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特許7091594薄膜トランジスタ、アレイ基板、表示装置、及び薄膜トランジスタの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ、アレイ基板、表示装置、及び薄膜トランジスタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20220621BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220621BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220621BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220621BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220621BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220621BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220621BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
H01L29/78 616S
H01L29/78 618B
H01L29/78 616U
H01L29/78 616L
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/10
G02F1/1368
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018562182
(86)(22)【出願日】2017-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2017099983
(87)【国際公開番号】W WO2019041248
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】リウ、 ウェイ
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-080915(JP,A)
【文献】特開平04-206732(JP,A)
【文献】特開2015-179818(JP,A)
【文献】特開2003-264198(JP,A)
【文献】特開平10-173197(JP,A)
【文献】特開2013-089646(JP,A)
【文献】特開2012-169610(JP,A)
【文献】特開2012-178439(JP,A)
【文献】特開2015-144176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H01L 21/336
G09F 9/30
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/02
H05B 33/10
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離間して配置された第1ソース電極及び第1ドレイン電極と、
前記第1ソース電極及び前記第1ドレイン電極に配置され、かつ前記第1ソース電極と前記第1ドレイン電極との間に配置されたチャネル部、前記第1ソース電極に電気的に接続されたソース電極コンタクト部、及び前記第1ドレイン電極に電気的に接続されたドレイン電極コンタクト部とを有する活性層と、
前記ソース電極コンタクト部の前記第1ソース電極から離れた側に配置され、かつ前記第1ソース電極に電気的に接続された第2ソース電極と、
前記ドレイン電極コンタクト部の前記第1ドレイン電極から離れた側に配置され、かつ前記第1ドレイン電極に電気的に接続された第2ドレイン電極と、を備え、
前記活性層は、長尺状部分と2つの突出部を含み、前記第2ソース電極は、前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの一方の突出部の上方に位置し、且つ前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの一方の突出部の上方に接触し、前記第2ドレイン電極は、前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの他方の突出部の上方に位置し、且つ前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの他方の突出部の上方に接触し、前記第2ソース電極は、1つの突出部を含み、前記第2ドレイン電極は、1つの突出部を含み、前記活性層の一方の突出部と前記第2ソース電極の突出部のベース基板における正射影が重なり、前記活性層の他方の突出部と前記第2ドレイン電極の突出部のベース基板における正射影が重なり、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極は、前記活性層の突出部に位置する第1ビアによって接続され、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極は、前記活性層の突出部に位置する第2ビアによって接続され、
前記第1ソース電極、前記第1ドレイン電極とゲート電極のベース基板における正射影が分離し、
チャネル部の、ベース基板に近い表面は、バッファ層に接触し、且つチャネル部は、平板形状であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項2】
請求項1に記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記ソース電極コンタクト部は、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極との間に挟まれた、前記ソース電極コンタクト部の第1部分を含み、
前記ドレイン電極コンタクト部は、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極との間に挟まれた、前記ドレイン電極コンタクト部の第1部分を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項3】
請求項1に記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記ソース電極コンタクト部は、前記ソース電極コンタクト部の第2部分を含み、
前記ドレイン電極コンタクト部は、前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分を含み、
前記ソース電極コンタクト部の第2部分及び前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分とが導電部であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項4】
