体情報測定装置300を貼付したときに、受光部331bから皮膚までが距離H3となるように、センサ331を生体情報測定装置本体310に配置することが好ましい。生体情報測定装置本体310は、センサ331又はセンサ333の何れか一方のみを備えていてもよい。生体情報測定装置本体310には、センサ331及びセンサ333が配置された面とは反対側の面に入力部320が配置されてもよい。入力部320の構成は、入力部120の構成と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0046】
生体情報測定装置300においては、粘着部材350は、センサ331及びセンサ333が配置された面とは反対側の生体情報測定装置本体310の面に配置される。本実施形態においては、粘着部材350としては、センサ331及びセンサ333が配置された面と同じ側の面に粘着性を有する。粘着部材350は、所謂、サージカルテープのような公知の粘着テープを用いることができる。なお、生体情報測定装置本体310に入力部320が配置される場合は、入力部320が配置される位置に粘着部材350が配置されないことが好ましい。即ち、粘着部材350は、入力部320と対応する位置に開口部351を有することが好ましい。
【0047】
一実施形態において、粘着部材350は、光を透過しない部材であることが好ましい。例えば、上記の粘着部材350の材料に、着色料を更に添加してもよい。粘着部材350の光の透過率が10%以下、好ましくは、1%以下、より好ましくは0.1%以下である。
【0048】
一実施形態において、粘着部材350は、通気孔359を有してもよい。粘着部材350が通気孔359を有することにより、粘着部材350を皮膚に貼付した際の蒸れによる皮膚炎の発症を抑制することができる。また、生体情報測定装置300において、上述した粘着部材250を併用してもよい。
【0049】
[生体情報測定装置の配布と使用]
上述した生体情報測定装置は、粘着部材を交換することにより、くり返し使用することができる。一方、衛生面等を考慮して、生体情報測定装置を使い捨てにしてもよい。例えば、1人の利用者に対して、医師が4週間分、1ヶ月分を1度に処方してもよい。この場合、例えば、一群の生体情報測定装置に利用者と関連付けたIDを付与して、配布する個数分の枝番を生体情報測定装置毎に付与して、管理してもよい。例えば利用者1に配布する一群の生体情報測定装置にIDとして、「1234567」を付与し、生体情報測定装置毎に枝番「001」~「100」を付与するようにしてもよい。このように一群の生体情報測定装置をIDと枝番により管理することにより、利用者1が処方受ける頻度を低減して利便性を向上させると共に、生体情報測定装置を用いたシステムにおける管理も容易にすることができる。
【0050】
[装着方法の変形例]
上述した実施形態においては、生体情報測定装置本体に配置した粘着部材のみで利用者1の体表面に生体情報測定装置を固定した例を説明したが、生体情報測定装置の装着方法は、これらに限定されず、例えば、ベルト等の他の部材を併用することにより、生体情報測定装置本体を利用者1の体表面に固定してもよい。
【0051】
図8は、本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置400を示す模式図である。
図8(a)は、生体情報測定装置400の上面が示された斜視図であり、
図8(b)は、
図8(a)の線分AA’における断面図を示す。生体情報測定装置本体410には、例えば、利用者1の手首に固定可能なベルト470が接続される。即ち、生体情報測定装置400は、腕時計型のデバイスである。ベルト470は特には限定されず、公知の腕時計用のベルトを用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【0052】
また、生体情報測定装置本体410には、例えば、脈波計又は反射型パルスオキシメータから選択されるセンサ431とセンサ433を備える。また、生体情報測定装置400は、センサ431とセンサ433が配置された生体情報測定装置本体410の面と同じ面に配置された粘着部材450を備える。センサ433は、体温計、血圧計、心電計等の測定装置から1つ以上を選択して配置することができる。センサ431は、発光部431aと受光部431bを有する。なお、発光部431aと受光部431bの構成は、発光部231aと受光部231bの構成と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0053】
