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特許7091599ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
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  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/493 20140101AFI20220621BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220621BHJP
【FI】
A63F13/493
A63F13/53
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020165771
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057486
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2020-11-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売による公開、最先日:令和2年8月24日、https://apps.apple.com/jp/app/id1460552404(他5件)
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】田代 浩章
(72)【発明者】
【氏名】福西 藍
(72)【発明者】
【氏名】安村 恵一
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162070(JP,A)
【文献】特開2014-215913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記各効果は、ユーザの操作対象とは異なる前記ゲーム空間に存在するキャラクタに対する効果を含む
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記効果は、ユーザの操作に応じた前記ゲームの実行に影響しないように、ユーザの操作対象に対して付与される効果を含む、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記効果は、前記ゲームの進行に関わるパラメータを含む、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記第2状態は、前記ゲームが前記非アクティブとなっている時間の長さに応じた状態である、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行している時間が復帰時間に達すると、前記ゲームの状態を前記第2状態から前記第1状態に復帰させて前記ゲームを実行する、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記第2状態のゲーム空間における効果は、前記ゲームの進行が停止した状態であるときに、ゲーム空間において視認可能に反映される、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果とは異なり、
前記再開手段は、前記第1状態で前記ゲームが実行されているときに前記ゲームがアクティブで前記ゲームの進行が停止した状態になった場合には、停止解除条件が満たされたことに応じて前記第1状態で前記ゲームを再開させる、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
前記効果は、ユーザの操作に応じた前記ゲームの実行に影響しないように、ユーザの操作対象に対して付与される効果を含む、
ことを特徴とする請求項1、3から7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
ゲームを実行するゲーム実行部と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ部と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ部と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開部と、
を備え、
前記ゲーム実行部は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果と異なり、
前記各効果は、ユーザの操作対象とは異なる前記ゲーム空間に存在するキャラクタに対する効果を含む
ことを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項10】
ゲームを実行するゲーム実行部と、
第1状態で前記ゲームが実行されているときに、前記ゲームを非アクティブにする非アクティブ部と、
前記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、前記ゲームの進行が停止した状態で前記ゲームをアクティブにするアクティブ部と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態で前記ゲームを再開させる再開部と、
を備え、
前記ゲーム実行部は、前記第2状態で前記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた前記ゲームを実行し、
前記第2状態で前記ゲームが実行されているときの前記ゲームが実行されるゲーム空間における演出に対する効果は、前記第1状態のゲーム空間における演出に対する効果と異なり、
前記各効果は、ユーザの操作対象とは異なる前記ゲーム空間に存在するキャラクタに対する効果を含む
ことを特徴とする、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末などの携帯電子機器を用いて、各種のゲームがプレイされている。一般的には、携帯電子機器には消費電力を抑えるために省電力モードが設けられており、省電力モードでは表示画面にゲーム画面が表示されず電力の消費が抑えられる。ユーザは、ゲームのプレイを再開したいときには、所定の操作を行うことでゲームのモードを省電力モードから通常モードに復帰させ、ゲームのプレイを再開できる。