請求項1に記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記ソース電極コンタクト部を貫通する第1ビアと、前記ドレイン電極コンタクト部を貫通する第2ビアとをさらに含み、
前記第2ソース電極は、前記第1ビアを介して前記第1ソース電極に電気的に接続され、第2ドレイン電極は、前記第2ビアを介して第1ドレイン電極に電気的に接続されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項5】
請求項1に記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記活性層上に配置されたゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層の前記チャネル部から離れた側のゲート電極と
を有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項6】
請求項5に記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記ゲート電極、前記第2ソース電極、および第2ドレイン電極は、同一の層にあり、同じ材料からなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項7】
請求項1記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記活性層は、金属酸化物半導体材料を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項8】
請求項1に記載の薄膜トランジスタにおいて、
前記薄膜トランジスタは、トップゲート型の薄膜トランジスタであることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項9】
請求項1に記載の薄膜トランジスタにおいて、
ゲート絶縁層をさらに含み、
ゲート絶縁層のベース基板における射影は、ゲート電極のベース基板における射影と完全に重なっていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタを備えることを特徴とするアレイ基板。
【請求項11】
請求項10に記載のアレイ基板において、
前記アレイ基板のアライメント領域にアライメントマークをさらに備え、
前記アライメントマークは、前記第1ソース電極および前記第1ドレイン電極と同一の層にあることを特徴とするアレイ基板。
【請求項12】
請求項1~のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示装置において、
前記表示装置は、トップエミッション型の表示装置であり、
前記表示装置の光出射側は前記第2ソース電極及び前記第2ドレイン電極の前記活性層から離れた側にあることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
相互に離間して配置された第1ソース電極及び第1ドレイン電極を形成するステップと、
前記第1ソース電極及び前記第1ドレイン電極に配置され、かつ前記第1ソース電極と前記第1ドレイン電極との間に配置されたチャネル部、前記第1ソース電極に電気的に接続されたソース電極コンタクト部、及び前記第1ドレイン電極に電気的に接続されたドレイン電極コンタクト部とを有する活性層を形成するステップと、
前記第1ソース電極に電気的に接続されるように、前記ソース電極コンタクト部の前記第1ソース電極から離れた側に第2ソース電極を形成するステップと、
前記第1ドレイン電極に電気的に接続されるように、前記ドレイン電極コンタクト部の前記第1ドレイン電極から離れた側に第2ドレイン電極を形成するステップと、
を含み、
前記活性層は、長尺状部分と2つの突出部を含み、前記第2ソース電極は、前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの一方の突出部の上方に位置し、且つ前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの一方の突出部の上方に接触し、前記第2ドレイン電極は、前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの他方の突出部の上方に位置し、且つ前記長尺状部分と前記2つの突出部のうちの他方の突出部の上方に接触し、前記第2ソース電極は、1つの突出部を含み、前記第2ドレイン電極は、1つの突出部を含み、前記活性層の一方の突出部と前記第2ソース電極の突出部のベース基板における正射影が重なり、前記活性層の他方の突出部と前記第2ドレイン電極の突出部のベース基板における正射影が重なり、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極は、前記活性層の突出部に位置する第1ビアによって接続され、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極は、前記活性層の突出部に位置する第2ビアによって接続され、
前記第1ソース電極、前記第1ドレイン電極とゲート電極のベース基板における正射影が分離し、
チャネル部の、ベース基板に近い表面は、バッファ層に接触し、且つチャネル部は、平板形状であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記ソース電極コンタクト部の第1部分は、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極との間に挟まれるように形成され、
前記ドレイン電極コンタクト部の第1部分は、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極との間に挟まれるように形成されることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項16】
請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記第2ソース電極を形成した後、前記ソース電極コンタクト部の第2部分に導電化処理を施すステップをさらに含み、
前記第2ドレイン電極を形成した後、前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分に導電化処理を施すステップをさらに含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項17】
請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
ゲート絶縁層を形成するステップをさらに含み、
前記ゲート絶縁層のベース基板における射影は、ゲート電極のベース基板における射影と完全に重なっていることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項18】
