(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】キャパシタ部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/228 20060101AFI20220621BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20220621BHJP
H01G 4/38 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
H01G4/228 J
H01G4/30 201E
H01G4/30 513
H01G4/38 A
(21)【出願番号】P 2017082624
(22)【出願日】2017-04-19
【審査請求日】2020-02-21
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2016-0113880
(32)【優先日】2016-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、タク ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュー、ジン キュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヒョ ユン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウォン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】アン、スン クォン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェ ヨル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン マン
【合議体】
【審判長】清水 稔
【審判官】井上 信一
【審判官】山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-222442(JP,A)
【文献】特開2004-207747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/228
H01G 4/30
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積層されて積層構造をなす複数の単位積層体であって、各々の単位積層体が、本体、前記本体の内部に配置された複数の内部電極、及び前記本体の厚さ方向に延設されて前記複数の内部電極と連結された連結電極を含む、単位積層体と、
前記複数の単位積層体のうち互いに隣接するものの間に配置され、その上部と下部に位置する前記連結電極と接続されたパッド部と、
を含み、
前記上部と下部に位置する前記連結電極のそれぞれは、積層方向からみて、前記パッド部内に配置され、かつ、少なくとも一部が互いに重なり合って
おり、
前記連結電極は前記本体の側面に形成され、前記連結電極の側面および前記パッド部の側面が前記本体の外部に露出している、キャパシタ部品。
【請求項2】
前記パッド部は、前記連結電極よりも大きさが大きい、請求項
1に記載のキャパシタ部品。
【請求項3】
前記パッド部の上部と下部に位置する前記連結電極は、互いに大きさが異なる、請求項1
または請求項
2に記載のキャパシタ部品。
【請求項4】
前記パッド部の上部と下部に位置する前記連結電極は、中心軸が互いに一致しない形態である、請求項1から請求項
3の何れか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項5】
前記連結電極と前記パッド部をカバーする保護層をさらに含む、請求項
1から請求項4の何れか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項6】
前記複数の内部電極は、互いに交互に配置された複数の第1及び第2の内部電極を含む、請求項1から請求項
5の何れか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項7】
前記連結電極は、前記第1及び第2の内部電極とそれぞれ連結された第1及び第2の連結電極を含む、請求項
6に記載のキャパシタ部品。
【請求項8】
前記パッド部は、前記パッド部の上部と下部に位置する前記第1の連結電極と接続された第1のパッド部を含む、請求項
7に記載のキャパシタ部品。
【請求項9】
前記パッド部は、その上部と下部に位置する前記第2の連結電極と接続された第2のパッド部を含む、請求項
7または請求項
8に記載のキャパシタ部品。
【請求項10】
前記第1及び第2の連結電極とそれぞれ接続され、前記複数の単位積層体のうち最下部に配置されたものの下面に形成された第1及び第2の外部電極をさらに含む、請求項
7から請求項
9の何れか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項11】
前記第1及び第2の外部電極は、前記複数の単位積層体のうち最上部に配置されたものの上面にも形成された、請求項
10に記載のキャパシタ部品。
【請求項12】
前記第1及び第2の外部電極は、前記複数の単位積層体の側面には形成されていない形態である、請求項
10に記載のキャパシタ部品。
【請求項13】
3つ以上の前記単位積層体が積層された積層構造を有する、請求項1から請求項
12の何れか一項に記載のキャパシタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタ部品の一つである積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品の印刷回路基板に装着され、電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。このような積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら高容量が保証され、実装が容易であるという長所から、様々な電子装置の部品として使用されることができる。
