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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】シーブベッド保持システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20220621BHJP
   B64D 13/02 20060101ALI20220621BHJP
   B64D 13/06 20060101ALI20220621BHJP
   B64D 37/32 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B01D53/04 110
B64D13/02
B64D13/06
B64D37/32
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018553431
(86)(22)【出願日】2017-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 US2017026784
(87)【国際公開番号】W WO2017180508
(87)【国際公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-02-03
(31)【優先権主張番号】62/320,976
(32)【優先日】2016-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505340881
【氏名又は名称】コブハム・ミッション・システムズ・ダベンポート・エルエスエス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096725
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 明▲ひこ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100171697
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 尚子
(72)【発明者】
【氏名】ブエンテイング、トッド
(72)【発明者】
【氏名】ディッケン、レーン
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー、ジャスティン
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05427609(US,A)
【文献】特開2001-079330(JP,A)
【文献】特開平05-099564(JP,A)
【文献】実開昭62-095166(JP,U)
【文献】米国特許第6730143(US,B1)
【文献】特表2016-538988(JP,A)
【文献】特開2009-222045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14-53/18
B01D 53/34-53/85
B01D 53/92、53/96
B64D 13/02
B64D 13/06
B64D 37/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モレキュラーシーブユニット用の保持システムであって、中に画定された入口オリフィスを有する入口端部キャップにより、第1の端部でシールされ、中に画定された出口オリフィスを有する出口端部キャップにより、第2の端部でシールされ、吸着材料のパックされたシーブベッドを保持するハウジングを含む保持システムであって、
a. 上面及び底面を有す有孔プレートであって、前記出口端部キャップに近接して前記パックされたシーブベッドの上に位置する有孔プレートと、
b. 頂端部を有し、該頂端部にそって前記有孔プレートの前記底面に結合されたスカートであって、前記頂端部面から底端部に伸び、前記ハウジングの内表面と係合する外側表面を有し、さらに前記吸着材料を前記ハウジングに近接して前記ハウジングの中心軸線に向かって中心に向けるためのカップ状の内側表面を有するスカートと、
c. 前記出口端部キャップと前記有孔プレートの前記上面とを係合する付勢部材であって、前記有孔プレートを前記パックされたシーブベッドに押し付ける付勢部材と、
d. 前記スカートの前記外側表面と前記スカートの前記底端部に接近した前記ハウジングの前記内表面との間に挿入される第一の位置決め構成要素と、
を備える保持システム。
【請求項2】
e. 前記有孔プレートと、前記パックされたシーブベッドとの間に配置されるフェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンをさらに含む、請求項1に記載の保持システム。
【請求項3】