上述したように、粘着部材450の厚みH4は、受光部431bが、発光部431aから利用者1の皮膚に光が照射され、血管を透過して反射した光を受光するために必要な距離H5だけ、発光部431aと体表面とを離隔する厚みに設定される。なお、粘着部材450の弾性を考慮して、利用者1の体表面に生体情報測定装置400を貼付したときに、受光部431bから皮膚までが距離H5となるように、粘着部材450の厚みH5を僅かに厚く設定してもよい。また、開口部451は、発光部431aから出射する光が粘着部材450により乱反射しないように、センサ431から粘着部材450を離隔させる大きさを有することが好ましい。
【0054】
また、センサ433が利用者1の体表面に接触させる構成である場合、粘着部材450が配置される生体情報測定装置本体410の面からのセンサ433と粘着部材450の厚みは概略等しいことが好ましい。なお、粘着部材450の弾性を考慮して、利用者1の体表面に生体情報測定装置400を貼付したときに、センサ433が皮膚に密着するように、粘着部材450の厚みH4を僅かに厚く設定してもよい。また、粘着部材450において、センサ433を配置する位置に開口部453が配置されるが、開口部253と同様に、開口部453の大きさは、センサ433の大きさよりも僅かに大きいことが好ましい。
【0055】
生体情報測定装置400は、センサ431及びセンサ433が配置された生体情報測定装置本体410の面とは反対側の面に、表示部460を備えてもよい。表示部460は、液晶ディスプレイであってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。また、表示部460の表面には、入力部220に代えて、例えば、タッチパネルが配置されてもよい。
【0056】
従来の腕時計型の生体情報測定装置では、利用者1の手首に生体情報測定装置本体をベルトのみで固定していたため、利用者1の動作、例えば、腕を上げる、腕を振る等の動作により、生体情報測定装置本体が利用者1の手首からずれて、測定位置が常に変化して、正確な生体情報の測定が困難であった。しかし、生体情報測定装置400においては、粘着部材450とベルト470を併用することにより、利用者1の手首に生体情報測定装置本体410を密着させて固定することができる。また、生体情報測定装置400においては、生体情報測定装置本体410と利用者1の体表面との間に粘着部材450を配置することにより、生体情報測定装置本体410と利用者1の体表面との距離を一定に保ち、高精度の生体情報を取得することができる。
【0057】
また、本実施形態においては、生体情報測定装置本体410が粘着部材450により利用者1の手首に密着・固定されるため、ベルト470をきつく締めなくても、生体情報測定装置本体410と利用者1の体表面との距離を一定に保ち、高精度の生体情報を取得することができる。このため、従来のようにベルトをきつく締める必要がない。また、寝たきりの患者が装着した場合には、ベルトをきつく締める必要がないため、褥瘡の予防に効果を奏する。
【0058】
[生体情報測定装置を用いた在宅医療支援システム]
上述した生体情報測定装置は、利用者1の生体情報を利用する様々なシステムに適用することができる。例えば、利用者1が在宅看護を要する患者である場合には、在宅医療支援システムにおいて生体情報測定装置を用いることができる。
【0059】
生体情報測定装置100を用いたシステムの具体例として、在宅医療支援システム10について説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る在宅医療支援システム10を示す模式図である。在宅医療支援システム10は、利用者1に貼付された生体情報測定装置100と、生体情報測定装置100と通信可能なサーバ11と、サーバ11と通信可能な端末21を備える。サーバ11は、生体情報測定装置100から利用者1の生体情報を受信し、端末21は、サーバ11を介して受信した生体情報を表示する。一実施形態において、生体情報測定装置100とサーバ11とは、専用送受信機5の回線を介して、接続されてもよい。生体情報測定装置100と専用送受信機5とは、例えば、Wi-FiやBluetooth(登録商標)等の無線通信規格に適合した通信手段により接続される。また、生体情報測定装置100とサーバ11とは、利用者が所有するiPad(登録商標)等のタブレット型端末やスマートフォン等の移動通信システムとして利用可能な端末の回線を介して、接続されてもよい。また、利用者1が通話等に用いるスマートフォン以外のスマートフォンを生体情報測定装置100の専用にして、専用送受信機5に代えて用いることもできる。本実施形態においては、より消費電力が大きなサーバ11との通信を専用送受信機5又は利用者が所有するタブレット型端末やスマートフォン等の移動通信システムで行うため、生体情報測定装置100の消費電力を低減し、生体情報測定装置100の小型化と、長時間での使用を可能にすることができる。
【0060】