請求項16に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記ソース電極コンタクト部の第2部分に対する導電化処理、および前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分に対する導電化処理は、プラズマを用いて行われることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記プラズマは、水素、ヘリウム、窒素およびアルゴンの1つまたはそれらの組合せを含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項20】
請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記ソース電極コンタクト部を貫通する第1ビア及び前記ドレイン電極コンタクト部を貫通する第2ビアを形成するステップをさらに含み、
前記第2ソース電極は、前記第1ビアを介して前記第1ソース電極に電気的に接続され、
前記第2ドレイン電極は、前記第2ビアを介して前記第1ドレイン電極に電気的に接続されていることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項21】
請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記活性層上にゲート絶縁層を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層の前記チャネル部から離れた側にゲート電極を形成するステップと、をさらに含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項22】
請求項21に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記ゲート電極、前記第2ソース電極、および第2ドレイン電極は、同じプロセスで同一の層に同じ材料で形成されることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項23】
請求項1422のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタの製造方法に従って薄膜トランジスタを形成するステップを含むことを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項24】
請求項23に記載のアレイ基板の製造方法において、
前記第1ソース電極および前記第1ドレイン電極と同一の層に同じパターニングプロセスで形成されるアライメントマークを形成するステップをさらに含むことを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術に関し、特に、薄膜トランジスタ、アレイ基板、表示装置及び薄膜トランジスタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示(LCD)装置や有機EL(OLCD)表示装置などの表示装置が広く用いられている。LCD及びOLED表示装置は、ディスプレイパネル内のピクセルを制御するために薄膜トランジスタ(TFT)を使用した。TFTの例として、アモルファスシリコンTFT、多結晶シリコンTFT、単結晶シリコンTFT、金属酸化物TFT、及び有機半導体TFTなどがある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、本開示の薄膜トランジスタは、相互に離間して配置された第1ソース電極及び第1ドレイン電極と、前記第1ソース電極及び前記第1ドレイン電極に配置され、かつ前記第1ソース電極と前記第1ドレイン電極との間に配置されたチャネル部、前記第1ソース電極に電気的に接続されたソース電極コンタクト部、及び前記第1のドレイン電極に電気的に接続されたドレイン電極コンタクト部とを有する活性層と、前記ソース電極コンタクト部の前記第1ソース電極から離れた側に配置され、かつ前記第1ソース電極に電気的に接続された第2ソース電極と、前記ドレイン電極コンタクト部の前記第1ドレイン電極から離れた側に配置され、かつ前記第1ドレイン電極に電気的に接続された第2ドレイン電極と、を備える。
【0004】
選択的に、前記ソース電極コンタクト部は、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極との間に挟まれた、前記ソース電極コンタクト部の第1部分を含み、前記ドレイン電極コンタクト部は、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極との間に挟まれた、前記ドレイン電極コンタクト部の第1部分を含む。
【0005】
選択的に、前記ソース電極コンタクト部は、前記ソース電極コンタクト部の第2部分を含み、前記ドレイン電極コンタクト部は、前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分を含み、前記ソース電極コンタクト部の第2部分及び前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分とが導電部とする。
【0006】
選択的に、前記薄膜トランジスタは、前記ソース電極コンタクト部を貫通する第1ビアと、前記ドレイン電極コンタクト部を貫通する第2ビアとをさらに含み、前記第2ソース電極は、前記第1ビアを介して前記第1ソース電極に電気的に接続され、第2ドレイン電極は、前記第2ビアを介して第1ドレイン電極に電気的に接続されている。
【0007】
選択的に、前記薄膜トランジスタは、前記活性層上に配置されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層の前記チャネル部から離れた側のゲート電極とをさらに有する。
【0008】
選択的に、前記ゲート電極、前記第2ソース電極、および第2ドレイン電極は、同一の層にあり、同じ材料からなる。
【0009】
選択的に、活性層は、金属酸化物半導体材料を含む。
【0010】
選択的に、前記薄膜トランジスタは、トップゲート型の薄膜トランジスタである。
【0011】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の薄膜トランジスタ、または本明細書に記載の方法によって製造された薄膜トランジスタを含むアレイ基板を提供する。
【0012】
選択的に、前記アレイ基板は、前記アレイ基板のアライメント領域にアライメントマークをさらに備え、前記アライメントマークは、前記第1ソース電極および前記第1ドレイン電極と同一の層にある。
【0013】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の薄膜トランジスタ、または本明細書に記載の方法によって製造された薄膜トランジスタを含むディスプレイ装置を提供する。
【0014】
選択的に、前記表示装置は、トップエミッション型の表示装置であり、前記表示装置の光出射側は前記第2ソース電極及び前記第2ドレイン電極の前記活性層から離れた側にある。
【0015】