前記フェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンの少なくとも一部が、前記有孔プレートと前記スカートとの間に挿入される、請求項2に記載の保持システム。
【請求項4】
前記スカートが、前記スカートの前記外側表面と前記スカートの前記頂端部に接近した前記ハウジングの前記内表面との間に挿入される第二の位置決め構成要素をさらに含む、請求項1に記載の保持システム。
【請求項5】
前記第一及び第二の位置決め構成要素の各々がOリングである、請求項4に記載の保持システム。
【請求項6】
前記付勢部材がウェーブばねを含む、請求項1に記載の保持システム。
【請求項7】
前記付勢部材が、2つのウェーブばね含むウェーブばね組立体を備え、第1のばねが第2のばね内の中央に位置する、請求項1に記載の保持システム。
【請求項8】
モレキュラーシーブユニットであって、
a. 中に画定された入口オリフィスを有する入口端部キャップにより、第1の端部でシールされ、中に画定された出口オリフィスを有する出口端部キャップにより、第2の端部でシールされるハウジングと、
b. 前記ハウジング内に配置された、パックされた吸着材料シーブベッドと、
c. 前記パックされたシーブベッドと前記出口端部キャップとの間に配置される保持システムと、
を備え、
前記保持システムは、
i. 上面と底面とを有する有孔プレートであって、前記出口端部キャップに近接して前記パックされたシーブベッドの上に位置する有孔プレートと、
ii. 頂端部を有し、該頂端部にそって前記有孔プレートの前記底面に結合されたスカートであって、前記頂端部面から底端部に伸び、前記ハウジングの内表面と係合する外側表面を有し、さらに前記吸着材料を前記ハウジングに近接して前記ハウジングの中心軸線に向かって中心に向けるためのカップ状の内側表面を有するスカートと、
iii. 前記出口端部キャップと前記有孔プレートの前記上面とを係合する付勢部材であって、前記有孔プレートを前記パックされたシーブベッドに押し付ける付勢部材と、
iv. 前記スカートの前記外側表面と前記スカートの前記底端部に接近した前記ハウジングの前記内表面との間に挿入される第一の位置決め構成要素と、
を含むことを特徴とするモレキュラーシーブユニット。
【請求項9】
前記保持システムが、
v. 前記有孔プレートと前記パックされたシーブベッドとの間に位置するフェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンとをさらに、含む請求項8に記載のモレキュラーシーブユニット。
【請求項10】
前記フェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンの少なくとも一部が、前記有孔プレートと前記スカートとの間に挿入される、請求項9に記載のモレキュラーシーブユニット。
【請求項11】
前記スカートが、前記スカートの前記外側表面と前記スカートの前記頂端部に接近した前記ハウジングの前記内表面との間に挿入される第二の位置決め構成要素をさらに含む、請求項8に記載のモレキュラーシーブユニット。
【請求項12】
前記第一及び第二の位置決め構成成分の各々がOリングである、請求項11に記載のモレキュラーシーブユニット。
【請求項13】
前記付勢部材がウェーブばねを含む、請求項8に記載のモレキュラーシーブユニット。
【請求項14】
前記付勢部材が2つのウェーブばねを含み、第1のばねは第2のばね内の中央に位置する、請求項に記載のモレキュラーシーブユニット。
【請求項15】
中に画定された入口オリフィスを有する入口端部キャップにより、第1の端部でシールされ、中に画定された出口オリフィスを有する出口端部キャップにより、第2の端部でシールされ、吸着材料のパックされたシーブベッドを保持するハウジングを含むモレキュラーシーブユニット用の保持システムであって、
a. 上面及び底面を有す有孔プレートであって、前記出口端部キャップに近接して前記パックされたシーブベッドの上に位置する有孔プレートと、
b. 頂端部を有し、該頂端部にそって前記有孔プレートの前記底面に結合されたスカートであって、前記頂端部面から底端部に伸び、前記ハウジングの内表面と係合する外側表面を有し、さらに前記吸着材料を前記ハウジングに近接して前記ハウジングの中心軸線に向かって中心に向けるためのカップ状の内側表面を有するスカートと、
c. 前記出口端部キャップと前記有孔プレートの前記上面とを係合する付勢部材であって、前記有孔プレートを前記パックされたシーブベッドに押し付ける付勢部材と、
d. 前記有孔プレートと、前記パックされたシーブベッドとの間に配置されるフェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンと、
を含み、
前記スカートは、前記スカートの前記外側表面と前記スカートの前記底端部に接近した前記ハウジングの前記内表面との間に挿入される第一の位置決め構成要素を有する、