一実施形態において、サーバ11は、例えば、生体情報測定装置100と無線通信を介して接続可能なサーバであり、医療機関20、民間企業30及び/又は行政機関40と有線通信又は無線通信を介して接続される。即ち、サーバ11は、在宅医療支援システム10において、生体情報測定装置100と医療機関20、民間企業30及び/又は行政機関40とを接続するためのハブとして機能するサーバである。サーバ11のハードウェアは特に限定されず、公知のサーバ及び公知のサーバが備える各種の電子機器により構成される。
【0061】
一実施形態において、サーバ11は、利用者1の情報と生体情報測定装置100の端末特定情報を関連付けて格納してもよい。利用者1の情報とは、利用者1の氏名、住所、病歴等であり、利用者1を特定する情報であればよい。一実施形態において、サーバ11の利用者1の情報を格納する記憶領域は、医療従事者等の専門家のみアクセス可能な領域に格納されることが好ましい。本実施形態において、医療従事者等の専門家は、端末21を介して、医療従事者用の端末でありサーバ11と接続することにより、利用者1の情報を書き換えることができる。
【0062】
利用者1が生体情報測定装置100を利用する場合、皮膚炎を防止するため、生体情報測定装置100を貼付する体表面の位置を毎日変更することが好ましい。この場合、貼付した体表面の部位により生体情報測定装置100が測定する生体情報の測定感度に差異が生じる場合がある。このため、サーバ11は、例えば、生体情報測定装置100から取得した利用者1の生体情報を前日に取得した生体情報と比較して補正するようにしてもよい。
【0063】
医療機関20は、少なくとも利用者1の所謂かかりつけ医を含む。また、医療機関20は、各種の病院及び医院を含む。医療機関20は、医療従事者用の端末21を備え、サーバ11と有線通信又は無線通信を介して接続される。したがって、医療従事者用の端末21は、サーバ11を介して、生体情報測定装置100と接続可能である。なお、医療従事者用の端末21は、汎用のコンピュータ端末でよく、専用の端末であってもよい。例えば、医療従事者用の端末21には、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、スマートフォン等のメールを受信可能な端末を用いることができる。一実施形態において、医療従事者用の端末21は、サーバ11を介さずに、上述した移動体通信ネットワークを介して、生体情報測定装置100と接続してもよい。医療従事者用の端末21は、生体情報測定装置100から、利用者1の生体情報を受信し、医療従事者が利用者1の生体情報をモニタリングすることを可能にしてもよい。また、利用者1の生体情報に異常が検出されたときに、生体情報測定装置100から、医療従事者用の端末21に異常を通知してもよい。
【0064】
また、一実施形態において、医療従事者用の端末21は、複数の医療機関20に設置されてもよい。生体情報測定装置100から利用者1の生体情報の異常を通知する医療従事者用の端末21の優先順位(利用者1の生体情報の異常を通知する医療機関20の優先順位)をサーバ11に登録しておき、利用者1の生体情報に異常が検出されたときに、サーバ11は、登録された優先順位に従って、利用者1の生体情報の異常を医療従事者用の端末21に通知してもよい。また、一実施形態において、1番目の医療従事者用の端末21からの応答がない場合に、利用者1の家族のタブレット型端末、スマートフォン等のメールを受信可能な端末に利用者1の生体情報の異常を通知してもよい。医療従事者用の端末21は、生体情報測定装置100から取得した利用者1の生体情報等を表示可能なアプリケーションを主記憶装置に格納して実行するか、インターネットブラウザを介して、サーバ11から提供される利用者1の生体情報を表示させてもよい。
【0065】
また、一実施形態において、生体情報測定装置100から取得した利用者1の生体情報は、サーバ11に格納されてもよい。医療従事者等の専門家は、医療従事者用の端末21を介して、サーバ11に格納され、蓄積された利用者1の生体情報を閲覧することができる。医療従事者は、利用者1の定期的な診察の際に、利用者1の診察結果と、蓄積された利用者1の生体情報に基づいて、診断や治療方針の検討に利用することができる。
【0066】
民間企業30は、例えば、介護施設、訪問看護ステーションや民間の警備会社等を含む。民間企業30は、民間企業用の端末31を備え、サーバ11と有線通信又は無線通信を介して接続される。なお、民間企業用の端末31は、汎用のコンピュータ端末でよく、専用の端末であってもよい。例えば、民間企業用の端末31には、パーソナルコンピュータ、iPad(登録商標)等のタブレット型端末、スマートフォン等のメールを受信可能な端末を用いることができる。一実施形態において、医療従事者用の端末21が生体情報測定装置100から利用者1の生体情報の異常を通知された場合、医療従事者が利用者1の生体情報を確認した上で、民間企業30に利用者1の支援や救助を要請することが好ましい。