別の実施形態では、本開示は、相互に離間して配置された第1ソース電極及び第1ドレイン電極を形成するステップと、前記第1ソース電極及び前記第1ドレイン電極に配置され、かつ前記第1ソース電極と前記第1ドレイン電極との間に配置されたチャネル部、前記第1ソース電極に電気的に接続されたソース電極コンタクト部、及び前記第1のドレイン電極に電気的に接続されたドレイン電極コンタクト部とを有する活性層を形成するステップと、前記第1ソース電極に電気的に接続されるように、前記ソース電極コンタクト部の前記第1ソース電極から離れた側に第2ソース電極を形成するステップと、前記第1ドレイン電極に電気的に接続されるように、前記ドレイン電極コンタクト部の前記第1ドレイン電極から離れた側に第2ドレイン電極を形成するステップと、を含む薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0016】
選択的に、前記ソース電極コンタクト部の第1部分は、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極との間に挟まれるように形成され、前記ドレイン電極コンタクト部の第1部分は、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極との間に挟まれるように形成される。
【0017】
選択的に、前記第2ソース電極を形成した後、前記ソース電極コンタクト部の第2部分に導電化処理を施すステップをさらに含み、前記第2ドレイン電極を形成した後、前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分に導電化処理を施すステップをさらに含む。
【0018】
選択的に、前記ソース電極コンタクト部の第2部分に対する導電化処理、および前記ドレイン電極コンタクト部の第2部分に対する導電化処理は、プラズマを用いて行われる。
【0019】
選択的に、前記プラズマは、水素、ヘリウム、窒素およびアルゴンの1つまたはそれらの組合せを含む。
【0020】
選択的に、前記方法は、前記ソース電極コンタクト部を貫通する第1ビア及び前記ドレイン電極コンタクト部を貫通する第2ビアを形成するステップをさらに含み、前記第2ソース電極は、前記第1ビアを介して前記第1ソース電極に電気的に接続され、第2ドレイン電極は、第2ビアを介して第1ドレイン電極に電気的に接続されている。
【0021】
選択的に、前記方法は、前記活性層上にゲート絶縁層を形成するステップと、前記ゲート絶縁層の前記チャネル部から離れた側にゲート電極を形成するステップと、をさらに含む。
【0022】
選択的に、前記ゲート電極、前記第2ソース電極、および第2ドレイン電極は、同じプロセスで同一の層に同じ材料で形成される。
【0023】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って薄膜トランジスタを形成するステップを含む、アレイ基板の製造方法を提供する。
【0024】
選択的に、前記方法は、前記第1のソース電極層および前記第1のドレイン電極層と同一の層に同じパターニングプロセスで同じ材料で形成されるアライメントマークを形成するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の図面は、開示された様々な実施形態による例示的な目的のための単なる例であり、本開示の範囲を限定するものではない。図1aは、本開示の実施例によるネットワーク構造図である。
【0026】
図1】従来の薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。
【0027】
図2】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。
【0028】
図3図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのA-A’線に沿った横断面図である。
【0029】
図4A図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのB-B’線に沿った横断面図である。
【0030】
図4B図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのB-B’線に沿った横断面図である。
【0031】
図5A図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。
【0032】
図5B図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。
【0033】
図6A図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。
【0034】
図6B図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。
【0035】
図7A】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7B】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7C】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7D】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7E】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7F】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7G】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
図7H】本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の実施形態を参照して、本開示を詳細に説明する。いくつかの実施形態に対する以下の説明は、例示および説明のみを目的として本明細書に提示されることに留意されたい。本開示を包括的な、または精確的な形態に限定することを意図するものではない。
【0037】
図1は、従来の薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。前記薄膜トランジスタは、図1に示すように、ボトムエミッション型の表示装置に用いられるトップゲート型の薄膜トランジスタである。前記ボトムエミッション型表示装置は、ベース基板70上に配置された遮光層100と、遮光層100のベース基板70から離れた側に配置されたバッファ層60と、バッファ層60のベース基板70から離れた側に配置された活性層10と、活性層10のバッファ層60から離れた側に配置されたゲート絶縁層50と、ゲート絶縁層50の活性層10から離れた側のゲート電極40と、ソース電極20と、及びドレイン電極30とを含む。ソース電極20及びドレイン電極30は、絶縁層を貫通するビアを介して活性層10のソース電極コンタクト領域及びドレイン電極コンタクト領域にそれぞれ接続されている。従来のボトムエミッション型の表示装置では、遮光層と同一の層にアライメントマークを形成することができる。従来のボトムエミッション型の表示装置を構成するために、合計5枚のマスクプレートが必要となる。
【0038】