モレキュラーシーブユニット用の保持システム。
【請求項16】
前記フェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンの少なくとも一部が、前記有孔プレートと前記スカートとの間に挿入される、請求項15に記載の保持システム。
【請求項17】
前記付勢部材がウェーブばねを含む、請求項15に記載の保持システム。
【請求項18】
前記スカートが、前記スカートの前記外側表面と前記スカートの前記頂端部に接近した前記ハウジングの前記内表面との間に挿入される第二の位置決め構成要素をさらに含む、請求項15に記載の保持システム。
【請求項19】
前記第一及び第二の位置合わせ構成要素の各々がOリングである、請求項18に記載の保持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモレキュラーシーブ装置に関し、より詳細には、モレキュラーシーブユニット内に粒子状材料を収容してパックするためのモレキュラーシーブ保持システムに関し、さらに詳細には、 モレキュラーシーブユニットが過酷な環境状況を経た後であっても、モレキュラーシーブユニット内に粒状材料を収容して、パックするためのモレキュラーシーブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機オンボード酸素発生システム/オンボード不活性ガス発生システム(OBOGS/OBIGGS)ユニットは、加圧空気源からガスを分離して、酸素濃縮空気流を飛行乗務員に供給するとともに、酸素枯渇空気流を供給して燃料タンクのアレッジを不活性化するように設計されている。このようなユニットは、典型的には、圧力スイング吸着(PSA)(これに限定されないが)(ゼオライトなどのモレキュラーシーブ粒子状材料がベッドのようにパックされ、モレキュラーシーブユニット内に保持される)などのモレキュラーシーブガス分離プロセスを使用する。シーブユニットは、ハウジングと、入口端部キャップと、出口端部キャップと、内部にパックされたシーブベッドとを含む。加圧された吸気ガスが入口端部キャップを通って入り、シーブベッド(ここでは、シーブ材料によって吸気ガスが分離される)を通過し、吸気ガスの望ましくない成分(例えばN2)がシーブ材料によって選択的に吸着され、所望の生成ガス(例えば、O2)がシーブ材料を通過し、出口端部キャップを通過できる。
【0003】
ハウジング内のシーブベッドの粒子状材料の望ましくない移動を防止するために、従来のシーブハウジングは、プレートとばねを有し、ばねは、コンパクトベッドを維持するためにプレート上で下向きの力を加える。このような力は、吸気空気の不要成分をシーブベッドの粒状材料によって吸着するようにするのではなく、ハウジングの長さを横切る間隙の形成を抑制するように作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
課題は、パックされたベッドに十分な下向きの力を加えて、シーブ粒子状材料が過酷な適用状況下で互いに対して移動しないようにし、同時に粒子状材料を粉砕する力レベルを回避することである。この条件を達成する確率は、シーブベッドに適用される圧縮力が適用される断面積にわたって均一である場合に劇的に増加する。そのため、これまでのシーブベッドは、パックされたベッドに荷重を分散させるための圧縮力を提供するために、有孔プレートに結合された円錐形のスプリングを利用してきた。しかしながら、過酷な環境状況下では、パックされたベッド及びその保持システムは、有孔プレートの揺動及び/又は傾斜を引き起こす力を受ける(その結果、パックされたベッドの移動し、それにより引き起こされるモレキュラーシーブユニットがダメージを受ける)可能性がある。このタイプの故障の危険性は、組み立て中に有孔プレート又はばねのわずかな位置ずれがあっても増加する。
【0005】
したがって、材料ベッドの損傷及び/又はシーブ材料の保持の損失のリスクなしに、極端な環境状況で受けた力に耐えることができるモレキュラーシーブ保持システムの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般に、モレキュラーシーブユニット内で使用するための保持システムに関する。モレキュラーシーブユニットは、その中に画定された入口オリフィスを有する入口端部キャップにより第1の端部でシールされ、その内部に画定された出口オリフィスを有する出口端部キャップにより第2の端部でシールされたハウジングを備える。ハウジングは、さらに、パックされた吸着材料のシーブベッドを保持するように構成される。保持システムは、上面及び底面を有する有孔プレート(ここで、有孔プレートは、前記出口エンドキャップに近接して前記パックされたシーブベッドの上に配置されるように構成されており)、 有孔プレートの底面に結合されたスカートと、出口端部キャップと有孔プレートの上面とが係合するように構成された付勢部材(付勢部材は、パックされたシーブベッドに対して有孔プレートを押し付ける)とを備える。保持システムは、有孔プレートとパックされたシーブベッドとの間に配置されるように構成されたフェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンをさらに備えてもよい。フェルトフィルタ及び/及びメッシュスクリーンの少なくとも一部はまた、有孔プレートとスカートとの間に挿入されてもよい。本発明の一態様では、付勢部材は、ウェーブばねからなってもよい。別の態様では、付勢部材は二つのウェーブばねを含むウェーブはね組立体を備えてもよく、ここで一方のばねは他方のばね内の中央に位置する。