【0003】
例えば、特許文献1には、省電力モード中に第1段目の復帰条件が満たされると省電力モードを解除し、さらに第2段目の復帰条件が満たされると、ゲームの状態を省電力モードに移行する直前の状態に戻すゲーム機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-157129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のゲーム機では、ゲームのプレイが再開される際のゲーム画面が、省電力モードに移行する直前のゲーム画面と同一である。このため、特許文献1に記載のゲーム装置では、省電力モードの間にゲームの世界において時間が止まっていたかのような印象をユーザに与え、ユーザに違和感を覚えさせる可能性がある。このため、ゲームのプレイが再開される際におけるゲームの興趣性を高める余地がある。
【0006】
本開示は、ゲームのプレイが再開される際におけるゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面は、コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
第1状態で上記ゲームが実行されているときに、上記ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段と、
上記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、上記ゲームの進行が停止した状態で上記ゲームをアクティブにするアクティブ手段と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、上記第1状態とは異なる第2状態で上記ゲームを再開させる再開手段と、
として機能させ、
上記ゲーム実行手段は、上記第2状態で上記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた上記ゲームを実行し、
上記第2状態で上記ゲームが実行されているときの上記ゲームが実行されるゲーム空間における効果は、上記第1状態のゲーム空間における効果とは異なる、
ゲームプログラムである。
【0008】
また、第1の側面において、効果は、ユーザの操作対象とは異なるゲーム空間に存在するキャラクタに対する効果を含んでよい。
【0009】
また、第1の側面において、効果は、ユーザの操作に応じたゲームの実行に影響しないように、ユーザの操作対象に対して付与される効果を含んでよい。
【0010】
また、第1の側面において、効果は、ゲームの進行に関わるパラメータを含んでよい。
【0011】
また、第1の側面において、第2状態は、ゲームが非アクティブとなっている時間の長さに応じた状態であってよい。
【0012】
また、第1の側面において、ゲーム実行手段は、第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達すると、ゲームの状態を第2状態から第1状態に復帰させてゲームを実行してよい。
【0013】
また、第1の側面において、第2状態のゲーム空間における効果は、ゲームの進行が停止した状態であるときに、ゲーム空間において視認可能に反映されてよい。
【0014】
また、第1の側面において、再開手段は、第1状態でゲームが実行されているときにゲームがアクティブでゲームの進行が停止した状態になった場合には、停止解除条件が満たされたことに応じて第1状態でゲームを再開させてよい。
【0015】
第2の側面は、ゲームを実行するゲーム実行部と、
第1状態で上記ゲームが実行されているときに、上記ゲームを非アクティブにする非アクティブ部と、
上記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、上記ゲームの進行が停止した状態で上記ゲームをアクティブにするアクティブ部と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、上記第1状態とは異なる第2状態で上記ゲームを再開させる再開部と、
を備え、
上記ゲーム実行部は、上記第2状態で上記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた上記ゲームを実行し、
上記第2状態で上記ゲームが実行されているときの上記ゲームが実行されるゲーム空間における効果は、上記第1状態のゲーム空間における効果と異なる、
ゲーム装置である。
【0016】
第3の側面は、ゲームを実行するゲーム実行部と、
第1状態で上記ゲームが実行されているときに、上記ゲームを非アクティブにする非アクティブ部と、
上記非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、上記ゲームの進行が停止した状態で上記ゲームをアクティブにするアクティブ部と、
停止解除条件が満たされたことに応じて、上記第1状態とは異なる第2状態で上記ゲームを再開させる再開部と、
を備え、
上記ゲーム実行部は、上記第2状態で上記ゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じた上記ゲームを実行し、
上記第2状態で上記ゲームが実行されているときの上記ゲームが実行されるゲーム空間における効果は、上記第1状態のゲーム空間における効果と異なる、
ゲームシステムである。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、ゲームのプレイが再開される際におけるゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の一実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】第1状態でゲームが実行されている際にディスプレイに表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図3】ゲームの進行が停止した状態のゲーム画面の一例を示す図である。