【0067】
また、一実施形態において、民間企業用の端末31は、サーバ11を介さずに、上述した移動体通信ネットワークを介して、生体情報測定装置100と接続してもよい。民間企業用の端末31は、生体情報測定装置100から、利用者1の生体情報を受信し、民間企業30のオペレータが利用者1の生体情報をモニタリングすることを可能にしてもよい。また、利用者1の生体情報に異常が検出されたときに、生体情報測定装置100から、民間企業用の端末31に異常を通知してもよい。
【0068】
民間企業30のオペレータは、医療機関20からの要請を受けた場合、又は民間企業用の端末31に利用者1の生体情報の異常が通知された場合に、専用送受信機5、利用者1が所有するタブレット型端末やスマートフォン等の位置情報を取得し、支援車両(例えば、介護職員や警備員が搭乗した車両)を利用者1が所在する場所に派遣することができる。なお、民間企業用の端末31は、汎用のコンピュータ端末でよく、専用の端末であってもよい。民間企業用の端末31は、在宅医療支援システム10において、生体情報測定装置100から取得した利用者1の生体情報等を表示可能なアプリケーションを主記憶装置に格納して実行するか、インターネットブラウザを介して、サーバ11から提供される利用者1の生体情報を表示させてもよい。
【0069】
また、一実施形態において、利用者1が介護施設である民間企業30の利用者である場合に、サーバ11は、生体情報測定装置100から医療従事者用の端末21に利用者1の異常を通知した後に、医療従事者用の端末21が応答しなかった場合や、民間企業用の端末31又は行政機関用の端末41へ利用者1の支援や救助を要請する操作が医療従事者用の端末21で行われなかった場合に、民間企業用の端末31へ利用者1の異常を通知するようにしてもよい。この場合、民間企業30のオペレータは、民間企業用の端末31を介して利用者1の状況を確認すると共に、医療従事者と連携して、又は医療従事者の指導の下、利用者1に対して適切な支援や処置をすることができる。また、サーバ11は、民間企業用の端末31が応答しなかった場合に、行政機関用の端末41へ利用者1の異常を通知するようにしてもよい。
【0070】
行政機関40は、例えば、消防署(消防庁を含む)や警察署(警視庁を含む)を含むが、これに限定されない。行政機関40は、行政機関用の端末41を備え、サーバ11と有線通信又は無線通信を介して接続される。行政機関用の端末41は、汎用のコンピュータ端末でよく、専用の端末であってもよい。例えば、行政機関用の端末41には、パーソナルコンピュータ、iPad(登録商標)等のタブレット型端末、スマートフォン等のメールを受信可能な端末を用いることができる。一実施形態において、医療従事者用の端末21が生体情報測定装置100から利用者1の生体情報の異常を通知された場合、医療従事者が利用者1の生体情報を確認した上で、行政機関40に利用者1の支援や救助を要請することが好ましい。
【0071】
また、一実施形態において、行政機関用の端末41は、サーバ11を介さずに、上述した移動体通信ネットワークを介して、生体情報測定装置100と接続してもよい。行政機関用の端末41は、生体情報測定装置100から、利用者1の生体情報を受信し、行政機関40のオペレータが利用者1の生体情報をモニタリングすることを可能にしてもよい。また、利用者1の生体情報に異常が検出されたときに、生体情報測定装置100から、行政機関用の端末41に異常を通知してもよい。
【0072】
行政機関40のオペレータは、医療機関20からの要請を受けた場合、又は行政機関用の端末41に利用者1の生体情報の異常が通知された場合に、専用送受信機5、利用者1が所有するタブレット型端末やスマートフォン等の位置情報を取得し、救急車43やパトロールカー(図示せず)を利用者1が所在する場所に派遣することができる。なお、行政機関用の端末41は、汎用のコンピュータ端末でよく、専用の端末であってもよい。行政機関用の端末41は、在宅医療支援システム10において、生体情報測定装置100から取得した利用者1の生体情報等を表示可能なアプリケーションを主記憶装置に格納して実行するか、インターネットブラウザを介して、サーバ11から提供される利用者1の生体情報を表示させてもよい。
【0073】
[生体情報測定装置を用いた安全支援システム]
上述した実施形態においては、在宅医療支援システムを説明したが、利用者1が車両を運転する場合の安全運転支援システムに上述した生体情報測定装置を利用する例について説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る安全運転支援システム10Aを示す模式図である。安全運転支援システム10Aは、例えば、利用者1が運転又は搭乗する車両50、サーバ11、医療機関20、民間企業30及び行政機関40で構成されるが、これに限定されるものではない。なお、サーバ11、医療機関20、民間企業30及び行政機関40は上述した実施形態と同様の構成であってもよく、詳細な説明な省略する。