【0007】
本発明のさらなる態様では、スカートは、スカートとハウジングの内壁との間に挿入されるように構成された1つ以上の位置合わせ構成要素をさらに含むことができる。1つ以上の位置合わせ構成要素の各々は、Oリングであってよい。 スカートの内面はまた、ハウジングの中心軸線に向かって中心へと吸着材料をハウジングに近づけるように構成されてもよい。
【0008】
本発明の別の態様では、モレキュラーシーブユニットが、その中に画定された入口オリフィスを有する入口端部キャップにより第1の端部でシールされ、その中に画定された出口オリフィスを有する出口端部キャップにより第2の端部でシールされたハウジングを備える。パックされた吸着材料のシーブベッドは、ハウジング内に配置し、保持システムは、パックされたシーブベッドと出口端部キャップとの間に配置することができる。保持システムは、上面及び底面を有する有孔プレート(有孔プレートは、出口端部キャップに近接したパックされたシーブベッドの上に配置されてもよく)と、前記有孔プレートの底面に結合されたスカートと、前記出口端部キャップと前記有孔プレートの上面とを係合するように構成された付勢部材(付勢部材は、有孔プレートをパックされたシープベッドに対して押し付ける)とを備える。
【0009】
本発明の他の態様では、モレキュラーシーブユニット内で使用する保持システムは、上面及び底面を有する有孔プレート(有孔プレートは、出口端部キャップに近接して、パックされたシーブベッドの上に配置されるように構成されており)と、有孔プレートの底面に結合されたスカート(スカートは、該スカートとハウジングの内壁との間に挿入されるように構成された1つ以上の位置合わせ構成要素を含み)と、出口端部キャップと有孔プレートの上面とを係合するように構成された付勢部材(付勢部材は、有孔プレートをパックされたシーブベッドに対して押し付け)と、有孔プレートとパックされたシーブベッドとの間に配置されるように構成されたフェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーンと、を含む。
【0010】
本発明のさらなる目的、利点及び新規な態様は、以下の説明に部分的に記載され、添付の図面を参照して考察されるとき、部分的に本発明の実施において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、従来技術のモレキュラーシーブユニットの部分端面図である。
図2図2は、本発明に従ったモレキュラーシーブユニットの部分端面図である。
図3図3は、図2に示されたモレキュラーシーブユニット内で使用できる有孔プレート及びスカートを示す。
図4図4は、図2に示されたモレキュラーシーブユニット内で使用できる同軸はね装置の斜視図である。
図5図5は、図1に示された従来技術のモレキュラーシーブユニットと図2に示された本発明によるモレキュラーシーブユニットとを比較する、振動現象の間のシーブ圧縮対時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示されているように、従来技術のモレキュラーシーブユニット10は、一般に、第1の端部(図示せず)にある入口端部キャップでキャップされ、第2の端部16にある、対向する出口端部キャップ14によってキャップされた管状のベッドハウジング12を備える。Oリングシール18を使用するなどして、それぞれのエンドキャップにより各端部をシールすることができる。各端部キャップはさらに、出口端部キャップ14の出口オリフィス20のような入口又は出口オリフィスをそれぞれ含むことができる。入口端部キャップと出口端部キャップ14との間にベッドハウジング12内に吸着材料のシーブベッド22(例えば、ゼオライト)を配置することができる。このようにして、吸気空気の加圧空気流が、入口端キャップの入口オリフィスを通ってモレキュラーシーブユニット10に入り、シーブベッド22の吸着材料を通過し、それにより所望の生成ガスが出口端部キャップ14の出口オリフィスを通って排出され得る。本発明の一態様では、吸着材料は、空気供給源から望ましくない成分(例えば、N2)を選択的に除去して、所望の生成ガス(例えばO)を排出するように構成される。
【0013】