図4】第2状態でゲームが再開されたときのゲーム画面の一例を示す図である。
図5】本開示の一実施形態に係るゲーム装置がゲームを実行する流れの一例を示すフローチャートである。
図6】変形例においてゲーム装置がゲームを実行する流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
本開示の実施形態に係るゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0020】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2およびゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0021】
本実施形態に係るゲームは、ゲーム装置5において実行されるパズルゲームである。本実施形態に係るパズルゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、ゲーム空間のパズルピースを操作することによりパズルピースを消して、所定のクリア条件が満たされると次のステージに進むことができる。
【0022】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0023】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2およびゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0024】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)できる。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられてよい。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用され得る。
【0025】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(例えば、ゲーム進行状況に関するデータなど)をサーバ装置2から受信できる。ゲーム装置5は、受信したデータなどに基づいて、ユーザの操作に基づいてゲーム画面や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させることができる。
【0026】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。
【0027】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0028】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0029】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221などの各種データなどが記憶されている。
【0030】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ゲームの進捗状況に関するデータなどが、対応づけて記憶されている。
【0031】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2の動作を制御する。
【0032】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231および照合手段232として機能する。
【0033】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、ゲーム装置5との間で各種データを送受信できる。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびアカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報などが挙げられる。
【0034】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行うことができる。
【0035】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0036】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0037】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、ゲームが実行される空間であるゲーム空間に配置される各種オブジェクトなどを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0038】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56から出力されるゲーム音声情報に従って、ゲーム音声をスピーカ62から出力させる。スピーカ62は、例えば、BGM(Back Ground Music)およびゲーム空間に存在するキャラクタの音声などを出力してよい。
【0039】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、ユーザの操作に基づき入力されるデータをタッチパッド63との間で送受信する。例えば、ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力できる。
【0040】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、ゲーム装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0041】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置5の動作を制御する。
【0042】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、表示制御手段563、音声制御手段564、非アクティブ手段565、アクティブ手段566、停止手段567および再開手段568として機能する。