【0003】
このようなMLCCは、小型でありながら容量が保証され、実装が容易であるという長所から、様々な電子装置の部品として使用されることができ、近年では高容量及び高信頼性の方向で開発が進められてきた。高容量のキャパシタを実現するためには、キャパシタ本体を構成する材料の誘電率を高める方法、又は、誘電体層及び内部電極の厚さを薄膜化して積層数を増加させる方法がある。
【0004】
しかしながら、高誘電率材料の組成の開発が困難であり、現工法では誘電体層の厚さを低減するのに限界があるため、このような方法で製品の容量を増加させることにも限界がある。よって、キャパシタの超小型化の要請に応えながらも、高容量の製品が得られるように、互いに異なる極性を有する内部電極の重なり面積を増加させる方法に対する研究が求められる。また、最近では基板の実装密度が高くなるにつれ、キャパシタの実装面積及び実装高さを減少させようとする試みが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、高容量で実現でき、厚さが増加しても連結電極間のアライメント(alignment)不良が低減され、電気的結合性及び信頼性に優れたキャパシタ部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するための方法として、本発明は、一実施形態によって新規のキャパシタ部品を提案しようとするものである。具体的には、本発明の幾つかの実施形態に係るキャパシタ部品は、互いに積層されて積層構造をなす複数の単位積層体を備え、各々の単位積層体は、本体、上記本体の内部に配置された複数の内部電極、及び上記本体の厚さ方向に延設されて上記複数の内部電極と連結された連結電極を含んでいる。また、当該キャパシタ部品は、上記複数の単位積層体のうち互いに隣接するものの間に配置され、その上部と下部に位置する上記連結電極と接続されたパッド部をさらに含む形態である。
【0007】
一実施形態において、上記連結電極は、上記本体を貫通する形態であることができる。
【0008】
一実施形態において、上記パッド部は、上記連結電極よりも大きさが大きいことができる。
【0009】
一実施形態において、上記パッド部の上部と下部に位置する上記連結電極は、互いに大きさが異なることができる。
【0010】
一実施形態において、上記パッド部の上部と下部に位置する上記連結電極は、中心軸が互いに一致しない形態であることができる。
【0011】
一実施形態において、上記連結電極は、上記本体の側面に形成されることができる。
【0012】
一実施形態において、上記パッド部の側面が外部に露出することができる。
【0013】
一実施形態において、上記連結電極と上記パッド部をカバーする保護層をさらに含むことができる。
【0014】
一実施形態において、上記内部電極は、互いに交互に配置された複数の第1及び第2の内部電極を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、上記連結電極は、上記第1及び第2の内部電極とそれぞれ連結された第1及び第2の連結電極を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、上記第2の連結電極は、上記第1の内部電極を貫通し、上記第1の内部電極と連結されていない形態であることができる。
【0017】
一実施形態において、上記パッド部は、その上部と下部に位置する上記第1の連結電極と接続された第1のパッド部を含むことができる。
【0018】
一実施形態において、上記パッド部は、その上部と下部に位置する上記第2の連結電極と接続された第2のパッド部を含むことができる。
【0019】
一実施形態において、上記第1及び第2の連結電極とそれぞれ接続され、上記複数の単位積層体のうち最下部に配置されたものの下面に形成された第1及び第2の外部電極をさらに含むことができる。
【0020】
一実施形態において、上記第1及び第2の外部電極は、上記複数の単位積層体のうち最上部に配置されたものの上面にも形成されることができる。
【0021】
一実施形態において、上記第1及び第2の外部電極は、上記複数の単位積層体の側面には形成されていない形態であることができる。
【0022】
一実施形態において、上記単位積層体は、3つ以上備えられて積層された形態であることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の様々な効果の一つとして、高容量で実現でき、厚さが増加しても連結電極間のアライメント不良が低減され、電気的結合性及び信頼性に優れたキャパシタ部品を得ることができる。但し、本発明の多様且つ有益な長所と効果は、上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係るキャパシタ部品を概略的に示した斜視図である。
【
図2】
図1のキャパシタ部品をI-I'線に沿った面で切って見た場合の断面図である。
【
図3】
図1のキャパシタ部品における内部電極と連結電極の形態を示した図面である。
【
図4】
図1のキャパシタ部品におけるパッド部とその周辺の形態を示した図面である。
【
図5】パッド部と連結電極における可能な連結形態を示した図面である。
【
図6】パッド部と連結電極における可能な連結形態を示した図面である。
【
図7】パッド部と連結電極における可能な連結形態を示した図面である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るキャパシタ部品を示した断面図である。
【
図9】
図8の実施形態において変形されたキャパシタ部品を示した図面である。
【
図10】
図1の実施形態において外部電極の形態が変形された実施形態を示した斜視図である。
【
図11】キャパシタ部品を製造する一例を示した図面である。
【
図12】キャパシタ部品を製造する一例を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0026】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ部品を概略的に示した斜視図である。