しかしながら、トップエミッション型の表示装置では遮光層が必要ではなく、特に薄膜トランジスタがトップゲート型の薄膜トランジスタである場合にはそうである。遮光層を有さないトップエミッション型の表示装置では、活性層を構成する半導体材料が透明または半透明であるため、アライメントマークを活性層と同一の層に形成することは理想的ではない。アライメントマークとして独立した金属層を形成することは、製造コストを増大させる。
【0039】
したがって、本開示は、従来技術の制限または欠点による1つまたは複数の問題を実質的に解決した薄膜トランジスタ、アレイ基板、表示装置、および薄膜トランジスタの製造方法を特に提供する。一実施形態では、本開示は、薄膜トランジスタを提供する。実施例として、前記薄膜トランジスタは、相互に離間して配置された第1ソース電極及び第1ドレイン電極と、第1ソース電極及び第1ドレイン電極に配置され、かつ第1ソース電極と第1ドレイン電極との間に配置されたチャネル部、第1ソース電極に電気的に接続されたソース電極コンタクト部、及び第1のドレイン電極に電気的に接続されたドレイン電極コンタクト部とを有する活性層と、ソース電極コンタクト部の第1ソース電極から離れた側に配置され、かつ第1ソース電極に電気的に接続された第2ソース電極と、ドレイン電極コンタクト部の第1ドレイン電極から離れた側に配置され、かつ第1ドレイン電極に電気的に接続された第2ドレイン電極とを備える。この薄膜トランジスタでは、第1ソース電極層及び第1ドレイン電極層と同一の層にアライメントマークを形成することにより、製造工程で必要なマスクプレートの総数を削減することができる。なお、本開示の薄膜トランジスタでは、電気的特性を大幅に向上させることができる。
【0040】
図2は、本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。図3は、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのA-A’線に沿った横断面図である。図2に示すように、実施例として、薄膜トランジスタは相互に離間して配置された第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30を含む。第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30は、ベース基板70上に配置されてもよい。必要に応じて、第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30がベース基板70のバッファ層60上に配置される。薄膜トランジスタは、第1ソース電極20および第1ドレイン電極30に、例えば第1ソース電極20および第1ドレイン電極30のバッファ層60から離れた側に活性層10をさらに含む。活性層10は、第1ソース電極20と第1ドレイン電極30との間にあるチャンネル部1と、第1ソース電極20に接するソース電極コンタクト部2と、第1ドレイン電極30に接するドレイン電極コンタクト部3とを有する。薄膜トランジスタは、第2ソース電極21および第2ドレイン電極31をさらに備えている。第2ソース電極21は、ソース電極コンタクト部2の第1ソース電極20から離れた側に配置されている。第2ソース電極21は、第1ソース電極20に電気的に接続されている。第2ドレイン電極31は、ドレイン電極コンタクト部3の第1ドレイン電極30から離れた側に配置されている。第2ドレイン電極31は、第1ドレイン電極30に電気的に接続されている。
【0041】
図2および図3に示すように、ソース電極コンタクト部2は、ソース電極コンタクト部2の第1部分2aとソース電極コンタクト部2の第2部分2bとを含み、ドレイン電極コンタクト部3は、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aとドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bとを含む。ソース電極コンタクト部2の第1部分2aは、第1ソース電極20と第2ドレイン電極21の間に挟まれている。ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aは、第1ドレイン電極30と第2ドレイン電極31との間に挟まれている。選択的に、活性層のベース基板70における射影は、第2ソース電極21および第3ドレイン電極31のベース基板70における射影と実質的に重なっている。選択的に、ソース電極コンタクト部2の第1部分2aのベース基板70における射影は第2ソース電極21のベース基板70における射影と実質的に重なっている。選択的に、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aのベース基板70における射影は、第2ドレイン電極31のベース基板70における射影と実質的に重なっている。
【0042】
選択的に、ソース電極コンタクト部2の第1部分2aは、第1ソース電極20および第2ソース電極21の両方とともに接している。選択的に、薄膜トランジスタは、ソース電極コンタクト部2の第1部分2aと第1ソース電極20との間にオーミックコンタクト層をさらに含む。選択的に、薄膜トランジスタは、ソース電極コンタクト部2の第1部分2aと第2ソース電極21との間にオーミックコンタクト層をさらに含む。
【0043】
選択的に、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aは、第1ドレイン電極30および第2ドレイン電極31の両方とともに接している。選択的に、薄膜トランジスタは、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aと第1ドレイン電極30との間にオーミックコンタクト層をさらに含む。選択的に、薄膜トランジスタは、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aと第2ドレイン電極31との間にオーミックコンタクト層をさらに含む。
【0044】
ソース電極コンタクト部2の第2部分2bは、第2ソース電極21に覆われておらず、ドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bは、第2ドレイン電極31によって覆われていない。薄膜トランジスタを製造する中に、第2ソース電極21及び第2ドレイン電極31を形成した後、ソース電極コンタクト部2の第2部分2b及びドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bを露出させる。選択的に、例えばプラズマ処理により、ソース電極コンタクト部2の第2部分2b及びドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bに導電化処理を施す。選択的に、ソース電極コンタクト部2の第2部分2bおよびドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bは、導電部分である。実施例として、活性層は、金属酸化物半導体材料を含み、ソース電極コンタクト部2の第2部分2b及びドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bの酸素含有量を低減することにより導電化処理を行われ、例えば、ソース電極コンタクト部2の第2部分2bとドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bが、部分的にメタライズされた部分である。この導電化処理は、例えば、ソース電極コンタクト部2の第2部分2bとドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bを、水素プラズマ、ヘリウムプラズマ、窒素プラズマ、アルゴンプラズマ、またはそれらの組み合わせで処理することにより行われる。