【0074】
車両50は、車載された無線通信手段を備え、無線通信を介して、安全運転支援システム10Aとサーバ11とは通信可能である。無線通信として、例えば、移動体通信ネットワークを用いることができる。一実施形態において、安全運転支援システム10Aは、利用者1が所有する携帯電話、スマートフォン、iPad(登録商標)等のタブレット型端末又は専用送受信機の回線を介して、サーバ11と接続されてもよい。または、車両50に移動体通信ネットワークと接続可能な専用の無線通信装置が搭載されていてもよい。
【0075】
一実施形態において、車両50は安全運転支援車載装置510を搭載し、安全運転支援車載装置510は車両50の車両制御部55に接続する。
図11は、本発明の一実施形態に係る安全運転支援車載装置510を示すブロック構成図である。安全運転支援車載装置510は、例えば、認証部511aと基準判定部511bを含む制御部511、許容情報記憶部512aを含む記憶部512、表示部513aと音声出力部513bを含む出力部513、通信部514を備える。安全運転支援車載装置510には、車両50の電源54から電源が供給される。電源54は、例えば、車両50に搭載されたバッテリである。また、一実施形態において、安全運転支援車載装置510は、生体情報測定装置100に通信部34を介して接続する。また、一実施形態において、安全運転支援車載装置510は、位置情報受信部56に接続する。また、一実施形態において、安全運転支援車載装置510は、統一規格変換部52を介して、車両制御部55に接続することが好ましい。
【0076】
一実施形態において、制御部511は、安全運転支援車載装置510を制御する装置であって、例えば、中央処理装置(CPU)である。また、制御部511は、安全運転支援車載装置510を制御するプログラムを含む。なお、安全運転支援車載装置510を制御するプログラムは、記憶部512に格納され、制御部511で実行される。また、一実施形態において、制御部511は、安全運転支援車載装置510を制御するオペレーティングシステム(OS)と、安全運転支援システム10Aで機能するアプリケーションプログラム又はモジュールを含んでもよい。
【0077】
一実施形態において、制御部511は、認証部511aと基準判定部511bを含む。認証部511aは、利用者1を認証するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。認証部511aは、生体情報測定装置100の通信部117に割り当てられた物理アドレス又は専用送受信機5の通信部に割り当てられた物理アドレスに基づき、利用者1を特定することができる。また、利用者1の認証情報に、利用者1が車両を運転することを許可されていることを示すコード等が含まれている場合には、認証部511aは、車両制御部55に利用者1による車両50の運転を許可してもよい。利用者1の認証情報に、利用者1が車両を運転することを許可されていることを示すコード等が含まれていない場合には、利用者1が車両50のエンジンを始動する操作をしても、車両制御部55を介して、エンジンの始動操作を遮断してもよい。
【0078】
一実施形態において、基準判定部511bは、サーバ11又は生体情報測定装置100に格納された利用者1の許容情報と、少なくとも生体情報測定装置100から測定された生体情報とを比較して、車両50の運行状態を制御するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。利用者1の許容情報は、医療従事者により設定され、サーバ11又は生体情報測定装置100に格納されている。一実施形態において、安全運転支援車載装置510は、通信部34を介して、サーバ11又は生体情報測定装置100から利用者1の許容情報を受信し、許容情報記憶部512aに格納してもよい。
【0079】
一実施形態において、基準判定部511bは、利用者1の許容情報と測定された生体情報とを比較する。例えば、許容情報記憶部512aに格納された利用者1の許容情報として、心拍数が所定数未満であることが格納されている場合、基準判定部511bは、生体情報測定装置100により測定された利用者1の心拍数が所定数未満であれば、車両制御部55に特段の信号を送信しない、又は運転を許可する信号を送信する。一方、生体情報測定装置100により測定された利用者1の心拍数が所定数以上である場合には、基準判定部511bは、出力部513に注意喚起のための表示及び音声出力をさせる信号を送信してもよい。また、利用者1の心拍数が予め設定された危険値以上である場合には、基準判定部511bは、車両制御部55に車両50を停車させるための信号を送信する。