図2は、
図1に示すキャパシタ部品をI-I'線に沿った面で切って見た場合の断面図である。
図3は、
図1のキャパシタ部品における内部電極と連結電極の形態を示した図面である。
図4は、
図1のキャパシタ部品におけるパッド部とその周辺の形態を示した図面であり、
図5から
図7は、パッド部と連結電極における可能な連結形態を示した図面である。
【0028】
先ず、
図1から
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るキャパシタ部品100は、複数の単位積層体110A、110B、110Cが積層された構造であり、これらの間には、パッド部131、132が配置される。パッド部131、132は、後述するように、単位積層体110A、110B、110C間の電気的結合性を向上させるために提供される。そして、第1及び第2の外部電極141、142がキャパシタ部品100の下部に配置されることができる。具体的には、第1及び第2の外部電極141、142は、単位積層体110A、110B、110Cのうち最下部に配置されたものの下面に形成されることができる。
【0029】
本実施形態の場合、キャパシタ部品100の容量を効果的に増加させるために、単位積層体110A、110B、110Cを形成した後、これらを積層した。言い換えると、高容量のために一度に誘電体層と内部電極を複数積層して、一度にキャパシタを実現する方式ではなく、単位積層体110A、110B、110Cを互いに別個に作製した後、これらを積層する方式を採用した。これによって、製造工程が効率よく行われ、キャパシタ部品100の容量を効果的に増加させることができ、容量や厚さの調節も容易になる。この場合、
図2に示すように、本実施形態では、3つの単位積層体110A、110B、110Cを使用した例を説明しているが、より高い容量を得るために、より多くの数の単位積層体が使用されてもよい。
【0030】
単位積層体110A、110B、110Cは、本体101、本体101の内部に配置された複数の内部電極111、112、及び本体101の厚さ方向に延設されて複数の内部電極111、112と連結された連結電極121、122を含む。本実施形態では、複数の内部電極111、112に対して、それぞれ、第1の内部電極111と第2の内部電極112と称し、連結電極121、122に対しては、第1の内部電極111と連結されるものを第1の連結電極121と、第2の内部電極112と連結されるものを第2の連結電極122と称する。また、単位積層体110A、110B、110C間の第1の連結電極121を連結するものに対しては第1のパッド部131と、第2の連結電極122を連結するものに対しては第2のパッド部132と称する。
【0031】
本体101は、複数の誘電体層が積層されて形成されることができ、このような誘電体層としては、当該技術分野で知られているセラミックなどを用いることができる。例えば、BaTiO3(チタン酸バリウム)系セラミック物質などを含むグリーンシートを焼成して本体101を形成することができる。この場合、上記BaTiO3系セラミック粉末としては、例えば、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶した(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3又はBa(Ti1-yZry)O3などが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、チタン酸バリウム系以外にも、高誘電率を有する他の物質を使用することができ、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系物質を使用して本体101を形成することができる。さらに、本体101には、セラミック粉末とともに、必要に応じて、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などが添加されることができる。一方、グリーンシートの焼成により得られた誘電体層の場合、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)でしか確認できない程度に、層間の区別なく一体化されることができる。
【0032】
各々の単位積層体110A、110B、110Cに含まれた第1及び第2の内部電極111、112は、互いに異なる極性を有し、交互に配置されている。この場合、第1及び第2の内部電極111、112は、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷する方法などによって形成されることができる。第1及び第2の内部電極111、112をなす物質の場合、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)又はこれらの合金などが挙げられる。また、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法もしくはグラビア印刷法などを使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
第1及び第2の連結電極121、122は、本体101の厚さ方向(
図2においてZ軸方向)に延設されて第1及び第2の内部電極111、112とそれぞれ連結され、
図2及び
図3に示されたように、本体101を貫通して形成されることができる。このような貫通孔(through-hole)タイプの連結電極121、122の場合、内部電極111、112のうち連結されていないものが、貫通した形態で提供されてもよい。言い換えると、
図3から分かるように、第2の連結電極122は、第1の内部電極111を貫通しながら、これと連結されていない形態、すなわち、間に絶縁空間Sが存在する形態である。同様に、第1の連結電極121は、第2の内部電極112を貫通しながら、これと連結されていなくてもよい。
【0034】