【0045】
この薄膜トランジスタでは、第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30は、活性層10のベース基板70側に設けられている。例えば、活性層の形成後、第1ソース電極20および第1ドレイン電極30は、活性層10の下に少なくとも部分的に埋め込まれる。通常、活性層10の露出した表面上の薄い層のみが、導電化処理(例えば、プラズマ処理)により導電される。活性層10と第1ソース電極20との界面、及び活性層10と第1ドレイン電極30との界面は露出せずに埋め込まれている。このように、活性層の導電化処理は、活性層10と第1ソース電極20との間、及び活性層10と第1ドレイン電極30との間の電気的導通を向上させるには有効ではない。第2ソース電極21及び第2ドレイン電極31を活性層10の第1ソース電極20および第1ドレイン電極30から離れた側に配置することにより、ソース電極コンタクト部2の第2部分2bおよびドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bに対する導電化処理は活性層10と第2ソース電極21との間、及び活性層10と第2ドレイン電極31との間の電気的導通を効果的に高めることができる。この薄膜トランジスタの電気特性は、従来の薄膜トランジスタに比べて大幅に改善されている。
【0046】
図3に示すように、実施例としては、第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30と同一の層にアライメントマーク200を形成する。例えば、アライメントマーク200は第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30と同じパターニング工程で形成される。
【0047】
実施例として、第2ソース電極21は第1ソース電極20に電気的に接続され、第2ドレイン電極31は第1ドレイン電極30に電気的に接続される。図4Aは、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのB-B’線に沿った横断面図である。図4Bは、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのB-B’線に沿った横断面図である。実施例として、図4A及び図4Bに示すとうに、薄膜トランジスタは、活性層10(例えば、ソース電極コンタクト部2の第1部分2a)を貫通する第1ビアV1と、活性層10(例えば、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3a)を貫通する第2ビアV2をさらに有する。第2ソース電極21は、第1ビアV1を介して第1ソース電極20に電気的に接続され、第2ドレイン電極31は、第2ビアV2を介して第1ドレイン電極30に電気的に接続されている。
【0048】
実施例として、薄膜トランジスタは、第2ソース電極21とソース電極コンタクト部2の第1部分2aとの間及び第2ドレイン電極31とドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aとの間に配置された絶縁層をさらに含む。図5Aは、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。図5Bは、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。図5A及び図5Bに示すように、薄膜トランジスタは、第2ソース電極21とソース電極コンタクト部2の第1部分2aとの間及び第2ドレイン電極31とドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aとの間に配置された絶縁層51をさらに含む。薄膜トランジスタは、活性層10(例えば、ソース電極コンタクト部2a)及び絶縁層51を貫通する第1ビアV1と、活性層10(例えば、ドレイン電極コンタクト部3)及び絶縁層51を貫通する第2ビアV2をさらに含む。第2ソース電極21は、第1ビアV1を介して第1ソース電極20に電気的に接続され、第2ドレイン電極31は、第2ビアV2を介して第1ドレイン電極30に電気的に接続されている。
【0049】
実施例として、第2ソース電極21の一部は、第1ソース電極20の一部に直接的に配置され、第2ドレイン電極31の一部は、第1ドレイン電極30の一部に直接的に配置される。図6Aは、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。図6Bは、図2に示す本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図である。図6Aに示すように、第1ソース電極20の一部及び第2ソース電極21の一部に対応する領域には、活性層10及び絶縁層51が存在せず、第1ソース電極20の一部は、前記領域内の第2ソース電極21の一部に直接的に接続されている。図6Bに示すように、第1ドレイン電極30の一部及び第2ドレイン電極31の一部に対応する領域には、活性層10及び絶縁層51が存在せず、第1ドレイン電極30の一部は、前記領域内の第2ドレイン電極31の一部に直接的に接続されている。これにより、第1ソース電極20と第2ソース電極21とを接続するための第1ビアV1と、第1ドレイン電極30と第2ドレイン電極31とを接続するための第2ビアV2を形成する必要がなくなる。
【0050】
実施例として、図2および図3に示すように、薄膜トランジスタは、活性層10上のゲート絶縁層50と、ゲート絶縁層50のチャネル部1から離れた側に配置されたゲート電極40とを含む。選択的に、ゲート電極40、第2ソース電極21および第2ドレイン電極31は、同一の層にあり、同じ材料を含む。薄膜トランジスタは、ゲート電極40のベース基板70から離れた側に不動態化層80をさらに含む。選択的に、第1ソース電極20は、データ線DLに電気的に接続されている。選択的に、第2ソース電極21は、データ線DLに電気的に接続されている。本明細書における「同一の層」という用語は、同一のステップで同時に形成される層の間の関係を指す。一例では、ゲート電極40、第2ソース電極21および第2ドレイン電極31は、同じパターニングプロセスの1つまたは複数のステップで同一の材料層に形成されるとき、同一の層にあることとなる。別の例では、ゲート電極40、第2ソース電極21及び第2ドレイン電極31は、ゲート電極40を形成するステップ、第2ソース電極21を形成するステップ、第2ソース電極21を形成するステップを同時に行うことにより、同一の層に形成されることができる。「同一の層」とは、必ずしも、横断面図にはその層の厚さまたは高さが同じであることを意味するものではない。