ベッド保持システム24は、ベッド22の上方でハウジング12内に配置され、出口端部キャップ14と協働するように構成されてよい。ベッド保持システム24は、シーブベッド22の上に積層されたフェルトフィルタ及び/又はメッシュスクリーン(以後、フェルトスクリーン)26を含み、プレート底面30に沿ってフェルトフィルタ26の上に着座するように配置される有孔プレート28を含むことができる。フェルトフィルタ26は、有孔プレート28内の穿孔を通って移動することによって吸着材料がシーブベッド22から逃げるのを防止することができる。円錐バネ32は、有孔プレート28と出口端部キャップ14との間に配置されてもよく、円錐バネ32は、有孔プレート28に(対向する入口エンドキャップに向かって)下向きの力(矢印Fで示す)を与えるように付勢され、コンパクトなシーブベッド22をベッドハウジング12内に維持する。圧縮材料内のいかなる隙間も、加圧吸気空気がガス分離を受けることなく流れることができる流体経路を提供することができるので、コンパクトなシーブベッド22が望ましい。その結果、望ましくない成分が生成ガス中に残ることがあり、それによって空気分離効率が低下し、有害又は致命的な生成ガスを生成する可能性がある。逆に、シーブベッド22をあまりにも大きな力でパックすると、吸着材料が粉砕され、吸着材料(すなわち、ゼオライト)上又は吸着材料内のガス分離のための活性サイトの数及び利用可能性が減少する。この場合もまた、このような状況は、生成ガス中に望ましくない成分が残ってしまう可能性がある。
【0014】
図1に示されているように、シーブベッド22の吸着材料は、時間の経過とともに沈降又は縮小することがあり、ある環境では、ユニット10などのモレキュラーシーブユニットは、特に航空機のOBOGS / OBIGGSユニット内に設置されたとき、より詳細には軍用機内に設置された場合に、振動のような極端な応力を受けることがある。そのような振動を受けると、シーブベッド22の吸着材料(すなわち、ゼオライト)はさらにパックされ、それによりベッド内に亀裂や隙間を生成ようになる。亀裂や隙間の生成を防止するために、モレキュラーシーブユニット10は、有孔プレート28を、その向き及び材料の封じ込めを維持しながら、入口端部キャップに対して付勢するように構成された円錐形ばね32を含むことができる。しかしながら、シーブベッド22が、円錐形ばね32によって加えられるばね力が有孔プレート28を介してベッドの締め付けを維持するには不十分な程度で締め付けられるとき、ベッド保持システム24は故障する可能性がある。ある例では、モレキュラーシーブユニットの空気分離効率を低下させる可能性のある亀裂及び間隙が生成され、潜在的に危険なレベルにする可能性がある。第2の例では、有孔プレート28は、シーブベッド22の粒状吸着材料が、出口オリフィス20を通ってモレキュラーシーブユニット10から排出され得るように傾斜(すなわち、ベッドハウジング12の長手方向軸線Aにもはや垂直にはならない)してもよい。そのような排出は、モレキュラーシーブユニット10の破局的な故障を知らせるものとなる。
【0015】
図2に示されているように、本発明によるモレキュラーシーブユニット34は、一般にベッド保持システム36を受け入れるように構成されたハウジング12を含むことができる。上述したモレキュラーシーブユニット10と同様に、モレキュラーシーブユニット34は、一般に、第1の端部15で入口端部キャップ13によってキャップされ、第2の端部16で、対向する出口端部キャップ14によってキャップされた管状のベッドハウジング12を含む。各端部は、Oリングシール18を使用することなどによって、それぞれの端部キャップでシールされてもよい。各端部キャップは、出口端部キャップ14の出口オリフィス20のようなそれぞれの入口又は出口オリフィスをさらに含むことができる。入口端部キャップ14と出口端部キャップ14との間のベッドハウジング12内に吸着材料(例えば、ゼオライト)のシーブベッド22を配置することができる。このようにして、従来技術のベッド保持システム24は、ハウジング12又はいずれかのエンドキャップの修正を必要とすることなく、ベッド保持システム36と交換することができる。
【0016】
図2及び図3に示されているように、ベッド保持システム36は、シーブベッド22の上に積層されるように構成されたフェルトフィルタ38を含み、有孔プレート40は、プレート底面42に沿ってフェルトフィルタ38の上に着座するように構成される。フェルトフィルタ38は、有孔プレート40内の穿孔を通って移動することによって吸着材料がベッド22から逃げるのを防止することができる。ワッシャ44は、有孔プレート40の頂面46及び対向フェルトフィルタ38の上に配置されてもよい。有孔プレート40(又はワッシャ44を含む場合はワッシャ)と出口端部キャップ14との間に、ウェーブばね48などの付勢部材を介在させることができる。ウェーブばね48は、有孔プレート40 /ワッシャ44に、対向する入口端部キャップに向かって下向きの力(矢印F 'で示す)を与えるように付勢され、コンパクトなシーブベッド22をベッドハウジング12内に維持する。