【0043】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0044】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびゲームデータのダウンロード要求情報などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきたゲームプログラムおよびゲームデータなどをサーバ装置2から受信する。
【0045】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、ゲーム装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれるゲーム空間のオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成したり、音声データを生成したりする。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画面が逐次表示される。また、音声データがオーディオ処理部53によって処理されることにより、スピーカ62から音声が出力される。
【0046】
具体的には、ゲーム実行手段562は、ゲーム画面上に、ゲーム装置5のユーザの操作に従って、ユーザの操作対象となるパズルピースなどのオブジェクトを配置させ、ユーザの操作に基づく入力などに応じてパズルピースを動かしたり消したりする。また、ゲーム実行手段562は、ゲーム空間における背景およびキャラクタなどを変化させたり動かしたりできる。
【0047】
また、本実施形態では、ゲーム実行手段562は、複数の状態でゲームを実行できる。例えば、ゲーム実行手段562は、第1状態でゲームを実行したり、第2状態でゲームを実行したりできる。また、ゲーム実行手段562は、第1状態および第2状態のいずれの状態でゲームを実行している場合にも、ユーザの操作に基づく入力に応じたゲームを実行できる。
【0048】
ここで、第2状態でゲームが実行されているときのゲーム空間における効果は、第1状態のゲーム空間(すなわち、第1状態でゲームが実行されているときのゲーム空間)における効果とは異なる。本実施形態では、第1状態のゲーム空間における効果とは異なる第2状態のゲーム空間における効果は、ユーザの操作対象とは異なるゲーム空間に対する効果である。なお、以下では、ある状態のゲーム空間における効果を単にある状態における効果ともいう。
【0049】
例えば、第1状態と第2状態とでは、ゲーム空間における演出に対する効果が異なってよい。ここで、演出は、ユーザの操作対象ではないオブジェクト(例えば、キャラクタまたは流れている川または雲の背景など)などであってよい。また、演出に対する効果は、演出の状態または動作などであってよい。ゲーム実行手段562は、各種のオブジェクトに効果を付与することにより、オブジェクトの状態または動作などを調整できる。
【0050】
本実施形態では、第1状態のゲーム空間における効果とは異なる第2状態のゲーム空間における効果が、ユーザの操作対象とは異なるゲーム空間に存在するキャラクタ(以下、「非対象キャラクタ」とも称する。)に対する効果である例を説明する。非対象キャラクタは、ユーザの操作に応じた制御(例えば、移動など)が行われないキャラクタであり、例えばNPC(Non Player Character)などとも呼ばれる。非対象キャラクタに対する効果は、例えば、非対象キャラクタの状態または動作などであってよい。具体的には、第1状態と第2状態とでは非対象キャラクタの状態が異なってよく、例えば、第1状態における非対象キャラクタは起きているのに対して、第2状態における非対象キャラクタは寝ていてよい。
【0051】
また、本実施形態では、例えば、所定の非アクティブ操作が行われることにより、ゲームが非アクティブになる場合がある。非アクティブ操作は、例えば、ゲーム装置5の電源ボタンを押す操作などのゲーム装置5自体を省電力状態にする操作、およびゲーム装置5のホームボタンを押下する操作等のディスプレイ61にホーム画面が表示される状態にする操作などを含む。ゲームが非アクティブになると、ゲーム画面がディスプレイ61に表示されなくなり、ゲーム装置5においてゲームを制御する動作が制限される。これにより、ゲーム装置5における電力の消費が抑制され得る。また、ユーザが所定の操作を行うとゲームがアクティブになり、ユーザはゲームのプレイを再開できる。本実施形態では、ゲーム実行手段562は、ゲームが非アクティブになる前に第1状態でゲームを実行し、ゲームがアクティブになったあとに第2状態でゲームを実行する例を説明する。
【0052】
また、第2状態は、ゲームが非アクティブとなっている時間(以下、「非アクティブ時間」ともいう。)の長さに応じた状態であってよい。具体的には、第2状態のゲーム空間における効果は、非アクティブ時間の長さに応じた効果であってよい。より具体的には、第2状態におけるゲーム空間の効果は、非アクティブ時間の長さに応じて複数の効果から選択される効果であってよい。
【0053】
複数の効果は、例えば、非対象キャラクタが準備体操をしている状態(第1効果)、非対象キャラクタが眠そうにあくびをしながら動いている状態(第2効果)および非対象キャラクタが熟睡している状態(第3効果)などであってよい。非アクティブ時間の長さに応じてこれらの効果から第2状態のゲーム空間における効果が選択されてよい。例えば、非アクティブ時間の長さが5分以上1時間未満である場合には第1効果が選択され、非アクティブ時間の長さが1時間以上6時間未満である場合には第2効果が選択され、非アクティブ時間の長さが6時間以上である場合には第3効果が選択されてよい。具体的には、非アクティブ時間の長さが30分である場合には、ゲーム実行手段562は、第2効果を選択して、ゲームがアクティブになる際に、非対象キャラクタが眠そうにあくびをしながら動いている状態でゲームを実行してよい。
【0054】