【0080】
一実施形態において、出力部513は、例えば、表示部513aと音声出力部513bを含む。表示部513aは、例えば、ディスプレイやヘッドアップディスプレイ等の表示装置である。また、音声出力部513bは、車載のスピーカでもよく、安全運転支援車載装置510に配設された別途のスピーカでもよい。表示部513aと音声出力部513bは、基準判定部511bから受信した信号に応じて、利用者1に注意喚起するための映像や音声を出力したり、また、利用者1への警告をするための映像や音声を出力したりすることができる。さらに、音声出力部513bは、車両50が緊急停車する場合に、周囲に注意喚起するための音声を車外に出力するようにしてもよい。
【0081】
一実施形態において、通信部514は、生体情報測定装置100との無線通信を行うため、例えば、Wi-FiやBluetooth(登録商標)等の無線通信規格に適合した通信手段を備えるが、これらに限定されるものではない。また、通信部514は、専用送受信機5を介して生体情報測定装置100と接続されてもよい。
【0082】
車両制御部55は、車両50を制御する制御装置であり、車両50に搭載されたコンピュータ又はモジュールである。車両制御部55は、公知の車両制御機構を有するため、その詳細な説明は省略する。一実施形態において、車両制御部55は、安全運転支援車載装置510と接続され、利用者1による運転操作以外に、安全運転支援車載装置510から受信する信号に基づき、車両50を制御する。一実施形態において、車両制御部55は、自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、クルーズコントロール等の安全運転サポート技術を備える。
【0083】
車両制御部55は、車両50に特有の制御装置であるため、自動車メーカー毎又は車種毎に異なる構成を有する。安全運転支援車載装置510を車両制御部55に直接接続する場合、安全運転支援車載装置510を自動車メーカー毎又は車種毎に異なる車両制御部55用に設定する必要がある。または、安全運転支援車載装置510から受信する信号を、車両制御部55が利用可能なように、車両制御部55を変更する必要がある。
【0084】
統一規格変換部52は、安全運転支援車載装置510が出力する信号を、自動車メーカー毎又は車種毎に異なる車両制御部55用に変換するコンピュータ又はモジュールである。一実施形態において、安全運転支援車載装置510と車両制御部55とを接続するために、統一規格変換部52を配置することが好ましい。したがって、統一規格変換部52は、自動車メーカー毎又は車種毎に異なる車両制御部55を制御可能な自動車業界の統一規格により構成された装置であることが好ましい。
【0085】
位置情報受信部56は、公知のカーナビゲーションシステムあってよい。一実施形態において、車両50の位置情報、交通量情報、車両50が走行する地点近傍の地図情報を取得し、安全運転支援車載装置510に送信するが、これに限定されるものではない。
【0086】
このように、生体情報測定装置100から取得される生体情報に基づいて、利用者1による車両50の安全な運転を支援することができる。なお、生体情報測定装置100に代えて、上述した何れの生体情報測定装置も利用可能である。安全運転支援システム10Aにおいて、例えば、腕時計型の生体情報測定装置400を用いてもよい。
【0087】
また、安全運転支援システム10Aにおいて、サーバ11を介して、医療機関20、民間企業30及び行政機関40と、安全運転支援車載装置510を接続することができる。車両50の運転中に、利用者1の体調に異常があった場合、在宅医療支援システム10で説明したように、医療機関20、民間企業30及び行政機関40と連携して、利用者1の救助や支援を行うことができる。安全運転支援システム10Aにおいて利用者1の救助や支援を行う方法は、在宅医療支援システム10における利用者1の救助や支援を行う方法と同様であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0088】
利用者1の生体情報を高精度に測定可能な生体情報測定装置を用いることにより、利用者1の異常を高精度で検出することができ、安全運転支援システム10Aにおいて、安全性の高い運転支援を行うことができる。
【0089】
[生体情報測定装置を用いた健康管理システム]
上述した在宅医療支援システム10や安全運転支援システム10Aは、利用者1の生体情報に異常が生じた場合に利用者1の救助や支援を行うことに重点を置いたシステムであるが、本発明の実施形態に係る生体情報測定装置は、健常者の健康管理にも適用することができる。
【0090】