一方、第1及び第2の連結電極121、122は、本体101と内部電極111、112に孔を設け、そこに導電性物質が充填されて形成されることができ、このような導電性物質は、導電性ペーストを塗布するか、又は、めっきなどの方法によって用いることができる。この場合、単位積層体110A、110B、110Cの孔は、セラミックグリーンシートにレーザ工法又はパンチングなどによって設けられることができ、又は、焼成後の積層体に孔加工することによって得られることができる。
【0035】
上述したように、パッド部131、132は、単位積層体110A、110B、110Cの間に配置され、互いに異なる単位積層体110A、110B、110Cに配置された連結電極121、122を互いに連結する。単位積層体110A、110B、110Cを積層してキャパシタ部品100を実現する場合、連結電極121、122の位置合わせ(アラインメント)が適切にできないと、電気的特性が低下することがあり、互いに上下に位置する連結電極121、122同士の連結ができないこともある。本実施形態では、パッド部131、132を採用することで、連結電極121、122間の電気的結合性を確保し、アライメント不良を低減させ、これにより、安定して高容量が実現されるようになる。パッド部131、132を形成する物質としては、特に制限されず、パッド部131、132は内部電極111、112などと同一の物質からなってもよい。
【0036】
上述のパッド部131、132の機能を考慮すると、
図4に示されたように、パッド部131、132は、連結電極121、122よりも大きくてもよい。パッド部131、132が単位積層体110A、110B、110Cの間に提供されることによって、
図5に示されたように、連結電極121の大きさが小さくても、パッド部131と安定して結合されることができる。また、上部と下部に位置する連結電極121の中心軸が互いに一致せずに、中心軸同士がずれている場合(
図6)も、大きさが互いに異なる場合(
図7)も、連結電極121の連結性が低下するという問題を最小限に抑えることができる。したがって、パッド部131を採用することによって、複数の単位積層体110A、110B、110Cを別個作製し、積層して得られたキャパシタ部品100における、単位積層体110A、110B、110C間のアライメント不良を低減することができ、電気的結合性及び信頼性を向上させることができる。
図5から
図7では、第1のパッド部131と第1の連結電極121のみを示したが、第2のパッド部132と第2の連結電極122の場合も同様である。
【0037】
第1及び第2の外部電極141、142は、キャパシタ部品100を基板などに実装する領域として提供されることができ、必要に応じて多層構造を有してもよい。本実施形態のように、第1及び第2の外部電極141、142は、キャパシタ部品100の下部のみに形成され、上面や側面には形成されていない形態であってもよい。但し、
図10の変形例によるキャパシタ部品100'のように、上部に形成された外部電極143、144を含んでいてもよい。ここで、上部とは、複数の単位積層体のうち最上部に配置されたものの上面のことと理解されることができる。
【0038】
図8は、本発明の他の実施形態に係るキャパシタ部品を示した断面図である。
図9は、
図8の実施形態において変形されたキャパシタ部品を示す。
【0039】
図8を参照すると、キャパシタ部品200は、上述の実施形態と同様に、複数の単位積層体210A、210B、210Cが積層された構造であり、これらの間には、パッド部231、232が配置される。そして、第1及び第2の外部電極241、242がキャパシタ部品200の下部に配置される。また、単位積層体210A、210B、210Cは、本体201、本体201の内部に配置された複数の内部電極211、212、及び本体201の厚さ方向に延設されて複数の内部電極211、212と連結された連結電極221、222を含む。
【0040】
連結電極が本体を貫通している上述の実施形態とは異なり、本実施形態の場合、連結電極221、222は本体201の側面に形成されることができ、これによって、連結電極221、222の側面が本体201の外部に露出するようにすることができる。また、
図8から分かるように、パッド部231、232の側面も本体201の外部に露出させることができる。この場合、
図9の変形例のように、外部に露出した連結電極221、222とパッド部231、232の側面を保護してキャパシタ部品100の信頼性を向上させるために、連結電極221、222とパッド部231、232の露出箇所をカバーするように保護層250を形成することができる。保護層250は、絶縁性樹脂、絶縁性セラミックなどの物質を含むことができ、必要に応じて、放熱性能などを向上させるために機能性フィラーが追加されてもよい。
【0041】
図11及び
図12は、キャパシタ部品を製造する一例を示したもので、上述のキャパシタ部品の構造は、このような製造方法の説明から、さらに明らかになるであろう。以下の製造方法は、
図8のキャパシタ部品を基準としているが、
図1のキャパシタ部品も同様の方法により製造されることができる。
【0042】
先ず、
図11及び
図12を参照すると、単位積層体A、B、Cを設けてこれらを積層するが、単位積層体A、B、Cは、本体301、内部電極311、312、内部電極311、312と接続された連結電極320、及びパッド部330を含む。上述したように、単位積層体A、B、Cの数は必要な容量、厚さ条件などを考慮して調節することができる。
【0043】
単位積層体A、B、Cを積層した後、
図12に示されたラインLに沿ってスクライビング工程を行うことで、単位キャパシタ部品として分離する。この際、最下部に位置する単位積層体Aなどに外部電極340を形成する工程が、上記スクライビング工程の前後に行われることができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当該技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0045】
100 キャパシタ部品
101 本体
111、112、211、212、311、312 内部電極
121、122、221、222、320 連結電極
131、132、231、232、330 パッド部
141、142、143、144、241、242、340 外部電極