また、ゲーム実行手段562は、第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達すると、ゲームの状態を第2状態から第1状態に復帰させてゲームを実行できる。具体的には、ゲーム実行手段562は、ユーザの操作に応じたゲームの実行に影響しない効果について、第2状態における効果から第1状態における効果に復帰させる。例えば、ゲーム実行手段562は、非対象キャラクタに対する効果について、第1状態における効果から第2状態における効果に復帰させることができる。例えば、第1状態において非対象キャラクタが起きており、第2状態において非対象キャラクタが寝ている場合を考える。この場合には、ゲーム実行手段562は、第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達すると、非対象キャラクタの状態を寝ている状態から起きている状態に復帰させてゲームを実行してよい。
【0055】
また、ゲーム実行手段562は、ゲームの進行を停止できる。例えば、ゲーム実行手段562は、非アクティブ条件が満たされた時または所定の停止操作が行われた時などに、ゲームの進行が停止してよい。
【0056】
―表示制御手段-
表示制御手段563は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御を行う。
【0057】
また、ゲームの進行が停止する場合には、表示制御手段563は、ディスプレイ61において、例えばユーザの操作対象となるキャラクタおよび敵キャラクタなどの動きが停止したゲーム画面が表示されるように、ディスプレイ61の表示制御を行ってよい。なお、ゲームの進行が停止しているときであっても、ディスプレイ61に表示される画面において、ゲーム空間における演出(例えば、流れている雲または川など)または表示されるUIが順番に切り替わるなどの変化があってもよい。
【0058】
―音声制御手段-
音声制御手段564は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。なお、音声制御手段564は、ゲームの進行が停止しているときに、スピーカ62にゲーム音声を出力させてもよい。
【0059】
―非アクティブ手段―
非アクティブ手段565は、第1状態でゲームが実行されているときに、ゲームを非アクティブにできる。例えば、非アクティブ手段565は、非アクティブ条件が満たされたことに応じてゲームを非アクティブにしてよい。非アクティブ条件は、例えば、所定の非アクティブ操作(例えば、電源ボタンを押す操作など)が行われること、または一定時間ゲーム装置5に対する操作入力が受け付けられていない状態が所定時間継続することなどであってよい。ゲームが非アクティブになると、ゲームの進行が停止して、ゲーム画面がディスプレイ61に表示されなくなる。このとき、ディスプレイ61には、例えば真っ黒な画面が表示される、または、明るさおよび輝度を落とした画面が表示されてよい。
【0060】
―アクティブ手段―
アクティブ手段566は、非アクティブ解除条件が満たされたことに応じて、ゲームをアクティブにする。非アクティブ解除条件は、例えば、所定のアクティブ操作(例えば、電源ボタンを押す操作など)が行われることなどであってよい。
【0061】
また、アクティブ手段566は、非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、ゲームの進行が停止した状態でゲームをアクティブにできる。例えば、アクティブ手段566は、非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、ゲームの進行が停止した状態のゲーム画面がディスプレイ61に表示されるように、表示制御手段563に指示信号を伝送してよい。
【0062】
このときに(すなわち、ゲームの進行が停止した状態であるときに)、第2状態のゲーム空間における効果が、ゲーム空間において視認可能に反映されてよい。具体的には、第1状態における効果とは異なる第2状態における効果が、ディスプレイ61に表示されるゲーム画面に反映されてよい。例えば、第1状態では非対象キャラクタが起きており、第2状態では非対象キャラクタが寝ているとする。この場合には、非アクティブの解除条件が満たされてゲームがアクティブになったときに、非対象キャラクタが寝ている状態のゲーム画面が表示されてよい。
【0063】
―停止手段―
停止手段567は、停止条件が満たされたことに応じてゲームの進行を停止させる。本実施形態では、停止手段567は、ゲームの進行を停止させるように、ゲーム実行手段562に指示できる。停止条件は、例えば所定の停止操作(停止ボタンの操作など)が行われることなどであってよい。
【0064】
―再開手段―
再開手段568は、停止解除条件が満たされたことに応じて、ゲームを再開させる。停止解除条件は、例えば所定の再開操作(例えば、ディスプレイ61の任意の箇所をタッチする操作など)が行われることなどであってよい。
【0065】
また、再開手段568は、停止解除条件が満たされたことに応じて、第1状態とは異なる第2状態でゲームを再開させる。例えば、第1条件でゲームが実行されているときにゲームが非アクティブとなり、そのあと非アクティブの解除条件が満たされ、ゲームの進行が停止した状態でゲームがアクティブとなったとする。このとき、停止解除条件が満たされると、再開手段568は、第2状態でゲームを再開するようにゲーム実行手段562に指示する。これにより、第2状態でゲームが実行されるようになる。
【0066】
この場合、再開手段568は、停止解除条件が満たされたことに応じて、第2状態でゲームを再開するようにゲーム実行手段562に指示することが好ましい。これにより、停止解除条件が解除される前に第2状態のゲーム画像が生成されることを確実に防止できる。例えば、ゲーム装置5のホーム画面において複数のアプリ(アプリケーションソフトウェア)のサムネイル画像を表示させた場合に、第2状態のゲーム画像がディスプレイ61に表示されることが防止され、ユーザがゲームをアクティブにする前に第2状態のゲーム画像を視認することが防止される。これにより、ユーザがゲームをアクティブにしたときに、ユーザに意外性を感じさせることができる。
【0067】