【0051】
選択的に、活性層は、インジウムスズ酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウムスズ酸化物などのような金属酸化物半導体材料を含む。
【0052】
選択的に、薄膜トランジスタは、トップゲート型の薄膜トランジスタである。
【0053】
別の実施形態では、本開示は、薄膜トランジスタの製造方法を提供する。実施形態としては、前記方法は、相互に離間して配置された第1ソース電極及び第1ドレイン電極を形成するステップと、第1ソース電極及び第1ドレイン電極に配置され、かつ第1ソース電極と第1ドレイン電極との間に配置されたチャネル部、第1ソース電極に電気的に接続されたソース電極コンタクト部、及び第1のドレイン電極に電気的に接続されたドレイン電極コンタクト部とを有する活性層を形成するステップと、第1ソース電極に電気的に接続されるように、ソース電極コンタクト部の第1ソース電極から離れた側に第2ソース電極を形成するステップと、第1ドレイン電極に電気的に接続されるように、ドレイン電極コンタクト部の第1ドレイン電極から離れた側に第2ドレイン電極を形成するステップと、を含む。
【0054】
実施形態として、ソース電極コンタクト部の第1部分は、第1ソース電極と第2ソース電極との間に挟まれるように形成され、ドレイン電極コンタクト部の第1部分は、第1ドレイン電極と第2ドレイン電極との間に挟まれるように形成される。
【0055】
選択的に、ソース電極コンタクト部の第1部分は、第1ソース電極および第2ソース電極の両方とともに接している。選択的に、前記方法は、ソース電極コンタクト部の第1部分と第1のソース電極との間にオーミックコンタクト層を形成するステップをさらに含む。選択的に、前記方法は、ソース電極コンタクト部の第1部分と第2ソース電極との間にオーミックコンタクト層を形成するステップをさらに含む。選択的に、ドレイン電極コンタクト部の第1部分は、第1ドレイン電極および第2ドレイン電極の両方とともに接するように形成される。選択的に、前記方法は、ドレイン電極コンタクト部の第1部分と第1ドレイン電極との間にオーミックコンタクト層を形成するステップをさらに含む。選択的に、前記方法は、ドレイン電極コンタクト部の第1部分と第2ドレイン電極との間にオーミックコンタクト層を形成するステップをさらに含む。
【0056】
実施形態として、前記方法は、第2ソース電極を形成した後、ソース電極コンタクト部の第2部分に導電化処理を施すステップと、第2ドレイン電極を形成した後、ドレイン電極コンタクト部の第2部分に導電化処理を施すステップをさらに含む。ソース電極コンタクト部の第2部分及びドレイン電極コンタクト部の第2部分の導電性を高めるために、種々の適切な導電化処理方法を使用することができる。選択的に、ソース電極コンタクト部の第2部分およびドレイン電極コンタクト部の第2部分は、プラズマ(例えば還元性ガスまたは不活性ガスなどのプラズマ)によって導電性部分に変換される。選択的に、前記方法は、水素プラズマ、ヘリウムプラズマ、窒素プラズマ、アルゴンプラズマ、またはそれらの組み合わせで、ソース電極コンタクト部の第2部分およびドレイン電極コンタクト部の第2部分を処理するステップを含む。
【0057】
実施形態として、前記方法は、ソース電極コンタクト部を貫通する第1ビア及びドレイン電極コンタクト部を貫通する第2ビアを形成するステップをさらに含む。第2ソース電極は、第1ビアを介して第1ソース電極に電気的に接続される。第2ドレイン電極は、第2ビアを介して第1ドレイン電極に電気的に接続される。
【0058】
実施形態として、前記方法は、活性層上にゲート絶縁層を形成するステップと、ゲート絶縁層のチャネル部から離れた側にゲート電極を形成するステップと、をさらに含む。選択的に、ゲート電極、第2ソース電極、および第2ドレイン電極は、同じプロセスで、同一の層に同じ材料を用いて形成されている。
【0059】
図7A図7Hは、本開示によるいくつかの実施形態における薄膜トランジスタの製造プロセスを示す。図7A図7Hにおける左側のパネルは、図2の薄膜トランジスタのB-B’線に沿った横断面図に対応する。図7A図7Hにおける中央のパネルは、図2の薄膜トランジスタのA-A’線に沿った横断面図に対応する。図7A図7Hにおける右側のパネルは、図2の薄膜トランジスタのC-C’線に沿った横断面図に対応する。図7Aに示すように、ベース基板70上にバッファ層60が形成される。図7Bに示すように、バッファ層60上には、バッファ層60のベース基板70から離れた側に第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30が形成される。第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30は、互いに離間して配置されている。第1ソース電極20と第1ドレイン電極30との間の領域に活性層のチャンネル部1が形成される。図7Cに示すように、第1ソース電極20及び第1ドレイン電極30のバッファ層60から離れた側に半導体材料層10aが形成され、半導体材料層10aのベース基板70から離れた側に第1絶縁材料層50aが形成される。
【0060】
図7Dに示すように、第1絶縁物質層50aの半導体物質層10aから離れた側に第1フォトレジスト層90が形成される。次に、第1フォトレジスト層90は、ハーフトーンマスクプレートまたはグレートーンマスクプレートで露光されてから現像される。第1フォトレジスト層90を現像することにより、第1部分Z1、第2部分Z2、および第3部分Z3を有するフォトレジストパターンが得られる。第1部分Z1は、チャネル部1、ソース電極コンタクト部2の第2部分2b、及びドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bに対応する。第2部分Z2は、第1絶縁材料層50aおよび半導体材料層10aをそれぞれ貫通して延びる第1ビアV1及び第2ビアV2に対応する。第1ビアV1および第2ビアV2は、第1ソース電極20と形成される予定の第2ソース電極21とを電気的に接続し、第1ドレイン電極30と形成される予定の第2ドレイン電極31とを電気的に接続するために形成される。第3部分Z3は、第1部分Z1および第2部分Z2の外側にある。第1部分Z1は、実質的に露出されていない。第3部分Z3の一部が露出されている。第2部分Z2は完全に露出され、第2部分Z2のフォトレジスト材料が除去される。第2部分Z2における第1絶縁材料層50aおよび半導体材料層10aを、例えばエッチングによって除去することにより、第2部分Z2における第1ソース電極20および第1ドレイン電極30を露出させる。
【0061】
そして、図7Eに示すように、第3部分Z3のフォトレジスト材料を、例えばアッシングによって除去することにより、第3部分Z3における第1絶縁材料層50aを露出させる。第1部分Z1のフォトレジスト材料が残り、それによって第2フォトレジスト層91が形成される。その後、第3部分Z3における第1絶縁材料層50aは、例えばエッチングによって除去される。続いて、第1部分Z1における第2フォトレジスト層91を除去することにより、第2絶縁材料層50bが形成される。