【0017】
スカート50は、ねじ、ボルト又はリベットなどの締結具52(これに限定されない)によってプレート底面42に結合されてもよいもよい。スカート50は、その間に側壁58を画定する開放底端部54及び開放頂端部56を含んでもよい。側壁58の内側表面60は、カップ状の形状を形成するように構成されてもよく、一方、外側表面62は、1つ以上の位置合わせ構成要素64も含んでもよい。限定ではなく例として、位置合わせ構成要素64は、1つ以上のOリングを含んでもよい。本発明の一態様によれば、位置合わせ構成要素64と共にスカート50は、ハウジング12の壁に対して有孔プレート40の垂直方向を維持できるように構成することができる。位置合わせ構成要素64は、スカート50の外側表面62とハウジング12との間の気密シールをさらに維持することができる。特定の操作理論を記載するまでもなく、内側面60は、シーブベッド22の外周に、シーブベッド22の吸着性材料を捕捉し、有孔プレート40の中心に向かって吸着材料を向けるように動作してもよい。こうした移動は、シーブベッド22内の吸収性材料を平坦にすることを助け、吸着材料の凝集や亀裂の発生を防止し、有孔プレート40を揺動し、傾けるような力を緩和する。
【0018】
本発明の他の態様によれば、 図4に示されているように、ベッド保持システム36のウェーブはね48は、ウェーブばね組立体66に置き換えることができる。組立体66は、第1のウェーブばね68が第2のウェーブばね70内の中心に位置する第1及び第2ウェーブばね68、70を組み込むことができる。この構成は、有孔プレート40(及び/又はワッシャ44)に加えられるバネ力F '(図2)の均一性を促進し得る。均一なバネ力F 'が、シーブベッド22に加えられ、それにより有孔プレート40の潜在的な揺動又は傾きをさらに緩和することができる。同軸に向けられた一対のウェーブばねとして示され説明されているが、ウェーブばね組立体66内に。システム条件又はハウジングの容量によって定められる、任意の数のウェーブばねが含まれてもよいことを当業者は理解すべきである。ウェーブばね48、68、70の各々は、予め硬化された平らなワイヤからエッジコイル工程により製造されてもよいことをさらに理解すべきである。さらに、ウェーブばねが説明されているが、当業者であれば、限定するものではないこと、コイルばね又は円錐ばねなど、任意の適切な付勢部材を利用できること、このような他の追加の付勢部材が本開示の範囲内であること分かることである。前述のとおり、モレキュラーシーブユニット34の例示的なウェーブばね48(又は他のウェーブばね68、70)は、対応する円錐形又はコイル状のばねよりも質量が小さく、さらにばねの自由な移動量がより大きくなる。
【0019】
図5に示されているように、本発明に従ったモレキュラーシーブユニット34のシーブ圧縮72は、図2に示された従来技術のモレキュラーシーブユニット10のシーブ圧縮74(軍用機内に配置された場合に典型的にランダム振動の影響を受ける。)と比較されている。試験時間の1分間は、一般に、単位飛行時間の1時間に相当することに留意されたい。ウェーブばね/ウェーブばね組立体の使用は、円錐ばねのばね限界78(バネ限界が、コンパクトなシーブベッドを維持するにはバネ力が不十分となることを示す)と比較して、バネ限界76に延ばすことに留意されたい。図5に示されているように、先行技術のモレキュラーシーブユニット10では、約350分の試験時間で、そのバネ限界よりも大きいシーブベッド圧縮を受けており、従って参照番号80で示されるようにモレキュラーシーブユニットが故障することを示している。対照的に、ベッド保持システム36のような本発明のベッド保持システムを使用するシーブ圧縮は、モレキュラー34では故障するところでも、試験時間が約700分後であっても回避された。したがって、シーブベッド22の振動圧縮によるモレキュラーシーブユニット34では破損することが、本発明によるベッド保持システムを使用するときには、無くならないとしても、大幅に低減され得る
【0020】
本発明の前述の説明は、例示及び説明のためのものである。包括的であることを意図しないが、本発明を、開示されたとおりの形態に限定することも意図していない。開示された実施形態は、上記教示を参照して変更されてもよいものであることは、当業者には明らかであろう。記載された実施形態は、当業者が様々な実施形態において、また企図される特定の用途に適した様々な変更を伴って本発明を利用することを可能にするために、本発明の原理の実例とその実用的な適用を提供するように選択されている。したがって、上記の説明は、限定ではなく例示的なものとみなされるべきであり、本発明の真の範囲は特許請求の範囲に記載されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5