逆に、再開手段568は、非アクティブ操作が行われたことに応じて、ゲームが非アクティブになる直前に第2状態でゲーム画像を生成するようにゲーム実行手段562に指示してもよい。これにより、例えば、ゲーム装置5のホーム画面において複数のアプリのサムネイル画像を表示させた場合に、第2状態のゲーム画像がディスプレイ61に表示させることが可能となる。この場合、ゲーム画像がゲームが非アクティブになる直前から変化していることをユーザに視認させることにより、ゲームを再開することを忘れているユーザに対してゲームをアクティブにするよう動機づけることができる。
【0068】
なお、再開手段568は、第1状態でゲームが実行されているときに、ユーザの操作指示(例えば、ディスプレイ61に表示される一時停止ボタンのタップなど)に応じてゲームがアクティブな状態のままでゲームの進行を一時停止した状態になった場合には、停止解除条件が満たされたことに応じて第1状態でゲームを再開させてよい。このように、本実施形態では、ゲームが非アクティブとならず、単にゲームの進行が停止しただけでは、ゲームの状態は第1状態に維持される。この処理の説明は、図6を参照して後述する。
【0069】
図2図4を参照して、ディスプレイ61に表示されるゲーム画面の一例を説明する。
【0070】
図2は、第1状態でゲームが実行されている際にディスプレイ61に表示されるゲーム画面sc1の一例を示す図である。ゲーム画面sc1には、主として、操作対象領域610、ゲージ620、クリア条件画像630、および非対象キャラクタ640を含む。
【0071】
本実施形態に係るパズルゲームでは、ユーザの操作に基づき、操作対象領域610に含まれるパズルピース612が消される。このとき、消されたパズルピースの数などに応じて、ゲージ620にポイントが加算される。クリア条件画像630に含まれる数のパズルピースが消されると、ステージクリアとなる。また、第1状態のゲーム空間において、犬を模した非対象キャラクタ640が起きた状態で配置されている。
【0072】
本実施形態では、図2に示すゲーム画面sc1がディスプレイ61に表示されている状態において、非アクティブ条件が満たされるとゲームが非アクティブとなり、ディスプレイ61には真っ黒な画面が表示される。そのあとに非アクティブの解除条件が満たされると、ゲームがアクティブとなり、図3に示すゲーム画面sc2がディスプレイ61に表示される。このとき、ゲームの進行が停止しているため、ユーザの意図しないタイミングでゲームが再開されることが抑制される。
【0073】
図3に示すゲーム画面sc2では、第2状態のゲーム空間における効果が、ゲーム画面に反映されている。具体的には、非対象キャラクタ642が、図2に示したゲーム画面sc1では起きていたのに対して、図3に示すゲーム画面sc2では寝ている。また、ユーザは、ゲーム画面sc2に表示されている一時停止画像650により、ゲームの進行が停止していることを確認できる。
【0074】
ゲーム画面sc2がディスプレイ61に表示されているときに停止解除条件が満たされると、第2状態でゲームが再開される。このとき、ディスプレイ61には、例えば、図4に示すゲーム画面sc3が表示される。
【0075】
図3に示すゲーム画面sc3がディスプレイ61に表示されると、ユーザの操作に基づく入力に応じたゲームが実行される。例えば、パズルピース612を選択する操作などに基づいて、パズルピース612を消されたり、ゲージ620にポイントが加算されたりする。
【0076】
また、第2状態でゲームが再開されてから復帰時間が経過すると、非対象キャラクタ642に対する効果は、第2状態における効果から第1状態における効果に復帰する。例えば、寝ている非対象キャラクタ642が、図2に示したゲーム画面sc2に示す非対象キャラクタ640のように起きてもよい。
【0077】
<ゲーム装置の動作の流れ>
図5は、本実施形態に係るゲーム装置5がゲームを実行する流れの一例を示すフローチャートである。
【0078】
まず、ゲーム実行手段562は、第1状態でゲームを実行する(ステップst101)。
【0079】
次いで、非アクティブ手段565は、非アクティブ操作が行われたか否かを判定する(ステップst103)。非アクティブ操作が行われていないことが非アクティブ手段565により判定された場合(ステップst103:NO)、ステップst101に戻る。一方、非アクティブ操作が行われたことが非アクティブ手段565により判定された場合(ステップst103:YES)、ステップst105に進む。
【0080】
ステップst103においてYESと判定されると、非アクティブ手段565は、ゲームを非アクティブにする(ステップst105)。次いで、ゲーム実行手段562は、非アクティブタイマのカウントを開始する(ステップst107)。これにより、ゲームが非アクティブ時間の計測が開始される。
【0081】
次いで、アクティブ手段566は、非アクティブの解除条件が満たされたか否かを判定する(ステップst109)。例えば、アクティブ手段566は、非アクティブ操作が行われた場合には、非アクティブの解除条件が満たされたことを判定してよい。また、アクティブ手段566は、非アクティブ操作が行われていない場合には、非アクティブの解除条件が満たされていないことを判定してよい。非アクティブの解除条件が満たされていないことがアクティブ手段566により判定された場合(ステップst109:NO)、ステップst109の処理が再度行われる。一方、非アクティブの解除条件が満たされたことがアクティブ手段566により判定された場合(ステップst109:YES)、ステップst111に進む。
【0082】
ステップst109においてYESと判定されると、ゲーム実行手段562は、非アクティブ時間の長さに応じた第2状態を特定する(ステップst111)。具体的には、ゲーム実行手段562は、ステップst107においてカウントを開始した非アクティブタイマの時間に基づいて、第2状態のゲーム空間における効果を特定する。
【0083】
次いで、アクティブ手段566は、ゲームの進行が停止した状態でゲームをアクティブにする(ステップst113)。このとき、表示制御手段563は、ステップst111において特定された第2状態のゲーム空間における効果がゲーム空間において反映されるように、ゲーム画面をディスプレイ61に表示させてよい。
【0084】