【0062】
図7Fに示すように、第2絶縁材料層50bの、活性層10のチャネル部1から離れた側にゲート電極40が形成され、ソース電極コンタクト部2の第1部分2aの、第1ソース電極20から離れた側に第2ソース電極21が形成され、ドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aの、第1ドレイン電極30から離れた側に第2ドレイン電極31が形成される。次に、第2ソース電極21、ゲート電極40及び第2ドレイン電極31のベース基板70から離れた側に第3フォトレジスト層92が形成される。第3フォトレジスト層92を露出させて現像することによりフォトレジストパターンが形成される。チャネル部1、ソース電極コンタクト部2の第1部分2a及びドレイン電極コンタクト部3の第1部分3aに対応する領域におけるフォトレジスト材料が残る。ソース電極コンタクト部2の第2部分2b及びドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bに対応する領域におけるフォトレジスト材料を除去することにより、第2絶縁材料層50bを露出させる。
【0063】
図7Gに示すように、ソース電極コンタクト部2の第2部分2b及びドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bに対応する領域における第2絶縁材料層50bを例えばエッチングにより除去することにより、ゲート絶縁層50が形成される。次に、第3フォトレジスト層92が除去される。これにより、ソース電極コンタクト部2の第2部分2bとドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bとが露出される。次に、ソース電極コンタクト部2の第2部分2bとドレイン電極コンタクト部3の第2部分3bは、上述したように、例えばプラズマによって導電部に変換される。
【0064】
図7Hに示すように、ゲート電極40、第2ソース電極21及び第2ドレイン電極31のベース基板70から離れた側に不動態化層80が形成される。
【0065】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される薄膜トランジスタ、または本明細書に記載の方法によって製造される薄膜トランジスタを有するアレイ基板を提供する。実施形態として、アレイ基板はトップエミッション型のアレイ基板であり、アレイ基板の光出射側は、第2ソース電極および第2ドレイン電極の活性層から離れた側にある。
【0066】
別の実施形態では、本開示は、アレイ基板の製造方法を提供する。実施形態として、前記アレイ基板の製造方法は、本明細書に記載の薄膜トランジスタの製造方法に従って1つまたは複数の薄膜トランジスタを形成するステップを含む。選択的に、前記方法は、アライメントマークを形成するステップをさらに含む。選択的に、アライメントマークは、第1ソース電極層および第1ドレイン電極層と同じ材料を用いて同一の層に形成される。選択的に、アライメントマークは、第1ソース電極層および第1ドレイン電極層と同じパターニングプロセス(例えば、単一のパターニングプロセス)で形成される。
【0067】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の薄膜トランジスタ、または本明細書に記載の方法によって製造された薄膜トランジスタを有するディスプレイパネルを提供する。実施形態として、ディスプレイパネルはトップエミッション型のディスプレイパネルであり、ディスプレイパネルの光出射側は第2ソース電極及び第2ドレイン電極の前記活性層から離れた側にある。選択的に、表示装置は、液晶ディスプレイパネルである。選択的に、表示装置は、有機発光ダイオードディスプレイパネルである。
【0068】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される薄膜トランジスタ、または本明細書に記載の方法によって作製される薄膜トランジスタを有する表示装置を提供する。実施形態として、表示装置は、トップエミッション型の表示装置であり、表示装置の光出射側は第2ソース電極及び前記第2ドレイン電極の活性層から離れた側にある。選択的に、表示装置は液晶表示装置である。選択的に、表示装置は有機発光ダイオードディスプレイ装置である。適切な表示装置の例としては、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビジョン、モニタ、ノートブックコンピュータ、デジタルアルバム、GPSなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本開示の実施形態に対する前記の説明は、例示および説明のために提示されたものである。本開示を包括的な、または精確的な形態または例示的な実施形態に限定することを意図するものではない。したがって、前記の説明は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。明らかに、当業者には多くの修正および変更が明らかであろう。実施形態は、当業者が本開示を理解するように本開示の原理および最良の形態の実用的な適用を説明するために選択して説明され、本開示は、様々な実施形態に適用可能であり、本開示の様々な変更が、想定された特定の応用または実施に適している。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることが意図されており、ただし、すべての用語は、特に明記しない限り、最も広い合理的な意味である。したがって、「開示」、「本開示」などの用語は、特許請求の範囲を特定の実施形態に限定するものではなく、本開示の例示的な実施形態への言及は本開示の限定や制限を意味するものではない。本開示は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲のみによって限定される。さらに、これらの請求項は、名詞または要素の前に「第1」、「第2」などを使用する可能性がある。そのような用語は、命名法として理解されるべきであり、特定の数が与えられていない限り、そのような命名法によって改変される要素の数に制限を与えるものと解釈されるべきではない。記載された利点および利益は、本開示のすべての実施形態に適用されるわけではない。以下の請求項によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって記載された実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。さらに、本開示における要素および構成要素は、その要素または構成要素が以下の請求項において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公衆に専用されることを意図していない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H