図12は、本発明の一実施形態に係る健康管理システム10Bを示す模式図である。健康管理システム10Bは、例えば、利用者1が装着した生体情報測定装置100、サーバ11、医療機関20及びスポーツジム60で構成されるが、これに限定されるものではない。なお、サーバ11及び医療機関20は上述した実施形態と同様の構成であってもよく、詳細な説明な省略する。生体情報測定装置100は、専用送受信機5を介してサーバ11に接続してもよい。また、生体情報測定装置100に代えて、上述した何れの生体情報測定装置も利用可能である。健康管理システム10Bにおいて、例えば、腕時計型の生体情報測定装置400を用いてもよい。
【0091】
スポーツジム60は、利用者1が通常に利用する施設であって、公知の施設であり、例えば、スポーツジム用の端末61を備え、サーバ11と有線通信又は無線通信を介して接続される。なお、スポーツジム用の端末61は、汎用のコンピュータ端末でよく、専用の端末であってもよい。例えば、スポーツジム用の端末61には、パーソナルコンピュータ、iPad(登録商標)等のタブレット型端末、スマートフォン等のメールを受信可能な端末を用いることができる。また、一実施形態において、スポーツジム用の端末61は、サーバ11を介さずに、上述した移動体通信ネットワークを介して、生体情報測定装置100と接続してもよい。スポーツジム用の端末61は、生体情報測定装置100から、利用者1の生体情報を受信し、スポーツジム用の端末61のオペレータが利用者1の生体情報をモニタリングすることを可能にしてもよい。
【0092】
スポーツジム用の端末61は、健康管理システム10Bにおいて、生体情報測定装置100から取得した利用者1の生体情報等を表示可能なアプリケーションを主記憶装置に格納して実行するか、インターネットブラウザを介して、サーバ11から提供される利用者1の生体情報を表示させてもよい。
【0093】
健康管理システム10Bにおいては、利用者1の生体情報を高精度で検出することにより、医療機関20とスポーツジム60が連携して、利用者1の健康管理を行うことができる。例えば、利用者1から取得した生体情報に基づき、医療機関20からスポーツジム60へ利用者1のトレーニング方法についての指示や助言を行うことができる。トレーニングは健康の増進のために行われるが、過度のトレーニングは、利用者1の負担となり、怪我や疾患を誘発するリスクも有る。特に、持病がある利用者1にとっては、過度のトレーニングが危険な場合もある。このため、医療機関20とスポーツジム60が連携して、利用者1の健康管理を行うことは、利用者1の健康の増進に有益である。
【0094】
健康管理システム10Bにおいては、利用者1の生体情報を継続的に取得することにより、利用者1の生体情報を利用者1の生活習慣の改善や疾病の予防に利用することができる。また、利用者1の生体情報を高精度に測定可能な生体情報測定装置を用いることにより、利用者1の健康状態を正確に把握することができ、生活習慣病を予防する為の利用者1の健康管理が可能となる。
【符号の説明】
【0095】
1 利用者、2 腹部、3 シャツ、4 ズボン、5 専用送受信機、10 在宅医療支援システム、10A 安全運転支援システム、10B 健康管理システム、11 サーバ、20 医療機関、21 端末、30 民間企業、31 端末、40 行政機関、41 端末、43 救急車、50 車両、51 シート、52 統一規格変換部、53 送電コイル、54 電源、55 車両制御部、56 位置情報受信部、60 スポーツジム、61 端末、80 ベルト、80a ベルト、81 バックル、83 ベルト本体、85 電源、87 コネクタ、88 ワイヤレス充電、100 生体情報測定装置、100a 生体情報測定装置、100b 生体情報測定装置、100c 生体情報測定装置、100d 生体情報測定装置、110 生体情報測定装置本体、111 制御部、115 記憶部、117 通信部、119 電源、120 入力部、130 センサ、150 粘着部材、151 開口部、200 生体情報測定装置、210 生体情報測定装置本体、220 入力部、231 センサ、231a 発光部、231b 受光部、233 センサ、250 粘着部材、251 開口部、253 開口部、300 生体情報測定装置、310 生体情報測定装置本体、320 入力部、331 センサ、331a 発光部、331b 受光部、333 センサ、350 粘着部材、351 開口部、359 通気孔、400 生体情報測定装置、410 生体情報測定装置本体、431 センサ、431a 発光部、431b 受光部、433 センサ、450 粘着部材、451 開口部、453 開口部、460 表示部、470 ベルト、510 安全運転支援車載装置、511 制御部、511a 認証部、511b 基準判定部、512 記憶部、512a 許容情報記憶部、513 出力部、513a 表示部、513b 音声出力部、514 通信部