次いで、再開手段568は、停止解除条件が満たされたか否かを判定する(ステップst115)。例えば、再開手段568は、再開操作が行われた場合には、停止解除条件が満たされたことを判定してよい。また、再開手段568は、再開操作が行われていない場合には、停止解除条件が満たされていないことを判定してよい。停止解除条件が満たされていないことが再開手段568により判定された場合(ステップst115:NO)、ステップst115の処理が再度行われる。一方、停止解除条件が満たされたことが再開手段568により判定された場合(ステップst115:YES)、ステップst117に進む。
【0085】
ステップst115においてYESと判定されると、第2状態でゲームを再開させる(ステップst117)。これに応じて、ゲーム実行手段562は、第2状態でゲームを実行する。
【0086】
次いで、ゲーム実行手段562は、復帰タイマのカウントを開始する(ステップst119)。これにより、第2状態でゲームが実行されている時間の計測が開始される。次いで、ゲーム実行手段562は、第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達したか否かを判定する(ステップst121)。具体的には、ゲーム実行手段562は、ステップst119においてカウントを開始した復帰タイマの時間に基づいて、第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達したか否かを判定する。第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達していないことがゲーム実行手段562により判定された場合(ステップst121:NO)、ステップst121の処理が再度行われる。一方、第2状態でゲームを実行している時間が復帰時間に達したことがゲーム実行手段562により判定された場合(ステップst121:YES)、ステップst123に進む。
【0087】
ステップst121においてYESと判定されると、ゲーム実行手段562は、ゲームの状態を第2状態から第1状態に復帰させてゲームを実行する(ステップst123)。
【0088】
次に、ゲームが非アクティブにならず、ゲームがアクティブであるときにゲームの進行が停止した状態となり、そのあと停止解除条件が満たされる場合の処理例を、図6を参照して説明する。図6は、ゲーム装置5がゲームを実行する流れの一例を示すフローチャートである。
【0089】
まず、ゲーム実行手段562は、第1状態でゲームを実行する(ステップst201)。次いで、停止手段567は、停止操作が行われたか否かを判定する(ステップst203)。停止操作が行われていないことが停止手段567により判定された場合(ステップst203:NO)、ステップst201に戻る。一方、停止操作が行われたことが停止手段567により判定された場合(ステップst203:YES)、ステップst205に進む。ステップst203においてYESと判定されると、停止手段567は、ゲームの進行を停止させる(ステップst205)。
【0090】
次いで、再開手段568は、停止解除条件が満たされたか否かを判定する(ステップst207)。停止解除条件が満たされていないことが再開手段568により判定された場合(ステップst207:NO)、ステップst207の処理が再度行われる。一方、停止解除条件が満たされたことが再開手段568により判定された場合(ステップst207:YES)、ステップst209に進む。
【0091】
ステップst207においてYESと判定されると、再開手段568は、第1状態でゲームを再開させる(ステップst209)。これに応じて、ゲーム実行手段562は、第1状態でゲームを実行する。このように、変形例では、ゲームが非アクティブとならずに単にゲームの進行が停止しただけでは、ゲームの状態が第1状態に維持されたままゲームが再開される。
【0092】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、ゲーム装置5(コンピュータ)を、ゲームを実行するゲーム実行手段562と、第1状態でゲームが実行されているときに、ゲームを非アクティブにする非アクティブ手段565と、非アクティブの解除条件が満たされたことに応じて、ゲームの進行が停止した状態でゲームをアクティブにするアクティブ手段566と、停止解除条件が満たされたことに応じて、第1状態とは異なる第2状態でゲームを再開させる再開手段568と、として機能させるものであり、ゲーム実行手段562は、第2状態でゲームを実行しているときに、ユーザの操作に基づく入力に応じたゲームを実行し、第2状態でゲームが実行されているときのゲームが実行されるゲーム空間における効果は、第1状態のゲーム空間における効果とは異なる。
【0093】
<効果>
本実施形態によれば、プレイが再開される際におけるゲームの興趣性を高めることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、第1状態と第2状態とでは、ゲーム空間における効果が異なる。具体的には、ゲームが非アクティブになる前では非対象キャラクタが起きているのに対して、ゲームが再開される際には非対象キャラクタが眠そうにしていたり寝ていたりする。このため、ユーザは、ゲーム空間に現実味を感じることができ、非対象キャラクタに愛着を持つことができると期待できる。
【0095】
また、本実施形態によれば、非アクティブの解除条件が満たされてゲームの進行が停止した状態であるときに、第2状態のゲーム空間における効果が、ゲーム画面において視認可能に反映されている。このため、ユーザは、ゲームの進行が停止した状態で第2状態のゲーム空間における効果(非対象キャラクタが寝ている状態など)を楽しむことができる。
【0096】
また、本実施形態では、第1状態と第2状態とで異なる効果は、ユーザの操作対象とは異なるゲーム空間に対する効果である。このため、ユーザは、ゲームのプレイを再開する際に、操作対象を違和感なく操作することができる。
【0097】
[他の実施形態]
上記実施形態では、第1状態と第2状態とでは非対象キャラクタに対する効果が異なる例を説明した。これに限らず、第1状態と第2状態とでは、操作対象とは異なる各種の演出に対する効果が異なってもよい。
【0098】
また、第1状態と第2状態とで異なる効果は、ユーザの操作対象に対する効果であってよい。その場合には、第1状態と第2状態とで異なる効果は、ユーザの操作に応じたゲームの実行に影響しないように、ユーザの操作対象に付与される効果を含んでよい。例えば、第1状態と第2状態とでは、プレイヤキャラクタの見た目(例えば、服装など)など、ユーザの操作に応じたゲームの実行に影響を与えない効果が操作対象に付与されてよい。例えば、非アクティブ時間の長さが5分程度である場合には、第1状態では兜をかぶっていたプレイヤキャラクタが、第2状態では兜を外していてよい。これにより、プレイヤキャラクタが一休みしていたイメージをユーザに与えることができる。あるいは、非アクティブ時間の長さが6時間程度である場合には、第1状態では戦士の格好をしていたプレイヤキャラクタが、第2状態ではパジャマの格好をしていてよい。
【0099】
ゲームがアクションゲームである場合には、第1状態と第2状態とでプレイヤキャラクタの動作に影響を与える効果がプレイヤキャラクタに付与されると、ユーザにとって不都合が生じる場合がある。例えば、第1状態で起きていて操作可能であったプレイヤキャラクタが第2状態では寝ていて操作不能であると、ユーザにとって不都合が生じる。このため、ユーザの操作に応じたゲームの実行に影響を与えないように、操作対象に対して効果が付与されることが好ましい。
【0100】
上記実施形態では、主に、第1状態と第2状態とで異なる効果がゲームの進行に影響を与えない例を説明した。これに限らず、第1状態と第2状態とで異なる効果は、ゲームの進行に影響を与えてよい。具体的には、第1状態と第2状態とで異なる効果は、ゲームの進行に関わるパラメータを含んでよい。パラメータは、例えば、プレイヤキャラクタあるいは敵キャラクタの能力値(例えば、戦闘能力を示す値など)またはゲームの難易度などであってよい。例えば、第1状態と第2状態とでは、非アクティブ時間の長さに応じて、プレイヤキャラクタの攻撃力が変化してよい。例えば、非アクティブ時間の長さが長いほど、第2状態では第1状態と比べて、プレイヤキャラクタの攻撃力が低くなってよい。これにより、ユーザに早期にゲームを再開するよう動機づけることができる。
【0101】
また、パラメータは、ゲーム空間の設定であってよく、具体的には、ゲーム空間の環境に影響を与える設定であってよい。ゲーム空間の設定は、例えば、ゲーム空間に存在するオブジェクト(例えば、山および川など)の状態(噴火していない状態または噴火している状態など)であってよい。例えば、非アクティブ時間の長さが所定の長さを超えた場合には、第1状態では噴火していなかった火山が第2状態では噴火してよい。
【0102】
なお、上述したパラメータが第1状態と第2状態とで異なる場合には、ゲームの難易度に影響が生じる場合がある。このため、上述したパラメータは、第1状態と第2状態とでは異ならない方が好ましい場合がある。
【0103】
また、上記実施形態では、第1状態と第2状態とで異なる効果は、主に、ゲーム画面において視認可能に反映される例を説明した。これに限らず、第1状態と第2状態とで異なる効果は、ゲーム音声に反映されてもよく、例えば、非対象キャラクタのゲーム音声に付与される効果であってよい。例えば、第1状態では黙っていた非対象キャラクタが、第2状態で再開される際に「おかえりなさい。」などと話してよい。あるいは、第1状態と第2状態とで異なる効果は、BGMに対する効果(音楽の種類または音量など)であってよく、第1状態と第2状態とではBGMが異なってよい。
【0104】
また、上記実施形態では、非アクティブ条件が所定の非アクティブ操作が行われることである例について説明した。非アクティブ条件はこれに限定されるものではなく、例えば、非アクティブ条件は、ゲーム装置5の操作が所定時間行われなかったことであってもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、ゲームが非アクティブになるとディスプレイ61に真っ暗な画面が表示されるものとして説明した。これに限らず、ゲームが非アクティブになったときに、ディスプレイ61には各種の画面が表示されてよく、例えばゲーム装置5のホーム画面などが表示されてよい。このとき、ゲームが非アクティブであるときに、ゲームプログラムはバックグラウンドで動作してよい。
【0106】
また、上記実施形態では、第2状態は、非アクティブ時間の長さに応じて複数の効果から第2状態のゲーム空間における効果を選択し、選択した効果によって特定される例を説明した。非アクティブ時間に応じた第2状態の特定方法はこれに限定されるものではない。例えば、第2状態のゲーム空間における効果は、非アクティブ時間の長さに応じて連続的に変化する効果であって良い。
【0107】
また、上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、ゲームがパズルゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0109】
上記実施形態では、ゲーム装置5単体がゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、ゲーム実行手段562、表示制御手段563、音声制御手段564、非アクティブ手段565、アクティブ手段566、停止手段567および再開手段568などが、サーバ装置単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0110】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0111】
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0112】
1・・・ゲームシステム
2・・・サーバ装置(コンピュータ)
5・・・ゲーム装置(コンピュータ)
56・・・制御部
562・・・ゲーム実行手段
563・・・表示制御手段
564・・・音声制御手段
565・・・非アクティブ手段
566・・・アクティブ手段
567・・・停止手段
568・・・再開手段
640,642・・・非対象キャラクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6